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特開2023-11836コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマークするための技法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011836
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマークするための技法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/523 20060101AFI20230117BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
H04M3/523
H04M11/00 302
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176390
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2021047461の分割
【原出願日】2017-05-23
(31)【優先権主張番号】15/176,899
(32)【優先日】2016-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517083224
【氏名又は名称】アフィニティ, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジア チシティー
(57)【要約】
【課題】コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングするための技法を提供すること。
【解決手段】コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングするための技法が、開示される。一特定の実施形態では、本技法は、コンタクトセンター動作を実施するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と第2のコンタクト-エージェントペアリング方略との間を繰り返すステップと、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定するステップと、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と比較した第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の相対的実績を判定するステップとを含む、コンタクトセンターシステム実績をベンチマーキングするための方法として実現され得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、かつ、前記コンタクトセンターシステムにおいて動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、第1のペアリング方略および第2のペアリング方略を受信することと、
前記コンタクトセンターシステムのスイッチにおいて、前記第1のペアリング方略を使用して前記コンタクトセンターシステムにおける第1の複数のコンタクト-エージェント対話をペアリングし、前記第2のペアリング方略を使用して第2の複数のコンタクト-エージェント対話をペアリングすることと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記第1のペアリング方略から前記第2のペアリング方略への遷移において利用可能な第1の複数のエージェントを決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記決定することに基づいて、前記第2のペアリング方略の実績に対する影響を出力することと
を含む方法。
【請求項2】
前記ペアリングすることは、前記第1のペアリング方略と前記第2のペアリング方略との間を周期的に繰り返すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンタクトセンターは、時間以外の要因に基づいて、前記第1のペアリング方略と前記第2のペアリング方略との間を繰り返す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記第1の複数のエージェントの第1の実績測定値を決定することであって、前記第2のペアリング方略の実績に対する前記影響は、前記第1の複数のエージェントの前記第1の実績測定値にさらに基づいている、こと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の複数のエージェントの前記第1の実績測定値は、平均実績である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記出力することに基づいて、グラフィカルユーザインターフェース上の表示のための報告を生成すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記第1のペアリング方略を使用して、前記コンタクトセンターシステムにおける前記第1の複数のコンタクト-エージェント対話の前記ペアリングの前に利用可能な第2の複数のエージェントを決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記第2の複数のエージェントの第2の実績測定値を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサが、前記第1の実績測定値を前記第2の実績測定値と比較することと
をさらに含み、前記第2のペアリング方略の実績に対する前記影響は、前記第1の実績測定値を前記第2の実績測定値と比較することにさらに基づいている、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
コンタクトセンターシステムに通信可能に結合され、かつ、前記コンタクトセンターシステムにおいて動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサ
を備えるシステムであって、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
第1のペアリング方略および第2のペアリング方略を受信することと、
前記コンタクトセンターシステムのスイッチにおいて、前記第1のペアリング方略を使用して前記コンタクトセンターシステムにおける第1の複数のコンタクト-エージェント対話をペアリングし、前記第2のペアリング方略を使用して第2の複数のコンタクト-エージェント対話をペアリングすることと、
前記第1のペアリング方略から前記第2のペアリング方略への遷移において利用可能な第1の複数のエージェントを決定することと、
前記決定することに基づいて、前記第2のペアリング方略の実績に対する影響を出力することと
を行うようにさらに構成されている、システム。
【請求項9】
前記ペアリングすることは、前記第1のペアリング方略と前記第2のペアリング方略との間を周期的に繰り返すことをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンタクトセンターは、時間以外の要因に基づいて、前記第1のペアリング方略と前記第2のペアリング方略との間を繰り返す、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
前記第1の複数のエージェントの第1の実績測定値を決定することであって、前記第2のペアリング方略の実績に対する前記影響は、前記第1の複数のエージェントの前記第1の実績測定値にさらに基づいている、こと
を行うようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の複数のエージェントの前記第1の実績測定値は、平均実績である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
前記出力することに基づいて、グラフィカルユーザインターフェース上の表示のための報告を生成すること
を行うようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、
前記第1のペアリング方略を使用して、前記コンタクトセンターシステムにおける前記第1の複数のコンタクト-エージェント対話の前記ペアリングの前に利用可能な第2の複数のエージェントを決定することと、
前記第2の複数のエージェントの第2の実績測定値を決定することと、
前記第1の実績測定値を前記第2の実績測定値と比較することと
を行うようにさらに構成され、前記第2のペアリング方略の実績に対する前記影響は、前記第1の実績測定値を前記第2の実績測定値と比較することにさらに基づいている、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
非一過性コンピュータプロセッサ可読媒体であって、前記非一過性コンピュータプロセッサ可読媒体は、前記媒体上に記憶される命令を有し、前記命令は、コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されかつ前記コンタクトセンターシステムにおいて動作するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記媒体から可読であるように構成され、それによって、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、
第1のペアリング方略および第2のペアリング方略を受信することと、
前記コンタクトセンターシステムのスイッチにおいて、前記第1のペアリング方略を使用して前記コンタクトセンターシステムにおける第1の複数のコンタクト-エージェント対話をペアリングし、前記第2のペアリング方略を使用して第2の複数のコンタクト-エージェント対話をペアリングすることと、
前記第1のペアリング方略から前記第2のペアリング方略への遷移において利用可能な第1の複数のエージェントを決定することと、
前記決定することに基づいて、前記第2のペアリング方略の実績に対する影響を出力することと
を行うように動作させる、非一過性コンピュータプロセッサ可読媒体。
【請求項16】
前記ペアリングすることは、前記第1のペアリング方略と前記第2のペアリング方略との間を周期的に繰り返すことをさらに含む、請求項15に記載の非一過性コンピュータプロセッサ可読媒体。
【請求項17】
前記コンタクトセンターは、時間以外の要因に基づいて、前記第1のペアリング方略と前記第2のペアリング方略との間を繰り返す、請求項16に記載の非一過性コンピュータプロセッサ可読媒体。
【請求項18】
前記命令は、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、
前記第1の複数のエージェントの第1の実績測定値を決定することであって、前記第2のペアリング方略の実績に対する前記影響は、前記第1の複数のエージェントの前記第1の実績測定値にさらに基づいている、こと
を行うようにさらに動作させる、請求項15に記載の非一過性コンピュータプロセッサ可読媒体。
【請求項19】
前記第1の複数のエージェントの前記第1の実績測定値は、平均実績である、請求項18に記載の非一過性コンピュータプロセッサ可読媒体。
【請求項20】
前記命令は、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、
前記出力することに基づいて、グラフィカルユーザインターフェース上の表示のための報告を生成すること
を行うようにさらに動作させる、請求項15に記載の非一過性コンピュータプロセッサ可読媒体。
【請求項21】
前記命令は、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサに、
前記第1のペアリング方略を使用して、前記コンタクトセンターシステムにおける前記第1の複数のコンタクト-エージェント対話の前記ペアリングの前に利用可能な第2の複数のエージェントを決定することと、
前記第2の複数のエージェントの第2の実績測定値を決定することと、
前記第1の実績測定値を前記第2の実績測定値と比較することと
をさらに行うように動作させ、前記第2のペアリング方略の実績に対する前記影響は、前記第1の実績測定値を前記第2の実績測定値と比較することにさらに基づいている、請求項18に記載の非一過性コンピュータプロセッサ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際特許出願は、2016年6月8日に出願された米国特許出願第15/176,899号に対する優先権を主張するものであり、該出願は、本明細書中に完全に開示されているのと同然にその全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(開示の分野)
本開示は、概して、コンタクトセンターに関し、より具体的には、コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングするための技法に関する。
【背景技術】
【0003】
典型的なコンタクトセンターは、コンタクトセンターに着信するコンタクトを、それらのコンタクトを処理するために利用可能なエージェントにアルゴリズム的に割り当てる。ある時は、コンタクトセンターは、利用可能であってインバウンドまたはアウトバウンドコンタクト(例えば、通話、インターネットチャットセッション、電子メール)への割当を待機するエージェントを有し得る。またある時は、コンタクトセンターは、エージェントが割当のために利用可能になるまで1つまたはそれを上回る待ち行列にコンタクトを待機させ得る。
【0004】
いくつかの典型的なコンタクトセンターでは、コンタクトは、それらのエージェントが利用可能になったときの時間に基づいて順序付けられたエージェントに割り当てられ、エージェントは、着信時間に基づいて順序付けられたコンタクトに割り当てられる。本方略は、「先入れ先出し」、「FIFO」、または「ラウンドロビン」方略と称され得る。
【0005】
いくつかのコンタクトセンターは、利用可能なエージェントまたは時としてコンタクトの待ち行列の順序付けに「実績ベースルーティング」または「PBR」アプローチを使用し得る。PRB順序付け方略は、各コンタクト-エージェント対話の予期される成果を最大限にすることを試みるが、典型的には、コンタクトセンターにおけるエージェントを均一に利用することを考慮せずに行われる。
【0006】
コンタクトセンターが、1つのタイプのペアリング方略(例えば、FIFO)を使用することから別のタイプのペアリング方略(例えば、PBR)に変更すると、いくつかのエージェントは、コンタクトを受信するために利用可能であり得る一方、他のエージェントは、呼出中であり得る。経時的な平均エージェント実績が不均衡である場合、1つのタイプのペアリング方略の全体的実績は、他のタイプのペアリング方略によって不公平に影響を受け得る。
【0007】
前述に照らして、代替ペアリング方略間の不均衡な平均エージェント実績を検出および考慮するために、代替ルーティング方略の遷移管理を含む、コンタクトセンターシステム実績のベンチマーキングを可能にするシステムの必要性があり得ることを理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングするための技法が、開示される。一特定の実施形態では、本技法は、コンタクトセンター動作を実施するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、コンタクトセンターシステムにおいてコンタクトをエージェントとペアリングするために、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と第2のコンタクト-エージェントペアリング方略との間を繰り返すステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略の第1のエージェント利用と均衡したエージェント利用との間の差分を備える、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定するステップと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスに基づいて、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と比較した第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の相対的実績を判定するステップとを含む、コンタクトセンターシステム実績をベンチマーキングするための方法として実現され得る。
【0009】
本特定の実施形態の他の側面によると、本方法はさらに、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを低減させるために、第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の標的エージェント利用を調節するステップを含み得る。
【0010】
本特定の実施形態の他の側面によると、本方法はさらに、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への少なくとも1回の遷移中、複数のエージェントの平均利用可能エージェント実績を判定するステップを含み得る。
【0011】
本特定の実施形態の他の側面によると、本方法はさらに、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への少なくとも1回の遷移中、複数のエージェントのうちの少なくとも1人の平均可用性を判定するステップを含み得る。
【0012】
本特定の実施形態の他の側面によると、本方法はさらに、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略のエージェント利用バイアスを備える遷移管理報告を出力するステップを含み得る。
【0013】
本特定の実施形態の他の側面によると、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略は、実績ベースルーティング方略であり得る。
【0014】
本特定の実施形態の他の側面によると、第2のコンタクト-エージェントペアリング方略は、挙動ペアリング方略であり得る。
【0015】
本特定の実施形態の他の側面によると、第2のコンタクト-エージェントペアリング方略は、ハイブリッド挙動ペアリング方略であり得、ハイブリッド挙動ペアリング方略は、実績ベースルーティング方略に向かってバイアスされ得る。
【0016】
本特定の実施形態の他の側面によると、本方法はさらに、少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の少なくとも1つのパラメータを調節するステップを含み得る。
【0017】
本特定の実施形態の他の側面によると、少なくとも1つのパラメータは、ハイブリッド挙動ペアリング方略に関するKappaパラメータを含む。
【0018】
本特定の実施形態の他の側面によると、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略は、不均衡なエージェント利用を標的とし得、第2のコンタクト-エージェントペアリング方略は、均衡したエージェント利用を標的とし得る。
【0019】
本特定の実施形態の他の側面によると、第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の標的利用は、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への遷移と第2のコンタクト-エージェントペアリング方略から第1のコンタクト-エージェントペアリング方略への後続遷移との間の1つまたはそれを上回る時点において、少なくとも1回調節され得る。
【0020】
別の特定の実施形態では、本技法は、少なくとも1つのプロセッサを備える、コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングするためのシステムとして実現され得、少なくとも1つのプロセッサは、上記に説明される方法を実施するように構成される。
【0021】
別の特定の実施形態では、本技法は、非一過性プロセッサ可読媒体と、媒体上に記憶される命令とを備える、コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングするための製造品として実現され得、命令は、少なくとも1つのプロセッサによって媒体から可読であるように構成され、それによって、少なくとも1つのプロセッサを上記に説明される方法を実施するように動作させる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
コンタクトセンターシステム実績をベンチマーキングするための方法であって、
コンタクトセンター動作を実施するように構成される少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記コンタクトセンターシステムにおいてコンタクトをエージェントとペアリングするために、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と第2のコンタクト-エージェントペアリング方略との間を繰り返すステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略の第1のエージェント利用と均衡したエージェント利用との間の差分を備える、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定するステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスに基づいて、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と比較した前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の相対的実績を判定するステップと
を含む、方法。
(項目2)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを低減させるために、前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の標的エージェント利用を調節するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定するステップはさらに、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への少なくとも1回の遷移中、複数のエージェントの平均利用可能エージェント実績を判定するステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定するステップはさらに、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への少なくとも1回の遷移中、複数のエージェントのうちの少なくとも1人の平均可用性を判定するステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略のエージェント利用バイアスを備える遷移管理報告を出力するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略は、実績ベースルーティング方略である、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略は、挙動ペアリング方略である、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略は、ハイブリッド挙動ペアリング方略であり、前記ハイブリッド挙動ペアリングは、実績ベースルーティング方略に向かってバイアスされる、項目2に記載の方法。
(項目9)
前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の標的エージェント利用を調節するステップはさらに、前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって、前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の少なくとも1つのパラメータを調節するステップを含む、項目2に記載の方法。
(項目10)
前記少なくとも1つのパラメータは、ハイブリッド挙動ペアリング方略に関するKappaパラメータを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略は、不均衡なエージェント利用を標的とし、前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略は、前記均衡したエージェント利用を標的とする、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の標的利用は、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への遷移と前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略から前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略への後続遷移との間の1つまたはそれを上回る時点において、少なくとも1回調節される、項目2に記載の方法。
(項目13)
コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングするためのシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記コンタクトセンターシステムにおいてコンタクトをエージェントとペアリングするために、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と第2のコンタクト-エージェントペアリング方略との間を繰り返すことと、
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略の第1のエージェント利用と均衡したエージェント利用との間の差分を備える、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定することと、
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスに基づいて、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と比較した前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の相対的実績を判定することと
を行うように構成される、少なくとも1つのプロセッサ
を備える、システム。
(項目14)
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを低減させるために、前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の標的エージェント利用を調節するように構成される、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定するように構成される、前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への少なくとも1回の遷移中、複数のエージェントの平均利用可能エージェント実績を判定するように構成される、項目13に記載のシステム。
(項目16)
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定するように構成される、前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への少なくとも1回の遷移中、複数のエージェントのうちの少なくとも1人の平均可用性を判定するように構成される、項目13に記載のシステム。
(項目17)
コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングするための製造品であって、
非一過性プロセッサ可読媒体と、
前記媒体上に記憶される命令と
を備え、
前記命令は、コンタクトセンター動作を実施するように構成される少なくとも1つのプロセッサによって前記媒体から可読であるように構成され、それによって、前記少なくとも1つのプロセッサに、
前記コンタクトセンターシステムにおいてコンタクトをエージェントとペアリングするために、第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と第2のコンタクト-エージェントペアリング方略との間を繰り返すことと、
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略の第1のエージェント利用と均衡したエージェント利用との間の差分を備える、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定することと、
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスに基づいて、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略と比較した前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の相対的実績を判定することと
を行わせるように動作させる、製造品。
(項目18)
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを低減させるために、前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略の標的エージェント利用を調節するように動作させられる、項目17に記載の製造品。
(項目19)
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定するように動作させられる、前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への少なくとも1回の遷移中、複数のエージェントの平均利用可能エージェント実績を判定するように動作させられる、項目17に記載の製造品。
(項目20)
前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略におけるエージェント利用バイアスを判定するように動作させられる、前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記第1のコンタクト-エージェントペアリング方略から前記第2のコンタクト-エージェントペアリング方略への少なくとも1回の遷移中、複数のエージェントのうちの少なくとも1人の平均可用性を判定するように動作させられる、項目17に記載の製造品。
【0022】
本開示は、ここで、付随の図面に示されるようなその特定の実施形態を参照してより詳細に説明されるであろう。本開示は、特定の実施形態を参照して以下に説明されるが、本開示は、それに限定されないことを理解されたい。本明細書の教示を利用できる当業者は、付加的実装、修正、および実施形態、ならびに他の使用分野を認識し、これらは、本明細書に説明されるように本開示の範囲内であり、それらに関して、本開示は、有意に有用であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示のより完全な理解を促進するために、ここで、同様の要素が同様の番号を用いて参照される、付随の図面を参照する。これらの図面は、本開示の限定として解釈されるべきではなく、例証にすぎないことが意図される。
【0024】
図1図1は、本開示の実施形態による、コンタクトセンターシステムのブロック図を示す。
図2図2は、本開示の実施形態による、エージェント遷移表の概略表現を示す。
図3図3は、本開示の実施形態による、エージェント遷移表の概略表現を示す。
図4図4は、本開示の実施形態による、エージェント遷移チャートの概略表現を描写する。
図5図5は、本開示の実施形態による、エージェント遷移チャートの概略表現を描写する。
図6図6は、本開示の実施形態による、エージェント遷移チャートの概略表現を示す。
図7図7は、本開示の実施形態による、エージェント遷移チャートの概略表現を示す。
図8図8は、本開示の実施形態による、ベンチマーキング遷移管理方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
典型的なコンタクトセンターは、コンタクトセンターに着信するコンタクトを、それらのコンタクトを処理するために利用可能なエージェントにアルゴリズム的に割り当てる。ある時は、コンタクトセンターは、利用可能であってインバウンドまたはアウトバウンドコンタクト(例えば、通話、インターネットチャットセッション、電子メール)への割当を待機するエージェントを有し得る。またある時は、コンタクトセンターは、エージェントが割当のために利用可能になるまで1つまたはそれを上回る待ち行列において待機するコンタクトを有し得る。
【0026】
いくつかの典型的なコンタクトセンターでは、コンタクトは、それらのエージェントが利用可能になったときの時間に基づいて順序付けられたエージェントに割り当てられ、エージェントは、着信時間に基づいて順序付けられたコンタクトに割り当てられる。本方略は、「先入れ先出し」、「FIFO」、または「ラウンドロビン」方略と称され得る。例えば、最長利用可能エージェントペアリング方略は、好ましくは、最長時間にわたって利用可能である利用可能なエージェントを選択する。
【0027】
いくつかのコンタクトセンターは、利用可能なエージェントまたは時としてコンタクトの待ち行列の順序付けに「実績ベースルーティング」または「PBR」アプローチを使用し得る。PRB順序付け方略は、各コンタクト-エージェント対話の予期される成果を最大限にすることを試みるが、典型的には、コンタクトセンターにおけるエージェントを均一に利用することを考慮せずに行われる。PBRのいくつかの変形例は、好ましくは、最高実績を伴う利用可能なエージェントを選択する、最高実績エージェントペアリング方略または、好ましくは、ペアリングされるコンタクトのタイプに対する最高実績を伴う利用可能なエージェントを選択する、コンタクトタイプに対する最高実績エージェントペアリング方略を含み得る。
【0028】
また別の実施例に関して、いくつかのコンタクトセンターは、「挙動ペアリング」または「BP」方略を使用し得、その下で、コンタクトおよびエージェントは、後続コンタクト-エージェントペアの割当を可能にする方式で意図的に(優先的に)ペアリングされ得、したがって、BP方略下の全ての割当の利益が合計されると、それらは、FIFOおよびPBR方略のものを超え得る。BPは、スキル待ち行列内のエージェントの均衡した利用を促すように設計されるが、それにもかかわらず、同時に、FIFOまたはPBR方法が可能にするであろうものを超えて全体的コンタクトセンター実績を向上させる。これは、BPがFIFOまたはPBR方法と同一の呼出および同一のエージェントに作用し、FIFOが提供するようにほぼ均一にエージェントを利用し、全体的コンタクトセンター実績をさらに向上させるため、優れた成果である。BPは、例えば、米国特許第9,300,802号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。ペアリングまたはマッチングモジュール(時として、「SATMAP」、「ルーティングシステム」、「ルーティングエンジン」等とも称される)に関するこれらおよび他の特徴についての付加的情報が、例えば、米国特許第8,879,715号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、コンタクトセンターは、少なくとも2つの異なるペアリング方略間(例えば、FIFOとPBRとの間、PBRとBPとの間、FIFOとPBRとBPとの間)を周期的に切り替え得る(または「繰り返す」)。加えて、各コンタクト-エージェント対話の成果は、どのペアリング方略(例えば、FIFO、PBR、またはBP)がその特定のコンタクト-エージェントペアを割り当てるために使用されたかの識別とともに記録され得る。どの対話がどの結果を生産したかを追跡することによって、コンタクトセンターは、第1の方略(例えば、FIFO)に起因する実績および第2の方略(例えば、PBR)に起因する実績を測定し得る。このように、1つの方略の相対的実績が、他のものに対してベンチマーキングされ得る。コンタクトセンターは、異なるペアリング方略間を切り替える多くの期間にわたって、実績利得が1つの方略または他のものにより確実に起因すると考え得る。ペアリング方略をベンチマーキングすることに関するこれらおよび他の特徴についての付加的情報が、例えば、2016年4月20日に出願された、米国特許出願第15/131,915号に説明されている。
【0030】
コンタクトセンターが、1つのタイプのペアリング方略(例えば、PBR)を使用することから別のタイプのペアリング方略(例えば、BP)に変更すると、いくつかのエージェントは、コンタクトを受信するために利用可能であり得る一方、他のエージェントは、コンタクトと対話し得る(例えば、呼出中である)。経時的な遷移における平均エージェント実績が不均衡である場合、1つのタイプのペアリング方略の全体的実績は、他のタイプのペアリング方略によって不公平に影響を受け得る。例えば、コンタクトセンターが、PBRを使用してコンタクトおよびエージェントをペアリングすると、高い実績のエージェントは、コンタクトとの対話でビジーである可能性がより高い一方、低い実績のエージェントは、アイドル状態である可能性がより高い。したがって、PRBからBP等の別のペアリング方略への遷移において、経時的な遷移における利用可能なエージェントの平均実績は、利用可能なエージェントおよびビジーなエージェントの両方を含むエージェントの全ての平均実績を下回る可能性が高い。
【0031】
図1は、本開示の実施形態による、コンタクトセンターシステムのブロック図を示す。図1に示されるように、コンタクトセンターシステム100は、中央スイッチ110を含み得る。中央スイッチ110は、着信するコンタクト(例えば、発信者)を受信する、または遠隔通信ネットワーク(図示せず)を介してコンタクトへのアウトバウンド接続をサポートし得る。中央スイッチ110は、1つもしくはそれを上回るコンタクトセンター間で、またはコンタクトセンター内の1つもしくはそれを上回るPBX/ACDもしくは他の待ち行列もしくは切替コンポーネントにコンタクトをルーティングすることに役立てるためのコンタクトルーティングハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。
【0032】
コンタクトセンターが1つしか存在しない、またはPBX/ACDルーティングコンポーネントが1つしか存在しない場合、中央スイッチ110は、コンタクトセンターシステム100において必要ではない場合がある。1つを上回るコンタクトセンターがコンタクトセンターシステム100の一部である場合、各コンタクトセンターは、少なくとも1つのコンタクトセンタースイッチ(例えば、コンタクトセンタースイッチ120Aおよび120B)を含み得る。コンタクトセンタースイッチ120Aおよび120Bは、中央スイッチ110に通信可能に結合され得る。
【0033】
コンタクトセンター毎の各コンタクトセンタースイッチは、複数のエージェント(またはその「集団」)に通信可能に結合され得る。各コンタクトセンタースイッチは、ある数のエージェント(または「座席」)が1度にログインするようにサポートし得る。任意の所与の時点で、ログインしたエージェントは、利用可能であり、コンタクトに接続されることを待機し得る、またはログインしたエージェントは、別のコンタクトに接続されている、呼出についてのロギング情報等のある呼出後機能を実施している、もしくは休憩している等のいくつかの理由のいずれかのために利用不可能であり得る。
【0034】
図1の実施例では、中央スイッチ110は、それぞれ、コンタクトセンタースイッチ120Aおよびコンタクトセンタースイッチ120Bを介して、2つのコンタクトセンターのうちの1つにコンタクトをルーティングする。コンタクトセンタースイッチ120Aおよび120Bのそれぞれは、各2人のエージェントとともに示される。エージェント130Aおよび130Bが、コンタクトセンタースイッチ120Aにログインし得、エージェント130Cおよび130Dが、コンタクトセンタースイッチ120Bにログインし得る。
【0035】
コンタクトセンターシステム100はまた、例えば、サードパーティベンダからの統合サービスに通信可能に結合され得る。図1の実施例では、遷移管理モジュール140は、中央スイッチ110、コンタクトセンタースイッチ120A、またはコンタクトセンタースイッチ120B等、コンタクトセンターシステム100のスイッチシステムにおける1つまたはそれを上回るスイッチに通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、コンタクトセンターシステム100のスイッチは、複数のベンチマーキングモジュールに通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、遷移管理モジュール140は、コンタクトセンターシステムのコンポーネント内に埋設され得る(例えば、スイッチ内に埋設される、または別様にそれと統合される)。遷移管理モジュール140は、スイッチにログインしたエージェント(例えば、エージェント130Aおよび130B)について、および別のスイッチ(例えば、中央スイッチ110)を介して、またはいくつかの実施形態では、ネットワーク(例えば、インターネットまたは遠隔通信ネットワーク)(図示せず)から着信するコンタクトについての情報を、スイッチ(例えば、コンタクトセンタースイッチ120A)から受信し得る。
【0036】
コンタクトセンターは、複数のペアリングモジュール(例えば、BPモジュールおよびFIFOモジュール)(図示せず)を含み得、1つまたはそれを上回るペアリングモジュールが、1つまたはそれを上回る異なるベンダによって提供され得る。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るペアリングモジュールは、遷移管理モジュール140または中央スイッチ110もしくはコンタクトセンタースイッチ120Aおよび120B等の1つもしくはそれを上回るスイッチのコンポーネントであり得る。いくつかの実施形態では、遷移管理モジュール140は、どのペアリングモジュールが特定のコンタクトに対するペアリングを処理し得るかを判定し得る。例えば、遷移管理モジュール140は、BPモジュールを介してペアリングをイネーブルにすることとFIFOモジュールを用いてペアリングをイネーブルにすることとの間を交互に行い得る。他の実施形態では、1つのペアリングモジュール(例えば、BPモジュール)が、他のペアリング方略をエミュレートするように構成され得る。例えば、遷移管理モジュール140またはBPモジュール内のBPコンポーネントと統合された遷移管理コンポーネントが、BPモジュールが特定のコンタクトに対してBPペアリングまたはエミュレートされたFIFOペアリングのいずれかを使用し得ることを判定し得る。本場合では、「BPオン」は、BPモジュールがBPペアリング方略を適用しているときの時間を指し得、「BPオフ」は、BPモジュールが異なるペアリング方略(例えば、FIFO)を適用しているときの他の時間を指し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、ペアリング方略が別個のモジュールによって処理されるかどうかにかかわらず、またはいくつかのペアリング方略が単一のペアリングモジュール内でエミュレートされる場合、単一のペアリングモジュールは、任意のまたは全てのペアリング方略下で成されるペアリングについての情報を監視および記憶するように構成され得る。例えば、BPモジュールは、FIFOモジュールによって成されるFIFOペアリングについてのデータを観察および記録し得る、またはBPモジュールは、FIFOエミュレーションモードにおいて動作するBPモジュールによって成されるエミュレートされたFIFOペアリングについてのデータを観察および記録し得る。
【0038】
本開示の実施形態は、2つのみのペアリング方略のベンチマーキング遷移管理に限定されない。代わりに、ベンチマーキング遷移管理は、2つまたはそれを上回るペアリング方略に対して実施され得る(例えば、FIFO、PBR、およびBPの遷移管理をベンチマーキングする)。
【0039】
図2は、本開示の実施形態による、エージェント遷移表200の概略表現を示す。図2の実施例では、「Alice」、「Bob」、「Charlie」、および「Donna」という名前の4人のエージェントが、コンタクトと対話するために特定の待ち行列に割り当てられ得る。これらのエージェント名は、例証のみを目的とし、いくつかの実施形態では、匿名化された識別番号または他の識別子が、コンタクトセンターにおけるエージェントを表すために使用され得る。加えて、この高度に簡略化された実施例は、4人のエージェントのみを示す。いくつかの実施形態では、数百のエージェント、数千のエージェント、またはそれを上回る人が、待ち行列に割り当てられ得、エージェント遷移表内に描写され得る。
【0040】
エージェント遷移表200は、「201」、「202」、「203」、「204」、および「205」と標識化された5回の遷移を示す。いくつかの実施形態では、各遷移は、コンタクトセンターが1つのペアリング方略(例えば、FIFO)から別のペアリング方略(例えば、BP)に切り替える時点を表し得る。遷移は、1時間あたり複数回(例えば、10分毎、15分毎、30分毎)または1日、1週間、1ヶ月、1年等の全体を通してより多い、またはより少ない頻度で起こり得る。いくつかの実施形態では、遷移は、遷移が起こった日の時間によって識別され得る。例えば、遷移201は、午前9:15に起こり、遷移202は、午前9:45に起こる等であり得る。
【0041】
遷移201において、エージェントAliceおよびBobは、陰影セルによって示されるように、利用可能ではない。例えば、AliceおよびBobは、コンタクトと対話し得る、またはそれらは、売上を記録する、もしくはカスタマーサービス報告を提出する等の対話後タスクで別様に占有され得る。一方、エージェントCharlieおよびDonnaは、非陰影セルによって示されるように、アイドル状態である、または別様にコンタクトに接続されるために利用可能である。
【0042】
同様に、遷移202において、エージェントCharlieおよびDonnaは、ビジーであり、エージェントAliceおよびBobは、利用可能である。遷移203において、エージェントAliceおよびCharlieは、ビジーであり、エージェントBobおよびDonnaは、利用可能である。遷移204において、エージェントBobおよびDonnaは、ビジーであり、エージェントAliceおよびCharlieは、利用可能である。遷移205において、エージェントBobおよびCharlieは、ビジーであり、エージェントAliceおよびDonnaは、利用可能である。
【0043】
任意の単一の遷移において、均衡したエージェント利用を標的とするペアリング方略(例えば、FIFOおよびBPであるが、PBRではない)でさえ、遷移において非対称利用を有すると考えられ得る。例えば、Aliceが80の正規化された実績評価、Bobが60の評価、Charlieが40の評価、Donnaが20の評価を有する場合、全てのエージェントの平均実績は、50である。しかしながら、遷移201における利用可能なエージェント(すなわち、CharlieおよびDonna)の平均実績は、30で平均を下回る。遷移202における利用可能なエージェントの平均実績は、70で平均を上回る。遷移203における利用可能なエージェントの平均実績は、40で平均を下回る。遷移204における利用可能なエージェントの平均実績は、60で平均を上回る。
【0044】
いくつかの遷移において、不均衡なエージェント利用を標的とするペアリング方略(例えば、PBR)でさえ、遷移において均衡した利用を有すると考えられ得る。例えば、遷移205において、利用可能なエージェント(すなわち、AliceおよびDonna)の平均実績は、50である。
【0045】
任意の単一の遷移における利用可能なエージェントの平均実績における分散にもかかわらず、経時的な(例えば、1日にわたる)複数の遷移における利用可能なエージェントの平均実績は、所与のペアリング方略の統計的に予期される利用を反映し得る。エージェント遷移表200は、5回の遷移201-205を示し、これは、いくつかの実施形態では、統計的に有意な数の遷移ではない場合がある。それにもかかわらず、例証を目的として、一連の5回の遷移201-205にわたる平均利用可能エージェント実績は、(30+70+40+60+50)/5=50である。本実施例では、一連の5回の遷移201-205にわたる遷移における平均利用可能エージェント実績は、均衡した。
【0046】
いくつかの実施形態では、1回またはそれを上回る遷移にわたって利用可能なエージェントの平均実績を判定することに加えて、またはその代わりに、個々のエージェントの平均可用性もまた、判定および出力され得る。例えば、エージェント遷移表200では、各遷移201-205にわたる各エージェントの平均可用性は、Aliceに関して60%(3/5遷移)、Bobに関して40%(2/5遷移)、Charlieに関して40%(2/5遷移)、およびDonnaに関して60%(4/5遷移)である。均衡したエージェント利用を標的とするペアリング方略(例えば、FIFOまたはBP)に関して、各エージェントが、ほぼ同一の回数または同一の割合の遷移で利用可能である可能性が、統計的に高くあり得る。5回のみの遷移201-205を描写する本簡略化された実施例では、各エージェントの平均可用性は、40%~60%で変動する。しかしながら、経時的に、各エージェントの平均可用性は、同一のパーセンテージに収束する可能性が統計的に高くあり得る。例えば、100回の遷移後、全エージェントの平均可用性は、ほぼ同一、例えば、50%、55%、60%等であり得る。
【0047】
図3は、本開示の実施形態による、エージェント遷移表300の概略表現を示す。エージェント遷移表200(図2)の実施例と対照的に、エージェント遷移表300は、典型的には、PBR等の不均衡なペアリング方略を使用するコンタクトセンターにおいて予期されるであろう成果を示す。PBRのいくつかの実施形態では、最高実績のエージェント(すなわち、Alice)が、好ましくは、コンタクトと対話するように選択され得る。その結果、Aliceは、遷移301-305のいずれにおいても決して利用可能ではない。一方、最低実績のエージェント(すなわち、Donna)は、常時、遷移301-305のそれぞれにおいて利用可能である。
【0048】
利用可能なエージェントの平均実績は、遷移301において30であり、遷移302において40であり、遷移303において30であり、遷移304において20であり、遷移305において40である。一連の5回の遷移301-305にわたる利用可能なエージェントの平均実績は、(30+40+30+20+40)/5=32において不均衡である。経時的な利用可能なエージェントの平均実績が、エージェント利用における統計的に有意な量の非対称を示し得る程度によって、各遷移に続く代替ペアリング方略の有効性を「汚染する」、バイアスする、または別様にそれに影響を及ぼし、潜在的に不公平なベンチマーキング測定をもたらし得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、1回またはそれを上回る遷移にわたって利用可能なエージェントの平均実績を判定することに加えて、またはその代わりに、個々のエージェントの平均可用性もまた、判定および出力され得る。例えば、エージェント遷移表300では、各遷移301-305にわたる各エージェントの平均可用性は、Aliceに関して0%(0/5遷移)、Bobに関して40%(2/5遷移)、Charlieに関して60%(3/5遷移)、およびDonnaに関して100%(5/5遷移)である。不均衡なエージェント利用を標的とするペアリング方略(例えば、PBR)に関して、いくつかのエージェント(例えば、より低い実績のエージェント)が、他のエージェント(例えば、より高い実績のエージェント)よりも有意に頻繁に利用可能である可能性が、統計的に高くあり得る。5回のみの遷移501-505を描写する本簡略化された実施例であっても、各エージェントの平均可用性は、0%~100%で有意に変動する。経時的に、各エージェントの可変平均可用性の統計的有意性は、さらに確認され得る。ここでは、PBR等の不均衡なペアリング方略は、常時または殆ど常時、より低い実績のエージェントを次のペアリング方略(例えば、BPまたはFIFO)に引き渡す一方、より高い実績のエージェントは、決してまたは殆ど引き渡されない。1回またはそれを上回る遷移における平均エージェント品質を参照して上記に説明されるように、経時的なエージェントの平均可用性が、エージェント利用における統計的に有意な量の非対称を示し得る程度によって、各遷移に続く代替ペアリング方略の有効性を「汚染する」、バイアスする、または別様にそれに影響を及ぼし、潜在的に不公平なベンチマーキング測定をもたらし得る。
【0050】
図4は、本開示の実施形態による、エージェント遷移チャート400の概略表現を描写する。エージェント遷移チャート400では、x軸は、期間を示す。例えば、1週間にわたって、x=0は、1日目を表し、x=1は、2日目を表し、以下同様であり得る。y軸は、所与の期間中の第1のペアリング方略から第2のペアリング方略への遷移の全てにわたる利用可能なエージェントの平均実績を示す。例えば、x=0(例えば、1日目)において、1日にわたる遷移における利用可能なエージェントの平均実績は、50であった。x=1(例えば、2日目)において、平均実績は、平均をわずかに上回り、x=3(例えば、4日目)において、平均実績は、平均をわずかに下回った。それにもかかわらず、エージェント遷移チャート400は、比較的に長い期間(例えば、1週間)にわたって比較的に定常の平均実績を示す。いくつかの実施形態では、日毎の少量の変動は、統計的に有意ではない場合があり、本第1のペアリング方略に関する全体的エージェント利用は、均衡する。
【0051】
図5は、本開示の実施形態による、エージェント遷移チャート500の概略表現を描写する。エージェント遷移チャート500では、全体的エージェント利用は、日毎に約25において定常のままであり、これは、平均を有意に下回る。したがって、本ペアリング方略(例えば、PBR)に関する全体的エージェント利用は、不均衡である。
【0052】
複数のペアリング方略間をベンチマーキングするとき、第1のペアリング方略(例えば、PBR)が、第2のペアリング方略(例えば、FIFOまたはBP)の実績を「汚染」または別様にバイアスすることが、可能性として考えられる。PBRからBPへの各遷移において、利用可能なエージェントの平均実績は、待ち行列に割り当てられる全てのエージェントの全体的平均実績を有意に下回り得る(すなわち、不均衡である)。BPまたはFIFOサイクルの開始時における本「抑制された」エージェント集団は、そのサイクルにわたってBPまたはFIFOの全体的実績を弱化させ得る。
【0053】
逆に、BPまたはFIFOからPBRへの各遷移において、利用可能なエージェントの平均実績は、待ち行列に割り当てられる全てのエージェントの全体的平均実績と類似する、またはそれに等しくあり得る(すなわち、均衡する)。各PBRサイクルの開始時における本均衡したエージェント集団は、均衡したエージェント集団であってもPBRが引き起こす典型的なエージェント集団よりも良好であり得るため、そのサイクルにわたってPBRの全体的実績を強化し得る。
【0054】
各PBRサイクルは、これがエージェント集団を受信したときよりもこれを「汚染された」(不均衡な)ままにし得、各BPまたはFIFOサイクルは、これがエージェント集団を受信したときよりもこれを「より清浄な」(均衡した)ままにし得るため、BPまたはFIFOに対してPBRをベンチマーキングするためのいくつかの技法は、BPまたはFIFOが、そうでなければそれらがPBRサイクルが各サイクルの開始時にその利用可能なエージェント集団を汚染していなかった場合にあろうものよりも悪く機能しているように見え得る。したがって、サイクルの開始時(「前半」)における利用可能なエージェントの平均実績を、サイクルの終了時(「後半」)における利用可能なエージェントの平均実績と比較することが、有用であり得る。
【0055】
図6は、本開示の実施形態による、エージェント遷移チャート600の概略表現を示す。エージェント遷移チャート600は、例示的前半/後半比較を示す。x=0(例えば、1日目)において、1日にわたる第1のペアリング方略に遷移する、および第1のペアリング方略から遷移する利用可能なエージェントの平均実績間の差分は、0であった。x=1において、差分は、0をわずかに上回り、x=3において、差分は、0をわずかに下回ったが、1週間にわたる全体的差分は、0に近接したままであった。概念的に、ペアリング方略は、各他のエージェント集団をほぼ同一の平均実績(例えば、品質)のままにしていた。
【0056】
0の平均差分は、必ずしも、両方のペアリング方略が均衡すること(例えば、約50の利用可能なエージェントの平均実績)を示唆するわけではない。例えば、第1のペアリング方略が、25の平均利用可能エージェント実績を伴うPBR_Aであり、第2のペアリング方略が、25の平均利用可能エージェント実績を伴うPBR_Bである場合、差分は、依然として0であろう。ベンチマーキングの観点から、両方のペアリング方略が、それぞれが不均衡である程度がほぼ同一である場合、不均衡であることは、許容可能であり得る。このように、各ペアリング方略は、これがエージェント集団を見出した際とほぼ同程度にこれを悪いままにし、いずれのペアリング方略も、他方を汚染していない。
【0057】
図7は、本開示の実施形態による、エージェント遷移チャート700の概略表現を示す。エージェント遷移チャート700は、前半/後半比較の別の実施例を示す。x=0(例えば、1日目)において、1日にわたる第1のペアリング方略に遷移する、および第1のペアリング方略から遷移する利用可能なエージェントの平均実績間の差分は、25であった。x=1において、差分は、25をわずかに上回り、x=3において、差分は、25をわずかに下回ったが、1週間にわたる全体的差分は、25に近接したままであった。概念的に、ペアリング方略のうちの1つは、遷移中に別のペアリング方略のエージェント集団を一貫して有意に汚染している。例えば、PBR方略の前半が、50の平均実績を伴うエージェント集団を一貫して受信し、PBR方略の後半が、25のみの平均実績を伴うエージェント集団を一貫して提供している場合、差分は、平均して25である。
【0058】
有意に25を上回る平均差分は、必ずしも、ペアリング方略のいずれかが均衡すること(例えば、約50の利用可能なエージェントの平均実績)を示唆するわけではない。例えば、第1のペアリング方略が、25の平均利用可能エージェント実績を伴うPBR_Aであり、第2のペアリング方略が、0の平均利用可能エージェント実績を伴うPBR_Bである場合、差分は、依然として25であろう。PBR_Bペアリング方略は、依然としてベンチマークを汚染しており、PBR_Aを、PBR_Bを伴う繰り返しの不在下であろうものよりも悪く機能させ、PBR_Bを、PBR_Aを伴う繰り返しの不在下であろうものよりも良好に機能させる。
【0059】
図8は、本開示の実施形態による、ベンチマーキング遷移管理方法800のフロー図を示す。ブロック810において、ベンチマーキング遷移管理方法800は、開始され得る。コンタクトセンターシステムが、少なくとも2つのペアリング方略間を繰り返し得る。例えば、コンタクトセンターシステムは、BPおよびPBRペアリング方略間を切り替え得る。BPからPBRへの各遷移において、および逆もまた同様に、各遷移において利用可能なエージェントが、判定され得る。
【0060】
ブロック810において、経時的な第1のペアリング方略(例えば、BP)から第2のペアリング方略(例えば、PBR)への遷移における利用可能なエージェントの第1の平均実績が、遷移毎の利用可能なエージェントおよびその相対的または別様に正規化された実績の判定に基づいて判定され得る。第1の平均実績はまた、その期間にわたる第2のペアリング方略の「前半」測定値と見なされ得る。
【0061】
ブロック820において、いくつかの実施形態では、経時的な第2のペアリング方略(例えば、PBR)から第1のペアリング方略(例えば、BP)への遷移における利用可能なエージェントの第2の平均実績が、遷移毎の利用可能なエージェントおよびその相対的または別様に正規化された実績の判定に基づいて判定され得る。第2の平均実績はまた、その期間にわたる第2のペアリング方略の「後半」測定値と見なされ得る。
【0062】
ブロック830において、いくつかの実施形態では、第1および第2の平均実績間の平均実績差分が、判定され得る。差分がゼロに等しい、または近似する場合、測定される期間中、第1のペアリング方略から受信される、またはそれに提供される利用可能なエージェントの平均実績間にいかなる有意な差分も存在しないことが、判定され得る。差分がゼロを上回る場合、第1のペアリング方略(例えば、BP)によって提供される利用可能なエージェントの平均実績は、第2のペアリング方略(例えば、PBR)によって提供される利用可能なエージェントの平均実績よりも高いことが、判定され、第2のペアリング方略が、利用可能なエージェント集団およびベンチマークを汚染し得ることを示し得る。
【0063】
ブロック840において、いくつかの実施形態では、遷移管理報告が、生成され得る。いくつかの実施形態では、遷移管理報告は、ブロック810において判定される第1の平均実績差分、ブロック820において判定される第2の平均実績差分、ブロック840において判定される平均実績差分、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。データは、限定ではないが、エージェント遷移表(例えば、エージェント遷移表200および300(図2および3))またはエージェント遷移チャート(例えば、エージェント遷移チャート400、500、600、および700(図4-7))を含む、種々のフォーマットにおいて提示され得る。報告は、動的に生成され、連続的または周期的に更新され得る。報告は、表示する、ソートする、フィルタ処理する、または別様にどのデータを表示するかおよびこれを表示する方法を選択するためのユーザインターフェース要素を含み得る。報告は、完全に監査可能であり、閲覧者が要素毎にソースデータを検査することを可能にし得る。例えば、報告インターフェースは、所与の遷移において利用可能なエージェント識別子のリストおよびその対応する相対的または正規化された実績測度を示す、ユーザインターフェース要素を含み得る。
【0064】
ブロック850において、いくつかの実施形態では、第1または第2のペアリング方略の少なくとも1つのパラメータが、例えば、ブロック830において判定される平均実績差分を低減させるために調節され得る。非ゼロ実績差分を低減または排除することは、1つのペアリング方略が第2のペアリング方略の実績を抑制する、またはそのベンチマークを汚染する程度を低減または排除し得る。
【0065】
例えば、PBRとBPとの間を繰り返すコンタクトセンターシステムでは、PBRは、エージェントの均一な利用を標的とするBPの構成を抑制する可能性が高い。種々の技法が、BPがエージェントの不均一な利用を標的とすることを可能にする。例えば、「Kappa」パラメータを調節することは、エージェント利用に関してBPをPBRに向かってバイアスし得る。Kappaは、例えば、米国特許出願第14/956,086号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0066】
Kappaが十分に高い場合、ベンチマーク抑制または汚染(例えば、ゼロの平均実績差分)を排除することが、可能であり得る。しかしながら、いくつかの環境では、高Kappa値は、全体的BP実績を低減させ得る。これらの状況では、PBRからBPへの遷移に続いて、高い初期Kappa値を有するPBRベンチマーク汚染を補償し、一連の最初の3分、10分等にわたってKappa調節を低減または排除すること(例えば、1.5から1.0へのKappa低減)が、望ましくあり得る。そのような「Kappaフェード」の速度は、PBRからのベンチマーク抑制をBPサイクルの前半における全体的実績と均衡させるように調節され得る。
【0067】
同様に、BPからPBRへの遷移に先立って、高Kappa値を有し、一連の最後の3分、10分等にわたってKappa調節を生産または増加させること(例えば、1.0から1.5へのKappa増加)が、望ましくあり得る。そのような「逆Kappaフェード」の速度は、PBRからのベンチマーク抑制をBPサイクルの後半における全体的実績と均衡させるように調節され得る。
【0068】
FIFOとBPとの間を繰り返すコンタクトセンターシステムでは、平均実績差分は、FIFOおよびBPが両方とも均衡したエージェント利用を標的とするため、通常、ゼロであり得る。しかしながら、いくつかの環境では、BPが、不均衡なエージェント利用(例えば、1.0を上回るKappa値)を標的とすることが、望ましい、または最適であり得る。BPが不均衡なエージェント利用を標的とする場合、FIFOと比較した平均実績差分は、非ゼロであり、抑制または汚染されたベンチマークを示し得る。これらの状況では、一連の最後の3分、10分等にわたってKappa調節を低減または排除すること(例えば、1.5から1.0へのKappa減少)が、望ましくあり得る。そのような「Kappaフェード」の速度は、全体的BP実績の最適化を均衡させながら、BPとFIFOとの間の平均実績差分をゼロに戻すように低減させるように調節され得る。
【0069】
ブロック850に続いて、ベンチマーキング遷移管理方法800は、終了し得る。いくつかの実施形態では、ベンチマーキング遷移管理方法800は、ブロック810に戻り得る。いくつかの実施形態では、種々のステップは、随意である、異なる順序で実施される、または他のステップと並行して実施され得る。例えば、ブロック850における少なくとも1つのパラメータの調節は、随意であり得る、またはこれは、ブロック840における遷移管理報告の生成に先立って、もしくはそれと同時に実施され得る。
【0070】
この時点で、上記に説明されるような本開示による、コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングすることは、入力データの処理および出力データの生成をある程度伴い得ることに留意されたい。本入力データ処理および出力データ生成は、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実装され得る。例えば、具体的電子コンポーネントが、上記に説明されるような本開示による、コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングすることと関連付けられる機能を実装するために、遷移管理モジュールまたは類似もしくは関連する回路において採用され得る。代替として、命令に従って動作する1つまたはそれを上回るプロセッサが、上記に説明されるような本開示による、コンタクトセンターシステムにおける実績をベンチマーキングすることと関連付けられる機能を実装し得る。そのような場合では、そのような命令は、1つもしくはそれを上回る非一過性プロセッサ可読記憶媒体(例えば、磁気ディスクまたは他の記憶媒体)上に記憶される、または1つもしくはそれを上回る搬送波において具現化される1つもしくはそれを上回る信号を介して1つもしくはそれを上回るプロセッサに伝送され得ることが、本開示の範囲内である。
【0071】
本開示は、本明細書に説明される具体的実施形態によって範囲を限定されるべきではない。実際には、本明細書に説明されるものに加えて、本開示の他の種々の実施形態および修正が、前述の説明および付随の図面から当業者に明白となるであろう。したがって、そのよう他の実施形態および修正は、本開示の範囲内に該当することが意図される。さらに、本開示は、少なくとも1つの特定の目的のための少なくとも1つの特定の環境における少なくとも1つの特定の実装の文脈において本明細書に説明されたが、当業者は、その有用性が、それに限定されず、本開示が、有益なこととして、任意の数の目的のために任意の数の環境において実装され得ることを認識するであろう。故に、以下に記載される請求項は、本明細書に説明されるような本開示の完全な範囲および精神に照らして解釈されるべきである。
図1
図2
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図8