IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カヤバ工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-液圧モータ 図1
  • 特開-液圧モータ 図2
  • 特開-液圧モータ 図3
  • 特開-液圧モータ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118492
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】液圧モータ
(51)【国際特許分類】
   F03C 1/253 20060101AFI20230818BHJP
   F16D 55/22 20060101ALI20230818BHJP
   F16D 65/18 20060101ALI20230818BHJP
   F16D 125/06 20120101ALN20230818BHJP
   F16D 121/14 20120101ALN20230818BHJP
   F16D 121/06 20120101ALN20230818BHJP
【FI】
F03C1/253
F16D55/22 Z
F16D65/18
F16D125:06 Z
F16D121:14
F16D121:06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021464
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳
【テーマコード(参考)】
3H084
3J058
【Fターム(参考)】
3H084AA02
3H084AA08
3H084AA16
3H084AA45
3H084BB09
3H084CC12
3H084CC32
3H084CC62
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA59
3J058AA77
3J058AA79
3J058AA83
3J058AA88
3J058BA46
3J058BA61
3J058CC03
3J058CC07
3J058CC35
3J058CC72
3J058CC78
3J058EA02
3J058EA13
3J058FA42
(57)【要約】
【課題】液圧モータの製造コストを低減する。
【解決手段】油圧モータ1のブレーキ装置20は、シリンダブロック3とともに回転するディスクプレート21と、ディスクプレート21に対向して設けられる摩擦部材23と、ディスクプレート21の回転に対する摩擦力を生じさせるブレーキ作動機構30と、を有し、ブレーキ作動機構30は、ケース11に摺動可能に支持され摩擦部材23を介してディスクプレート21に押し付けられる環状のブレーキピストン40と、ブレーキピストン40とケース11との間に介装され、ブレーキピストン40を摩擦部材23に向けて付勢する付勢部材としてのスプリング50と、を有し、ブレーキピストン40は、ケース11に摺動可能に支持される樹脂部45と、樹脂部45の内側に設けられる金属部46と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧によって回転するシリンダブロックと、前記シリンダブロックと一体に回転する出力軸と、前記出力軸を回転自在に支持するケースと、ブレーキ装置と、を備える液圧モータであって、
前記ブレーキ装置は、
前記シリンダブロックとともに回転するディスクプレートと、
前記ディスクプレートに対向して設けられる摩擦部材と、
前記ディスクプレートの回転に対する摩擦力を生じさせるブレーキ作動機構と、を有し、
前記ブレーキ作動機構は、
前記ケースに摺動可能に支持され前記摩擦部材を介して前記ディスクプレートに押し付けられる環状のブレーキピストンと、
前記ブレーキピストンと前記ケースとの間に介装され、前記ブレーキピストンを前記摩擦部材に向けて付勢する付勢部材と、を有し、
前記ブレーキピストンは、
前記ケースに摺動可能に支持される樹脂部と、
前記樹脂部の内側に設けられる金属部と、を有することを特徴とする液圧モータ。
【請求項2】
請求項1に記載の液圧モータであって、
前記樹脂部は、加圧された液体が供給されることによって前記付勢部材の付勢力に抗して前記ブレーキピストンを移動させるためのブレーキ解除室を前記ケースとの間に形成する環状の段部を有し、
前記金属部は、前記段部の径方向内側に設けられる円筒部を有することを特徴とする液圧モータ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液圧モータであって、
前記樹脂部は、前記付勢部材の一部を収容する収容部を有することを特徴とする液圧モータ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の液圧モータであって、
前記金属部は、前記摩擦部材に対向する対向部を有することを特徴とする液圧モータ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の液圧モータであって、
前記金属部は、前記付勢部材が着座する着座部を有することを特徴とする液圧モータ。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一つに記載の液圧モータであって、
前記金属部は、前記摩擦部材に対向する対向部と、前記付勢部材が着座する着座部と、前記対向部と前記着座部との間にわたって設けられる円筒部と、を有し、
前記対向部と、前記着座部と、前記円筒部と、は一体に形成されることを特徴とする液圧モータ。
【請求項7】
請求項6に記載の液圧モータであって、
前記円筒部は、径方向に向かって湾曲するように波状に形成されることを特徴とする液圧モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧モータに関する。
【背景技術】
【0002】
油圧モータに用いられる摩擦作動式のブレーキ装置として、シリンダブロックとともに回転するディスクプレートと、ケースに回転不能に設けられるフリクションプレートと、ディスクプレートとフリクションプレートとを互いに押し付けることによって双方のプレートの間にて摩擦ブレーキ力を発生させるとともに、その押し付けを解除することによって摩擦ブレーキ力を解除可能なブレーキ作動機構と、を備えたブレーキ装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
ブレーキ作動機構は、出力軸の軸方向に移動可能な環状のブレーキピストンと、ケースとブレーキピストンとの間に介装されブレーキピストンをディスクプレートに向かって付勢する複数のスプリングと、圧油が供給されることによってスプリングの付勢力に抗してブレーキピストンを移動させるブレーキ解除室と、を備える。ブレーキピストンには、複数のスプリングが収装される複数の穴が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-75456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のようなブレーキ装置では、強度確保のために、ブレーキピストンを鋳物で形成することが一般的である。しかしながら、この場合は、鋳物を形成した後、外周面を表面加工するとともにスプリングが収装される複数の穴を穴あけ加工してブレーキピストンを形成するため、ブレーキピストンの形成に手間がかかる。そのため、ブレーキ装置の製造コストが高くなるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ブレーキピストンの強度を確保しつつ液圧モータの製造コストを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液圧によって回転するシリンダブロックと、シリンダブロックと一体に回転する出力軸と、出力軸を回転自在に支持するケースと、ブレーキ装置と、を備える液圧モータであって、ブレーキ装置は、シリンダブロックとともに回転するディスクプレートと、ディスクプレートに対向して設けられる摩擦部材と、ディスクプレートの回転に対する摩擦力を生じさせるブレーキ作動機構と、を有し、ブレーキ作動機構は、ケースに摺動可能に支持され摩擦部材を介してディスクプレートに押し付けられる環状のブレーキピストンと、ブレーキピストンとケースとの間に介装され、ブレーキピストンを摩擦部材に向けて付勢する付勢部材と、を有し、ブレーキピストンは、ケースに摺動可能に支持される樹脂部と、樹脂部の内側に設けられる金属部と、を有することを特徴とする。
【0008】
この発明では、ブレーキピストンは、樹脂部により摺動可能にケースに支持される。よって、ブレーキピストンでは、金属部はケースに摺動しないため、金属部の表面加工は不要となる。したがって、ブレーキピストンを容易に形成することができる。また、ブレーキピストンは金属部を有するため、ブレーキピストンの強度が確保される。
【0009】
本発明は、樹脂部は、加圧された液体が供給されることによって付勢部材の付勢力に抗してブレーキピストンを移動させるためのブレーキ解除室をケースとの間に形成する環状の段部を有し、金属部は、段部の径方向内側に設けられる円筒部を有することを特徴とする。
【0010】
この発明では、金属部の円筒部が、段部の径方向内側、言い換えれば、ブレーキ解除室の径方向内側に設けられる。そのため、ブレーキピストンの樹脂部がブレーキ解除室内の液体から圧力を受けて径方向内側へ変形することが、円筒部により防止される。よって、ブレーキピストンの強度が確保される。
【0011】
本発明は、樹脂部は、付勢部材の一部を収容する収容部を有することを特徴とする。
【0012】
この発明では、穴あけ加工をせずに、樹脂成型により収容部を有する樹脂部を容易に形成することができる。
【0013】
本発明は、金属部は、摩擦部材に対向する対向部を有することを特徴とする。
【0014】
この発明では、ブレーキピストンにおける摩擦部材との圧接部の強度を確保できる。さらに、樹脂部よりも摩擦係数の高い金属部が摩擦部材に対向するため、ブレーキピストンを摩擦部材に圧接させた際に生じる摩擦力が大きくなる。
【0015】
本発明は、金属部は、付勢部材が着座する着座部を有することを特徴とする。
【0016】
この発明では、樹脂部よりも強度の高い金属部の着座部により、付勢部材からの荷重を受けることができる。
【0017】
本発明は、金属部は、摩擦部材に対向する対向部と、付勢部材が着座する着座部と、対向部と着座部との間にわたって設けられる円筒部と、を有し、対向部と、着座部と、円筒部と、は一体に形成されることを特徴とする。
【0018】
この発明では、部品点数が少なくなり、液圧モータの製造コストが低減される。
【0019】
本発明は、円筒部は、径方向に向かって湾曲するように波状に形成されることを特徴とする。
【0020】
この発明では、円筒部の強度が向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ブレーキピストンの強度を確保しつつ液圧モータの製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る油圧モータの全体構成を示す断面図であり、ブレーキ作動機構がディスクプレートの回転に対する摩擦力を生じさせた状態を示す。
図2図1のブレーキ装置を拡大して示す断面図である。
図3】変形例1に係るブレーキ装置を示す断面図であり、図2に対応して示す。
図4】変形例2に係るブレーキ装置を示す断面図であり、図2に対応して示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照して、本発明の実施形態に係る液圧モータについて説明する。
【0024】
図1図2を参照して、本発明の実施形態に係る液圧モータとしての油圧モータ1について説明する。図1は、ブレーキ装置20を備える油圧モータ1の全体構成を示す断面図であり、後述するブレーキ作動機構30が後述するディスクプレート21の回転に対する摩擦力を生じさせた状態を示す。図2は、図1の領域IIを拡大して示したものであり、油圧モータ1のブレーキ装置20を拡大して示す断面図である。
【0025】
まず、図1を参照して油圧モータ1の全体構成について説明する。油圧モータ1は、例えば、パワーショベル等の建設機械の走行装置に用いられる斜板式の油圧モータである。
【0026】
油圧モータ1は、負荷(図示せず)に連結された出力軸2と、出力軸2に連結され出力軸2と一体に回転するシリンダブロック3と、出力軸2及びシリンダブロック3を収容する金属製のケース11と、ブレーキ装置20と、を備える。出力軸2はケース11に軸受17,18を介して回転自在に支持されている。以下では、出力軸2の中心軸に沿った方向を単に「軸方向」とも称し、出力軸2の円周方向を単に「周方向」とも称し、出力軸2の径方向を単に「径方向」とも称する。
【0027】
ケース11は、例えばアルミニウムで形成される。ケース11は、シリンダブロック3及び後述するブレーキ作動機構30を収容する第一ケース12と、ボルトを介して第一ケース12に結合される第二ケース13と、に分割される。第一ケース12は、内周面の一部が、後述するブレーキ作動機構30のブレーキピストン40の形状に対応して形成される。第二ケース13は、有底箱状の第一ケース12の開口部を覆うように第一ケース12に取り付けられる。
【0028】
シリンダブロック3における出力軸2を中心とする同心円上には、出力軸2と平行に複数のシリンダ4が開口している。それぞれのシリンダ4には、容積室5を形成するピストン6が往復摺動自在に挿入されている。
【0029】
ピストン6の先端には球面座10を介してシュー9が連結されている。シュー9は、第一ケース12に固定された斜板7に面接触している。シリンダブロック3が回転するのに伴って、各シュー9が斜板7に摺接し、各ピストン6が斜板7の傾転角度に応じたストローク量で往復動する。
【0030】
第二ケース13とシリンダブロック3との間には、シリンダブロック3の基端面が摺接するバルブプレート8が取り付けられている。バルブプレート8は油圧源(図示せず)に連通する供給ポート8aと、タンク(図示せず)に連通する排出ポート8bと、を有する。油圧源から供給ポートを介して各容積室5に導かれる油圧によって各ピストン6がシリンダ4から突出し、各ピストン6がシュー9を介して斜板7を押すことにより、シリンダブロック3が回転する。そして、シリンダブロック3の回転が出力軸2を介して負荷に伝達される。
【0031】
ブレーキ装置20は、停止状態のシリンダブロック3が回転することを防止する摩擦制動式のものである。なお、本実施形態では、油圧モータ1は走行装置に用いられるため、油圧モータ1を制動するブレーキ装置20は駐車ブレーキ装置として機能する。図1及び図2を参照して、ブレーキ装置20について説明する。
【0032】
ブレーキ装置20は、シリンダブロック3とともに回転するディスクプレート21と、ディスクプレート21に対向して設けられる摩擦部材23と、ディスクプレート21の回転に対する摩擦力を生じさせるブレーキ作動機構30と、を有する。本実施形態では、摩擦部材23は、ディスクプレート21に貼り付けられることで、ディスクプレート21に対向して設けられる。
【0033】
ディスクプレート21は、円環形状であり、内周にはスプライン(図示せず)が形成されている。シリンダブロック3の外周には、出力軸2の軸方向に延在して形成されたスプライン3aが形成されている。ディスクプレート21の歯とシリンダブロック3のスプライン3aとが噛み合うことによって、ディスクプレート21は、シリンダブロック3の回転に伴って回転し、かつ出力軸2の軸方向に移動することができる。このように、ディスクプレート21は、シリンダブロック3の外周にスプライン係合している。
【0034】
ディスクプレート21の両面には、円環形状の摩擦部材23が貼り付けられている。具体的には、ディスクプレート21の図2における上側の面に対向するように第一摩擦部材23aが貼り付けられるとともに、ディスクプレート21の図2における下側の面に対向するように第二摩擦部材23bが貼り付けられている。
【0035】
ブレーキ作動機構30は、第一ケース12に摺動可能に支持され摩擦部材23を介してディスクプレート21に押し付けられるブレーキピストン40と、ブレーキピストン40と第二ケース13との間に介装され、ブレーキピストン40を摩擦部材23に向けて付勢する付勢部材としてのスプリング50と、を有する。スプリング50は、周方向に複数設けられる。
【0036】
ブレーキピストン40は、出力軸2の軸方向に移動可能に設けられる環状部材である。ブレーキピストン40は、第一ケース12の内周面12aに沿って摺動する摺動部41と、摺動部41に一体に設けられ対向する摩擦部材23(第一摩擦部材23a)を圧接させるピストン部42と、を有する。
【0037】
摺動部41は、環状に形成され、ピストン部42よりも第二ケース13側に設けられる。摺動部41と第一ケース12の内周面12aの間には、両者の間を通じた油の流れを封止するシール部材60が設けられる。摺動部41のピストン部42とは反対側の面には、スプリング50の一部を収容しスプリング50が着座する孔状の複数のスプリング収容部41aと、ブレーキピストン40を第二ケース13に固定するためのピン穴41b(図1参照)と、が設けられる。ブレーキピストン40のピン穴41b及び第二ケース13のピン穴(図示せず)にピン51(図1参照)が挿入されることにより、ブレーキピストン40が第二ケース13に固定される。なお、スプリング収容部41aは、スプリング50の一部を収容する環状の溝であってもよい。
【0038】
ピストン部42は、環状に形成され、摺動部41と比較して外径が小さく形成される。ピストン部42は、第一ケース12において内周面12aよりも小径に形成される内周面12bに沿って摺動する。ピストン部42と内周面12bの間には、両者の間を通じた作動油の流れを封止するシール部材61が設けられる。ピストン部42は、端部42aが第一摩擦部材23aに対向する。
【0039】
ここで、第一ケース12には、内周面12bと連続し内周面12bから出力軸2に向けて突出する鍔部12dが形成される。ブレーキピストン40が摩擦部材23及びディスクプレート21を変位させるにつれて、摩擦部材23及びディスクプレート21が鍔部12dに接近する。そして、最終的には図1,2に示すように、ブレーキピストン40のピストン部42の端部42aにより摩擦部材23及びディスクプレート21が鍔部12dに押し付けられる。これにより、第一摩擦部材23aがピストン部42の端部42aに圧接されて両者の間で摩擦力が発生し、第二摩擦部材23bが鍔部12dに圧接されて両者の間で摩擦力が発生する。
【0040】
このように、ブレーキ作動機構30では、スプリング50の付勢力によりブレーキピストン40が摩擦部材23を介してディスクプレート21に押し付けられる。これにより、摩擦部材23及びディスクプレート21が第一ケース12の鍔部12dに押し付けられる。このようにして、摩擦部材23がブレーキピストン40のピストン部42の端部42a及び第一ケース12の鍔部12dに圧接される。これにより、ブレーキ作動機構30は、ディスクプレート21の回転に対する摩擦力、言い換えればブレーキ力を生じさせる。このようにして、油圧モータ1のブレーキ動作が行われる。
【0041】
また、摺動部41とピストン部42の間には、径方向に延びる環状の段部43が形成される。段部43は、軸方向に対して垂直な面である。段部43は、第一ケース12において内周面12aと内周面12bの間に設けられる段部12cに隙間を空けて対向し、当該隙間であるブレーキ解除室28を形成する。言い換えれば、段部43は、ブレーキ解除室28を第一ケース12との間に形成する。ブレーキ解除室28は、加圧された油が供給されることによってスプリング50の付勢力に抗してブレーキピストン40を移動させるためのものである。ブレーキ解除室28は、図示しない油圧回路を介してタンクまたは油圧供給源に選択的に接続されており、接続先を切り換えることによりブレーキ解除室28内への圧油の給排が行われる。ブレーキ解除室28が油圧供給源に接続されると、ブレーキ解除室28に加圧された油が供給され、ブレーキピストン40がスプリング50の付勢力に抗して移動する。これにより、第一摩擦部材23aとピストン部42の端部42aの間、及び第二摩擦部材23bと第一ケース12の鍔部12dの間に摩擦力が生じるブレーキ動作が解除される。一方で、ブレーキ解除室28がタンクに接続されると、ブレーキ解除室28内の油が排出され、ブレーキピストン40がスプリング50の付勢力により移動する。これにより、第一摩擦部材23aとピストン部42の端部42aの間、及び第二摩擦部材23bと第一ケース12の鍔部12dの間に摩擦力が生じ、ブレーキ動作がされる。
【0042】
このような形状の本実施形態のブレーキピストン40は、樹脂製の樹脂部45と、樹脂部45の内側(具体的には、径方向内側)に設けられる金属部46と、から形成される。本実施形態では、金属部46は、樹脂部45と一体に形成されブレーキピストン40を補強する。
【0043】
樹脂部45は、ブレーキピストン40の外形を形成し、ケース11に摺動可能に支持される環状部である。具体的には、樹脂部45は、摺動部41及びピストン部42のそれぞれの外周面及び内周面を形成し、第一ケース12の内周面12a及び内周面12bに摺動可能に支持される。また、樹脂部45は、摺動部41とピストン部42の間の段部43を形成する。言い換えれば、樹脂部45は段部43を有する。さらに、樹脂部45は、スプリング50の一部を収容する孔状の複数のスプリング収容部41aを形成する。
【0044】
金属部46は、摺動部41とピストン部42にわたって設けられる円筒部46aと、第一摩擦部材23aに対向する対向部46bと、スプリング50が着座する着座部46cと、を有する。円筒部46aは、段部43よりも径方向内側に設けられ、摺動部41のスプリング収容部41aの底部からピストン部42の端部42aにわたって設けられる。対向部46bは、環状に形成され、ピストン部42の端部42aに全周にわたって設けられる。着座部46cは、円状に形成され、摺動部41の複数のスプリング収容部41aの底部にそれぞれ設けられる。着座部46cは、樹脂部45よりも強度が高く、例えば、圧延鋼板等の低炭素鋼で1~3ミリ程度の厚さに形成される。このように、金属部46では、円筒部46aが対向部46bと着座部46cとの間にわたって設けられる。本実施形態では、円筒部46a、対向部46b、及び着座部46cは、それぞれ異なる部材である。
【0045】
このように、本実施形態のブレーキピストン40では、金属部46の円筒部46aが、段部43の径方向内側、言い換えれば、ブレーキ解除室28の径方向内側に設けられる。具体的には、円筒部46aは、段部43の延長線と交差するように設けられる。樹脂部45には、ブレーキ解除室28に供給された油から、径方向内側に向かう力、つまり樹脂部45が出力軸2に向かって収縮する力が作用する。仮にブレーキピストンが金属部を有さない場合では、樹脂部の外周面が出力軸に向かって収縮することで樹脂部と第一ケースの間の気密性が低下し、両者の間からブレーキ解除室内の油が漏出してブレーキ装置の動作に悪影響を及ぼすおそれがある。これに対し、本実施形態のブレーキピストン40では、上記のように金属部46の円筒部46aが設けられるため、樹脂部45がブレーキ解除室28内の油から圧力を受けて径方向内側へ変形することが、円筒部46aにより防止される。よって、ブレーキピストン40の強度が確保され、ブレーキ解除室28内の油が漏出することが防止される。
【0046】
また、本実施形態のブレーキピストン40では、金属部46の対向部46bが第一摩擦部材23aに対向する。つまり、ブレーキ装置20のブレーキ動作時には、第一摩擦部材23aと対向部46bの間に摩擦力が生じる。よって、ブレーキピストン40における第一摩擦部材23aとの圧接部の強度が確保される。さらに、金属部46は、樹脂部45よりも摩擦係数が高いため、ブレーキピストン40を第一摩擦部材23aに圧接させた際に生じる摩擦力が大きくなる。よって、ブレーキ装置20のブレーキ力を大きくすることができる。
【0047】
また、本実施形態のブレーキピストン40では、金属部46の着座部46cにスプリング50が着座する。そのため、樹脂部45よりも強度の高い着座部46cにより、スプリング50からの荷重を受けることができる。よって、ブレーキピストン40の強度が確保される。
【0048】
さらに、本実施形態のブレーキピストン40は、樹脂部45が第一ケース12の内周面12a及び内周面12bに支持され、樹脂部45がブレーキ解除室28を形成する段部43を有する。つまり、ブレーキピストン40では、樹脂部45がブレーキ解除室28に面する。樹脂部45は、金属部46よりも熱を伝達しにくいため、ブレーキ装置20のブレーキ動作時において対向部46bで生じる摩擦熱が、樹脂部45を通じてブレーキ解除室28内の油に伝達されにくい。そのため、ブレーキ装置20のブレーキ動作が安定となる。
【0049】
本実施形態のブレーキピストン40は、ブレーキピストン40の形状に対応する金型を用いて、樹脂成型により成形される。具体的には、あらかじめ鋳物で金属部46の円筒部46a、対向部46b、及び着座部46cを成形し、金型内の対応する位置に組み込む。その後、金型内に樹脂部45の材料となる樹脂を充填して、ブレーキピストン40を成形する。これにより、樹脂部45、円筒部46a、対向部46b、及び着座部46cが一体に成形される。なお、ブレーキピストン40は、金属部46の円筒部46aを金型内の対応する位置に組み込んで金型内に樹脂部45の材料となる樹脂を充填した後、金属部46の対向部46b及び着座部46cを、樹脂部45に直接埋め込むことや楔等を用いることにより樹脂部45に固定するなどしてもよい。これによっても、樹脂部45、円筒部46a、対向部46b、及び着座部46cは一体に成形される。
【0050】
ここで、ブレーキ装置では、強度確保のために、ブレーキピストンを鋳物で形成することが一般的である。しかしながら、この場合は、鋳物を形成した後、外周面を表面加工するとともにスプリングが収装される複数の穴を穴あけ加工してブレーキピストンを形成する。鋳物の外周面の表面加工は、鋳物で形成されるピストンがケースに摺動する際の摩擦力の低減のために行われる。また、スプリングが収装される複数の穴の穴あけ加工は、スプリングの座面の精度確保のため、鋳物を形成した後に行われる。このように、鋳物で形成される一般的なブレーキピストンでは、ブレーキピストンの形成に手間がかかる。そのため、ブレーキ装置の製造コストが高くなるおそれがある。
【0051】
本実施形態のブレーキピストン40は、樹脂部45により第一ケース12の内周面12a及び内周面12bに摺動可能に支持される。よって、ブレーキピストン40では、樹脂部45における第一ケース12の内周面12a及び内周面12bとの摺動面(言い換えれば、摺動部41とピストン部42の外周面)に表面加工がされる。金属部46は、第一ケース12に摺動しないため、表面加工が不要となる。樹脂部45における第一ケース12の内周面12a及び内周面12bとの摺動面に表面加工をする場合は、樹脂部45は金属部46よりも容易に表面加工ができるため、ブレーキピストン40を容易に形成することができる。よって、ブレーキ装置20の製造コストを低減し、油圧モータ1の製造コストを低減することができる。さらに、ブレーキピストン40は金属部46を有するため、上記のようにブレーキピストン40の強度が確保される。
【0052】
また、本実施形態のブレーキピストン40は、外形が樹脂部45で形成される。そのため、ブレーキピストン40の形状に対応した型を用いて樹脂成型をすることにより、穴あけ加工をせずに、スプリング収容部41aを有する樹脂部45を容易に形成することができる。よって、ブレーキ装置20の製造コストを低減することができる。
【0053】
また、本実施形態のブレーキピストン40は、樹脂部45と金属部46が一体に形成される。そのため、ブレーキ装置20の組立性が向上し、ブレーキ装置20製造コストを低減することができる。なお、ブレーキピストン40は、樹脂部45と金属部46が別体に形成されてもよい。
【0054】
また、樹脂部45は金属よりも滑らかで摩擦係数が低いため、ブレーキピストン40では、ブレーキピストン40が第一ケース12に摺動する際の摩擦力が低い。よって、ブレーキピストン40と第一ケース12の摺動面のフリクションが低減され、ブレーキピストン40がブレーキ動作及び解除のために移動しやすくなる。そのため、ブレーキ装置20のブレーキ動作及び解除の動作のレスポンスが向上する。さらに、一般的な鋳物で形成される金属製のブレーキピストンが金属製のケースに摺動する場合と比較して、両者の摺動面が傷つきにくくなる。そのため、ブレーキピストン40と第一ケース12の摺動面のシール性が摺動面に生じた傷により低下するということが防止され、ブレーキ装置20のブレーキ動作が安定となる。
【0055】
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0056】
ブレーキピストン40は、樹脂部45により第一ケース12の内周面12a及び内周面12bに支持される。そのため、ブレーキピストン40では、樹脂部45における第一ケース12の内周面12a及び内周面12bとの摺動面に表面加工がされる。樹脂部45は金属部46よりも容易に表面加工ができるため、ブレーキピストン40を容易に形成することができる。
【0057】
ブレーキピストン40は、外形が樹脂部45で形成されるため、ブレーキピストン40の形状に対応した型を用いることで、穴あけ加工をせずに、樹脂成型によりスプリング収容部41aを有する樹脂部45を容易に形成することができる。
【0058】
ブレーキピストン40では、金属部46の円筒部46aが設けられるため、樹脂部45がブレーキ解除室28内の油から圧力を受けて径方向内側へ変形することが、円筒部46aにより防止される。よって、ブレーキピストン40の強度が確保され、ブレーキ解除室28内の油が漏出することが防止される。
【0059】
ブレーキピストン40では、ブレーキ装置20のブレーキ動作時には、第一摩擦部材23aと対向部46bの間に摩擦力が生じるため、第一摩擦部材23aとの圧接部の強度が確保される。さらに、金属部46は、樹脂部45よりも摩擦係数が高いため、ブレーキピストン40を第一摩擦部材23aに圧接させた際に生じる摩擦力が大きくなり、ブレーキ装置20のブレーキ力を大きくすることができる。
【0060】
ブレーキピストン40では、金属部46の着座部46cにスプリング50が着座するため、樹脂部45よりも強度の高い着座部46cにより、スプリング50からの荷重を受けることができ、ブレーキピストン40の強度が確保される。
【0061】
次に、本実施形態の変形例について説明する。以下では、上記実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成については同一の符号を付して説明を適宜省略する。以下のような変形例も本発明の範囲内であり、以下の変形例と上記実施形態の各構成とを組み合わせたり、以下の変形例同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0062】
<変形例1>
上記実施形態では、金属部46は、円筒部46a、対向部46b、及び着座部46cがそれぞれ異なる部材である。これに限らず、金属部46は、円筒部46a、対向部46b、及び着座部46cが一体に形成されてもよい。具体的には、金属部46は、素材となる一つの金属板にプレス加工等を行うことで、円筒部46a、対向部46b、及び着座部46cが一体に形成される。これにより、部品点数が少なくなり、油圧モータ1の製造コストが低減される。さらに、図3に示すように、強度を高めるために円筒部46aが径方向に向かって湾曲するように波状に形成されてもよい。この構成では、円筒部46aの強度が向上し、ブレーキピストン40の強度が向上される。また、円筒部46aの強度が向上するため、設計に応じて円筒部46aの厚さ(径方向の長さ)を小さくすることができる。
【0063】
<変形例2>
上記実施形態では、樹脂部45がブレーキピストン40の外形を形成し、金属部46の円筒部46aが摺動部41とピストン部42にわたって設けられる。言い換えれば、ブレーキピストン40において樹脂部45が金属部46よりも大きい体積を占め、樹脂部45がブレーキピストン40の本体を構成する。これに限らず、図4に示すように、ブレーキピストン40において金属部46が樹脂部45よりも大きい体積を占め、金属部46がブレーキピストン40の本体を構成する構成であってもよい。具体的には、樹脂部45が、摺動部41及びピストン部42における第一ケース12との摺動面と、摺動部41の複数のスプリング収容部41aと、を形成し、金属部46が、ブレーキピストン40における他の部分を形成してもよい。この構成であっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0064】
また、金属部46の対向部46b及び着座部46cは、ブレーキ装置20に必須の構成ではない。つまり、ブレーキピストン40は、金属部46の外周面の表面加工を不要とするとともにブレーキピストン40の強度を確保するため、少なくとも、第一ケース12に摺動可能に支持される環状の樹脂部45と、樹脂部45と一体に形成されブレーキピストン40を補強する金属部46と、を有する構成であればよい。
【0065】
<変形例3>
上記実施形態では、金属部46の着座部46cは、摺動部41の複数のスプリング収容部41aの底部にそれぞれ設けられる。これに限らず、着座部46cは、スプリング50からの荷重に対する強度が確保できれば、一部のスプリング収容部41aの底部にのみ設けられてもよい。また、着座部46cは、スプリング収容部41aのそれぞれの底部の全体に設けられてもよく、それぞれの底部の一部のみに設けられてもよい。この構成であっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0066】
<変形例4>
上記実施形態では、ブレーキピストン40はブレーキピストン40を補強する金属部46を有し、金属部46は、円筒部46aと、対向部46bと、着座部46cと、を有する。これに限らず、ブレーキピストン40を補強できれば、金属部46の一部が例えば樹脂部45よりも硬い樹脂で形成されてもよい。言い換えれば、ブレーキピストン40は、一部が金属(金属部46)で形成されればよい。具体的には、円筒部46aに対応する領域が樹脂部45よりも硬い樹脂で形成され、樹脂部45がブレーキ解除室28内の油から圧力を受けて径方向内側へ変形することが防止される構成であってもよい。この構成であっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0067】
<変形例5>
上記実施形態では、摩擦部材23は、ディスクプレート21に貼り付けられることで、ディスクプレート21に対向して設けられる。これに限らず、摩擦部材23は、第一摩擦部材23aが金属部46の対向部46bやピストン部42の端部42aに設けられ、第二摩擦部材23bが第一ケース12の鍔部12dに設けられることで、ディスクプレート21に対向して設けられてもよい。この構成であっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0068】
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
【0069】
液圧によって回転するシリンダブロック3と、シリンダブロック3と一体に回転する出力軸2と、出力軸2を回転自在に支持するケース11と、ブレーキ装置20と、を備える液圧モータとしての油圧モータ1は、シリンダブロック3とともに回転するディスクプレート21と、ディスクプレート21に対向して設けられる摩擦部材23と、ディスクプレート21の回転に対する摩擦力を生じさせるブレーキ作動機構30と、を有し、ブレーキ作動機構30は、ケース11に摺動可能に支持され摩擦部材23を介してディスクプレート21に押し付けられる環状のブレーキピストン40と、ブレーキピストン40とケース11との間に介装され、ブレーキピストン40を摩擦部材23に向けて付勢する付勢部材としてのスプリング50と、を有し、ブレーキピストン40は、ケース11に摺動可能に支持される樹脂部45と、樹脂部45の内側に設けられる金属部46と、を有する。
【0070】
この構成では、ブレーキピストン40は、樹脂部45により摺動可能にケース11に支持される。よって、ブレーキピストン40では、金属部46はケース11に摺動しないため、金属部46の表面加工は不要となる。したがって、ブレーキピストン40を容易に形成することができる。また、ブレーキピストン40は金属部46を有するため、ブレーキピストン40の強度が確保される。
【0071】
油圧モータ1のブレーキ装置20では、樹脂部45は、加圧された液体が供給されることによってスプリング50の付勢力に抗してブレーキピストン40を移動させるためのブレーキ解除室28をシリンダブロック3との間に形成する環状の段部43を有し、金属部46は、段部43の径方向内側に設けられる円筒部46aを有する。
【0072】
この構成では、金属部46の円筒部46aが、段部43の径方向内側、言い換えれば、ブレーキ解除室28の径方向内側に設けられる。そのため、ブレーキピストン40の樹脂部45がブレーキ解除室28内の液体から圧力を受けて径方向内側へ変形することが、円筒部46aにより防止される。よって、ブレーキピストン40の強度が確保される。
【0073】
油圧モータ1のブレーキ装置20では、樹脂部45は、スプリング50の一部を収容する収容部としてのスプリング収容部41aを有する。
【0074】
この構成では、ブレーキピストン40は、穴あけ加工をせずに、樹脂成型によりスプリング収容部41aを有する樹脂部45を容易に形成することができる。
【0075】
油圧モータ1のブレーキ装置20では、金属部46は、摩擦部材23に対向する対向部46bを有する。
【0076】
この構成では、ブレーキピストン40における摩擦部材23との圧接部の強度を確保できる。さらに、樹脂部45よりも摩擦係数の高い金属部46が摩擦部材23に対向するため、ブレーキピストン40を摩擦部材23に圧接させた際に生じる摩擦力が大きくなる。
【0077】
油圧モータ1のブレーキ装置20では、金属部46は、スプリング50が着座する着座部46cを有する。
【0078】
この構成では、樹脂部45よりも強度の高い金属部46の着座部46cにより、スプリング50からの荷重を受けることができる。
【0079】
油圧モータ1のブレーキ装置20では、金属部46は、摩擦部材23に対向する対向部46bと、スプリング50が着座する着座部46cと、対向部46bと着座部46cとの間にわたって設けられる円筒部46aと、を有し、対向部46bと、着座部46cと、円筒部46aと、は一体に形成される。
【0080】
この構成では、部品点数が少なくなり、油圧モータ1の製造コストが低減される。
【0081】
油圧モータ1のブレーキ装置20では、円筒部46aは、径方向に向かって湾曲するように波状に形成される。
【0082】
この構成では、円筒部46aの強度が向上する。
【0083】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0084】
1・・・油圧モータ(液圧モータ)、2・・・出力軸、3・・・シリンダブロック、11・・・ケース、20・・・ブレーキ装置、21・・・ディスクプレート、23・・・摩擦部材、28・・・ブレーキ解除室、30・・・ブレーキ作動機構、40・・・ブレーキピストン、41a・・・スプリング収容部、42・・・段部、45・・・樹脂部、46・・・金属部、46a・・・円筒部、46b・・・、対向部、46c・・・着座部、50・・・スプリング(付勢部材)
図1
図2
図3
図4