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特開2023-11819化膿性汗腺炎の治療のための汎ELR+CXCケモカイン抗体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011819
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】化膿性汗腺炎の治療のための汎ELR+CXCケモカイン抗体
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20230117BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230117BHJP
   C07K 16/18 20060101ALI20230117BHJP
   C07K 16/24 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P17/00 ZNA
A61P29/00
A61K39/395 R
A61K39/395 U
C07K16/18
C07K16/24
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022176098
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2021521030の分割
【原出願日】2019-10-15
(31)【優先権主張番号】62/748,838
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/791,061
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティン・ケイ・キクリー
(72)【発明者】
【氏名】ディーパク・ラティラル・パテル
(72)【発明者】
【氏名】デリック・ライアン・ウィッチャー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】化膿性汗腺炎の治療のためのELR+CXCケモカインに対する抗体の方法および使用を提供する。
【解決手段】化膿性汗腺炎を治療する方法であって、ヒト増殖調節腫瘍遺伝子(「Gro」)-アルファ、ヒトGro-ベータ、ヒトGro-ガンマ、ヒト上皮好中球活性化ペプチド-78、ヒト顆粒球走化性タンパク質-2、ヒト好中球活性化タンパク質-2、およびヒトインターロイキン-8に結合する治療有効量の抗体を、ヒト患者に投与することを含み、前記抗体が、軽鎖相補性決定領域(「LCDR」)LCDR1、LCDR2、LCDR3、および重鎖相補性決定領域(「HCDR」)HCDR1、HCDR2、HCDR3を含み、各々が特定のアミノ酸配列を含む方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化膿性汗腺炎の治療を必要とするヒト患者において化膿性汗腺炎を治療する方法であって、ヒト増殖調節腫瘍遺伝子(「Gro」)-アルファ、ヒトGro-ベータ、ヒトGro-ガンマ、ヒト上皮好中球活性化ペプチド-78、ヒト顆粒球走化性タンパク質-2、ヒト好中球活性化タンパク質-2、およびヒトインターロイキン-8に結合する治療有効量の抗体を前記ヒト患者に投与することを含み、前記抗体が、軽鎖相補性決定領域(「LCDR」)LCDR1、LCDR2、LCDR3、および重鎖相補性決定領域(「HCDR」)HCDR1、HCDR2、HCDR3を含み、LCDR1が配列番号7を含み、LCDR2が配列番号8を含み、LCDR3が配列番号9を含み、HCDR1が配列番号10を含み、HCDR2が配列番号11を含み、HCDR3が配列番号12を含む、方法。
【請求項2】
前記抗体が、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号3のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記抗体が、約100mg~約1000mgの用量で静脈内投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記抗体が、約150mg~約1500mgの用量で皮下投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記抗体が、2週間に1回投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記抗体が、約100mg~約600mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項1~4または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記抗体が、約300mg~約600mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項1~4または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記抗体が、約100mg~約150mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項1~4または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記抗体が、約300mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項1~4または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体が、約600mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項1~4または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記抗体が、前記特定の用量の前に負荷用量で投与される、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記負荷用量が、3週間、毎週静脈内に約600mg~約1000mgである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記抗体が、約150mg~約900mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項1~3、5または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記抗体が、約450mg~約900mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項1~3、5または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記抗体が、約300mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項1~3、5または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記抗体が、約450mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項1~3、5または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記抗体が、約600mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項1~3、5または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記抗体が、約900mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項1~3、5または6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記抗体が、約250mg~約450mgの用量で毎週皮下投与される、請求項1~3または5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記抗体が、前記特定の用量の前に負荷用量で投与される、請求項14~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記負荷用量が、3週間、毎週または3日ごとに皮下に約900mg~約1500mgである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
化膿性汗腺炎の治療における使用のための、ヒト増殖調節腫瘍遺伝子(「Gro」)-アルファ、ヒトGro-ベータ、ヒトGro-ガンマ、ヒト上皮好中球活性化ペプチド-78、ヒト顆粒球走化性タンパク質-2、ヒト好中球活性化タンパク質-2、およびヒトインターロイキン-8に結合する抗体であって、前記抗体が、軽鎖相補性決定領域(「LCDR」)LCDR1、LCDR2、LCDR3および重鎖相補性決定領域(「HCDR」)HCDR1、HCDR2、HCDR3を含み、LCDR1が配列番号7を含み、LCDR2が配列番号8を含み、LCDR3が配列番号9を含み、HCDR1が配列番号10を含み、HCDR2が配列番号11を含み、HCDR3が配列番号12を含む、抗体。
【請求項24】
前記抗体が、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む、請求項23に記載の使用のための抗体。
【請求項25】
前記抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号3のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、請求項23または24に記載の使用のための抗体。
【請求項26】
前記抗体が、約100mg~約1000mgの用量で静脈内投与される、請求項23~25のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項27】
前記抗体が、約150mg~約1500mgの用量で皮下投与される、請求項23~25のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項28】
前記抗体が、2週間に1回投与される、請求項23~27のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項29】
前記抗体が、約100mg~約600mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項23~26または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項30】
前記抗体が、約300mg~約600mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項23~26または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項31】
前記抗体が、約100mg~約150mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項23~26または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項32】
前記抗体が、約300mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項23~26または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項33】
前記抗体が、約600mgの用量で2週間に1回静脈内投与される、請求項23~26または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項34】
前記抗体が、前記特定の用量の前に負荷用量で投与される、請求項29~33のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項35】
前記負荷用量が、3週間、毎週静脈内に約600mg~約1000mgである、請求項34に記載の使用のための抗体。
【請求項36】
前記抗体が、約150mg~約900mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項23~25、27または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項37】
前記抗体が、約450mg~約900mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項23~25、27または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項38】
前記抗体が、約300mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項23~25、27または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項39】
前記抗体が、約450mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項23~25、27または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項40】
前記抗体が、約600mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項23~25、27または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項41】
前記抗体が、約900mgの用量で2週間に1回皮下投与される、請求項23~25、27または28のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項42】
前記抗体が、約250mg~約450mgの用量で毎週皮下投与される、請求項23~25または27のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項43】
前記抗体が、前記特定の用量の前に負荷用量で投与される、請求項36~42のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
【請求項44】
前記負荷用量が、3週間、毎週または3日ごとに皮下に約900mg~約1500mgである、請求項43に記載の使用のための抗体。
【請求項45】
化膿性汗腺炎の治療のための薬剤の製造における、ヒト増殖調節腫瘍遺伝子(「Gro」)-アルファ、ヒトGro-ベータ、ヒトGro-ガンマ、ヒト上皮好中球活性化ペプチド-78、ヒト顆粒球走化性タンパク質-2、ヒト好中球活性化タンパク質-2およびヒトインターロイキン-8に結合する抗体の使用であって、前記抗体が、軽鎖相補性決定領域(「LCDR」)LCDR1、LCDR2、LCDR3および重鎖相補性決定領域(「HCDR」)HCDR1、HCDR2、HCDR3を含み、LCDR1が配列番号7を含み、LCDR2が配列番号8を含み、LCDR3が配列番号9を含み、HCDR1が配列番号10を含み、HCDR2が配列番号11を含み、HCDR3が配列番号12を含む、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化膿性汗腺炎の治療のためのELR+CXCケモカインに対する抗体の方法および使用に関する。本発明はまた、化膿性汗腺炎の治療のためのELR+CXCケモカインに対する抗体の方法および使用のための用量および投薬計画に関する。
【背景技術】
【0002】
ELR+CXCケモカイン(ケモカインファミリーのメンバーはすべて、CXCモチーフのすぐ隣にE-L-Rアミノ酸モチーフを持っているためそう呼ばれる)は、炎症および血管新生の部位への好中球の移動を含む、様々な病因メカニズムにおいて重要な役割を果たす。好中球は、いくつかの急性および慢性の炎症性疾患および自己免疫疾患の病因に関与している。
【0003】
ケモカインは、CXC、CC、(X)C、CX3Cの4つのサブファミリーに分類される。CXCケモカインでは、1つのアミノ酸が最初の2つのシステインを分離する(「CXCモチーフ」)。ELR+CXCケモカインは、ELR+CXCケモカインに特異的に結合するGタンパク質共役型7回膜貫通ドメイン型受容体である、CXCRlおよび/またはCXCR2ケモカイン受容体のリガンドである。7つのヒトELR+CXCケモカインは、ヒト増殖調節腫瘍遺伝子(「Gro」)-アルファ(CXCL1としても知られる)、ヒトGro-ベータ(CXCL2としても知られる)、ヒトGro-ガンマ(CXCL3としても知られる)、ヒトENA-78(CXCL5またはヒト上皮好中球活性化ペプチド-78としても知られる)、ヒトGCP-2(CXCL6またはヒト顆粒球走化性タンパク質-2としても知られる)、ヒトNAP-2(CXCL7またはヒト好中球活性化タンパク質-2としても知られる)、およびヒトIL-8(CXCL8またはヒトインターロイキン-8としても知られている)である。すべてのELR+CXCケモカインはCXCR2受容体に結合し、さらに、一部のELR+CXCケモカインはCXCRl受容体およびCXCR2受容体の両方に結合し(すなわち、CXCL6およびCXCL8)、これらの全ては活性化経路の重複に寄与する。7つすべてのELR+CXCケモカインを中和すると、CXCR1+またはCXCR2+細胞が炎症部位に移動する能力に影響を与える可能性がある。
【0004】
7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合して中和する抗体は、以前に、例えば、WO2014/149733、EP2970447B1、US9,290,570に記載されている。7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合して中和する能力を考えると、これらの抗体は、単一のヒトELR+CXCケモカインを標的とする単剤療法および複数のヒトELR+CXCケモカインを標的とする併用療法よりも優れている。7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合するそのような抗体の1つは、軽鎖相補性決定領域(「LCDR」)LCDR1、LCDR2、LCDR3、および重鎖相補性決定領域(「HCDR」)HCDR1、HCDR2、HCDR3を含むものであり、LCDR1が配列番号7を含み、LCDR2が配列番号8を含み、LCDR3が配列番号9を含み、HCDR1が配列番号10を含み、HCDR2が配列番号11を含み、およびHCDR3が配列番号12を含む、抗体1である。抗体1は、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む。抗体1は、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号3のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む。抗体1は、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに共通のエピトープに結合し、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインの活性を中和することが示された。7つすべてのELR+CXCケモカインに結合することにより、CXCR1経路およびCXCR2経路の両方がブロックされ得、好中球の輸送がより効果的に阻害され得る。
【0005】
化膿性汗腺炎(HS)は、実質的な併存疾患および生活の質の低下に関連する慢性の再発性炎症性疾患である。HSは最初、柔らかい皮下結節として現れる。これらの病変は、自然に破裂または融合して深部真皮の有痛性膿瘍を形成することがあり、しばしば膿性の排液を滲出する。炎症性膿瘍は最終的に治癒し、線維症、皮膚拘縮、および皮膚の硬結を引き起こす。HSは通常、思春期後に発生し、平均発症年齢は生後20年または30年であり、女性はこの病気を発症する可能性が高い。
【0006】
現在、HS病変は毛包の詰まりから始まり、おそらく毛包脂腺単位の閉塞と拡張を引き起こし、その後破裂すると考えられている(Alikhan et al.,Hidradenitis suppurativa:a comprehensive review.J Am Acad Dermatol2009;60(4):539-561)。毛包内容物(主に、角質細胞、細菌、皮脂生成物、および真皮の毛髪からなる)の噴出は、走化性炎症反応を引き起こす。結果として生じる好中球、リンパ球、および組織球の流入は、膿瘍の形成につながる。
【0007】
HSに対して均一に効果的な単一療法はなく、その結果、多数の治療法が採用されている。これらには、抗生物質、レチノイド、ホルモン、免疫抑制剤および抗炎症剤、神経毒、放射線療法、ならびに手術が含まれる。腫瘍壊死因子阻害剤であるアダリムマブは、2015年にHSの治療薬として承認された。ただし、多くのHS患者はアダリムマブに反応しない。HSを治療するための効果的な治療法について実質的に満たされていない医学的必要性が残っている。
【0008】
さらに、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合して中和する抗体の、ヒト患者における安全で、忍容で、効果的な使用の先行する記述はない。
【発明の概要】
【0009】
7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物の治療有効量をヒト患者に投与することによって、化膿性汗腺炎の治療を必要とするヒト患者において化膿性汗腺炎を治療する方法が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、化膿性汗腺炎の治療を必要とするヒト患者において化膿性汗腺炎を治療する方法であって、ヒト増殖調節腫瘍遺伝子(「Gro」)-アルファ、ヒトGro-ベータ、ヒトGro-ガンマ、ヒト上皮好中球活性化ペプチド-78、ヒト顆粒球走化性タンパク質-2、ヒト好中球活性化タンパク質-2、およびヒトインターロイキン-8に結合する抗体またはそのような抗体を含む医薬組成物の治療有効量をヒト患者に投与することを含み、抗体が軽鎖相補性決定領域(「LCDR」)LCDR1、LCDR2、LCDR3、および重鎖相補性決定領域(「HCDR」)HCDR1、HCDR2、HCDR3を含むものであり、LCDR1が配列番号7を含み、LCDR2が配列番号8を含み、LCDR3が配列番号9を含み、HCDR1が配列番号10を含み、HCDR2が配列番号11を含み、およびHCDR3が配列番号12を含む、方法が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号3のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
また、化膿性汗腺炎の治療に使用するための、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、化膿性汗腺炎の治療において使用するための、ヒト増殖調節腫瘍遺伝子(「Gro」)-アルファ、ヒトGro-ベータ、ヒトGro-ガンマ、ヒト上皮好中球活性化ペプチド-78、ヒト顆粒球走化性タンパク質-2、ヒト好中球活性化タンパク質-2、およびヒトインターロイキン-8に結合する抗体であって、抗体が、軽鎖相補性決定領域(「LCDR」)LCDR1、LCDR2、LCDR3および重鎖相補性決定領域(「HCDR」)HCDR1、HCDR2、HCDR3を含むものであり、LCDR1が配列番号7を含み、LCDR2が配列番号8を含み、LCDR3が配列番号9を含み、HCDR1が配列番号10を含み、HCDR2が配列番号11を含み、およびHCDR3が配列番号12を含む、抗体、またはそのような抗体を含む医薬組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号3のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む。
【0011】
また、化膿性汗腺炎の治療のための薬剤の製造における、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1の使用が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、化膿性汗腺炎の治療のための薬剤の製造における、ヒト増殖調節腫瘍遺伝子(「Gro」)-アルファ、ヒトGro-ベータ、ヒトGro-ガンマ、ヒト上皮好中球活性化ペプチド-78、ヒト顆粒球走化性タンパク質-2、ヒト好中球活性化タンパク質-2、およびヒトインターロイキン-8に結合する抗体の使用であって、軽鎖相補性決定領域(「LCDR」)LCDR1、LCDR2、LCDR3および重鎖相補性決定領域(「HCDR」)HCDR1、HCDR2、HCDR3を含むものであり、LCDR1が配列番号7を含み、LCDR2が配列番号8を含み、LCDR3が配列番号9を含み、HCDR1が配列番号10を含み、HCDR2が配列番号11を含み、およびHCDR3が配列番号12を含む、抗体の使用が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号3のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、静脈内投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、皮下投与される。
【0013】
以下に説明するように、抗体1の終末半減期(t1/2)は約2週間と推定されている。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、2週間に1回投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、毎週投与される。
【0014】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約100mg~約1000mg(例えば、約100mg~約1000mg、約150mg~約900mg、約200mg~約800mg、約250mg~約700mg、約300mg~約600mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg)の用量で静脈内投与される。
【0015】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約100mg~約600mg(例えば、約100mg~約600mg、約200mg~約600mg、約300mg~約600mg、約400mg~約600mg、約500mg~約600mg、約100mg~約500mg、約200mg~約500mg、約300mg~約500mg、約400mg~約500mg、約100mg~約400mg、約200mg~約400mg、約300mg~約400mg、約100mg~約300mg、約200mg~約300mg、約100mg~約200mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg)の用量で静脈内投与される。
【0016】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約100mg~約600mg(例えば、約100mg~約600mg、約200mg~約600mg、約300mg~約600mg、約400mg~約600mg、約500mg~約600mg、約100mg~約500mg、約200mg~約500mg、約300mg~約500mg、約400mg~約500mg、約100mg~約400mg、約200mg~約400mg、約300mg~約400mg、約100mg~約300mg、約200mg~約300mg、約100mg~約200mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg)の用量で2週間に1回静脈内投与される。
【0017】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約600mg~約1000mg(例えば、約600mg~約1000mg、約650mg~約950mg、約700mg~約900mg、約750mg~約850mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約100mg)の用量で2週間に1回静脈内投与される。
【0018】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約200mg~約600mg(例えば、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg)の用量で2週間に1回静脈内投与される。
【0019】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約300mg~約600mg(例えば、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg))の用量で2週間に1回静脈内投与される。
【0020】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約100mg~約150mgの用量で2週間に1回静脈内投与される。
【0021】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約300mgの用量で2週間に1回静脈内投与される。
【0022】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約600mgの用量で2週間に1回静脈内投与される。
【0023】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、特定の静脈内用量の前に負荷用量で投与される。例えば、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)、より短い投薬間隔(例えば、毎週)を伴う高静脈内用量(例えば、約600mg~約1000mg)であり得る。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)、毎週静脈内に600mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)、毎週静脈内に700mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)、毎週静脈内に800mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)、毎週静脈内に900mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)、毎週静脈内に1000mgである。
【0024】
以下に示すように、抗体1の皮下注射のバイオアベイラビリティは、抗体1の静脈内注射の約65%であると推定される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約150mg~約1500mg(例えば、約150mg~約1500mg、約200mg~約1400mg、約250mg~約1300mg、約300mg~約1200mg、約350mg~約1100mg、約400mg~約1000mg、約450mg~約900mg、約600mg~約900mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg)の用量で皮下投与される。
【0025】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約150mg~約900mg(例えば、約150mg~約900mg、約300mg~約900mg、約450mg~約900mg、約600mg~約900mg、約750mg~約900mg、約150mg~約750mg、約300mg~約750mg、約450mg~約750mg、約600mg~約750mg、約150mg~約600mg、約300mg~約600mg、約450mg~約600mg、約150mg~約450mg、約300mg~約450mg、約150mg~約300mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg)の用量で皮下投与される。
【0026】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約150mg~約900mg(例えば、約150mg~約900mg、約300mg~約900mg、約450mg~約900mg、約600mg~約900mg、約750mg~約900mg、約150mg~約750mg、約300mg~約750mg、約450mg~約750mg、約600mg~約750mg、約150mg~約600mg、約300mg~約600mg、約450mg~約600mg、約150mg~約450mg、約300mg~約450mg、約150mg~約300mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg)の用量で2週間に1回皮下投与される。
【0027】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約900mg~約1500mg(例えば、約900mg~約1500mg、約1000mg~約1400mg、約1100mg~約1300mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg)の用量で2週間に1回皮下投与される。
【0028】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約300mg~約900mg(例えば、約300mg、350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg)の用量で2週間に1回皮下投与される。
【0029】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約450mg~約900mg(例えば、約450mg、500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg)の用量で2週間に1回皮下投与される。
【0030】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約300mgの用量で2週間に1回皮下投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約450mgの用量で2週間に1回皮下投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約600mgの用量で2週間に1回皮下投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約900mgの用量で2週間に1回皮下投与される。
【0031】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約150mg~約600mg(例えば、約150mg~約600mg、約200mg~約500mg、約250mg~約450mg、約300mg~約450mg、約350mg~約450mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg)の用量で毎週皮下投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約250mg~約450mgの用量で毎週皮下投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約250mgの用量で毎週皮下投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約300mgの用量で毎週皮下投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約350mgの用量で毎週皮下投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約400mgの用量で毎週皮下投与される。いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、約450mgの用量で毎週皮下投与される。
【0032】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、特定の皮下用量の前に負荷用量で投与される。例えば、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、より短い投薬間隔(例えば、毎週または3日ごと)での高皮下用量(例えば、約900mg~約1500mg)であり得る。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、毎週皮下に900mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、毎週皮下に1000mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、毎週皮下に1100mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、毎週皮下に1200mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、毎週皮下に1300mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、毎週皮下に1400mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、毎週皮下に1500mgである。
【0033】
いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、3日ごとに皮下に900mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、3日ごとに皮下に1000mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、3日ごとに皮下に1100mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、3日ごとに皮下に1200mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、3日ごとに皮下に1300mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、3日ごとに皮下に1400mgである。いくつかの実施形態において、負荷用量は、数週間(例えば、2、3、または4週間)~数ヶ月(例えば、1、2、または3ヶ月)の間、3日ごとに皮下に1500mgである。皮下負荷用量は、単回注射または数回の別々の注射(例えば、2回、3回、または4回の注射)で達成し得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに結合する抗体、例えば、抗体1、またはそのような抗体を含む医薬組成物は、特定の用量の前に負荷用量なしで投与される。
【0035】
本明細書で使用される場合、「ヒトELR+CXCケモカイン」という用語は、ELRモチーフを有し、かつCXCRlおよび/またはCXCR2受容体に結合する7つの既知のCXCケモカインを指す。ヒトELR+CXCケモカインは、ヒトGro-アルファ(CXCL1としても知られる)(配列番号13)、ヒトGro-ベータ(CXCL2としても知られる)(配列番号14)、ヒトGro-ガンマ(CXCL3としても知られる)(配列番号15)、ヒトENA-78(CXCL5としても知られる)(配列番号16)、ヒトGCP-2(CXCL6としても知られる)(配列番号17)、ヒトNAP-2(CXCL7としても知られる)(配列番号18)、およびヒトIL-8(CXCL8としても知られる)(配列番号19)である。総称して、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインは、本明細書では「ヒト汎ELR+CXCケモカイン」と呼ばれる。
【0036】
本明細書で使用される「抗体」という用語は、ジスルフィド結合によって相互連結された4つのポリペプチド鎖、2つの重鎖(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含むモノクローナル免疫グロブリン分子を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(HCVR)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、CH1、CH2、およびCH3の3つのドメインを含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(LCVR)および軽鎖定常領域であるCLからなる。HCVR領域およびLCVR領域は、フレームワーク領域(「FR」)と呼ばれるより保存されている領域とともに点在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域にさらに細分され得る。各HCVRおよびLCVRは、以下のFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順でアミノ末端からカルボキシ末端へと配置している3つのCDRおよび4つのFRからなる。HCVRのCDR領域は、HCDRl、HCDR2、およびHCDR3と呼ばれる。LCVRのCDR領域は、LCDRl、LCDR2、およびLCDR3と呼ばれる。CDRは、抗原との特異的相互作用を形成する残基の大部分を含む。現在、配列表示に使用される抗体のための3つのCDR帰属(assignment)システムがある。KabatのCDR定義(Kabat et al.,“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))は、抗体配列変異性に基づく。Chothia CDRの定義(Chothia et al.,“Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,196,901-917(1987)、Al-Lazikani et al.,“Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,273,927-948(1997))は、抗体の3次元構造およびCDRループのトポロジーに基づく。Chothia CDRの定義は、HCDRlおよびHCDR2を除いて、Kabat CDRの定義と同一である。本発明の目的のために、KabatおよびChothia定義のハイブリッドが使用され、CDRを定義する。HCVRおよびLCVR領域でのアミノ酸の割り当ては、Kabatの番号付け規則に従っている。「抗体」という用語は、これらに限定されないが、アシル化およびグリコシル化を含む抗体に対する細胞の翻訳後修飾を包含することがさらに理解される。
【0037】
本明細書で使用される場合、「セプタム特異的抗体」という用語は、7つすべてのヒトELR+CXCケモカインに、高い親和性で(例えば、約5×10-11M~約1×10-9Mの範囲の結合親和性(K)で)結合する抗体を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、「患者」は、ヒトELR+CXCケモカインのレベルの低下またはヒトELR+CXCケモカインによって誘発される生物活性の低下から利益を得る疾患、障害、または状態を有するヒトを指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療すること」は、本明細書に記載される障害の進行の遅延、制御、または停止し得る全てのプロセスを指すことを指すが、必ずしも全ての障害の症状の完全な消失を示すわけではない。治療は、患者、特にヒトの疾患または状態を治療するための本発明の抗体の投与を含む。
【実施例0040】
健康な被験者における抗体1の安全性、忍容性、薬物動態、および薬力学を評価するための単回漸増用量試験(NCT02148627)
この研究の主な目的は、さらなる臨床研究のための適切な用量範囲を定義するために、日本人被験者を含む健康な被験者における抗体1の単回投薬の安全性および忍容性を調査することである。この目的のエンドポイントは、SAE(重篤な有害事象)およびTEAE(治療に起因する有害事象)の発生率である。この研究の第2の目的は、日本人被験者を含む健康な被験者における抗体1の単回投薬の皮下(SC)投与後のバイオアベイラビリティの推定を含む、抗体1の薬物動態(PK)を特徴づけることである。エンドポイントは、Cmax(観察された最大薬物濃度)、tmax(Cmaxに達するまでの時間)、AUC(定常状態での投薬間隔中の濃度-時間曲線下面積)、および抗薬物抗体の存在を含む。
【0041】
この研究では、抗体1は、10mg、30mg、100mg、200mg、400mg、または700mgの用量の抗体1がゆっくりと静脈内(IV)注入で投与された単回漸増用量研究で39人の健康な被験者に投与され、または、100mgの用量の抗体1をSC注射によって投与され、バイオアベイラビリティを評価した。さらに、好中球の走化性および蓄積を評価するために、10mg、30mg、100mg、200mg、および400mgの抗体1をIV投薬された被験者に皮膚水疱が誘発された。
【0042】
死亡または重篤な有害事象(SAE)は報告されていない。報告された有害事象(AE)は、有害事象の共通用語基準(CTCAE)を使用して等級分けされた。治験責任医師が治験薬とは無関係であると見なしたグレード2の事象を報告した1人の被験者を除いて、報告されたすべてのAEはグレード1であった。
【0043】
血液学(末梢血好中球数を含む)または尿検査に臨床的に有意な変化はなかった。
【0044】
バイタルサインまたは心電図(ECG)に臨床的に有意な変化はなかった。
【0045】
抗体1は、試験した用量範囲において、約2週間の推定最終半減期(t1/2)で線形PKを示した。抗体1のSC注射の推定バイオアベイラビリティは、IV注射の約65%である。
【0046】
予備的な薬力学的(PD)評価は、水疱液に存在する好中球の割合に焦点が合わせられた。好中球のデータは非常に変動したが、水疱液中の好中球の用量依存的な減少の傾向が観察された。
【0047】
皮膚病を有する患者における抗体1の安全性、忍容性、および薬物動態を評価するための複数回投薬、用量漸増試験(NCT02896868)
主な目的は、皮膚疾患、例えば化膿性汗腺炎を有する患者における抗体1の複数回の静脈内投薬の安全性と忍容性を評価することである。この目的のエンドポイントは、SAE(重篤な有害事象)およびTEAE(治療に起因する有害事象)の発生率である。
【0048】
第2の目的は、皮膚疾患、例えばHSを有する患者においてIV投与した後の抗体1のPKパラメーターを推定すること、および、抗薬物抗体の潜在的な開発と、抗体1の安全性とPKに対するそれらの影響を評価することである。エンドポイントは、Cmax(観察された最大薬物濃度)、tmax(Cmaxに達するまでの時間)、AUC(定常状態での投薬間隔中の濃度-時間曲線下面積)、および抗薬物抗体の存在を含む。
【0049】
調査目的は、皮膚科学的状態およびその他のPD測定値(例えば、臨床評価スコア)についての適切な臨床エンドポイントについて用量反応関係および曝露反応関係を調査することである。エンドポイントは、HiSCR、膿瘍および炎症性結節数、修正縫工筋スコア、HS-PGAスコア、および患者の皮膚痛のグローバル評価(数値評価スケールによる)を含む。
【0050】
これは、皮膚疾患、例えばHSを有する患者における、多施設共同、無作為化、プラセボ対照複数回漸増用量試験である。患者および治験責任医師は、治療を研究することを知らされていない。スクリーニングは、抗体1の初回投薬の28日前までに行った。
【0051】
研究に参加している患者は、治験責任医師の裁量で、注入の完了後、最低30分、またはそれ以上の期間にわたってゆっくりとしたIV注入を受ける。抗体1またはプラセボは2週間ごと(Q2W)に合計4用量投与される。抗体1のt1/2は約2週間であるため、Q2W投薬頻度が選択されている。HS患者の用量レベルは300mgおよび600mgの抗体1であり、これらはNCT02148627研究に基づいて選択されている。
【0052】
PK分析用のサンプルは、各注入の前、最初の注入の終了時、および最終投薬後12週間採取される。臨床検査の安全性試験、バイタルサイン、およびECGは、投薬期間中、および最終投薬後12週間にわたって評価される。免疫原性(抗薬物抗体)は複数の時点で評価され、最終サンプルは治験薬の最後の注入から12週間後に採取される。
【0053】
研究登録のための患者の適格性は、病歴、身体検査(体重、身長、および体温を含む)、バイタルサイン、臨床検査、およびECGのスクリーニングの結果に基づいている。
【0054】
身体検査の時点で存在するあらゆる状態の性質、およびあらゆる既存の状態または関連する病歴が文書化される。
【0055】
スクリーニングは、登録の28日前までに行い得る。スクリーニングから28日以内に登録されていない患者は、適格性を確認するために追加の医学的評価および/または臨床測定を受ける場合がある。一部の検査は、治験責任医師の裁量で繰り返され得、「再スクリーニング」を構成するものではない。
【0056】
患者は、スクリーニングおよび/または登録時に以下の基準をすべて満たす場合にのみ、研究に含める資格がある。
[1]慢性化膿性汗腺炎を患っており、ベースラインの少なくとも1年前にHSと診断されており、以前に抗生物質療法を受けており、以下の基準を満たしている:
・少なくとも2つの異なる解剖学的領域にHS病変の存在を有し、そのうちの1つは少なくともHurleyステージIIまたはHurleyステージIIIでなければならない
・訪問2で少なくとも3つの膿瘍および/または結節を伴う少なくとも中程度の重症度の医師グローバルアセスメント(HS-PGA)スコアの化膿性汗腺炎を有し
・HSの治療のための経口抗生物質に対する不十分な反応を経験した
[2]18歳以上である
・男性患者:効果的な避妊法の使用に同意し、研究期間中および抗体1の最終投薬後3か月間は精子を提供してはいけない
・女性患者:出産の可能性のない女性が参加し得、不妊症のまたは閉経後の女性を含む
・女性患者:尿妊娠検査に基づいて各治療投薬の前に妊娠が陰性である妊娠可能な女性が参加し得る彼らは、研究中および抗体1の最終投薬後3か月間、1つの非常に効果的な避妊法または2つの効果的な避妊法の組み合わせを使用することに同意する必要がある。
[3]スクリーニング時、最低体重の50kgがある
[4]プロトコルに従って、抗体1の採血と投与を可能にするのに十分な静脈アクセスがある
[5]信頼性でき、研究期間中自身の都合をつける意思があり、研究手順に従う意思がある
[6]署名されたインフォームドコンセントを提供することができ、その意思がある
[7]スクリーニング時を含め、適切な臓器機能を有する:
・血液学:絶対好中球数≧1.8×10/L、血小板数≧100×10/L、ヘモグロビンレベル≧10.0g/dL、絶対リンパ球数>0.8×10/L(患者≧60歳)または1.0×10/L(患者≦59歳)、および総白血球数≧3.6×10/L
・肝臓:ビリルビンレベル≦1.5×ULN(正常上限)およびアルカリホスファターゼ(ALP)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)≦1.5×ULN
・腎臓:血清クレアチニンレベル≦1.5×ULN。
除外基準は次含む:
・研究1日目(訪問2)の14日以内、HS関連の痛みのための経口オピオイドを受けた、または研究中にこれらを服用することが予想される
・25以上の排液瘻が存在する
・抗体1の初回投薬前の過去4週間にHSの外科的治療を受けた
・本研究に直接関係する研究現場の職員またはその近親者である近親者とは、配偶者、生物学的または法定後見人、子供、または兄弟と定義される。
・業員の除外を必要とする調査に関与するスポンサーの従業員および提携パートナーである
・現在、治験責任医師製品(IP)に関与する臨床試験、またはこの研究と科学的または医学的に適合しないと判断される治験薬またはその他のタイプの医学研究を含む臨床試験に登録されている
・過去30日以内(訪問2)にIPに関与する臨床試験に参加した。以前のIPが7日の半減期を有している場合は、3か月、または5半減期(どちらか長い方)を経過していなくてはならない
・以前にこの研究または抗体1を調査している他の研究を完了または中止し、以前に抗体1を受けたことがある。
・抗体1、関連化合物、または製剤の任意の成分に対する既知のアレルギー、または重大なアトピーの病歴がある
・12誘導ECGに異常があり、治験責任医師の見解では、研究への参加に関連するリスクが増加している
・治験責任医師による判断で、血圧が異常である。
・薬物の吸収、代謝、または排泄を著しく変化させる、IPを取るときにリスクを構成する、またはデータの解釈を妨げる可能性のある、心臓血管、呼吸器、肝臓、腎臓、胃腸、内分泌、血液、または神経の障害の重要な病歴または現在の障害がある
・重大な神経精神障害(これらに限定されないが自殺念慮、自殺未遂、双極性障害、および長期のうつ病を含む)の過去の病歴または臨床的に重大な進行中の神経精神障害がある。
・既知の乱用薬物を定期的に使用する、および/または尿中薬物スクリーニングで陽性所見を示す
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の証拠および/または陽性のヒトHIV抗体を示す
・C型肝炎の証拠および/またはC型肝炎抗体陽性を示す
・B型肝炎の証拠を示す:B型肝炎コア抗体(HBcAb+)について陽性および/またはB型肝炎表面抗原陽性
・ベースライン前の28日以内に全身(経口を含む)抗生物質または抗感染症治療を受けた
・治験責任医師の裁量で、スクリーニングから28日以内に重大な感染がある、または初回投薬前14日以内に活動性感染の証拠がある
・治験責任医師の見解で、敗血症のリスクがある
・授乳中の女性である
・前の月(スクリーニング訪問時)に500mL以上の献血を行った
・週あたり21単位(65歳までの男性患者)および週あたり14単位(65歳以上の男性患者および女性患者)を超える週平均アルコール摂取量があり、1ユニット=ビール12オンスまたは360mL、ワイン5オンスまたは150mL、蒸留酒1.5オンスまたは45mLである
・スクリーニングの3ヶ月以内に症候性帯状疱疹があった
・病歴および検査、胸部X線(前後および側面)、および結核検査:48~72時間で<5mmの皮膚硬結として定義される陰性のツベルクリン皮膚検査、または陰性(不確定ではない)のQuantiFERON(登録商標)-TB Gold検査、によって文書化された、活動性または潜在性結核(TB)の証拠を示す。ツベルクリン皮膚検査またはQuantiFERON-TB Gold検査を実施するかどうかの選択は、地域の認可および標準治療に従って治験責任医師によって行うが、以前にBacillus Calmette-Guerinワクチンを受けたことがある患者に使用する必要がある。QuantiFERON-TB Gold検査は、認可を受けている国でのみ使用でき、この検査の使用は以前の治療に依存する以前の治療で有意な免疫抑制が生じた場合、この検査は適切でない可能性がある
・スクリーニングから1か月以内に弱毒生ワクチンを接種した、または試験中に免疫不全になる予定である
・ベースライン前の3ヶ月または5半減期(いずれか長い方)以内に生物学的製剤(市販薬を含むモノクローナル抗体など)での治療を受けた。以前に関心のある兆候のために生物製剤を受け、一次有効性の欠如のために失敗した患者は、この研究への参加から除外される
・ヒト化モノクローナル抗体に対して重大なアレルギーを持っている
・臨床的に重大な複数または重度の薬物アレルギー、または局所コルチコステロイドに対する不耐性、または重度の治療後過敏反応(これらに限定されないが、多形紅斑、線状免疫グロブリン[Ig]A皮膚症、中毒性表皮壊死症、または剥離性皮膚炎を含む)である
・3年間転移性疾患の証拠がない、切除された皮膚の基底細胞癌または扁平上皮癌を除き、過去5年以内にリンパ腫、白血病、または悪性腫瘍にかかったことがある。
・過去10年以内に乳癌にかかったことがある
・治験責任医師または治験依頼者の見解で、治験に含めることは不適切である
【0057】
結果:
4人のHS患者は、合計4用量を2週間ごとに(Q2W)300mgの抗体1を静脈内に投薬され、1人のHS患者は、同じ用量と投薬計画でプラセボを受けた。治療の8週間後(最後の投薬から2週間後)、300mgの抗体1を投薬された4人のHS患者のうち3人は、膿瘍および炎症性結節の数の50%以上の減少を観察し、4人のHS患者のうちの1人は化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)エンドポイントのすべての基準を満たしていた。
【0058】
3人のHS患者は、合計4用量を2週間ごとに(Q2W)600mgの抗体1を静脈内に投薬された。8週間の治療後(最後の投薬から2週間後)、600mgの抗体1を投薬された3人のHS患者全員が膿瘍と炎症性結節の数の50%以上の減少を観察し、3人の患者全員がHiSCRエンドポイントのすべての基準を満たしていた。
【0059】
この研究で観察されたAEによる死亡、SAE、または中止はなかった。
【0060】
したがって、抗体1は、ヒト患者のおける化膿性汗腺炎を安全かつ効果的に治療するために使用され得る。
配列
抗体1重鎖アミノ酸配列:配列番号1
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYEFTSYWIHWVRQAPGQGLEWMGNISPNSGSANYNEKFKSRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCAREGPYSYYPSREYYGSDLWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
抗体1重鎖可変領域:配列番号2
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYEFTSYWIHWVRQAPGQGLEWMGNISPNSGSANYNEKFKSRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCAREGPYSYYPSREYYGSDLWGQGTLVTVSS
抗体1軽鎖アミノ酸配列:配列番号3
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSISNNLHWYQQKPGQAPRLLIYYTSRSVSGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCGQNNEWPEVFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
抗体1軽鎖可変領域:配列番号4
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSISNNLHWYQQKPGQAPRLLIYYTSRSVSGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCGQNNEWPEVFGGGTKVEIK
抗体1重鎖DNA配列:配列番号5
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGTGCTGAAGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCATCTGGCTACGAGTTCACCAGCTACTGGATTCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAAATATTTCTCCTAATAGTGGTAGTGCTAACTACAATGAGAAGTTCAAGAGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGAGGGCCCTTACAGTTATTATCCGAGTAGGGAGTACTATGGCTCTGACCTCTGGGGGCAAGGGACCCTAGTCACAGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGT
抗体1軽鎖DNA配列:配列番号6
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAAAGTATCAGCAATAACCTACACTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATTATACTTCCCGGTCCGTCTCTGGCATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTGGACAGAATAACGAGTGGCCTGAGGTGTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
抗体1LCDR1:配列番号7
RASQSISNNLH
抗体1LCDR2:配列番号8
YTSRSVS
抗体1LCDR3:配列番号9
GQNNEWPEV
抗体1HCDR1:配列番号10
GYEFTSYWIH
抗体1HCDR2:配列番号11
NISPNSGSANYNEKFKS
抗体1HCDR3:配列番号12
EGPYSYYPSREYYGSDL
ヒトGro-アルファ(CXCL1):配列番号13
ASVATELRCQCLQTLQGIHPKNIQSVNVKSPGPHCAQTEVIATLKNGRKACLNPASPIVKKIIEKMLNSDKSN
ヒトGro-ベータ(CXCL2):配列番号14
APLATELRCQCLQTLQGIHLKNIQSVKVKSPGPHCAQTEVIATLKNGQKACLNPASPMVKKIIEKMLKNGKSN
ヒトGro-ガンマ(CXCL3):配列番号15
ASVVTELRCQCLQTLQGIHLKNIQSVNVRSPGPHCAQTEVIATLKNGKKACLNPASPMVQKIIEKILNKGSTN
ヒトENA-78(CXCLS):配列番号16
AAVLRELRCVCLQTTQGVHPKMISNLQVFAIGPQCSKVEVVASLKNGKEICLDPEAPFLKKVIQKILDGGNKEN
ヒトGCP-2(CXCL6):配列番号17
VSAVLTELRCTCLRVTLRVNPKTIGKLQVFPAGPQCSKVEVVASLKNGKQVCLDPEAPFLKKVIQKILDSGNKKN
ヒトNAP-2(CXCL7):配列番号18
AELRCMCIKTTSGIHPKNIQSLEVIGKGTHCNQVEVIATLKDGRKICLDPDAPRIKKIVQKKLAGDESAD
ヒトIL-8(CXCL8):配列番号19
SAKELRCQCIKTYSKPFHPKFIKELRVIESGPHCANTEIIVKLSDGRELCLDPKENWVQRVVEKFLKRAENS
【配列表】
2023011819000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト増殖調節腫瘍遺伝子(「Gro」)-アルファ、ヒトGro-ベータ、ヒトGro-ガンマ、ヒト上皮好中球活性化ペプチド-78、ヒト顆粒球走化性タンパク質-2、ヒト好中球活性化タンパク質-2、およびヒトインターロイキン-8に結合する抗体を含む、化膿性汗腺炎の治療のための医薬組成物であって、前記抗体が、軽鎖相補性決定領域(「LCDR」)LCDR1、LCDR2、LCDR3、および重鎖相補性決定領域(「HCDR」)HCDR1、HCDR2、HCDR3を含むものであり、LCDR1が配列番号7を含み、LCDR2が配列番号8を含み、LCDR3が配列番号9を含み、HCDR1が配列番号10を含み、HCDR2が配列番号11を含み、およびHCDR3が配列番号12を含み、前記医薬組成物が、前記抗体を600mg~1200mgの用量で2週間に1回皮下投与するためのものである医薬組成物。
【請求項2】
前記抗体が、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号3のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記抗体を600mg~900mgの用量で2週間に1回皮下投与するためのものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記抗体を1200mgの用量で2週間に1回皮下投与するためのものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【外国語明細書】