IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アイチコーポレーションの特許一覧

<>
  • 特開-結束具および作業車 図1
  • 特開-結束具および作業車 図2
  • 特開-結束具および作業車 図3
  • 特開-結束具および作業車 図4
  • 特開-結束具および作業車 図5
  • 特開-結束具および作業車 図6
  • 特開-結束具および作業車 図7
  • 特開-結束具および作業車 図8
  • 特開-結束具および作業車 図9
  • 特開-結束具および作業車 図10
  • 特開-結束具および作業車 図11
  • 特開-結束具および作業車 図12
  • 特開-結束具および作業車 図13
  • 特開-結束具および作業車 図14
  • 特開-結束具および作業車 図15
  • 特開-結束具および作業車 図16
  • 特開-結束具および作業車 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118567
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】結束具および作業車
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/04 20060101AFI20230818BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20230818BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20230818BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20230818BHJP
   F16L 3/10 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
F16B7/04 301G
B66F11/04
F16B2/10 Z
F16B2/08 S
F16L3/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021578
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000116644
【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】町田 朝
【テーマコード(参考)】
3F333
3H023
3J022
3J039
【Fターム(参考)】
3F333AA08
3F333AB01
3F333AB04
3F333CB11
3F333CB12
3F333CB14
3H023AA04
3H023AB01
3H023AC32
3H023AD08
3H023AD15
3J022EA32
3J022EB14
3J022EC14
3J022EC17
3J022FA01
3J022FA05
3J022FB07
3J022FB12
3J022GA04
3J022GA16
3J022GB23
3J022GB43
3J022GB45
3J022GB56
3J039AA04
3J039BB01
3J039CA02
3J039CA04
(57)【要約】
【課題】複数の被結束物を安定して束ねることが可能な結束具および、これを備えた作業車を提供する。
【解決手段】結束具100の第1保持部110は、第1ジャッキ用油圧ホース91を第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動可能に保持する。第1保持部110と一体的に第1保持部110と並行して形成された第2保持部120は、結束バンド150との間に、ホース受容部126に受容された第2ジャッキ用油圧ホース92と、ケーブル受容部121に受容されたジャッキ用ケーブル93とを挟んで保持する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の被結束物を保持する第1保持部と、
前記第1保持部と一体的に並行して形成されて結束バンドが巻き付けられ、前記結束バンドとの間に少なくとも第2の被結束物を挟んで保持する第2保持部とを備え、
前記第1保持部は、前記第1の被結束物を前記第1の被結束物の延伸方向に沿って移動可能に保持することを特徴とする結束具。
【請求項2】
前記第2保持部は、
前記第2の被結束物を受容する第1受容部と、
前記第1受容部と一体的に前記第1保持部と並行して形成されて第3の被結束物を受容する第2受容部とを有し、
前記結束バンドとの間に、前記第1受容部に受容された前記第2の被結束物と、前記第2受容部に受容された前記第3の被結束物とを挟んで保持することを特徴とする請求項1に記載の結束具。
【請求項3】
前記第3の被結束物は、第1の外径を有する断面視円形状に形成される場合と、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する断面視円形状に形成される場合があり、
前記第2受容部は、
前記第2受容部に受容された前記第1の外径を有する前記第3の被結束物の外周部と接触する第1接触部と、
前記第2受容部に受容された前記第2の外径を有する前記第3の被結束物の外周部と接触する第2接触部とを有することを特徴とする請求項2に記載の結束具。
【請求項4】
走行可能な車体と、
前記車体に設けられる油圧装置と、
前記油圧装置と接続されて作動油が流れる第1ホースおよび第2ホースと、
請求項1~3のいずれか一項に記載の結束具とを備え、
前記第1の被結束物が前記第1ホースであり、
前記第2の被結束物が前記第2ホースであることを特徴とする作業車。
【請求項5】
前記油圧装置に設けられる電気部品と、
前記電気部品と電気的に接続されるケーブルとを備え、
前記結束具が請求項2または3に記載の結束具であり、
前記第3の被結束物が前記ケーブルであることを特徴とする請求項4に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の被結束物を束ねる結束具および、これを備えた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車の一例として、運転キャブを前部に有して走行可能なトラック車両をベースに構成され、その車体上に水平旋回可能に設けられた旋回台と、その旋回台に起伏および伸縮可能に設けられたブームと、そのブームの先端部に旋回可能に支持された作業台とを備えた高所作業車が知られている。このような高所作業車は、電線工事、道路トンネル内の保守点検作業、橋梁の保守点検作業等の種々の作業現場で用いられている。このような高所作業車では、作業中に車両を安定した状態で支持するため、車両の前後左右にそれぞれ油圧式のアウトリガジャッキが設けられ、これらのアウトリガジャッキを車両の側方に張り出して接地させるように構成されている。
【0003】
アウトリガジャッキには、アウトリガジャッキに設けられてアウトリガジャッキを作動させる油圧シリンダに作動油を供給するための2つの油圧ホースと、アウトリガジャッキに設けられるセンサ類と電気的に接続されるケーブルとが取り付けられる。2つの油圧ホースとケーブルは、アウトリガジャッキから並行して延びるように配置される。2つの油圧ホースとケーブルが並行する状態を保つため、2つの油圧ホースとケーブルは、結束具と結束バンドを用いて束ねられる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-76146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アウトリガジャッキを車両の側方に張り出すと、結束具を用いて束ねた2つの油圧ホースとケーブルは、アウトリガジャッキを張り出す際の駆動力を受けて変形し、結束具を用いて2つの油圧ホースとケーブルを束ねた状態が乱れる可能性があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、複数の被結束物を安定して束ねることが可能な結束具および、これを備えた作業車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的達成のため、本発明に係る結束具は、第1の被結束物(例えば、実施形態における第1ジャッキ用油圧ホース91)を保持する第1保持部と、前記第1保持部と一体的に並行して形成されて結束バンドが巻き付けられ、前記結束バンドとの間に少なくとも第2の被結束物(例えば、実施形態における第2ジャッキ用油圧ホース92)を挟んで保持する第2保持部とを備え、前記第1保持部は、前記第1の被結束物を前記第1の被結束物の延伸方向に沿って移動可能に保持する。
【0008】
上述の結束具において、前記第2保持部は、前記第2の被結束物を受容する第1受容部(例えば、実施形態におけるホース受容部126)と、前記第1受容部と一体的に前記第1保持部と並行して形成されて第3の被結束物(例えば、実施形態におけるジャッキ用ケーブル93)を受容する第2受容部(例えば、実施形態におけるケーブル受容部121)とを有し、前記結束バンドとの間に、前記第1受容部に受容された前記第2の被結束物と、前記第2受容部に受容された前記第3の被結束物とを挟んで保持することが好ましい。
【0009】
上述の結束具において、前記第3の被結束物は、第1の外径を有する断面視円形状に形成される場合と、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する断面視円形状に形成される場合があり、前記第2受容部は、前記第2受容部に受容された前記第1の外径を有する前記第3の被結束物の外周部と接触する第1接触部と、前記第2受容部に受容された前記第2の外径を有する前記第3の被結束物の外周部と接触する第2接触部とを有することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る作業車(例えば、実施形態における高所作業車1)は、走行可能な車体と、前記車体に設けられる油圧装置(例えば、実施形態におけるジャッキ12)と、前記油圧装置と接続されて作動油が流れる第1ホースおよび第2ホースと、上述した結束具のうちいずれかに記載の結束具とを備え、前記第1の被結束物が前記第1ホースであり、前記第2の被結束物が前記第2ホースである。
【0011】
上述の作業車において、前記油圧装置に設けられる電気部品(例えば、実施形態におけるジャッキ接地センサ86)と、前記電気部品と電気的に接続されるケーブルとを備え、前記結束具が上述した結束具のうち2番目または3番目に記載の結束具であり、前記第3の被結束物が前記ケーブルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る結束具によれば、第1保持部は、第1の被結束物を第1の被結束物の延伸方向に沿って移動可能に保持する。これにより、仮に、結束具を用いて束ねた第1の被結束物と第2の被結束物が外力を受けて変形しようとしたとしても、第1の被結束物が第1の被結束物の延伸方向に沿って移動することで、第1の被結束物と第2の被結束物との相対位置関係を一定に保つことができる。そのため、結束具を用いて複数の被結束物を安定して束ねることが可能になる。
【0013】
上述の結束具において、第2保持部は、結束バンドとの間に、第1受容部に受容された第2の被結束物と、第2受容部に受容された第3の被結束物とを挟んで保持することが好ましい。これにより、結束具を用いて第1の被結束物と第2の被結束物と第3の被結束物を安定して束ねることが可能になる。
【0014】
上述の結束具において、第2保持部の第2受容部は、第2受容部に受容された第1の外径を有する第3の被結束物の外周部と接触する第1接触部と、第2受容部に受容された第2の外径を有する第3の被結束物の外周部と接触する第2接触部とを有することが好ましい。これにより、第2受容部に保持された第1の外径を有する第3の被結束物の外周部に第1接触部が接触し、第2受容部に保持された第2の外径を有する第3の被結束物の外周部に第2接触部が接触するため、第3の被結束物の外径が異なる場合があっても、第3の被結束物を確実に保持することが可能になる。
【0015】
本発明に係る作業車によれば、結束具の第1保持部は、第1ホースを第1ホースの延伸方向に沿って移動可能に保持する。これにより、仮に、結束具を用いて束ねた第1ホースと第2ホースが外力を受けて変形しようとしたとしても、第1ホースが第1ホースの延伸方向に沿って移動することで、第1ホースと第2ホースとの相対位置関係を一定に保つことができる。そのため、結束具を用いて第1ホースと第2ホースを含む複数の被結束物を安定して束ねることが可能になる。
【0016】
上述の作業車において、結束具の第2保持部は、結束バンドとの間に、第1受容部に受容された第2ホースと、第2受容部に受容されたケーブルとを挟んで保持することが好ましい。これにより、結束具を用いて第1ホースと第2ホースとケーブルを安定して束ねる
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】高所作業車を左方から見た左側面図である。
図2】高所作業車を後方から見た後面図である。
図3】高所作業車の制御系を示すブロック図である。
図4】アウトリガビームおよびジャッキの拡大図である。
図5】第1実施形態に係る結束具を用いて被結束物を束ねた状態を示す斜視図である。
図6】第1実施形態に係る結束具を用いて被結束物を束ねた状態を示す平面図である。
図7】第1実施形態に係る第2保持部に4芯電線ケーブルが保持された状態を示す断面図である。
図8】第1実施形態に係る第2保持部に6芯電線ケーブルが保持された状態を示す断面図である。
図9】第1実施形態に係る第2保持部に8芯電線ケーブルが保持された状態を示す断面図である。
図10】第1実施形態に係る結束具の斜視図である。
図11】第1実施形態に係る結束具の平面図である。
図12】第1実施形態に係る結束具の側面図である。
図13】第2実施形態に係る結束具を用いて被結束物を束ねた状態を示す斜視図である。
図14】第2実施形態に係る第2保持部に6芯電線ケーブルが保持された状態を示す断面図である。
図15】第2実施形態に係る結束具の斜視図である。
図16】第2実施形態に係る結束具の平面図である。
図17】第2実施形態に係る結束具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態に係る結束具を備えた高所作業車1を図1および図2に示しており、まず、これらの図を参照して高所作業車1の全体構成について説明する。高所作業車1は、図1に示すように、車体2の前部に運転キャブ7を有し、車体2の前後左右に配設された車輪3により走行可能なトラック式車両をベースに構成されている。
【0019】
車体2の前後左右には、高所作業時に車体2を持ち上げ支持するアウトリガジャッキ10が設けられている。アウトリガジャッキ10は、図2に示すように、車体2の左右方向(車幅方向)に伸縮可能なアウトリガ(アウトリガビーム)11と、アウトリガ11の先端部に設けられて上下方向に伸縮可能なジャッキ12と、ジャッキ12の下端部に取り付けられた接地板13とを有して構成される。アウトリガ11は、該アウトリガ11の内部に設けられたアウトリガシリンダ15(図3を参照)により左右方向(車幅方向)に伸縮作動可能に構成されている。ジャッキ12は、該ジャッキ12の内部に設けられたジャッキシリンダ16(図3を参照)により上下方向に伸縮作動可能に構成されている。アウトリガ11を車体2の左右側方に張り出すとともにジャッキ12を伸長させて接地板13を路面(地面)に接地させることにより、車体2が持ち上げ支持され、車両全体を安定させた状態にすることができる。
【0020】
図1に示すように、車体2における運転キャブ7後方の架装領域には、ブーム旋回モータ24(図3を参照)により駆動されて上下軸回りに水平旋回動自在に構成された旋回台20が設けられている。この旋回台20から上方に延びた支柱21には、ブーム30の基
端部がフートピン22を介して上下方向に揺動自在(起伏自在)に取り付けられている。また、車体2の架装領域の左右には、作業工具や作業機材などを収納するための工具収納部26が複数設けられている。
【0021】
ブーム30は、図1に示すように、旋回台20側から順に、基端ブーム30a、中間ブーム30b、および先端ブーム30cが入れ子式に組み合わされた構成を有しており、その内部に設けられたブーム伸縮シリンダ31(図3を参照)の伸縮駆動により、ブーム30を軸方向(長手方向)に伸縮動させることができる。また、基端ブーム30aと支柱21との間にはブーム起伏シリンダ23(図3を参照)が跨設されており、このブーム起伏シリンダ23を伸縮駆動させることにより、ブーム30全体を上下面(垂直面)内で起伏動させることができる。
【0022】
先端ブーム30cの先端部には、垂直ポスト35(図2を参照)が上下方向に揺動自在に枢支されている。この垂直ポスト35は、先端ブーム30cの先端部との間に跨設された上部レベリングシリンダ(図示せず)と、基端ブーム30aと支柱21との間に跨設された下部レベリングシリンダ25とにより、ブーム30の起伏の如何に拘らず常時垂直姿勢に保持されるように揺動制御(レベリング制御)される。垂直ポスト35には、作業者搭乗用の作業台40が取り付けられている。作業台40は、垂直ポスト35に設けられた作業台旋回モータ37(図3を参照)を回転駆動させることにより、垂直ポスト35回りに首振り動(水平旋回動)することができる。
【0023】
作業台40には、これに搭乗した作業者が操作する操作レバーや操作スイッチ、操作ダイヤル等を備えた上部操作装置45(図3を参照)が設けられている。そのため、作業台40に搭乗した作業者は、上部操作装置45を操作することにより、旋回台20の旋回作動(ブーム旋回モータ24の回転作動)、ブーム30の起伏作動(ブーム起伏シリンダ23の伸縮作動)、ブーム30の伸縮作動(ブーム伸縮シリンダ31の伸縮作動)、作業台40の首振り作動(作業台旋回モータ37の回転作動)などの各作動操作を行うことができる。なお、図2に示すように、車体2の後部には、下部操作装置50が設けられており、地上もしくは車体2上にいる作業者は、上記の作動操作(上部操作装置45と同様な作動操作)や、アウトリガジャッキ10の作動操作などを行うことができるようになっている。
【0024】
上部操作装置45もしくは下部操作装置50が操作されると、図3に示すように、その操作内容に対応した操作信号が、車体2に設けられたコントロールユニット60に出力される。コントロールユニット60は、図3に示すように、作動制御部61を有する。コントロールユニット60の作動制御部61は、上部操作装置45もしくは下部操作装置50から出力される操作信号に基づいた指令信号を油圧駆動ユニット70に出力するようになっている。油圧駆動ユニット70は、図3に示すように、作動油を貯留する作動油タンク71と、車体2に搭載されたエンジンEの動力を用いて駆動される油圧ポンプ72と、油圧ポンプ72から吐出される作動油を上記指令信号に基づいた供給方向および供給量で各油圧アクチュエータに供給制御する制御バルブユニット73とを有している。
【0025】
エンジンEの動力を変速して車輪3に伝達するトランスミッションには、エンジンEの駆動力を各油圧アクチュエータの駆動用に取り出すパワーテイクオフ機構PTOが組み込まれている。運転キャブ7内に配設されたPTO操作レバー75がオフ位置からオン位置に操作されると、パワーテイクオフ機構PTOによりエンジンEによる駆動先を車輪3から油圧ポンプ72に切り換えられ、エンジンEの動力により油圧ポンプ72が駆動されるようになっている。制御バルブユニット73は、ブーム旋回モータ24、ブーム起伏シリンダ23、ブーム伸縮シリンダ31、作業台旋回モータ37、アウトリガシリンダ15およびジャッキシリンダ16のそれぞれに対応した電磁比例制御バルブV1~V6を有して
いる。油圧駆動ユニット70は、コントロールユニット60の作動制御部61からの指令信号に応じて各油圧アクチュエータに供給する作動油の流れを制御して各油圧アクチュエータを作動させる。
【0026】
このように各油圧アクチュエータの作動はコントロールユニット60(作動制御部61)により制御される。そのため、高所作業車1には種々の検出装置が配設されており、それらの検出装置から出力される検出信号がコントロールユニット60に入力されるようになっている。例えば、コントロールユニット60には、ブーム旋回角センサ81からブーム30(旋回台20)の旋回角度に応じた旋回角度検出信号が入力され、ブーム起伏角センサ82からブーム30の起伏角度に応じた起伏角度検出信号が入力され、ブーム長センサ83からブーム30の伸長量に応じた伸長量検出信号が入力され、作業台旋回角センサ84から作業台40の旋回角度に応じた旋回角度検出信号が入力される。また例えば、コントロールユニット60には、ジャッキ張出量センサ85からアウトリガジャッキ10(アウトリガ11)の車体側方への張り出し量に応じた張出量検出信号が入力され、ジャッキ接地センサ86からアウトリガジャッキ10(接地板13)の接地検出信号が入力される。また例えば、コントロールユニット60には、車体傾斜角センサ87から車体2(路面)の前後および左右方向の傾斜角度に応じた傾斜角度検出信号が入力される。
【0027】
なお、ジャッキ12には、前述のジャッキ接地センサ86や、ジャッキシリンダ16内の油圧力を検出する荷重検出センサ(図示せず)が設けられている。ジャッキ12に設けられたセンサ類(電気部品)は、ジャッキ用ケーブル93(図4を参照)を介してコントロールユニット60と電気的に接続される。また、ジャッキ12の内部に設けられたジャッキシリンダ16は、2つのジャッキ用油圧ホース91,92(図4を参照)を介して制御バルブユニット73(電磁比例制御バルブV6)と接続される。
【0028】
2つのジャッキ用油圧ホース91,92には、ジャッキシリンダ16に供給される作動油が流れる。図4に示すように、2つのジャッキ用油圧ホース91,92の一端側は、ジョイントJT1を介して制御バルブユニット73から延びる固定配管96と接続される。2つのジャッキ用油圧ホース91,92の他端側は、ジョイントJT2を介してジャッキ12の上部に配設されたパイロットチェックバルブ97と接続される。パイロットチェックバルブ97は、ジャッキ12の内部に配設された油圧配管(図示せず)を介してジャッキシリンダ16と接続されている。
【0029】
2つのジャッキ用油圧ホース91,92と1つのジャッキ用ケーブル93は、コントロールユニット60や制御バルブユニット73が設けられる車体2とジャッキ12との間において、略U字形に湾曲して左右方向に並行して延びる。前述したように、先端部にジャッキ12が設けられるアウトリガ11は、アウトリガシリンダ15により左右方向に伸縮作動可能に構成されている。そのため、アウトリガシリンダ15によるアウトリガ11の伸縮作動に応じて、2つのジャッキ用油圧ホース91,92と1つのジャッキ用ケーブル93が変形し、2つのジャッキ用油圧ホース91,92と1つのジャッキ用ケーブル93における湾曲部分Rが左右方向に変位するようになっている。2つのジャッキ用油圧ホース91,92と1つのジャッキ用ケーブル93が並行する状態を保つため、2つのジャッキ用油圧ホース91,92と1つのジャッキ用ケーブル93の一端側は、結束具100と結束バンド150(図5を参照)を用いて束ねられる。
【0030】
次に、図5図12を参照しながら、第1実施形態に係る結束具100について説明する。なお、第1実施形態において、説明の便宜上、図5の各矢印で示す方向をそれぞれ、上下方向、前後方向、左右方向として説明する。結束具100が用いられる向きは、この向きに限定されるものではない。
【0031】
第1実施形態に係る結束具100は、図5および図10に示すように、樹脂材料もしくは金属材料を用いてブロック状に形成される。結束具100の前後に、2つのジャッキ用油圧ホース91,92と1つのジャッキ用ケーブル93が並ぶように、第1保持部110と第2保持部120とが一体的に形成される。
【0032】
第1保持部110は、図5図7に示すように、2つのジャッキ用油圧ホース91,92のうち第1ジャッキ用油圧ホース91を保持する。図10図12に示すように、第1保持部110は、側面の一部が切り欠かれた筒状に形成される。第1保持部110は、結束具100の後側に、第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿った左右方向に延びて形成される。第1保持部110の内周面に、第1ジャッキ用油圧ホース91の外周部と接触可能なホース接触部111が形成される。第1保持部110の内周部(ホース接触部111)と第1ジャッキ用油圧ホース91の外周部との間には、僅かに隙間が設けられるようになっている。これにより、第1保持部110は、第1ジャッキ用油圧ホース91を第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動可能に保持する。
【0033】
第2保持部120は、図5図7に示すように、第2保持部120に巻き付けられた結束バンド150との間に、ジャッキ用ケーブル93と、2つのジャッキ用油圧ホース91,92のうち第2ジャッキ用油圧ホース92とを挟んで保持する。なお、ジャッキ用ケーブル93は、4芯電線ケーブル、もしくは6芯電線ケーブル、もしくは8芯電線ケーブルを用いて、断面視円形状に形成される。以降、4芯電線ケーブルを用いたジャッキ用ケーブル93を4芯ジャッキ用ケーブル93a(図7を参照)と称する場合がある。同様に、6芯電線ケーブルを用いたジャッキ用ケーブル93を6芯ジャッキ用ケーブル93b(図8を参照)と称し、8芯電線ケーブルを用いたジャッキ用ケーブル93を8芯ジャッキ用ケーブル93c(図9を参照)と称する場合がある。6芯ジャッキ用ケーブル93bの外径は、4芯ジャッキ用ケーブル93aの外径(第1の外径)よりも大きく、8芯ジャッキ用ケーブル93cの外径(第2の外径)は、4芯ジャッキ用ケーブル93aの外径および6芯ジャッキ用ケーブル93bの外径よりも大きくなっている。
【0034】
図10図12に示すように、第2保持部120は、第1保持部110と並行する側方(前方)に開口した樋状に形成される。第2保持部120は、結束具100の前側に左右方向に延びて形成される。第2保持部120の内周側に、ジャッキ用ケーブル93を受容するケーブル受容部121と、第2ジャッキ用油圧ホース92を受容するホース受容部126とが形成される。ケーブル受容部121は、結束具100の中央側に位置する第2保持部120の後側に、左右方向に延びて形成される。ケーブル受容部121は、4芯ジャッキ用ケーブル93aと6芯ジャッキ用ケーブル93bと8芯ジャッキ用ケーブル93cのうちいずれかを受容することが可能である。
【0035】
ケーブル受容部121の後側の内周面に、第1ケーブル接触部122が形成される。第1ケーブル接触部122は、断面視円弧状に形成される。第1ケーブル接触部122には、ケーブル受容部121に受容された4芯ジャッキ用ケーブル93aの外周部が接触するようになっている。ケーブル受容部121の上下の内周面に、第2ケーブル接触部123が形成される。第2ケーブル接触部123は、第1ケーブル接触部122の前端部に繋がって、第1ケーブル接触部122よりも曲率半径が大きい断面視円弧状に形成される。第2ケーブル接触部123には、ケーブル受容部121に受容された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部が接触するようになっている。
【0036】
なお、ケーブル受容部121に受容された4芯ジャッキ用ケーブル93aの外周部は、図7に示すように、第1ケーブル接触部122にのみ接触する。ケーブル受容部121に受容された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部は、図9に示すように、第2ケーブル接触部123にのみ接触する。なお、時間の経過に伴って、ケーブル受容部121に受容
された8芯ジャッキ用ケーブル93cが外力により変形することもある。その場合、ケーブル受容部121に受容された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部は、第1ケーブル接触部122と第2ケーブル接触部123の両方に接触する。ケーブル受容部121に受容された6芯ジャッキ用ケーブル93bの外周部は、図8に示すように、第1ケーブル接触部122と第2ケーブル接触部123の両方に接触する。これにより、ケーブル受容部121は、専用の部品を用いることなく簡便な構成で、外径が異なる複数の種類のジャッキ用ケーブル93(すなわち、4芯ジャッキ用ケーブル93aと6芯ジャッキ用ケーブル93bと8芯ジャッキ用ケーブル93c)を受容することが可能になる。
【0037】
ホース受容部126は、第2保持部120におけるケーブル受容部121の前側に一体的に、ケーブル受容部121と並行して形成される。ホース受容部126の上下の内周面に、ホース接触部127が形成される。ホース接触部127には、ホース受容部126に受容された第2ジャッキ用油圧ホース92の外周部が接触するようになっている。
【0038】
図10図12に示すように、第2保持部120の外周部上側に、前後方向に延びる溝状の第1バンド案内部131が形成される。第2保持部120の外周部下側に、前後方向に延びる溝状の第2バンド案内部132が形成される。第1バンド案内部131および第2バンド案内部132は、第2保持部120の外周部に巻き付けられた結束バンド150が変位してずれるのを規制する。第1保持部110と第2保持部120との間に、上下方向に貫通する穴状のバンド挿通部135が形成される。バンド挿通部135には、結束バンド150が挿通されるようになっている。また、第2保持部120の外周部上側に、切断ガイド部134が形成される。切断ガイド部134は、第1バンド案内部131と交差して左右方向に延びる溝状に形成される。第2保持部120の外周部に巻き付けられた結束バンド150と切断ガイド部134との間に、ニッパ等の工具の先端部を挿入することが可能な間隙部が形成されるようになっている。これにより、ニッパ等の工具の先端部を結束バンド150と切断ガイド部134との間隙部に挿入することができるため、第2保持部120の外周部に巻き付けられた結束バンド150を容易に切断することが可能になる。
【0039】
以上のように構成される結束具100において、ケーブル受容部121にジャッキ用ケーブル93を受容させるともに、ホース受容部126に第2ジャッキ用油圧ホース92を受容させた状態で、第1バンド案内部131、第2バンド案内部132、およびバンド挿通部135に沿って結束バンド150を第2保持部120に巻き付ける。また、第1保持部110に第1ジャッキ用油圧ホース91を挿通させる。これにより、第1保持部110は、第1ジャッキ用油圧ホース91を第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動可能に保持する。第2保持部120は、結束バンド150との間に、ホース受容部126に受容された第2ジャッキ用油圧ホース92と、ケーブル受容部121に受容されたジャッキ用ケーブル93とを挟んで保持する。結束具100と結束バンド150を用いて、第1ジャッキ用油圧ホース91とジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92がこの順で直線的に並ぶように束ねられ、第1ジャッキ用油圧ホース91とジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92が左右方向に並行して延びる状態が保持される。
【0040】
なお、第1保持部110が第1ジャッキ用油圧ホース91を保持する保持力は、第2保持部120がジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92を保持する保持力よりも小さい。すなわち、第1保持部110が第1ジャッキ用油圧ホース91を保持する保持力は、ジャッキ用ケーブル93および第2ジャッキ用油圧ホース92と比較して第1ジャッキ用油圧ホース91を容易に移動させることが可能な程度の保持力である。
【0041】
前述したように、アウトリガシリンダ15がアウトリガ11を伸縮作動させる際、結束
具100を用いて束ねた第1ジャッキ用油圧ホース91とジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92は、アウトリガシリンダ15がアウトリガ11を伸縮作動させる力を受けて変形しようとする。このとき、第1ジャッキ用油圧ホース91が第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動することで、第1ジャッキ用油圧ホース91とジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92との相対位置関係を一定に保つことが可能である。また、第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92の一端側を固定配管96と接続する際、結束具100を用いて束ねた第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92は、固定配管96に対して第1ジャッキ用油圧ホース91のジョイントJT1と第2ジャッキ用油圧ホース92のジョイントJT1の位置を合わせるために加えられる力を受けて変形しようとする。この場合にも、第1ジャッキ用油圧ホース91が第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動することで、第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92との相対位置関係を一定に保つことが可能である。
【0042】
第1実施形態によれば、結束具100の第1保持部110は、第1ジャッキ用油圧ホース91を第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動可能に保持する。これにより、仮に、結束具100を用いて束ねた第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92が外力を受けて変形しようとしたとしても、第1ジャッキ用油圧ホース91が第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動することで、第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92との相対位置関係を一定に保つことができる。そのため、結束具100を用いて第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92を含む複数の被結束物を安定して束ねることが可能になる。
【0043】
また、結束具100の第2保持部120は、結束バンド150との間に、ホース受容部126に受容された第2ジャッキ用油圧ホース92と、ケーブル受容部121に受容されたジャッキ用ケーブル93とを挟んで保持する。これにより、結束具100を用いて第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92とジャッキ用ケーブル93を安定して束ねることが可能になる。
【0044】
また、第2保持部120のケーブル受容部121は、ケーブル受容部121に受容された4芯ジャッキ用ケーブル93aの外周部と接触する第1ケーブル接触部122と、ケーブル受容部121に受容された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部と接触する第2ケーブル接触部123とを有する。これにより、ケーブル受容部121に保持された4芯ジャッキ用ケーブル93aの外周部に第1ケーブル接触部122が接触し、ケーブル受容部121に保持された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部に第2ケーブル接触部123が接触するため、ジャッキ用ケーブル93の外径が異なる場合があっても、ジャッキ用ケーブル93を確実に保持することが可能になる。
【0045】
次に、図13図17を参照しながら、第2実施形態に係る結束具200について説明する。なお、第2実施形態において、説明の便宜上、図13の各矢印で示す方向をそれぞれ、上下方向、前後方向、左右方向として説明する。結束具200が用いられる向きは、この向きに限定されるものではない。
【0046】
第2実施形態に係る結束具200は、図13および図15に示すように、樹脂材料もしくは金属材料を用いてブロック状に形成される。結束具200の前後に、2つのジャッキ用油圧ホース91,92と1つのジャッキ用ケーブル93が並ぶように、第1保持部210と第2保持部220とが一体的に形成される。
【0047】
第1保持部210は、図13および図14に示すように、第1ジャッキ用油圧ホース91を保持する。図15図17に示すように、第1保持部210は、両側の側面が切り欠
かれた筒状に形成される。第1保持部210は、結束具200の後側に、第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿った左右方向に延びて形成される。第1保持部210の上下の内周面に、第1ジャッキ用油圧ホース91の外周部と接触可能なホース接触部211が形成される。第1保持部210の内周部(ホース接触部211)と第1ジャッキ用油圧ホース91の外周部との間には、僅かに隙間が設けられるようになっている。これにより、第1保持部210は、第1ジャッキ用油圧ホース91を第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動可能に保持する。
【0048】
第2保持部220は、図13および図14に示すように、第2保持部220に巻き付けられた結束バンド250との間に、ジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92とを挟んで保持する。なお、第1実施形態でも述べたように、ジャッキ用ケーブル93は、4芯電線ケーブル、もしくは6芯電線ケーブル、もしくは8芯電線ケーブルを用いて、断面視円形状に形成される。
【0049】
図15図17に示すように、第2保持部220は、第1保持部210と並行する両側の側部が開口した樋状に形成される。第2保持部220は、結束具200の前側に左右方向に延びて形成される。第2保持部220の後部内周側に、ジャッキ用ケーブル93を受容するケーブル受容部221が形成され、第2保持部220の前部内周側に、第2ジャッキ用油圧ホース92を受容するホース受容部226が形成される。ケーブル受容部221は、第1保持部210の前側に繋がって左右方向に延びて形成される。ケーブル受容部221は、4芯ジャッキ用ケーブル93aと6芯ジャッキ用ケーブル93bと8芯ジャッキ用ケーブル93cのうちいずれかを受容することが可能である。
【0050】
ケーブル受容部221の前側の内周面に、第1ケーブル接触部222が形成される。第1ケーブル接触部222は、断面視円弧状に形成される。第1ケーブル接触部222には、ケーブル受容部221に受容された4芯ジャッキ用ケーブル93aの外周部が接触するようになっている。ケーブル受容部221の上下の内周面に、第2ケーブル接触部223が形成される。第2ケーブル接触部223は、第1ケーブル接触部222の後端部に繋がって、第1ケーブル接触部222よりも曲率半径が大きい断面視円弧状に形成される。第2ケーブル接触部223には、ケーブル受容部221に受容された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部が接触するようになっている。
【0051】
なお、ケーブル受容部221に受容された4芯ジャッキ用ケーブル93aの外周部は、第1実施形態と同様に、第1ケーブル接触部222にのみ接触する。ケーブル受容部221に受容された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部は、第1実施形態と同様に、第2ケーブル接触部223にのみ接触する。なお、時間の経過に伴って、ケーブル受容部221に受容された8芯ジャッキ用ケーブル93cが外力により変形することもある。その場合、ケーブル受容部221に受容された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部は、第1ケーブル接触部222と第2ケーブル接触部223の両方に接触する。ケーブル受容部221に受容された6芯ジャッキ用ケーブル93bの外周部は、第1実施形態と同様に、第1ケーブル接触部222と第2ケーブル接触部223の両方に接触する(図14を参照)。これにより、ケーブル受容部221は、専用の部品を用いることなく簡便な構成で、外径が異なる複数の種類のジャッキ用ケーブル93(すなわち、4芯ジャッキ用ケーブル93aと6芯ジャッキ用ケーブル93bと8芯ジャッキ用ケーブル93c)を受容することが可能になる。
【0052】
ホース受容部226は、第2保持部220の前部においてケーブル受容部221と一体的に、ケーブル受容部221と並行して形成される。ホース受容部226の内周面に、ホース接触部227が形成される。ホース接触部227には、ホース受容部226に受容された第2ジャッキ用油圧ホース92の外周部が接触するようになっている。
【0053】
図15図17に示すように、第2保持部220の外周部上側に、前後方向に延びる溝状の第1バンド案内部231が形成される。第2保持部220の外周部下側に、前後方向に延びる溝状の第2バンド案内部232が形成される。第1バンド案内部231および第2バンド案内部232は、第2保持部220の外周部に巻き付けられた結束バンド250が変位してずれるのを規制する。第1保持部210の上部と第2保持部220の上部との間に、上下方向に貫通する溝状の第1バンド挿通部235が形成される。第1保持部210の下部と第2保持部220の下部との間に、上下方向に貫通する溝状の第2バンド挿通部236が形成される。第1バンド挿通部235および第2バンド挿通部236には、結束バンド250が挿通されるようになっている。また、第2保持部220の外周部上側に、切断ガイド部234が形成される。切断ガイド部234は、第1バンド案内部231と交差して左右方向に延びる溝状に形成される。第2保持部220の外周部に巻き付けられた結束バンド250と切断ガイド部234との間に、ニッパ等の工具の先端部を挿入することが可能な間隙部が形成されるようになっている。これにより、ニッパ等の工具の先端部を結束バンド250と切断ガイド部234との間隙部に挿入することができるため、第2保持部220の外周部に巻き付けられた結束バンド250を容易に切断することが可能になる。
【0054】
以上のように構成される結束具200において、ケーブル受容部221にジャッキ用ケーブル93を受容させるともに、ホース受容部226に第2ジャッキ用油圧ホース92を受容させた状態で、第1バンド案内部231、第2バンド案内部232、第1バンド挿通部235および第2バンド挿通部236に沿って結束バンド250を第2保持部220に巻き付ける。また、第1保持部210に第1ジャッキ用油圧ホース91を挿通させる。これにより、第1保持部210は、第1ジャッキ用油圧ホース91を第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動可能に保持する。第2保持部220は、結束バンド250との間に、ホース受容部226に受容された第2ジャッキ用油圧ホース92と、ケーブル受容部221に受容されたジャッキ用ケーブル93とを挟んで保持する。結束具200と結束バンド250を用いて、第1ジャッキ用油圧ホース91とジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92がこの順で直線的に並ぶように束ねられ、第1ジャッキ用油圧ホース91とジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92が左右方向に並行して延びる状態が保持される。
【0055】
なお、第1保持部210が第1ジャッキ用油圧ホース91を保持する保持力は、第2保持部220がジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92を保持する保持力よりも小さい。すなわち、第1保持部210が第1ジャッキ用油圧ホース91を保持する保持力は、ジャッキ用ケーブル93および第2ジャッキ用油圧ホース92と比較して第1ジャッキ用油圧ホース91を容易に移動させることが可能な程度の保持力である。
【0056】
第2実施形態によれば、結束具200の第1保持部210は、第1ジャッキ用油圧ホース91を第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動可能に保持する。これにより、仮に、結束具200を用いて束ねた第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92が外力を受けて変形しようとしたとしても、第1実施形態と同様に、第1ジャッキ用油圧ホース91が第1ジャッキ用油圧ホース91の延伸方向に沿って移動することで、第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92との相対位置関係を一定に保つことができる。そのため、結束具200を用いて第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92を含む複数の被結束物を安定して束ねることが可能になる。
【0057】
また、結束具200の第2保持部220は、結束バンド250との間に、ホース受容部226に受容された第2ジャッキ用油圧ホース92と、ケーブル受容部221に受容され
たジャッキ用ケーブル93とを挟んで保持する。これにより、第1実施形態と同様に、結束具200を用いて第1ジャッキ用油圧ホース91と第2ジャッキ用油圧ホース92とジャッキ用ケーブル93を安定して束ねることが可能になる。
【0058】
また、第2保持部220のケーブル受容部221は、ケーブル受容部221に受容された4芯ジャッキ用ケーブル93aの外周部と接触する第1ケーブル接触部222と、ケーブル受容部221に受容された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部と接触する第2ケーブル接触部223とを有する。これにより、第1実施形態と同様に、ケーブル受容部221に保持された4芯ジャッキ用ケーブル93aの外周部に第1ケーブル接触部222が接触し、ケーブル受容部221に保持された8芯ジャッキ用ケーブル93cの外周部に第2ケーブル接触部223が接触するため、ジャッキ用ケーブル93の外径が異なる場合があっても、ジャッキ用ケーブル93を確実に保持することが可能になる。
【0059】
上述の各実施形態において、結束具100,200を用いて、第1ジャッキ用油圧ホース91とジャッキ用ケーブル93と第2ジャッキ用油圧ホース92を束ねているが、これに限られるものではない。例えば、結束具を用いて、ブーム30や旋回台20等の油圧装置と接続される油圧ホースを束ねてもよく、さらに、油圧装置に設けられる電気部品と電気的に接続されるケーブルを束ねるようにしてもよい。この場合、結束具の第1保持部は、油圧ホースに限らず、ケーブルを保持してもよい。またこの場合、結束具の第2保持部は、結束バンドとの間に、1つの油圧ホースとケーブルに限らず、複数の油圧ホースを保持してもよく、複数のケーブルを保持してもよい。結束具の第2保持部は、結束バンドとの間に、少なくとも1つの油圧ホースのみを保持してもよく、少なくとも1つのケーブルを保持してもよい。また、結束具を用いて、作動油以外の液体や気体が流れるホースを束ねるようにしてもよい。
【0060】
上述の各実施形態において、結束具100,200を備えた作業車として、高所作業車を例示して説明したが、これに限られるものではなく、例えば、穴掘建柱車やクレーン車等であってもよく、ジャッキ等の油圧装置を備えた作業車であれば、本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 高所作業車
2 車体
10 アウトリガジャッキ
11 アウトリガ(アウトリガビーム)
12 ジャッキ
93 ジャッキ用ケーブル(93a 4芯ジャッキ用ケーブル、93b 6芯ジャッキ用ケーブル、93c 8芯ジャッキ用ケーブル)
100 結束具(第1実施形態)
110 第1保持部
120 第2保持部
121 ケーブル受容部
122 第1ケーブル接触部
123 第2ケーブル接触部
126 ホース受容部
150 結束バンド
200 結束具(第2実施形態)
210 第1保持部
220 第2保持部
221 ケーブル受容部
222 第1ケーブル接触部
223 第2ケーブル接触部
226 ホース受容部
250 結束バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17