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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118247
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】小物部品の定量供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20230818BHJP
   B65G 65/40 20060101ALI20230818BHJP
   B65G 65/48 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
B65G47/14 M
B65G47/14 102Z
B65G47/14 L
B65G65/40 A
B65G65/48 J
B65G65/48 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021096
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】515248001
【氏名又は名称】株式会社マイス
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】酒井 高雄
【テーマコード(参考)】
3F075
3F080
【Fターム(参考)】
3F075AA01
3F075BA01
3F075BB02
3F075CA09
3F075CB12
3F075CD15
3F080AA24
3F080BA01
3F080BA02
3F080CC04
3F080CC15
3F080CC20
3F080DB09
(57)【要約】
【課題】大量の小物部品を貯留容器に貯留したとしても、小物部品を再現性良く定量供給することが容易となる小物部品の定量供給装置を提供する。
【解決手段】小物部品の定量供給装置100は、貯留容器20と、回転体40と、磁石46と、捕捉部83と、取出部70と、を備え、貯留容器20は、仕切壁30により相互に仕切られた第1貯留領域21と第2貯留領域22とを有し、貯留容器20の底面27は、第1貯留領域21側から第2貯留領域22側に向けて下り傾斜しており、仕切壁30の下縁30aと貯留容器20の底面27との間隙は、小物部品を第1貯留領域21側から第2貯留領域22側に供給する連通部23を構成しており、磁石46は、第2貯留領域22の小物部品を吸着する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定量の小物部品を供給する定量供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留容器と、
水平な軸周りに回転する回転体と、
前記回転体に設けられ、前記小物部品を吸着することによって該小物部品を前記回転体の回転に伴わせて回転移動させる磁石と、
前記磁石により吸着されて回転移動する前記小物部品を捕捉する捕捉部と、
前記捕捉部によって捕捉された前記小物部品が取り出される取出部と、
を備え、
前記貯留容器は、仕切壁により相互に仕切られた第1貯留領域と第2貯留領域とを有し、
前記貯留容器の底面は、前記第1貯留領域側から前記第2貯留領域側に向けて下り傾斜しており、
前記仕切壁の下縁と前記貯留容器の底面との間隙は、前記小物部品を前記第1貯留領域側から前記第2貯留領域側に供給する連通部を構成しており、
前記磁石は、前記第2貯留領域の小物部品を吸着する小物部品の定量供給装置。
【請求項2】
前記連通部、又は、前記連通部の近傍には、前記小物部品を前記第1貯留領域から前記第2貯留領域側に送り込む送出用回転体が配設されている請求項1に記載の小物部品の定量供給装置。
【請求項3】
前記送出用回転体は、
回転軸と、
前記回転軸の先端側に設けられている回転羽根と、
を有し、
前記回転羽根の取り付け箇所における前記回転軸の軸中心は、前記仕切壁の下縁を基準として、前記第1貯留領域側ではなく前記第2貯留領域側に位置している請求項2に記載の小物部品の定量供給装置。
【請求項4】
前記回転軸が前記第1貯留領域側から前記第2貯留領域側に向けて傾倒している請求項3に記載の小物部品の定量供給装置。
【請求項5】
前記回転体は、前記貯留容器の側周壁を間に挟んで前記第2貯留領域とは反対側において、前記側周壁に沿って配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載の小物部品の定量供給装置。
【請求項6】
前記側周壁の内面であって、前記側周壁を間に挟んで前記回転体とは反対側の部位に、前記磁石により吸着された前記小物部品の移動経路に沿って配置されており、前記捕捉部に向けた前記小物部品の移動をガイドするガイドレールを更に備える請求項5に記載の小物部品の定量供給装置。
【請求項7】
前記側周壁の内面であって、前記側周壁を間に挟んで前記回転体とは反対側の部位に、当該内面に沿って板状部が設けられており、
前記板状部の端面は、前記磁石により吸着された前記小物部品の移動経路に沿う円弧状の部分を含み、
前記板状部の前記端面において前記円弧状の部分を含む部位が、前記ガイドレールを構成している請求項6に記載の小物部品の定量供給装置。
【請求項8】
前記板状部の前記端面は、
前記円弧状の部分と、
前記回転体の回転方向における前方側に、前記円弧状の部分に連接され、前記円弧状の部分の接線方向に向けて延びている延長部であって、前記円弧状の部分とともに前記ガイドレールを構成する延長部と、
を含み、
前記磁石により吸着された前記小物部品が前記延長部に沿って移動する過程で、前記磁石から切り離されて前記捕捉部により捕捉される請求項7に記載の小物部品の定量供給装置。
【請求項9】
前記円弧状の部分と前記延長部との境界近傍の位置であって前記ガイドレールの下側近傍の位置において、前記側周壁から前記第2貯留領域の内部に向けて突出している突出部を備える請求項8に記載の小物部品の定量供給装置。
【請求項10】
前記回転体は樹脂材料により構成されており、
前記回転体は、前記磁石を保持する保持穴を有し、
前記磁石は前記保持穴内において、前記貯留容器の前記側周壁から離間した位置に配置されている請求項5から9のいずれか一項に記載の小物部品の定量供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小物部品の定量供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数が貯留されている小物部品の中から定量(例えば定数)の小物部品を取り出して供給する小物部品の定量供給装置としては、例えば、特許文献1に記載された小物部品の定数供給装置がある。
【0003】
特許文献1に記載の小物部品の定数供給装置は、貯留容器(同文献の貯留部)の内部に面して配置された回転体に磁石が設けられており、当該磁石に吸着された小物部品が回転体とともに回転する過程で、捕捉部により捕捉されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017―52615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、作業効率の観点から、貯留容器内に大量の小物部品を貯留したいとの要求が存在する。
その観点では、特許文献1に記載の小物部品の定数供給装置は、なお改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、大量の小物部品を貯留容器に貯留したとしても、小物部品を再現性良く定量供給することが容易となる小物部品の定量供給装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、定量の小物部品を供給する定量供給装置であって、複数の前記小物部品を貯留する貯留容器と、水平な軸周りに回転する回転体と、前記回転体に設けられ、前記小物部品を吸着することによって該小物部品を前記回転体の回転に伴わせて回転移動させる磁石と、前記磁石により吸着されて回転移動する前記小物部品を捕捉する捕捉部と、前記捕捉部によって捕捉された前記小物部品が取り出される取出部と、を備え、前記貯留容器は、仕切壁により相互に仕切られた第1貯留領域と第2貯留領域とを有し、前記貯留容器の底面は、前記第1貯留領域側から前記第2貯留領域側に向けて下り傾斜しており、前記仕切壁の下縁と前記貯留容器の底面との間隙は、前記小物部品を前記第1貯留領域側から前記第2貯留領域側に供給する連通部を構成しており、前記磁石は、前記第2貯留領域の小物部品を吸着する小物部品の定量供給装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、大量の小物部品を貯留容器に貯留したとしても、小物部品を再現性良く定量供給することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る小物部品の定量供給装置の全体斜視図である。
図2】実施形態に係る小物部品の定量供給装置の正面側から見た構成を示す図であり、第2貯留領域内の構造を示す。
図3】実施形態に係る小物部品の定量供給装置の正面側から見た構成を示す図であり、第1貯留領域内の構造を示す。
図4図3に示す状態から仕切壁の第2部分が第1部分に対して下方に相対変位した状態を示す。
図5】実施形態に係る小物部品の定量供給装置を平面視した構成を示す図である。
図6】実施形態に係る小物部品の定量供給装置を側面視した構成を示す図である。
図7図7(a)は図5に示すA部の部分拡大図であり、図7(b)は図6に示すB部の部分拡大図である。
図8図6に示すA部の部分拡大図であり、磁石の軸方向に沿った断面を示す。
図9図9(a)及び図9(b)は小物部品が磁石から切り離される過程の説明図である。
図10図10(a)及び図10(b)は小物部品が磁石から切り離される過程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
また、以下において、「上下方向」は、図2に示す向きで定量供給装置100を配置した状態における上下方向をいう。より詳細には、定量供給装置100は、図2に示す姿勢で水平な載置面に設置されることにより自立可能となっている。また、「左右方向」は、図2に示す向きで定量供給装置100を配置した状態における左右方向をいう。また、定量供給装置100の左右方向を横幅方向という場合がある。また、上下方向と左右方向との双方に対して直交する方向を前後方向とする。また、図2における手前側を前方又は前面側、その反対側を後方又は背面側と称することがある。
【0011】
本実施形態に係る小物部品の定量供給装置100(以下、単に定量供給装置100)は、定量の小物部品(本実施形態の場合、ネジ110(図9(a)及び図9(b)等参照))を供給する定量供給装置である。
図1及び図2に示すように、定量供給装置100は、複数の小物部品を貯留する貯留容器20と、水平な軸周りに回転する回転体40と、回転体40に設けられ、小物部品を吸着することによって該小物部品を回転体40の回転に伴わせて回転移動させる磁石46と、磁石46により吸着されて回転移動する小物部品を捕捉する捕捉部83と、捕捉部83によって捕捉された小物部品が取り出される取出部70と、を備えている。
図5及び図6に示すように、貯留容器20は、仕切壁30により相互に仕切られた第1貯留領域21と第2貯留領域22とを有する。貯留容器20の底面27は、第1貯留領域21側から第2貯留領域22側に向けて下り傾斜している。
仕切壁30の下縁30aと貯留容器20の底面27との間隙は、小物部品を第1貯留領域21側から第2貯留領域22側に供給する連通部23を構成しており、磁石46は、第2貯留領域22の小物部品を吸着する。より詳細には、複数の小物部品は、先ず、第1貯留領域21に投入される。投入された小物部品は、貯留容器20の底面27上を滑り落ちて連通部23を介して第2貯留領域22に移動し、当該第2貯留領域22において磁石46によって吸着される。
【0012】
本実施形態によれば、貯留容器20が第1貯留領域21と第2貯留領域22とに仕切壁30によって仕切られており、当該貯留容器20の下端部(仕切壁30の下方)おいて連通している連通部23を有する。このため、大量の小物部品を第1貯留領域21に投入することにより、当該小物部品は、連通部23を介して第2貯留領域22に少量ずつ供給される。これにより、第2貯留領域22において、1つの磁石46に吸着される小物部品の数が過大となってしまうことを抑制できる。すなわち、大量(例えば、第1貯留領域21の貯留限度量)の小物部品を貯留容器20に貯留したとしても、小物部品を再現性良く定量供給することが容易となる。
【0013】
本実施形態の場合、小物部品は、例えば、頭部と軸部とを有する雄ネジ(ボルト)110(以下、単にネジ110と称する)である。すなわち、ネジ110が貯留容器20に貯留されて、取出部70に定量供給される。本実施形態の場合、一例として、1つの磁石46に1つのネジ110が吸着されて、捕捉部83に搬送される。
ネジ110は、少なくとも一部分が、400系ステンレス鋼や鉄鋼材などの、磁石によって吸着される磁性体金属により構成されている。
ただし、本発明において、小物部品は、この例に限らず、磁石によって吸着されるその他の物品であってもよい。
【0014】
図1に示すように、定量供給装置100は、前側に位置する前面壁12と、左右にそれぞれ位置する側壁15、16と、後側に位置する後面壁13と、を有する略直方体形状の筐体10を備えている。
筐体10の内部に、複数の小物部品を貯留する貯留容器20が形成されている。
【0015】
貯留容器20は、例えば、平面視矩形状の側周壁25と底面27とを有し、上方に向けて開放した略箱形状に形成されている。上記の回転体40は、貯留容器20の側周壁25を間に挟んで第2貯留領域22とは反対側(本実施形態の場合、後方)において、側周壁25に沿って配置されている
より詳細には、貯留容器20を画定する側周壁25のうち、例えば、後側の後面部26は、貯留容器20と回転体40の配置領域18とを仕切る仕切部となっている。後面部26の板面は前後方向を向いて配置されており、回転体40の回転軸(後述するAX1)に対して直交している。
後面部26は、300系ステンレス鋼などの非磁性体金属により構成されている。
なお、回転体40の配置領域18の上方には、カバー部19が設けられている。
【0016】
図2に示すように、後面部26の内面26a側には、上述の捕捉部83と、捕捉部83に向けた小物部品の移動をガイドするガイドレール69と、がそれぞれ設けられている。
ガイドレール69は、磁石46により吸着された小物部品の移動経路(図2に示す二点鎖線201)に沿って配置されている。なお、移動経路201は、すなわち磁石46の移動経路である。
捕捉部83は、磁石46により吸着されて回転体40の回転に伴って移動する小物部品を捕捉する。捕捉部83は、例えば、回転体40の中心C1の右上に配置されている。捕捉部83は、左側から右側に向けて下り傾斜した樋状に形成されている。
捕捉部83の下流端には、後述する間隔調整部80が設けられており、当該下流端は、例えば、小物部品を取出部70に向けて滑り落とすシューターを兼ねている。
間隔調整部80は、例えば、右側の側壁15に設けられている。より詳細には、右側の側壁15には、筐体10の外部に取り出すための開口15aが形成されている。捕捉部83の下流端は、開口15aを通して側壁15を貫通した状態に配置され、筐体10の内外に亘って設けられている。
また、筐体10の外部、例えば、右側の側壁15の外面側には、開口15aから排出された小物部品を受容する取出部70が設けられている。
なお、図2においては、仕切壁30よりも後側の構成と、右側の側壁15の外面側に設けられた取出部70と、後述する制御部90及び第2回転モータ93とをそれぞれ示しており、前面壁12や仕切壁30等については図示を省略している。
【0017】
貯留容器20の底面27は、例えば、図5に示す第1傾斜面27a、第2傾斜面27b及び第3傾斜面27cの3つの傾斜面を含んで構成されている。
第2傾斜面27bは、例えば、前方から後方且つ左側から右側に下り傾斜しており、第2傾斜面27bは、例えば、前方から後方且つ右側から左側に下り傾斜している。一方、第1傾斜面27aは、例えば、前方から後方に向けて下り傾斜しているのみで、左右方向においては傾斜していない。
より詳細には、図5に示すように、第1傾斜面27aは、平面視台形状に形成されており、当該台形状における下底が平面視において前面壁12の内面と一致しており、上底は平面視において後面部26の内面26aの一部分(左右方向における中央部)と一致している。なお、当該台形状は、上底よりも下底が長い。当該台形状の下底は底面27における前端縁を構成しており、当該台形状の上底は底面27における後端縁の一部分(左右方向における中央部)を構成している。当該台形状の上底は、回転体40の下端部の前方において、水平に延在している。
第2傾斜面27bは、平面視直角三角形状に形成されており、当該直角三角形状における直角が左奥に配置されており、直角を挟む2辺のうち一方は平面視において側壁16の一部分(手前側部分)の内面と一致しており、直角を挟む2辺のうち他方は平面視において後面部26の内面26aの一部分(左側部分)と一致している。当該直角三角形状の直角を挟む2辺のうち一方は底面27における左端縁を構成しており、当該直角三角形状の直角を挟む2辺のうち他方は底面27における後端縁の一部分(左側部分)を構成している。当該直角三角形状における斜辺は、上記台形状の一方(左側)の脚(斜辺)と一致している。
第3傾斜面27cは、平面視直角三角形状に形成されており、当該直角三角形状における直角が右奥に配置されており、直角を挟む2辺のうち一方は平面視において側壁15の一部分(手前側部分)の内面と一致しており、直角を挟む2辺のうち他方は平面視において後面部26の内面26aの一部分(右側部分)と一致している。当該直角三角形状の直角を挟む2辺のうち一方は底面27における右端縁を構成しており、当該直角三角形状の直角を挟む2辺のうち他方は底面27における後端縁の一部分(右側部分)を構成している。当該直角三角形状における斜辺は、上記台形状の他方(右側)の脚(斜辺)に一致している。
【0018】
図5に示すように、仕切壁30は、側周壁25の前面部と後面部26と間に配置されており、且つ、右側の側壁15と左側の側壁16に亘って配置されている(架設されている)。仕切壁30は、その板面が前後方向を向いている。貯留容器20の内部空間において、仕切壁30を基準として、前側の領域が第1貯留領域21を構成しており、後側の領域が第2貯留領域22を構成している。図5に示すように、仕切壁30は、例えば、平面視において、貯留容器20を前後に2等分する位置よりも僅かに後側に配置されている。したがって、第1貯留領域21の前後幅寸法は、第2貯留領域22の前後幅寸法よりも大きい。
図3及び図4に示すように、仕切壁30は、例えば、右側の側壁15及び左側の側壁16の各々に対して固定されている第1部分31と、第1部分31に対して上下に相対変位可能に固定されている第2部分36と、を含む。
なお、図3及び図4おいては、筐体10の内部構成について、仕切壁30と、右側の側壁15の外面側に設けられた取出部70と、後述する制御部90及び第2回転モータ93とを選択的に示しており、その他の仕切壁30よりも後側の構成については図示を省略している。
第1部分31及び第2部分36の各々は、例えば、その板面が前後方向を向いている略平板状に形成されている。
正面視において、第1部分31は、例えば、左右方向に長尺な略矩形状に形成されている。第1部分31の左側縁は、側壁16に固定されており、第1部分31の右側縁は、側壁15に構成されている。第1部分31の上縁の高さ位置は、側周壁25の上縁の高さ位置と略同等であり、第1部分31の下縁の高さ位置は、底面27の上縁の高さ位置と略同等である。
正面視において、第2部分36の上部は、例えば、左右方向に長尺な略矩形状に形成されている一方で、第2部分36の下部は、例えば、下底よりも上底が長い略台形形状に形成されている。第2部分36の全体は、例えば、第1部分31よりも一回り小さい寸法に設定されている。
第2部分36は、第1部分31の前面に沿って配置されている。
【0019】
ここで、仕切壁30の第2部分36には、当該第2部分36を第1部分31に対して固定するための一対の長穴36aが形成されている。一対の長穴36aは、それぞれ上下に延在しており、且つ、左右方向において並んで配置されている。
図3及び図4に示すように、一対の長穴36aに対して、それぞれボルト等の止着部材38を用いて第2部分36を第1部分31に対して固定することができる。
ここで、長穴36aに対する止着部材38の固定位置は、長穴36aの長手方向において調節可能である。よって、第1部分31に対する第2部分36の相対位置を、上下方向において変更できるようになっている。
これにより、第2部分36の下縁が第1部分31の下縁よりも上方に位置するように、第1部分31に対する第2部分36の高さ位置を調節したり、第2部分36の下縁が第1部分31の下縁よりも下方に位置するように、第1部分31に対する第2部分36の高さ位置を調節したりすることができる。
すなわち、このような構成によれば、仕切壁30の上下寸法を適宜調整することができる。これにより、連通部23の上下寸法も適宜調整することができるので、当該連通部23を介して第1貯留領域21から第2貯留領域22に移動する小物部品の数も調整することができる。
【0020】
上述のように、連通部23は、仕切壁30の下縁30aと底面27との間隙によって構成されている。より詳細には、連通部23は、例えば、仕切壁30の下縁30a(第1部分31の下縁又は第2部分36の下縁)と、第1傾斜面27aの上面の一部分と、第2傾斜面27bの上面の一部分と、第3傾斜面27cの上面の一部分と、によって画定されている。
より詳細には、図3に示すように、第2部分36の下縁が第1部分31の下縁よりも上方に位置している場合、連通部23は、第1部分31の下縁と、第1傾斜面27aの上面の一部分と、第2傾斜面27bの上面の一部分と、第3傾斜面27cの上面の一部分と、によって画定されている。
図4に示すように、第2部分36の下縁が第1部分31の下縁よりも下方に位置している場合、連通部23は、第2部分36の下縁と、第1部分31の一部分と、第1傾斜面27aの上面の一部分と、第2傾斜面27bの上面の一部分と、第3傾斜面27cの上面の一部分と、によって画定されている。
【0021】
ここで、連通部23、又は、連通部23の近傍には、小物部品を第1貯留領域21から第2貯留領域22側に送り込む送出用回転体50(図5図6図7(a)及び図7(b)参照)が配設されている。なお、図5及び図7(a)においては、送出用回転体50を二点鎖線で模式的に示している。また、図1から図4においては、送出用回転体50の図示を省略している。
これにより、例えば、第1貯留領域21に大量の小物部品が貯留されている場合であっても、当該第1貯留領域21の下層に位置する小物部品を、送出用回転体50によって第2貯留領域22へと少量ずつ掻き出して送り込むことができる。すなわち、第1貯留領域21から第2貯留領域22への小物部品の移動がよりスムーズに行われるようにできる。
また、第1貯留領域21に大量の小物部品が貯留されていることによって、連通部23又はその近傍において小物部品の詰まりが生じたとしても、当該詰まりを送出用回転体50によって解消することができる。
【0022】
図7(a)及び図7(b)に示すように、送出用回転体50は、例えば、回転軸51と、回転軸51の先端側に設けられている回転羽根53と、を有する。
より詳細には、送出用回転体50は、例えば、4枚の回転羽根53と、4枚の回転羽根53が固定されているとともに、回転軸51に対して装着される装着部54と、を有する。
装着部54は、例えば、円筒状に形成されている。装着部54が回転軸51に外挿されていることによって、回転羽根53は回転軸51に設けられている。
4枚の回転羽根53は、例えば、装着部54の周方向において間欠的に(例えば、90度間隔で)配置されている。
各回転羽根53は、装着部54の外周面から径方向外側に向けて周回状に突出しているリブ状の基部53aと、基部53aの外周縁部に設けられている略平板状の平板部53bと、を含む。
一例として、送出用回転体50は、図7(a)における反時計回りに回転する。また、各平板状の平板部53bは、送出用回転体50の回転方向における前方に向けて下り傾斜しているとともに、その板面は互いに異なる方向を向いている。
【0023】
また、送出用回転体50は、回転軸51を回転させる第1回転モータ91を有し、第1回転モータ91はモータケース56(図6参照)の内部に収容されている。回転軸51は、その軸周りに回転可能な状態で、モータケース56内に配置されている。より詳細には、回転軸51の先端部は、モータケース56の上面から外部に露出しており、当該回転軸51の先端部に対して回転羽根53が装着されている。
モータケース56の形状は特に限定されないが、一例として、一方向に長尺な略直方体形状に形成されている。モータケース56の長手方向は、回転軸51の軸方向と一致している。
また、図6に示すように、筐体10の内部において、貯留容器20の底面27の下方には空隙が形成されており、当該空隙に第1回転モータ91及びモータケース56が配置されている。そして、底面27の第1傾斜面27aの中央部には、開口部28(図5参照)が形成されており、当該開口部28を介して、回転軸51の先端部及び回転羽根53が、底面27よりも上方に突出している。
回転軸51の中心軸AX2は、モータケース56の中心線(モータケース56の長手方向に沿った中心線)よりも外側にオフセットした位置に配置されている。より詳細には、回転軸51の中心軸AX2は、モータケース56の上記中心線よりも第2貯留領域22側に位置している。
【0024】
ここで、回転羽根53の取り付け箇所における回転軸51の軸中心(図7(b)に示すC2)は、仕切壁30の下縁30aを基準として、第1貯留領域21側ではなく第2貯留領域22側に位置していることが好ましい。
より好ましくは、回転羽根53の取り付け箇所において、回転軸51の全体が、仕切壁30の下縁30aを基準として、第1貯留領域21側ではなく第2貯留領域22側に位置している。
このような構成によれば、例えば、第1貯留領域21内に投入される複数の小物部品が、回転軸51上に積層されないようにできる。このため、大量の小物部品が第1貯留領域21に貯留されている場合であっても、送出用回転体50はスムーズに回転することができる。
なお、本実施形態の場合、回転羽根53の取り付け箇所は、例えば、基部53aの内周縁と装着部54との接続箇所である。また、「回転軸51の軸中心は、仕切壁30の下縁30aを基準として、第1貯留領域21側ではなく第2貯留領域22側に位置している」とは、回転軸51の軸中心の水平方向における位置が、仕切壁30の下縁30aを基準として、第1貯留領域21側ではなく第2貯留領域22側に位置していることを意味している。
【0025】
更には、回転軸51が第1貯留領域21側から第2貯留領域22側に向けて傾倒していることが好ましい。すなわち、回転軸51は、上方に向けて第2貯留領域22側に変位する方向に傾斜していることが好ましい。
このようにすることにより、送出用回転体50は、底面27に沿って第1貯留領域21側から滑り落ちてくる小物部品を回転羽根53によって捕捉し、連通部23を介して第2貯留領域22側にスムーズに送り出すことができる。
【0026】
より詳細には、本実施形態の場合、モータケース56は、後方に向けて上り傾斜した状態で配置されている。したがって、回転軸51も、後方に向けて上り傾斜している。回転軸51は、後方に向けて下り傾斜している第1傾斜面27aに対して直交している。
載置面に対する回転軸51の傾斜角度は、特に限定されないが、例えば、15度以上75度以下であることが好ましく、より好ましくは20度以上から70度以下である。
また、平面視において、仕切壁30を基準として、複数の回転羽根53のうち少なくとも1枚の回転羽根53が、第1貯留領域21側に配置されており、残りの回転羽根53のうちの少なくとも1枚の回転羽根53が、第2貯留領域22側に配置されていることが好ましい。このようにすることにより、第1貯留領域21内の小物部品をスムーズに第2貯留領域22側に送り出すことができる。
本実施形態の場合、図5及び図7(a)に示す状態では、平面視において、仕切壁30を基準として、1枚の回転羽根53の平板部53bの全体が、第1貯留領域21側に配置されており、当該回転羽根53に対して180度対向する位置に配置されている回転羽根53の平板状の平板部53bの全体が、第2貯留領域22側に配置されている。また、平面視において、仕切壁30を基準として、残りの2枚の回転羽根53の平板部53bの一部分が、第1貯留領域21側に配置されており、当該回転羽根53における残りの部分が、第2貯留領域22側に配置されている。
【0027】
上述のように、第1貯留領域21から第2貯留領域22に移動した小物部品は、当該第2貯留領域22において、磁石46に吸着され、回転体40の回転に伴わせて回転移動する。
回転体40は、貯留容器20の側周壁25を間に挟んで第2貯留領域22とは反対側において、側周壁25に沿って配置されている。本実施形態の場合、回転体40は、例えば、後面部26を間に挟んで第2貯留領域22とは反対側(つまり後側)に配置されており、後面部26の面方向に沿って回転する。図2において、回転体40は、一例として、時計回りに回転するようになっている。
回転体40の形状は特に限定されないが、本実施形態の場合、例えば、正面視円盤状に形成されている。
回転体40は、当該回転体40の中心C1を通り、回転体40の板面に対して直交し、且つ、水平な回転軸AX1(図2)周りに回転可能に、筐体10によって保持されている。
なお、回転体40の回転軸AX1は、仕切壁30の板面及び後面部26の板面の各々に対しても直交している。
回転体40は、例えば、樹脂材料により構成されている。
回転体40は、第2回転モータ93を有し、当該第2回転モータ93の駆動によって、回転体40は回転軸AX1周りに回転する。
図2に示すように、本実施形態の場合、回転体40には、タイミングベルトが装着されており、第2回転モータ93の回転が当該タイミングベルトを介して回転体40に伝達される。
【0028】
回転体40には、例えば、複数(例えば、4つ)の磁石46が、回転体40の周方向において間欠的に(好ましくは等角度間隔で)設けられている。より詳細には、例えば、回転体40の周方向において、90度間隔で1つずつの磁石46が配置されている。なお、各磁石46は、回転体40において、径方向における当該回転体40の中心C1からの距離が互いに等しい部位に配置されている。
図6に示すように、各磁石46は、例えば、前後方向を軸方向とする円柱形状に形成されている。各磁石46は、それぞれ対応する保持穴42に挿入されている。
【0029】
磁石46に吸着された小物部品は、回転体40の回転に伴い、図2に示す移動経路201に沿って移動する。磁石46に吸着された小物部品は、後述する払い落とし部61により払い落とされるか、又は、捕捉部83によって捕捉され取出部70に向けて案内される。
【0030】
また、定量供給装置100は、磁石46よりも強い吸着力で小物部品を吸着する第2磁石48を更に備えている。第2磁石48は、回転体40において、磁石46が設けられている位置よりも回転体40の回転中心(回転軸AX1)の近い位置であって磁石46よりも回転方向における前側(本実施形態の場合、右側)の位置に設けられている。
これにより、回転体40が回転する際に、第2貯留領域22内において、複数の小物部品が互いに積み重なっている場合、当該複数の小物部品のうち、上側に配置されている小物部品を第2磁石48によって選択的に吸着した後に、残された小物部品(下側に配置されている小物部品)を磁石46によって選択的に吸着するようにできる。すなわち、第2貯留領域22内に多数の小物部品が貯留されている状態においても、より確実に、1つの磁石46によって1つの小物部品(ネジ110)を吸着するようにできる。
回転体40には、例えば、磁石46と同数(例えば、4つ)の第2磁石48が、回転体40の周方向において間欠的に(好ましくは等角度間隔で)設けられている。より詳細には、例えば、回転体40の周方向において、90度間隔で第2磁石48が1つずつ配置されている。なお、各第2磁石48は、回転体40において、径方向における当該回転体40の中心C1からの距離が互いに等しい部位に配置されている。
図6に示すように、各第2磁石48は、例えば、前後方向を軸方向とする円柱形状に形成されている。
本実施形態の場合、一例として、磁石46と第2磁石48とは、互いに同種の磁石(例えば、ネオジム磁石)によって構成されているとともに、第2磁石48の外径は、磁石46の外径よりも大きい寸法に設定されている。このため、第2磁石48の磁力は、磁石46の磁力よりも大きい。
ただし、本発明はこの例に限定されず、磁石46と第2磁石48とは、互いに異なる磁性材によって構成されているとともに、第2磁石48の外径と磁石46の外径とは互いに同等の寸法に設定されていてもよい。この場合、第2磁石48を構成している磁性材の磁力が、磁石46を構成している磁性材の磁力よりも大きいことが好ましい。
【0031】
ここで、図2及び図8に示すように、回転体40は、磁石46を保持する保持穴42を有し、磁石46は保持穴42内において、貯留容器20の側周壁25から離間した位置に配置されている。本実施形態の場合、磁石46は、後面部26から後方に離間した位置に配置されている。
これにより、回転体40が回転する際に、磁石46と側周壁25(後面部26)とが接触し、後面部26の後面に擦過傷が生じてしまうことを抑制するとともに、磁石46が摩耗してしまうことを抑制できる。
本実施形態の場合、回転体40の周方向において、4つの保持穴42が90度間隔で配置されている。
各保持穴42は、例えば、回転体40を当該回転体40の厚み方向に貫通している。各保持穴42の軸心は、それぞれ回転体40の板面に対して直交する方向に延在している。各保持穴42の内径は、対応する磁石46の外径と略同等の寸法に設定されている。
磁石46は、各々の軸心が対応する保持穴42の軸心と沿うように配置されている。各磁石46の外周面と対応する保持穴42の内周面とは、不図示の接着剤によって固定されている。
【0032】
同様に、回転体40は、第2磁石48を保持する第2保持穴44を有し、第2磁石48は第2保持穴44内において、貯留容器20の側周壁25(本実施形態の場合、後面部26)から後方に離間した位置に配置されている。
これにより、回転体40が回転する際に、第2磁石48と側周壁25(後面部26)とが接触し、後面部26の後面に擦過傷が生じてしまうことを抑制するとともに、第2磁石48が摩耗してしまうことを抑制できる。
第2保持穴44は、回転体40において、保持穴42が設けられている位置よりも回転体40の回転中心(回転軸AX1)の近い位置であって保持穴42よりも回転方向における前側(本実施形態の場合、右側)の位置に設けられている。
回転体40において、第2保持穴44は、例えば、保持穴42と同数設けられている。より詳細には、回転体40の周方向において、4つの第2保持穴44が90度間隔で配置されている。2つの第2保持穴44のうちいずれか一方の第2保持穴44に、1つの第2磁石48を選択的に挿入することができる。
第2磁石48は、各々の軸心が対応する第2保持穴44の軸心と沿うように配置されている。各第2磁石48の外周面と対応する第2保持穴44の内周面とは、不図示の接着剤によって固定されている。
【0033】
上述のように、後面部26の内面26aには、磁石46に吸着された小物部品の移動をガイドするガイドレール69が設けられている。
より詳細には、本実施形態の場合、後面部26の内面26aに沿って板状部67が設けられており、当該板状部67の端面68の一部分が、ガイドレール69を構成している。
図2及び図5に示すように、板状部67は、例えば、板面が前後方向を向いて配置されており、回転体40の回転軸AX1に対して直交している。正面視において、板状部67は、回転体40の上部と重なる位置に配置されている。
板状部67の端面68は、磁石46により吸着された小物部品の移動経路201に沿う円弧状の部分68aと、回転体40の回転方向における前方側(本実施形態の場合、左方側)に、円弧状の部分68aに連接され、円弧状の部分68aの接線方向に向けて延びている延長部68bと、を含む。
板状部67の端面68において、円弧状の部分68aと延長部68bとが、ガイドレール69を構成している。
ガイドレール69(端面68)は、例えば、回転体40の回転方向において、後述する第1払い落とし部63及び第2払い落とし部65の各々よりも後方から、捕捉部83の上方まで延在している。
円弧状の部分68aの曲率半径は、例えば、磁石46により吸着された小物部品の移動経路201の曲率半径と略同等に設定されている。回転体40の径方向において、円弧状の部分68aは、移動経路201と、第2磁石48により吸着された小物部品の移動経路202と、の間に配置されている。正面視において、円弧状の部分68aは、回転体40の左上部分と重なる位置に配置されている。
また、円弧状の部分68aの中心角は、例えば、45度以上90度未満である。
延長部68bは、例えば、回転体40の中心C1から右側に向けて離間する方向に延在しており、当該延長部68bの一端部は、回転体40の外形線を超えて右側に突出している。
延長部68bは、例えば、円弧状の部分68aの右端と接続されているとともに円弧状に形成されている第1部分と、第1部分から右側に略直線状に延在している第2部分と、を含む。
延長部68bの第1部分の曲率半径は、円弧状の部分68aの曲率半径よりも大きい。
延長部68bの右端部(延長部68bの第2部分の右端部)は、例えば、平面視において、捕捉部83の上流端と重なる位置に配置されており、当該上流端よりも右側に延在している。
【0034】
このような構成によれば、第2貯留領域22の下方に位置する小物部品は、磁石46によって吸着され、回転体40の回転に伴って上方に持ち上げられて回転移動を始める。そして、回転移動する小物部品は、円弧状の部分68aに沿って延長部68bに案内された後に、当該延長部68bによって移動経路201から離間する方向に案内される。すなわち、磁石46により吸着された小物部品が、延長部68bに沿って移動する過程で、磁石46から切り離されるようにできる。磁石46から切り離された小物部品は、自重により捕捉部83に向けて落下し、捕捉部83によって捕捉され取出部70へと案内される。
【0035】
このように、定量供給装置100は、側周壁25の内面であって、側周壁25を間に挟んで回転体40とは反対側の部位に、磁石46により吸着された小物部品の移動経路201に沿って配置されており、捕捉部83に向けた小物部品の移動をガイドするガイドレール69を更に備える。
図1及び図2等に示すように、定量供給装置100は、側周壁25の内面であって、側周壁25を間に挟んで回転体40とは反対側の部位に、当該内面に沿って板状部67が設けられており、板状部67の端面68は、磁石46により吸着された小物部品の移動経路201に沿う円弧状の部分68aを含み、板状部67の端面68において円弧状の部分68aを含む部位が、ガイドレール69を構成している。
また、定量供給装置100は、板状部67の端面68は、円弧状の部分68aと、回転体40の回転方向における前方側に、円弧状の部分68aに連接され、円弧状の部分68aの接線方向に向けて延びている延長部68bであって、円弧状の部分68aとともにガイドレール69を構成する延長部68bと、を含み、磁石46により吸着された小物部品が延長部68bに沿って移動する過程で、磁石46から切り離されて捕捉部83により捕捉される。
【0036】
更に、定量供給装置100は、円弧状の部分68aと延長部68bとの境界近傍の位置であってガイドレール69の下側近傍の位置において、側周壁25(本実施形態の場合、後面部26)から第2貯留領域22の内部に向けて突出している突出部66(図2及び図5等参照)を備える。
このような構成にとれば、1つの磁石46に対して複数の小物部品が吸着されて、突出部66まで到着した場合、1つの小物部品を残して、余分な小物部品を当該突出部66によって払い落すことが容易となる。
更に、残された1つの小物部品については、円弧状の部分68aと延長部68bとの境界近傍において、突出部66と接触しガイドレール69側に押し上げられるので、当該ガイドレール69から落下してしまうことを抑制できる。すなわち、磁石46により吸着された小物部品が延長部68bに沿って移動する過程で、より確実に磁石46から切り離されるようにできる。
より詳細には、磁石46に吸着された小物部品は、移動経路201に沿って突出部66の近傍まで回転移動する(図9(a))。そして、小物部品は突出部66と接触し回転移動が阻害される一方で、磁石46はそのまま回転体40の回転に伴って回転移動を続ける(図9(b))。これにより、磁石46は小物部品から遠ざかり、当該小物部品に対する磁石46の吸着力が弱まる。よって、小物部品は、磁石46から切り離され(図10(a))、延長部68bに沿って捕捉部83に向けて案内され、当該捕捉部83の内部に落下する(図10(b))。
突出部66は、一例として、頭部と軸部とを有する雄ネジ(ボルト)である。突出部66の軸心は前後方向に沿って配置されている。より詳細には、突出部66の軸部は、後面部26の内面26aから前方に向けて突出しており、当該突出部66の先端部(突出方向における先端)が頭部を構成している。また、突出部66は、例えば、板状部67を貫通しており、当該突出部66の先端部(頭部)は、板状部67の前面及びガイドレール69よりも前方に位置している。
図2にしめすように、突出部66は、ガイドレール69よりも回転体40の径方向内側、且つ、捕捉部83の上流端の左上に配置されている。
【0037】
更に、定量供給装置100は、後面部26の内面26aに設けられている払い落とし部61を備えている。払い落とし部61は、例えば、第1払い落とし部63及び第2払い落とし部65(図2及び図5参照)を含む。
第1払い落とし部63は、磁石46により吸着された小物部品の移動経路201上に配置され、磁石46と第2磁石48とのうち磁石46により吸着された小物部品を、捕捉部83により捕捉される前に選択的に払い落とす。
第2払い落とし部65は、第2磁石48により吸着された小物部品の移動経路202上に配置され、磁石46と第2磁石48とのうち第2磁石48により吸着された小物部品を、捕捉部83により捕捉される前に選択的に払い落とす。
このような構成によれば、より確実に、1つの磁石46によって定量(本実施形態の場合、1つ)の小物部品が吸着されるようにできる。
【0038】
図2に示すように、第1払い落とし部63は、後面部26の左上側に配置されているとともに、正面視において、回転体40の外周縁よりも径方向外方に配置されている。
第1払い落とし部63は、例えば、正面視略L字状の第1平板部と、第1平板部を後面部26に対して固定するための第2板状部と、を含む。
第1平板部は、互いに直交する2つの面状部を有し、2つの面状部の各々の一方の面が、それぞれ小物部品を払い落とす第1払い落とし面63a、63bを構成している。第1払い落とし面63aは、回転体40側を向いて配置されている。第1払い落とし面63bは、回転体40の回転方向における後方を向いて配置されている。
第2平板部は、第1払い落とし面63aを有する面状部の後縁から鉛直に起立しており、その板面は前後方向を向いている。
第2平板部には、例えば、第1平板部ひいては第1払い落とし部63を後面部26に対して固定するための一対の長穴が形成されている。一対の長穴は、それぞれ回転体40の径方向に沿って延在しており、且つ、周方向において並んで配置されている。
図2に示すように、一対の長穴に対して、それぞれボルト等の止着部材を用いて第2平板部を固定することにより、後面部26に対して第1払い落とし部63が固定されている。
ここで、長穴に対する止着部材の固定位置は、長穴の長手方向において調節可能である。よって、後面部26に対する第1払い落とし部63の相対位置を、回転体40の径方向において変更できるようになっている。
【0039】
図2に示すように、第2払い落とし部65は、板状部67の前面に配置されているとともに、正面視において、回転体40の外周縁及びガイドレール69の円弧状の部分68aの各々よりも径方向内方に配置されている。
第2払い落とし部65は、例えば、正面視略L字状の第3平板部と、第3平板部を後面部26に対して固定するための第4平板部と、を含む。
第3平板部は、互いに交差する2つの面状部を有し、このうち一方の面状部の一方の面が、小物部品を払い落とす第2払い落とし面65aを構成している。第2払い落とし面65aは、回転体40の中心C1側とは反対側を向いて配置されている。
第4平板部は、第2払い落とし面65aを有する面状部の後縁から鉛直に起立しており、その板面は前後方向を向いている。
第4平板部には、例えば、第3平板部ひいては第2払い落とし部65を後面部26に対して固定するための一対の長穴が形成されている。一対の長穴は、それぞれ回転体40の径方向の成分を含む方向に沿って延在しており、且つ、周方向の成分を含む方向において並んで配置されている。
図2示すように、一対の長穴に対して、それぞれボルト等の止着部材を用いて第2平板部を固定することにより、板状部67ひいては後面部26に対して第2払い落とし部65が固定されている。
ここで、長穴に対する止着部材の固定位置は、長穴の長手方向において調節可能である。よって、後面部26に対する第2払い落とし部65の相対位置を、回転体40の径方向の成分を含む方向において変更できるようになっている。
【0040】
なお、第1払い落とし部63は、後面部26に対して着脱可能となっている。同様に、第2払い落とし部65は、板状部67に対して(ひいては後面部26に対して)着脱可能となっている。
【0041】
第2払い落とし部65は、第1払い落とし部63よりも、回転体40の中心C1の近くに配置される。したがって、第1払い落とし部63と第2払い落とし部65との間には、小物部品を通過させるための間隙(ゲート)が形成されている。
より詳細には、第1払い落とし部63の第1払い落とし面63aと、第2払い落とし部65の第2払い落とし面65aと、は互いに対向且つ離間して配置されており、磁石46に吸着された小物部品は、第1払い落とし面63aと第2払い落とし面65aとの間隙(ゲート)64を通過可能となっている。
ここで、間隙64の幅寸法は、1つの小物部品の最大寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されている。
このため、1つの磁石46に複数の小物部品が吸着されている場合、1つの小物部品のみが間隙64を通過する一方で、残りの小物部品は第1払い落とし面63a又は第2払い落とし面65aと接触し、払い落とされるようにできる。すなわち、1つの磁石46によって、1つの小物部品が捕捉部83まで搬送されるようにできる。
また、第2磁石48に吸着されている小物部品は、第2払い落とし面65aと接触し、払い落とされる。
【0042】
上述のように、捕捉部83は、左側から右側に向けて下り傾斜した樋状に形成されている。捕捉部83の底面は、例えば、V溝状ないしはU溝状に形成されている。このため、捕捉部83により捕捉された小物部品は、捕捉部83の底面により捕捉部83の下流側(右側)に流下案内されつつ、捕捉部83の幅方向(前後方向)における中央部に寄ってくるようになっている。
また、捕捉部83の幅寸法は、例えば、小物部品の最大寸法よりも大きい寸法、且つ、当該最大寸法の2倍よりも小さい寸法に設定されている。このため、各小物部品が、1つずつ捕捉部83を流下するようにできる。
【0043】
本実施形態の場合、定量供給装置は、捕捉部83を流下する各小物部品が取出部70に排出される間隔を調整する間隔調整部80を更に備えている。間隔調整部80は、捕捉部83の下流端及び開口15aに配置されているローラ81と、ローラ81を当該ローラ81の軸周りに回転可能に保持しているローラ保持部87と、を有する。
図2に示す状態では、ローラ81は、円筒状の周面(外周面)を有しており、当該ローラ81の回転軸が水平、且つ、前後に延在するように、捕捉部83の下流端に配置され、捕捉部83の下流端を閉塞している。換言すれば、ローラ81の周面における左下側部分は、捕捉部83の内部に臨まされている。
ローラ81の幅方向における中央部は、捕捉部83の幅方向における中央部、すなわちV溝ないしはU溝形状の捕捉部83の底面の最深部に対して位置合わせされている。
ローラ保持部87は、例えば、右側の側壁15の外面において、開口15aと対応する位置に設けられている。ローラ保持部87は、側壁15に対して水平な揺動軸周りに上下に揺動可能に固定されており、ローラ81も側壁15に対して揺動軸周りに上下に揺動可能となっている。
図2に示す状態から、ローラ保持部87及びローラ81が上方に揺動することによって、ローラ81の周面と、捕捉部83の上面との間の間隙が十分に確保され、開口15a及び捕捉部83の下流端が開通状態となる。この状態から、ローラ保持部87及びローラ81が下方に揺動することによって、ローラ81が再び捕捉部83の下流端の内部に配置され、開口15a及び捕捉部83の下流端が再び閉塞状態となる。
【0044】
捕捉部83に小物部品が捕捉されたときには、ローラ81は、先ず、捕捉部83上を流下する小物部品の流下を遅延させるストッパとして機能する。
そして、流下しようとする小物部品の自重によってローラ81が押し上げられ、ローラ81とローラ保持部87とが上方に揺動することによって、ローラ81と捕捉部83の下流端との間隙が広がる。これにより、小物部品は、ローラ81と捕捉部83の下流端との当該間隙を通過し取出部70側に滑り落ちる。小物部品が滑り落ちると、ローラ81及びローラ保持部87はその自重により下方に揺動し、開口15a及び捕捉部83の下流端が再び閉塞状態となる。
このような構成によれば、複数の小物部品が捕捉部83上を流下する場合、先頭の(最も下流側の)小物部品が取出部70に排出されてから少し間隔を空けて(少し時間が経過して)、次の小物部品が取出部70に排出されるようにできる。このため、万が一、1つの磁石46に複数の小物部品が吸着されて捕捉部83内に落下したとしても、後述する計数用センサが、取出部70上に排出された小物部品を1つずつ容易に検出するようにできる。
【0045】
図2及び図3に示すように、取出部70は、半球状(球の下半分の形状)に形成されている受皿である。より詳細には、取出部70の内径及び外径の各々は、下方に向けて徐々に縮径している。
図1及び図2に示すように、取出部70は、例えば、正面視L字状の板状部材である支持部材78によって支持されている。支持部材78は、水平に配置される第1板面と、起立状態に配置される第2板面と、を有しており、第1板面により取出部70を支持している。支持部材78は、第1板面の左端部から上方に向けて第2板面が起立する状態に配置されている。
【0046】
また、本実施形態の場合、筐体10内には、第1回転モータ91及び第2回転モータ93の各々の動作制御を行う制御部90が設けられている。
制御部90は、例えば、制御用プログラムを記憶保持しているROM(Read Only Memory)と、この制御用プログラムに従って制御動作を実行するCPU(Central Processing Unit)と、CPUの作業領域などとして機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えて構成されている。
制御部90が、例えば、第1回転モータ91の動作制御を行うことによって、送出用回転体50は回転軸51周りに回転し、第2回転モータ93の動作制御を行うことによって、回転体40は回転軸AX1周りに回転する。
【0047】
次に、動作を説明する。
先ず、作業者は、第1貯留領域21に、複数の小物部品を投入する。
続いて、作業者は、図示しない操作部に対する操作によって、制御部90に対して排出動作の開始を指示する。これにより、回転体40の回転駆動が開始される。
回転体40に回転駆動により、複数の小物部品のうち、第1貯留領域21内において連通部23の近傍に位置している小物部品から順に、送出用回転体50によって連通部23を介して第2貯留領域22に送り出される。このため、大量の小物部品が第2貯留領域22に貯留されることが抑制されるので、1つの磁石46に吸着される小物部品の数が過大となってしまうことを抑制できる。
ここで、本実施形態の場合、上述のように、連通部23、又は、連通部23の近傍には、送出用回転体50が配設されている。このため、第1貯留領域21に大量の小物部品が貯留されている場合であっても、当該第1貯留領域21の下層に位置する小物部品を、送出用回転体50によって第2貯留領域22へと少量ずつ掻き出して送り込むことができる。
なお、本発明において、送出用回転体50は、例えば、定量供給装置100の稼働中において、常に回転駆動するように設定されていてもよいし、一定間隔で間欠的に回転駆動するように設定されていてもよい。更には、送出用回転体50は、例えば、小物部品の排出が所定時間の間検出されなかった場合に、回転駆動するように設定されていてもよい。
続いて、第2貯留領域22内に送り出された小物部品は、磁石46に吸着されて回転体40とともに捕捉部83に向けて回転移動する。
より詳細には、上述のように、第1払い落とし面63aと第2払い落とし面65aとの間隙64を通過する際に、1つの磁石46に対して複数の小物部品が吸着されている場合、いずれか1つの小物部品はそのまま捕捉部83に搬送される一方で、残りの小物部品は第1払い落とし部63により払い落とされる。よって、より確実に、小物部品を1つずつ捕捉部83に搬送することができる。
また、第2磁石48に吸着されている小物部品は、捕捉部83の上流端よりも回転体40の回転方向における後方側において、第2払い落とし部65により払い落とされる。よって、第2磁石48に吸着されている小物部品が、捕捉部83に搬送されることを抑制できる。
続いて、第1払い落とし面63aと第2払い落とし面65aとの間隙64を通過した小物部品は、延長部68bに沿って移動する過程で、磁石46から切り離されて捕捉部83により捕捉される。そして、捕捉された小物部品は、捕捉部83を流下し、開口15aを介して取出部70内に排出される。
ここで、上述のように、円弧状の部分68aと延長部68bとの境界近傍の位置であってガイドレール69の下側近傍の位置には、突出部66が配置されている。
このため、万が一、第1払い落とし面63aと第2払い落とし面65aとの間隙64を通過した後も、1つの磁石46に対して複数の小物部品が吸着されていたとしても、1つの小物部品を残して、余分な小物部品を当該突出部66によって払い落すことが容易となる。更に、残された1つの小物部品については、円弧状の部分68aと延長部68bとの境界近傍において、突出部66と接触しガイドレール69側に押し上げられて、磁石46から切り離されるようにできる。
【0048】
ここで、本実施形態の場合、筐体10内には、例えば、取出部70からの小物部品の取り出しを検出するための取出判定用スイッチ(不図示)が設けられている。取出判定用スイッチ(不図示)は、支持部材78の第2板面と対向する位置に配置されており、第2板面には、取出判定用スイッチを押圧するための突起であるスイッチ押圧部(不図示)が設けられている。
また、側壁15には、蝶番76が設けられている。蝶番76は、側壁15の外面側に固定されている固定部76aと、固定部76aに対して回転可能な回転部76bと、を備えている。固定部76aに対する回転部76bの回転の軸は、側壁15の外面に沿う方向で、且つ、水平方向となっている。
そして、蝶番76の回転部76bには、支持部材78の第2板面の上端部が固定されている。
取出判定用スイッチは、通常時には、取出部70及び支持部材78の重みによってスイッチ押圧部により押圧されて、オン状態となるようになっている。
取出部70上に排出された小物部品が作業者の手によって取出部70上から掴み上げられる際に、取出部70が図2において右方に引っ張られることにより、回転部76b、支持部材78及び取出部70が固定部76aに対して回転し、取出判定用スイッチからスイッチ押圧部が浮き上がる。これにより、取出判定用スイッチが一時的にオフ状態となるようになっている。
制御部90は、取出判定用スイッチの状態を監視しており、取出判定用スイッチがオン状態からオフ状態に切り替わったタイミングから起算して所定時間後(例えば2秒後)に、再び回転体40の回転駆動を開始させる、すなわち小物部品の排出動作を再開させる。
こうして、貯留容器20から取出部70への所定数の小物部品の排出動作と、回転体40の停止動作並びに報知部による報知動作と、作業者による取出部70からの所定数の小物部品の取り出し動作と、を繰り返し実行することが可能となっている。
【0049】
定量供給装置100は、更に、取出部70上に排出された小物部品の数を計数するための計数用センサ(不図示)を備えている。計数用センサは、例えば、相互に対向配置された発光部と受光部とを有する光電センサである。計数用センサは、例えば、ローラ81よりも下流側に配置されている。
計数用センサは、小物部品を検出する度に、検出信号を制御部90に出力する。制御部90は、計数用センサから入力された検出信号の数をカウントしており、当該カウント数が予め定められた数(例えば5個以上10個以下などの数;以下、所定数)に達すると、第2回転モータ93に停止信号を出力し、停止信号を受けた各回転モータが動作停止することにより、回転体40の回転が停止する。
また、制御部90は、各回転モータに停止信号を出力するとともに、図示しないランプ等の報知部に対し、報知信号を出力し、報知信号を受けた報知部が発光動作等の報知動作を行うようになっている。
この報知動作により、作業者は、取出部70上に所定数の小物部品が排出された状態であることを認識できる。
【0050】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0051】
例えば、上記においては、磁石46により吸着された小物部品が延長部68b(ガイドレール69)に沿って移動する過程で、磁石46から切り離される例を説明したが、本発明において、例えば、捕捉部83が、小物部品を磁石46から切り離す切り離し機構(不図示)を備えていてもよい。この場合、例えば、捕捉部83の上流端に切り離し機構が設けられており、磁石46に吸着されて捕捉部83の上流端に到達した小物部品が、当該切り離し機構によって、磁石46から切り離されてそのまま捕捉部83を流下する。
【0052】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)定量の小物部品を供給する定量供給装置であって、
複数の前記小物部品を貯留する貯留容器と、
水平な軸周りに回転する回転体と、
前記回転体に設けられ、前記小物部品を吸着することによって該小物部品を前記回転体の回転に伴わせて回転移動させる磁石と、
前記磁石により吸着されて回転移動する前記小物部品を捕捉する捕捉部と、
前記捕捉部によって捕捉された前記小物部品が取り出される取出部と、
を備え、
前記貯留容器は、仕切壁により相互に仕切られた第1貯留領域と第2貯留領域とを有し、
前記貯留容器の底面は、前記第1貯留領域側から前記第2貯留領域側に向けて下り傾斜しており、
前記仕切壁の下縁と前記貯留容器の底面との間隙は、前記小物部品を前記第1貯留領域側から前記第2貯留領域側に供給する連通部を構成しており、
前記磁石は、前記第2貯留領域の小物部品を吸着する小物部品の定量供給装置。
(2)前記連通部、又は、前記連通部の近傍には、前記小物部品を前記第1貯留領域から前記第2貯留領域側に送り込む送出用回転体が配設されている(1)に記載の小物部品の定量供給装置。
(3)前記送出用回転体は、
回転軸と、
前記回転軸の先端側に設けられている回転羽根と、
を有し、
前記回転羽根の取り付け箇所における前記回転軸の軸中心は、前記仕切壁の下縁を基準として、前記第1貯留領域側ではなく前記第2貯留領域側に位置している(2)に記載の小物部品の定量供給装置。
(4)前記回転軸が前記第1貯留領域側から前記第2貯留領域側に向けて傾倒している(3)に記載の小物部品の定量供給装置。
(5)前記回転体は、前記貯留容器の側周壁を間に挟んで前記第2貯留領域とは反対側において、前記側周壁に沿って配置されている(1)から(4)のいずれか一項に記載の小物部品の定量供給装置。
(6)前記側周壁の内面であって、前記側周壁を間に挟んで前記回転体とは反対側の部位に、前記磁石により吸着された前記小物部品の移動経路に沿って配置されており、前記捕捉部に向けた前記小物部品の移動をガイドするガイドレールを更に備える(5)に記載の小物部品の定量供給装置。
(7)前記側周壁の内面であって、前記側周壁を間に挟んで前記回転体とは反対側の部位に、当該内面に沿って板状部が設けられており、
前記板状部の端面は、前記磁石により吸着された前記小物部品の移動経路に沿う円弧状の部分を含み、
前記板状部の前記端面において前記円弧状の部分を含む部位が、前記ガイドレールを構成している(6)に記載の小物部品の定量供給装置。
(8)前記板状部の前記端面は、
前記円弧状の部分と、
前記回転体の回転方向における前方側に、前記円弧状の部分に連接され、前記円弧状の部分の接線方向に向けて延びている延長部であって、前記円弧状の部分とともに前記ガイドレールを構成する延長部と、
を含み、
前記磁石により吸着された前記小物部品が前記延長部に沿って移動する過程で、前記磁石から切り離されて前記捕捉部により捕捉される(7)に記載の小物部品の定量供給装置。
(9)前記円弧状の部分と前記延長部との境界近傍の位置であって前記ガイドレールの下側近傍の位置において、前記側周壁から前記第2貯留領域の内部に向けて突出している突出部を備える(8)に記載の小物部品の定量供給装置。
(10)前記回転体は樹脂材料により構成されており、
前記回転体は、前記磁石を保持する保持穴を有し、
前記磁石は前記保持穴内において、前記貯留容器の前記側周壁から離間した位置に配置されている(5)から(9)のいずれか一項に記載の小物部品の定量供給装置。
【符号の説明】
【0053】
10 筐体
12 前面壁
13 後面壁
15 側壁
15a 開口
16 側壁
18 配置領域
19 カバー部
20 貯留容器
21 第1貯留領域
22 第2貯留領域
23 連通部
25 側周壁
26 後面部
26a 内面
27 底面
27a 第1傾斜面
27b 第2傾斜面
27c 第3傾斜面
28 開口
30 仕切壁
30a 下縁
31 第1部分
36 第2部分
38 止着部材
40 回転体
42 保持穴
44 第2保持穴
46 磁石
48 第2磁石
50 送出用回転体
51 回転軸
53 回転羽根
53a 基部
53b 平板部
54 装着部
56 モータケース
61 払い落とし部
63 第1払い落とし部
64 間隙
65 第2払い落とし部
66 突出部
67 板状部
68 端面
68a 円弧状の部分
68b 延長部
69 ガイドレール
70 取出部
76 蝶番
76a 固定部
76b 回転部
78 支持部材
80 間隔調整部
81 ローラ
83 捕捉部
87 ローラ保持部
90 制御部
91 第1回転モータ
93 第2回転モータ
100 定量供給装置
110 ネジ(小物部品)
201、202 移動経路
AX1、AX2 回転軸
C1 中心
C2 回転軸の軸中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10