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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118409
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】組電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6557 20140101AFI20230818BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230818BHJP
   H01M 10/651 20140101ALI20230818BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20230818BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20230818BHJP
【FI】
H01M10/6557
H01M10/613
H01M10/651
H01M50/291
H01M50/209
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021349
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】村石 康輔
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031CC01
5H031HH08
5H040AA28
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC34
5H040JJ02
5H040NN01
(57)【要約】
【課題】セルケースとスペーサとの間に形成される冷却風経路において冷却風を安定して流すことができる組電池を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、組電池1において、電池セル11のセルケース21とスペーサ12との間には、冷却風が流れる冷却風経路31が形成され、セルケース21には、スペーサ12により加圧される加圧部位41と、スペーサ12により加圧されない非加圧部位42と、が存在し、加圧部位41に対して電池セル11の高さ方向の下側に、非加圧部位42として、下側非加圧部位42Aが形成されており、下側非加圧部位42Aにおける電池セル11の配列方向の厚みT2Aは、加圧部位41における電池セル11の配列方向の厚みT1よりも小さく形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列される複数の電池セルと、
隣接する前記電池セル間に配置されるスペーサと、
を有する組電池において、
前記電池セルのセルケースと前記スペーサとの間には、冷却風が流れる冷却風経路が形成され、
前記セルケースには、前記スペーサにより加圧される加圧部位と、前記スペーサにより加圧されない非加圧部位と、が存在し、
前記加圧部位に対して前記電池セルの高さ方向の下側に、前記非加圧部位として、下側非加圧部位が形成されており、
前記下側非加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みは、前記加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みよりも小さく形成されていること、
を特徴とする組電池。
【請求項2】
請求項1の組電池において、
前記加圧部位に対して前記電池セルの幅方向の両側に、前記非加圧部位として、幅方向非加圧部位が形成され、
前記幅方向非加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みは、前記加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みよりも小さく形成されており、かつ、前記電池セルの高さ方向について一定に形成されていること、
を特徴とする組電池。
【請求項3】
配列される複数の電池セルと、
隣接する前記電池セル間に配置されるスペーサと、
を有する組電池において、
前記電池セルのセルケースと前記スペーサとの間には、冷却風が流れる冷却風経路が形成され、
前記セルケースには、前記スペーサにより加圧される加圧部位と、前記スペーサにより加圧されない非加圧部位と、が存在し、
前記加圧部位に対して前記電池セルの幅方向の両側に、前記非加圧部位として、幅方向非加圧部位が形成され、
前記幅方向非加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みは、前記加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みよりも小さく形成されており、かつ、前記電池セルの高さ方向について一定に形成されていること、
を特徴とする組電池。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つの組電池において、
前記非加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みは、前記加圧部位から離れるに連れて小さくなるように形成されていること、
を特徴とする組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
組電池に関する従来技術として、特許文献1には、複数の電池セルとスペーサとが交互に積層されている組電池において、スペーサの表面に、冷却風経路を構成するためのリブが形成されていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6852308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される組電池では、電池セルとスペーサの積層方向に拘束力が付与されており、これにより、電池セルとスペーサのリブとが密着するようにして、電池セルがスペーサにより加圧されている。ここで、スペーサのリブは、スペーサの表面のうち電極体に対応する部分にのみ配置されている。そのため、リブが配置されていない冷却風経路の出入口に対応する部分にてセルケースの潰れ残りが発生し、冷却風経路が阻害されるおそれがある。そうすると、冷却風経路において冷却風を安定して流すことができず、冷却性が低下してしまう。
【0005】
そこで、本開示は上記した課題を解決するためになされたものであり、セルケースとスペーサとの間に形成される冷却風経路において冷却風を安定して流すことができる組電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、配列される複数の電池セルと、隣接する前記電池セル間に配置されるスペーサと、を有する組電池において、前記電池セルのセルケースと前記スペーサとの間には、冷却風が流れる冷却風経路が形成され、前記セルケースには、前記スペーサにより加圧される加圧部位と、前記スペーサにより加圧されない非加圧部位と、が存在し、前記加圧部位に対して前記電池セルの高さ方向の下側に、前記非加圧部位として、下側非加圧部位が形成されており、前記下側非加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みは、前記加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みよりも小さく形成されていること、を特徴とする。
【0007】
この態様によれば、下側非加圧部位にてスペーサにより加圧されないことによるセルケースの潰れ残りが生じていない。そのため、冷却風経路において、電池セルの高さ方向の下側にある経路入口が下側非加圧部位により狭められたり塞がれたりしない。したがって、経路入口から冷却風を流し込むときに、下側非加圧部位により冷却風の流れが阻害されない。ゆえに、冷却風経路において冷却風を安定して流すことができるので、冷却風による電池セルの冷却性が向上する。
【0008】
上記の態様においては、前記加圧部位に対して前記電池セルの幅方向の両側に、前記非加圧部位として、幅方向非加圧部位が形成され、前記幅方向非加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みは、前記加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みよりも小さく形成されており、かつ、前記電池セルの高さ方向について一定に形成されていること、が好ましい。
【0009】
この態様によれば、幅方向非加圧部位にてスペーサにより加圧されないことによるセルケースの潰れ残りが生じていない。そのため、冷却風経路において、電池セルの幅方向の両側にある経路出口が幅方向非加圧部位により狭められたり塞がれたりしない。したがって、経路出口から冷却風を流し出すときに、幅方向非加圧部位により冷却風の流れが阻害されない。ゆえに、より効果的に、冷却風経路において冷却風を安定して流すことができるので、冷却風による電池セルの冷却性が向上する。
【0010】
また、幅方向非加圧部位の厚みは電池セルの高さ方向について一定に形成されている。そして、これにより、幅方向非加圧部位の側面が電池セルの高さ方向に沿って平行に形成されている。そのため、経路出口において、電池セルの高さ方向について均等に冷却風を流すことができるので、冷却風による電池セルの冷却性がさらに向上する。
【0011】
上記課題を解決するためになされた本開示の他の形態は、配列される複数の電池セルと、隣接する前記電池セル間に配置されるスペーサと、を有する組電池において、前記電池セルのセルケースと前記スペーサとの間には、冷却風が流れる冷却風経路が形成され、前記セルケースには、前記スペーサにより加圧される加圧部位と、前記スペーサにより加圧されない非加圧部位と、が存在し、前記加圧部位に対して前記電池セルの幅方向の両側に、前記非加圧部位として、幅方向非加圧部位が形成され、前記幅方向非加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みは、前記加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みよりも小さく形成されており、かつ、前記電池セルの高さ方向について一定に形成されていること、を特徴とする。
【0012】
この態様によれば、幅方向非加圧部位にてスペーサにより加圧されないことによるセルケースの潰れ残りが生じていない。そのため、冷却風経路において、電池セルの幅方向の一方側にある経路入口および電池セルの幅方向の他方側にある経路出口が幅方向非加圧部位により狭められたり塞がれたりしない。したがって、経路入口から冷却風を流し込んで経路出口から冷却風を流し出すときに、幅方向非加圧部位により冷却風の流れが阻害されない。ゆえに、冷却風経路において冷却風を安定して流すことができるので、冷却風による電池セルの冷却性が向上する。
【0013】
また、幅方向非加圧部位の厚みは電池セルの高さ方向について一定に形成されている。そして、これにより、幅方向非加圧部位の側面が電池セルの高さ方向に沿って平行に形成されている。そのため、経路入口および経路出口において、電池セルの高さ方向について均等に冷却風を流すことができるので、冷却風による電池セルの冷却性がさらに向上する。
【0014】
上記の態様においては、前記非加圧部位における前記電池セルの配列方向の厚みは、前記加圧部位から離れるに連れて小さくなるように形成されていること、が好ましい。
【0015】
この態様によれば、冷却風が非加圧部位に沿って流れ易くなるので、より効果的に、冷却風経路において冷却風を安定して流すことができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の組電池によれば、セルケースとスペーサとの間に形成される冷却風経路において冷却風を安定して流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態の組電池の一部を概略的に表した外観斜視図である。
図2】第1実施例の組電池において、電池セルをその配列方向から見た図である。
図3】(a)が図2のA-A断面図であり、(b)がスペーサに加圧される前のセルケースを示す図である。
図4】(a)が図2のB-B断面図およびC-C断面図であり、(b)がスペーサに加圧される前のセルケースを示す図である。
図5】第1実施例において、電解液の余剰液の必要量を示す図である。
図6】第2実施例において、電池セルをその配列方向から見た図である。
図7】従来技術における図3との比較図である。
図8】従来技術における図4との比較図である。
図9】従来技術における図5との比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の組電池の実施形態について説明する。
【0019】
〔第1実施例〕
まず、第1実施例について説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施例の組電池1は、電池セル11とスペーサ12とを有する。電池セル11は角型の電池であって、複数の電池セル11が図1に示すX方向に配列されている。そして、隣接する電池セル11の間に、スペーサ12が配置されている。なお、説明の便宜上、図1に示すように互いに直交するXYZ方向を規定している。
【0021】
図2図3(a)と図4(a)に示すように、電池セル11のセルケース21とスペーサ12との間には、電池セル11を冷却するための冷却風が流れる冷却風経路31が形成されている。
【0022】
本実施例では、図2に示すように、冷却風は、電池セル11の高さ方向(Z方向)の下側にある経路入口32から冷却風経路31に流れ込み、その後、電池セル11の幅方向(Y方向)の両側(すなわち、図2の左側と右側)に分かれて流れ、電池セル11の幅方向の両側にある経路出口33から流れ出る。
【0023】
また、図3(a)と図4(a)に示すように、セルケース21は、その一部(詳しくは、電極体22の部分)がスペーサ12(詳しくは、スペーサ12のリブ12a)により加圧されている。そのため、セルケース21には、スペーサ12により加圧される加圧部位41と、スペーサ12により加圧されない非加圧部位42と、が存在している。なお、図3(b)と図4(b)は、それぞれ、セルケース21がスペーサ12により加圧される前の状態を示している。
【0024】
図3(a)に示すように、セルケース21にて、スペーサ12により加圧される範囲を加圧範囲αとするときに、この加圧範囲αに対応する部位である加圧部位41に対して電池セル11の下側に、非加圧部位42として、下側非加圧部位42Aが形成されている。
【0025】
ここで、従来技術では、図7(a)に示すように、下側非加圧部位42Aにおける電池セル11の配列方向(X方向)の厚みT0Aは、加圧部位41における電池セル11の配列方向の厚みT1よりも大きく形成されていた。
【0026】
すなわち、図7(b)に示すように、セルケース21がスペーサ12により加圧される前の状態で、従来技術では、セルケース21の厚みは、電池セル11の高さ方向に亘って一定であった。これにより、セルケース21がスペーサ12により加圧された後の状態では、図7(a)に示すように、加圧部位41がスペーサ12により加圧されて潰れる一方で、下側非加圧部位42Aにてスペーサ12により加圧されないことによるセルケース21の潰れ残りが生じていた。
【0027】
そして、これにより、従来技術では、冷却風経路31において、下側非加圧部位42Aにより経路入口32が狭められたり塞がれたりするので、経路入口32から冷却風を流し込むときに、下側非加圧部位42Aにより冷却風の流れが阻害されてしまった。
【0028】
これに対し、本実施例では、図3(a)に示すように、下側非加圧部位42Aにおける電池セル11の配列方向の厚みT2Aは、加圧部位41の厚みT1よりも小さく形成されている。
【0029】
すなわち、図3(b)に示すように、セルケース21がスペーサ12により加圧される前の状態で、本実施例では、セルケース21の厚みについて、加圧部位41になる部分よりも、下側非加圧部位42Aになる部分の方を小さくしている。これにより、セルケース21がスペーサ12により加圧された後の状態では、図3(a)に示すように、加圧部位41がスペーサ12により加圧されて潰れる一方で、下側非加圧部位42Aにてスペーサ12により加圧されないことによるセルケース21の潰れ残りが生じていない。
【0030】
そして、これにより、冷却風経路31において、経路入口32が下側非加圧部位42Aにより狭められたり塞がれたりしない。そのため、経路入口32から冷却風を流し込むときに、下側非加圧部位42Aにより冷却風の流れが阻害されない。したがって、冷却風経路31において冷却風を安定して流すことができるので、冷却風による電池セル11の冷却性が向上する。
【0031】
また、図4(a)に示すように、本実施例では、加圧部位41に対して電池セル11の幅方向の両側に、非加圧部位42として、幅方向非加圧部位42Bが形成されている。
【0032】
ここで、従来技術では、図8(a)に示すように、幅方向非加圧部位42Bにおける電池セル11の配列方向の厚みT0Bは、加圧部位41の厚みT1よりも大きく形成されていた。
【0033】
すなわち、図8(b)に示すように、セルケース21がスペーサ12により加圧される前の状態で、従来技術では、セルケース21の厚みは、電池セル11の幅方向に亘って一定であった。これにより、セルケース21がスペーサ12により加圧された後の状態では、図8(a)に示すように、加圧部位41がスペーサ12により加圧されて潰れる一方で、幅方向非加圧部位42Bにてスペーサ12により加圧されないことによるセルケース21の潰れ残りが生じていた。
【0034】
そして、これにより、従来技術では、冷却風経路31において、幅方向非加圧部位42Bにより経路出口33が狭められたり塞がれたりするので、経路出口33から冷却風を流し出すときに、幅方向非加圧部位42Bにより冷却風の流れが阻害されてしまった。
【0035】
これに対し、本実施例では、図4(a)に示すように、幅方向非加圧部位42Bにおける電池セル11の配列方向の厚みT2Bは、加圧部位41の厚みT1よりも小さく形成されている。
【0036】
すなわち、図4(b)に示すように、セルケース21がスペーサ12により加圧される前の状態で、本実施例では、セルケース21の厚みについて、加圧部位41になる部分よりも、幅方向非加圧部位42Bになる部分の方を小さくしている。これにより、セルケース21がスペーサ12により加圧された後の状態では、図4(a)に示すように、加圧部位41がスペーサ12により加圧されて潰れる一方で、幅方向非加圧部位42Bにてスペーサ12により加圧されないことによるセルケース21の潰れ残りが生じていない。
【0037】
そして、これにより、冷却風経路31において、経路出口33が幅方向非加圧部位42Bにより狭められたり塞がれたりしない。そのため、経路出口33から冷却風を流し出すときに、幅方向非加圧部位42Bにより冷却風の流れが阻害されない。したがって、より効果的に、冷却風経路31において冷却風を安定して流すことができるので、冷却風による電池セル11の冷却性が向上する。
【0038】
また、図2のB-B断面およびC-C断面がともに図4(a)のように表され、幅方向非加圧部位42Bの厚みT2Bが電池セル11の高さ方向について一定に形成されている。そして、これにより、幅方向非加圧部位42Bの側面が電池セル11の高さ方向に沿って平行に形成されている。そのため、経路出口33において、電池セル11の高さ方向について均等に冷却風を流すことができるので、冷却風による電池セル11の冷却性がさらに向上する。
【0039】
また、図3(a)と図4(a)に示すように、下側非加圧部位42Aの厚みT2Aおよび幅方向非加圧部位42Bの厚みT2Bは、加圧部位41から離れるに連れて小さくなるように形成されており、下側非加圧部位42Aの側面および幅方向非加圧部位42Bの側面がテーパ状に形成されている。これにより、冷却風が下側非加圧部位42Aおよび幅方向非加圧部位42Bに沿って流れ易くなるので、より効果的に、冷却風経路31において冷却風を安定して流すことができる。
【0040】
また、下側非加圧部位42Aの厚みT2Aが小さく形成されているので、図5に示すように、電極体22が電極液に浸るために必要な余剰液(高さHの液)が、図9に示す従来技術よりも少なくて済むことから、コスト低減を図ることができる。
【0041】
〔第2実施例〕
次に、第2実施例について、主にその特徴点を説明する。
【0042】
本実施例では、第1実施例と異なる点として、図6に示すように、冷却風は、電池セル11の幅方向の左側にある経路入口34から冷却風経路31に流れ込み、その後、電池セル11の幅方向に流れた後、電池セル11の幅方向の右側にある経路出口35から流れ出る。
【0043】
そして、本実施例では、図4(a)に示すように、第1実施例と同様に、加圧部位41に対して電池セル11の幅方向の両側に、非加圧部位42として、幅方向非加圧部位42Bが形成されている。そして、幅方向非加圧部位42Bの厚みT2Bは、加圧部位41の厚みT1よりも小さく形成されている。また、幅方向非加圧部位42Bの厚みT2Bは電池セル11の高さ方向について一定に形成されている。
【0044】
このような第2実施例についても、第1実施例と同様に、冷却風経路31において冷却風を安定して流すことができる。
【0045】
すなわち、幅方向非加圧部位42Bにてスペーサ12により加圧されないことによるセルケース21の潰れ残りが生じていない。そのため、冷却風経路31において、経路入口34および経路出口35が幅方向非加圧部位42Bにより狭められたり塞がれたりしない。したがって、経路入口34から冷却風を流し込んで経路出口35から冷却風を流し出すときに、幅方向非加圧部位42Bにより冷却風の流れが阻害されない。ゆえに、冷却風経路31において冷却風を安定して流すことができるので、冷却風による電池セル11の冷却性が向上する。
【0046】
また、幅方向非加圧部位42Bの厚みT2Bは電池セル11の高さ方向について一定に形成されている。そして、これにより、幅方向非加圧部位42Bの側面が電池セル11の高さ方向に沿って平行に形成されている。そのため、経路入口34および経路出口35において、電池セル11の高さ方向について均等に冷却風を流すことができるので、冷却風による電池セル11の冷却性がさらに向上する。
【0047】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0048】
1 組電池
11 電池セル
12 スペーサ
12a リブ
21 セルケース
22 電極体
31 冷却風経路
32 経路入口
33 経路出口
34 経路入口
35 経路出口
41 加圧部位
42 非加圧部位
42A 下側非加圧部位
42B 幅方向非加圧部位
α 加圧範囲
T0A,T0B,T1,T2A,T2B 厚み
H 高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9