(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118218
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】作業車のガイド部材及び作業車
(51)【国際特許分類】
G05G 1/04 20060101AFI20230818BHJP
B60K 20/00 20060101ALI20230818BHJP
B60K 20/02 20060101ALI20230818BHJP
B60K 17/28 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
G05G1/04 Z
B60K20/00 F
B60K20/02 D
B60K17/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021050
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】藤本 一隆
(72)【発明者】
【氏名】武岡 達
(72)【発明者】
【氏名】阪口 昌寛
(72)【発明者】
【氏名】石原 和真
【テーマコード(参考)】
3D040
3D043
3J070
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA23
3D040AB04
3D040AC07
3D040AC17
3D040AC28
3D040AC63
3D043AA10
3D043AB12
3D043BD01
3J070AA03
3J070AA24
3J070CB03
3J070CB39
3J070CC02
3J070DA03
(57)【要約】
【課題】操作具を適切に案内することが可能な作業車のガイド部材を提供する。
【解決手段】複数方向に揺動操作可能なPTOレバー20を案内する案内孔41と、案内孔41の内側に向かって突出するように形成されることで、案内孔41において、PTOレバー20を第一方向に案内する複数の第一案内孔41aと、PTOレバー20を第一方向とは異なる第二方向に案内する第二案内孔41bと、を規定する規定部42と、を具備し、規定部42の第一案内孔41aに面する端面には、第一方向に延びるように形成される第一端面42aと、第一端面42aとの間に角張ったエッジ部を形成すると共に、第一端面42aから第一案内孔41aの内側に向かって延びるように形成される第二端面42bと、が含まれる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数方向に揺動操作可能な操作具を案内する案内孔と、
前記案内孔の内側に向かって突出するように形成されることで、前記案内孔において、前記操作具を第一方向に案内する複数の第一案内孔と、前記操作具を前記第一方向とは異なる第二方向に案内する第二案内孔と、を規定する規定部と、
を具備し、
前記規定部の前記第一案内孔に面する端面には、
前記第一方向に延びるように形成される第一端面と、
前記第一端面との間に角張ったエッジ部を形成すると共に、前記第一端面から前記第一案内孔の内側に向かって延びるように形成される第二端面と、
が含まれる、
作業車のガイド部材。
【請求項2】
前記第二端面は、
前記第一端面と直交する方向に対する傾斜角度が30°以下となるように形成される、
請求項1に記載の作業車のガイド部材。
【請求項3】
前記規定部の前記第一案内孔に面する端面には、
前記第二端面よりも前記規定部の突出方向先端側に形成されると共に、前記規定部の突出方向先端側に向かうにつれて前記第一案内孔の幅が広くなるように形成される第三端面がさらに含まれる、
請求項1又は請求項2に記載の作業車のガイド部材。
【請求項4】
前記第一案内孔は2つ形成され、
前記第二案内孔は、少なくとも1つの前記第一案内孔の前記第一方向における中途部と接続される、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の作業車のガイド部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のガイド部材と、
前記案内孔に挿通されることによって前記ガイド部材に案内される前記操作具と、
を具備する作業車。
【請求項6】
前記操作具の断面形状は、
角部を有する角形状に形成される、
請求項5に記載の作業車。
【請求項7】
前記操作具の前記第二方向への移動に伴って移動する係合部と、
前記係合部が挿通されることで当該係合部と係合し、前記操作具の操作力を伝達可能な状態となる伝達部と、
をさらに具備し、
前記伝達部は、
前記操作具が前記第二方向に沿う一方向に操作された際に前記係合部と係合する第一伝達部と、
前記操作具が前記第二方向に沿う他方向に操作された際に前記係合部と係合する第二伝達部と、
を含む、
請求項5又は請求項6に記載の作業車。
【請求項8】
前記ガイド部材はキャビンに固定され、
前記操作具は前記伝達部を介してミッションケースに連結される、
請求項7に記載の作業車。
【請求項9】
前記操作具は、
PTO軸を変速するためのPTOレバーである、
請求項5から請求項8までのいずれか一項記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作具を案内するための作業車のガイド部材及び作業車の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作具を案内するための作業車のガイド部材の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の操作部は、PTO軸を変速するための変速レバーを、レバーガイド孔によって案内する。
図15に示すように、前記レバーガイド孔900は、前後に延出する変速操作領域901及び逆転操作領域902と、左右に延出すると共に変速操作領域901及び逆転操作領域902を互いに接続する切換操作領域903とに区画される。
【0004】
以下では、PTO軸が3速から逆転に変速される場合を例に挙げ、特許文献1で想定される変速レバーの操作を説明する。3速の位置F3にある変速レバーは、一旦ニュートラル操作位置N1に移動された後で、切換操作領域903を左方に移動されてニュートラル操作位置N2に移動される。その後変速レバーは、逆転操作領域902を前方に移動されて逆転ONポジションRに移動される。
【0005】
しかし、作業者の操作によっては、3速の位置F3にある変速レバーがニュートラル操作位置N1に完全に到達する前から切換操作領域903を左方に移動され始める等、想定外の経路で操作される可能性がある。また、この想定外の操作が原因で変速レバーの操作力を伝達するための伝達機構(例えばリンク機構等)が正常に作動しない等、変速が適切に行われない可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の一態様は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、操作具を適切に案内することが可能な作業車のガイド部材及び作業車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
本開示の一態様においては、複数方向に揺動操作可能な操作具を案内する案内孔と、前記案内孔の内側に向かって突出するように形成されることで、前記案内孔において、前記操作具を第一方向に案内する複数の第一案内孔と、前記操作具を前記第一方向とは異なる第二方向に案内する第二案内孔と、を規定する規定部と、を具備し、前記規定部の前記第一案内孔に面する端面には、前記第一方向に延びるように形成される第一端面と、前記第一端面との間に角張ったエッジ部を形成すると共に、前記第一端面から前記第一案内孔の内側に向かって延びるように形成される第二端面と、が含まれるものである。
本開示の一態様によれば、予め想定された経路に沿って操作具を適切に案内できる。
【0010】
本開示の一態様においては、前記第二端面は、前記第一端面と直交する方向に対する傾斜角度が30°以下となるように形成されるものである。
本開示の一態様によれば、想定外の操作を効果的に規制できる。
【0011】
本開示の一態様においては、前記規定部の前記第一案内孔に面する端面には、前記第二端面よりも前記規定部の突出方向先端側に形成されると共に、前記規定部の突出方向先端側に向かうにつれて前記第一案内孔の幅が広くなるように形成される第三端面がさらに含まれるものである。
本開示の一態様によれば、操作具の操作性を向上できる。
【0012】
本開示の一態様においては、前記第一案内孔は2つ形成され、前記第二案内孔は、少なくとも1つの前記第一案内孔の前記第一方向における中途部と接続されるものである。
本開示の一態様によれば、2つの第一案内孔が形成されるガイド部材において、操作具を適切に案内できる。
【0013】
本開示の一態様において作業車は、前記ガイド部材と、前記案内孔に挿通されることによって前記ガイド部材に案内される前記操作具と、を具備するものである。
本開示の一態様によれば、ガイド部材により操作具を適切に案内できる。
【0014】
本開示の一態様においては、前記操作具の断面形状は、角部を有する角形状に形成されるものである。
本開示の一態様によれば、想定外の操作を効果的に規制できる。
【0015】
本開示の一態様においては、前記操作具の前記第二方向への移動に伴って移動する係合部と、前記係合部が挿通されることで当該係合部と係合し、前記操作具の操作力を伝達可能な状態となる伝達部と、をさらに具備し、前記伝達部は、前記操作具が前記第二方向に沿う一方向に操作された際に前記係合部と係合する第一伝達部と、前記操作具が前記第二方向に沿う他方向に操作された際に前記係合部と係合する第二伝達部と、を含むものである。
本開示の一態様によれば、第一伝達部で操作力を伝達可能な状態と、第二伝達部で操作力を伝達可能な状態との切り替えを適切に行うことができる。
【0016】
本開示の一態様においては、前記ガイド部材はキャビンに固定され、前記操作具は前記伝達部を介してミッションケースに連結されるものである。
本開示の一態様によれば、キャビンの取り付け位置が車体に対してずれたとしても、操作具が第二案内孔内を無理なく移動でき、操作具の操作性を向上できる。
【0017】
本開示の一態様においては、前記操作具は、PTO軸を変速するためのPTOレバーである。
本開示の一態様によれば、ガイド部材によりPTOレバーを適切に案内できる。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一態様によれば、操作具を適切に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るトラクタを示す側面図。
【
図2】PTOレバー、伝達機構及びガイド部材を示す斜視図。
【
図10】(a)PTOレバーが右方に操作された状態を示す平面図。(b)同じく、背面図。
【
図11】(a)PTOレバーが左方に操作された状態を示す平面図。(b)同じく、背面図。
【
図12】(a)PTOレバーが左前方に移動される様子を示す模式図。(b)PTOレバーの移動が規制される様子を示す模式図。
【
図13】(a)第一変形例に係る案内孔を示す平面図。(b)第二変形例に係る案内孔を示す平面図。
【
図15】従来技術において変速レバーを案内するレバーガイド孔を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0021】
以下では、
図1から
図3を参照し、本発明の一実施形態に係るトラクタ1の全体構成について説明する。
【0022】
図1に示すトラクタ1は、主として機体フレーム2、エンジン3、ボンネット4、ミッションケース5、前輪6、後輪7、フェンダ8、昇降装置9、キャビン10、座席11及びステアリングホイール12等を具備する。
【0023】
機体フレーム2は、複数の板材を適宜組み合わせて形成される枠状の部材である。機体フレーム2は、平面視略矩形状に形成される。機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けてトラクタ1の前部に配置される。機体フレーム2の後部にはエンジン3が固定される。エンジン3は、ボンネット4に覆われる。エンジン3の後部には、ミッションケース5が固定される。
【0024】
機体フレーム2の前部は、フロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪6に支持される。ミッションケース5の後部は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪7に支持される。左右一対の後輪7は、概ね上方からフェンダ8によって覆われる。
【0025】
ミッションケース5の後部には、昇降装置9が設けられる。昇降装置9には、各種の作業装置(例えば、耕運機等)を装着することができる。昇降装置9は油圧シリンダ等のアクチュエータによって、装着された作業装置を昇降させることができる。当該昇降装置9には、図示せぬPTO軸を介してエンジン3の動力を伝達することができる。
【0026】
エンジン3の動力は、ミッションケース5に収容された変速装置(不図示)で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪6に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪7に伝達可能とされる。エンジン3の動力によって前輪6及び後輪7が回転駆動され、トラクタ1は走行することができる。またエンジン3の動力によって、昇降装置9に装着された作業装置を駆動させることができる。
【0027】
エンジン3の後方にはキャビン10が設けられる。キャビン10は車体(ミッションケース5等)に載置される。キャビン10の内部には、運転者が搭乗する居住空間が形成される。キャビン10の略中央には、運転者が着座するための座席11が配置される。キャビン10の前部には、前輪6の切れ角を調節するためのステアリングホイール12が配置される。
【0028】
またキャビン10の内部には、作業者が操作可能な操作具が設けられる。操作具には、トラクタ1の変速操作を行う主変速レバー及び変速レバー、並びに前記PTO軸を変速するためのPTOレバー20等が含まれる。
【0029】
図2及び
図3に示すように、PTOレバー20は、伝達機構30を介してミッションケース5に連結される。またPTOレバー20は、ガイド部材40により案内される。以下では、
図2から
図9を参照し、PTOレバー20、伝達機構30及びガイド部材40の構成について説明する。
【0030】
図4から
図6に示すPTOレバー20は、本体部21、連結部材22、第一揺動軸23、第二揺動軸24、付勢部材25及びピン26を具備する。本体部21は、PTOレバー20の主たる構造体を成す部分である。本体部21は、挿通部21a、接続部21b、固定部21c及び取付部21dを具備する。
【0031】
挿通部21aは、後述するガイド部材40に挿通される部分である。挿通部21aは、長手方向を略上下方向に向けた長手状に形成される。挿通部21aの長手方向視における断面形状は、角部を有する角形状に形成される(
図8参照)。本実施形態の挿通部21aは、略四角柱状に形成される。なお挿通部21aの角部の曲率半径は小さいことが好ましい。例えば前記曲率半径は、1.0mm以下であることが好ましい。また前記曲率半径は、0.5mm以下であることがより好ましい。
【0032】
接続部21bは、挿通部21aと固定部21cとを接続する部分である。接続部21bは、軸線を略上下に向けた円柱状に形成される。接続部21bの外周面には、挿通部21aの下端部が固定される。接続部21bは、後述するガイド部材40の下方に位置する。
【0033】
固定部21cは、後述するピン26が固定される部分である。固定部21cは、側面視略矩形環状に形成される(
図6参照)。固定部21cの後上部には、接続部21bの下端部が固定される。
【0034】
図7に示す取付部21dは、後述する付勢部材25が取り付けられる部分である。取付部21dは、接続部21bの外周面に固定される。
【0035】
図6及び
図7に示す連結部材22は、後述する第二揺動軸24と本体部21とを連結するための部材である。連結部材22は、略ブロック状に形成される。連結部材22は、固定部21cの内側に配置される。
【0036】
第一揺動軸23は、本体部21を左右に揺動可能に支持するためのものである。第一揺動軸23は、軸線を前後に向けた略円柱状に形成される。本実施形態では、第一揺動軸23として、本体部21の固定部21cよりも前後幅が長いボルトが用いられる。第一揺動軸23は、固定部21c及び連結部材22に挿通される。
【0037】
第二揺動軸24は、本体部21を前後に揺動可能に支持するためのものである。第二揺動軸24は、軸線を左右に向けた略円柱状に形成される。第二揺動軸24は、キャビン10に固定された固定部材10aに支持される。第二揺動軸24は、連結部材22に挿通される。
【0038】
このように、本実施形態の本体部21は、第一揺動軸23によって連結部材22に対して揺動可能に構成される。また第二揺動軸24は、この連結部材22をキャビン10に対して揺動可能に連結する。
【0039】
図7に示す付勢部材25は、本体部21を付勢するためのものである。付勢部材25は、引っ張りコイルばねにより構成される。付勢部材25は、一端部が固定部材10aに取り付けられると共に他端部が取付部21dに取り付けられることで、本体部21を左方へ付勢する。これによって付勢部材25は、PTOレバー20のガタつき(主に横方向のガタつき)を抑制できる。なお、
図3及び
図6では、付勢部材25の記載を省略している。
【0040】
図5から
図7に示すピン26は、後述するアーム31と係合可能なものである。ピン26は、軸線を左右に向けた略円柱状に形成される。ピン26の軸線方向幅は、固定部21cの左右幅よりも長くなるように形成される。ピン26は、固定部21cの下面に固定され、固定部21cから左右に突出するように設けられる。ピン26の先端部は、先端に向かうにつれて外径が小さくなるようなテーパ状に形成される。ピン26の先端の外径は、前後中途部の外径の半分程度となる。
【0041】
図2及び
図3に示す伝達機構30は、PTOレバー20の操作力をミッションケース5に伝達するためのものである。伝達機構30は、アーム31、ロッド32及び接続部材33を具備する。
【0042】
図4及び
図7に示すアーム31は、PTOレバー20から操作力が伝達される部材である。アーム31は、PTOレバー20の固定部21cを挟んで左右一対設けられる。左右のアーム31は、円筒部31a、第一延出部31b、第二延出部31c及び貫通孔31dを具備する。なお右側のアーム31は左側のアーム31と略同様に構成される。このため以下では、左側のアーム31を例に挙げ、円筒部31a等の構成を説明する。
【0043】
図7に示す円筒部31aは、軸線方向を左右に向けた略円筒状の部分である。円筒部31aには第一揺動軸23が挿通される。これによってアーム31は第一揺動軸23に揺動可能に支持される。
【0044】
図3、
図4及び
図7に示す第一延出部31bは、円筒部31aから所定方向(後上方)に延出する部分である。第一延出部31bは、板面を左右に向けた板状に形成される。
【0045】
第二延出部31cは、円筒部31aから第一延出部31bとは異なる方向(略下方)に延出する部分である。第二延出部31cは、板面を左右に向けた板状に形成される。第二延出部31cは、PTOレバー20の固定部21cと側面視で重複するように設けられる。
【0046】
貫通孔31dは、第二延出部31cを左右に貫通する孔である。貫通孔31dは、第二延出部31cの下端部に形成されると共に、長手方向を上下に向けた長孔状に形成される。
【0047】
図2及び
図3に示すロッド32は、アーム31と接続部材33とを接続するものである。ロッド32は、左右一対設けられる。左右のロッド32は、左右のアーム31の第一延出部31bに取り付けられる。左右のロッド32は、当該第一延出部31bから後下方へ延びるように設けられる。
【0048】
接続部材33は、ロッド32とミッションケース5とを接続する部材である。接続部材33は、前後に間隔をあけて2つ設けられる。接続部材33は、円筒部33a及び延出部33bを具備する。円筒部33aは、ミッションケース5に設けられた軸部5aに取り付けられる。延出部33bは、円筒部33aから所定方向(
図3では前下方)に延出するように形成される。延出部33bには、ロッド32の下端部が連結される。軸部5aは、ミッションケース5内に設けられた変速機構に連結されている。
【0049】
上述の如く構成される伝達機構30は、PTOレバー20の操作に伴って動作する。当該動作によりミッションケース5の軸部5aが回動され、ミッションケース5内の変速機構が動作される。これによってPTO軸は変速される。なお伝達機構30の動作の詳細については後述する。
【0050】
図4、
図5及び
図8に示すガイド部材40は、PTOレバー20を案内するためのものである。ガイド部材40は、板面を上下に向けた略平板状に形成される。ガイド部材40は、案内孔41及び規定部42を具備する。
【0051】
案内孔41は、PTOレバー20を案内する孔である。案内孔41は、ガイド部材40を上下に貫通するように設けられる。
【0052】
規定部42は、案内孔41において第一案内孔41a及び第二案内孔41bを規定するための部分である。
図8に示すように、規定部42は、案内孔41の左右中途部に形成される。また規定部42は、前後方向に間隔をあけて2つ形成される。前後の規定部42は、先端部の左右幅が他の部分の左右幅よりも広くなるように形成される。前側の規定部42は、案内孔41の内側面における前端部から略後方に突出するように形成される。また後側の規定部42は、案内孔41の内側面における後端部から略前方に突出するように形成される。こうして前後の規定部42が案内孔41の内側に突出することで、第一案内孔41a及び第二案内孔41bが規定される。
【0053】
図8及び
図9に示す第一案内孔41aは、PTOレバー20を略前後方向に案内するものである。第一案内孔41aは、略前後方向に延びるように形成される。第一案内孔41aは、案内孔41の後端部から前端部までに亘るように形成される。第一案内孔41aは、規定部42の左右にそれぞれ(合計2つ)設けられる。
【0054】
第二案内孔41bは、PTOレバー20を左右方向に案内するものである。第二案内孔41bは、前後の規定部42の間に形成され、左右方向に延びるように形成される。第二案内孔41bは、左右の第一案内孔41aの前後中途部と接続される。これによって案内孔41は、平面視略H状に形成される。
【0055】
第二案内孔41bは、挿通部21aの前端部との隙間C1、及び後端部との隙間C2のそれぞれが1~2mm程度となるように形成される。こうして隙間C1・C2を確保することで、PTOレバー20とガイド部材40とが前後にずれたとしても、第二案内孔41bでPTOレバー20を無理なく案内できる。
【0056】
上述のような第一案内孔41a及び第二案内孔41bを規定する規定部42は、第一端面42a、第二端面42b、第三端面42c及び第四端面42dを具備する。なお前側の規定部42は、後側の規定部42と略同様に構成されるため、以下では後側の規定部42を例に挙げて第一端面42a等の構成を説明する。
【0057】
図8及び
図9に示す第一端面42aは、規定部42の左右両側面(第一案内孔41aに面する端面)の大部分を成すように形成される。第一端面42aは、案内孔41の内側面から略前方に延びる直線状に形成される。第一端面42aは、規定部42の後端部から前端部近傍までに亘るように形成される。
【0058】
第二端面42bは、規定部42の左右両側面の前端部に形成される。左右の第二端面42bは、互いに略左右対称に形成される。
図9に示す右側の第二端面42bを例に挙げると、第二端面42bは、第一端面42aの前端部から右前方(第一案内孔41aの左右内側)に延びる直線状に形成される。これによって第二端面42bは、前方に向かうにつれて第一案内孔41aの幅が狭くなるように形成される。当該第二端面42bは、第一端面42aに対して角張るように形成される。こうして第一端面42aと第二端面42bとの間には、角張ったエッジ部42eが形成される。
【0059】
なおエッジ部42eの曲率半径は小さいことが好ましい。例えば前記曲率半径は、1.0mm以下であることが好ましい。また前記曲率半径は、0.5mm以下であることがより好ましい。
【0060】
図9に示すように、第二端面42bは、第一端面42aと直交する方向に対する傾斜角度αが30°以下となるように形成される。本実施形態の傾斜角度αは、30°となっている。なお
図9に示す直線L1は、第一端面42aと直交する方向に延びる直線を示している。
【0061】
第三端面42cは、規定部42の左右両側面(第二端面42bよりも先端側)に形成される。左右の第三端面42cは、互いに略左右対称に形成される。
図9に示す右側の第三端面42cを例に挙げると、第三端面42cは、第二端面42bの前端部から左前方に延びる直線状に形成される。これによって第三端面42cは、前方に向かうにつれて第一案内孔41aの幅が広くなるように形成される。規定部42の先端部は、左右の第三端面42cによって先細りのテーパ状に形成される。また本実施形態の規定部42の先端部には、第三端面42c及び第二端面42bにより、左右に突出する凸部42fが形成される。
【0062】
第四端面42dは、規定部42の前側面を成すように形成される。第四端面42dは、左右に延びる直線状に形成される。
【0063】
上述の如く構成されるガイド部材40は、キャビン10に固定される(
図5参照)。より詳細にはガイド部材40は、座席11等が設けられるフロアシートの左部に固定される。当該ガイド部材40の案内孔41には、PTOレバー20の挿通部21aが挿通される。これによって第一案内孔41a及び第二案内孔41bは、PTOレバー20を略前後方向及び左右方向に案内できる。
【0064】
以下では、
図2、
図3、
図8、
図10から
図12を参照し、伝達機構30の動作について説明する。また以下では、
図8に示すように、PTOレバー20(挿通部21a)が第二案内孔41bに位置する状態から操作される場合を例に挙げ、伝達機構30の動作を説明する。
【0065】
PTOレバー20が
図8のように第二案内孔41bに位置する場合、ピン26は、前後位置がアーム31の貫通孔31dと一致するように配置される。この状態で作業者がPTOレバー20を左右に操作すると、ピン26は左右のアーム31の一方と係合される。
【0066】
例えば、
図10に示すように、PTOレバー20が右方に操作されると、本体部21は第一揺動軸23を中心に揺動される。当該揺動に伴ってピン26は、左方に移動して、左側のアーム31の貫通孔31dに挿通される。またピン26は、右側のアーム31から離間する。このように、PTOレバー20が右方に操作されると、左右のアーム31のうち、左側のアーム31がPTOレバー20と係合される。この状態でPTOレバー20が前後に操作されるとピン26が前後に移動され、
図2及び
図3に示す左側のアーム31及びロッド32を介して後側の接続部材33が回動される。当該回動によりミッションケース5の軸部5aが回動され、PTO軸が変速される。
【0067】
また例えば
図11に示すように、PTOレバー20が左方に操作されると、ピン26は右方に移動されて、右側のアーム31の貫通孔31dに挿通される。またピン26は、左側のアーム31から離間する。この状態でPTOレバー20が前後に操作されると、
図2及び
図3に示す前側の接続部材33が回動されてPTO軸が変速される。
【0068】
上述の如く、ピン26の先端部はテーパ状に形成される。またピン26の先端の外径は、比較的小さい。このような構成によると、組み付け誤差等に起因してピン26とアーム31とが前後にずれたとしても、PTOレバー20の操作によってピン26を貫通孔31dに挿通できる。これにより、PTOレバー20の操作に応じて適切にPTO軸を変速できる。
【0069】
以下では
図12(a)を参照し、本実施形態におけるPTOレバー20の操作位置と変速機構の変速段との関係について説明する。なお
図12(a)に示す操作位置と変速段との関係は一例であり、任意に変更可能である。
【0070】
作業者は、PTOレバー20を案内孔41の右後部(
図12(a)に示す操作位置F1)に移動させると、変速機構の変速段を1速に変更できる。またPTOレバー20を案内孔41の左前部(操作位置F2)に移動させると、変速機構の変速段を2速に変更できる。またPTOレバー20を案内孔41の左後部(操作位置F3)に移動させると、変速機構の変速段を3速に変更できる。またPTOレバー20を案内孔41の右前部(操作位置R)に移動させると、変速機構の変速段を逆転に変更できる。なお変速機構の変速段は、PTOレバー20が操作位置Rに移動された場合に、逆転ではなく、トラクタ1の車速に応じてPTO軸の回転数が変動するグランドに変更されてもよい。
【0071】
作業者は、PTOレバー20を案内孔41の前後中途部(ニュートラル領域N)に移動させると、変速機構の変速段をニュートラルに変更できる。ニュートラル領域Nは、案内孔41の前後中途部における左端部から右端部までに亘るように形成される。
【0072】
以下では、PTO軸が1速から2速に変速される場合を例に挙げ、本実施形態で想定しているPTOレバー20の操作を説明する。操作位置F1にあるPTOレバー20は、ニュートラル領域Nの右端まで前方に移動された後で、当該ニュートラル領域Nを左方に移動される。PTOレバー20は、当該移動によってニュートラル領域Nの左端まで移動されると、操作位置F2まで前方に移動される。このような経路に沿ってPTOレバー20が移動されることで、PTO軸が2速に変速される。
【0073】
しかしながら、作業者の操作によっては、操作位置F1にあるPTOレバー20がニュートラル領域Nに完全に到達する前から左方に移動される等、想定外の経路で操作される可能性がある。なお
図12(a)に示す矢印は、こうした想定外の操作を模式的に示したものである。想定外の操作が行われると、上述したピン26とアーム31との係合が適切に行われず、PTOレバー20を操作してもPTO軸を適切に変速できない可能性がある。本実施形態では、このような想定外の操作を第二端面42bで規制できる。
【0074】
具体的には、第二端面42bは、規定部42の先端部において第一案内孔41aの内側に突出している。この第二端面42bが第一端面42aに対して角張ることにより、PTOレバー20が想定外の経路で操作された場合に、挿通部21aが第二端面42bに当接して引っ掛かり易くなる。特に、角部を有する挿通部21aは、第二端面42bに引っ掛かり易くなる。また、第二端面42bの傾斜角度αが比較的小さいため、挿通部21aは第二端面42bに引っ掛かり易くなる。こうして挿通部21aが第二端面42bに引っ掛かることにより、PTOレバー20の移動が規制される(
図12(b)参照)。これによって本実施形態のガイド部材40は、PTOレバー20の想定外の操作を規制して、PTOレバー20を適切に案内できる。また、ピン26とアーム31とが適切に係合されるため、PTO軸の変速を適切に行える。
【0075】
また本実施形態では、第二端面42bが、前後の規定部42の左右両側面にそれぞれ設けられている。これにより、操作位置F1~F4のいずれの位置にPTOレバー20が位置する場合でも、PTOレバー20の想定外の操作を規制できる。
【0076】
また、操作位置F1~F4にあるPTOレバー20が第二端面42bを超えてニュートラル領域N近傍まで移動されると、アーム31の貫通孔31dとピン26との前後位置がある程度一致して、ピン26が貫通孔31dに挿通可能な状態となる。本実施形態では、このようなニュートラル領域N近傍まで移動されたPTOレバー20を第三端面42cによって案内することができ、PTOレバー20の左右への操作を円滑に行うことができる。
【0077】
また本実施形態の第二端面42bは、第二案内孔41bではなく、第一案内孔41aの内側に向けて突出する。すなわち第二案内孔41bは、第二端面42bが設けられても前後幅が狭くならない。このような構成によると、組み付け誤差等に起因してキャビン10の取り付け位置が車体(ミッションケース5等)に対してずれたとしても、PTOレバー20が第二案内孔41b内を無理なく移動できる。
【0078】
以上の如く、本実施形態に係るトラクタ1(作業車)のガイド部材40は、複数方向に揺動操作可能なPTOレバー20(操作具)を案内する案内孔41と、前記案内孔41の内側に向かって突出するように形成されることで、前記案内孔41において、前記PTOレバー20を第一方向(略前後方向)に案内する複数の第一案内孔41aと、前記PTOレバー20を前記第一方向とは異なる第二方向(略左右方向)に案内する第二案内孔41bと、を規定する規定部42と、を具備し、前記規定部42の前記第一案内孔41aに面する端面(左右両側面)には、前記第一方向に延びるように形成される第一端面42aと、前記第一端面42aとの間に角張ったエッジ部42eを形成すると共に、前記第一端面42aから前記第一案内孔41aの内側に向かって延びるように形成される第二端面42bと、が含まれるものである。
【0079】
このように構成することにより、想定外の経路に沿ったPTOレバー20の移動を第二端面42bによって規制できる。これによって予め想定された経路に沿ってPTOレバー20を適切に案内できる。
【0080】
また、前記第二端面42bは、前記第一端面42aと直交する方向に対する傾斜角度αが30°以下となるように形成されるものである(
図9参照)。
【0081】
このように構成することにより、想定外の操作を効果的に規制できる。
【0082】
また、前記規定部42の前記第一案内孔41aに面する端面(左右両側面)には、前記第二端面42bよりも前記規定部42の突出方向先端側(
図9では上側)に形成されると共に、前記規定部42の突出方向先端側に向かうにつれて前記第一案内孔41aの幅が広くなるように形成される第三端面42cがさらに含まれるものである。
【0083】
このように構成することにより、第二案内孔41bに比較的近い位置にあるPTOレバー20を第三端面42cで案内できるため、PTOレバー20の操作性を向上できる。
【0084】
また、前記第一案内孔41aは2つ形成され、前記第二案内孔41bは、少なくとも1つの前記第一案内孔41aの前記第一方向における中途部(前後中途部)と接続されるものである。
【0085】
このように構成することにより、2つの第一案内孔41aが形成されるガイド部材40(例えば、H状のガイド部材40やh状のガイド部材40)において、PTOレバー20を適切に案内できる。
【0086】
また以上の如く、本実施形態に係るトラクタ1は、前記ガイド部材40と、前記案内孔41に挿通されることによって前記ガイド部材40に案内される前記PTOレバー20と、を具備するものである。
【0087】
このように構成することにより、ガイド部材40によりPTOレバー20を適切に案内できる。
【0088】
また、前記PTOレバー20の断面形状は、角部を有する角形状に形成されるものである(
図8参照)。
【0089】
このように構成することにより、想定外の操作を効果的に規制できる。
【0090】
また、前記トラクタ1は、前記PTOレバー20の前記第二方向(左右方向)への移動に伴って移動するピン26(係合部)と、前記ピン26が挿通されることで当該ピン26と係合し、前記PTOレバー20の操作力を伝達可能な状態となるアーム31(伝達部)と、をさらに具備し、前記アーム31は、前記PTOレバー20が前記第二方向に沿う一方向(右方向)に操作された際に前記ピン26と係合する第一アーム(左側のアーム31)と、前記PTOレバー20が前記第二方向に沿う他方向(左方向)に操作された際に前記ピン26と係合する第二アーム(右側のアーム31)と、を含むものである。
【0091】
このような構成のトラクタ1にガイド部材40が設けられることにより、第一アーム(左側のアーム31)で操作力を伝達可能な状態と、第二アーム(右側のアーム31)で操作力を伝達可能な状態との切り替えを適切に行うことができる。
【0092】
また、前記ガイド部材40はキャビン10に固定され、前記PTOレバー20は前記アーム31を介してミッションケース5に連結されるものである。
【0093】
このような構成においてキャビン10の取り付け位置が車体に対してずれたとしても、PTOレバー20が第二案内孔41b内を無理なく移動でき、PTOレバー20の操作性を向上できる。
【0094】
また、前記操作具は、PTO軸を変速するためのPTOレバー20である。
【0095】
このように構成することにより、ガイド部材40でPTOレバー20を適切に案内できる。
【0096】
なお、本実施形態に係るトラクタ1は、本発明に係る作業車の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るPTOレバー20は、本発明に係る操作具の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るピン26は、本発明に係る係合部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るアーム31は、本発明に係る伝達部の実施の一形態である。
【0097】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0098】
例えば、本実施形態に係る作業車はトラクタ1であるものとしたが、作業車の種類はこれに限定されるものでない。作業車は、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であってもよい。
【0099】
また第一案内孔41a及び第二案内孔41bは、前後方向及び左右方向にPTOレバー20を案内するものとしたが、PTOレバー20を案内する方向はこれら前後方向等に限定されない。第一案内孔41a及び第二案内孔41bは、互いに異なる方向にPTOレバー20を案内するものであればよい。
【0100】
また案内孔41は、平面視略H状に形成されるものとしたが、これは一例であり、案内孔41の形状は任意に変更可能である。案内孔41は、例えば平面視略h状に形成されてもよい(
図13(a)に示す第一変形例の案内孔141参照)。また、第一案内孔41aは2つ設けられるものとしたが、第一案内孔41aの個数は2つ以上であれば特に限定されない。第一案内孔41aは、例えば3つ設けられてもよい(
図13(b)に示す第二変形例の案内孔241参照)。
【0101】
また本実施形態では、前後の規定部42の左右両側面に合計4つの第二端面42bが設けられるものとしたが、第二端面42bの数や形成される部分は、必要に応じて適宜変更可能である。例えば第二端面42bが1つだけ設けられてもよい。
【0102】
また第二端面42bは、規定部42の先端部に形成されるものとしたが、これは一例であり、PTOレバー20の想定外の操作を規制できる適宜の位置に形成されていればよい。
【0103】
また第二端面42bは、第一端面42aと直交する方向に対する傾斜角度αが30°となるように形成されるものとしたが、これは一例であり、傾斜角度αは任意に変更可能である。より好ましくは、傾斜角度αは0°から30°の範囲で任意に変更可能である。
図14は、傾斜角度αを変更した第二端面42bの変形例を示すものである。
図14に示す第二端面342は、傾斜角度αが0°となる(第一端面42aと直交する)ように形成される。なお、傾斜角度αは、寸法誤差や設計誤差等を考慮して設定されてもよい。すなわち、傾斜角度αの値は、多少の誤差が許容される。
【0104】
また規定部42の各端面42a~42dは、直線状に形成されるものとしたが、各端面42a~42dの形状は適宜変更可能である。例えば、第二端面42bや第三端面42cが円弧状に形成されてもよい。
【0105】
また本実施形態では、本発明をPTOレバー20の操作をガイドする部材に適用した例を示したが、これは一例であり、PTOレバー20以外の操作具をガイドする部材に本発明を適用可能である。例えば、主変速レバーや副変速レバーをガイドする部材に本発明を適用可能である。
【0106】
またガイド部材40は、キャビン10に固定されるものとしたが、これに限定されるものではなく、車体側(機体フレーム2やミッションケース5等)にガイド部材40が固定されてもよい。
【0107】
また本実施形態では、伝達機構30を介してPTOレバー20がミッションケース5に機械的に連結されるものとしたが、PTOレバー20の操作に応じてPTO軸を変速するための構成は特に限定されるものではない。例えば、PTOレバー20の移動がセンサで検知されることによってPTO軸の変速が電子的に制御されてもよい。このように、PTOレバー20は必ずしもミッションケース5に機械的に連結される必要はない。
【0108】
また挿通部21aは、略四角柱状に形成されるものとしたが、挿通部21aの形状はこれに限定されるものではなく、任意に変更可能である。例えば挿通部21aは、三角柱状等であってもよい。また挿通部21aの断面形状は、角部を有しない形状、例えば略円状等であってもよい。
【0109】
また伝達機構30は、アーム31、ロッド32及び接続部材33によりPTOレバー20の操作力をミッションケース5に伝達するものとしたが、これは一例であり、伝達機構30の構成は任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 トラクタ
20 PTOレバー
40 ガイド部材
41 案内孔
41a 第一案内孔
41b 第二案内孔
42 規定部
42a 第一端面
42b 第二端面
42e エッジ部