(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118657
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20230818BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20230818BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q30/02 378
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156906
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2022021142の分割
【原出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L055AA73
(57)【要約】
【課題】コード決済を利用するユーザに対して非代替性トークンを利用して購買意欲の向上を図る。
【解決手段】コード決済に係る決済を行う決済処理部と、特典付与処理部と、を備え、特典付与処理部は、決済処理部により完了した決済に関する決済情報に対して、所定の特典付与条件を満たすか否かを判定し、判定の結果が特典付与条件を満たすである場合に、判定の対象の決済情報に関連する特典に対応する非代替性トークンであって、コード決済に係るコード情報に関連付けられているユーザ識別情報で特定されるユーザが保有者であることがブロックチェーン上で記録された非代替性トークンを示すトークン情報を取得し、トークン情報をユーザ端末に送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済処理部と、特典付与処理部と、を備え、
前記決済処理部は、
ユーザ識別情報に基づく決済方法を適用して店舗における決済を行い、
前記特典付与処理部は、
前記決済処理部により完了した前記決済に関する決済情報に対して、所定の特典付与条件を満たすか否かを判定し、
前記判定の結果が前記特典付与条件を満たす場合に、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザが前記判定の対象の決済情報に関連する特典に対応する非代替性トークンの保有者であることをブロックチェーン上で記録させるための要求を前記非代替性トークンの管理システムに行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記特典付与処理部は、前記ユーザが保有者であることが前記ブロックチェーン上で記録された前記非代替性トークンを示すトークン情報を取得し、前記トークン情報を前記ユーザのユーザ端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
記憶部をさらに備え、
前記決済処理部は、
前記ユーザのユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが前記店舗で決済するための決済用コードの発行要求とを受信し、
前記決済用コードを生成するためのコード情報をワンタイムの情報として生成し、
受信した前記ユーザ識別情報と、生成した前記コード情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させ、
前記コード情報を前記ユーザ端末へ送信し、
前記コード情報に基づいて前記ユーザ端末が表示した前記決済用コードを読み取った店舗端末から、前記店舗端末が前記ユーザ端末から読み取った前記決済用コードから特定した前記コード情報と、決済情報とを受信し、
前記記憶部に記憶されている前記コード情報と、受信した前記コード情報とが一致する場合に、前記コード情報に関連付けられている前記ユーザ識別情報と受信した前記決済情報とに基づいて前記決済を行う、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記要求に基づきユーザが保有者となる前の前記非代替性トークンの保有者は、店舗事業者又は決済事業者である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記要求に基づき前記非代替性トークンの保有者が前記ユーザとなったことを、前記特典に関する決済が行われた店舗に関連する装置へ通知する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特典付与条件は、店舗と商品とのうち少なくとも一方に関する条件を含む、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特典付与条件は、決済が行われる期間を限定する決済期間条件をさらに含む、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特典付与条件は、決済金額を限定する決済金額条件をさらに含む、
請求項6又は7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決済処理部が行った前記決済の履歴をユーザ識別情報毎に記録する決済履歴記録部をさらに備え、
前記特典付与処理部は、前記決済の履歴に基づいて、前記管理システムに行う前記要求の対象のユーザを限定する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決済処理部が行った前記決済を示すデータは、前記ブロックチェーン上に記録されない、
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記特典付与処理部は、前記決済処理部が行った前記決済の完了通知と前記トークン情報とが前記ユーザ端末で同時に表示されるデータを前記ユーザ端末に送信する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記特典付与処理部は、前記特典付与条件がさらに前記ブロックチェーン上で記録された前記非代替性トークンを示す前記トークン情報を取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ユーザ識別情報に基づく決済方法を適用して店舗における決済を行う決済ステップと、
前記決済ステップにより完了した前記決済に関する決済情報に対して、所定の特典付与条件を満たすか否かを判定するステップと、
前記判定の結果が前記特典付与条件を満たす場合に、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザが前記判定の対象の決済情報に関連する特典に対応する非代替性トークンの保有者であることをブロックチェーン上で記録させるための要求を前記非代替性トークンの管理システムに行うステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一次元バーコードや例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードを用いたコード決済が知られている(例えば、特許文献1参照)。コード決済には、大きく分けて、CPM(Consumer Presented Mode)方式とMPM(Merchant Presented Mode)方式との2種類の方式がある。CPM方式では、購入者であるユーザの端末が表示した決済用コードを販売事業者である店舗側が読み取ることにより決済が行われる。MPM方式では、店舗側が表示した決済用コードをユーザ端末により読み取ることにより決済が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカード等のデジタル資産に対して唯一性や保有者を証明することができるNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)が注目されている。そして、そのNFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)が開設されており、NFTマーケットプレイスを利用してNFTを購入したり販売したりすることができるようになっている。
【0005】
このようなNFTの状況においては、コード決済を利用するユーザに対してNFTを利用して購買意欲を高めることが考えられる。しかしながら、上述した特許文献1に記載されたコード決済に関する情報処理方法では、NFTを利用することができない。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、コード決済を利用するユーザに対してNFTを利用して購買意欲の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、決済処理部と、特典付与処理部と、を備え、前記決済処理部は、ユーザ識別情報に基づく決済方法を適用して店舗における決済を行い、前記特典付与処理部は、前記決済処理部により完了した前記決済に関する決済情報に対して、所定の特典付与条件を満たすか否かを判定し、前記判定の結果が前記特典付与条件を満たす場合に、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザが前記判定の対象の決済情報に関連する特典に対応する非代替性トークンの保有者であることをブロックチェーン上で記録させるための要求を前記非代替性トークンの管理システムに行う、情報処理装置である。
(2)本発明の一態様は、前記特典付与処理部は、前記ユーザが保有者であることが前記ブロックチェーン上で記録された前記非代替性トークンを示すトークン情報を取得し、前記トークン情報を前記ユーザのユーザ端末に送信する、上記(1)の情報処理装置である。
(3)本発明の一態様は、記憶部をさらに備え、前記決済処理部は、前記ユーザのユーザ端末から、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザが前記店舗で決済するための決済用コードの発行要求とを受信し、前記決済用コードを生成するためのコード情報をワンタイムの情報として生成し、受信した前記ユーザ識別情報と、生成した前記コード情報とを関連付けて前記記憶部に記憶させ、前記コード情報を前記ユーザ端末へ送信し、前記コード情報に基づいて前記ユーザ端末が表示した前記決済用コードを読み取った店舗端末から、前記店舗端末が前記ユーザ端末から読み取った前記決済用コードから特定した前記コード情報と、決済情報とを受信し、前記記憶部に記憶されている前記コード情報と、受信した前記コード情報とが一致する場合に、前記コード情報に関連付けられている前記ユーザ識別情報と受信した前記決済情報とに基づいて前記決済を行う、上記(1)又は(2)のいずれかの情報処理装置である。
(4)本発明の一態様は、前記要求に基づきユーザが保有者となる前の前記非代替性トークンの保有者は、店舗事業者又は決済事業者である、上記(1)から(3)のいずれかの情報処理装置である。
(5)本発明の一態様は、前記要求に基づき前記非代替性トークンの保有者が前記ユーザとなったことを、前記特典に関する決済が行われた店舗に関連する装置へ通知する、上記(1)から(4)のいずれかの情報処理装置である。
(6)本発明の一態様は、前記特典付与条件は、店舗と商品とのうち少なくとも一方に関する条件を含む、上記(1)から(5)のいずれかの情報処理装置である。
(7)本発明の一態様は、前記特典付与条件は、決済が行われる期間を限定する決済期間条件をさらに含む、上記(6)の情報処理装置である。
(8)本発明の一態様は、前記特典付与条件は、決済金額を限定する決済金額条件をさらに含む、上記(6)又は(7)のいずれかの情報処理装置である。
(9)本発明の一態様は、前記決済処理部が行った前記決済の履歴をユーザ識別情報毎に記録する決済履歴記録部をさらに備え、前記特典付与処理部は、前記決済の履歴に基づいて、前記管理システムに行う前記要求の対象のユーザを限定する、上記(1)から(7)のいずれかの情報処理装置である。
(10)本発明の一態様は、前記決済処理部が行った前記決済を示すデータは、前記ブロックチェーン上に記録されない、上記(1)から(9)のいずれかの情報処理装置である。
(11)本発明の一態様は、前記特典付与処理部は、前記決済処理部が行った前記決済の完了通知と前記トークン情報とが前記ユーザ端末で同時に表示されるデータを前記ユーザ端末に送信する、上記(2)の情報処理装置である。
(12)本発明の一態様は、前記特典付与処理部は、前記特典付与条件がさらに前記ブロックチェーン上で記録された前記非代替性トークンを示す前記トークン情報を取得する、上記(2)の情報処理装置である。
【0008】
(13)本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、ユーザ識別情報に基づく決済方法を適用して店舗における決済を行う決済ステップと、前記決済ステップにより完了した前記決済に関する決済情報に対して、所定の特典付与条件を満たすか否かを判定するステップと、前記判定の結果が前記特典付与条件を満たす場合に、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザが前記判定の対象の決済情報に関連する特典に対応する非代替性トークンの保有者であることをブロックチェーン上で記録させるための要求を前記非代替性トークンの管理システムに行うステップと、を含む情報処理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コード決済を利用するユーザに対してNFTを利用して購買意欲の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る決済システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【
図4】一実施形態に係る特典管理テーブルの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る決済システムの構成例を示すブロック図である。
図1において、情報処理装置1は、主に、コード決済に係る処理(コード決済処理)と、特典付与に係る処理(特典付与処理)とを実行する。本実施形態では、コード決済としてCPM方式を用いる。CPM方式に用いられる決済用コードは、一次元バーコードであってもよく、又は二次元コードであってもよい。
【0012】
情報処理装置1は、ユーザが使用する端末(ユーザ端末)2との間で通信回線を介してデータを送受する。ユーザ端末2は、例えばスマートフォンやタブレット型のコンピュータ(タブレットPC)等の可搬型の端末装置である。ユーザ端末2には、CPM方式に対応した端末側のコード決済アプリケーションがインストールされている。ユーザは、ユーザ端末2でコード決済アプリケーションを起動することにより、ユーザ端末2を使用してCPM方式のコード決済により商品の代金を支払うことができる。商品は、販売を目的とするものであればよく、品物及びサービスを含む。商品は、金融商品であってもよい。
【0013】
情報処理装置1は、店舗に備わる端末(店舗端末)3との間で通信回線を介してデータを送受する。店舗端末3は、例えばPOS(Point-Of-Sales)端末である。店舗端末3には、CPM方式に対応した店舗側のコード決済アプリケーションがインストールされている。店舗側は、店舗端末3でコード決済アプリケーションを起動することにより、店舗端末3を使用してCPM方式のコード決済を実行することができる。
【0014】
情報処理装置1は、NFT管理システム4との間で通信回線を介してデータを送受する。NFT管理システム4は、NFT(非代替性トークン)を管理するための情報処理システムである。NFT管理システム4が管理するNFTは、ブロックチェーン5上で保有者が管理される。ブロックチェーン5には、NFT管理システム4が管理するNFTの来歴が記録されている。このブロックチェーン5によって、NFT管理システム4が管理するNFTの保有者が証明される。
【0015】
なお、NFT管理システム4は、NFTマーケットプレイスの機能を有してもよい。NFTマーケットプレイスの機能は、NFTの購入や販売等の流通に関する機能として、例えばNFTの販売情報の提示やNFTの購入依頼及び売却依頼の受付やNFTの代金の決済等である。
【0016】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図2において、情報処理装置1は、記憶部11と、決済処理部12と、決済履歴記録部13と、特典付与処理部14とを備える。
【0017】
情報処理装置1の各機能は、情報処理装置1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、情報処理装置1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、情報処理装置1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、情報処理装置1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、情報処理装置1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は情報処理装置1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、情報処理装置1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0018】
記憶部11は、特典管理テーブル11T等の各種のデータを記憶する。
【0019】
決済処理部12は、コード決済処理を行う。本実施形態では、コード決済処理によりCPM方式のコード決済が実現される。決済処理部12は、端末側のコード決済アプリケーション及び店舗側のコード決済アプリケーションと連携することにより、CPM方式のコード決済を行う。
【0020】
決済履歴記録部13は、決済処理部12が行ったコード決済の履歴を、ユーザ(ユーザ識別情報(ユーザID))毎に記録する。
【0021】
特典付与処理部14は、特典付与処理を行う。本実施形態では、特典付与処理により、コード決済を利用したユーザに対してNFTを利用した特典が付与される。
【0022】
次に
図3を参照して本実施形態に係る情報処理方法を説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。ユーザは、店舗で商品を購入する際に、商品の代金をコード決済により支払う。
【0023】
(ステップS101) ユーザは、店舗で商品の購入を行う。ユーザは、店舗で会計を行う際に、ユーザ端末2でコード決済アプリケーションを起動し、決済用コードをユーザ端末2に表示させるための操作を行う。
【0024】
(ステップS102) ユーザ端末2は、決済用コードを表示させるための操作を受け付けると、ユーザIDと、ユーザが店舗で決済するための決済用コードの発行要求(コード発行要求)とを情報処理装置1へ送信する。ユーザ端末2が情報処理装置1へ送信するユーザIDは、ユーザ端末2においてコード決済アプリケーションに予め登録されたユーザIDである。
【0025】
情報処理装置1において決済処理部12は、ユーザ端末2から、ユーザIDと、ユーザが店舗で決済するための決済用コードの発行要求(コード発行要求)とを受信する。
【0026】
(ステップS103) 決済処理部12は、ユーザ端末2からユーザIDとコード発行要求とを受信すると、決済用コードを生成するためのコード情報を生成する。決済用コードは、ワンタイム(使い捨て)のコードとして生成される。したがって、コード情報もワンタイムの情報である。
【0027】
(ステップS104) 決済処理部12は、コード発行要求元のユーザ端末2から受信したユーザIDと、生成したコード情報とを関連付けて記憶部11に記憶させる。
【0028】
(ステップS105) 決済処理部12は、生成したコード情報をコード発行要求元のユーザ端末2へ送信する。
【0029】
(ステップS106) ユーザ端末2は、情報処理装置1からコード情報を受信すると、受信したコード情報に基づいてコード決済アプリケーションを利用した所定のコード生成方法により決済用コードを生成する。ユーザ端末2は、生成した決済用コードを、自ユーザ端末2の表示画面に表示させる。
【0030】
(ステップS107) ユーザは、店舗の会計場所で商品の代金を支払う際に、ユーザ端末2の表示画面に表示された決済用コードを提示する。店舗端末3は、例えば店員の操作により、ユーザ端末2の表示画面に表示された決済用コードを読み取る。
【0031】
(ステップS108) 店舗端末3は、決済用コードを読み取ると、決済情報を生成する。決済情報は、店舗の識別情報(店舗ID)と決済金額と会計日時とを含む情報である。店舗IDは、店舗端末3においてコード決済アプリケーションに予め登録される。決済金額は、ユーザが購入する商品の合計金額である。会計日時は、店舗端末3における現在日時である。なお、決済情報は、ユーザが購入する商品の識別情報(商品ID)を含んでもよい。
また、店舗IDは、店舗を運営する事業者の識別情報と、各店舗に固有の識別情報とを含む情報であってもよい。例えば、P事業者が運営する店舗としてX町店とY駅前店とがある場合、X町店の店舗IDは両店舗に共通の「P事業者の識別情報」と「X町店に固有の識別情報」とを含み、一方、Y駅前店の店舗IDは両店舗に共通の「P事業者の識別情報」と「Y駅前店に固有の識別情報」とを含む。
また、会計日時は、店舗端末3が決済情報を情報処理装置1へ送信する日時であってもよい。
【0032】
(ステップS109) 店舗端末3は、生成した決済情報と、ユーザ端末2から読み取った決済用コードが示すコード情報とを情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1において決済処理部12は、店舗端末3から決済情報とコード情報とを受信する。
なお、情報処理装置1は、店舗端末3から決済情報を受信した日時を会計日時として使用してもよい。
【0033】
(ステップS110) 決済処理部12は、店舗端末3から決済情報とコード情報とを受信すると、受信したコード情報と記憶部11に記憶されているコード情報とが一致するか否かを判断する。決済処理部12は、受信したコード情報と記憶部11に記憶されているコード情報とが一致する場合に、当該コード情報に関連付けられているユーザIDと店舗端末3から受信した決済情報とに基づいて決済を行う。
【0034】
決済処理部12が行う決済において、決済処理部12は、記憶部11においてコード情報に関連付けられているユーザIDで特定されるユーザの口座から決済情報が示す決済金額を引き落とす処理を実行する。また、決済処理部12は、決済情報が示す店舗IDで特定される店舗の口座に決済金額を入金する処理を実行する。ここで、決済処理部12は、決済金額から所定の手数料を差し引いた金額を、店舗の口座に入金してもよい。
【0035】
(ステップS111) 決済処理部12は、決済が完了すると、商品の代金の支払いが完了したことを示す決済完了通知を、ユーザ端末2及び店舗端末3のそれぞれに送信する。
【0036】
(ステップS112) ユーザ端末2は、情報処理装置1から決済完了通知を受信すると、商品の代金の支払いが完了したことを自ユーザ端末2の表示画面に表示させる。これにより、ユーザは、商品の代金の支払いが完了したことを認識する。店舗端末3は、情報処理装置1から決済完了通知を受信すると、商品の代金の支払いが完了したことを自店舗端末3の表示画面に表示させる。これにより、店員は、商品の代金の支払いが完了したことを認識する。
【0037】
(ステップS113) 情報処理装置1において決済履歴記録部13は、決済処理部12によって決済が完了すると、当該決済に関して、決済処理部12が行ったコード決済の履歴を記録する。コード決済の履歴は、ユーザID、店舗ID、会計日時及び決済金額を含む。これにより、ユーザ毎に、店舗毎の購入回数や決済金額の総額等を集計することができる。
なお、決済履歴記録部13は、ユーザIDに対応するユーザに対してユーザの各種の属性情報(例えば、年齢や住所等)を、コード決済の履歴に含めて記録してもよい。各ユーザの属性情報は、例えばユーザ登録時に、ユーザIDに関連付けて情報処理装置1に登録される。
【0038】
(ステップS201) 情報処理装置1において特典付与処理部14は、ステップS110において完了した決済に関する情報(以下、対象決済情報と称する)に対して、所定の特典付与条件を満たすか否かを判定する。特典付与条件は、店舗と商品とのうち少なくとも一方に関する条件を含む。特典付与条件は、特典管理テーブル11Tに予め登録されている。
【0039】
特典付与処理部14は、特典管理テーブル11Tに含まれる特典付与条件の中に、対象決済情報が満たす特典付与条件があるか否かを判定する。この判定の結果、特典管理テーブル11Tにおいて対象決済情報が満たす特典付与条件がある場合には、対象決済情報に関連付ける特典の識別情報(特典ID)を特定し、次のステップS202の処理を実行する。一方、特典管理テーブル11Tにおいて対象決済情報が満たす特典付与条件がない場合には
図3の手順を終了する。
【0040】
ここで、
図4を参照して本実施形態に係る特典付与条件について説明する。
図4は、本実施形態に係る特典管理テーブルの構成例を示す図である。
図4の例では、特典付与条件毎に、特典付与条件を示す情報と特典の識別情報(特典ID)とが関連付けて特典管理テーブル11Tに格納される。また、
図4の例では、各特典IDについて、特典が示されている。特典付与条件の例を以下に示す。
【0041】
(特典付与条件の例1)
特典付与条件の例1は、店舗に関する条件である。
図4の例では、店舗に関する条件の例として、特典付与条件「店舗A」が特典管理テーブル11Tに登録されている。また特典管理テーブル11Tにおいて、特典付与条件「店舗A」に対して特典ID「特典ID_A」が関連付けられている。特典ID「特典ID_A」で特定される特典は「店舗Aのマスコット人形のNFT」である。特典付与処理部14は、対象決済情報が示す店舗IDが「店舗A」の店舗IDに一致する場合に、特典管理テーブル11Tにおいて対象決済情報が満たす特典付与条件「店舗A」があると判定する。この場合、特典付与処理部14は、特典管理テーブル11Tにおいて特典付与条件「店舗A」に関連付けられた特典ID「特典ID_A」を取得し、取得した特典ID「特典ID_A」を対象決済情報に関連付ける。
【0042】
(特典付与条件の例2)
特典付与条件の例2は、商品に関する条件である。
図4の例では、商品に関する条件の例として、特典付与条件「商品B」が特典管理テーブル11Tに登録されている。また特典管理テーブル11Tにおいて、特典付与条件「商品B」に対して特典ID「特典ID_B」が関連付けられている。特典ID「特典ID_B」で特定される特典は「商品Bの広告に出演するアイドルのトレーディングカードのNFT」である。特典付与処理部14は、対象決済情報が示す商品IDが「商品B」の商品IDに一致する場合に、特典管理テーブル11Tにおいて対象決済情報が満たす特典付与条件「商品B」があると判定する。この場合、特典付与処理部14は、特典管理テーブル11Tにおいて特典付与条件「商品B」に関連付けられた特典ID「特典ID_B」を取得し、取得した特典ID「特典ID_B」を対象決済情報に関連付ける。
【0043】
なお、特典付与条件として、上記の特典付与条件例1と例2とが組み合わされてもよい。この場合、特典付与条件を満たすとは、店舗に関する条件と商品に関する条件との両方の条件を満たすことである。特典付与処理部14は、対象決済情報が特典付与条件「店舗に関する条件と商品に関する条件との両方の条件」を満たす場合に、特典管理テーブル11Tにおいて当該特典付与条件に関連付けられた特典IDを取得し、取得した特典IDを対象決済情報に関連付ける。
【0044】
(特典付与条件の例3)
特典付与条件の例3は、店舗と商品とのうち少なくとも一方に関する条件と、決済期間条件とが組み合わされた条件である。決済期間条件は、決済が行われる期間を限定する条件である。
図4の例では、店舗に関する条件と決済期間条件とが組み合わされた条件の例として、店舗に関する条件「店舗C」と決済期間条件「決済期間t_C内」とが組み合わされた条件「店舗C、決済期間t_C内」が特典管理テーブル11Tに登録されている。また特典管理テーブル11Tにおいて、特典付与条件「店舗C、決済期間t_C内」に対して特典ID「特典ID_C」が関連付けられている。特典ID「特典ID_C」で特定される特典は「店舗Cの期間限定仕様のマスコット人形のNFT」である。特典付与処理部14は、対象決済情報が示す店舗IDが「店舗C」の店舗IDに一致し、且つ対象決済情報が示す会計日時が「決済期間t_C内」である場合に、特典管理テーブル11Tにおいて対象決済情報が満たす特典付与条件「店舗C、決済期間t_C内」があると判定する。この場合、特典付与処理部14は、特典管理テーブル11Tにおいて特典付与条件「店舗C、決済期間t_C内」に関連付けられた特典ID「特典ID_C」を取得し、取得した特典ID「特典ID_C」を対象決済情報に関連付ける。
【0045】
(特典付与条件の例4)
特典付与条件の例4は、店舗と商品とのうち少なくとも一方に関する条件と、決済金額条件とが組み合わされた条件である。決済金額条件は、決済金額を限定する条件である。
図4の例では、店舗に関する条件と決済金額条件とが組み合わされた条件の例として、店舗に関する条件「店舗D」と決済金額条件「決済金額p_D以上」とが組み合わされた条件「店舗D、決済金額p_D以上」が特典管理テーブル11Tに登録されている。また特典管理テーブル11Tにおいて、特典付与条件「店舗D、決済金額p_D以上」に対して特典ID「特典ID_D」が関連付けられている。特典ID「特典ID_D」で特定される特典は「店舗Dに限定のデジタルアートのNFT」である。特典付与処理部14は、対象決済情報が示す店舗IDが「店舗D」の店舗IDに一致し、且つ対象決済情報が示す決済金額が「決済金額p_D以上」である場合に、特典管理テーブル11Tにおいて対象決済情報が満たす特典付与条件「店舗D、決済金額p_D以上」があると判定する。この場合、特典付与処理部14は、特典管理テーブル11Tにおいて特典付与条件「店舗D、決済金額p_D以上」に関連付けられた特典ID「特典ID_D」を取得し、取得した特典ID「特典ID_D」を対象決済情報に関連付ける。
【0046】
なお、特典付与条件として、上記の特典付与条件例3と例4とが組み合わされてもよい。この場合、特典付与条件を満たすとは、店舗と商品とのうち少なくとも一方に関する条件と、決済期間条件と、決済金額条件との全ての条件を満たすことである。特典付与処理部14は、対象決済情報が特典付与条件「店舗と商品とのうち少なくとも一方に関する条件と、決済期間条件と、決済金額条件との全ての条件」を満たす場合に、特典管理テーブル11Tにおいて当該特典付与条件に関連付けられた特典IDを取得し、取得した特典IDを対象決済情報に関連付ける。
【0047】
なお、特典は、様々な種類のものに対するNFTを適用可能である。特典として、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカードやデジタル写真やデジタル音声やデジタルテキストや各種アイテムなど、様々な種類のものに対するNFTを適用可能である。
【0048】
(ステップS202) 特典付与処理部14は、特典管理テーブル11Tに含まれる特典付与条件の中に対象決済情報が満たす特典付与条件がある場合に、対象決済情報に関するユーザID及び特典IDと、NFT取得要求とをNFT管理システム4へ送信する。
【0049】
対象決済情報に関するユーザIDは、対象決済情報に関する決済において使用されたユーザIDである。
なお、情報処理装置1においてコード決済用に登録されたユーザIDと、NFT管理システム4に登録されたユーザIDとが異なる場合、対象決済情報に関する決済において使用されたユーザIDからNFT管理システム4に登録されているユーザIDに変換された結果のユーザIDが、NFT管理システム4へ送信されてもよい。この場合、情報処理装置1は、コード決済用に登録されたユーザIDと、NFT管理システム4に登録されたユーザIDとが関連付けられたユーザID変換テーブルを備える。
対象決済情報に関する特典IDは、上記ステップS201において対象決済情報に関連付けられた特典IDである。
なお、特典IDは、NFT管理システム4で管理されるNFTの識別情報(NFT_ID)であってもよい。この場合、特典管理テーブル11Tには、特典IDとしてNFT_IDが登録される。
【0050】
NFT取得要求は、対象決済情報に関する特典IDで特定される特典に対応するNFTであって、対象決済情報に関するユーザIDで特定されるユーザが保有者であることがブロックチェーン5上で記録されたNFTを示すNFT情報(トークン情報)を取得することを要求する情報である。
【0051】
NFT管理システム4は、情報処理装置1から、ユーザIDと特典IDとNFT取得要求とを受信する。
【0052】
(ステップS203) NFT管理システム4は、情報処理装置1からユーザIDと特典IDとNFT取得要求とを受信すると、NFT取得処理を実行する。NFT管理システム4は、NFT取得処理において、情報処理装置1から受信した特典IDで特定される特典(以下、対象特典と称する)に対応するNFT(以下、対象NFTと称する)の保有者を、情報処理装置1から受信したユーザIDで特定されるユーザ(以下、対象ユーザと称する)に変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上で管理されている対象NFTの保有者が対象ユーザに変更される。
なお、変更前の対象NFTの保有者は、特典を付与する側の所定の者である。変更前の対象NFTの保有者は、例えば、対象特典に関する店舗を運営する事業者(店舗事業者)、又はコード決済事業を運営する事業者(決済事業者)である。
また、対象NFTの保有者が変更前の対象NFTの保有者である店舗事業者又は決済事業者から対象ユーザに変更される際に、変更前の対象NFTの保有者である店舗事業者又は決済事業者に対して、変更前の対象NFTの保有者ではない店舗事業者又は決済事業者から、対象NFT取得費用(暗号資産)が支払われてもよい。
【0053】
NFT管理システム4は、ブロックチェーン5上で保有者が対象ユーザに変更された対象NFTを示すNFT情報を生成する。当該NFT情報は、対象NFTに関するメタデータを含む情報である。対象NFTに関するメタデータは、対象NFTについての、識別子や作成日時や保有者(対象ユーザ)を示す保有者アドレスや特典URL等の情報を有する。特典URLは、対象NFTが保有者を証明する対象(例えば、店舗Aのマスコット人形など)の所在を示すURL(Uniform Resource Locator)である。
【0054】
(ステップS204) NFT管理システム4は、生成したNFT情報をNFT取得要求元の情報処理装置1へ送信する。情報処理装置1は、NFT管理システム4からNFT情報を受信する。
【0055】
(ステップS205) 情報処理装置1において特典付与処理部14は、NFT管理システム4から受信したNFT情報を、対象ユーザのユーザ端末2へ送信する。
【0056】
(ステップS206) ユーザ端末2は、情報処理装置1からNFT情報を受信すると、受信したNFT情報を自ユーザ端末2の表示画面に表示させる。これにより、ユーザは、対象特典に対応する対象NFTであって、自分が保有者である対象NFTが取得されたことを認識する。ユーザは、ユーザ端末2を使用して、NFT情報が示す特典URLにアクセスし、対象NFTが保有者を証明する対象(例えば、店舗Aのマスコット人形など)を確認することができる。また、ユーザは、ユーザ端末2を使用してNFT管理システム4へアクセスし、NFT情報で特定される対象NFTを売却することができる。
【0057】
なお、上述した実施形態において、決済処理部12が行った決済を示すデータは、ブロックチェーン5上に記録されない。
【0058】
以下、上述した実施形態の変形例を説明する。
【0059】
(変形例1)
特典付与処理部14は、決済履歴記録部13に記録されたユーザ毎の決済の履歴に基づいてNFT情報の取得を行ってもよい。例えば、特典付与処理部14は、決済履歴記録部13に記録されたユーザ毎の決済の履歴に基づいて、ユーザ毎に特典付与条件に示される店舗における過去の購入回数や決済金額の総額を集計し、集計結果が所定のNFT情報取得条件を満たすユーザを特定し、特定されたユーザに限定してNFT情報を取得する。
例えば、特典付与処理部14は、決済履歴記録部13に記録されたユーザ毎の属性情報(例えば、年齢や住所等)に基づいて、属性情報が所定のNFT情報取得条件を満たすユーザを特定し、特定されたユーザに限定してNFT情報を取得する。
【0060】
(変形例2)
上述の
図3に例示される情報処理方法では、情報処理装置1は、ユーザ端末2に対して、決済完了通知とNFT情報送信とを別個に行ったが、決済完了通知とNFT情報送信とを同時に行ってもよい。例えば、特典付与処理部14は、決済処理部12が行った決済の完了通知とNFT情報とがユーザ端末2で同時に表示されるデータをユーザ端末2に送信する。
なお、情報処理装置1は、対象特典に対応する対象NFTの保有者が対象ユーザに変更されたこと(NFT保有者変更)を、当該対象特典に関する決済が行われた店舗に関連する装置(店舗関連装置)へ通知してもよい。これにより、店舗側は、特典として付与することができるNFTの残数を把握することができる。店舗関連装置は、例えば、店舗端末3や、店舗事業者の本部に設けられた店舗管理装置などである。送信先の店舗関連装置の情報(例えば通信アドレス等)は、情報処理装置1に予め記憶される。情報処理装置1は、NFT保有者変更の通知を、例えば、店舗端末3のみに送信してもよく、店舗管理装置のみに送信してもよく、又は店舗端末3と店舗管理装置との両方へ送信してもよい。
【0061】
(変形例3)
対象特典に関する特典付与条件がさらにブロックチェーン5で対象NFTに関連付けて記録されてもよい。特典付与処理部14は、対象特典に関する特典付与条件がさらにブロックチェーン5上で記録されたNFTを示すNFT情報を取得し、取得したNFT情報を対象ユーザのユーザ端末2へ送信する。
【0062】
(変形例4)
店舗側がNFT情報の取得に要する費用を負担するようにしてもよい。一般に、NFTを取得する際には、「ガス代」と称される取引手数料がかかる。このため、対象NFTの取得に要したガス代を店舗側に請求するものである。例えば、特典付与処理部14は、対象NFTに関するNFT情報の取得の際に、対象NFTの取得に要したガス代を、対象決済関連情報が示す店舗IDで特定される店舗の口座から引き落とす処理を実行する。
【0063】
また、ユーザが対象NFTを売却した時に、対象NFTの取得に要したガス代を負担した店舗に対して所定の返却金額を返却してもよい。例えば、特典付与処理部14は、NFT管理システム4から対象NFTが売却されたことを示すNFT売却通知を受信すると、対象NFTの取得に要したガス代を負担した店舗の口座へ、所定の返却金額を入金する処理を実行する。
【0064】
上述した実施形態によれば、コード決済の利用に伴う特典に対応するNFTであってコード決済を利用したユーザが保有者であるNFTが取得され、当該NFTを示すNFT情報が当該ユーザに提供される。これにより、コード決済を利用するユーザに対してNFTを利用して購買意欲の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0065】
なお、これにより、例えばコード決済を利用する商取引システムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0067】
例えば、上述した実施形態では、ユーザIDに基づく決済方法としてコード決済を適用したが、これに限定されない。ユーザIDに基づく決済方法として、例えば、プリペイド(前払い)方式の決済方法や、クレジットカード等の後払い方式の決済方法を適用してもよい。
【0068】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0069】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…情報処理装置、2…ユーザ端末、3…店舗端末、4…NFT管理システム、5…ブロックチェーン、11…記憶部、12…決済処理部、13…決済履歴記録部、14…特典付与処理部、11T…特典管理テーブル