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特開2023-118555アナログデジタル変換回路及び半導体集積回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118555
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】アナログデジタル変換回路及び半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
   H03M 1/08 20060101AFI20230818BHJP
   H03M 1/38 20060101ALN20230818BHJP
【FI】
H03M1/08 A
H03M1/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021562
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】日野 翔太
(72)【発明者】
【氏名】羽根田 秀貴
【テーマコード(参考)】
5J022
【Fターム(参考)】
5J022AA02
5J022AB04
5J022BA02
5J022CA07
5J022CA10
5J022CB06
5J022CE09
5J022CF01
5J022CF07
(57)【要約】
【課題】回路規模の増大を抑制しつつ、アナログデジタル変換動作時における参照電圧の変動を抑制できるようにする。
【解決手段】参照電圧が供給される参照電圧ノードと、参照電圧ノードに電気的に接続されて参照電圧が入力される参照電圧入力ノードを有し、参照電圧に基づいて、入力されたアナログ電圧をデジタル値に変換するアナログデジタル変換回路部と、参照電圧ノードに電気的に接続され、参照電圧に基づいて、内部動作電圧を生成する電圧生成回路と、内部動作電圧に基づいて動作し、アナログデジタル変換回路部の動作時に、参照電圧入力ノードに電荷を補填する電荷補填回路とを有し、アナログデジタル変換回路部の動作時に、電荷補填回路が、参照電圧入力ノードに参照電圧の変動を抑制するための電荷を補填する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照電圧が供給される参照電圧ノードと、
前記参照電圧ノードに電気的に接続されて前記参照電圧が入力される参照電圧入力ノードを有し、前記参照電圧に基づいて、入力されたアナログ電圧をデジタル値に変換するアナログデジタル変換回路部と、
前記参照電圧ノードに電気的に接続され、前記参照電圧に基づいて、内部動作電圧を生成する電圧生成回路と、
前記内部動作電圧に基づいて動作し、前記アナログデジタル変換回路部の動作時に、前記参照電圧入力ノードに電荷を補填する電荷補填回路とを有することを特徴とするアナログデジタル変換回路。
【請求項2】
前記電荷補填回路は、
前記アナログデジタル変換回路部の前記アナログ電圧のサンプリング動作時に、前記参照電圧入力ノードに電荷を補填する第1の電荷補填回路と、
前記アナログデジタル変換回路部の前記アナログ電圧に係る比較動作時に、前記参照電圧入力ノードに電荷を補填する第2の電荷補填回路とを有することを特徴とする請求項1に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項3】
前記第2の電荷補填回路は、互いに同一の回路構成を有する複数の基本回路を有し、前記内部動作電圧が供給されるノードと前記参照電圧入力ノードの間に前記複数の基本回路が並列に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項4】
前記複数の基本回路は、前記デジタル値のビットに対応して設けられていることを特徴とする請求項3に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項5】
前記複数の基本回路は、前記デジタル値のビットの内の上位側から所定数のビットに対応してビット毎に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項6】
前記電荷補填回路は、
第1の容量と、
一端に前記内部動作電圧が供給され、他端が前記第1の容量の一端に接続される第1のスイッチと、
一端が前記第1の容量の他端に接続され、他端が基準電位ノードに接続される第2のスイッチと、
一端に前記内部動作電圧が供給され、他端が前記第1の容量の前記他端に接続される第3のスイッチと、
一端が前記第1の容量の前記一端に接続され、他端が前記参照電圧入力ノードに接続された第4のスイッチとを有することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項7】
前記電荷補填回路の少なくとも1つは、
1つの前記第1の容量と1つの前記第2のスイッチと1つの前記第3のスイッチとを有する内部回路を複数有し、前記内部動作電圧が供給されるノードと前記第4のスイッチの前記一端との間に複数の前記内部回路が並列に接続されていることを特徴とする請求項6に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項8】
前記電荷補填回路の少なくとも1つは、複数の前記内部回路に対して共通に、1つの前記第1のスイッチと1つの前記第4のスイッチを有することを特徴とする請求項7に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項9】
複数の前記内部回路において、前記第2のスイッチが互いに異なるタイミングでオンとなるように制御され、前記第3のスイッチが互いに異なるタイミングでオンとなるように制御されることを特徴とする請求項7又は8に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項10】
複数の前記内部回路が有する前記第1の容量の容量値が互いに等しいことを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項11】
複数の前記内部回路が有する前記第1の容量の容量値が互いに異なることを特徴とする請求項7~9の何れか1項に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項12】
複数の前記内部回路が有する前記第1の容量の容量値は、対応する前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチがオンされる順に従って小さくなることを特徴とする請求項11に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項13】
前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチを制御するスイッチ制御回路を有することを特徴とする請求項6~12の何れか1項に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項14】
前記電圧生成回路は、
一端が前記参照電圧ノードに電気的に接続される抵抗と、
一端が前記抵抗の他端に接続され、他端が基準電位ノードに接続される第2の容量と
を有し、前記抵抗の他端と前記第2の容量の一端の接続点から前記内部動作電圧を出力することを特徴とする請求項1~13の何れか1項に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項15】
前記アナログデジタル変換回路は、逐次比較型のアナログデジタル変換回路であることを特徴とする請求項1~14の何れか1項に記載のアナログデジタル変換回路。
【請求項16】
アナログデジタル変換回路と、
前記アナログデジタル変換回路から出力されるデジタル信号を受けて処理動作を行うデジタル処理回路とを有し、
前記アナログデジタル変換回路は、
参照電圧が供給される参照電圧ノードと、
前記参照電圧ノードに電気的に接続されて前記参照電圧が入力される参照電圧入力ノードを有し、前記参照電圧に基づいて、入力されたアナログ電圧をデジタル値に変換するアナログデジタル変換回路部と、
前記参照電圧ノードに電気的に接続され、前記参照電圧に基づいて、内部動作電圧を生成する電圧生成回路と、
前記内部動作電圧に基づいて動作し、前記アナログデジタル変換回路部の動作時に、前記参照電圧入力ノードに電荷を補填する電荷補填回路と
を有することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項17】
前記電荷補填回路は、
前記アナログデジタル変換回路部の前記アナログ電圧のサンプリング動作時に、前記参照電圧入力ノードに電荷を補填する第1の電荷補填回路と、
前記アナログデジタル変換回路部の前記アナログ電圧に係る比較動作時に、前記参照電圧入力ノードに電荷を補填する第2の電荷補填回路とを有することを特徴とする請求項16に記載の半導体集積回路。
【請求項18】
前記第2の電荷補填回路は、互いに同一の回路構成を有する複数の基本回路を有し、前記内部動作電圧が供給されるノードと前記参照電圧入力ノードの間に前記複数の基本回路が並列に接続されていることを特徴とする請求項17に記載の半導体集積回路。
【請求項19】
前記電荷補填回路は、
第1の容量と、
一端に前記内部動作電圧が供給され、他端が前記第1の容量の一端に接続される第1のスイッチと、
一端が前記第1の容量の他端に接続され、他端が基準電位ノードに接続される第2のスイッチと、
一端に前記内部動作電圧が供給され、他端が前記第1の容量の前記他端に接続される第3のスイッチと、
一端が前記第1の容量の前記一端に接続され、他端が前記参照電圧入力ノードに接続された第4のスイッチとを有することを特徴とする請求項16~18の何れか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項20】
前記電荷補填回路の少なくとも1つは、
1つの前記第1の容量と1つの前記第2のスイッチと1つの前記第3のスイッチとを有する内部回路を複数有し、前記内部動作電圧が供給されるノードと前記第4のスイッチの前記一端との間に複数の前記内部回路が並列に接続されていることを特徴とする請求項19に記載の半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログデジタル変換回路及び半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
入力されたアナログ電圧をデジタル値に変換する逐次比較(SAR:successive approximation register)型アナログデジタル(AD)変換回路においては、内部に有する容量型デジタルアナログ変換回路(DAC)の各容量に対し参照電圧(リファレンス電圧)もしくは0(ゼロ)[V]が与えられる。AD変換動作におけるリセット時や比較動作時に、容量型DACにおいて容量アレイの接続状態が変更されるが、このとき容量に蓄積された電荷が消費され自己ノイズとなり、参照電圧に影響を与える。
【0003】
図9を参照して、逐次比較型AD変換回路における参照電圧の電圧変動について説明する。図9において、VRPは逐次比較型AD変換回路の参照電圧入力ノードでの参照電圧であり、CLKは逐次比較型AD変換回路の動作クロック信号であり、STCは逐次比較型AD変換回路の動作を制御する制御信号である。図9に示す例では、逐次比較型AD変換回路は、制御信号STCに応じて、サンプリング期間SAMPではアナログ電圧のサンプリングを行い、比較期間CONVではアナログ電圧に係る比較動作を行うことで、入力されるアナログ電圧をデジタル値に変換する。
【0004】
逐次比較型AD変換回路は、時刻T501にて容量型DACも含めて初期状態にリセットして、入力されるアナログ電圧のサンプリングを行い、時刻T502にて最上位ビット(MSB:most significant bit)の値を決定するための比較動作を開始する。逐次比較型AD変換回路は、その後、上位側から順に各ビットの値を決定するための比較動作を順次開始し(時刻T503、T504)、時刻T505にて最下位ビット(LSB:least significant bit)の値を決定するための比較動作を開始する。リセットや各ビットに係る比較動作を開始するタイミングで、逐次比較型AD変換回路内の容量型DACにおいて容量アレイの接続状態が変更されることでノイズが発生し、図9に一例を示すように参照電圧入力ノードに入力される参照電圧VRPが変動してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0207518号明細書
【特許文献2】特開2009-33303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、AD変換動作におけるリセット時や比較動作時に、逐次比較型AD変換回路内の容量型DACにおいて容量アレイの接続状態が変更されることでノイズが発生し、逐次比較型AD変換回路に入力される参照電圧が変動してしまう。このようなノイズによる電圧変動を抑制する方法としては、逐次比較型AD変換回路が形成される集積回路の外部あるいは内部にバイパスコンデンサ、いわゆるパスコンを設けることにより、参照電圧に重畳されるノイズを除去する方法がある。
【0007】
しかしながら、逐次比較型AD変換回路が形成される集積回路の外部に端子を配することができない場合、外付けのバイパスコンデンサは使用することができない。また、逐次比較型AD変換回路が形成される集積回路の内部にバイパスコンデンサを設ける場合、自己ノイズを抑制しAD変換精度を維持するためには、それ相応のサイズのコンデンサ(容量)を設ける必要があり、回路面積を増大させてしまう。例えば、12ビットの逐次比較型AD変換回路では、数百pF~数nF程度の容量を有するバイパスコンデンサを集積回路の内部に設ける必要があり、回路面積が増大してしまう。
【0008】
本発明の目的は、回路規模の増大を抑制しつつ、アナログデジタル変換動作時における参照電圧の変動を抑制することができる逐次比較型のアナログデジタル変換回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
アナログデジタル変換回路の一態様は、参照電圧が供給される参照電圧ノードと、参照電圧ノードに電気的に接続されて参照電圧が入力される参照電圧入力ノードを有し、参照電圧に基づいて、入力されたアナログ電圧をデジタル値に変換するアナログデジタル変換回路部と、参照電圧ノードに電気的に接続され、参照電圧に基づいて、内部動作電圧を生成する電圧生成回路と、内部動作電圧に基づいて動作し、アナログデジタル変換回路部の動作時に、参照電圧入力ノードに電荷を補填する電荷補填回路とを有する。
【発明の効果】
【0010】
開示のアナログデジタル変換回路は、回路規模の増大を抑制しつつ、アナログデジタル変換動作時における参照電圧の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態におけるアナログデジタル変換回路の構成例を示す図である。
図2】電荷補填回路の動作を説明する図である。
図3】スイッチ制御回路の構成例を示す図である。
図4】電荷補填回路の構成例を示す図である。
図5図4に示した電荷補填回路の動作を説明する図である。
図6】電荷補填回路の他の構成例を説明する図である。
図7】本実施形態における参照電圧の電圧変動を説明する図である。
図8】本実施形態における半導体集積回路の構成例を示す図である。
図9】参照電圧の電圧変動を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態におけるアナログデジタル(AD)変換回路の構成例を示す図である。本実施形態におけるAD変換回路は逐次比較(SAR:successive approximation register)型のAD変換回路であり、図1には、入力されたアナログ電圧をnビット(nは自然数)のデジタル値に変換するnビットの逐次比較型AD変換回路を一例として示している。
【0014】
本実施形態における逐次比較型AD変換回路100は、アナログデジタル(AD)変換回路部110、電荷補填回路120、抵抗R1、R2、及び容量CAPA、CAPBを有する。図1に示す逐次比較型AD変換回路100において、VREFは参照電圧が供給される参照電圧ノードであり、VRPCは内部動作電圧を供給する内部動作電圧ノードであり、VRPは参照電圧が入力される参照電圧入力ノードである。また、VINP、VINNはアナログ電圧が入力されるアナログ電圧入力ノードである。本実施形態では、アナログ電圧の入力は差動入力形式となっており、アナログ電圧入力ノードVINP、VINNは相補の入力ノードである。DT[i]はデジタル値のiビット目の値が出力される出力ノードである。なお、iは添え字であり、i=0~(n-1)の整数である(以下においても同様)。
【0015】
抵抗R1の一端が参照電圧ノードVREFに接続され、抵抗R1の他端が参照電圧入力ノードVRPに接続される。容量CAPAは、バイパスコンデンサ(パスコン)としての容量であり、参照電圧入力ノードVRPと基準電位ノード(基準電位(グランドレベル、接地電位)が供給されるノード)との間に接続される。抵抗R2及び容量CAPBは、参照電圧ノードVREFと基準電位ノードとの間に直列に接続され、抵抗R2と容量CAPBとの接続点が内部動作電圧ノードVRPCに接続される。詳細には、抵抗R2の一端が参照電圧ノードVREFに接続され、抵抗R2の他端が容量CAPBの一端に接続される。容量CAPBの他端が基準電位ノードに接続される。また、抵抗R2の他端と容量CAPBの一端との接続点が、内部動作電圧ノードVRPCに接続される。抵抗R2及び容量CAPBは、電圧生成回路の一例である。なお、バイパスコンデンサとしての容量CAPAは、逐次比較型AD変換回路100の他の構成要素(AD変換回路部110、電荷補填回路120、抵抗R1、R2、及び容量CAPB)と同様にそれらが形成される集積回路の内部に設けられることが好ましいが、集積回路の外部に設ける構成であってもよい。
【0016】
AD変換回路部110は、アナログ電圧入力ノードVINP、VINNに入力されるアナログ電圧をnビットのデジタル値に変換して出力ノードDT[0]~DT[n-1]より出力する。AD変換回路部110は、スイッチSWP、SWN、比較回路(コンパレータ:COMP)111、制御回路(SAR_logic)112、及び容量型デジタルアナログ変換回路(DAC)113P、113Nを有する。
【0017】
スイッチSWPは、一端がアナログ電圧入力ノードVINPに接続され、他端が内部ノードVDPに接続される。また、スイッチSWNは、一端がアナログ電圧入力ノードVINNに接続され、他端が内部ノードVDNに接続される。スイッチSWP、SWNは、制御回路112からの制御信号に基づいて、オン(閉状態、導通状態)/オフ(開状態、非導通状態)制御される。比較回路111は、内部ノードVDPの電圧と内部ノードVDNの電圧とを比較し、比較結果を出力する。
【0018】
制御回路112は、AD変換回路部110におけるAD変換動作を制御する。制御回路112は、生成する制御信号STCに応じて、サンプリング期間SAMPではアナログ電圧のサンプリングを行い、比較期間CONVではアナログ電圧に係る比較動作を行うようAD変換回路部110を制御する。例えば、制御回路112は、制御信号STCにより、サンプリング期間SAMPではオン(閉状態、導通状態)となり、比較期間CONVではオフ(開状態、非導通状態)となるよう、スイッチSWP、SWNを制御する。また、制御回路112は、比較回路111より出力された比較結果に基づいて、アナログ電圧の変換結果であるデジタル値の各ビットの値を順次決定する。また、制御回路112は、比較回路111より出力された比較結果(順次決定するデジタル値の各ビットの値)及び制御信号STCに基づいて、容量型DAC113P、113Nにおける容量アレイの接続状態を制御する。
【0019】
容量型DAC113Pは、容量アレイを構成するn個の容量CPi及びスイッチSWPiを有する。n個の容量CPiは、容量値がバイナリの比率で重み付けされており、容量CPiの容量値は2iC(Cは単位容量値)である。例えば、10ビットのAD変換回路部110であれば、容量型DAC113Pは、C、2C、4C、8C、16C、32C、64C、128C、256C、512Cの容量値を有する10個の容量CP0~CP9を有する。各容量CPiの一端(トッププレート)が内部ノードVDPに接続され、他端(ボトムプレート)がスイッチSWPiの一端に接続される。スイッチSWPiは、制御回路112からの制御信号DPiに基づいて制御され、スイッチSWPiの他端が制御信号DPiに応じて参照電圧入力ノードVRP、基準電位(グランドレベル、接地電位)ノードのいずれかに選択的に接続される。すなわち、各容量CPiの他端(ボトムプレート)には、制御信号DPiに応じて、参照電圧入力ノードVRPに入力された参照電圧、又は基準電位ノードが供給される。
【0020】
容量型DAC113Nは、容量アレイを構成するn個の容量CNi及びスイッチSWNiを有する。n個の容量CNiは、容量値がバイナリの比率で重み付けされており、容量CPiの容量値は2iC(Cは単位容量値)である。各容量CNiの一端(トッププレート)が内部ノードVDNに接続され、他端(ボトムプレート)がスイッチSWNiの一端に接続される。スイッチSWNiは、制御回路112からの制御信号DNiに基づいて制御され、スイッチSWNiの他端が制御信号DNiに応じて参照電圧入力ノードVRP、基準電位ノードのいずれかに選択的に接続される。すなわち、各容量CNiの他端(ボトムプレート)には、制御信号DNiに応じて、参照電圧入力ノードVRPに入力された参照電圧、又は基準電位ノードが供給される。
【0021】
ここで、AD変換回路部110でのAD変換動作について説明する。AD変換回路部110は、制御信号STCに応じて、サンプリング期間SAMPではアナログ電圧のサンプリング動作を行い、比較期間CONVではアナログ電圧に係る比較動作を行いデジタル値の各ビットの値を順次決定していく。
【0022】
具体的には、サンプリング期間SAMPにおいて、制御回路112は、スイッチSWP、SWNを制御しオン(閉状態、導通状態)にする。また、制御回路112は、容量型DAC113Pにおいて、スイッチSWP0~SWPn-2の他端が基準電位ノードに接続され、スイッチSWPn-1の他端が参照電圧入力ノードVRPに接続される。また、制御回路112は、容量型DAC113Nにおいて、スイッチSWN0~SWNn-2の他端が参照電圧入力ノードVRPに接続され、スイッチSWNn-1の他端が基準電位ノードに接続される。このようにして、アナログ電圧入力ノードVINP、VINNに入力されたアナログ電圧のサンプリングを行う。アナログ電圧のサンプリングを行った後、制御回路112は、スイッチSWP、SWNを制御しオフ(開状態、非導通状態)にする。
【0023】
サンプリング期間SAMP後の比較期間CONVにおいて、まず、デジタル値の最上位ビット(MSB:most significant bit)である第(n-1)ビットの値を決定するための比較動作が行われる。このとき、制御回路112は、容量型DAC113Pにおいて、スイッチSWP0~SWPn-2の他端が基準電位ノードに接続され、スイッチSWPn-1の他端が参照電圧入力ノードVRPに接続されるよう制御する。また、制御回路112は、容量型DAC113Nにおいて、スイッチSWN0~SWNn-2の他端が参照電圧入力ノードVRPに接続され、スイッチSWNn-1の他端が基準電位ノードに接続されるよう制御する。この状態で内部ノードVDPの電圧と内部ノードVDNの電圧とが比較回路111で比較され、その比較結果に基づいて、制御回路112は第(n-1)ビットの値を決定する。
【0024】
デジタル値の第(n-1)ビットの値を決定すると、次に、デジタル値の上位側から2ビット目である第(n-2)ビットの値を決定するための比較動作が行われる。このとき、制御回路112は、容量型DAC113Pにおいて、スイッチSWP0~SWPn-3の他端が基準電位ノードに接続され、スイッチSWPn-2の他端が参照電圧入力ノードVRPに接続され、スイッチSWPn-1の他端が決定した第(n-1)ビットの値に応じて参照電圧入力ノードVRP又は基準電位ノードに接続されるよう制御する。また、制御回路112は、容量型DAC113Nにおいて、スイッチSWN0~SWNn-3の他端が参照電圧入力ノードVRPに接続され、スイッチSWNn-2の他端が基準電位ノードに接続され、スイッチSWNn-1の他端が決定した第(n-1)ビットの値に応じて基準電位ノード又は参照電圧入力ノードVRPに接続されるよう制御する。この状態で内部ノードVDPの電圧と内部ノードVDNの電圧とが比較回路111で比較され、その比較結果に基づいて、制御回路112は第(n-2)ビットの値を決定する。
【0025】
以降、同様にして、第(n-3)ビット、第(n-4)ビット、・・・、第1ビット、第0ビットと値を順次決定していくことで、AD変換回路部110は、アナログ電圧入力ノードVINP、VINNに入力されたアナログ電圧をnビットのデジタル値に変換する。
【0026】
次に、電荷補填回路120について説明する。電荷補填回路120は、前述したAD変換回路部110でのAD変換動作時に、入力される参照電圧の電圧変動を抑制するための電荷を参照電圧入力ノードVRPに補填する。なお、図1においては、説明の便宜上、1つの電荷補填回路120を図示しているが、後述するように、電荷補填回路120は、サンプリング用及び比較動作用にそれぞれ設けている。また、比較動作用の電荷補填回路120については、デジタル値のビットに対応するように電荷補填回路を設けている。
【0027】
電荷補填回路120は、4つのスイッチSWA、SWB、SWC、SWD、及び2つの容量CAPC、CAPDを有する。スイッチSWAは、一端が容量CAPCの一端(トッププレート)に接続され、他端が内部動作電圧ノードVRPCに接続される。スイッチSWBは、一端が容量CAPCの他端(ボトムプレート)に接続され、他端が基準電位(グランドレベル、接地電位)ノードに接続される。スイッチSWCは、一端が容量CAPCの他端(ボトムプレート)に接続され、他端が内部動作電圧ノードVRPCに接続される。スイッチSWDは、一端が容量CAPCの一端(トッププレート)に接続され、他端が参照電圧入力ノードVRPに接続される。容量CAPDは、一端が容量CAPCの一端とスイッチSWDの一端との接続点に接続され、他端が基準電位ノードに接続される。
【0028】
ここで、容量CAPDは、容量CAPCの一端(トッププレート)の電位がAD変換回路部110内のトランジスタの耐圧を超えないよう、容量CAPCに対して十分大きい容量値を有している。また、電荷補填回路120内のスイッチSWDのオン抵抗は、抵抗R1より十分小さい抵抗値とする。また、内部動作電圧ノードVRPCにおける電圧変動が参照電圧ノードVREFに及ぼす影響を抑制するために、抵抗R2は十分に大きい抵抗値(例えば数kΩ程度)を有する抵抗とする。
【0029】
電荷補填回路120の動作について、図2(A)~図2(C)を参照して説明する。ここでは、アナログ電圧のサンプリング動作時に参照電圧入力ノードVRPに対して電荷の補填を行うサンプリング用の電荷補填回路120を例に動作を説明する。図2(A)は、電荷補填回路120の動作例を示すタイミングチャートである。図2(A)において、CLKはクロック信号であり、STCは制御回路112で生成されたAD変換動作に係る制御信号である。SWA、SWB、SWC、SWDは電荷補填回路120が有するスイッチSWA、SWB、SWC、SWDの状態を示しており、ハイレベルがオン(閉状態、導通状態)であることを示し、ローレベルがオフ(開状態、非導通状態)であることを示すものとする。また、Vtopは電荷補填回路120が有する容量CAPCの一端(トッププレート)の電圧である。また、ここで、以下の説明において、容量CAPCの容量値をC1とし、容量CAPDの容量値をC2とし、内部動作電圧ノードVRPCの電圧をVRPCとする。
【0030】
時刻T101にて、AD変換回路部101の容量型DAC113P、113Nの状態をリセットするために容量アレイの接続を変更することに応じてスイッチSWDがオンにされ、容量CAPCの一端(トッププレート)と参照電圧入力ノードVRPとが接続される。これにより、時刻T101以前の動作により電荷補填回路120に蓄積された電荷が、容量CAPCの一端(トッププレート)から参照電圧入力ノードVRPに供給され、電荷補填回路120は、容量アレイの接続状態の変更によって参照電圧入力ノードVRPが失った電荷を補填することができる。その後、時刻T102にて、スイッチSWDがオフにされる。
【0031】
次に、電荷補填回路120では、容量CAPCに内部動作電圧ノードVRPCから電荷を補充するための動作が行われる。まず、時刻T103にてスイッチSWAがオンにされ、時刻T104にてスイッチSWCがオフにされ、続いて時刻T105にてスイッチSWBがオンにされる。図2(B)は、このときの電荷補填回路120の状態を示している。図2(B)に示した状態において、容量CAPCの一端(トッププレート)の電荷をQtop1とすると、Qtop1=VRPC・(C1+C2)となる。
【0032】
そして、所定の時間が経過した後、時刻T106にてスイッチSWAがオフにされ、時刻T107にてスイッチSWBがオフにされ、続いて時刻T108にてスイッチSWCがオンにされる。図2(C)は、このときの電荷補填回路120の状態を示している。図2(C)に示した状態において、容量CAPCの一端(トッププレート)の電荷をQtop2とすると、Qtop2=(Vtop-VRPC)・C1+Vtop・C2となる。
【0033】
図2(B)に示した状態と図2(C)に示した状態とで容量CAPCの一端の電荷は保存されQtop1=Qtop2となるので、
top=((2C1+C2)/(C1+C2))・VRPC
となる。
【0034】
そして、次のAD変換動作におけるリセット時に、時刻T109にて、時刻T101と同様に、スイッチSWDがオンにされ、容量CAPCの一端(トッププレート)と参照電圧入力ノードVRPとが接続される。これにより、前述のようにして電荷補填回路120に蓄積された電荷が、容量CAPCの一端(トッププレート)から参照電圧入力ノードVRPに供給される。このようにして、電荷補填回路120は、AD変換回路部101での容量アレイの接続状態の変更によって参照電圧入力ノードVRPが失った電荷を補填することができる。その後、時刻T110にて、スイッチSWDがオフにされる。
【0035】
なお、前述した説明では、スイッチSWA、SWB、SWCが互いに異なるタイミングでオン/オフするように制御している。しかし、これに限定されるものではなく、少なくともスイッチSWB、SWCが同時にオンになることは避けるように、スイッチSWB、SWCをともにオフとした後にスイッチSWB、SWCの一方をオンとするように制御すればよい。例えば、スイッチSWAとスイッチSWBとが同じタイミングでオン/オフされるように制御してもよいし、スイッチSWAとスイッチSWCとが同じタイミングでオン/オフされるように制御してもよい。
【0036】
電荷補填回路120が有するスイッチSWA、SWB、SWC、SWDを制御するスイッチ制御回路は、例えば、複数のフリップフロップを縦続接続したシフトレジスタと、論理回路とを用いて構成することができる。図2(A)に示したようにスイッチSWA、SWB、SWC、SWDを制御するスイッチ制御回路の例を図3に示す。図3に示すスイッチ制御回路は例えば、逐次比較型AD変換回路100に含まれる。
【0037】
図3に示すスイッチ制御回路は、シフトレジスタを構成する複数のフリップフロップ(FF)と、論理回路301~306とを有する。複数のフリップフロップ(FF)は、前段のフリップフロップのデータ出力(Q)と後段のフリップフロップのデータ入力(D)とを接続するように縦続接続され、初段のフリップフロップ(FF1)のデータ入力には制御回路112が生成する制御信号STCが入力される。この例では、制御信号STCは、クロック信号CLKの5サイクルの期間に亘ってハイレベル(サンプリング期間SAMP相当)となり、その後のローレベルの期間(比較期間COMP相当)はハイレベルの期間に対して十分長いものとする。
【0038】
論理和演算回路(OR回路)301には、初段側から3段目、7段目、11段目のフリップフロップFF3、FF7、FF11のデータ出力Q3、Q7、Q11が入力される。OR回路301でのデータ出力Q3、Q7、Q11の演算結果が、スイッチSWAを制御する制御信号SIGAとして出力される。また、OR回路302には、初段側から5段目、9段目、12段目のフリップフロップFF5、FF9、FF12のデータ出力Q5、Q9、Q12が入力される。OR回路302でのデータ出力Q5、Q9、Q12の演算結果が、スイッチSWBを制御する制御信号SIGBとして出力される。
【0039】
OR回路303には、初段側から4段目、8段目、13段目のフリップフロップFF4、FF8、FF13のデータ出力Q4、Q8、Q13が入力される。OR回路303でのデータ出力Q4、Q8、Q13の演算結果をインバータ304で反転した信号が、スイッチSWCを制御する制御信号SIGCとして出力される。また、論理積演算回路(AND回路)305には、初段のフリップフロップFF1のデータ出力Q1と、初段側から2段目のフリップフロップFF2のデータ出力Q2をインバータ306で反転した信号とが入力される。AND回路305でのデータ出力Q1と反転されたデータ出力Q2との演算結果が、スイッチSWDを制御する制御信号SIGDとして出力される。
【0040】
このように、複数のフリップフロップで構成されたシフトレジスタの3段目、7段目、11段目のデータ出力Q3、Q7、Q11を用いて、制御信号STCの立ち上がり後のクロック信号CLKの3サイクル目でハイレベルとなり、16サイクル目でローレベルとなる制御信号を生成でき、図2(A)に示したようにスイッチSWAを制御することができる。また、シフトレジスタの5段目、9段目、12段目のデータ出力Q5、Q9、Q12を用いて、制御信号STCの立ち上がり後のクロック信号CLKの5サイクル目でハイレベルとなり、17サイクル目でローレベルとなる制御信号を生成でき、図2(A)に示したようにスイッチSWBを制御することができる。
【0041】
同様に、シフトレジスタの4段目、8段目、13段目のデータ出力Q4、Q8、Q13を用いて、制御信号STCの立ち上がり後のクロック信号CLKの4サイクル目でローレベルとなり、18サイクル目でハイレベルとなる制御信号を生成でき、図2(A)に示したようにスイッチSWCを制御することができる。また、シフトレジスタの1段目、2段目のデータ出力Q1、Q2を用いて、制御信号STCの立ち上がり後のクロック信号CLKの1サイクル目でハイレベルとなり、2サイクル目でローレベルとなるパルス状の制御信号を生成でき、図2(A)に示したようにスイッチSWDを制御することができる。
【0042】
図3には、サンプリング用の電荷補填回路120が有するスイッチSWA、SWB、SWC、SWDを、図2(A)に示したように制御するスイッチ制御回路の例を示したが、比較動作用の電荷補填回路120が有するスイッチSWA、SWB、SWC、SWDを制御するスイッチ制御回路も同様にして構成することができる。比較動作用の電荷補填回路120が有するスイッチSWA、SWB、SWC、SWDをオン/オフ制御するタイミングに応じて、それぞれの論理回路に入力するシフトレジスタの出力(複数のフリップフロップのデータ出力)を適宜選択し変更することで、制御回路112が生成する制御信号STCからスイッチSWA、SWB、SWC、SWDをオン/オフ制御する制御信号を生成することができる。
【0043】
このように、電荷補填回路120が有するスイッチSWA、SWB、SWC、SWDをオン/オフ制御する制御信号は、シフトレジスタと論理回路とを用いて、制御回路112が生成する制御信号STCから生成することができる。ここで、電荷補填回路120が有するスイッチSWA、SWB、SWC、SWDを制御するスイッチ制御回路は、制御回路112の内部に設けるようにしてもよいし、制御回路112とは別の回路として設けるようにしてもよい。なお、電荷補填回路120が有するスイッチSWA、SWB、SWC、SWDを制御するスイッチ制御回路は、前述したシフトレジスタと論理回路とを用いたものに限定されるものではなく、任意の論理回路の組み合わせにより実現することが可能である。
【0044】
図4は、本実施形態における逐次比較型AD変換回路が有する電荷補填回路120の構成例を示す図である。逐次比較型AD変換回路に入力される参照電圧の変動は、サンプリング動作時と各ビットの比較動作時とに発生する可能性があり、その変動量も異なるため、前述したように、本実施形態における逐次比較型AD変換回路は、アナログ電圧のサンプリング動作時における参照電圧の変動を抑制するためのサンプリング用の電荷補填回路401、及びアナログ電圧に係る比較動作時における参照電圧の変動を抑制するための比較動作用の電荷補填回路402を有する。
【0045】
サンプリング用の電荷補填回路401は、4つのスイッチSWAS、SWBS、SWCS、SWDS、及び2つの容量CAPCS、CAPDSを有する。スイッチSWAS、SWBS、SWCS、SWDSは、図1に示した電荷補填回路120のスイッチSWA、SWB、SWC、SWDにそれぞれ対応する。容量CAPCS、CAPDSは、図1に示した電荷補填回路120の容量CAPC、CAPDにそれぞれ対応する。サンプリング用の電荷補填回路401における回路構成(スイッチSWAS、SWBS、SWCS、SWDS、及び容量CAPCS、CAPDSの接続等)は、図1に示した電荷補填回路120と同様であるので、その説明は省略する。
【0046】
比較動作用の電荷補填回路402は、4つのスイッチSWA[i]、SWB[i]、SWC[i]、SWD[i]、及び2つの容量CAPC[i]、CAPD[i]で構成されたデジタル値のiビット目に対応した基本回路を複数有し、それら互いに同一の回路構成を有する基本回路が内部動作電圧ノードVRPCと参照電圧入力ノードVRPとの間に並列接続されている。デジタル値のiビット目に対応した基本回路のスイッチSWA[i]、SWB[i]、SWC[i]、SWD[i]は、図1に示した電荷補填回路120のスイッチSWA、SWB、SWC、SWDにそれぞれ対応する。デジタル値のiビット目に対応した基本回路の容量CAPC[i]、CAPD[i]は、図1に示した電荷補填回路120の容量CAPC、CAPDにそれぞれ対応する。比較動作用の電荷補填回路402の各基本回路における回路構成(スイッチSWA[i]、SWB[i]、SWC[i]、SWD[i]、及び容量CAPC[i]、CAPD[i]の接続等)は、図1に示した電荷補填回路120と同様であるので、その説明は省略する。
【0047】
ここで、前述したように参照電圧の変動量はサンプリング時及び各ビットの比較動作時によって異なるので、容量CAPCの容量値及び容量CAPC[i]の容量値は、対応する動作やビット毎に、参照電圧の変動量に合わせて適宜設定する。
【0048】
次に、図5を参照して、図4に示した電荷補填回路401、402の動作について説明する。図5は、図4に示した電荷補填回路401、402の動作例を示すタイミングチャートである。図5において、VRPは参照電圧入力ノードVRPに入力される参照電圧であり、CLKはクロック信号であり、STCは制御回路112で生成されたAD変換動作に係る制御信号である。SWAS、SWBS、SWCS、SWDSはサンプリング用の電荷補填回路401が有するスイッチSWAS、SWBS、SWCS、SWDSの状態を示しており、VtopSは容量CAPCSの一端(トッププレート)の電圧である。また、SWA[i]、SWB[i]、SWC[i]、SWD[i]は比較動作用の電荷補填回路402が有するスイッチSWA[i]、SWB[i]、SWC[i]、SWD[i]の状態を示しており、Vtop[i]は容量CAPC[i]の一端(トッププレート)の電圧である。なお、各スイッチの状態は、ハイレベルがオン(閉状態、導通状態)であることを示し、ローレベルがオフ(開状態、非導通状態)であることを示すものとする。
【0049】
アナログ電圧のサンプリングが開始される時刻T201にて、サンプリング用の電荷補填回路401が有するスイッチSWDSがオンにされ、容量CAPCSの一端(トッププレート)と参照電圧入力ノードVRPとが接続されることにより、サンプリング用の電荷補填回路401に蓄積された電荷が、容量CAPCSの一端(トッププレート)から参照電圧入力ノードVRPに供給される。これにより、リセット時に参照電圧入力ノードVRPが消費した電荷をサンプリング用の電荷補填回路401が補填し、AD変換回路部101に入力される参照電圧の変動が抑制される。その後、時刻T202にて、スイッチSWDSがオフにされる。
【0050】
その後、サンプリング用の電荷補填回路401において、時刻T203にてスイッチSWASがオンにされ、時刻T204にてスイッチSWCSがオフにされ、続いて時刻T205にてスイッチSWBSがオンにされる。このようにスイッチSWAS、SWBS、SWCSをそれぞれ制御することによって、サンプリング用の電荷補填回路401が有する容量CAPCSに内部動作電圧ノードVRPCから電荷が補充される。
【0051】
また、デジタル値のMSBについての比較動作が開始される時刻T206にて、比較動作用の電荷補填回路402が有するスイッチSWD[n-1]がオンにされ、容量CAPC[n-1]の一端(トッププレート)と参照電圧入力ノードVRPとが接続されることにより、比較動作用の電荷補填回路402に蓄積された電荷が、容量CAPC[n-1]の一端(トッププレート)から参照電圧入力ノードVRPに供給される。これにより、MSBについての比較動作時に参照電圧入力ノードVRPが消費した電荷を比較動作用の電荷補填回路402が補填し、AD変換回路部101に入力される参照電圧の変動が抑制される。その後、時刻T207にて、スイッチSWD[n-1]がオフにされる。
【0052】
その後、比較動作用の電荷補填回路402において、時刻T208にてスイッチSWA[n-1]がオンにされ、時刻T209にてスイッチSWC[n-1]がオフにされ、続いて時刻T210にてスイッチSWB[n-1]がオンにされる。このようにスイッチSWA[n-1]、SWB[n-1]、SWC[n-1]をそれぞれ制御することによって、比較動作用の電荷補填回路402が有する容量CAPC[n-1]に内部動作電圧ノードVRPCから電荷が補充される。
【0053】
内部動作電圧ノードVRPCからサンプリング用の電荷補填回路401が有する容量CAPCSに電荷を補充するための動作を行ってから所定の期間が経過した後、サンプリング用の電荷補填回路401において、時刻T211にてスイッチSWASがオフにされ、時刻T212にてスイッチSWBSがオフにされ、続いて時刻T213にてスイッチSWCSがオンにされる。このようにスイッチSWAS、SWBS、SWCSをそれぞれ制御して、サンプリング用の電荷補填回路401が有する容量CAPCSに電荷を補充するための動作を終了する。
【0054】
同様に、内部動作電圧ノードVRPCから比較動作用の電荷補填回路402が有する容量CAPC[n-1]に電荷を補充するための動作を行ってから所定の期間が経過した後、比較動作用の電荷補填回路402において、時刻T214にてスイッチSWA[n-1]がオフにされ、時刻T215にてスイッチSWB[n-1]がオフにされ、続いて時刻T216にてスイッチSWC[n-1]がオンにされる。このようにスイッチSWA[n-1]、SWB[n-1]、SWC[n-1]をそれぞれ制御して、比較動作用の電荷補填回路402が有する容量CAPC[n-1]に電荷を補充するための動作を終了する。
【0055】
デジタル値の(n-2)ビット目から0ビット目までについても、デジタル値のMSBについての比較動作と同様に、各スイッチSWA[i]、SWB[i]、SWC[i]、SWD[i]をそれぞれ制御する。こうすることで、参照電圧入力ノードVRPが消費した電荷を比較動作用の電荷補填回路402が補填し、AD変換回路部101に入力される参照電圧の変動を抑制する。
【0056】
このようにサンプリング用の電荷補填回路401と、比較動作用の電荷補填回路402とを設けることで、アナログ電圧のサンプリング動作時に生じる参照電圧の変動、及びアナログ電圧に係る比較動作時に生じる参照電圧の変動を、それぞれ抑制することができる。
【0057】
なお、前述した例では、デジタル値の0ビット目から(n-1)ビット目にそれぞれ対応するように設けたn個の基本回路を有する比較動作用の電荷補填回路402を一例として示した。しかし、比較動作時の参照電圧の変動量は、デジタル値のMSBで大きく、デジタル値のLSB側にいくほど小さくなるので、デジタル値の各ビットに対応して基本回路を設けずに、デジタル値の上位側から所定数のビットに対応した基本回路を設けるようにしてもよい。つまり、比較動作用の電荷補填回路402は、デジタル値の上位側から所定数のビットに対応した基本回路をビット毎に設け、所定数のビットよりも下位側のビットに対応した基本回路を設けずに構成してもよい。
【0058】
ここで、電荷補填回路120(401、402)において、スイッチSWB(SWBS、SWB[i])をオフ状態からオン状態にする際、及びスイッチSWC(SWBC、SWC[i])をオフ状態からオン状態にする際、電荷補填回路120(401、402)は、内部動作電圧ノードVRPCから電荷の供給を受ける。それにより、容量CAPBにて電圧レベルの低下が発生し、内部動作電圧ノードVRPCの電圧変動が生じてしまう。この容量CAPBでの電圧レベル(内部動作電圧ノードVRPCの電圧)の変動量は、電荷補填回路120(401、402)が有する容量CAPC(CAPCS、CAPC[i])の容量値が大きいほど大きくなる。容量CAPC(CAPCS、CAPC[i])の容量値は、サンプリング用の電荷補填回路401では大きく、また比較動作用の電荷補填回路402ではデジタル値の上位側ビットに対応するものほど大きくなる。そこで、サンプリング用の電荷補填回路401や比較動作用の電荷補填回路402でデジタル値の上位側ビット(例えばMSB)に対応する回路のように容量CAPC(CAPCS、CAPC[i])の容量値が大きい場合、図6(A)に示すような回路構成とすることで、内部動作電圧ノードVRPCの電圧変動を抑制することができる。
【0059】
図6(A)は、電荷補填回路の他の構成例を示す図である。図6(A)に示す回路構成は、サンプリング用の電荷補填回路401、又は比較動作用の電荷補填回路402における1つの基本回路に相当する。図6(A)に示す回路では、電荷補填回路120(401、402)での容量CAPC(CAPCS、CAPC[i])に相当する容量を並列接続の複数の容量で実現し、各容量の容量値を小さくする。図6(A)に示す電荷補填回路は、スイッチSWA、SWD、容量CAPD、及び複数の内部回路601(601-1、601-2、・・・、601-k)を有する。
【0060】
スイッチSWAは、一端が内部動作電圧ノードVRPCに接続され、他端がスイッチSWDの一端に接続される。スイッチSWDの他端は、参照電圧入力ノードVRPに接続される。容量CAPDは、一端がスイッチSWAの他端とスイッチSWDの一端との接続点に接続され、他端が基準電位(グランドレベル、接地電位)ノードに接続される。
【0061】
複数の内部回路601-j(jは添え字であり、j=1~kの自然数)は、内部動作電圧ノードVRPCとスイッチSWDの一端との間に並列接続される。内部回路601-jのそれぞれは、スイッチSWB-j、SWC-j、及び容量CAPC-jを有する。各内部回路601-jが有するスイッチSWB-j、SWC-j、及び容量CAPC-jは、図1に示した電荷補填回路120のスイッチSWB、SWC、及び容量CAPCにそれぞれ対応する。内部回路601-jの各々において、容量CAPC-jは、一端(トッププレート)がスイッチSWAの他端とスイッチSWDの一端との接続点に接続される。スイッチSWB-jは、一端が容量CAPC-jの他端(ボトムプレート)に接続され、他端が基準電位ノードに接続される。スイッチSWC-jは、一端が容量CAPC-jの他端(ボトムプレート)に接続され、他端が内部動作電圧ノードVRPCに接続される。ここで、並列接続される容量CAPC-1~容量CAPC-kの合成容量値は容量CAPCと同じ容量値を有し、各容量CAPC-jは、例えば、容量値が等しく、容量CAPCに対して(1/k)の容量値を有する。
【0062】
図6(B)は、図6(A)に示した電荷補填回路の駆動例を示すタイミングチャートである。なお、図6(B)には、サンプリング用の電荷補填回路401に図6(A)に示した電荷補填回路を適用した場合の駆動例を示している。図6(B)において、CLKはクロック信号であり、STCは制御回路112で生成されたAD変換動作に係る制御信号である。SWA、SWB-j、SWC-j、SWDは、図6(A)に示したスイッチSWA、SWB-j、SWC-j、SWDの状態をそれぞれ示しており、ハイレベルがオン(閉状態、導通状態)であることを示し、ローレベルがオフ(開状態、非導通状態)であることを示すものとする。
【0063】
時刻T301にて、スイッチSWDがオンにされ、容量CAPC-1~CAPC-kの一端(トッププレート)と参照電圧入力ノードVRPとが接続されることにより、蓄積されていた電荷が、容量CAPC-1~CAPC-kの一端(トッププレート)から参照電圧入力ノードVRPに供給される。その後、時刻T302にて、スイッチSWDがオフにされる。
【0064】
次に、時刻T303にてスイッチSWAがオンにされる。続いて、時刻T304にて内部回路601-1のスイッチSWC-1がオフにされ、時刻T305にて内部回路601-1のスイッチSWB-1がオンにされる。その後、時刻T306にて内部回路601-2のスイッチSWC-2がオフにされ、時刻T307にて内部回路601-2のスイッチSWB-2がオンにされる。以降、同様にして、1つの内部回路601ずつ、内部のスイッチSWC-jがオフにされた後、スイッチSWB-jがオンにされる。そして、時刻T308にて内部回路601-kのスイッチSWC-kがオフにされ、時刻T309にて内部回路601-kのスイッチSWB-kがオンにされる。これにより、内部回路601-1~601-kのスイッチSWB-1~SWB-kがオンとなり、スイッチSWC-1~SWC-kがオフとなる。このように、互いに異なるタイミングでオンとなるように制御し、タイミングをずらして内部回路601-1~601-kのスイッチSWB-1~SWB-kをオンさせることで、内部動作電圧ノードVRPCの電圧変動を分散し、内部動作電圧ノードVRPCの電圧変動を抑制することができる。
【0065】
次に、時刻T310にてスイッチSWAがオフにされる。続いて、時刻T311にて内部回路601-1のスイッチSWB-1がオフにされ、時刻T312にて内部回路601-1のスイッチSWC-1がオンにされる。その後、時刻T313にて内部回路601-2のスイッチSWB-2がオフにされ、時刻T314にて内部回路601-2のスイッチSWC-2がオンにされる。以降、同様にして、1つの内部回路601ずつ、内部のスイッチSWB-jがオフにされた後、スイッチSWC-jがオンにされる。そして、時刻T315にて内部回路601-kのスイッチSWB-kがオフにされ、時刻T316にて内部回路601-kのスイッチSWC-kがオンにされる。これにより、内部回路601-1~601-kのスイッチSWB-1~SWB-kがオフとなり、スイッチSWC-1~SWC-kがオンとなる。このように、互いに異なるタイミングでオンとなるように制御し、タイミングをずらして内部回路601-1~601-kのスイッチSWC-1~SWC-kをオンさせることで、内部動作電圧ノードVRPCの電圧変動を分散し、内部動作電圧ノードVRPCの電圧変動を抑制することができる。
【0066】
なお、図6(B)に示した例は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、内部回路601-1→601-2→・・・→601-kの順でスイッチSWB-j、SWC-jを制御するようにしているが、タイミングをずらして内部回路601-1~601-kのスイッチSWB-1~SWB-kをオンさせればよく、内部回路601-1~601-kを異なる順序で制御するようにしてもよい。また、スイッチSWB-j及びスイッチSWC-jをオン/オフ制御するタイミングを互いに異ならせているが、タイミングをずらして内部回路601-1~601-kのスイッチSWB-1~SWB-kをオンさせ、かつスイッチSWB-jと対応するスイッチSWC-jをともにオフとした後にスイッチSWB-j、SWC-jの一方をオンとするように制御すればよく、この条件を満たせば、スイッチSWB-j、SWC-jをオフにするタイミングは任意である。例えば、図6(B)に示した例において、時刻T305にて内部回路601-1のスイッチSWB-1をオンさせるとともに内部回路601-2のスイッチSWC-2をオフさせるようにしてもよいし、時刻T305より以前に内部回路601-2のスイッチSWC-2をオフさせるようにしてもよい。
【0067】
また、並列接続される容量CAPC-1~容量CAPC-kの容量値が等しく、容量CAPCに対して(1/k)の容量値を有する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、残留ノイズの影響を考慮して、容量CAPC-1~容量CAPC-kの容量値を調整するようにしてもよい。容量にノイズが残留している場合、前段の容量の残留ノイズと後段の容量のノイズが重なり、内部動作電圧ノードVRPCの電圧変動が大きくなってしまう。そこで、最前段となる容量CAPC-jの容量値が最も大きく、後段になるにつれて容量CAPC-jの容量値が小さくなるように、各内部回路601-jの容量CAPC-jの容量値を設定するようにしてもよい。例えば、内部回路601-1→601-2→・・・→601-kの順でスイッチSWB-j、SWC-jを制御する場合、容量CAPC-jの容量値は、容量CAPC-1が最も大きく、jの値が大きくなるにつれて小さくなり、容量CAPC-kが最も小さくなるようにする。このように対応するスイッチSWB-j、SWC-jがオンされる順に従って容量CAPC-jが小さくなるようにすることで、後段に伝わる残留ノイズを低減し、前段の容量の残留ノイズによる後段への影響を抑えて、内部動作電圧ノードVRPCの電圧変動をさらに抑制することが可能となる。
【0068】
以上説明したように本実施形態によれば、AD変換回路部110の動作時に、参照電圧の変動を抑制するための電荷を電荷補填回路120により参照電圧入力ノードVRPに補填することで、回路規模の増大を抑制しつつ、AD変換動作時における参照電圧の変動を抑制することができる。例えば、図7にシミュレーション結果を示すように、リセット時の時刻T401やMSBに係る比較動作時の時刻T402での参照電圧入力ノードVRPの電圧変化から明らかなように、電圧補填回路を設けることで、電荷補填回路を設けない場合(比較例)と比較して参照電圧入力ノードVRPの電圧変動が抑制される。
【0069】
図8は、本実施形態におけるAD変換回路を含む半導体集積回路の構成例を示す図である。本実施形態における半導体集積回路は、アナログ電圧入力ノードVINP、VINNに入力されるアナログ電圧をnビットのデジタル値に変換して出力ノードDT[0]~DT[n-1]よりデジタル信号として出力する逐次比較型AD変換回路100、及び逐次比較型AD変換回路100から出力されたデジタル信号を受けてデジタル信号処理を行うロジック回路等のデジタル処理回路801を有する。
【0070】
逐次比較型AD変換回路100は、本実施形態におけるAD変換回路であり、AD変換回路部110、電荷補填回路120、抵抗R1、R2、及び容量CAPA、CAPBを有する。AD変換回路部110は、スイッチSWP、SWN、比較回路(コンパレータ:COMP)111、制御回路(SAR_logic)112、及び容量型DAC(CDAC)113P、113Nを有する。また、電荷補填回路120は、4つのスイッチSWA、SWB、SWC、SWD、及び2つの容量CAPC、CAPDを有する。なお、電荷補填回路120は、前述したようにサンプリング用及び比較動作用にそれぞれ設けている。図8において、VREFは参照電圧ノードであり、VRPは参照電圧入力ノードであり、VINP、VINNはアナログ電圧入力ノードである。逐次比較型AD変換回路100における内部の回路構成や動作は、図1に示した逐次比較型AD変換回路100と同様である。
【0071】
デジタル処理回路801は、逐次比較型AD変換回路100から出力ノードDT[0]~DT[n-1]を介して出力されるデジタル信号を受け、デジタル信号に係る処理動作等を行う。
【0072】
なお、前述した実施形態では、トッププレートサンプリング型のAD変換回路を一例に説明したが、トッププレートサンプリング型に限定するものではなく、ボトムプレートサンプリング型のAD変換回路にも適用可能である。また、アナログ電圧の入力が差動入力形式である例を示したが、シングルエンド入力のAD変換回路にも適用可能である。
【0073】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 逐次比較型AD変換回路
110 AD変換回路部
111 比較回路
112 制御回路
113P、113N 容量型DAC
120、401、402 電荷補填回路
SWP、SWN、SWA、SWB、SWC、SWD スイッチ
CAPA、CAPB、CAPC、CAPD 容量
R1、R2 抵抗
VREF 参照電圧ノード
VRPC 内部動作電圧ノード
VRP 参照電圧入力ノード
VINP、VINN アナログ電圧入力ノード
DT[0]~DT[n-1] 出力ノード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9