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特開2023-118683赤色の蓄光弾を発光させるためのトレーサーユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118683
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】赤色の蓄光弾を発光させるためのトレーサーユニット
(51)【国際特許分類】
   F42B 12/38 20060101AFI20230818BHJP
   F41A 33/02 20060101ALI20230818BHJP
   A63H 5/04 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
F42B12/38
F41A33/02
A63H5/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023019997
(22)【出願日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】111105471
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521488462
【氏名又は名称】エーステック コープ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユン-フイ チャン
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150DG01
2C150DG03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】限られた電子部品を使用し、少なくとも2つの異なる色の蓄光弾に同時対応可能な遊戯銃用のトレーサーを提供する。
【解決手段】内部通路を備えたチューブ13と、前記チューブ13をBB遊戯銃のマズルに装着可能なアダプター34と、前記チューブ13に隣接して配置され、チューブ13内に照射するように配置された青色光源32と、を含み、前記青色光源32は可視スペクトルの430nmから480nmの範囲で光を照射できることを特徴とするトレーサー装置10。
【選択図】図2(A)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアソフトガンの前方の弾丸弾道に光を照射し、蓄光弾丸を発光させるトレーサー装置であって、前記トレーサー装置内に配置され、前記弾丸弾道と同軸である内部通路と、コントローラに結合され、前記内部通路に弾丸が通過する際に、触発信号をコントローラに送信するためのディテクターと、前記コントローラから照射指令を受け取り、前記内部通路を通過する弾丸を発光させるため少なくとも1つの光源と、を含み、前記弾丸弾道は内部通路から外部に延びており、前記光源は可視スペクトルの430nmから480nmの範囲で光を照射できる、トレーサー装置。
【請求項2】
蓄光弾を発光させるためにBB遊戯銃とともに使用するのに適応しているトレーサー装置であって、チューブと、銃口に取り付け、前記チューブと銃口を互いにカップリングさせるためのアダプターと、チューブに隣接して配置され、チューブ内に照射するように配置された光源と、を含み、前記光源は可視スペクトルの430nmから480nmの範囲で光を照射できる、トレーサー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年2月15日出願の台湾特許出願第111105471号に基づく優先権の恩恵を主張する。
(関連出願の相互参照)
【0002】
本発明は、エアソフトガン用の蓄光BB弾を発光させるトレーサーユニットで、1種類の光源のみで赤と緑の両色の蓄光弾に対応します。
【背景技術】
【0003】
サバゲーでは、エアソフトガンにはトレーサーユニット(以下単にトレーサー)がよく使われます。このトレーサーは、UV紫外線を利用して蓄光弾(例えば、Tracer BB、発光BB弾、蓄光BB弾、遊戯銃用曳光弾)が内部を通過すると照射され、トレーサーから離れても一定の時間光り続ける効果があります。UV紫外線は主に緑色の蓄光弾に適しています。一方、赤色の蓄光弾を発光させるためには、トレーサーに白色光源が必要です。UV紫外線を赤色の蓄光弾に使用すると、発光効果が低下してしまいます。ただし、UV紫外線と白色光源の両方を同時に使用すると(例えばACETECHのLighter R)、余計なエネルギーを消費してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
緑色と赤色の光源を切り替えるためのスイッチを追加すると(例えばACETECHのLighter BT)、ユーザー体験が損なわれてしまいます。ユーザーは光源を切り替える必要があり、同じ弾倉内で緑色と赤色の蓄光弾を使うことができません。
【0005】
本発明は、既存の技術とは異なるトレーサー光源を提供します。この光源は可視光の青色光を使用し、赤色または緑色の蓄光弾がトレーサーの内部を通過する際に照射し、蓄光弾がトレーサーから離れた後も一定の時間光り続ける効果があります。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一部の実施例において、蓄光弾を発光させるためにBB遊戯銃とともに使用するのに適応しているトレーサー装置であって、チューブと、チューブを銃口に取り付け、弾道と一致するように、前記チューブと銃口を互いにカップリングさせるためのアダプターと、チューブに隣接して配置され、チューブ内に照射するように配置された青色光源と、を含み、前記青色光源は可視スペクトルの430nmから480nmの範囲で光を照射できることを特徴とする、トレーサー装置です。
【0007】
別の実施形態において、エアソフトガンの前方の弾丸弾道に一瞬強い光を照射し、蓄光弾丸を発光させるトレーサー装置に関する。前記トレーサー装置内に配置され、前記弾道と同軸である内部通路と、コントローラに結合され、前記内部通路に弾丸が通過する際に、触発信号をコントローラに送信するためのディテクターと、前記コントローラから照射指令を受け取り、前記内部通路を通過する弾丸を発光させるため少なくとも1つの光源と、を含み、前記弾道は内部通路から外部に延びており、前記光源は可視スペクトルの430nmから480nmの範囲で青色光を照射できることを特徴とする、トレーサー装置です。
【発明の効果】
【0008】
トレーサーユニットの内部に1種類の光源を設置するだけで済みます(UV紫外光や白色光源の両方を必要とせず)。光源部品のコストを節約できますし、不必要な電力の浪費も防げます。また、ACETECHのLighter BTのように、使用者がスイッチを特別に操作して緑の蓄光弾用の光源や赤の蓄光弾用の光源を切り替える必要もありません。さらに、弾倉内で赤と緑の蓄光弾を同時に使用することもできます。1つまたは複数の例の詳細を添付の図面および以下の説明に記載する。他の特徴、目的、および利点は、その説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1(A)】一つの実施形態に係るトレーサーユニットおよび関連装置の概略図である。
図1(B)】複数のコントローラに結合されたトレーサー光源を備えたレーサーユニットを示す。
図1(C)】ディテクターと、コントローラと、トレーサー光源と、を備えたレーサーユニットを示す。
【0010】
図2(A)】チューブと銃口を互いにカップリングさせるためのアダプターとを示す。
図2(B)】本発明の関連装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1(A)に示すように、トレーサーユニット10(以下単にトレーサー10)は、エアソフトガン1(以下単に遊戯銃)に適用することができます。蓄光弾丸4(以下、単に弾丸)がトレーサー10を通過すると、強いフラッシュで一時的に弾丸を照射し、弾丸がトレーサー10から離れても一定の時間光り続け、映画『スター・ウォーズ』のようなレーザーガンのような視覚効果が得られます。
【0012】
前述の遊戯銃用のトレーサーユニットは、非常に小さなアクセサリであり、アダプターで遊戯銃の銃口(マズル)の前端に取り付け、銃の弾道と基本的に一致することができます。ただし、限られたスペースしかなく、わずかな容量のコンデンサしか搭載できません。異なる遊戯銃の場合、次の発射までの最速時間間隔は異なるため、性能には差異があります。一般的には27ms~100msの範囲です。同じ銃でも、使用者の選択に応じて異なる時間間隔で弾丸を発射することがある。短時間で連続して迅速に弾丸を発射すると、数秒間で数十発(場合によっては数百発)の弾丸が連続して発射され、先述したレーザーガンのような視覚効果が生じます。有限な容量のコンデンサを使用して、少なくとも2つの異なる色の蓄光弾を対応し、数秒間に数百回の連続した弾丸発射を行ってもトレーサーが正常に動作する方法は、これは、発明者がここ数年間で解決を目指している問題です。
【0013】
一つの実施例では、遊戯銃用のトレーサーが限られた電子部品を使用して、同時に少なくとも2つの異なる色の蓄光弾に対応することが可能です。異なる色の蓄光弾には、既存の技術では最適な発光効果を得るために異なる光源が必要です。例えば、緑色の蓄光弾丸には一般的に波長395nm~400nmの紫外光発光部品が使用されます。一方、赤色の蓄光弾丸には色温度11000K~13000Kの白色発光部品が一般的です。しかし、発明者は何百回もの異なる設定で実験を行った結果、特に波長が430~480ナノメートル(nm)の青色光を使用することによって、緑色と赤色の蓄光弾を同時に対応させ、優れた視覚効果を得ることができることを発見しました。つまり、最適な効果を得るためには、特定の波長を持つ青色光の発光部品を使用することで、市場で最も一般的な2つの蓄光弾丸の色を同時に対応することで、発光部品のコストを削減することが可能。そして、使用者はトレーサーユニットの設定(緑色モードまたは赤色モード)を切り替える必要もありません。
【0014】
図1(B)と図1(C)を参照すると、トレーサー10には、コントローラ14に接続された複数のトレーサー光源32が含まれており、これらの光源32は内部通路12内において互いに間隔を開けて平行に配置されています。そして、ディテクター16(Detector、または検出器、探知や検出を行う装置)によって触発されると、弾丸に対して光を照射します。詳細については特許7069480B1号公報をご参照ください(中国特許第114111441B号明細書と同一家族)。トレーサー10から離れても、弾丸は一定の時間、光を発し続けることができます。トレーサー光源32の照射方向は、砲火光源18の照射方向と異なります。照射方向は砲火光源18と垂直であることもありますが、これに限定されません。トレーサー光源32と砲火光源18の照射方向は、45度以上の角度を持っていれば十分です。トレーサー光源32の発光波長は、砲火光源18の発光波長と異なる場合もあります。
【0015】
一般的に、緑色の蓄光弾の照射を最適化するために、トレーサー光源32は紫外光(Deep UV、DUV)発光ダイオード(UV LED)である場合があります。また、トレーサー光源32は色温度11000K~13000Kの可視光白色発光部品であり、一般的には赤色の蓄光弾の照射を最適化することになります。但、本発明では、トレーサー光源32は青色光発光部品であり、特に430~480ナノメートル(nm)の可視光を生成する発光部品として使用され、緑色と赤色の蓄光弾の両方を同時に対応可能です。一つの実施例では、遊戯銃と共に使用するために適応されたトレーサー10であり、内部通路12、ディテクター16、コントローラ14、そして少なくとも1つのトレーサー光源32を含んでいます。内部通路12はトレーサー10内に配置され、弾丸の弾道と同軸であり、弾道は内部通路12から外部に延びています。ディテクター16はコントローラ14に結合され、内部通路12を通過する弾丸を検知すると、触発信号をコントローラ14に送信し、トレーサー光源32は可視スペクトル(具体的には青色光)の中で430nmから480nmの範囲で光を照射します。トレーサー光源32は、ディテクター16によってコントローラー14が触発信号を受け取った際に、コントローラー14からの照射指令を受け取り、遊戯銃の前方の弾道に一瞬の強い光を照射し、内部通路12を通過する蓄光弾を一時的に発光させます。
【0016】
別の実施例では、トレーサー光源32は、450~460ナノメートル(nm)の範囲で可視光を発する青色光発光部品となります。発明者は、数百回の異なる設定の実験を行った結果、この設定を使用することで優れた発光効果を得ることができることを発見しました(緑色および赤色の蓄光弾に対応)。また、別の実施例では、トレーサー光源32は440~470ナノメートル(nm)の範囲で可視光を発する青色光発光部品となります。発明者は、この設定を使用することで、緑色および赤色の蓄光弾に対して十分な発光効果を得ることができることを発見しました。ユーザーは、異なる色の蓄光弾を使用する際に、トレーサーの設定(緑色または赤色モード)を切り替える必要がなくなります。
【0017】
別の実施例では、トレーサー10は、触発されると、トレーサー10の内部通路12内で短時間光を照射するように構成される。このトレーサー10は、前記内部通路12を有するチューブを含み、内部通路12はトレーサー10を貫通し、内部通路12に沿って延びる弾道と基本的に一致して配置されています。また、トレーサー10には、前記チューブと銃口を互いにカップリングさせるためのアダプターも含まれており、これにより弾道と実質的に一致するように配置されます。さらに、ディテクター16は内部通路12を通過する弾丸の検出に応じて触発信号をコントローラー14に送信するように構成されており、コントローラー14は、ディテクター16からの触発信号を受け取ると、指定された期間に特定の波長の青色光を使用して弾丸を照射するように、トレーサー光源32に指示します。トレーサー光源32には、450~460ナノメートル(nm)または440~470ナノメートル(nm)、または430nmから480nmの範囲内で可視光を生成する青色光発光部品を好ましく使用します。
【0018】
別の実施例では、図2(A)および図2(B)に示すように、BB遊戯銃と共に使用し、蓄光弾を発光させるためのトレーサー装置10が開示され、以下の要素をさらに含んだトレーサー装置10が提案されています。それは、前述の内部通路を備えたチューブ13、BB遊戯銃の銃口に取り付け、弾道と基本的に一致するようにカップリングされるアダプター34(詳細については米国特許第5762058A号明細書をご参照ください、中国特許1071019C号明細書と同一家族)、そして前述のチューブ13に光を導くために近くに配置される前述トレーサー光源32です。トレーサー光源32の発光領域のピーク波長は430nmから480nmの範囲内にあります。
【0019】
別の実施例では、トレーサー光源32の発光領域のピーク波長は450nmから460nmの範囲内にあることもあります。発明者は、数百回にわたる異なる設定の実験を行った結果、この設定を使用することで優れた発光効果(緑色や赤色の蓄光弾に対応)が得られることを発見しました。別の実施例では、トレーサー光源32の発光領域のピーク波長は440nmから470nmの範囲内にあることもあります。上述し、図示した実施態様は一例であり、他の形でも実践や実施が可能です。また、本明細書の表現や用語は説明のために使用されており、制限的な解釈をするべきではありません。エアソフトガン、BB遊戯銃、玩具銃、電動ガン、水鉄砲、BBエアガン、ガスガン、ペイントボールガンなどの用語は、それらと同等のものや追加のものも含まれることを意味します。及びこれらの変化形は、その後で挙げるもの及び同等のもの、並びに付加的なものを包含することを意味する。他に指定又は限定のない限り、「取り付け(mounted)」、「結合(connected)」、及び「カップリング(coupled)」及びその変化形は、広範に使用され、直接及び間接双方の取り付け、結合、及びカップリングを包含する。さらに、「結合(connected)」及び「カップリング(coupled)」は、物理的又は機械的な結合又はカップリングに制限されない。
図1(A)】
図1(B)】
図1(C)】
図2(A)】
図2(B)】
【外国語明細書】