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特開2023-118427構造物点検装置および構造物点検システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118427
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】構造物点検装置および構造物点検システム
(51)【国際特許分類】
   E01D 22/00 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
E01D22/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021376
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】505389695
【氏名又は名称】首都高速道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513220562
【氏名又は名称】首都高技術株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】蔵治 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】木下 剛
(72)【発明者】
【氏名】浅川 優太
(72)【発明者】
【氏名】中林 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】富田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】布施 光弘
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059AA03
2D059GG39
(57)【要約】
【課題】特殊高所作業者が危険を冒して構造物に接近しなくても構造物の状態を容易かつ安全に点検することができる構造物点検装置を提供する。
【解決手段】所定の張力をもって設置される第1の索具7と、所定の張力をもって設置されている第1の索具7の長手方向で移動するように、第1の索具7に設置される移動体9と、移動体9に設置され移動体9ともに移動する撮影装置1)と、所定の張力をもって設置されている第1の索具7の長手方向で撮影装置11を移動させるために、移動体9、撮影装置11の少なくともいずれかに設置され、第1の索具7に沿って延伸する第2の索具13とを有する構造物点検装置1である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の張力をもって設置される第1の索具と、
前記所定の張力をもって設置されている第1の索具の長手方向で移動するように、前記第1の索具に設置される移動体と、
前記移動体に設置され、前記移動体ともに移動する撮影装置と、
前記所定の張力をもって設置されている第1の索具の長手方向で前記撮影装置を移動させるために、前記移動体、前記撮影装置の少なくともいずれかに設置され、前記第1の索具に沿って延伸する第2の索具と、
を有する構造物点検装置。
【請求項2】
前記移動体は筒状の部材で構成されており、前記第1の索具が前記筒状の部材を貫通することで、前記移動体が前記第1の索具に設置されるように構成されており、
前記撮影装置は、前記所定の張力をもって設置されている第1の索具の延伸方向に対して交差する方向に、前記移動体から突出しており、
前記第2の索具は、前記撮影装置に設置されており、前記第1の索具とほぼ平行に延伸するようになっている請求項1に記載の構造物点検装置。
【請求項3】
前記第1の索具および前記第2の索具を支持する索具支持体と、
前記索具支持体に設けられ、前記第1の索具を巻き取りまた巻き取っている前記第1の索具を繰り出す第1のスプールと、
前記索具支持体に設けられ、前記第2の索具を巻き取りまた巻き取っている前記第2の索具を繰り出す第2のスプールと、
を有し、前記第1の索具は、錘によって張力が付与されるようになっている請求項1または請求項2に記載の構造物点検装置。
【請求項4】
環状に形成されている枠体と、前記枠体の内側で前記枠体に回転自在に設けられており前記第1の索具が前記枠体の内側を貫通するようにして前記第1の索具が掛けられる索輪とを備えて構成されており、前記枠体が前記索具支持体に設けられている第1の滑車と、
環状に形成されている枠体と、前記枠体の内側で前記枠体に回転自在に設けられており前記第2の索具が前記枠体の内側を貫通するようにして前記第2の索具が掛けられる索輪とを備えて構成されており、前記枠体が前記索具支持体に設けられている第2の滑車と、
を有する請求項3に記載の構造物点検装置。
【請求項5】
前記撮影装置が超広角レンズを用いて画角が広い映像を撮影するようになっている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の構造物点検装置と、
前記撮影装置で撮影された歪んだ映像を歪みの少ない映像に補正する映像補正部と、
前記映像補正部で補正された映像を表示する端末と、
を有する構造物点検システム。
【請求項6】
前記撮影装置で撮影された映像を受け取り、前記受け取った映像と、この受け取った映像の被写体を特定するための情報と、前記受け取った映像についての撮影時間に関する情報とを関連付けて記憶するサーバーを有する請求項5に記載の構造物点検システム。
【請求項7】
前記撮影装置が超広角レンズを用いて画角が広い映像を撮影するようになっている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の構造物点検装置と、
前記撮影装置で撮影された映像を受け取り、前記受け取った映像と、この受け取った映像の被写体を特定するための情報と、前記受け取った映像についての撮影時間に関する情報とを関連付けて記憶するサーバーを有する構造物点検システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物点検装置および構造物点検システムに係り、特に、撮影装置を用いて構造物を点検するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、国の社会活動、経済活動を支えてきた高速道路を含む道路構造物は、建設後50年を超えた物が増えたこともあり、疲労や腐食などの経年劣化が多く確認されるようになってきた。このような背景のもと、道路法施行規則改正(平成26年3月31日公布、7月1日施行)により、道路橋の定期点検では、必要な知識及び技能を有する者が5年に1回の頻度で近接目視点検を行うことが義務化された。このため、点検が困難な場合であっても、5年に1回は必ず近接目視点検することが必要となった。
【0003】
鋼橋の経年劣化の一つである腐食損傷は、進展すると部材が断面欠損するおそれがあり、場合によっては落橋倒壊につながる重大な損傷である。したがって、点検による早期発見が重要であるが、腐食損傷は狭隘部や点検が困難な箇所で深刻化しやすい傾向がある。ここで、橋梁等の点検装置として特許文献1に記載の装置を掲げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-312837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、高速道路等の道路には内部に設置されるべき昇降用梯子が未設置、設置位置が不適切、もしくは腐食していて安全に使用することができない鋼製橋脚が存在する。これらの鋼製橋脚の内面は、横梁から特殊高所作業者がロープアクセスで下に下りるしか、近接目視点検をする手段が無い。
【0006】
しかし、横梁から特殊高所作業者がロープアクセスで下に下りる手法は危険を伴う上、費用もかかることから、実際に実行されたことはほとんど無く、これまでは横梁から下を見下ろすだけの遠方目視点検することしかしていない。このため、上から下に下りなくても近接目視点検と同レベルの点検が容易かつ安全にできる新たな代替技術が必要となっている。また、鋼製橋脚以外の構造物においても同様に上述した代替技術が必要となっている。
【0007】
ここで、図11を参照して鋼製橋脚303が採用されている高架橋301について説明する。高架橋301では、図11(a)で示すように、地面307から互いが離れて起立している複数本の鋼製橋脚303の上端部に、主桁305が渡されている。
【0008】
鋼製橋脚303は筒状に形成されており、筒の内部には、昇降用梯子309、311が設置されている。昇降用梯子309、311は、図11(b)で示すように、鋼製橋脚303の径方向および周方向で互いの位置がずれている場合がある。このような昇降用梯子309、311の設置態様では、点検作業をする者が、互いの位置がずれている昇降用梯子309、311間での乗り移りをする必要がある。
【0009】
たとえば、鋼製橋脚303において、鋼製橋脚303の内部に昇降用梯子309、311を使用して降りていく場合、昇降用梯子309から梯子311の乗り移る必要がある。しかしながら、昇降用梯子309から梯子311への乗り移りは容易ではなく、鋼製橋脚303の内部を目視点検することは困難になっている。
【0010】
本発明は、特殊高所作業者が危険を冒して構造物に接近しなくても構造物の状態を容易かつ安全に点検することができる構造物点検装置および構造物点検システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、所定の張力をもって設置される第1の索具と、記所定の張力をもって設置されている第1の索具の長手方向で移動するように、前記第1の索具に設置される移動体と、前記移動体に設置され、前記移動体ともに移動する撮影装置と、前記所定の張力をもって設置されている第1の索具の長手方向で前記撮影装置を移動させるために、前記移動体、前記撮影装置の少なくともいずれかに設置され、前記第1の索具に沿って延伸する第2の索具とを有する構造物点検装置である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記移動体は筒状の部材で構成されており、前記第1の索具が前記筒状の部材を貫通することで、前記移動体が前記第1の索具に設置されるように構成されており、前記撮影装置は、前記所定の張力をもって設置されている第1の索具の延伸方向に対して交差する方向に、前記移動体から突出しており、前記第2の索具は、前記撮影装置に設置されており、前記第1の索具とほぼ平行に延伸するようになっている請求項1に記載の構造物点検装置である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、記第1の索具および前記第2の索具を支持する索具支持体と、前記索具支持体に設けられ、前記第1の索具を巻き取りまた巻き取っている前記第1の索具を繰り出す第1のスプールと、前記索具支持体に設けられ、前記第2の索具を巻き取りまた巻き取っている前記第2の索具を繰り出す第2のスプールとを有し、前記第1の索具は、錘によって張力が付与されるようになっている請求項1または請求項2に記載の構造物点検装置である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、環状に形成されている枠体と、前記枠体の内側で前記枠体に回転自在に設けられており前記第1の索具が前記枠体の内側を貫通するようにして前記第1の索具が掛けられる索輪とを備えて構成されており、前記枠体が前記索具支持体に設けられている第1の滑車と、環状に形成されている枠体と、前記枠体の内側で前記枠体に回転自在に設けられており前記第2の索具が前記枠体の内側を貫通するようにして前記第2の索具が掛けられる索輪とを備えて構成されており、前記枠体が前記索具支持体に設けられている第2の滑車とを有する請求項3に記載の構造物点検装置である。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記撮影装置が超広角レンズを用いて画角が広い映像を撮影するようになっている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の構造物点検装置と、前記撮影装置で撮影された歪んだ映像を歪みの少ない映像に補正する映像補正部と、前記映像補正部で補正された映像を表示する端末とを有する構造物点検システムである。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記撮影装置で撮影された映像を受け取り、前記受け取った映像と、この受け取った映像の被写体を特定するための情報と、前記受け取った映像についての撮影時間に関する情報とを関連付けて記憶するサーバーを有する請求項5に記載の構造物点検システムである。
【0017】
請求項7に記載の発明は、前記撮影装置が超広角レンズを用いて画角が広い映像を撮影するようになっている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の構造物点検装置と、前記撮影装置で撮影された映像を受け取り、前記受け取った映像と、この受け取った映像の被写体を特定するための情報と、前記受け取った映像についての撮影時間に関する情報とを関連付けて記憶するサーバーを有する構造物点検システムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、特殊高所作業者が危険を冒して構造物に接近しなくても構造物の状態を容易かつ安全に点検することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る構造物点検装置の平面図である。
図2図1におけるII矢視図である。
図3図1におけるIII矢視図である。
図4図1におけるIV矢視図である。
図5図1におけるV矢視図である。
図6図4におけるVI部の拡大図である。
図7図6におけるVII矢視図である。
図8図6におけるVIII矢視図である。
図9図6におけるIX矢視図である。
図10】(a)は図2におけるXA部の拡大図であり、(b)は(a)におけるXB矢視図であり、(c)は(a)におけるXC矢視図である。
図11】(a)は本発明の実施形態に係る構造物点検装置の点検対象である構造物の正面図であり、(b)は(a)におけるXIB-XIB断面を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る構造物点検におけるフローを示す図である。
図13】本発明の実施形態に係る構造物点検装置の撮影装置で撮影された歪んだ映像を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係る構造物点検装置の撮影装置で撮影され補正された映像を示す図である。
図15】(a)は本発明の実施形態に係る構造物点検装置の点検対象の正面図であり、(b)は(a)におけるXVB-XVB断面を示す図である。
図16】本発明の実施形態に係る構造物点検システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係る構造物点検装置(構造物検査装置;構造物撮影装置)1、構造物点検システム(構造物検査システム)3は、たとえば、橋脚等の構造物5を点検するものである。まず、構造物点検装置1について説明する。
【0021】
ここで、説明の便宜のために、水平な所定の一方向を縦方向とし、水平な所定の他の一方向であって縦方向に対して直交する方向を横方向とし、縦方向と横方向とに対して直交する方向を上下方向とする。
【0022】
構造物点検装置1は、図1図10で示すように、第1の索具(たとえば、繊維索、鋼索等のロープ)7と移動体9と撮影装置11と第2の索具(たとえば、繊維索、鋼索等のロープ)13とを備えて構成されている。
【0023】
第1の索具7は、所定の場所で所定の張力をもって延伸し設置されるようになっている。移動体9は、所定の張力をもって設置されている第1の索具7の長手方向(延伸方向;張力がかかっている方向)で、第1の索具7に対し移動するようにして、第1の索具7の長手方向の中間部で第1の索具7に設置されるようになっている。なお、移動体9は、第1の索具7とは別体で構成されている。
【0024】
撮影装置11は、移動体9にたとえば一体的に設置されており、移動体9ともに移動するようになっている。撮影装置11として、たとえば、全方位カメラの機能を備えている撮影装置を掲げる。
【0025】
さらに説明すると、撮影装置11は、超広角レンズ(魚眼レンズを含む)を用いて画角が広い映像(たとえは、画角が180°以上である全方位の映像;静止画像でもよく動画でもよい。)を撮影するようになっている。
【0026】
所定の張力をもって所定の空間に延伸し設置されている第1の索具7の長手方向で、第1の索具7に対して移動体9とともに撮影装置11を移動させるために、第2の索具13が設けられている。第2の索具13は、移動体9、撮影装置11の少なくともいずれかに設置されており、第1の索具7に沿って延伸するようになっている。
【0027】
第1の索具7は、たとえば、上下方向で延伸し設置されるようになっている。第2の索具13は、所定の張力をもって設置されている第1の索具7から水平方向で僅かに離れ、第1の索具7に対して平行に延伸するようになっている。なお、第1の索具7を、上下方向に対して斜めな方向に延伸させてもよい。この場合、第1の索具7の延伸方向と上下方向との交差角度が、30°以内の角度になっているが、上記交差角度が30°を超えても60°以内になっていてもよい。
【0028】
第2の索具13で撮影装置11が上側に引っ張られることで、所定の張力をもって設置されている第1の索具7にガイドされ第1の索具7に沿って撮影装置11が上側に移動するようになっている。また、第2の索具13を緩めると、重力の作用により、所定の張力をもって設置されている第1の索具7にガイドされ第1の索具7に沿って撮影装置11が下側に移動するようになっている。
【0029】
移動体9は筒状の部材(たとえば円筒状の部材)で構成されている。第1の索具7が筒状の部材(移動体)9を貫通することで、移動体9が第1の索具7に設置されるよう構成されている。
【0030】
撮影装置11は、所定の張力をもって設置されている第1の索具7の延伸方向(たとえば上下方向)に対して交差する方向(たとえば直交する方向である水平な横方向)に、移動体9から突出している。
【0031】
第2の索具13は、この長手方向の一端(下端)が撮影装置11(たとえば、撮影装置11の、第1の索具7から離れた端部)に設置されている。また、第2の索具13は、第1の索具7から僅かに離れて、第1の索具7とほぼ平行に延伸するようになっている。
【0032】
また、構造物点検装置1には、索具支持体15と第1のスプール(第1のリール)17と第2のスプール(第2のリール)19とが設けられている。索具支持体15は、第1の索具7および第2の索具13を支持するようになっている。
【0033】
第1のスプール17は、索具支持体15に設けられており、第1の索具7を巻き取りまた巻き取っている第1の索具7を繰り出す(延出させる)ようになっている。第2のスプール19は、索具支持体15に設けられており、第2の索具13を巻き取りまた巻き取っている第2の索具13を繰り出す(延出させる)ようになっている。なお、第1の索具7は第2の索具13よりも太くなっており、第1の索具7の引張強度の値は、第2の索具13の引張強度の値よりも大きくなっている。
【0034】
第1の索具7の、第1のスプール17とは反対側に端部(長手方向の下端部)に設けられた錘21によって、第1の索具7に張力が付与されるようになっている。なお、錘21の質量(重量)は容易に調整可能になっている。
【0035】
第2の索具13の、第2のスプール19とは反対側に端部(長手方向の下端部)に設けられた撮影装置11と移動体9との質量(重量)によって、第2の索具13に張力が付与されるようになっている。なお、別途、錘(図示せず)を設け、第2の索具13の張力を調整するようにしてもよい。
【0036】
また、構造物点検装置1には、第1の滑車23と第2の滑車25とが設けられている。第1の滑車23は、枠体27と索輪29とを備えて構成されている。枠体27は環状に形成されている。索輪29は、枠体27の内側で枠体27に回転自在に設けられている。そして、第1の滑車23では、第1の索具7が枠体27の内側を貫通するようにして第1の索具7が索輪29に掛けられる(巻き掛けられる)ようになっている。また、枠体27が索具支持体15に一体的に設けられていることで、第1の滑車23が索具支持体15に設置されている。
【0037】
同様にして、第2の滑車25は、枠体27と索輪29とを備えて構成されている。第2の滑車25では、第2の索具13が枠体27の内側を貫通するようにして第2の索具13が索輪29に掛けられる(巻き掛けられる)ようになっている。また、枠体27が索具支持体15に一体的に設けられていることで、第2の滑車25が索具支持体15に設置されている。
【0038】
構造物点検システム3は、図16で示すように、構造物点検装置1と映像補正部(図示せず)と端末(たとえばICT端末;携帯型のモニター)31とを備えて構成されている。映像補正部は、撮影装置11で撮影された歪んだ映像(歪みの大きい映像;図13参照)を、歪みの少ない映像(図14参照)に補正するようになっている。
【0039】
映像補正部は、たとえば、端末31に設けられている。撮影装置11には、撮影した映像を送信するための通信部が設けられている。端末31には、撮影装置11が送信した映像を受信する通信部が設けられている。端末31は、第1のネットワーク(たとえば無線LAN)33を介して撮影装置11で撮影された歪んだ映像を受けとり、端末31の映像補正部が、受け取った映像を歪みの少ない映像に補正するようになっている。
【0040】
端末31は、撮影装置11の送信部で送られ映像補正部で補正された映像を遅滞なくリアルタイムで表示するようになっている。また、端末31は、撮影装置11の被写体である構造物5の近くで使用される。なお、映像補正部が、撮影装置11に設けられていてもよい。そして、撮影装置11が映像補正部で補正された映像を送信するようになっていてもよい。
【0041】
なお、撮影装置11として、たとえば、ズームレンズを備えたものを採用し、この撮影装置11によって画角が異なる映像を撮影するようにしてもよい。そして、撮影装置11によって撮影される映像の画角を、端末31からの遠隔操作によって変更できるように構成されていてもよい。焦点距離の長いレンズで撮影された歪みの少ない映像を、映像補正部での補正をすることなく、端末31で表示するようにしてもよい。さらに、歪みの多い映像について、映像補正部での補正をすることなく、端末31で表示するようにしてもよい。
【0042】
また、構造物点検システム3には、サーバー35が設けられている。サーバー35は、撮影装置11で撮影された映像を第2のネットワーク37を介して受け取るようになっている。そして、受け取った映像と、この受け取った映像の被写体(撮影装置11で撮影した構造物5)を特定するための情報と、受け取った映像についての撮影時間に関する情報とを関連付けて記憶するようになっている。
【0043】
第2のネットワーク37として、端末31とサーバー35とをつないでいるインターネット等を掲げることができる。撮影装置11で撮影された映像は、たとえば、端末31と第2のネットワーク37とを介してサーバー35に送られる。映像の被写体を特定するための情報は、たとえば、端末31によって入力されサーバー35に送られる。
【0044】
映像の被写体を特定するための情報として、たとえば、被写体の名称、被写体の名称と撮影された部位、被写体の位置情報等を掲げることができる。被写体の位置情報等として、たとえば、端末31が取得した緯度、経度を掲げることができる。映像についての撮影時間に関する情報は、たとえば、撮影装置11によって付与されたものが、サーバー35に送られる。
【0045】
なお、撮影装置11で撮影された映像等のうち、進行した錆び等の異常がある映像等に異常を示すタグ付けをして、サーバー35が記憶するようになっていてもよい。上記タグ付けは、たとえば、端末31でなされる。さらに、撮影装置11で撮影された映像等のうち、進行した錆び等の異常がある映像等のみをサーバー35が記憶するようになっていてもよい。
【0046】
ここで、構造物点検装置1についてさらに詳しく説明する。
【0047】
索具支持体15は、図1から図3で示すように、索具支持体本体部39と滑車支持部41とスプール支持部43とを備えて構成されている。索具支持体本体部39は、細長い角パイプで構成されて縦方向に長く延びている。
【0048】
滑車支持部41は、やや細長い矩形な板状に形成されており、長手方向が横方向になっている。滑車支持部41はこの長手方向の中間部が、索具支持体本体部39の長手方向の一方の端部である第1の端部に接合されている。
【0049】
スプール支持部43は、所定の長さの細長い角パイプを適宜接合したことで、縦方向で見て「T」字状に形成されている(図5参照)。スプール支持部43は、この下端(「T」字の下端)が、索具支持体本体部39の長手方向の他方の端部である第2の端部に接合されている。また、スプール支持部43は、上下方向では、索具支持体本体部39から上側に突出している。
【0050】
第1のスプール17は円筒状のスプール本体部45と一対の鍔部47とを備えて構成されている。鍔部47は円板状に形成されており、スプール本体部45の両端部に設けられている。第1のスプール17は、スプール本体部45の円筒の中心軸を中心にして回転するようにして、スプール支持部43の端部(「T」字の上の横棒の一方の端)に設けられている。第1の索具7は、第1のスプール17が回転することで、スプール本体部45に巻かれる等するようになっている。
【0051】
また、第1のスプール17は、回転防止部によって回転が阻止されるようになっている。回転防止部は、たとえば、鎖等の紐状部材49で構成されている。紐状部材49の一方の端部は、図3で示すように、索具支持体15に接合されている。紐状部材49の他方の端部は、第1のスプール17の鍔部47に着脱自在になっている。
【0052】
紐状部材49の他方の端部が、図3で示すように、第1のスプール17の鍔部47に接合されているときには、第1のスプール17の矢印A3で示す方向への回転が阻止され、第1のスプール17に巻かれている第1の索具7の繰り出しがされないようになっている。紐状部材49の一方の端部が第1のスプール17の鍔部47に接合されていないときには、第1のスプール17は、矢印A3で示す方向へ回転できるようになっている。もちろん、矢印A3で示す方向とは逆方向へも回転できるようになっている。
【0053】
第2のスプール19は、第1のスプール17と同様に構成されており、第1のスプール17と同様にして、スプール支持部43の端部(「T」字の上の横棒の他方の端)に設けられている。第2の索具13は、第2のスプール19が回転することで、スプール本体部45に巻かれる等するようになっている。また、第2のスプール19も、第1のスプール17と同様にして、回転防止部によって回転が阻止されるようになっている。
【0054】
第1の滑車23は、上述したように、枠体27と索輪29とを備えて構成されている。枠体27は、図10で示すように、平板状の底板部51と平板状の上板部53と平板状の一対の側板部55とを備えて構成されている。枠体27を縦方向で見ると、図10(b)で示すように、矩形な環状になっている。
【0055】
索輪29は、所定の厚さの円板状に形成されている。ただし、索輪29の外周には、第1の索具7が入り込む円弧状の凹部57が形成されている。索輪29は、一対の側板部55で支持されており、矩形な環状の枠体27内側に設置されている。また、索輪29は、この円板の中心軸(横方向に延びている中心軸)を中心にして、枠体27に対して回転するようになっている。
【0056】
また、第1の滑車23は、枠体27の底板部51が、索具支持体15の滑車支持部41に接合され、滑車支持部41から上側に突出するようにして、索具支持体15に設けられている。また、横方向では、第1の滑車23は、滑車支持部41の一方の端部に設けられている。
【0057】
第2の滑車25も、第1の滑車23と同様に構成され、第1の滑車23と同様にして、索具支持体15に設けられている。なお、横方向では、第2の滑車25は、滑車支持部41の他方の端部に設けられている。
【0058】
第1の索具7は、第1のスプール17に巻かれているとともに、第1のスプール17から延出している。第1のスプール17を回転させることで、第1の索具7の第1のスプール17からの延出長さを調節することができるようになっている。
【0059】
第1のスプール17から延出している第1の索具7は、概ね縦方向に延びて第1の滑車23に巻き掛けられ、さらに、第1の滑車23から下側に延出している。第1の索具7の下端には錘21が設置されている(吊り下げられている)。この錘21によって、第1の索具7にかかっている張力が付与されるようになっている。
【0060】
なお、錘21としてたとえば飲料が入っているペットボトルが採用されている。第1の索具7の下端に吊り下げられているペットボトルの個数を変えることで、第1の索具7にかかる張力の値を調整することができるようになっている。
【0061】
第2の索具13は、第2のスプール19に巻かれているとともに、第2のスプール19から延出している。第2のスプール19を回転させることで、第2の索具13の第2のスプール19からの延出長さを調節することができるようになっている。
【0062】
第2のスプール19から延出している第2の索具13は、概ね縦方向に延びて第2の滑車25に巻き掛けられ、さらに、第2の滑車25から下側に延出している。第2の索具13の下端は、撮影装置11に接合されている。
【0063】
円筒状の移動体9は、第1の滑車23から下側に延出している第1の索具7に設置されており、第1の索具7が、移動体9の円筒を貫通している。撮影装置11は、移動体9に一体的に設けられており、移動体9から横方向に突出している。上下方向では、撮影装置11は、移動体9の中間部で移動体9に接合されている。
【0064】
図6で示す移動体9の内径D2の値は、第1の索具7の外径D1の値に対して僅かに大きくなっている。「内径D2/外径D1」の値は、たとえば、1.01~2.0になっている。また、移動体9の長さ寸法L1の値が、第1の索具7と第2の索具13との間隔L2の値よりも大きくなっている(互いが等しい場合も含む)ことが望ましい。「寸法L1/間隔L2」が、たとえば、1.0~2.0になっていることが望ましい。
【0065】
また、第1の索具7と移動体9との間に発生する摩擦を小さくするために、第1の索具7、移動体9の少なくともいずれかに、摩擦係数を低減する処理等が施されていてもよい。
【0066】
撮影装置11は、明確に図示してはいないが、たとえば、一対で設けられており、一方の撮影装置11が、図6の紙面の手前側のもの撮影し、他方の撮影装置11が、図6の紙面の奥側のもの撮影するようになっている。これにより、撮影装置11が、360°の画角で構造物5を撮影(全方位撮影)することができるようになっている。
【0067】
なお、図6に参照符号59で示すものは、撮影装置11の撮影で使用される照明装置である。照明装置は、たとえば、撮影装置11に設置されている。上側の照明装置59が、図6の紙面の手前側を照らすようになっており、下側の照明装置59が、図6の紙面の奥側を照らすようになっている。
【0068】
また、上記説明では、2台の撮影装置11を用いて撮影をしているが、1台の撮影装置11で撮影をするようにしてもよい。この場合、1台の撮影装置11は水平方向ではなく、たとえば180°程度も画角で下側もしくは上側を撮影するものとする。
【0069】
次に、図12を参照しつつ。構造物5の点検フローを説明する。
【0070】
まず、現場踏査をして、点検対象である構造物5への接近方法を検討する(S1)。ステップS1での検討の結果、構造物5への接近が可能であれば(S3)、構造物5へ接近して構造物5の点検をする(S5)。
【0071】
ステップS1での検討の結果、構造物5への接近が困難であれば、接近代替手法を検討する(S7)。そして、代替え手法で点検をする(S9)。もしくは、全方位カメラ点検システム(構造物点検システム3)の専用アプリで画像診断をする。この画像診断は、たとえば、端末31やサーバー35によってなされる。
【0072】
画像診断の結果、構造物5で損傷が無かった場合、もしくは、損傷が軽微な場合、経過観察をし、たとえば、5年後に再点検をする(S13)。画像診断の結果、構造物5で損傷があった場合、補修方法を検討し補修をする(S15)。
【0073】
次に、構造物点検装置1の動作について説明する。
【0074】
初期状態では、構造物点検装置1の索具支持体15が構造物5の適宜の位置に設置されており、第1の索具7が、第1のスプール17から延出し第1の滑車23から下側に延出しており、第1の索具7の下端には、錘21が設置されている。
【0075】
また、初期状態では、第1の索具7に移動体9と撮影装置11とが設置されており、第2の索具13が、第2のスプール19から延出し第2の滑車25から下側に延出しており、第2の索具13の下端は、撮影装置11に接合されている。
【0076】
また、初期状態では、第1の索具7と第2の索具13とは、点検対象の構造物5である橋脚の内部で上下方向に延伸しており、移動体9と撮影装置11と錘21も、点検対象の構造物5である橋脚の内部に存在している。
【0077】
上記初期状態において、第2の索具13の第2のスプール19からの延長さを調節しつつ、撮影装置11で、橋脚5の内部を撮影する。なお、上記撮影は、端末31からの操作によってなされるが、撮影装置11が、たとえば、所定の短い時間間隔をあけ、端末31からの操作によらず、撮影をするようになっていてもよい。
【0078】
構造物点検装置1は、第1の索具7とこの第1の索具7に設置される移動体9とこの移動体9ともに移動する撮影装置11と撮影装置11を移動させるための第2の索具13とを備えて構成されている。
【0079】
そして、第1の索具7および第2の索具13を上下方向で延伸させることで点検作業をする者が上から下に下りなくても、構造物5の状態を容易かつ安全に知ることができ、近接目視点検と同レベルの点検を容易かつ安全にできる。
【0080】
また、特殊高所技術などによらなければ点検が出来ない鋼製橋脚303の内部(図11参照)や大型トラス橋313(図15参照)など近接目視点検が困難な場所においても、安全かつ容易に点検をすることができる。すなわち、構造物点検装置(全方位カメラとこれを吊り下げる専用設備)1を用いることで安全かつ容易に構想物5の点検をすることができる。
【0081】
また、全方位カメラ11を吊るしたロープ13を専用スプール(第2のスプール)19で巻きあげることで昇降させ、近接目視による点検が困難な深い場所を、効率良く点検することができる。また、横梁から内部に容易に下りる事が出来ない鋼製橋脚内部、長大橋の主塔外面、トラス橋313の格点部、建物の壁面、人孔・井戸の内部などを撮影装置11で容易に撮影し点検することができる。
【0082】
また、構造物点検装置1は、アクセスが困難な鋼製橋脚内部、長大橋の主塔外面、トラス橋313の格点部、建物の壁面、人孔・井戸の内部などを点検するために、全方位カメラ11を吊下げ巻き上げる装置である。構造物点検装置1を使用することで全方位カメラ11を安定した状態で昇降させることができるため、鮮明な360°の映像データを容易かつ安全に取得し、構造診断と補修法の検討をすることができる。
【0083】
また、撮影装置11は、全方位カメラ(360度カメラ)であるので、超広角の魚眼レンズを複数搭載したドーム型のカメラが1回の撮影でカメラ周辺360°を撮影することができる。この撮影装置11を、伸縮ポールや点検ロボット、特殊な器具に設置、撮影した映像を、パソコンやICT端末31で歪み補正処理する。これにより、必要な知識および技能を有する者が診断可能な鮮明な写真(映像)に仕上げることができる。撮影された360°の映像を、ICT端末に無線LAN(Wi-Fi)33で電送することができるので、必要な知識および技能を有する者が近接目視をしているのと同じようにリアルタイムで状況を確認することもできる。また、事務所で映像を見ながら診断することで、現場作業を効率化することもできる。
【0084】
また、構造物点検装置1では、移動体9が筒状の部材で構成されており、第1の索具7が筒状の移動体9を貫通することで移動体9が第1の索具7に設置されるようなっている。これにより、移動体9が第1の索具7から外れてしまうことが無くなり、しかも、簡素な構成で移動体9を第1の索具7に対して移動させることができる。
【0085】
また、構造物点検装置1では、撮影装置11が第1の索具7の延伸方向に対して直交する方向である水平方向に移動体から突出しており、第2の索具13が撮影装置11に設置されており第1の索具7とほぼ平行に延伸するようになっている。これにより、移動体9の長さ寸法を適宜の長さにする等で、移動体9が第1の索具7に対して移動しやすいようになっている。また、第2の索具13が撮影装置11に設置されており第1の索具7とほぼ平行に延伸するようになっている。これにより、撮影装置11が2点支持されており、撮影装置11の安定した吊り下げ、巻き上げができ、撮影装置11が第1の索具7の中心軸まわりでむやみに回転してしまうことを防止することができる。
【0086】
また、構造物点検装置1は、索具支持体15と、第1の索具7を巻き取りまた延出させる第1のスプール17と、第2の索具13を巻き取りまた延出させる第2のスプール19とを備えて構成されている。これにより、第1の索具7および第2の索具13の繰り出し巻き取りを円滑に行うことができ、第1の索具7および第2の索具13の延出長さの調整が容易になっている。また、第1の索具7が錘21によって張力が付与されるようになっているので、第1の索具7への張力を簡素な構成ですることができる。また、索具支持体15を構造物5の適宜の箇所にたとえば万力等の固定具(クランプ)を使って固定することで、構造物点検装置1の使用時における構造物点検装置1の取り扱いがしやくなる。
【0087】
錘21の重量を調整自在にすることで、使用環境に応じて第1の索具7への張力を調整することができる。たとえば、筒状の橋脚内で使用する場合には風の影響が無いので錘21を軽くすることができ、錘21がついた第1の索具7を巻き取り等がしやすくなる。また、風の影響が大きい場所では錘21を重くし第1の索具7が風によって大きく撓みまた大きく揺れてしまうことを防止することができる。
【0088】
また、構造物点検装置1では、第1の索具7が第1の滑車23でガイドされており、第2の索具13が第2の滑車25でガイドされている。これにより、第1の索具7の移動体9が設置される部位の延伸方向を上下方向やその他の斜め方向にすることが容易になっている。また、第1の索具7、第2の索具13が索具支持体15から外れてしまうことを確実に防止することができる。
【0089】
また、第1のスプール17からの第1の索具7の延出位置(横方向における位置)が変化しても、第1の滑車23から下方に延出する第1の索具7の位置(横方向における位置)を一定の位置にすることができる。同様にして、第2の滑車25から下方に延出する第2の索具13の位置(横方向における位置)を一定の位置にすることができる。
【0090】
構造物点検システム3では、撮影装置11の送信部で送られ、映像補正部で補正された映像を端末で表示することできる。これにより、撮影装置11から離れた安全な場所で、歪みの無い映像を精神集中して見ることができ、構造物5の不具合を見落とすことを回避することができる。
【0091】
また、構造物点検システム3では、撮影装置11で撮影された映像を第2のネットワーク37を介して受け取り、受け取った映像およびこの映像に関する情報を関連付けてサーバー35が記憶するようになっている。これにより、構造物5での不具合箇所等を的確に記録し保存することができる。
【0092】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 構造物点検装置
3 構造物点検システム
7 第1の索具
9 移動体
11 撮影装置
13 第2の索具
15 索具支持体
17 第1のスプール
19 第2のスプール
21 錘
23 第1の滑車
25 第2の滑車
27 枠体
29 索輪
31 端末
35 サーバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16