(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118312
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】蒸着装置
(51)【国際特許分類】
C23C 14/24 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
C23C14/24 T
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021203
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】300075751
【氏名又は名称】株式会社オプトラン
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】隈部 和哉
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029CA01
4K029DB11
4K029DB18
4K029DB21
4K029EA07
4K029HA01
4K029JA03
(57)【要約】
【課題】 装置を大型化せずに蒸着材料の基板への入射角を一定にするための蒸着装置を提供する。
【解決手段】 蒸着材料を蒸発させる蒸発源と、前記蒸発源から離隔し少なくとも1つの基板を保持する基板保持体と、前記蒸発源と前記基板保持体との間に位置する少なくとも1つのコリメータであって、一のコリメータが、前記基板保持体に保持された一の基板に対応して配置される、少なくとも1つのコリメータと、を備える。また、前記基板保持体と前記コリメータ保持体との間に位置し、少なくとも1つの膜厚調整体を保持する膜厚調整体保持体であって、一の膜厚調整体が、前記一の基板と前記一のコリメータとに対応付けられた膜厚調整体保持体を、さらに備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸着材料を蒸発させる蒸発源と、
前記蒸発源から離隔し少なくとも1つの基板を保持する基板保持体と、
前記蒸発源と前記基板保持体との間に位置する少なくとも1つのコリメータであって、一のコリメータが、前記基板保持体に保持された一の基板に対応して配置される、少なくとも1つのコリメータと、を備える蒸着装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコリメータが配置されるコリメータ開口を有するコリメータ保持体をさらに備え、
前記基板は円板状の形状を有し、前記コリメータ開口は円板状の形状を有し、
前記一の基板は、一のコリメータ開口と同心に位置付けられる、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項3】
前記一の基板の中心と、前記一のコリメータの中心とを結ぶ直線が、前記蒸発源に達する、請求項1又は2に記載の蒸着装置。
【請求項4】
前記基板保持体は、回転可能であり、
前記コリメータ保持体は、前記基板保持体と一体となって、回転可能である、請求項2又は3に記載の蒸着装置。
【請求項5】
前記蒸発源から放出された蒸発物質が前記コリメータ開口において拡がる最大入射角が、前記コリメータを通過した前記蒸発物質が前記基板において拡がる最大入射角より大きい、請求項1~4に記載された蒸着装置。
【請求項6】
前記基板保持体と前記コリメータ保持体との間に位置し、少なくとも1つの膜厚調整体を保持する膜厚調整体保持体であって、一の膜厚調整体が、前記一の基板と前記一のコリメータとに対応付けられた膜厚調整体保持体を、さらに備える請求項2~5に記載の蒸着装置。
【請求項7】
前記膜厚調整体が前記コリメータと一体に形成された、請求項6に記載の蒸着装置。
【請求項8】
前記基板保持体は、自転と公転が同時に可能である、請求項1~7に記載の蒸着装置。
【請求項9】
前記コリメータ保持体は、前記基板保持体と一体となって、自公転可能である、請求項2~8に記載の蒸着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着材料の基板への入射角を一定にするためのコリメータを有する蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蒸着材料を基板へ付着させて成膜を行う蒸着装置が知られている。蒸着装置では、蒸着材料の基板への入射角を一定に保つことで、基板上に均一に成膜を行うことができる。
この入射角を一定に保つためには、基板と蒸着材料を収容する蒸着源の距離を所定の距 離に離すことが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、次第に基板のサイズが大きくなってきている。このため、蒸着装置がどんどんと大型化してしまうという問題点があった。蒸着装置が大型化してしまうと、装置の面積が多くなってしまい、限られた場所にしか設置できないという問題が生じる。また、装置が大型化すると成膜の条件の調整が小型の装置に比べて難しいという問題点もある。さらに、装置が大型化すると、装置の価格も跳ね上がるという問題点もある。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものである。その目的は、装置を大型化せずに蒸着材料の基板への入射角を一定にするための蒸着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による蒸着装置の特徴は、
蒸着材料を蒸発させる蒸発源と、
前記蒸発源から離隔し少なくとも1つの基板を保持する基板保持体と、
前記蒸発源と前記基板保持体との間に位置する少なくとも1つのコリメータであって、一のコリメータが、前記基板保持体に保持された一の基板に対応して配置される、少なくとも1つのコリメータと、を備えることである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置を大型化せずに蒸着材料の基板への入射角を一定にできる。その結果、基板に均一は成膜を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の一形態による蒸着装置の全体図である。
【
図2】
図1の蒸着装置の基板保持体の開口部とコリメータの開口部についての図である。
【
図3】
図1のコリメータの動作を説明する図である。
【
図4】
図1の蒸着装置の基板保持体の最大入射角とコリメータの最大入射角についての図である。
【
図5】隣り合うコリメータの間隔と基板の大きさとの関係を示す概略図である。
【
図6】本実施の他の形態による蒸着装置の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
【0010】
<<第1の態様>>
第1の態様によれば、
蒸着材料を蒸発させる蒸発源と、
前記蒸発源から離隔し少なくとも1つの基板を保持する基板保持体と、
前記蒸発源と前記基板保持体との間に位置する少なくとも1つのコリメータであって、一のコリメータが、前記基板保持体に保持された一の基板に対応して配置される、少なくとも1つのコリメータと、を備える蒸着装置が提供される。
【0011】
<<第2の態様>>
第2の態様は、第1の態様において、
前記少なくとも1つのコリメータが配置されるコリメータ開口を有するコリメータ保持体をさらに備え、
前記基板は円板状の形状を有し、前記コリメータ開口 は円板状の形状を有し、
前記一の基板は、一のコリメータ開口 と同心に位置付けられる。
【0012】
<<第3の態様>>
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様において、
前記一の基板の中心と、前記一のコリメータの中心とを結ぶ直線が、前記蒸発源に達する。
【0013】
<<第4の態様>>
第4の態様は、第2の態様又は第3の態様において、
前記基板保持体は、回転可能であり、
前記コリメータ保持体は、前記基板保持体と一体となって、回転可能である。
【0014】
<<第5の態様>>
第5の態様は、第1の態様ないし第4の態様において、
前記蒸発源から放出された蒸発物質が前記コリメータ開口において拡がる最大入射角が、前記コリメータを通過した前記蒸発物質が前記基板において拡がる最大入射角より大きい。
【0015】
<<第6の態様>>
第6の態様は、第2の態様ないし第5の態様において、
前記基板保持体と前記コリメータ保持体との間に位置し、少なくとも1つの膜厚調整体を保持する膜厚調整体保持体であって、一の膜厚調整体が、前記一の基板と前記一のコリメータとに対応付けられた膜厚調整体保持体を、さらに備える。
【0016】
<<第7の態様>>
第7の態様は、第6の態様において、
前記膜厚調整体が前記コリメータと一体に形成されている。
【0017】
<<第8の態様>>
第8の態様は、第1の態様ないし第7の態様において、
前記基板保持体は、自転と公転が同時に可能である。
【0018】
<<第9の態様>>
第9の態様は、第2の態様ないし第8の態様において、
前記コリメータ保持体は、前記基板保持体と一体となって、自公転可能である。
【0019】
<<<<<本実施の形態の詳細>>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の一形態による蒸着装置の全体図である。
図2は、
図1の蒸着装置の基板保持体の開口部とコリメータの開口部についての図である。
図3は、
図1のコリメータの動作を説明する図である。
図4は、
図1の蒸着装置の基板保持体の立体角とコリメータの立体角についての図である。
図5は、隣り合うコリメータの間隔と基板の大きさとの関係を示す概略図である。
【0020】
<<<<蒸着装置10>>>>
蒸着装置10は、蒸発源100と、基板保持体200と、コリメータ保持体300と、膜厚調整体保持体400と、を有する。蒸発源100と、基板保持体200と、コリメータ保持体300と、膜厚調整体保持体400とは、真空チャンバー20内に収容される。
【0021】
<<<真空チャンバー20>>>
真空チャンバー20内には、高さ方向に沿って、下から順に、蒸発源100と、基板保持体200と、コリメータ保持体300と、膜厚調整体保持体400とが配置されている。真空チャンバー20は、蒸発源100と基板保持体200との間隔より長い高さを有する。
【0022】
真空チャンバー20は、排気孔を有する。真空チャンバー20には、真空ポンプ(図示せず)が接続されている。真空チャンバー20の内部を所望する真空度にすることができる。
【0023】
真空チャンバー20は、ヒーターを有する。基板保持体200に設置された基板SBを加熱することができる。真空チャンバー20は、各種のセンサを有する。センサによって、真空度や温度を制御することができる。
【0024】
<<<蒸発源100>>>
蒸発源100は、真空チャンバー20の下部に配置されている。
【0025】
蒸発源100は、坩堝(図示せず)と、フィラメント(図示せず)と、バイアス電源(図示せず)とを有する。フィラメント及びバイアス電源は、坩堝の近傍に配置されている。坩堝には、蒸着材料が貯留されている。
【0026】
電子ビームは、フィラメント及びバイアス電源により発せられる。発せられた電子ビームは、坩堝内の蒸着材料を照射して加熱する。加熱された蒸着材料は、蒸発物質として発せられる。蒸発物質は、蒸発源100から真空チャンバー20内に広がる。基板SBに向かった蒸発物質は、基板SBに付着する。
【0027】
<<蒸発材料>>
蒸発材料は、例えば、Si、Ti、Ni、Al、Cu、Au、Ag、Pt、Mo、Ru、Snやその化合物などがある。蒸発材料は、これに限られず、所望するものにすることができる。蒸発材料の種類に応じて、蒸発源100の蒸発条件を定めればよい。
【0028】
<<<基板保持体200>>>
基板保持体200は、複数の基板SBを保持する。基板保持体200は、複数の基板SBを同時に蒸着処理できる。基板保持体200は、チャンバー上部に配置される。基板保持体200は、蒸発源100から約1200mm程度に離隔して配置される。蒸発源100との距離は、基板の大きさに応じて適宜に定めることができる。
【0029】
基板保持体200は、湾曲した形状を有する。基板保持体200は、おおよそ、椀状、鉢状、ボウル状の形状を有する。基板保持体200は、球面(球殻)の一部の形状を有する基板保持体200は、平面視で円状の形状を有する。基板保持体200は、蒸発源100を中心とした曲率半径が略一定となる形状を有する。
【0030】
基板保持体200の大きさは、同時に蒸着したい基板SBの大きさや数に応じて適宜に定めることができる。
【0031】
基板保持体200の材質や特性は、真空状態や加熱状態で構成物質を発しにくく、耐熱性を有するものであればよい。例えば、Ti、ステンレス、Al等がある。
【0032】
<基板SB>
基板SBは、蒸着物質が付着される蒸着処理の対象物である。例えば、基板SBは、薄い円板状の形状を有する。基板SBの円状の表面に蒸着物質が付着される。基板SBは、薄い円板状の形状に限られず、他の形状でもよい。
【0033】
基板SBは、所望の大きさを有する。例えば、直径が2インチ、4インチ、8インチなどにすることができる。
【0034】
基板SBは、蒸発物質の種類に応じた材質からなる。例えば、基板SBは、LT、LN、Si、SiO2などから構成される。
【0035】
<<基板用開口部210>>
基板保持体200は、基板用開口部210を有する。基板保持体200は、複数の基板用開口部210を有する。基板用開口部210の数は、所望する数にすることができる。複数の基板用開口部210は、同心状にかつ円周に沿って形成されている(
図2参照)。
【0036】
基板用開口部210は、蒸発源100に向かって開口する。基板用開口部210は、基板SBに応じた形状を有する。基板用開口部210は、例えば、円形を有する。基板用開口部210は、基板SBに応じた大きさを有する。例えば、基板SBよりも若干小さい大きさを有する。
【0037】
<保持段差部(図示せず)>
基板用開口部210は、保持段差部を有する。保持段差部は、基板SBの端部(周辺部)を支持する。保持段差部による支持によって、基板用開口部210に基板SBを配置することができる。基板用開口部210を覆うように基板SBが配置される。基板SBは、基板用開口部210を介して蒸発源100と対向する。
【0038】
<<駆動モータ220>>
基板保持体200は、駆動モータ220を有する。基板保持体200の中心部に回転シャフト(図示せず)が取り付けられ、回転シャフトに駆動モータ220の駆動力が伝えられる。駆動モータ220は、コリメータ保持体300とともに基板保持体200を回転させる。駆動モータ220は、制御部(図示せず)によって回転方向や回転速度などが制御される。
【0039】
さらに、基板保持体200は、駆動モータ220の駆動力を基板SBに伝えて基板SBを自転及び公転させる駆動機構を有する。
【0040】
<<固定部材230>>
基板保持体200は、固定部材230を有する。固定部材230は、コリメータ保持体300を基板保持体200に対して一定の位置に固定する。コリメータ保持体300は、基板保持体200とともに回転することができる。
【0041】
<<<コリメータ保持体300>>>
コリメータ保持体300は、複数のコリメータ320を保持する。コリメータ保持体300は、蒸発源100と基板保持体200との間に配置される。コリメータ保持体300と基板保持体200との距離や、コリメータ保持体300と蒸発源100との距離は、適宜に定めることができる。
【0042】
コリメータ保持体300は、湾曲した形状を有する。コリメータ保持体300は、おおよそ、椀状、鉢状、ボウル状の形状を有する。コリメータ保持体300は、球面(球殻)の一部の形状を有する。コリメータ保持体300は、平面視で円状の形状を有する。コリメータ保持体300は、蒸発源100を中心とした曲率半径が略一定となる形状を有する。
【0043】
コリメータ保持体300は、基板保持体200よりも小さい。コリメータ保持体300の直径は、基板保持体200の直径よりも短い。
【0044】
コリメータ保持体300の材質や特性は、真空状態や加熱状態で構成物質を発しにくい、耐熱性を有するものであればよい。例えば、Ti、SUS、AL等がある。
【0045】
コリメータ保持体300は、基板保持体200と一体に構成されても、別体に構成されてもよい。コリメータ保持体300が別体に構成された場合には、コリメータ保持体300は、基板保持体200の動作と連動するようにしても、基板保持体200と独立して動作するようにしてもよい。
【0046】
<<コリメータ用開口部310>>
コリメータ保持体300は、コリメータ用開口部310を有する。コリメータ用開口部310は、コリメータ320を一定の位置に固定する。コリメータ用開口部310は、コリメータ320の輪郭に応じた形状を有する。
【0047】
コリメータ320のコリメータ用開口部310への取り付けは、ネジ止めなど真空状態や加熱状態で緩んだり外れたりしないものならばよい。コリメータ320は、コリメータ用開口部310に対して着脱可能であるのが好ましい。着脱可能にすることで、コリメータ320の交換など、メンテナンスなどを簡便にできる。
【0048】
基板保持体200の一の基板用開口部210に一のコリメータ用開口部310が対応するように、配置される。基板保持体200の一の基板用開口部210と一のコリメータ用開口部310とは、蒸発源100を中心とする一の半径が共通する。
【0049】
<<コリメータ320>>
コリメータ320は、コリメータ用開口部310に取り付けられる。コリメータ320は、蒸着材料の進行方向を調整する。コリメータ320は、方向調整用のフィルタとして機能する。具体的には、一のコリメータ320に対応する一の基板SB(一の基板用開口部210)に向かうように、一のコリメータ320を通過する蒸着材料の移動方向を調整する。
【0050】
コリメータ320は、例えば、複数の筒部322を有する。複数の筒部322は、同じ形状を有する。筒部322は、長尺な形状を有する。複数の筒部322は、互いに長手方向(軸方向)が平行に配置される。隣り合う筒部322が、互いに密接して配置される。複数の筒部322の全体によって、コリメータ320は、薄い円板状の形状を有する。
【0051】
筒部322は、第1開口部と第1開口部から長手方向に沿って離隔した第2の開口部とを有する。第1開口部は、蒸発源100に向かって開口する。第2開口部は、基板保持体200の一の基板用開口部210に向かって開口する。
【0052】
コリメータ320は、
図3に示すように、基板SBに向かう蒸着材料のうち、蒸着材料の進行方向が、筒部322の長手方向に対して±数度以内に含まれる蒸着材料のみを通過させる。進行方向が、±数度より大きい蒸着材料は、コリメータ320に付着させる。このようにすることで、基板SBに向かう蒸着材料に指向性をもたせることができる。言い換えれば、コリメータ320は、蒸着材料を選択的に通過させる。
【0053】
コリメータ320を用いることによって、基板SBが、小孔や溝などを有する形状を有する場合でも、小孔や溝の底部まで蒸着材料を到達させることができ、十分な蒸着膜厚を得ることができる。
【0054】
コリメータ320の材料や材質は、真空状態や加熱状態で構成物質を発しにくく、耐熱性を有するものであればよい。また、コリメータ320の材料や材質は、蒸着材料を選択的に通過させることできるものであればよい。例えば、Al、SUS、Ti等がある。
【0055】
図4は、蒸着装置の基板保持体の最大入射角とコリメータの最大入射角についての図である。
【0056】
蒸発源100から放出された蒸発物質がコリメータ用開口部310において拡がる最大入射角が、コリメータ320を通過した蒸発物質が基板SBにおいて拡がる最大入射角より大きい。
【0057】
コリメータ320を介した蒸着材料を基板SBに十分に拡げて付着させることができ、膜厚を均一に近づけて蒸着材料を付着させることができる。
【0058】
<<コリメータ320の間隔と基板SBのサイズとの関係>>
図5は、隣り合うコリメータ320の間隔と基板SBの大きさとの関係を示す概略図である。隣り合うコリメータ320の最短の間隔CLは、基板SBの大きさSL(例えば、基板SBの直径など)と同じ長さであるか、基板SBの大きさSLよりも長いのが好ましい。
【0059】
蒸着材料を基板SBに不要に付着させることを防止でき、膜厚を均一に近づけて蒸着材料を付着させることができる。
【0060】
<<<膜厚調整体保持体400>>>
図6は、本実施の他の形態による蒸着装置の全体図である。
膜厚調整体保持体400を設けることができる。
膜厚調整体保持体400は、コリメータ保持体300と基板保持体200との間に配置される。
【0061】
<<膜厚調整体410>>
膜厚調整体保持体400は、膜厚調整体410を有する。膜厚調整体保持体400は、可動でも固定でもよい。
【0062】
コリメータ320及び膜厚調整体410は固定されている。遊星子にコリメータ320及び膜厚調整体410を一体化させてもよい。
【0063】
コリメータ320は、膜厚の分布を制御することができるのに対し、膜厚調整体410は、成膜速度分布を制御することができる。
【0064】
<<<<実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本実施の形態を記載した。しかし、この開示の一部をなす記載及び図面は、限定するものと理解すべきでない。ここで記載していない様々な実施の形態等が含まれる。
【符号の説明】
【0065】
10 蒸着装置
100 蒸発源
200 基板保持体
210 基板用開口部
300 コリメータ保持体
310 コリメータ用開口部
320 コリメータ
400 膜厚調整体保持体
410 膜厚調整体
SB 基板