(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118673
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】インターホン親機、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230818BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
G06Q50/10
H04M9/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005803
(22)【出願日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2022021239
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519010178
【氏名又は名称】株式会社PacPort
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】チン ヨウ
【テーマコード(参考)】
5K038
5L049
【Fターム(参考)】
5K038AA05
5K038CC11
5K038GG00
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザが自身で住所を入力することなく、サービスの契約に関する処理を実行することができる。
【解決手段】集合住宅Mの住戸内に設置された宅内親機12であって、サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付ける受付手段40と、受付手段40により処理要求を受け付けた場合に、宅内親機12の装置IDに基づき、宅内親機12が設置された住宅の住所を取得する取得手段42と、取得手段42により取得された住所に基づき、サービスの契約に関する処理を実行する実行手段44と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に設置されたインターホン親機であって、
サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記処理要求を受け付けた場合に、前記インターホン親機の装置IDに基づき、前記インターホン親機が設置された建物の住所を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された住所に基づき、前記サービスの契約に関する処理を実行する実行手段と、
を備える、インターホン親機。
【請求項2】
前記インターホン親機は、前記インターホン親機の装置IDと前記インターホン親機が設置された建物の住所とを互いに対応付けて記憶するサーバ装置に通信可能に接続されており、
前記取得手段は、前記受付手段により前記処理要求を受け付けた場合に、前記装置IDに対応付けられた前記住所を、前記サーバ装置から取得する、
請求項1に記載のインターホン親機。
【請求項3】
前記受付手段は、前記サービスの契約者の氏名及び前記サービスの実施により発生する費用の支払い方法を含む契約情報をユーザから受け付け、
前記実行手段は、前記取得手段により取得された住所と前記契約情報とに基づき、前記契約に関する処理を実行する、
請求項1に記載のインターホン親機。
【請求項4】
前記受付手段は、複数の前記サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付け、
前記実行手段は、前記取得手段により取得された住所に基づき、複数の前記サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理を実行する、
請求項1に記載のインターホン親機。
【請求項5】
前記サービスの実施により発生する費用の請求書を、複数の前記サービス事業者毎に取得し、取得した各前記請求書をまとめて発行する発行手段を更に備える、
請求項4に記載のインターホン親機。
【請求項6】
前記受付手段による前記処理要求の受け付けを前記ユーザの端末装置に代行させるための代行情報を表示する表示手段を更に備える、
請求項2に記載のインターホン親機。
【請求項7】
前記代行情報は、前記処理要求を受け付ける画面を示すウェブページの所在情報を符号化したコードを含む、
請求項6に記載のインターホン親機。
【請求項8】
前記契約に関する処理は、前記サービスを契約するための契約処理、前記契約の内容を更新する更新処理、又は前記契約を解約する解約処理を含む、
請求項1~7の何れか一項に記載のインターホン親機。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザからのサービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求に応じて、建物内に設置されたインターホン親機の装置IDに基づき、前記インターホン親機が設置された建物の住所を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された住所に基づき、前記サービスの契約に関する処理を実行する実行手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
建物内に設置されたインターホン親機と、前記インターホン親機と通信可能なサーバ装置と、を備える情報処理システムであって、
前記インターホン親機の装置IDと前記インターホン親機が設置された建物の住所とを互いに対応付けて記憶する記憶手段と、
サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記処理要求を受け付けた場合に、前記インターホン親機の装置IDに基づき、前記インターホン親機が設置された建物の住所を、前記記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された住所に基づき、前記サービスの契約に関する処理を実行する実行手段と、
を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホン親機、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気、水道、ガス、インターネット等の生活インフラ関連を含む各種サービスの契約に関する手続きをする際には、手続きをする度に住所を含む登録申請が求められ、手間と時間がかかっていた。例えば引っ越しによる住所等の変更があった場合には、契約中の電気や水道等の各サービス事業者に対して個別に住所等の変更手続きを行う必要がある。
【0003】
このような背景に関し、手続きを各サービス事業者に対して個別ではなく一括して行うことができるシステムが知られている。例えば、下記特許文献1には、引っ越しによる個人情報の変更に際し、複数のサービス事業者で個別の手続きを必要とせず、ネットワークを介した1回の操作で、複数のサービス事業者で管理されている情報を更新する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、個人情報管理サーバに対して変更後の住所を送信するために、ユーザが自身で当該住所を入力しなければならない。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが自身で住所を入力することなく、サービスの契約に関する処理を実行することができるインターホン親機、プログラム、及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係るインターホン親機は、建物内に設置されたインターホン親機であって、サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記処理要求を受け付けた場合に、前記インターホン親機の装置IDに基づき、前記インターホン親機が設置された建物の住所を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された住所に基づき、前記サービスの契約に関する処理を実行する実行手段と、を備える。
【0008】
本発明の第二態様に係るインターホン親機は、前記インターホン親機の装置IDと前記インターホン親機が設置された建物の住所とを互いに対応付けて記憶するサーバ装置に通信可能に接続されており、前記取得手段は、前記受付手段により前記処理要求を受け付けた場合に、前記装置IDに対応付けられた前記住所を、前記サーバ装置から取得する。
【0009】
本発明の第三態様に係るインターホン親機では、前記受付手段は、前記サービスの契約者の氏名及び前記サービスの実施により発生する費用の支払い方法を含む契約情報をユーザから受け付け、前記実行手段は、前記取得手段により取得された住所と前記契約情報とに基づき、前記契約に関する処理を実行する。
【0010】
本発明の第四態様に係るインターホン親機では、前記受付手段は、複数の前記サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付け、前記実行手段は、前記取得手段により取得された住所に基づき、複数の前記サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理を実行する。
【0011】
本発明の第五態様に係るインターホン親機は、前記サービスの実施により発生する費用の請求書を、複数の前記サービス事業者毎に取得し、取得した各前記請求書をまとめて発行する発行手段を更に備える。
【0012】
本発明の第六態様に係るインターホン親機は、前記受付手段による前記処理要求の受け付けを前記ユーザの端末装置に代行させるための代行情報を表示する表示手段を更に備える。
【0013】
本発明の第七態様に係るインターホン親機は、前記処理要求を受け付ける画面を示すウェブページの所在情報を符号化したコードを含む。
【0014】
本発明の第八態様に係るインターホン親機では、前記契約に関する処理は、前記サービスを契約するための契約処理、前記契約の内容を更新する更新処理、又は前記契約を解約する解約処理を含む。
【0015】
本発明の第九態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザからのサービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求に応じて、建物内に設置されたインターホン親機の装置IDに基づき、前記インターホン親機が設置された建物の住所を取得する取得手段、前記取得手段により取得された住所に基づき、前記サービスの契約に関する処理を実行する実行手段、として機能させる。
【0016】
本発明の第十態様に係る情報処理システムは、建物内に設置されたインターホン親機と、前記インターホン親機と通信可能なサーバ装置と、を備える情報処理システムであって、前記インターホン親機の装置IDと前記インターホン親機が設置された住宅の住所とを互いに対応付けて記憶する記憶手段と、サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記処理要求を受け付けた場合に、前記インターホン親機の装置IDに基づき、前記インターホン親機が設置された建物の住所を、前記記憶手段から取得する取得手段と、前記取得手段により取得された住所に基づき、前記サービスの契約に関する処理を実行する実行手段と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザが自身で住所を入力することなく、サービスの契約に関する処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る契約管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す宅内親機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】契約管理システムにおける機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】契約管理システムにおける契約処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】契約管理システムにおける更新及び解約処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】処理要求の受付代行に関する動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」と称す場合がある。)に係る契約管理システムについて詳細に説明する。説明の理解を容易するため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0020】
<全体構成>
本実施形態に係る契約管理システムは、建物内に設置されたインターホン親機において、サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付けた場合に、当該サービスの契約に関する処理を、当該契約の主体となる建物の入居者に代理して実行させるための情報処理システムである。建物は、例えば集合住宅や戸建て等の住宅であってもよく、オフィスや商業施設等であってもよい。インターホン親機に対して処理要求を受け付けさせるユーザは、建物の入居者であってもよく、入居者から許可を得た不動産管理会社の管理人(以下、「不動産管理人」と称する。)等の入居者以外の者であってもよい。入居者とは、入居中のユーザだけでなく、賃貸又は売買契約済みであって入居予定のユーザを含んでもよい。なお、建物の入居者は、建物に住む人に限らず、例えば入居中又は入居予定のオフィスや商業施設等で作業を行う人を含んでもよい。サービス事業者とは、例えば、電気、水道、ガス、インターネット等の生活インフラ関連を含むサービスを提供する事業者である。
【0021】
図1は、本実施形態に係る契約管理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、契約管理システム1は、集合玄関機10と、宅内親機12と、サーバ装置14と、業者端末16と、ユーザ端末18と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能となっている。本実施形態において、宅内親機12は、通信ネットワークNTに通信可能な集合玄関機10と通信可能に接続されていることにより、集合玄関機10を介して通信ネットワークNTに通信可能とされている。このため、宅内親機12は、住戸の入居者が個人で契約する通信ネットワーク環境に依存せずに、集合玄関機10を介して通信ネットワークNTに接続することができる。なお、宅内親機12は、集合玄関機10を介することなく通信ネットワークNTに直接接続されていてもよい。
【0022】
集合玄関機10は、集合住宅Mの入口であるエントランス付近に設置され、来訪者が集合住宅Mの入居者を呼び出して通話するためのインターホン子機である。集合玄関機10は、集合住宅Mのエントランスに設置されたエントランス扉を解錠するために必要な情報をユーザが入力可能に構成されている。例えば、集合玄関機10は、来訪者が集合住宅Mの住戸の入居者を呼び出す際に操作する操作ボタンを含む入力装置、来訪者が入居者と通話するための通話装置、来訪者を撮像するためのカメラ、呼び出し先情報を含む各種情報を表示する表示装置、及び集合玄関機10全体を制御するための制御装置等を有する。
【0023】
宅内親機12は、集合住宅Mの各住戸内に設置されている。宅内親機12は、集合玄関機10からの呼び出しに応答して通話するためのインターホン親機である。宅内親機12は、住居者の操作によってエントランス扉の施錠及び解錠を制御する扉制御装置でもある。宅内親機12は、集合玄関機10からの呼び出しに応答する際に操作する操作ボタンを含む入力装置、集合住宅Mの入居者が来訪者と通話するための通話装置、集合玄関機10のカメラにより撮像された撮像画像を含む各種情報を表示する表示装置、及び宅内親機12全体を制御するための制御装置等を有する。なお、宅内親機12には、住戸の入口に設置された玄関子機が接続されていてもよい。
【0024】
宅内親機12には、予め契約管理システム1を利用するためのアプリケーションを構成するプログラムがインストールされている。以下、当該アプリケーションを、「契約管理アプリ」と称する。宅内親機12は、インストールされたプログラムにより構成される契約管理アプリをユーザが起動することにより、当該プログラムを実行し、ユーザからの処理要求に応じてサービスの契約に関する処理を実行するための情報処理装置である。
【0025】
サーバ装置14は、情報処理装置であって、宅内親機12の装置IDと、宅内親機が設置された住戸の住所と、を対応付けて記憶する。サーバ装置14は、宅内親機12から送信された装置IDに対応付けられた住所を、宅内親機12に送信する。装置IDとは、宅内親機12固有のIDであって、宅内親機12を識別するための情報である。装置IDは、例えば宅内親機12の設置を行う不動産管理人等のユーザによって設定される。
【0026】
業者端末16は、サービス事業者が操作する通信端末装置である。業者端末16としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、又はパーソナルコンピュータ等が挙げられる。業者端末16は、入力デバイスによる入力機能と表示デバイスによる表示機能を組み合わせることで、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を構築する。
【0027】
ユーザ端末18は、集合住宅Mの入居者が操作する通信端末装置である。ユーザ端末18としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、又はパーソナルコンピュータ等が挙げられる。ユーザ端末18は、入力デバイスによる入力機能と表示デバイスによる表示機能を組み合わせることで、GUIを構築する。
【0028】
図2は、
図1に示す宅内親機12のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、宅内親機12は、CPU21と、メモリ22と、通信装置23と、表示装置24と、入力装置25と、通話装置26と、光源27と、施錠機構28と、電源29と、を備える。
【0029】
CPU21は、例えば通話装置26や施錠機構28等の各種構成を制御する。
【0030】
メモリ22は、例えば宅内親機12の装置ID(自装置の装置ID)や宅内親機12における処理の実行に必要な各種プログラム等を記憶する。
【0031】
通信装置23は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置23は、例えば、集合玄関機10、サーバ装置14、業者端末16、ユーザ端末18等との間で各種情報を送受信する。
【0032】
表示装置24は、例えば、通話先の相手を示す情報、サーバ装置14から送信される各種情報、契約管理アプリ上での実行画面等を表示する。
【0033】
入力装置25は、集合住宅Mの住戸の入居者からの入力を受け付ける。
【0034】
通話装置26は、集合玄関機10との間等で通話を実現するためのスピーカ及びマイクロホン等を有する。
【0035】
光源27は、例えばダイオードやランプ等であり、CPU21により発光の有無が制御される。
【0036】
施錠機構28は、集合住宅Mのエントランス扉の施錠及び解錠を行なう機構である。
【0037】
電源29は、CPU21やメモリ22等に電力を供給するものである。電源29としては、例えば電池が挙げられる。
【0038】
なお、
図2は、宅内親機12が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、宅内親機12は、上記構成の一部を備えていなくてもよく、他の構成を備えていてもよい。また、集合玄関機10のハードウェア構成は、例えばカメラ等を備える他は、宅内親機12と同様の構成を備えてもよい。
【0039】
図3は、
図1に示すサーバ装置14のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ装置14は、制御装置30と、通信装置31と、記憶装置32と、を備える。
【0040】
制御装置30は、CPU33及びメモリ34を主に備えて構成される。CPU33は、サーバ装置14の各種構成を制御する。メモリ34は、例えばサーバ装置14における処理の実行に必要な各種プログラム等を記憶する。
【0041】
通信装置31は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置31は、例えば、集合玄関機10、宅内親機12、業者端末16、ユーザ端末18等との間で各種の情報を送受信する。
【0042】
記憶装置32は、ハードディスク等で構成される。記憶装置32は、制御装置30における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0043】
なお、サーバ装置14は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータ等の情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置14は、単一の情報処理装置により構成されても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置により構成されてもよい。また、
図3は、サーバ装置14が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置14は、一般的なサーバが備える他の構成を備えてもよい。また、業者端末16やユーザ端末18のハードウェア構成は、例えば操作手段(入力装置)や表示装置、音声出力装置等を備える他は、サーバ装置14と同様の構成を備えてもよい。
【0044】
<機能手段>
図4は、本実施形態に係る契約管理システム1における機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
<宅内親機12の機能的構成>
図4に示すように、契約管理システム1における宅内親機12は、機能的構成として、受付手段40と、取得手段42と、実行手段44と、発行手段46と、表示手段48と、を備える。これらの各機能的構成は、CPU21の制御のもとで、メモリ22に記憶されたプログラムを実行し、宅内親機12の
図2に示すような各種構成を動作させることで実現される。なお、宅内親機12が備える機能的構成の一部又は全部は、サーバ装置14が備えていてもよい。
【0046】
受付手段40は、一又は複数のサービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付ける機能を有する。サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理は、サービスを契約するための契約処理、当該契約の内容を更新(変更)する更新処理、又は当該契約を解約する解約処理を含む。ここで、契約は、宅内親機12が設置された住戸の入居者が主体となって締結する契約である。すなわち、入居者が契約者となる契約である。受付手段40は、処理要求として、契約処理のための契約要求、更新処理のための更新要求、又は解約処理のための解約要求を受け付ける。
【0047】
受付手段40は、例えば、宅内親機12を操作可能なユーザから、処理要求を受け付ける。当該ユーザは、宅内親機12が設置された住戸の入居者であってもよく、当該入居者から許可を得た不動産管理人等であってもよい。すなわち、当該ユーザは、契約の主体となる入居者本人に限らず、当該入居者から許可を得たその他の者であってもよい。処理要求は、契約の主体となる入居者を示す入居者IDを含んでもよい。受付手段40は、ユーザが入力装置25に対する所定の入力操作を行った場合に、当該入力操作に対応する処理要求を受け付ける。例えば、ユーザが、契約処理を要求することを示す情報の入力操作や、住戸への入居開始又は荷物の搬入開始を示す情報の入力操作を行った場合には、処理要求として契約要求が受け付けられる。また、例えば、ユーザが、更新処理を要求すること示す情報の入力操作や、更新したい内容そのものを示す情報の入力操作を行った場合には、処理要求として更新要求が受け付けられる。また、ユーザが、解約処理を要求することを示す情報の入力操作や、住戸からの退去開始や荷物の搬出開始を示す情報の入力操作を行った場合には、処理要求として解約要求が受け付けられる。
【0048】
受付手段40は、複数のサービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求を受け付ける場合、複数の処理要求を個々に受け付けてもよく、一括して受け付けてもよい。受付手段40は、受け付けた処理要求を、取得手段42に出力する。
【0049】
また、受付手段40は、サービスの契約に関する処理(契約処理、更新処理、又は解約処理)に必要な各種情報をユーザから受け付ける。受付手段40は、入力装置25に対して、ユーザが各種情報を入力する入力操作を行った場合に、当該各種情報を受け付ける。各種情報としては、例えば契約情報、更新情報、又は解約情報が挙げられる。契約情報は、例えば、サービスを契約する契約者の氏名及びサービスの実施により発生する費用の支払い方法を含む。当該契約情報は、サービスの契約に必要なその他の情報を含んでもよい。また、更新情報は、更新したい内容としての支払い方法等を含む。当該更新情報は、サービスの契約の更新に必要なその他の情報を含んでもよい。また、解約情報は、契約を解約する解約者の氏名及び解約日を含む。当該解約情報は、サービスの解約に必要なその他の情報を含んでもよい。受付手段40は、受け付けた各種情報(契約情報、更新情報、又は解約情報)を、実行手段44に出力する。
【0050】
また、受付手段40は、宅内親機12の装置IDと宅内親機12が設置された住戸の住所とを対応付けて登録するための初期設定として、当該住所をユーザから受け付ける。受付手段40は、入力装置25に対して、ユーザが当該住所の入力操作を行った場合に、当該住所を受け付ける。なお、当該入力操作を行うユーザは、不動産管理人であることが好ましいが、入居者であってもよい。受付手段40は、受け付けた当該住所を、宅内親機12の装置ID(自装置の装置ID)と対応付けて、サーバ装置14に送信する。
【0051】
取得手段42は、受付手段40により処理要求(契約要求、更新要求、又は解約要求)を受け付けた場合に、宅内親機12の装置ID(自装置の装置ID)に基づき、当該宅内親機12が設置された住戸の住所を取得する機能を有する。本実施形態では、取得手段42は、宅内親機12の装置IDに対応付けられた住所を、サーバ装置14から取得する。例えば、取得手段42は、装置IDをサーバ装置14に送信し、当該装置IDに対応付けられた住所をサーバ装置14から受信することによって、当該住所を取得する。なお、取得手段42は、サーバ装置14の記憶手段50が記憶する住所管理テーブル50Aを参照し、装置IDに対応付けられた住所を抽出することによって、当該住所を取得してもよい。取得手段42は、取得した住所を、実行手段44に出力する。
【0052】
実行手段44は、取得手段42により取得された住所に基づき、一又は複数のサービス事業者に対するサービスの契約に関する処理を実行する機能を有する。実行手段44は、取得手段42により取得された住所と、受付手段40により受け付けられた各種情報と、に基づき、サービスの契約に関する処理を、当該契約の主体となる入居者に代理して実行する。
【0053】
例えば、実行手段44は、サービス事業者の業者端末16と通信ネットワークNTを介して通信し、住所及び契約情報を用いてサービスの契約処理を実行する。具体的には、実行手段44は、サービス事業者の業者端末16に、住所及び契約情報を送信し、住所及び契約情報を用いてサービス事業者が提供するサービスを契約する旨の通知を行う。サービス事業者は、実行手段44から送信された住所及び契約情報と、当該通知に基づき、当該住所等が示す入居者との間におけるサービスの契約を締結する。業者端末16は、契約の締結が完了すると、契約の締結が完了したことを示す情報を宅内親機12に通知する。
【0054】
また、実行手段44は、業者端末16と通信ネットワークNTを介して通信し、住所及び更新情報を用いて契約の内容に関する更新処理を実行する。具体的には、実行手段44は、サービス事業者の業者端末16に、住所及び更新情報を送信し、住所及び更新情報を用いてサービス事業者と締結済みのサービスの契約の内容について更新(変更)する旨の通知を行う。サービス事業者は、実行手段44から送信された住所及び更新情報と、当該通知に基づき、当該住所等が示す入居者との間で契約しているサービスの契約内容を更新(変更)する。業者端末16は、契約内容の更新が完了すると、更新が完了したことを示す情報を宅内親機12に通知する。
【0055】
また、実行手段44は、業者端末16と通信ネットワークNTを介して通信し、住所及び解約情報を用いてサービスの解約処理を実行する。具体的には、実行手段44は、サービス事業者の業者端末16に、住所及び解約情報を送信し、住所及び解約情報を用いてサービス事業者と締結済みのサービスの契約の内容について解約する旨の通知を行う。サービス事業者は、実行手段44から送信された住所及び解約情報と、当該通知に基づき、当該住所等が示す入居者との間で契約しているサービスの契約を解約する。業者端末16は、契約の解約が完了すると、解約が完了したことを示す情報を宅内親機12に通知する。
【0056】
実行手段44は、受付手段40により複数のサービスの契約に関する処理要求を受け付けた場合には、これらの複数の処理要求を一括して実行する。すなわち、複数のサービス事業者の業者端末16のそれぞれとネットワークNTを介して通信し、各サービス事業者のサービスの契約に関する処理を順次又はまとめて実行する。実行手段44は、これらの契約に関する処理を実行した結果情報を、宅内親機12の表示手段48や宅内親機12の外部装置に出力する。実行手段44は、例えば契約、更新、又は解約が完了したことを示す情報が業者端末16から通知されると、契約処理、更新処理、又は解約処理が完了したことを示す結果情報を、宅内親機12の表示手段48や宅内親機12の外部装置に出力する。
【0057】
発行手段46は、契約処理を実行したサービスの実施により発生する費用の請求書を発行する機能を有する。発行とは、当該請求書がユーザに確認可能となるように出力することを示す。サービスの実施により発生する費用は、サービスの実施期間や実施量に応じた費用であって、例えば電力会社により電気が供給されるサービスである場合には、当該サービスの契約者であるユーザの電力使用量に応じた電気料金である。発行手段46は、当該費用の請求書を、複数のサービス事業者の業者端末16からの送信によって、複数のサービス事業者毎に受信して取得する。当該請求書は、所定期間(例えば一ケ月)毎に、サービス事業者から送信される。発行手段46は、取得した各請求書をまとめた情報を示す「まとめ請求書」を作成する。当該「まとめ請求書」は、例えば各サービスに関する所定期間毎の請求書を、個別ではなく合わせて、サービスを契約中のユーザが確認できるようにまとめた明細書である。当該「まとめ請求書」は、例えば毎月末等、ユーザが契約中の複数のサービスに関する所定期間毎の請求書を全て受信したタイミングで、作成される。そして、発行手段46は、当該「まとめ請求書」を、宅内親機12の表示手段48や宅内親機12の外部装置に出力する。
【0058】
表示手段48は、表示装置24に所定の情報を表示する機能を有する。例えば、表示手段48は、処理要求や各種情報を入力するようにユーザに指示するための情報を表示する。また、表示手段48は、実行手段44により契約に関する処理(契約処理、更新処理、又は解約処理)が実行された結果情報を表示する。また、表示手段48は、発行手段46から出力された「まとめ請求書」を表示する。
【0059】
また、表示手段48は、宅内親機12の受付手段40による処理要求の受け付けをユーザ端末18に代行させるための情報(以下、「代行情報」と称する。)を表示する。この代行情報は、例えば、[1]処理要求を受け付ける画面に入力すべき入力情報、[2]当該画面を示すウェブページの所在情報、又は[3]当該入力情報又は当該所在情報を符号化したコード等を含む。入力情報の一例として、宅内親機12の装置ID、住所、部屋番号、アカウント名、パスワードが挙げられる。所在情報の一例として、URL(Uniform Resource Locator)、URI(Uniform Resource Identifier)が挙げられる。コードの一例として、バーコードを含む一次元コード、QRコード(登録商標)を含む二次元コードが挙げられる。
【0060】
なお、宅内親機12は、機能的構成として、上記したものに限らず、その他の機能的構成を備えていてもよい。その他の機能的構成としては、例えば、エントランス扉を解錠するための解錠要求を受け付ける要求受付手段や、解錠指示に基づきエントランス扉を解錠するための制御手段等が含まれる。
【0061】
<サーバ装置14の機能的構成>
契約管理システム1におけるサーバ装置14は、機能的構成として、記憶手段50と、受信手段52と、取得手段54と、送信手段56と、を備える。これらの各機能的構成は、CPU33の制御のもとで、メモリ34又は記憶装置32に記憶されたプログラムを実行し、サーバ装置14の
図3に示すような各種構成を動作させることで実現される。なお、サーバ装置14が備える機能的構成の一部又は全部は、宅内親機12が備えていてもよい。
【0062】
記憶手段50は、宅内親機12の装置IDと、宅内親機12が設置された住戸の住所と、を互いに対応付けて記憶する機能を有する。記憶手段50は、例えば、住所管理テーブル50Aを記憶する。
【0063】
図5は、住所管理テーブル50Aの一例を示す図である。住所管理テーブル50Aは、宅内親機12の装置IDに対応付けて、宅内親機12が設置された住所を管理するためのデータテーブルである。
図5に示すように、住所管理テーブル50Aには、宅内親機12の装置IDと、宅内親機12が設置された住戸の住所とが、互いに対応付けられて格納されている。住戸の住所は、集合住宅Mを示すマンション名や住戸の部屋番号を含む。住所管理テーブル50Aに示す情報は、例えば、集合住宅Mの工事の段階において、不動産管理人等のユーザによって、宅内親機12において初期設定として入力が受け付けられ、宅内親機12からサーバ装置14へ送信される。
【0064】
図4に戻って、受信手段52は、処理要求を宅内親機12において受け付けた場合に、当該宅内親機12の装置IDを当該宅内親機12から受信する機能を有する。受信手段52は、宅内親機12の取得手段42によって送信された装置IDを受信する。受信手段52は、受信した装置IDを取得手段54に出力する。
【0065】
あるいは、受信手段52は、処理要求をユーザ端末18において受け付けた場合に、当該宅内親機12の装置IDを当該ユーザ端末18から受信する機能を有する。受信手段52は、ユーザ端末18によって送信された装置IDを受信する。受信手段52は、受信した装置IDを取得手段54に出力する。
【0066】
受信手段52は、宅内親機12が設置された住所を初期設定として宅内親機12において受け付けた場合に、宅内親機12の受付手段40から送信された装置IDと住所とが対応付けられた情報を受信する。受信手段52は、受信した当該情報を、記憶手段50に出力する。
【0067】
あるいは、受信手段52は、宅内親機12が設置された住所を初期設定としてユーザ端末18において受け付けた場合に、当該ユーザ端末18から送信された装置IDと住所とが対応付けられた情報を受信する。受信手段52は、受信した当該情報を、記憶手段50に出力する。
【0068】
取得手段54は、受信手段52から出力された装置IDに基づき、当該装置IDに対応付けられた住所を記憶手段50から取得する機能を有する。取得手段54は、住所管理テーブル50Aを参照し、受信手段52により受信した装置IDに対応付けられた住所を抽出する。取得手段54は、抽出した住所を、送信手段56に出力する。
【0069】
送信手段56は、取得手段54から出力された住所を、宅内親機12の取得手段42に送信する機能を有する。
【0070】
<処理の流れ>
次に、
図6及び
図7を参照して、契約管理システム1において実行される契約管理方法(情報処理方法)の一例を説明する。
図6は、契約管理システム1における契約処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の内容及び順番は、適宜変更することができる。
【0071】
まず、集合住宅Mの工事段階であって、サービスの契約に関する処理(契約処理、更新処理、又は解約処理)の前段階には、
図6におけるステップSP10,SP12の処理が実行される。
【0072】
(ステップSP10)
例えば不動産管理人等のユーザが、各住戸に設置された宅内親機12の入力装置25に対し、当該各住戸の住所を入力する。これにより、宅内親機12の受付手段40は、初期設定として、宅内親機12が設置された住戸の住所を受け付ける。続いて、受付手段40は、受け付けた住所を、宅内親機12の装置IDと対応付けて、サーバ装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP12)
サーバ装置14の受信手段52は、ステップSP10の処理において送信された住所及び装置IDを受信し、記憶手段50に出力する。続いて、記憶手段50は、出力された住所及び装置IDを互いに対応付けて登録し、住所管理テーブル50Aとして記憶する。
【0074】
続いて、入居者が入居予定の住戸に荷物等を搬入する際に、当該入居者又は当該入居者から許可を得た不動産管理人等のユーザが、住戸内に設置された宅内親機12の入力装置25に対して契約管理アプリを起動させる入力操作を行うと、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP14)
宅内親機12の受付手段40は、契約要求を受け付けたか否かを判定する。例えば、契約管理アプリを起動させたユーザが、宅内親機12の入力装置25に対して、契約処理を要求することを示す情報の入力操作や、住戸への入居開始又は荷物の搬入開始を示す情報の入力操作を行った場合、当該判定が肯定判定される。この場合、受付手段40は、契約要求を受け付け、処理は、ステップSP16の処理に移行する。これに対し、契約管理アプリを起動させたユーザが、上記の入力操作を行わない場合には、当該判定が否定され、例えばユーザが契約管理アプリを終了させるまでステップSP14の処理が繰り返される。
【0076】
(ステップSP16)
宅内親機12の取得手段42は、ステップSP14の処理において契約要求を受け付けたことに応じて、住所の取得要求として、宅内親機12の装置IDを、サーバ装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0077】
(ステップSP18)
サーバ装置14の受信手段52は、ステップSP16の処理において送信された装置IDを受信し、サーバ装置14の取得手段54に出力する。続いて、取得手段54は、住所管理テーブル50Aを参照し、出力された装置IDに対応付けられた住所を抽出し、サーバ装置14の送信手段56に出力する。続いて、送信手段56は、出力された住所を宅内親機12に送信する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0078】
(ステップSP20)
宅内親機12の取得手段42は、ステップSP18の処理において送信された住所を受信して取得する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0079】
(ステップSP22)
ユーザが、宅内親機12の入力装置25に対して、契約情報の入力操作を行うと、宅内親機12の受付手段40は、当該契約情報を受け付ける。この際、宅内親機12の表示手段48が、契約情報を入力するようにユーザに指示する表示画面を表示してもよい。
【0080】
(ステップSP24)
宅内親機12の実行手段44は、ステップSP20の処理で取得した住所と、ステップSP22の処理で受け付けた契約情報と、に基づき、契約処理を実行する。実行手段44は、業者端末16と通信ネットワークNTを介して通信し、住所及び契約情報を用いてサービスの契約処理を実行する。そして、契約処理が完了すると、実行手段44は、契約処理が完了したことを示す実行結果を、表示手段48や外部装置に出力する。続いて、表示手段48は、当該実行結果を表示装置24により表示する。
【0081】
続いて、所定期間が経過し、契約したサービスの実施により費用が発生すると、ステップSP26の処理に移行する。
【0082】
(ステップSP26)
例えば所定間隔で、サービス事業者の業者端末16から宅内親機12に、請求書が送信される。複数のサービス事業者のサービスに関する複数の請求書がある場合には、それぞれの業者端末16から宅内親機12に、サービス事業者毎の所定のタイミングで送信される。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0083】
(ステップSP28)
宅内親機12の発行手段46は、ステップSP26の処理で送信された請求書を受信する。続いて、発行手段46は、複数のサービス事業者の業者端末16から送信された複数の請求書を、例えば毎月末等の所定のタイミングでまとめて「まとめ請求書」を作成する。発行手段46は、作成した「まとめ請求書」を、表示手段48や外部装置に出力する。続いて、宅内親機12の表示手段48は、「まとめ請求書」を表示装置24に表示する。これにより、契約管理アプリを起動したユーザは、「まとめ請求書」を閲覧することができる。なお、例えばユーザ端末18に契約管理アプリを構成するプログラムがインストールされていることにより、入居者は、ユーザ端末18において契約管理アプリを起動させることによって、当該契約管理アプリ上において「まとめ請求書」を含む契約管理システム1における各種の実行結果を閲覧可能であってもよい。そして、ユーザが契約管理アプリを終了させることにより、
図6に示す一連の処理が終了する。
【0084】
図7は、契約管理システム1における更新及び解約処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の内容及び順番は、適宜変更することができる。以下の処理は、例えば、入居者又は当該入居者から許可を得た不動産管理人等のユーザが、ユーザ端末18において契約管理アプリを起動させることによって開始する。
【0085】
(ステップSP30)
宅内親機12の受付手段40は、更新要求を受け付けたか否かを判定する。例えば、契約管理アプリを起動させたユーザが、宅内親機12の入力装置25に対して、更新処理を要求すること示す情報の入力操作や、更新したい内容そのものを示す情報の入力操作を行った場合、当該判定が肯定判定される。この場合、受付手段40は、更新要求を受け付け、処理は、ステップSP32の処理に移行する。これに対し、契約管理アプリを起動させたユーザが、上記の入力操作を行わない場合には、当該判定が否定され、例えば入居者が契約管理アプリを終了させるまでステップSP30の処理が繰り返される。なお、当該判定が否定された場合に、ステップSP42の処理に移行してもよい。
【0086】
(ステップSP32)
宅内親機12の取得手段42は、ステップSP30の処理において更新要求を受け付けたことに応じて、住所の取得要求として、宅内親機12の装置IDを、サーバ装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0087】
(ステップSP34)
サーバ装置14の受信手段52は、ステップSP32の処理において送信された装置IDを受信する。続いて、ステップSP18の処理と同様にして、取得手段54が受信した装置IDに対応付けられた住所を抽出し、当該住所を送信手段56が宅内親機12に送信する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0088】
(ステップSP36)
宅内親機12の取得手段42は、ステップSP34の処理において送信された住所を受信して取得する。そして、処理は、ステップSP38の処理に移行する。
【0089】
(ステップSP38)
入居者が、宅内親機12の入力装置25に対して、更新情報の入力操作を行うと、宅内親機12の受付手段40は、当該更新情報を受け付ける。この際、宅内親機12の表示手段48は、更新情報を入力するようにユーザに指示する表示画面を表示してもよい。そして、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0090】
(ステップSP40)
宅内親機12の実行手段44は、ステップSP36の処理で取得した住所と、ステップSP38の処理で受け付けた更新情報と、に基づき、更新処理を実行する。実行手段44は、業者端末16と通信ネットワークNTを介して通信し、住所及び更新情報を用いて、サービスの更新処理を実行する。そして、更新処理が完了すると、実行手段44は、更新処理が完了したことを示す実行結果を表示手段48や外部装置に出力する。続いて、表示手段48は、当該実行結果を表示装置24により表示する。そして、処理は、ステップSP42の処理に移行する。
【0091】
(ステップSP42)
宅内親機12の受付手段40は、解約要求を受け付けたか否かを判定する。例えば、契約管理アプリを起動させたユーザが、宅内親機12の入力装置25に対して、解約処理を要求することを示す情報の入力操作や、住戸からの退去開始や荷物の搬出開始を示す情報の入力操作を行った場合、当該判定が肯定判定される。この場合、受付手段40は、解約要求を受け付け、処理は、ステップSP44の処理に移行する。これに対し、契約管理アプリを起動させたユーザが、上記の入力操作を行わない場合には、当該判定が否定され、例えば入居者が契約管理アプリを終了させるまでステップSP42の処理が繰り返される。なお、当該判定が否定された場合に、ステップSP30の処理に移行してもよい。
【0092】
(ステップSP44)
宅内親機12の取得手段42は、ステップSP42の処理において解約要求を受け付けたことに応じて、住所の取得要求として、宅内親機12の装置IDを、サーバ装置14に送信する。そして、処理は、ステップSP46の処理に移行する。
【0093】
(ステップSP46)
サーバ装置14の受信手段52は、ステップSP32の処理において送信された装置IDを受信する。続いて、ステップSP18の処理と同様にして、取得手段54が受信した装置IDに対応付けられた住所を抽出し、当該住所を送信手段56が宅内親機12に送信する。そして、処理は、ステップSP48の処理に移行する。
【0094】
(ステップSP48)
宅内親機12の取得手段42は、ステップSP46の処理において送信された住所を受信して取得する。そして、処理は、ステップSP50の処理に移行する。
【0095】
(ステップSP50)
入居者が、宅内親機12の入力装置25に対して、解約情報の入力操作を行うと、宅内親機12の受付手段40は、当該解約情報を受け付ける。この際、宅内親機12の表示手段48は、解約情報を入力するようにユーザに指示する表示画面を表示してもよい。そして、処理は、ステップSP52の処理に移行する。
【0096】
(ステップSP52)
宅内親機12の実行手段44は、ステップSP48の処理で取得した住所と、ステップSP50の処理で受け付けた解約情報と、に基づき、解約処理を実行する。実行手段44は、業者端末16と通信ネットワークNTを介して通信し、住所及び解約情報を用いて、サービスの解約処理を実行する。そして、解約処理が完了すると、実行手段44は、解約処理が完了したことを示す実行結果を表示手段48や外部装置に出力する。続いて、表示手段48は、当該実行結果を表示装置24により表示する。そして、ユーザが契約管理アプリを終了させることにより、
図7に示す一連の処理が終了する。
【0097】
<代行機能の説明>
続いて、ユーザ端末18による処理要求の受付代行機能について説明する。
【0098】
図8は、処理要求の受付代行に関する動作の一例を示す図である。
図8では、宅内親機12、サーバ装置14、及びユーザ端末18の間の関係を模式的に示している。初期状態では、宅内親機12の入力操作を通じて、サーバ装置14に対する処理要求が行われる。例えば、ユーザが所定の入力操作を行うと、宅内親機12の表示装置24に矩形状のコード60が表示される。
【0099】
ユーザは、ユーザ端末18に設けられるカメラ18cを用いて、宅内親機12に表示されているコード60の撮影を行う。そうすると、ユーザ端末18は、コード60の二次元画像を示す画像信号を復号化し、特定のウェブページの所在情報を取得する。そして、ユーザ端末18は、ウェブブラウザを起動し、当該所在情報に紐付けられたウェブページ(つまり、処理要求を行うための画面)を表示する。これにより、ユーザ端末18は、宅内親機12の代行装置として機能することができる。なお、当該受付代行の実行中では、宅内親機12からの受け付けが一時的に禁止されてもよいし、宅内親機12及びユーザ端末18からの受け付けが同時に許可されてもよい。
【0100】
<作用効果>
以上、本実施形態に係る宅内親機12は、建物として集合住宅Mの住戸内に設置されたインターホン親機であって、サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付ける受付手段40と、受付手段40により処理要求を受け付けた場合に、宅内親機12の装置IDに基づき、宅内親機12が設置された住戸の住所を取得する取得手段42と、取得手段42により取得された住所に基づき、サービスの契約に関する処理を実行する実行手段44と、を備える。
【0101】
また、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータとしての宅内親機12を、ユーザからのサービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求に応じて、当該住戸内に設置された宅内親機12の装置IDに基づき、宅内親機12が設置された住戸の住所を取得する取得手段42、取得手段42により取得された住所に基づき、サービスの契約に関する処理を実行する実行手段44、として機能させる。
【0102】
また、本実施形態に係る契約管理システム1は、集合住宅Mの住戸内に設置された宅内親機12と、宅内親機12と通信可能なサーバ装置14と、を備える情報処理システムであって、宅内親機12の装置IDと宅内親機12が設置された住戸の住所とを互いに対応付けて記憶する記憶手段50と、サービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求をユーザから受け付ける受付手段40と、受付手段40により処理要求を受け付けた場合に、宅内親機12の装置IDに基づき、宅内親機12が設置された住戸の住所を、記憶手段50から取得する取得手段42と、取得手段42により取得された住所に基づき、サービスの契約に関する処理を実行する実行手段44と、を備える。
【0103】
以上の宅内親機12、プログラム、及び契約管理システム1の構成によれば、サービスの契約に関する処理要求がユーザから受け付けられると、住戸内に設置された宅内親機12の装置IDに基づき、宅内親機12が設置された住戸の住所が取得される。宅内親機12が設置された住戸の住所は、当該住戸の入居者の住所を示す。よって、当該住所に基づき、契約の主体(契約者)となる入居者に代理してサービスの契約に関する処理を実行することができる。したがって、ユーザが自身で住所を入力することなく、サービスの契約に関する処理を実行することができる。
また、上記実施形態では、処理要求を宅内親機12において受け付けているため、当該処理要求を宅内親機12に受け付けさせることができるユーザは、宅内親機12を操作可能なユーザであって、通常、宅内親機12が設置された住戸の入居者又は当該入居者から許可を得た不動産管理人等であると保証することができる。よって、このように保証されたユーザによる処理要求に応じて、サービスの契約に関する処理を適切に実行することができる。
【0104】
また、本実施形態では、宅内親機12は、宅内親機12の装置IDと宅内親機12が設置された住戸の住所とを互いに対応付けて記憶するサーバ装置14に通信可能に接続されており、取得手段42は、受付手段40により処理要求を受け付けた場合に、宅内親機12の装置IDに対応付けられた住所を、サーバ装置14から取得する。
【0105】
この構成によれば、宅内親機12の装置IDと宅内親機12が設置された住戸の住所とを対応付けてサーバ装置14が記憶する。よって、宅内親機12の装置IDに基づき、当該装置IDに対応付けられた住所を、宅内親機12が設置された住所として、サーバ装置14から適切に取得することができる。また、サーバ装置14で記憶される情報は、宅内親機12の装置IDと宅内親機12が設置された住戸の住所とを対応付けた情報であって、氏名等の個人と結びついた個人情報を含まない。よって、個人情報がサーバ装置14に漏洩しないように配慮しながら、宅内親機12の装置IDと宅内親機12が設置された住戸の住所との対応付け関係をサーバ装置14で適切に管理することができる。
【0106】
また、本実施形態では、受付手段40は、サービスの契約者の氏名及び前記サービスの実施により発生する費用の支払い方法を含む契約情報を入居者から受け付け、実行手段44は、取得手段42により取得された住所と当該契約情報とに基づき、契約に関する処理を実行する。
【0107】
この構成によれば、住所だけでなく契約情報に基づき適切に契約に関する処理を実行することができる。なお、上記したように住所と宅内親機12とを対応付けた情報は個人情報に当たらないのでサーバ装置14に送信される一方で、契約情報は氏名及び支払い方法等の個人情報を含むため、サーバ装置14に送信されないようになっている。当該契約情報は、宅内親機12で受け付けられた後、サービス事業者と通信しながら契約に関する処理の実行に用いられるが、サーバ装置14には送信されないので、個人情報保護の観点で好適である。
【0108】
また、本実施形態では、受付手段40は、複数のサービス事業者に対するサービスの契約に関する処理要求を入居者から受け付け、実行手段44は、取得手段42により取得された住所に基づき、複数のサービス事業者に対するサービスの契約に関する処理を実行する。
【0109】
この構成によれば、複数のサービス事業者に対すサービスの契約に関する処理を、入居者に代理して一括して実行することができる。
【0110】
また、本実施形態では、宅内親機12は、サービスの実施により発生する費用の請求書を、複数のサービス事業者毎に取得し、取得した各請求書をまとめて発行する発行手段46を更に備える。
【0111】
この構成によれば、複数のサービス事業者毎の請求書がまとめて発行されるので、ユーザはサービス個々に請求書を確認することなく、契約中のサービスについてまとめて請求書を確認することができる。
【0112】
また、本実施形態では、宅内親機12は、受付手段40による処理要求の受け付けをユーザの端末装置(ここでは、ユーザ端末18)に代行させるための代行情報を表示する表示手段48を更に備える。
【0113】
この構成によれば、代行情報の表示を通じて、処理要求の受け付けをユーザ端末18に代行させることができる。
【0114】
また、本実施形態では、代行情報は、処理要求を受け付ける画面を示すウェブページの所在情報を符号化したコード60を含む。
【0115】
この構成によれば、ユーザ端末18を用いてコード60を読み取ることにより、ユーザ端末18は、処理要求を受け付ける画面を示すウェブページに容易にアクセスすることができる。
【0116】
また、本実施形態では、契約に関する処理は、サービスを契約するための契約処理、契約の内容を更新する更新処理、又は契約を解約する解約処理を含む。
【0117】
この構成によれば、契約に関する処理として、具体的には契約処理、更新処理、又は解約処理を、入居者が自身で住所を入力することなく実行することができる。
【0118】
<変形例>
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記の実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0119】
例えば、上記実施形態に係る契約管理システム1では、機能的構成として、サーバ装置14が、記憶手段50を有し、宅内親機12が、受付手段40、取得手段42、実行手段44、発行手段46、及び表示手段48を有する例について説明したが、各機能的構成の主体はこれに限定されない。例えば、契約管理システム1は、サーバ装置14を備えていなくてもよく、宅内親機12は、サーバ装置14の記憶手段50に相当する構成を自身で有していてもよい。この場合、宅内親機12は、自装置の装置IDに基づき、自装置が設置された住所を、自身の記憶手段に対応付けて記憶された情報から抽出して取得してもよい。また、契約管理システム1は、宅内親機12における取得手段42、実行手段44、及び発行手段46等に相当する構成を、宅内親機12ではなくサーバ装置14が有するものとして構成されていてもよい。
【0120】
また、契約管理システム1は、上記した構成以外の構成を備えていてもよく、例えば不動産管理会社が提供するアプリケーション等を管理する管理サーバ等を備えていてもよい。また、契約管理システム1は、宅内親機12及びサーバ装置14以外の構成を備えないものとしてもよい。また、契約管理システム1は、表示手段48に加えて又は代えて出力手段を備えてもよく、表示手段48に表示される各種の情報は、音声等によって出力されることによってユーザに通知されてもよい。
【0121】
また、受付手段40は、電気、水道、ガス、インターネット等のサービスの種別の選択をユーザから受け付けてもよい。また、受付手段40は、所定の種類のサービスを提供する複数のサービス事業者が存在する場合には、その複数のサービス事業者のうち一のサービス事業者の選択をユーザから受け付けてもよい。表示手段48は、これらの種別やサービス事業者の選択を受け付けるための画面を表示してもよい。
【0122】
また、受付手段40が契約要求を受け付けるタイミングは、入居開始のタイミングに限らず、入居した後の所定期間経過後であってもよい。また、受付手段40は、入力装置25に対するユーザの直接的な入力操作に限らず、例えば契約管理アプリを構成するプログラムがインストールされたユーザ端末18においてユーザから入力された情報を受け付けてもよい。例えば、ユーザ端末18で起動された契約管理アプリ上で、ユーザが入力操作を行った場合に、当該入力操作が示す情報をユーザ端末18から受付手段40に送信してもよい。受付手段40は、この送信された情報を受信することによって、当該情報を受け付けてもよい。
【0123】
また、上記の契約管理アプリは、集合住宅Mの不動産管理会社等が提供する所定のアプリケーション(以下、「不動産管理アプリ」と称する。)と共通又は連携するものであってもよい。例えば、予め宅内親機12にプログラムがインストールされることによって構成される不動産管理アプリをユーザが起動した場合に、この不動産管理アプリ上で、上記の契約管理アプリ上で実行される各処理が実行可能であってもよい。また、例えば集合住宅Mの不動産契約(売買又は賃貸契約)を行った入居者の入居情報(入居者名、入居日)が、不動産管理アプリ上において登録された場合、その登録された入居情報が、不動産管理アプリを提供する不動産管理会社の管理サーバ等からサーバ装置14に送信されてもよい。
【0124】
また、上記の契約管理アプリは、コンピュータとしての宅内親機12にインストールされたプログラムによって構成されるものとして説明したが、当該コンピュータは宅内親機12に限らず、宅内親機12以外の装置(例えば、ユーザ端末18)であってもよい。また、宅内親機12の装置IDは、宅内親機12が自身で記憶している場合に限らず、宅内親機12以外の外部装置において記憶されていてもよく、宅内親機12の装置IDが当該外部装置から取得されてもよい。また、宅内親機12の装置IDは、入居者を識別する入居者IDと対応付けて記憶されていてもよい。例えば、ユーザからの入居者IDを含む処理要求に応じて、当該入居者IDに対応付けられた宅内親機12の装置IDを取得し、取得した当該装置IDに対応付けられた住所を取得する構成としてもよい。この場合であっても、取得した住所は、宅内親機12の装置IDに対応付けられた住所であって、入居者IDに対応付けられた住所すなわち入居者の住所を示す。よって、当該住所に基づき、入居者に代理してサービスの契約に関する処理を実行することができる。
【0125】
また、上記実施形態では、宅内親機12が集合住宅Mに設置されている例について説明したが、宅内親機12は、集合住宅Mに限らず、例えば戸建て等の住宅に設置されたものであってもよく、オフィスや商業施設等の建物に設置されたものであってもよい。また、宅内親機12は、扉制御装置としての機能を有していなくてもよい。
【0126】
また、サービス事業者は、電気、水道、ガス、インターネット等の生活インフラ関連を含むサービスを提供する事業者に限らず、ネットスーパーや食品配送サービス、宅配サービス、クリーニング業者、修理サービス業者、飲料水業者等の所定のサービスを行なう事業者を含んでもよい。
【符号の説明】
【0127】
1:契約管理システム(情報処理システム)、12:宅内親機(インターホン親機、コンピュータ)、14:サーバ装置、40:受付手段、42:取得手段、44:実行手段、46:発行手段、50:記憶手段