(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118294
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】柱筋固定治具
(51)【国際特許分類】
E04G 21/12 20060101AFI20230818BHJP
E04G 21/18 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
E04G21/12 105D
E04G21/18 A
E04G21/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021171
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角田 翔
(72)【発明者】
【氏名】辻 大介
(72)【発明者】
【氏名】安藤 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】保利 一樹
(72)【発明者】
【氏名】古賀 浩明
(72)【発明者】
【氏名】月成 真隆
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174AA01
2E174BA03
2E174DA40
(57)【要約】
【課題】異なる柱筋の配置に対応できるようにしつつ、柱筋を正確に位置合わせすることができるようにする。
【解決手段】枠部12は、環状に結合された四つ以上の枠部材23a~23dと、隣接した枠部材23a~23dがなす角度が所定の角度になるよう枠部材23a~23dに固定された角部材24a~24dとを有する。枠部材23a~23dは、隣接する枠部材23a~23dと結合するための枠固定部材21a~21dが挿通される複数の枠固定穴と、角部材24a~24dを固定するための角固定部材22a~22hが挿通される角固定穴と、単クランプ13a~13z,13α,13βを固定するためのクランプ固定部材14a~14z,14α,14βが挿通される複数のクランプ固定穴とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠部と、前記枠部の外側に固定された複数の単クランプとを備え、
前記枠部は、環状に結合された四つ以上の枠部材と、隣接した前記枠部材がなす角度が所定の角度になるよう前記枠部材に固定された角部材とを有し、
前記枠部材は、隣接する枠部材と結合するための枠固定部材が挿通される複数の枠固定穴と、前記角部材を固定するための角固定部材が挿通される角固定穴と、前記単クランプを固定するためのクランプ固定部材が挿通される複数のクランプ固定穴とを有する、
柱筋固定治具。
【請求項2】
前記枠部材は、長尺板状の第一板部と、長尺板状の第二板部とを有し、
前記第一板部及び前記第二板部は、互いに対して略垂直に幅方向に接続し、
前記枠固定穴は、前記第一板部に設けられ、
前記クランプ固定穴は、前記第二板部に設けられている、
請求項1の柱筋固定治具。
【請求項3】
前記枠部材は、前記枠固定穴を三つ以上有する、
請求項1又は2の柱筋固定治具。
【請求項4】
前記角固定穴は、前記枠固定穴を兼ねている、
請求項1乃至3いずれかの柱筋固定治具。
【請求項5】
前記枠部材は、鋼製である、
請求項1乃至4いずれかの柱筋固定治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱筋を位置決めするための固定治具に関する。
【背景技術】
【0002】
現場打ちコンクリートの内部に配置されその上面から突出する柱筋(柱鉄筋)は、正確に位置決めをする必要がある。特に、その上にプレキャストコンクリート(PC)柱を設置する場合は、柱筋の位置が非常に重要である。
特許文献1及び2は、柱筋を位置決めする装置(治具)を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-199952号公報
【特許文献2】特開2005-171508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高層ビルなどにおいて、低層階は柱で支えるべき負荷が大きいため、柱を太くし、柱筋の数を多くする。これに対して、高層階は柱で支えるべき負荷が小さいため、柱を細くし、柱筋の数を少なくする。
特許文献1に記載された技術では、テンプレートに設けられた孔部の位置により、柱筋の位置が決まるので、階によって柱筋の位置が異なる場合、それぞれの柱筋の位置に応じてテンプレートを用意する必要があり、同じテンプレートをすべての階で使用することはできない。
特許文献2に記載された技術は、階によって異なる太さの柱に応じた柱筋の位置に対応することができ、同じ治具をすべての階で使用することができる。しかし、隣接した平板体が直角をなすとは限らないので、柱筋を正確に位置合わせすることができない。
本発明は、例えばこのような課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
柱筋固定治具は、枠部と、前記枠部の外側に固定された複数の単クランプとを備える。前記枠部は、環状に結合された四つ以上の枠部材と、隣接した前記枠部材がなす角度が所定の角度になるよう前記枠部材に固定された角部材とを有する。前記枠部材は、隣接する枠部材と結合するための枠固定部材が挿通される複数の枠固定穴と、前記角部材を固定するための角固定部材が挿通される角固定穴と、前記単クランプを固定するためのクランプ固定部材が挿通される複数のクランプ固定穴とを有する。
前記枠部材は、長尺板状の第一板部と、長尺板状の第二板部とを有してもよい。前記第一板部及び前記第二板部は、互いに対して略垂直に幅方向に接続してもよい。前記枠固定穴は、前記第一板部に設けられてもよい。前記クランプ固定穴は、前記第二板部に設けられてもよい。
前記枠部材は、前記枠固定穴を三つ以上有してもよい。
前記角固定穴は、前記枠固定穴を兼ねていてもよい。
前記枠部材は、鋼製であってもよい。
【発明の効果】
【0006】
前記柱筋固定治具によれば、角部材によって、隣接した前記枠部材がなす角度が所定の角度になるので、枠部が歪むのを防ぐことができ、柱筋を正確に位置合わせすることができる。
枠固定穴が三つ以上あれば、枠部の大きさを変えることができ、異なる太さの柱に、同じ柱筋固定治具を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図10】柱筋固定治具の使用状態の一例を示す平面図。
【
図11】柱筋固定治具の使用状態の一例を示す平面図。
【
図12】柱筋固定治具の使用状態の一例を示す平面図。
【
図13】柱筋固定治具の使用状態の一例を示す平面図。
【
図14】柱筋固定治具の使用状態の一例を示す平面図。
【
図15】柱筋固定治具の使用状態の一例を示す平面図。
【
図16】柱筋固定治具の使用状態の一例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び2を参照して、柱筋固定治具10について説明する。
柱筋固定治具10は、柱梁接合部など現場打ちによってコンクリート部材を製造するにあたり、そのなかに配筋される柱筋の位置が設計どおりになるよう、柱筋を固定するためのものである。柱筋固定治具10は、例えば、枠部12と、単クランプ13a~13z,13α,13βとを有する。
枠部12は、例えば、四つの枠部材23a~23dと、四つの角部材24a~24dとを有する。枠部材23a~23dは、環状に結合されている。隣接する枠部材23a~23dは、例えばボルト及びナットなどの枠固定部材21a~21dによって固定されて結合される。角部材24a~24dは、隣接する二つの枠部材23a~23dが直角をなすよう枠部材23a~23dに固定されている。角部材24a~24dは、例えばボルト及びナットなどの角固定部材22a~22hによって枠部材23a~23dに固定される。
単クランプ13a~13z.13α,13βは、枠部12の外側に、例えばボルト及びナッドなどのクランプ固定部材14a~14z,14α,14βによって固定されている。単クランプ13a~13z,13α,13βは、柱筋をクランプすることにより固定するために使用される。単クランプ13a~13z,13α,13βの内径は、クランプすべき柱筋の太さとほぼ同じであり、柱筋をしっかりとクランプすることができる。
【0009】
図3を参照して角部材24aについて説明する。
角部材24a~24dは、同様の構成を有するので、ここでは角部材24aを例に説明する。
角部材24aは、例えばL字状の鋼板(プレート)である。角部材24aは、例えば、第一角板部41と、第二角板部42と、固定穴43a~43cとを有する。第一角板部41は、略長方形板状である。第二角板部42は、略長方形板状であり、第一角板部41に対して同一平面内で略直角をなしている。固定穴43a~43cは、角部材24aを厚さ方向に貫通している。
固定穴43aは、第一角板部41の先端附近に設けられ、枠部材23dに角部材24aを固定するための枠固定部材21aが挿通される。
固定穴43bは、第一角板部41と第二角板部42との接合部分に設けられ、枠部材23aと枠部材23dとを固定するための角固定部材22aが挿通される。
固定穴43cは、第二角板部42の先端附近に設けられ、枠部材23aに角部材24aを固定するための角固定部材22bが挿通される。
固定穴43a及び固定穴43cは、固定穴43bに対して正確に直角をなす位置に設けられている。これにより、枠部材23aと枠部材23dとが正確に直角をなすよう結合される。
【0010】
図4及び5を参照して枠部材23aについて説明する。
枠部材23a,23cは、同様の構成を有するので、ここでは枠部材23aを例に説明する。
枠部材23aは、例えば鋼製の等辺山形鋼(アングル)である。枠部材23aは、例えば、第一板部31aと、第二板部32aとを有する。第一板部31a及び第二板部32aは、それぞれ、細長い略長方形板状である。第一板部31aと第二板部32aとは、幅方向に隣接して、互いに対して略垂直に接続されている。
【0011】
第一板部31aには、複数の枠固定穴33a~33rが長手方向に一直線に並んで設けられている。枠固定穴33a~33rは、第一板部31aを厚さ方向に貫通している。
枠固定穴33a~33iには、枠部材23aを枠部材23dに固定するための枠固定部材21dとが挿通される。枠固定穴33j~33rには、枠部材23aを枠部材23bに固定するため、枠固定部材21aが挿通される。ここで、枠固定穴33a~33rが左右それぞれに複数あるのは、異なる柱の太さに対応できるようにするためである。これにより、枠部材23bに取り付けられた単クランプ13f~13hによって固定される柱筋と、枠部材23dに取り付けられた単クランプ13n~13pによって固定される柱筋との間の間隔を異なるものとすることができるので、柱の太さが異なる階での作業に一つの柱筋固定治具10を使用することができる。
また、枠固定穴33a~33iには、枠部材23aに角部材24aを固定するための角固定部材22bも挿通される。同様に、枠固定穴33j~33rには、枠部材23aに角部材24bを固定するための角固定部材22cも挿通される。すなわち、枠固定穴33a~33rは、角固定部材22b,22cを挿通するための角固定穴を兼ねている。枠固定穴33a~33rが左右それぞれに複数あるので、枠固定部材21a,21bを挿通したのとは異なる枠固定穴33a~33rを、角固定穴として利用することができる。
例えば、
図1に示した使用例では、枠固定部材21aが枠固定穴33aに挿通され、枠固定部材21bが枠固定穴33rに挿通されている。また、角固定部材22bは、枠固定穴33eに挿通され、角固定部材22cは、枠固定穴33nに挿通されている。
【0012】
第二板部32aには、複数のクランプ固定穴37a~37rが長手方向に一直線に並んで設けられている。クランプ固定穴37a~37rは、第二板部32aを厚さ方向に貫通している。すなわち、クランプ固定穴37a~37rが貫通している方向は、枠固定穴33a~33rが貫通している方向に対して略垂直である。
クランプ固定穴37a~37rには、枠部材23aに単クランプ13a~13hを固定するため、固定部材14a~14hが挿通される。
ここで、クランプ固定穴37a~37rの数が、枠部材23aに固定すべき単クランプ13a~13hの数より多いのは、異なる柱筋の配置に対応できるようにするためである。例えば、角に位置する柱筋をクランプするための単クランプ13aは、柱の太さに合わせて、クランプ固定穴37a~37fのうちのいずれかを使って固定される。柱筋の配置は、設計上あらかじめわかっているので、すべての階の配置に対応できるようクランプ固定穴37a~37rを設けておけば、すべての階での作業に一つの柱筋固定治具10を使用することができる。
例えば、
図1に示した使用例では、クランプ固定部材14aがクランプ固定穴37aに挿通され、クランプ固定部材14bがクランプ固定穴37gに挿通され、クランプ固定部材14cがクランプ固定穴37hに挿通され、クランプ固定部材14dがクランプ固定穴37iに挿通され、クランプ固定部材14eがクランプ固定穴37jに挿通され、クランプ固定部材14fがクランプ固定穴37kに挿通され、クランプ固定部材14gがクランプ固定穴37lに挿通され、クランプ固定部材14hがクランプ固定穴37rに挿通されている。
【0013】
図6及び7を参照して枠部材23bについて説明する。
枠部材23bは、枠部材23aと同様、例えば鋼製のアングルであり、第一板部31bと、第二板部32bとを有する。第一板部31bには、枠固定穴34a~34qが設けられている。第二板部32bには、クランプ固定穴38a~38kが設けられている。
枠部材23bは、枠部材23a,23cよりも全体の長さが短い。これは、角に配置される柱筋をクランプする単クランプ13h,13oが枠部材23a,23cに固定されるので、枠部材23bに固定する必要がないからである。
また、それに伴って、枠固定穴34a~34q及びクランプ固定穴38a~38kの配置も、枠部材23a,23cとは異なっている。
しかし、それ以外の点では、枠部材23a,23cと同様である。
例えば、
図1に示した使用例では、枠固定部材21bが枠固定穴34aに挿通され、枠固定部材21cが枠固定穴34qに挿通されている。また、角固定部材22dは、枠固定穴34eに挿通され、角固定部材22eは、枠固定穴34nに挿通されている。
そして、クランプ固定部材14iがクランプ固定穴38bに挿通され、クランプ固定部材14jがクランプ固定穴38dに挿通され、クランプ固定部材14kがクランプ固定穴38fに挿通され、クランプ固定部材14lがクランプ固定穴38hに挿通され、クランプ固定部材14mがクランプ固定穴38jに挿通され、クランプ固定部材14nがクランプ固定穴38kに挿通されている。
【0014】
図8及び9を参照して枠部材23dについて説明する。
枠部材23dは、枠部材23a~23cと同様、例えば鋼製のアングルであり、第一板部31dと、第二板部32dとを有する。第一板部31dには、枠固定穴35a~35qが設けられている。
枠部材23dの長さは、枠部材23bとほぼ同じである。しかし、枠固定穴35a~35q及びクランプ固定穴39a~39kの配置は、枠部材23bと異なっている。
例えば、
図1に示した使用例では、枠固定部材21dが枠固定穴35aに挿通され、枠固定部材21aが枠固定穴35qに挿通されている。また、角固定部材22hは、枠固定穴35dに挿通され、角固定部材22aは、枠固定穴35mに挿通されている。
そして、クランプ固定部材14wがクランプ固定穴39aに挿通され、クランプ固定部材14xがクランプ固定穴39cに挿通され、クランプ固定部材14yがクランプ固定穴39eに挿通され、クランプ固定部材14zがクランプ固定穴39gに挿通され、クランプ固定部材14αがクランプ固定穴39iに挿通され、クランプ固定部材14βがクランプ固定穴39kに挿通されている。
【0015】
図10を参照して異なる柱筋の配置に対して同じ柱筋固定治具10を使用する例について説明する。
この例の配置は、
図1の例よりも上の階用のものであり、
図1の例と比較すると、柱の太さが少し細く、柱筋の数が少なくなっている。
【0016】
枠固定部材21aは、枠部材23dの枠固定穴35qと、角部材24aの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33bとに挿通されている。
角固定部材22aは、枠部材23dの枠固定穴35mと、角部材24aの固定穴43aとに挿通されている。
角固定部材22bは、角部材24aの固定穴43cと、枠部材23aの枠固定穴33fとに挿通されている。
【0017】
枠固定部材21bは、枠部材23bの枠固定穴34aと、角部材24bの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33qとに挿通されている。
角固定部材22cは、角部材24bの固定穴43aと、枠部材23aの枠固定穴33mとに挿通されている。
角固定部材22dは、枠部材23bの枠固定穴34eと、角部材24bの固定穴43cとに挿通されている。
【0018】
枠固定部材21cは、枠部材23bの枠固定穴34pと、角部材24cの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33bとに挿通されている。
角固定部材22eは、枠部材23bの枠固定穴34lと、角部材24cの固定穴43bとに挿通されている。
角固定部材22fは、角部材24cの固定穴43cと、枠部材23cの枠固定穴33fとに挿通されている。
【0019】
枠固定部材21dは、枠部材23dの枠固定穴35bと、角部材24dの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33qとに挿通されている。
角固定部材22gは、角部材24dの固定穴43aと、枠部材23cの枠固定穴33mとに挿通されている。
角固定部材22hは、枠部材23dの枠固定穴35fと、角部材24dの固定穴43cとに挿通されている。
【0020】
クランプ固定部材14aは、枠部材23aのクランプ固定穴37bに挿通されている。
クランプ固定部材14b~14fは、
図1の例と同様、枠部材23aのクランプ固定穴37g~37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14hは、枠部材23aのクランプ固定穴37qに挿通されている。
【0021】
クランプ固定部材14iは、枠部材23bのクランプ固定穴38aに挿通されている。
クランプ固定部材14jは、枠部材23bのクランプ固定穴38cに挿通されている。
クランプ固定部材14kは、枠部材23bのクランプ固定穴38eに挿通されている。
クランプ固定部材14lは、枠部材23bのクランプ固定穴38gに挿通されている。
クランプ固定部材14mは、枠部材23bのクランプ固定穴38iに挿通されている。
【0022】
クランプ固定部材14oは、枠部材23cのクランプ固定穴37bに挿通されている。
クランプ固定部材14p~14tは、
図1の例と同様、枠部材23cのクランプ固定穴37g~37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14vは、枠部材23cのクランプ固定穴37qに挿通されている。
【0023】
クランプ固定部材14wは、枠部材23dのクランプ固定穴39bに挿通されている。
クランプ固定部材14xは、枠部材23dのクランプ固定穴39dに挿通されている。
クランプ固定部材14yは、枠部材23dのクランプ固定穴39fに挿通されている。
クランプ固定部材14zは、枠部材23dのクランプ固定穴39hに挿通されている。
クランプ固定部材14αは、枠部材23dのクランプ固定穴39jに挿通されている。
【0024】
なお、単クランプ13g及びそれを固定するクランプ固定部材14g、単クランプ13n及びそれを固定するクランプ固定部材14n、単クランプ13w及びそれを固定するクランプ固定部材14w、単クランプ13β及びそれを固定するクランプ固定部材14βは、使用しないため、取り外されているが、取り付けたままであってもよい。以下で説明する他の例でも同様である。
【0025】
これにより、単クランプ13aでクランプされる柱筋と、単クランプ13hでクランプされる柱筋との間の距離は、クランプ固定穴37aとクランプ固定穴37bとの間の距離と、クランプ固定穴37qとクランプ固定穴37rの間の距離との和の分だけ、
図1の例よりも短くなる。単クランプ13oでクランプされる柱筋と、単クランプ13vでクランプされる柱筋との間の距離も同様である。
また、単クランプ13a~13hでクランプされる柱筋と、単クランプ13o~13vでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴34pと枠固定穴34qとの間の距離(これは、枠固定穴35aと枠固定穴35bとの間の距離と等しい。)の分だけ、
図1の例よりも短くなる。
そして、単クランプ13i~13mでクランプされる柱筋と、単クランプ13w~13z,13αでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴33aと枠固定穴33bとの間の距離と、枠固定穴33qと枠固定穴33rとの間の距離との和の分だけ、
図1の例よりも短くなる。
このように、
図1の例とは異なる柱筋の配置に対して、同じ柱筋固定治具10を使用することができる。
【0026】
図11を参照して更に異なる柱筋の配置に対して同じ柱筋固定治具10を使用する例について説明する。
この例の配置は、
図10の例よりも更に上の階用のものであり、
図10の例と比較すると、柱の太さは同じだが、柱筋の数が更に少なくなっている。
柱筋の数が異なるだけなので、単クランプ13b及びクランプ固定部材14bと、単クランプ13i及びクランプ固定部材14iと、単クランプ13p及びクランプ固定部材14pと、単クランプ13w及びクランプ固定部材14wとが取り外されている点を除き、
図10の例と同じである。
【0027】
図12を参照して更に異なる柱筋の配置に対して同じ柱筋固定治具10を使用する例について説明する。
この例の配置は、
図11の例よりも更に上の階用のものであり、
図11の例と比較すると、柱筋の数は同じだが、柱の太さが更に細くなっている。
【0028】
枠固定部材21aは、枠部材23dの枠固定穴35pと、角部材24aの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33cとに挿通されている。
角固定部材22aは、枠部材23dの枠固定穴35lと、角部材24aの固定穴43aとに挿通されている。
角固定部材22bは、角部材24aの固定穴43cと、枠部材23aの枠固定穴33gとに挿通されている。
【0029】
枠固定部材21bは、枠部材23bの枠固定穴34bと、角部材24bの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33pとに挿通されている。
角固定部材22cは、角部材24bの固定穴43aと、枠部材23aの枠固定穴33lとに挿通されている。
角固定部材22dは、枠部材23bの枠固定穴34fと、角部材24bの固定穴43cとに挿通されている。
【0030】
枠固定部材21cは、枠部材23bの枠固定穴34oと、角部材24cの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33cとに挿通されている。
角固定部材22eは、枠部材23bの枠固定穴34kと、角部材24cの固定穴43aとに挿通されている。
角固定部材22fは、角部材24cの固定穴43cと、枠部材23cの枠固定穴33gとに挿通されている。
【0031】
枠固定部材21dは、枠部材23dの枠固定穴35cと、角部材24dの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33pとに挿通されている。
角固定部材22gは、角部材24dの固定穴43aと、枠部材23cの枠固定穴33lとに挿通されている。
角固定部材22hは、枠部材23dの枠固定穴35gと、角部材24dの固定穴43cとに挿通されている。
【0032】
クランプ固定部材14aは、枠部材23aのクランプ固定穴37cに挿通されている。
クランプ固定部材14c~14fは、
図11の例と同様、枠部材23aのクランプ固定穴37h~37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14hは、枠部材23aのクランプ固定穴37pに挿通されている。
【0033】
クランプ固定部材14j~14mは、
図11の例と同様、枠部材23bのクランプ固定穴38c,38e,38g,38iに挿通されている。
【0034】
クランプ固定部材14oは、枠部材23cのクランプ固定穴37cに挿通されている。
クランプ固定部材14q~14tは、
図11の例と同様、枠部材23cのクランプ固定穴37h~37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14vは、枠部材23cのクランプ固定穴37pに挿通されている。
【0035】
クランプ固定部材14x~14z,14αは、
図11の例と同様、枠部材23dのクランプ固定穴39d,39f,39h,39jに挿通されている。
【0036】
単クランプ13b及びクランプ固定部材14b、単クランプ13i及びクランプ固定部材14i、単クランプ13p及びクランプ固定部材14p、単クランプ13w及びクランプ固定部材14wは、使用されないため、取り外されている。
なお、使用しない単クランプ及びクランプ固定部材を取り外さず取り付けたままとする場合は、クランプ固定部材と角固定部材と(例えば、クランプ固定部材14bと角固定部材22bと)が干渉する場合がある。これを防ぐため、角部材24a~24dのサイズ違いを用意しておき、クランプ固定部材と角固定部材とが干渉しないほうの角部材を使用するようにしてもよい。
【0037】
単クランプ13aでクランプされる柱筋と、単クランプ13hでクランプされる柱筋との間の距離は、クランプ固定穴37bとクランプ固定穴37cとの間の距離と、クランプ固定穴37pとクランプ固定穴37qの間の距離との和の分だけ、
図11の例よりも短くなる。単クランプ13oでクランプされる柱筋と、単クランプ13vでクランプされる柱筋との間の距離も同様である。
また、単クランプ13a~13hでクランプされる柱筋と、単クランプ13o~13vでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴34aと枠固定穴34bとの間の距離と、枠固定穴34oと枠固定穴34pとの間の距離(これは、枠固定穴35bと枠固定穴35cとの間の距離と、枠固定穴35pと枠固定穴35qとの間の距離との和と等しい。)の分だけ、
図11の例よりも短くなる。
そして、単クランプ13j~13mでクランプされる柱筋と、単クランプ13x~13z,13αでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴33bと枠固定穴33cとの間の距離と、枠固定穴33pと枠固定穴33qとの間の距離との和の分だけ、
図11の例よりも短くなる。
このように、更に異なる柱筋の配置に対しても、同じ柱筋固定治具10を使用することができる。
【0038】
図13を参照して更に異なる柱筋の配置に対して同じ柱筋固定治具10を使用する例について説明する。
この例の配置は、
図12の例よりも更に上の階用のものであり、
図12の例と比較すると、柱筋の数は同じだが、柱の太さが更に細くなっている。
【0039】
枠固定部材21aは、枠部材23dの枠固定穴35oと、角部材24aの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33dとに挿通されている。
角固定部材22aは、枠部材23dの枠固定穴35kと、角部材24aの固定穴43aとに挿通されている。
角固定部材22bは、角部材24aの固定穴43cと、枠部材23aの枠固定穴33hとに挿通されている。
【0040】
枠固定部材21bは、枠部材23bの枠固定穴34cと、角部材24bの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33oとに挿通されている。
角固定部材22cは、角部材24bの固定穴43aと、枠部材23aの枠固定穴33kとに挿通されている。
角固定部材22dは、枠部材23bの枠固定穴34gと、角部材24bの固定穴43cとに挿通されている。
【0041】
枠固定部材21cは、枠部材23bの枠固定穴34nと、角部材24cの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33dとに挿通されている。
角固定部材22eは、枠部材23bの枠固定穴34jと、角部材24cの固定穴43aとに挿通されている。
角固定部材22fは、角部材24cの固定穴43cと、枠部材23cの枠固定穴33hとに挿通されている。
【0042】
枠固定部材21dは、枠部材23dの枠固定穴35dと、角部材24dの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33oとに挿通されている。
角固定部材22gは、角部材24dの固定穴43aと、枠部材23cの枠固定穴33kとに挿通されている。
角固定部材22hは、枠部材23dの枠固定穴35hと、角部材24dの固定穴43cとに挿通されている。
【0043】
クランプ固定部材14aは、枠部材23aのクランプ固定穴37dに挿通されている。
クランプ固定部材14c~14fは、
図12の例と同様、枠部材23aのクランプ固定穴37h~37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14hは、枠部材23aのクランプ固定穴37oに挿通されている。
【0044】
クランプ固定部材14j~14mは、
図12の例と同様、枠部材23bのクランプ固定穴38c,38e,38g,38iに挿通されている。
【0045】
クランプ固定部材14oは、枠部材23cのクランプ固定穴37dに挿通されている。
クランプ固定部材14q~14tは、
図12の例と同様、枠部材23cのクランプ固定穴37h~37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14vは、枠部材23cのクランプ固定穴37oに挿通されている。
【0046】
クランプ固定部材14x~14z,14αは、
図12の例と同様、枠部材23dのクランプ固定穴39d,39f,39h,39jに挿通されている。
【0047】
単クランプ13aでクランプされる柱筋と、単クランプ13hでクランプされる柱筋との間の距離は、クランプ固定穴37cとクランプ固定穴37dとの間の距離と、クランプ固定穴37oとクランプ固定穴37pの間の距離との和の分だけ、
図12の例よりも短くなる。単クランプ13oでクランプされる柱筋と、単クランプ13vでクランプされる柱筋との間の距離も同様である。
また、単クランプ13a~13hでクランプされる柱筋と、単クランプ13o~13vでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴34bと枠固定穴34cとの間の距離と、枠固定穴34nと枠固定穴34oとの間の距離(これは、枠固定穴35cと枠固定穴35dとの間の距離と、枠固定穴35oと枠固定穴35pとの間の距離との和と等しい。)の分だけ、
図12の例よりも短くなる。
そして、単クランプ13j~13mでクランプされる柱筋と、単クランプ13x~13z,13αでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴33cと枠固定穴33dとの間の距離と、枠固定穴33oと枠固定穴33pとの間の距離との和の分だけ、
図12の例よりも短くなる。
このように、更に異なる柱筋の配置に対しても、同じ柱筋固定治具10を使用することができる。
【0048】
図14を参照して更に異なる柱筋の配置に対して同じ柱筋固定治具10を使用する例について説明する。
この例の配置は、
図13の例よりも更に上の階用のものであり、
図13の例と比較すると、柱の太さが更に細いだけでなく、柱筋の数も更に少なくなっている。
【0049】
枠固定部材21aは、枠部材23dの枠固定穴35nと、角部材24aの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33eとに挿通されている。
角固定部材22aは、枠部材23dの枠固定穴35jと、角部材24aの固定穴43aとに挿通されている。
角固定部材22bは、角部材24aの固定穴43cと、枠部材23aの枠固定穴33iとに挿通されている。
【0050】
枠固定部材21bは、枠部材23bの枠固定穴34dと、角部材24bの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33nとに挿通されている。
角固定部材22cは、角部材24bの固定穴43aと、枠部材23aの枠固定穴33jとに挿通されている。
角固定部材22dは、枠部材23bの枠固定穴34hと、角部材24bの固定穴43cとに挿通されている。
【0051】
枠固定部材21cは、枠部材23bの枠固定穴34mと、角部材24cの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33eとに挿通されている。
角固定部材22eは、枠部材23bの枠固定穴34iと、角部材24cの固定穴43aとに挿通されている。
角固定部材22fは、角部材24cの固定穴43cと、枠部材23cの枠固定穴33iとに挿通されている。
【0052】
枠固定部材21dは、枠部材23dの枠固定穴35eと、角部材24dの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33nとに挿通されている。
角固定部材22gは、角部材24dの固定穴43aと、枠部材23cの枠固定穴33jとに挿通されている。
角固定部材22hは、枠部材23dの枠固定穴35iと、角部材24dの固定穴43cとに挿通されている。
【0053】
クランプ固定部材14aは、枠部材23aのクランプ固定穴37eに挿通されている。
クランプ固定部材14c,14d,14fは、
図13の例と同様、枠部材23aのクランプ固定穴37h,37i,37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14hは、枠部材23aのクランプ固定穴37nに挿通されている。
【0054】
クランプ固定部材14j,14k,14mは、
図13の例と同様、枠部材23bのクランプ固定穴38c,38e,38iに挿通されている。
【0055】
クランプ固定部材14oは、枠部材23cのクランプ固定穴37eに挿通されている。
クランプ固定部材14q,14r,14tは、
図13の例と同様、枠部材23cのクランプ固定穴37h,37i,37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14vは、枠部材23cのクランプ固定穴37nに挿通されている。
【0056】
クランプ固定部材14x,14y,14αは、
図13の例と同様、枠部材23dのクランプ固定穴39d,39f,39jに挿通されている。
【0057】
単クランプ13e及びクランプ固定部材14e、単クランプ13l及びクランプ固定部材14l、単クランプ13s及びクランプ固定部材14s、単クランプ13z及びクランプ固定部材14zは、使用されないため、取り外されている。
【0058】
単クランプ13aでクランプされる柱筋と、単クランプ13hでクランプされる柱筋との間の距離は、クランプ固定穴37dとクランプ固定穴37eとの間の距離と、クランプ固定穴37nとクランプ固定穴37oの間の距離との和の分だけ、
図13の例よりも短くなる。単クランプ13oでクランプされる柱筋と、単クランプ13vでクランプされる柱筋との間の距離も同様である。
また、単クランプ13a~13hでクランプされる柱筋と、単クランプ13o~13vでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴34cと枠固定穴34dとの間の距離と、枠固定穴34mと枠固定穴34nとの間の距離(これは、枠固定穴35dと枠固定穴35eとの間の距離と、枠固定穴35nと枠固定穴35oとの間の距離との和と等しい。)の分だけ、
図13の例よりも短くなる。
そして、単クランプ13j~13mでクランプされる柱筋と、単クランプ13x~13z,13αでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴33dと枠固定穴33eとの間の距離と、枠固定穴33nと枠固定穴33oとの間の距離との和の分だけ、
図13の例よりも短くなる。
このように、更に異なる柱筋の配置に対しても、同じ柱筋固定治具10を使用することができる。
【0059】
図15を参照して更に異なる柱筋の配置に対して同じ柱筋固定治具10を使用する例について説明する。
この例の配置は、
図14の例よりも更に上の階用のものであり、
図14の例と比較すると、柱筋の数は同じだが、柱の太さが更に細くなっている。
【0060】
角部材24a~24dは、
図14の例までとは逆に外向きに配置されている。
枠固定部材21aは、枠部材23dの枠固定穴35lと、角部材24aの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33gとに挿通されている。
角固定部材22aは、枠部材23dの枠固定穴35pと、角部材24aの固定穴43aとに挿通されている。
角固定部材22bは、角部材24aの固定穴43cと、枠部材23aの枠固定穴33cとに挿通されている。
【0061】
枠固定部材21bは、枠部材23bの枠固定穴34fと、角部材24bの固定穴43bと、枠部材23aの枠固定穴33lとに挿通されている。
角固定部材22cは、角部材24bの固定穴43aと、枠部材23aの枠固定穴33pとに挿通されている。
角固定部材22dは、枠部材23bの枠固定穴34bと、角部材24bの固定穴43bとに挿通されている。
【0062】
枠固定部材21cは、枠部材23bの枠固定穴34kと、角部材24cの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33gとに挿通されている。
角固定部材22eは、枠部材23bの枠固定穴34oと、角部材24cの固定穴43aとに挿通されている。
角固定部材22fは、角部材24cの固定穴43cと、枠部材23cの枠固定穴33cとに挿通されている。
【0063】
枠固定部材21dは、枠部材23dの枠固定穴35gと、角部材24dの固定穴43bと、枠部材23cの枠固定穴33lとに挿通されている。
角固定部材22gは、角部材24dの固定穴43aと、枠部材23cの枠固定穴33pとに挿通されている。
角固定部材22hは、枠部材23dの枠固定穴35cと、角部材24dの固定穴43cとに挿通されている。
【0064】
クランプ固定部材14aは、枠部材23aのクランプ固定穴37fに挿通されている。
クランプ固定部材14c,14d,14fは、
図14の例と同様、枠部材23aのクランプ固定穴37h,37i,37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14hは、枠部材23aのクランプ固定穴37mに挿通されている。
【0065】
クランプ固定部材14j,14k,14mは、
図14の例と同様、枠部材23bのクランプ固定穴38c,38e,38iに挿通されている。
【0066】
クランプ固定部材14oは、枠部材23cのクランプ固定穴37fに挿通されている。
クランプ固定部材14q,14r,14tは、
図14の例と同様、枠部材23cのクランプ固定穴37h,37i,37kにそれぞれ挿通されている。
クランプ固定部材14vは、枠部材23cのクランプ固定穴37mに挿通されている。
【0067】
クランプ固定部材14x,14y,14αは、
図14の例と同様、枠部材23dのクランプ固定穴39d,39f,39jに挿通されている。
【0068】
単クランプ13aでクランプされる柱筋と、単クランプ13hでクランプされる柱筋との間の距離は、クランプ固定穴37eとクランプ固定穴37fとの間の距離と、クランプ固定穴37mとクランプ固定穴37nの間の距離との和の分だけ、
図14の例よりも短くなる。単クランプ13oでクランプされる柱筋と、単クランプ13vでクランプされる柱筋との間の距離も同様である。
また、単クランプ13a~13hでクランプされる柱筋と、単クランプ13o~13vでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴34dと枠固定穴34fとの間の距離と、枠固定穴34kと枠固定穴34mとの間の距離(これは、枠固定穴35eと枠固定穴35gとの間の距離と、枠固定穴35lと枠固定穴35nとの間の距離との和と等しい。)の分だけ、
図14の例よりも短くなる。
そして、単クランプ13j~13mでクランプされる柱筋と、単クランプ13x~13z,13αでクランプされる柱筋との間の距離は、枠固定穴33eと枠固定穴33gとの間の距離と、枠固定穴33lと枠固定穴33nとの間の距離との和の分だけ、
図14の例よりも短くなる。
このように、更に異なる柱筋の配置に対しても、同じ柱筋固定治具10を使用することができる。
【0069】
図16を参照して更に異なる柱筋の配置に対して同じ柱筋固定治具10を使用する例について説明する。
この例の配置は、
図15の例よりも更に上の階用のものであり、
図15の例と比較すると、柱の太さは同じだが、柱筋の数は、逆に多くなっている。
柱筋の数が異なるだけなので、単クランプ13e及びクランプ固定部材14e、単クランプ13l及びクランプ固定部材14l、単クランプ13s及びクランプ固定部材14s、単クランプ13z及びクランプ固定部材14zが、再び取り付けられている点を除き、
図15の例と同じである。
【0070】
以上のように、枠部材23a~23dを環状に結合することによって枠部12を形成しているので、様々な太さの柱に同じ柱筋固定治具10を使用することができる。
また、枠部材23a~23dに取り付けるべき単クランプ13a~13z,13α,13βの数よりも多くのクランプ固定穴37a~37r,38a~38k,39a~39kが設けられているので、様々な柱筋の配置に同じ柱筋固定治具10を使用することができる。
角部材24a~24dによって、隣接する枠部材23a~23dが正確に直角をなすので、枠部12が歪むのを防ぐことができ、柱筋を正確に位置合わせすることができる。
単クランプで柱筋をクランプするので、柱筋を正確に位置合わせすることができる。
単クランプが枠部の外側に固定されているので、枠部が柱の外側にあるものと干渉するのを防ぐことができる。
【0071】
PC柱をセットする際には、柱筋の位置が非常に重要になる。コンパネなどを使用して柱筋を固定すると、鉄筋の位置が悪い場合、コンパネが破損し、位置精度が保てない。また、柱筋の位置が違うとコンパネを入れるのに非常に時間がかかる。
これに対し、Lアングルと単クランプで柱筋を固定するので、取り付け、取り外しが容易となり、鋼材なので壊れることがなく、精度を確保できる。打設するコンクリートの上面から突出する柱筋の長さが短い場合でも、柱中を容易に左官均しすることができる。
また、ボルト調整により柱寸法の絞りにも対応できる。最上階まで柱筋の位置を事前に決めておくことにより、すべての階の柱筋の配置に対応できる。したがって、下の階で使用したものを上の階でも使用することができ、コストを低減することができる。
L型のプレートにてLアングル同士の直角の精度を出すので、精度を確保できる。
【0072】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【0073】
枠固定部材の数は、四つではなくもっと多くてもよい。例えば、柱の断面が六角形である場合、枠固定部材の数は、六つであってもよい。その場合、隣接する枠固定部材がなす角度は、直角ではなく、例えば120度であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 柱筋固定治具、12 枠部、13a~13z,13α,13β 単クランプ、14a~14z,14α,14β クランプ固定部材、21a~21d 枠固定部材、22a~22h 角固定部材、23a~23d 枠部材、24a~24d 角部材、31a~31d 第一板部、32a~32d 第二板部、33a~33r,34a~34q,35a~34q 枠固定穴、37a~37r,38a~38k,39a~39k クランプ固定穴、41 第一角板部、42 第二角板部、43a~43c 固定穴。