(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118447
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20230818BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H05K13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021403
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】浜平 大
【テーマコード(参考)】
5E353
5F044
【Fターム(参考)】
5E353BB03
5E353EE02
5E353EE22
5E353EE88
5E353JJ02
5E353JJ28
5E353KK01
5E353KK11
5E353MM08
5E353QQ15
5F044PP15
5F044PP17
(57)【要約】
【課題】異なる外形を有する部品の認識マークを撮像できる部品実装装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る部品実装装置は、認識マークを有する部品を保持する実装ヘッドと、実装ヘッドの側方に設けられ、第1撮像光路に基づいて、第1視野において部品の第1認識マークを撮像する第1撮像素子と、実装ヘッドの側方に設けられ、第2撮像光路に基づいて、第2視野において部品の第2認識マークを撮像する第2撮像素子と、実装ヘッドに設けられる第1貫通孔を通じて、第1撮像素子に向かって第1撮像光路を反射させる第1反射光学系と、実装ヘッドに設けられる第2貫通孔を通じて、第2撮像素子に向かって第2撮像光路を反射させる第2反射光学系と、第1視野及び第2視野の位置を調整するために、部品情報に基づいて、第1反射光学系及び第2反射光学系と、第1撮像素子及び第2撮像素子との相対的な高さを変更する制御部とを備える。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置合わせ用の認識マークを有する部品を保持する実装ヘッドと、
前記実装ヘッドの側方に設けられ、前記実装ヘッドを通過する第1撮像光路に基づいて、第1視野において前記部品の第1認識マークを撮像する第1撮像素子と、
前記実装ヘッドの側方に設けられ、前記実装ヘッドを通過する第2撮像光路に基づいて、第2視野において前記部品の第2認識マークを撮像する第2撮像素子と、
前記実装ヘッドに設けられる第1貫通孔を通じて、前記第1視野から前記第1撮像素子に向かって前記第1撮像光路を反射させる第1反射光学系と、
前記実装ヘッドに設けられる第2貫通孔を通じて、前記第2視野から前記第2撮像素子に向かって前記第2撮像光路を反射させる第2反射光学系と、
前記第1視野及び前記第2視野の位置を調整するために、部品情報に基づいて、前記第1反射光学系及び前記第2反射光学系と、前記第1撮像素子及び前記第2撮像素子との相対的な高さの変更を制御する制御部と、を備える、部品実装装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記実装ヘッドの昇降を制御することで、前記相対的な高さの変更を制御する、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記第1撮像素子及び前記第2撮像素子の高さは固定される、請求項1または2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
平面視において、前記第1反射光学系が前記第1撮像光路を反射させる方向と、前記第2反射光学系が前記第2撮像光路を反射させる方向とは逆向きであり、
前記制御部が前記相対的な高さを変更すると、前記第1視野と前記第2視野が逆向きに移動する、請求項1から3のいずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項5】
平面視において、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔は、横長形状を有し、
前記制御部が前記相対的な高さを変更すると、前記第1視野は前記第1貫通孔の短手方向に移動し、前記第2視野は前記第2貫通孔の短手方向に移動する、請求項1から4のいずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項6】
前記部品情報は、前記部品の縦横比を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項7】
前記実装ヘッドに対して、前記第1撮像素子及び前記第2撮像素子を横方向に移動させる移動調整装置をさらに備える、請求項1から6いずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項8】
前記部品情報は、前記部品の縦横比及び外形サイズを含む、請求項7に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を基板に実装する部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置として、例えば、特許文献1には、半導体素子等の部品を基板に実装する装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の部品実装装置は、部品を保持する吸着ノズルと、吸着ノズルの側方に設けられたCCDカメラ等の認識手段とを備える。認識手段は、部品に形成される位置合わせ用の認識マークを読み取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年の半導体の素子の微細化によって、部品上の認識マークも小さくなっている。そこで、小さい認識マークを撮像するため、CCDカメラ等の撮像素子のレンズの倍率を上げて、認識マークを拡大して読み取るようにしている。そのため、従来の構成に対して、撮像素子の視野が小さくなっている。
【0006】
したがって、小さい視野による異なる外形を有する部品の認識マークの撮像といった点で未だ改善の余地がある。
【0007】
本開示は、上記課題を解決することにあって、異なる外形を有する部品の認識マークを撮像できる部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る部品実装装置は、位置合わせ用の認識マークを有する部品を保持する実装ヘッドと、実装ヘッドの側方に設けられ、実装ヘッドを通過する第1撮像光路に基づいて、第1視野において部品の第1認識マークを撮像する第1撮像素子と、実装ヘッドの側方に設けられ、実装ヘッドを通過する第2撮像光路に基づいて、第2視野において部品の第2認識マークを撮像する第2撮像素子と、実装ヘッドに設けられる第1貫通孔を通じて、第1視野から第1撮像素子に向かって第1撮像光路を反射させる第1反射光学系と、実装ヘッドに設けられる第2貫通孔を通じて、第2視野から第2撮像素子に向かって第2撮像光路を反射させる第2反射光学系と、第1視野及び第2視野の位置を調整するために、部品情報に基づいて、第1反射光学系及び第2反射光学系と、第1撮像素子及び第2撮像素子との相対的な高さの変更を制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、異なる外形を有する部品の認識マークを撮像できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の実施の形態1に係る部品実装装置の断面図
【
図3】
図2のA-A線における第1反射光学系付近の拡大断面図
【
図4】
図2のB-B線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図
【
図5A】実装ヘッド上昇後における部品実装装置の模式断面図
【
図7】(a)
図2のA-A線における第1反射光学系付近の拡大断面図、(b)
図6のC-C線における第1反射光学系付近の拡大断面図
【
図8】(a)
図2のB-B線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図、(b)
図6のD-D線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図
【
図9A】実装ヘッド下降後における部品実装装置の模式断面図
【
図11】(a)
図2のA-A線における第1反射光学系付近の拡大断面図、(b)
図10のE-E線における第1反射光学系付近の拡大断面図
【
図12】(a)
図2のB-B線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図、(b)
図10のF-F線における第2及び第3反射光学系付近の拡大断面図
【
図13】本開示の実施の形態2に係る部品実装装置の模式平面図
【
図15】本開示の実施の形態3に係る部品実装装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1Aは、本開示の実施の形態1に係る部品実装装置100の断面図である。
図1Bは、部品2の模式平面図である。
図2は、
図1Aにおける実装ヘッド1の模式平面図である。
【0013】
図1Aに示すように、本開示の実施の形態1における部品実装装置100は、実装ヘッド1と、反射光学系61、62、63と、ステージ12と、ヘッド昇降機構40と、ヘッド移動機構52と、撮像ユニット11と、制御部51とを備える。
【0014】
実装ヘッド1は、部品2を保持し、保持した部品2をステージ12に保持された基板13に実装する機構である。
【0015】
ここで、部品2は、例えばシリコーン、窒化ガリウム、又はシリコーンカーバイド等の不透明な材料から成る四角形の薄い板状部材のダイすなわちICチップなどである。部品2の一方の面2a(
図1Aにおける上面)には、位置合わせ用の認識マーク3a、3bが形成される。
図1Bに示すように、認識マーク3a、3bは、例えば小さな正方形などであり、四角形の部品2の少なくとも一対の対角位置に形成されている。部品2のもう一方の面(
図1Aでは下面)2bには、基板13に接着するための接着層(図示せず)が形成されている。接着層は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、又はシリコーン樹脂などの熱硬化型接着剤、熱可塑性接着剤、導電性接着剤、又はクリームはんだで構成される。
【0016】
部品2が実装される基板13は、例えばシリコーン、ガラス、ステンレス、又は樹脂基板などから成り、平面形状は、円形、又は矩形状などである。
【0017】
反射光学系61、62、63は実装ヘッド1の内部に配置される。第1反射光学系61は、部品2の認識マーク3aからの光を、実装ヘッド1を通過して撮像ユニット11まで導くための光学系である。第2反射光学系62及び第3反射光学系63は、部品2の認識マーク3bからの光を、実装ヘッド1を通過して撮像ユニット11まで導くための光学系である。
【0018】
ステージ12は、実装ヘッド1に対向するように基板13を支持する部材である。ステージ12は、制御部51の制御の下で、上下方向(Z方向)と直交するXY方向及びZ方向回りのθ方向に移動可能である。
【0019】
ヘッド昇降機構40は、ステージ12の平面に対し垂直方向(例えばZ方向)に実装ヘッド1を駆動する。
【0020】
ヘッド移動機構52は、ヘッド昇降機構40による実装ヘッド1の昇降方向(例えば上下方向)と直交する横方向(例えばXY方向)に実装ヘッド1を駆動する。
【0021】
撮像ユニット11は、実装ヘッド1の側方に配置され、反射光学系61、62、63を介して部品2の認識マーク3a、3bを撮像する機構である。
【0022】
撮像ユニット11は、2つの撮像部11a、11bを1つの撮像ステージ11cに固定して構成されている。撮像部11a、11bは、例えばCCDカメラである。
【0023】
第1撮像部11aは第1撮像素子15aを有し、第1視野64a(
図2)において第1認識マーク3aを撮像する。第2撮像部11bは第2撮像素子15bを有し、第2視野64b(
図2)において第2認識マーク3bを撮像する。
【0024】
第1視野64aから第1撮像素子15aまで延びる光路を第1撮像光路65とし、第2視野64bから第2撮像素子15bまで延びる光路を第2撮像光路66とする。
【0025】
撮像ステージ11cは、連結部14によって実装ヘッド1に連結される。連結部14は、撮像ステージ11cと実装ヘッド1とを互いに固定すること、及び撮像ステージ11cと実装ヘッド1とを互いに移動可能に連結することができる。実施の形態1では、連結部14は、視野64a、64bを認識する際に、撮像ステージ11cに対して実装ヘッド1が上下方向に移動できるように、撮像ステージ11cと実装ヘッド1とを連結する。
【0026】
制御部51は、部品実装装置100が備える各部を制御する。制御部51は、実装ヘッド1と、ヘッド昇降機構40と、ヘッド移動機構52と、撮像ユニット11と、ステージ12とをそれぞれ駆動制御する。制御部51は、プログラムを実行することにより所定の機能を実現するCPUまたはMPUのような汎用プロセッサを含む。制御部51は、ハードウェアとソフトウェアの協働により所定の機能を実現するものに限定されず、所定の機能を実現する専用に設計されたハードウェア回路でもよい。
【0027】
制御部51は、記憶部31と、画像処理装置42と、位置算出部50とを有する。
【0028】
記憶部31は、種々の情報を記録する記録媒体である。記憶部31は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Device)、ハードディスク、その他の記憶デバイス又はそれらを適宜組み合わせて実現される。記憶部31には、例えば、制御部51が実行する生産プログラムが格納される。生産プログラムは、部品情報を含み、具体的には、実装される部品2の種類、実装位置、縦横比、外形サイズ、認識マーク3a、3bの位置等に関する情報を含む。
【0029】
画像処理装置42は、2つの撮像部11a、11bに接続され、画像処理装置42と撮像部11a、11bとは画像認識装置の一例として機能する。画像処理装置42は、撮像部11a、11bで撮像された画像情報から、背景差分法などの公知の画像処理を行って、部品2の認識マーク3a、3bの位置情報を読み取ることができる。
【0030】
位置算出部50は、画像処理装置42に接続される。位置算出部50は、画像処理装置42で得た認識マーク3a、3bの位置情報から、実装ヘッド1の重心の座標に対する部品2の相対座標を算出する。即ち、位置算出部50は、実装ヘッド1の重心の座標に対する部品2の位置ずれ量を算出する。そこで、制御部51は、位置算出部50で算出された位置ずれ量に基づいて、ヘッド昇降機構40及びヘッド移動機構52の制御によって、部品2の位置合わせを行いつつ部品実装することができる。
【0031】
(実装ヘッドの構成)
ここで、実装ヘッド1の構成について、より詳細に説明する。実装ヘッド1は、ヘッド本体部1aと、保持部材5と、を有する。
【0032】
ヘッド本体部1aは実装ヘッド1の外郭を形成する部材である。ヘッド本体部1aは、直方体板形状のヒータブロック67と、直方体板形状の冷却ブロック68と、直方体板形状のプリズムブロック71とを有する。ヒータブロック67の上面には冷却ブロック68が固定され、冷却ブロック68の上面にはプリズムブロック71が固定される。ヒータブロック67の下面には保持部材5が固定される。
【0033】
保持部材5は部品2を保持する部材である。保持部材5は、例えば、真空ポンプ41に接続され、真空吸着によって部品2を保持する吸着ノズルである。保持部材5は、他の方法で部品2を保持してもよい。
【0034】
保持部材5は光学的に透過撮像可能であるため、光が保持部材5を通過して撮像部11a、11bが部品2を撮像できる。保持部材5は、例えば、透明な材料で形成される。保持部材5は、例えば、サファイヤ、石英、ガラス、又は耐熱プラスチックなどで形成される。
【0035】
ヒータブロック67には、保持部材5を介して部品2を加熱できるヒータ6が内蔵される。ヒータ6による加熱によって、部品2の下面2bにおける接着層を軟化させ、または半田等の接合材を溶融させることができる。
【0036】
冷却ブロック68には、冷却水などが循環する冷却通路(図示せず)が配置される。冷却水の循環によってプリズムブロック71を冷却する。このような構成は、ヒータブロック67の加熱によって、プリズムブロック71の温度が過剰に上昇することを抑制できる。
【0037】
プリズムブロック71は、反射光学系61、62、63を収容する。
【0038】
図1Aに示すように、光が部品2から反射光学系61、62に到達できるように、冷却ブロック68及びヒータブロック67は、2つの貫通孔69a、69bを形成する。第1貫通孔69aは、保持部材5から第1反射光学系61まで上下方向に連通し、第2貫通孔69bは、保持部材5から第2反射光学系62まで上下方向に連通する。
【0039】
また、
図2に示すように、実装ヘッド1を平面視すると、第1貫通孔69a及び第2貫通孔69bは、それぞれ長円などの横長形状を有し、それぞれ長穴である。第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとは、共通の長手方向K及び短手方向Lを有する。また、第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとは、間隔をあけて長手方向Kに並んで配置される。第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとは、長手方向Kに延びる共通の中心線Jを有してもよい。
【0040】
長手方向Kは、保持部材5の対角線が延びる方向に沿っていてもよい。また、保持部材5に保持された部品2の対角線が延びると想定される方向、または第1認識マーク3aと第2認識マーク3bとが並ぶと想定される方向は、長手方向Kに沿っていてもよい。
【0041】
第1貫通孔69aの形状は、第2貫通孔69bの形状と等しくてもよい。また、平面視において、第1貫通孔69aの外形サイズは、第1反射光学系61より小さくてもよく、第2貫通孔69bの外形サイズは、第2反射光学系62より小さくてもよい。このような構成によって、反射光学系61、62を冷却ブロック68の上に安定的に配置できる。
【0042】
(反射光学系の構成)
図1A、
図2-
図4を参照して、反射光学系61、62、63の構成についてより詳細に説明する。
図3は
図2のA-A線における第1反射光学系61付近の拡大断面図である。
図4は
図2のB-B線における第2反射光学系62及び第3反射光学系63付近の拡大断面図である。
【0043】
図1A及び
図2に示すように、第1反射光学系61は第1貫通孔69aの上方に、第2反射光学系62は第2貫通孔69bの上方に、長手方向Kに並んで配置される。第1反射光学系61と第2反射光学系62とは一体的に形成されてもよい。また、第3反射光学系63は第2反射光学系62に対して短手方向Lに間隔を開けて配置される。
【0044】
第1反射光学系61は、例えば、反射プリズムまたは反射ミラーである。
図1A及び
図2に示すように、第1反射光学系61は、部品2の上の第1視野64aから第1貫通孔69aを通過する第1撮像光路65を受けて、第1撮像素子15aに向かって反射させる。また、第1反射光学系61に反射された第1撮像光路65は、短手方向Lに伝播する。
【0045】
第2反射光学系62は、例えば、反射プリズムまたは反射ミラーであり、第1反射光学系61と同様なものであってもよい。
図1A及び
図2に示すように、第2反射光学系62は、部品2の上の第2視野64bから第2貫通孔69bを通過する第2撮像光路66を受けて、第3反射光学系63に向かって反射させる。また、第2反射光学系62に反射された第2撮像光路66は、第1反射光学系61に反射された第1撮像光路65の伝播方向と逆向きに、短手方向Lに伝播する。
【0046】
図3に示すように、第1反射光学系61は長手方向Kに延びる第1反射面61aを有する。第1反射面61aは上下方向(実装ヘッド1の昇降方向)に対する一定の角度αにおいて傾斜されている。角度αは、例えば、45°である。このような構造によって、第1反射光学系61における反射によって、第1撮像光路65を上下方向から横方向に90°曲げることができる。
【0047】
図4に示すように、第2反射光学系62は長手方向Kに延びる第2反射面62aを有する。第2反射面62aは上下方向に対する一定の角度βにおいて、第1反射面61a(
図3)とは逆向きに傾斜されている。角度βは、例えば、45°である。このような構造によって、第2反射光学系62における反射によって、第2撮像光路66を上下方向から、第1撮像光路65とは逆向きの横方向に90°曲げることができる。
【0048】
図2に示すように、第3反射光学系63は、例えば、三角形板状のプリズムである。実施の形態において、第3反射光学系63は、直角三角形板状のプリズムであり、斜辺が長手方向Kに延びるように、第3反射光学系63は配置される。第3反射光学系63は、直角を形成する2つの側面によって、第3反射面63aと第4反射面63bとを形成する。第2反射光学系62に反射された第2撮像光路66は、第3反射面63aに反射されると第4反射面63bに向かい、第4反射面63bに反射されると第2撮像素子15bに向かう。第2反射光学系62に反射された第2撮像光路66を第3反射面63aと第4反射面63bとで2回反射させることによって、第2撮像光路66の伝播方向を、第3反射光学系63に入射する前の伝播方向と逆向きにすることができる。その結果、第3反射光学系63に反射された第2撮像光路66は、第1反射光学系61に反射された第1撮像光路65と同じ向きに伝播する。
【0049】
(実装ヘッドの動作)
以上のような構成において、次に部品実装装置100の動作の一例について説明する。
【0050】
制御部51は、部品2の部品情報を取得する。制御部51は、例えば、生産プログラムを参照して、部品2の部品情報を取得する。部品情報は、部品2の実装位置と、認識マーク3a、3bの位置と、認識マーク3a、3bを撮像する際の実装ヘッド1の高さ(以降、撮像高さH)等の部品2の実装に関連する情報を含む。また、部品情報は、認識マーク3a、3bの位置に代わって、部品2の縦横比と、縦横比に基づいて予測される認識マーク3a、3bの位置とを含んでもよい。撮像高さHは、反射光学系61、62、63と、撮像素子15a、15bとの相対的な高さである。実施の形態1では、撮像ユニット11が固定されるため、撮像高さHは、任意の基準高さに対する実装ヘッド1の高さである。
【0051】
制御部51は、部品情報に基づいて、実装ヘッド1を、実装前の部品2を搭載する移載ステージ(図示しない)の上方に移動させる。具体的には、制御部51は、実装ヘッド1を水平方向に移動させるヘッド移動機構52と、実装ヘッド1を上下方向に移動させるヘッド昇降機構40を制御して、実装ヘッド1を移動させる。
【0052】
続いて、制御部51は、移載ステージに搭載された部品2の認識マーク3a、3b及び実装ヘッド1の位置情報を取得する。具体的には、移載ステージに搭載された移載ステージ用カメラ(図示せず)が部品2の認識マーク3a、3b及び実装ヘッド1の位置情報を読み取り、制御部51に伝達する。
【0053】
続いて、制御部51は、部品2の認識マーク3a、3b及び実装ヘッド1の位置情報に基づいて、移載ステージに搭載された部品2に対して実装ヘッド1の位置合わせを行う。具体的には、制御部51は、ヘッド移動機構52の駆動によって、部品2に対して実装ヘッド1をX、Y、及びθ方向(Z方向回りの回転方向)に位置合わせする。
【0054】
続いて、制御部51は、部品2に対して位置合わせした実装ヘッド1をヘッド昇降機構40によって下降させて、部品2を保持させる。実装ヘッド1が下降すると、実装ヘッド1の保持部材5は部品2に接触し、保持部材5による真空吸着によって、部品2を保持する。ここで、実装時間を短縮するために、実装ヘッド1は、ヒータ6により予め加熱していても構わない。
【0055】
続いて、制御部51は、部品情報に基づいて、部品2を保持した実装ヘッド1を基板13の部品実装位置の上方まで移動させる。
【0056】
続いて、制御部51は、部品情報に基づいて、実装ヘッド1の撮像高さHを調整する。制御部51は、ヘッド昇降機構40の駆動によって、実装ヘッド1の撮像高さHを、例えば撮像高さH0に調整する。撮像高さH0は、保持された部品2の認識マーク3a、3bが配置されていると想定される位置に、視野64a、64bを移動させるための高さである。
【0057】
続いて、制御部51は、撮像ユニット11によって部品の認識マーク3a、3bを撮像する。
【0058】
続いて、制御部51は、撮像された画像に基づいて画像処理装置42で画像処理を行い、画像処理に基づいて実装ヘッド1に保持された部品2の認識マーク3a、3bを画像認識する。画像認識結果に基づいて、位置算出部50は部品2の座標を算出する。
【0059】
続いて、制御部51は、位置算出部50での算出結果に基づいて、部品2、即ち実装ヘッド1の位置ずれを補正する。より具体的には、制御部51は、ヘッド移動機構52によって実装ヘッド1を、またはステージ12をX、Y、θ方向に移動させる。
【0060】
続いて、制御部51は、ヘッド昇降機構40によって、位置ずれを補正した実装ヘッド1を下降させて、基板13に部品2を加圧しながら基板13に部品2を実装する。より具体的には、ここで、実装ヘッド1の保持部材5を伝って部品2の裏面の接着層にヒータ6の熱が伝わり、熱によって軟化した接着層は、基板13に押し当てられて接着される。
【0061】
上記動作を行ったあと、続いて縦横比が異なる部品を実装する場合の動作について説明する。部品2の縦横比が異なると、短手方向Lにおける第1認識マーク3a及び第2認識マーク3bの位置も異なる。例えば、部品2より横方向に長い、縦方向に短い横長な部品102を実装する場合について説明する。
【0062】
横長な部品102を実装する動作について、
図5A-
図8を参照しながらより詳細に説明する。
図5Aは、実装ヘッド1の上昇後における部品実装装置100の模式断面図である。
図5Bは部品102の平面図である。
図6は、
図5Aにおける実装ヘッド1の模式平面図である。
図7(a)は、
図3と同様に
図2のA-A線における第1反射光学系61付近の拡大断面図である。
図7(b)は、
図6のC-C線における第1反射光学系61の付近の拡大断面図である。
図8(a)は、
図4と同様に
図2のB-B線における第2反射光学系62及び第3反射光学系63付近の拡大断面図である。
図8(b)は、
図6のD-D線における第2反射光学系62及び第3反射光学系63の付近の拡大断面図である。
【0063】
制御部51は、横長な部品102の部品情報を取得する。部品情報は、部品102の認識マーク103a、103bを撮像する際の実装ヘッド1の撮像高さH1を含む。
【0064】
図5Aに示すように、実装ヘッド1は、移載ステージに搭載された部品102に対して位置合わせされた状態で部品102を保持する。実装ヘッド1は部品102を保持した状態で、基板13の部品実装位置の上方まで移動する。
図5Bに示すように、部品102は正方形に対して横長形状を有し、認識マーク103a、103bは中心線Jに対してずれている。
【0065】
続いて、制御部51は、部品情報に基づいて、実装ヘッド1の撮像高さHを調整する。ヘッド昇降機構40は、実装ヘッド1を撮像高さH0から撮像高さH1に上昇させる。
【0066】
図5Aに示すように、実装ヘッド1の上昇によって、第1撮像光路165及び第2撮像光路166は、第1撮像光路65及び第2撮像光路66より低い相対高さで、実装ヘッド1を通過する。
【0067】
図7(b)に示すように、実装ヘッド1が
図7(a)の実装ヘッド1に対して上昇(矢印A3)することによって、第1撮像部11aは実装ヘッド1に対して相対的に下降する。そのため、第1反射面61aにおいて、第1撮像素子15aに向かう第1撮像光路165の反射位置が、第1撮像光路65の反射位置より低くなる(矢印A4)。したがって、
図6及び
図7(b)に示すように、上下方向に延びる第1撮像光路165は第1撮像光路65に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印A1)。なお、
図7(b)では、第1撮像部11aが実装ヘッド1に対して相対的に下降していることを明確にするため、
図7(a)と
図7(b)における第1撮像部11aの高さZ1は同じであるものとして図示している。
【0068】
また、
図8(b)に示すように、実装ヘッド1が
図8(a)の実装ヘッド1に対して上昇(矢印A3)することによって、第2撮像部11b(
図8(b)では不図示)は実装ヘッド1に対して相対的に下降する。そのため、第2反射面62aにおいて、第3反射光学系63に向かう第2撮像光路166の反射位置が、第2撮像光路66の反射位置より低くなる(矢印A4)。したがって、
図6及び
図8(b)に示すように、上下方向に延びる第2撮像光路166は第2撮像光路66に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印A2)。なお、
図8(b)では、第2撮像部11bが実装ヘッド1に対して相対的に下降していることを明確にするため、
図8(a)と
図8(b)における第2撮像部11bの高さZ2は同じであるものとして図示している。
【0069】
図7(b)と
図8(b)とを比較して、第1撮像光路165がずれる方向(矢印A1)と、第2撮像光路166がずれる方向(矢印A2)とは逆向きである。その結果、
図6に示すように、第1視野164aと第2視野164bとは、中心線J上の第1反射光学系61と第2反射光学系62との間の中点Pに対して点対称に移動する。
【0070】
このように視野164a、164bを移動させると、それぞれの視野164a、164bに認識マーク103a、103bが入り、撮像部11a、11bが認識マーク103a、103bを撮像できる。撮像された画像に基づいて実装ヘッド1の位置は補正され、部品102は基板13に実装される。
【0071】
さらに、部品2より横方向に短い、縦方向に長い縦長な部品202を実装する場合について説明する。
【0072】
縦長な部品202を実装する動作について、
図9A-
図12を参照しながらより詳細に説明する。
図9Aは、実装ヘッド1の下降後における部品実装装置100の模式断面図である。
図9Bは部品202の平面図である。
図10は、
図9Aにおける実装ヘッド1の模式平面図である。
図11(a)は、
図3と同様に
図2のA-A線における第1反射光学系61付近の拡大断面図である。
図11(b)は、
図10のE-E線における第1反射光学系61の付近の拡大断面図である。
図12(a)は、
図4と同様に
図2のB-B線における第2反射光学系62及び第3反射光学系63付近の拡大断面図である。
図12(b)は、
図10のF-F線における第2反射光学系62及び第3反射光学系63の付近の拡大断面図である。
【0073】
制御部51は、縦長な部品202の部品情報を取得する。部品情報は、部品202の認識マーク203a、203bを撮像する際の実装ヘッド1の撮像高さH2を含む。
【0074】
図9Aに示すように、実装ヘッド1は、移載ステージに搭載された部品202に対して位置合わせした状態で部品202を保持する。実装ヘッド1は部品202を保持した状態で、基板13の部品実装位置の上方まで移動する。
図9Bに示すように、部品202は正方形に対して縦長形状を有し、認識マーク203a、203bは中心線Jに対してずれている。
【0075】
続いて、制御部51は、部品情報に基づいて、実装ヘッド1の撮像高さHを調整する。ヘッド昇降機構40は、実装ヘッド1を撮像高さH0から撮像高さH2に下降させる。
【0076】
図9Aに示すように、実装ヘッド1の下降によって、第1撮像光路265及び第2撮像光路266は、第1撮像光路65及び第2撮像光路66より高い相対高さで、実装ヘッド1を通過する。
【0077】
図11(b)に示すように、実装ヘッド1が
図11(a)の実装ヘッド1に対して下降(矢印B3)することによって、第1撮像部11aは実装ヘッド1に対して相対的に上昇する。そのため、第1反射面61aにおいて、第1撮像素子15aに向かう第1撮像光路265の反射位置が、第1撮像光路65の反射位置より高くなる(矢印B4)。したがって、
図10及び
図11(b)に示すように、上下方向に延びる第1撮像光路265は第1撮像光路65に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印B1)。なお、
図11(b)では、第1撮像部11aが実装ヘッド1に対して相対的に上昇していることを明確にするため、
図11(a)と
図11(b)における第1撮像部11aの高さZ1は同じであるものとして図示している。
【0078】
また、
図12(b)に示すように、実装ヘッド1が
図12(a)の実装ヘッド1に対して下降(矢印B3)することによって、第2撮像部11b(
図8(b)では不図示)は実装ヘッド1に対して相対的に上昇する。そのため、第2反射面62aにおいて、第3反射光学系63に向かう第2撮像光路266の反射位置が、第2撮像光路66の反射位置より高くなる(矢印B4)。したがって、
図10及び
図12に示すように、上下方向に延びる第2撮像光路266は第2撮像光路66に対して横方向(短手方向L)にずれる(矢印B2)。なお、
図12(b)では、第2撮像部11bが実装ヘッド1に対して相対的に上昇していることを明確にするため、
図12(a)と
図12(b)における第2撮像部11bの高さZ2は同じであるものとして図示している。
【0079】
図11(b)と
図12(b)とを比較して、第1撮像光路265がずれる方向(矢印B1)と、第2撮像光路266がずれる方向(矢印B2)とは逆向きである。その結果、
図10に示すように、第1視野264aと第2視野264bとは、中点Pに対して点対称に移動する。
【0080】
このように視野264a、264bを移動させると、それぞれの視野264a、264bに認識マーク203a、203bが入り、撮像部11a、11bが認識マーク203a、203bを撮像できる。撮像された画像に基づいて実装ヘッド1の位置は補正され、部品202は基板13に実装される。
【0081】
また、
図7(b)と
図11(b)とを比較すると、第1撮像光路165と第1撮像光路265がずれる向きは逆であり、
図8(b)と
図12(b)とを比較すると、第2撮像光路166と第2撮像光路266がずれる向きは逆である。
【0082】
このように、実装ヘッド1の昇降動作によって、同じ2つの撮像部11a、11bを用いて、短手方向Lにおいて互いに対称に、視野64a、64bの位置を変更することができる。したがって、異なった縦横比を有する部品2、102、202において、それぞれの認識マークを撮像することができる。
【0083】
(効果)
実施の形態1に係る部品実装装置100によれば、以下の効果を奏することができる。
【0084】
上述したように、実施の形態1の部品実装装置100は、実装ヘッド1と、第1撮像素子15aと、第2撮像素子15bと、第1反射光学系61と、第2反射光学系62と、制御部51と、を備える。実装ヘッド1は、位置合わせ用の認識マーク3a、3bを有する部品2を保持する。第1撮像素子15aは、実装ヘッド1の側方に設けられ、実装ヘッド1を通過する第1撮像光路65に基づいて、第1視野64aにおいて部品2の第1認識マーク3aを撮像する。第2撮像素子15bは、実装ヘッド1の側方に設けられ、実装ヘッド1を通過する第2撮像光路66に基づいて、第2視野64bにおいて部品2の第2認識マーク3bを撮像する。第1反射光学系61は、実装ヘッド1に設けられる第1貫通孔69aを通じて、第1視野64aから第1撮像素子15aに向かって第1撮像光路65を反射させる。第2反射光学系62は、実装ヘッド1に設けられる第2貫通孔69bを通じて、第2視野64bから第2撮像素子15bに向かって第2撮像光路66を反射させる。制御部51は、平面視における第1視野64aおよび第2視野64bの位置を調整するために、部品情報に基づいて、第1反射光学系61および第2反射光学系62と、第1撮像素子15aおよび第2撮像素子15bとの相対的な高さの変更を制御する。
【0085】
このような構成により、相対的な高さを変更することで、第1視野64a及び第2視野64bの位置を調整することができる。そのため、小さい視野によってでも、異なる外形サイズを有する部品2の認識マーク3a、3bを撮像できる。
【0086】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、制御部51は、実装ヘッド1の昇降を制御することで、相対的な高さの変更を制御する。
【0087】
このような構成により、実装ヘッド1が有する既存のヘッド昇降機構40によって、第1撮像素子15a及び第2撮像素子15bに対する実装ヘッド1の高さを変化させることができる。
【0088】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、第1撮像素子15a及び第2撮像素子15bの高さは固定される。
【0089】
このような構成により、第1撮像素子15a及び第2撮像素子15bに昇降機構を追加することなく、第1撮像素子15a及び第2撮像素子15bに対する実装ヘッド1の高さを変化させることができる。
【0090】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、平面視において、第1反射光学系61が第1撮像光路65を反射させる方向と、第2反射光学系62が第2撮像光路66を反射させる方向とは逆向きである。制御部51が相対的な高さを変更すると、第1視野64aと第2視野64bが逆向きに移動する。
【0091】
このような構成により、第1視野64a及び第2視野64bを移動させることで、異なる縦横比を有する部品2の認識マーク3a、3bを撮像できる。
【0092】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、平面視において、第1貫通孔69a及び第2貫通孔69bは、横長形状を有する。制御部51が相対的な高さを変更すると、第1視野64aは第1貫通孔69aの短手方向Lに移動し、第2視野64bは第2貫通孔69bの短手方向Lに移動する。
【0093】
このような構成により、第1視野64a及び第2視野64bを短手方向Lに移動させることによって、異なる縦横比を有する部品2の認識マーク3a、3bを撮像できる。
【0094】
さらに、実施の形態1の部品実装装置100において、部品情報は、部品2の縦横比を含む。
【0095】
このような構成により、部品2の縦横比に基づいて、相対的な高さを変更することで、異なる縦横比を有する部品2の認識マーク3a、3bを撮像できる。
【0096】
なお、実施の形態1では、実装ヘッド1が個別の第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとを形成する例について説明したが、これに限定されない。第1貫通孔69aと第2貫通孔69bとは連通してもよい。このような構成によって、実装ヘッド1の構造がより簡素なものとなる。
【0097】
なお、部品実装装置100が第1反射光学系61と、第2反射光学系62とを一体として有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1反射光学系61と第2反射光学系62とは一体的に形成されてなくてもよい。
【0098】
[実施の形態2]
本開示の実施の形態2に係る部品実装装置300について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する説明を省略する。
【0099】
図13は、本開示の実施の形態2に係る撮像ユニット311の模式平面図である。
【0100】
実施の形態2は、撮像ユニット11の代わりに撮像ユニット311を含む点で実施の形態1と異なる。より具体的には、実装ヘッド1に対して撮像ユニット311が長手方向Kに移動可能である点で実施の形態1と異なる。実施の形態2において、部品実装装置300は、特に説明しない限り、実施の形態1の部品実装装置100と同じである。
【0101】
図13に示すように、撮像ユニット311は、移動調整装置70をさらに有する。移動調整装置70は、撮像部11a、11bが固定された撮像ステージ11cを長手方向Kに沿って移動させることができる。移動調整装置70の例としては、エアシリンダなどのリニアアクチュエータ又はモータとリニアガイドとボールねじとで構成されて直線的に往復移動可能な直動装置で構成することができる。
【0102】
制御部51は、部品2の部品情報、具体的には部品2の外形サイズに応じて、移動調整装置70の動作を制御する。部品2の外形サイズが異なると、第1認識マーク3a及び第2認識マーク3bの位置も異なる。
【0103】
【0104】
制御部51は、部品情報を取得し、実装した部品2より、次に実装する部品302が小さいと、または次に実装する部品402は大きいと、制御部51は移動調整装置70の動作によって撮像ユニット311を移動させる。部品302の大きさは、例えば、1mm×1mmである。部品402の大きさは、例えば、12mm×12mmである。
【0105】
図14Aに示すように、制御部51が部品302の部品情報を取得し、実装ヘッド1が部品302を保持すると、撮像ユニット311、即ち撮像部11a、11bは実装ヘッド1に対して長手方向Kに平行に第2貫通孔側K2に移動する。
【0106】
撮像部11a、即ち撮像素子15aの移動によって、第1反射光学系61における反射位置は第2貫通孔側K2に移動し、そのため、第1視野64aは第2貫通孔側K2に移動する(矢印C1)。撮像部11b、即ち撮像素子15bの移動によって、第4反射面63bにおける反射位置は第2貫通孔側K2に移動し、第3反射面63aにおける反射位置は第1貫通孔側K1に移動する。そのため、第2反射光学系62から反射される第2撮像光路66及び第2視野64bは第1貫通孔側K1に移動する(矢印C2)。したがって、第1視野64aと第2視野64bとを互いに近づき、部品302の認識マークを撮像することができる。
【0107】
また、
図14Bに示すように、制御部51が部品402の部品情報を取得し、実装ヘッド1が部品402を保持すると、撮像ユニット311は実装ヘッド1に対して長手方向Kに平行に第1貫通孔側K1に移動する。
【0108】
撮像ユニット311の移動によって、撮像光路65、66の反射位置が部品302を実装する場合と逆向きに移動する。したがって、第1視野64aと第2視野64bとは互いから離れて(矢印D1、D2)、部品402の認識マークを撮像することができる。
【0109】
さらに、移動調整装置70を有する撮像ユニット311に対して、実装ヘッド1の撮像高さHを変更することができる。このような構成によって、視野64a、64bを、長手方向Kに加えて、短手方向Lに移動させることができる。
【0110】
制御部51は、部品情報を取得し、実装した部品2と比較して、次に実装する部品502が異なる外形サイズを有し、かつ異なる縦横比を有すると、制御部51は撮像ユニット311及び実装ヘッド1を移動させる。
【0111】
図14Cは、
図13における実装ヘッド1の模式平面図である。
図14Cは、実装ヘッド1が上昇し、撮像ユニット311が第1貫通孔側K1に移動した例を示す。
図14Cに示すように、実装ヘッド1及び撮像ユニット311の移動によって、第1視野64aは、短手方向Lの移動(矢印A1)と、第1貫通孔側K1への移動(矢印D1)とを組み合わせて移動する。また、第2視野64bは、短手方向Lの移動(矢印A2)と、第2貫通孔側K2への移動(矢印D2)とを組み合わせて移動する。
【0112】
長手方向Kに沿った移動と短手方向Lに沿った移動とを組み合わせることによって、第1視野64aと第2視野64bとは、中点Pに対して点対称に移動することができる。したがって、例えば正方形とは異なる縦横比と、部品2と異なる外形サイズを有する部品502の認識マークを撮像することができる。
【0113】
(効果)
実施の形態2に係る部品実装装置300によれば、以下の効果を奏することができる。
【0114】
上述したように、実施の形態2の部品実装装置300は、実装ヘッド1に対して、第1撮像素子15a及び前記第2撮像素子15bを横方向に移動させる移動調整装置70をさらに備える。
【0115】
このような構成により、短手方向Lに加えて、第1視野64a及び第2視野64bを長手方向Kに沿って移動させることができる。そのため、部品2の縦横比に加えて、部品2の大きさが変化した場合においても、部品2の第1認識マーク3a及び第2認識マーク3bを撮像することができる。
【0116】
さらに、実施の形態2の部品実装装置300において、部品情報は、部品2の縦横比及び外形サイズを含む。
【0117】
このような構成により、部品302、402の縦横比及び外形サイズに応じて視野64a、64bを移動させ、異なる縦横比及び外形サイズを有する部品の認識マーク3a、3bを撮像することができる。
【0118】
なお、実施の形態2では、移動調整装置70が撮像ステージ11cを長手方向Kに沿って移動させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、移動調整装置70は、長手方向Kの移動に加えてまたは代わって、撮像ステージ11cを上下方向に昇降させてもよい。このような構成によって、移動調整装置70の動作によって、実装ヘッド1の高さを固定した状態で、実装ヘッド1に対する撮像ユニット311の高さを変化させることができる。
【0119】
なお、撮像部11aと撮像部11bとが撮像ステージ11cに固定され、一体として移動する例について説明したが、これに限定されない。例えば、撮像部11aと撮像部11bとは個別に移動してもよい。このような構成によって、視野64a、64bをそれぞれ貫通孔69a、69bにおける任意の位置に配置することができる。
【0120】
[実施の形態3]
本開示の実施の形態3に係る部品実装装置600について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する説明を省略する。
【0121】
図15は、本開示の実施の形態3に係る部品実装装置600の断面図である。
【0122】
実施の形態3は、部品実装装置600が認識マークを有する基板613に部品2を実装する装置である点で実施の形態1と異なる。実施の形態3において、部品実装装置600は、特に説明しない限り、実施の形態1の部品実装装置100と同じである。
【0123】
部品実装装置600は、部品2の認識マーク3a、3bに加えて、基板613の基板認識マーク16a、16bを撮像し、部品2と基板613との位置合わせを行うことができる。
【0124】
ここで、部品2と基板613との位置合わせの動作について説明する。制御部51は、撮像ユニット11によって部品2の認識マーク3a、3bを撮像した後において、部品情報に基づいて、実装ヘッド1の撮像高さH3を変更する。部品情報には、部品2に対応した基板613の認識マークの位置情報が含まれている。撮像高さH3は、基板613の基板認識マーク16a、16bが配置されていると想定される位置に、視野64a、64bを移動させるための高さである。
【0125】
続いて、制御部51は、撮像ユニット11によって基板513の基板認識マーク16a、16bを撮像する。保持部材5が透明であるため、撮像ユニット11は保持部材5越しに基板認識マーク16a、16bを撮像できる。
【0126】
続いて、制御部51は、撮像された画像に基づく画像処理装置42での画像処理により、実装ヘッド1に保持された部品2の認識マーク3a、3b、及び基板613の基板認識マーク16a、16bを画像認識する。画像認識結果に基づいて、位置算出部50は部品2及び基板513の座標を算出する。
【0127】
続いて、制御部51は、位置算出部50での算出結果に基づいて、基板613に対する部品2、即ち実装ヘッド1の位置ずれを補正する。
【0128】
続いて、制御部51は、基板613に部品2を実装する。このような構成によって、部品2を、基板認識マーク16a、16bによって指定される基板613の適切な位置に実装することができる。
【0129】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本開示の部品実装装置は、基板に対し部品を指定した任意の位置に実装する効果を有し、高速大容量メモリ、アプリケーションプロセッサ、CPUなどの部品の実装時に使用する部品実装装置において特に有用である。
【符号の説明】
【0131】
1 実装ヘッド
1a ヘッド本体部
3a 第1認識マーク
3b 第2認識マーク
5 保持部材
6 ヒータ
11 撮像ユニット
11a 第1撮像部
11b 第2撮像部
15a 第1撮像素子
15b 第2撮像素子
13 基板
40 ヘッド昇降機構
42 画像処理装置
50 位置算出部
51 制御部
52 ヘッド移動機構
61 第1反射光学系
61a 第1反射面
62 第2反射光学系
62a 第2反射面
63 第3反射光学系
63a 第3反射面
63b 第4反射面
65 第1撮像光路
66 第2撮像光路
67 ヒータブロック
68 冷却ブロック
69a 第1貫通孔
69b 第2貫通孔
71 プリズムブロック