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特開2023-118501半田及びフラックスの印刷方法、印刷装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118501
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】半田及びフラックスの印刷方法、印刷装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
H05K3/34 503A
H05K3/34 503B
H05K3/34 505Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】44
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021479
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】河村 至徳
(72)【発明者】
【氏名】辻田 和真
(72)【発明者】
【氏名】房安 浩嗣
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AC01
5E319BB01
5E319CD21
5E319CD22
5E319CD29
5E319GG20
(57)【要約】
【課題】大型の実装部品、小型の実装部品に対応し、最適な量の半田を適切な位置に適切な量だけ印刷する。
【解決手段】基板100上に半田とフラックスを印刷する方法であって、基板100上に直接または他の層を介して、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第1フラックス層101を印刷する工程と、第1フラックス層101上に、半田を含む材料からなる第1半田層102を印刷する工程と、第1半田層102上に、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第2フラックス層103を印刷する工程と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に半田及びフラックスを印刷する方法であって、
前記基板上に直接または他の層を介して、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第1フラックス層を印刷する工程と、
前記第1フラックス層上に、半田を含む材料からなる第1半田層を印刷する工程と、
前記第1半田層上に、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第2フラックス層を印刷する工程と、
を備える、
印刷方法。
【請求項2】
前記基板上に直接、前記第1フラックス層を印刷する、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項3】
前記第1フラックス層、前記第1半田層、又は、前記第2フラックス層を印刷する工程は、それぞれ、前記第1フラックス層、前記第1半田層、又は、前記第2フラックス層を定着させる工程を含み、
定着された前記第2フラックス層の面積は、印刷された前記第1半田層の面積よりも大きく、かつ、
定着された前記第1フラックス層の面積は、印刷された前記第1半田層の面積よりも大きい、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項4】
前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を印刷する工程は、それぞれ、前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を定着させる工程を含み、
定着された前記第2フラックス層の面積は、定着された前記第1フラックス層の面積と同一かまたは小さい、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項5】
前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を印刷する工程は、それぞれ、前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を定着させる工程を含み、
定着された前記第1フラックス層の厚さが10μm以上であり、かつ、定着された前記第2フラックス層の厚さが10μm以上である、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項6】
前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を印刷する工程は、それぞれ、前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を定着させる工程を含み、
定着された前記第1フラックス層の厚さが400μm以下であり、かつ、定着された前記第2フラックス層の厚さが400μm以下である、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項7】
前記第1半田層を印刷する工程は、前記第1半田層を定着させる工程を含み、
定着された前記第1半田層の厚さが10μm以上である、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項8】
前記第1半田層を印刷する工程は、前記第1半田層を定着させる工程を含み、
定着された前記第1半田層の厚さが400μm以下である、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項9】
さらに、
第kフラックス層上に、半田を含む材料からなる第k半田層を印刷する工程と、
前記第k半田層上に、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第(k+1)フラックス層を印刷する工程と、
を備え、
kは2以上の整数であり、kを1ずつ増加させながら、kがn(nは2以上の整数)に達するまで、第k半田層を印刷する工程と、第(k+1)フラックス層を印刷する工程とを繰り返す、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項10】
最後に印刷する工程は、第(n+1)フラックス層を印刷する工程である、
請求項9に記載の印刷方法。
【請求項11】
前記第kフラックス層、前記第k半田層、又は、前記第(k+1)フラックス層を印刷する工程は、それぞれ、前記第kフラックス層、前記第k半田層、又は、前記第(k+1)フラックス層を定着させる工程を含み、
定着された前記第kフラックス層の面積は、定着された前記第k半田層の面積よりも大きく、かつ、
定着された前記第(k+1)フラックス層の面積は、定着された前記第k半田層の面積よりも大きい、
請求項9に記載の印刷方法。
【請求項12】
前記第kフラックス層、又は、前記第(k+1)フラックス層を印刷する工程は、それぞれ、前記第kフラックス層、又は、前記第(k+1)フラックス層を定着させる工程を含み、
定着された前記第(k+1)フラックス層の面積は、定着された前記第kフラックス層の面積以下である、
請求項9に記載の印刷方法。
【請求項13】
前記第k半田層、又は、前記第(k+1)半田層を印刷する工程は、それぞれ、前記第k半田層、又は、前記第(k+1)半田層を定着させる工程を含み、
定着された前記第(k+1)半田層の面積は、定着された前記第k半田層の面積以下である、
請求項9に記載の印刷方法。
【請求項14】
前記第1フラックス層と前記第2フラックス層の少なくとも一方は、粉末形状のフラックスを電子写真印刷で定着させることにより形成される、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項15】
前記第1半田層は、粉末形状の半田を電子写真印刷で定着させることにより形成される、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項16】
前記第1フラックス層と前記第2フラックス層の少なくとも一方は、第1の感光体ドラムを用いた電子写真印刷で粉末形状のフラックスを定着させることにより形成され、
前記第1半田層は、前記第1の感光体ドラムとは別の第2の感光体ドラムを用いた電子写真印刷で粉末形状の半田を定着させることにより形成される、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項17】
前記基板をステージに載せ、前記ステージを前記第1の感光体ドラム近傍と前記第2の感光体ドラム近傍の間で移動させる工程をさらに有する、
請求項16に記載の印刷方法。
【請求項18】
前記第1フラックス層と前記第2フラックス層の少なくとも一方は、第1の感光体ドラムを用いた電子写真印刷で粉末形状のフラックスを定着させることにより形成され、
前記第1半田層は、前記第1の感光体ドラムを用いた電子写真印刷で粉末形状の半田を定着させることにより形成される、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項19】
前記第1フラックス層及び前記第2フラックス層を印刷する工程は、粉末形状のフラックスを感光体ドラムを用いて電子写真印刷で定着させることにより形成する工程であり、
前記第2フラックス層を印刷するときの、前記感光体ドラムと前記基板との距離を、前記第1フラックス層を印刷するときの、前記感光体ドラムと前記基板との距離よりも大きくする、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項20】
レーザー変位計を用いて前記感光体ドラムと前記基板との距離を計測する、
請求項18に記載の印刷方法。
【請求項21】
前記第1半田層を印刷する前に、前記第1フラックス層を加熱する、
請求項1に記載の印刷方法。
【請求項22】
前記第2フラックス層を印刷する前には、前記第1半田層を加熱しない、
請求項20に記載の印刷方法。
【請求項23】
基板上に半田及びフラックスを印刷する装置であって、
前記基板上に直接または他の層を介して、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第1フラックス層を印刷し、
前記第1フラックス層上に、半田を含む材料からなる第1半田層を印刷し、
前記第1半田層上に、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第2フラックス層を印刷する、
印刷装置。
【請求項24】
前記印刷装置は、前記基板上に直接、前記第1フラックス層を印刷する、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項25】
前記印刷装置は、前記第1フラックス層、前記第1半田層、又は、前記第2フラックス層の印刷においては、それぞれ、前記第1フラックス層、前記第1半田層、又は、前記第2フラックス層を定着させ、
定着された前記第2フラックス層の面積は、印刷された前記第1半田層の面積よりも大きく、かつ、
定着された前記第1フラックス層の面積は、印刷された前記第1半田層の面積よりも大きい、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項26】
前記印刷装置は、前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を印刷において、それぞれ、前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を定着させ、
定着された前記第2フラックス層の面積は、定着された前記第1フラックス層の面積と同一かまたは小さい、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項27】
前記印刷装置は、前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を印刷において、それぞれ、前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を定着させ、
定着された前記第1フラックス層の厚さが10μm以上であり、かつ、定着された前記第2フラックス層の厚さが10μm以上である、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項28】
前記印刷装置は、前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を印刷において、それぞれ、前記第1フラックス層、又は、前記第2フラックス層を定着させ、
定着された前記第1フラックス層の厚さが400μm以下であり、かつ、定着された前記第2フラックス層の厚さが400μm以下である、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項29】
前記印刷装置は、前記第1半田層を印刷する工程において、前記第1半田層を定着させ、
定着された前記第1半田層の厚さが10μm以上である、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項30】
前記印刷装置は、前記第1半田層を印刷する工程において、前記第1半田層を定着させ、
定着された前記第1半田層の厚さが400μm以下である、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項31】
前記印刷装置は、さらに、
前記第1印刷部は、第kフラックス層上に、半田を含む材料からなる第k半田層を印刷し、
前記第2印刷部は、前記第k半田層上に、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第(k+1)フラックス層を印刷し、
kは2以上の整数であり、kを1ずつ増加させながら、kがn(nは2以上の整数)に達するまで、第k半田層の印刷と、第(k+1)フラックス層の印刷を繰り返す、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項32】
最後に印刷するのは、第(n+1)フラックス層である、
請求項31に記載の印刷装置。
【請求項33】
前記印刷装置は、前記第kフラックス層、前記第k半田層、又は、前記第(k+1)フラックス層を印刷において、それぞれ、前記第kフラックス層、前記第k半田層、又は、前記第(k+1)フラックス層を定着させ、
定着された前記第kフラックス層の面積は、定着された前記第k半田層の面積よりも大きく、かつ、
定着された前記第(k+1)フラックス層の面積は、定着された前記第k半田層の面積よりも大きい、
請求項31に記載の印刷装置。
【請求項34】
前記印刷装置は、第kフラックス層、又は、前記第(k+1)フラックス層を印刷し、それぞれ、前記第kフラックス層、又は、前記第(k+1)フラックス層を定着させ、
定着された前記第(k+1)フラックス層の面積は、定着された前記第kフラックス層の面積以下である、
請求項31に記載の印刷装置。
【請求項35】
前記印刷装置は、前記第k半田層、又は、前記第(k+1)半田層を印刷し、それぞれ、前記第k半田層、又は、前記第(k+1)半田層を定着させ、
定着された前記第(k+1)半田層の面積は、定着された前記第k半田層の面積以下である、
請求項31に記載の印刷装置。
【請求項36】
前記第1フラックス層と前記第2フラックス層の少なくとも一方は、粉末形状のフラックスを電子写真印刷で印刷して定着させることにより形成される、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項37】
前記第1半田層は、粉末形状の半田を電子写真印刷で印刷して定着させることにより形成される、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項38】
前記印刷装置は、電子写真印刷装置であり、
前記印刷装置は、第1感光体ドラムと、前記第1感光体ドラムと異なる第2感光体ドラムを備え、
前記印刷装置は、前記第1感光体ドラム上にフラックス粉末を現像し、前記第1感光体ドラム上のフラックス粉末を基板上に転写及び定着し、
前記印刷装置は、前記第2感光体ドラム上に半田粉末を現像し、前記第1感光体ドラム上の半田粉末を前記基板上に転写及び定着させる、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項39】
前記印刷装置は、さらに、基板を載せるステージをさらに備え、
前記ステージを前記第1の感光体ドラム近傍と前記第2の感光体ドラム近傍の間で移動させる、
請求項38に記載の印刷装置。
【請求項40】
前記印刷装置は、電子写真印刷装置であり、
前記印刷装置は、感光体ドラムを備え、
前記印刷装置は、前記感光体ドラム上にフラックス粉末を現像し、前記第1感光体ドラム上のフラックス粉末を基板上に転写及び定着し、
前記印刷装置は、前記感光体ドラム上に半田粉末を現像し、前記感光体ドラム上の半田粉末を前記基板上に転写及び定着させる、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項41】
前記印刷装置は、電子写真印刷装置であり、
前記印刷装置は、感光体ドラムと、前記感光体ドラムと前記基板との距離を計測する変位計とを備え、
前記印刷装置は、前記感光体ドラム上にフラックス粉末を現像し、前記感光体ドラム上のフラックス粉末を基板上に転写及び定着して、前記第1フラックス層を印刷し、
前記第1フラックス層上に、前記第1半田層を印刷し、
前記感光体ドラム上にフラックス粉末を現像し、前記感光体ドラム上のフラックス粉末を前記第1半田層上に転写及び定着して、前記第2フラックス層を印刷し、
前記第2フラックス層を印刷するときの、前記感光体ドラムと前記基板との距離を、前記第1フラックス層を印刷するときの、前記感光体ドラムと前記基板との距離よりも大きくする、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項42】
前記変位計は、レーザー変位計である、
請求項41に記載の印刷装置。
【請求項43】
前記印刷装置は、さらに、前記第1半田層を印刷する前に、前記第1フラックス層を加熱する加熱装置を備える、
請求項23に記載の印刷装置。
【請求項44】
前記印刷装置は、前記第2フラックス層を印刷する前には、前記第1半田層を加熱しない、
請求項43に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板上に、半田及びフラックスを印刷する方法と印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に、面実装部品を半田付けするにあたって、基板上に、半田ペーストをスクリーン印刷する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-104451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、昨今の実装部品の小型化により、印刷条件とマスク開口設計の最適化がますます困難になってきている。またこれは、大型部品と小型部品の混載基板では特に顕著となる。
【0005】
本開示は、任意の形状、任意の厚みの半田をマスクなしに基板上に配置することが可能な印刷方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の半田及びフラックスの印刷方法は、基板上に半田とフラックスを印刷する方法であって、
前記基板上に直接または他の層を介して、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第1フラックス層を印刷する工程と、
前記第1フラックス層上に、半田を含む材料からなる第1半田層を印刷する工程と、
前記第1半田層上に、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第2フラックス層を印刷する工程と、
を備える。
【0007】
本開示の方法は、フラックス層、半田層を交互に基板上に印刷して、積層する。これによって、基板上に半田を配置する領域、厚みを、自由度が高く設計できる。
【0008】
また、本開示の半田及びフラックスの印刷装置は、
基板上に直接または他の層を介して、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第1フラックス層を印刷し、
前記第1フラックス層上に、半田を含む材料からなる第1半田層を印刷し、
前記第1半田層上に、フラックスを含み半田を含まない材料からなる第2フラックス層を印刷する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の印刷方法は、フラックス層、半田層を交互に基板上に印刷して、積層する。これによって、基板上に半田を配置する領域、厚みを、自由度が高く設計できる。
【0010】
本開示の印刷装置は、フラックス層及び半田層を交互に基板上に印刷することが可能であり、基板上に半田を配置する領域、厚みを、自由度が高く形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1、第2実施形態に係る、基板100上の半田及びフラックス積層体200の断面図である。
図2図2は、第1、第2実施形態に係る、半田及びフラックス積層体200の平面図である。
図3図3は、第1、第2実施形態に係る半田層及びフラックス層の印刷方法を示すフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態に係る半田及びフラックスの印刷装置の構成を示す図である。
図5図5は、第2実施形態に係る半田及びフラックスの印刷装置の構成を示す図である。
図6A図6Aは、実施例1に係る、半田及びフラックス積層体200aの平面図である。
図6B図6Bは、実施例1に係る、基板100上の半田及びフラックス積層体200aの断面図である。
図6C図6Cは、実施例1に係る、半田及びフラックス積層体200aに表面実装部品300を固着させる様子を模式的に示す断面図である。
図6D図6Dは、参考例1に係る、半田及びフラックス積層体20bに表面実装部品300を固着させる様子を模式的に示す断面図である。
図7A図7Aは、実施例2に係る、基板100上の半田及びフラックス積層体200cの断面図である。
図7B図7Bは、実施例2に係る、半田及びフラックス積層体200cにQFPのリード310を固着させる様子を模式的に示す断面図である。
図8A図8Aは、第1、第2実施形態に係る、半田及びフラックス積層体201aの平面図である。
図8B図8Bは、第1、第2実施形態に係る、半田及びフラックス積層体201bの平面図である。
図8C図8Cは、第1、第2実施形態に係る、半田及びフラックス積層体201cの平面図である。
図8D図8Dは、第1、第2実施形態に係る、半田及びフラックス積層体201dの平面図である。
図8E図8Eは、第1、第2実施形態に係る、半田及びフラックス積層体201eの平面図である。
図8F図8Fは、第1、第2実施形態に係る、半田及びフラックス積層体201fの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.第1実施形態
(1)半田及びフラックス積層体200
本開示は、図1の断面図に示すように、基板100上に、半田及びフラックス積層体200を形成するための、半田及びフラックスの印刷方法である。
【0013】
従来、基板上に半田を付着させる場合は、半田とフラックスを混合した半田ペーストを付着させるのが一般的であった。
【0014】
これに対して、本開示の方法においては、半田層とフラックス層を基板100上に交互に、印刷して、半田及びフラックス積層体200を形成する。ここで、半田層とは、半田を含む材料からなる層であり、フラックス層とは、フラックスを含み半田を含まない材料からなる層である。そして、半田及びフラックス積層体200を後で加熱することにより、半田及びフラックスを一体化させ、半田を基板に固着させる。
【0015】
図1の断面図においては、基板100上に、順次、第1フラックス層101、第1半田層102、第2フラックス層103、第2半田層104、第3フラックス層105、第3半田層106、第4フラックス層107、第4半田層108、第5フラックス層109が積層されている。各フラックス層101、103、105、107、109は、それぞれが複数のフラックス層で形成されていてもよい。また、各半田層102、104、106、108は、それぞれが複数の半田層で形成されていてもよい。
【0016】
基板100の表面の半田及びフラックス積層体200の積層回数は、半田を付着させたい厚みによって決定される。基板100上への積層はフラックス層から始めても半田層から始めてもよいが、いずれの場合であっても、フラックス層/半田層/フラックス層の3層以上は必要である。
【0017】
半田及びフラックス積層体200は、次のように形成されていてもよい。基板上に第1フラックス層が形成され、第1フラックス層の上に第1半田層が形成されるのに始まり、第kフラックス層の上に第k半田層が形成され、第k半田層の上に、第k+1半田層が形成されるのを繰り返し、最後に、第n半田層の上に、第n+1フラックス層が形成される。ここで、nは、1以上の整数であり、kは、1以上n以下の整数である。nは3以上であってもよい。nは5以上であってもよい。nが大きいと一層当たりの膜厚を薄くでき、半田とフラックスを均一に分布させることができる。一方、nが大きくなりすぎると、積層体が崩れやすくなる。nは50以下であってもよい。nは10以下であってもよい。
【0018】
基板100の表面の半田及びフラックス積層体200が形成されている部分は、部品の電極と基板100上のパターンを接合するランド部分である。ランド部分は、導電体である。導電体は、金属または半導体である。金属としては、例えば、例Cu、Ag、Au、Sn、Pd、Ni、Zn、Bi、およびそれらを含む銅合金である。ランド部分は、これらの金属または半導体のメッキ層として構成されるのが一般的である。
【0019】
半田及びフラックス積層体200の基板100と接する部分は、フラックス層、または、半田層である。より好ましくは、フラックス層がよい。フラックス層は、粘着性があり、基板100の表面に付着しやすいためである。
【0020】
半田及びフラックス積層体200の基板100と接さない表面は、フラックス層、または、半田層である。より好ましくは、フラックス層がよい。図1においては、半田及びフラックス積層体200の基板100と接さない表面は、フラックス層109である。半田及びフラックス積層体200の基板100と接さない表面が、フラックス層であると、半田とともに基板100に固着させたい端子(例えば、図6Cに示す表面実装部品300、又は、図7Bに示す半導体パッケージのリード310など)が積層体に付着しやすい。また、半田層をフラックス層が覆い隠す形になるため、半田層が酸化等の理由で劣化するのを防止する効果もある。
【0021】
基板100上には、通常、部品電極と接合するランドが複数または多数存在し、その多数のランド部分に対して、1の半田層またはフラックス層が、同時に印刷によって形成される。
【0022】
図1は、半田及びフラックス積層体200の断面図であるが、平面的にみると、図8A図8Fに示すように、半田及びフラックス積層体201a~201fは種々の形をとり得る。なお、図8A図8Fにおいては、半田及びフラックス積層体201a~201fの内で、第1フラックス層101とその上の第1半田層102の形状のみを示している。たとえば、図8Fに示すような、半田及びフラックス積層体200fのドーナツ状の形状は、本実施形態の電子写真印刷法では形成が可能であるが、従来の半田ペーストを用いたスクリーン印刷法では、製造が困難であった形状である。
【0023】
図2は、図1の半田及びフラックス積層体200の一部の層の形状を示す平面図である。第1フラックス層101の面積は、第1半田層102の面積より大きい。また、第2フラックス層103の面積は、第1半田層102の面積より大きい。第2フラックス層103の面積は、第1フラックス層101の面積よりも小さい。第2フラックス層103の面積は、第1フラックス層101の面積と同一であってもよい。
【0024】
同様にして、基板100上に、第1フラックス層から初めてフラックス層、半田層を交互に積層していったとき、k番目のフラックス層の面積は、その上に接するk番目の半田層の面積よりも大きい。k+1番目のフラックス層の面積は、その下に接するk番目の半田層の面積よりも大きい。k+1番目のフラックス層の面積は、k番目のフラックス層の面積よりも大きい。k+1番目のフラックス層の面積は、k番目のフラックス層の面積と同一であってもよい。フラックス層が直前の半田層よりも大きな面積を有することでフラックス層が半田層を覆い隠す形になるため、半田層が酸化等の理由で劣化するのを防止できる。また、フラックス層を上に行くにしたがって面積が小さくなるようにすることで、半田とフラックスを自由な形状で積み上げることができる。例えば、後で説明するように、部品の電極が接する部分に切除部を設けるような形で半田とフラックスを形成することができるのである。
【0025】
1のフラックス層の厚みは、10μm以上である。本開示においては、フラックス層の原料としてフラックス粉末を用いる。フラックス粉末を構成する1の粒子の大きさは、平均粒径10μ以上、100μ以下のものを用いてもよい。
【0026】
1のフラックス層の厚みは、400μm以下である。フラックス層については、印刷を複数回繰り返すことによって形成してもよい。後で説明する電子写真印刷を用いる場合は、1回の印刷で積層するフラックス層の厚みは100μm以下であることが好ましい。それ以上の厚みがあると位置精度の高い印刷ができなくなる可能性があるためである。
【0027】
同様に、1の半田層の厚みは、10μm以上である。本開示においては、半田層の原料として半田粉末を用いる。半田粉末を構成する1の粒子の大きさは、平均粒径10μ以上、100μ以下のものを用いてもよい。
【0028】
1の半田層の厚みは、400μm以下である。半田層については、印刷を複数回繰り返すことによって形成してもよい。後で説明する電子写真印刷を用いる場合は、1回の印刷で積層する半田層の厚みは100μm以下であることが好ましい。それ以上の厚みがあると位置精度の高い印刷ができなくなる可能性があるためである。
【0029】
半田及びフラックス積層体200は、後で加熱することにより、半田及びフラックスが一体化され、体積は約半分になる。半田及びフラックス積層体200の厚みは、加熱後の一体化された半田の必要とされる体積によって決定される。半田及びフラックス積層体200の厚みは、たとえば、30μm以上1000μm以下である。
(2)半田層及びフラックス層の印刷装置1
次に、本実施形態の半田層及びフラックス層の印刷装置1について説明する。図4は、半田層及びフラックス層を印刷する印刷装置1の概略断面図である。印刷装置1は、電子写真印刷装置である。電子写真印刷は、帯電、露光、現像、転写、定着、清掃の工程を有する。電子写真印刷装置1は、感光体ドラム10、帯電器11、レーザー光描画装置13、現像装置15、基板支持機構50、感光体ドラム10と基板100の間隔調整装置、加熱装置19、及び、制御部60を備えている。
【0030】
感光体ドラム10は、図4に示すように、一方向Rに回転する。感光体ドラム10は、一回転する間に、帯電器11により帯電され、レーザー光描画装置13により印刷パターンを描画され、現像装置15によりフラックス粉末20又は半田粉末30を付着され、付着されたフラックス粉末20又は半田粉末30を基板100に転写及び定着する。印刷装置1は、さらに、1回転の間に、感光体ドラム10に付着したフラックス粉末20又は半田粉末30を基板100に転写及び定着した後で、感光体ドラム10に残留したフラックス粉末20又は半田粉末30を除去する清掃装置を備えていてもよい。
【0031】
帯電器11は、コロナ放電を用いた帯電器であってもよい。コロナ放電は、高圧電源を利用して発生させる。帯電器11は、感光体ドラムの表面の一定のエリアを全体的に帯電させる。
【0032】
レーザー光描画装置13は、レーザービームやLED(Light Emitting Diode)光を、印刷データのパターンを帯電した感光体ドラム10に照射することによって、電気的潜在画像(逆象の不可視画像)を感光体ドラム10の表面に形成する。
【0033】
現像装置15は、フラックス粉末20又は半田粉末30を、感光体ドラム10表面に形成された電気的潜在画像に付着させる。これによって、逆象の可視画像が感光体ドラム10上に形成される。フラックス粉末20、半田粉末30はそれぞれ別の容器15A、15Bに収容されている。感光体ドラム10が一回転する間に、フラックス粉末20、又は、半田粉末30のいずれか一方が、感光体ドラム10に付着される。言い換えると、本開示においては、フラックス粉末20及び半田粉末30が、感光体ドラム10が一回転の内に、基板100に転写及び定着されることは無い。
【0034】
本開示においては、フラックス層の原料は、フラックス粉末20を用いる。フラック粉末は、主剤、活性剤を含んでいる。主剤とは、ロジン系樹脂などである。本開示では、ロジン系樹脂を用いる。活性剤とは、はんだと被着面の表面にある酸化被膜を除去する力を増大させる添加剤であり、例えばカルボン酸、有機酸、ハロゲンを含む化合物である。フラックス粉末を構成する1の粒子の大きさは、10μm以上40μm以下のものを用いてもよい。通常、フラックスとしてしては、ペースト状のフラックスがよく用いられる。ペースト状のフラックスは、主剤、活性剤、溶媒、チクソ剤を含んでいる。溶媒は、主剤である固形の樹脂を溶解する。溶媒は、アルコール系溶剤である。チクソ剤は、粉末はんだとフラックスの分離防止、及び、はんだペーストを印刷する際の印刷性の向上などを目的とする添加剤である。本開示のフラックス粉末は、溶媒、チクト剤を含んでいない。
【0035】
また、本開示においては、半田層の原料は、半田粉末30である。半田粉末の材料は、融点が450℃以下の金属合金である。半田粉末30は、基本的に、金属合金以外の他のものを含まない。金属合金としては、Sn-Pb系、Pb-Sn-Sb系、Sn-Sb系、Sn-Pb-Bi系、Bi-Sn系、Sn-Cu系、Sn-Pb-Cu系、Sn-In系、Sn-Ag系、Sn-Pb-Ag系、Pb-Ag系、Sn-Bi系、Sn-Zn系などがある。半田粉末を構成する1の粒子の大きさは、平均粒径10μm以上40μm以下のものを用いてもよい。
【0036】
基板支持機構50は、ステージ51と、ダンパー52と、基板搬送装置(図示せず)を備えている。ステージ51上に、基板100を載置する。ダンパー52は、ステージ51を支持し、ステージ51の緩衝器として作用する。ダンパー52は、スプリングやマグネットで構成されていてもよいし、エアサスペンションであってもよい。基板搬送装置は、感光体ドラム10の回転と同期させて、感光体ドラム10の回転方向Rと同一の方向Pに基板100を移動させる。基板搬送装置は、基板100を方向Pの逆方向Qにも移動させる。
【0037】
間隔調整装置は、感光体ドラム10と基板100の間隔Dを調整する。間隔調整装置は、レーザー変位計17と、ステージ51の高さ調整手段を備えている。レーザー変位計17は、基板100表面の高さを計測することにより、感光体ドラム10と基板100表面の間隔Gを計測する。ここで基板100の表面とは、フラックス層/半田層が積層されてきた状態においては、最表面のフラックス層又は半田層の表面を意味する。つまり、間隔Dが一定であれば、フラックス層/半田層の積層に伴い間隔Gは減少する。制御部60は、レーザー変位計17の計測した基板100表面の高さ(間隔Gのデータ)を取得して、最適な間隔Dとなるように、高さ調整手段を制御して、ステージ51の高さを調整する。ここで高さ調整手段は、感光体ドラム10の高さと、ステージ51の高さとの相対的な高さを調整する。高さ調整手段による高さ調整は、感光体ドラム10の高さを変えることによっても、ステージ51の高さを変えることによって実現してもよい。
【0038】
本実施形態において、フラックス層/半田層を繰り返し積層していく工程において、半田及びフラックス積層体200の厚みは次第に増加していき、感光体ドラム10と基板100表面の間隔Gを所定数値内に収めていくためには、ステージ51の高さを、感光体ドラムの高さに対して次第に低くしていく必要がある。高さ調整手段は、このような高さの調整を行う。
【0039】
感光体ドラム10と基板100表面の間隔Gは、10μm以上300μm以下である。間隔Dは、概略一層のフラックス層又は半田層の厚みに相当する。
【0040】
間隔調整装置は、感光体ドラム10(又は、感光体ドラム10の表面に付着したフラックス又は半田)と基板100表面の間隔Gが0のとき、つまり、感光体ドラム10と基板100表面が接しているとき、感光体ドラム10と基板100との間の圧力を調整してもよい。間隔調整装置は、さらに、感光体ドラム10と基板100との間の圧力を計測する手段を有してもよい。この場合、制御部60は、圧力計測手段の計測した圧力のデータを取得して、最適な圧力となるように、高さ調整手段を制御して、ステージ51の高さを調整する。
【0041】
感光体ドラム10から基板100へフラックス粉末又は半田粉末を転写する際の、感光体ドラム10から基板100へ加えられる圧力は、0以上100kPa以下である。
【0042】
加熱装置19は、基板100表面、又は、基板100表面の半田層またはフラックス層を加熱することができる。加熱装置19は、赤外線ヒータである。加熱装置19は、基板100表面、又は、基板100表面の半田層またはフラックス層を40℃以上80℃以下、たとえば80℃に加熱することができる。フラックスを構成するロジンの軟化温度は、約76℃である。
【0043】
制御部60は、感光体ドラム10の回転、帯電器11、レーザー光描画装置13、現像装置15、基板支持機構50の基板搬送装置、間隔調整装置の基板高さ調整装置、加熱装置19などを制御する。制御部60は、コンピュータである。制御部60は、CPUとメモリと操作部と表示部とを有している。制御部60は、ユーザにより入力された情報、レーザー変位計17等の各種センサの計測データに基づいて、電子写真印刷装置1を制御する。CPUは、プログラムを実行する。また、CPUは、メモリにプログラムやデータを保存し、メモリからプログラムやデータを読み込む。ここで、メモリとは、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)のみならず、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶メモリも含むものとする。CPUは、測定プログラムや、測定データを表示部に表示する。表示部はディスプレイである。操作部はユーザの入力を受け付ける。操作部より入力された命令にしたがって、CPUはプログラムを実行する。操作部は、キーボード、マウス、表示部と一体のタッチパネルなどである。
(3)電子写真印刷装置1を用いた、半田層及びフラックス層の印刷方法
次に、図3のフローチャートを用いて、電子写真印刷装置1を用いた、半田及びフラックス積層体200の形成方法を説明する。
【0044】
ユーザは、半田及びフラックス積層体200の設計情報を制御部60に入力する。具体的には、基板100の大きさ、基板100上での半田層及びフラックス層の形成する位置、各半田層及びフラックス層の厚み、積層回数などを制御部60に入力する。電子写真印刷装置1は、予め制御部60のメモリに記憶された半田及びフラックス積層体200の設計情報に基づいて、半田及びフラックス積層体の印刷を行ってもよい。
【0045】
準備として、ユーザは、基板100をステージ51にセットする。このとき基板100は、印刷開始位置、図4の比較的右側になるようにする。さらに、ユーザは、フラックス粉末及び半田粉末を現像装置15にセットしておく。
【0046】
ステップS1では、基板100上に、フラックス層101を印刷する。具体的には、帯電、露光、現像、転写及び定着の工程を行う。ステップS1では、感光体ドラム10は、図4のR方向に一回転する。帯電工程では、帯電器11を用いて、感光体ドラム10の表面を帯電させる。露光工程では、レーザー光描画装置13により、レーザービームを感光体ドラムの表面に照射して、描画を行う。現像工程では、現像装置15により、フラックス粉末20を、感光体ドラム10表面に付着させる。転写及び定着工程では、感光体ドラム10がR方向に回転するのに合わせて、基板100は、P方向に移動する。転写及び定着工程では、感光体ドラム10表面に付着したフラックス粉末20を基板100上に転写及び定着させる。このとき、感光体ドラム10から基板100へ加えられる圧力は、0より大きく100kPa以下となるように、高さ調整手段を制御する。転写及び定着の方法としては、基板100の帯電、除電を利用する方法、基板100を加熱する方法、圧力を加える方法、これら方法を組み合わせた方法が利用できる。本実施形態においては、圧力を加える方法を採用する。ステップS1では、基板100上の第1フラックス層101の加熱は行わない。転写及び定着工程の後で、感光体ドラム10の表面は、清掃されて、感光体ドラム10の1回転は終了する。
【0047】
次に、ステップS2では、基板100上に半田層102を印刷する。ステップS2では、帯電、露光、現像、転写及び定着の工程を行う。ステップS2では、感光体ドラム10は、図4のR方向に一回転する。帯電工程では、帯電器11を用いて、感光体ドラム10の表面を帯電させる。露光工程では、レーザー光描画装置13により、レーザービームを感光体ドラムの表面に照射して、描画を行う。現像工程では、現像装置15により、半田粉末30を、感光体ドラム10表面に付着させる。ステップS1の転写及び定着工程の後で、ステップS2の転写及び定着工程の前に、基板100は、P方向とは逆のQ方向に移動され、元の位置に戻る。転写及び定着工程では、感光体ドラム10がR方向に回転するのに合わせて、基板100は、P方向に移動する。転写及び定着工程では、感光体ドラム10表面に付着した半田粉末30を基板100上に転写及び定着させる。このとき、感光体ドラム10から基板100へ加えられる圧力は、0より大きく100kPa以下となるように、高さ調整手段を制御する。ステップS2では、基板100上の第1フラックス層101の加熱は行わない。転写及び定着工程の後で、感光体ドラム10の表面は、清掃されて、感光体ドラム10の1回転は終了する。
【0048】
制御部60は、ステップS3において、半田及びフラックス積層体200の設計情報に基づいて、さらに半田層を印刷するか否かを判断する。
【0049】
ステップS3において、さらに半田層を印刷しないと判断した場合は、ステップS4に進み、第2フラックス層103を印刷する。ステップS4は、ステップS1とほぼ同様であるので説明を省略する。ステップS4において、基板搬送装置による基板の移動については、ステップS2と同様である。ステップS4で、第1フラックス層101/第1半田層102/第2フラックス層103の3層からなる、半田及びフラックス積層体200の形成を終了する。
【0050】
制御部60が、ステップS3において、さらに半田層を印刷すると判断したときは、ステップS1に戻る。2回目のステップS1において、第2フラックス層103を形成する方法は、上記ステップS3において第2フラックス層103を形成する方法と同様である。
【0051】
次に、2回目のステップS2において、第2半田層104を印刷する。これは、1回目のステップS2において、第1半田層102を印刷する場合とほぼ同様である。ただし、2回目のステップS2において、フラックス粉末20を第2フラックス層103の表面に転写及び定着する前に、第2フラックス層103の表面を加熱してもよい。加熱温度は、40℃以上80℃以下である。加熱は、第2フラックス層103を定着させる効果がある。また、加熱後に積層される第2半田層104の定着効果があるといっていもよい。また、第1フラックス層101/第1半田層102/第2フラックス層103の3層からなる、半田及びフラックス積層体200の層状構造を維持する効果がある。
【0052】
2回目のステップS2における、第2フラックス層103の加熱は、転写及び定着工程前に、基板100を、Q方向に移動させる際に、加熱装置19によって実施してもよい。
【0053】
同様に、1回目のステップS2において、半田層の転写及び定着工程前に、半田層を積層する前の第1フラックス層を加熱してもよい。半田層の転写及び定着工程前に、半田層を積層する前のフラックス層を加熱することは、半田及びフラックス積層体200の層状構造を保ちやすくする。フラック層/半田層を積層するのに伴い、半田及びフラックス積層体200の層状構造は乱れやすくなる。したがって、フラック層/半田層の積層回数が増えるに伴い、半田層の転写及び定着工程前に、半田層を積層する前のフラックス層を加熱することによって、半田及びフラックス積層体200の層状構造を保つ効果が大きくなる。
【0054】
また、ステップS1、ステップS2、ステップS4において、フラックス層又は半田層を転写及び定着工程の際の感光体ドラム10から基板100へ加えられる圧力は、0以上100kPa以下である。上述したように、フラック層/半田層を積層するのに伴い、半田及びフラックス積層体200の層状構造は乱れやすくなるので、上記圧力は、フラック層/半田層を積層するのに伴い、低くすることが好ましい。半田層の転写及び定着工程前に、半田層を積層する前のフラックス層を加熱することは、上記圧力を低くできるという点においても好ましい。
【0055】
また、印刷装置1の間隔調整装置について説明したように、フラックス層/半田層の積層を重ねるに従い、半田及びフラックス積層体200の膜厚が次第に増加し、感光体ドラム10と基板100表面の間隔Gが減少する。そうすると、感光体ドラム10から基板100への圧力が次第に増加するとの不都合が生じる。そこで、印刷装置1の高さ調整手段は、フラックス層/半田層の積層が進むに従い、感光体ドラム10と基板100の間隔Dが大きくなるように制御する。
【0056】
2回目のステップS2の後は、2回目のステップS3に進む。ステップS3で、さらに半田層をつける場合は、ステップS1に戻り、ステップS1、S2でフラックス層/半田層の積層を繰り返す。半田層の積層を繰り返さない場合には、ステップS4に進み、フラックス層を積層して、半田及びフラックス積層体200の積層を終了する。
【0057】
本実施形態の印刷方法は、基板上に、フラックス層/半田層を交互に印刷する際、フラックス層から開始して、フラックス層を最後に印刷する場合について説明したが、半田層から印刷を開始してもよい。
【0058】
また、ステップS1、S4では、いずれも1層のフラックス層を、形成する。ステップS1、S4のいずれかの工程において、2層以上のフラックス層を形成してもよい。この場合は、たとえば、1のステップS1において、2層のフラックス層を形成するときは、感光体ドラム10を2回回転させ、帯電、露光、現像、転写及び定着の工程を2回繰り返してもよい。同様に、ステップS2では、1層の半田層を形成する。1のステップS2工程において、2層以上の半田層を形成してもよい。この場合は、1のステップS2において、2層の半田層を形成するときは、感光体ドラム10を2回回転させ、帯電、露光、現像、転写及び定着の工程を2回繰り返してもよい。
【0059】
以上説明したように、本実施形態の電子写真印刷装置1は、紙にトナーを印刷するように、基板100に、フラックス粉末20、半田粉末30を印刷する。基板100の大きさ、基板100上での半田層及びフラックス層の形成する位置、各半田層及びフラックス層の厚み、積層回数などは、大きな自由度で設計が可能である。
(4)半田及びフラックス積層体200を用いた基板100への実装部品の固定方法
本開示の印刷方法を利用して、基板100上に、実装部品を半田で固定する方法について、説明する。
【0060】
まず、最初に上述した方法により、基板100上に、半田及びフラックス積層体200を印刷する。
【0061】
次に、半田及びフラックス積層体200を、フラックスが軟化する程度、半田及びフラックス積層体200の層状構造が崩れない程度に、加熱する。
【0062】
次に、半田及びフラックス積層体200に接するように、固着させたい実装部品を配置する。
【0063】
半田及びフラックス積層体200をさらに加熱して、層状構造を壊し、半田を溶融させて部品と基板を接合する。
(実施例1)
次に、本開示の印刷方法を利用して、基板100上に、表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)を半田で固定する方法について、説明する。
【0064】
まず、最初に、基板100上に、半田及びフラックス積層体200aを印刷する。半田及びフラックス積層体200aの平面図を図6Aに、断面図を図6Bに示す。本実施例では、基板100は、基板本体100aと電極部分120とを備えている。基板本体100aは樹脂である。電極部分120は金属である。本実施例では、半田及びフラックス積層体200aは、電極部分120上に形成される。本実施例の半田及びフラックス積層体200aは、第1フラックス層101、第1半田層102、第2フラックス層103、第2半田層104、第3フラックス層105、第3半田層106、第4フラックス層107、第4半田層108、第5フラックス層109を備えている。本実施例の半田及びフラックス積層体200aにおいては、第2半田層104より上に行くに従い面積が急激に減少している。そして、図6Bにおいては、半田及びフラックス積層体200aの右上の部分が切り取られたような形となっている。例えば、最上層である第5フラックス層109の面積は、最下層である第1フラックス層101の面積の20%以上60%以下である。
【0065】
次に、半田及びフラックス積層体200aを、フラックスが軟化する程度、半田及びフラックス積層体200aの層状構造が崩れない程度に、加熱する。このときの加熱方法としては、基板100全体をヒータや電磁誘導などにより加熱する方法が考えられる。また、部品実装機の実装ヘッドに赤外線レーザー照射装置を設置し、部品の端子が接する半田層およびフラックス層に赤外線レーザーを照射することでそれらを溶融させてから、部品を置く方法も考えられる。
【0066】
次に、図6Cに模式的に示す様に、半田及びフラックス積層体200aの右上の切除部分に嵌め込むように、表面実装部品(SMD)を配置する。
【0067】
半田及びフラックス積層体200aをさらに加熱して、層状構造を壊し、半田を溶融させてSMD310を基板に接合する。
【0068】
参考例1として、図6Dに示すように、半田及びフラックス積層体200bに、SMD310を装着した場合の例を模式断面図に示す。参考例1の半田及びフラックス積層体200bは、実施例1の半田及びフラックス積層体200aに比べて、上層の面積が大きい。例えば、最上層である第5フラックス層109の面積は、最下層である第1フラックス層101の面積の80%以上100%以下である。このような場合には、SMD310の装着によって、余剰の半田321がはみ出し、半田ボール322の形成につながり、好ましくない。
(実施例2)
次に、本開示の印刷方法を利用して、基板100上に、QFP(Quad Flat Package)のリード310を半田で固定する方法について、説明する。
【0069】
まず、最初に、基板100上に、半田及びフラックス積層体200cを印刷する。半田及びフラックス積層体200cの断面図を図7Aに示す。実施例1と同様に、本実施例の基板100は、基板本体100aと電極部分120とを備えている。本実施例では、半田及びフラックス積層体200cは、電極部分120上に形成される。本実施例の半田及びフラックス積層体200cは、第1フラックス層101、第1半田層102、第2フラックス層103、第2半田層104、第3フラックス層105、第3半田層106、第4フラックス層107、第4半田層108、第5フラックス層109、第5半田層110、第6フラックス層111を備えている。本実施例の半田及びフラックス積層体200cにおいては、第4半田層108の面積は、第4フラックス層の面積より大幅に小さい。そして、図7Aにおいては、半田及びフラックス積層体200cの左上の部分が切り取られたような形となっている。例えば、最上層である第6フラックス層111の面積は、最下層である第1フラックス層101の面積の20%以上60%以下である。
【0070】
次に、半田及びフラックス積層体200cを、フラックスが軟化する程度、半田及びフラックス積層体200cの層状構造が崩れない程度に、加熱する。
【0071】
次に、図7Bに模式的に示す様に、半田及びフラックス積層体200cの左上の切除部分に嵌め込むように、QFPのリード310を配置する。
【0072】
半田及びフラックス積層体200をさらに加熱して、層状構造を壊し、半田を溶融させてリード320を基板100に接合する(図7B)。
【0073】
このとき、半田及びフラックス積層体200cの左上の切除部分があるため、リード310の上部まで半田323がフィットし、バックフィレット半田量が確保される。本実施例の半田接合体は接合強度が高くなり、熱や衝撃に対する耐性が向上する。
2.第2実施形態
第2実施形態は、電子写真印刷装置1aの構成が第1実施形態の電子写真印刷装置1の構成と異なる。本実施形態における基本的な印刷方法、及び、半田及びフラックス積層体の構成は、第1実施形態と同じである。
【0074】
本実施形態の電子写真印刷装置1aは、図5に示すように、第1印刷部2と、第2印刷部3と、制御部60とを備える。第1印刷部2は、フラックス層を印刷する。第2印刷部3は、半田層を印刷する。本実施形態の電子写真印刷装置1aは、基板100を、第1印刷部2と第2印刷部3との間を交互に行き来させることによって、基板100上に、半田及びフラックス積層体を形成する。
【0075】
第1印刷部2の構成は、概略第1実施形態の電子写真印刷装置1の構成と同じである。第1印刷部2の構成が、第1実施形態の電子写真印刷装置1の構成と異なる点は、現像装置15、加熱装置19、基板搬送装置等である。
【0076】
第1印刷部2の現像装置15は、フラックス粉末20を、感光体ドラム10表面に形成された電気的潜在画像に付着させる。これによって、逆象の可視画像が感光体ドラム10上に形成される。フラックス粉末20は、容器15Aに収容されている。
【0077】
第1印刷部2は、加熱装置19を有していなくてもよい。
【0078】
第1印刷部2の基板搬送装置は、感光体ドラム10の回転と同期させて、感光体ドラム10の回転方向Rと同一の方向Pに基板100を移動させる。基板搬送装置は、基板100を方向Pの逆方向Qに移動させなくてもよい。
【0079】
第2印刷部3の構成は、概略第1実施形態の電子写真印刷装置1の構成と同じである。第2印刷部3の構成が、第1実施形態の電子写真印刷装置1の構成と異なる点は、現像装置15等である。
【0080】
第2印刷部3の現像装置15は、半田粉末30を、感光体ドラム10表面に形成された電気的潜在画像に付着させる。これによって、逆象の可視画像が感光体ドラム10上に形成される。半田粉末30は、容器15Bに収容されている。
【0081】
制御部60は、第1印刷部2と、第2印刷部3とを制御する。制御部60は、第1印刷部2を制御する制御部と、第2印刷部3を制御する制御部と、第1印刷部2を制御する制御部と第2印刷部3を制御する制御部と、を備えていてもよい。
【0082】
第2実施形態の電子写真印刷装置1aを用いた、半田及びフラックス積層体200の印刷方法を、図3のフローチャートを用いて説明すると、次の通りである。ステップS1では、第1印刷部2において、基板100をP方向に搬送させながら、第1フラックス層101を形成する。次にステップS2では、基板100を第2印刷部3に移動させる。基板搬送装置により、基板100をP方向に移動させ、第1半田層102を印刷する。
【0083】
ステップS3で、さらに半田層を形成しないと判断した場合には、ステップS4に進み、基板100を再び第1印刷部2に移動させ、さらに、第2フラックス層103を形成し、半田及びフラックス積層体200の形成を終了する。
【0084】
ステップS3において、さらに半田層を印刷すると判断したときは、ステップS1に戻り、第1印刷部2において、第2フラックス層103を印刷する。次に、ステップS2に進み、第2半田層104を印刷する。第1実施形態と同様に、第2半田層104を第2フラックス層103上に転写し定着させる前に、基板100をQ方向に搬送し、第2フラックス層103の表面を加熱装置19で加熱してもよい。
【0085】
このように、ステップS1で第1印刷部でフラックス層の印刷、ステップS2で第2印刷部で半田層の印刷を繰り返し、半田及びフラックス積層体200を形成する。
【0086】
以上説明したように、電子写真印刷装置1aを用いて、第1実施形態と同様に、基板100上に、半田及びフラックス積層体200を印刷する。
3.第1、第2実施形態の特徴
(1)本開示の印刷方法は、電子部品を基板に固定するための半田及びフラックスの印刷方法である。このために本発明では、[半田層/フラックス層](nは1以上の整数)の積層体を基板上に形成する。積層体は、最低限、フラックス層/半田層/フラックス層の3層構造を有する。
【0087】
所望の厚みを複数の層の積層体として形成することにより、制御性良く基板上に半田を付着させることができる。たとえば、大きさの異なる電子部品の基板上への固着に対応できる。
(2)[半田層/フラックス層]の積層体において、基板上へは、半田層から印刷しても、フラックス層から印刷してもよい。基板上へは、フラックス層から印刷する方が好ましい。その理由は、フラックス層の方が粘着性、付着性が良く、基板との親和性が良いからである。
(3)[半田層/フラックス層]の積層体において、最後に印刷する層は、半田層であっても、フラックス層であってもよい。最後に印刷する層は、フラックス層である方が好ましい。その理由は、フラックス層の方が粘着性、付着性が良く、後で電子部品を付着させる際に電子部品との親和性が良いからである。
(4)フラックス層、半田層いずれについても、上層に行くにしたがって、面積は同等以下に小さくしていくことが好ましい。この構造は積層構造を安定化するとともに、自由な形状でのフラックス層および半田層の積層が可能となる。これは、部品実装後の半田ボール発生防止などに有効である。
(5)[半田層/フラックス層]の積層体において、半田層は隣接するフラックス層に比して面積が小さい。フラックスの加熱流動化によって、半田粉末が覆われることで、半田粉末の酸化を抑制できる。
(6)半田及びフラックスの印刷方法において、電子写真印刷法を用いてもよい。1回の印刷において、半田粉末又はフラックス粉末の一方を印刷する。これを繰り返すことによって、[半田層/フラックス層]の積層体を形成する。
【0088】
電子写真印刷法によるフラックス層の印刷は、次の通りである。感光体ドラムの表面を帯電させ、レーザー光で描画して潜在画像を形成(露光)し、そこにフラックス粉末を現像する。感光ドラムに付着したフラックス粉末を基板に転写及び定着させることによってフラックス層を形成する。電子写真印刷法による半田層の印刷は、次の通りである。感光体ドラムの表面を帯電させ、レーザー光で描画して潜在画像を形成(露光)し、そこに半田粉末を現像する。感光ドラムに付着した半田粉末フラックス粉末を基板に転写及び定着させることによって半田層を形成する。
【0089】
半田ペーストではなく、フラックス粉末と半田粉末を用いることにより、電子写真印刷法を用いることが可能になる。電子写真印刷法を用いることにより、部品の接合形状に応じた任意の立体形状を有する[半田層/フラックス層]の積層体を形成することが可能になる。
(7)電子写真印刷装置は、第1の感光体ドラムを備え、フラックス粉末を印刷する第1印刷部と、第2の感光体ドラムを備え、半田粉末を印刷する第2印刷部と、を備えていてもよい。[半田層/フラックス層]の積層体を形成する基板は、第1印刷部と、第2印刷部とを交互に移動させることにより、[半田層/フラックス層]の積層体を形成してもよい。
(8)半田層の印刷前に、基板表面のフラックス層を加熱してもよい。加熱によりフラックス層の定着効果を高めることができる。
(9)フラックス層の印刷前には、基板表面の半田層を加熱しなくてよい。感光体ドラム表面にフラックス粉末が固着して離れにくくなり、汚す可能性あるからである。
(10)[半田層/フラックス層]の積層体を電子写真印刷法で印刷する際、上層になるに従い、感光体ドラムと基板との距離を次第に大きくしてもよい。上層になるに従い、[半田層/フラックス層]の積層体の膜厚が増加し、感光体ドラムから基板に過度の圧力が加わるのを防止するためである。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本開示は、実装部品を半田を用いて基板に固定する際に、半田及びフラックスを基板に印刷する技術に適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1、1a 電子写真印刷装置
2 第1印刷部(フラックス印刷部)
3 第2印刷部(半田印刷部)
10 感光体ドラム
11 帯電器
13 レーザー光描画装置
15 現像装置
17 レーザー変位計
19 加熱装置
20 フラックス粉末
30 半田粉末
50 基板支持機構
51 ステージ
52 ダンパー
60 制御部
100 基板
100a 基板本体
120 電極部分
101、103、105、107、109、111 第1~第6フラックス層
102、104、106、108、110 第1~第5半田層
200、200a、200b、200c、201a~201f 半田及びフラックス積層体
300 SMD
310 QFD
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F