(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118442
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20230818BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H05K13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021397
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】湯川 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】浜平 大
【テーマコード(参考)】
5E353
5F044
【Fターム(参考)】
5E353BB03
5E353CC05
5E353EE02
5E353EE22
5E353EE88
5E353JJ02
5E353JJ28
5E353JJ32
5E353KK01
5E353KK11
5E353PP02
5E353QQ14
5E353QQ15
5F044PP15
5F044PP17
(57)【要約】
【課題】異なる外形を有する部品の認識マークを撮像できる部品実装装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る部品実装装置は、位置合わせ用の認識マークを有する部品を保持する着脱可能な実装ヘッドと、実装ヘッドを通過する第1撮像光路に基づいて、第1視野において部品の第1認識マークを撮像する第1撮像素子と、実装ヘッドを通過する第2撮像光路に基づいて、第2視野において部品の第2認識マークを撮像する第2撮像素子と、実装ヘッドに設けられる第1貫通孔を通じて、第1撮像光路を反射させる第1反射光学系と、実装ヘッドに設けられる第2貫通孔を通じて、第2撮像光路を反射させる第2反射光学系と、を備え、実装ヘッドとして、第1実装ヘッドまたは第2実装ヘッドが装着され、第1実装ヘッドと第2実装ヘッドとにおいて、部品情報に基づいて、平面視における第1貫通孔及び第2貫通孔の配置が異なる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置合わせ用の認識マークを有する部品を保持する着脱可能な実装ヘッドと、
装着された前記実装ヘッドの側方に設けられ、前記実装ヘッドを通過する第1撮像光路に基づいて、第1視野において前記部品の第1認識マークを撮像する第1撮像素子と、
装着された前記実装ヘッドの側方に設けられ、前記実装ヘッドを通過する第2撮像光路に基づいて、第2視野において前記部品の第2認識マークを撮像する第2撮像素子と、
前記実装ヘッドに設けられる第1貫通孔を通じて、前記第1視野から前記第1撮像素子に向かって前記第1撮像光路を反射させる第1反射光学系と、
前記実装ヘッドに設けられる第2貫通孔を通じて、前記第2視野から前記第2撮像素子に向かって前記第2撮像光路を反射させる第2反射光学系と、
を備え、
前記実装ヘッドとして、第1実装ヘッドまたは第2実装ヘッドが装着され、
前記第1実装ヘッドと前記第2実装ヘッドとにおいて、部品情報に基づいて、平面視における前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の配置が異なる、部品実装装置。
【請求項2】
前記第1実装ヘッドと前記第2実装ヘッドとにおいて、部品情報に基づいて、平面視における前記第1反射光学系及び前記第2反射光学系の配置が異なる、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
平面視において、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔は、横長形状を有し、かつ長手方向に異なる位置に配置され、
前記第1実装ヘッドと前記第2実装ヘッドとにおいて、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の配置が短手方向に異なる、請求項1または2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記第1実装ヘッドは縦長部品に対応し、
前記第2実装ヘッドは横長部品に対応する、請求項1から3のいずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項5】
前記第1実装ヘッドにおいて、前記第1貫通孔は、前記第2貫通孔に対して第1短手方向にずれて形成され、
前記第2実装ヘッドにおいて、前記第1貫通孔は、前記第2貫通孔に対して前記第1短手方向と逆向きの第2短手方向にずれて形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記部品情報は、前記部品の外形に関連する情報を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項7】
保持された前記部品を加熱するヒータを有し、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を設けるヒータブロックをさらに有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項8】
前記第1反射光学系及び前記第2反射光学系と、前記第1撮像素子及び前記第2撮像素子との相対的な高さの変更を制御する制御部をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項9】
前記実装ヘッドに対して、前記第1撮像素子及び前記第2撮像素子を横方向に移動させる移動調整装置をさらに備える、請求項1から8いずれか一項に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を基板に実装する部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置として、例えば、特許文献1には、半導体素子等の部品を基板に実装する装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の部品実装装置は、部品を保持する吸着ノズルと、吸着ノズルの側方に設けられたCCDカメラ等の認識手段とを備える。認識手段は、部品に形成される位置合わせ用の認識マークを読み取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年の半導体の素子の微細化によって、部品上の認識マークも小さくなっている。そこで、小さい認識マークを撮像するため、CCDカメラ等の撮像素子のレンズの倍率を上げて、認識マークを拡大して読み取るようにしている。そのため、従来の構成に対して、撮像素子の視野が小さくなっている。
【0006】
したがって、小さい視野による異なる外形を有する部品の認識マークの撮像といった点で未だ改善の余地がある。
【0007】
本開示は、上記課題を解決することにあって、異なる外形を有する部品の認識マークを撮像できる部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る部品実装装置は、位置合わせ用の認識マークを有する部品を保持する着脱可能な実装ヘッドと、装着された実装ヘッドの側方に設けられ、実装ヘッドを通過する第1撮像光路に基づいて、第1視野において部品の第1認識マークを撮像する第1撮像素子と、装着された実装ヘッドの側方に設けられ、実装ヘッドを通過する第2撮像光路に基づいて、第2視野において部品の第2認識マークを撮像する第2撮像素子と、実装ヘッドに設けられる第1貫通孔を通じて、第1視野から第1撮像素子に向かって第1撮像光路を反射させる第1反射光学系と、実装ヘッドに設けられる第2貫通孔を通じて、第2視野から第2撮像素子に向かって第2撮像光路を反射させる第2反射光学系と、を備え、実装ヘッドとして、第1実装ヘッドまたは第2実装ヘッドが装着され、第1実装ヘッドと第2実装ヘッドとにおいて、部品情報に基づいて、平面視における第1貫通孔及び第2貫通孔の配置が異なる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、異なる外形を有する部品の認識マークを撮像できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の実施の形態1に係る部品実装装置の断面図
【
図3】
図2のA-A線における第1反射光学系付近の拡大断面図
【
図4】
図2のB-B線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図
【
図5B】異なる実装ヘッドを装着した部品実装装置の模式断面図
【
図7】
図6のC-C線における第1反射光学系付近の拡大断面図
【
図8】
図6のD-D線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図
【
図9B】異なる実装ヘッドを装着した部品実装装置の模式断面図
【
図11】
図10のE-E線における第1反射光学系付近の拡大断面図
【
図12】
図10のF-F線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図
【
図13】本開示の実施の形態2に係る部品実装装置の断面図
【
図16A】(a)
図2のA-A線における第1反射光学系付近の拡大断面図、(b)
図15のG-G線における第1反射光学系付近の拡大断面図
【
図16B】(a)
図2のB-B線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図、(b)
図15のH-H線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図
【
図18】本開示の実施の形態3に係る部品実装装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1Aは、本開示の実施の形態1に係る部品実装装置100の断面図である。
図1Bは、部品2の平面図である。
図2は、
図1Aにおける実装ヘッド1の模式平面図である。
【0013】
図1Aに示すように、本開示の実施の形態1における部品実装装置100は、実装ヘッド1と、反射光学系61、62、63と、ステージ12と、ヘッド昇降機構40と、ヘッド移動機構52と、撮像ユニット11と、制御部51とを備える。
【0014】
実装ヘッド1は、部品2を保持し、保持した部品2をステージ12に保持された基板13に実装する機構である。
【0015】
ここで、部品2は、例えばシリコーン、窒化ガリウム、又はシリコーンカーバイド等の不透明な材料から成る四角形の薄い板状部材のダイすなわちICチップなどである。部品2の一方の面2a(
図1Aにおける上面)には、位置合わせ用の認識マーク3a、3bが形成される。
図1Bに示すように、認識マーク3a、3bは、例えば小さな正方形などであり、四角形の部品2の少なくとも一対の対角位置に形成されている。部品2のもう一方の面(
図1Aでは下面)2bには、基板13に接着するための接着層(図示せず)が形成されている。接着層は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、又はシリコーン樹脂などの熱硬化型接着剤、熱可塑性接着剤、導電性接着剤、又はクリームはんだで構成される。
【0016】
部品2が実装される基板13は、例えばシリコーン、ガラス、ステンレス、又は樹脂基板などから成り、平面形状は、円形、又は矩形状などである。
【0017】
実装ヘッド1は、交換可能にヘッド昇降機構40に保持される。部品実装装置100は実装ヘッド1を含む複数の異なる実装ヘッドを有する。異なる実装ヘッドは、異なる構成を有し、異なる外形を有する部品2を保持及び撮像できる。
【0018】
実装ヘッド1の交換は、ユーザによって手動で行われてもよく、または他の装置によって行われてもよい。また、実装ヘッド1の位置合わせは、例えば、ヘッド昇降機構40に形成されるガイドと実装ヘッド1に形成される溝とを係合させることによって実現されてもよい。
【0019】
反射光学系61、62、63は実装ヘッド1の内部に配置される。第1反射光学系61は、部品2の認識マーク3aからの光を、実装ヘッド1を通過して撮像ユニット11まで導くための光学系である。第2反射光学系62及び第3反射光学系63は、部品2の認識マーク3bからの光を、実装ヘッド1を通過して撮像ユニット11まで導くための光学系である。
【0020】
ステージ12は、実装ヘッド1に対向するように基板13を支持する部材である。ステージ12は、制御部51の制御の下で、上下方向(Z方向)と直交するXY方向及びZ方向回りのθ方向に移動可能である。
【0021】
ヘッド昇降機構40は、ステージ12の平面に対し垂直方向(例えばZ方向)に実装ヘッド1を駆動する。
【0022】
ヘッド移動機構52は、ヘッド昇降機構40による実装ヘッド1の昇降方向(例えば上下方向)と直交する横方向(例えばXY方向)に実装ヘッド1を駆動する。
【0023】
撮像ユニット11は、実装ヘッド1の側方に配置され、反射光学系61、62、63を介して部品2の認識マーク3a、3bを撮像する機構である。
【0024】
撮像ユニット11は、2つの撮像部11a、11bを1つの撮像ステージ11cに固定して構成されている。撮像部11a、11bは、例えばCCDカメラである。
【0025】
第1撮像部11aは第1撮像素子15aを有し、第1視野64a(
図2)において第1認識マーク3aを撮像する。第2撮像部11bは第2撮像素子15bを有し、第2視野64b(
図2)において第2認識マーク3bを撮像する。
【0026】
第1視野64aから第1撮像素子15aまで延びる光路を第1撮像光路65とし、第2視野64bから第2撮像素子15bまで延びる光路を第2撮像光路66とする。
【0027】
撮像ステージ11cは、連結部14によって、着脱可能に実装ヘッド1に連結される。連結部14によって、撮像ステージ11cと実装ヘッド1とは、互いに固定的に連結されてもよく、互いに移動可能に連結されてもよい。
【0028】
制御部51は、部品実装装置100が備える各部を制御する。制御部51は、実装ヘッド1と、ヘッド昇降機構40と、ヘッド移動機構52と、撮像ユニット11と、ステージ12とをそれぞれ駆動制御する。制御部51は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPUまたはMPUのような汎用プロセッサを含む。制御部51は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
【0029】
制御部51は、記憶部31と、画像処理装置42と、位置算出部50とを有する。
【0030】
記憶部31は、種々の情報を記録する記録媒体である。記憶部31は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Device)、ハードディスク、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶部31には、例えば、制御部51が実行する生産プログラムが格納される。生産プログラムは、部品情報を含む。
【0031】
部品情報とは、部品2の実装に関連する情報であって、具体的には、実装される部品2の種類、部品2の実装位置、部品2の外形に関連する情報、部品2を保持する実装ヘッド1に関連する情報等を含む。部品2の外形に関連する情報とは、部品2の外形サイズと、部品2の縦横比と、部品2の外形に基づいて予測される認識マーク3a、3bの位置とを含んでもよい。また、部品情報は、部品2の外形に関連する情報に代わってまたは加えて、認識マーク3a、3bの位置を含んでもよい。部品2を保持する実装ヘッド1に関連する情報は、ユーザに通知する実装ヘッドの指定であり、実装ヘッドの管理番号、型式番号等の識別情報を含んでもよい。例えば、実装ヘッドの指定は、部品2の外形サイズまたは認識マーク3a、3bの位置に基づく。
【0032】
画像処理装置42は、2つの撮像部11a、11bに接続され、画像処理装置42と撮像部11a、11bとは画像認識装置の一例として機能する。画像処理装置42は、撮像部11a、11bで撮像された画像情報から、背景差分法などの公知の画像処理を行って、部品2の認識マーク3a、3bの位置情報を読み取ることができる。
【0033】
位置算出部50は、画像処理装置42に接続される。位置算出部50は、画像処理装置42で得た認識マーク3a、3bの位置情報から、実装ヘッド1の重心の座標に対する部品2の相対座標を算出する。即ち、位置算出部50は、実装ヘッド1の重心の座標に対する部品2の位置ずれ量を算出する。そこで、制御部51は、位置算出部50で算出された位置ずれ量に基づいて、ヘッド昇降機構40及びヘッド移動機構52の制御によって、部品2の位置合わせを行いつつ部品実装することができる。
【0034】
(実装ヘッドの構成)
ここで、実装ヘッド1の構成について、より詳細に説明する。実装ヘッド1は、ヘッド本体部1aと、保持部材5と、を有する。
【0035】
ヘッド本体部1aは実装ヘッド1の外郭を形成する部材である。ヘッド本体部1aは、直方体板形状のヒータブロック67と、直方体板形状の冷却ブロック68と、直方体板形状のプリズムブロック71とを有する。ヒータブロック67の上面には冷却ブロック68が固定され、冷却ブロック68の上面にはプリズムブロック71が固定される。ヒータブロック67の下面には保持部材5が固定される。
【0036】
保持部材5は部品2を保持する部材である。保持部材5は、例えば、真空ポンプ41に接続され、真空吸着によって部品2を保持する吸着ノズルである。保持部材5は、他の方法で部品2を保持してもよい。
【0037】
保持部材5は光学的に透過撮像可能であるため、光が保持部材5を通過して撮像部11a、11bが部品2を撮像できる。保持部材5は、例えば、透明な材料で形成される。保持部材5は、例えば、サファイヤ、石英、ガラス、又は耐熱プラスチックなどで形成される。
【0038】
保持部材5は、異なる実装ヘッドにおいて、異なる形状または大きさを有してもよい。
【0039】
ヒータブロック67には、保持部材5を介して部品2を加熱できるヒータ6が内蔵される。ヒータ6による加熱によって、部品2の下面2bにおける接着層を軟化させ、または半田等の接合材を溶融させることができる。
【0040】
冷却ブロック68には、冷却水などが循環する冷却通路(図示せず)が配置される。冷却水の循環によってプリズムブロック71を冷却する。このような構成は、ヒータブロック67の加熱によって、プリズムブロック71の温度が過剰に上昇することを抑制できる。
【0041】
プリズムブロック71は、反射光学系61、62、63を収容する。異なる実装ヘッドにおいて、プリズムブロック71における反射光学系61、62、63の配置は、異なる。
【0042】
図1Aに示すように、光が部品2から反射光学系61、62に到達できるように、冷却ブロック68及びヒータブロック67は、2つの貫通孔69a、69bを形成する。第1貫通孔69aは、保持部材5から第1反射光学系61まで上下方向に連通し、第2貫通孔69bは、保持部材5から第2反射光学系62まで上下方向に連通する。異なる実装ヘッドにおいて、貫通孔69a、69bの配置は異なる。
【0043】
また、
図2に示すように、実装ヘッド1を平面視すると、第1貫通孔69a及び第2貫通孔69bは、それぞれ長円などの横長形状を有し、それぞれ長穴である。第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとは、共通の長手方向K及び短手方向Lを有する。第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとは、間隔をあけて長手方向Kに並んで配置され、第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとは長手方向Kに延びる共通の中心線Jを有してもよい。また、異なる実装ヘッドにおいて、第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとの一方または両方を、長手方向Kに並べた配置から短手方向Lにずらしてもよい。
【0044】
長手方向Kは、保持部材5の対角線が延びる方向に沿っていてもよい。
【0045】
第1貫通孔69aの開口面積は、第2貫通孔69bの開口面積と等しくてもよい。また、平面視において、第1貫通孔69aの開口面積は、第1反射光学系61の外形サイズより小さくてもよく、第2貫通孔69bの開口面積は、第2反射光学系62の外形サイズより小さくてもよい。
【0046】
(反射光学系の構成)
図1A、
図2-
図4を参照して、反射光学系61、62、63の構成についてより詳細に説明する。
図3は
図2のA-A線における第1反射光学系61付近の拡大断面図である。
図4は
図2のB-B線における第2反射光学系62及び第3反射光学系63付近の拡大断面図である。
【0047】
図1A及び
図2に示すように、第1反射光学系61は第1貫通孔69aの上方に、第2反射光学系62は第2貫通孔69bの上方に配置される。また、第3反射光学系63は第2反射光学系62に対して短手方向Lに間隔を開けて配置される。
【0048】
第1反射光学系61は、例えば、反射プリズムまたは反射ミラーである。
図1A及び
図2に示すように、第1反射光学系61は、部品2の上の第1視野64aから第1貫通孔69aを通過する第1撮像光路65を受けて、第1撮像素子15aに向かって反射させる。また、第1反射光学系61に反射された第1撮像光路65は、短手方向Lに伝播する。
【0049】
第2反射光学系62は、例えば、反射プリズムまたは反射ミラーであり、第1反射光学系61と同様なものであってもよい。
図1A及び
図2に示すように、第2反射光学系62は、部品2の上の第2視野64bから第2貫通孔69bを通過する第2撮像光路66を受けて、第3反射光学系63に向かって反射させる。また、第2反射光学系62に反射された第2撮像光路66は、第1反射光学系61に反射された第1撮像光路65の伝播方向と逆向きに、短手方向Lに伝播する。
【0050】
図3に示すように、第1反射光学系61は長手方向Kに延びる第1反射面61aを有する。第1反射面61aは上下方向(実装ヘッド1の昇降方向)に対する一定の角度αにおいて傾斜されている。角度αは、例えば、45°である。このような構造によって、第1反射光学系61における反射によって、第1撮像光路65を上下方向から横方向に90°曲げることができる。
【0051】
図4に示すように、第2反射光学系62は長手方向Kに延びる第2反射面62aを有する。第2反射面62aは上下方向に対する一定の角度βにおいて、第1反射面61a(
図3)とは逆向きに傾斜されている。角度βは、例えば、45°である。このような構造によって、第2反射光学系62における反射によって、第2撮像光路66を上下方向から、第1撮像光路65とは逆向きの横方向に90°曲げることができる。
【0052】
図2に示すように、第3反射光学系63は、例えば、三角形板状のプリズムである。実施の形態において、第3反射光学系63は、直角三角形板状のプリズムであり、斜辺が長手方向Kに延びるように、第3反射光学系63は配置される。第3反射光学系63は、直角を形成する2つの側面によって、第3反射面63aと第4反射面63bとを形成する。第2反射光学系62に反射された第2撮像光路66は、第3反射面63aに反射されると第4反射面63bに向かい、第4反射面63bに反射されると第2撮像素子15bに向かう。第2反射光学系62に反射された第2撮像光路66を第3反射面63aと第4反射面63bとで2回反射させることによって、第2撮像光路66の伝播方向を、第3反射光学系63に入射する前の伝播方向と逆向きにすることができる。その結果、第3反射光学系63に反射された第2撮像光路66は、第1反射光学系61に反射された第1撮像光路65と同じ向きに伝播する。
【0053】
(実装ヘッドの動作)
以上のような構成において、次に部品実装装置100の動作の一例について説明する。
【0054】
制御部51は、部品2の部品情報を取得する。制御部51は、生産プログラムを参照して、部品2の部品情報を取得する。部品2の部品情報は、部品2の外形サイズと、部品2の縦横比と、実装ヘッド1の指定を含む。
【0055】
制御部51は、部品情報に基づいて、装着されている実装ヘッドと指定された実装ヘッド1を比較して交換の要否を判断する。交換が必要であると、制御部51は交換の必要性についてユーザに通知し、ユーザが手動でまたは他の装置を操作することによって、実装ヘッドを交換する。
【0056】
制御部51は、部品情報に基づいて、実装ヘッド1を、実装前の部品2を搭載する移載ステージ(図示せず)の上方に移動させる。具体的には、制御部51は、実装ヘッド1を水平方向に移動させるヘッド移動機構52と、実装ヘッド1を上下方向に移動させるヘッド昇降機構40を制御して、実装ヘッド1を移動させる。
【0057】
続いて、制御部51は、移載ステージに搭載された部品2の認識マーク3a、3b及び実装ヘッド1の位置情報を取得する。具体的には、移載ステージに搭載された移載ステージ用カメラ(図示せず)が部品2の認識マーク3a、3b及び実装ヘッド1の位置情報を読み取り、制御部51に伝達する。
【0058】
続いて、制御部51は、部品2の認識マーク3a、3b及び実装ヘッド1の位置情報に基づいて、移載ステージに搭載された部品2に対して実装ヘッド1の位置合わせを行う。具体的には、制御部51は、ヘッド移動機構52の駆動によって、部品2に対して実装ヘッド1をX、Y、及びθ方向(Z方向回りの回転方向)に位置合わせする。
【0059】
続いて、制御部51は、部品2に対して位置合わせした実装ヘッド1をヘッド昇降機構40によって下降させて、部品2を保持させる。実装ヘッド1が下降すると、実装ヘッド1の保持部材5は部品2に接触し、保持部材5による真空吸着によって、部品2を保持する。ここで、実装時間を短縮するために、実装ヘッド1は、ヒータ6により予め加熱していても構わない。
【0060】
続いて、制御部51は、部品情報に基づいて、部品2を保持した実装ヘッド1を基板13の部品実装位置の上方まで移動させる。
【0061】
続いて、制御部51は、撮像ユニット11によって部品の認識マーク3a、3bを撮像する。
【0062】
続いて、制御部51は、撮像された画像に基づいて画像処理装置42で画像処理を行い、画像処理に基づいて実装ヘッド1に保持された部品2の認識マーク3a、3bを画像認識する。画像認識結果に基づいて、位置算出部50は部品2の座標を算出する。
【0063】
続いて、制御部51は、位置算出部50での算出結果に基づいて、部品2、即ち実装ヘッド1の位置ずれを補正する。より具体的には、制御部51は、ヘッド移動機構52によって実装ヘッド1を、またはステージ12をX、Y、θ方向に移動させる。
【0064】
続いて、制御部51は、ヘッド昇降機構40によって、位置ずれを補正した実装ヘッド1を下降させて、基板13に部品2を加圧しながら基板13に部品2を実装する。より具体的には、実装ヘッド1の保持部材5を伝って部品2の裏面の接着層にヒータ6の熱が伝わり、熱によって軟化した接着層は、基板13に押し当てられて接着される。
【0065】
上記動作を行ったあと、続いて外形が異なる部品を実装する場合の動作について説明する。部品2の外形が異なると、短手方向Lにおける第1認識マーク3a及び第2認識マーク3bの位置も異なる。例えば、部品2より縦方向に長い、横方向に小さい縦長な102を実装する場合について説明する。
【0066】
縦長な部品102を実装する動作について、
図5A-
図8を参照しながらより詳細に説明する。
図5Aは部品102の平面図である。
図5Bは、実装ヘッド101を装着した部品実装装置100の模式断面図である。
図6は、
図5Bにおける実装ヘッド101の模式平面図である。
図7は、
図6のC-C線における第1反射光学系161の付近の拡大断面図である。
図8は、
図6のD-D線における第2反射光学系162及び第3反射光学系63の付近の拡大断面図である。
【0067】
図5Aに示すように、部品102は正方形に対して縦長形状を有し、認識マーク103a、103bは中心線Jに対してずれている。縦長形状とは、横方向の寸法W1より、縦方向の寸法H1が長い形状を意味する。
【0068】
まず、制御部51は、縦長な部品102の部品情報を取得する。部品情報は、部品102を保持する実装ヘッド101の指定を含んでもよい。
図5B及び
図6に示すように、実装ヘッド101は、実装ヘッド1と異なる構造を有する。具体的には、実装ヘッド101は、横方向における反射光学系161、162の配置と貫通孔169a、169bの配置とにおいて、実装ヘッド1と異なる。
【0069】
続いて、制御部51は実装ヘッド101の指定をユーザに通知してもよく、通知を受けたユーザは実装ヘッド1を実装ヘッド101に交換してもよい。または、ユーザは、所定のタイミングにおいて実装ヘッド1を実装ヘッド101に交換してもよい。交換において、ユーザは、装着されている実装ヘッド1を取り外し、実装ヘッド101を装着する。
【0070】
図6に示すように、装着された状態において、実装ヘッド101は、平面視において、実装ヘッド1の貫通孔69a、69b(
図2)に対して短手方向Lにずれた位置に、貫通孔169a、169bを形成する。一方で、貫通孔69a、69bの短手方向Lと貫通孔169a、169bの短手方向Lとは共通である。また、貫通孔169a、169bは、間隔をあけて長手方向Kに異なる位置に配置される。第1反射光学系161及び第1貫通孔169aは中心線Jに対して第1短手方向L1(矢印A1)にずれた位置に配置され、第2反射光学系162及び第2貫通孔169bは中心線Jに対して第2短手方向L2(矢印A2)にずれた位置に配置される。ここで、第1短手方向L1と第2短手方向L2とは、即ち、矢印A1と矢印A2とは、短手方向Lに平行であり、互いに対して逆向きである。言い換えれば、第1反射光学系161及び第1貫通孔169aは、第2貫通孔169bに対して第1撮像素子15aに近づくように、短手方向Lにずれた位置に配置される。
【0071】
また、貫通孔169a、169bが、それぞれ貫通孔69a、69bの中心線Jからずれた量は等しい。即ち、第1反射光学系161及び第1貫通孔169aと、第2反射光学系162及び第2貫通孔169bとは中点Pに対して点対称にずれた配置を有する。中点Pは、貫通孔69a、69bの間の中心線Jの中点である。
【0072】
続いて、実装ヘッド101は、移載ステージに搭載された部品102に対して位置合わせされた状態で部品102を保持する。実装ヘッド101は部品102を保持した状態で、基板13の部品実装位置の上方まで移動して、撮像部11a、11bが認識マーク103a、103bを撮像する。
【0073】
図6及び
図7に示すように、実装ヘッドの交換によって、第1貫通孔169a及び第1反射光学系161は第1撮像素子15aに対して近づく(矢印A11、矢印A1)。そのため、第1反射面161aにおける第1撮像光路165の反射位置が、第1撮像光路65の反射位置に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印A1)。したがって、上下方向に延びる第1撮像光路165は第1撮像光路65に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印A1)。
【0074】
また、
図6及び
図8に示すように、実装ヘッド101の交換によって、第2貫通孔169b及び第2反射光学系162は第1撮像素子15aに対して離れる(矢印A12、矢印A2)。そのため、第2反射面162aにおける第2撮像光路166の反射位置が、第2撮像光路66の反射位置に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印A2)。したがって、上下方向に延びる第2撮像光路166は第2撮像光路66に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印A2)。
【0075】
図7と
図8とを比較して、第1撮像光路165がずれる方向(矢印A1)と、第2撮像光路166がずれる方向(矢印A2)とは逆向きである。その結果、
図6に示すように、第1視野64aと第2視野64bとは、中点Pに対して点対称に移動する。
【0076】
続いて、制御部51は、実装ヘッド101の位置を補正して、部品102を基板13に実装する。
【0077】
上記の動作によって、部品実装装置100は、部品102のような縦長形状を有する部品に対応している。
【0078】
さらに、部品実装装置100は、部品202のような横長形状を有する部品にも対応している。
【0079】
縦長な部品202を実装する動作について、
図9A-
図12を参照しながらより詳細に説明する。
図9Aは部品202の平面図である。
図9Bは、実装ヘッド201を装着した部品実装装置100の模式断面図である。
図10は、
図9Bにおける実装ヘッド201の模式平面図である。
図11は、
図10のE-E線における第1反射光学系261の付近の拡大断面図である。
図12は、
図10のF-F線における第2反射光学系262及び第3反射光学系63の付近の拡大断面図である。
【0080】
図9Aに示すように、部品202は正方形に対して横長形状を有し、認識マーク203a、203bは中心線Jに対してずれている。横長形状とは、縦方向の寸法H2より、横方向の寸法W2が長い形状を意味する。
【0081】
まず、制御部51は、横長な部品202の部品情報を取得する。部品情報は、部品202を保持する実装ヘッド201の指定を含んでもよい。
図9B及び
図10に示すように、実装ヘッド201は、実装ヘッド1、101と異なる構造を有する。具体的には、実装ヘッド201は、横方向における反射光学系261、262の配置と貫通孔269a、269bの配置とにおいて、実装ヘッド1、101と異なる。
【0082】
続いて、制御部51は実装ヘッド201の指定をユーザに通知してもよく、通知を受けたユーザは実装ヘッド101を実装ヘッド201に交換してもよい。または、ユーザは、所定のタイミングにおいて実装ヘッド1を実装ヘッド101に交換してもよい。交換において、ユーザは、装着されている実装ヘッド101を取り外し、実装ヘッド201を装着する。
【0083】
図10に示すように、装着された状態において、実装ヘッド201は、平面視において、実装ヘッド1の貫通孔69a、69b(
図2)に対して短手方向Lにずれた位置に、貫通孔269a、269bを形成する。一方で、貫通孔69a、69bの短手方向Lと貫通孔269a、269bの短手方向Lとは共通である。また、貫通孔269a、269bは、間隔をあけて長手方向Kに異なる位置に配置される。第1反射光学系261及び第1貫通孔269aは中心線Jに対して第2短手方向L2(矢印B1)にずれた位置に配置され、第2反射光学系262及び第2貫通孔269bは中心線Jに対して第1短手方向L1(矢印B2)にずれた位置に配置される。矢印B1と矢印B2とは逆向きである。言い換えれば、第1反射光学系261及び第1貫通孔269aは、第2貫通孔269bに対して第1撮像素子15aに遠ざかるように、短手方向Lにずれた位置に配置される。
【0084】
また、貫通孔269a、269bが、それぞれ貫通孔69a、69bの中心線Jからずれた量は等しい。即ち、第1反射光学系261及び第1貫通孔269aと、第2反射光学系262及び第2貫通孔269bとは中点Pに対して点対称にずれた配置を有する。
【0085】
続いて、実装ヘッド201は、移載ステージに搭載された部品202に対して位置合わせされた状態で部品202を保持する。実装ヘッド201は部品202を保持した状態で、基板13の部品実装位置の上方まで移動して、撮像部11a、11bが認識マーク203a、203bを撮像する。
【0086】
図10及び
図11に示すように、実装ヘッドの交換によって、第1貫通孔269a及び第1反射光学系261は第1撮像素子15aに対して離れる(矢印B11、矢印B1)。そのため、第1反射面261aにおける第1撮像光路265の反射位置が、第1撮像光路65の反射位置に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印B1)。したがって、上下方向に延びる第1撮像光路265は第1撮像光路65に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印B1)。
【0087】
また、
図10及び
図12に示すように、実装ヘッド201の交換によって、第2貫通孔269b及び第2反射光学系262は第1撮像素子15aに対して近づく(矢印B12、矢印B2)。そのため、第2反射面262aにおける第2撮像光路266の反射位置が、第2撮像光路66の反射位置に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印B2)。したがって、上下方向に延びる第2撮像光路266は第2撮像光路66に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印B2)。
【0088】
図11と
図12とを比較して、第1撮像光路265がずれる方向(矢印B1)と、第2撮像光路266がずれる方向(矢印B2)とは逆向きである。その結果、
図10に示すように、第1視野64aと第2視野64bとは、中点Pに対して点対称に移動する。
【0089】
続いて、制御部51は、実装ヘッド101の位置を補正して、部品102を基板13に実装する。
【0090】
このように、実装ヘッド101、201の交換によって、同じ2つの撮像部11a、11bを用いて、短手方向Lにおいて逆向きに、視野64a、64bの位置を変更することができる。また、実装ヘッド101、201が、実装ヘッド1の貫通孔69a、69bとは異なる位置に貫通孔を形成するため、視野64a、64bの位置の変更は、貫通孔69a、69bの開口面積より広い範囲で実現される。したがって、異なった外形を有する部品102、202において、それぞれの認識マークを撮像することができる。
【0091】
また、貫通孔69a、69b、169a、169b、269a、269bとは、平面視において、等しい開口面積を有してもよい。実装ヘッド1、101、201において、第3反射光学系63の配置は固定であってもよく、または第2反射光学系62、162、262の配置に応じて第3反射光学系63の配置を調整してもよい。
【0092】
上記の説明をまとめて、本開示の特徴を述べる。
【0093】
実施の形態1に係る部品実装装置100では、実装ヘッドを交換することによって、貫通孔(例えば、貫通孔69a、69b、169a、169b、269a、269b)の配置を変更することができる。貫通孔の配置が一定の場合と比較して、視野64a、64bが動く範囲をより自由に設計することができる。また、視野64a、64bが動く範囲を確保するために貫通孔を大きく設けた場合と比較して、本開示では、部品とヒータブロック67との接触面積を大きくすることによって、ヒータブロック67においてより均一な加熱を実現できる。さらに、実装ヘッドごと交換することで、実装ヘッドの内部において、反射光学系61、62の光軸調整を行うことなく、簡単な手順で視野64a、64bを移動させることが可能になる。
【0094】
(効果)
実施の形態1に係る部品実装装置100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0095】
上述したように、実施の形態1の部品実装装置100は、実装ヘッド101と、第1撮像素子15aと、第2撮像素子15bと、第1反射光学系161と、第2反射光学系162とを備える。実装ヘッド101は、位置合わせ用の認識マーク103a、103bを有する部品102を保持し、着脱可能である。第1撮像素子15aは、装着された実装ヘッド101の側方に設けられ、実装ヘッド101を通過する第1撮像光路165に基づいて、第1視野64aにおいて部品102の第1認識マーク103aを撮像する。第2撮像素子15bは、装着された実装ヘッド101の側方に設けられ、実装ヘッド101を通過する第2撮像光路166に基づいて、第2視野64bにおいて部品102の第2認識マーク103bを撮像する。第1反射光学系161は、実装ヘッド101に設けられる第1貫通孔169aを通じて、第1視野64aから第1撮像素子15aに向かって第1撮像光路165を反射させる。第2反射光学系162は、実装ヘッド101に設けられる第2貫通孔169bを通じて、第2視野64bから第2撮像素子15bに向かって第2撮像光路166を反射させる。また、実装ヘッド101(第1実装ヘッド)の代わりに、実装ヘッド201(第2実装ヘッド)が装着される。実装ヘッド101と実装ヘッド201とにおいて、部品情報に基づいて、平面視における第1貫通孔169a、269a及び第2貫通孔169b、269bの配置が異なる。
【0096】
このような構成により、実装ヘッドの交換によって、第1貫通孔169a、269a及び第2貫通孔169b、269bの配置の変化にあわせて、第1反射光学系161、261及び第2反射光学系162、262の配置も異ならせることができる。第1視野64a及び第2視野64bの位置を調整することができる。そのため、小さい視野によってでも、異なる外形を有する部品102、202の認識マーク103a、103b、203a、203bを撮像できる。
【0097】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、実装ヘッド101と実装ヘッド201とにおいて、部品情報に基づいて、平面視における第1反射光学系161、261及び第2反射光学系162、262の配置が異なる。
【0098】
このような構成により、実装ヘッド101、201を交換することで、第1反射光学系161、261と第2反射光学系162、262との配置の変化によって、第1視野64a及び第2視野64bの位置関係を異ならせることができる。そのため、小さい視野によってでも、異なる外形を有する部品102、202の認識マーク103a、103b、203a、203bを撮像できる。
【0099】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、平面視において、第1貫通孔169a、269a及び第2貫通孔169b、269bは、横長形状を有し、かつ長手方向に異なる位置に配置される。実装ヘッド101と実装ヘッド201とにおいて、第1貫通孔169a、269a及び第2貫通孔169b、269bの配置が短手方向Lに異なる。
【0100】
このような構成により、第1反射光学系161、261と第2反射光学系162、262との配置を短手方向Lに沿ってずらすことで、第1視野64a及び第2視野64bの位置を短手方向Lに沿って変更することができる。そのため、小さい視野によってでも、異なる縦横比及び外形サイズを有する部品102、202の認識マーク103a、103b、203a、203bを撮像できる。
【0101】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、実装ヘッド101は縦長部品102に対応し、実装ヘッド201は横長部品202に対応する。
【0102】
このような構成により、異なる実装ヘッド101、201は異なる縦横比を有する部品102、202に対応しており、小さい視野によってでも、部品102、202の認識マーク103a、103b、203a、203bを撮像できる。
【0103】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、実装ヘッド101において、第1貫通孔169aは、第2貫通孔169bに対して第1短手方向L1にずれて形成される。実装ヘッド201において、第1貫通孔269aは、第2貫通孔69bに対して第1短手方向L1と逆向きの第2短手方向L2にずれて形成される。
【0104】
このような構成により、異なる実装ヘッド101、201は、貫通孔169a、169b、269a、269bを逆向きにずらすことによって、異なる縦横比を有する部品102、202に対応している。そのため、小さい視野によってでも、部品102、202の認識マーク103a、103b、203a、203bを撮像できる。
【0105】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、部品情報は、部品の外形に関連する情報を含む。
【0106】
このような構成により、部品情報を取得することで、部品の外形に対応した実装ヘッド101、201を選択することができる。部品の外形によって認識マーク103a、103b、203a、203bの位置が規定される場合において、部品情報を取得することで、認識マーク103a、103b、203a、203bの位置に対応した実装ヘッド101、201を選択できる。
【0107】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、保持された部品102を加熱するヒータ6を有し、第1貫通孔169a及び第2貫通孔169bを設けるヒータブロック67をさらに有する。
【0108】
このような構成により、ヒータ6を用いて、部品102の全体にわたって均一な加熱を実現できる。そのため、部品102の実装不具合の発生を抑制できる。
【0109】
なお、実施の形態1では、実装ヘッド1において、第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとの開口面積が等しい例について説明したが、これに限定されない。実装ヘッド1は、平面視において、異なる開口面積を有する貫通孔69a、69bを形成してもよい。
【0110】
なお、実施の形態1では、実装ヘッド1、101、201において、貫通孔69a、69b、169a、169b、269a、269bの開口面積が等しい例について説明したが、これに限定されない。例えば、実装ヘッド101の貫通孔169a、169bの開口面積は、実装ヘッド201の貫通孔269a、269bの開口面積より小さくてもよい。貫通孔169a、169bが小さいと、実装ヘッド101に保持される部品をヒータ6によって加熱する際に、加熱のむらを抑制し、より安定的に加熱できる。したがって、実装ヘッド101は、温度変化に敏感な機能または材料を有する部品を保持し、実装することができる。
【0111】
なお、実施の形態1では、実装ヘッド1、101、201の交換によって、貫通孔69a、69bの配置が短手方向Lに異なる例について説明したが、これに限定されない。実装ヘッド1、101、201の交換によって、貫通孔69a、69bの配置は、短手方向Lに加えてまたは短手方向Lに代わって、長手方向Kに異なってもよい。
【0112】
[実施の形態2]
本開示の実施の形態2に係る部品実装装置300について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する説明を省略する。
【0113】
図13は、本開示の実施の形態2に係る部品実装装置300の断面図である。
図14は、部品実装装置300の模式平面図である。
【0114】
実施の形態2は、後続の2点で実施の形態1と異なる。第一に、部品実装装置300は、視野64a、64bの細かい調節を行うために、実装ヘッド1、101、201の代わりに、撮像ユニット311に対して昇降可能な実装ヘッド301を有する。第二に、部品実装装置300は、撮像ユニット11の代わりに、実装ヘッド301に対して長手方向Kに移動可能である撮像ユニット311を有する。実施の形態2において、部品実装装置300は、特に説明しない限り、実施の形態1の部品実装装置100と同じである。
【0115】
図13に示すように、実装ヘッド301は、視野64a、64bの調節を行うために、撮像ユニット311に対する実装ヘッド301の撮像高さHを変更する。例えば、撮像高さHを撮像高さH0から撮像高さH1に変更するように、実装ヘッド301は上昇する。また、撮像高さHを撮像高さH1から撮像高さH0に変更するように、実装ヘッド301は下降する。実装ヘッド301の昇降は、ヘッド昇降機構40(
図1)の動作によって行う。
【0116】
図14に示すように、撮像ユニット311は、移動調整装置70をさらに有する。移動調整装置70は、撮像部11a、11bが固定された撮像ステージ11cを長手方向Kに沿って移動させることができる。移動調整装置70の例としては、エアシリンダなどのリニアアクチュエータ又はモータとリニアガイドとボールねじとで構成されて直線的に往復移動可能な直動装置で構成することができる。
【0117】
制御部51は、部品2の部品情報、具体的には部品2の外形に応じて、ヘッド昇降機構40及び移動調整装置70の動作を制御する。
【0118】
実装ヘッド301の昇降及び撮像ユニット311の長手方向Kの移動について、
図15~
図17を参照してより詳細に説明する。
図15は、
図13における実装ヘッド1の模式平面図である。
図16A(a)は、
図3と同様に
図2のA-A線における第1反射光学系付近の拡大断面図である。
図16A(b)は、
図15のG-G線における第1反射光学系61付近の拡大断面図である。
図16B(a)は、
図4と同様に
図2のB-B線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図である。
図16B(b)は、
図15のH-H線における第2反射光学系62及び第3反射光学系63付近の拡大断面図である。
図17は、
図13における実装ヘッド1の模式平面図である。
【0119】
まず、制御部51は、部品情報を取得する。実装した部品2と次に実装する部品302との縦横比が異なると、制御部51は、ヘッド昇降機構40の動作によって実装ヘッド301を昇降させる。また、制御部51は、実装した部品2と次に実装する部品302との外形サイズが異なると、制御部51は、移動調整装置70の動作によって撮像ユニット311を移動させる。
【0120】
例えば、実装ヘッド301は撮像高さH0から撮像高さH1に上昇し(
図13)、撮像ユニット311、即ち撮像部11a、11bは実装ヘッド301に対して長手方向Kに平行に第2貫通孔側K2に移動する。
【0121】
図15及び
図16A(b)に示すように、実装ヘッド301の上昇(矢印C3)によって、第1撮像部11aは実装ヘッド1に対して相対的に下降する。そのため、第1反射面61aにおいて、第1撮像素子15aに向かう第1撮像光路365の反射位置が、第1撮像光路65の反射位置より低くなる(矢印C4)。したがって、上下方向に延びる第1撮像光路365、即ち第1視野64aは横方向(短手方向L)にずれる(矢印C1)。なお、
図16A(b)では、第1撮像部11aが実装ヘッド1に対して相対的に下降していることを明確にするため、
図16A(a)と
図16A(b)における第1撮像部11aの高さZ1は同じであるものとして図示している。
【0122】
図15及び
図16B(b)に示すように、第2反射面62aにおいて、第3反射光学系63に向かう第2撮像光路366の反射位置が、第2撮像光路66の反射位置より低くなる(矢印C4)。したがって、上下方向に延びる第2撮像光路366、即ち第2視野64bは横方向(短手方向L)にずれる(矢印C2)。なお、
図16B(b)では、第2撮像部11b(図示せず)が実装ヘッド1に対して相対的に下降していることを明確にするため、
図16B(a)と
図16B(b)における第2撮像部11bの高さZ2は同じであるものとして図示している。
【0123】
図15に示すように、撮像部11a、即ち撮像素子15aの移動によって、第1反射光学系61における反射位置は第2貫通孔側K2に移動し、そのため、第1視野64aは第2貫通孔側K2に移動する(矢印D1)。撮像部11b、即ち撮像素子15bの移動によって、第4反射面63bにおける反射位置は第2貫通孔側K2に移動し、第3反射面63aにおける反射位置は第1貫通孔側K1に移動する。そのため、第2反射光学系62から反射される第2撮像光路66及び第2視野64bは第1貫通孔側K1に移動する(矢印D2)。
【0124】
したがって、第1視野64aと第2視野64bとは、中点Pに対して点対称に移動する。この視野64a、64bの移動によって、部品302の認識マーク303a、303bを撮像することができる。
【0125】
さらに、移動調整装置70を有する撮像ユニット311に対して、実装ヘッド301と実装ヘッド401を交換することができる。実装ヘッド401は、視野64a、64bの調節を行うために、撮像ユニット311に対する実装ヘッド401の撮像高さHを変更する。
【0126】
制御部51は、部品2と異なる部品402の部品情報を取得する。制御部51は、部品情報に含まれる実装ヘッド401の指定をユーザに通知し、ユーザは実装ヘッド101を実装ヘッド401に交換する。また、制御部51は、部品402の部品情報に基づいて、撮像ユニット311及び実装ヘッド401を移動させる。
図17に示すように、実装ヘッド401の交換と、実装ヘッド1及び撮像ユニット311の移動とによって、第1視野64aは、短手方向Lの移動(矢印B1、C1)と、第1貫通孔側K1への移動(矢印D1)とを組み合わせて移動する。また、第2視野64bは、短手方向Lの移動(矢印B2、C2)と、第2貫通孔側K2への移動(矢印D2)とを組み合わせて移動する。
【0127】
したがって、視野64a、64bを、反射光学系461、462の位置にあわせて大まかに調節した後(矢印B1、B2)、貫通孔469a、469bの範囲内でより細かく調整することができる(矢印C1、D1、C2、D2)。
【0128】
(効果)
実施の形態2に係る部品実装装置300によれば、以下の効果を奏することができる。
【0129】
上述したように、実施の形態2の部品実装装置300は、第1反射光学系461及び第2反射光学系462と、第1撮像素子15a及び第2撮像素子15bとの相対的な高さの変更を制御する制御部51をさらに備える。
【0130】
このような構成により、平面視における反射光学系461、462の範囲、即ち貫通孔469a、469bの範囲内で、短手方向Lにおいて視野64a、64bの位置の調整を行うことができる。そのため、部品実装装置300を用いて撮像できる部品402の種類を増やすことができる。
【0131】
さらに、実施の形態2の部品実装装置300において、実装ヘッド301に対して、第1撮像素子15a及び第2撮像素子15bを横方向に移動させる移動調整装置70をさらに備える。
【0132】
このような構成により、平面視における貫通孔469a、469bの範囲内で、長手方向Kにおいて視野64a、64bの位置の調整を行うことができる。そのため、撮像できる部品2の種類をさらに増やすことができる。
【0133】
なお、実施の形態2では、部品実装装置300が、実装ヘッド301、401と撮像ユニット311との両方を有する例について説明したが、これに限定されない。部品実装装置300は、実装ヘッド301、401を有しない状態で、撮像ユニット311を有してもよい。また、部品実装装置300は、撮像ユニット311を有しない状態で、実装ヘッド301、401を有してもよい。
【0134】
なお、実施の形態2では、実装ヘッド301、401が撮像ユニット311に対して昇降する例について説明したが、これに限定されない。実装ヘッド301、401と、撮像ユニット311との相対的な高さが変更すればよい。例えば、撮像ユニット311が実装ヘッド301、401に対して昇降してもよい。具体的には、移動調整装置70は、長手方向Kの移動に加えて、撮像ステージ11cを上下方向に昇降させてもよい。このような構成によって、移動調整装置70の動作によって、実装ヘッド301、401の高さを固定した状態で、実装ヘッド301、401に対する撮像ユニット311の高さを変化させることができる。
【0135】
なお、撮像部11aと撮像部11bとが撮像ステージ11cに固定され、一体として移動する例について説明したが、これに限定されない。例えば、撮像部11aと撮像部11bとは個別に移動してもよい。このような構成によって、視野64a、64bをそれぞれ貫通孔469a、469bにおける任意の位置に配置することができる。
【0136】
[実施の形態3]
本開示の実施の形態3に係る部品実装装置600について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する説明を省略する。
【0137】
図18は、本開示の実施の形態3に係る部品実装装置600の断面図である。
【0138】
実施の形態3は、部品実装装置600が認識マークを有する基板613に部品2を実装する装置である点で実施の形態1と異なる。実施の形態3において、部品実装装置600は、特に説明しない限り、実施の形態1の部品実装装置100と同じである。
【0139】
部品実装装置600は、部品2の認識マーク3a、3bに加えて、基板613の基板認識マーク16a、16bを撮像し、部品2と基板613との位置合わせを行うことができる。
【0140】
ここで、部品2と基板613との位置合わせの動作について説明する。制御部51は、撮像ユニット11によって部品2の認識マーク3a、3bを撮像した後において、部品情報に基づいて、実装ヘッド1の撮像高さを変更する。部品情報には、部品2に対応した基板613の認識マークの位置情報が含まれている。撮像高さは、基板613の基板認識マーク16a、16bが配置されていると想定される位置に、視野64a、64bを移動させるための高さである。
【0141】
続いて、制御部51は、撮像ユニット11によって基板613の基板認識マーク16a、16bを撮像する。保持部材5が透明であるため、撮像ユニット11は保持部材5越しに基板認識マーク16a、16bを撮像できる。
【0142】
続いて、制御部51は、撮像された画像に基づく画像処理装置42での画像処理により、実装ヘッド1に保持された部品2の認識マーク3a、3b、及び基板613の基板認識マーク16a、16bを画像認識する。画像認識結果に基づいて、位置算出部50は部品2及び基板613の座標を算出する。
【0143】
続いて、制御部51は、位置算出部50での算出結果に基づいて、基板613に対する部品2、即ち実装ヘッド1の位置ずれを補正する。
【0144】
続いて、制御部51は、基板613に部品2を実装する。このような構成によって、部品2を、基板認識マーク16a、16bによって指定される基板613の適切な位置に実装することができる。
【0145】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本開示の部品実装装置は、基板に対し部品を指定した任意の位置に実装する効果を有し、高速大容量メモリ、アプリケーションプロセッサ、CPUなどの部品の実装時に使用する部品実装装置において特に有用である。
【符号の説明】
【0147】
1 実装ヘッド
1a ヘッド本体部
3a 第1認識マーク
3b 第2認識マーク
5 保持部材
6 ヒータ
11 撮像ユニット
11a 第1撮像部
11b 第2撮像部
15a 第1撮像素子
15b 第2撮像素子
13 基板
40 ヘッド昇降機構
42 画像処理装置
50 位置算出部
51 制御部
52 ヘッド移動機構
61 第1反射光学系
61a 第1反射面
62 第2反射光学系
62a 第2反射面
63 第3反射光学系
63a 第3反射面
63b 第4反射面
65 第1撮像光路
66 第2撮像光路
67 ヒータブロック
68 冷却ブロック
69a 第1貫通孔
69b 第2貫通孔
71 プリズムブロック