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特開2023-118687液圧ユニット、液圧ユニットを備えた駆動機器および液圧ユニットの操作方法
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  • 特開-液圧ユニット、液圧ユニットを備えた駆動機器および液圧ユニットの操作方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118687
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】液圧ユニット、液圧ユニットを備えた駆動機器および液圧ユニットの操作方法
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/00 20060101AFI20230818BHJP
   B60P 1/44 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
F15B11/00 Y
B60P1/44 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020789
(22)【出願日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2022021505
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】西田 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】大音 正夫
(72)【発明者】
【氏名】飯泉 仁美
(72)【発明者】
【氏名】白井 湧也
【テーマコード(参考)】
3H089
【Fターム(参考)】
3H089AA68
3H089BB06
3H089CC06
3H089DA02
3H089DA14
3H089DB03
3H089DB44
3H089DB48
3H089EE36
3H089GG02
3H089JJ12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】テールゲートの開成時に発生する衝突音を低減させるとともにその衝突による損傷を防止する。
【解決手段】テールゲートを開く開工程において、テールゲートが閉端から所定の途中点に到達するまでの第1期間は、開閉用液圧シリンダ2内の作動液がテールゲートの自重の作用でタンク43内に戻され、テールゲートが途中点から開端に到達するまでの第2期間は、液圧ポンプ42が作動し、開閉用液圧シリンダ2からの作動液と液圧ポンプ42からの作動液とが合流してタンク43に戻るように構成した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を第1動作端と第2動作端との間で動かす液圧シリンダを駆動する液圧ユニットであって、
液圧ポンプと、タンクと、液圧ポンプおよび液圧シリンダを接続する開閉可能な第1流路と、タンクおよび液圧シリンダを接続する開閉可能な第2流路と、を備え、
対象物を第1動作端から第2動作端に動かす往工程において、第2流路が開通することにより液圧シリンダ内の作動液が対象物の自重でタンク内に戻されるように構成されているとともに、
対象物が第1動作端から所定の途中点に到達するまでの第1期間に液圧シリンダからタンクに戻る作動液の流量よりも、当該対象物が途中点から第2動作端に到達するまでの第2期間に液圧シリンダからタンクに戻る作動液の流量の方が小さくなるように構成されていることを特徴とする液圧ユニット。
【請求項2】
往工程において、
第1期間は、第2流路が開通することにより液圧シリンダ内の作動液が対象物の自重でタンク内に戻され、
第2期間は、第2流路に加えて第1流路が開通するとともに液圧ポンプが作動し、液圧シリンダからの作動液と液圧ポンプからの作動液とが第2流路を介してタンクに戻るように構成されている請求項1に記載の液圧ユニット。
【請求項3】
液圧ポンプを駆動する電動モータをさらに備えており、
第2期間に液圧ポンプから吐出される作動液の流量が、第1期間において液圧シリンダ内からタンクに戻る作動液の流量よりも小さくなるように電動モータの回転数が設定されている請求項2に記載の液圧ユニット。
【請求項4】
前記往工程が終了して第2流路が閉鎖された後、前記第2流路が所定期間開通するように構成されている請求項2に記載の液圧ユニット。
【請求項5】
第2流路上に設けられた流路抵抗構造をさらに備え、該流路抵抗構造による抵抗が、第1期間よりも第2期間の方が大きくなるように構成されている請求項1に記載の液圧ユニット。
【請求項6】
流路抵抗構造が、第2流路上に並列に配置された複数の絞りを備えたものであり、
第1期間において開通する絞りの数よりも、第2期間において開通する絞りの数の方が少なくなるように構成されている請求項5に記載の液圧ユニット。
【請求項7】
往工程の開始時点から所定時間経過後をもって途中点としている請求項1に記載の液圧ユニット。
【請求項8】
第2動作端よりも第1動作端側に設定された所定位置を途中点とし、対象物が途中点に到達したことを検知する位置センサが設けられている請求項1に記載の液圧ユニット。
【請求項9】
対象物が、第1動作端である閉端と第2動作端である開端との間で開閉動作するテールゲートである請求項1に記載の液圧ユニット。
【請求項10】
対象物を第1動作端と第2動作端と間で動かすための液圧シリンダと、この液圧シリンダを駆動する請求項1に記載の液圧ユニットとを備えた駆動機器。
【請求項11】
対象物を第1動作端と第2動作端との間で動かす液圧シリンダを駆動する液圧ユニットの操作方法であって、
液圧ユニットが、
液圧ポンプと、タンクと、液圧ポンプおよび液圧シリンダを接続する開閉可能な第1流路と、タンクおよび液圧シリンダを接続する開閉可能な第2流路とを備えたものであり、
対象物を第1動作端から第2動作端に動かす往工程において、
対象物が第1動作端から所定の途中点に到達するまでの第1期間は、第2流路を開通させて液圧シリンダ内の作動液が少なくとも対象物の自重でタンク内に戻るようにする一方、
対象物が第1動作端から所定の途中点に到達するまでの第1期間に液圧シリンダからタンクに戻る作動液の流量よりも、当該対象物が途中点から第2動作端に到達するまでの第2期間に液圧シリンダからタンクに戻る作動液の流量が小さくなるようにする液圧ユニットの操作方法。
【請求項12】
第2期間は、第2流路に加えて第1流路を開通させるとともに液圧ポンプを作動させ、液圧シリンダからの作動液と液圧ポンプからの作動液とが第2流路を介してタンクに戻るようにする請求項11に記載の液圧ユニットの操作方法。
【請求項13】
液圧ユニットが、第2流路上に設けられた流路抵抗構造をさらに備えたものであり、
該流路抵抗構造による抵抗が、第1期間よりも第2期間の方が大きくなるようにする請求項11に記載の液圧ユニットの操作方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テールゲートリフタ等の駆動機器に用いられる液圧ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、荷役用の駆動機器であるテールゲートリフタは、従来、特許文献1に示すように、トラック等の荷台の後端部に設けられたテールゲートと、このテールゲートを、垂直姿勢となる閉位置および荷物を載置可能な水平姿勢となる開位置の間で開閉させる開閉シリンダと、このテールゲートを荷台高さと地面高さとの間で昇降させる昇降シリンダと、これらシリンダを駆動する液圧装置とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-123833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなテールゲートリフタには、テールゲートの昇降および開閉の各動作端を規定する機械式ストッパが設けられているが、例えば、住宅地等で荷物の積み降ろしをする際、テールゲートがその動作端に設けられたストッパ等に当たって発生する衝突音や、その際の損傷が問題になる場合がある。特に、液圧シリンダに液圧ポンプから作動液が送り込まれて動作している状態ではなく、液圧ポンプによるコントール下にはない状態、すなわち、テールゲートの重量で液圧シリンダから作動液が排出されて動作し、動作端に到達した場合にその問題が顕著となる。
しかして、このような問題は、フォークリフトやクレーン車などの特装車に搭載された、液圧シリンダで対象物を動かす駆動機器に共通する。
【0005】
本発明は、この問題を解決すべくなされたものであって、既存の構成に大幅な変更を加えることなく、液圧シリンダが動作端に到達した際に発生する衝突音を低減させるとともにその衝突による損傷を防止できる液圧ユニットを提供することをその主たる所期課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係る液圧ユニットは、対象物を第1動作端と第2動作端との間で動かす液圧シリンダを駆動するものであって、
液圧ポンプと、タンクと、液圧ポンプおよび液圧シリンダを接続する開閉可能な第1流路と、タンクおよび液圧シリンダを接続する開閉可能な第2流路とを備え、
対象物を第1動作端から第2動作端に動かす往工程において、第2流路が開通することにより液圧シリンダ内の作動液が対象物の自重でタンク内に戻るように構成されているとともに、
対象物が第1動作端から所定の途中点に到達するまでの第1期間に液圧シリンダからタンクに戻る作動液の流量よりも、当該対象物が途中点から第2動作端に到達するまでの第2期間に液圧シリンダからタンクに戻る作動液の流量の方が小さくなるように構成されていることを特徴とする液圧ユニット。
【発明の効果】
【0007】
以上の構成によれば、往工程において、対象物が第2動作端に到達する際の第2期間には、第1期間に比べ、液圧シリンダからタンクに戻る作動液の流量が減少するので、対象物の移動速度が小さくなり、第2動作端に設けられたストッパ等に対象物が当たった際の衝突音や損傷の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態におけるテールゲートリフタの全体模式図である。
図2】同実施形態におけるテールゲートリフタの各液圧シリンダおよびこれを駆動する液圧ユニットの液圧回路図である。
図3】同実施形態におけるテールゲートの上昇工程および下降工程での各開閉バルブ(ソレノイドバルブ)及び電動モータ(液圧ポンプ)の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図4】同実施形態におけるテールゲートの開工程および閉工程での各開閉バルブ(ソレノイドバルブ)及び電動モータ(液圧ポンプ)の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図5】本発明の第2実施形態におけるテールゲートの下降工程での各開閉バルブ(ソレノイドバルブ)及び電動モータ(液圧ポンプ)の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
図6】本発明の第3実施形態におけるテールゲートリフタの液圧シリンダおよびこれを駆動する液圧ユニットの部分液圧回路図である。
図7】同実施形態におけるテールゲートの開き速度と開き角度との関係を示すグラフである。
図8】本発明の第4実施形態におけるテールゲートリフタの液圧シリンダおよびこれを駆動する液圧ユニットの部分液圧回路図である。
図9】同実施形態におけるテールゲートの開工程での開閉バルブ(ソレノイドバルブ)の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
<第1実施形態>
この実施形態では、テールゲートリフタ100に用いられる液圧ユニット4について説明する。
このテールゲートリフタ100(請求項でいう駆動機器)は、図1に示すように、荷台を有したトラック等の輸送車両に搭載される荷役機器の一種であり、荷台の後端部に起倒可能かつ昇降可能に取り付けられたテールゲート1(請求項でいう対象物)と、このテールゲート1を、垂直に立った閉端(請求項でいう第1動作端)と水平に倒れた開端(請求項でいう第2動作端)との間で開閉動作させる開閉用液圧シリンダ2(図2に示す。)と、水平姿勢にあるテールゲート1を荷台の高さに設定された上昇端と地面の高さに設定された下降端との間で昇降動作させる昇降用液圧シリンダ3(図2に示す。)と、これら各液圧シリンダ2、3を伸縮駆動する液圧ユニット4(図2に示す。)と、を備えている。
【0011】
各液圧シリンダ2、3は、作動液を導出入させるためのシリンダポートが設けられたシリンダチューブ、ピストン及びピストンロッドを主構成要素とするものである。
【0012】
液圧ユニット4は、図2に回路図を示すように、電動モータ41と、電動モータ41によって回転駆動される液圧ポンプ42と、タンク43と、液圧ポンプ42の吐出口および開閉用液圧シリンダ2のシリンダポートを接続する第1流路R1と、開閉用液圧シリンダ2のシリンダポートおよびタンク43を接続する第2流路R2と、液圧ポンプ42の吐出口および昇降用液圧シリンダ3のシリンダポートを接続する第3流路R3と、昇降用液圧シリンダ3のシリンダポートおよびタンク43を接続する第4流路R4とを備えている。
【0013】
第1流路R1上には、絞り弁AV1と、当該第1流路R1を開閉する第1ソレノイドバルブSV1と、開閉用液圧シリンダ2から液圧ポンプ42に作動液が戻ることを禁止するチェックバルブCV1とが、液圧ポンプ42からみてこの順で設けてある。
第2流路R2上には、当該第2流路R2を開閉する第2ソレノイドバルブSV2と絞り弁AV2とが、開閉用液圧シリンダ2からみてこの順で設けてある。
第3流路R3上には、昇降用液圧シリンダ3から液圧ポンプ42に作動液が戻ることを禁止するチェックバルブCV2が設けてある。
第4流路R4上には、当該第4流路R4を開閉する第3ソレノイドバルブSV3と絞り弁AV3とが、昇降用液圧シリンダ3からみてこの順で設けてある。
【0014】
さらにこの液圧ユニット4には、同図に示すように、操作用の入力機器44と、この入力機器44での操作内容に応じて各液圧シリンダ2、3および電動モータ41を制御し、テールゲート1を動作させる制御装置45とが設けてある。
【0015】
入力機器44は、複数のボタンスイッチから構成されたもので、ここでは、テールゲート1を上昇させるときに操作する上ボタンスイッチ、テールゲート1を下降させるときに操作する下ボタンスイッチ、テールゲート1を起立させて閉じるときに操作する閉ボタンスイッチ、テールゲート1を水平に倒して開くときに操作する開ボタンスイッチとを備えている。
【0016】
制御装置45は、前記入力機器44にケーブル等で電気接続された入力インタフェース(図示しない。)と、データやプログラムが格納されたメモリ(図示しない。)と、メモリに格納されたプログラムに応じて動作する演算部(図示しない。)と、前記各ソレノイドバルブSV1~SV3および電動モータ41に電気接続された出力インタフェース(図示しない。)とを備えた、シーケンサやPLCなどと称されるものである。この制御装置45は、入力機器44からその操作内容を示す入力データを受け付け、この入力データをプログラムに基づいて解釈し、その操作内容に応じた動作を前記各ソレノイドバルブSV1~SV3および電動モータ41が行うように、それらに対する制御信号を出力インタフェースから出力する。具体的な制御信号としては、各ソレノイドバルブSV1~SV3に対する開閉信号、電動モータ41に対するON/OFF信号、電動モータ41に対する回転数制御信号等がある。
【0017】
次に、この制御装置45によるテールゲート1および各部の具体的な動作を説明する。
【0018】
(上昇工程)
テールゲート1を上昇させる場合(上昇工程)は、図3(a)に示すように、オペレータ等が上ボタンスイッチを押す。
そうすると、制御装置45の指令で電動モータ41が回転し、これに軸連結された液圧ポンプ42が回って作動液が吐出される。
【0019】
このことにより、チェックバルブCV2が液圧で開いて第3流路R3が開通し、作動液が第3流路R3を通って昇降用液圧シリンダ3に送り込まれ、昇降用液圧シリンダ3が伸びてテールゲート1が上昇する。
【0020】
そして、適宜な位置(実際には、テールゲート1がストッパに当接してそれ以上動かなくなる上昇端)で、オペレータが上ボタンスイッチをオフにすると、制御装置45の指令で電動モータ41が停止し、テールゲート1はそこで停止する。以上が上昇工程である。なお、テールゲート1の上昇速度は、リリーフバルブRLV1が作動しない限りにおいて、電動モータ41の回転数、すなわち液圧ポンプ42からの作動液の吐出流量で定まる。
【0021】
(下降工程1)
テールゲート1を下降させる場合(下降工程)は、図3(b)に示すように、オペレータ等が下ボタンスイッチを押す。
そうすると、制御装置45の指令で第3ソレノイドバルブSV3に駆動電流が流れてこれが開き、第4流路R4が開通する。
【0022】
このことにより、昇降用液圧シリンダ3内の作動液が、テールゲート1の自重および荷物が積載されていればその重量の作用で、第4流路R4を通ってタンク43内に戻され、昇降用液圧シリンダ3が縮んで、テールゲート1が下降する。
【0023】
そして、適宜な位置(実際には、テールゲート1がストッパや床面等に当接してそれ以上動かなくなる下降端)で、オペレータが下ボタンスイッチをオフにすると、制御装置45の指令で第3ソレノイドバルブSV3が閉じ、昇降用液圧シリンダ3内の作動液の流出が止まって、テールゲート1はそこで停止する。以上が下降工程である。なお、テールゲート1の下降速度は、テールゲート1の自重および荷物が積載されていればその重量と、第4流路R4の流路抵抗、すなわち絞り弁AV3の流路抵抗とに依存する。
【0024】
(閉工程)
テールゲート1を閉じる場合(閉工程)は、図4(a)に示すように、オペレータ等が閉ボタンスイッチを押す。
【0025】
そうすると、制御装置45の指令で第1ソレノイドバルブSV1と電動モータ41に駆動電流が流れ、第1ソレノイドバルブSV1が開いて第1流路R1が開通するとともに、電動モータ41が回転動作して液圧ポンプ42から作動液が吐出される。
【0026】
このことにより、作動液が第1流路R1を通って開閉用液圧シリンダ2に送り込まれ、開閉用液圧シリンダ2が伸びてテールゲート1が閉端に向かって起立を始める。
【0027】
そして、適宜な位置(実際には、テールゲート1がストッパに当接してそれ以上動かなくなる閉端)で、オペレータが閉ボタンスイッチをオフにすると、制御装置45の指令で第1ソレノイドバルブSV1は閉じ、電動モータ41及び液圧ポンプ42も停止する、テールゲート1はそこで停止する。なお、テールゲート1の閉じる速度は、リリーフバルブRLV1が作動しない限りにおいて、電動モータ41の回転数、すなわち液圧ポンプ42からの作動液の吐出流量で定まる。
【0028】
(開工程)
テールゲート1を開く場合(開工程、請求項でいう往工程)は、図4(b)に示すように、オペレータ等が開ボタンスイッチを押す。
そうすると、制御装置45の指令で第2ソレノイドバルブSV2に駆動電流が流れてこれが開き、第2流路R2が開通する。
【0029】
このことにより、開閉用液圧シリンダ2内の作動液が、テールゲート1の自重で、第2流路R2を通ってタンク43内に戻され、開閉用液圧シリンダ2が縮んで、テールゲート1が開端に向かって倒れ始める。その倒れ速度は、テールゲート1の自重と、第2流路R2の流路抵抗、すなわち絞り弁AV2の流路抵抗に依存する。
【0030】
この実施形態では、このとき、制御装置45の指令で第1ソレノイドバルブSV1も同時に開くが、電動モータ41および液圧ポンプ42は、当初は停止しているため、チェックバルブCV1の作用で第1流路R1は閉鎖された状態である。
【0031】
そして、テールゲート1が閉端から所定の途中点に到達するまでの第1期間、すなわち、閉端にテールゲート1がある状態から開工程が始まって所定時間t1が経過するまでの第1期間は、この状態が継続される。所定時間t1は、ここではあらかじめ実験や計算により定められており、テールゲート1が閉端から開端に到達する時間よりも短く設定されている。なお、テールゲート1が閉端から開端に到達する時間は、テールゲートの重量で規定される。
【0032】
所定時間t1が経過し、第2期間が始まると、制御装置45の指令で電動モータ41が回転動作して液圧ポンプ42から一定流量の作動液が吐出される。このときに発生する液圧でチェックバルブCV1が開き、第1流路R1が開通する。そして、液圧ポンプ42からの作動液は、第1流路R1から第2流路R2に流れ、開閉用液圧シリンダ2からの作動液と合流してタンク43に戻る。
【0033】
その結果、開閉用液圧シリンダ2から第2流路R2に流れ出る作動液の流量は、液圧ポンプ42から吐出される作動液の流量分だけ減少し、開閉用液圧シリンダ2の縮み速度が減少し、テールゲート1の開き速度が減少する。
【0034】
このとき、第1期間に開閉用液圧シリンダ2から流れ出ていた作動液の流量以上の作動液が液圧ポンプ42から吐出されると、図2中のA点の圧力、つまり開閉用液圧シリンダ2内の圧力が、テールゲート1を押し返せる値にまで上昇して、開閉用液圧シリンダ2が伸び、テールゲート1が閉まりだすので、この第2期間での液圧ポンプ42の吐出量は、電動モータ41の回転数を調整することにより、第1期間に開閉用液圧シリンダ2から流れ出ていた作動液の流量よりも小さくなるように設定されている。
【0035】
その後、適宜な位置(実際には、テールゲート1がストッパに当接してそれ以上動かなくなる開端)で、オペレータが開ボタンスイッチをオフにすると、制御装置45により、第1ソレノイドバルブSV1、第2ソレノイドバルブSV2および電動モータ41への電流供給がストップし、第1流路R1及び第2流路R2が閉鎖するとともに、液圧ポンプ42も停止し、テールゲート1はそこで停止する。
【0036】
しかして、この開工程において、テールゲート1が開端でストッパに当接したときに、大きな衝突音や損傷が発生する場合があるが、上述した構成によって、開端の直前である第2期間にテールゲート1の移動速度が小さくなるので、大きな衝突音や損傷の発生を抑制できる。
【0037】
なお、この第2期間において、電動モータ41の回転数を調整するのではなく、例えば第2流路R2の絞り弁AV2の流路抵抗を調整し、開閉用液圧シリンダ2が押し返されて伸びる現象が発生しないようにしてもよい。
【0038】
また、途中点は、時間で設定するのではなく、テールゲート1の位置で設定してもよい。その場合、途中点でのテールゲート1の位置を直接的または間接的に検知する位置センサを設けておけばよい。位置センサの検出対象としては、テールゲートの回転角度、開閉用液圧シリンダ2の伸縮長さ、開閉用液圧シリンダ2の回転角度などを挙げることができる。
【0039】
さらに、前述では開工程に亘って第1ソレノイドバルブSV1を開成していたが、第2期間のみ、電動モータの駆動に同期して第1ソレノイドバルブSV1を開成してもかまわない。
【0040】
(下降工程2)
ところで、前記開工程が行われ、引き続いて荷物の積み降ろしを行うための下降工程が行われる場合は、この下降工程での制御が、前述とはやや異なるようにしてある。以下では、異なる点だけを説明する。
【0041】
この場合、オペレータ等が下ボタンスイッチを押すと、図3(c)に示すように、制御装置45の指令で、予め定めた所定期間だけ、第2ソレノイドバルブSV2に駆動電流が流れてこれが開き、第2流路R2が開通する。このことにより、開閉用液圧シリンダ2内の圧力がタンク43内の圧力になる。所定期間は、開閉用液圧シリンダ2内の圧力が抜けるための非常に短い時間でよく、当然のことながら、下降工程の期間よりも短い時間に設定されている。
このような手順にしている理由は、以下のとおりである。
【0042】
すなわち、前述した開工程終了時に、開ボタンスイッチをオフにしても、電動モータ41はすぐには止まらず、慣性によってわずかながら回転し、それによって液圧ポンプ42も回転して作動液を吐出しようとする。さらには、第1ソレノイドバルブSV1と第2ソレノイドバルブSV2には必ず応答遅れがあり、個体差により第2ソレノイドバルブSV2よりも第1ソレノイドバルブSV1の閉じが遅かった場合に、図2のA点、すなわち開閉用液圧シリンダ2内に大気圧(タンク43内の圧力)以上の圧力が籠る。
【0043】
この状態から下降工程を行った場合、下降途中は、開閉用液圧シリンダ2は昇降用液圧シリンダ3とともにテールゲート1を支えており、前記圧籠りによる力もテールゲート1の支持に寄与するため、動作の支障とはならないが、テールゲート1が地面等に接触し、地面等で支えられた際に、開閉用液圧シリンダ2がフリーになり、前記圧籠りによる力で開閉用液圧シリンダ2が伸び、わずかにテールゲート1が動いてしまう。この現象により、テールゲート1に不測の損傷が発生したり、積載されている荷物が不安定になったりする不具合が発生する恐れがある。
【0044】
しかしながら、前述したように、予め所定期間だけ第2流路R2を開通させ、開閉用液圧シリンダ2内の圧力をタンク43内の圧力に戻して圧籠りを解消することにより、前記不具合を解消できる。
【0045】
なお、第2流路R2を開通させるタイミングは、開工程の終了後でテールゲート1の下降工程が終了する前までであればよい。例えば、下降工程の最初のみならず、その途中に第2流路R2を開通させてもよいし、下降工程中ではなく、開工程の終了直後に第2流路R2を開通させてもよい。
【0046】
<第2実施形態>
例えば、昇降用液圧シリンダ3の下降工程を、前述した開工程と同様に、第1期間と第2期間とに分け、第2期間に電動モータ41によって液圧ポンプ42を駆動することにより、下降端に到達する直前でテールゲート1が減速するようにしてもかまわない。
【0047】
図5のタイミングチャートを参照して具体的に説明する。
テールゲート1が上昇端(請求項でいう第1動作端)から所定の途中点に到達するまでの第1期間、すなわち、上昇端にテールゲート1がある状態から下降工程が始まって所定時間t1が経過するまでの第1期間は、先に述べた下降工程同様、制御装置45の指令で第3ソレノイドバルブSV3が開き、第4流路R4が開通する。
なお、ここでは、前記実施形態での下降工程2同様、開閉用の液圧シリンダ2内の圧籠りを解放するため、第1期間の当初に予め定めた所定期間だけ、第2ソレノイドバルブSV2を開いて第2流路R2が開通させている。
【0048】
このことにより、昇降用液圧シリンダ3内の作動液が、テールゲート1の重量および荷物が積載されていればその重量の作用で、第4流路R4を通ってタンク43内に戻され、昇降用液圧シリンダ3が縮んで、テールゲート1が下降する。
所定時間t1は、あらかじめ実験や計算により定められており、テールゲート1が上昇端から下降端(請求項でいう第2動作端)に到達する最小時間よりも短く設定されている。
【0049】
ところで、この場合のテールゲート1が上昇端から下降端に到達する時間は、テールゲート1の重量と積載荷物の重量との総和で定まり、積載荷物の重量に依存して変動するため、所定時間t1を一定ではなく、積載荷物の重量によって変える、すなわち、制御装置45によって、積載荷物の重量が大きくなれば所定時間t1が短くなるように設定してもかまわない。積載荷物の重量は、別途重量センサを設けて直接測定したり、昇降用液圧シリンダ3内の作動液の圧力によって間接的に測定したりすればよい。なお、前述した最小時間とは、最大積載重量の荷物をテールゲート1に載せた場合の時間である。
この途中点を、時間ではなく位置で定めてもよいのは前記実施形態同様である。
【0050】
所定時間t1が経過し、第2期間が始まると、制御装置45の指令で電動モータ41が回転動作して液圧ポンプ42から一定流量の作動液が吐出される。このときに発生する液圧でチェックバルブCV2が開き、第3流路R3が開通する。そして、液圧ポンプ42からの作動液は、第3流路R3から第4流路R4に流れ、昇降用液圧シリンダ3からの作動液と合流してタンク43に戻る。
その結果、昇降用液圧シリンダ3から第4流路R4に流れ出る作動液の流量は、液圧ポンプ42から吐出される作動液の流量分だけ減少し、昇降用液圧シリンダ3の速度が減少し、テールゲート1の下降速度が減少する。
【0051】
この第2期間での液圧ポンプ42の吐出量は、前記実施形態での開工程同様、電動モータ41の回転数を調整することにより、第1期間に昇降用液圧シリンダ3から流れ出ていた作動液の流量よりも小さくなるように設定されている。
【0052】
<第3実施形態>
前記各実施形態では、液圧ポンプを用いて液圧シリンダ3からの流量をコントロールしていたが、この第3実施形態では、第2流路R2上に流路抵抗構造5を設け、該流路抵抗構造5による抵抗が、第1期間よりも第2期間の方が大きくなるように構成している。
その構成例を具体的に説明する。なお、以下において、前記実施形態に対応する部材には同一の符号を付している。
【0053】
ここでは、図6に示すように、第2流路R2が複数(ここでは2つ)に分岐し、各分岐した第2流路(以下、分岐流路R21、R22という。)上に、それぞれ流路抵抗構造5の構成要素である絞りXAV1、XAV2が設けられている。
【0054】
また、分岐流路R21、R22の開通/不通を制御する複数(ここでは2つ)の開閉バルブ(ソレノイドバルブXSV1、XSV2)が設けられている。
【0055】
一方のソレノイドバルブXSV1は、第2流路R2における分岐点より上流側に設けられており、前記入力機器44のうちの開ボタンスイッチのみによって制御可能に構成されている。
【0056】
他方のソレノイドバルブXSV2は、分岐流路R22上に設けられており、制御装置45からの開指令および開ボタンスイッチからの開指令とのアンド条件でのみ開き、その他では閉じるように構成されている。なお、分岐流路R21には、絞りXAV1のみが流量を制御する部材として設けられている。
【0057】
さらに、ここでは、途中点を検出する位置センサとして、テールゲート1の傾斜角度を検出する傾斜センサ6が設けられている。
【0058】
次に、以上の構成の液圧ユニット4の特に開工程での動作を説明する。
オペレータ等が開ボタンスイッチを押すと、ソレノイドバルブXSV1およびソレノイドバルブXSV2の双方が開き、分岐流路R21、R22が開通する。
【0059】
このことにより、開閉用液圧シリンダ2内の作動液が、並列に配置された絞りXAV1、XAV2の双方を通ってタンク43に戻され、当該開閉用液圧シリンダ2が縮んで、テールゲート1が開端に向かって倒れ始める(第1期間)。その倒れ速度は、テールゲート1の自重と、絞りXAV1および絞りXAV2の並列流路抵抗に実質的に依存する。
【0060】
その後、前記傾斜センサ6から信号によって、制御装置45が、テールゲート1が閉端から所定の途中点に到達したことを検出すると、制御装置45は、ソレノイドバルブXSV2を閉止し、分岐流路R22を不通にする。
【0061】
このことにより、開閉用液圧シリンダ2内の作動液は、絞りXAV1のみを通ってタンク43に戻される(第2期間)。絞りXAV1のみの場合と、前記第1期間のように並列に配置された絞りXAV1及び絞りXAV2の場合とでは、流路抵抗は前者の方が大きいので、第2期間における作動液の流量は、第1期間より小さくなり、その結果、図7に示すように、開閉用液圧シリンダ2の縮み速度が減少し、テールゲート1の開き速度が減少する。
なお、この実施形態では、開き量を、絞りXAV1<絞りXAV2としているが、この大小関係に限られるものではない。
【0062】
<第4実施形態>
この実施形態では、図8に示すように、第2流路R2が複数(ここでは2つ)に分岐し、各分岐した第2流路(以下、分岐流路R21、R22という。)上に、それぞれ絞りXAV1、XAV2が設けられている点は、前記第3実施形態と同様である。
【0063】
しかしながら、ソレノイドバルブXSV1が第1分岐流路R21上に設けられている点およびソレノイドバルブXSV1も開ボタンスイッチと制御装置45との双方が開指令のときのみ開き、その他では閉止する点が異なる。
【0064】
次に、以上の構成の液圧ユニット4の特に開工程での動作を説明する。
図9に示すように、オペレータ等が開ボタンスイッチを押すと、その信号によって、ソレノイドバルブXSV1が開く一方、ソレノイドバルブXSV2は、制御装置45によって閉止状態を維持する。
【0065】
このことにより、分岐流路R21のみは開通し、開閉用液圧シリンダ2内の作動液が絞りXAV1のみを通ってタンク43に戻され、当該開閉用液圧シリンダ2が縮んで、テールゲート1が開端に向かって倒れ始める(第1期間)。その倒れ速度は、テールゲート1の自重と、絞りXAV1の流路抵抗に実質的に依存する。
【0066】
その後、前記傾斜センサ6から信号によって、制御装置45が、テールゲート1が閉端から所定の途中点に到達したことを検出すると、制御装置45は、ソレノイドバルブXSV1を閉止して分岐流路R21を不通にするとともに、ソレノイドバルブXSV2を開いて分岐流路R22を開通させる。
【0067】
このことにより、開閉用液圧シリンダ2内の作動液は、絞りXAV2のみを通ってタンク43に戻される(第2期間)。
ここで、開き量は、絞りXAV1>絞りXAV2に設定されており、流路抵抗は、第2期間の方が大きくなるので、第2期間における作動液の流量は第1期間より小さくなり、その結果、開閉用液圧シリンダ2の縮み速度が減少し、テールゲート1の開き速度が減少する。
【0068】
<その他>
第3、第4実施形態における流路抵抗構造は、第2流路を並列に分岐させた各分岐流路に絞りをそれぞれ配置したものであったが、第2流路上に絞りを直列に配置するとともに、各絞りに並列にバイパス流路を設け、このバイパス流路の開閉によって流路抵抗を変化させるようにしてもよい。
【0069】
また、第3、第4実施形態において、第1実施形態同様、制御装置が入力手段の操作状態を検出し、それに応じてソレノイドバルブを開閉制御するようにしてもよい。
さらにいえば、本発明は、テールゲートリフタのみならず、その他の荷役機器、搬送機器、重機など、液圧シリンダにより対象物を動かす駆動機器に用いられる液圧ユニットに適用して同様の作用効果を奏するものである。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
以上に述べた本実施形態の特徴は以下のようにまとめることができる。
【0070】
(1)
テールゲート1(対象物)を閉端(第1動作端)と開端(第2動作端)との間で動かす開閉用の第1液圧シリンダ2を駆動するものであって、
液圧ポンプ42と、タンク43と、液圧ポンプ42および開閉用液圧シリンダ2を接続する開閉可能な第1流路R1と、タンク43および開閉用液圧シリンダ2を接続する開閉可能な第2流路R2とを備えており、
テールゲート1を閉端から開端に動かす開工程(往工程)において、第2流路R2が開通することにより第1液圧シリンダ2内の作動液がテールゲート1の自重でタンク43内に戻されるように構成されているとともに、
テールゲート1が閉端(第1動作端)から所定の途中点に到達するまでの第1期間に液圧シリンダ2からタンク43に戻る作動液の流量よりも、テールゲート1が途中点から第2開端(動作端)に到達するまでの第2期間に液圧シリンダ2からタンク43に戻る作動液の流量が小さくなるように構成されていることを特徴とする液圧ユニット4。
【0071】
このようなものであれば、テールゲート1が開端に到達する時点を含む第2期間においては、第1期間に比べ、液圧ポンプ42からの作動液の流量分だけ、開閉用液圧シリンダ2からタンク43に戻る作動液の流量が減少しているので、テールゲート1の移動速度が小さくなり、テールゲート1が開端に当たった際の衝突音や損傷の発生を抑制できる。
【0072】
(2)
往工程において、
第1期間は、第2流路R2が開通することによって液圧シリンダ2内の作動液が少なくともテールゲート1の自重でタンク43内に戻され、
第2期間は、第2流路R2に加えて第1流路R1が開通するとともに液圧ポンプ42が作動し、液圧シリンダ2からの作動液と液圧ポンプ42からの作動液とが第2流路R2を介してタンク43に戻るように構成されている(1)記載の液圧ユニット4。
このようなものであれば、液圧ユニット4における液圧回路は、既存のものを用いることができ、制御装置45のプログラムだけを変えれば実現できるという効果も奏し得る。
【0073】
(3)
液圧ポンプ42を駆動する電動モータ41をさらに備えており、第2期間に液圧ポンプ42から吐出される作動液の流量が、第1期間において液圧シリンダ2内からタンク43に戻る作動液の流量よりも小さくなるように電動モータ41の回転数が設定されている(2)記載の液圧ユニット4。
このようなものであれば、第2期間において液圧ポンプ42から吐出される作動液で液圧シリンダ2が減速を越えて逆動することを、電動モータ41の回転数制御だけで防止することができる。
【0074】
(4)
テールゲート1を所定の上昇端および下降端の間で昇降動作させる昇降用の第2の液圧シリンダ3をさらに備え、前記開工程が終了して第2流路R2が閉鎖された後、テールゲート1の下降工程が終了するまでの間の所定期間、前記第2流路R2が開通するように構成されている(2)または(3)に記載の液圧ユニット4。
このようなものであれば、開工程が終了した時点における液圧シリンダ2内の圧籠りを解消することができ、この圧籠りに起因する発生し得る不具合、例えば下降端での液圧シリンダ2の不測の伸長等を解消できる。
【0075】
(5)
第2流路R2上に設けられた流路抵抗構造5をさらに備え、該流路抵抗構造5による抵抗が、第1期間よりも第2期間の方が大きくなるように構成されている(1)に記載の液圧ユニット4。
このようなものであれば、液圧ポンプ43等に対する特別な制御をすることなく、テールゲート1が開端に当たった際の衝突音や損傷の発生を抑制できる。
【0076】
(6)
流路抵抗構造が、第2流路上に並列に配置された複数の絞りを備えたものであり、
第1期間において開通する絞りの数よりも、第2期間において開通する絞りの数の方が少なくなるように構成されている(5)に記載の液圧ユニット4。
このようなものであれば、可変絞りなどではなく、一定開き量の絞りを用いて実現することができる。
【0077】
(7)
開工程の開始時点から所定時間経過後をもって途中点が定められている(1)ないし(6)いずれかに記載の液圧ユニット4。
このようなものであれば、ソフトウェアだけで途中点を判断できるので、別途センサ等を設けることなく、実現することができる。
【0078】
(8)開端よりも閉端側に設定された所定位置を途中点とし、テールゲート1が途中点に到達したことを検知する位置センサが設けられている(1)ないし(6)いずれかに記載の液圧ユニット4。
このようなものであれば、より正確に途中点を検出でき、開工程におけるテールゲート1の減速を安定的に行うことができる。
【符号の説明】
【0079】
100・・・テールゲートリフタ(駆動機器)
1・・・テールゲート(対象物)
2・・・開閉用液圧シリンダ
4・・・液圧ユニット
41・・・電動モータ
42・・・液圧ポンプ
43・・・タンク
R1・・・第1流路
R2・・・第2流路

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9