(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118506
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21K 9/233 20160101AFI20230818BHJP
F21K 9/238 20160101ALI20230818BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230818BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230818BHJP
【FI】
F21K9/233 100
F21K9/238 100
F21V23/00 120
F21V23/00 140
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021487
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】冨山 賢司
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】レンズの小型化を実現する。
【解決手段】照明装置1は、平面視において、第1領域11と第1領域11よりも外側の第2領域12とが設けられた主面10aを有する基板10と、第1領域11に配置された1以上の発光素子21と、第2領域12に配置された複数の発光素子22と、1以上の発光素子21及び複数の発光素子22に電力を供給する電源回路40と、主面10aに対向して配置され、1以上の発光素子21及び複数の発光素子22の各々からの光の配光を制御するレンズ30と、を備える。電源回路40から電力が供給された場合に、発光素子21は、発光素子22よりも明るく発光する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視において、第1領域と当該第1領域よりも外側の第2領域とが設けられた主面を有する基板と、
前記第1領域に配置された1以上の第1発光素子と、
前記第2領域に配置された複数の第2発光素子と、
前記1以上の第1発光素子及び前記複数の第2発光素子に電力を供給する電源回路と、
前記主面に対向して配置され、前記1以上の第1発光素子及び前記複数の第2発光素子の各々からの光の配光を制御するレンズと、を備え、
前記電源回路から電力が供給された場合に、前記第1発光素子は、前記第2発光素子よりも明るく発光する、
照明装置。
【請求項2】
前記電源回路から前記1以上の第1発光素子の1個あたりに供給される電力は、前記電源回路から前記複数の第2発光素子の1個あたりに供給される電力より大きい、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第2発光素子の個数は、前記第1発光素子の個数より多く、
前記複数の第2発光素子は、互いに並列接続されて第2並列回路を構成し、
前記1以上の第1発光素子と前記第2並列回路とは、直列接続されている、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記主面には、さらに、前記第2領域の外側の第3領域が設けられ、
前記照明装置は、さらに、前記第3領域に配置された複数の第3発光素子を備え、
前記第3発光素子の個数は、前記第2発光素子の個数より多く、
前記複数の第3発光素子は、互いに並列接続されて第3並列回路を構成し、
前記第3並列回路は、前記1以上の第1発光素子又は前記第2並列回路に直列接続されている、
請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記1以上の第1発光素子は、複数の第1発光素子であり、互いに並列接続されて第1並列回路を構成する、
請求項3又は4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第2領域は、前記第1領域を囲む環状の領域である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、同じ種類の発光素子である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、表面実装型の発光素子である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1発光素子及び前記第2発光素子はそれぞれ、LED(Light Emitting Diode)である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、複数の発光素子をグループ化し、グループ毎に流れる電流値を異ならせた車両用灯具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配光を制御するレンズを照明装置に設けることで、照明装置の小型化を実現しながら、所望の配光を得ることが検討されている。照明装置の小型化のためには、レンズの小型化が求められる。
【0005】
そこで、本発明は、レンズの小型化を実現することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明装置は、平面視において、第1領域と当該第1領域よりも外側の第2領域とが設けられた主面を有する基板と、前記第1領域に配置された1以上の第1発光素子と、前記第2領域に配置された複数の第2発光素子と、前記1以上の第1発光素子及び前記複数の第2発光素子に電力を供給する電源回路と、前記主面に対向して配置され、前記1以上の第1発光素子及び前記複数の第2発光素子の各々からの光の配光を制御するレンズと、を備える。前記電源回路から電力が供給された場合に、前記第1発光素子は、前記第2発光素子よりも明るく発光する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明装置によれば、レンズの小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明装置の外観斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明装置の断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る照明装置の発光部とレンズとを示す断面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る照明装置の複数の発光素子の配置の一例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る照明装置の複数の発光素子の回路構成の一例を示す回路図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る照明装置の複数の発光素子の回路構成の別の一例を示す回路図である。
【
図7】
図7は、比較例に係る照明装置の発光部とレンズとを示す断面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の変形例に係る照明装置の複数の発光素子の配置を示す平面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の変形例に係る照明装置の複数の発光素子の回路構成の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明の実施の形態に係る照明装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
また、本明細書において、平行などの要素間の関係性を示す用語、及び、円形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0012】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0013】
また、「配光を制御する」とは、光の出射方向、出射範囲及び光強度分布の少なくとも1つを調整することを意味する。
【0014】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る照明装置の構成について、
図1~
図3を用いて説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る照明装置1を示す外観斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る照明装置1の断面図である。
図3は、本実施の形態に係る照明装置1の発光部とレンズ30とを示す断面図である。なお、
図2及び
図3は、照明装置1の中心軸(光軸)を通る断面(
図2では、口金70の近傍部分を除く)を表している。
【0016】
図1に示されるように、照明装置1は、ハロゲン電球型ランプである。なお、照明装置1は、丸形のグローブを有する電球型ランプでもよく、Gx53型の口金を有する扁平な形状のランプであってもよい。あるいは、照明装置1は、ダウンライト、スポットライト又はシーリングライトなどであってもよい。
【0017】
図1~
図3に示されるように、照明装置1は、基板10と、複数の発光素子21、22及び23と、レンズ30と、電源回路40と、を備える。また、照明装置1は、筐体60と、口金70と、を備える。
【0018】
基板10は、発光素子21~23を実装するための実装基板である。図示されていないが、基板10には、発光素子21~23に電気的に接続された金属配線が設けられている。基板10は、例えば、平面視形状が円形の平板状の基板である。
図3に示されるように、基板10は、主面10aを有する。主面10aは、複数の発光素子21~23が実装される実装面である。
【0019】
基板10としては、例えば、樹脂材料からなる樹脂基板、アルミニウム又は銅などの金属材料からなる基材に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板、又は、アルミナなどのセラミック材料の焼結体であるセラミックス基板などを用いることができる。なお、基板10は、リジッド基板であるが、フレキシブル基板であってもよい。
【0020】
発光素子21~23は、光を発する光源の一例である。本実施の形態では、発光素子21~23はそれぞれ、白色光を出射する白色光源である。具体的には、発光素子21~23は、電流が供給された場合に発光する電流駆動型の素子である。より具体的には、発光素子21~23はそれぞれ、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の発光素子である。
【0021】
例えば、発光素子21~23は、LEDチップがパッケージ化されたSMD型のLED素子である。SMD型のLED素子は、容器(パッケージ)と、容器内に実装されたLEDチップと、LEDチップを封止する封止部材と、を有する。
【0022】
LEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップは、例えば、通電されると青色光を発する青色LEDチップであるが、これに限定されない。
【0023】
封止部材は、シリコーン樹脂などの透光性の絶縁性樹脂材料である。本実施の形態における封止部材は、LEDチップからの光の波長を変換する波長変換材として蛍光体を含む。つまり、封止部材は、透光性樹脂に蛍光体が含有された蛍光体含有樹脂であり、LEDチップからの光を所定の波長に波長変換(色変換)する。封止部材は、容器の凹部に充填されている。
【0024】
封止部材としては、例えばLEDチップが青色LEDチップである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、黄色蛍光体粒子は青色LEDチップの青色光によって励起されて黄色光を放出するので、封止部材からは、黄色蛍光体粒子からの黄色光と青色LEDチップからの青色光との合成光として白
色光が放出される。なお、封止部材には、シリカなどの光拡散材及びフィラーなどが分散されていても構わない。
【0025】
発光素子21は、電源回路40から電力が供給された場合に、発光素子22よりも明るく発光する。発光素子22は、電源回路40から電力が供給された場合に、発光素子23よりも明るく発光する。つまり、本実施の形態では、発光素子23、発光素子22及び発光素子21の順で明るくなる。なお、明るさは、光度で表される。光度が大きい程、明るく、光度が小さい程、暗い。
【0026】
本実施の形態では、発光素子21~23は、同じ種類の発光素子である。同じ種類とは、例えば、型番などが同じであり、同等の発光特性を有することを意味する。発光素子21~23は、製造ばらつきの影響がなければ、同じ大きさの電力が供給された場合には、同じ光量の光を発する。
【0027】
例えば、電源回路40から発光素子21の1個あたりに供給される電力は、電源回路40から複数の発光素子22の1個あたりに供給される電力より大きい。これにより、発光素子21は、発光素子22より明るく発光する。また、電源回路40から発光素子22の1個あたりに供給される電力は、電源回路40から複数の発光素子23の1個あたりに供給される電力より大きい。これにより、発光素子22は、発光素子23より明るく発光する。
【0028】
発光素子21~23の各々に供給される電力の大きさは、発光素子21~23の電気的な接続関係に応じて決まる。発光素子21~23の具体的な配置及び電気的な接続関係については、後で説明する。
【0029】
レンズ30は、基板10の主面10aに対向して配置され、発光素子21~23の各々からの光の配光を制御する。例えば、レンズ30は、光を所定の領域に集束させる集光レンズであるが、光を発散させる発散レンズであってもよい。レンズ30は、例えばフレネルレンズである。
【0030】
レンズ30は、透光性を有する部材を用いて形成され、可視光を透過させることができる。例えば、レンズ30は、アクリル若しくはポリカーボネートなどの透光性樹脂材料又はシリカガラスなどのガラス材料などの透光性材料を用いて形成される。レンズ30は、外周部分が筐体60に固定されて支持されている。
【0031】
電源回路40は、発光素子21~23の各々に電力を供給する。電源回路40は、例えば一対のリード線(図示せず)を介して基板10に接続されており、基板10に設けられた金属配線を介して発光素子21~23の各々に電力を供給する。例えば、電源回路40は、口金70を介して供給される交流電力(例えば、AC100Vの商用電源からの電力)を直流電力に変換し、当該直流電力を発光素子21~23に供給する。
【0032】
電源回路40は、回路基板41と、回路基板41に実装された複数の回路素子42と、を有する。回路基板41は、銅箔などの金属配線がパターン形成されたプリント基板(PCB)である。複数の回路素子42は、例えば、電解コンデンサ若しくはセラミックコンデンサなどの容量素子、チョークコイル若しくはチョークトランスなどのコイル素子(インダクタ)、FET(Field Effect Transistor)などのトランジスタ素子、抵抗器などの抵抗素子、又は、ダイオードなどである。
【0033】
電源回路40は、筐体60に固定された回路ホルダ(図示せず)に回路基板41が保持されることによって、筐体60内に配置されている。電源回路40の固定方法は、特に限定されない。
【0034】
筐体60は、電源回路40を収納する。
図2に示されるように、筐体60は、外郭筐体61と、ヒートシンク62と、を有する。
【0035】
外郭筐体61は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT;Polybutylene terephthalate)などの樹脂材料又はアルミニウムなどの金属材料によって構成されている。
【0036】
ヒートシンク62は、主として発光素子21~23で発生する熱を放熱する放熱部材であり、発光素子21~23と基板10を介して熱的に結合されている。具体的には、基板10は、ヒートシンク62の載置面62aに載置されて固定されている。したがって、ヒートシンク62は、発光素子21~23で発生する熱を効率良く放熱させるために、金属材料又は熱伝導率が高い樹脂材料によって構成されているとよい。例えば、ヒートシンク62は、アルミニウムによって構成されている。なお、ヒートシンク62は、電源回路40で発生する熱を放熱してもよい。ヒートシンク62には、基板10と電源回路40とを電気的に接続するリード線を通すための開口(図示せず)が設けられている。
【0037】
口金70は、発光素子21~23を発光させるための電力を照明装置1の外部から受電する。口金70は、電源回路40と電気的に接続されており、受電した電力を電源回路40に供給する。また、口金70は、照明装置1を器具本体(図示せず)に取り付けるための取付部として機能する。口金70は、金属材料などの導電性材料を用いて形成されている。本実施の形態では、口金70は、E11口金であるが、これに限定されない。
【0038】
[発光素子の配置と接続関係]
続いて、発光素子21~23の配置と接続関係とについて、
図4及び
図5を用いて説明する。
【0039】
図4は、本実施の形態に係る照明装置1の複数の発光素子21~23の配置の一例を示す平面図である。
図5は、本実施の形態に係る照明装置1の複数の発光素子21~23の回路構成の一例を示す回路図である。
【0040】
図4に示されるように、基板10の主面10aには、平面視において、第1領域11と、第2領域12と、第3領域13と、が設けられている。第1領域11、第2領域12及び第3領域13は、発光素子21、22及び23の各々の配置に基づいて主面10aを仮想的に区分することによって規定される。
図4では、各領域の境界を破線で表している(後述する
図8においても同様)。
【0041】
第1領域11は、第1発光素子の一例である発光素子21が配置された領域である。本実施の形態では、1個のみの発光素子21が第1領域11に配置されている。例えば、第1領域11は、基板10の主面10aの中心を含む領域である。
【0042】
第2領域12は、第2発光素子の一例である発光素子22が配置された領域であり、平面視において、第1領域11よりも外側の領域である。本実施の形態では、第2領域12には、4個の発光素子22が配置されている。例えば、第2領域12は、第1領域11を囲む環状の領域である。
【0043】
第3領域13は、第3発光素子の一例である発光素子23が配置された領域であり、平面視において、第2領域12よりも外側の領域である。本実施の形態では、第3領域13には、12個の発光素子23が配置されている。例えば、第3領域13は、第2領域12を囲む環状の領域である。
【0044】
図5に示されるように、発光素子21~23は、直列接続された複数の並列回路を構成している。具体的には、発光素子21は、第1並列回路51を構成している。なお、第1並列回路51は、1個のみの発光素子21で構成されているが、本明細書では、単独の発光素子21は、並列回路を構成し、かつ、直列回路を構成しているとみなしている。
【0045】
複数の発光素子22は、互いに並列接続されて第2並列回路52を構成している。第2領域12に配置された4個全ての発光素子22が互いに並列接続されている。第2並列回路52を構成する発光素子22の個数、すなわち、発光素子22の並列接続数は、第1並列回路51を構成する発光素子21の個数、すなわち、発光素子21の並列接続数よりも多い。
【0046】
複数の発光素子23は、互いに並列接続されて第3並列回路53を構成している。第3領域13に配置された12個全ての発光素子23が互いに並列接続されている。第3並列回路53を構成する発光素子23の個数、すなわち、発光素子23の並列接続数は、第2並列回路52を構成する発光素子22の個数、すなわち、発光素子22の並列接続数よりも多い。
【0047】
第1並列回路51、第2並列回路52及び第3並列回路53は、互いに直列接続されている。
図5に示される例では、高電位側の端子Vinから低電位側の端子Voutにかけて、第1並列回路51、第2並列回路52及び第3並列回路53の順で直列接続されている。なお、第1並列回路51、第2並列回路52及び第3並列回路53の直列接続の順序は、特に限定されない。
【0048】
電源回路40から供給される電力に基づいて、端子Vinから端子Voutにかけて電流Iが流れる。第1並列回路51では、1個のみの発光素子21が含まれているので、発光素子21に流れる電流I1の大きさは、電流Iの大きさに等しい。
【0049】
第2並列回路52では、同じ種類の発光素子22が並列接続されているので、各発光素子22には、電流Iが均等に分配されて流れる。1個の発光素子22に流れる電流I2の大きさは、「電流I÷第2並列回路52の並列接続数」であり、
図5の例では、電流Iの1/4の大きさである。
【0050】
第3並列回路53では、同じ種類の発光素子23が並列接続されているので、各発光素子23には、電流Iが均等に分配されて流れる。1個の発光素子23に流れる電流I3の大きさは、「電流I÷第3並列回路53の並列接続数」であり、
図5の例では、電流Iの1/12の大きさである。
【0051】
つまり、
図5に示される例では、電流I1、I2及びI3の大きさは、I1:I2:I3=12:4:1となる。LED素子などの電流駆動型の発光素子の明るさ(光度)は、電流の大きさに依存する。具体的には、発光素子の明るさは、電流の大きさに比例する。したがって、発光素子21は、発光素子22よりも明るく発光し、発光素子22は、発光素子23よりも明るく発光する。基板10の主面10aとの位置関係を踏まえると、
図3に示されるように、主面10aの中央に位置する発光素子21が明るく発光し、主面10aの外周に近づくにつれて明るさが低減する。なお、
図3では、発光素子21、22及び23の各々から発せられる光L1、L2及びL3の各々の明るさを模式的に円の大きさで表している。
【0052】
図4に示されるように、本実施の形態では、発光素子22と発光素子23との間の距離D23は、発光素子21と発光素子22との間の距離D12より長い。なお、距離D12及びD23はいずれも、対応する発光素子間の最短距離を示している。このように、基板10の主面10aの中心に近い発光素子21及び22間の距離D12が短く、主面10aの外周に近い発光素子22及び23間の距離D23が長くなっている。これにより、基板全体の発光分布において、主面10aの中心に近い程、より明るくなり、主面10aの外周に近い程、より暗くすることができる。
【0053】
なお、発光素子21~23の電気的な接続関係は、
図5に示される例には限定されない。
図6は、本実施の形態に係る照明装置1の複数の発光素子21~23の回路構成の一例を示す回路図である。
【0054】
図6に示されるように、4個の発光素子22は、2個ずつが互いに並列接続されて2個の第2並列回路52a及び52bを構成している。12個の発光素子23は、6個ずつが互いに並列接続されて2個の第3並列回路53a及び53bを構成している。
【0055】
第1並列回路51、2個の第2並列回路52a及び52b、並びに、2個の第3並列回路53a及び53bは、互いに直列接続されている。具体的には、端子Vinから端子Voutにかけて、第3並列回路53a、第2並列回路52a、第1並列回路51、第2並列回路52b及び第3並列回路53bの順で直列接続されている。なお、各並列回路の直列接続の順序は、特に限定されない。
【0056】
図6に示される例では、電流I1、I2及びI3の大きさは、I1:I2:I3=6:3:1になる。この場合も、主面10aの中央に位置する発光素子21が明るく発光し、主面10aの外周に近づくにつれて明るさが低減する。このように、並列接続数を変更することにより、発光素子の領域毎の明るさを変更することができる。
【0057】
[効果など]
以下では、以上のように構成された照明装置1の作用効果について、比較例を挙げて説明する。
【0058】
一般的に、光源が点光源に近い程、レンズ30の小型化がしやすく、設計容易性が高まる。点光源に近い光源としては、LEDチップが基板10に直接実装されたCOB(Chip On Board)型の発光モジュールが知られている。しかしながら、COB型の発光モジュールでは、LEDチップが互いに近接して配置されるので、発光時に生じる熱の影響を受けて発光効率が低下するおそれがある。また、COB型の発光モジュールは、コストが高い。
【0059】
これに対して、SMD型の発光素子を、間隔を開けて配置することで、熱の影響を抑制しながら低コスト化を図ることが想定される。
図7は、比較例に係る照明装置1xの発光部とレンズ30xとを示す断面図である。比較例に係る照明装置1xでは、全ての発光素子20xの明るさが同じである。
【0060】
図7に示される例では、全ての発光素子20xの明るさが同じであるので、主面10aの外周に近い発光素子20xからの光を有効に利用するためには、レンズ30xが大型化する。また、主面10aの中心の法線方向の照度を確保するには、外周に近い発光素子20xからの光を中心側に配光する必要もあり、レンズ30xの設計が難しくなる。
【0061】
これに対して、本実施の形態に係る照明装置1は、平面視において、第1領域11と第1領域11よりも外側の第2領域12とが設けられた主面10aを有する基板10と、第1領域11に配置された1以上の発光素子21と、第2領域12に配置された複数の発光素子22と、1以上の発光素子21及び複数の発光素子22に電力を供給する電源回路40と、主面10aに対向して配置され、1以上の発光素子21及び複数の発光素子22の各々からの光の配光を制御するレンズ30と、を備える。電源回路40から電力が供給された場合に、発光素子21は、発光素子22よりも明るく発光する。
【0062】
これにより、基板10の主面10aの中心に近い発光素子21が、外周に近い発光素子22よりも明るく発光するので、COB型の発光モジュールに近い配光分布が得られる。したがって、レンズ30の設計が容易になり、かつ、レンズ30の小型化も実現することができる。また、発光素子21と発光素子22との間の距離D12を広く取ることもできるので、熱の影響が抑制され、発光効率の低下を抑制することができる。
【0063】
また、例えば、電源回路40から1以上の発光素子21の1個あたりに供給される電力は、電源回路40から複数の発光素子22の1個あたりに供給される電力より大きい。
【0064】
これにより、各発光素子21及び22に供給する電力量を調整することによって、各発光素子21及び22の明るさを簡単に制御することができる。
【0065】
また、例えば、発光素子22の個数は、発光素子21の個数より多い。複数の発光素子22は、互いに並列接続されて第2並列回路52を構成する。1以上の発光素子21(例えば、第1並列回路51)と第2並列回路52とは、直列接続されている。
【0066】
これにより、第1並列回路51及び第2並列回路52の並列接続数の違いによって、各発光素子21及び22へ供給される電力(電流)の違いを出すことができ、簡単な回路構成によって発光素子21の明るさと発光素子22の明るさとを異ならせることができる。例えば、電源回路40と基板10との接続を2つの端子Vin及びVoutのみで実現できるため、構成の簡略化を実現することができる。
【0067】
また、例えば、主面10aには、第2領域12の外側の第3領域13が設けられている。照明装置1は、第3領域13に配置された複数の発光素子23を備える。発光素子23の個数は、発光素子22の個数より多い。複数の発光素子23は、互いに並列接続されて第3並列回路53を構成する。第3並列回路53は、1以上の発光素子21(例えば、第1並列回路51)又は第2並列回路52に直列接続されている。
【0068】
これにより、明るさの段数を増やすことができるので、レンズ30の設計をより簡単にすることができる。
【0069】
また、例えば、第2領域12は、第1領域11を囲む環状の領域である。
【0070】
これにより、発光素子22が発光素子21を囲むように環状に配置されるので、平面視において、発光素子21を中心として周方向に明暗のばらつきが発生するのを抑制することができる。
【0071】
また、例えば、発光素子21及び発光素子22は、同じ種類の発光素子である。
【0072】
これにより、並列回路内の各発光素子に供給される電流を均等にしつつ、並列回路間で発光素子に供給される電流を異ならせることができる。すなわち、並列回路内の各発光素子の明るさを均等にしつつ、並列回路間で発光素子の明るさを異ならせることができる。
【0073】
また、例えば、発光素子21及び22は、表面実装型の発光素子である。また、例えば、発光素子21及び22はそれぞれ、LEDである。
【0074】
これにより、低コスト化が実現できる。
【0075】
[変形例]
上記実施の形態では、発光素子間の熱の影響を考慮して間隔を空けて配置する例を示したが、これに限定されない。発熱量が低い場合、又は、熱に対する発光効率の低下が抑制される場合など、複数の発光素子は、間隔を詰めて配置することもできる。
【0076】
図8は、本変形例に係る照明装置の複数の発光素子21~23の配置を示す平面図である。
図8に示される例では、平面視形状が八角形の基板110に複数の発光素子21~23が実装されている。なお、基板110の平面視形状は、八角形に限定されず、四角形若しくは六角形などの多角形、又は、円形などであってもよい。
【0077】
図8に示されるように、基板110の主面には、平面視において、第1領域111と、第2領域112と、第3領域113と、が設けられている。第1領域111、第2領域112及び第3領域113は、発光素子21、22及び23の各々の配置に基づいて主面を仮想的に区分することによって規定される。
【0078】
本変形例では、4個の発光素子21が第1領域111に配置されている。例えば、第1領域111は、基板110の主面の中心を含む矩形の領域である。第2領域112には、12個の発光素子22が配置されている。例えば、第2領域112は、第1領域111を囲む矩形環状の領域である。第3領域113には、14個の発光素子23が配置されている。例えば、第3領域113は、第2領域112を囲む環状の領域である。
【0079】
4個の発光素子21と、12個の発光素子22と、14個の発光素子23のうちの8個とは、4行6列に等間隔で配列されている。14個の発光素子23のうちの6個は、列方向の両端に3個ずつ行方向に並んで配列されている。なお、発光素子21~23の配列及び各個数は、特に限定されない。
【0080】
図9は、本変形例に係る照明装置の複数の発光素子21~23の回路構成の一例を示す図である。
図9に示されるように、4個の発光素子21は、互いに並列接続されて第1並列回路151を構成している。同様に、12個の発光素子22は、互いに並列接続されて第2並列回路152を構成している。14個の発光素子23は、互いに並列接続されて第3並列回路153を構成している。この場合、発光素子21、22及び23の各々に流れる電流I1、I2及びI3の大きさは、I1:I2:I3=21:7:6になる。この場合においても、この場合も、主面の中央に位置する発光素子21が明るく発光し、主面の外周に近づくにつれて明るさが低減する。
【0081】
以上のように、1以上の発光素子21は、複数の発光素子21であり、互いに並列接続されて第1並列回路151を構成してもよい。
【0082】
これにより、各発光素子21~23の接続関係を異ならせることによって、明るさの差異を変更することができる。
【0083】
また、基板110に設けられた全ての発光素子21~23は、1つの直列回路(端子Vin及び端子Vout間の回路)との間に配置されているが、これに限定されない。例えば、4個の発光素子21の各々を起点又は終点とする4つの直列回路が構成されてもよい。各直列回路では、
図9と同様に、複数の発光素子22が第2並列回路を構成し、複数の発光素子23が第3並列回路を構成する。当該4つの直列回路は、互いに並列接続又は直列接続される。これにより、基板10と電源回路40とを電気的に接続するために基板10に設けられる端子数を2つにすることができる。
【0084】
(その他)
以上、本発明に係る照明装置について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0085】
例えば、照明装置は、発光素子21、22及び23のいずれかを備えなくてもよい。つまり、基板10の主面10aに実装された発光素子は、直列接続された3個の並列回路を構成する例を示したが、直列接続された2個のみの並列回路を構成してもよい。
【0086】
あるいは、基板10の主面10aに実装された発光素子は、直列接続された4個以上の並列回路を構成してもよい。この場合、基板10の主面10aは、4つ以上の領域に区分される。各領域に配置される発光素子の個数は、外側の領域に配置される発光素子の個数程、多くなる。
【0087】
また、第2領域12に配置される発光素子22は、複数個ずつの直列回路を構成し、当該直列回路が並列に接続されてもよい。例えば、4個の発光素子22は、2個ずつ直列接続されて直列回路を構成し、当該直列回路が並列接続されてもよい。つまり、各領域に配置される複数の発光素子は、1個又は複数個ずつ直列接続されて直列回路を構成し、当該直列回路が並列接続されてもよい。
【0088】
また、例えば、最も内側の第1領域11に配置される発光素子21は、複数個設けられている場合においても、並列接続されていなくてもよい。例えば、
図8及び
図9に示される4個の発光素子21は、直列接続されていてもよい。
【0089】
また、例えば、複数の発光素子22が発光素子21を囲むように環状に配置されている例を示したが、これに限定されない。複数の発光素子22は、2本の平行なライン状に配置され、その間に発光素子21が配置されていてもよい。あるいは、複数の発光素子22は、L字状又はU字状に配置されていてもよい。発光素子23についても同様である。
【0090】
また、例えば、発光素子21~23として、異なる種類の発光素子が利用されてもよい。例えば、同じ電力が投入された場合であっても、明るく発光する発光素子を第1領域11に配置し、暗く発光する発光素子を第2領域12に配置することができる。この場合、第2領域12に配置される複数の発光素子は、互いに直列接続されてもよい。すなわち、各領域に配置される発光素子は、必ずしも並列回路を構成しなくてもよい。
【0091】
また、各領域に配置される発光素子の個数についても、上述した例には限定されない。第1領域11に配置される発光素子21の個数が、第2領域12に配置される発光素子22の個数以上であってもよい。発光素子22及び23の各個数についても同様である。
【0092】
また、例えば、発光素子21~23は、基板10に直接実装されたLEDチップであってもよい。すなわち、照明装置は、COB型の発光モジュールを備えてもよい。LEDチップの間隔を空けて配置することにより、熱の影響を抑制することができる。
【0093】
また、例えば、発光素子21~23は、レーザ発光素子であってもよく、有機EL素子であってもよい。
【0094】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 照明装置
10、110 基板
10a 主面
11、111 第1領域
12、112 第2領域
13、113 第3領域
21 発光素子(第1発光素子)
22 発光素子(第2発光素子)
23 発光素子(第3発光素子)
30 レンズ
40 電源回路
51、151、151a、151b 第1並列回路
52、52a、52b、152、152a、152b 第2並列回路
53、53a、53b、153、153a、153b 第3並列回路