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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011830
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】細胞の酸化還元レベルの制御
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/74 20150101AFI20230117BHJP
   A61K 35/747 20150101ALI20230117BHJP
   A61K 35/745 20150101ALI20230117BHJP
   A61K 35/741 20150101ALI20230117BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20230117BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230117BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 13/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
A61K35/74 C
A61K35/747
A61K35/745
A61K35/741
A61K47/18
A61K47/26
A61K47/36
A61P1/00
A61P3/00
A61P9/00
A61P11/00
A61P13/00
A61P15/00
A61P17/00
A61P19/00
A61P25/00
A61P35/00
A61P31/00
A61P43/00
A61P43/00 105
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176288
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2018543300の分割
【原出願日】2016-11-10
(31)【優先権主張番号】62/253,542
(32)【優先日】2015-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518161341
【氏名又は名称】マッケンナ,エリザベス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マッケンナ,エリザベス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対象における酸化還元状態を調節するためおよび/または酸化ストレスを低減するための組成物ならびに方法を提供する。
【解決手段】組成物および方法は、細菌溶解物および/または溶解物画分を含むTLRアゴニストを含む。また、1つ以上の他の治療剤または医薬剤と組み合わせて配合または投与される細菌溶解物および/または溶解物画分を含む組成物および方法も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における酸化還元状態を調節するためのtoll様受容体(TLR)アゴニスト組成物であって、
(a)細菌の少なくとも1つの溶解物および/または溶解物画分を含むTLRアゴニストであって、少なくとも1つ以上のTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、
(b)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、
(c)前記組成物の容積を増加させるための担体と、を含み、
前記対象への前記組成物の有効量の投与が、前記対象における酸化ストレスレベルを測定可能に低下させる、組成物。
【請求項2】
前記アゴニストが、少なくとも2つの異なるTLRおよび/またはNLRを活性化させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アゴニストが、少なくとも3つの異なるTLRおよび/またはNLRを活性化させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記細菌が、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのグラム陽性細菌が、ラクトバチルス科の細菌、ストレプトコッカス科の細菌、ビフィドバクテリウム科の細菌、およびバチルス科の細菌からなる群から選択され、前記少なくとも1つのグラム陰性細菌が、シュードモナス属、クレブシエラ属、キサントモナス属、赤痢菌属およびエンテロバクター属の細菌からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つのグラム陽性細菌が、バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシおよびラクトバチルス・ヘルベティカスからなる群から選択され、
前記少なくとも1つのグラム陰性細菌が、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリス、およびシュードモナス・フルオレッセンスからなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記TLRアゴニストが、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの少なくとも1つ以上を活性化させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記TLRアゴニストが、TLR2およびTLR4を活性化させる、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記TLRアゴニストが、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの2つ以上を活性化させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記TLRアゴニストが、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの3つ以上を活性化させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記プロモーターが、アミノ酸、アミノ糖および糖からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記担体が、結合剤、ガムベース、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記ガムベースが、少なくとも1つの疎水性ポリマーおよび少なくとも1つの親水性ポリマーを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記結合剤が、糖、糖アルコール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記糖アルコールが、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、舐剤、チューインガム、チュアブル錠、キャンディ剤、および溶解錠剤からなる群から選択される剤形として製造される、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記剤形が、前記アゴニストを口腔粘膜に送達させる、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記口腔粘膜が、舌下粘膜、頬粘膜、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、医薬剤と組み合わせて、前記医薬剤の活性を増強するために投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、医薬剤と組み合わせて、前記医薬剤の副作用を低減するように投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記医薬剤の前記副作用が、酸化ストレスである、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
対象における酸化還元状態を調節する方法であって、治療的有効量の請求項1による組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項23】
酸化還元状態の調節が、前記対象におけるイソプロスタン濃度の変化を測定することによって査定される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
対象は哺乳動物である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記哺乳類はヒトである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記対象は非哺乳動物である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記対象は魚、家禽、甲殻類または昆虫である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記昆虫はショウジョウバエである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記酸化還元状態が、酸化的であり、その結果酸化ストレスを生じる、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記ヒトにおける前記酸化ストレスが、外傷後ストレス障害に関連する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
対象における酸化還元状態を調節する方法であって、
(a)それを必要とする対象に、時間的に間隔を空けて、
(i)細菌の少なくとも1つの溶解物および/または溶解物画分を含むtoll様受容体(TLR)アゴニストであって、少なくとも1つ以上の異なるTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、
(ii)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、
(iii)前記組成物の容積を増加させるための担体と、を含む組成物から構成された用量で繰り返し投与するステップと、
(b)前記対象の体液の測定を行い、酸化ストレスレベルの変化を検出するステップと、を含む方法。
【請求項32】
前記アゴニストが、少なくとも2つの異なるTLRおよび/またはNLRを活性化させる、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項33】
前記アゴニストが、少なくとも3つの異なるTLRおよび/またはNLRを活性化させる、請求項32に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項34】
前記細菌が、グラム陽性細菌またはグラム陰性菌である、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つのグラム陽性細菌が、ラクトバチルス科の細菌、ストレプトコッカス科の細菌、ビフィドバクテリウム科の細菌、およびバチルス科の細菌からなる群から選択され、
前記少なくとも1つのグラム陰性細菌が、シュードモナス属、クレブシエラ属、キサントモナス属、赤痢菌属およびエンテロバクター属の細菌からなる群から選択される、請求項34に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つのグラム陽性細菌が、バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシおよびラクトバチルス・ヘルベティカスからなる群から選択され、
前記少なくとも1つのグラム陰性細菌が、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス属、シュードモナス・フルオレッセンス属からなる群から選択される、請求項34に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項37】
前記TLRアゴニストが、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの少なくとも1つ以上を活性化させる、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項38】
前記TLRアゴニストが、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの2つ以上を活性化させる、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項39】
前記TLRアゴニストが、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの3つ以上を活性化させる、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項40】
前記TLRアゴニストが、TLR2およびTLR4を活性化させる、請求項38に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項41】
前記プロモーターが、アミノ酸、アミノ糖および糖からなる群から選択される、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項42】
前記担体が、結合剤、ガムベース、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項43】
前記ガムベースが、少なくとも1つの疎水性ポリマーおよび少なくとも1つの親水性ポリマーを含む、請求項42に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項44】
前記結合剤が、糖、糖アルコール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項42に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項45】
前記糖アルコールが、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項44に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項46】
前記組成物が、舐剤、チューインガム、チュアブル錠、キャンディ剤、および溶解錠剤からなる群から選択される剤形として製造される、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項47】
前記剤形が、前記アゴニストを口腔粘膜に送達させる、請求項46に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項48】
前記口腔粘膜が、舌下粘膜、頬粘膜、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項49】
体液の測定を行うことは、前記対象におけるイソプロスタン濃度の変化を査定することを含む、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項50】
前記対象は哺乳動物である、請求項31に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項51】
前記哺乳類はヒトである、請求項50に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項52】
前記対象は非哺乳動物である、請求項31に記載の方法。
【請求項53】
前記対象は魚、家禽、甲殻類または昆虫である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記昆虫はショウジョウバエである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ヒトにおける前記酸化ストレスが、外傷後ストレス障害に関連する、請求項54に記載の対象における酸化還元状態を調節する方法。
【請求項56】
対象の尿または血液中のイソプロスタンの量を減少させる方法であって、
(a)前記対象の前記尿または血液中のイソプロスタンの前記レベルを決定するステップと、
(b)
(i)細菌からの少なくとも1つの細菌溶解物および/または溶解物画分を含むtoll様受容体(TLR)アゴニストであって、少なくとも1つ以上の異なるTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、
(ii)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、を含む有効量の組成物を前記対象に投与するステップと、
(c)前記対象の前記尿または血液中のイソプロスタンの前記レベルが低下するまで前記組成物の投与を継続するステップと、を含む、方法。
【請求項57】
前記細菌がグラム陽性細菌またはグラム陰性細菌である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記細菌が、
(a)バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシおよびラクトバチルス・ヘルベティカスからなる群から選択されるグラム陽性細菌、または
(b)クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリス、およびシュードモナス・フルオレッセンスからなる群から選択されるグラム陰性菌である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
組成物であって、
(a)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、
(b)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、
(c)前記組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む、組成物。
【請求項60】
前記医薬製剤が、頬側または舌下投与のために配合される、請求項59に記載の組成物を含む医薬製剤。
【請求項61】
前記医薬製剤が、投与後1分以上で溶解するように配合される、請求項60に記載の医薬製剤。
【請求項62】
前記細菌溶解物および/または溶解物画分が、グラム陰性細菌またはグラム陽性細菌溶解物および/もしくは溶解物画分である、請求項59に記載の組成物。
【請求項63】
前記細菌溶解物および/または溶解物画分が、
乳酸桿菌科細菌溶解物および/もしくは溶解物画分、ストレプトコッカス細菌溶解物および/もしくは溶解物画分、ビフィドバクテリウム細菌溶解物および/もしくは溶解物画分、またはバチルス細菌溶解物および/もしくは溶解物画分からなる群から選択されるグラム陽性細菌溶解物および/もしくは溶解物画分、または
シュードモナス細菌溶解物もしくは溶解物画分、クレブシエラ細菌溶解物もしくは溶解物画分、キサントモナス細菌溶解物もしくは溶解物画分、赤痢菌細菌溶解物もしくは溶解物画分、またはエンテロバクター細菌溶解物もしくは溶解物画分からなる群から選択されるグラム陰性細菌溶解物もしくは溶解物画分、である、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
前記細菌溶解物および/または溶解物画分は、
(a)バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシまたはラクトバチルス・ヘルベティカス溶解物および/もしくは溶解物画分からなる群から選択されるグラム陽性細菌溶解物および/もしくは溶解物画分、または
(b)クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリス、またはシュードモナス・フルオレッセンス、溶解物および/または溶解物画分からなる群から選択されるグラム陰性細菌溶解物および/または溶解物画分、である、請求項62に記載の組成物。
【請求項65】
細菌溶解物の生成方法であって、
(a)増殖培地中の細菌を定常増殖期まで発酵させて発酵ブロスを生成するステップと、
(b)前記発酵ブロスから細菌を収穫するステップと、
(c)前記収穫した細菌を低温殺菌するステップと、
(d)前記低温殺菌した細菌をリゾチームで溶解して細菌溶解物を生成するステップと、を含む、方法。
【請求項66】
前記細菌が、対数中期、対数後期、早期定常期、中期定常期、または後期定常期に収穫される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記細菌が、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌である、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記グラム陽性細菌が、ラクトバチルス科の細菌、ストレプトコッカス科の細菌、ビフィドバクテリウム科の細菌、およびバチルス科の細菌からなる群から選択され、
前記グラム陰性細菌が、シュードモナス属、クレブシエラ属、キサントモナス属、赤痢菌属およびエンテロバクター属の細菌からなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
請求項67に記載の方法であって、
前記グラム陽性細菌が、バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシおよびラクトバチルス・ヘルベティカスからなる群から選択され、
前記グラム陰性細菌が、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリス、およびシュードモナス・フルオレッセンスからなる群から選択される、方法。
【請求項70】
請求項65~69のいずれか一項に記載の方法に従って生成された細菌溶解物。
【請求項71】
医薬剤の投与に関連する1つ以上の酸化ストレス関連副作用を軽減するための方法であって、前記方法は、前記医薬剤と組み合わせて、
(a)細菌の溶解物および/または溶解物画分と、
(b)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、
(c)前記組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む、治療有効量の溶解物組成物を投与することを含み、
前記医薬剤および溶解物組成物は、同時にまたは任意の順序で、同じ投与経路または異なる投与経路を通って投与される、方法。
【請求項72】
前記溶解物および/または溶解物画分が、少なくとも1つ以上のTLRまたはNLRを活性化させる、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記溶解物および/または溶解物画分が、少なくとも2つのTLRおよび/またはNLRを活性化させる、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記溶解物および/または溶解物画分が、少なくとも3つのTLRまたはNLRを活性化させる、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記溶解物および/または溶解物画分が、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの少なくとも1つ以上を活性化させる、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
前記溶解物および/または溶解物画分が、TLR2およびTLR4を活性化させる、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
前記溶解物および/または溶解物画分が、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの2つ以上を活性化させる、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
前記溶解物および/または溶解物画分が、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの3つ以上を活性化させる、請求項71に記載の方法。
【請求項79】
前記細菌が、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌である、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
前記グラム陽性細菌が、ラクトバチルス科の細菌、ストレプトコッカス科の細菌、ビフィドバクテリウム科の細菌、およびバチルス科の細菌からなる群から選択され、
前記グラム陰性細菌が、シュードモナス属、クレブシエラ属、キサントモナス属、赤痢菌属およびエンテロバクター属の細菌からなる群から選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記グラム陽性細菌が、バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシおよびラクトバチルス・ヘルベティカスからなる群から選択され、
前記グラム陰性細菌が、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリス、およびシュードモナス・フルオレッセンスからなる群から選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記1つ以上の酸化ストレス関連副作用は、無セルロプラスミン血症、動脈/全身性高血圧、関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、アトピー性皮膚炎、癌、膀胱癌、白血病、子宮癌、子宮頸癌、めまい、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、不眠症、眠気、立ちくらみ、性欲減退、記憶喪失、震え、黄疸、不整脈、心拍数の増加、心拍数の減少、じんま疹、うつ病、臨床的うつ病、脳虚血、気管支肺異形成、心血管疾患、白内障、蜂巣炎、化学療法の副作用、慢性疲労症候群、大腸炎、冠動脈疾患、異常脂質血症、子癇、勃起不全、運動失調、頭痛、心不全、血液透析副作用、肝硬変、高コレステロール血症、高ホモシステイン血症、高脂血症、間質性肺疾患、肺損傷、黄斑変性症、男性不妊症、軽度の認知障害、心筋梗塞、心筋炎、筋変性症、神経障害、肥満、変形性関節症、骨粗鬆症、膵炎、歯周病、腹膜透析の副作用、外傷後ストレス障害、子癇前症、乾癬、乾癬性関節炎、肺高血圧症、放射線療法の副作用、反応性関節炎、呼吸窮迫症候群、横紋筋融解症、リウマチ性疾患、敗血症、睡眠時無呼吸、卒中、自殺思考、アミロイドーシス、血栓形成傾向(thrombophily)、タウオパチー、不安定狭心症、尿毒症、および静脈不全からなる群から選択される、請求項72に記載の方法。
【請求項83】
対象における酸化ストレス関連疾患または状態を処置するための方法であって、
(a)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、
(b)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、
(c)前記組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む、治療有効量の組成物を前記対象に投与すること、を含む方法。
【請求項84】
前記酸化ストレス関連状態が、無セルロプラスミン血症、急性および慢性アルコール性肝疾患、急性自己免疫性心筋炎、鎌状赤血球症の急性胸部症候群、急性膵炎、急性呼吸窮迫症候群、アルコール性肝疾患、筋萎縮性側索硬化症、動脈/全身性高血圧、アスベスト症、喘息、血管拡張性失調症、アテローム性動脈硬化症、アトピー性皮膚炎、脳虚血、気管支肺異形成、火傷、いくつかの癌、人工心肺、心臓血管疾患、白内障、蜂巣炎、化学療法による副作用、慢性疲労症候群、慢性C型肝炎、慢性腎疾患、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎不全、結腸炎、冠動脈疾患、クロイツフェルト-ヤーコプ病、クローン病、皮膚リーシュマニア症、膵嚢胞線維症、1型糖尿病、2型糖尿病、異脂肪血症、ダウン症候群、子癇、末期腎疾患、勃起不全、フリードライヒ失調症、頭痛、心不全、ヘリコバクターピロリ感染/炎症、血液透析の副作用、肝硬変、ヒト免疫不全ウイルス感染症、ハンチントン病、高圧酸素療法による疾患、高コレステロール血症、高ホモシステイン血症、高脂血症、特発性肺繊維症、間質性肺疾患、虚血/再潅流傷害、若年性慢性関節炎、腎臓移植不全、白血病、肺癌、肺障害、黄斑変性、男性不妊、メニエール病、髄膜炎、軽度認識障害、多発性硬化症、骨髄異形成症候群(myelodisplastic syndromes)、心筋梗塞、心筋炎、新生児気管支肺異形成、肥満症、骨関節炎、骨粗鬆症、膵炎、パーキンソン症候群、歯周病、腹膜透析の副作用、光劣化(photoageing)、外傷後ストレス症、子癇前症、原発性胆汁性肝硬変、気管支肺(broncopulmonary)疾患、早老症、乾癬、乾癬性関節炎、肺高血圧症、放射線治療の副作用、反応性関節炎、腎細胞癌、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、水晶体後線維増殖症(retrolenticolarfibroplasy)、リウマチ病、リューマチ関節炎、サルコイドーシス、敗血症、鎌状細胞生成疾患、睡眠時無呼吸、球状赤血球症、脊髄損傷、卒中、シヌクレイノパチー、全身性アミロイドーシ、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症(強皮症)、血栓性素因(thrombophily)、タウオパチー、外傷性ストレス結核、不定狭心症、尿毒、静脈不全、ウェルナー症候群、または、ツェルヴェーガー症候群である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記細菌が、
(a)バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシおよびラクトバチルス・ヘルベティカスからなる群から選択されるグラム陽性菌、または
(b)クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリスおよびシュードモナス・フルオレッセンスからなる群から選択されるグラム陰性菌、である、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
対象における酸化ストレスを低減するための方法であって、
(a)前記対象の前記尿または血液中のイソプロスタンの前記量を測定することによって前記対象における酸化ストレスの前記レベルを測定することと、
(b)
(i)細菌から少なくとも1つの溶解物および/または溶解物画分を含むtoll様受容体(TLR)アゴニストであって、少なくとも1つ以上のTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、
(ii)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、を含む有効量の組成物を前記対象に投与するステップと、
(c)前記対象の前記尿中のイソプロスタンの量の減少によって測定されるとき、酸化ストレスの前記レベルが低下するまで前記組成物の投与を継続することと、を含む、方法。
【請求項87】
前記細菌溶解物の投与は、前記対象の前記尿中のイソプロスタンの前記量が、クレアチニン1mgあたり約3ng未満、クレアチニン1mgあたり約2ng未満、クレアチニン1mgあたり約1ng未満、またはクレアチニン1mgあたり約0.5ng未満になるまで継続して行う、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記細菌が、グラム陰性細菌またはグラム陽性細菌である、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記細菌が、
(a)バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシおよびラクトバチルス・ヘルベティカスからなる群から選択されるグラム陽性菌、または
(b)クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリスおよびシュードモナス・フルオレッセンスからなる群から選択されるグラム陰性菌、である、請求項86に記載の方法。
【請求項90】
前記溶解物および/または溶解物画分が、少なくとも1つ以上のTLRまたはNLRを活性化させる、請求項86に記載の方法。
【請求項91】
前記溶解物および/または溶解物画分が、少なくとも2つのTLRおよび/またはNLRを活性化させる、請求項86に記載の方法。
【請求項92】
前記溶解物および/または溶解物画分が、少なくとも3つのTLRまたはNLRを活性化させる、請求項86に記載の方法。
【請求項93】
前記溶解物および/または溶解物画分が、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの少なくとも1つ以上を活性化させる、請求項86に記載の方法。
【請求項94】
前記溶解物および/または溶解物画分が、TLR2およびTLR4を活性化させる、請求項86に記載の方法。
【請求項95】
前記溶解物および/または溶解物画分が、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの2つ以上を活性化させる、請求項86に記載の方法。
【請求項96】
前記溶解物および/または溶解物画分が、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの3つ以上を活性化させる、請求項86に記載の方法。
【請求項97】
治療用組み合わせであって、
(a)
(i)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、
(ii)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、
(iii)前記組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む、溶解物組成物と、
(b)1つ以上の医薬剤と、を含み、
前記溶解物組成物および前記1つ以上の医薬剤が、同時にまたは任意の順序で投与され、前記溶解剤組成物および前記1つ以上の医薬剤が、同じまたは異なる投与経路から投与される、治療用組み合わせ。
【請求項98】
前記溶解物組成物が、舌下または頬に投与される、請求項97に記載の治療用組み合わせ。
【請求項99】
医薬製剤であって、
(a)
(i)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、
(ii)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、
(iii)前記組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む溶解組成物と、
(b)1つ以上の医薬剤と、の組み合わせを含む医薬製剤。
【請求項100】
前記1つ以上の医薬剤が、
鎮痙剤、運動刺激薬、H2受容体アンタゴニスト、抗ムスカリン薬;キレート剤、プロスタグランジン類似体、アミノサリチル酸塩、コルチコステロイド、免疫応答に影響する薬物、刺激性下剤、胆汁組成および流れに影響する薬物、胆汁酸封鎖剤、ドーパミンアンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤、オピオイド、オピオイド受容体アンタゴニスト、鎮痛剤、睡眠剤、強心配糖体、ホスホジエステラーゼ阻害剤、チアジド、利尿剤、カリウム保持性利尿剤、アルドステロンアンタゴニスト、浸透圧性利尿剤、不整脈のための薬物、βアドレナリン受容体遮断薬、高血圧薬、レニン-アンギオテンシン系に影響を及ぼす薬物、硝酸塩、カルシウムブロッカー、抗狭心症薬、末梢血管拡張剤、交感神経興奮剤、抗凝固剤、プロタミン、抗血小板薬、フィブリン溶解薬、抗線維素溶解薬、脂質調節薬、ω3脂肪酸化合物、CNS薬、抗感染薬、またはベンゾトロン、プロシクリジン、ビペリデン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、エンタカポン、トルカポン、セレギリン、プラミペキソール、ブデソニド、フォルモテロール、クエチアピンフマレート、オランザピン、ピオグリタゾン、モンテルカスト、ゾレドロン酸(ZoledromicAcid)、バルサルタン、ラタノプロスト、イルベサルタン、クロピドグレル、アトモキセチン、デキサムフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、フルダラビン、フロウロウラシル(Flourouracil)、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、アポモルヒネ、ベタメタゾン、コルチゾン、デフラザコート、デキサメトゾン(Dexamethosone)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、シクロスポリン、シロリムス、タクロリムス、インターフェロンα、およびインターフェロンβからなる群から選択される別の薬剤、からなる群から選択される請求項97に記載の治療用組み合わせ、または請求項99に記載の医薬製剤。
【請求項101】
前記1つ以上の医薬剤が、
アトロピン硫酸塩、塩酸ジシクロベリン、ヒヨスシンブチルブロミド、臭化プロパンテリン、クエン酸アルベリン、塩酸メベベリンからなる群から選択される鎮痙薬;
メトクロプラミド(metoclorpramide)およびドンペリドンからなる群から選択される運動刺激剤;
シメチジン、ファモチジネニザチジン、およびラニチジンからなる群から選択されるH2-受容体アンタゴニスト;
抗ムスカリン;
二クエン酸ビスマス三カリウムおよびスクラルファートからなる群から選択されるキレート;
プロスタグランジン類似体;
バルサジドナトリウム、メサラジン、オルサラジン、およびスルファサラジンからなる群から選択されるアミノサリチル酸塩;
ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデノシド、ヒドロコルチゾンおよびプレドニゾロンからなる群から選択されるコルチコステロイド;シクロスポリン、メルカプトプリン、メトトレキセート、アダリムマブ、およびインフリキシマブからなる群から選択される免疫系に影響を及ぼす薬物;
ビサコジル、ダントロン、ドキュセート、およびピコスルファートナトリウムからなる群から選択される刺激性下剤;
胆汁組成および流れに影響する薬物;
コレスチラミン、オキシフェンサイクリミン、カミロフィン、メベベリン、トリメブチン、ロシベリン、ジシクロベリン、ジヘキシベリン、ジフェメリン、ピペリドレート、ベンジロン、メペンゾレート、ピペンゾラート、グリコピロニウム、オキシフェノニウム、ペンチエナート、メタンテリン、プロパンテリン、臭化オチロニウム、トリジヘキセチル、イソプロパミド、ヘキソサイクリウム、ポルジン、ベボニウム、ジフェマニル、ヨウ化チエモニウム、臭化プリフィニウム、臭化チメピジウム、フェンピベリニウム、パパベリン、ドロタベリン、モキサベリン、5-HT3アンタゴニスト、5-HT4アゴニスト、フェンピプラン、ジイソプロミン、クロルベンゾキサミン、ピナベリウム、フェノベリン、イダンプラミン、プロキサゾール、アルベリン、トレピブトン、イソメテプテン、カロベリン、フロログルシノール、シリコーン、トリメチルジフェニルプロピルアミン、アトロピン、ヒヨスチアミン、スコポラミン、ブチルスコポラミン、メチルスコポラミン、メチルアトロピン、フェントニウム、臭化シメトロピウム、および主にドーパミン遮断薬からなる群から選択される胆汁酸金属イオン封鎖剤;
オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾールナトリウムからなる群から選択されるプロトンポンプ阻害剤;
オピオイドおよびオピオイド受容体アンタゴニスト;
アセトアミノフェン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナマート、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、セレコキシブ、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、およびトラマドールからなる群から選択される鎮痛薬;
ニトラゼパム、フルラゼパム、ロプラゾラム、ロルメタゼパム、テマゼパム、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、抱水クロラール、トリクロホス、クロメチアゾール、クアゼパム、トリアゾラム、エスタゾラム、クロナゼパム、アルプラゾラム、エスゾピクロン、ロゼレム、トラゾドン、アミトリプチリン、ドキセピン、ベンゾジアゼピン薬、メラトニン、ジフェンヒドラミン、およびハーブ療法からなる群から選択される睡眠薬;
ジゴキシンおよびジギトキシンからなる群から選択される強心配糖子、
エノキシモンおよびミルリノンからなる群から選択されるホスホジエステラーゼ阻害剤、
ベンドロフルメチアジド、クロルタリドン、シクロペンチアジド、イナパミド、メトラゾン、およびキサミドからなる群から選択されるチアジドおよびチアジド関連利尿薬;
フロセミド、ブメタニド、およびトラスセミドからなる群から選択される利尿剤;
塩酸アミロライド、トリアムテレン、ウエプレレノン(weplerenone)、およびスピロノラクトンからなる群から選択されるカリウム保持性利尿薬およびアルドステロンアンタゴニスト;
浸透圧性利尿薬;
アデノシン、アミオダロン塩酸塩、ジソピラミド、フレカイニド酢酸塩、プロパフェノン塩酸塩、およびリドカイン塩酸塩からなる群から選択される不整脈のための薬物、
プロパナロール(propanalol)、アテノロール、アセブトロール、ビスプロールフマル酸塩(bisprolol fumarate)、カルベジロール、セリプロロール、エスモロール、レバトロール、メトプロロール酒石酸塩、ナドロール、ネビボロール、オキシプレノロール、ピンドロール、ソラトール、およびチモロールからなる群から選択されるβアドレナリン受容体遮断薬;
アンブリセンタン、ボセンタン、ジアゾキシド、ヒドララジン、イロプロスト、ミノキシジル、シルデナフィル、シタキセンタン、ニトロプルシドナトリウム、クロニジン、メチルドパ、モキソニジン、グアネチジンモノ硫酸塩、ドキサゾシン、インドラミン、プラゾシン、テラゾシン、フェノキシベンザミン、およびメシル酸フェントラミンからなる群から選択される高血圧薬;
カプトプリル、シラザプリル、エナラプリルマレイン酸塩、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリルエルブミン、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル、カンデサルタンシレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタンメドキソミル、テルミサルタン、バルサルタン、およびアリスキレンからなる群から選択されるレニンアンギオテンシン系影響を及ぼす薬物;
ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、アムロジピン、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ベラパミル、イバプラジン、ニコランジル、およびラノラジンからなる群から選択される硝酸塩、カルシウムチャネル遮断薬、および抗狭心症薬;
シロスタゾール、ニコチン酸イノシトール、モキシシリト、ナフチドロフリル・シュウ酸エステル、およびペントキシフィリンからなる群から選択される末梢血管拡張薬、および関連薬;
ドーパミン、ドペキサミン、エフェドリン、メタラミノール、酒石酸ノルアドレナリン酸、酒石酸水素ノルエフィドリン(Noradrenaline Bitartrate)、および、フェニレフリンからなる群から選択される交感神経興奮剤;
ヘパリン、ベミパリン、ダルテパリン、エノキサパリン、チンザパリン、ダナパロイド、ビバリルジン、レピルジン、エポプロステロール、フォンダプリヌクス(Fondaprinux)、ワルファリン、アセノクマロール、フェニンジオン、ダビガトランエテキシラート、リバーロキサバン、およびプロタミン硫酸塩からなる群から選択される抗凝固剤およびプロタミン;
アブシキシマブ、アスピリン、クロピドグレル、ジピリダモール、エプチフィバチド、プラスグレル、およびチロフィバンからなる群から選択される抗血小板剤;
アルテプラーゼ、レテプラーゼ、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、ウロキナーゼ、エタンシラート、およびトラネキサム酸からなる群から選択される線維素溶解、および抗線維素溶解性薬;
アトルバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、コレセベラム(Colesevam)、コレスチラミン、コレスチポール、エゼチミブ、ベザフィブラート、シプロフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、アシピモックス、ニコチン酸、ω-3脂肪酸、オレイン酸エタノールアミン、およびテトラデシル硫酸ナトリウムからなる群から選択される脂質調節薬;
ベンペリドール、クロルプロマジン、フルペンチキソール、ハロペリドール、レボメプロマジン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、スルピリド、トリフロペラジン、ズクロペンチキソール、アミスルピリド、アリピプラゾール、クロザピン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リペリドン(Riperidone)、セルチンドール、ゾテピン、フルペンチキソール、フルフェナジン、エンボ酸オランザピン(パモ酸オランザピン)、パルミチン酸ピポチアジン、リスペリドン、ズクロペンチキソールデカノアート、カルバマゼピン、バルプロアート、バルプロ酸、炭酸リチウム、クエン酸リチウム、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドスレピン、イミプラミン、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、トリミプラミン、ミアンセリン、トラゾドン、フェネルジン、イソカルボキサジド、トラニルシプロミン、モクロベミド、シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、アゴメラチン、デュロキセチン、フルペンチキソール、ミルタザピン、レボキセチン、トリトファン(Trytophan)、ベンフラァキシン( Venflaxine)、アトモキセチン、デキサメタミン(Dexametamine)、メチルフェニデート、モダフィニル、エスリカルバゼピン、オカルバゼピン(Ocarbazepene)、エトサクシミド、ガバペンチン、プレガバリン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、フェノバルビタール、プリミドン、フェニトイン、ルフィナミド、チアガビン、トピラマート、ビガバトリン、ゾニサミド、ロピニロール、ロチゴチン、コベネルドーパ(Co-Beneldopa)、レボドパ、コカレルドーパ(Co-Careldopa)、ラサギリン、セレギリン、エンタカポン、トルカポン、アマンチジン(Amantidine)、オルフェナドリン、プロシクリジン、トリヘキシフェニジル、ハロペリドール、ピラセタム、リルゾール、テトラベナジン、アカンプロサート、ジスルフィラム、ブプロピオン、バレニシリン(Vareniciline)、ブプレノルフィン、ロフェキシジン、ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、および、リバスチジミンからなる群から選択されるCNS薬;
ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、フルクロキサシリン、テモシリン、アモキシシリン、アンピシリン、コアモキシクラブ、コフルアンピシル(Co-Fluampicil)、ピペラシリン、チカルシリン、ピブメシリナム、セファロスポリン、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セフィキシム、セホタキシム、セフラジン、セフタジジム、セフロキシム、エルタペネム、イミペネム、メロペネム、アズトレオナム、テトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドクソサイクリン(Doxocycline)、リメサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、チゲサイクリン(Tigecycline)、ゲンタマイシン、アミカシン、ネオマイシン、トブラマイシン、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、フシジン酸、バンコマイシン、テイコプラニン、ダプトマイシン、リネゾリド、キヌプリスチン、コリスチン、コ・トリモキサゾール、スルパジアジン(Sulpadiazine)、トリメトプリム、カプレオマイシン、サイクロセリン、エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファブチン、リファンピシン、ストレプトマイシン、ダプソン、クロファジミン、メトロニダゾール、チニダゾール、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフラキセチン(Norflaxine)、オルフラキサシン(Orflaxacin)、ニトロフラントイン、馬尿酸メテナミン、アムホテリシン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン(Griseofluvin)、イトラコンゾール(Itraconzole)、ケトコナゾール、ミカファンギン、ニスタチン、ポサコナゾール、テルビナフィン、ボリコナゾール、アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノホビルジソプロキシル、ジドブジン、アタザナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナイル(Lopinair)、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、チプラナビル、エファビレンツ、エトラビリン、ネバラピン(Nevarapine)、エンフュービルタイド、マラビロク、ラルテグラビル、アシクロビル、ファムシクロビル、イノシンプラノベクス、バラシクロビル、シドフォビル、ガングシクロビル(Gangciclovir)、ホスカルネット、バルガングシクロビル(Valgangciclovir)、アデフォビル・ジピボキシル、エンテカビル、テルビブジン、アマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、パリビズマブ(Palivizumab)、リバビリン、アルテメテル、クロロキン、メフロキン、プリマキン、プログアニル、ピリメタミン、キニーネ、ドキシサイクリン、フロ酸ジロキサニド、メトロニダジオール(Metronidaziole)、チニダゾール、メパクリン、スチボグルコネートナトリウム、アトバクオン、イセチオン酸ペンタミジン、メベンダゾール、およびピペラジンからなる群から選択される抗感染症薬;ならびに
ベンゾトロン、プロシクリジン、ビペリデン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、エンタカポン、トルカポン、セレギリン、プラミペキソール、ブデソニド、フォルモテロール、クエチアピンフマレート、オランザピン、ピオグリタゾン、モンテルカスト、ゾレドロン酸(ZoledromicAcid)、バルサルタン、ラタノプロスト、イルベサルタン、クロピドグレル、アトモキセチン、デキサムフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、フルダラビン、フロウロウラシル(Flourouracil)、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、アポモルヒネ、ベタメタゾン、コルチゾン、デフラザコート、デキサメトゾン(Dexamethosone)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、シクロスポリン、シロリムス、タクロリムス、インターフェロンα、およびインターフェロンβからなる群から選択される他の薬、からなる群から選択される、請求項97に記載の治療用組み合わせ、または請求項99に記載の医薬製剤。
【請求項102】
製剤であって、
(a)
(i)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分、
(ii)前記組成物の吸収を増大するための任意のプロモーター、
(iii)前記組成物の容積を増加させるための任意の担体、を含む、溶解物組成物と、
(b)単離されたヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片またはTNF阻害剤と、を含む、製剤。
【請求項103】
前記ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片が、アダリムマブである、請求項102に記載の製剤。
【請求項104】
対象において慢性関節リウマチ(RA)、後期発症RA、または乾癬性関節炎の処置のための医薬の製造における、請求項103に記載の製剤の使用。
【請求項105】
対象において関節リウマチ(RA)、後期発症RA、または乾癬性関節炎の処置のための方法であって、前記対象に治療有効量の請求項102に記載の製剤を投与することを含む、方法。
【請求項106】
前記ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片は、隔週投薬レジメンで前記対象に投与される、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片は、30mgまたはそれ以上の用量で前記対象に投与される、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
前記TNFα阻害剤が、TNFアルファ融合タンパク質である、請求項105に記載の方法。
【請求項109】
前記TNFα融合タンパク質が、エタネルセプトである、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記抗TNFα抗体またはその抗原結合断片が、インフリキシマブまたはゴリムマブである、請求項105に記載の方法。
【請求項111】
前記抗TNFα抗体またはその抗原結合断片が、アダリムマブである、請求項105に記載の方法。
【請求項112】
前記抗TNFα抗体またはその抗原結合断片が、アダリムマブである、請求項105に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
【0002】
本出願は、2015年11月10日に出願された米国仮出願第62/253,542号の利益を主張する。この出願はまた、2015年3月6日に出願された米国特許出願第14/640,075号の一部継続出願であり、2013年9月23日に出願された米国特許出願第14/034,044号の継続出願であり、2012年9月21日に出願された米国仮特許出願第61/704,090号の利益を主張する。この出願はまた、2013年1月16日に出願された米国特許出願第13/743,194号の一部継続出願であり、2012年1月16日に出願された米国仮特許出願第61/586,975号の利益を主張する。上記に特定された出願の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
自然免疫応答は、炎症を調節する経路の1つである。炎症は、損傷した細胞によって放出される化学的因子によって刺激され、感染の広がりに対して物理的障壁を確立し、病原体の除去後のあらゆる損傷組織の治癒を促進する働きをする。急性炎症プロセスは、全ての組織、主に常在マクロファージ、樹状細胞、組織球、クッパー細胞、および肥満細胞に既に存在する細胞によって開始される。これらの細胞は、表面上または細胞内に含まれる受容体(パターン認識受容体(PRR)と称される)を提示し、病原体によって広く共有されるが、宿主のものとは区別され得る分子パターンを認識する。これらの分子パターンは、まとめて病原体関連分子パターン(PAMP)と称される。免疫細胞は、これらのPRRのうちの1つがPAMPを認識し、応答して炎症伝達物質を放出するときに活性化を受ける。
【0004】
したがって、PAMPは、自然免疫系の細胞によって認識される病原体の群に関連する構造である。グリカンおよび複合糖質など、広範囲の異なる化学種がPAMPとして働くことができる。これらの構造は、微生物クラス内で保存される低分子モチーフとも称される。これらは、植物および動物の両方において、Toll様受容体(TLR)および他のPRRによって認識される。
【0005】
TLRは、細菌、真菌、原生動物およびウイルスからの構造を認識する保存された受容体である。TLR受容体は形質膜の表面上に位置するが、受容体への結合が膜貫通に伝達され、その結果、細胞間のシグナル伝達応答が生じる。TLRシグナル伝達は、最終的に、炎症反応を調整する遺伝子の誘導または抑制をもたらす。例えば、特定のTLRの活性化により、一連の細胞内事象が開始し、その結果、炎症誘発性サイトカインの生成を特徴とする免疫応答が生じる。TLRシグナル伝達は、細胞質Toll-インターロイキン1(TIR)ドメインに由来し、すべてのTLRの間で保存されている。TIRドメインおよびデスドメインの両方を含むアダプター分子MyD88は、TLRおよびIRAKタンパク質のTIRドメインと会合する。IRAKのリン酸化は、TRAF6との会合、その後NF-κBの活性化および炎症誘発性サイトカインの分泌をもたらす。ワクシニアウイルス由来の免疫調節タンパク質であるA52Rは、TIR依存性シグナル伝達の細胞内インヒビターであることがこれまでに示されている。HEK293細胞内で発現している場合、A52Rは、TLR4、TLR5、およびTLR2および6、ならびにTLR2および1の組み合わせなど、様々なTLRによる刺激に応答してNF-κB活性化を阻害することが示された。さらに、A52Rは、TLR3の合成リガンドであるPoly(1:0)に応答してNF-κB活性化を阻害した。TLR3は、抗ウイルス自然免疫応答に関与している。
【0006】
活性化の主な応答のうちの1つは、細胞の酸化還元状態をシフトさせることである。防御目的として、反応性酸素種(ROS)を生成することができる。ROSがまさに存在することで、酸化防止剤(還元剤)を消費し、その結果、より酸化的な酸化還元状態となる。ROSおよび酸化条件が、結果的に遺伝子の付随する活性化と共に細胞障害をもたらすのみでなく、酸化還元状態自体が遺伝子の発現を制御する。例えば、条件がより酸化的になると、スルフヒドリル基など、あるタンパク質上の容易に酸化された化学基が酸化される。次いで、これらのタンパク質の酸化状態が認識され、これにより酸化還元状態を制御し、かつ炎症を促進もしくは制御する遺伝子、または異常なもしくは疾患促進タンパク質を生成する遺伝子など、特定の遺伝子の活性化がもたらされる。
【0007】
炎症は、病原体、損傷細胞、または刺激物などの有害な刺激に対する身体組織の複雑な生物学的応答の一部である。炎症はまた、自己免疫疾患(身体組織が異質であると誤って認識される)から生じることもある。炎症は、最初は、免疫細胞、血管、および分子媒介物質を含む防御応答として働く。炎症の1つの目的は、細胞傷害の初期原因を排除し、元の傷害および炎症プロセスにより損傷した壊死細胞および組織を除去し、組織修復を開始することである。例えば、アテローム性動脈硬化症、III型過敏症、外傷および虚血など、炎症が微生物の侵入または感染によって引き起こされることのない多くの病理学的状況が存在するために、炎症を概念的に感染から区別することが有用である。微生物侵襲が、例えば好酸球増多などの古典的な炎症応答をもたらすことのない病理学的状況も存在する。炎症が非常に少ない場合には、有害な「侵略者」(細菌、ウイルス、突然変異細胞)による組織の進行性破壊となり得、生物の生存を損なう可能性があるが、過度の炎症(慢性炎症の場合)では、枯草熱、歯周病、アテローム性動脈硬化症、慢性関節リウマチ、さらには癌(例えば、胆嚢癌)などの疾患の宿主となり得る。
【0008】
酸化還元の変化の開始および結果として生じる病原体に対する炎症性応答は、感染を制御するために設計された自然免疫応答の重要な要素である。炎症伝達物質を持続的に生成することで、慢性炎症、組織損傷および疾患の発症を招き得るので、炎症は通常厳密に調節されている。PAMP/TLR相互作用によって開始し、遺伝子活性化に終わるシグナル伝達カスケードは、敗血症、自己免疫疾患、喘息、心臓病および癌などの多くの病態に関連している。例えば、敗血症は、細菌およびその生成物が、多臓器不全、心血管崩壊および死につながる可能性のある炎症誘発性サイトカインなどの宿主由来の媒介物質の制御されていないネットワークが活性化される場合に生じると仮定される。異常なTLRシグナル伝達応答は、誇張された細胞活性化応答につながり、敗血症に寄与し得る。
【0009】
炎症(慢性または急性に関わらず)は、損傷および/または炎症を起こした組織からのフリーラジカルおよび他のROSの生成および放出の増加から生じるか、またはこれらにつながり、その結果として酸化ストレスに寄与するか、または酸化ストレスを引き起こす。同時に、ROSが組織に損傷を与えるときに、酸化ストレスから炎症が生じる可能性がある。このため、炎症および炎症に関連する様々な状態はまた、「酸化ストレス関連疾患または状態」と見なすことができる。心理的ストレスなどの他のストレスはまた、酸化還元レベルのシフトおよびその結果として生じる酸化ストレス、さらには炎症につながる可能性がある。酸化還元状態が酸化ストレスの状態を誘発するときに、こうした正のフィードバックループにより、その状態が自己永続的になる可能性がある。酸化的な酸化還元状態および酸化ストレスは、画成された座位において限られた時間に生じると考えられている。酸化的な酸化還元状態の座位が不適切であり、かつ/または長く継続しすぎる場合には、病理学的または病的状態が存在する。広範囲の病理学的状態または疾患状態は、不適切な酸化還元状態または慢性炎症もしくは急性炎症によって引き起こされる酸化ストレスによって増強されるか、またはその逆である。
【0010】
酸化ストレスは、フリーラジカルなど、異常に増加した量のROSの損傷作用を伴う酸化的な酸化還元状態の病理学的形態である。フリーラジカルは、2つの電子(「対」)の代わりに1つの電子(「不対」)で少なくとも1つの外部電子軌道が「占有」されている単一の原子または分子である。不対電子が存在することで、フリーラジカル化合物が特別に反応性になる。これらは、多種多様な重要な細胞分子と自発的に反応し、それによって損傷を与える可能性がある。フリーラジカルを含む一定の数のROSは、細胞代謝によって身体により自然に生成される。例えば、いくつかのホルモンの合成はフリーラジカルの生成を伴い、一方、顆粒球は「化学兵器」の形態としてフリーラジカルの生成を使用して、細菌を死滅させる。これによって感染症から身体を守る。他のフリーラジカル、例えば硝酸酸化物(NO)は、血管緊張、血小板凝集、細胞接着などの重要な機能を調節する化学的メッセンジャーとして作用するので、身体の恒常性にとって基本である。
【0011】
フリーラジカルは、自発的に満たされていない外部軌道を第2の電子で満たす傾向があるので、潜在的に危険である。同一軌道に2つの電子が存在することは、最大の安定性-最小エネルギーの条件である。したがって、フリーラジカルが、不飽和脂肪酸(例えば、アラキドン酸)の分子など、1つ以上の「利用可能な」電子を有する「標的分子」と衝突すると、直ちに、標的分子から電子が「抽出」される。この効果「酸化」により、元のフリーラジカルは潜在的危険性を失い、新たに生成された分子が「酸化」され、次に新たなフリーラジカルとなり、反応を永続させ、酸化防止剤を用いない場合には反応を減衰させ得る。この反応は、炭水化物、脂質、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、核酸などの他の分子でも引き続き行われ得る(「連鎖反応効果」)。フリーラジカルによるこのような作用は、様々な程度の組織損傷をもたらし、炎症反応を引き起こす(または逆に炎症反応から生じる)可能性がある。ROS放出の初期または主要部位は、侵入する微生物に対する適切な応答であり得るが、侵略者は破壊されないか、または侵略者の破壊後に酸化還元の恒常性が回復しなければ、酸化還元状態が広がり、継続的な二次的酸化的な酸化還元状態が、副次的な組織損傷を伴う慢性損傷症状をもたらし得る。一例としては、脳での局所的炎症および酸化的な酸化還元状態となる外傷性脳損傷(TBI)である。恒常性が再度確立されない場合、慢性的酸化的な酸化還元状態が長期の組織損傷および慢性外傷性脳症(CTE)に至ることがある。
【0012】
したがって、細胞の酸化還元レベルを制御するための組成物および方法の必要性が当該分野において存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本明細書に開示されている方法および組成物は、特定の利点または機能に限定されるものではない。
【0014】
一態様において、本開示は、対象における酸化還元状態を調節するためのtoll様受容体(TLR)アゴニスト組成物を提供し、組成物は、(a)細菌の少なくとも1つの溶解物および/または溶解物画分を含むTLRアゴニストであって、少なくとも1つ以上のTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、(b)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(c)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含み、対象へ有効量の組成物を投与することにより、対象における酸化ストレスレベルを測定可能に低下させる。
【0015】
別の態様では、本開示は、対象における酸化還元状態を調節する方法を提供し、この方法は、治療的有効量の本開示による溶解物組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、酸化還元状態の調節は、対象におけるイソプロスタン濃度の変化を測定することによって査定される。
【0016】
別の態様では、本開示は、対象における酸化還元状態を調節する方法を提供し、この方法は、(a)それを必要とする対象に、時間的に間隔を空けて、(i)細菌の少なくとも1つの溶解物および/または溶解物画分を含むtoll様受容体(TLR)アゴニストであって、少なくとも1つ以上の異なるTLRまたはNLRを活性化させるtoll様受容体(TLR)アゴニストと、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(iii)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む、組成物からなる、用量を繰り返し投与するステップと、(b)対象の体液の測定を行い、酸化ストレスレベルの変化を検出するステップと、を含む。
【0017】
別の態様では、本開示は、対象の尿または血液中のイソプロスタンの量を減少させる方法を提供し、この方法は、(a)対象の尿または血液中のイソプロスタンのレベルを決定するステップと、(b)(i)細菌からの少なくとも1つの細菌溶解物および/または溶解物画分を含むtoll様受容体(TLR)アゴニストであって、少なくとも1つ以上の異なるTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、を含む、有効量の組成物を対象に投与するステップと、(c)対象の尿または血液中のイソプロスタンのレベルが低下するまで、組成物の投与を継続するステップと、を含む。
【0018】
別の態様では、本開示は、(a)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、(b)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(c)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む組成物を提供する。
【0019】
別の態様では、本開示は、本開示による溶解物組成物を含む医薬製剤を提供し、医薬製剤は、頬側または舌下投与のために配合される。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、投与後1分以内に溶解するように配合される。
【0020】
別の態様では、本開示は、(a)増殖培地中の細菌を定常増殖期まで発酵させて発酵ブロスを生成するステップと、(b)発酵ブロスから細菌を収穫するステップと、(c)収穫した細菌を低温殺菌するステップと、(d)低温殺菌した細菌をリゾチームで溶解して細菌溶解物を生成するステップと、を含む、細菌溶解物を生成する方法を提供する。いくつかの実施形態では、細菌は、対数中期、対数後期、早期定常期、中期定常期、または後期定常期に収穫される。
【0021】
別の態様では、本開示は、(a)増殖培地中の細菌を定常増殖期まで発酵させて発酵ブロスを生成するステップと、(b)発酵ブロスから細菌を収穫するステップと、(c)収穫した細菌を低温殺菌するステップと、(d)低温殺菌した細菌をリゾチームで溶解して細菌溶解物を生成するステップと、を含む方法により生成された細菌溶解物を提供する。いくつかの実施形態では、細菌は、対数中期、対数後期、早期定常期、中期定常期、または後期定常期に収穫される。
【0022】
別の態様では、本開示は、医薬剤の投与に関連する1つ以上の酸化ストレス関連副作用を軽減するための方法を提供し、この方法は、医薬剤と組み合わせて、(a)細菌の溶解物および/または溶解物画分と、(b)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(c)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む、治療有効量の溶解物組成物を投与することを含み、医薬剤および溶解物組成物は、同時にまたは任意の順序で、かつ同じ投与経路または異なる投与経路から投与される。
【0023】
別の態様では、本開示は、対象における酸化ストレス関連疾患または状態を処置するための方法を提供し、この方法は、(a)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、(b)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(c)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む。
【0024】
別の態様では、本開示は、対象における酸化ストレスを低減するための方法を提供し、この方法は、(a)対象の尿または血液中のイソプロスタンの量を測定することによって対象における酸化ストレスのレベルを測定することと、(b)(i)細菌からの少なくとも1つの溶解物および/または溶解物画分を含むtoll様受容体(TLR)アゴニストであって、少なくとも1つ以上のTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、を含む組成物の有効量を対象に投与することと、(c)対象の尿中のイソプロスタンの量の減少によって測定するときに、酸化ストレスのレベルが低下するまで組成物の投与を継続することと、を含む。
【0025】
別の態様では、本開示は、(a)(i)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物、および/または溶解物画分、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーター、および(iii)組成物の容積を増加させるための任意の担体、を含む溶解物組成物と、(b)1つ以上の薬剤と、を含む、治療用組み合わせであって、溶解物組成物および1つ以上の医薬剤は、同時にまたは任意の順序で投与され、溶解剤組成物および1つ以上の医薬剤は、同じまたは異なる投与経路から投与される。
【0026】
別の態様では、本開示は、(a)(i)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物、および/または溶解物画分、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーター、および(iii)組成物の容積を増加させるための任意の担体、を含む溶解物組成物と、(b)1つ以上の薬剤と、の組み合わせを含む、医薬製剤を開示する。いくつかの実施形態では、1つ以上の医薬剤は、以下からなる群から選択される:鎮痙剤、運動刺激薬、H2受容体アンタゴニスト、抗ムスカリン薬;キレート剤、プロスタグランジン類似体、アミノサリチル酸塩、コルチコステロイド、免疫応答に影響する薬物、刺激性下剤、胆汁組成および流れに影響する薬物、胆汁酸封鎖剤、ドーパミンアンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤、オピオイド、オピオイド受容体アンタゴニスト、鎮痛剤、睡眠剤、強心配糖体、ホスホジエステラーゼ阻害剤、チアジド、利尿剤、カリウム保持性利尿剤、アルドステロンアンタゴニスト、浸透圧性利尿剤、不整脈のための薬物、βアドレナリン受容体遮断薬、高血圧薬、レニン-アンギオテンシン系に影響を及ぼす薬物、硝酸塩、カルシウムブロッカー、抗狭心症薬、末梢血管拡張剤、交感神経興奮剤、抗凝固剤、プロタミン、抗血小板薬、フィブリン溶解薬、抗線維素溶解薬、脂質調節薬、ω3脂肪酸化合物、CNS薬、抗感染薬、またはベンゾトロン、プロシクリジン、ビペリデン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、エンタカポン、トルカポン、セレギリン、プラミペキソール、ブデソニド、フォルモテロール、クエチアピンフマレート、オランザピン、ピオグリタゾン、モンテルカスト、ゾレドロン酸(ZoledromicAcid)、バルサルタン、ラタノプロスト、イルベサルタン、クロピドグレル、アトモキセチン、デキサムフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、フルダラビン、フロウロウラシル(Flourouracil)、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、アポモルヒネ、ベタメタゾン、コルチゾン、デフラザコート、デキサメトゾン(Dexamethosone)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、シクロスポリン、シロリムス、タクロリムス、インターフェロンα、およびインターフェロンβからなる群から選択される別の薬剤。
【0027】
別の態様では、本開示は、(a)(i)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物、および/または溶解物画分、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーター、および(iii)組成物の容積を増加させるための任意の担体、を含む溶解物組成物と、(b)単離されたヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片またはTNF阻害剤と、を含む製剤を提供する。いくつかの実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片は、アダリムマブである。別の態様において、本開示は、対象において慢性関節リウマチ(RA)、後期発症RA、または乾癬性関節炎の処置のための医薬の製造におけるこのような製剤の使用を提供する。別の態様では、本開示は、対象における関節リウマチ(RA)、後期発症RA、または乾癬性関節炎の処置のための方法を提供し、この方法は、対象に治療有効量のこのような製剤を投与することを含む。
【0028】
本明細書に開示される方法または組成物のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌である。本明細書に開示される方法または組成物のいずれかのいくつかの実施形態では、グラム陽性細菌は、ラクトバチルス科の細菌、ストレプトコッカス科の細菌、ビフィドバクテリウム科の細菌、およびバチルス科の細菌からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、グラム陽性細菌は、バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシおよびラクトバチルス・ヘルベティカスからなる群から選択される。
【0029】
本明細書に開示される方法または組成物のいずれかのいくつかの実施形態では、グラム陰性細菌は、シュードモナス属、クレブシエラ属、キサントモナス属、赤痢菌属およびエンテロバクター属の細菌からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、グラム陰性細菌は、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス属、シュードモナス・フルオレッセンス属からなる群から選択される。
【0030】
本明細書に開示される方法または組成物のいずれかのいくつかの実施形態では、TLRアゴニスト、溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分は、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの少なくとも1つ以上を活性化させる。いくつかの実施形態では、TLRアゴニスト、溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分は、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの2つ以上を活性化させる。いくつかの実施形態では、TLRアゴニスト、溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分は、TLR2およびTLR4を活性化させる。いくつかの実施形態では、TLRアゴニスト、溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分は、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの3つ以上を活性化させる。
【0031】
本明細書に開示される方法または組成物のいずれかのいくつかの実施形態では、プロモーターは、アミノ酸、アミノ糖および糖からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、担体は、結合剤、ガムベース、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ガムベースは、少なくとも1つの疎水性ポリマーおよび少なくとも1つの親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、糖、糖アルコール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、糖アルコールは、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0032】
いくつかの実施形態では、組成物は、舐剤、チューインガム、チュアブル錠、キャンディ剤、および溶解錠剤からなる群から選択される剤形として製造される。いくつかの実施形態では、剤形は、TLRアゴニストを口腔粘膜に送達させる。いくつかの実施形態では、口腔粘膜は、舌下粘膜、頬粘膜、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0033】
本明細書に開示される方法および組成物のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、口腔粘膜送達用に配合される。いくつかの実施形態では、組成物は、舌下送達または頬側送達のために配合される。いくつかの実施形態では、組成物は、投与後1分以内に溶解するように配合される。
【0034】
これらおよび他の態様、利点および代替物は、添付の特許請求の範囲とともに添付の図面を必要に応じて参照して以下の詳細な説明を読むことによって当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】様々な応答経路を示すtoll様受容体(TLR)を示す概略図である。
図2】選択されたTLR/NLR細胞株に対する本発明の組成物の例示的な刺激効果を示す図である。グラフの値は、3回のスクリーニング実験の平均に対応する。
図3】ラクトバチルス・ブルガリクス溶解物と比較したペディオコッカス・アシディラクティシ溶解物のTLR刺激の結果を示すグラフである。
図4】収穫時間の異なるバチルス・コアグランス溶解物のTLR刺激の結果を示すグラフである。
図5】ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・プランタラム、およびストレプトコッカス・サーモフィルスからのグラム陽性細菌溶解物のTLR刺激の結果を示すグラフである。
図6】大腸菌、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリスおよびシュードモナス・フルオレッセンス由来のグラム陰性細菌溶解物のTLR刺激の結果を示すグラフである。
図7】キサンタンガムと比較したキサントモナス・カンペストリス溶解物のTLR刺激の結果を示す図である。
図8】本開示の組成物の投与後の、PTSD診断された戦闘退役軍人の尿中の、尿中イソプロスタンレベルの減少を示すグラフである。
図9】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人の睡眠障害の減少を示すグラフである。
図10】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人における神経障害症状の減少を示すグラフである。
図11】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人の全体的な気分の改善を示すグラフである。
図12】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人の全体的なエネルギーレベルの増加を示すグラフである。
図13】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人の関節の健常性の全体的満足度の上昇を示すグラフである。
図14】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人の消化器系の健常性の満足度の上昇を示すグラフである。
図15】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人の被刺激性レベルの低下を示すグラフである。
図16】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人の性的機能の自己報告された満足度の全体レベルの上昇を示すグラフである。
図17】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人の昼間の眠気の減少を示すグラフである。
図18】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人の生活の自己報告された満足度の全体レベルの上昇を示すグラフである。
図19】本開示の組成物の投与後のPTSD診断された戦闘退役軍人のうつ度レベルの低下を示すグラフである。
図20】本開示の溶解物の投与後の脳震盪の履歴を有する個人におけるイソプロスタンレベルの低下を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書中に引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、すべての目的のために、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0037】
細胞の酸化還元(酸化還元)状態は、大きく変化する。酸化および還元反応は、細胞生物学的エネルギーにとって重要である。通常、食品分子の酸化により、NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート)およびATP(アデノシントリホスフェート)などのエネルギーに富んだ分子としての電子輸送および最終的なエネルギーの捕捉が結果として生じると、TLRは、下流の酸化/還元反応が平衡であるような様式で活性化される。本明細書中で使用される場合、用語「平衡」は、恒常平衡、すなわち、所定の系において酸化量が還元量に等しい状況である必要はないこと、むしろ酸化および還元が宿主について免疫学的、したがって代謝的に恒常であることを指している。しかし、酸化還元状態が変化する複数の細胞状態が存在する。通常、細胞は抗酸化分子で武装しているが、このような分子が枯渇すると、細胞の酸化還元状態が変化する。こうした変化の一つの考えられる原因は、防御目的またはそれに類似した目的のために、O2(スーパーオキシドラジカル)、OH(ヒドロキシルラジカル)およびH(過酸化水素)などの反応性酸素種(ROS)が意図的に生成されるためである。酸化還元の平衡がシフトすると、酸化ストレスが続いて生じることがある。酸化ストレスは、異常に増加したROSレベルの身体の細胞および組織への損傷作用によって引き起こされる病的状態である。酸化ストレスは、免疫学的に制御されていない、ROSの生成が増加することおよび/または過剰なROSに対する抗酸化物質の防御の生理活性が減少することによる直接的な結果である。炎症(慢性または急性に関わらず)ならびに他のストレスおよび感染は、損傷および/または炎症の生じた組織からのROSの生成および放出の増加をもたらし得、これにより細胞の酸化還元の平衡がシフトされ、結果として酸化ストレスに寄与する。同時に、ROSが組織に損傷を与えるときに、酸化ストレスから炎症が生じる可能性がある。広範な疾患および疾患状態は、慢性または急性炎症によってもたらされる酸化還元状態および酸化ストレスの変化またはその逆に関連する。慢性または急性炎症を処置するための現在の治療法は、有害な副作用なしには得られない。酸化ストレスおよび関連する状態の処置における酸化還元レベルを変化させるための組成物および方法が本明細書に記載される。
【0038】
開示された方法および組成物を詳細に説明する前に、いくつかの用語を定義する。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「核酸」は、1つ以上の核酸を意味する。
【0039】
本発明を説明し、定義する目的のために、本明細書では、用語「実質的に」は、あらゆる量的比較、値、測定、または他の表現に帰することができる不確実さの固有の程度を表現するために使用されることに留意されたい。用語「実質的に」は、本明細書では、定量的表現が、結果として問題の主題の基本的機能に変化をもたらすことなく、記載された基準と異なり得る程度を表すためにも利用される。
【0040】
上記のように、病原体関連分子パターン(PAMP)は、TLRを刺激することによって自然免疫応答を活性化させることができ、これらは、保存された非自己生化学的構造によって一般に活性化され、このため宿主を感染から保護する。細菌性リポ多糖体(LPS)は、いくつかの細菌の細菌細胞膜上で発見され、プロトタイプのPAMPであると考えられている。LPSは、自然免疫系の認識受容体であるTLR4によって特異的に認識される。他のPAMPとしては、細菌フラジェリン(TLR5によって認識される)、リポテイコ酸、ペプチドグリカン、およびTLR3によって認識される二本鎖RNA(dsRNA)、またはTLR9によって認識される非メチル化CpGモチーフなど、ウイルスに通常付随する核酸変異体が挙げられる。
【0041】
しかし、場合によっては、PAMPは炎症を減少させる。典型的に免疫応答を刺激する材料であるEPS(菌体外多糖体)は、TLRの負の調節因子を刺激することにより、炎症反応の減少をもたらすことが示されている。より具体的には、EPSは、免疫グロビンIL-1関連受容体、toll相互作用タンパク質、B細胞リンパ腫3コードタンパク質、A20、マイトジェン活性化プロテインキナーゼホスフェート-1、およびインターロイキン関連キナーゼMの発現を刺激することが示されており、TLRおよび炎症の負の調節をもたらすことが示されている。
【0042】
PAMPのこれらの一見矛盾する効果は、少なくとも部分的に、自然免疫系とマイクロバイオームとの相互作用によって説明される。免疫系は真空中には存在しない。有機体が活性炎症応答を起こしていない場合でも、免疫細胞は、特にマイクロバイオーム環境からのPAMPの猛攻撃に応答している。活性化される様々なTLR受容体が免疫学的および代謝的恒常性にある下流酸化還元状態を作り出すことを考えると、この系が、「オールクリア」シグナルを発することで、必須マイクロバイオーム成分を損傷させる可能性のある不慮の応答を回避する。従って、自然免疫系の細胞にPAMPの正しい組合せを提示することは、酸化還元系全体を制御することができ、それを下方制御または上方制御することで、免疫学的および代謝的恒常性を達成するか、または場合によっては回復させることができる。
【0043】
図1は、膜貫通型TLRの概略図を示す。分子のリガンド受容(刺激)部分は原形質膜の表面上に位置するが、タンパク質の膜貫通ドメインは、リガンドが結合したときに起こる立体配座の変化を介して膜の細胞質表面にシグナルを伝えることができる。細胞質表面において、このシグナル(矢印)は、いくつかの異なるシグナル伝達経路に結合される。増殖/分化およびストレス応答経路が示されている。1つのTLR型は、こうして一般化された図のように、両方の経路を同時に制御することはないことに留意されたい。むしろ、いくつかのTLRが1つの経路またはセットまたは複数の経路を制御し、他のTLRは異なる経路または一連の経路を制御する。さらに、TLRの1つの型は、配置される細胞型に応じて異なる経路を制御する可能性がある。このため、TLRアゴニストの正しい平衡を送達することは、恒常性を維持するために重要である。
【0044】
下流のシングル伝達機構は、より大きくまたはより小さい程度で共有され得る。図1では、増殖応答は主としてERK経路を使用しているが、ストレス応答はMEKKおよびTAK経路を使用する。各経路において、シグナル分子はリン酸化され、シグナルを増幅するためにリン酸化カスケードが存在し得る。最終的に、リン酸化されたタンパク質は、リン酸化中間体が転写および翻訳の両方を変化させる(核孔を通じて)核に入る。このようにして、TLRは一連の遺伝子全体を制御することができる。総計で何千もの遺伝子がTLRのシグナル伝達によって活性化され、集団的にTLRが遺伝子多型の最も多面的かつ厳密に調節されたゲートウェイのうちの1つを構成する。
【0045】
TLR活性化の主な応答のうちの1つは、保証されている場合、細胞の下流の酸化還元状態をシフトさせることである。酸化還元の変化の開始および結果として生じる病原体に対する炎症性応答は、感染を制御するために設計された自然免疫応答の重要な要素である。炎症(慢性または急性に関わらず)は、損傷および/または炎症を起こした組織からのフリーラジカルおよび他のROSの生成および放出の増加から生じるか、またはこれらにつながり、その結果として酸化ストレスに寄与するか、または酸化ストレスを引き起こす。同時に、ROSが組織に損傷を与えるときに、酸化ストレスから炎症が生じる可能性がある。このため、炎症および炎症に関連する様々な状態はまた、「酸化ストレス関連疾患または状態」と見なすことができる。
【0046】
生化学的状態である酸化ストレスは、一般に、そのストレスが誘導する特定の病理学的状態を除いて、特定のいかなる臨床症状または臨床兆候も呈することはない。臨床医がその存在を疑い、酸化ストレスのアッセイを行うことを決定するまでは、このストレスは、患者に付随する損傷を伴い、一般に未知のままである可能性がある。
【0047】
種々の一般的な疾患および/または状態は、多くの場合、酸化ストレスに関連する。一例はアルツハイマー病である。研究では、慢性的な酸化ストレスが、アルツハイマー病の既知のバイオマーカーであるタウリン酸化レベルを増加させることを示している。また、酸化ストレスが、アルツハイマー病モデルにおいてタウ誘導性神経変性をもたらすことが研究により示されている。
【0048】
他の公知の「酸化ストレス関連疾患または状態」としては、これらに限定するものではないが、無セロプラスミン血症、急性および慢性アルコール性肝疾患、急性自己免疫性心筋炎、鎌状赤血球症の急性胸部症候群、急性膵炎、急性呼吸窮迫症候群、アルコール性肝疾患、筋萎縮性側索硬化症、動脈/全身性高血圧、アスベスト症、喘息、血管拡張性失調症、アテローム性動脈硬化症、アトピー性皮膚炎、脳虚血、気管支肺異形成、火傷、いくつかの癌、人工心肺、心臓血管疾患、白内障、蜂巣炎、化学療法による副作用、慢性疲労症候群、慢性C型肝炎、慢性腎疾患、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎不全、結腸炎、冠動脈疾患、クロイツフェルト-ヤーコプ病、クローン病、皮膚リーシュマニア症、膵嚢胞線維症、1型糖尿病、2型糖尿病、異脂肪血症、ダウン症候群、子癇、末期腎疾患、勃起不全、フリードライヒ失調症、頭痛、心不全、ヘリコバクターピロリ感染/炎症、血液透析の副作用、肝硬変、ヒト免疫不全ウイルス感染症、ハンチントン病、高圧酸素療法による疾患、高コレステロール血症、高ホモシステイン血症、高脂血症、特発性肺繊維症、間質性肺疾患、虚血/再潅流傷害、若年性慢性関節炎、腎臓移植不全、白血病、肺癌、肺障害、黄斑変性、男性不妊、メニエール病、髄膜炎、軽度認識障害、多発性硬化症、骨髄異形成症候群(myelodisplastic syndromes)、心筋梗塞、心筋炎、新生児気管支肺異形成、肥満症、骨関節炎、骨粗鬆症、膵炎、パーキンソン症候群、歯周病、腹膜透析の副作用、光劣化(photoageing)、外傷後ストレス症、子癇前症、原発性胆汁性肝硬変、気管支肺(broncopulmonary)疾患、早老症、乾癬、乾癬性関節炎、肺高血圧症、放射線治療の副作用、反応性関節炎、腎細胞癌、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、水晶体後線維増殖症(retrolenticolar fibroplasy)、リウマチ病、リューマチ関節炎、サルコイドーシス、敗血症、鎌状細胞生成疾患、睡眠時無呼吸、球状赤血球症、脊髄損傷、卒中、シヌクレイノパチー、全身性アミロイドーシ、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症(強皮症)、血栓性素因(thrombophily)、タウオパチー、外傷性ストレス結核、不定狭心症、尿毒、静脈不全、ウェルナー症候群、およびツェルヴェーガー症候群が挙げられる。
【0049】
酸化ストレスは、非常に多くの障害の病理学的症状および酸化還元レベルの制御を媒介しており、酸化還元レベル、したがって酸化ストレスを制御することで、多くの組織損傷を防ぎ、酸化ストレスを減少することが疾患の制御を達成するのに不十分である場合に、これにより、基礎疾患のより容易な制御が可能になる。例えば、心筋梗塞は、血管閉塞によって引き起こされる心筋の死滅または損傷である。血管閉塞が引き起される際に酸化ストレスが担うと考えられる役割を除いて、一旦閉塞が起こると、罹患した筋肉細胞は無酸素状態になり、最終的に死滅する。しかし、閉塞が速やかに逆転した場合(例えば、血栓溶解薬によるなど)、循環が回復し、理論的には、罹患した筋肉細胞が救われる。しかし、多くの場合、循環が迅速に回復したにもかかわらず、最初の傷害が炎症反応を引き起こし、その結果、酸化ストレスおよび筋肉細胞の損傷を引き起こす。この酸化ストレスを制御することにより、心筋細胞への損傷を実質的に排除することができる。これらの疾患および障害のすべてにおいて、酸化ストレスの調節は、疾患もしくは障害の症状および/もしくは原因を緩和または処置し得る。
【0050】
酸化還元状態が変化することにより、主要タンパク質上でのスルフヒドリル基の酸化をもたらし得るが、これらのタンパク質自体は、多くの場合、測定することが困難である。しかし、慢性的もしくは急性的に酸化ストレスまたは酸化還元の変化が増加することは、上記のスルフヒドリル基の酸化、または過酸化などの他の化学的酸化機構のいずれかによって、いくつかの他の細胞成分を変化させる可能性があり、その結果、電子が移動することになる。
【0051】
イソプロスタンは、プロスタグランジンの形成に通常関与するシクロオキシゲナーゼ(COX)酵素の直接的作用なく、必須脂肪酸(主にアラキドン酸)のフリーラジカル触媒過酸化からインビボで形成されるプロスタグランジン様化合物であり、これはプロスタグランジン形成の正常な機構である。これらの化合物は、痛みの認知を増大させる炎症媒介物質として強力な生物学的活性を有する。これらの分子は、少なくとも2つの異なる経路によって制御される。1つの経路は、遺伝子活性化およびシグナル分子に応答して脂質をイソプロスタンに変換するCOX酵素によって媒介される。別の経路では、脂質は、高い酸化的な酸化還元状態に応答してイソプロスタンに直接酸化される。イソプロスタンは炎症の媒介物質であることから、これらは損傷している酸化的な酸化還元状態を維持する可能性のある正のフィードバックループの一部分を形成する。
【0052】
したがって、F2-イソプロスタンなどのイソプロスタンは、動物およびヒト両方の酸化ストレスモデルにおいて酸化的な酸化還元状態の正確なマーカーであり、イソプロスタンの測定は、これらの遺伝的安定性および体液(尿および血液など)における測定の容易さが理由で、インビボでの酸化ストレスを査定する最も信頼できるアプローチの1つとして出現している。こうした容易さおよび安定性により、イソプロスタンの測定が、ヒト疾患の病因における酸化ストレスの役割を探究するにあたって重要かつ信頼できるツールとなった。イソプロスタンレベルは、酸化的な酸化還元状態およびその結果として生じる酸化ストレスと直接相関する。酸化的な酸化還元状態の部位の範囲が限定されていても、その範囲で生成されたイソプロスタンは、酸化ストレスの部位から離れた体液中、例えば尿中で、および結果として生じる炎症において測定することができる。
【0053】
酸化され得る他の生体化合物としては、これらに限定されないが、タンパク質、金属タンパク質、酵素、脂質、脂肪酸、炭水化物、神経伝達物質、DNA、ビタミン、ポリフェノール、酸化防止剤および補酵素が挙げられる。したがって、これらに限定されるものではないが、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、ペルオキシダーゼ、グルタチオン、ならびにこれらに限定されないが、先進酸化タンパク質、マロンジアルデヒド(malondiadehyde)、8-ヒドロキシデオキシグアノシン(hydroxydeoyguanosine)などの反応種に曝露されたことにより充分に酸化された細胞成分の形態などの構成要素は、酸化ストレスの他の潜在的バイオマーカーである。
【0054】
免疫応答における炎症の重要性、および酸化ストレス、酸化ストレス関連疾患もしくは状態および/または他のプロセスを介して、その炎症が引き起こす可能性のある有害な結果を考慮すると、有機体は、酸化還元状態を厳密に制御維持することが重要である。また、酸化ストレスと炎症と間の絡み合った関係を考えると、炎症を測定するバイオマーカーは、酸化ストレスの間接的なバイオマーカーとして提唱されている。これらに限定されるものではないが、C反応性タンパク質、血清アミロイドA、およびサイトカインなどのこれらのバイオマーカーは、炎症における程度の低い変化を拾い上げる能力が制限されており、その結果、程度の低い酸化還元の変化を拾い上げる能力に限界がある。別の方法では、酸化還元状態を測定するためのイソプロピルアミンなどのバイオマーカー、および酸化還元状態を変化させるための機構に焦点を当てている。
【0055】
酸化還元は、還元種(酸化防止剤)の増加または酸化剤の減少のいずれかによって変化させることができる。追加された抗酸化剤または酸化防止剤療法を介して有害な酸化還元レベルを制御することにほとんど成功していない(Hoら、Biological markers of oxidative stress:Applications to cardiovascular research and practice.2013 Redox Biologyを参照されたい)。おそらく予防剤として、食事中の抗酸化物質を長期使用することについてエビデンスがある。しかし、免疫系が恒常的酸化還元レベルを達成または維持できない場合、添加された酸化防止剤は平衡を矯正するには一般的に効果がない。
【0056】
酸化還元状態に影響を及ぼす別の経路は、下流の標的を目標とすることである。このような戦略としては、NF-κBの活性化を遮断するためのアスピリンおよびグルココルチコイドの使用、およびTNF-αなどの特異的な炎症伝達物質の標的化が挙げられる。自然免疫応答および炎症を媒介するこれらの役割を考えると、TLRは、自然応答および炎症応答を制御するための別の標的を提示する。
【0057】
上述のように、TLRは、炎症反応を調整する遺伝子を誘導または抑制することにより自然免疫応答の媒介を助ける。TLRは、さまざまなシグナルを認識して応答する。これらのシグナルは、特定のTLRに結合することで、炎症を媒介する遺伝子を誘導または抑制することができるシグナル経路を促進または遮断する。特異的なTLRを特定の剤で標的化することにより、免疫応答および炎症の占有が媒介され得る。
【0058】
共通のシグナル伝達成分を標的とすることにより、複数のTLR依存性応答を阻害すること、または特異的応答を活性化させることは、炎症応答を制御するにあたって有効なアプローチであることが判明し得る。したがって、本明細書に開示される組成物は、TLRシグナル伝達経路に関連する酸化ストレス障害(例えば、TLR誘発性炎症)を処置するために使用され得、本方法は、治療有効量の本明細書に記載の組成物を投与することを含み、影響を受けるTLRは、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7およびTLR9のうちの1つ以上である。
【0059】
本明細書中で使用される場合、用語「治療的有効量」とは、対象において所望の効果を引き起こすのに十分な、対象に投与される量を指す。
【0060】
本明細書中で使用される場合、用語「医薬製剤」および「医薬組成物」は、活性成分の生物学的活性を有効にするような形態であり、かつ、製剤が投与される対象に対して許容できない毒性である追加の成分をいずれも含まない調製物である。用語「製品」、「サプリメント」、および「組成物」は、本開示の細菌溶解物、溶解物画分および/または細胞壁画分を含む医薬組成物に関して、本明細書では同義に使用される。
【0061】
本明細書に記載の組成物は、個々のTLRまたはTLR群を標的とするように改変することができる。個々のTLRまたはTLR群を標的とすることにより、本明細書に記載の組成物を用いて、急性または慢性の炎症の例を媒介することができる。さらに、本明細書に記載の組成物は、異常な炎症の例を抑制し、かつ健常レベルの炎症を回復させるために使用することができる。
【0062】
したがって、酸化ストレスを調節するための組成物および方法が本明細書に記載される。組成物は、種々の細胞株におけるNF-κBの発現を測定することによって査定するときに、種々のTLRを活性化させることができる。本明細書に記載の組成物はまた、TLRの活性を低下させるか、または下方制御することができ、これにより、炎症レベルが低下または調節される。TLR活性化の適切な平衡が達成されると、細胞の酸化還元状態が最適化され、酸化ストレスが減少する。これは、2つ以上の異なる型のTLRに同時に結合するPAMPを含有する組成物を提供することによって達成することができる。
【0063】
場合によっては、単一の種類の微生物の溶解物は、2つ以上のTLRに対するアゴニストとして作用し得る。本明細書に開示されるように、微生物溶解物を処理する精密な方法は、どのTLRが溶解物によって刺激されるかに影響を及ぼすことができる。いくつかの実施形態では、TLRのパネルの活性化は、単一の種類の微生物由来の異なる溶解物もしくは画分、または2種類以上の微生物由来の溶解物もしくは画分を組み合わせることによって達成され得る。
【0064】
親和性が異なるが、所与のTLRの型に結合する多くの異なるが類似しているPAMPが存在する。全く異なるTLRの型を刺激するPAMP分子も存在する。溶解物または画分がどのように処理されるかは、最終産物中に存在するPAMPの集団に影響し得る。したがって、異なる種類の微生物は、作用するPAMPの異なるパレットを提示する。本明細書に開示するように、特定のTLRの型同時に刺激する(アゴニストとして作用する)組成物を提供することは、結果的に酸化ストレスの劇的な下方制御をもたらす。
【0065】
予想しなかったことであるが、TLRを刺激することが必ずしも酸化ストレスの増加につながるものではない。むしろ、マイクロバイオームによるTLRの一定の刺激は正常な状況であり、不適切な酸化還元状態および酸化ストレスとなることはない。説明の一部は、所与のTLR受容体の位置ならびにTLR受容体の種類に関連し得る。粘膜に位置するTLR受容体の活性化は、身体の内部組織に位置する同種のTLR受容体の活性化とは異なる結果をもたらす。特定の説明または原理に束縛されるものではないが、本開示は、正常なマイクロバイオームシグナルを適用または増強する方法を提供し、恒常性を再評価し、異常な酸化還元状態および酸化ストレスをもたらす正のフィードバックループを妨害することによって全体的なシステムを再構築する。
【0066】
本開示の治療的活性組成物は、非合成生物学的活性剤、好ましくは、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、またはこれらの組み合わせを含む、1つ以上の微生物の1つ以上の細胞壁画分を、溶解物などの形態で、プロモーターと、任意により、制御放出成分を含む1つ以上の他の添加剤とを共に含み、組成物が治療を必要とする対象の粘膜壁に吸収されるか、または粘膜壁と相互作用することが可能になる。
【0067】
本明細書中で使用される場合、用語「用量」および「投与量」は、ボーラスまたは負荷用量を包含し、また慢性または維持用量を包含する。本発明によれば、活性治療剤は、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌などの細菌の溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分であり、特定の治療用途に応じて2つ以上のTLRに対するアゴニストとして作用するのに必要とされるため、量は、体重1キログラムあたり約0.01mgの治療剤から体重1kgあたり約100mgの範囲である。いくつかの実施形態では、本開示の活性治療剤は、体重1kgあたり約0.01mgの治療剤~体重1kgあたり約10gmの治療剤の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、本開示の活性治療薬は、体重1kgあたり約0.01mgの治療薬~体重1kgあたり約1gmの治療薬の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、本開示の活性治療剤は、体重1kgあたり約0.01mgの治療薬~体重1kgあたり約50mgの治療薬の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、本開示の活性治療剤は、体重1kgあたり約0.05mgの治療剤~体重1kgあたり約30mgの治療剤の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、本開示の活性治療薬は、体重1kgあたり約0.05mgの治療薬~体重1kgあたり約5mgの治療薬の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される活性治療剤は、体重1kgあたり約0.1mgの治療剤、または体重1kgあたり約0.2mgの治療剤、または体重1kgあたり約0.3mgの治療剤、または体重1kgあたり約0.4mgの治療剤、または体重1kgあたり約0.5mgの治療剤、または体重1kgあたり約0.6mgの治療剤、または体重1kgあたり約0.7mgの治療剤、または体重1kgあたり約0.8mgの治療剤、または体重1kgあたり約0.9mgの治療剤、または体重1kgあたり約1mgの治療剤、または体重1kgあたり約2mgの治療剤、または体重1kgあたり約3mgの治療剤、または体重1kgあたり約4mgの治療剤、または体重1kgあたり約5mgの治療剤、または体重1kgあたり約6mgの治療剤、または体重1kgあたり約7mgの治療剤、または体重1kgあたり約8mgの治療剤、または体重1kgあたり約9mgの治療剤、または体重1kgあたり約10mgの治療剤の用量で投与される。いくつかの実施形態では、上記の投与量は、1日に対象に投与される活性成分の総量を記載し、総量は、1日あたり2回以上の投与に分けてもよく、または1日1回の投与量で投与してもよい。
【0068】
本明細書中で使用される場合、用語「治療剤」および「活性成分」は、本開示の溶解物、溶解物画分、および/または細胞壁画分、またはこれらの組み合わせを指し、組成物または製剤中に含まれる非活性成分と対称的なものである。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、錠剤製剤など、経口製剤などの製剤で投与され、これらの製剤は、用量あたり約0.01mg~約10gmの活性成分、または用量あたり約0.5mg~約50mgの活性成分、または用量あたり約3mg~約30mgの活性成分、または用量あたり約10~約30mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、用量あたり、約0.5mg、または約1mg、または約5mg、または約10mg、または約15mg、または約20mg、または約25mg、または約30mgの活性成分を含んで配合され、かつ/または投与される。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、錠剤として配合され、各錠剤は、1錠当たり約0.5mg~約30mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約0.5mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約1mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約5mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約10mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約15mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約25mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約40mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約50mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約1gmの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、錠剤はそれぞれ約10gmの活性成分を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示の医薬製剤は、1日1回から1日3回まで投与される。いくつかの実施形態では、本開示の医薬製剤は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、本開示の医薬製剤は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、本開示の医薬製剤は、1日3回投与される。
【0071】
いくつかの実施形態では、医薬製剤は、対象が、1日あたりの総量約0.01mg~約10gmの活性治療剤、または1日あたりの総量約1mg~約1gmの活性治療剤、または1日あたりの総量約5mg~約1gmの活性治療剤、または1日あたりの総量約5mg~約500mgの活性治療剤、または1日あたりの総量約12mg~約375mgの活性治療剤を受け取るような用量レベルおよび頻度で投与される。いくつかの実施形態では、本開示の医薬製剤は、対象が一日あたり総量約1mg、または約2mg、または約3mg、または約4mg、または約5mg、または約6mg、または約7mg、または約8mg、または約9mg、または約10mg、または約11mg、または約12mg、または約13mg、または約14mg、または約15mg、または必要に応じてそれ以上の活性成分(すなわち、溶解物、溶解物画分、および/もしくは細胞壁画分、またはこれらの組み合わせ)を受け取るような用量レベルおよび頻度で投与される。いくつかの実施形態では、本開示の医薬製剤は、対象が一日あたり総量約12mg、または約24mg、または約36mg、または約48mg、または約60mg、または約72mg、または約84mg、または約96mg、または約108mg、または約120mg、または約132mg、または約144mg、または約156mg、または約168mg、または約180mg、または必要に応じてそれ以上の活性成分(すなわち、溶解物、溶解物画分、および/もしくは細胞壁画分、またはこれらの組み合わせ)を受け取るような用量レベルおよび頻度で投与される。いくつかの実施形態では、本開示の医薬製剤は、対象が一日あたり総量約15mg、または約30mg、または約45mg、または約60mg、または約75mg、または約90mg、または約105mg、または約120mg、または約135mg、または約150mg、または約165mg、または約180mg、または約195mg、または約210mg、または約225mg、またはそれ以上の活性成分(すなわち、溶解物、溶解物画分、および/もしくは細胞壁画分、またはこれらの組み合わせ)を、必要に応じて受け取るような用量レベルおよび頻度で投与される。いくつかの実施形態では、本開示の医薬製剤は、対象が一日あたり総量約25mg、または約50mg、または約75mg、または約100mg、または約125mg、または約150mg、または約175mg、または約200mg、または約225mg、または約250mg、または約275mg、または約300mg、または約325mg、または約350mg、または約375mg、または約400mg、またはそれ以上の活性成分(すなわち、溶解物、溶解物画分、および/もしくは細胞壁画分、またはこれらの組み合わせ)を、必要に応じて受け取るような用量レベルおよび頻度で投与される。
【0072】
上記の用量および投与量のいずれかおよび全ては、本開示の活性成分の単剤投与、ならびに本開示の活性成分が1つ以上の他の治療剤または医薬剤と組み合わせて投与される実施形態の両方に適用可能である。
活性成分
【0073】
本開示の組成物および方法において使用される活性成分は、細菌溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分を含む。活性成分は、いずれかのグラム陽性細菌生物またはグラム陰性細菌生物から製造、生成または誘導され得る。
【0074】
本明細書で使用される用語「溶解物」は、細菌細胞などの溶解細胞から調製された組成物を指す。溶解物は、細胞内容物全体を含み、いくつかの実施形態では、溶解物を生成するために使用される精密なプロセス条件に応じて、菌体外多糖体などの関連表面成分を含む。
【0075】
本開示による活性成分を生成するための方法の非限定的な例は、実施例1に記載されており、一般に、(1)増殖培地中で細菌を発酵させるステップと、(2)細菌懸濁液を遠心してそこから細菌を収穫するステップと、(3)収穫された細菌を洗浄および殺菌するステップと、(4)細菌の細胞壁を破壊して細菌を溶解するステップと、(4)得られた混合物を凍結乾燥して、細菌溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分などの活性成分を得るステップと、を含む。
【0076】
TLR活性化および酸化ストレスの低減の原因となる、本開示の溶解物、溶解物画分、および/または細胞壁画分に存在する構造は、すべての細菌微生物に共通し、保存されている構造である。したがって、原理的には、任意の細菌生物を用いて、本開示の活性成分(すなわち、溶解物、溶解物画分、および/または細胞壁画分)を生成することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、本開示の活性成分を生成するために使用される細菌生物は、グラム陽性細菌である。いくつかの実施形態では、グラム陽性細菌は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ブヒネリ、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・カテナフォルメ、ラクトバチルス・セロビオスス、ラクトバチルス・クリスパタス、ラクトバチルス・カルバータス、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ラクチス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・イエンセン、ラクトバチルス・ライヒマンニー、ラクトバチルス・ミヌタス、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・ロゴサエ、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバチルス・スポロゲネス(バチルス・コアグランスとしても公知)、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ガゼリ、ラクトバチルス・ファーメンタム、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、ビフィドバクテリウム・アニマリス(特に、B.アニマリス亜種アニマリス)、ビフィドバクテリウム・アングラタム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・カテヌラタム、ビフィドバクテリウム・デンティウム、ビフィドバクテリウム・エリクソニー、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・lラクチス(ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクチス)、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・プランタラム、ビフィドバクテリウム・シュードカテニュレイタム、ビフィドバクテリウム・シュードロングム、レプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・lラクチス(ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチスとも称される)、ストレプトコッカス・ラフィノラクチス、アシダミノコッカス・フェルメンタス、サイトファーガ・フェルメンタス、ロドフェラックス・フェルメンタス、セルロモナス・フェルメンタス、ザイモモナス・モビラス、ペディオコッカス・アシディラクティシまたはストレプトコッカス・サーモフィルス、ならびにこれらの機能的に同等な変異菌からなる群から選択される。
【0078】
いくつかの実施形態では、本開示の活性成分を生成するために使用される細菌生物は、グラム陰性細菌である。いくつかの実施形態では、グラム陰性細菌は、以下からなる群から選択される:アシネトバクター・バウマンニー、アクチノバチルス、アセトバクター・キシリナス、バクテロイデス・シータイオタオミクロン、バクテロイデス・フラギリス、百日咳菌、ウシ流産菌、カンピロバクター・ジェジュニ、シトロバクター・フレウンディイ、エンテロバクター・クロアカ、ンテロバクター・サカザキ、シアノバクテリア、エルウィニア・アミロボーラ、大腸菌、野兎病菌、ヘリコバクターピロリ、ヘモフィルス・インフルエンザ、レジュネラ・ニューモフィラ菌、モラクセラ・カタラーリス、淋菌、プロテウス・ミラビリス、緑膿菌、シュードモナス・フルオレッセンス、腸炎菌、腸チフス菌、セラチア・マルセッセンス、フレクスナー赤痢菌、ビブリオ菌コレラ、ビブリオ菌algenily、Vibrio algenily、ヒト型結核菌、マイコバクテリウム・カンサシ、クレブシエラ・オキシトカ、およびクレブシエラ肺炎桿菌、ならびにキサントモナス・カンペストリス。いくつかの実施形態では、グラム陰性細菌は、シュードモナス属、クレブシエラ属、キサントモナス属、赤痢菌属、およびエンテロバクター属から選択される。いくつかの実施形態では、グラム陰性細菌は、大腸菌、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、シュードモナス・フルオレッセンス、およびキサントモナス・カンペストリス、ならびにその機能的に同等の変異菌のうちの1つ以上である。
【0079】
上記の細菌の全ては、これらに限定されるものではないが、多くの細菌に見られるLPS(リポ多糖)とは異なる、EPSなど、免疫刺激細胞成分を生成すると考えられている。他の種の細菌もまた、本開示の組成物および方法において使用することができ、例えば、最新技術で開示されたものであり、通常、ECACC(European Collection of Cell Cultures)、ASTM(American Society for Testing and Materials), ATCC(American Type Culture Collection)、およびDSM(German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)などの微生物株保存機でも入手可能である。
【0080】
本開示による溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分を生成するための発酵ステップに関して、発酵のために使用される許容可能な増殖培地は、増殖される特定の細菌に依存する。典型的な増殖培地としては、次の酵母エキス、乳タンパク質およびカゼイン加水分解物、大豆および大豆加水分解物、肉エキス、ペプトンまたはアンモニア塩のうちの1つ以上を含み得る窒素源(1~4%)、これらに限定されるものではないが、グルコースまたはラクトース(0.5~3%)などの単純糖を生成する単純糖または加水分解炭水化物を含む単純糖または成分、およびミネラル(0.05~0.3%)(ナトリウム、マンガン、マグネシウム、カルシウムおよびカリウムの塩を含み得る)を含むものが挙げられる。界面活性剤、システインHCL、およびリボヌクレオチド(0.001~0.75%)を添加して、細胞増殖を支持することができる。増殖培地はpH6~8に調整する。いくつかの実施形態では、増殖培地のpHは、増殖される特定の細菌に依存して、約6.0~6.5の範囲である。いくつかの実施形態では、増殖培地のpHは約6.5~7.0の範囲である。いくつかの実施形態では、増殖培地のpHは約7.0~7.5の範囲である。
【0081】
いくつかの実施形態では、播種培地は、発酵の間に30~50℃でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、播種培地は、発酵の間に30~40℃でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、播種培地は、約30℃、約31℃、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、約40℃、約45℃でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、播種培地は約30℃でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、播種培地は約33℃でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、播種培地は約35℃でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、播種培地は約37℃でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、播種培地は約40℃でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、播種培地は約45℃でインキュベートされる。
【0082】
いくつかの実施形態では、発酵は、細菌を収穫する前に約6時間~約120時間継続される。いくつかの実施形態では、発酵は、細菌を収穫する前に約12時間~約48時間継続される。いくつかの実施形態では、発酵は、細菌を収穫する前に約12時間~約24時間継続される。いくつかの実施形態では、発酵は、約14時間、または約15時間、または約16時間、または約17時間、または約18時間、または約19時間、または約20時間、または約22時間、または約24時間、または約48時間継続される。いくつかの実施形態では、細菌の増殖が対数期中期、後期対数期、初期定常期、中期定常期、または後期定常期に達するまで、発酵が継続される。いくつかの実施形態では、発酵は、細菌が定常増殖期に達するまで継続される。いくつかの実施形態では、発酵は、これらに限定されるものではないが、冷却およびpH制御などの当業者に公知の技術を使用して、保証されているとおり14日間またはそれ以上の間、下流処理の前に保持することができる。
【0083】
発酵後、ブロスは典型的には冷却され、細菌は遠心分離によって収穫される。いくつかの実施形態では、ブロスは、発酵後約1℃~約25℃まで冷却される。いくつかの実施形態では、ブロスは、約1℃、または約2℃、または約3℃、または約4℃、または約5℃、または約6℃、または約7℃、または約8℃、または約10℃に冷却される。いくつかの実施形態では、ブロスは、約4℃~約7℃まで冷却される。
【0084】
冷却後、周囲の増殖培地から細胞を分離するために遠心が行われる。次いで、細胞を、新鮮な培地、脱イオン水、水、または反復遠心分離および再懸濁を介して他の溶液中で洗浄し、その後低温殺菌ステップに備えて新鮮な培地または他の溶液に再懸濁する。
【0085】
いくつかの実施形態では、洗浄された細菌は低温殺菌される。いくつかの実施形態では、細菌は約75℃~約85℃で30分~60分間低温殺菌させる。いくつかの実施形態では、収穫された細菌は約80℃で低温殺菌させる。いくつかの実施形態では、低温殺菌は、約30分間、または約45分間、または約60分間進行する。
【0086】
低温殺菌後、細胞濃縮物を処置して細胞壁を破壊し、これによりTLRアゴニストが曝露される。細胞壁の破壊は、キレート剤、洗浄剤、界面活性剤、および加水分解酵素を使用することによって達成され得る。使用され得る加水分解酵素の例としては、これらに限定されるものではないが、ニワトリ(鶏卵)卵白リゾチームなどのリゾチーム(例えば、INOVPUR(登録商標)、LYSOLAC(登録商標)、DELVOZYME(登録商標)、LYSOVIN(登録商標)、LYSOBAC(登録商標))、リシン、エンドリシン、および加水分解酵素などが挙げられる。いくつかの実施形態では、リゾチームは、殺菌された細菌細胞懸濁液に、最終濃度0.01~4容積%まで添加される。いくつかの実施形態では、リゾチームは、殺菌された細菌細胞懸濁液に添加して、最終濃度約0.5容積%、または約1容積%、または約2容積%、または約3容積%、または約4容積%とする。いくつかの実施形態では、溶解酵素による低温殺菌された細菌懸濁液の処置は、約1~約10時間、または約6~約8時間、または約5時間、または約6時間、または約7時間、または約8時間、または約9時間、または約10時間、継続させる。いくつかの実施形態では、溶解酵素の入った低温殺菌された細菌懸濁液の処置は、約25℃~約50℃、または約30℃~約45℃、または約35℃、または約37℃、約40℃、約42℃、約45℃の温度で実施される。溶解後、溶解物は、典型的には凍結され、凍結乾燥される。
【0087】
いくつかの実施形態では、以下により詳細に記載されるように、凍結乾燥された材料は、次に、N-アセチルDグルコサミンHCl(NAG)などのプロモーターとブレンドされる。必要に応じて、他の製剤賦形剤を添加して、固体形態の丸剤または粉末を適切に生成することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、特定の溶解物によって活性化または刺激される特定のTLR(複数可)は、原材料、プロセス材料またはプロセス条件を変更することによって変更することができる。本明細書で使用される用語「TLR特異性」は、細菌溶解物、溶解物画分、および/または細胞壁画分を含む本開示の所与の組成物によって活性化される特定のTLR(複数可)を指す。いくつかの実施形態では、TLR特異性は、発酵中に細菌細胞が増殖する密度に依存して変化する。いくつかの実施形態では、活性成分が生成される特定の細菌種または亜種もまた、TLR特異性に差異をもたらす。いくつかの実施形態では、低温殺菌後に細菌細胞を溶解するために使用される特定の酵素が、TLR特異性に差異をもたらす。
【0089】
本明細書中で使用されるとき、受容体または他の生体分子標的に関して使用される場合、用語「活性化」、「刺激」、「標的化」、「闘争性(agonism)」は同義であり、受容体のシグナル伝達カスケード下流が変更され、調節され、または他の方法で影響を受けるように、toll様受容体などの受容体に結合すること、およびこれらを活性化させることを指す。
【0090】
細胞は、溶解前に分画できること、または上記で生成された溶解物は、例えば微分遠心分離もしくはカラムクロマトグラフィー(例えばゲル浸透クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性媒体でのクロマトグラフィー、または沈殿など)など、周知の生化学手順によって分画できることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、溶解物分画は、異なるTLR特異性を有する画分を生成する。例えば、完全な溶解物よりも少ない数のTLRを標的とする画分が生成され得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、菌体外多糖類を含む成分は、本開示の溶解物、溶解物画分、および/または細胞壁画分と組み合わされてもよい。菌体外多糖類はTLRを活性化させることができる。したがって、例えば、キサンタンガム(キサントモナス・カンペストリス由来)は、TLR活性化を増加させるために、および/または組成物のTLR特異性を変更するために、本開示の溶解物、溶解物画分、および/または細胞壁画分と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、例えば、キサンタンガムがキサントモナス・カンペストリス溶解物の分画によるキサントモナス・カンペストリスの発酵から生成される溶解物に由来する実施形態において、キサンタンガムは、それ自体が溶解物画分である。
他の成分および送達形態
【0092】
本開示の治療用組成物は、生物学的膜にわたる活性剤の治療的送達を助けるための、1つ以上のプロモーターをさらにおよび任意に含み得る。本開示に従って有用なプロモーターは、アミノ酸、N-アルキル化ペプチド、糖、アミノ糖またはアミノ糖キレートであり得る。1つ以上のアミノ糖リガンド、1つ以上の飽和ヒドロキシル化カルボン酸リガンド、および栄養的に許容される金属を含むアミノ糖キレートであって、1つ以上のアミノ糖リガンドの少なくとも1つがグルコサミンであり、金属がマンガン、マグネシウム、ナトリウム、カリウムおよび亜鉛からなる群から選択され、1つ以上の飽和ヒドロキシル化カルボン酸リガンドがグルコン酸であり、グルコサミンリガンド対栄養的に許容される金属の比が2:1であり、栄養金属は非鉄である。
【0093】
本開示の1つの態様によれば、治療用製剤は、NAG、ガラクトサミン、N-アセチルガラクトサミン、マンノサミン、およびN-アセチルマンノサミンからなる群から選択される1つ以上のアセチル化または脱アセチル化アミノ糖を、キチン、およびヒトグルコサミノグリカン、ならびにこれらの誘導体など、それらのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーの形態で含んでもよい。アミノ糖に関して本明細書で使用される用語「これらの誘導体」は、滅菌中に細胞傷害性分解生成物を形成するにあたって同じまたは本質的に同じ能力を有するアミノ糖の誘導体を意味する。本開示の選択されたさらなる態様によれば、プロモーターは、ポリ-L-リジン、グルコサミン、ポリ-Lアルギニン、ガラクトサミン、N-アセチルマンノサミン(NAM;N-Ac-Man)、N-15アセチルグルコサミン(NAG;N-Ac-Glc)、N,N’-ジアセチルグルコサミン(NAG-NAG;N,N’-ジアセチルキトビオース)、N,N’,N”,N’“-テトラアセチルグルコサミン(NAG-NAG-NAG-NAG;N,N’,N”,N’“-テトラアセチルキトテトラオース)、およびこれらの混合物からなる群から選択されたメンバーである。
【0094】
任意により、同様に許容されるプロモーターは、2~12、a-1,2および/またはa-1,6結合糖のアシル化グリコシルオキシ糖または任意によりアシル化されたオリゴグリコシルオキシ糖部分であってもよく、糖(複数可)がD-マンノース、D-ガラクトース、D-グルコース、D-グルコサミン、N-アセチルグルコサミンおよび6-デオキシ-L-マンノースからなる群から選択され、オリゴグリコシルオキシ糖部分は、同一または異なる糖を含んでもよい。
【0095】
別の実施形態では、本発明の組成物は、舐剤、チューインガム、チュアブル錠、および溶解錠剤、例えば、遅溶性錠剤、速溶性錠剤、もしくは放出制御錠剤、または他の適切な徐放性製剤からなる群から選択される剤形である。
【0096】
一実施形態では、本開示の活性剤は、対象の口腔粘膜に送達され、口腔粘膜は、舌下粘膜、頬側粘膜、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。組成物は、舌下に投与されて、これにより、活性成分が舌下粘膜を通過して送達され得る。
【0097】
別の実施形態では、担体は、典型的には、結合剤、ガムベース、またはこれらの組み合わせなどの固体、半固体または液体である。本発明の組成物に使用するのに好適な結合剤としては、これらに限定されるものではないが、マンニトール、ソルビトール、およびキシリトールなどの糖アルコール;ラクトース、デキストロース、スクロース、グルコース、粉末糖などの糖類;例えば、イノシトール、糖蜜、マルトデキストリン、デンプン、セルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、アカシアガム、グアーガム、トラガカントガム、アルギン酸塩、アイリスモス抽出物、パンワガム、ガッティガム、イサゴール(オオバコ)殻の粘液、VEEGUM(登録商標)、カラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan)、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸(例えば、カーボポール)、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、カオリン、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコールなどの他の物質、およびこれらの組み合わせが挙げられる。本発明の組成物に使用するために好適なガムベースとしては、例えば、当技術分野で公知の多くの水不溶性および唾液不溶性のガムベース材料から選択される材料が挙げられる。ある例では、ガムベースは、少なくとも1つの疎水性ポリマーおよび少なくとも1つの親水性ポリマーを含む。ガムベースに好適な疎水性および親水性ポリマーの非限定的例としては、エラストマー、ゴムおよびこれらの組み合わせなどの天然ポリマーおよび合成ポリマーの両方が挙げられる。好適な天然ポリマーの例には、これらに限定されるものではないが、植物起源の物質、例えばチクル、ジェルトン、ガッタパーチャ、クラウンガム、およびこれらの組み合わせが含まれる。好適な合成ポリマーの例としては、ブタジエン-スチレンコポリマー、イソブチレンおよびイソプレンコポリマー(例えば、ブチルゴム)、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニルおよび酢酸ポリビニルフタル酸)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。別の例では、ガムベースは、ブチルゴム(すなわち、イソブチレンおよびイソプレンコポリマー)、ポリイソブチレン、および任意によりポリビニルアセテート(例えば、約12,000の分子量を有する)の混合物を含む。
【0098】
さらに別の実施形態では、本発明の組成物は、甘味剤、香味剤、保護剤、可塑剤、ワックス、エラストマー溶媒、充填剤、防腐剤、またはこれらの組み合わせをさらに含むことができる。さらに別の実施形態では、本発明の組成物は、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、懸濁化剤、着色剤、崩壊剤、またはこれらの組み合わせをさらに含むことができる。一実施形態では、本明細書に記載の組成物中の薬物の平均粒子径は、約75~約100マイクロメートルの典型的な平均薬物粒子径と比較した場合、約20マイクロメートルである。別の実施形態では、本明細書に記載の組成物中の薬物の平均粒子径は、担体成分(例えば、ガムベース、結合剤など)の平均粒径以下である。
【0099】
本開示の一態様では、治療組成物は、処置を受ける対象の口腔内の唾液の開始pHに関係なく、唾液のpHを約8.0から約11に上昇させるために緩衝系を任意により含むことができる。本発明での使用に好適な治療剤は、上記に記載されている。本発明の緩衝系において使用するのに好適な炭酸塩の塩および重炭酸塩の塩も上記に記載されている。場合によっては、組成物は、NSAIDなどの非生物学的治療剤をさらに含む。
【0100】
好適なクエン酸塩、リン酸塩、およびホウ酸塩の塩としては、これらに限定するものではないが、当該分野で公知のクエン酸、リン酸またはホウ酸のあらゆる塩が挙げられる。例えば、いくつかの実施形態では、クエン酸塩の塩は、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、およびクエン酸アンモニウムからなる群から選択される。
【0101】
他の実施形態では、リン酸塩の塩は、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸一水素アンモニウム、およびリン酸二水素アンモニウムからなる群から選択される。さらに他の実施形態では、ホウ酸塩の塩は、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、およびホウ酸アンモニウムからなる群から選択される。場合によっては、緩衝系は、炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩および/またはクエン酸塩の塩を含む。特定の他の例では、緩衝系は、炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩、および/またはリン酸塩の塩を含む。さらなる例では、緩衝系は、炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩および/またはホウ酸塩の塩を含む。
【0102】
炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩および/または金属酸化物を含む緩衝系に加えて、他の緩衝系が本発明の組成物で使用するために好適である。例えば、別の実施形態では、三成分緩衝系は、炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩、クエン酸塩の塩、リン酸塩の塩、またはホウ酸塩の塩を含む。別の代替実施形態において、緩衝系は、炭酸塩の塩または重炭酸塩の塩、ならびに金属酸化物、クエン酸塩の塩、リン酸塩の塩およびホウ酸塩の塩からなる群から選択される2つ以上の緩衝剤を含む。さらに別の代替実施形態において、緩衝系は、炭酸塩の塩または重炭酸塩の塩および金属酸化物を含む二成分緩衝系である。さらに別の代替実施形態において、緩衝系は、炭酸塩の塩または重炭酸塩の塩およびクエン酸塩の塩、リン酸塩の塩、またはホウ酸塩の塩を含む二成分緩衝系である。さらなる代替の実施形態において、緩衝系は、金属酸化物およびクエン酸塩の塩、リン酸塩の塩、またはホウ酸塩の塩を含む二成分緩衝系である。さらに別の代替実施形態において、緩衝系は、炭酸塩の塩および重炭酸塩の塩を含む二成分緩衝系である。
送達形態
【0103】
本発明の治療組成物は、固体、半固体、凍結乾燥粉末または液体剤形の形態、例えば錠剤(例えば、チュアブル、遅溶性、速溶性)、丸剤、カプセル剤、舐剤、キャンディ剤、ガム剤、粉末、溶液、懸濁液、エマルジョン、エアロゾルなどを取ってもよい。剤形は、チューインガム、速溶性錠剤、キャンディまたは舐剤であり得る。
【0104】
本明細書で使用される場合、用語「剤形」は、ヒト対象、哺乳動物、および他の非哺乳類動物のための単位用量として好適な物理的に別個の単位を指し、各単位は、所望の発症、耐容性および治療効果を生じるように計算された所定量の治療剤を、担体などの1つ以上の好適な医薬賦形剤と組み合わせて含む。このような剤形を調製するための方法は公知であり、または当業者には明らかであろう。例えば、いくつかの実施形態では、本発明のチューインガム剤形は、業界標準の手順に従って調製することができる。他の実施形態では、本発明の錠剤、舐剤、またはキャンディ剤形(例えば、サッカーまたはロールポップ)は、例えば、Remington「The Science and Practice of Pharmacy」第20版編、[Lippincott,Williams&Wilkins(2003)、および「Pharmaceutical Dosage Forms」第1巻:Tablets、第2版、Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.(1989)]にある手順に従って調製されてもよい。いずれの場合にも、投与される剤形は、本発明の教示に従って投与されたときに、処置されている状態の軽減のための治療的有効量の活性治療剤の量を含有することになる。
【0105】
本明細書中で使用される場合、用語「担体」は、治療剤などの薬物のための希釈剤またはビヒクルとして使用される典型的な不活性物質を指す。この用語はまた、組成物に凝集性を付与する典型的な不活性物質も包含する。本発明の組成物に使用するのに好適な担体としては、これらに限定されるものではないが結合剤もしくはガムベースなどの固体、半固体、または液体が含まれる。結合剤の例は、当業者に公知である。結合剤は、凍結乾燥[例えば、「Fundamentals of Freeze-Drying」Pharm.Biotechnol.,第14版、pp.281-360(2002)、「Lyophilization of Unit Dose Pharmaceutical Dosage Forms」Drug.Dev.Ind.Pharm.,第29巻、pp.595-602(2003)を参照されたい]、固溶体調製、および潤滑剤散布、および好適な潤滑剤を用いた湿式造粒調製(例えば、上記の「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」を参照されたい)などの当技術分野で公知の方法によって流動性および味を改善するために前処理することができる。結合剤が製剤に含まれる場合、本発明の組成物は、約15重量%~約90重量%の結合剤、および約35重量%~約80重量%の結合剤を含むことができる。しかし、当業者であれば、本発明の組成物は、例えば、非常に脆い剤形を製造するために、いかなる結合剤もなく製造できることを理解するであろう。
錠剤
【0106】
剤形が溶解錠剤(すなわち、崩壊錠剤)またはチュアブル錠剤などの錠剤である場合、本発明の組成物は、1つ以上の細菌、に由来する本明細書に記載の治療剤、または薬学的に許容されるこれらの塩、プロモーター、結合剤などの担体、および二成分または三成分緩衝系などの緩衝系を含む。錠剤組成物は、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、甘味剤、着香剤、着色剤および崩壊剤をさらに含んでもよい。典型的には、本発明の錠剤組成物は、約0.001重量%~約10.0重量%、より典型的には約1.0重量%~約5.0重量%の活性治療剤(その遊離塩基形態によって測定されたあらゆる選択された形態で)を含む。当業者は、前述のパーセンテージが、利用される活性治療剤の特定の供給源、最終製剤において所望される活性治療剤の量、および所望の活性治療剤の特定の放出速度によって異なることは理解している。錠剤組成物の緩衝系は、少なくとも約8.0以上、少なくとも約9.5、および/または約pH9.9~約pH11の範囲の最終唾液pHを提供する。
【0107】
ある実施形態では、錠剤は、咀嚼を必要とせずに、対象の唾液によって溶解される遅溶性または速溶性錠剤などの溶解錠剤である。例えば、対象の舌に置かれた溶解錠剤は、治療剤の頬側送達のために使用され得る。あるいは、対象の舌下に置かれた溶解錠剤は、治療剤の舌下送達に使用され得る。この型の剤形は、子供および高齢者が多くの場合特定の品を噛むことが困難であるため、小児および老人の患者にとって特に望ましいことがある。典型的には、溶解錠剤は、投与後約1~約15分以内に、約2~約10分以内に、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9または10分以内に溶解するように配合される。当業者であれば、速溶性錠剤が遅溶性錠剤よりも速く溶解し、典型的には、対象の唾液によって急速にというよりも、徐々に溶解されることは理解されよう。一実施形態では、遅溶性または速溶性錠剤は、約1分を超える期間にわたって舌下粘膜に治療剤を送達する。
【0108】
特定の他の実施形態では、錠剤は、対象によって噛まれ、迅速にまたは徐々に溶解するように配合されたチュアブル錠である。例えば、対象の舌に置かれたチュアブル剤は、治療剤の頬側送達のために使用され得る。咀嚼中、チュアブル錠剤は口内であちこち移動させることができ、ガムと頬との間または舌の下に留置できる場合もある。その結果、チュアブル錠内に含まれる治療剤の少なくとも一部分は、舌下(すなわち、舌下粘膜にわたって)送達されてもよい。典型的には、チュアブル錠剤は、投与後、約1~約15分以内に、約2~約10分以内に、および1分以上、例えば約2、3、4、5、6、7、8、9、または10分以内に溶解するように配合される。
【0109】
上記のように、本発明の溶解錠剤およびチュアブル錠剤は、典型的には、投与後約1~15分以内に、および投与後約1分以内に溶解するように配合される。しかし、これらの時間枠は、治療薬の口腔粘膜への最大曝露(例えば、舌下および/または頬側粘膜への曝露)の影響を受けやすいが、これらは常に使用者の服薬コンプライアンスの影響を受けるものではない(例えば、使用者があまりにも頻繁に飲み込むために、最大の経粘膜吸収が妨げられる可能性がある)。したがって、場合によっては、患者のコンプライアンスと治療薬の口腔粘膜への最大曝露時間との間のバランスをとることが望ましい場合がある。これは、例えば、緩衝系または治療剤の単位用量当たりの濃度を低下させるか、または量を少なくすることなく、錠剤サイズ(例えば、約700~800mgから約200~300mg)を小さくすることによって達成することができる。さらに、例えば、1つの香味剤を別のものに置き換える(例えば、スピアミント用のチョコレート)、またはある結合剤または甘味剤を別のもの(例えば、マンニトールまたはソルビトールの乳糖)に置き換えるなど、錠剤製剤へのわずかな変化を用いて、唾液分泌を減らしてもよい。
他の医薬剤との組み合わせ
【0110】
多くの薬学的活性剤は、有害な副作用を引き起こし、これは、活性剤が生化学的および他の代謝反応を経て進行するときに生成されるROSによって駆動される。従って、本明細書に記載の組成物は、酸化ストレスおよび酸化ストレス関連疾患および状態の処置のための魅力的な候補であり、例えば、医師デスクリファレンス(http://www.pdr.netにて入手可能)に列挙されている医薬剤など、当業者に公知の1つ以上の医薬剤と組み合わせることができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、本開示の活性成分は、酸化ストレス、炎症、免疫応答および/または酸化ストレス関連疾患もしくは状態を標的とする既知の医薬剤と組み合わされるか、またはこれらを副作用として酸化ストレスを生み出す医薬剤と組み合わせてもよい。医薬剤がいくつかの他の疾患状態を標的にするが、副作用として酸化ストレスを生じる場合、本発明の組成物と組み合わせることにより、酸化ストレスによって引き起こされる損傷が低減され、また、酸化ストレスによって引き起こされる非常に大きい損傷なく、高用量が可能になることによって医薬剤の有効性が向上する。特定の組み合わせによる最適な結果は、添加された医薬剤の存在下で正しいTLRを最適に標的化するために溶解物の調整を必要とする場合もあることが理解される。
【0112】
したがって、一態様において、本開示は、医薬剤の投与に関連する1つ以上の酸化ストレス関連副作用を軽減または緩和するための方法を提供し、この方法は、本開示の溶解物、溶解物画分、および/または細胞壁画分を医薬剤と組み合わせて投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬剤および溶解物組成物は、同時にまたは任意の順序で、同じ投与経路または異なる投与経路を通って投与される。いくつかの実施形態では、医薬剤は、1つ以上の酸化ストレス関連副作用を有するあらゆる医薬剤であり、例えば、医師デスクリファレンス(http://www.pdr.net)で入手可能に列挙されている1つ以上の酸化ストレス関連副作用を有するあらゆる医薬剤である。いくつかの実施形態では、医薬剤は、抗リウマチ薬、抗炎症薬、化学療法薬、放射線治療薬、免疫抑制薬、インターフェロン、インターフェロン系化学療法薬、および細胞傷害薬からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、酸化ストレス関連副作用は、無セルロプラスミン血症、動脈/全身性高血圧、関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、アトピー性皮膚炎、癌、膀胱癌、白血病、子宮癌、子宮頸癌、めまい、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、不眠症、眠気、立ちくらみ、性欲減退、記憶喪失、震え、黄疸、不整脈、心拍数の増加、心拍数の減少、じんま疹、うつ病、臨床的うつ病、脳虚血、気管支肺異形成、心血管疾患、白内障、蜂巣炎、化学療法の副作用、慢性疲労症候群、大腸炎、冠動脈疾患、異常脂質血症、子癇、勃起不全、運動失調、頭痛、心不全、血液透析副作用、肝硬変、高コレステロール血症、高ホモシステイン血症、高脂血症、間質性肺疾患、肺損傷、黄斑変性症、男性不妊症、軽度の認知障害、心筋梗塞、心筋炎、筋変性症、神経障害、肥満、変形性関節症、骨粗鬆症、膵炎、歯周病、腹膜透析の副作用、外傷後ストレス障害、子癇前症、乾癬、乾癬性関節炎、肺高血圧症、放射線療法の副作用、反応性関節炎、呼吸窮迫症候群、横紋筋融解症、リウマチ性疾患、敗血症、睡眠時無呼吸、卒中、自殺思考、アミロイドーシス、血栓形成傾向(thrombophily)、タウオパチー、不安定狭心症、尿毒症、または静脈不全から選択される。
【0113】
いくつかの実施形態では、1つ以上の酸化ストレス関連副作用を有する医薬剤は、以下からなる群から選択される:アトロピン硫酸塩、塩酸ジシクロベリン、ヒヨスシンブチルブロミド、臭化プロパンテリン、クエン酸アルベリン、塩酸メベベリンからなる群から選択される鎮痙薬;メトクロプラミド(metoclorpramide)およびドンペリドンからなる群から選択される運動刺激剤;シメチジン、ファモチジネニザチジン、およびラニチジンからなる群から選択されるH2-受容体アンタゴニスト;抗ムスカリン;二クエン酸ビスマス三カリウムおよびスクラルファートからなる群から選択されるキレート;プロスタグランジン類似体;バルサジドナトリウム、メサラジン、オルサラジン、およびスルファサラジンからなる群から選択されるアミノサリチル酸塩;ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデノシド、ヒドロコルチゾンおよびプレドニゾロンからなる群から選択されるコルチコステロイド;シクロスポリン、メルカプトプリン、メトトレキセート、アダリムマブ、およびインフリキシマブからなる群から選択される免疫系に影響を及ぼすもの;ビサコジル、ダントロン、ドキュセート、およびピコスルファートナトリウムからなる群から選択される刺激性下剤;胆汁組成および流れに影響する薬物;コレスチラミン、オキシフェンサイクリミン、カミロフィン、メベベリン、トリメブチン、ロシベリン、ジシクロベリン、ジヘキシベリン、ジフェメリン、ピペリドレート、ベンジロン、メペンゾレート、ピペンゾラート、グリコピロニウム、オキシフェノニウム、ペンチエナート、メタンテリン、プロパンテリン、臭化オチロニウム、トリジヘキセチル、イソプロパミド、ヘキソサイクリウム、ポルジン、ベボニウム、ジフェマニル、ヨウ化チエモニウム、臭化プリフィニウム、臭化チメピジウム、フェンピベリニウム、パパベリン、ドロタベリン、モキサベリン、5-HT3アンタゴニスト、5-HT4アゴニスト、フェンピプラン、ジイソプロミン、クロルベンゾキサミン、ピナベリウム、フェノベリン、イダンプラミン、プロキサゾール、アルベリン、トレピブトン、イソメテプテン、カロベリン、フロログルシノール、シリコーン、トリメチルジフェニルプロピルアミン、アトロピン、ヒヨスチアミン、スコポラミン、ブチルスコポラミン、メチルスコポラミン、メチルアトロピン、フェントニウム、臭化シメトロピウム、および主にドーパミン遮断薬からなる群から選択される胆汁酸金属イオン封鎖剤;オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾールナトリウムからなる群から選択されるプロトンポンプ阻害剤;オピオイドおよびオピオイド受容体アンタゴニスト;アセトアミノフェン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナマート、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、セレコキシブ、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、およびトラマドールからなる群から選択される鎮痛薬;ニトラゼパム、フルラゼパム、ロプラゾラム、ロルメタゼパム、テマゼパム、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、抱水クロラール、トリクロホス、クロメチアゾール、クアゼパム、トリアゾラム、エスタゾラム、クロナゼパム、アルプラゾラム、エスゾピクロン、ロゼレム、トラゾドン、アミトリプチリン、ドキセピン、ベンゾジアゼピン薬、メラトニン、ジフェンヒドラミン、およびハーブ療法からなる群から選択される睡眠薬;ジゴキシンおよびジギトキシンからなる群から選択される強心配糖子、エノキシモンおよびミルリノンからなる群から選択されるホスホジエステラーゼ阻害剤、ベンドロフルメチアジド、クロルタリドン、シクロペンチアジド、イナパミド、メトラゾン、およびキサミドからなる群から選択されるチアジドおよびチアジド関連利尿薬;フロセミド、ブメタニド、およびトラスセミドからなる群から選択される利尿剤;塩酸アミロライド、トリアムテレン、ウエプレレノン(weplerenone)、およびスピロノラクトンからなる群から選択されるカリウム保持性利尿薬およびアルドステロンアンタゴニスト;浸透圧性利尿薬;アデノシン、アミオダロン塩酸塩、ジソピラミド、フレカイニド酢酸塩、プロパフェノン塩酸塩、およびリドカイン塩酸塩からなる群から選択される不整脈のための薬物、プロパナロール(propanalol)、アテノロール、アセブトロール、ビスプロールフマル酸塩(bisprolol fumarate)、カルベジロール、セリプロロール、エスモロール、レバトロール、メトプロロール酒石酸塩、ナドロール、ネビボロール、オキシプレノロール、ピンドロール、ソラトール、およびチモロールからなる群から選択されるβタアドレナリン受容体遮断薬;アンブリセンタン、ボセンタン、ジアゾキシド、ヒドララジン、イロプロスト、ミノキシジル、シルデナフィル、シタキセンタン、ニトロプルシドナトリウム、クロニジン、メチルドパ、モキソニジン、グアネチジンモノ硫酸塩、ドキサゾシン、インドラミン、プラゾシン、テラゾシン、フェノキシベンザミン、およびメシル酸フェントラミンからなる群から選択される高血圧薬;カプトプリル、シラザプリル、エナラプリルマレイン酸塩、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリルエルブミン、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル、カンデサルタンシレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタンメドキソミル、テルミサルタン、バルサルタン、およびアリスキレンからなる群から選択されるレニンアンギオテンシン系影響を及ぼす薬物;トリニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、アムロジピン、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ベラパミル、イバプラジン、ニコランジル、およびラノラジンからなる群から選択される硝酸塩、カルシウムチャネル遮断薬、および抗狭心症薬;シロスタゾール、ニコチン酸イノシトール、モキシシリト、ナフチドロフリル・シュウ酸エステル、およびペントキシフィリンからなる群から選択される末梢血管拡張薬、および関連薬;ドーパミン、ドペキサミン、エフェドリン、メタラミノール、酒石酸ノルアドレナリン酸、酒石酸水素ノルエフィドリン(Noradrenaline Bitartrate)、および、フェニレフリンからなる群から選択される交感神経興奮剤;ヘパリン、ベミパリン、ダルテパリン、エノキサパリン、チンザパリン、ダナパロイド、ビバリルジン、レピルジン、エポプロステロール、フォンダプリヌクス(Fondaprinux)、ワルファリン、アセノクマロール、フェニンジオン、ダビガトランエテキシラート、リバーロキサバン、およびプロタミン硫酸塩からなる群から選択される抗凝固剤およびプロタミン;アブシキシマブ、アスピリン、クロピドグレル、ジピリダモール、エプチフィバチド、プラスグレル、およびチロフィバンからなる群から選択される抗血小板剤;アルテプラーゼ、レテプラーゼ、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、ウロキナーゼ、エタンシラート、およびトラネキサム酸からなる群から選択される線維素溶解、および抗線維素溶解性薬;アトルバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、コレセベラム(Colesevam)、コレスチラミン、コレスチポール、エゼチミブ、ベザフィブラート、シプロフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、アシピモックス、ニコチン酸、ω-3脂肪酸、オレイン酸エタノールアミン、およびテトラデシル硫酸ナトリウムからなる群から選択される脂質調節薬;ベンペリドール、クロルプロマジン、フルペンチキソール、ハロペリドール、レボメプロマジン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、スルピリド、トリフロペラジン、ズクロペンチキソール、アミスルピリド、アリピプラゾール、クロザピン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リペリドン(Riperidone)、セルチンドール、ゾテピン、フルペンチキソール、フルフェナジン、エンボ酸オランザピン(パモ酸オランザピン)、パルミチン酸ピポチアジン、リスペリドン、ズクロペンチキソールデカノアート、カルバマゼピン、バルプロアート、バルプロ酸、炭酸リチウム、クエン酸リチウム、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドスレピン、イミプラミン、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、トリミプラミン、ミアンセリン、トラゾドン、フェネルジン、イソカルボキサジド、トラニルシプロミン、モクロベミド、シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、アゴメラチン、デュロキセチン、フルペンチキソール、ミルタザピン、レボキセチン、トリトファン(Trytophan)、ベンフラァキシン( Venflaxine)、アトモキセチン、デキサメタミン(Dexametamine)、メチルフェニデート、モダフィニル、エスリカルバゼピン、オカルバゼピン(Ocarbazepene)、エトサクシミド、ガバペンチン、プレガバリン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、フェノバルビタール、プリミドン、フェニトイン、ルフィナミド、チアガビン、トピラマート、ビガバトリン、ゾニサミド、ロピニロール、ロチゴチン、コベネルドーパ(Co-Beneldopa)、レボドパ、コカレルドーパ(Co-Careldopa)、ラサギリン、セレギリン、エンタカポン、トルカポン、アマンチジン(Amantidine)、オルフェナドリン、プロシクリジン、トリヘキシフェニジル、ハロペリドール、ピラセタム、リルゾール、テトラベナジン、アカンプロサート、ジスルフィラム、ブプロピオン、バレニシリン(Vareniciline)、ブプレノルフィン、ロフェキシジン、ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、および、リバスチジミンからなる群から選択されるCNS薬;ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、フルクロキサシリン、テモシリン、アモキシシリン、アンピシリン、コアモキシクラブ、コフルアンピシル(Co-Fluampicil)、ピペラシリン、チカルシリン、ピブメシリナム、セファロスポリン、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セフィキシム、セホタキシム、セフラジン、セフタジジム、セフロキシム、エルタペネム、イミペネム、メロペネム、アズトレオナム、テトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドクソサイクリン(Doxocycline)、リメサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、チゲサイクリン(Tigecycline)、ゲンタマイシン、アミカシン、ネオマイシン、トブラマイシン、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、フシジン酸、バンコマイシン、テイコプラニン、ダプトマイシン、リネゾリド、キヌプリスチン、コリスチン、コ・トリモキサゾール、スルパジアジン(Sulpadiazine)、トリメトプリム、カプレオマイシン、サイクロセリン、エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファブチン、リファンピシン、ストレプトマイシン、ダプソン、クロファジミン、メトロニダゾール、チニダゾール、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフラキセチン(Norflaxine)、オルフラキサシン(Orflaxacin)、ニトロフラントイン、馬尿酸メテナミン、アムホテリシン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン(Griseofluvin)、イトラコンゾー
ル(Itraconzole)、ケトコナゾール、ミカファンギン、ニスタチン、ポサコナゾール、テルビナフィン、ボリコナゾール、アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノホビルジソプロキシル、ジドブジン、アタザナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナイル(Lopinair)、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、チプラナビル、エファビレンツ、エトラビリン、ネバラピン(Nevarapine)、エンフュービルタイド、マラビロク、ラルテグラビル、アシクロビル、ファムシクロビル、イノシンプラノベクス、バラシクロビル、シドフォビル、ガングシクロビル(Gangciclovir)、ホスカルネット、バルガングシクロビル(Valgangciclovir)、アデフォビル・ジピボキシル、エンテカビル、テルビブジン、アマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、パリビズマブ(Palivizumab)、リバビリン、アルテメテル、クロロキン、メフロキン、プリマキン、プログアニル、ピリメタミン、キニーネ、ドキシサイクリン、フロ酸ジロキサニド、メトロニダジオール(Metronidaziole)、チニダゾール、メパクリン、スチボグルコネートナトリウム、アトバクオン、イセチオン酸ペンタミジン、メベンダゾール、およびピペラジンからなる群から選択される抗感染症薬;ならびにベンゾトロン、プロシクリジン、ビペリデン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、エンタカポン、トルカポン、セレギリン、プラミペキソール、ブデソニド、フォルモテロール、クエチアピンフマレート、オランザピン、ピオグリタゾン、モンテルカスト、ゾレドロン酸(ZoledromicAcid)、バルサルタン、ラタノプロスト、イルベサルタン、クロピドグレル、アトモキセチン、デキサムフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、フルダラビン、フロウロウラシル(Flourouracil)、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、アポモルヒネ、ベタメタゾン、コルチゾン、デフラザコート、デキサメトゾン(Dexamethosone)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、シクロスポリン、シロリムス、タクロリムス、インターフェロンα、およびインターフェロンβからなる群から選択される他の薬、からなる群から選択される。
【0114】
したがって、本開示の治療用製剤は、以下に記載される治療剤のいずれかなどの1つ以上の追加の治療剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容される担体を含む無菌の医薬組成物の一部として供給される。追加の治療剤を含むこのような組成物は、(患者に治療剤を投与する所望の方法に応じて)任意の好適な形態であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の活性成分は、1つ以上の追加の治療剤と一緒に同時投与されるが、必ずしも単一の製剤に1つ以上の追加の治療薬を組み合わせる必要はない。いくつかの実施形態では、本開示の活性成分(複数可)は、1つの投与経路を通って投与されるが、同時に投与される追加の治療剤(複数可)は、第2の投与経路を介して投与される。例えば、本開示の活性成分は、経口投与、粘膜投与、舌下投与、頬側投与などが可能であるが、同時に投与される1つ以上の追加の治療剤は、非経口投与、静脈投与される。
【0115】
本発明の組成物と組み合わせることができる化合物の例としては、抗リウマチ薬、抗炎症薬、化学療法薬、放射線治療薬、免疫抑制薬、インターフェロン、インターフェロン系化学療法薬、または細胞毒性薬が挙げられる。
【0116】
抗リウマチ薬としては、これらに限定されるものではないがオーラノフィン、アザチオプリン、クロロキン、D-ペニシラミン、金チオリンゴ酸ナトリウムヒドロキシクロロキニン、ミオクリシンおよびスルファサラジン メトトレキセートが挙げられる。
【0117】
抗炎症剤としては、これらに限定されるものではないが、デキサメタゾン、ペンタサ、メサラジン、アサコール、リン酸コデイン、ベノリラート、フェンブフェン、ナプロシン、ジクロフェナク、エトドラクおよびインドメタシン、アスピリンおよびイブプロフェン、ならびに他の非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDS)が挙げられる。
【0118】
化学療法剤としては、これに限定されないが、放射性分子、サイトトキシンまたは細胞傷害剤とも称される毒素が挙げられる。これには、化学療法化合物を含有する細胞、剤、およびリポソームまたは他の小胞の生存度にとって有害なあらゆる剤が含まれる。好適な化学療法薬の例としては、これらに限定されないが、1-デヒドロテストステロン、5-フルオロウラシルダカルバジン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、アクチノマイシンD、アドリアマイシン、アルデスロイキン、アルキル化剤、アロプリノールナトリウム、アルトレタミン、アミホスチン、アナストロゾール、アントラマイシン(AMC)、有糸分裂阻害剤、シス・ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、ジアミノジクロロ白金、アントラサイクリン、抗生物質、代謝拮抗剤、アスパラギナーゼ、BCG生菌(膀胱内)、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム、および、酢酸ベタメタゾン、ビカルタミド、ブレオマイシン硫酸塩、ブスルファン、ロイコボリンカルシウム、カリキアマイシン、カペシタビン、カルボプラチン、ロムスチン(CCNU)、カルムスチン(BSNU)、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、コルヒチン、抱合卵胞ホルモン、シクロホスファミド、Cyclothosphamide、シタラビン、シタラビン、サイトカラシンB、シトキサン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダクチノマイシン(前アクチノマイシン)、ダウニルビシン(daunirubicin)HCL、ダウノルビシンクエン酸塩、デニロイキン・ディフィトックス、デクスラゾキサン、ジブロモマンニトール、ジヒドロキシ・アントラシン・ジオン、ドセタキセル、メシル酸ドラセトロン、ドキソルビシンHCL、ドロナビノール、大腸菌 L-アスパラギナーゼ、エメチン、エポエチンα、エルウィニア L-アスパラギナーゼ、エステル化エストロゲン、エストラジオール、エストラムスチンリン酸ナトリウム、臭化エチジウム、エチニルエストラジオール、エチドロン酸塩、エトポシド・シトロボラム因子、リン酸エトポシド、フィルグラスチム、フロキシウリジン、フルコナゾール、フルダラビンリン酸塩、フルオロウラシル、フルタミド、フォリン酸、ゲムシタビンHCL、糖質コルチコイド、ゴセレリン酢酸塩、グラミシジンD、グラニセトロンHCL、ヒドロキシウレア、イダルビシンHCL、イホスファミド、インターフェロンα-2b、イリノテカンHCL、レトロゾール、カルシウムロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾールHCL、リドカイン、ロムスチン、メイタンシノイド、メクロレタミンHCL、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、酢酸メゲストロール、メルファランHCL、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メチルテストステロン、ミトラマイシン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、オクトレオチド酢酸塩、オンダンセトロンHCL、パクリタキセル、パミドロン酸二ナトリウム、ペントスタチン、ピロカルピンHCL、プリマイシン(plimycin)、カルムスチン・インプラントによるポリフェプロサン、ポルフィマーナトリウム、プロカイン、プロカルバジンHCL、プロプラノロール、リツキシマブ、サルグラモスチム、ストレプトゾトシン、タモキシフェン、タキソール、テニポシド(tenoposide)、テニポシド、テストラクトン、テトラカイン、チオエパ(thioepa)、クロラムブシル、チオグアニン、チオテパ、トポテカンHCL、トレミフェンクエン酸塩、トラスツズマブ、トレチノイン、バルルビシン、ビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、およびビノレルビン酒石酸塩が挙げられる。
【0119】
本開示のさらに他の態様において、本開示の活性成分は、TNF-αアンタゴニストまたは抗TNF-α抗体と組み合わせて投与される。このようなTNF-αアンタゴニストの例としては、これに限定されるものではないが、可溶性TNF-α受容体;エタネルセプト(ENBREL(登録商標);Immunex)またはその断片、その誘導体または類似体;インフリキシマブ(REMICADE(登録商標);Centacor)または誘導体、その類似体または抗原結合断片;アダリムマブ(Humira and Exemptia)、IL-10、インターフェロン-γ活性化マクロファージを介したTNF-αの生成を遮断することが公知であるもの、TNFR-IgG;マウス産物TBP-1;ワクチンCytoTAb(Protherics);アンチセンス分子104838(ISIS);ペプチドRDP-58(SangStat);サリドマイド(Celgene);CDC-801(Celgene);DPC-333(Dupont);VX-745(Vertex);AGIX-4207(AtheroGenics);ITF-2357(Italfarmaco);NPI-13021-31(Nereus);SCIO-469(Scios);TACEターゲッター(targeter)(Immunix/AHP);CLX-120500(Calyx);チアゾロピリム(Thiazolopyrim)(Dynavax);オーラノフィン(Ridaura)(SmithKline Beecham Pharmaceuticals);キナクリン(メパクリンジクロロヒドレート(mepacrine dichlorohydrate));テニダップ(Enablex);メラニン(Large Scale Biological);および抗p38MAPK剤(Uriach)が挙げられる。
【0120】
本開示のさらなる態様において、本開示の活性成分は、ラパマイシンまたは同様の大環状抗生物質と組み合わせて投与される。本明細書で使用される場合、ラパマイシンとしては、ラパマイシンおよびこれらのすべての類似体、誘導体および同種を含み、ラパマイシンと同じ薬理学的特性を有する他のイムノフィリンは、TORまたはmTOR(ラパマイシンの哺乳動物標的)(例えばTORキナーゼ阻害剤として作用する)の阻害を含む。1つ以上の医薬剤または治療剤として使用することができる他の免疫抑制剤としては、これらに限定されるものではないが、シクロスポリン、タクロリムス(FK-506)、アザトロプリンおよびミコフェノール酸モフェチルが含まれる。
【0121】
本開示の活性成分と組み合わせることができるさらなる治療剤としては、血管内皮成長因子(VEGF)および線維芽細胞成長因子(FGF)などの血管新生剤;アンギオテンシン受容体遮断薬;一酸化窒素供与体;アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびこれらの組み合わせ;細胞周期阻害剤、mTOR阻害剤および成長因子受容体シグナル伝達キナーゼ阻害剤;レチノイド;サイクリン1CDK阻害剤;HMG共酵素レダクターゼ阻害剤(例えば、スタチン);プロテアーゼ阻害剤を挙げることができる。
TNF阻害剤
【0122】
腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤、具体的には、本発明の方法および組成物に使用されるTNFα阻害剤は、TNF-α活性に干渉するあらゆる剤を含む。好ましい実施形態では、TNFα阻害剤は、TNFα活性、特に酸化ストレス疾患および障害(定義参照)ならびに関連する合併症および症状に関連する有害なTNFα活性を中和することができる。
【0123】
本明細書で使用される場合、用語「ヒトTNF-α」(本明細書ではhTNFαまたは単にhTNFと略記する)は、17kD分泌型および26kD膜関連型として存在するヒトサイトカインを指すことを意図し、その生物学的活性形態は、非共有結合17kD分子の三量体から構成される。例えば、hTNFαの構造は、Pennica,D.,ら(1984年)Nature 312:724-729、Davis,J.M.,ら(1987年)Biochemistry 26:1322-1326、およびJones,E.Y.,ら(1989年)Nature 338:225-228にさらに記載されている。用語ヒトTNFαは、組換えヒトTNFα(rhTNFα)を含むことを意図しており、これは、標準的な組換え発現方法によって調製することができか、または商業的に購入することができる(例えば、R&D Systems,Minneapolis,Minnより)。TNF-αは、本明細書においてTNFと同等にも言及される。
【0124】
用語「TNFα阻害剤」は、TNFα活性を干渉する剤を指す。この用語はまた、本明細書に記載される抗TNFαヒト抗体および抗体部分の各々、ならびに米国特許第6,090,382号、同6,258,562号、同第6,509,015号、同第7,223,394号に記載されるものも含む。一実施形態では、本発明で使用されるTNFα阻害剤は、インフリキシマブ(Remicade(登録商標)、Johnson and Johnson;参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,656,272号)などの抗TNFα抗体またはその断片;プロテアーゼ阻害剤(参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,656,272号)、CDP571(ヒト化モノクローナル抗TNF-αIgG4抗体)、CDP870(ヒト化モノクローナル抗TNF-α抗体断片)、抗TNF dAb(Peptech)、CNTO148(ゴリムマブ(Medarex and Centocor)、WO 02/12502を参照されたい)、およびアダリムマブ(米国特許第6,090,382号に「D2E7」として記載されているHumira(登録商標)、Abbott Laboratories、ヒト抗TNF mAb)が挙げられる。本発明で使用することができるさらなるTNF抗体は、米国特許第6,593,458号、同6,498,237号、同6,451,983号、および同第6,448,380号に記載されており、その各々が参照によって本明細書に組み込まれる。他の実施形態では、TNFα阻害剤はTNF融合タンパク質、例えばエタネルセプト(Enbrel(登録商標))、Amgen;WO91/03553およびWO09/406,476に記載され、参照によって本明細書に組み込まれる)である。別の実施形態では、TNF-α阻害剤は、組換えTNF結合タンパク質(r-TBP-1)(Serono)である。
【0125】
本明細書で使用される用語「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互連結された2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む4つのポリペプチド鎖からなる免疫グロブリン分子を指すことを意図するものとする。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと略記する)および重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと略記する)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメインCLからなる。VHおよびVL領域は、より保存され、フレームワーク領域(FR)と称される領域が点在する、相補性決定領域(CDR)と称される超可変領域にさらに細分化され得る。各VHおよびVLは、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順でアミノ末端からカルボキシ末端に配置された3つのCDRおよび4つのFRから構成される。本発明の抗体は、米国特許第6,090,382号、同第6,258,562号、同第6,509,015号に記載されており、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0126】
本明細書中で使用される用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含むことが意図される。本発明のヒト抗体は、例えばCDRおよび特にCDR3において、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロで無作為にまたは部位特異的変異により導入されたか、またはインビボでの体細胞突然変異によって導入された変異)を含み得る。しかし、本明細書中で使用される用語「ヒト抗体」は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列由来のCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植された抗体を含むことを意図していない。
【0127】
本明細書中で使用される用語「組換えヒト抗体」とは、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを用いて発現される抗体(以下にさらに詳述)、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離される抗体(以下にさらに詳述)、ヒト免疫グロブリン遺伝子のトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylorら(1992年)Nucl.Acids Res.20:6287を参照)、または、ヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段によって調製、発現、作製または単離された抗体、など、組み換え手段によって調製、発現、作製または単離されたすべてのヒト抗体を含むことを意図している。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する。しかし、ある実施形態では、このような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列のトランスジェニック動物が使用される場合、インビボ体細胞突然変異誘発)に付され、したがって組換え型抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来し、これらに関連する配列ではあるが、インビボでのヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然には存在し得ない。
【0128】
一実施形態では、用語「TNFα阻害剤」は、「インフリキシマブ」を含まない。一実施形態では、用語「TNFα阻害剤」は、アダリムマブを含まない。別の実施形態では、用語「TNFα阻害剤」は、アダリムマブおよびインフリキシマブを含まない。
【0129】
一実施形態では、用語「TNFα阻害剤」は、エタネルセプト、および任意によりアダリムマブ、インフリキシマブ、ならびにアダリムマブおよびインフリキシマブを含まない。
【0130】
一実施形態では、用語「TNFα抗体」は、インフリキシマブを含まない。一実施形態では、用語「TNFα抗体」はアダリムマブを含まない。別の実施形態では、用語「TNFα抗体」は、アダリムマブおよびインフリキシマブを含まない。
【0131】
一実施形態では、本発明は、クローン病の処置のために、処置するため、またはTNFα阻害剤の効力を決定するための使用および組成物を特徴とする。TNFα抗体は、高い親和性および低い解離速度でヒトTNFαに結合し、また高い中和能を有する、単離されたヒト抗体またはその抗原結合部分である。好ましくは、本発明において使用されるヒト抗体は、組換え型中和ヒト抗hTNFα抗体である。本発明の最も好ましい組換え型中和抗体は、本明細書では、「D2E7」と称され、また、HUMIRA(登録商標)もしくはアダリムマブ(D2E7VL領域のアミノ酸配列は配列番号1であり、D2E7VH領域のアミノ酸配列は配列番号2に示されている)とも称される。D2E7(アダリムマブ/HUMIRA(「登録商標」))の特性は、記載され、これらはその各々が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の方法はまた、関節リウマチの処置のための臨床試験を受けたキメラおよびヒト化ネズミ抗hTNFα抗体を用いて行うことができる(例えば、Elliott,M.J.,ら(1994年)Lancet344:1125-1127;Elliot,M.J.,ら(1994年)Lancet 344:1105-1110;Rankin,E.C.,ら(1995年)Br.J.Rheumatol.34:334-342を参照されたい)。
【0132】
したがって、一態様では、本開示は、対象における酸化還元状態を調節するためのtoll様受容体(TLR)アゴニスト組成物を提供する。組成物は、(a)細菌の少なくとも1つ以上の溶解物および/または溶解物画分を含むTLRアゴニストであって、少なくとも1つ以上のTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、(b)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(c)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含み、対象へ有効量の組成物を投与することにより、対象における酸化ストレスレベルを測定可能に低下させる。いくつかの実施形態では、アゴニストは、少なくとも2つの異なるTLRおよび/またはNLRを活性化させる。いくつかの実施形態では、細菌は、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌である。
【0133】
いくつかの実施形態では、組成物は、医薬剤の活性を増強するために医薬剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、医薬剤の副作用を低減するために医薬剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、医薬剤の副作用は酸化ストレスである。
【0134】
別の態様では、本開示は、対象における酸化還元状態を調節する方法を提供し、この方法は、治療的有効量の本明細書に開示された溶解物または溶解物画分組成物のいずれかを、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、酸化還元状態の調節は、イソプロスタン濃度の変化を測定することによって、またはこれに限定されないが、対象における遺伝子の発現などの他の方法によって理想的に査定される。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物ではない動物、例えば、これらに限定されるものではないが、魚、家禽、甲殻類およびショウジョウバエなどの昆虫の動物である。いくつかの実施形態では、酸化還元状態は酸化的であり、その結果酸化ストレスを生じる。いくつかの実施形態では、ヒトにおける酸化ストレスは、外傷後ストレス障害に関連する。
【0135】
別の態様では、本開示は、対象における酸化還元状態を調節する方法を提供し、この方法は、(a)それを必要とする対象に、時間的に間隔を空けて、(i)少なくとも1つの溶解物および/または溶解物画分を含むtoll様受容体(TLR)アゴニストであって、少なくとも1つ以上の異なるTLRを活性化させるtoll様受容体(TLR)アゴニストと、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(iii)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む、組成物からなる、用量を繰り返し投与するステップと、(b)対象の体液の測定を行い、酸化ストレスレベルの変化を検出するステップと、を含む。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、少なくとも3つの異なるTLRを活性化させる。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、単一種の細菌由来の溶解物(複数可)および/または溶解物画分(複数可)および/または細胞壁画分(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、TLRアゴニストは、細菌の少なくとも2つの種または株由来の溶解物(複数可)および/または溶解物画分(複数可)を含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、体液の測定を行うことにより、対象におけるイソプロスタン濃度の変化を査定する。いくつかの実施形態では、イソプロスタン濃度の変化は、これに限定されないが、対象における遺伝子の発現などの方法によって間接的に測定される。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物以外の動物、例えば、これらに限定されるものではないが、魚、家禽、甲殻類およびショウジョウバエなどの昆虫の動物である。いくつかの実施形態では、ヒトにおける酸化ストレスは、外傷後ストレス障害に関連する。
【0137】
別の態様では、本開示は、対象の尿または血液中のイソプロスタンの量を減少させる方法を提供し、この方法は、(a)対象の尿または血液中のイソプロスタンのレベルを決定するステップと、(b)(i)細菌からの少なくとも1つの細菌溶解物および/または溶解物画分を含むtoll様受容体(TLR)アゴニストであって、少なくとも1つ以上のTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、を含む、有効量の組成物を対象に投与するステップと、(c)対象の尿または血液中のイソプロスタンのレベルが低下するまで、組成物の投与を継続するステップと、を含む。
【0138】
別の態様では、本開示は、(a)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、(b)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(c)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む組成物を提供することを含む。
【0139】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される組成物のいずれかを含む医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、頬側または舌下投与のために配合される。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、投与後1分以内に溶解するように配合される。
【0140】
別の態様において、本開示は、(a)増殖培地中のグラム陽性またはグラム陰性細菌を定常増殖期まで発酵させて発酵ブロスを生成するステップと、(b)発酵ブロスから細菌を収穫するステップと、(c)収穫した細菌を低温殺菌するステップと、(d)低温殺菌した細菌をリゾチームで溶解して細菌溶解物を生成するステップと、を含む、細菌溶解物を生成する方法を提供する。いくつかの実施形態では、任意の特定の発酵を開始後、増殖サイクルの異なる時間に溶解物を収穫する。いくつかの実施形態では、細菌は、特徴的に画成された培地中で発酵される。
【0141】
別の態様では、本開示は、(a)増殖培地中のグラム陽性またはグラム陰性細菌を定常増殖期まで発酵させて発酵ブロスを生成するステップと、(b)発酵ブロスから細菌を収穫するステップと、(c)収穫した細菌を低温殺菌するステップと、(d)低温殺菌した細菌をリゾチームで溶解して細菌溶解物を生成するステップと、を含む、プロセスにより生成された細菌溶解物を提供する。いくつかの実施形態では、任意の特定の発酵を開始後、増殖サイクルの異なる時間に溶解物を収穫する。いくつかの実施形態では、細菌は、特徴的に画成された培地中で発酵される。
【0142】
別の態様では、本開示は、医薬剤の投与に関連する1つ以上の酸化ストレス関連副作用を軽減するための方法を提供し、この方法は、医薬剤と組み合わせて、(a)細菌の溶解物および/または溶解物画分と、(b)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(c)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む、治療有効量の組成物を投与することを含み、医薬剤および溶解物組成物は、同時にまたは任意の順序で、かつ同じ投与経路または異なる投与経路から投与される。いくつかの実施形態では、溶解物および/または溶解物画分は、少なくとも1つ以上のTLRまたはNLRを活性化させる。いくつかの実施形態では、溶解物および/または溶解物画分は、少なくとも2つのTLRおよび/またはNLRを活性化させる。いくつかの実施形態では、溶解物および/または溶解物画分は、少なくとも3つのTLRおよび/またはNLRを活性化させる。
【0143】
いくつかの実施形態では、1つ以上の酸化ストレス関連副作用は、無セルロプラスミン血症、動脈/全身性高血圧、関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、アトピー性皮膚炎、癌、膀胱癌、白血病、子宮癌、子宮頸癌、めまい、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、不眠症、眠気、立ちくらみ、性欲減退、記憶喪失、震え、黄疸、不整脈、心拍数の増加、心拍数の減少、じんま疹、うつ病、臨床的うつ病、脳虚血、気管支肺異形成、心血管疾患、白内障、蜂巣炎、化学療法の副作用、慢性疲労症候群、大腸炎、冠動脈疾患、異常脂質血症、子癇、勃起不全、運動失調、頭痛、心不全、血液透析副作用、肝硬変、高コレステロール血症、高ホモシステイン血症、高脂血症、間質性肺疾患、肺損傷、黄斑変性症、男性不妊症、軽度の認知障害、心筋梗塞、心筋炎、筋変性症、神経障害、肥満、変形性関節症、骨粗鬆症、膵炎、歯周病、腹膜透析の副作用、外傷後ストレス障害、子癇前症、乾癬、乾癬性関節炎、肺高血圧症、放射線療法の副作用、反応性関節炎、呼吸窮迫症候群、横紋筋融解症、リウマチ性疾患、敗血症、睡眠時無呼吸、卒中、自殺思考、アミロイドーシス、血栓形成傾向(thrombophily)、タウオパチー、不安定狭心症、尿毒症、および静脈不全からなる群から選択される。
【0144】
別の態様では、本開示は、対象における酸化ストレス関連疾患または状態を処置するための方法を提供し、この方法は、(a)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、(b)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、(c)組成物の容積を増加させるための任意の担体と、を含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、酸化ストレス関連状態は、無セルロプラスミン血症、急性および慢性アルコール性肝疾患、急性自己免疫性心筋炎、鎌状赤血球症の急性胸部症候群、急性膵炎、急性呼吸窮迫症候群、アルコール性肝疾患、筋萎縮性側索硬化症、動脈/全身性高血圧、アスベスト症、喘息、血管拡張性失調症、アテローム性動脈硬化症、アトピー性皮膚炎、脳虚血、気管支肺異形成、火傷、いくつかの癌、人工心肺、心臓血管疾患、白内障、蜂巣炎、化学療法による副作用、慢性疲労症候群、慢性C型肝炎、慢性腎疾患、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎不全、結腸炎、冠動脈疾患、クロイツフェルト-ヤーコプ病、クローン病、皮膚リーシュマニア症、膵嚢胞線維症、1型糖尿病、2型糖尿病、異脂肪血症、ダウン症候群、子癇、末期腎疾患、勃起不全、フリードライヒ失調症、頭痛、心不全、ヘリコバクターピロリ感染/炎症、血液透析の副作用、肝硬変、ヒト免疫不全ウイルス感染症、ハンチントン病、高圧酸素療法による疾患、高コレステロール血症、高ホモシステイン血症、高脂血症、特発性肺繊維症、間質性肺疾患、虚血/再潅流傷害、若年性慢性関節炎、腎臓移植不全、白血病、肺癌、肺障害、黄斑変性、男性不妊、メニエール病、髄膜炎、軽度認識障害、多発性硬化症、骨髄異形成症候群(myelodisplastic syndromes)、心筋梗塞、心筋炎、新生児気管支肺異形成、肥満症、骨関節炎、骨粗鬆症、膵炎、パーキンソン症候群、歯周病、腹膜透析の副作用、光劣化(photoageing)、外傷後ストレス症、子癇前症、原発性胆汁性肝硬変、気管支肺(broncopulmonary)疾患、早老症、乾癬、乾癬性関節炎、肺高血圧症、放射線治療の副作用、反応性関節炎、腎細胞癌、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、水晶体後線維増殖症(retrolenticolarfibroplasy)、リウマチ病、リューマチ関節炎、サルコイドーシス、敗血症、鎌状細胞生成疾患、睡眠時無呼吸、球状赤血球症、脊髄損傷、卒中、シヌクレイノパチー、全身性アミロイドーシ、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症(強皮症)、血栓性素因(thrombophily)、タウオパチー、心的外傷性ストレス結核、不定狭心症、尿毒、静脈不全、ウェルナー症候群、または、ツェルヴェーガー症候群である。
【0146】
別の態様では、本開示は、対象において酸化ストレスを低減するための方法を提供し、この方法は、(a)対象の尿または血液中のイソプロスタンの量を測定することによって対象における酸化ストレスのレベルを測定することと、(b)(i)グラム陰性またはグラム陽性細菌からの少なくとも1つの溶解物および/または溶解物画分を含むtoll様受容体(TLR)アゴニストであって、少なくとも1つ以上の異なるTLRまたはNLRを活性化させるTLRアゴニストと、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーターと、を含む組成物の有効量を対象に投与することと、(c)対象の尿中のイソプロスタンの量の減少によって測定されるとき、酸化ストレスのレベルが低下するまで組成物の投与を継続することと、を含む。
【0147】
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌溶解物の投与は、対象の尿中のイソプロスタンの量が、クレアチニン1mgあたり約3ng未満、クレアチニン1mgあたり約2ng未満、クレアチニン1mgあたり約1ng未満、またはクレアチニン1mgあたり約0.5ng未満になるまで、継続して行う。
【0148】
別の態様では、本開示は、(a)(i)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物、および/または溶解物画分、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーター、および(iii)組成物の容積を増加させるための任意の担体、を含む溶解物組成物と、(b)1つ以上の医薬剤と、の組み合わせを含む、医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の医薬剤は、以下からなる群から選択される:鎮痙剤、運動刺激薬、H2受容体アンタゴニスト、抗ムスカリン薬;キレート剤、プロスタグランジン類似体、アミノサリチル酸塩、コルチコステロイド、免疫応答に影響する薬物、刺激性下剤、胆汁組成および流れに影響する薬物、胆汁酸封鎖剤、ドーパミンアンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤、オピオイド、オピオイド受容体アンタゴニスト、鎮痛剤、睡眠剤、強心配糖体、ホスホジエステラーゼ阻害剤、チアジド、利尿剤、カリウム保持性利尿剤、アルドステロンアンタゴニスト、浸透圧性利尿剤、不整脈のための薬物、βアドレナリン受容体遮断薬、高血圧薬、レニン-アンギオテンシン系に影響を及ぼす薬物、硝酸塩、カルシウムブロッカー、抗狭心症薬、末梢血管拡張剤、交感神経興奮剤、抗凝固剤、プロタミン、抗血小板薬、フィブリン溶解薬、抗線維素溶解薬、脂質調節薬、ω3脂肪酸化合物、CNS薬、抗感染薬、またはベンゾトロン、プロシクリジン、ビペリデン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、エンタカポン、トルカポン、セレギリン、プラミペキソール、ブデソニド、フォルモテロール、クエチアピンフマレート、オランザピン、ピオグリタゾン、モンテルカスト、ゾレドロン酸(ZoledromicAcid)、バルサルタン、ラタノプロスト、イルベサルタン、クロピドグレル、アトモキセチン、デキサムフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、フルダラビン、フロウロウラシル(Flourouracil)、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、アポモルヒネ、ベタメタゾン、コルチゾン、デフラザコート、デキサメトゾン(Dexamethosone)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、シクロスポリン、シロリムス、タクロリムス、インターフェロンα、およびインターフェロンβからなる群から選択される別の薬剤。
【0149】
別の態様では、本開示は、(a)(i)少なくとも1つ以上のtoll様受容体(TLR)またはNod様受容体(NLR)を活性化させることができる細菌溶解物、および/または溶解物画分、(ii)組成物の吸収を増大するための任意のプロモーター、および(iii)組成物の容積を増加させるための任意の担体、を含む溶解物組成物と、(b)単離されたヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片またはTNF阻害剤と、を含む医療製剤などの製剤を提供する。いくつかの実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片は、アダリムマブである。いくつかの実施形態では、本開示は、対象における慢性関節リウマチ(RA)または後期発症RAの処置のための医薬の製造における、この態様の組合せ製剤の使用を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、対象において、関節リウマチ(RA)または後期発症RAの処置のための方法を提供し、この方法は、この態様の組合せ製剤の治療有効量を対象に投与することを含み、本明細書に開示されるとおりである。いくつかの実施形態では、対象は50歳以上である。いくつかの実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片は、隔週投薬レジメンで対象に投与される。いくつかの実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片は、30mgまたはそれ以上の用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、TNFα阻害剤はTNFα融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、TNFα融合タンパク質はエタネルセプトである。いくつかの実施形態では、抗TNFα抗体またはその抗原結合断片は、インフリキシマブまたはゴリムマブである。いくつかの実施形態では、抗TNFα抗体またはその抗原結合断片はアダリムマブである。
【0150】
別の態様では、本開示は、TNFα活性が有害である障害に関連する酸化ストレス関連疾患または障害を有するヒト対象における酸化ストレス関連疾患または障害の進行を阻害するための方法を提供し、この方法は、酸化性疾患または障害を有する対象に、本開示の溶解物、溶解物画分および/または細胞壁画分、ならびに単離されたヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分を投与することを含み、これにより、酸化ストレス疾患の進行が対象において阻害されるようになり、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、標準インビトロL929アッセイにおいて1×10-7Mまたはそれ以下のIC50を有するヒトTNFα細胞毒性を中和する。いくつかの実施形態では、本開示の溶解物およびヒト抗TNF-αまたはその抗原結合部分は、異なる用量レジメン下で異なる時間に投与される。いくつかの実施形態では、ヒト抗TNFα抗体は、ゴリムマブまたはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、ヒト抗TNFα抗体は、アダリムマブまたはその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、隔週投薬レジメンで対象に投与される。いくつかの実施形態では、本方法は、対象に追加の治療剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本開示の溶解物は、少なくとも24週間の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、本開示の抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、少なくとも24週間の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、本開示の溶解物、抗TNFα抗体、またはその抗原結合部分、またはその両方は、1つ以上の異なる機構の組み合わせによって対象への酸化的損傷を修復または予防する。
【0151】
本明細書に開示される方法または組成物のいずれかのいくつかの実施形態では、細菌は、グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌である。本明細書に開示される方法または組成物のいずれかのいくつかの実施形態では、グラム陽性細菌は、ラクトバチルス科の細菌、ストレプトコッカス科の細菌、ビフィドバクテリウム科の細菌、およびバチルス科の細菌からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、グラム陽性細菌は、バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシおよびラクトバチルス・ヘルベティカスからなる群から選択される。
【0152】
本明細書に開示される方法または組成物(製剤を含む)のいずれかのいくつかの実施形態では、グラム陰性細菌は、シュードモナス属、クレブシエラ属、キサントモナス属、赤痢菌属およびエンテロバクター属の細菌からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、グラム陰性細菌は、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス属、シュードモナス・フルオレッセンス属からなる群から選択される。
【0153】
本明細書に開示される方法または組成物(製剤を含む)のいずれかのいくつかの実施形態では、TLRアゴニスト、溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分は、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの少なくとも1つ以上を活性化させる。いくつかの実施形態では、TLRアゴニスト、溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分は、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの2つ以上を活性化させる。いくつかの実施形態では、TLRアゴニスト、溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分は、TLR2およびTLR4を活性化させる。いくつかの実施形態では、TLRアゴニスト、溶解物、溶解物画分、または細胞壁画分は、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2のうちの3つ以上を活性化させる。
【0154】
本明細書に開示される方法または組成物(製剤を含む)のいずれかのいくつかの実施形態では、プロモーターは、アミノ酸、アミノ糖および糖からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、担体は、結合剤、ガムベース、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ガムベースは、少なくとも1つの疎水性ポリマーおよび少なくとも1つの親水性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、糖、糖アルコール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、糖アルコールは、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0155】
いくつかの実施形態では、組成物は、舐剤、チューインガム、チュアブル錠、キャンディ剤、および溶解錠剤からなる群から選択される剤形として製造される。いくつかの実施形態では、剤形は、TLRアゴニストを口腔粘膜に送達させる。いくつかの実施形態では、口腔粘膜は、舌下粘膜、頬粘膜、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0156】
本明細書に開示される方法または組成物(製剤を含む)のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、口腔粘膜送達用に配合される。いくつかの実施形態では、組成物は、舌下送達または頬側送達のために配合される。いくつかの実施形態では、組成物は、投与後1分以内に溶解するように配合される。
実施例
【0157】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態およびその様々な使用を例示するものである。これらは、説明の目的でのみ記載されており、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1:TLRアゴニスト組成物のための活性成分の調製
【0158】
組成物を配合する方法の例は、以下のプロセスを含む。
【0159】
活性成分。活性成分は、以下に記載する細菌発酵および細胞分離プロセスから誘導された。ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス(本明細書ではL.ブルガリクスと称する)はこの実施例で使用された有機体であったが、細菌生物は任意のグラム陽性細菌またはグラム陰性細菌であるか、またはその両方であってもよい。
【0160】
ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクスを、1.5%カゼイン加水分解物、1%酵母エキス、3%乳糖、0.2%酢酸ナトリウム、0.02%ギ酸ナトリウム、0.01%5’-二ナトリウムイノシン酸塩、0.01%硫酸マンガン、0.05%硫酸マグネシウム、および0.05%ポリソルベート80を含む、pH6.4の増殖培地中で発酵させた。播種培地は、発酵が代謝の停止によって決定される定常成長に達するまで、37℃でインキュベートした。発酵ブロスを4℃に冷却し、約4000~4500×gでの遠心によって収穫した。
【0161】
濃縮した細胞を冷水を用いて2回連続して洗浄し、細胞を再び遠心分離機に流した。洗浄した細胞濃縮物を80℃で45分間低温殺菌した。
【0162】
低温殺菌後、細胞濃縮物を処置して細胞壁を破壊し、それによって細菌を溶解し、TLRアゴニストを曝露させた。細菌細胞壁の破壊は、3重量%の濃度のニワトリ卵白リゾチームを用いて、7時間40℃で達成された。得られた溶解物を凍結し、凍結乾燥した。
【0163】
凍結乾燥材料を、N-アセチルDグルコサミンHCl(NAG)などのプロモーターとブレンドして、溶解したラクトバチルスデルブリッキィ亜種ブルガリクスとNAGの混合物を形成した。任意により、固体形態の丸剤または粉末を生成するために他の製剤賦形剤を適宜添加した。次いで、この生成物を以下のスクリーニング試験に用いた。
実施例2:TLRスクリーニングアッセイ
【0164】
所定のTLRまたはNod様受容体(NLR)を発現するHEK293細胞におけるNF-κBの活性化を査定することにより、Toll様受容体(TLR)刺激の試験を行った。サンプルの活性を、7つの異なるヒトTLR:TLR2、3、4、5、7、8および9(Invivogen、San Diego、CA)、ならびに2つの異なるヒトNLR、ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン含有タンパク質1および2(NOD1およびNOD2)で試験を行った。各リガンドを、TLRまたはNLR細胞上で、原液の1/100の最終濃度で試験し、以下に記載する対照リガンドと比較した。このステップは三通りで実施した。
【0165】
実施例で用いた対照リガンド、対照細胞株およびサンプル生成物は、表1に示すとおりであった。
【表1】
【0166】
一般的手順。スクリーニングにおけるTLR刺激は、所与のTLRを発現するHEK293細胞におけるNF-κBの活性化を査定することによって試験される。分泌されたアルカリホスファターゼレポーターは、転写因子NF-κBによって誘導可能なプロモーターの制御下にある。スクリーニングにおけるTLR刺激を、所定のTLRまたはNLRを発現するHEK293細胞におけるNF-κBの活性化を査定することによって試験した。このレポーター遺伝子は、NF-κBの活性化に基づいて、TLR/NLRを介したシグナル伝達のモニタリングを可能にする。適切な細胞(50,000~75,000細胞/ウェル)の入った96ウェルプレート(全量200μL)において、サンプル(溶解産物)または陽性対照リガンド20μLをウェルに入れる。ウェルに添加された培地は、NFκB誘導SEAP(分泌アルカリホスファターゼ)の発現を検出するために設計されている。16~20時間のインキュベーション後、650nmでのOD(光学濃度)をMolecular Devices Spectra Max 340PC吸光度検出器で読み取って記録した。
【0167】
これらの実験のスクリーニング結果を図2にグラフで示す。これらの結果は、上記のように生成された典型的な溶解物が、少なくともTLR2(およびより少ない程度でTLR4)およびNOD2にとって強いアゴニストであることを示す。
実施例3:プロセス変数の変化がTLRシグナル伝達に及ぼす影響
【0168】
TLRシグナル伝達に対する特定のプロセス変化の影響を観察することにより、TLRシグナルパターンを変更できることに留意されたい。
【0169】
図3は、グラム陽性菌についてのTLRシグナルに対する細胞形態の相違を示す。コクシ生物であるペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)由来の溶解物は、桿菌であるL.ブルガリクスに比較して、多くのTLR4および少ないNOD2シグナルを生成し、P.アシディラクティシによって生成されたTLR2シグナルは、L.ブルガリクスによって生成されたものよりほんのわずかに多かった。NOD2の活性化は、コクシ中に見出されるより少ないムラミルペプチドを反映するP.アシディラクティシにおいて有意に低かった。
【0170】
図4に示すように、TLRシグナルパターンはまた、バチルス・コアグランス溶解物の培養収穫時間によって影響を受けた。バチルス・コアグランスを、45℃および250rpmでインキュベートした振盪フラスコ中でpH6.5を有する標準酵母抽出物/グルコース培地を用いて増殖させた。培養物の収穫は、実施例1の溶解物生成プロセスに従ったが、OD、基質枯渇、代謝産物の生成およびEPSによって決定されるとおり、増殖期:中対数期、後期対数期、早期定常期、中期定常期、および後期定常期、により、発酵後の細菌収穫時間を変えることによって、行った。一般に、これらのデータは、発酵後の細菌収穫時間を変えることによってTLR活性化の特異性を変えることができることを示している。例えば、対数期中期に収穫した培養物から生成された溶解物は、TLR4を除いて試験された全ての標的を活性化し、TLR2、3、5、8、9およびNOD1について最も高いシグナルを有した。TLRシグナル強度は、培養物が対数期から離れると減少し、定常期に入り、後期定常期にTLRシグナルが完全に停止した。全ての収穫段階で細胞培養物の平板培養を行い、細胞数はすべての時点で5×10CFU/mlよりも多いことに留意されたい。培養物の目視検査では内生胞子は認められなかった。溶解物からわかるTLR効果は、栄養細胞由来であった。後期定常培養物の側壁には大量のEPSが認められた。
【0171】
図5は、選択されたグラム陽性菌の溶解物から得られたTLRシグナルパターンを示す。ストレプトコックスサーモフィルス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティスおよびバチルス・ズブチリスを、pH6.5の標準酵母抽出物/乳糖/カゼイン加水分解培地上で増殖させ、振盪フラスコ中で37℃および110rpmでインキュベートさせた。ラクトバチルス・プランタラム、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種ラクティス(B.ラクティス)、およびバチルス・ズブチリスを振盪フラスコ中で、pH6.5の酵母抽出培地/グルコース培地上で増殖させ、37℃および110rpmでインキュベートし、B.ズブチリスは37℃および250rpmでインキュベートした。B.ラクティスでは、0.05%システインHCLを培地に加えた。培養物の収穫は、実施例1の溶解物生成プロセスに従った。Sサーモフィルス(コクシ生物)は、実施例4に記載したように、他のコクシ培養物P.アシディラクティシと類似したTLRシグナルパターン(高TLR2およびTLR4、および低NOD2)となった。しかしながら、B.ラクティスは、L.ブルガリクスとは形態が異なるが、類似のTLRパターンとなった。L.ヘルベティカス、L.アシドフィルス、L.プランタラム、およびB.ズブチリスのグラム陽性桿菌培養物でのTLRパターンの類似性はほとんどなかった。L.ヘルベティカスは、L.ブルガリクスのTLRパターンと類似のTLRパターンを生成した。L.アシドフィルスは、シグナル強度は低いが、コクシによって生成されたパターンと類似した結果を生じた。培養物を収穫し濃縮した場合、L.アシドフィルスはいかなる顕著なEPSも生成しなかったが、L.ブルガリクス、L.ヘルベティカスおよびB.ラクティスはいずれも顕著なEPSを生じ、すべて類似しているTLRシグナルパターンを生じた。L.プランタラム溶解物は、他のグラム陽性菌とは非常に異なるTLRシグナルパターンを有し、そのすべてにおいてTLRシグナルが弱くなった。このシグナルパターンのミューティングは発酵の特徴から明らかではなかったが、L.プランタラムはTLRシグナルの減少を説明し得る多数の代謝産物を生成することが知られている。B.ズブチリスは、より高いTLR4活性化を生じる以外は、B.コアグランスの対数期収穫培養物と類似のTLRパターンを有していた。全体として、グラム陽性菌全体のTLRシグナルパターンは、生物の形態、EPSの生成および細菌の代謝産物によって変化した。
【0172】
図6は、選択されたグラム陰性菌の溶解物から得られたTLRシグナルパターンを示す。大腸菌、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、シュードモナス・フルオレッセンス、およびキサントモナス・カンペストリスを、トリプチックソイブロスを用いて振盪フラスコ中で増殖させた。クレブシエラ・オキシトカ、大腸菌およびフレクスナー赤痢菌を37℃および250rpmでインキュベートし、P.フルオレッセンスおよびキサントモナス・カンペストリスを30℃および250rpmでインキュベートした。キサントモナス・カンペストリスを、炭酸カルシウム1%を補充した酵母抽出物/グルコース培地で増殖させた。収穫前に、CaCOを500×gで3分間遠心により除去した。発酵ブロスから培養物を収穫した後、実施例1の溶解物生成プロセスを行った。驚くべきことに、かつ予想しなかったことに、大腸菌などグラム陰性菌由来の溶解物のTLRシグナルパターンは、類似した濃度で試験した場合、TLR5および9を除き、グラム陽性菌の溶解物よりもはるかに低かった。一般に、グラム陰性細菌の膜/細胞壁は、グラム陽性細菌の膜/細胞壁よりも破損しやすいが、このことから、TLR9シグナルが高いことを説明することができる。K.オキシトカおよびX.カンペストリスは、発酵中にEPSを生成することが観察され、TLR3、4および9の比較的高い活性化も生じた。K.オキシトカは、試験した株の中で最も高いTLR2およびNOD1の活性化をもたらした。EPSは、非EPS生成株(フレクスナー赤痢菌)と比較して、TLRシグナルパターンを変化させると考えられる。興味深いことに、すべてのグラム陰性細菌は、TLRアッセイにおいてヌル細胞のNF-κBの有意な活性化を有していた。このNF-κBの活性をTLRシグナルから差し引き、P.フルオレッセンスのTLR7およびNOD2についてわずかに陰性の活性を説明する。
【0173】
最後に、図7は、キサンタンガムを含む溶解物組成物のTLRシグナル伝達を示す。これらのデータは、キサントモナス・カンペストリス株から生成された溶解物ならびにキサントモナス・カンペストリス株によって生成されるEPSであるキサンタンガム自体が、双方ともTLR活性化を生じることを示す。TLR5での株およびEPSキサンタンガムならびにTLR4および9での中程度の活性による強い刺激がある。これらのデータは、所与の細菌株由来の溶解物ならびにその株由来の対応するEPS(この例ではキサンタンガム)は、双方とも標的TLR活性の製剤中に使用され得るか、またはブレンドされ得ることを示唆する。
【0174】
驚くべきことに、かつ予想しなかったことに、これらのデータは、TLRシグナルの強度と同様に、所定の溶解物の結果生じるTLRシグナルパターンが、製造プロセスならびにこれらに限定されるものではないが、培地、微生物などの原材料の選択に依存することを示している。TLR活性化の特異性は、プロセス、細菌性生物、原材料、および試薬パラメータを変えることによって変更および調整できることをこれらのデータが示している。
実施例4:外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された戦闘退役軍人における酸化ストレス、認知およびquality of lifeの指標
【0175】
PTSDは、酸化ストレス関連疾患または状態である。この研究の目的は、以下の4つであった:(1)PTSDと診断された戦闘退役軍人において酸化ストレスマーカーであるイソプロスタンのレベルの量的低下において本発明の組成物の有効性を評価すること、(2)PTSDと診断された戦闘退役軍人における一酸化窒素レベルの量的低下において本発明の組成物の有効性を評価すること、(3)PTSDと診断された戦闘退役軍人において、喚語および単語想起の改善における本発明の組成物の有効性を評価すること、および(4)PTSDと診断された戦闘退役軍人においてquality of lifeパラメータの改善における本発明の組成物の有効性を評価すること。
【0176】
エビデンスに基づく新たな文献では、酸化ストレスと外傷後ストレス障害(PTSD)との関連を裏付けている。酸化ストレスは、循環する酸化剤と酸化防止剤とが不均衡であることによる結果として、体内および細胞レベルで生じる。多くの研究では、この細胞の酸化ストレスが、身体の神経生理学にフリーラジカルの影響をもたらすことが示されている。酸化窒素は、酸化ストレスからの保護において重要な役割を果たすとされている。
【0177】
喚語は、多くの場合、外傷性脳損傷を受けた個体および戦闘退役軍人において、影響を受ける。非開放性頭部損傷/外傷性脳損傷(CHI/TBI)およびPTSDは、多くの場合併発疾患である。
【0178】
対象選択基準
【0179】
予想される本研究における登録者数は、最低でも10名であり、最大で15名であった。
【0180】
予想される性別分布は、男性50%、女性50%に可能な限り近かった。PTSDと診断された男性退役軍人の数が多いため、参加者プールにおいて男性の割合がわずかに多い可能性があった。
【0181】
妊婦はこの研究に参加することができなかった。
【0182】
唯一の年齢制限は、軍の募集最小年齢、18歳によるものであったので、本研究の予想年齢範囲は18歳から約80歳であり、上限は健康水準によって決定された。
【0183】
人種または民族に由来する制限はなかった。人種に基づいて意図された割合は、参加者が募集されたより広いヒューストン地域のものを反映していた。これらの割合は、ほとんどが、約44%のヒスパニック系、26%の白人、23%のアフリカ系アメリカ人、6%のアジア人系、1%の他の人種であった。
【0184】
試験対象基準および除外基準を以下の表2に概説する。
【表2】
方法および手順
【0185】
参加者は、インフォームド・コンセントの下で、細胞の酸化ストレス、酸化窒素レベル、言語/喚語能力、不安およびうつ病のレベル、および現在のquality of lifeなどのパラメータのレベルを査定するために評価された。
【0186】
参加者に15日間、組成物を供給した。このことにより、特に、イソプロスタンの尿中濃度の低下によって示されるとおり、酸化ストレスを減少させると仮定されている。2つの12mg製品錠剤を舌下に1日2回、合計48mg/日で摂取させた。
【0187】
測定変動を最小限に抑えるためにプラセボは使用せず、対象はそれ自体の測定対照として機能した。対象はいずれも同じ研究グループに割り当てられ、同じ手順を受けた。
【0188】
酸化ストレスは、市販のアッセイ(Oxford Biomedical Research)を用いてイソプロスタンの尿検査により測定した。採取された試料は、クレアチニンアッセイキット(Oxford Biomedical Research)を用いて尿の濃度レベルの差を制御するために標準化されたクレアチンであった。
【0189】
各参加者は、少なくとも1日目および15日目にイソプロスタンレベルについて尿検査を行った。患者の一貫したあるグループには、15日間の各々の試験の尿サンプルを提出するよう求め、イソプロスタンの考えられる経時的変化を調べる手段としてデータポイントを確立した。イソプロスタンアッセイを実施するために(研究目的について知らない)第三者を確保した。
【0190】
すべての参加者は、1日目および15日目にプライベートルームで3回の言語試験を実施した。使用された言語試験は、ROWPVT-4(Receptive One-Word Picture Vocabulary Test、第4版)、EOWPVT-4(Expressive One-Word Picture Vocabulary Test、第4版)、TONI-4(Test of Non-Verbal Intelligence、第4版)であった。
【0191】
さらに、各参加者には、1日目および15日目に、Zungのうつ状態自己評価表、SWLS(Satisfaction with Life Scale)、およびEppworth Sleepiness Scaleを完成させるように求めた。これらのフォームはプライベートルームで記入され、参加者の識別情報を隠す標準的な方法を使用してコード化された。
【0192】
各参加者は、毎朝午前4時に電子メールで送られた毎日のQOL(Quality of Life)調査票に記入した。各参加者にQOL調査フォーマットを習得させ、より強固なデータベースを確立するために、各参加者に、製品の使用を開始する前に、最低4日間のQOL調査票へのスコアの記録を開始させた。
データ分析およびデータモニタリング
【0193】
上記のパラメータが15日間にわたって集められた後、研究データは、酸化ストレスおよび酸化窒素レベルの同定、喚語能力、不安/うつ病の存在および全般的QOL(Quality of Life)の評点における傾向について分析された。使用された統計的分析方法は、イソプロスタンの1つの定量的パラメータのみが査定される単純なものであった。適切な多変量統計的検定を用いてデータを分析した。
リスク/有利点の評価
【0194】
リスクカテゴリー:この試みのリスクカテゴリーは、「最小」であった。したがって、同意書に基づく傷害言語に関する同意は必要ではなく、このため臨床試験合意(CTA)は不要であった。最小リスクカテゴリーは、試験対象の製品がヨーグルト中に発見される食品グレードのGRAS化合物であるとして認識されるという事実によるものであった。さらに、尿および唾液は、採取される唯一の体液であるため、いかなる侵襲的処置も実施されていなかった。
【0195】
データ収集の時点で、製品を摂取した男女は、両方で約35名であった。研究の時点で、最も長く使用した個人は、製品の使用を17ヶ月前に開始しており、製品の使用からいかなる負の副作用の報告もなかった。製品を投与された約35人の参加者において、負の副作用の報告はなかった。
対象の同定および募集の方法
【0196】
この研究では、簡易サンプルを使用し、参加者の募集方法は、研究者の個人的および専門的接触に主に基づいて行った。
対象の能力
【0197】
個人が十分な同意能力を欠いているとみなされた場合には、研究に参加することができなかった。この研究には未成年者は含まれず、同意書または法定代理人を必要とする者はいなかった。
対象の理解度
【0198】
参加者が適切に理解していることを査定するために、参加者は、研究に登録する前に同意プロセスを行う担当者に対して、この研究を説明することが求められた。対象は、すべての質問に対して適切に回答したことを確認した。
結果
【0199】
研究では、サプリメントの効果は、以下を測定/分析することによって査定された:1)イソプロスタンレベル、2)QOL調査結果、3)Zung/心理学的調査結果、4)音声言語の結果。
【0200】
図8に示すように、サプリメントを用いた処置では、尿中イソプロスタンレベルの低下を引き起こした。イソプロスタンは、プロスタグランジンの生成に通常関与するシクロオキシゲナーゼ(COX)酵素の直接的作用なく、必須脂肪酸(主にアラキドン酸)のフリーラジカル触媒過酸化からインビボで形成されるプロスタグランジン様化合物である。これらの化合物は、動物およびヒトの両方の酸化ストレスモデルにおいて、脂質過酸化の正確なマーカーである。15日目に、ほとんどの対象はイソプロスタンレベルの低下を示した。70日目までに、すべての対象が、1日目よりも低いレベルのイソプロスタンを示した。
【0201】
表3Aおよび表3Bに見られるように、組成物による処置では、わずか15日間の処置後にイソプロスタンの量が著しく減少した。表2Aは研究の生データを示し、表3Bは酸化ストレスマーカーの減少および改善をパーセンテージで計算した後の結果を示す。表3Aおよび3Bにおいて、「PTSD+」は、PTSDと診断された参加者である。「PTSD-」は、PTSDと診断されていない参加者である。「TX+」は、研究前に組成物を使用した参加者である。「TX-」は、組成物を使用していない参加者である。
【0202】
表3Bに見られるように、対象は、15日間の処置後にイソプロスタンレベルが60%減少した後、70日間の処置後にイソプロスタンレベルがさらに3.18%低下したことを示した。さらに、対象は、15日間の治療後に酸化ストレスバイオマーカーのレベルが469%改善した後、70日間の治療後に酸化ストレスバイオマーカー(イソプロスタン)レベルがさらに53.19%改善した。
【表3】
【表4】
【0203】
対象は、睡眠の自己査定を行い、かつ評点を付けるように求められた。評点は、1から10の尺度であり、1の値は1の睡眠不足に相当し、10の値は、睡眠不足ではないに相当する。図9に見られるように、70日目までに、すべての対象が、1日目の自己査定による睡眠の質の評点と比較して、睡眠不足の減少を示した。
【0204】
対象は、神経障害症状を自己査定し、評点を付けるように求められた。評点は、1から10の尺度であり、1の値が神経障害症状による大きな不快感および痛みに相当し、10の値が神経障害症状による最小限の不快感および痛みに相当する。図10に見られるように、15日目に、2つ以外(P03およびP04)の全ての対象は、1日目と比較して神経障害症状による最小限の不快感および痛みを示した。70日目に、1つ(P03)を除く全ての患者は、1日目と比較して、神経障害症状による最小限の不快感および痛みを示すか、またはP04の場合には不快感の差がないことを示した(P04については、研究の開始時に神経障害症状による最小限の不快感および痛みを示していたことに留意のこと)。
【0205】
対象は、全体的な気分を自己査定し、評点を付けるように求められた。評点は、1から10の尺度であり、1の値が一般的に幸せでないか、または不安な気分に相当し、10の値が一般的に幸せであるか、またはリラックスした気分に相当する。図11に見られるように、15日目に、2つを除くすべての対象が全体的な気分の改善を示した。70日目に、1つ(P04)を除く全ての患者は、1日目と比較して全体的な気分の改善を示した。
【0206】
対象は、全体的なエネルギーレベルを自己査定し、評点を付けるように求められた。評点は、1から10の尺度であり、1の値が低レベルのエネルギーに相当し、10の値が高レベルのエネルギーに相当する。図12に見られるように、15日目および70日目に、すべての対象(P03を除く)は、1日目と比較してエネルギーレベルの増加を示した。
【0207】
対象は、関節の健康状態の全体的満足度(柔軟性、剛性および痛みなど、いくつかの因子を評価することによって決定されるとおり)を自己査定し、評点を付けるように求められた。評点は、1から10の尺度であり、1の値が低い満足度レベルに相当し、10の値が高い満足度レベルに相当する。図13に見られるように、15日目に、すべての対象(P03およびP04を除く)は、1日目と比較して関節の満足度レベルの改善が示された。この傾向は70日目にも続いた。
【0208】
対象は、消化器系の健常性の全体的満足度を自己査定し、評点を付けるように求められた。評点は、1から10の尺度であり、1の値が低い満足度レベルに相当し、10の値が高い満足度レベルに相当する。図14に見られるように、15日目に、すべての対象(P01およびP04を除く)は、1日目と比較して、消化器系の健常性の満足度レベルの改善を示した。この傾向は70日目にも続いた。
【0209】
対象は、全体的な被刺激性レベルを自己査定し、評点を付けるように求められた。評点は、1から10の尺度であり、1の値が高レベルの被刺激性に相当し、10の値が最も低いレベルの被刺激性に相当する。図15に見られるように、70日目に、すべての対象が、1日目と比較して、被刺激性のレベルの低下を示した。
【0210】
対象は、性機能の全体的満足度レベルを自己査定し、評点を付けるように求められた。評点は、1から10の尺度であり、1の値が低い満足度レベルに相当し、10の値が高い満足度レベルに相当する。図16に見られるように、70日目に、すべての対象(P04およびP05を除く)は、1日目と比較して性的能力の満足度レベルの上昇が示された。
【0211】
対象は、ESS(Epworth Sleepiness Scale)のガイドラインに従って昼間の眠気の全体的なレベルを自己査定し、評点を付けるように求められた。ESSは、8つの質問を含む自己管理アンケートである。このアンケートは、その人の日中の眠気の一般的なレベル、または日常生活における平均的な睡眠傾向を表す測度となる。これは、この査定を行うための世界標準の方法となる。ESSでは、4つの点の尺度(0~3)で、毎日の生活の一部としてほとんどの人が関わる8つの異なる状況または活動において、居眠りや就寝の通常の機会に評点を付けるよう求めているが、これは必ずしも毎日行う必要はない。これは、各状況でどのくらいの頻度で居眠りするかを求めているものではない。これは、これらの状況で発生した頻度に大きく依存することになる。むしろ、その機会は、彼らが各状況にあったときに必ず居眠りする機会であるかを尋ねている。これには精神的な判断が必要であり、ほとんどの人が意味のある方法で作り出すことができると考えられる。合計ESSスコアは、8項目のスコアの合計であり、0~24の範囲であり得る。スコアが高いほど、日中の眠気レベルが高い。合計ESSスコアは、各参加者の一般的な特性、すなわち日常生活における眠気の平均レベルの推定値をもたらす。
【0212】
図17に見られるように、全ての対象は、15日目までに昼間の眠気が減少した。70日目に、研究を完了した全ての対象(P03を除く)が、1日目と比較して日中の眠気が減少したことを示した。
【0213】
対象は、生活の全体的満足度レベルを自己査定し、評点を付けるように求められた。評点は、1から40の尺度であり、1の値が低い満足度レベルに相当し、40の値が高い満足度レベルに相当する。図18に見られるように、15日目に、全ての対象は、1日目と比較して、生活の満足度レベルの上昇が示された。この傾向は70日目まで続いた。
【0214】
対象は、Zung自己評価うつ病スケールのガイドラインに従って、全体的な不安レベルを自己査定し、評点と付けるように求められた。Zung自己評価うつ病スケールは、デューク大学の精神科医William W.K.Zung博士(1929-1992)によって設計されたものであり、うつ病性障害と診断された患者のうつ病のレベルを査定するものである。
【0215】
Zung自己評価うつ病スケールは、患者のうつ状態を定量化するための短い自己管理調査である。うつ病に関連する感情的、心理的、身体的な症状の評点付けを行う尺度には20の項目がある。10語のポジティブな質問と、10語のネガティブな質問がある。各質問は、1~4の尺度で採点される(以下の回答「ほとんどない」、「時々」、「ほとんどの時間」、「大部分の時間」に基づく)。試験の評点の範囲は、20から80までである。スコアは以下の4つの範囲に分類される:20~44は正常範囲に関連し、45~59は軽度うつ病状態に関連し、60~69は中程度うつ病状態に関連し、70以上は重度うつ病状態に関連する。図19に見られるように、15日目に、P01およびP05を除く全ての対象は、1日目と比較してうつ病レベルの低下を示した。70日目に、対象P02、P03、P04、P06およびP07はすべて、1日目と比較して、不安レベルの低下を示した。
実施例5:酸化ストレス関連副作用の減少
【0216】
頭痛の軽減。処置前の1.5年間に3回の脳震盪を経験した17歳男性に、1日2回45mgの用量で本開示の溶解物を投与した。処置14日目に、用量を1日2回活性成分75mgに増やした。処置前、患者は頻繁な頭痛を報告していた。前処置F2-イソプロスタン(F2IsoP)を、尿中でクレアチニン1mgあたり2.4ngで測定した。図20は、患者の尿中で測定したとき、イソプロスタンが85日目で減少していることを示しており、72~85日目のクレアチニン1mgあたりのイソプロスタンの平均は0.82ngである。図20の文字A~Hは、以下の事象を示す:(A)1~3日目のベースラインF2IsoPレベル、(B)3日目の重度の頭痛、F2IsoPのピーク値9.99ng/mg、(C)1日目~13日目、溶解物45mg bidを使用、毎日の頭痛を伴う、(D)13日目、患者は頭痛に対処するために溶解物75mg bidの使用を開始。(E)18日から89日現在頭痛は解消。解消のために継続。(F)30日目、サッカーによる新たなインパクト事象。視覚障害および神経障害を伴い、18時間頭痛。(G)81日目、状況によるストレス事象。F2IsoPレベル上昇。しかし、結果的に頭痛は生じなかった。(H)1日目から89日目、イソプロスタンの傾向線が89日目にわたり98%の減少を示した。全体的に、これらのデータは、溶解物投与に応答して、酸化ストレスが付随して減少していることを示唆している。さらに、対象は、溶解物投与後の頭痛の顕著な減少を報告した。
【0217】
他の酸化ストレス関連副作用の減少。医薬剤の投与に関連して1つ以上の副作用を経験している患者に、本開示の細菌溶解物を45~100mg bidの用量で同時投与する。溶解物の同時投与を開始する前に、F2-イソプロスタンレベルを血液または尿中で測定する。溶解物の同時投与により、約45日間にわたってF2IsoPレベルが約50%、全体として減少し、かつ約90日間にわたってF2IsoPレベルが約95%減少することを伴って、F2IsoPレベルの経時的減少が繰り返され、同時に薬物関連酸化ストレス関連副作用が減少する。
実施例6:溶解物/アダリムマブの組み合わせは、乾癬性関節炎における皮膚疾患の処置に有効である。
【0218】
本研究は、本開示の細菌溶解物組成物と組み合わせて、アダリムマブを含む治療組成物の効力を評価するために実施する。溶解物組成物は、乾癬性関節炎(PsA)患者の皮膚疾患、酸化ストレス障害に対して、一緒にまたは別々に投与される。
【0219】
NSAID治療が奏功しなかった活性PsAを有する患者(関節の腫脹≧3、圧痛関節≧3)において、アダリムマブの無作為化第III相試験の研究を行う。無作為化は、メトトレキセート(MTX)の使用およびベースライン時の乾癬の程度(体表面積[BSA]の3%未満または3%以上)によって一元的に階層化される。24週を完了した患者は、オープンラベル延長試験で継続する資格がある。
【0220】
患者は次の場合に対象となる;乾癬の病歴を有する、18歳以上、3つ以上の腫脹関節および3つ以上の圧痛関節を有する、NSAID療法に対する応答が不十分である。除外基準には、以下が含まれる;以前抗TNF療法を受けている場合、研究登録前の12週間以内にalefaceptを受けている場合、研究登録前の6週間以内の他の生物製剤を受けている場合、研究登録前の4週間以内にDMARD(MTXを除く)を受けている場合、研究登録前の4週間以内に乾癬の全身療法を受けている場合、研究登録前の2週間以内に光線療法および局所療法を受けている場合。
【0221】
患者は、メトトレキセートの使用(はい/いいえ)および乾癬の程度(BSAの3%未満および3%以上を含む)によって層別化され、アダリムマブと組み合わせて、毎日20~50mgの溶解物を、隔週で40mg、またはプラセボを24週間、経口投与される。
【0222】
使用される効力尺度には、以下のものが含まれる:ACR応答基準(コ・プライマリーエンドポイント、12週目のACR20の応答)、研究登録時の重大な乾癬患者における乾癬面積(BSA≧3%)および重症度の指標(PASI)、および乾癬に関する医師のグローバルアセスメント(PGA)。ベースライン時の乾癬の重症度に応じて患者を調べる:PASI<10対PASI≧10
【0223】
したがって、ベースライン時に、BSAが≧3%である乾癬患者での効力の測定は、PASI、乾癬のPGA、およびDLQIを含む。ACR応答基準は、効力測定値としても使用される。事後解析は、ベースラインのPASIが10未満である患者対PASIが10以上である患者について実施される。PASI解析はNRIによるものであり、PGAおよびDLQIスコアはLOCFとして計算される。
【0224】
同時投与された溶解物を受ける処置群は、注射部位反応(痛み、発赤または刺激など)の改善および全体的な酸化ストレス関連副作用の軽減を経験し、これにより、処置の準拠およびコンプライアンスの向上が可能になり、次いで、原発性疾患を改善する大きな機会となる。
実施例7:溶解物/スタチン/ACE阻害剤の組み合わせは、高血圧の治療に有効である。
【0225】
高血圧のための処置を受け、20mgプラバスタチン(QD)と20mgリソノプリル(QD)との併用を受けているヒト対象は、皮膚発疹および不眠の酸化ストレス関連副作用を経験していた。
【0226】
患者に、本明細書の開示に包含される45mg溶解物(bid)を追加で投与した場合、皮膚発疹および不眠の副作用は60日以内に解決した。
実施例8:溶解物/SSRIの組み合わせは、うつ病の処置に有効である。
【0227】
うつ病のために処置され、60mgデュロキセチン(CYMBALTA(登録商標))(QD)を受けているヒト対象は、無オルガスム症、めまい、しびれ、および被刺激性の酸化ストレス関連副作用を経験していた。
【0228】
本明細書の開示に包含される溶解物45mg(bid)が追加投与された患者では、無オルガスム症は10日以内に解消され、めまいは7日以内に解消され、しびれは10日以内に解消され、被刺激性は5日以内に解消された。
実施例9:溶解物/ホルモンの組み合わせは、甲状腺機能低下症の治療に有効である。
【0229】
甲状腺機能低下症のための処置を受け、150mcgのレボチロキシン(SYNTHROID(登録商標))(QD)を受けたヒト対象は、酸化ストレス関連副作用である脱毛を経験していた。
【0230】
患者に、本明細書の開示に包含される75mg溶解物(bid)を追加で投与した場合、脱毛の副作用は180日以内に解消した。
実施例10:溶解物/逆転写酵素阻害剤の組み合わせは、HIV感染の処置に有効である。
【0231】
HIV(非AIDS)のための処置を受け、エファビレンツ/エムトリシタビン/テノフォビルジソプロキシルフマレート(ATRIPLA(登録商標))の1錠の錠剤(QD)を受けているヒト対象は、勃起不全、神経障害、不眠、および脳霧など、酸化ストレス関連副作用を経験していた。
【0232】
患者に本明細書の開示に包含される溶解物45mg(bid)を追加投与した場合、勃起不全は10日以内に解消され、神経障害は10日以内に解消され、不眠症は3日以内に解消され、脳霧は3日以内に解消された。
実施例11:溶解物/直接作用抗ウイルス薬の組み合わせは、C型肝炎の治療に有効である。
【0233】
C型肝炎の処置を受けており、かつ、レジパスタビル/ソフォスビアビル(HARVONI(登録商標))の1錠(QD)を受けているヒト対象は、脳霧、頭痛および関節炎などの酸化ストレス関連副作用を経験していた。
【0234】
本明細書の開示に含まれる溶解物75mg(bid)が追加投与された患者では、脳霧は3日以内に解消され、頭痛は10日以内に解消され、関節炎は14日以内に解消された。
実施例12:溶解物/抗癌剤の組み合わせは、癌の治療に有効である。
【0235】
癌のために処置を受けており、かつトポイソメラーゼI阻害剤/ビンカアルカロイド/アルキル化抗腫瘍薬(IRINOTECAN(登録商標)、VINCRISTIN(登録商標)、TEMODAR(登録商標))を受けているヒト対象は、脳霧、倦怠感、不眠、および発疹などの酸化ストレス関連副作用を経験していた。
【0236】
本明細書の開示に包含される溶解物75mg(bid)が追加投与された患者では、脳霧は3日以内に解消され、倦怠感は5日以内に解消され、不眠症は5日以内に解消され、発疹は14日以内に解消された。
実施例13:溶解物/インスリン類似体の組み合わせは、2型糖尿病の治療に有効である。
【0237】
2型糖尿病のための処置を受け、インスリン類似体インスリングラルギン(LANTUS(登録商標))の1日量を受けているヒト対象は、発疹(注射部位)、被刺激性、および頭痛の酸化ストレス関連副作用を経験していた。
【0238】
本明細書の開示に含まれる溶解物45mg(bid)が追加投与された患者では、被刺激性は5日以内に解消され、頭痛は7日以内に解消され、発疹(注射部位)は10日以内に解消された。
実施例14:溶解物/抗生物質の組み合わせは、関節リウマチの治療に有効である。
【0239】
慢性関節リウマチと診断され、TNF阻害剤による処置を受けているヒト対象は、過去10ヶ月間、National Cancer Institute(NCI)基準によって決定されたグレード3の下痢を引き起こす抗生物質でも処置されていた。同時に、対象は、重度の下痢によるクロストリジウムディフィシル感染症と戦うために追加の抗生物質を受けていた。現行の薬理学的療法を変更することなく、対象に45mgの溶解物を1日2回追加投与した。下痢は2週間以内に解消し始め、1ヶ月でNCIグレード2の基準まで改善した。
実施例15:溶解物/放射線の組合せは、癌の治療に有効である。
【0240】
ヒト対象は、前立腺癌のために処置されており、以下のように、40日間の処方療法の間に強度および/または持続時間を増加させて放射線処置を受けた:平日の間、9のポイントで、180cGyで8回のセッション(1cGy=1ラド)、2回のバーストで、8秒で1回、5秒で1回;180cGyで8セッション、12秒と9秒にバースト;180cGyで9セッション、右2区分に14秒および10秒のバースト、その後左区分に12秒および9秒のバーストを行い、200cGyで16セッション、2回連続して80秒間完全に周縁を通過させ、1回おきのセッションで、2回連続して反対方向に全周縁を通過させる。放射線量を変更するのは必ず月曜日であり、その後の毎火曜日に、患者は副作用の査定のために医者の診察を受けた。増加するごとに、処置後約約2時間で3時間嘔気が生じ、あらゆる処置セッション後6時間以内に完全に治癒した。放射線処置と組み合わせて、患者に、75mg、1日3回の用量で本開示の溶解物を投与した。患者は、嘔気、嘔吐、出血などのいかなる他の処置治療も受けていなかった。QOLスケール1~10(最低値が「1」、最良値が「10」)で、患者は最終的な曝露の漸増の開始を通して8を報告した。嘔気は最大の曝露で7より悪くなることがないことを患者が報告しており、処置中における職務において毎日機能し続けた。
【0241】
本開示の溶解物組成物が同時投与される上記薬剤の作用機序の多様性を考慮し、かつ溶解物自体の作用機序を考慮すると、本明細書に開示の溶解物組成物は、適度に外挿させることで、ほとんどの薬剤により、有益な副作用の減少結果がもたらされ得る。例えば、注射可能なa-TNFであるHUMIRA(登録商標)は、溶解物と同時投与されることで、注射部位の刺激の改善をもたらす。添付文書のとおり、この薬物は、直接作用型抗ウイルス薬HARVONI(登録商標)に見られるように関節炎を引き起こすものと同定されている。患者がHARVONI(登録商標)などの配合されたHCV薬と一緒に本開示の溶解物を使用する場合、副作用は処置中に減少し、処置後も持続することがない。
【0242】
本明細書に記載された構成および機能は、例示のみを目的として提示されており、多くの変化形態が考えられることを理解されたい。例えば、要素を追加、省略、結合、配布、並べ替えするか、または別の方法で変更してもよい。したがって、以下の特許請求の範囲は、上記に具体的に例解し記載したもの、概念的に同等であるもの、明白に置換できるもの、および本発明の本質的な考え方を本質的に組み込んだものを含むと理解されたい。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した実施形態の様々な適合および変更を構成できることを理解するであろう。例示された実施形態は、例示の目的のためだけに記載されており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。したがって、添付の特許請求の範囲内において、本発明は本明細書に具体的に記載された以外のものとして実施され得ることを理解されたい。
図1
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図20
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における酸化還元状態を調節するためのtoll様受容体(TLR)アゴニスト組成物であって、
(a)細菌の少なくとも1つの溶解物および/または溶解物画分を含むTLRアゴニストであって、TLR2およびTLR4を活性化させるTLRアゴニストと、
(b)任意選択で、前記組成物の吸収を増大するためのプロモーターと、
(c)任意選択で、前記組成物の容積を増加させるための担体と、
を含み、
前記対象への前記組成物の有効量の投与が、前記対象における酸化ストレスレベルを測定可能に低下させる、
組成物。
【請求項2】
前記TLRアゴニスト、少なくとももう1つのTLRを活性化させるか、Nod様受容体(NLRを活性化させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
記細菌が、ラクトバチルス科の細菌、ストレプトコッカス科の細菌、ビフィドバクテリウム科の細菌、バチルス科の細菌、シュードモナス属の細菌、クレブシエラ属の細菌、キサントモナス属の細菌、赤痢菌属の細菌、およびエンテロバクター属の細菌からなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項4】
記細菌が、バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシラクトバチルス・ヘルベティカス、クレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリス、およびシュードモナス・フルオレッセンスからなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項5】
前記TLRまたはNLR、TLR3、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、NOD1およびNOD2からなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
前記プロモーターが、アミノ酸、アミノ糖および糖からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記担体が、結合剤、ガムベース、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ガムベースが、少なくとも1つの疎水性ポリマーおよび少なくとも1つの親水性ポリマーを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項9】
前記結合剤が、糖、糖アルコール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
前記糖アルコールが、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、舐剤、チューインガム、チュアブル錠、キャンディ剤、および溶解錠剤からなる群から選択される剤形として製造される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記剤形が、前記アゴニストを口腔粘膜に送達させる、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記口腔粘膜が、舌下粘膜、頬粘膜、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、医薬剤と組み合わされて、前記医薬剤の活性を増強するために投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、医薬剤と組み合わされて、前記医薬剤の副作用を低減するように投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記医薬剤の前記副作用が、酸化ストレスである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
組成物であって、
(a)TLR2およびTLR4を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、
(b)任意選択で、前記組成物の吸収を増大するためのプロモーターと、
(c)任意選択で、前記組成物の容積を増加させるための担体と、
を含む、組成物。
【請求項18】
請求項16に記載の組成物を含む医薬製剤であって、頬側または舌下投与のために製剤化されてい、医薬製剤。
【請求項19】
前記医薬製剤が、投与後1分以上で溶解するように製剤化されている、請求項18に記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記細菌溶解物および/または溶解物画分が、乳酸桿菌科細菌溶解物および/もしくは溶解物画分、ストレプトコッカス細菌溶解物および/もしくは溶解物画分、ビフィドバクテリウム細菌溶解物および/もしくは溶解物画分、バチルス細菌溶解物および/もしくは溶解物画分シュードモナス細菌溶解物もしくは溶解物画分、クレブシエラ細菌溶解物もしくは溶解物画分、キサントモナス細菌溶解物もしくは溶解物画分、赤痢菌細菌溶解物もしくは溶解物画分、ならびにエンテロバクター細菌溶解物もしくは溶解物画分からなる群から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
前記細菌溶解物および/または溶解物画分は、バチルス・コアグランス、ラクトバチルス・スポロゲネス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種アニマリス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリッキィ、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトコッカス・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス亜種ラクチス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ペディオコッカス・アシディラクティシラクトバチルス・ヘルベティカスクレブシエラ・オキシトカ、フレクスナー赤痢菌、キサントモナス・カンペストリス、およびシュードモナス・フルオレッセンスからなる群から選択される細菌から得られる、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
a)溶解物組成物であって、
(i)TLR2およびTLR4を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分と、
(ii)任意選択で、前記組成物の吸収を増大するためのプロモーターと、
(iii)任意選択で、前記組成物の容積を増加させるための担体と、
を含む溶解組成物と
(b)1つ以上の医薬剤と
の組み合わせを含む医薬製剤。
【請求項23】
前記1つ以上の医薬剤が、
鎮痙剤、運動刺激薬、H2受容体アンタゴニスト、抗ムスカリン薬;キレート剤、プロスタグランジン類似体、アミノサリチル酸塩、コルチコステロイド、免疫応答に影響する薬物、刺激性下剤、胆汁組成および流れに影響する薬物、胆汁酸封鎖剤、ドーパミンアンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤、オピオイド、オピオイド受容体アンタゴニスト、鎮痛剤、睡眠剤、強心配糖体、ホスホジエステラーゼ阻害剤、チアジド、利尿剤、カリウム保持性利尿剤、アルドステロンアンタゴニスト、浸透圧性利尿剤、不整脈のための薬物、βアドレナリン受容体遮断薬、高血圧薬、レニン-アンギオテンシン系に影響を及ぼす薬物、硝酸塩、カルシウムブロッカー、抗狭心症薬、末梢血管拡張剤、交感神経興奮剤、抗凝固剤、プロタミン、抗血小板薬、フィブリン溶解薬、抗線維素溶解薬、脂質調節薬、ω3脂肪酸化合物、CNS薬、抗感染薬またはベンゾトロン、プロシクリジン、ビペリデン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、エンタカポン、トルカポン、セレギリン、プラミペキソール、ブデソニド、フォルモテロール、クエチアピンフマレート、オランザピン、ピオグリタゾン、モンテルカスト、ゾレドロン酸(ZoledromicAcid)、バルサルタン、ラタノプロスト、イルベサルタン、クロピドグレル、アトモキセチン、デキサムフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、アポモルヒネ、ベタメタゾン、コルチゾン、デフラザコート、デキサメトゾン(Dexamethosone)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、シクロスポリン、シロリムス、タクロリムス、インターフェロンα、およびインターフェロンβからなる群から選択される別の薬剤
からなる群から選択される請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項24】
前記1つ以上の医薬剤が、
アトロピン硫酸塩、塩酸ジシクロベリン、ヒヨスシンブチルブロミド、臭化プロパンテリン、クエン酸アルベリン、塩酸メベベリンからなる群から選択される鎮痙薬;
メトクロプラミド(metoclorpramide)およびドンペリドンからなる群から選択される運動刺激剤;
シメチジン、ファモチジネニザチジン、およびラニチジンからなる群から選択されるH2-受容体アンタゴニスト;
抗ムスカリン;
二クエン酸ビスマス三カリウムおよびスクラルファートからなる群から選択されるキレート;
プロスタグランジン類似体;
バルサジドナトリウム、メサラジン、オルサラジン、およびスルファサラジンからなる群から選択されるアミノサリチル酸塩;
ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデノシド、ヒドロコルチゾンおよびプレドニゾロンからなる群から選択されるコルチコステロイド;シクロスポリン、メルカプトプリン、メトトレキセート、アダリムマブ、およびインフリキシマブからなる群から選択される免疫系に影響を及ぼす薬物;
ビサコジル、ダントロン、ドキュセート、およびピコスルファートナトリウムからなる群から選択される刺激性下剤;
胆汁組成および流れに影響する薬物;
コレスチラミン、オキシフェンサイクリミン、カミロフィン、メベベリン、トリメブチン、ロシベリン、ジシクロベリン、ジヘキシベリン、ジフェメリン、ピペリドレート、ベンジロン、メペンゾレート、ピペンゾラート、グリコピロニウム、オキシフェノニウム、ペンチエナート、メタンテリン、プロパンテリン、臭化オチロニウム、トリジヘキセチル、イソプロパミド、ヘキソサイクリウム、ポルジン、ベボニウム、ジフェマニル、ヨウ化チエモニウム、臭化プリフィニウム、臭化チメピジウム、フェンピベリニウム、パパベリン、ドロタベリン、モキサベリン、5-HT3アンタゴニスト、5-HT4アゴニスト、フェンピプラン、ジイソプロミン、クロルベンゾキサミン、ピナベリウム、フェノベリン、イダンプラミン、プロキサゾール、アルベリン、トレピブトン、イソメテプテン、カロベリン、フロログルシノール、シリコーン、トリメチルジフェニルプロピルアミン、アトロピン、ヒヨスチアミン、スコポラミン、ブチルスコポラミン、メチルスコポラミン、メチルアトロピン、フェントニウム、臭化シメトロピウム、および主にドーパミン遮断薬からなる群から選択される胆汁酸金属イオン封鎖剤;
オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾールナトリウムからなる群から選択されるプロトンポンプ阻害剤;
オピオイドおよびオピオイド受容体アンタゴニスト;
アセトアミノフェン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナマート、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、セレコキシブ、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、およびトラマドールからなる群から選択される鎮痛薬;
ニトラゼパム、フルラゼパム、ロプラゾラム、ロルメタゼパム、テマゼパム、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、抱水クロラール、トリクロホス、クロメチアゾール、クアゼパム、トリアゾラム、エスタゾラム、クロナゼパム、アルプラゾラム、エスゾピクロン、ロゼレム、トラゾドン、アミトリプチリン、ドキセピン、ベンゾジアゼピン薬、メラトニン、ジフェンヒドラミン、およびハーブ療法からなる群から選択される睡眠薬;
ジゴキシンおよびジギトキシンからなる群から選択される強心配糖子、
エノキシモンおよびミルリノンからなる群から選択されるホスホジエステラーゼ阻害剤、
ベンドロフルメチアジド、クロルタリドン、シクロペンチアジド、イナパミド、メトラゾン、およびキサミドからなる群から選択されるチアジドおよびチアジド関連利尿薬;
フロセミド、ブメタニド、およびトラスセミドからなる群から選択される利尿剤;
塩酸アミロライド、トリアムテレン、ウエプレレノン(weplerenone)、およびスピロノラクトンからなる群から選択されるカリウム保持性利尿薬およびアルドステロンアンタゴニスト;
浸透圧性利尿薬;
アデノシン、アミオダロン塩酸塩、ジソピラミド、フレカイニド酢酸塩、プロパフェノン塩酸塩、およびリドカイン塩酸塩からなる群から選択される不整脈のための薬物、
プロパナロール(propanalol)、アテノロール、アセブトロール、ビスプロールフマル酸塩(bisprolol fumarate)、カルベジロール、セリプロロール、エスモロール、レバトロール、メトプロロール酒石酸塩、ナドロール、ネビボロール、オキシプレノロール、ピンドロール、ソラトール、およびチモロールからなる群から選択されるβアドレナリン受容体遮断薬;
アンブリセンタン、ボセンタン、ジアゾキシド、ヒドララジン、イロプロスト、ミノキシジル、シルデナフィル、シタキセンタン、ニトロプルシドナトリウム、クロニジン、メチルドパ、モキソニジン、グアネチジンモノ硫酸塩、ドキサゾシン、インドラミン、プラゾシン、テラゾシン、フェノキシベンザミン、およびメシル酸フェントラミンからなる群から選択される高血圧薬;
カプトプリル、シラザプリル、エナラプリルマレイン酸塩、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリルエルブミン、キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル、カンデサルタンシレキセチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタンメドキソミル、テルミサルタン、バルサルタン、およびアリスキレンからなる群から選択されるレニンアンギオテンシン系影響を及ぼす薬物;
ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、アムロジピン、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ベラパミル、イバプラジン、ニコランジル、およびラノラジンからなる群から選択される硝酸塩、カルシウムチャネル遮断薬、および抗狭心症薬;
シロスタゾール、ニコチン酸イノシトール、モキシシリト、ナフチドロフリル・シュウ酸エステル、およびペントキシフィリンからなる群から選択される末梢血管拡張薬、および関連薬;
ドーパミン、ドペキサミン、エフェドリン、メタラミノール、酒石酸ノルアドレナリン酸、酒石酸水素ノルエフィドリン(Noradrenaline Bitartrate)、および、フェニレフリンからなる群から選択される交感神経興奮剤;
ヘパリン、ベミパリン、ダルテパリン、エノキサパリン、チンザパリン、ダナパロイド、ビバリルジン、レピルジン、エポプロステロール、フォンダプリヌクス(Fondaprinux)、ワルファリン、アセノクマロール、フェニンジオン、ダビガトランエテキシラート、リバーロキサバン、およびプロタミン硫酸塩からなる群から選択される抗凝固剤およびプロタミン;
アブシキシマブ、アスピリン、クロピドグレル、ジピリダモール、エプチフィバチド、プラスグレル、およびチロフィバンからなる群から選択される抗血小板剤;
アルテプラーゼ、レテプラーゼ、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、ウロキナーゼ、エタンシラート、およびトラネキサム酸からなる群から選択される線維素溶解、および抗線維素溶解性薬;
アトルバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、コレセベラム(Colesevam)、コレスチラミン、コレスチポール、エゼチミブ、ベザフィブラート、シプロフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、アシピモックス、ニコチン酸、ω-3脂肪酸、オレイン酸エタノールアミン、およびテトラデシル硫酸ナトリウムからなる群から選択される脂質調節薬;
ベンペリドール、クロルプロマジン、フルペンチキソール、ハロペリドール、レボメプロマジン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、スルピリド、トリフロペラジン、ズクロペンチキソール、アミスルピリド、アリピプラゾール、クロザピン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リペリドン(Riperidone)、セルチンドール、ゾテピン、フルペンチキソール、フルフェナジン、エンボ酸オランザピン(パモ酸オランザピン)、パルミチン酸ピポチアジン、リスペリドン、ズクロペンチキソールデカノアート、カルバマゼピン、バルプロアート、バルプロ酸、炭酸リチウム、クエン酸リチウム、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドスレピン、イミプラミン、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、トリミプラミン、ミアンセリン、トラゾドン、フェネルジン、イソカルボキサジド、トラニルシプロミン、モクロベミド、シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、アゴメラチン、デュロキセチン、フルペンチキソール、ミルタザピン、レボキセチン、トリトファン(Trytophan)、ベンフラァキシン( Venflaxine)、アトモキセチン、デキサメタミン(Dexametamine)、メチルフェニデート、モダフィニル、エスリカルバゼピン、オカルバゼピン(Ocarbazepene)、エトサクシミド、ガバペンチン、プレガバリン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、フェノバルビタール、プリミドン、フェニトイン、ルフィナミド、チアガビン、トピラマート、ビガバトリン、ゾニサミド、ロピニロール、ロチゴチン、コベネルドーパ(Co-Beneldopa)、レボドパ、コカレルドーパ(Co-Careldopa)、ラサギリン、セレギリン、エンタカポン、トルカポン、アマンチジン(Amantidine)、オルフェナドリン、プロシクリジン、トリヘキシフェニジル、ハロペリドール、ピラセタム、リルゾール、テトラベナジン、アカンプロサート、ジスルフィラム、ブプロピオン、バレニシリン(Vareniciline)、ブプレノルフィン、ロフェキシジン、ドネペジル、ガランタミン、メマンチン、および、リバスチジミンからなる群から選択されるCNS薬;
ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、フルクロキサシリン、テモシリン、アモキシシリン、アンピシリン、コアモキシクラブ、コフルアンピシル(Co-Fluampicil)、ピペラシリン、チカルシリン、ピブメシリナム、セファロスポリン、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セフィキシム、セホタキシム、セフラジン、セフタジジム、セフロキシム、エルタペネム、イミペネム、メロペネム、アズトレオナム、テトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドクソサイクリン(Doxocycline)、リメサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、チゲサイクリン(Tigecycline)、ゲンタマイシン、アミカシン、ネオマイシン、トブラマイシン、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、フシジン酸、バンコマイシン、テイコプラニン、ダプトマイシン、リネゾリド、キヌプリスチン、コリスチン、コ・トリモキサゾール、スルパジアジン(Sulpadiazine)、トリメトプリム、カプレオマイシン、サイクロセリン、エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファブチン、リファンピシン、ストレプトマイシン、ダプソン、クロファジミン、メトロニダゾール、チニダゾール、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフラキセチン(Norflaxine)、オルフラキサシン(Orflaxacin)、ニトロフラントイン、馬尿酸メテナミン、アムホテリシン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン(Griseofluvin)、イトラコンゾール(Itraconzole)、ケトコナゾール、ミカファンギン、ニスタチン、ポサコナゾール、テルビナフィン、ボリコナゾール、アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノホビルジソプロキシル、ジドブジン、アタザナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナイル(Lopinair)、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、チプラナビル、エファビレンツ、エトラビリン、ネバラピン(Nevarapine)、エンフュービルタイド、マラビロク、ラルテグラビル、アシクロビル、ファムシクロビル、イノシンプラノベクス、バラシクロビル、シドフォビル、ガングシクロビル(Gangciclovir)、ホスカルネット、バルガングシクロビル(Valgangciclovir)、アデフォビル・ジピボキシル、エンテカビル、テルビブジン、アマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、パリビズマブ(Palivizumab)、リバビリン、アルテメテル、クロロキン、メフロキン、プリマキン、プログアニル、ピリメタミン、キニーネ、ドキシサイクリン、フロ酸ジロキサニド、メトロニダジオール(Metronidaziole)、チニダゾール、メパクリン、スチボグルコネートナトリウム、アトバクオン、イセチオン酸ペンタミジン、メベンダゾール、およびピペラジンからなる群から選択される抗感染症薬;ならびに
ベンゾトロン、プロシクリジン、ビペリデン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、エンタカポン、トルカポン、セレギリン、プラミペキソール、ブデソニド、フォルモテロール、クエチアピンフマレート、オランザピン、ピオグリタゾン、モンテルカスト、ゾレドロン酸(ZoledromicAcid)、バルサルタン、ラタノプロスト、イルベサルタン、クロピドグレル、アトモキセチン、デキサムフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、フルダラビン、フロウロウラシル(Flourouracil)、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニン、アポモルヒネ、ベタメタゾン、コルチゾン、デフラザコート、デキサメトゾン(Dexamethosone)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、シクロスポリン、シロリムス、タクロリムス、インターフェロンα、およびインターフェロンβからなる群から選択される他の薬、
からなる群から選択される、請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項25】
a)溶解物組成物であって、
(i)TLR2およびTLR4を活性化させることができる細菌溶解物および/または溶解物画分
(ii)任意選択で、前記組成物の吸収を増大するためのプロモーター
(iii)任意選択で、前記組成物の容積を増加させるための担
を含む溶解物組成物と
(b)単離されたヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片またはTNF阻害剤と
を含む、製剤。
【請求項26】
前記ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合断片が、アダリムマブである、請求項25に記載の製剤。