(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118292
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/511 20060101AFI20230818BHJP
A61F 13/515 20060101ALI20230818BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20230818BHJP
A61F 13/533 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
A61F13/511 400
A61F13/511 100
A61F13/511 300
A61F13/515
A61F13/53 200
A61F13/533 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021166
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 桂子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 加奈
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA04
3B200BA08
3B200BA16
3B200BB04
3B200BB05
3B200DA13
3B200DA17
3B200DB11
3B200DC02
3B200DC04
3B200DC07
(57)【要約】
【課題】肌当接面側のシートにコットン不織布を用いた吸収性物品において、肌触りと着用時の着け心地の良好さとともに、濡れ感及びシートの接合固定を両立することができる吸収性物品を提供する。
【解決手段】液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシートとバックシートとの間に挟持される吸収体と、を有する吸収性物品であって、トップシートは、肌当接面側から非肌当接面側に向けて順番に、第一シート、第二シートを有し、第一シートは、肌当接面側のコットン層と、非肌当接面側の熱融着繊維層とを水流交絡させて一体化させた複合シートであり、第二シートは、熱融着繊維を含む不織布であり、第一シートと第二シートとは、後処理熱エンボスのみで接着されることを特徴とする、吸収性物品を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に挟持される吸収体と、を有する吸収性物品であって、
前記トップシートは、肌当接面側から非肌当接面側に向けて順番に、第一シート、第二シートを有し、
前記第一シートは、肌当接面側のコットン層と、非肌当接面側の熱融着繊維層とを水流交絡させて一体化させた複合シートであり、
前記第二シートは、熱融着繊維を含む不織布であり、
前記第一シートと前記第二シートとは、後処理熱エンボスのみで接着されることを特徴とする、吸収性物品。
【請求項2】
前記コットン層と前記熱融着繊維層の重量比が、40:60以上80:20以下であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第二シートがエアスルー不織布であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記後処理熱エンボスとして、前記第一シート、前記第二シート及び前記吸収体を接着する拡散用チャネルエンボスを含み、
前記拡散用チャネルエンボスは、吸収性物品の幅方向中央において対称になるように設けられ、いずれも長手方向に延伸する一対以上の長手方向曲線部と、前記長手方向曲線部より長手方向両端寄りに設けられ、いずれも幅方向に延伸する一対以上の幅方向曲線部とを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記長手方向曲線部よりも左右中央側、かつ、前記幅方向曲線部よりも前後中央側に位置し、前記第一シート及び前記第二シートが後処理熱エンボスを施されない、尿道口当接領域を有することを特徴とする、請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記尿道口当接領域は、吸収性物品の長手方向の前側端から40mm以上120mm以下の位置を起端として長手方向後方に向けて、吸収性物品の幅方向中央部に略矩形で存在し、長手方向の寸法は50mm以上150mm以下で、幅方向の寸法が15mm以上50mm以下で、面積が1,000mm2以上5,000mm2以下であることを特徴とする、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記後処理熱エンボスは、さらに、前記トップシートの肌当接面側の方向から、吸収性物品の厚さ方向に前記吸収体が存在しない領域に施され、前記トップシート及び前記バックシートを接着する製品端シールエンボスと、を含むことを特徴とする、請求項4から6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記製品端シールエンボスが施された部分において、前記トップシートと前記バックシートの剥離強度が、3N以上10N以下であることを特徴とする、請求項7に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コットン及び熱融着繊維を有する吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、で構成されており、これにより、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収される。
【0003】
近年、柔らかい肌触りの吸収性物品が求められており、肌当接面側のシート(通常はトップシートである)にコットン不織布を用いた吸収性物品が開示されている。
【0004】
肌当接面側のシートにコットン不織布を用いた吸収性物品の先行技術文献として、例えば特許文献1には、表面シートは、柔軟化剤を塗布したスパンレース不織布からなり、柔軟化剤は、主として、着用者の肌側に向けられる面とは反対側の面側に塗布されていることが好ましく、吸収性物品は、着用時に着用者の肌に当接させて用いられる吸収性物品であって、着用者の肌に当接される面が、上述した吸収性物品の表面シートにより形成されている、吸収性物品が開示され、スパンレース不織布の構成繊維が、コットン及び/又はレーヨンを主体としていることを特徴とする。
【0005】
また、同様に肌当接面側のシートにコットン不織布を用いた吸収性物品の先行技術文献として、特許文献2には、体液透過性の表面層、防水性の裏面層、及びこれらの層の間の吸収層を備えた体液吸収具において、表面層が無着色繊維を主成分とする不織布からなり、吸収層が、表面層側に配設された第1吸収層、及び裏面層側に配設された第2吸収層とを備え、第1吸収層が白色不織布で構成され、第2吸収層が第1吸収層よりも高密度の有色不織布で構成されていることを特徴とする体液吸収具が開示され、無着色繊維を主成分とする不織布が、コットン、シルク、パルプ、羊毛、麻のうち、いずれかを含む天然繊維を主成分として構成され、かつ、表面層、第1吸収層、第2吸収層及び裏面層のそれぞれのシートはホットメルト接着剤を塗工することで接着されていることを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-193001号公報
【特許文献2】特開2004-230127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コットン不織布は独特の柔らかさを有するため、吸収性物品の肌当接面側のシートにコットン不織布を用いると、吸収性物品の肌当接面の肌触りが良く、着用時の着け心地も良好であるという利点があるが、コットン繊維は保水性が高いため、着用時の排尿時の濡れ感(ウェットバック)に劣るという欠点があった。
これを解決する方法として、コットン不織布層内に熱融着繊維を一定量混合配合する方法がある。しかし、肌当接面に熱融着繊維を配合すると、肌当接面側のシートの肌当接面の単位面積当たりのコットン量が減少し、肌触りが悪化してしまうため、この方法では肌触りと濡れ感改善をともに達成することができない。
【0008】
また、肌当接面側のシートにコットン繊維のみからなるコットン不織布を用いた場合、コットン繊維は非熱融着繊維であるため、肌当接面側のシートを下層のシートに熱処理で接合固定しにくいという問題がある。肌当接面側のシートが固定されていないと、着用中に肌当接面側のシートの一部が下層のシートから浮き上がって、ヨレて、発生したシワにより肌触りが悪くなる、及び、肌当接面側のシートから下層のシートへ水分が移行しづらく、肌当接面側のシートに液が残りウェットバックに劣る、という欠点があった。
【0009】
これを解決する方法として、特許文献2のようにホットメルト接着剤を用いる方法があるが、ホットメルト接着剤を使用すると、コットン不織布が硬くなり、肌触りが悪くなるため、この方法では、肌触りと接合固定をともに達成することができない。加えて、ホットメルト接着剤が肌当接面側のシートを膜状に覆ってしまいシートの目が詰まるため、水分が下層へ移行しづらく、ウェットバックにも劣る。
【0010】
本発明はこれらの課題を同時に解決する技術を開示するものであり、肌当接面側のシートにコットン不織布を用いた吸収性物品において、肌触りと着用時の着け心地の良好さとともに、濡れ感及びシートの接合固定を両立することができる吸収性物品を提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明者は鋭意検討を行い、トップシートと、バックシートと、その間に吸収体を挟持する吸収性物品において、トップシートが肌当接面側から非肌当接面側に向けて順番に第一シート、第二シートを有し、第一シートは、肌当接面側がコットン層、非肌当接面側が熱融着繊維層の複合シートであり、第二シートは熱融着繊維から成る不織布であり、かつ、第一シートと第二シートとは、後処理熱エンボスのみで接着される吸収性物品とすることで、肌触りと着用時の着け心地の良好さとともに、濡れ感及びシートの接合固定を両立することができる吸収性物品とすることができ、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
【0012】
(1)本発明の第1の態様は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記トップシートと上記バックシートとの間に挟持される吸収体と、を有する吸収性物品であって、上記トップシートは、肌当接面側から非肌当接面側に向けて順番に、第一シート、第二シートを有し、上記第一シートは、肌当接面側のコットン層と、非肌当接面側の熱融着繊維層とを水流交絡させて一体化させた複合シートであり、上記第二シートは、熱融着繊維を含む不織布であり、上記第一シートと上記第二シートとは、後処理熱エンボスのみで接着されることを特徴とする、吸収性物品である。
【0013】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の吸収性物品であって、上記コットン層と上記熱融着繊維層の重量比が、40:60以上80:20以下であることを特徴とするものである。
【0014】
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の吸収性物品であって、上記第二シートがエアスルー不織布であることを特徴とするものである。
【0015】
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、上記後処理熱エンボスとして、上記第一シート、上記第二シート及び上記吸収体を接着する拡散用チャネルエンボスを含み、上記拡散用チャネルエンボスは、吸収性物品の幅方向中央において対称になるように設けられ、いずれも長手方向に延伸する一対以上の長手方向曲線部と、上記長手方向曲線部より長手方向両端寄りに設けられ、いずれも幅方向に延伸する一対以上の幅方向曲線部とを含むことを特徴とするものである。
【0016】
(5)本発明の第5の態様は、(4)に記載の吸収性物品であって、上記長手方向曲線部よりも左右中央側、かつ、上記幅方向曲線部よりも前後中央側に位置し、上記第一シート及び上記第二シートが後処理熱エンボスを施されない、尿道口当接領域を有することを特徴とするものである。
【0017】
(6)本発明の第6の態様は、(5)に記載の吸収性物品であって、上記尿道口当接領域は、吸収性物品の長手方向の前側端から40mm以上120mm以下の位置を起端として長手方向後方に向けて、吸収性物品の幅方向中央部に略矩形で存在し、長手方向の寸法は50mm以上150mm以下で、幅方向の寸法が15mm以上50mm以下で、面積が1,000mm2以上5,000mm2以下であることを特徴とするものである。
【0018】
(7)本発明の第7の態様は、(4)から(6)のいずれかに記載の吸収性物品であって、上記後処理熱エンボスは、さらに、上記トップシートの肌当接面側の方向から、吸収性物品の厚さ方向に上記吸収体が存在しない領域に施され、上記トップシート及び上記バックシートを接着する製品端シールエンボスと、を含むことを特徴とするものである。
【0019】
(8)本発明の第8の態様は、(7)に記載の吸収性物品であって、上記製品端シールエンボスが施された部分において、上記トップシートと上記バックシートの剥離強度が、3N以上10N以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、肌当接面側のシートにコットン不織布を用いた吸収性物品において、肌触りと着用時の着け心地の良好さとともに、濡れ感及びシートの接合固定を両立することができる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
【
図2】
図1(b)のY
1-Y
1線に係る断面図である。
【
図3】本発明の各実施例及び各比較例における、吸収性物品の拡散用チャネルエンボスのパターン及び尿道口当接領域の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0023】
また、本明細書の説明において、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の着用時及び着用後の少なくとも一方をいう。吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後にわたる方向であり、図中、符号Xで示す方向である。また、吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Yで示す方向である。さらに、肌当接面とは、外装体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、非肌当接面とは、吸収体等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側(衣類側)に向けられる面である。
また、体液とは、尿や軟便中の水分等の体内から体外に排泄された液体をいう。さらに、吸収性物品1としては、特に軽失禁製品や尿取りパッドが例示されるが、これに限定されるものではなく、その他の吸収性物品であってもよい。
【0024】
<吸収性物品>
図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品1の斜視図である。また、
図2は
図1(b)のY
1-Y
1線に係る断面図である。
図1及び
図2に示すように、吸収性物品1は、液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート20と、トップシート10とバックシート20との間に挟持される吸収体30と、を有する。
吸収性物品1の、長手方向の寸法は150mm以上450mm以下であることが好ましく、200mm以上350mm以下であることがより好ましい。幅方向の寸法は50mm以上250mm以下であることが好ましく、80mm以上180mm以下であることがより好ましい。また、吸収性物品1の形状は
図1に示すような略砂時計型に限定されず、略矩形型や、略扇型等、着用者の着用部位にフィットする形状であれば形状は問わない。
【0025】
<トップシート>
本発明の実施形態に係る吸収性物品1に備えられるトップシート10は、肌当接面側から非肌当接面側に向けて順番に第一シート11、第二シート12を有する。
【0026】
(第一シート)
第一シート11は、肌当接面側のコットン層111と、非肌当接面側の熱融着繊維層112とを水流交絡させて一体化させた複合シートである。このとき、第一シート11は抄紙を乾式積繊で行い、交絡はウォータジェット方式を採用した、スパンレース不織布であることが好ましい。すなわち、第一シート11の肌当接面側はコットン繊維を、非肌当接面側は熱融着繊維を、それぞれカード又はエアレイドで乾式積層した後、水流交絡装置で両繊維層を交絡させて、一体化することが好ましい。
【0027】
なお、コットン層111に用いるコットン繊維と、熱融着繊維層112に用いる熱融着繊維はいずれも特に限定せず、公知の物を用いることができる。例えば、熱融着繊維は、スパンボンドのような連続繊維シートでもよく、バラバラの短繊維が積層集合したもの、又はその繊維同士の一部が熱融着したものでもよいが、スパンボンド不織布であるとさらに良い。非肌当接面側の熱融着繊維層112としてスパンボンド(連続した長繊維)を用いると、スパンボンドは製法上繊維の端部が存在しないため、水流交絡処理した第一シート11の非肌当接面側の繊維が、肌当接面側のコットン層111の表面側に飛び出し露出しにくく、肌触りを良好にすることができる。一方、非肌当接面側の熱融着繊維層112として熱融着性の短繊維を用いた場合、水流交絡後に、非肌側の短繊維の一部が肌側のコットン層111の表面に露出するため、スパンボンドと同等の良好な肌触りを達成することができない。また、スパンボンドの不織布は、同坪量のシートで比較する、熱融着性の短繊維で構成された不織布よりも、強度が高く、また、加工性に優れる利点もある。
また、コットン層111と熱融着繊維層112の重量比が、40:60以上80:20以下であることが好ましく、50:50以上70:30以下であることがより好ましい。
【0028】
(第二シート)
第二シート12は熱融着繊維を含む不織布であり、熱融着繊維のみからなる不織布であることが好ましいが、中でも一般的なエアスルー不織布が好ましい。エアスルー以外の不織布は嵩高製に劣るため、尿を拡散しづらく、濡れ感が悪くなる。第二シート12の坪量は特に限定されないが、強度及び加工性の点から、18g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。
【0029】
このとき、第一シート11と第二シート12とは、後処理熱エンボスでのみ接着される。コットン層111のみを含む第一シート11と第二シート12とを熱エンボスで接着すると接着が不十分であり、第一シート11が熱融着繊維層112を更に含み、熱融着繊維層112と第二シート12とを隣接させることで、接着が良化する。また、このとき熱融着繊維層112は水流交絡でコットン層111と接着しているため、この両層間も接着が良化されている。また、熱融着繊維層112と第二シート12は熱エンボスのみで接着されており、ホットメルト接着剤を使用せずに各層が接合されていることが好ましい。ホットメルト接着剤を使用するとシートの柔らかさが低下し肌触りが悪くなるが、ホットメルト接着剤を使用しないことで良好な肌触り(柔らかさ)を保つことができ、また、シートの接合固定が達成される。さらに、熱融着繊維層112を含むことにより、吸収性物品1の濡れ感も改善する。
【0030】
このとき、後処理熱エンボスとは、吸収性物品1の製造工程において、トップシート10と吸収体30とを重ねた後に施される熱エンボスである。また、後処理熱エンボスとしては、拡散用チャネルエンボス60と、製品端シールエンボス61とを含むことが好ましい。
拡散用チャネルエンボス60は、トップシート10の肌当接面側の方向から、吸収性物品1の厚さ方向に吸収体30が存在する領域(
図2に示すエンボス付与領域62)に施され、第一シート11、第二シート12及び吸収体30を接着するものである。
【0031】
拡散用チャネルエンボス60は、厚さ方向に第一シート11から吸収体30にまで達する深いエンボスである。拡散用チャネルエンボス60の熱融着されたエンボス部は、吸収体30の厚さ方向においてトップシート10側寄りに位置せず、吸収体30の厚さ方向においてバックシート20側に位置する。このため、拡散用チャネルエンボス60の熱融着で硬くなったエンボス部は、吸収性物品1の着用者の肌に直接触れることはなく、良好な肌触りを維持することができる。
また、このように、拡散用チャネルエンボス60が設けられることにより、肌当接面側のトップシート10(第一シート11及び第二シート12)が吸収体30に十分に固定され、着用時のズレやヨレを防ぐことができ、拡散用チャネルエンボス60を境界に座屈させ、吸収性物品1を着用者の肌にフィット感よく接触させることができる。また、多量の体液の吸収時における体液の一時的な貯留及び長手方向への体液の拡散及び、幅方向への体液の拡散を堰き止めることが可能となる。
さらに、着用者の目につきやすいトップシート10に拡散用チャネルエンボス60を設けることで、着用者の排尿部位の当接部の目安にしやすく、着用方法の案内性に優れた吸収性物品1となる。なお、後述する尿道口当接領域70には、拡散用チャネルエンボス60が達しないことが好ましい。拡散用チャネルエンボス60が当領域に存在しないことで、吸収性物品1の尿道口当接領域70と着用者の排尿部位との接触面積を増やすことができるため、着用者から漏れ出た体液を素早く第一シート11に伝達し吸収することできる。
【0032】
このとき、拡散用チャネルエンボス60は、
図1に示すような長手方向曲線部601と、幅方向曲線部602とを含むことが好ましい。
長手方向曲線部601は、吸収性物品1の幅方向中央において対称になるように(すなわち、着用者の排尿部位の当接部を挟む外形で、吸収性物品1の排泄領域から前後領域に掛けて)設けられ、いずれも長手方向に延伸する一対以上の曲線部である。なお、長手方向曲線部601が
図1(b)に示すように二対以上ある場合、それぞれの離間距離は3mm以上10mm以下であることが好ましく、4mm以上7mm以下であることがより好ましい。また、長手方向曲線部601は、長手方向の両側縁部に、くびれ部(連続的に長手方向に延長し、幅方向内向きの凸の砂時計型の形状)や広がり部(連続的長手方向に延長し、幅方向外向きの凸の砂時計型の形状)を設けてもよい(図示しない)。
【0033】
また、幅方向曲線部602は、長手方向曲線部601より長手方向両端寄りに設けられ、いずれも幅方向に延伸する一対以上の曲線部である。一対の幅方向曲線部の形状は、前後方向で互いに、対称でも非対称でもよい。また、縦長でも横長でもよいが、縦:横の比率が、1:0.5以上1:4以下であることが好ましい。
幅方向曲線部602は、幅方向の両側縁部に、広がり部(連続的に長手方向に延長し、幅方向外向きの凸の砂時計型の形状)や、くびれ部(連続的に幅方向に延長し、長手方向内向きの凸の砂時計型の形状)を設けてもよい(図示しない)。前後ともに、吸収性物品1の長手方向の端から、30mm以上70mm以下の位置を起端として長手方向中央に向けて存在することが好ましい。
なお、
図1(b)に示すように、後述するトップシート10の肌当接面側における尿道口当接領域70以外の領域において、幅方向曲線部602とは別に、長手方向曲線部601の間に位置し、幅方向に延伸する中央曲線部603が設けられてもよい。この中央曲線部603を尿道口当接領域70の後端部以降に設けることで、後述する尿道口当接領域70の面積を適切な範囲に調整することができる。
長手方向曲線部601と、幅方向曲線部602の離間距離は、3mm以上20mm以下であることが好ましく、4mm以上10mm以下であることがより好ましい。離間距離が3mm未満であると、拡散用チャネルエンボス60を境界としてうまく座屈することができず、エンボス部分が着用者に触れ、肌ざわりや着用快適性が劣ってしまう。また、20mmを超えると、離間部分で吸収性物品1がよれてしまう。
【0034】
また、製品端シールエンボス61は、トップシート10の肌当接面側の方向から、吸収性物品1の厚さ方向に吸収体30が存在しない領域に施され、トップシート10及びバックシート20を接着するものであるが、
図1に示すように、吸収性物品1の長手方向両端部に施されることが好ましい。製品端シールエンボス61が施されることにより、吸収体30が吸収性物品1の外部へ露出することや、吸収性物品1の着用時におけるズレやヨレを防ぐことができる。
【0035】
なお、トップシート10は、
図1に示すような、第一シート11及び第二シート12が後処理熱エンボスを施されない、尿道口当接領域70を有することが好ましい。尿道口当接領域70を有することにより、吸収性物品1の肌触りがよく、装着時の違和感が少ない。また、装着者の尿道口に吸収性物品1が密着しやすく(距離が生じにくく)、漏れが生じにくい。
尿道口当接領域70は、吸収性物品1の長手方向の前側端から40mm以上120mm以下(より好ましくは50mm以上90mm以下)の位置を起端として長手方向後方に向けて、吸収性物品1の幅方向中央部に略矩形で存在し、長手方向の寸法は50mm以上150mm以下(より好ましくは70mm以上130mm以下)で、幅方向の寸法が15mm以上50mm以下(より好ましくは20mm以上40mm以下)で、面積が1,000mm
2以上5,000mm
2以下であることが好ましい。尿道口当接領域70付近は着用者の股幅部分に位置するため、吸収性物品1が座屈せずに着用者と密着しやすいことから、尿道口当接領域70の面積が狭すぎると、エンボス部分が肌に触れてしまい、違和感が生じやすい。広すぎると、トップシート10が十分に固定されず、吸収性物品1全体がヨレてしまう。
なお、トップシート10に、後処理熱エンボスとして、ドット状、桿状、ダイヤ状などの、拡散用チャネルエンボス60と製品端シールエンボス61以外のエンボスを含んでもよいが、その場合も、当該エンボスは尿道口当接領域70に配置されないことが肌触りや違和感軽減の点で好ましい。
【0036】
トップシート10(第一シート11と第二シート12)の坪量は、特に限定されないが、強度及び加工性の点から、30g/m2以上80g/m2以下であることが好ましく、40g/m2以上70g/m2以下であることがより好ましい。
【0037】
(第三シート)
吸収性物品1は、第二シート12の非肌当接面側に、開孔フィルムである第三シート13を、第二シート12に接触する形で更に有することが好ましい。第三シート13を第二シート12の非肌当接面側に接触する形で配置することにより、吸収性物品1の濡れ感が非常に良好なものとなる。開孔フィルムとしては公知の物を使用することができ、例えばポリエチレンやポリプロピレン製のフィルムを使用することができる。
また、第三シート13において、開孔部の直径が2mm以下、開孔部間距離が0.2mm以上0.6mm以下、開孔部面積率が25%以上50%以下であることが好ましい。開孔部の物性がそれぞれ上記数値範囲内であることにより、吸収性物品1の吸収性を保ちつつ、濡れ感を改善することができる。
【0038】
なお、第二シート12と第三シート13とは、ホットメルト接着剤で接着されていることが好ましく、接着部分の面積率は、第二シート12の表面積の10%以上50%以下であることが好ましい。面積率が上記数値範囲内であることにより、濡れ感を維持しつつ、シートの接合固定をすることができる。このとき、ホットメルト接着剤は、塗工方式はスロットコート方式やスパイラル方式があるが、スパイラル方式が好ましい。この方式を採用することで、第二シート12と第三シート13間を接着させることができ、また、第三シート13の開孔部がホットメルトで塞がれることを軽減でき、体液をトップシート10側から吸収体30側に速やかに伝達することができる。
【0039】
また、肌への刺激を低減させるため、トップシート10には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。
トップシート10の形状としては特に制限はないが、漏れがないように体液を吸収体30へと誘導するために必要とされる、吸収体30を覆う形状であればよい。
【0040】
<バックシート>
バックシート20は、吸収体30が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、通気性又は非通気性の不透液性のプラスチックフィルムを使用できる。
【0041】
強度及び加工性の点から、バックシート20の坪量は、15g/m2以上60g/m2以下であることが好ましく、25g/m2以上45g/m2以下であることがより好ましい。バックシート20に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート20にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
なお、トップシート10とバックシート20は製品端シールエンボス61の他に、ホットメルト接着剤で接合されていてもよい。
【0042】
また、製品端シールエンボス61について、トップシート10とバックシート20の剥離強度が、3N以上10N以下であることが好ましく、5N以上9N以下であることがより好ましい。剥離強度が3N未満であると、吸収性物品1を使用中にトップシート10とバックシート20が剥がれて吸収体30が外部に露出してしまい、10Nを超えると、トップシート10とバックシート20の接着面が硬くなり、肌触りに劣る。
剥離強度の測定方法としては、まず製品端シールエンボス61の全体を含むように、吸収性物品1の幅方向中央部かつ長手方向両端の領域を、それぞれ幅5cm×長さ5cmの寸法で矩形状に切り出す。次に吸収性物品1の中央側から、製品端シールエンボス61が施された領域以外の領域について、トップシート10(第二シート12側)とバックシート20との間を剥がす。そして、チャック間距離30mmのテンシロン型引張試験機のチャックに、トップシート10とバックシート20とをそれぞれ取り付ける。最後に、クロスヘッド移動速度300mm/minの条件で引張りを開始させ、剥離するまで引っ張った際の最大荷重を読み取る。
【0043】
<吸収体>
吸収体30は、基材としての吸収性繊維及び高吸収性ポリマー(以下、SAPとも称する)を含むことが好ましい。
【0044】
(吸収性繊維)
吸収性繊維は、一般に吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュー、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。フラッフパルプとしては、木材パルプ(例えば、サウザンパインやダグラスファー等の針葉樹晒クラフトパルプ(N-BKP))、合成繊維、樹脂繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体30に、基材としての吸収性繊維にフラッフパルプを用いた場合、吸収性繊維の坪量は、特に限定されないが、50g/m2以上500g/m2以下であることが好ましく、100g/m2以上300g/m2以下であることがより好ましい。これにより、吸収体30により多くの体液を吸収させることができる。
【0045】
(SAP)
吸収体30が含むSAPとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン-アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸-ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン-無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。
また、SAPの坪量は、特に限定されないが、50g/m2以上500g/m2以下であることが好ましく、100g/m2以上300g/m2以下であることがより好ましい。
【0046】
吸収体30において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したものでもよく、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したシートでもよい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体30の形状の安定化の目的から、吸収体30を包むような、キャリアシート40を設けてもよい。キャリアシート40の基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュー、吸収紙、エアレイド不織布、スパンボンド不織布等の親水性不織布を挙げることができるが、中でもスパンボンド不織布が好ましい。また、キャリアシート40を複数備える場合は、複数のキャリアシート40の基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
【0047】
<立体ギャザー>
吸収性物品1は更に、着用者の排泄した体液の左右への漏れ(横漏れ)を防止するため、トップシート10の肌当接面側において、長手方向に沿って撥水性又は防水性のシートを有する一対の一対の立体ギャザー50を備えていることが好ましい。吸収性物品1の幅方向における立体ギャザー50の外端はバックシート20に固定され、その内端はトップシート10に固定され、その中央はトップシート10に固定されない自由端となるように、立体ギャザー50が配される。
【0048】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【実施例0049】
(吸収性物品の作成)
実施例1は、吸収体として、基材であるフラッフパルプ4.5gの中に、SAP4.5gを混合して形成したもの(フラッフパルプとSAPから成る吸収体の坪量は576g/m
2)を使用した。トップシートとして、肌当接面側から非肌当接面側に向けて第一シート、第二シートを順に積層し、第一シートは、肌当接面側をコットン繊維、非肌当接面側を坪量20g/m
2のスパンボンド不織布(前者と後者の重量比は60:40)とするコットンスパンレース不織布(坪量25g/m
2)を用い、第二シートとしてエアスルー不織布(坪量30g/m
2)を用いた。また、液不透過性のバックシートとして、通気性ポリエチレンシート(坪量32g/m
2)を用い、キャリアシートとしてティシュー(坪量16g/m
2)を用いた。吸収性物品の寸法は、長手方向が270mm、幅105mmとし、吸収体の寸法は、長手方向が220mm、幅71mmとし、表1及び
図3(a)に示す後処理熱エンボス及び尿道口当接領域を設け、これを実施例1のサンプルとした。
【0050】
そして、実施例1と同様に、下記の表1~4及び
図3(a)~
図3(k)に示す実施例2~19及び比較例1~7の吸収性物品をそれぞれ作成した。なお、各表における前処理熱エンボスとは、第一シート及び第二シートのみをエンボス処理した後に、吸収体の上に重ねることを意味し、後処理熱エンボスとは吸収体の上にトップシートを積層した後にエンボス処理することを意味する。
さらに、下記の表1~4に示すように、実施例1~19及び比較例1~7に記載された吸収性物品について、剥離強度に加えて下記の物性の測定、及び官能評価を行った。
【0051】
(液残り量の測定)
トップシートを上に向けた状態で、35℃の生理食塩水120mlを吸収体の中心部に向かって注水し、90秒間放置した後、生理食塩水の吸収部位に、あらかじめ重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製 No.2 ろ紙、直径55mm)を10枚重ねで置き、その上に35kgf/cm2の錘を乗せ、30秒経過後、ろ紙の重量を測り、ろ紙の重量差を液戻り量とした。
【0052】
(肌触り)
作成した吸収性物品の肌当接面をモニター10名が手で触り、「肌触りが良い」「肌触りが悪い」の2択で肌触りを評価した。吸収性物品2枚を実際に触り、「肌ざわりが良い」選択者が9人以上10人以下のときを「◎」、「肌ざわりが良い」選択者が6人以上8人以下のときを「○」、「肌ざわりが良い」選択者が3人以上5人以下のときを「△」、「肌ざわりが良い」選択者が1人もしくは2人のとき、又は「肌ざわりが良い」選択者が1人もいないときを「×」とした。
【0053】
(ヨレにくさ)
作成した吸収性物品をモニター10名が着用し、「ヨレにくい」「ヨレやすい」の2択で着け心地を評価した。吸収性物品2枚を実際に使用し、「ヨレにくい」選択者が9人以上10人以下のときを「◎」、「ヨレにくい」選択者が6人以上8人以下のときを「○」、「ヨレにくい」選択者が3人以上5人以下のときを「△」、「ヨレにくい」選択者が1人もしくは2人のとき、又は「ヨレにくい」選択者が1人もいないときを「×」とした。
【0054】
(着け心地(違和感の少なさ))
作成した吸収性物品をモニター10名が着用し、「着け心地が良い」「着け心地が悪い」の2択で着け心地を評価した。吸収性物品2枚を実際に使用し、「着け心地が良い」選択者が9人以上10人以下のときを「◎」、「着け心地が良い」選択者が6人以上8人以下のときを「○」、「着け心地が良い」選択者が3人以上5人以下のときを「△」、「着け心地が良い」選択者が1人もしくは2人のとき、又は「着け心地が良い」選択者が1人もいないときを「×」とした。
【0055】
(モレにくさ)
作成した吸収性物品をモニター10名が着用し、「モレにくい」「モレやすい」の2択で着け心地を評価した。吸収性物品2枚を実際に使用し、「モレにくい」選択者が9人以上10人以下のときを「◎」、「モレにくい」選択者が6人以上8人以下のときを「○」、「モレにくい」選択者が3人以上5人以下のときを「△」、「モレにくい」選択者が1人もしくは2人のとき、又は「モレにくい」選択者が1人もいないときを「×」とした。
【0056】
(濡れ感(ウェットバック))
作成した吸収性物品をモニター10名が着用し、「使用後の濡れ感が少なく、良い」「使用後の濡れ感が多く、悪い」の2択で評価した。吸収性物品2枚を実際に使用し、「使用後の濡れ感が少なく、良い」選択者が9人以上10人以下のときを「◎」、「使用後の濡れ感が少なく、良い」選択者が6人以上8人以下のときを「○」、「使用後の濡れ感が少なく、良い」選択者が3人以上5人以下のときを「△」、「使用後の濡れ感が少なく、良い」選択者が1人もしくは2人のとき、又は「使用後の濡れ感が少なく、良い」選択者が1人もいないときを「×」とした。
【0057】
各実施例及び比較例の吸収性物品の詳細並びに物性及び官能評価の結果を以下の表1~表4に示す。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
以上より、本実施例によれば肌当接面側のシートにコットン不織布を用いた吸収性物品において、肌触りと着用時の着け心地の良好さとともに、濡れ感及びシートの接合固定を両立することができる吸収性物品が得られることが少なくとも確認された。