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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118279
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】電子文体の読取位置報知装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20230818BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20230818BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20230818BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
G06F3/16 620
G10L15/22 460Z
G06F3/16 650
G06F3/0481
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021137
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】396020132
【氏名又は名称】株式会社システック
(72)【発明者】
【氏名】香高 孝之
(72)【発明者】
【氏名】大城 巧
(72)【発明者】
【氏名】太田 偉喜
(72)【発明者】
【氏名】坂田 全弘
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA46
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC04
5E555CA02
5E555CA17
5E555CA47
5E555CB05
5E555CB64
5E555DB44
5E555DB45
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC19
5E555DC31
5E555DC34
5E555DC35
5E555DC60
5E555DC72
5E555DC84
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA14
5E555EA23
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】
本発明の課題は、音読している文を照合して読取位置をユーザに表示してくれ、読取位置が不明となる不都合を回避できる電子文体の読み位置報知装置を提供することである。
【解決手段】
本発明の電子文体の読取位置報知装置は、文の電子データを表示する表示手段と音声入力手段と音声認識手段と、音読した文を文字変換し、文データと照合し読取位置を決定する読取位置決定手段と、その位置を表示手段に文に関連付けて表示する読取位置表示手段等を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御手段と、前記制御手段により制御されるものであって、
文データと前記文データの配置データとを格納する文データ記憶手段と、格納された前記文データを文として電子画面に表示する表示手段と、前記表示された文を読むユーザの音声を入力する音声入力手段と、前記入力された音声を音声認識して文字列データに変換する音声認識手段と、前記変換された文字列データを一時格納する文字列一時記憶手段と、
前記文字列データと前記文データ記憶手段の前記文データを照合し前記配置データから読取位置を単一に決定する読取位置決定手段と、照合結果を格納する照合結果記憶手段と、単一の読取位置を前記表示手段内の文と関連付けて表示する読取位置表示手段と、照合条件を指定するための照合条件指定報知手段と、を備えたことで、前記ユーザにおいて、読取位置が不明になった場合に容易に読取位置が分かり読取の復帰を可能としたことを特徴とする電子文体の読取位置報知装置。
【請求項2】
前記文字列データと前記文データ記憶手段の前記文データを照合する前記読取位置決定手段の単一の読取位置の決定において、単一に決定できなかった場合は、前記文字列データと前記文データを、単一に決定できなかった場合の前記文字列データと前記文データの前又は/及び、後に、文を次々に拡張して照合を繰り返すこと、又は、前記ユーザに選択させること、により単一に決定することを特徴とする請求項1記載の電子文体の読取位置報知装置。
【請求項3】
前記文字列データと前記文データ記憶手段の前記文データを照合する前記読取位置決定手段の単一の読取位置の決定において、単一に決定できなかった場合は、複数の候補から前記ユーザに選択動作又は特定のキーワードを使った音声指示による選択により単一に決定することを特徴とする請求項1記載の電子文体の読取位置報知装置。
【請求項4】
前記照合条件指定報知手段は、前記ユーザが読取の再開を含む開始位置の指定を行う場合の選択肢として、「前回の読取終了位置から」又は/及び、「現在表示面内の文の何行目(行目指定)から、或いはユーザによる指示位置から」を含むことで、開始時の容易性を向上したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置。
【請求項5】
前記照合条件指定報知手段は、前記ユーザの音読が所定の時間の間無い場合、又は、飛び飛びの音読の場合、又は、前記照合しても一致した前記読取位置が見つからない場合はアラームを出す、又は、出さないかの指定、又は、/及び、適度な時間間隔で音読を促す報知を行うことの条件指定、が可能であること特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置。
【請求項6】
前記照合条件指定報知手段は、前記ユーザが読む文と無関係な音声が前記音声入力手段に入力したことを前記ユーザに報知するか、又は、/及び、前記無関係な音声が入った時点の照合結果を前記ユーザの指示により取り消す照合部分取消を行う機能を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置。
【請求項7】
前記照合条件指定報知手段は、「表示なし」の指定にある場合でも、「表示要求」又は「表示要求」のための要求ボタンによる指示又は所定のキーワードの音声指示による前記ユーザの随時の要求により前記読取位置の表示回復を可能としたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置。
【請求項8】
前記照合条件指定報知手段は、前記ユーザに照合中断/再開、終了を選択させる機能を備え、照合中断、終了においては、読んだ文毎に読取位置を保存することを可能としたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子表示面内の電子文体を読んでいる場合に、意図しない忘却や瞬時入眠等による忘却によって、電子文体の読取位置がユーザの意識から消失することが多く発生する。特に黙読で発生しやすい。音読の音声を用い、処理をすることで、忘却した電子文体の読取位置を回復する電子文体の読取位置報知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来文献をたどると、本出願人によるものが、特許文献1と特許文献2に見ることができる。特許文献1では、カメラによる顔面の観察により視点を抽出し、視点位置を電子表示面に表示するものである。特許文献2は、頭部に搭載した光点付与手段で電子表示面に表示した光点をカメラで撮影して、読取位置のデータとするものである。両者とも、少なくとも撮影手段を必須とした構成である。
特許文献3と特許文献4は、忘却した電子文体の読取位置を回復するものではない。
特許文献3では、視線検出部によりユーザが参照(見た)パーツの順を求め、予め決められたパーツ順に合致した場合(例:パーツがP、Q、Rと進んできて)に、次の行動に必要な指示(例:Sに行く矢印を表示)を出す等の制御をするものである。カメラ等の視線検出部やパーツ表示位置データベースなど構成が複雑になる不都合がある。
特許文献4では、会議中継装置であり、会議中の音声を変換したテキスト情報が示す会議資料中の領域(テキスト情報自体ではない)を特定し、その領域を強調表示するものである。具体的には、テキスト情報の内容や文が意図するものが特定されるもので、例えば、
音声で「2行目の」、「赤い文字」等の音声の発言で、表示面内で「2行目」の文が協調され、同様に「赤い」文字で記述されたところが強調される。今回の出願では、記述された文自体が、例えば、「2行目」とあるが、記述位置が、文末にある場合もあり、「2行目」であるわけではない。同様に、今回の出願では、記述された文自体が「赤い文字」となっているだけで、その文自体は、通常のように黒い文字であり、「テキスト情報が示す領域」とは、そのテキスト自体を示すものでない。今回の出願では、読んでいた電子文体の位置は、直前では一か所になるが、特許文献4では、必ずしも、一か所とは限らない。
ところで、表示面内の文章や図面、表などの表示を見ている場合に、気付いたときにどこを見ていたかが不明になることがよくあり、その結果、何度も読み返したり無駄が多いことがある。これは難しい内容をみていたり、疲労が有ったりするとよく起こる。眠ってなくとも、どこを見ていたか不明になることも多くある現実への対応も含めて、眠っているかどうかにかかわらず、「どこを見ていたか分からなくなった」と見る者本人が感知した現実に対応して、電子表示面内の電子文体を読んでいる場合に、瞬時入眠等により忘却した電子文体の読取位置を回復する簡単な構成の装置が待望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2021-097677
【特許文献2】特願2021-101671
【特許文献3】特開2006-107048
【特許文献4】特開2011-65467
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今回の出願の課題は、電子表示面内の電子文体を読んでいる場合に、意図しない忘却や瞬時入眠等による忘却によって、電子文体の読取位置がユーザの意識から消失することが多く発生する。音読の音声を用い、処理をすることで、忘却した電子文体の読取位置を回復し、ユーザに報知する簡単な構成の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下請求項に沿い記述する。
請求項1記載の発明は、電子文体の読取位置報知装置であって、
制御手段と、前記制御手段により制御されるものであって、
文データと前記文データの配置データとを格納する文データ記憶手段と、格納された前記文データを文として電子画面に表示する表示手段と、前記表示された文を読むユーザの音声を入力する音声入力手段と、前記入力された音声を音声認識して文字列データに変換する音声認識手段と、前記変換された文字列データを一時格納する文字列一時記憶手段と、
前記文字列データと前記文データ記憶手段の前記文データを照合し前記配置データから読取位置を単一に決定する読取位置決定手段と、照合結果を格納する照合結果記憶手段と、単一の読取位置を前記表示手段内の文と関連付けて表示する読取位置表示手段と、照合条件を指定するための照合条件指定報知手段と、を備えたことで、前記ユーザにおいて、読取位置が不明になった場合に容易に読取位置が分かり読取の復帰を可能としたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子文体の読取位置報知装置において、
前記文字列データと前記文データ記憶手段の前記文データを照合する前記読取位置決定手段の単一の読取位置の決定において、単一に決定できなかった場合は、前記文字列データと前記文データを、単一に決定できなかった場合の前記文字列データと前記文データの前又は/及び、後に、文を次々に拡張して照合を繰り返すこと、又は、前記ユーザに選択させること、により単一に決定することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の電子文体の読取位置報知装置において、
前記文字列データと前記文データ記憶手段の前記文データを照合する前記読取位置決定手段の単一の読取位置の決定において、単一に決定できなかった場合は、複数の候補から前記ユーザに選択動作又は特定のキーワードを使った音声指示による選択により単一に決定することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置において、前記照合条件指定報知手段は、前記ユーザが読取の再開を含む開始位置の指定を行う場合の選択肢として、「前回の読取終了位置から」又は/及び、「現在表示面内の文の何行目(行目指定)から、或いはユーザによる指示位置から」を含むことで、開始時の容易性を向上したことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置において、前記照合条件指定報知手段は、前記ユーザの音読が所定の時間の間無い場合、又は、飛び飛びの音読の場合、又は、前記照合しても一致した前記読取位置が見つからない場合はアラームを出す、又は、出さないかの指定、又は、/及び、適度な時間間隔で音読を促す報知を行うことの条件指定、が可能であること特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置において、前記照合条件指定報知手段は、前記ユーザが読む文と無関係な音声が前記音声入力手段に入力したことを前記ユーザに報知するか、又は、/及び、前記無関係な音声が入った時点の照合結果を前記ユーザの指示により取り消す照合部分取消を行う機能を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置において、前記照合条件指定報知手段は、「表示なし」の指定にある場合でも、「表示要求」又は「表示要求」のための要求ボタンによる指示又は所定のキーワードの音声指示による前記ユーザの随時の要求により前記読取位置の表示回復を可能としたことを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の電子文体の読取位置報知装置において、前記照合条件指定報知手段は、前記ユーザに照合中断/再開、終了を選択させる機能を備え、照合中断、終了においては、読んだ文毎に読取位置を保存することを可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上の様に構成されているので、本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置は、音読している文を文字変換し、文字照合して読取位置を単一に決定しユーザに表示してくれるので、読取位置が不明となる不都合を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の構成の一実施態様を示す図である。
図2】本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の動作フローの一実施態様を示す図である。
図3】本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の照合条件指定の一実施態様を示す図である。
図4】本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の読取位置の単一決定の機能の一実施態様を示す図である。
図5】本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の照合の機能の一実施態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の構成の一実施態様を示す図である。
文及びその配置のデータを格納する文データ記憶手段110と、格納された文データを文として電子画面に表示する表示手段120と、表示された文を読むユーザの音声を入力する音声入力手段130と、入力された音声を音声認識して文字列データに変換する音声認識手段140と、変換された文字列データを一時格納する文字列一時記憶手段150と、
文字列データと文データ記憶手段110の文データを照合し配置データから読取位置を単一に決定する読取位置決定手段160と、照合結果を格納する照合結果記憶手段170と、単一の照合結果を表示手段内の文と関連付けて読取位置として表示する読取位置表示手段180と、照合条件を指定する、或いは、ユーザへの報知のための照合条件指定報知手段190と、これらを制御する制御手段200とを備えている。
本装置は、ユーザが表示手段120内の文を読んでいるとき、音読していれば、読んでいる文位置を単一的に特定してその位置を表示手段120内で示してくれる。そのため、ユーザは、どこを読んでいたか不明になった場合も容易に読取位置が分かり復帰できる。この不明になることは、一時眠くなった時、通常時、途中中断したときなど多く発生し、読み直して読取位置を探す手間がその都度発生し不都合となっていたが、本装置により、この不都合が回避される。
文データ記憶手段110の文及び配置データは、例えば、webでは、HTML記述のデータであり、用途に応じた記述形式のデータになっている。表示手段120は、液晶表示やEL表示など多くの例があり、使用されている。音声入力手段130は、所謂マイクロフォンである。音声認識手段140は、ディープラーニングの登場やスマートフォンに搭載されるほど人工知能化され、今や当たり前になった音声から文字への変換技術であり、音声認識プログラムも市販されているので使用できる。読取位置決定手段160と照合条件指定報知手段190については詳細を後述する。制御手段200は、上記の手段の動作を行う手順を制御するコンピュータである。記憶手段は所謂メモリである。
尚、表示手段120への文の表示をユーザの好みに応じて変える表示条件指定の手段は、文を表示手段120に表示する装置では、有ることは一般的である。
【0016】
読取位置決定手段160と照合条件指定報知手段190の動作を図2から図5にわたり記述する。音読された文で文字変換されたものを、文データ記憶手段110内の文データと照合して、どの位置の文が読まれたかを単一に決定するのが、読取位置決定手段160であり、その場合の種々の照合条件を指定する、或いは、ユーザへの報知のインターフェースとなるのが照合条件指定報知手段190であり、詳細は以下に示す。
【0017】
図2は、本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の動作フローの一実施態様を示す図である。A)装置の始動を行う。B)図3の1)と2)に示す照合条件の指定を行う。
C)図3の3)で示す動作状態の選択を行う。・照合を選ぶと照合を開始する。・表示では、表示をさせないことも出来る。・終了を選ぶと終了する。・照合条件指定へを選ぶと、再度B)の照合条件指定に戻り、条件変更が出来る。
【0018】
図3は、本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の照合条件指定の一実施態様を示す図である。照合条件の指定では、
1)前回指定と同じか、今回指定かを選ぶ。前回指定と同じを選ぶと直ちに照合が開始される。今回指定するを選ぶと、変更したい部分を変更できる。初めての場合は、全部を指定するか、予め決まった標準の条件を選ぶことができる。指定条件の例を上げると、
(1)照合時間間隔では、・既定間隔 又は ・(指定の)適当な時間間隔で行うことを指定できる。
(2)照合結果の表示では、・常時、・適当な時間間隔、・要求時、・表示なし等を指定できる。
(3)挿入画像中の文字照合では、・する 又は ・しないを指定できる。
(4)アラーム条件として、声を中断して読み進めるなど音読が所定の時間の間無い場合や飛び飛びの音読の場合、或いは照合しても一致した読取位置が見つからない場合に、アラームを出すか、出さないかの指定が出来る。又、所定の時間の指定も出来る。
このようにすれば、居眠りなどにアラームを出せる。尚、アラームの代わりに、「発音してください」など、適度な時間間隔で音読を促す報知を行うことも条件指定として可能であることが望ましい。
このような場合は、アラームの後に、照合開始を再度行うことで対処できる。
尚、終了時に読取位置等の状態の保存 ・する 又は ・しないを指定できるようにしてもよいが、終了時は保存することでよいのが通常である。
指定終了を選ぶと2)開始位置の指定欄に移動する。
【0019】
2)開始(再開を含む)位置の指定:下記のいずれかで指定できる。
(1)現在表示面内の文のx行目から或いはカーソル選択位置から
(2)前回の読取終了位置から/ここを指定すると自動的に前回の読取ページが開き位置表示する。
(3)現在表示面内の電子文体のyページz行から
(4)現在表示面内の電子文体の目次から詳細指定
目次→部始め→ページ送り→行決定
指定終了を選ぶと、3)動作状態選択/入力の指定欄に移動する。
【0020】
3)動作状態選択/入力:下記のいずれかで指定できる。
(1)照合開始 ・照合中 :照合開始の入力を行ったり照合中の表示を行う。
(2)照合条件指定 :照合条件指定に切り替える。
(3)照合中断/再開、終了 :ユーザが席を外す場合に他の音声の影響を回避するため、照合中断することや、再開、終了の入力を行う。
・保存有り ・保存無し :読取位置等の状態の保存の指定、現状報知
【0021】
尚、1)前回指定と同じか今回指定か、2)開始位置の指定は、照合を開始してない状態なので、表示手段120の全体に表示してもよい。照合を開始したら表示しないでよい。
3)動作状態選択は、照合を開始している場合もあり、その場合には、文の表示に邪魔にならないように表示面の端等に最小限で常時表示し、途中の終了や条件変更を可能にすることが好ましい。尚、動作状態選択の表示部には「表示要求」という選択キーを表示して、照合は行っても、表示は、要求があった場合のみするモードにしてもよい。
表示なしの場合でも、「表示要求」選択キーによるユーザの随時の要求により表示回復が可能だからである。特に、これは、スイッチや文中に出てくる可能性の少ないキーワードの音声により行えることでもよい。
更に、照合中を表示するランプ等の表示が有ってもよい。
【0022】
尚、照合条件の指定では、下記の指定を可能とすることが好ましい。
イ)読取位置表示幅の範囲指定
イ-1、1文節指定
例:「私は医者に行きました。」という文において、
[私は]、[医者に]、[行きました]のように、各文節での指定を可能とする。
イ-2、複数文節指定(句読点文節指定)
例:「 昨日から熱があったので、私は医者に行きました。注射をしたので熱が下がりました。」という文において、
[昨日から熱があったので、]、[私は医者に行きました。]、[注射をしたので熱が下がりました。]のように、複数文節での指定を可能とする。
ロ)読取り位置表示種類の設定
ロ-1、ハイライト表示・・・蛍光ペンでマーキングしたように明るい色で示す
ロ-2、白抜き・・・文字の背景が黒くなり文字が白くなる
ロ-3、下線・・・文字の下部分に線が引かれる
ロ-4、囲い・・・文字の周囲を四角で囲う
ハ)読取位置表示の移動方法
ハ-1、現在位置・・・文節(あるいは複数文節)毎に移動していく
ハ-2、移動なしで追加・・・一旦表示した位置表示(のマーキング)は消えず、追加されていく。(クリアを選定するか、改ページで消える)
【0023】
図4は、本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の読取位置の単一決定の機能の一実施態様を示す図である。
ユーザが電子画面内の文を音読しているとする。4-Aでの例では「PQR」という文字を音読した場合に対応する読取位置が3か所あり、どこを読んでいたか明白にならない。
4-Bと4-Cは、単一に決定する機能の例であり、4-Bでは、次発音予定の発音をまって、その部分を加えて照合する例であり、単一に定まる。この場合、単一に確定するまで、前又はこの例のように後に発音した文を次々に拡張して照合を繰り返すことがよい。文を長めにして照合すれば、それだけ、照合性能も向上し、その結果、確実に単一の決定が可能である。4-Cでは、ユーザが文の記憶からどれが読取位置か判断できる場合でマウス等でクリック、特定のキーワードを使った(例:センタクセンタク2(2番目を選択の意味)音声指示などで選択して単一に位置を確定する。
4-Bでは、変更手段として、1つ前の読取位置の後にある同じ文字を単一の読取位置として決めることも可能である。通常は、一定方向に順に移動しながら読んでいくの多いのでこの対応が可能である。しかしながら、意味内容が理解できない等で、直前よりさらに前に戻って読み返す場合もよくあることなので、時には、この対応では不都合となる場合も出るが、その不都合は、頻度の問題であり許せる場合もある。次に、図5に通常でない場合の例を示す。
【0024】
図5は、本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置の照合の機能の一実施態様を示す図である。a)通常の場合の照合であり、現在の現在読取位置の後に文の方向の沿って次照合候補が音読される場合である。ところが、b)通常でない場合の照合の所に示すように、
b-1)既読箇所に戻って読取やb-2)未読箇所に飛んで読取が時には存在する。
この時は、通常の次照合候補や一つ前(後)、更にはもう一つ前(後)の照合データも入れて照合しても一致しない場合が存在することがある。例えば、全文を連続して音読しないで、飛び飛びの音読となった場合もある。このような場合に、「前後を入れて長い文で音読ください」などの報知をして対応してもらい、前後を入れて長い文で照合することで対応できる。それでも対応できない場合は、対応として、「次照合候補等では一致しません」と表示して、照合条件指定を促し、
・□□□ページの△△行・指定終了
・〇ページ前の△△行・指定終了
・現在から**行前(後)・指定終了
などをユーザに指定してもらう対応が好ましい。
【0025】
尚、既読箇所に戻った場合は、以前に照合実績があるので即時に探せる。
しかし、未読箇所に飛んだ場合は、条件指定で照合を補助出来る。
この対応は、現在のページから通常とは違った他のページに突然飛んだ場合も考えられるが、読む場合には、音読する以上、違ったページに表示面が変わっていると見て良いので、変えられたそのページで初めから照合したり、読取位置と一致しない場合は、「読んでいる位置を指定してください」と逆に促すこともできる。
このような事情は、複数の文の間を同時に行き来しながら読む場合にも当てはまり、1つの文から他の文に飛ぶと、1つの文での読取位置が表示されながら保存され、他の文に移る(文から文へ)時は、図3の2)開始位置指定で述べた対応がなされる。特に、この場合に便利な対応は、X行目指定やカーソル指定で瞬時に開始位置指定が出来ることである。
【0026】
音読が必須要件なので、ユーザが読む文と無関係な音声を発する場合、又は、発してしまった場合、又は、ユーザとは異なる音声が入った場合に備えて、その時点のみの照合結果を取り消す照合部分取消を行うことも好ましい。又、ユーザへの注意として「他の音声が入ってます。入らないようにしてください。」等の報知してもよい。
尚、機能として重くはなるが、声紋検出で他人の音声を区別して除くか、注意を出してもよい。
尚、音読の音声の強度としては、約60dB付近の通常音以外に、10dBから30dBの微小音、10dB以下の極微小音も使用できる。因みに、呼吸音の強度が10dBから20dB程度である。微小音や極微小音の扱いは、特開2014-063018、特開2015-228002に見ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように本発明にかかる電子文体の読取位置報知装置は、音読している文を照合して読取位置を決定しユーザに表示してくれるので、読取位置が不明となる不都合を回避でき産業上利用して極めて好都合である。
【0028】
110 文データ記憶手段
120 表示手段
130 音声入力手段
140 音声認識手段
150 文字列一時記憶手段
160 読取位置決定手段
170 照合結果記憶手段
180 読取位置表示手段
190 照合条件指定報知手段
200 制御手段
図1
図2
図3
図4
図5