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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118491
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】制御装置、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/023 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
F01N3/023 Z
F01N3/023 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021462
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 友哉
(72)【発明者】
【氏名】岩井 健太
【テーマコード(参考)】
3G190
【Fターム(参考)】
3G190AA02
3G190AA12
3G190BA12
3G190BA49
3G190CA01
3G190DA02
3G190DB05
3G190DB16
3G190DB18
3G190DB20
3G190DB23
3G190DC05
3G190DC19
3G190EA05
3G190EA06
3G190EA08
3G190EA09
3G190EA10
(57)【要約】
【課題】フィルタの詰まりを抑制すること。
【解決手段】実施形態に係る制御装置は、制御部を備える。制御部は、エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタの再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを、走行経路に関する入力情報に基づいて判定する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタの再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを、走行経路に関する入力情報に基づいて判定する制御部、を備える制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記入力情報に基づいて、前記フィルタの再生処理を実施可能な走行状況であると判定する場合、前記フィルタの再生処理の実施をユーザに提案する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、ユーザによって前記フィルタの再生処理の実施が許可された場合、前記フィルタの再生処理を実施する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記走行経路の距離が所定の再生可能距離以上である場合、前記フィルタの再生処理の実施をユーザに提案する、請求項2または3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記走行経路の走行時間が所定の再生可能時間以上である場合、前記フィルタの再生処理の実施をユーザに提案する、請求項2~4のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記走行経路が高速道路を含む場合、前記フィルタの再生処理の実施をユーザに提案する、請求項2~5のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記フィルタの再生処理を実施可能な走行状況であり、かつ、前回のフィルタの再生処理の実施からの走行距離、および前回のフィルタの再生処理の実施からの経過時間の少なくとも1つに基づいた再生条件を満たす場合、前記フィルタの再生処理の実施をユーザに提案する、請求項1~6のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記入力情報に基づいて、前記フィルタの再生処理を実施可能な走行状況であり、かつ、前回のフィルタの再生処理の実施からの走行距離、および前回のフィルタの再生処理の実施からの経過時間の少なくとも1つに基づいた再生条件を満たす場合、前記フィルタの再生処理を実施する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
走行経路に関する入力情報を取得し、
エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタの再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを、前記入力情報に基づいて判定する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子状物質を捕集するフィルタの再生処理の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粒子状物質を捕集するフィルタを再生可能な排気浄化システムを有する車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-223192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両のエンジンを停止する目的地周辺において、フィルタの再生処理が実施されると、フィルタの再生処理が終了する前に、エンジンが停止されるおそれがある。フィルタの再生処理を実施している途中で、エンジンが停止されると、粒子状物質がフィルタに詰まるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、フィルタの詰まりを抑制する制御装置、および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る制御装置は、制御部を備える。制御部は、エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタの再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを、走行経路に関する入力情報に基づいて判定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、フィルタの詰まりを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、第1実施形態に係るエンジン、およびDPFの配置を示す模式図である。
図1B図1Bは、第1実施形態に係る制御装置が実行する制御方法の概要を説明する図である。
図2図2は、第1実施形態に係る制御装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係るDPF再生処理を説明するフローチャートである。
図4図4は、第3実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
図5図5は、第3実施形態に係るDPF再生処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る制御装置、制御方法について詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る制御装置1が実行する制御方法について図1A、および図1Bを参照し説明する。図1Aは、第1実施形態に係るエンジン3、およびDPF2の配置を示す模式図である。図1Bは、第1実施形態に係る制御装置が実行する制御方法の概要を説明する図である。
【0011】
制御装置1は、DPF(Diesel Particulate Filter)2の再生を実施する。DPF2は、エンジン3から排出される排気ガスの流れ方向において、エンジン3よりも下流側に設けられる。DPF2は、排気ガスが流れる排気管4に接続される。DPF2は、エンジン3から排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタである。エンジン3は、ディーゼルエンジンである。粒子状物質は、煤を含む。
【0012】
DPF2によって捕集された粒子状物質を燃焼することでDPF2の再生処理が実施される。再生処理では、例えば、エンジン3への燃料の噴射量が、通常時の噴射量よりも多くなり、温度の高い排気ガスがエンジン3から排出される。温度が高い排気ガスがDPF2に流入することによって、DPF2に捕集された粒子状物質が燃焼され、DPF2の再生処理が実施される。
【0013】
DPF2における再生処理の実施中に、エンジン3が停止されると、煤がDPF2に詰まるおそれがある。煤がDPF2に詰まることによって、車両Cの走行性能が低下するおそれがある。そのため、DPF2の再生処理が実施されている間は、エンジン3を停止させないことが望ましい。
【0014】
しかしながら、例えば、車両Cが目的地に近づいた状況で、DPF2の再生処理が実施されると、DPF2の再生処理が終了する前に、車両Cが目的地に到着し、エンジン3が停止されるおそれがある。
【0015】
また、DPF2の再生処理が実施中であることを、ユーザに通知することで、DPF2の再生処理が終了するまで、エンジン3が停止されることを抑制する方法が考えられる。しかしながら、この制御方法では、例えば、DPF2の再生処理が終了するまで、ユーザは、目的地付近を走行させることになる。また、例えば、DPF2の再生処理が終了するまで、ユーザは、目的地まで遠回りをして走行させることになる。
【0016】
第1実施形態に係る制御装置1は、上記課題を解決するために、以下において説明する制御方法を実行する。
【0017】
制御装置1は、走行経路に関する入力情報を取得する(S1)。走行経路は、車両Cがこれから走行する経路である。走行経路は、ユーザによるカーナビゲーション装置5の操作によって入力される。走行経路は、例えば、ユーザによって目的地が入力されることによって、設定される。走行経路は、例えば、ユーザの端末装置の操作によって入力されてもよい。端末装置は、スマートフォンなどを含む。
【0018】
制御装置1は、入力情報に基づいて、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを判定する(S2)。
【0019】
例えば、入力情報に基づいて、DPF2の再生処理が実施可能な走行状況であれば、DPF2の再生処理の実施がユーザに提案される。そして、ユーザがDPF2の再生処理を許可することで、DPF2の再生処理が実施される。
【0020】
これにより、DPF2の再生処理中でのエンジン3の停止が抑制される。すなわち、DPF2の詰まりが抑制される。また、DPF2の再生処理を実施しつつ、不必要な車両Cの走行が抑制される。
【0021】
次に、第1実施形態に係る制御装置1について、図2を参照し説明する。図2は、第1実施形態に係る制御装置1の構成例を示すブロック図である。
【0022】
制御装置1は、記憶部10と、制御部11とを備える。記憶部10は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子などの記憶媒体によって実現される。
【0023】
制御部11は、取得部12と、判定部13と、提案部14と、実施部15とを備える。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0024】
コンピュータのCPUは、例えば、ROM等の記憶デバイスに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部11の取得部12、判定部13、提案部14、および実施部15として機能する。
【0025】
また、制御部11の取得部12、判定部13、提案部14、および実施部15の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。また、取得部12、判定部13、提案部14、および実施部15は、統合されてもよく、さらに複数に分けられてもよい。
【0026】
取得部12は、走行経路に関する入力情報を取得する。取得部12は、DPF2の再生処理の実施に関する情報を取得する。DPF2の再生処理の実施に関する情報は、DPF2の再生処理の実施を許可する情報を含む。DPF2の再生処理の実施を許可する情報は、例えば、カーナビゲーション装置5を介して入力される。DPF2の再生処理の実施を許可する情報は、車両Cに設けられるスイッチ、およびボタンの操作などを介して取得されてもよい。DPF2の再生処理の実施を許可する情報は、ユーザの端末装置などを介して取得されてもよい。DPF2の再生処理の実施に関する情報は、ユーザの操作に応じて取得される。
【0027】
判定部13は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを判定する。判定部13は、走行経路に関する入力情報に基づいて、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを判定する。具体的には、判定部13は、DPF2の再生処理を、車両Cが目的地に到着するまでに終了させることができるか否かを判定する。判定部13は、DPF2の再生処理を、車両Cが目的地に到着するまでに終了させることができる場合、DPF2の再生を実施可能な走行状況であると判定する。判定部13は、DPF2の再生処理を、車両Cが目的地に到着するまでに終了させることができない場合、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況ではないと判定する。
【0028】
例えば、判定部13は、走行経路の距離が、所定の再生可能距離以上である場合、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であると判定する。所定の再生可能距離は、予め設定された距離である。所定の再生可能距離は、DPF2の再生処理を開始してから、DPF2の再生処理が終了するまでに、車両Cが走行可能な距離である。例えば、判定部13は、カーナビゲーション装置5によって設定される目的地までの距離が、所定の再生可能距離以上である場合、目的地に到着するまでに、DPF2の再生処理を終了させることが可能であると判定する。例えば、判定部13は、カーナビゲーション装置5によって設定される目的地までの距離が、所定の再生可能距離未満である場合、目的地に到着するまでに、DPF2の再生処理を終了させることができないと判定する。
【0029】
例えば、判定部13は、走行経路の走行時間が所定の再生可能時間以上である場合、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であると判定してもよい。所定の再生可能時間は、予め設定された時間である。所定の再生可能時間は、DPF2の再生処理を開始してから、DPF2の再生処理が終了する時間である。例えば、判定部13は、カーナビゲーション装置5によって設定される目的地までの走行時間が、所定の再生可能時間以上である場合、目的地に到着するまでに、DPF2の再生処理を終了させることが可能であると判定する。例えば、判定部13は、カーナビゲーション装置5によって設定される目的地までの走行時間が、所定の再生可能時間未満である場合、目的地に到着するまでに、DPF2の再生処理を終了させることができないと判定する。
【0030】
例えば、判定部13は、走行経路に高速道路が含まれる場合、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であると判定してもよい。車両Cが高速道路を走行する場合、車両Cの目的地が遠方であることから走行時間が比較的長くなる傾向にあるため、判定部13は、DPF2の再生処理を終了させることができると判定する。
【0031】
判定部13は、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可されたか否かを判定する。判定部13は、後述する提案部14によってDPF2の再生実施がユーザに提案された場合に、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可されたか否かを判定する。判定部13は、取得部12によって、DPF2の再生処理の実施を許可する情報が取得された場合、DPF2の再生処理の実施が許可されたと判定する。判定部13は、取得部12によって、DPF2の再生処理の実施を許可する情報が取得されない場合、DPF2の再生処理の実施が許可されていないと判定する。
【0032】
判定部13は、所定の実施条件を満たすか否かを判定する。所定の実施条件は、DPF2の再生処理を実施する条件である。例えば、判定部13は、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可された場合、所定の実施条件を満たすと判定する。所定の実施条件は、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可される条件に加えて、他の実施条件を含んでもよい。すなわち、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可され、かつ他の実施条件が満たされる場合、判定部13は、所定の実施条件が満たされると判定してもよい。他の実施条件は、例えば、車両Cのエンジン3がアイドリング状態である場合である。
【0033】
提案部14は、走行経路に関する入力情報に基づいて、DPF2の再生が実施可能な走行状況であると判定された場合、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案する。提案部14は、例えば、カーナビゲーション装置5を介して、DPF2の再生実施をユーザに提案する。提案部14は、目的地に到着するまでにDPF2の再生処理を終了可能であることを示す内容をカーナビゲーション装置5に表示させる。提案部14は、音声によって的地に到着するまでにDPF2の再生処理を終了可能であることを示す内容を通知してもよい。提案部14は、インストルメントパネルなどに、目的地に到着するまでにDPF2の再生処理を終了可能であることを示す内容を表示させてもよい。
【0034】
実施部15は、DPF2の再生処理を実施する。実施部15は、所定の実施条件が満たされる場合、DPF2の再生処理を実施する。実施部15は、例えば、エンジン3への燃料噴射量を、予め設定された通常時の燃料噴射量よりも多くする。
【0035】
次に、第1実施形態に係るDPF再生処理について図3を参照し説明する。図3は、第1実施形態に係るDPF再生処理を説明するフローチャートである。
【0036】
制御部11は、走行経路に関する入力情報を取得する(S100)。制御部11は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを判定する(S101)。制御部11は、入力情報に基づいて、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを判定する。制御部11は、DPF2の再生処理を、車両Cが目的地に到着するまでに終了させることができるか否かを判定する。制御部11は、DPF2の再生処理を、車両Cが目的地に到着するまでに終了させることができる場合、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であると判定する。制御部11は、DPF2の再生処理を、車両Cが目的地に到着するまでに終了させることができない場合、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況ではないと判定する。
【0037】
制御部11は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況ではない場合(S101:No)、今回の処理を終了する。
【0038】
制御部11は、DPF2の再生処理が実施可能な走行状況である場合(S101:Yes)、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案する(S102)。制御部11は、例えば、DPF2の再生処理の実施に関する提案をカーナビゲーション装置5に表示させる。
【0039】
制御部11は、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可された否かを判定する(S103)。制御部11は、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可されない場合(S103:No)、今回の処理を終了する。
【0040】
制御部11は、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可された場合(S103:Yes)、所定の実施条件を満たすか否かを判定する(S104)。例えば、所定の実施条件が、ユーザによるDPF2の再生処理の実施の許可である場合、制御部11は、ステップS103において、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可されたことによって、所定の実施条件を満たすと判定する。所定の実施条件が、他の実施条件を含む場合、制御部11は、さらに、他の実施条件を満たすか否かを判定する。この場合、制御部11は、さらに、他の実施条件を満たす場合、所定の実施条件を満たすと判定する。
【0041】
制御部11は、所定の実施条件を満たす場合(S104:Yes)、DPF2の再生処理を実施する(S105)。
【0042】
制御部11は、所定の実施条件を満たさない場合(S104:No)、今回の処理を終了する。
【0043】
制御装置1は、制御部11を備える。制御部11は、エンジン3から排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するDPF2の再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを、走行経路に関する入力情報に基づいて判定する。
【0044】
これにより、制御装置1は、DPF2の再生処理の実施中に、エンジン3が停止するか否かを正確に判定することができる。そのため、制御装置1は、DPF2の再生処理中に、エンジン3が停止することを抑制することができ、DPF2の詰まりを抑制することができる。また、制御装置1は、DPF2の再生処理が終了するまでの不要な走行を抑制できる。
【0045】
制御部11は、入力情報に基づいて、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であると判定する場合、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案する。
【0046】
これにより、制御装置1は、走行経路に沿って車両Cが走行する場合に、DPF2の再生処理を終了可能であることを、ユーザに知らせることができる。また、制御装置1は、DPF2の再生処理を終了させることができる走行経路を走行する場合にDPF2の再生処理の実施をユーザに促すことによって、DPF2に粒子状物質が堆積することを抑制することができる。そのため、制御装置1は、DPF2の再生処理を終了させることができない走行経路を走行中に、DPF2の再生処理が実施されることを抑制することができる。
【0047】
制御部11は、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可された場合、DPF2の再生処理を実施する。
【0048】
これにより、ユーザは、DPF2の再生処理が実施されるタイミングを任意に決めることができる。そのため、例えば、ユーザは、DPF2の再生処理が終了するまでの不要な走行を行うことなく、DPF2の再生処理を実施しつつ、目的地まで車両Cを走行させることができる。
【0049】
制御部11は、走行経路の距離が所定の再生可能距離以上である場合、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案する。
【0050】
これにより、制御装置1は、走行経路の距離に応じて、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案することができる。ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可された場合に、制御装置1は、走行経路に沿った走行中に、DPF2の再生処理を終了させることができる。
【0051】
制御部11は、走行経路の走行時間が所定の再生可能時間以上である場合、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案する。
【0052】
これにより、制御装置1は、走行経路の走行時間に応じて、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案することができる。ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可された場合に、制御装置1は、走行経路に沿った走行中に、DPF2の再生処理を終了させることができる。
【0053】
制御部11は、走行経路が高速道路を含む場合、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案する。
【0054】
これにより、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可された場合に、制御装置1は、走行経路の走行中に、DPF2の再生処理を終了させることができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る制御装置1について説明する。ここでは、第1実施形態に係る制御装置1と異なる箇所について説明する。第1実施形態に係る制御装置1と同様の構成、および処理についての説明は省略される。
【0056】
制御部11の判定部13は、前回のDPF2の再生処理の実施からの走行距離、および前回のDPF2の再生処理の実施からの経過時間の少なくとも1つに基づいた再生条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部13は、前回のDPF2の再生処理の実施からの走行距離が、所定走行距離以上である場合、再生条件を満たすと判定する。所定走行距離は、予め設定された距離であり、DPF2の再生処理の実施が推奨される距離である。DPF2は、車両Cの走行時間が長くなるほど、煤などが堆積する。所定走行距離は、煤などの堆積量などに基づいて設定される。
【0057】
例えば、判定部13は、前回のDPF2の再生処理の実施からの経過時間が、所定経過時間以上である場合、再生条件を満たすと判定する。所定経過時間は、予め設定された時間であり、DPF2の再生処理の実施が推奨される時間である。例えば、車両Cの使用頻度が少ない場合、DPF2に捕集された煤などが燃焼されにくくなるおそれがある。所定経過時間は、煤などの燃焼し易さなどに基づいて設定される。
【0058】
提案部14は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であり、かつ、前回のDPF2の再生処理の実施からの走行距離、および前回のDPF2の再生処理の実施からの経過時間の少なくとも1つに基づいた再生条件を満たす場合、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案する。
【0059】
制御部11は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であり、かつ、前回のDPF2の再生処理の実施からの走行距離、および前回のDPF2の再生処理の実施からの経過時間の少なくとも1つに基づいた再生条件を満たす場合、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案する。
【0060】
これにより、制御装置1は、DPF2の再生処理の実施が必要なタイミングであり、かつ走行中にDPF2の再生処理を終了させることができるタイミングで、ユーザにDPF2の再生処理の実施を促すことができる。
【0061】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る制御装置20について図4を参照し、説明する。ここでは、第1実施形態に係る制御装置1、および第2実施形態に係る制御装置1と異なる箇所について説明する。第1実施形態に係る制御装置1、および第2実施形態に係る制御装置1と同様の構成についての説明は省略される。図4は、第3実施形態に係る制御装置20の構成を示すブロック図である。
【0062】
制御部21は、取得部22と、判定部23と、実施部15とを備える。制御部21は、第1実施形態、および第2実施形態と異なり、ユーザによってDPF2の再生処理の実施が許可されたか否かを判定しない。また、制御部21は、DPF2の再生処理の実施をユーザに提案しない。
【0063】
取得部22は、走行経路に関する入力情報を取得する。
【0064】
判定部23は、所定の実施条件を満たすか否かを判定する。判定部23は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを判定する。判定部23は、走行経路に関する入力情報に基づいて、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であるか否かを判定する。さらに、判定部23は、前回のDPF2の再生処理の実施からの走行距離、および前回のDPF2の再生処理の実施からの経過時間の少なくとも1つに基づいた再生条件を満たすか否かを判定する。
【0065】
そして、判定部23は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であり、かつ、再生条件を満たす場合、所定の実施条件を満たすと判定する。判定部23は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況ではない場合、所定の実施条件を満たさないと判定する。判定部23は、再生条件を満たさない場合、所定の実施条件を満たさないと判定する。
【0066】
例えば、判定部23は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であり、かつ、前回のDPF2の再生処理の実施からの走行距離が所定走行距離以上である場合、所定の実施条件を満たすと判定する。なお、所定の実施条件は、他の実施条件を含んでもよい。
【0067】
次に、第3実施形態に係るDPF再生処理について図5を参照し説明する。図5は、第3実施形態に係るDPF再生処理を説明するフローチャートである。
【0068】
制御部21は、走行経路に関する入力情報を取得する(S100)。制御部21は、所定の実施条件を満たすか否かを判定する(S200)。制御部21は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であり、かつ、再生条件を満たす場合、所定の実施条件を満たすと判定する。制御部21は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況ではない場合、または再生条件を満たさない場合、所定の実施条件を満たさないと判定する。
【0069】
制御部21は、所定の実施条件を満たさない場合(S200:No)、今回の処理を終了する。制御部21は、所定の実施条件を満たす場合(S200:Yes)、DPF2の再生処理を実施する(S105)。
【0070】
制御装置20は、入力情報に基づいて、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況であり、かつ、前回のDPF2の再生処理の実施からの走行距離、および前回のDPF2の再生処理の実施からの経過時間の少なくとも1つに基づいた再生条件を満たす場合、DPF2の再生処理を実施する。
【0071】
これにより、制御装置20は、DPF2の再生処理の実施が必要なタイミングであり、かつ走行中にDPF2の再生処理を終了させることができるタイミングで、DPF2の再生処理を実施することができる。
【0072】
変形例に係る制御装置20は、DPF2の再生処理を実施可能な走行状況である場合に、DPF2の再生処理を実施してもよい。変形例に係る制御装置20は、前回のDPF2の再生処理の実施からの走行距離、および前回のDPF2の再生処理の実施からの経過時間の少なくとも1つに基づいた再生条件を満たす場合に、DPF2の再生処理を実施してもよい。
【0073】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1、20 制御装置
2 DPF(フィルタ)
3 エンジン
5 カーナビゲーション装置
11、21 制御部
12、22 取得部
13、23 判定部
14 提案部
15 実施部
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5