(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118369
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】衣類用包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 85/18 20060101AFI20230818BHJP
B65D 5/18 20060101ALI20230818BHJP
B65D 5/44 20060101ALI20230818BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
B65D85/18 N
B65D5/18 B
B65D5/44 Z
B65D85/18 C
B65D5/50 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021292
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】田上 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】日下 輔
【テーマコード(参考)】
3E060
3E068
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB23
3E060BC02
3E060DA03
3E060EA14
3E068AA13
3E068AA14
3E068AB03
3E068BB06
3E068BB12
3E068BB17
3E068CC02
3E068CD01
3E068CD02
3E068CE02
3E068DD30
3E068DE11
3E068EE09
3E068EE31
(57)【要約】
【課題】衣類の重さを確りと支えることができ、容易に組み立てられ、箱体に施す加工を削減することができる衣類用包装箱を提供する。
【解決手段】
ハンガーに掛けられた衣類を包装する衣類用包装箱1は、天壁10、底壁11および一対の側壁12によって側方を開放した周壁Wを形成し、フラップ14~16を折り曲げて周壁Wの側方を閉塞する箱体2と、天壁10に取り付けられる吊下部材3と、を備え、天壁10には、フラップ14~16に平行となる溝部20が形成され、吊下部材3は、ハンガーが掛けられる吊下穴を有し、天壁10の上方から溝部20に挿入される挿入板と、挿入板の上端に連設され、天壁10の上面に積層された状態で固定される固定板31と、を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンガー(90)に掛けられた衣類(91)を包装する衣類用包装箱(1,5)であって、
天壁(10)、底壁(11)および一対の側壁(12)によって側方を開放した周壁(W)を形成し、少なくとも各々の前記側壁に接続されるフラップ(16)を折り曲げて前記周壁の側方を閉塞する箱体(2,6)と、
前記天壁に取り付けられる吊下部材(3,7)と、を備え、
前記天壁には、前記フラップに平行となる溝部(20)が形成され、
前記吊下部材は、
前記ハンガーが掛けられる吊下穴(33)を有し、前記天壁の上方から前記溝部に挿入される挿入板(30)と、
前記挿入板の上端に連設され、前記天壁の上面に積層された状態で固定される固定板(31)と、を有していることを特徴とする衣類用包装箱。
【請求項2】
前記挿入板および前記固定板は、それぞれ一対設けられ、
一対の前記挿入板は、互いに折り返されて二重壁を構成し、
一対の前記固定板は、一対の前記挿入板の上端から互いに離れる方向に延設されていることを特徴とする請求項1に記載の衣類用包装箱。
【請求項3】
前記天壁には、前記固定板を積層する範囲に固定穴(21)が形成され、
前記固定板には、前記天壁に積層された状態で前記固定穴に圧入される固定片(34)が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の衣類用包装箱。
【請求項4】
前記側壁には、前記天壁の側に差込穴(22)が形成され、
前記固定板には、一対の前記側壁の外面に重なるように下方に折り曲げられ、先端側を前記差込穴に差し込んで一対の前記側壁を挟み込む一対の側片(32)が連設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の衣類用包装箱。
【請求項5】
前記側片は、
前記固定板に連設され、前記側壁の外面に積層される挟持板(37)と、
前記挟持板の先端から突設され、前記差込穴に差し込まれて前記側壁の内面に係合する差込片(38)と、を有し、
前記側壁には、前記挟持板が積層される領域を含む積層領域(R1)と前記挟持板が重ならない領域である非積層領域(R2)との境界に沿って補助折線(L11)が形成され、
前記挟持板は、前記差込片を前記差込穴に差し込む過程で前記補助折線に沿って折れることで前記非積層領域に対して一段凹んだ前記積層領域に嵌合し、前記差込片を除く前記挟持板の先端は、前記積層領域と前記非積層領域との間の段差面(25)に当接することを特徴とする請求項4に記載の衣類用包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンガーに掛けた衣類を包装する衣類用包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の衣類の運搬用包装箱は、角筒状の胴部の上下両端をフラップで閉塞するA形式の箱体と、垂直板の前後に張り出す水平板を有する吊り下げ部材と、を備えている。上方の内フラップにはスリットが前面壁と平行に切り込まれ、前面壁には水平の折目線が形成されている。ハンガー掛けられた衣類を梱包するには、後方の外フラップを後半分の内フラップ上に重ね、垂直板をスリットに差し込み、後方の水平板を後方の外フラップ上に重ね、前面壁を折目線で前方に折り、胴部の内部を開放する。衣類を前面から内部に入れ、ハンガーを垂直板に掛ける。その後、前面壁を戻し、前面壁に接続された外フラップを前半分の内フラップと前方の水平板との間に配置し、粘着テープで箱体と前後の水平板を固定することで、梱包が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した衣類の運搬用包装箱では、梱包が終わるまで、吊り下げ部材を固定することができなかった。詳細には、前面壁が開かれた状態では、吊り下げ部材は後半分の内フラップと後方の外フラップとの上に載っているだけであり、各フラップは胴部との境界線まわりの反発力のみで吊り下げ部材を支えていた。このため、垂直板にハンガー(衣類)を掛けると、各フラップの反発力では衣類の重さを支えることができず、各フラップが胴部の内側に折れ曲がり、衣類が吊り下げ部材と共に胴部の底壁に落ちてしまう虞があった。
【0005】
また、梱包を行う作業者は、前面壁を閉じながら、前面壁に接続された外フラップを前半分の内フラップと前側の水平板との間に配置しなければならないが、梱包(組み立て)に不慣れな作業者は、前面壁に接続された外フラップを前方の水平板の上に重ねてしまう虞もあった。この場合、前方の水平板はスリットで分離された前半分の内フラップのみに重なり、衣類の重さを支える機能を適正に発揮しない。したがって、実質的に後方の水平板のみで衣類の重さを支えることになるため、輸送中の振動等によって衣類が吊り下げ部材と共に脱落する虞があった。
【0006】
さらに、上記した衣類の運搬用包装箱では、前面壁に開口を作るために、前面壁に折目線を形成したり、前面壁を折目線よりも上方で一対の側壁から分離したりする等、胴部に様々な加工を施す必要があった。このため、胴部の製造コストが増加したり、胴部の圧縮強度が低下したりする等の問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮し、衣類の重さを確りと支えることができ、容易に組み立てられ、箱体に施す加工を削減することができる衣類用包装箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ハンガーに掛けられた衣類を包装する衣類用包装箱であって、天壁、底壁および一対の側壁によって側方を開放した周壁を形成し、少なくとも各々の前記側壁に接続されるフラップを折り曲げて前記周壁の側方を閉塞する箱体と、前記天壁に取り付けられる吊下部材と、を備え、前記天壁には、前記フラップに平行となる溝部が形成され、前記吊下部材は、前記ハンガーが掛けられる吊下穴を有し、前記天壁の上方から前記溝部に挿入される挿入板と、前記挿入板の上端に連設され、前記天壁の上面に積層された状態で固定される固定板と、を有している。
【0009】
この場合、前記挿入板および前記固定板は、それぞれ一対設けられ、一対の前記挿入板は、互いに折り返されて二重壁を構成し、一対の前記固定板は、一対の前記挿入板の上端から互いに離れる方向に延設されてもよい。
【0010】
この場合、前記天壁には、前記固定板を積層する範囲に固定穴が形成され、前記固定板には、前記天壁に積層された状態で前記固定穴に圧入される固定片が形成されてもよい。
【0011】
この場合、前記側壁には、前記天壁の側に差込穴が形成され、前記固定板には、一対の前記側壁の外面に重なるように下方に折り曲げられ、先端側を前記差込穴に差し込んで一対の前記側壁を挟み込む一対の側片が連設されてもよい。
【0012】
この場合、前記側片は、前記固定板に連設され、前記側壁の外面に積層される挟持板と、前記挟持板の先端から突設され、前記差込穴に差し込まれて前記側壁の内面に係合する差込片と、を有し、前記側壁には、前記挟持板が積層される領域を含む積層領域と前記挟持板が重ならない領域である非積層領域との境界に沿って補助折線が形成され、前記挟持板は、前記差込片を前記差込穴に差し込む過程で前記補助折線に沿って折れることで前記非積層領域に対して一段凹んだ前記積層領域に嵌合し、前記差込片を除く前記挟持板の先端は、前記積層領域と前記非積層領域との間の段差面に当接してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、衣類の重さを確りと支えることができ、容易に組み立てられ、箱体に施す加工を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る衣類用包装箱を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る衣類用包装箱の箱体のブランクを示す平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る衣類用包装箱の箱体のブランクの一部(取付構造)を拡大して示す平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る衣類用包装箱の吊下部材のブランクを示す平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る衣類用包装箱の組立手順を説明する斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る衣類用包装箱の組立手順を説明する正面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る衣類用包装箱を示す正面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る衣類用包装箱に衣類を収容した状態を示す断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態の変形例に係る衣類用包装箱を示す斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態の変形例に係る衣類用包装箱の箱体のブランクを示す平面図である。
【
図13】本発明の一実施形態の変形例に係る衣類用包装箱の吊下部材のブランクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。前後方向、左右方向および上下方向は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、衣類用包装箱を使用する状態での方向や位置を基準にしている。
【0016】
[衣類用包装箱]
図1ないし
図4を参照して、本実施形態に係る衣類用包装箱1について説明する。
図1は衣類用包装箱1を示す斜視図である。
図2は衣類用包装箱1の箱体2のブランク2Aを示す平面図である。
図3は箱体2のブランク2Aの一部を拡大して示す平面図である。
図4は衣類用包装箱1の吊下部材3のブランク3Aを示す平面図である。
【0017】
衣類用包装箱1は、ハンガー90に掛けられた衣類91(後述する
図10参照)を吊るした状態で包装するための箱である。
図1に示すように、衣類用包装箱1は、前後方向に薄い略直方体(または厚板状)に形成された箱体2と、箱体2の上部に取り付けられた吊下部材3と、を備えている。箱体2は、周壁Wの左右両端を複数のフラップ14~16で閉塞する所謂A形式と呼ばれる段ボール箱である。周壁Wは、天壁10、底壁11および一対の側壁12によって側方を開放した略角筒状に形成されている。複数のフラップ14~16は、周壁Wの左右両端に接続され、折り曲げられて周壁Wの側方(開口部)を閉塞する。吊下部材3は、天壁10から側壁12の上部にかけて取り付けられ、ハンガー90のフック部を引っ掛けるための部品である。
【0018】
箱体2は、
図2に示すブランク2Aから組み立てられる。吊下部材3は、
図4に示すブランク3Aから組み立てられる。これらのブランク2A,3Aは、それぞれ1枚の紙製の段ボールシートで形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aに表ライナ9Bと裏ライナ9C(
図5等も参照)とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。
【0019】
[箱体のブランク]
図2に示すように、箱体2のブランク2Aは、天壁10と、底壁11と、一対の側壁12と、継代片13と、一対の上内フラップ14と、一対の下内フラップ15と、二対の外フラップ16と、を有している。なお、一対の側壁12は同一形状であるため、本明細書では、主に1つの側壁12に着目して説明する。これと同様に、上内フラップ14、下内フラップ15および外フラップ16についても、主に1つに着目して説明する。また、本明細書では、上内フラップ14と下内フラップ15とに共通する説明では、単に「内フラップ14,15」と呼び、内フラップ14,15と外フラップ16とに共通する説明では、単に「フラップ14~16」と呼ぶ。
【0020】
底壁11、一方の側壁12、天壁10、他方の側壁12および継代片13は、この順に流れ方向に一列に並べられ、第1折曲線L1を介して連設されている。天壁10および底壁11は流れ方向に幅狭い略長方形状に形成され、側壁12は天壁10等よりも流れ方向に十分に幅広い略長方形状に形成されている。
【0021】
一対の上内フラップ14は、第2折曲線L2を介して天壁10の段方向の両端に連設されている。一対の下内フラップ15は、第2折曲線L2を介して底壁11の段方向の両端に連設されている。二対の外フラップ16は、第2折曲線L2を介して一対の側壁12の段方向の両端に連設されている。内フラップ14,15は略正方形状に形成され、外フラップ16は流れ方向を長辺とする略長方形状に形成されている。フラップ14~16の段方向の寸法は、天壁10等の流れ方向の寸法と略一致している。
【0022】
<取付構造>
図2に示すように、天壁10および一対の側壁12には、吊下部材3を取り付けるための取付構造17が形成されている。
図3に示すように、取付構造17は、溝部20と、一対の固定穴21と、二対(4つ)の差込穴22と、二組の補助折線L11と、を有している。なお、一対の固定穴21は同一形状であるため、本明細書では、主に1つの固定穴21に着目して説明する。これと同様に、差込穴22および補助折線L11についても、主に1つに着目して説明する。
【0023】
(溝部)
溝部20は、天壁10の段方向の略中央に形成(穿設)されている。溝部20は、(閉じられた)フラップ14~16と平行となるように流れ方向に沿って延びた長穴(スリット)である。溝部20の幅は、吊下部材3のブランク3A(段ボールシート)2枚分の厚み程度とされている。溝部20の長手方向(流れ方向)の中央部には、略円形状の切欠きが形成されている。溝部20の長手方向の両端部は、一対の第1折曲線L1を僅かに超えて一対の側壁12に形成されている。なお、溝部20の両端部は一対の第1折曲線L1よりも内側に位置してもよい(図示せず)。
【0024】
(固定穴)
一対の固定穴21は、溝部20から段方向の両側に離間した位置に形成(穿設)されている。固定穴21は、流れ方向を長辺とする長方形状の開口である。なお、詳細は後述するが、天壁10において、一対の固定穴21が形成された範囲は、吊下部材3の一対の固定板31を積層する範囲となる。
【0025】
(差込穴)
二対の差込穴22は、一対の側壁12の天壁10の側(上側)に形成されている。差込穴22は、側壁12に形成された開口片23を開くことで開口する。開口片23は、第1折曲線L1から下方に離れた位置で第1折曲線L1と平行に延びた差込折線L12と、差込折線L12の両端から下方に突き出すように略U字状に形成された切断線24と、で囲まれた範囲に形成されている。開口片23は、固定穴21よりも段方向に長く、固定穴21よりも流れ方向に短い略長方形状に形成されている。切断線24の両端部(上端部)は、段方向の両外側にUターンするように略半円弧状に形成されている。二対の開口片23(差込穴22)は、一対の固定穴21を挟んで線対称に配置されている。4つの開口片23と2つの固定穴21とは、流れ方向に3行に並び、段方向に2列に並んだ格子状に配列されている。
【0026】
(補助折線)
二組の補助折線L11は、一対の側壁12の天壁10の側(上側)に形成されている。1つの側壁12において、一組の補助折線L11は、段方向に並ぶ2つの差込穴22の間と、2つの差込穴22の段方向の両外側と、に離散的に形成されている。このように、補助折線L11は連続せずに分割されているが、本明細書では、分割された補助折線L11を一組として扱っている。なお、離散的に形成された補助折線L11の端部は、差込穴22から若干離れている。
【0027】
補助折線L11は、側壁12の両角付近から天壁10の側とは反対側となる下側に向かって互いに接近するように斜めに延びた一対の傾斜線と、一対の傾斜線の下端を結ぶように段方向に延びた水平線と、を有し、全体として略台形状の輪郭に形成されている。補助折線L11の水平線は、2つの差込穴22によって分断され、差込穴22の段方向に延びる下縁部と略同一直線上に形成されている。補助折線L11は、後述する吊下部材3の挟持板37が積層される領域を含む積層領域R1と挟持板37が重ならない領域である非積層領域R2との境界に沿って形成されている。つまり、積層領域R1は、2つの差込穴22を含む略台形状の範囲となる。
【0028】
なお、第1折曲線L1、第2折曲線L2および補助折線L11は、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に潰した汎用罫線である。差込折線L12は、汎用罫線上にミシン目を入れたリード罫である。汎用罫線やリード罫は、主に裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(正折りする)機能を有している。第1および第2折曲線L1,L2、補助折線L11および差込折線L12は、上記した形式に限らず、段ボールシートを折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。
【0029】
[吊下部材のブランク]
図4に示すように、吊下部材3のブランク3Aは、一対の挿入板30と、一対の固定板31と、二対の側片32と、を有している。なお、一対の挿入板30、一対の固定板31および二対の側片32は、一対の挿入板30の境界線(後述する第3折曲線L3)を軸に線対称となる形状であるため、本明細書では、主に、1つの挿入板30、1つの固定板31、1つ(または一対)の側片32に着目して説明する。
【0030】
<挿入板>
一対の挿入板30は、互いに第3折曲線L3を介して連設されている。挿入板30は長方形の2つの角を隅切りした六角形状に形成され、一対の挿入板30は隅切り側の一辺を突き合せて連設されている。挿入板30は、天壁10に開口した溝部20に挿入可能な幅に形成されている。なお、吊下部材3のブランク3Aでは、中しん9Aの延びる方向(段方向)が、第3折曲線L3に対して略45度傾いている。本明細書では、第3折曲線L3が延びる方向を「第1方向」と呼び、第1方向に直交する方向を「第2方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X1」は「第1方向」を示し、「Y1」は「第2方向」を示している。
【0031】
挿入板30には、ハンガー90(のフック部)を掛けるための複数(例えば3つ)の吊下穴33が形成(穿設)されている。各吊下穴33は第2方向に延びた長穴であり、3つの吊下穴33は第2方向に等間隔に配置されている。なお、吊下穴33は1つ以上形成されていればよく、吊下穴33の数は自由に増減してもよい。また、複数の吊下穴33の配置も自由に変更してもよい。
【0032】
<固定板>
一対の固定板31は、第4折曲線L4を介して一対の挿入板30の第2方向の外端に連設されている。固定板31は、第2方向を長辺とする略長方形状に形成されている。固定板31の第1方向の幅は、天壁10の流れ方向の幅と略同一とされている。
【0033】
固定板31には、一対の固定片34が形成されている。一対の固定片34は、第1方向に離間し第2方向に延びた一対の圧入折線L13と、固定板31の中央部で圧入折線L13よりも長く第2方向に延びた第1切目35と、一対の圧入折線L13の両端と第1切目35の両端とを結ぶように延びた4つの第2切目36と、で囲まれた範囲に形成されている。各固定片34は第1切目35を下底とする略台形状に形成され、一対の固定片34は下底となる辺を突き合せて全体として六角形状に形成されている。各固定片34の第1方向の最大長(第1切目35の長さ)は、天壁10に開口した固定穴21の段方向(左右方向)の寸法よりも長く形成されている。各固定片34の第2方向の中央には、第1方向に延びた圧入補助線L14が形成されている。詳細は後述するが、固定板31が天壁10に積層された状態で、各固定片34は固定穴21に圧入される。
【0034】
<側片>
二対の側片32は、一対の固定板31の第1方向の両端に連設されている。一対の側片32は、固定板31を軸に線対称となる形状に形成されている。側片32は、挟持板37と、差込片38と、で一体に形成されている。挟持板37は、第5折曲線L5を介して固定板31に連設されている。挟持板37は、長方形の先端側の2つの角を隅切りして六角形状に形成されている。差込片38は、挟持板37の先端から突設されている。差込片38は、基端(挟持板37側)から先端に向かって幅狭くなる略台形状(略三角形状)に形成されている。差込片38の第2方向の外側の一辺は、基端から先端に向かって第2方向の内側に湾曲しながら傾斜している。差込片38の第2方向の内側の一辺は、第1方向と平行に延びている。挟持板37の先端は差込片38の基端よりも幅広いため、差込片38を除く挟持板37の先端は露出している。
【0035】
なお、第3折曲線L3は、裏ライナ9C側から厚み方向に半分ほど切断した半切り線である。第4折曲線L4および第5折曲線L5は汎用罫線上にミシン目を入れたリード罫であり、圧入折線L13および圧入補助線L14は汎用罫線である。詳細には、圧入折線L13には1つの切目が入れられている。半切り線は表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(逆折りする)機能を有し、リード罫は主に正折りする機能を有している。第3~第5折曲線L3~L5、圧入折線L13および圧入補助線L14は、上記した形式に限らず、段ボールシートを所望の向きに折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。
【0036】
[衣類用包装箱の組立]
次に、
図1,
図5ないし
図10を参照して、衣類用包装箱1の組立手順の一例について説明する。
図5は衣類用包装箱1の組立手順を説明する斜視図である。
図6は衣類用包装箱1の組立手順を説明する正面図である。
図7は衣類用包装箱1を示す正面図である。
図8は、
図7のVIII-VIII断面図である。
図9は、
図7のIX-IX断面図である。
図10は衣類用包装箱1に衣類91を収容した状態を示す断面図である。ここでは、一例として、作業者が手作業で衣類用包装箱1を組み立てる場合について説明する。なお、箱体2のブランク2Aにおいて、継代片13が連設された側壁12が第1折曲線L1で内側に折り返され、底壁11が第1折曲線L1で内側に折り返されて継代片13に接着され、箱体2は折り畳まれた状態となっているものとする(図示せず)。
【0037】
<箱体の組立>
作業者は、折り畳まれた箱体2を起こして角筒状の周壁Wを形成する(
図5参照)。天壁10と底壁11とは上下方向に対向し、一対の側壁12は前後方向に対向し、周壁Wの左右方向の両端は開口している。次に、作業者は、例えば、周壁Wの左側方の開口をフラップ14~16で閉じる(
図5参照)。作業者は、下内フラップ15および上内フラップ14を第2折曲線L2に沿って内側に折り曲げ、一対の外フラップ16を第2折曲線L2に沿って折り重ねる。一方の外フラップ16は内フラップ14,15の外面に重なり、他方の外フラップ16は一方の外フラップ16の外面に重なる。作業者は、他方の外フラップ16から側壁12にかけて粘着テープを貼る(図示せず)。
【0038】
以上によって、周壁Wの左側方がフラップ14~16で閉塞され、周壁Wの右側方を開放させた箱体2が完成する(
図5参照)。なお、上記では、周壁Wの左側方を閉塞し、右側方を開放したが、これとは逆に、周壁Wの右側方を閉塞し、左側方を開放してもよい(図示せず)。
【0039】
<吊下部材の組立および取付>
作業者は、吊下部材3のブランク3Aを、第3折曲線L3に沿って逆折りし、第4折曲線L4および第5折曲線L5に沿って正折りする(
図5参照)。一対の挿入板30は、互いに折り返され、表ライナ9B同士を重ね合わせて二重壁を構成する。一対の挿入板30の各吊下穴33同士は略一致している。一対の固定板31は、一対の挿入板30の上端に連設され、一対の挿入板30の上端から互いに離れる方向(左右方向の外側)に延設されている。各側片32は、固定板31から下方に延設されている。なお、この工程では、折り癖を付け、吊下部材3の大雑把な形状を構成するだけでよい。
【0040】
図6に示すように、作業者は、一対の固定板31を跳ね上げた姿勢(表ライナ9B同士を向き合わせた姿勢)とし、二重壁を構成した一対の挿入板30を、箱体2の天壁10の上方から溝部20に挿入する。一対の挿入板30は、天壁10の下面(内面)から突き出し、周壁Wの内部に配置される。
【0041】
次に、作業者は、第4折曲線L4を軸にして一対の固定板31を下方に回動させながら(
図6に示す矢印参照)、側片32を側壁12に押し付け、開口片23を差込折線L12に沿って内側に折り曲げて差込穴22を開口させる。そして、作業者は、側片32の先端側(差込片38)を差込穴22に差し込みながら、一対の固定板31を更に下方に回動させ、一対の固定板31を天壁10上に積層する(
図7参照)。
図7ないし
図9に示すように、差込片38を差込穴22に差し込む過程で、一対の側壁12の積層領域R1は、二対の挟持板37に挟み込まれて補助折線L11に沿って内側に折れ、非積層領域R2に対して一段内側に凹む。詳細には、積層領域R1の上側(天壁10の側)は殆ど凹まず、主に積層領域R1の下側(補助折線L11の近傍)が一段凹む。これにより、積層領域R1と非積層領域R2との間には段差面25が形成される。差込片38を除く挟持板37の先端が段差面25に当接することで、差込片38の差し込みが規制される(差し込みが完了する(
図7および
図9参照))。
【0042】
図7ないし
図9に示すように、差込片38の差し込みが完了した状態で、挟持板37は、非積層領域R2に対して一段凹んだ積層領域R1に嵌合する(配置される)。また、前後一対の挟持板37は、一対の側壁12の外面に積層され、一対の側壁12を挟み込む(
図8および
図9参照)。開口片23は、差込折線L12まわりの復元力をもって挟持板37の内面に当接し、差込片38は、差込穴22に差し込まれて側壁12の内面(詳細には、差込穴22の下縁内側)に係合する(
図8参照)。
【0043】
図1および
図8に示すように、作業者は、固定板31の固定片34を下方へ押し込む。固定片34は、圧入補助線L14に沿って若干V字状に折れながら圧入折線L13に沿って下方に屈曲する。固定片34は、その先端側の左右両端部を天壁10の固定穴21の左右両縁部に干渉させながら押し込まれる。固定穴21を通過した固定片34は、圧入補助線L14まわりの復元力によって左右方向に広がり、固定穴21の左右両縁部に係合して引き抜き規制される。
【0044】
以上によって、固定板31は、天壁10の上面に積層された状態で固定される。つまり、吊下部材3が、箱体2の天壁10に取り付けられる(
図1参照)。
【0045】
ここで、
図4に示すように、吊下部材3のブランク3Aの中しん9Aが第3折曲線L3等に対して略45度傾いている理由について説明する。段ボールシートを用いた包装箱の分野では、一般的に、段ボールシートを折り曲げるための折線が中しん9Aと平行に延びている場合、その折線に沿って折れずに、その折線の近傍に位置する中しん9Aに沿って折れてしまうことが知られている。したがって、段ボールシートを折線に沿って正確に折り曲げる(折曲位置の精度を向上させる)には、折線は中しん9Aに直交する方向(流れ方向)に延びていることが好ましい。仮に、吊下部材3のブランク3Aの中しん9Aが第5折曲線L5と平行に延びている場合について考える。この場合、側片32を第5折曲線L5に沿って正確に折り曲げることができない虞がある。また、側片32の差込片38を差込穴22に差し込む際、差込片38の先端が差込穴22の縁部に擦れて、差込片38の先端側の表ライナ9Bが剥がれやすくなってしまう。これとは逆に、吊下部材3のブランク3Aの中しん9Aが第4折曲線L4と平行に延びている場合、固定板31を第4折曲線L4に沿って正確に折り曲げることができない虞がある。そこで、本実施形態では、吊下部材3のブランク3Aの中しん9Aが延びる方向を傾けることで、固定板31や側片32の折曲位置の精度を向上させ、差込片38の表ライナ9Bの剥がれを抑制している。なお、上記したように、ブランク3Aの中しん9Aが延びる方向を傾けることが好ましいが、ブランク3Aの中しん9Aを第5折曲線L5と平行にしたり、第3および第4折曲線L3,L4と平行にしたりすることを除外するものではない。また、ブランク3Aの中しん9Aの傾斜角度は、45度に限らず、自由に変更してもよい。
【0046】
<衣類の収容および箱体の封緘>
図10に示すように、作業者は、開放された右側方から箱体2(周壁W)の内部に衣類91を掛けたハンガー90を差し入れ、ハンガー90のフック部を挿入板30の吊下穴33に引っ掛ける。これにより、ハンガー90に掛けられた衣類91が箱体2の内部で吊るされた状態になる。最後に、作業者は、周壁Wの左側方の開口を閉じた時と同様に、周壁Wの右側方の開口をフラップ14~16で閉じ、粘着テープで固定する(
図1参照)。
【0047】
以上によって、箱体2が封緘され、衣類用包装箱1の組立作業が完了する(
図1参照)。衣類用包装箱1は、衣類91のユーザのもとへ輸送される。なお、本実施形態では、外フラップ16を粘着テープで固定していたが、これに限らず、他方の外フラップ16が接着剤を介して一方の外フラップ16に接着されてもよい。
【0048】
以上説明した本実施形態に係る衣類用包装箱1では、箱体2(周壁W)の側方がフラップ14~16で開閉可能とされ、吊下部材3が箱体2の上面となる天壁10上に固定されていた。この構成によれば、吊下部材3を一対の側壁12の上端に不動に架設された天壁10上に固定することができる。これにより、吊下部材3の挿入板30(吊下穴33)に掛けられた衣類91の重さを確りと支えることができ、衣類91や吊下部材3の脱落を防止することができる。また、本実施形態に係る衣類用包装箱1によれば、吊下部材3を外部から箱体2に取り付けることができる。具体的には、挿入板30を天壁10の溝部20に差し込み、固定板31を天壁10の上面に固定するだけでよく、特別な手順を必要としない。これにより、組み立てに不慣れな作業者であっても、容易かつ適正に衣類用包装箱1を組み立てることができる。さらに、本実施形態に係る衣類用包装箱1によれば、箱体2は一般的なA形式の箱であるため、ハンガー90に掛けられた衣類91を出し入れする場合には、周壁Wの側方に設けられたフラップ14~16を開閉すればよい。したがって、周壁Wの側方以外に開口部を形成するために、側壁12に余計な加工を施す必要が無くなる。また、箱体2のブランク2Aを製造する際には、天壁10まわりの取付構造17のみの部分木型を作成すればよく、ブランク2A全体の木型を製造する必要がなくなる。これにより、箱体2の製造コストを抑制したり、箱体2の圧縮強度の低下を防止したりすることができる。
【0049】
また、本実施形態に係る衣類用包装箱1によれば、一対の挿入板30が互いに折り返されて二重壁を構成するため、吊下穴33の周縁の強度が向上し、吊下穴33に掛けたハンガー90を確りと保持することができる。また、一対の固定板31が一対の挿入板30の上端から互いに離れる方向に延設され、天壁10との接触面積を増加させているため、衣類91を吊り下げた際に一対の固定板31が受ける荷重を天壁10全体に分散することができる。これにより、吊下部材3に掛けられた衣類91を確りと支えることができる。
【0050】
また、本実施形態に係る衣類用包装箱1によれば、固定板31の固定片34を天壁10の固定穴21に押し込むことで、固定板31を天壁10上に固定することができる。これにより、接着剤や粘着テープ等を用いることなく、箱体2に対する吊下部材3の取付作業を簡単かつ迅速に行うことができる。
【0051】
また、本実施形態に係る衣類用包装箱1では、一対の側片32が、固定板31に対して下方に折り曲げられ、先端側を差込穴22に差し込んで一対の側壁12を挟み込む構成とした。この構成によれば、吊下部材3が天壁10から一対の側壁12にかけて箱体2の上部を掴むように取り付けられるため、衣類91を吊り下げた際に固定板31が受ける荷重を、天壁10に加えて一対の側壁12にも分散することができる。これにより、固定板31が箱体2の内部に引き込まれたり、天壁10や側壁12の上端部が潰れたりする等の不具合を抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る衣類用包装箱1では、側片32の差込片38を側壁12の差込穴22に差し込む過程で、側壁12の積層領域R1が補助折線L11に沿って凹むように折れ、側片32の挟持板37の先端(下端)が一段凹んだ積層領域R1と非積層領域R2との間の段差面25に当接する構成とした。この構成によれば、衣類91を吊り下げた際に側片32が受ける荷重を、段差面25で確りと受けることができる。これにより、箱体2の上端部の潰れを有効に抑制することができる。また、挟持板37が一段凹んだ積層領域R1に嵌合するため、衣類用包装箱1は凹凸の少ない外観となり、外寸法を小さくすることができる。
【0053】
なお、本実施形態に係る衣類用包装箱1では、側壁12に開口片23が形成され、開口片23を開くことで差込穴22が開口していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、開口片23を省略し、側壁12に差込穴22が穿設されてもよい(図示せず)。
【0054】
また、本実施形態に係る衣類用包装箱1では、側壁12に補助折線L11を形成したが、これに限らず、補助折線L11は省略されてもよい(図示せず)。この場合であっても、側壁12の中しん9Aが横方向に延びているため、側壁12は、側片32の差し込みに伴って凹みやすくなっている。しかしながら、正確に、積層領域R1を非積層領域R2に対して凹ませるためには、補助折線L11を形成することが好ましい。
【0055】
[変形例]
以下、各種の変形例について説明する。なお、以下の説明では、上記した実施形態に係る衣類用包装箱1と同様または対応する構成には同一の符号を付し、同様または対応する説明は省略する。
【0056】
本実施形態に係る衣類用包装箱1では、箱体2に差込穴22が形成され、吊下部材3に側片32が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。
図11ないし
図13に示すように、変形例に係る衣類用包装箱5として、箱体6(ブランク6A)から差込穴22(開口片23)や補助折線L11が省略され、吊下部材7(ブランク7A)から側片32が省略されてもよい。なお、変形例に係る衣類用包装箱5では、吊下部材7のブランク7Aの中しん9Aが延びる方向は、第3および第4折曲線L3,L4に直交する方向となっている。また、溝部20は天壁10に収まっており、溝部20の長手方向の両端部は一対の第1折曲線L1よりも内側に位置している。
【0057】
また、本実施形態(変形例を含む。以下同じ。)に係る衣類用包装箱1,5では、一対の固定板31が一対の挿入板30の上端から互いに離れる方向に延設されていたが、本発明はこれに限定されない。挿入板30および固定板31は、それぞれ1つであってもよい(図示せず)。例えば、1つの固定板31が1つの挿入板30の上端に連設されてもよい(図示せず)。
【0058】
また、本実施形態に係る衣類用包装箱1,5では、天壁10に固定穴21が形成され、固定板31に固定片34が形成されていたが、これに限らず、固定穴21や固定片34は省略されてもよい(図示せず)。この場合、固定板31は、接着剤や粘着テープによって天壁10に固定される。
【0059】
また、本実施形態に係る衣類用包装箱1,5では、各固定板31に一対の固定片34が形成されていたが、これに限らず、固定片34は1つであってもよい(図示せず)。また、固定穴21、差込穴22、固定片34および側片32等の形状は、その機能を発揮可能であれば、自由に変更してもよい。
【0060】
また、本実施形態に係る衣類用包装箱1,5では、箱体2の一対の外フラップ16が折り重なる構成であったが、これに限らず、一対の外フラップ16は互いの先端同士を突き合せる構成であってもよい(図示せず)。また、天壁10および底壁11に内フラップ14,15が接続され、側壁12に外フラップ16が接続されていたが、本発明はこれに限定されない。少なくとも側壁12に外フラップ16が接続されていればよく、内フラップ14,15は省略されてもよい。
【0061】
また、本実施形態に係る衣類用包装箱1,5は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、本発明はこれに限定されない。衣類用包装箱1,5は、片面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボール、単紙(厚紙)または合成樹脂製の板材等で形成されていてもよい。また、箱体2,6や吊下部材3,7の各部の寸法(幅、奥行き、高さ)や形状、段ボールシートの厚みや中しん9Aが延びる方向等は自由に変更してもよい。
【0062】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る衣類用包装箱における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0063】
1,5 衣類用包装箱
2,6 箱体
3,7 吊下部材
10 天壁
11 底壁
12 側壁
14 上内フラップ(フラップ)
15 下内フラップ(フラップ)
16 外フラップ(フラップ)
20 溝部
21 固定穴
22 差込穴
25 段差面
30 挿入板
31 固定板
32 側片
33 吊下穴
34 固定片
37 挟持板
38 差込片
90 ハンガー
91 衣類
L11 補助折線
R1 積層領域
R2 非積層領域
W 周壁