(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118406
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】計量システム
(51)【国際特許分類】
G01G 19/414 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
G01G19/414 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021346
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100186761
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 勇太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 駿
(72)【発明者】
【氏名】荒木 義人
(72)【発明者】
【氏名】森田 敬之
(72)【発明者】
【氏名】石原 友美
(57)【要約】
【課題】消費者自身が商品を計量する場合において、当該商品の購入用参考情報を容易に入手可能な計量システムを提供する。
【解決手段】
計量システムは、商品群が載置される載置部と、載置部に設けられ、商品群から取り出される商品の重量を商品群の減少量に基づいて計量する計量装置と、計量装置によって計量される重量に基づく金額を演算する制御部と、少なくとも金額を表示可能な表示装置と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品群が載置される載置部と、
前記載置部に設けられ、前記商品群から取り出される商品の重量を前記商品群の減少量に基づいて計量する計量装置と、
前記計量装置によって計量される前記重量に基づく金額を演算する制御部と、
少なくとも前記金額を表示可能な表示装置と、
を備える計量システム。
【請求項2】
前記表示装置は、少なくとも前記商品群の単価を表示する第1表示と、少なくとも前記金額を表示する第2表示とを有し、
前記表示装置による前記第1表示の表示中に前記計量装置による前記重量の計量結果に変動が生じるとき、前記制御部は、前記表示装置の表示を前記第2表示に切り替える、請求項1に記載の計量システム。
【請求項3】
前記載置部には、複数の商品群が載置され、
前記表示装置は、前記第1表示において複数の前記商品群のそれぞれの単価を表示する、請求項2に記載の計量システム。
【請求項4】
前記表示装置による前記第1表示の表示中に前記減少量が所定の閾値を超える場合、前記制御部は、前記表示装置の表示を前記第2表示に切り替える、請求項2または3に記載の計量システム。
【請求項5】
前記商品を収容可能な容器を計量する第2計量装置と、
前記第2計量装置の計量結果を直接的または間接的に他の装置に伝達する伝達部と、をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の計量システム。
【請求項6】
商品群が載置される載置部と、
前記載置部に設けられ、前記商品群から取り出される商品の重量を前記商品群の減少量に基づいて計量する計量装置と、
前記計量装置によって計量される前記重量に基づく金額を演算する制御部と、
少なくとも前記重量を表示可能な表示装置と、
を備える計量システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の商品がショーケースに陳列され、客(消費者)が所望する商品を所望の分量販売する対面販売が行われている。このような対面販売では、店員は、客から所望の商品及び分量を聞いた後、所望の商品をショーケースから取り出して容器等に収容し、例えばショーケースの上面に載置された秤に載置することによって商品価格を算出する。ここで、店員は、商品価格を算出するにあたり、商品の種類を選択する必要がある。
【0003】
このような商品価格を算出するための作業負担を軽減することができる計量システム(計量値付システム)が開示されている(例えば、下記特許文献1)。この計量システムでは、商品価格を算出するにあたり、商品の種類を選択する作業を省略することができるので、店員による商品の誤選択を原因とした商品価格の誤算出を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店員による分量販売ではなく、消費者自身によって商品群から所望の商品を取り出した後、店員による当該商品の計量がなされる販売方法がある。この販売方法では、環境保護などの観点から、消費者が所有する容器を風袋とし、当該容器内に商品を収容することがある。この場合、予め登録されている風袋とは異なる容器が利用されることが多い。このため、計量された商品に対して適当な金額を請求すべく、店員は、商品の収容前に容器の重量を正確に測定する必要があり、手間が掛かってしまう。上記容器の重量が正確に測定されなかった場合などにおいては、当該容器に収容される商品自体の計量が正確になされないおそれがあるからである。
【0006】
加えて、商品の取り出しに慣れていない消費者は、想定よりも多量もしくは少量の商品を購入すること、想定よりも高額もしくは低額の金額を請求されることなどがある。よって、商品を計量する消費者にとっては、当該商品の目安重量、目安金額などの購入用参考情報を容易に入手できることが望まれている。
【0007】
本発明の一側面の目的は、消費者自身が商品を計量する場合において、当該商品の購入用参考情報を容易に入手可能な計量システムの提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る計量システムは、商品群が載置される載置部と、載置部に設けられ、商品群から取り出される商品の重量を商品群の減少量に基づいて計量する計量装置と、計量装置によって計量される重量に基づく金額を演算する制御部と、少なくとも金額を表示可能な表示装置と、を備える。
【0009】
この計量システムでは、計量装置は、商品群の減少量に基づいて商品の重量を計量する。これにより、取り出した商品を収容する容器の重量にかかわらず、当該商品の重量を精度よく計量できる。加えて、制御部は、計量装置によって計量される重量に基づく金額を演算し、表示装置は、少なくとも当該金額を表示可能である。このため、例えば、商品の計量中などに、消費者は、商品の金額などを表示装置を介して容易に入手できる。したがって、上記計量システムが利用されることによって、消費者自身が商品を計量する場合であっても、当該商品の購入用参考情報を容易に入手可能になる。
【0010】
表示装置は、少なくとも商品群の単価を表示する第1表示と、少なくとも金額を表示する第2表示とを有し、表示装置による第1表示の表示中に計量装置による重量の計量結果に変動が生じるとき、制御部は、表示装置の表示を第2表示に切り替えてもよい。この場合、消費者は、商品の計量中において、商品の金額を容易に入手できる。
【0011】
載置部には、複数の商品群が載置され、表示装置は、第1表示において複数の商品群のそれぞれの単価を表示してもよい。この場合、消費者は、複数の商品の購入用参考情報を容易に入手できる。
【0012】
表示装置による第1表示の表示中に減少量が所定の閾値を超える場合、制御部は、表示装置の表示を第2表示に切り替えてもよい。この場合、計量装置による商品の計量時以外における第2表示への切り替えを防止できる。
【0013】
上記計量システムは、商品を収容可能な容器を計量する第2計量装置と、第2計量装置の計量結果を直接的または間接的に他の装置に伝達する伝達部と、をさらに備えてもよい。この場合、計量システムとは異なる別の計量装置によって商品を計量するとき、伝達部から容器の計量結果を受信する当該別の計量装置は、容器の重量を除外して商品を精度よく計量できる。
【0014】
本発明の別の一側面に係る計量システムは、商品群が載置される載置部と、載置部に設けられ、商品群から取り出される商品の重量を商品群の減少量に基づいて計量する計量装置と、計量装置によって計量される重量に基づく金額を演算する制御部と、少なくとも重量を表示可能な表示装置と、を備える。
【0015】
この計量システムでは、計量装置は、商品群の減少量に基づいて商品の重量を計量する。これにより、取り出した商品を収容する容器の重量にかかわらず、当該商品の重量を精度よく計量できる。したがって、上記計量システムが利用されることによって、消費者自身が商品を計量する場合であっても、当該商品の購入用参考情報を容易に入手可能になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一側面によれば、消費者自身が商品を計量する場合において、当該商品の購入用参考情報を容易に入手可能な計量システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態に係る計量システムの一部を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る計量システムの一部の模式平面図である。
【
図3】
図3は、表示装置の表示の一例を示す概略図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る計量システムの実施例を示す模式平面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る計量システムの別の実施例を示す模式平面図である。
【
図6】
図6は、表示装置の表示の別の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一側面に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る計量システムの一部を示す概略斜視図である。
図2は、本実施形態に係る計量システムの一部の模式平面図である。
図3は、表示装置の表示の一例を示す概略図である。
図2においては、
図1に示される積載物は取り除かれている。
【0020】
図1及び
図2に示されるように、計量システム1は、例えば、店員、消費者などが商品群201~206を計量するときに用いる装置である。計量システム1を利用する消費者は、例えば、商品群201~206から取り出した商品の目安重量、目安金額などの情報を容易に得られる。商品群201~206のそれぞれは、量り売りに適する商品A~商品F(
図3を参照)の群体である。商品A~商品Fのそれぞれは、例えば、粉粒体状、種実類などの食品などである。商品群201~206は、例えば容器101~106にそれぞれ収容される。容器101~106のそれぞれは、開閉可能な上蓋などを有してもよい。
【0021】
計量システム1は、商品群201~206が載置される載置部2と、載置部2内に配置される計量装置3と、載置部2に装着される表示装置4と、制御部5とを備える。載置部2は、計量システム1の主要部の筐体であり、天板11を備える。天板11には、複数の開口12~17が設けられる。開口12~17には、容器101~106のそれぞれが収容される。計量装置3の計量精度の観点から、平面視にて、容器101~106は、開口12~17のそれぞれに対して隙間なく収容されてもよい。
【0022】
計量装置3は、商品群201~206から取り出される商品の重量を計量する装置であり、複数の計量部21~26を有する。計量部21~26のそれぞれは、互いに異なる物品(商品)の重量を計量する装置であり、載置部2内に収容される。計量部21~26は、
図2に示されるように開口12~17にそれぞれ重なる。このため、計量部21~26は、開口12~17からそれぞれ露出する。計量部21~26は、容器101~106をそれぞれ支持する。本実施形態では、計量部21は、商品群201から取り出される商品の重量を商品群201の減少量に基づいて計量する。計量部22~26は、商品群202~206から取り出される商品の重量を、計量部21と同様の手法にて計量する。
【0023】
所定のタイミングを基準として、計量部21による商品Aの重量の計量結果に変動が生じるとき及び当該変動が生じているとき(例えば、商品群201が減少するとき及び減少しているとき)、計量部21は計量中であるとされる。なお、所定のタイミングは、例えば、消費者が計量システム1を利用開始するときである。当該タイミングは、計量システム1によって自動的に決定されてもよいし、消費者による操作部(不図示)の操作などによって決定されてもよい。前者の場合、上記タイミングは、例えば、計量装置3による商品群201~206の減少量が後述する所定の閾値を超えることによって決定される。
【0024】
図示しないが、計量部21~26のぞれぞれは、例えば、皿部と、ロードセルと、信号処理回路とを有する。計量部21~26の皿部は、容器101~106を支持する部分であり、開口12~17によって露出する。ロードセルは、皿部の下方に設けられており、皿部上に位置する商品の重量が変動することにより発生する機械的歪を電気信号に変換する。信号処理回路は、ロードセルから出力される電気信号を増幅し、デジタル信号に変換する。計量部21が計量中であるとき、計量部21は、商品の計量結果が含まれる信号(計量信号)を、制御部5に出力する。計量部22~26も、計量部21と同様に動作する。
【0025】
表示装置4は、例えば消費者が商品群201~206の購入に際して参考になり得る情報(購入用参考情報)を表示可能な装置であり、載置部2の前方かつ上方に設けられる。購入用参考情報は、例えば、商品群201~206に含まれる商品名、商品群201~206の単価、計量装置3の計量結果、当該計量結果に基づく金額などを含む。計量装置3の計量結果は、計量部21~26によって計量される商品の重量であり、消費者にとっては購入する商品の目安重量に相当する。上記計量結果は、計量部21~26によって計量される商品の重量(すなわち、商品群201~206の減少量)であり、消費者にとっては購入予定の商品の目安重量に相当する。また、上記計量結果に基づく金額は、上記重量に基づく金額であり、消費者にとっては購入予定の商品の目安金額に相当する。
【0026】
表示装置4に含まれる表示部31は、購入用参考情報の少なくとも一部を表示可能な部分であり、例えば液晶表示装置などによって構成される。表示部31は、例えば、領域31a~31fを有する。領域31a~31fは、商品群201~206に対する購入参考用情報の少なくとも一部をそれぞれ表示可能な領域である。
図1及び
図3においては、領域31aには、商品群201に含まれる商品Aの商品名と、商品群201の単価とを少なくとも含む画像(第1表示)が表示される。領域31b,31d,31eにも同様の第1表示がそれぞれ表示される。
図3では、領域31bには商品Bの商品名と商品群202の単価とが少なくとも表示され、領域31dには商品Dの商品名と商品群204の単価とが少なくとも表示され、領域31eには商品Eの商品名と商品群205の単価とが少なくとも表示される。一方、領域31cには、計量部23によって計量され、商品群203から取り出される商品Cの重量に基づく目安金額を少なくとも含む画像(第2表示)が表示される。領域31fにも、商品群206から取り出される商品Fの重量に基づく目安金額を少なくとも含む画像が表示される。
【0027】
本実施形態では、計量部21が計量中ではないとき、領域31aには上記第1表示(すなわち、商品Aの商品名と、商品群201の単価とを少なくとも含む画像)が表示される。また、計量部21が計量中になるとき、領域31aには上記第2表示(すなわち、商品群201から取り出される商品Aの重量に基づく目安金額を少なくとも含む画像)が表示される。領域31b~31fのそれぞれも、計量部22~26が計量中になるとき、領域31aと同様に表示が切り替わる。このため
図3においては、計量部23,26が商品Cと商品Fとをそれぞれ計量中であることがわかる。
【0028】
制御部5は、計量システム1に含まれる各装置を制御するコントローラであり、載置部2内に設けられる。制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random AccessMemory)及びROM(Read Only Memory)等によって構成される。制御部5は、表示装置4の表示内容を制御する。制御部5は、計量装置3から出力される計量信号を受信する。制御部5は、例えば、当該計量信号を利用し、計量装置3によって計量される商品の重量に基づく金額(目安金額)を演算する。
【0029】
制御部5は、上記計量信号を受信することによって、表示装置4によって示される表示の一部または全てを切り替える。例えば、表示装置4による上記第1表示の表示中に計量装置3による重量の計量結果に変動が生じるとき、制御部5は、表示装置4の表示を上記第2表示に切り替える。例えば、制御部5が計量部21から出力される計量信号を受信すると、当該計量信号を利用して演算される商品Aの金額の演算結果を含む信号を表示装置4に出力する。これによって、演算した金額を少なくとも含む画像(すなわち、上記第2表示)を領域31aに表示させる。
【0030】
制御部5は、上記計量信号を受信した場合、必ず表示装置4によって示される表示の一部または全てを切り替えなくてもよい。表示装置4の誤動作などを抑制する観点から、上記計量信号に含まれる商品群の減少量が所定の閾値を超える場合、表示装置4によって示される表示の一部または全てを切り替えてもよい。換言すると、上記計量信号に含まれる商品群の減少量が所定の閾値以下である場合、表示装置4によって示される表示が切り替わらなくてもよい。所定の閾値は、計量装置3によって計量される商品群の種類によって、適宜定められるが、例えば、30g、20g、15gまたは10gである。
【0031】
以上に説明した本実施形態に係る計量システム1によれば、計量装置3は、商品群201の減少量に基づいて商品Aの重量を計量する。これにより、取り出した商品Aを収容する容器101の重量にかかわらず、商品Aの重量を精度よく計量できる。加えて、制御部5は、計量装置3によって計量される上記重量に基づく金額を演算し、表示装置4は、少なくとも当該金額を表示可能である。このため、商品Aの計量中などに、消費者は、商品Aの購入用参考情報を表示装置4を介して容易に入手できる。したがって、計量システム1が利用されることによって、消費者自身が商品Aを計量する場合であっても、商品Aの購入用参考情報を容易に入手可能になる。特に、消費者は、商品Aを取り出している最中(すなわち、リアルタイムにて)、商品Aの目安金額などを入手可能である。よって、消費者自身が商品Aを計量する場合においての利便性を向上できる。
【0032】
本実施形態では、表示装置4は、少なくとも商品群201の単価を表示する第1表示と、少なくとも計量装置3によって計量される商品Aの重量に基づく金額を表示する第2表示とを有し、表示装置4による第1表示の表示中に計量装置3による重量の計量結果に変動が生じるとき、制御部5は、表示装置4の表示を第2表示に切り替える。このため、消費者は、例えば、商品Aの計量中において、商品Aの目安金額を容易に入手できる。
【0033】
本実施形態では、載置部2には、複数の商品群201~206が載置され、表示装置4は、第1表示において複数の商品群201~206のそれぞれの単価を表示する。このため、消費者は、複数の商品A~Fの購入用参考情報を容易に入手できる。
【0034】
本実施形態では、表示装置4による商品Aに対する第1表示の表示中に商品Aの減少量が所定の閾値を超える場合、制御部は、表示装置4の商品Aに対する表示を第2表示に切り替えてもよい。この場合、計量装置3による商品Aの計量時以外における第2表示への切り替えを防止できる。よって、例えば、容器101に対して微小な振動が加えられることで商品Aの計量値が変動する場合などにおいて、表示装置4の領域31aの表示が第2表示に切り替わらない。これにより、表示装置4は、不要な購入用参考情報の表示を抑制できる。
【0035】
次に、
図4及び
図5を参照しながら、上記実施形態に係る計量システム1の実施例を説明する。
【0036】
図4は、実施形態に係る計量システムの実施例を示す模式平面図である。
図4に示されるように、計量システム1Aは、計量装置3、表示装置4、及び制御部5が設けられる載置部2に加えて、電子秤50を備える。
【0037】
電子秤50は、取り出された商品A~Fを収容可能な容器(持ち帰り用容器、不図示)自体を計量する装置であり、載置部2よりも前方に位置する。また、電子秤50は、上記持ち帰り用容器の計量結果を直接的または間接的に他の装置に伝達する装置でもある。他の装置は、計量システム1Aに含まれる装置に限られず、店員用の計量装置、会計用機器などでもよい。例えば、電子秤50が上記計量結果を示すデータ自体を有線及び/または無線を介して他の装置に伝達することは、電子秤50が上記計量結果を直接的に他の装置に伝達することに相当する。一方、電子秤50が上記計量結果を示すデータを他の形に変え、変更されたデータが他の装置に伝達されることが、電子秤50が上記計量結果を間接的に他の装置に伝達することに相当する。この態様の具体例としては、電子秤50が上記計量結果を示すデータを文字、バーコード、電子透かしなどの形で紙に印刷することなどが挙げられる。また、電子秤50が上記計量結果を示すデータを記憶媒体に転送し、当該記憶媒体に記憶されるデータを他の装置が読み取ることも、電子秤50が上記計量結果を間接的に他の装置に伝達することに相当する。
【0038】
電子秤50は、計量装置3とは異なる計量装置6と、ラベル発行装置7と、制御部5とは異なる制御部8とを備える。計量装置6は、上記持ち帰り用容器を計量する装置(第2計量装置)であり、例えば、皿部と、ロードセルと、信号処理回路とを有する(不図示)。皿部は、持ち帰り用容器を支持する部分である。ロードセルは、皿部の下方に設けられており、皿部上に位置する商品の重量が変動することにより発生する機械的歪を電気信号に変換する。信号処理回路は、ロードセルから出力される電気信号を増幅し、デジタル信号に変換する。なお、電子秤50の前方には、電子秤50を操作する操作部、電子秤50の計量結果等が表示される表示部などが設けられてもよい。
【0039】
ラベル発行装置7は、計量装置6の計量結果などが印刷されるラベルを発行する装置であり、例えば電子秤50の前方に位置する。発行されるラベルには、計量装置6の計量結果を示すバーコードなどが印刷される。電子秤50とは異なる別の装置が当該バーコードなどを読み取ることによって、当該別の装置は、計量装置6の計量結果(すなわち、持ち帰り用容器の重量)を間接的に入手できる。このため、ラベル発行装置7は、計量装置6の計量結果を間接的に他の装置に伝達する伝達部として機能する。なお、ラベル発行装置7によって発行されるラベルは、持ち帰り用容器に貼付可能でもよい。図示しないが、ラベル発行装置7は、例えば、ラベルロールを支持する支持部と、ラベル搬送機構と、印字部と、ラベル発行部とを有する。
【0040】
制御部8は、電子秤50における各種制御処理を実行する部分であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)は、アドレスバス又はデータバス等のバスラインを介して相互に接続されている。制御部8は、電子秤50における各種制御処理を実行する。制御部8は、例えば、計量装置6から送信されるデジタル信号を受信し、当該デジタル信号に基づく印刷用信号をラベル発行装置7に送信する。制御部8は、計量装置6内に設けられる。
【0041】
以上に説明した実施例に係る計量システム1Aにおいても、上記実施形態と同様の作用効果が発揮される。加えて、計量システム1Aは、計量システム1Aとは異なる別の計量装置(例えば、店員が利用する会計用の電子秤)によって、消費者自身が所有する持ち帰り用容器を風袋とし、当該風袋に収容される商品を計量するときに特に有用である。この場合、様々な重量の持ち帰り用容器の利用が想定されるため、各持ち帰り用容器を計量する必要がある。また、計量された商品に対して適当な金額を請求するため、店員は、商品の収容前に持ち帰り用容器の重量を正確に測定する必要があるので、当該店員に負担がかかってしまう。ここで、計量システム1Aを利用する場合、上記別の計量装置は、電子秤50によって発行されるラベルを読み取ることによって、予め得られた持ち帰り用容器の計量結果を入手できる。このため、上記別の計量装置は、持ち帰り用容器の重量を除外できるので、当該持ち帰り用容器に収容される商品を精度よく計量できる。加えて、上記別の計量装置を利用する店員は、予め持ち帰り用容器を計量しなくともよいので、店員の負担を軽減できる。
【0042】
図5は、実施形態に係る計量システムの別の実施例を示す模式平面図である。
図5に示されるように、計量システム1Bは、計量装置3、表示装置4、及び制御部5が設けられる載置部2に加えて、電子秤50Aを備える。
【0043】
電子秤50Aは、上記実施例と比較して、ラベル発行装置7を有さず、その代わりに通信部9を有する。通信部9は、計量装置6、制御部5,8、別の装置などと、有線及び/又は無線で情報をやりとりするためのインタフェイスである。通信部9は、例えば、計量装置6から出力される計量信号を受信し、当該計量信号を制御部5、別の装置などに送信する。これにより、制御部5、別の装置などは、計量装置6によって計量される持ち帰り用容器の計量結果(重量)を直接的に得られる。このため、通信部9は、計量装置6の計量結果を直接的に他の装置に伝達する伝達部として機能する。
【0044】
以上に説明した別の実施例においても、上記実施例と同様の作用効果が奏される。加えて、計量システム1Bによれば、店員は、ラベルの読み取りなどを実施することなく持ち帰り用容器の計量結果を得られるので、店員の負担をより軽減できる。
【0045】
以上、本発明の一側面に係る計量システムの実施形態及びその各実施例について説明したが、本発明の一側面は、上記実施形態及び上記実施例に限定されない。例えば、上記実施例と上記別の実施例とは、互いに組み合わせてもよい。この場合、例えば、計量装置3によって計量される商品名などを含む信号が制御部5から出力され、通信部9が当該信号を受信してもよい。そして、ラベル発行装置7は、当該商品名などを印刷してもよい。
【0046】
上記実施形態及び上記実施例では、載置部に載置される商品群は合計6つであるが、これに限られない。載置部に載置される商品群は、1つ以上であればよい。また、計量装置は載置部内に設けられるが、これに限られない。計量装置は、載置部の筐体外に設けられてもよい。
【0047】
上記実施形態及び上記実施例では、表示装置の各領域においては、通常、商品群の単価を少なくとも示す第1表示が表示されるが、これに限られない。
図6は、表示装置の表示の別の一例を示す概略図である。例えば、計量システムが長時間利用されていないと判断される場合、
図6に示されるように、表示装置4は、表示部31の全体に画像もしくは動画を表示してもよい。当該画像もしくは動画は、例えば、広告用、計量システムの利用方法の説明用の画像もしくは動画などである。このような画像もしくは動画が表示部31の全体に表示されることによって、各領域における焼き付きを防止できる。
【0048】
上記実施形態及び上記実施例では、計量装置による商品の計量中、表示装置において当該商品に対応する領域の表示が、目安金額を示す第2表示に切り替わるが、これに限られない。例えば、第2表示として、計量される商品の目安重量(商品群の減少量)が少なくとも表示されればよい。この場合、目安重量と目安金額との両方が表示されてもよいし、目安重量に加えて商品名、単価などの情報が表示されてもよい。これらの場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0049】
上記実施形態及び上記実施例では、計量装置による商品の計量中、表示装置において当該商品に対応する領域の表示が常に第2表示でもよいし、定期的に第1表示に切り替わってもよい。また、表示装置において第1表示から第2表示に切り替わる場合において、第1表示から第2表示とは異なる別の表示に切り替わった後、当該別の表示から第2表示に切り替わってもよい。
【0050】
上記実施形態及び上記実施例では、載置部内に設けられる制御部は、計量システムに含まれる各装置を制御するコントローラであるが、これに限られない。例えば、載置部内に設けられる制御部は、複数のコントローラを含んでもよい。一例としては、制御部は、計量装置を制御する第1コントローラ、表示装置を制御する第2コントローラなどから構成されてもよい。また、制御部に含まれる各コントローラは、互いに異なる装置に設けられてもよく、上記第1コントローラは計量装置に設けられ、上記第2コントローラは表示装置に設けられてもよい。例えば、第1コントローラは、計量装置から出力される計量信号を受信し、当該計量信号を第2コントローラに送信する。そして、第2コントローラは、受信した計量信号を利用して目安金額などの演算結果を含む信号を生成し、当該信号を表示装置に出力、これにより、表示装置に目安金額などを表示させてもよい。また、第2コントローラは、入力される信号にしたがって、表示装置によって示される表示の一部または全てを切り替えてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1,1A,1B…計量システム、2…載置部、3…計量装置、4…表示装置、5…制御部、6…計量装置(第2計量装置)、7…ラベル発行装置(伝達部)、8…制御部、9…通信部(伝達部)、11…天板、12~17…開口、21~26…計量部、31…表示部、31a~31f…領域、50,50A…電子秤、101~106…容器、201~206…商品群、A~F…商品。