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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118583
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】会計装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20230818BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
G07G1/12 361E
G07G1/12 321M
G07G1/12 321N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021596
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松川 尚史
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142DA08
3E142FA03
3E142FA08
3E142FA12
3E142FA18
3E142FA31
3E142GA16
3E142GA22
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、特定の支払方法を利用する顧客に対して値引き等の特典を付与するサービスを提供する際、顧客による不正を抑制可能な会計装置、およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の会計装置は、顧客の操作によって当該顧客が1取引に係る支払を行うための会計処理を実行する会計装置であって、複数の支払方法からいずれかの支払方法を選択可能な選択画面を表示部に表示させる表示処理部と、前記顧客に特典が付与される特定の支払方法で当該顧客が支払を行うことを示す特典有情報が入力される入力部と、を備え、前記表示処理部は、前記入力部に前記特典有情報が入力された場合、前記特定の支払方法のみを選択可能な選択画面を表示する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の操作によって当該顧客が1取引に係る支払を行うための会計処理を実行する会計装置であって、
複数の支払方法からいずれかの支払方法を選択可能な選択画面を表示部に表示させる表示処理部と、
前記顧客に特典が付与される特定の支払方法で当該顧客が支払を行うことを示す特典有情報が入力される入力部と、を備え、
前記表示処理部は、前記入力部に前記特典有情報が入力された場合、前記特定の支払方法のみを選択可能な選択画面を表示する、
ことを特徴とする会計装置。
【請求項2】
顧客の操作によって当該顧客が1取引に係る支払を行うための会計処理を実行する会計装置であって、
複数の支払方法からいずれかの支払方法を選択可能な選択画面を表示部に表示させる表示処理部と、
前記顧客に特典が付与される特定の支払方法で当該顧客が支払を行うことを示す特典有情報が入力される入力部と、を備え、
前記表示処理部は、前記入力部に前記特典有情報が入力された場合、前記特定の支払方法でない支払方法が選択されるとエラーメッセージを表示する、
ことを特徴とする会計装置。
【請求項3】
前記入力部には、前記顧客が前記特定の支払方法でない支払方法で支払を行うことを示す特典無情報が入力可能であり、
前記入力部に前記特典有情報または前記特典無情報が入力されたことを条件に、前記1取引の取引情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した取引情報に基づいて会計処理を実行する会計処理部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の会計装置。
【請求項4】
前記入力部には、前記顧客が前記特定の支払方法でない支払方法で支払を行うことを示す特典無情報が入力可能であり、
前記表示処理部は、前記特典有情報または前記特典無情報を入力するための入力画面を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の会計装置。
【請求項5】
前記特定の支払方法は、プリペイド方式の電子マネーによる支払方法であって、
前記表示処理部は、前記電子マネーの残高が前記1取引の取引額に対して不足している場合、前記特定の支払方法でない支払方法では特典が付与されないことを示すメッセージを表示する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の会計装置。
【請求項6】
顧客の操作によって当該顧客が1取引に係る支払を行うための会計処理を実行する会計装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
複数の支払方法からいずれかの支払方法を選択可能な選択画面を表示部に表示させる表示処理部と、
前記顧客に特典が付与される特定の支払方法で当該顧客が支払を行うことを示す特典有情報が入力される入力部と、として機能させ、
前記表示処理部は、前記入力部に前記特典有情報が入力された場合、前記特定の支払方法のみを選択可能な選択画面を表示する、
よう機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、会計装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品またはサービス(以下、総称して「商品」という)を販売する店舗では、特定の顧客に対する優待サービスが行われている。この種の優待サービスとして、店舗を運営する企業の会員である顧客や、特定の支払方法、例えば当該企業が管理する電子マネーを利用する顧客に対して、割引や値引き(以下、総称して「値引き」という)を行うサービスが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特定の支払方法を利用する顧客に対して値引きを行う場合、1取引の取引額を算出する前に、当該顧客が当該特定の支払方法を利用するか否かの情報を会計装置に入力する必要がある。特定の支払方法を利用するか否かによって取引額が異なるからである。一方、会計装置は、取引額に応じて顧客が支払方法を選択できるようにするために、算出された取引額を表示した後に支払方法の選択を受付けるようになっている。
【0004】
このように、特定の支払方法を利用する顧客に対して値引きを行う場合、会計装置には顧客が支払方法を選択する前に、特定の支払方法を利用するか否かの情報が入力され、入力された情報に基づいて取引金額が算出される。そして、算出された取引金額が表示された後に顧客が支払方法を選択する運用が一般的である。会計装置が店員によって操作されるPOS(Point Of Sales)端末であれば、値引きを受けられる特定の支払方法を利用する旨の入力がなされた場合、店員によって操作がなされるため、顧客に当該支払方法で支払わせることが可能である。
【0005】
ところが、会計装置が顧客自身によって操作されるものである場合、値引きを受けられる特定の支払方法を利用する旨の情報が入力された後、支払方法選択時に顧客によって他の支払方法が選択されてしまう不正が生じ得るものであった。この場合、値引き対象でない取引であるにも拘わらず値引きされてしまい、店舗に損害が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、特定の支払方法を利用する顧客に対して値引き等の特典を付与するサービスを提供する際、顧客による不正を抑制可能な会計装置、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の会計装置は、顧客の操作によって当該顧客が1取引に係る支払を行うための会計処理を実行する会計装置であって、複数の支払方法からいずれかの支払方法を選択可能な選択画面を表示部に表示させる表示処理部と、前記顧客に特典が付与される特定の支払方法で当該顧客が支払を行うことを示す特典有情報が入力される入力部と、を備え、前記表示処理部は、前記入力部に前記特典有情報が入力された場合、前記特定の支払方法のみを選択可能な選択画面を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態の会計装置を含む会計システムの概略を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態の店舗サーバの主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態の店舗サーバのRAMが備える取引情報部のデータ構成を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態の店舗サーバのメモリ部に記憶される商品マスタのデータ構成を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態の店舗サーバにおける制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
図6図6は、第1の実施形態の会計装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
図7図7は、第1の実施形態の会計装置のRAMが備える特典取引情報部のデータ構成を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態の会計装置における制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
図9図9は、第1の実施形態の会計システムの動作を示すシーケンスチャートである。
図10図10は、第1の実施形態の会計装置の制御部による支払処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、第1の実施形態の会計装置が表示する特典有情報または特典無情報を入力する入力画面を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態の会計装置が表示するガイダンス画面を示す図である。
図13図13は、第1の実施形態の会計装置が表示する取引情報表示画面を示す図である。
図14図14は、第1の実施形態の会計装置が表示する第1選択画面を示す図である。
図15図15は、第1の実施形態の会計装置が表示する第2選択画面を示す図である。
図16図164は、第1の実施形態の会計装置が表示する第5選択画面を示す図である。
図17図17は、第1の実施形態の会計装置が表示する第3選択画面を示す図である。
図18図18は、第1の実施形態の会計装置が表示する第4選択画面を示す図である。
図19図19は、第2の実施形態の会計装置の制御部による支払処理の流れを示すフローチャートである。
図20図20は、第2の実施形態の会計装置が表示するエラーメッセージ表示画面を示す図である。
図21図21は、第3の実施形態の店舗サーバのRAMが備える取引情報部のデータ構成を示す図である。
図22図22は、第3の実施形態の会計システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態の会計装置およびプログラムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、顧客が購入する商品の情報を入力する携帯端末を当該顧客が所有するスマートフォンとした例について説明するが、携帯端末は、店舗が用意したタブレット端末などでもよい。また、以下に説明する実施形態では、商品登録機能を備えない会計装置を用いた例について説明するが、会計装置は顧客が操作するものであればよい。例えば、会計装置は、顧客が商品登録および会計処理に係る操作を行うセルフPOS端末、店員が商品登録に係る操作を行う登録装置と顧客が会計処理に係る操作を行う会計装置とを備えるセミセルフPOSの会計装置、などであってもよい。
【0010】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態の会計装置およびプログラムについて、図面を参照して説明する。図1は、会計装置を含む会計システムの概略を示す図である。本実施形態の会計システム1は、例えばスーパーマーケットなどに適用される。会計システム1は、店舗サーバ2、複数の会計装置3、および携帯端末4を備える。なお、図中SCは、店舗の売り場に設置されて顧客Cが購入する商品の運搬に用いるショッピングカートである。
【0011】
店舗サーバ2および会計装置3は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。また、携帯端末4は、インストールされた買物用アプリケーションプログラムが起動すると、無線LAN等を介して店舗サーバ2および会計装置3と通信可能に接続される。
【0012】
店舗サーバ2は、各会計装置3から、会計処理にて支払された商品の商品情報や決済方法等に関する決済情報を受信する。また、店舗サーバ2は、各会計装置3から、所定期間(例えば一日)の売上金額を示した売上情報を受信する。店舗サーバ2は、各会計装置3から受信した商品情報、決済情報、売上情報等を集中的に管理して、一店舗の売上管理等を行う。
【0013】
また、店舗サーバ2は、店舗で取り扱っている商品について、商品コードと商品情報(商品名、価格等)とを対応づけた商品マスタを記憶し、携帯端末4からの要求に応じて当該携帯端末4に商品情報を送信する。さらに、店舗サーバ2は、会計装置3からの要求に応じて1取引の取引情報を当該会計装置3に送信する。
【0014】
会計装置3は、例えば顧客Cが自身で会計処理に係る操作を行う、セルフ式の会計装置である。会計装置3は、携帯端末4に表示された取引コードを読取り、当該取引コードに係る取引情報を店舗サーバ2から取得する。会計装置3は、取得した取引情報に基づいて、現金決済、あるいはクレジット決済などのキャッシュレス決済による支払に係る会計処理を実行する。会計処理とは、顧客Cが購入する商品の代金の支払を行うための処理である。
【0015】
また、会計装置3は、顧客Cが優待サービスを受けられる、すなわち顧客Cに特典が付与される、ための条件である特定の支払方法を利用する旨の情報(以下、「特典有情報」ともいう)、または、当該特定の支払方法以外の支払方法を利用する旨の情報(以下、「特典無情報」ともいう)が入力可能である。会計装置3は、特典有情報が入力されると、店舗サーバ2から優待価格などの特典に係る情報を取得し、取得した情報に基づいて会計処理を実行する。なお、以下の説明において、顧客Cに特典が付与されるための条件となる特定の支払方法を単に「特定の支払方法」という場合がある。
【0016】
本実施形態においては、顧客Cに付与される特典は、予め定められた商品を購入する場合に当該商品を優待価格で購入することができるサービスである。しかしながら、顧客Cに付与される特典はこれに限るものではなく、店舗が任意に設定可能である。例えば、顧客Cに付与される特典は、顧客Cが購入する商品に関係なく、1取引の取引金額を一定割合で値引きするサービスでもよく、あるいは特別ポイントを付与するサービスなどでもよい。ここで、1取引とは、1回の会計処理で顧客Cが支払を行う取引である。
【0017】
また、本実施形態においては、特定の支払方法は、店舗を運営する企業が管理する電子マネーによる支払(以下、「特定電子マネーによる支払」ともいう)である。すなわち、特定電子マネーによる支払は、特定の支払方法の一例であり、かつ、プリペイド方式の媒体による支払方法の一例でもある。上記特定電子マネーによる支払は、電子マネーカードを用いて行う場合、電子マネーカードに紐づいたアプリケーションプログラムを用いて行う場合、ギフトカードを用いて行う場合などがある。なお、特定の支払方法は、店舗が任意に設定可能であり、例えば現金による支払などに設定することもできる。
【0018】
携帯端末4は、例えば、顧客Cが所有するスマートフォンであって、買物用アプリケーションプログラムがインストールされている。携帯端末4は、買物用アプリケーションプログラムが起動すると、無線LAN等を介して店舗サーバ2および会計装置3と通信可能に接続される。
【0019】
携帯端末4は、買物用アプリケーションプログラムが動作することによって以下の機能を実現することができる。例えば、携帯端末4は、商品に付されたコードシンボルから商品コードを読取り、当該商品コードで識別される商品の商品情報を店舗サーバ2から取得する。また、携帯端末4は、店舗サーバ2から1取引を特定する取引コードを取得し、当該取引コードを示すバーコードを生成して自装置の表示部に表示する。さらに、携帯端末4は、店舗サーバ2や会計装置3と通信して買物に必要なその他の処理を実行する。
【0020】
次に、店舗サーバ2について詳細に説明する。図2は、店舗サーバ2のハードウェア構成を示すブロック図である。店舗サーバ2は、制御部20と、メモリ部21と、表示部22と、操作部23と、通信部24と、を備えている。制御部20、メモリ部21、表示部22、操作部23、および通信部24は、バス25等を介して互いに接続されている。
【0021】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータで構成されている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、互いにバス25を介して接続されている。
【0022】
CPU201は店舗サーバ2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202やメモリ部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や、メモリ部21に記憶されRAM203に展開された制御プログラムに従って動作することによって、店舗サーバ2の各種制御処理を実行する。
【0023】
また、RAM203は、取引情報部2031を備える。取引情報部2031には、顧客Cの買物中に携帯端末4から取得した、携帯端末4を識別する情報および顧客Cが購入しようとする商品(以下、「購入商品」ともいう)の商品情報と、店舗サーバが発行した取引を特定する情報と、を対応付けた取引情報が記憶される。
【0024】
図3は、取引情報部2031のデータ構成を示す図である。取引情報部2031に登録される各データは、取引コード、端末ID、商品コード、商品名、価格、個数を示す各情報が対応付けられている。商品コード、商品名、価格、個数を示す各情報は、購入商品の商品情報を構成する。
【0025】
取引コードの項目には、1取引を特定する取引コードが登録される。取引コードは、制御部20が携帯端末4から取引情報要求を受信した際に当該制御部20によって発行される。端末IDの項目には、携帯端末4を識別する端末IDが登録される。端末IDは、携帯端末4に買物用アプリケーションプログラムがインストールされた際に設定される。商品コードの項目には、商品を識別する商品コードが登録される。顧客Cの購入商品が複数種である場合、商品コードの項目には複数の商品コードが登録される。
【0026】
商品名の項目には、商品の名称を示す情報が登録される。価格の項目には、商品の単価を示す情報が登録される。個数の項目には、購入商品に対応する個数を示す情報が登録される。商品名および価格を示す情報は、制御部20が携帯端末4から取得した商品コードに基づいて後述する商品マスタ212から読み出される。また、価格を示す情報は、制御部20が会計装置3から特典有情報を取得した場合、必要に応じて(購入商品に優待価格が設定されている場合)優待価格を示す情報に書換えられる。
【0027】
メモリ部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部21は、制御プログラム211、および商品マスタ212を記憶する。
【0028】
制御プログラム211は、店舗の売上管理を行う機能、携帯端末4からの要求に応じて当該携帯端末4に商品情報を送信する機能、会計装置3からの要求に応じて当該会計装置3に取引情報を送信する機能、会計装置3から特典有情報を受信すると値引き後の優待価格に基づいた取引情報を当該会計装置3に送信する機能、などを実現するためのプログラムである。
【0029】
商品マスタ212は、店舗で取り扱っている商品の商品情報を記憶したマスタファイルである。図4は、商品マスタ212のデータ構成を示す図である。商品マスタ212に登録される各データは、商品コード、商品名、価格、および優待価格を示す各情報が対応づけられている。なお、店舗で取り扱う商品は日々変化するため、商品マスタ212は、適宜更新される。
【0030】
商品コードは、商品を識別するためのコードであり、商品識別情報の一例である。商品名は、商品の名称を示す情報である。価格は、商品の単価を示す情報である。優待価格の項目には、優待価格すなわち値引き後の価格を示す情報が登録される。優待価格は、全ての商品に設定されていてもよいし、店舗が定めた一部の商品にのみ設定されていてもよい。なお、価格および優待価格を示す情報は、消費税を含んだ税込価格であっても消費税を含まない本体価格であってもよい。
【0031】
図2に戻って店舗サーバ2のハードウェア構成について説明する。表示部22は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。例えば、表示部22は、商品マスタ212に各種情報を登録するための登録画面を表示する。
【0032】
操作部23は、制御部20に情報を入力するためのもので、キーボード、表示部22の表面に設けられるタッチパネルなどで構成される。例えば、操作部23は、商品マスタ212に登録する各種情報を制御部20に入力する。
【0033】
通信部24は、会計装置3、携帯端末4などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部20は、通信部24を介して外部装置と接続されることで、外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0034】
続いて、店舗サーバ2の制御部20の主たる機能構成について説明する。図5は、店舗サーバ2の制御部20の機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202やメモリ部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入力部2001、登録部2002、取引情報処理部2003、および出力部2004として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0035】
入力部2001には、会計装置3および携帯端末4などから各種情報が入力される。例えば、入力部2001には、顧客Cが買物中に携帯端末4で読取った商品コードや端末IDが当該携帯端末4から入力される。また、顧客Cが携帯端末4に会計指示を入力すると、入力部2001には、当該携帯端末4から取引情報要求が入力される。さらに、入力部2001には、会計装置3から取引情報要求や、特典有情報または特典無情報などが入力される。
【0036】
登録部2002は、取引情報部2031に情報を登録する。具体的には、登録部2002は、携帯端末4から入力部2001に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出して取引情報部2031に登録する。また、登録部2002は、携帯端末4から入力部2001に取引情報要求が入力されると、取引コードを発行して取引情報部2031に登録する。
【0037】
取引情報処理部2003は、取引情報に関する必要な処理を実行する。例えば、取引情報処理部2003は、入力部2001に携帯端末4から端末IDおよび取引情報要求が入力されると、当該端末IDに対応する取引情報を取引情報部2031から読み出し、取引金額を算出する。また、取引情報処理部2003は、入力部2001に会計装置3から取引コードおよび特典有情報が入力されると、当該取引コードに対応する取引情報を取引情報部2031から読み出し、優待価格が設定された商品があるか否かチェックする。優待価格が設定された商品があると、取引情報処理部2003は、当該商品の優待価格を商品マスタ212から読み出して、取引情報部2031における当該商品の価格の項目を優待価格に書き換える。加えて、取引情報処理部2003は、書き換えられた優待価格に基づいて、1取引の取引金額を再算出する。なお、上記の取引金額の算出および再算出は、会計装置3で行ってもよい。
【0038】
出力部2004は、各種情報を会計装置3および携帯端末4に出力する。例えば、出力部2004は、取引情報処理部2003が抽出した取引情報、取引情報処理部2003が算出した取引金額、および登録部2002が発行した取引IDを携帯端末4に出力する。また、出力部2004は、取引情報処理部2003が書き換えた取引情報、および取引情報処理部2003が再算出した取引金額を会計装置3に出力する。
【0039】
上記構成の店舗サーバ2は、商品コードを読取った携帯端末4に対して、当該商品コードで識別される商品の商品情報を出力する。これにより、顧客Cは、携帯端末4に表示される購入商品の商品情報を確認することができる。また、店舗サーバ2は、特典有情報が入力された会計装置3に対して、特典付与が適用される商品の商品情報、および特典付与が適用された取引金額を出力する。これにより、顧客Cは、会計装置3に表示される商品情報および取引金額を閲覧して、特典が付与されたこと、言い換えれば値引きがなされていることを確認することができる。
【0040】
次に、会計装置3について詳細に説明する。図6は、会計装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。会計装置3は、制御部30と、メモリ部31と、表示部32と、操作部33と、スキャナ34と、カードリーダ35と、釣銭機36と、通信部37と、を備えている。制御部30、メモリ部31、表示部32、操作部33、スキャナ34、カードリーダ35、釣銭機36、および通信部37は、バス38等を介して互いに接続されている。
【0041】
制御部30は、CPU301、ROM302、RAM303を備えたコンピュータで構成されている。CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス38を介して互いに接続されている。
【0042】
CPU301は会計装置3の全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用され、ROM302やメモリ部31に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部30は、CPU301がROM302や、メモリ部31に記憶されてRAM303に展開された制御プログラムに従って動作することによって、会計装置3の各種制御処理を実行する。
【0043】
また、RAM303は、特典取引情報部3031を備える。特典取引情報部3031には、顧客Cによる取引が特典付与を受ける対象であるか否かを示す情報、言い換えれば、顧客Cによる取引が特定の支払方法によって支払われるか否かを示す特典取引情報が記憶される。
【0044】
図7は、特典取引情報部3031のデータ構成を示す図である。特典取引情報部3031に登録される各データは、特典有無および取引コードを示す各情報が対応付けられている。
【0045】
特典有無の項目には、対応する取引コードで特定される取引が特典付与を受ける対象であるか否かを示す情報が登録される。操作部33から制御部30に特典有情報が入力されると、特典有無の項目には「特典有」を示す情報が登録され、操作部33から制御部30に特典無情報が入力されると、特典有無の項目には「特典無」を示す情報が登録される。取引コードの項目には、1取引を特定する取引コードが登録される。取引コードは、スキャナ34によって読み取られた取引コードである。
【0046】
メモリ部31は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部31は、制御プログラム311を記憶する。
【0047】
制御プログラム311は、複数の支払方法からいずれかの支払方法を選択可能な選択画面などの各種選択画面を表示部22に表示させる機能、特典有情報または特典無情報の入力を受付ける機能、等を実現するためのプログラムなどである。
【0048】
表示部32は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。例えば、表示部32は、店舗サーバ2から取得した取引情報や取引金額を表示する。また、表示部32は、購入代金の支払方法を選択する選択画面を表示する。さらに、表示部32は、特典有情報または特典無情報を選択する選択画面、すなわち、特定電子マネーによる支払を利用するか否かを選択する選択画面を表示する。表示部32は、その他各種画面を表示する。
【0049】
操作部33は、制御部30に情報を入力するためのもので、表示部32の表面に設けられるタッチパネルなどで構成される。操作部33は、顧客Cによって操作され、各種情報を制御部30に入力する。例えば、操作部33は、表示部32に表示された各種選択画面で選択された情報を制御部30に入力する。
【0050】
スキャナ34は、顧客Cの携帯端末4に表示されたバーコードから取引を特定する取引コードを読取る。スキャナ34は、顧客Cが買物アプリを利用した電子マネーによる支払を行う際、当該顧客Cの携帯端末4に表示されたコードシンボルから支払に必要な情報を読取る。
【0051】
カードリーダ35は、顧客Cのクレジットカードからクレジットカード決済に必要なクレジット情報を読取る。また、カードリーダ35は、顧客Cが電子マネーカードあるいはギフトカードによる支払を行う際、これらカードから支払に必要な情報を読取る。
【0052】
釣銭機36は、顧客Cが購入代金を現金で支払った際に、顧客Cの支払った紙幣と硬貨を受け付け、必要に応じて釣り銭を払い出す。
【0053】
通信部37は、店舗サーバ2、携帯端末4などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部30は、通信部37を介して外部装置と接続されることで、外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0054】
続いて、会計装置3の制御部30の機能構成について説明する。図8は、会計装置3の制御部30の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部30は、CPU301がROM302やメモリ部31に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入力部3001、出力部3002、取得部3003、表示処理部3004、および会計処理部3005として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0055】
入力部3001には、顧客Cに特典が付与される特定の支払方法で当該顧客Cが支払を行うことを示す特典有情報、あるいは特定の支払方法でない他の支払方法で当該顧客Cが支払を行うことを示す特典無情報が入力される。具体的には、入力部3001には、操作部33の操作によって特定電子マネーによる支払を行うか否かを示す情報が入力される。なお、特典有情報および特典無情報は携帯端末4から入力されてもよい。
【0056】
また、入力部3001には、スキャナ34によって携帯端末4が表示するバーコードから読み取られた取引コードが入力される。入力部3001には、その他各種情報が入力される。例えば、入力部3001には、会計処理を開始する旨の情報、および顧客Cが選択した支払方法を示す情報などが操作部33から入力される。
【0057】
出力部3002は、各種情報を出力する。例えば、出力部3002は、入力部3001に取引コードおよび特典有情報が入力されると、店舗サーバ2に対して、当該取引コードおよび特典有情報とともに取引情報要求を出力する。また、出力部3002は、入力部3001に取引コードおよび特典無情報が入力されると、同様に、店舗サーバ2に対して、当該取引コードおよび特典無情報とともに取引情報要求を出力する。
【0058】
取得部3003は、入力部3001に特典有情報または特典無情報が入力されたことを条件に、1取引の取引情報を取得する。具体的には、取得部3003は、入力部3001に特典有情報または特典無情報が入力された後に出力部3002が出力した取引情報要求に対して店舗サーバ2が出力した取引情報を取得する。なお、取得部3003は、携帯端末4から取引情報を取得するようにしてもよい。この場合、入力部3001に特典有情報が入力されると、会計装置3によって取引金額の再算出が行われる。
【0059】
表示処理部3004は、複数の支払方法からいずれかの支払方法を選択可能な選択画面を表示部32に表示させる。また、表示処理部3004は、入力部3001に特典有情報が入力された場合、特定の支払方法のみを選択可能な選択画面を表示する。例えば、表示処理部3004は、入力部3001に特典有情報が入力された場合、支払方法を選択可能な選択画面において、特定の支払方法以外の支払方法を選択するためのアイコンをグレーアウトする。あるいは、表示処理部3004は、入力部3001に特典有情報が入力された場合、支払方法を選択可能な選択画面において、特定の支払方法を選択するためのアイコンのみを表示するなどしてもよい。
【0060】
また、表示処理部3004は、特典有情報または特典無情報を入力するための入力画面を表示部32に表示させる。具体的には、入力部3001に会計処理を開始する旨の情報が入力されると、表示処理部3004は、特定電子マネーによる支払を行うか否かを入力するための入力画面を表示部32に表示させる。
【0061】
会計処理部3005は、取得部3003が取得した取引情報に基づいて会計処理を実行する。会計処理は、顧客Cが購入代金の支払を行うための処理であって、現金による支払の場合は、釣銭を計算して表示する処理、釣銭の発行を釣銭機に指示する処理などを含む。また、会計処理は、電子マネーやクレジットカードなどによるキャッシュレス決済の場合、決済を完了させるための決済サーバとの通信などを含む。
【0062】
上記構成の会計システム1の動作の概略について説明する。図9は、会計システム1の動作を示すシーケンスチャートである。このシーケンスチャートは、特定の支払方法が選択された場合、すなわち特典有情報が入力された場合の動作を示すものである。
【0063】
顧客Cが店舗で買物を行う場合、当該顧客Cの操作により、あるいは携帯端末4が店舗内に位置したことを検知したことなどにより、携帯端末4は買物用アプリケーションプログラムを起動する(ステップS1)。携帯端末4は、自装置が備えるカメラなど用いて購入商品の商品コードを読取る(ステップS2)。携帯端末4は、自装置を識別する端末IDと、読取った商品コードとを店舗サーバ2に送信(出力)する(ステップS3)。
【0064】
店舗サーバ2は、受信した端末IDおよび商品コードに基づいて取引情報部2031に取引情報を登録する(ステップS4)。より詳細には、店舗サーバ2は、受信した商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出す。そして、店舗サーバ2は、受信した端末IDと、読み出した商品情報とを対応付けて取引情報部2031に登録する。なお、このステップS4で行われる商品情報を登録する商品登録は、携帯端末4で行われてもよい。
【0065】
携帯端末4で商品コードが読取られるたびにステップS2~ステップS4の処理が行われる。顧客Cの購入商品全てについて商品コードの読取りが完了すると、携帯端末4には、会計指示入力がなされる(ステップS5)。携帯端末4は、会計指示入力がなされると、端末IDおよび取引情報要求を店舗サーバ2に送信する(ステップS6)。
【0066】
店舗サーバ2は、取引情報部2031を参照して、携帯端末4から受信した端末IDに対応する取引情報を抽出し、当該取引情報に基づいて購入代金の合計金額、すなわち取引金額を算出する(ステップS7)。このとき、店舗サーバ2は、取引コードを発行して取引情報部2031に登録する。次いで、店舗サーバ2は、取引コードを含む取引情報および算出された取引金額を携帯端末4に送信する(ステップS8)。
【0067】
携帯端末4は、受信した取引情報および取引金額を表示する(ステップS9)。表示される取引情報は、当該取引情報に含まれる商品情報である。また、携帯端末4は、受信した取引情報に含まれる取引コードをバーコード化して表示する(ステップS10)。取引コードを示すバーコードは、取引情報が表示された表示画面あるいは当該表示画面から推移した別の表示画面に表示される。
【0068】
顧客Cは、会計装置3の設置場所に移動して、当該会計装置3で支払を行う。支払にあたって、まず会計装置3に会計開始入力がなされる(ステップS11)。顧客Cが特定の支払方法を利用する場合、会計装置3に特典有情報が入力される(ステップS12)。次いで、会計装置3は、携帯端末4に表示されたバーコードから取引コードを読取る(ステップS13)。そして、会計装置3は、入力された特典有情報および読取られた取引コードとともに取引情報要求を店舗サーバ2に送信する(ステップS14)。
【0069】
店舗サーバ2は、受信した取引コードに対応する取引情報を取引情報部2031から抽出し、当該取引情報に優待価格が設定された商品の商品情報が含まれる場合、取引情報を訂正して取引金額を再算出する(ステップS15)。具体的には、店舗サーバ2は、取引情報部2031に記憶された価格のうち、優待価格が設定された商品に対応する価格を当該優待価格に書き換え、書き換えた情報に基づいて取引金額を算出する。続いて、店舗サーバ2は、訂正された取引情報、および再算出された取引金額を会計装置3に送信する(ステップS16)。
【0070】
会計装置3は、受信した取引情報および取引金額に基づいて、会計処理を実行する(ステップS17)。これにより、顧客Cには、特典が付与される。
【0071】
次に、会計装置3の制御部30による支払処理について説明する。図10は、会計装置3の制御部30による支払処理の流れを示すフローチャートである。
【0072】
まず、制御部30は、入力部3001に会計開始入力がなされたか否か判断し(ステップS21)、入力されないと(ステップS21のN)、ステップS21の処理に戻って待機する。
【0073】
入力部2001に会計開始入力がなされると(ステップS21のY)、制御部30は、
顧客Cによって特定の支払方法、すなわち特定電子マネーによる支払を行う旨の選択がなされた否か判断する(ステップS22)。具体的には、制御部30は、顧客Cの操作によって入力部3001に特典有情報が入力されたか否か判断する。
【0074】
図11は、特定の支払方法によって支払を行うか否かを入力するための入力画面である。すなわち、図11に示す選択画面は、特典有情報または特典無情報を入力する入力画面の一例である。入力画面には、メッセージ表示部Aおよび選択ボタン表示部Bが形成されている。
【0075】
メッセージ表示部Aには、例えば、「○○カード、○○アプリ、○○ギフトカードでお支払されますか。○○カード、○○アプリ、○○ギフトカードでお支払される場合、○○ブランド商品は値引きされます」などのメッセージが表示される。選択ボタン表示部Bには、「はい」ボタン、および「いいえ」ボタンが表示される。「はい」ボタンが操作されると、特定の支払方法である特定電子マネーによる支払が選択されて制御部30に特典有情報が入力される。「いいえ」ボタンが操作されると、特定電子マネーによる支払が選択されず制御部30に特典無情報が入力される。
【0076】
図10に戻り、特定の支払方法が選択されると(ステップS22のY)、言い換えれば図11の「はい」ボタンが操作されると、制御部30は、特典取引情報部3031に特典「有」を登録する(ステップS23)。一方、特定の支払方法が選択されないと(ステップS22のN)、言い換えれば図11の「いいえ」ボタンが操作されると、制御部30は、特典取引情報部3031に特典「無」を登録する(ステップS24)。
【0077】
次いで、制御部30は、入力部3001にスキャナ34から取引コードが入力されたか否か判断する(ステップS25)。言い換えれば、制御部30は、スキャナ34が顧客Cの携帯端末4に表示されたバーコードを読取ったか否か判断する。
【0078】
図12は、顧客Cに対して取引コードの読取りを案内するガイダンス画面を示す図である。ガイダンス画面には、文字表示部Cおよびイラスト表示部Dが形成されている。これら文字表示部Cおよびイラスト表示部Dによって、携帯端末4に表示されたバーコードをスキャナ34に読み取らせる操作についてガイダンスする。
【0079】
図10に戻り、入力部3001に取引コードが入力されないと(ステップS25のN)、制御部30は、ステップS25の処理に戻って待機する。入力部3001に取引コードが入力されると(ステップS25のY)、出力部3002は、当該取引コードとともに取引情報要求を店舗サーバ2に出力する(ステップS26)。なお、このとき特典取引情報部3031において、入力部3001に入力された取引コードに対応する特典有無の項目に「有」が登録されている場合、すなわち顧客Cによって特定の支払方法が選択されている場合、出力部3002は併せて特典有情報も出力する。また、出力部3002は、上記特典有無の項目に「無」が登録されている場合、取引情報要求に併せて特典無情報を出力する。
【0080】
次いで、制御部30は、取得部3003が店舗サーバ2から取引情報を取得したか否か判断し(ステップS27)、取引情報を取得しなければ(ステップS27のN)、ステップS27の処理に戻って待機する。取得部3003が店舗サーバ2から取引情報を取得すると(ステップS27のY)、表示処理部3004は、表示部32に取引情報表示画面を表示する(ステップS28)。
【0081】
図13は、取引情報表示画面を示す図である。取引情報表示画面には、メッセージ表示部E、商品情報表示部F、および取引金額表示部Gが形成されている。また、取引情報表示画面には、店員を呼び出すためのボタン、取引を中止するためのボタン、会計処理に移行するためのボタンも表示される。
【0082】
メッセージ表示部Eは、顧客Cに対して操作をガイダンスするメッセージを表示する。商品情報表示部Fは、取引情報に含まれる商品情報、より詳細には、商品名、個数、価格を表示する。取引金額表示部Gは、取引金額、すなわち購入商品の合計金額を表示する。
【0083】
図10に戻り、図13の会計処理に移行するためのボタンが操作されると、制御部30は、特典取引情報部3031の特典有無の項目に特典「有」が登録されているか否か判断する(ステップS29)。特典「有」が登録されていると(ステップS29のY)、すなわち顧客Cによって特定の支払方法が選択されていると、表示処理部3004は、表示部32に第1選択画面を表示させる(ステップS30)。
【0084】
図14は、第1選択画面を示す図である。第1選択画面には、メッセージ表示部H、支払方法選択部I、および取引金額表示部Jが形成されている。また、第1選択画面には、電子マネーの残高を照合するためのボタン、店員を呼び出すためのボタン、前の画面に戻るためのボタンも表示される。
【0085】
メッセージ表示部Hは、顧客Cに対して操作をガイダンスするメッセージを表示する。支払方法選択部Iは、顧客が支払方法を選択するためのアイコンを複数表示する。ただし、特定電子マネーによる支払を選択するためのアイコン以外のアイコンは、グレーアウトされており顧客Cが操作しても制御部30に情報が入力されないようになっている。これにより、特定の支払方法による支払が確実に行われるようになっている。したがって、特定の支払方法を利用しないにも拘わらず特典を受けるという不正を防止することができる。取引金額表示部Jは、取引金額を表示する。図14に示す第1選択画面は、入力部3001に特典有情報が入力された場合、特定の支払方法のみを選択可能な選択画面の一例である。
【0086】
図10に戻り、制御部30は、特定の支払方法(特定電子マネーによる支払)が選択されたか否かを判断する(ステップS31)。特定の支払方法が選択されると(ステップS31のY)、言い換えれば図14に示す第1選択画面でグレーアウトされていないアイコンが操作されると、表示処理部3004は、表示部32に第2選択画面を表示させる(ステップS32)。
【0087】
図15は、第2選択画面を示す図である。第2選択画面には、支払方法選択部K、および取引金額表示部Lが形成されている。また、第2選択画面には、第1選択画面と同様に、電子マネーの残高を照合するためのボタン、店員を呼び出すためのボタン、前の画面に戻るためのボタンも表示される。
【0088】
支払方法選択部Kは、特定電子マネーによる支払を行うためのアイコンを複数表示する。言い換えれば、支払方法選択部Kに表示されるアイコンは、全て特定の支払方法に対応するものである。より詳細には、支払方法選択部Kには、電子マネーカードを用いた支払を行うためのアイコン、電子マネーカードに紐づいたアプリケーションプログラムを用いた支払を行うためのアイコン、およびギフトカードを用いた支払を行うためのアイコンが表示される。取引金額表示部Lは、取引金額を表示する。
【0089】
図10に戻り、制御部30は、いずれかの支払方法が選択されたか否かを判断する(ステップS33)。支払方法が選択されると(ステップS31のY)、言い換えれば図15に示すいずれかのアイコンが操作されると、制御部30は、電子マネーの残金が不足しているか否か判断する(ステップS34)。例えば、制御部30は、カードリーダ35が読取った電子マネーカードの情報に基づいて、残高を管理する電子マネーサーバと通信して残高を確認し、残金が不足しているか否か判断する。電子マネーの残高が不足していると(ステップS34のY)、表示処理部3004は、表示部32に第3選択画面を表示させる(ステップS35)。
【0090】
図17は、第3選択画面を示す図である。第3選択画面には、メッセージ表示部Oおよび不足情報表示部Pが形成されている。また、第3選択画面には、店員を呼び出すためのボタン、および複数のボタン321~323も表示される。
【0091】
メッセージ表示部Oは、特定電子マネーによる支払を中止する場合は店員を呼び出す必要があることを示すメッセージ、特定電子マネーによる支払を中止すると特典が受けられないことを示すメッセージ、および当該電子マネーの残金を全て使ってもよいか否かを確認するメッセージ等を表示する。不足情報表示部Pは、合計金額(取引金額)、カード残高(電子マネーの残高)、および不足額を表示する。図17に示す第3選択画面は、電子マネーの残高が1取引の取引額に対して不足している場合、特定の支払方法でない支払方法では特典が付与されないことを示すメッセージを表示する画面の一例である。
【0092】
ボタン321は、カード残高を全て使ってもよい旨の情報を入力するためのボタンである。ボタン321が操作されると、後述する第4選択画面に移行する。ボタン322は、電子マネーカードに現金をチャージするためのボタンである。ボタン322が操作されると、図示しないチャージ用画面に移行する。ボタン323は、特定電子マネーによる支払による他の支払方法、例えばギフトカードやアプリケーションプログラムによる支払を行う旨の情報を入力するためのボタンである。ボタン323が操作されると、第1選択画面に移行する。なお、ボタン323が操作された場合、第2選択画面に移行するようにしてもよい。顧客Cは、特定電子マネーによる支払を中止する場合は、店員呼出ボタンを操作する。
【0093】
図10に戻り、制御部30は、電子マネーの残金を使用する旨の情報が入力されたか否かを判断する(ステップS36)。言い換えれば、制御部30は、図17に示す第3選択画面において、ボタン321が操作されたか否か判断する。電子マネーの残金を使用する旨の情報が入力されると(ステップS36のY)、表示処理部3004は、表示部32に第4選択画面を表示させる(ステップS37)。
【0094】
図18は、第4選択画面を示す図である。第4選択画面には、支払方法選択部Q、および不足額表示部Rが形成されている。また、第4選択画面には、店員を呼び出すためのボタン、前の画面に戻るためのボタンも表示される。
【0095】
支払方法選択部Qは、顧客Cが選択可能な支払方法を示すアイコンを複数表示する。図14に示す第1選択画面では、特定電子マネーによる支払を行うためのアイコン以外のアイコンはグレーアウトされているが、第4選択画面では全てのアイコンが選択可能となっている。取引金額の少なくとも一部が特定電子マネーによる支払で支払われるため、残金を他の支払方法で支払っても、顧客Cが特典を受けられるようにするためである。なお、取引金額全てが特定電子マネーによる支払で支払われたことを条件に特典を付与するようにしてもよい。不足額表示部Rは電子マネーの不足額を表示する。
【0096】
図10に戻り、制御部30は、不足額について支払方法が選択されたか否か判断する(ステップS38)。言い換えれば、制御部30は、図18に示す第4選択画面において、いずれかのアイコンが操作されたか否か判断する。支払方法が選択されないと(ステップS38のN)、制御部30は、ステップS38の処理に戻って待機する。
【0097】
支払方法が選択されると(ステップS38のY)、会計処理部3005は会計処理を実行する(ステップS39)。そして、制御部30は支払処理を終了する。
【0098】
なお、ステップS29の処理において、特典「無」が登録されていると(ステップS29のN)、表示処理部3004は、表示部32に第5選択画面を表示させる(ステップS40)。
【0099】
図16は、第5選択画面を示す図である。第5選択画面には、支払方法選択部M、および取引金額表示部Nが形成されている。また、第5選択画面には、店員を呼び出すためのボタン、前の画面に戻るためのボタンも表示される。
【0100】
支払方法選択部Mは、図14に示す第1選択画面の支払方法選択部Iと同様に、顧客が支払方法を選択するためのアイコンを複数表示する。ただし、上記支払方法選択部Iとは反対に、特定電子マネーによる支払を選択するためのアイコンのみグレーアウトされており、他のアイコンはグレーアウトされていない。これにより、顧客Cが特定電子マネーによる支払を選択するためのアイコンを操作しても、制御部30に情報が入力されないようになっている。取引金額表示部Gは、取引金額を表示する。
【0101】
図10に戻り、制御部30は、支払方法が選択されたか否か判断する(ステップS41)。言い換えれば、制御部30は、図16に示す第5選択画面において、グレーアウトされていないアイコンのいずれかが操作されたか否か判断する。
【0102】
支払方法が選択されないと(ステップS41のN)、制御部30は、ステップS41の処理に戻って待機する。支払方法が選択されると(ステップS41のY)、制御部30は、ステップS39の処理に移行する。
【0103】
ステップS31の処理において、特定の支払方法が選択されないと(ステップS31のN)、制御部30は、入力部3001に店員呼出が入力されたか否か判断する(ステップS42)。すなわち、制御部30は、顧客Cが特定電子マネーによる支払を中止するために店員を呼び出したか否か判断する。
【0104】
店員呼出入力がなされないと(ステップS42のN)、制御部30は、ステップS31の処理に戻る。店員呼出入力がなされると(ステップS42のY)、制御部30は呼出通知処理を行う(ステップS43)。呼出通知処理は、店員を呼び出すためのもので、例えば、会計装置3に設けられた図示しない点灯部を点灯させたり、店員が所持する端末装置(図示せず)に呼出通知を出力したりするなどして実行される。そして、制御部30は支払処理を終了する。この場合、呼び出された店員によって、特定電子マネーによる支払を中止して顧客Cが他の支払方法による支払を行うための操作がなされる。
【0105】
ステップS33の処理において、支払方法が選択されないと(ステップS33のN)、制御部30は、入力部3001に店員呼出が入力されたか否か判断する(ステップS44)。ステップS42に処理と同様に、制御部30は、顧客Cが特定電子マネーによる支払を中止するために店員を呼び出したか否か判断する。
【0106】
店員呼出入力がなされないと(ステップS44のN)、制御部30は、ステップS33の処理に戻る。店員呼出入力がなされると(ステップS44のY)、ステップS43の処理に移行する。
【0107】
上記支払処理により、顧客Cは、特定の支払方法を選択した場合に特典、すなわち優待サービスを受けることができる。また、顧客Cにより特定の支払方法が選択された場合、当該選択された支払方法で確実に支払が行われるので、顧客による不正を抑制することができる。
【0108】
以上説明したとおり、第1の実施形態の会計装置は、顧客Cの操作によって当該顧客Cが1取引に係る支払を行うための会計処理を実行する会計装置3であって、複数の支払方法からいずれかの支払方法を選択可能な選択画面(第5選択画面)を表示部32に表示させる表示処理部3004と、顧客Cに特典が付与される特定の支払方法で当該顧客Cが支払を行うことを示す特典有情報が入力される入力部3001と、を備え、表示処理部3004は、入力部3001に前記特典有情報が入力された場合、前記特定の支払方法のみを選択可能な選択画面(第1選択画面)を表示する。
【0109】
これにより、顧客Cが特典を受ける条件となる特定の支払方法を選択した場合、当該選択された特定の支払方法で確実に支払が行われるようにすることができる。したがって、顧客Cが特典を受ける条件となる特定の支払方法を選択した後、他の支払方法で支払うという不正を抑制することができる。
【0110】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、特典有情報が入力された後、顧客Cによって特定の支払方法以外の支払方法が選択された場合、選択操作を受付けないでエラーメッセージを表示するようにした点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と同様の構成、機能については、説明を省略する場合がある。以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0111】
図19は、第2の実施形態の会計装置3の制御部20による支払処理の流れを示すフローチャートである。図10に示す第1の実施形態における支払処理と異なる点について説明する。ステップS21~ステップS29の処理は、第1の実施形態における支払処理と同様である。
【0112】
ステップS29の処理において、特典「有」が登録されていると(ステップS29のY)、表示処理部3004は、図18に示す第4選択画面を表示部32に表示させる(ステップS51)。つまり、表示処理部3004は、特典有情報が入力された後でも全ての支払方法が選択可能な選択画面を表示部32に表示させる。
【0113】
そして、第4選択画面において特定の支払方法(図18の「○○支払」)が選択されると(ステップS31のY)、ステップS32以降の処理が実行される。第4選択画面において特定の支払方法以外の支払方法が選択されると(ステップS31のN)、表示処理部3004は、エラーメッセージ表示画面を表示部32に表示させる(ステップS52)。
【0114】
図20は、エラーメッセージ表示画面を示す図である。エラーメッセージ表示画面は、第4選択画面にエラーメッセージSが表示される。つまり、顧客Cが第4選択画面において特定の支払方法以外の支払方法を選択すると、エラーメッセージSがポップアップ表示される。なお、顧客Cが特定の支払方法以外の支払方法のアイコンを操作した場合、制御部30は、当該操作に基づく入力情報を受付けない、あるいは無効とする。そして、制御部30は、ステップS42以降の処理を実行する。
【0115】
上記支払処理により、第1の実施形態と同様に、顧客Cは、特定の支払方法を選択した場合に特典、すなわち優待サービスを受けることができる。また、顧客Cにより特定の支払方法が選択されたにも拘わらず他の支払方法を実行するための操作がなされた場合、会計装置3は、当該選択された支払方法での支払を促す表示を行うとともに、他の支払方法を実行するための操作を受付けない。したがって、第1の実施形態と同様に、顧客Cにより特定の支払方法が選択された場合、当該選択された支払方法で確実に支払が行われるので、顧客による不正を抑制することができる。
【0116】
以上説明したとおり、第2の実施形態の会計装置3は、顧客Cの操作によって当該顧客Cが1取引に係る支払を行うための会計処理を実行する会計装置3であって、複数の支払方法からいずれかの支払方法を選択可能な選択画面(第5選択画面)を表示部32に表示させる表示処理部3004と、顧客Cに特典が付与される特定の支払方法で当該顧客Cが支払を行うことを示す特典有情報が入力される入力部3001と、を備え、表示処理部3004は、入力部3001に前記特典有情報が入力された場合、前記特定の支払方法でない支払方法が選択されるとエラーメッセージSを表示する。
【0117】
これにより、第1の実施形態と同様に、顧客Cが優待サービスを受ける条件となる特定の支払方法を選択した後、他の支払方法で支払うという不正を抑制することができる。
【0118】
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態の会計装置3の表示処理部3004は、特典有情報または特典無情報を入力するための入力画面を表示部32に表示させる。
【0119】
これにより、顧客Cは、購入代金の支払時に特典有情報あるいは特典無情報を入力することができる。したがって、会計装置3で支払を行うための一連の操作で上記入力を行うことができるので顧客Cにとって操作がしやすいものとなる。
【0120】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、特典有情報が携帯端末4から入力することができるようにした点において、第1の実施形態および第2の実施形態と異なる。以下の説明においても、第1の実施形態と同様の構成、機能については、説明を省略する場合がある。
【0121】
図21は、第3の実施形態の店舗サーバ2のRAM203が備える取引情報部2031のデータ構成を示す図である。取引情報部2031は、取引コード等に対応付けて特典有無を示す情報も登録される。特典有無を示す情報は、携帯端末4から受信する特典有情報または特典無情報に基づいて登録される。
【0122】
第3の実施形態の会計システム1の動作について説明する。図22は、第3の実施形態の会計システム1の動作を示すシーケンスチャートである。このシーケンスチャートは、図9と同様に特典有情報が入力された場合の動作を示すものである。図9に示す第1の実施形態の処理と異なる点について説明する。ステップS1~ステップS5の処理は、第1の実施形態の処理と同様である。
【0123】
顧客Cの操作により特定の支払方法が選択されて携帯端末4に特典有情報が入力されると(ステップS61)、携帯端末4は、端末ID、取引情報要求、および特典有情報を店舗サーバ2に送信する(ステップS62)。
【0124】
店舗サーバ2は、受信した端末IDを含む取引情報に特典有情報を登録するとともに、必要に応じてを取引情報を訂正する(ステップS63)。具体的には、店舗サーバ2は、取引情報部2031に記憶された商品のうち優待価格が設定された商品があれば、当該商品に対応する価格を当該優待価格に書き換えることで取引情報の訂正を行う。このとき、店舗サーバ2は、取引コードを発行して取引情報部2031に登録する。
【0125】
なお、店舗サーバ2は、携帯端末4から特典無情報が入力された場合、取引情報部2031に特典無情報を登録し、取引情報の訂正は行わない。ステップS7~ステップS13の処理は、第1の実施形態の処理と同様である。
【0126】
会計装置3は、携帯端末4から取引コードを読取ると(ステップS13)、取引コードおよび取引情報要求を店舗サーバ2に送信する(ステップS64)。店舗サーバ2は、受信した取引コードに基づいて、取引情報および取引金額を抽出する(ステップS65)。以降の処理は、第1の実施形態の処理と同様である。
【0127】
以上説明したとおり、第3の実施形態によれば、顧客Cは、携帯端末4によって特典有情報を入力することができる。このため、会計装置3に対する顧客Cの操作を減らすことができる。したがって、第3の実施形態によれば、顧客Cによる不正を抑制することに加えて、会計装置3の客捌きの効率化を図ることができる。また、顧客Cは、携帯端末4で優待価格を確認することができる。
【0128】
また、上記第1の実施形態ないし第3の実施形態の各会計装置3は、入力部3001には、顧客Cが特定の支払方法でない支払方法で支払を行うことを示す特典無情報が入力可能であり、入力部3001に特典有情報または特典無情報が入力されたことを条件に、1取引の取引情報を取得する取得部3003と、取得部3003が取得した取引情報に基づいて会計処理を実行する会計処理部3005と、をさらに備える。
【0129】
これにより、会計装置3は、入力された特典有情報または特典無情報に対応した取引情報を取得することができる。例えば会計装置3は、優待サービスが適用されない取引情報を取得した後に特典有情報が入力されると、優待サービスが適用された取引情報を再度取得する必要がある。しかしながら、各実施形態の会計装置3によれば、このような取引情報の取得し直しが生じることがなく、円滑な会計処理が可能となる。
【0130】
また、上記第1の実施形態ないし第3の実施形態の会計装置3の表示処理部3004は、プリペイド方式の電子マネーの残高が1取引の取引額に対して不足している場合、特定の支払方法でない支払方法では特典が付与されないことを示すメッセージを表示する。
【0131】
これにより、会計装置3は、顧客Cが特定の支払方法である電子マネーの残高が不足している状態で他の支払方法に変更する際、当該顧客Cに特典が付与されないことを認識させることができる。このため、店舗と顧客Cとの間で発生しえるトラブルを未然に防ぐことができる。
【0132】
なお、上記各実施形態において、店舗サーバ2、会計装置3、および携帯端末4の各装置で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0133】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
3 会計装置
32 表示部
3001 入力部
3002 出力部
3003 取得部
3004 表示処理部
3005 会計処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0135】
【特許文献1】特開2017-120667号公報
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