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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118460
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】監視装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/24 20060101AFI20230818BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20230818BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20230818BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20230818BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
G08B21/24
G07G1/00 331Z
G07G1/01 301D
G07G1/12 331B
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021421
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】五反田 剛
(72)【発明者】
【氏名】杉山 智則
(72)【発明者】
【氏名】武田 拓樹
(72)【発明者】
【氏名】大谷 優奈
(72)【発明者】
【氏名】菊竹 紗
【テーマコード(参考)】
3E142
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA20
3E142DA04
3E142DA08
3E142FA03
3E142FA08
3E142FA50
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA05
3E142GA06
3E142GA24
3E142GA35
3E142GA36
3E142GA41
3E142KA02
3E142KA20
5C086AA21
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA12
5C086FA15
5C086FA18
5C087AA12
5C087AA16
5C087AA19
5C087AA32
5C087AA37
5C087DD31
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG52
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】フルセルフ対応の決済装置における遺失物の発生状況を監視可能とする。
【解決手段】監視装置は、記憶手段と、発見手段と、報知手段とを備える。記憶手段は、客が登録前の買上商品を載置するための第1の商品載置台及び客が登録後の買上商品を載置するための場所である第2の商品載置台を備える決済装置がアイドル状態にあるときに、決済装置の少なくとも第1及び第2の商品載置台を含む基準エリアを撮影した基準画像を記憶する。発見は、決済装置で決済終了後に客が決済装置から離れた時点に基準エリアを撮影した画像を比較画像として、基準画像と比較することで、決済装置の第1及び第2の商品載置台に残された遺失物を発見する。報知手段は、決済装置に残された遺失物が発見されたとき、そのことを報知する。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
客が登録前の買上商品を載置するための第1の商品載置台及び前記客が登録後の買上商品を載置するための第2の商品載置台を備える決済装置がアイドル状態にあるときに、前記決済装置の少なくとも前記第1及び第2の商品載置台を含む基準エリアを撮影した基準画像を記憶する記憶手段と、
前記決済装置で決済終了後に前記客が前記決済装置から離れた時点に前記基準エリアを撮影した画像を比較画像として、前記基準画像と比較することで、前記決済装置の前記第1及び第2の商品載置台に残された遺失物を発見する発見手段と、
前記決済装置に残された前記遺失物が発見されたとき、そのことを報知する報知手段と、
を具備する監視装置。
【請求項2】
前記発見手段は、前記比較画像に基づいて、前記遺失物が、前記登録前の買上商品を収容するための買物籠が空の状態で残されたものであるか否かを判断し、
前記報知手段は、前記遺失物が空の買物籠であるかに応じて報知する、請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
前記遺失物が前記空の買物籠以外の物品であるとき、前記決済装置に、次の客による買上商品の登録操作を禁止させる禁止手段をさらに具備する、請求項2記載の監視装置。
【請求項4】
前記発見手段は、
前記決済装置での前記客による前記買上商品の登録が完了し会計を行うことを指示する会計開始操作がなされた時点に前記基準エリアを撮影した画像中の、前記決済装置の少なくとも前記第1の商品載置台を含み且つ前記第2の商品載置台を含まない比較エリアにおける画像を前記比較画像として、前記基準画像と比較することで、前記第2の商品載置台を除き且つ前記少なくとも前記第1の商品載置台を含む前記決済装置の部分に残された物品を発見し、
前記比較画像に基づいて、前記物品が、前記登録前の買上商品を収容するための買物籠が空の状態で残されたものであるか否かを判断し、
前記報知手段は、前記物品が空の買物籠であるか否かにより、報知内容を決定して報知する、請求項1記載の監視装置。
【請求項5】
前記報知手段は、
前記物品が空の買物籠であれば、報知せず、
前記物品が空の買物籠以外の物品である場合には、前記客に注意を喚起する報知を行う、請求項4記載の監視装置。
【請求項6】
決済装置と通信するコンピュータを、
客が登録前の買上商品を載置するための第1の商品載置台及び前記客が登録後の買上商品を載置するための場所である第2の商品載置台を備える決済装置がアイドル状態にあるときに、前記決済装置の少なくとも前記第1及び第2の商品載置台を含む基準エリアを撮影した基準画像を記憶する記憶手段、
前記決済装置で決済終了後に前記客が前記決済装置から離れた時点に前記基準エリアを撮影した画像を比較画像として、前記基準画像と比較することで、前記決済装置の前記第1及び第2の商品載置台に残された遺失物を発見する発見手段、
前記決済装置に残された前記遺失物が発見されたとき、そのことを報知する報知手段、
として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケット等の小売店では、人件費の削減、感染症の感染予防対策等の観点から、セルフPOS(Point Of Sales)端末が注目されている。セルフPOS端末は、買上商品の登録から決済までの操作を客が自ら行うようにしたフルセルフ対応の決済装置である。このようなフルセルフ対応の決済装置では、客の不正行為を抑止できる技術が開発されている。
【0003】
一方で、フルセルフ対応の決済装置では、客が自らPOS端末の操作を行うようにしたことで、新たな問題も発生してきている。その一つに、遺失物問題が有る。客がセルフPOS端末の操作を行う際に、自身の操作を妨げないセルフPOS端末上の任意の位置に、私物(傘、カバン、財布等)や登録済み商品を一時的に置き、それらをそのまま置き忘れてしまう事態が発生する。このような遺失物がセルフPOS端末に存在した場合、従業員(アテンダント)が速やかに確保処理しなくてはならないが、遺失物に気付かないことも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-141569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、フルセルフ対応の決済装置において遺失物の発生状況を監視できる監視装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、監視装置は、記憶手段と、発見手段と、報知手段とを備える。記憶手段は、客が登録前の買上商品を載置するための第1の商品載置台及び客が登録後の買上商品を載置するための場所である第2の商品載置台を備える決済装置がアイドル状態にあるときに、決済装置の少なくとも第1及び第2の商品載置台を含む基準エリアを撮影した基準画像を記憶する。発見は、決済装置で決済終了後に客が決済装置から離れた時点に基準エリアを撮影した画像を比較画像として、基準画像と比較することで、決済装置の第1及び第2の商品載置台に残された遺失物を発見する。報知手段は、決済装置に残された遺失物が発見されたとき、そのことを報知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、フルセルフ方式のチェックアウトシステムを示す概略構成図である。
図2図2は、セルフPOS端末の外観構成を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る監視装置の要部回路構成を示すブロック図である。
図4図4は、監視装置のプロセッサが監視プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順の一例を示す流れ図である。
図5図5は、監視装置のプロセッサが監視プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順の一例を示す流れ図である。
図6図6は、監視装置のプロセッサが監視プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順の一例を示す流れ図である。
図7図7は、基準エリアを示す模式図である。
図8図8は、行動検知エリアを示す模式図である。
図9図9は、物品検出エリアを示す模式図である。
図10図10は、セルフPOS端末における注意喚起画面の一表示例を示す模式図である。
図11図11は、遺失物検出エリアを示す模式図である。
図12図12は、アテンダント端末における報告画面の一表示例を示す模式図である。
図13図13は、セルフPOS端末における警告画面の一表示例を示す模式図である。
図14図14は、アテンダント端末における警告画面の一表示例を示す模式図である。
図15図15は、変形例に係る監視装置のプロセッサが監視プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順の一例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。
【0009】
[チェックアウトシステムの説明]
図1は、フルセルフ方式のチェックアウトシステム100を示す概略構成図である。チェックアウトシステム100は、複数台のセルフPOS端末10とアテンダント端末20と店舗サーバ30とを含む。チェックアウトシステム100は、各セルフPOS端末10とアテンダント端末20と店舗サーバ30とをLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク40で接続する。店舗サーバ30は、通信ネットワーク40で接続された各セルフPOS端末10及びアテンダント端末20に対し、本チェックアウトシステム100に係る様々なサービスを提供する。
【0010】
複数台のセルフPOS端末10は、それぞれ店舗の会計場に設置されており、買物を終えた客が操作者となる。商品が陳列された売場において買上商品を買物籠等に入れたりショッピングカートに積んだりして会計場へと移動した客は、セルフPOS端末10を操作して、買上商品の会計、つまりは商品の登録から支払いまでの取引に係る決済をセルフで行う。セルフPOS端末10は、フルセルフ対応の決済装置の一例である。決済装置は、決済端末、会計装置、会計端末、商品登録装置、商品登録端末等と言い換えることができる。
【0011】
アテンダント端末20は、会計場の出口近傍に設けられた監視場に設置されている。アテンダント端末20は、セルフPOS端末10毎に登録された買上商品のリスト等を表示デバイスに表示する。またアテンダント端末20は、セルフPOS端末10でエラーが発生した場合にはそのエラー情報を報知する。監視場にいる従業員、いわゆるアテンダントは、アテンダント端末20において表示され、また報知された情報を基に会計場の監視を行う。なお、図1では、アテンダント端末20の台数を1台としているが、複数台のアテンダント端末20が通信ネットワーク40に接続されていてもよい。また、その内の少なくとも一台は、上記の監視場とは異なる場所、例えば、バックオフィスのような同店舗の別フロアやヘルプデスク等に設置してもよい。そのようなセルフPOS端末10から遠く離れた場所のアテンダント端末20も、通信ネットワーク40経由によりセルフPOS端末10からのエラー情報を報知できる。よって、直接セルフPOS端末10を確認できない場所に居る従業員であっても、セルフPOS端末10を監視することが可能となる。
【0012】
各セルフPOS端末10は、それぞれ監視装置50を備える。監視装置50は、セルフPOS端末10の外部に有ってもよいし、内部に有ってもよい。監視装置50は、セルフPOS端末10を操作する客、いわゆる決済者の忘れ物つまり遺失物の発生を監視する機能を有する装置である。監視装置50は、セルフPOS端末10の近傍に設けられたカメラ60及び人感センサ70と接続している。人感センサ70は、セルフPOS端末10に設けられ、監視装置50は、そのセルフPOS端末10の人感センサ70から感知出力を受信するよう構成してもよい。監視装置50は、人感センサ70による決済者の感知に応じてカメラ60を起動して、セルフPOS端末10を撮影させる。そして、監視装置50は、そのカメラ60で撮影される画像等の情報に基づき、セルフPOS端末10での遺失物の発生を監視し、遺失物が発生したとき、アラートを通知する。また、監視装置50は、遺失物が発生しそうな場合にも、アラートを通知してもよい。アラートの通知先は、セルフPOS端末10とアテンダント端末20の両方または一方である。各監視装置50は、通信ネットワーク40を介してアテンダント端末20に接続しており、アラート信号をアテンダント端末20へと出力可能である。各監視装置50は、通信ネットワーク40を介さずにアテンダント端末20と接続してもよい。
【0013】
なお、監視装置50は、決済者の不正な行動を監視する機能を備えていてもよい。具体的には監視装置50は、セルフPOS端末10の近傍に設けられたカメラ60で撮影される画像等の情報に基づき、セルフPOS端末10を操作して取引の決済を行っている決済者を監視し、その決済者が不正な行動をとった場合にアラートを通知する。不正な行動とは、例えば買上商品をセルフPOS端末10に登録せずに袋詰めする行動である。不正な行動とは、例えば買上商品の代金を支払わずに会計場から退出する行動である。
【0014】
店舗サーバ30は、商品データベースを管理する。商品データベースは、店舗で販売される商品毎に作成される商品レコードの集合体である。商品レコードは、例えば、商品コード、商品名、価格、等のデータを含む。商品コードは、各商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意のコードである。各商品には、当該商品の商品コードを表すバーコードが付されている。商品名及び価格は、商品コードで識別される商品の固有名称及び1点当たりの販売金額である。
【0015】
[セルフPOS端末の説明]
図2は、セルフPOS端末10の外観構成を示す図である。セルフPOS端末10は、本体101と、該本体101の左右に配置された第1の商品載置台102及び第2の商品載置台103とを備える。本体101に向かって右側に配置される第1の商品載置台102は、決済者である客が登録前の買上商品を載置するための台である。登録前の買上商品は、通常、買物籠に入れられて第1の商品載置台102に載置される。登録前の買上商品は、ショッピングカートに積まれた状態で第1の商品載置台102の前方に配置されてもよい。なお、第1の商品載置台102及び第2の商品載置台103の取り付け位置は、左右が逆であってもよい。
【0016】
本体101に向かって左側に配置される第2の商品載置台103は、決済者が登録後の買上商品を載置するための台である。登録後の買上商品は、第2の商品載置台103に置かれた収容体、例えば買物籠、レジ袋またはマイバッグ等に入れられる。登録後の買上商品は、第2の商品載置台103に直接置かれてもよい。図2において、第2の商品載置台103は、その上部に支柱を介して一時置き台104を設けている。一時置き台104は、例えば、商品をレジ袋等に入れる前に一時的に載置するための台である。一時置き台104には、左右に離間させて2本の保持アーム105が設けられている。決済者は、これらの保持アーム105を用いて、レジ袋、マイバッグ等を開口した状態で第2の商品載置台103の上に置くことが可能である。
【0017】
本体101は、入出力デバイスとしてのタッチパネル11、カードリーダ12、プリンタ13、スキャナ14、ハンドスキャナ15、現金処理機16、パトランプ17、発光部18、スピーカ19、等を備える。
【0018】
タッチパネル11は、表示デバイスとしてのディスプレイと、入力デバイスとしてのタッチセンサとを含む。ディスプレイは、会計開始画面、商品登録画面、支払い方法選択画面、会計終了画面等の種々の画面情報を表示する。会計開始画面は、取引の決済開始を受け付ける画面である。会計開始画面には、取引の決済開始を指令するためのスタートキーが配置される。買上商品の登録を始める決済者は、スタートキーにタッチする。スタートキーがタッチ操作されたことをタッチセンサが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラは、ディスプレイの画面を会計開始画面から商品登録画面へと切り替える。
【0019】
商品登録画面は、登録された買上商品の商品名、価格、合計金額等の明細情報を表示する画面である。商品登録画面には、登録を終えた買上商品の代金支払いへの移行を指令するための会計キーが配置される。買上商品の登録を終えた決済者は、支払いキーにタッチする。会計キーがタッチ操作されたことをタッチセンサが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラは、ディスプレイの画面を商品登録画面から支払い方法選択画面へと切り替える。
【0020】
支払い方法選択画面は、現金支払い、クレジットカード支払い、電子マネー支払い、コード決済支払い等の支払い方法の選択入力を受け付ける画面である。支払い方法選択画面には、現金支払いを指令するための現金キー、クレジットカード支払いを指令するためのクレジットキー、電子マネー支払いを指令するための電子マネーキー、コード決済支払いを指令するためのコード決済キー等が配置される。決済者は、希望する支払い方法のキーにタッチする。例えば、現金キーがタッチ操作されたことをタッチセンサが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラは、現金による決済処理を実行し、ディスプレイの画面を支払い方法選択画面から現金による会計終了画面へと切り替える。クレジットキーがタッチ操作されたことをタッチセンサが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラは、クレジットカードによる決済処理を実行し、ディスプレイの画面を支払い方法選択画面からクレジットカードによる会計終了画面へと切り替える。電子マネーキーがタッチ操作されたことをタッチセンサが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラは、電子マネーカードによる決済処理を実行し、ディスプレイの画面を支払い方法選択画面から電子マネーカードによる会計終了画面へと切り替える。コード決済キーがタッチ操作されたことをタッチセンサが検知すると、セルフPOS端末10のコントローラは、コード決済用のコードによる決済処理を実行し、ディスプレイの画面を支払い方法選択画面からコード決済による会計終了画面へと切り替える。
【0021】
例えば現金による会計終了画面は、取引の合計金額、現金の預かり金額、及び、釣銭額等を表示する画面である。例えば現金による決済処理は、預かり金額から取引の合計金額を減額して釣銭額を算出し、レシートを発行して取引を終了させる処理である。このような現金による決済処理は周知の処理であるので、詳細な説明は省略する。また、クレジットカード、電子マネーカードまたはコード決済による決済処理も周知の処理であるので、ここでの説明は省略する。
【0022】
カードリーダ12は、クレジットカード、電子マネーカード、ポイントカード等のカード媒体に記録されたデータを読み取るデバイスである。カード媒体が磁気カードの場合、カードリーダ12は磁気カードリーダである。カード媒体がICカードの場合、カードリーダ12は、ICカードリーダである。セルフPOS端末10は、カードリーダ12として磁気カードリーダまたはICカードリーダのいずれか一方を備えていてもよいし、両方を備えていてもよい。カードリーダ12は、カードへのデータ書込み機能を有したカードリーダ・ライタであってもよい。
【0023】
プリンタ13は、レシート用紙に買上レシート、クレジットカード伝票等に係るデータを印刷するデバイスである。プリンタ13によって種々のデータが印刷されたレシート用紙は、カッタによりカットされて、レシート発行口から発行される。プリンタ13は、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタ等によって実現される。
【0024】
スキャナ14及びハンドスキャナ15は、商品を識別する情報を読み取るものである。本実施形態において、スキャナ14及びハンドスキャナ15は、商品を識別する情報として商品に付されたバーコードを読み取るものとする。スキャナ14は、商品に付されたバーコードが相対するように読取窓(ガラス窓)に翳された商品のバーコードを光学的に読み取る。ハンドスキャナ15は、決済者によって手持ちで操作されるもので、商品に付されたバーコードに近接されることによりバーコードを光学的に読み取る。なお、スキャナ14及びハンドスキャナ15は、商品を認識する情報を読み取るものであればよく、例えば二次元コード等、バーコード以外の情報を読み取るものであってもよい。
【0025】
現金処理機16は、現金を処理するものである。現金処理機16は、紙幣投入口161、紙幣排出口162、硬貨投入口163及び硬貨排出口164を有する。現金処理機16は、紙幣投入口161に投入された紙幣を処理する。現金処理機16は、釣銭としての紙幣を紙幣排出口162から排出する。現金処理機16は、硬貨投入口163に投入された硬貨を受け入れて処理する。現金処理機16は、釣銭としての硬貨を硬貨排出口164から排出する。
【0026】
パトランプ17は、遠くからでも見えるように、鉛直方向に延びたポールの先端に取り付けられている。パトランプ17は、発光部材と円筒とを含む。発光部材は、円筒の内部に、円筒と同軸に回転可能に取り付けられている。パトランプ17は、動作すると、発光部材を発光させながら回転させることができる。パトランプ17は、アラートを表示するためのものである。例えば、パトランプ17は、商品登録時に発光部材を点灯させることで、決済者やアテンダント端末20に居る従業員が、商品スキャンが適切に行われているか否かを目視確認できるようにする。
【0027】
発光部18は、ポールのパトランプ17の下段に配置されている。発光部18も、パトランプ17と同様に発光部材と円筒を含む。発光部材は、複数の色で選択的に発光可能となっている。あるいは、発光部18は、互いに異なる発光色の複数の発光部材を備える。発光部18もパトランプ17と同様に、アラートを表示するためのものである。発光部18は、発光部材の発光色によってもしくは発光色とその点滅状態によって、エラー中、決済者の不正な行動の検出、等のアラートを表示することができる。
【0028】
スピーカ19は、アラートとしての警告音、あるいは、メッセージとしての音声等の音を出力する。
【0029】
本体101の上方部には、撮像装置としてのカメラ60が取り付けられている。カメラ60は、セルフPOS端末10とそれを操作する決済者を撮影するものである。図2に示すように、タッチパネル11のディスプレイ、カードリーダ12のカード挿入口、プリンタ13のレシート発行口、スキャナ14の読取窓及び現金処理機16の紙幣投入口161、紙幣排出口162、硬貨投入口163及び硬貨排出口164は、本体101の1つの面(以下、正面とする)に配置されている。このため決済者は、本体101の正面と対峙するように立って、セルフPOS端末10を操作する。カメラ60は、その決済者のほぼ全身を上方から撮影する。したがって、決済者の頭部、顔面、両肩、両腕、胸部、腹部等がカメラ60によって撮影される。
【0030】
また、セルフPOS端末10の本体101の正面に、人感センサ70が取り付けられている。人感センサ70は、セルフPOS端末10の正面側の感知範囲内に決済者が存在する間、感知出力を監視装置50に送信する。また、人感センサ70は、感知出力をセルフPOS端末10にも送信するよう構成することで、セルフPOS端末10は、その感知出力に基づいて、決済者が存在しない間はアイドル状態に移行する。アイドル状態とは、タッチパネル11のディスプレイを消灯する等して省電力化を測る待機状態のことである。また、セルフPOS端末10は、人感センサ70の感知出力に基づいて決済者の存在を認識すると、スピーカ19により音声ガイダンスを流し、最初の操作を促すことができる。
【0031】
[監視装置の構成説明]
図3は、監視装置50の要部回路構成を示すブロック図である。監視装置50は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、カメラインターフェース54、センサインタフェース55、端末インターフェース56、ネットワークインターフェース57及びシステム伝送路58等を備える。システム伝送路58は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路58は、プロセッサ51と他の各部とを接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0032】
監視装置50は、プロセッサ51と、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、カメラインターフェース54、センサインタフェース55、端末インターフェース56及びネットワークインターフェース57とをシステム伝送路58で接続することにより、コンピュータを構成する。
【0033】
プロセッサ51は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、オペレーティングシステムまたはアプリケーションプログラムに従って、監視装置50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ51は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ51は、マルチコア/マルチスレッドのものであって良く、複数の処理を並行して実行することができる。
【0034】
メインメモリ52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムまたはアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ52は、プロセッサ51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ52は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ51によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0035】
補助記憶デバイス53は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス53となり得る。補助記憶デバイス53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ51での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス53は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0036】
カメラインターフェース54は、カメラ60を接続する。カメラインターフェース54は、カメラ60の駆動を制御する制御信号をカメラ60に対して出力する。カメラ60は、この制御信号に従って撮影動作を行う。カメラインターフェース54は、カメラ60によって撮影された画像データを取り込む。
【0037】
センサインタフェース55は、人感センサ70を接続する。センサインタフェース55は、人感センサ70からの感知出力を取り込む。
【0038】
端末インターフェース56は、セルフPOS端末10を接続する。端末インターフェース56は、セルフPOS端末10との間でデータ通信を行う。端末インターフェース56は、決済者によるセルフPOS端末10への操作入力データ等を取り込む。操作入力データには、利用開始に係る操作入力データ、商品登録に係る操作入力データ、会計宣言に係る操作入力データ等がある。利用開始に係る操作入力データは、決済者が会計開始画面のスタートキーを操作したことに応じて出力されるデータである。商品登録に係る操作入力データは、決済者が商品のバーコードをスキャナ14の読取窓に翳す操作、あるいはハンドスキャナ15の読取部をバーコードに翳す操作をしたことに応じて出力されるデータである。データには、スキャナ14またはハンドスキャナ15がスキャニングしたバーコードで表された商品コードを含む商品レコードのデータが含まれる。会計宣言に係る操作入力データは、決済者が商品登録画面の会計キーを入力したことに応じて出力されるデータである。
【0039】
また、端末インターフェース56は、従業員によるセルフPOS端末10への制御操作入力データ等を取り込む。制御操作入力データには、セルフPOS端末10の動作開始に係る操作入力データ、ロック解除に係る操作入力データ等がある。ロック解除に係る操作入力データは、エラーの発生や不正な行動の検出等により掛かったセルフPOS端末10のロックを解除するための所定の操作を従業員がしたことに応じて出力されるデータである。
【0040】
ネットワークインターフェース57は、通信ネットワーク40を介してアテンダント端末20を接続する。ネットワークインターフェース57は、アテンダント端末20との間でデータ通信を行う。
【0041】
かかる構成の監視装置50は、メインメモリ52における揮発性メモリ領域の一部をアイドル画像メモリ521及び動作中画像メモリ522の領域とする。アイドル画像メモリ521及び動作中画像メモリ522の用途については、後述する作用説明の中で明らかにする。
【0042】
プロセッサ51は、行動検知部511、発見部512、報知部513及び禁止部514としての機能を少なくとも備える。行動検知部511は、カメラ60が撮影した画像等に基づいて決済者の行動を解析し、決済者による監視対象とする不正な行動を検知する機能である。発見部512は、カメラ60が撮影した画像等に基づいて決済者の遺失物を発見する機能である。発見部512は、発見手段と言い換えることができる。発見部512の詳細な機能については、後述する作用説明の中で明らかにする。報知部513は、遺失物が発見された際に報知する機能である。報知部513は、報知手段と言い換えることができる。報知部513の詳細な機能についても、後述する作用説明の中で明らかにする。禁止部514は、発見された遺失物が空の買物籠以外の物品であるとき、セルフPOS端末10に、次の客による買上商品の登録操作を禁止させる機能である。禁止部514は、禁止手段と言い換えることができる。禁止部514の詳細な機能についても、後述する作用説明の中で明らかにする。
【0043】
行動検知部511、発見部512、報知部513及び禁止部514としての機能は、プロセッサ51が監視プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0044】
監視プログラムは、メインメモリ52または補助記憶デバイス53に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。監視プログラムをメインメモリ52または補助記憶デバイス53にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に決済者監視プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により監視プログラムを配信して、メインメモリ52または補助記憶デバイス53にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0045】
また、行動検知部511、発見部512、報知部513及び禁止部514としての機能の一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(Digital Signal processor)、等の集積回路を含む、他の多様な形式で実現されても良い。
【0046】
[監視装置の作用説明]
次に、監視装置50のプロセッサ51が有する行動検知部511、発見部512、報知部513及び禁止部514としての各機能について、図4乃至図6の流れ図を用いて説明する。図4乃至図6は、監視装置50のプロセッサ51が監視プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。
【0047】
プロセッサ51は、ACT1として人感センサ70の感知出力が有るか否か判断する。これは、人感センサ70の感知出力が無いこと、つまり、セルフPOS端末10の正面に従業員及び決済者が対峙していないことを確認する動作である。プロセッサ51は、人感センサ70からの感知出力が無いことを確認すると、ACT2へと進む。
【0048】
プロセッサ51は、ACT2としてカメラ60に起動信号を出力する。カメラ60は、起動信号を受けて撮影を開始する。プロセッサ51は、ACT3としてカメラ60によって撮影されたアイドル画像を取り込み、メインメモリ52のアイドル画像メモリ521に記憶させる。そして、プロセッサ51は、ACT4としてカメラ60に停止信号を出力する。カメラ60は、停止信号を受けて撮影を終了する。
【0049】
図7は、アイドル画像に含まれる基準エリアARを示す模式図である。基準エリアARは、セルフPOS端末10の第1の商品載置台102及び第2の商品載置台103を含むセルフPOS端末10の全体及びこの時点では存在していない決済者を含む領域である。決済者不在時に基準エリアARを撮影した画像であるアイドル画像は、遺失物を検出する際の基準画像となる。
【0050】
その後、プロセッサ51は、ACT5として人感センサ70から感知出力が送信されてくるのを待つ。すなわち、セルフPOS端末10に決済者が近づいてくるのを待つ。人感センサ70の感知出力が有ると、プロセッサ51は、ACT6へと進む。
【0051】
プロセッサ51は、ACT6としてカメラ60に起動信号を出力する。カメラ60は、起動信号を受けて撮影を開始する。プロセッサ51は、ACT7としてカメラ60によって撮影された動作中画像を取り込み、メインメモリ52の動作中画像メモリ522に記憶させる。
【0052】
図8は、動作中画像に含まれる行動検知エリアADを示す模式図である。行動検知エリアADは、基準エリアARに対応し、セルフPOS端末10の第1の商品載置台102及び第2の商品載置台103を含むセルフPOS端末10の全体と、セルフPOS端末10の正面に対峙した図示しない決済者とを含む領域である。
【0053】
そして、プロセッサ51は、ACT8として動作中画像メモリ522に記憶された動作中画像等に基づいて決済者の行動を検知し、ACT9として監視対象行動が有ったか否か判断する。監視対象行動が無ければ、プロセッサ51は、ACT10へと進む。プロセッサ51は、ACT10としてセルフPOS端末10から取得した操作入力データが会計宣言に係る操作入力データであるか否かを確認することで、会計を開始するか否か判断する。会計を開始しない場合には、プロセッサ51は、ACT7へと戻り、上記の動作を繰り返す。
【0054】
ACT8の行動検知では、プロセッサ51は、動作中画像を基にセルフPOS端末10の正面に対峙する決済者の行動を認識する。具体的にはプロセッサ51は、動作中画像から決済者の骨格を推定する。骨格推定は、ディープラーニング等のAI技術を用いて行う。プロセッサ51は、連続する動作中画像から例えば骨格推定によって手の動き等を得る。このように複数の動作中画像を使用するため。メインメモリ52には、動作中画像メモリ522として、複数の画像を記憶できる領域が確保される。そして、プロセッサ51は、この得られた手の動き等から、取り出し行動、登録行動、袋詰め行動または退出行動を認識する。なお、プロセッサ51は、操作者の動作を検知するモーション検知等により決済者の行動を認識するようにしてもよい。
【0055】
取り出し行動とは、決済者が第1の商品載置台102に載置された買物籠やショッピングカートから商品を取り出す行動である。例えば、商品登録前の第1の商品載置台102から商品を取り出して袋詰めすることなく、客のポケットなどに詰める行動も取出行動の1つである。登録行動とは、決済者が商品をスキャナ14の読取窓に翳して商品に付されたバーコードをスキャナ14で読み取らせる行動である。袋詰め行動とは、決済者が商品を第2の商品載置台103に用意した収容体に収容する行動である。なお、収容体に収容せずに商品を第2の商品載置台103または一時置き台104に載置する行動も袋詰め行動の一種である。退出行動は、決済者がセルフPOS端末10の前から離れて会計場から退出する行動である。
【0056】
ACT9では、これら検知された行動とセルフPOS端末10からの操作入力データとに基づいて、プロセッサ51は、決済者が不正な行動を行ったかどうか判断する。不正な行動とは、例えば買上商品をセルフPOS端末10に登録せずに袋詰めする行動、買上商品の代金を支払わずに会計場から退出する行動、等である。
【0057】
ACT9において監視対象の行動が有ったと判断した場合、プロセッサ51は、ACT11としてアテンダント端末20に警告信号を出力する。警告信号は、セルフPOS端末10を特定する識別情報と監視対象の行動を示す情報を含む。この警告信号を受信したアテンダント端末20では、例えば「レーンNo.Xで登録漏れが有ります」、「レーンNo.Xに未会計のまま退出しようとする決済者がいます」等の従業員に注意を喚起する警告メッセージを表示出力または音声出力する。また、特に図示はしていないが、このとき、プロセッサ51は、セルフPOS端末10にも警告信号を出力し、セルフPOS端末10でも警告が表示されるようにしてもよい。これにより、例えばスキャンミスにより商品登録が行われなかった場合に、決済者が当該商品の再スキャン等を行うことが可能となる。ACT11において警告信号を出力した後、プロセッサ51は、ACT7へと戻り、上記の動作を繰り返す。
【0058】
セルフPOS端末10での決済者による買上商品の登録が完了し会計を行うことを指示する会計開始操作がなされると、会計宣言に係る操作入力データがセルフPOS端末10から監視装置50に送信される。この会計宣言に係る操作入力データを受信すると、プロセッサ51は、ACT10において会計を開始すると判断し、ACT12へと進む。
【0059】
プロセッサ51は、ACT12としてカメラ60によって撮影された動作中画像を取り込み、メインメモリ52の動作中画像メモリ522に記憶させる。
【0060】
そして、プロセッサ51は、ACT13として第1比較の処理を実行する。この第1比較の処理は、プロセッサ51は、動作中画像の内の物品検出エリアにおける画像を比較画像として、アイドル画像メモリ521に記憶されている基準画像であるアイドル画像との比較を行う処理である。以降、第1比較の処理を便宜上、第1比較ともいう。
【0061】
図9は、動作中画像に含まれる物品検出エリアAOを示す模式図である。物品検出エリアAOは、セルフPOS端末10の第2の商品載置台103は含まないが、それ以外の少なくとも第1の商品載置台102を含む比較エリアである。
【0062】
プロセッサ51は、ACT14として第1比較の結果、空の買物籠以外の物品が物品検出エリアAOに有ったか否か判断する。具体的にはプロセッサ51は、第1比較により画像が一致しない部分は何らかの物品が存在するとし、その物品の画像をさらに分析して、その物品が空の買物籠であるか否かを確認する。空の買物籠の外観形状は一定である。そこでプロセッサ51は、空の買物籠の外観形状データを用いたパターン認識の技術を利用して、物品が空の買物籠であるか否かを確認する。物品が空の買物籠以外の物品であると認定した場合、つまり、第2の商品載置台103を除いた少なくとも第1の商品載置台102を含むセルフPOS端末10の部分に残された物品を発見した場合には、プロセッサ51は、ACT15へと進む。
【0063】
プロセッサ51は、ACT15としてセルフPOS端末10へ注意喚起指令を出力する。この注意喚起指令を受信したセルフPOS端末10では、タッチパネル11のディスプレイに注意喚起画面を表示する。またこのとき、スピーカ19から警告音が発せられてもよい。
【0064】
図10は、注意喚起画面Sa1の一例である。注意喚起画面Sa1には、注意喚起メッセージMa1と『確認』キーKaが表示される。この注意喚起メッセージMa1としては、例えば「お忘れ物がないようお気をつけください」等の、軟らかい表現のメッセージとする。
【0065】
プロセッサ51は、ACT16として決済者による確認の操作が有ったかどうか確認する。確認の操作が無ければ、プロセッサ51は、ACT12へ戻り、ACT12からACT16の動作を繰り返す。また、決済者による確認の操作が有った場合には、プロセッサ51は、ACT17へと進む。
【0066】
注意喚起画面Sa1の注意喚起メッセージMa1に応じて、決済者は、セルフPOS端末10上に残っている物品を確認し、『確認』キーKaにタッチする。『確認』キーKaのタッチに応じて、セルフPOS端末10は、『確認』キーKaの操作に係る操作入力データを監視装置50に送信するとともにディスプレイの注意喚起画面Sa1を消去。プロセッサ51は、ACT16においてセルフPOS端末10から操作入力データにより確認操作が有ったことを確認し、ACT17へと進む。
【0067】
あるいは、決済者は、注意喚起画面Sa1の注意喚起メッセージMa1に応じて、その物品をセルフPOS端末10から取り除く。これにより、プロセッサ51は、ACT14において第1比較の結果、物品検出エリアAOに何も無いか、空の買物籠しか無いと判断することとなる。この判断により、プロセッサ51は、ACT17へと進む。なおこの場合、特に図示はしていないが、プロセッサ51は、注意喚起出力解除指令を送信して、セルフPOS端末10の注意喚起画面Sa1を消去するようにする。
【0068】
プロセッサ51は、ACT17としてカメラ60によって撮影された動作中画像を取り込み、メインメモリ52の動作中画像メモリ522に記憶させる。そして、プロセッサ51は、ACT18として動作中画像メモリ522に記憶された動作中画像等に基づいて決済者の行動を検知し、ACT19として監視対象行動が有ったか否か判断する。監視対象行動が無ければ、プロセッサ51は、ACT20としてセルフPOS端末10からの状態データにより決済が終了したか否か判断する。決済が終了していない場合には、プロセッサ51は、ACT17へと戻り、上記の動作を繰り返す。なお、ACT18の行動検知及びACT19の監視対象行動の判断は、前述したACT8及びACT9と同様である。
【0069】
ACT19において監視対象の行動が有ったと判断した場合、プロセッサ51は、ACT21としてアテンダント端末20に警告信号を出力する。ACT21において警告信号を出力した後、プロセッサ51は、ACT17へと戻り、上記の動作を繰り返す。
【0070】
ACT20において決済が終了した判断した場合、プロセッサ51は、ACT22へと進む。プロセッサ51は、ACT22として人感センサ70の感知出力が有るか否か判断する。これは、人感センサ70の感知出力が無いこと、つまり、セルフPOS端末10の正面から決済者が離れたことを確認する動作である。プロセッサ51は、人感センサ70からの感知出力が無いことを確認すると、ACT23へと進む。
【0071】
プロセッサ51は、ACT23としてカメラ60によって撮影された動作中画像を取り込み、メインメモリ52の動作中画像メモリ522に記憶させる。つまり、動作中画像メモリ522に記憶される動作中画像は、人感センサ70の感知出力が無くなった時点である、決済者がセルフPOS端末10から離れた時点に撮影された画像である。
【0072】
そして、プロセッサ51は、ACT24として第2比較の処理を実行する。この第2比較の処理は、プロセッサ51は、動作中画像の内の遺失物検出エリアにおける画像を比較画像として、アイドル画像メモリ521に記憶されている基準画像であるアイドル画像との比較を行う処理である。以降、第2比較の処理を便宜上、第2比較ともいう。
【0073】
図11は、動作中画像に含まれる遺失物検出エリアALを示す模式図である。遺失物検出エリアALは、基準エリアARに対応し、セルフPOS端末10の第1の商品載置台102及び第2の商品載置台103を含むセルフPOS端末10の全体を含む比較エリアである。
【0074】
プロセッサ51は、ACT25として第2比較の結果、何らかの物品が遺失物検出エリアALに有ったか否か判断する。具体的にはプロセッサ51は、第2比較により画像が一致しない部分は何らかの物品が存在するとする。どの様な物品も発見しない場合には、プロセッサ51は、ACT5へと戻り、新たな決済者に対する動作に移行する。
【0075】
これに対して、何らかの物品が発見された場合には、プロセッサ51は、ACT26へと移行する。プロセッサ51は、ACT26として発見された物品は空の買物籠以外の物品であるか否か判断する。プロセッサ51は、前述したように、空の買物籠の外観形状データを用いたパターン認識の技術を利用して、空の買物籠であるかどうかを判断することかできる。空の買物籠である場合、プロセッサ51は、ACT27へと進む。
【0076】
プロセッサ51は、ACT27としてアテンダント端末20に報告信号を出力する。報告信号は、セルフPOS端末10を特定する識別情報と空の買物籠が残されていることを示す情報を含む。なおこの場合、セルフPOS端末10の正面から離れたが未だセルフPOS端末10からそれ程遠くに行っていない決済者に、空の買物籠の片付けをお願いするメッセージを、タッチパネル11のディスプレイに表示したり、スピーカ19から発声したりするようにしてもよい。その後、プロセッサ51は、ACT5へと戻り、新たな決済者に対する動作に移行する。
【0077】
報告信号を受信したアテンダント端末20では、報告画面を表示する。図12は、報告画面Sb1の一例である。報告画面Sb1には、報告メッセージMb1と『確認』キーKbが表示される。空の買物籠は、決済者が戻ってきて片付けたり、次の決済者が片付けるあるいは買物籠を重ねたりする場合が有る。よって、この報告メッセージMb1としては、例えば「レーンNo.Xに空の買物籠が残されています」等の、必ずしも従業員に空の買物籠を片付けるよう指示するものではなくて、従業員に注意を喚起するメッセージであってよい。この報告メッセージMb1を受けた従業員は、『確認』キーKbを操作して、報知内容を確認した旨を入力することができる。また、空の買物籠を片付けに行くことができる状況にあれば、該当のセルフPOS端末10に向かい、空の買物籠を片付けることができる。
【0078】
また、ACT26において空の買物籠以外の物品が発見された、あるいは、空の買物籠とその他の物品の両方が発見されたと判断した場合、プロセッサ51は、ACT28へと進む。プロセッサ51は、ACT28としてセルフPOS端末10へ発報指令を出力する。さらに、プロセッサ51は、ACT29としてセルフPOS端末10へ動作禁止指令を出力する。
【0079】
セルフPOS端末10では、発報指令の受信に応答して、タッチパネル11のディスプレイに警告画面を表示する。またこのとき、スピーカ19から警告音が発せられてもよい。さらに、セルフPOS端末10では、動作禁止指令の受信に応答して、決済者の操作を受け付けないロック状態に移行する。このように、監視装置50は、次の客による買上商品の登録操作を禁止させることができる。
【0080】
図13は、警告画面Sa2の一例である。警告画面Sa2には、警告メッセージMa2が表示される。この警告メッセージMa2は、セルフPOS端末10の正面から離れたが未だセルフPOS端末10からそれ程遠くに行っていない決済者に対するメッセージと、当該セルフPOS端末10を使用しようとしていた次の決済者に対するメッセージとの両方を含むことができる。前者は、例えば「お忘れ物です」等であり、後者は、例えば「ただ今従業員がまいります。恐れ入りますがしばらくお待ち下さい」等である。
【0081】
また、プロセッサ51は、ACT30としてアテンダント端末20に警告信号を出力する。警告信号は、セルフPOS端末10を特定する識別情報と遺失物が有ったことを示す情報を含む。
【0082】
その後プロセッサ51は、ACT31としてカメラ60に停止信号を出力する。カメラ60は、この停止信号を受けて撮影を終了する。
【0083】
そしてプロセッサ51は、ACT32としてセルフPOS端末10から解除信号が送信されてくるのを待つ。
【0084】
警告信号を受信したアテンダント端末20では、警告画面を表示するとともに警告音を発報する。図14は、警告画面Sb2の一例である。警告画面Sb2には、警告メッセージMb2と『確認』キーKbが表示される。警告メッセージMb2としては、例えば「レーンNo.Xにお客様のお忘れ物が有ります。お忘れ物を至急回収し、POS端末のロックを解除して下さい」等の、従業員に遺失物の回収とセルフPOS端末10のロック解除操作を行うことを指示するものとする。この警告メッセージMb2を受けた従業員は、『確認』キーKbを操作して、該当のセルフPOS端末10に向かい、遺失物を回収することができる。
【0085】
従業員がセルフPOS端末10のロック解除操作を行うと、セルフPOS端末10から監視装置50に解除信号が送信される。ACT32においてこの解除信号の受信を確認すると、プロセッサ51は、ACT5へと戻り、新たな決済者に対する動作に移行する。
【0086】
ここに、プロセッサ51は、図4のACT7乃至ACT9の処理、さらには図5のACT17乃至ACT19の処理により、行動検知部511としての機能を実現する。プロセッサ51は、図5のACT12乃至ACT14の処理、さらには図6のACT23乃至26の処理により発見部512としての機能を実現する。プロセッサ51は、図5のACT15の処理、さらには図6のACT27、ACT28及びACT30の処理により報知部513としての機能を実現する。プロセッサ51は、図6のACT29の処理により禁止部514としての機能を実現する。
【0087】
[監視装置の効果]
以上詳述したように、発見部512の機能を有した監視装置50によれば、決済者がフルセルフ対応の決済装置であるセルフPOS端末10を利用する前後にセルフPOS端末10を撮影した画像を比較することで、決済者による遺失物の発生状況を監視できるようになる。例えば、決済者が傘、カバン、財布等の私物や買上商品を第1の商品載置台102や第2の商品載置台103に置き忘れて、セルフPOS端末10から離れてしまっても、監視装置50においては直ちに遺失物を発見ことができる。
【0088】
そして、報知部513としての機能を有した監視装置50によれば、遺失物を発見すると、アテンダント端末20に警告信号を出力することで、アテンダント端末20において遺失物が有ることを報知する警告メッセージMb2を表示させることができる。これにより、従業員に速やかに遺失物を回収させることが可能となる。
【0089】
またこのアテンダント端末20への警告出力の送信と共に、監視装置50は、セルフPOS端末10に対して発報指令を出力することで、セルフPOS端末10においてタッチパネル11のディスプレイに警告メッセージMa2を表示させたり、スピーカ19から警告音を発せさせたりすることができる。これにより、セルフPOS端末10の正面から離れたが未だセルフPOS端末10からそれ程遠くに行っていない決済者に対して、忘れ物が有ることを知らせることが可能となる。
【0090】
さらに監視装置50は、遺失物を発見した際、セルフPOS端末10へ動作禁止指令を出力することで、セルフPOS端末10を、決済者の操作を受け付けないロック状態に移行させることができる。これにより、遺失物の回収が済むまで、次の客による買上商品の登録操作を禁止させることが可能となる。例えば、商品が残されていた場合、その場所が第2の商品載置台103上であれば、会計済みの商品である可能性が高く、第1の商品載置台102上であれば、買上を取りやめた商品である可能性が高い。従業員は、会計済みの商品については決済者が引き取りに来るのを待つため保管することが必要であり、買上を取りやめた商品であれば商品陳列棚に戻さなければならない。セルフPOS端末10は、登録操作禁止状態となって、次の客による操作が行われていないため、従業員はその場で、残されていた商品が何れであるのかの確認作業を行うことができる。
【0091】
なお、決済者の私物ではなくて空の買物籠を発見した場合には、監視装置50は、アテンダント端末20に報告信号を出力することで、アテンダント端末20において空の買物籠が残されていることを報知させることができる。これにより、従業員に、空の買物籠を片付けに行くことができる状況にあれば、それを行わせることが可能となる。
【0092】
また例えば、決済者が買物籠内の買上商品の登録操作を終えて会計宣言した際には、監視装置50は、決済者がセルフPOS端末10を利用する前の画像と、少なくとも第1の商品載置台102を含み且つ第2の商品載置台103を含まない画像とを比較することで、第2の商品載置台103を除き且つ少なくとも第1の商品載置台102を含むセルフPOS端末10の部分に残された物品を発見することができる。
【0093】
そして、監視装置50によれば、発見した物品が空の買物籠以外の物品であれば、セルフPOS端末10に注意喚起指令を出力することで、セルフPOS端末10において注意喚起メッセージMa1を表示させることができる。これにより、決済者に忘れ物をしないように注意喚起することが可能となる。また、買物籠内に未登録の買上商品が残っている場合にもこの注意喚起メッセージMa1が表示されるので、決済者への登録忘れの注意喚起ともなり得る。
【0094】
なお、第2の商品載置台103を除き且つ少なくとも第1の商品載置台102を含むセルフPOS端末10の部分に残された物品が空の買物籠である場合には、特に注意喚起は行わない。例えばこのとき、空の買物籠の片付けを決済者に依頼するようにしても構わない。
【0095】
[変形例]
前記実施形態では、遺失物が発見されてセルフPOS端末10がロックされた際、監視装置50は、従業員のロック解除操作を待って、次の決済者に対する動作に移行するようにしている。図6のACT28で出力された発報指令に応じたセルフPOS端末10でのディスプレイの警告画面やスピーカ19から警告音により忘れ物に気付いた決済者が戻ってきて、遺失物を回収する場面が想定される。このような場合、従業員によるセルフPOS端末10のロック解除操作を待たずに、次の決済者に対する動作へ移行できるようにした方が、ロック解除を待っている次の決済者の不満を減少させることができる。
【0096】
図15は、そのような動作を可能とするための、変形例に係る監視装置50のプロセッサ51が監視プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順の一例を示す流れ図である。プロセッサ51は、ACT30としてアテンダント端末20に警告信号を出力した後、ACT41としてカメラ60によって撮影された動作中画像を取り込み、メインメモリ52の動作中画像メモリ522に記憶させる。
【0097】
そして、プロセッサ51は、ACT42として、ACT24と同様の第2比較を実行する。すなわち、プロセッサ51は、動作中画像の内の遺失物検出エリアALにおける画像を比較画像として、アイドル画像メモリ521に記憶されている基準画像であるアイドル画像との比較を行う。
【0098】
プロセッサ51は、ACT43として第2比較の結果、何らかの物品が遺失物検出エリアALに有ったか否か判断する。つまり、ACT25において発見した遺失物が未だ有るか否か判断する。物品が遺失物検出エリアALに有るならば、プロセッサ51は、ACT41へと戻る。
【0099】
忘れ物をした決済者または従業員によって遺失物が回収されると、プロセッサ51は、ACT43からACT44へと進む。プロセッサ51は、ACT44としてセルフPOS端末10へアイドル移行指令を出力する。セルフPOS端末10では、アイドル移行指令の受信に応答して、ロックを解除して、アイドル状態に移行する。
【0100】
なおこのとき、プロセッサ51は、遺失物を回収した人物が、忘れ物をした決済者または従業員であるかを確認し、それ以外の人物が遺失物を回収した場合には、セルフPOS端末10及びアテンダント端末20に警報を発報させるように構成しても良い。忘れ物をした決済者であるかどうかは、例えば、ACT41にて取得した遺失物を回収した人物の画像と、動作中画像メモリ522に記憶されている忘れ物をした決済者の画像とを比較することで判定可能である。また、従業員であるかどうかは、例えば、ACT41にて取得した画像中の遺失物を回収した人物の服装を、予め登録されている従業員の服装の画像と比較することで判定可能である。
【0101】
ACT44においてセルフPOS端末10へアイドル移行指令を出力した後、プロセッサ51は、ACT45へと進む。プロセッサ51は、ACT45としてカメラ60に停止信号を出力する。カメラ60は、この停止信号を受けて撮影を終了する。その後、プロセッサ51は、ACT5へと戻り、新たな決済者に対する動作に移行する。
【0102】
以上のようにして、監視装置50は、遺失物が回収されたことをトリガにして、次の決済者に対する動作へ移行することができる。
【0103】
なお、実施形態及び変形例に示した流れ図の手順及びその内容は一例である。同様な効果を奏し得るのであればその手順及び内容は適宜変更することができる。また、実施形態で示した画面例も一例である。同様な効果を奏し得るのであればそのレイアウト、表示項目等は適宜変更することができる。
【0104】
前記実施形態では、セルフPOS端末10がそれぞれ監視装置50を備える場合を例示した。2台以上のセルフPOS端末10に対して1台の監視装置50を接続し、当該監視装置50のプロセッサ51が、2台以上のセルフPOS端末10毎に、行動検知部511、発見部512及び報知部513としての機能を有するようにしてもよい。
【0105】
なお、前記実施形態では、遺失物として、決済者である客の私物を例に説明したが、遺失物はそれに限らない。例えば、セルフPOS端末10のプリンタ13からは、取引のためのレシートや領収書以外に、ポイント券やクーポン券も発行されるケースがある。監視装置50は、これらの券類がプリンタ13に残されていることを検知した場合には、それらも遺失物として扱って、警告表示を行うようにしてもよい。また、セルフPOS端末10の現金処理機16の出力部である紙幣排出口162及び硬貨排出口164からは、お釣りや認識できない貨幣が返却される。よって、監視装置50は、紙幣排出口162及び硬貨排出口164に貨幣等が残されていることを検知した場合にも、それらを遺失物として扱って、警告表示を行うことができる。
【0106】
前記実施形態では、監視装置50は、セルフPOS端末10の外部にあってもよいし、内部にあってもよいと説明した。他の実施形態としては、セルフPOS端末10が、監視装置50としての機能を組み入れて実現させることも可能である。
【0107】
また、前記実施形態では、フルセルフ対応の決済装置であるセルフPOS端末10に言及していたが、セミセルフ対応の決済装置であるセミセルフPOS端末も、決済者の買物籠移動後の操作はセルフPOS端末10と同様である。よって、監視装置50における決済処理以降の動作を適用することで、セミセルフ対応の決済装置に対しても、同様の効果が期待できる。
【0108】
この他、本発明の実施形態及びいくつかの変形例を説明したが、この実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
10…セルフPOS端末、 11…タッチパネル、 12…カードリーダ、 13…プリンタ、 14…スキャナ、 15…ハンドスキャナ、 16…現金処理機、 17…パトランプ、 18…発光部、 19…スピーカ、 20…アテンダント端末、 30…店舗サーバ、 40…通信ネットワーク、 50…監視装置、 51…プロセッサ、 52…メインメモリ、 53…補助記憶デバイス、 54…カメラインターフェース、 55…センサインタフェース、 56…端末インターフェース、 57…ネットワークインターフェース、 58…システム伝送路、 60…カメラ、 70…人感センサ、 100…チェックアウトシステム、 101…本体、 102…第1の商品載置台、 103…第2の商品載置台、 104…一時置き台、 105…保持アーム、 161…紙幣投入口、 162…紙幣排出口、 163…硬貨投入口、 164…硬貨排出口、 511…行動検知部、 512…発見部、 513…報知部、 514…禁止部、 521…アイドル画像メモリ、 522…動作中画像メモリ、 AD…行動検知エリア、 AL…遺失物検出エリア、 AO…物品検出エリア、 AR…基準エリア、 Ka,Kb…『確認』キー、 Ma1…注意喚起メッセージ、 Ma2,Mb2…警告メッセージ、 Mb1…報告メッセージ、 Sa1…注意喚起画面、 Sa2,Sb2…警告画面、 Sb1…報告画面

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