(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118352
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】情報端末、情報処理システムおよび接続方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230818BHJP
H04L 69/324 20220101ALI20230818BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
G06F3/12 336
G06F3/12 305
G06F3/12 331
G06F3/12 385
H04L69/324
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021264
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】海老原 康洋
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機器に固有の識別情報を利用し、通信対象となる機器を容易に特定する情報端末、情報端末と接続機器とを含む情報処理システム及びその接続方法を提供する。
【解決手段】情報端末と、それに接続される画像形成装置(プリンター)を含んで構成される画像形成処理システムにおいて、複数のネットワークを用いて接続の要求を受付可能な機器(例えば画像形成装置)に対し接続を要求する情報端末は、機器の識別情報である第1識別情報を含んで構成される機器情報を取得するための取得要求を、複数のネットワークのいずれかのネットワークを介して機器に送信する取得要求送信手段103と、取得要求によって取得した機器情報を表示する表示手段と、表示手段に表示された機器情報に対し、ユーザーによる選択操作を受け付ける受付手段と、選択された機器情報に対応する機器に対し、接続の要求を送信する接続要求手段105と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークを用いて接続の要求を受付可能な機器に対し接続を要求する情報端末であって、
前記機器の識別情報である第1識別情報を含んで構成される機器情報を取得するための取得要求を、前記複数のネットワークのいずれかのネットワークを介して前記機器に送信する取得要求送信手段と、
前記取得要求によって取得した前記機器情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記機器情報に対し、ユーザーによる選択操作を受け付ける受付手段と、
選択された前記機器情報に対応する機器に対し、接続の要求を送信する接続要求手段と
を備えることを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記機器情報には、前記第1識別情報とデバイス名と接続方法とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記情報端末は、接続可能とする機器の識別情報である第2識別情報を入力する入力手段を有し、
前記取得要求に対して前記機器から送信された前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、一致する場合には前記機器から送信された機器情報を前記表示手段により表示することを特徴とする請求項1または2に記載の情報端末。
【請求項4】
情報端末を、
請求項1または2に記載の情報端末における各手段として動作させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項5】
複数のネットワークを用いて接続の要求を受付可能な機器と、前記機器に対し接続を要求する情報端末を含む情報処理システムであって、
前記機器は、
前記機器の識別情報である第1識別情報を含む機器情報を構成する構成手段
を備え、
前記情報端末は、
前記機器情報を取得するための取得要求を、前記複数のネットワークのいずれかのネットワークを介して前記機器に送信する取得要求送信手段と、
前記取得要求によって取得した前記機器情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記機器情報に対し、ユーザーによる選択操作を受け付ける受付手段と、
選択された前記機器情報に対応する機器に対し、接続の要求を送信する接続要求手段と
を備え、
前記機器の前記構成手段は、前記取得要求が送信されたネットワークの種類に対応する文字列を含み前記機器情報を構成することを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
複数のネットワークを用いて接続の要求を受付可能な機器に対し、情報端末を前記複数のネットワークのいずれかのネットワークを介して接続する接続方法であって、
前記機器の識別情報である第1識別情報を含んで構成される機器情報を取得するための取得要求を、前記複数のネットワークのいずれかのネットワークを介して前記機器に送信する取得要求ステップと、
前記取得要求が送信されたネットワークの種類に対応する文字列を含む前記機器情報を構成する機器情報構成ステップと、
前記取得要求によって取得した前記機器情報を前記情報端末の表示手段に表示する表示ステップと、
前記表示手段に表示された前記機器情報に対し、ユーザーによる選択操作を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けた選択操作によって選択された前記機器情報に対応する機器に対し、接続の要求を送信する送信ステップと
を備えることを特徴とする情報端末と機器との接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、情報端末と接続機器とを含み構成される情報処理システムおよび接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報端末から無線通信で制御できる機器の一例として画像形成装置があり、無線通信として複数の通信媒体に対応しているものも存在する。情報端末がその装置と無線通信を行うためには、装置を特定するためのパラメータが必要となり、そのパラメータは通信媒体によって異なっている。パラメータはWi-Fiの場合にはIPアドレス、ホスト名、Bluetooth(登録商標)の場合にはBDアドレス、デバイス名などがある。そのため、情報端末においては、接続先の装置を特定するためのそれらパラメータを通信媒体別に設定する必要があった。
【0003】
それに対し、特許文献1には、通信媒体ごとにパラメータを用意しつつ、ユーザーに通信媒体を指定させずに通信することを可能にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、複数の通信媒体をユーザーが選択的に使用可能にするという要求があり、その場合には、予め通信媒体ごとに定められたパラメータを利用して事前に接続設定をしておかなければならない、あるいはいずれの接続方法で接続するかに応じて設定を変更しておく必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上を鑑み、本発明に係る情報端末は、
複数のネットワークを用いて接続の要求を受付可能な機器に対し接続を要求する情報端末であって、
前記機器の識別情報である第1識別情報を含んで構成される機器情報を取得するための取得要求を、前記複数のネットワークのいずれかのネットワークを介して前記機器に送信する取得要求送信手段と、
前記取得要求によって取得した前記機器情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記機器情報に対し、ユーザーによる選択操作を受け付ける受付手段と、
選択された前記機器情報に対応する機器に対し、接続の要求を送信する接続要求手段と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機器に固有の識別情報を利用し、通信対象となる機器を容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本発明の実施例に係る情報端末の機能ブロック図
【
図3】本発明の実施例に係る情報端末がプリンターに接続する動作のフローチャート
【
図4】本発明の実施例に係る情報端末のシリアル番号入力画面
【
図5】本発明の実施例に係る情報端末の印刷画面の一例
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
以下、本発明の実施例に係る情報端末と、それに接続される機器の一例としての画像形成装置(プリンター)で構成される処理システムについて、図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
図1には、本実施例に係る情報端末100と、それに接続されるプリンター200を含んで構成される画像形成処理システムの構成図を示している。この図に示すように、本実施形態に係る情報端末100は、アクセスポイント300を介したWi-Fiネットワークによりプリンター200に接続可能であるとともに、Bluetoothネットワークによりプリンター200に直接接続することも可能になっている。換言すると、プリンター200は複数のネットワークを用いた接続の要求を受付可能になっている。なお、Wi-FiやBluetoothは複数のネットワークの一例であり、ネットワーク接続の方式はこれに限られない。
【0011】
図2には、本実施例に係る情報端末の機能ブロック図を示す。なお、
図2に示す各構成は、具体的には、情報端末上で動作する制御プログラム、あるいはその制御プログラムを実行する情報端末の制御部(CPU)などのハードウェアによって実現される。なお、情報端末としては、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどの情報機器が含まれる。
【0012】
識別情報入力手段101は、印刷を行う対象のプリンターとして登録されるプリンター200のシリアル番号(機器識別情報)の入力を受け付ける。識別情報入力手段101で受け付けたシリアル番号は識別情報記録手段102にて保持される。
【0013】
端末検出手段103では、BluetoothもしくはWi-Fi回線上で検出されたプリンターXの情報、具体例としては、Bluetoothであればデバイス名、Wi-Fiであればホスト名であるデバイス情報と、シリアル番号とを取得する。このデバイス情報とシリアル番号とを識別情報判断手段104にて比較し、対象のプリンターか否かを判断する。デバイス情報とシリアル番号が対象のプリンターのものと一致した場合、識別情報判断手段104は、プリンターXが対象のプリンターであると判断し、制御部は、接続要求手段105を用いてプリンターXに接続要求を出力する。
【0014】
次に、本実施例に係る情報端末におけるシリアル番号の入力からプリンターへの接続までを一連の動作とした場合について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0015】
ここで、
図4は対象のプリンターのシリアル番号を入力する画面400の構成を示す図である。
図4においては、画面上部にプリンターの検出設定領域401が設けられている。本実施例においては、接続可能な回線上のすべてのプリンターと接続可能にするモードと、指定したシリアル番号のプリンターのみに接続可能にするモードとが選択的に設定可能に構成されている。以下の説明においては、指定したシリアル番号のプリンター200を使用して印刷を実行する状況を例に挙げて説明する。
【0016】
また、本実施例においては、プリンター200は、予めBluetoothとWi-Fiのいずれの接続方法によって接続が可能であるかが設定されており、設定された接続方法でのみ接続が可能な状態で待機している。換言すると、プリンター200は、Bluetooth 接続での接続のみが可能なBluetoothモードとWi-Fi接続での接続のみが可能なWi-Fiモードのいずれかの状態で待機している。
【0017】
ステップS1にて、印刷を行う対象のプリンターのシリアル番号をユーザーが情報端末100の操作部を用いて入力すると、識別情報入力手段101にてこの入力を受け付け、識別情報記録手段102にて記録する。
【0018】
ステップS2では、端末検出手段103にてBluetoothデバイスの検索を行い、ステップS3で識別情報判断手段104が検出したデバイスのプリンター名(機器情報)の末尾と識別情報記録手段102で記録したシリアル番号が一致するかを判別する。ここで、プリンター200は、そのプリンター名が、デバイス名、接続方法、シリアル番号によって構成されている。具体的には、情報端末100の印刷画面の一例である
図5に示すように、「BP-1234 Bluetooth 02200」などに設定されており、「BP-1234」がデバイス名に、「Bluetooth」などが接続方法に、「02200」がシリアル番号に対応している。一致した場合には、ステップS4で接続要求手段105がプリンター200に対し接続要求することにより、プリンター200と情報端末100の接続が完了する。ステップS2において複数のBluetoothデバイスが検出された場合には、順次ステップS3に進み、ステップS3でNoとなる限り次のデバイスに対する比較を繰り返す。
【0019】
一方、ステップS3で、ステップS2で検出したすべてのBluetoothデバイスのプリンター名の末尾とシリアル番号とが一致しない場合、ステップS5に進み、端末検出手段103にてWi-Fiデバイスの検索を行う。ステップS6では識別情報判断手段104が検出したプリンター名の末尾とシリアル番号とが一致するかを判別する。一致しない場合には接続可能なプリンターが存在しなかったものとして処理を終了する。一致した場合には、ステップS7で接続要求手段105がプリンター200に対し接続要求することにより、プリンター200と情報端末100の接続が完了する。ステップS5において複数のWi-Fiデバイスが検出された場合には、順次ステップS6に進み、ステップS5でNoとなる限り次のデバイスに対する比較を繰り返す。
【0020】
なお、このようなプリンター名を情報端末100が取得するために、プリンター200は、プリンター100からのデバイス検索に対し、プリンター名を返す際に、その時の接続方法を含んで構成されたプリンター名を返すように制御される。すなわち、ステップS3におけるBluetoothデバイスの検索においてはプリンター名に接続方法としてBluetoothを意味する文字列が付与され、ステップS5におけるWi-Fiデバイスの検索においてはプリンター名に接続方法としてWi-Fiを意味する文字列が付与される。
【0021】
これらの処理により、シリアル番号を指定することにより、接続ネットワークに関わらず、通信対象となるプリンターを容易に特定することができる。
【0022】
なお、これらの動作は一例であり、一連の動作ではなく途中で動作が途切れていてもよい。例えば、ステップS1のシリアル番号入力については事前に行っておき、実際にプリンター200を使用する際に、ステップS2以降の動作から開始してもよい。
【0023】
具体的には、
図3のステップS1を、
図4に示した接続するプリンター200のシリアル番号を入力する画面400において、画面上部のプリンターの検出設定領域401に対し、指定したシリアル番号のプリンターのみに接続可能にするモードの選択と、シリアル番号の入力を行うことによって実行する。この処理は、情報端末100のOS上で動作するアプリケーションソフトウェアAPの機能として実行され、
図4はその実行画面の一例とされることが好ましい。
【0024】
その後、印刷したいファイルを指定して、情報端末100のOSの有する機能や上述したアプリケーションソフトウェアとは異なるアプリケーションソフトウェアを利用して印刷するプリンターを指定する際に、情報端末100のOSからのプリント指示をアプリケーションソフトウェアAPが受け付ける。このプリント指示をアプリケーションソフトウェアAPが受け付けたことに基づいて、
図3のステップS2以降の処理を実行し、ステップS4またはステップS7で接続が完了した結果に基づいて、情報端末100のOSに対し、接続されたプリンター200のプリンター名をアプリケーションソフトウェアAPから返すように構成される。
【0025】
図5には、情報端末100のOSがプリンター200からプリンター名を受け付け、それをプリンター指定領域に表示している状態の情報端末100の表示画面の一例を示している。表示画面左上に表示されたプリンター指定領域の最上段から順に、「BP-1234 Bluetooth No.00220」、「BP-1234 Wi-Fi No.00220」、「PDF形式で保存」と表示されており、それぞれ、プリンター名が「BP-1234」、シリアル番号が「00220」であるプリンターに対し、Bluetoothで接続して印刷すること、デバイス名が「BP-1234」、シリアル番号が「00220」であるプリンターに対し、Wi-Fiで接続して印刷すること、ファイルをPDFで保存することを意味するアイコンである。ユーザーは、これらのアイコンから所望のアイコンを選択することによって、対応するプリンターでの印刷もしくはPDFでの保存が可能となる。情報端末100の制御部は、この選択を受け付けることによって、それがプリンターでの印刷動作である場合には、対応するプリンターへ接続要求を出力し、接続されると印刷指示を出力して印刷動作を実行する。このように、デバイス名、接続方法、シリアル番号が付与されたプリンター名を情報端末100が取得することによって、情報端末100のOSの標準的な機能を用いてプリンター200での印刷を行う際に、容易に接続方法の指定をすることが可能となる。
【0026】
なお、
図5は本実施例の他の態様に対応しており、すなわち、
図3に示すフローチャートでは、プリンター200がBluetoothモードとWi-Fiモードのいずれかの状態で待機していることに起因して、ステップS4かステップS7に到達した時点で終了しているが、同時にBluetoothとWi-Fiによる接続が可能なように構成した場合には、ステップS4で接続された状態であっても、ステップS5以降の処理を実行するように変更することが好ましい。
【0027】
この場合、BluetoothでもWi-Fiでもプリンター200に接続された状態となり、上述した情報端末100のOSからのプリント指示に対し、それぞれの接続方法に応じたプリンター名の返答を実行するように構成しているため、
図5の画面においては、接続方法のみが異なる2つのプリンター名に対応した2つのプリンターが存在するように表示されている。従って、ユーザーはこのプリンター名を確認した上で、所望の接続方法が記載された方を選択するだけで、簡易に接続方法を含めたプリンターの指定が可能となる。
【0028】
以上説明した本発明の各実施例は一例であり、これに限られず、種々の変更が可能である。例えば、
図3を用いて説明したフローチャートにおいて、ステップS2でBluetoothデバイスの検索を行ってからステップS5のWi-Fiデバイスの検索を行うようにしたが、順番が逆であってもよい。その場合、Wi-Fiによる接続が優先されることとなり、より高速に通信が可能となる。
【0029】
また、BluetoothとWi-Fiとのいずれか一方で常に先に検索するのではなく、前回の接続履歴を記録しておき、BluetoothかWi-Fiのどちらか直近に接続していたものや接続回数がより多いものを、接続が成功する可能性が高いものとして優先的に先に検索してもよい。
【0030】
また、シリアル番号をユーザーが情報端末100において入力すると説明したが、これに限られず、他の方法によってアプリケーションソフトウェアAPが取得可能なように構成してもよい。
【0031】
また、プリンター名の末尾に含むシリアル番号は一例であり、プリンター200の個体を識別可能な他の機器識別情報であってもよい。
【0032】
以上説明したように、本発明の接続方法によれば、ユーザーは、情報端末において接続する対象であるプリンター200のシリアル番号(機器識別情報)を入力しておけば、情報端末からプリント指示をする際に、接続可能な接続方法で自動的に接続が可能であるとともに、プリンターを指定する際に接続可能な接続方法を容易に確認することができる。
【0033】
また、上記実施例においては画像形成装置について説明したが、これに限られず、携帯端末と接続されてデータの送受信を行う機器であれば、本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
101 識別情報入力手段
102 識別情報記録手段
103 端末検出手段
104 識別情報判断手段
105 接続要求手段