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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118827
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
A47J27/00 103N
A47J27/00 103H
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109657
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2019030675の分割
【原出願日】2019-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米田 洋史
(72)【発明者】
【氏名】和泉 修壮
(72)【発明者】
【氏名】浅見 彰子
(57)【要約】
【課題】最大炊飯量に比して少ない1合程度の少量の御飯を美味しく炊き上げることができる炊飯器を提供する。
【解決手段】内釜4と、内釜4を封止する内蓋7と、内釜4を加熱する加熱部6と、を備え、内釜4と内蓋7とによって炊飯空間CAを形成する炊飯器1であって、炊飯空間CAを、下部の調理に利用可能な空間である小炊飯空間CA1と、小炊飯空間CA1の上側に位置する空間である非炊飯空間CA2とに区画する中蓋8を備え、内釜4の炊飯空間CAの内部となる位置に中蓋8を係止可能な係止部4dが形成されており、中蓋8は、係止部4dに係止されて炊飯空間CAの内部に配置される。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端に位置する底部と上端に位置する開口部とを有する内釜と、
前記内釜の開口部を封止する内蓋と、
前記内釜を加熱する加熱部と、
を備え、
前記内釜と前記内蓋とによって形成した炊飯空間において調理を行う炊飯器であって、
前記炊飯空間を、前記底部に接し、調理物が収容される空間である小炊飯空間と、前記内蓋に接し、前記小炊飯空間の上側に位置し前記調理物が収容されない空間である非炊飯空間とに区画する中蓋を備え、
前記内釜の前記炊飯空間の内部となる位置に前記中蓋を係止可能な係止部が形成されており、
前記中蓋は、
前記係止部に係止されて前記炊飯空間の内部に配置される、
ことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記中蓋は、
半径方向外側に向かって先下がりとなる丸い椀状に構成される椀部と、前記椀部の上面中央から上向きに突設される取手部と、前記椀部を貫通する蒸気孔と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記椀部の上面における前記取手部よりも前記腕部の径方向外側の空間は、前記非炊飯空間の下部を構成するものであって、前記蒸気孔を介して前記小炊飯空間と連通し、前記小炊飯空間から前記蒸気孔を通して蒸気が入り込むように構成されて前記蒸気の排気経路の一部として構成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記蒸気孔は複数の大径蒸気孔と複数の小径蒸気孔とで構成される、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記内釜は、側部と、前記底部と前記側部との間を繋ぐ湾曲部と、を有し、
前記係止部は、前記湾曲部に形成されて、前記内釜の上下中央よりも下方に配置される、
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記係止部は前記内釜の内面から内釜の中心側に向けて突出し、
前記係止部の上面は前記内釜の内側に向けて先下がりとなるように傾斜している、
ことを特徴とする請求項1~請求項5の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項7】
前記小炊飯空間は、
1合炊きに適した容積を有する、
ことを特徴とする請求項1~請求項6の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項8】
前記内釜がセラミック製である、
ことを特徴とする請求項1~請求項7の何れか一項に記載の炊飯器。
【請求項9】
前記中蓋がセラミック製である、
ことを特徴とする請求項1~請求項8の何れか一項に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炊飯器は、より美味しい御飯を食べたいというニーズに応えるために、種々の改良が加えられている。例えば、特許文献1に記載の如くである。また、従来の炊飯器には、炊飯用の内釜をセラミック製(土鍋)としたものもあり、土鍋で炊いたような美味しい御飯を炊くことができるという特徴を有している。例えば、特許文献2、3に記載の如くである。
【0003】
食事の度に食べる分だけ御飯を炊き、いつも炊き立ての御飯を食べることは、より美味しい御飯を食べるための方法として有効である。しかしながら、特許文献1~3に示された従来の炊飯器では、最大炊飯量(5合炊きや5.5合炊き)に近い量の御飯を炊く場合には、良好な炊飯結果を得る(即ち、御飯を美味しく炊く)ことができるものの、1合程度の少量の御飯を炊いた場合には、最大炊飯量で炊いた場合に比べて御飯の味が落ちるという課題がある。つまり、従来の炊飯器では、1合程度の少量の御飯を美味しく炊き上げることが困難であった。このため従来は、より美味しい御飯を食べるために少量の御飯を炊く場合には、炊飯器ではない手段を採用することが主となっているが、例えば、土鍋を用いて直火で炊飯する場合には、火加減が難しく、毎回同じ食味の御飯を炊くことが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-201667号公報
【特許文献2】特開2015-217151号公報
【特許文献3】特開2015-226593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、斯かる現状の課題に鑑みてなされたものであり、最大炊飯量に比して少ない1合程度の少量の御飯を美味しく炊き上げることができる炊飯器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る炊飯器は、下端に位置する底部と上端に位置する開口部とを有する内釜と、前記内釜の開口部を封止する内蓋と、前記内釜を加熱する加熱部と、を備え、前記内釜と前記内蓋とによって形成した炊飯空間において調理を行う炊飯器であって、前記炊飯空間を、前記底部に接し、調理物が収容される空間である小炊飯空間と、前記内蓋に接し、前記小炊飯空間の上側に位置する空間である非炊飯空間とに区画する中蓋を備え、前記内釜の前記炊飯空間の内部となる位置に前記中蓋を係止可能な係止部が形成されており、前記中蓋は、前記係止部に係止されて前記炊飯空間の内部に配置されるものである。
【0007】
本発明に係る炊飯器によれば、内釜容量に対して少ない少量炊飯であっても、自動的に美味しい御飯を炊き上げることができる。
【0008】
本発明において、前記中蓋は、円盤状の横板部と、前記横板部の外周を囲む縦板部とを有し、前記縦板部の周側面が前記小炊飯空間に接していると好適である。
【0009】
本構成によれば、小炊飯空間内の蒸気によって、中蓋を側方からも加熱することができ、中蓋が均等に加熱され、中蓋から放射される輻射熱によって、調理物をより均等に加熱することができる。
【0010】
本発明において、前記中蓋は、前記横板部を板厚方向に貫通し、前記中蓋の中心回りに等間隔で形成された複数の蒸気孔を有すると好適である。
【0011】
本構成によれば、小炊飯空間から均等に蒸気を排出することができ、小炊飯空間内の調理物の炊きムラを低減することができる。
【0012】
本発明において、前記横板部の上面は、前記中蓋の中心から半径方向外側に向けて先下がりに形成されており、前記複数の蒸気孔は、前記横板部の前記縦板部との境界近傍に形成されていると好適である。
【0013】
本構成によれば、中蓋の上面にツユ溜まりが生じることを回避できる。
【0014】
本発明において、前記上面は凸曲面であると好適である。
【0015】
本構成によれば、非炊飯空間から小炊飯空間に戻るツユを均等に分散させることができる。
【0016】
本発明において、前記横板部の下面は、該下面より突設された複数の突起部を有するものであると好適である。
【0017】
本構成によれば、中蓋の下面から滴下するツユを均等に分散させることができる。
【0018】
本発明において、前記小炊飯空間は、1合炊きに適した容積を有すると好適である。
【0019】
本構成によれば、小炊飯空間内の調理物を高火力で炊き上げることができる。
【0020】
本発明において、前記内釜がセラミック製であると好適である。
【0021】
本構成によれば、セラミック製の内釜の容量に対して少ない少量炊飯であっても、自動的に美味しい御飯を炊き上げることができる。
【0022】
本発明において、前記中蓋がセラミック製であると好適である。
【0023】
本構成によれば、セラミック製の内釜との温度差を少なくすることができ、ツユの発生を抑制し、より美味しい御飯を炊き上げることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の炊飯器によれば、内釜容量に対して少ない少量炊飯であっても、自動的に美味しい御飯を炊き上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る炊飯器を示す斜視図。
図2】第1の実施形態に係る内釜および中蓋を備えた炊飯器を示す右側面断面図。
図3】炊飯器の制御ブロック図。
図4】炊飯器の蓋部(内蓋を着けた状態)を示す底面図。
図5】炊飯器の蓋部(内蓋を外した状態)を示す底面図。
図6】第1の実施形態に係る内釜と中蓋を示す斜視図。
図7】第1の実施形態に係る内釜を示す図、(A)平面図、(B)図7(A)におけるA-A矢視断面図。
図8】第1の実施形態に係る中蓋を示す図、(A)平面図、(B)側面図。
図9】第1の実施形態に係る中蓋を示す底面図。
図10】第1の実施形態に係る中蓋を示す断面図、(A)図8(A)におけるB-B矢視断面図、(B)図8(A)におけるC-C矢視断面図(C)図8(A)における突起部ありの場合のB-B矢視断面図。
図11】第1の実施形態に係る内釜と中蓋との組み合わせ状態を示す平面図。
図12】第1の実施形態に係る内釜と中蓋との組み合わせ状態を示す断面図、(A)図11におけるD-D矢視断面図、(B)図11におけるE-E矢視断面図。
図13】第1の実施形態に係る内釜と中蓋との組み合わせによる炊飯空間の形成状態を示す断面図、(A)内蓋なしの場合の炊飯空間を示す図、(B)内蓋ありの場合の炊飯空間を示す図。
図14】第1の実施形態に係る中蓋(突起部ありの場合)を示す底面図。
図15】炊飯器における中蓋の蒸気孔と蒸気排出ユニットとの位置関係を示した右側面断面図。
図16】第2の実施形態に係る内釜および中蓋を備えた炊飯器を示す右側面断面図。
図17】第2の実施形態に係る中蓋を示す図、(A)平面図、(B)図17(A)におけるF-F矢視断面図。
図18】炊飯空間の形成状態を示す断面図、(A)第2の実施形態に係る内釜と中蓋との組み合わせによる場合、(B)第2の実施形態に係る中蓋と第3の実施形態に係る内釜との組み合わせによる場合。
図19】第3の実施形態に係る内釜と第2の実施形態に係る中蓋を備えた炊飯器を示す右側面断面図。
図20】御飯の食感を調整するための手段の例である中蓋を示す平面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[炊飯器の全体構成]
図1および図2に示す炊飯器1は、本発明に係る炊飯器の一実施形態であり、炊飯器本体2と蓋体3を備えている。なお、説明の便宜上、炊飯器1に対して、図1および図2に示した矢印のように、前後方向、左右方向、および上下方向を規定している。また、以下の説明における、前、後、左、右、上、下等の記載は、炊飯器1を構成する各部が、炊飯器1が使用される際の所定位置に組み付けられている状態を基準として向きを表している。
【0027】
炊飯器本体2は、炊飯器1の外殻の一部を構成する部位であり、蓋体3の下方に配置され、内釜(後述する内釜4)を収容するための空間を形成する。蓋体3は、炊飯器1の外殻の一部を構成する部位であり、炊飯器本体2の上方に配置されて、炊飯器本体2の内部に形成された内釜の収容空間を封止可能に構成されている。
【0028】
炊飯器1は、図2および図3に示すように、内釜4、容器部材5、加熱部6、内蓋7、中蓋8、制御装置9を備えている。容器部材5と加熱部6の一部、および制御装置9は、炊飯器本体2の内部に収容されている。炊飯器本体2に収容された容器部材5は、内釜4を保温または蓄熱するための容器状に構成された部材であり、炊飯器本体2における内釜4を収容するための空間の一部を構成している。また、加熱部6の一部は、蓋体3の内部に収容されている。内蓋7は、蓋体3の下面(炊飯器1の炊飯時に内部に位置する側の面)に配置されている。
【0029】
蓋体3は、ヒンジ3aを備えている。蓋体3は、炊飯器本体2の後端上部にヒンジ3aを介して連結されており、前後方向および略上下方向を向く姿勢の間で回動可能に構成されている。
【0030】
内釜4は、炊飯器1における御飯を炊くための空間(以下、炊飯空間と呼ぶ)の一部を構成する部位であり、炊飯器本体2に収容された状態で使用される。また、炊飯器1では、内釜4の内部に配置して使用する中蓋8を備えている。炊飯空間は、調理物(例えば、米と水)を加熱調理するための空間であり、調理中において調理物が対流可能な空間となっている。なお、炊飯器1の炊飯空間は、御飯以外の調理物を加熱調理することも可能である。
【0031】
加熱部6は、内釜4を加熱するための手段であり、第1メインヒータ6a、第2メインヒータ6b、側面ヒータ6c、蓋ヒータ6dにより構成している。第1メインヒータ6aと第2メインヒータ6bは、一連のメインヒータを構成しており、第1メインヒータ6aが容器部材5の下方に配置され、第2メインヒータ6bが容器部材5の底部5aと側部5bとの間を繋ぐ湾曲部5cの裏側に配置されている。また、加熱部6は、側面ヒータ6cが容器部材5の側部5bの裏側に配置され、蓋ヒータ6dが蓋体3の内部に配置されている。
【0032】
加熱部6は、第1メインヒータ6aで容器部材5の底部5aを誘導加熱し、第2メインヒータ6bで容器部材5の湾曲部5cを誘導加熱し、側面ヒータ6cで容器部材5の側部5bを誘導加熱し、内釜4の内部を蓋体3側から加熱することによって、内釜4を加熱する。加熱部6を構成する各ヒータ6a・6b・6c・6dの出力は、ユーザーの設定や制御装置9に予め設定されているプログラム等に応じて、制御装置9によって個別に制御可能である。
【0033】
図2に示すように、内蓋7は、蓋体3の下面に配置されている。そして、内蓋7は、図4および図5に示すように、蓋体3に対して着脱可能に構成されている。図2および図4に示すように、内蓋7の外周部には、外径方向外側へ延びるリング状の上面シール部7aと、下方へ延びるリング状の側面シール部7bが形成されている。上面シール部7aおよび側面シール部7bは、内蓋7の内釜4との間の隙間を封止するものである。
【0034】
また、蓋体3における内蓋7の内側には、加熱部6の一部を構成する蓋ヒータ6dが配置されている。
【0035】
さらに、図2図4および図5に示すように、蓋体3は、炊飯時に発生する蒸気を排出するための蒸気排出ユニット13を備えている。蒸気排出ユニット13は、大小2つの蒸気排出口13a・13bを備えている。各蒸気排出口13a・13bは、内蓋7の下面に開口されており、蓋体3の内部に形成されている排気通路3bを介して、蓋体3の上面に形成されている蒸気口3cに連通している。
【0036】
蒸気排出ユニット13は、各蒸気排出口13a・13bを開閉する弁体13c・13dを備えており、制御装置9(図3参照)からの信号に基づいて弁体13c・13dを変位させることによって、各蒸気排出口13a・13bを開閉できるように構成されている。また、蒸気排出ユニット13の一部は、内蓋7に設けられている。内蓋7は、蓋体3に対して着脱可能に構成されており、図5に示すように内蓋7を外した状態では、排気通路3b中に配置した蓋センサ12が露出される。
【0037】
そして、炊飯器1では、炊飯器本体2に内釜4が収容された状態で蓋体3を閉めると、内釜4の上端部4fに内蓋7の上面シール部7aが当接するとともに、内釜4の内周部に側面シール部7bが当接し、内釜4の上部開口が内蓋7によって封止される。このとき、内釜4と内蓋7によって、炊飯器1における炊飯空間(後述する炊飯空間CA)が形成される。
【0038】
図3に示すように、制御装置9は、炊飯器1の炊飯動作を制御する装置であり、所謂マイコンにより構成されている。制御装置9は、加熱部6、操作部10、センタセンサ11、蓋センサ12、蒸気排出ユニット13等と接続されている。
【0039】
図1および図3に示すように、操作部10は、ユーザーが炊飯器1に対して操作指示を行うための部位であり、操作スイッチ10a、表示部10b、報知部10cを備えている。ユーザーは、操作スイッチ10aを操作することによって好みの炊き加減等を選択する。具体的には、炊飯器1は、1合の御飯を美味しく炊き上げることができる少量炊飯モードを備えており、少量炊飯モードを選択するときには、内蓋(後述する中蓋8)で、炊飯空間を区画して、少量炊飯に適したより小さい炊飯空間において御飯を調理する。表示部10bは、ユーザーによる炊き加減の選択状況や炊飯の進行状況等を表示可能な画面により構成されている。報知部10cは、炊き上がりや炊飯器1の異常等を音や表示でユーザーに報知するための部位であり、スピーカや表示ランプ等により構成されている。
【0040】
制御装置9は、ユーザーが操作部10により炊飯モードを選択すると、選択された炊飯モードに応じたプログラムに従って加熱部6の出力を調整する。また、制御装置9には、センタセンサ11や蓋センサ12の検出結果がフィードバックされ、さらに加熱部6への出力を調整する。センタセンサ11は、内釜4の温度を検出する温度センサであり、蓋センサ12は、蒸気排出ユニット13を介して内釜4から放出される気体(蒸気)の温度を検出する温度センサである。
【0041】
[内釜の詳細な構成]
ここで、内釜4について、さらに詳細に説明する。内釜4は、炊飯器1を構成する内釜の第1の実施形態である。
【0042】
図6および図7に示すように、内釜4は、水および米等の調理物を収容するための有底略円筒状の容器であり、底部4a、側部4b、湾曲部4cを有している。内釜4は、セラミック製である(所謂土鍋である)。内釜4の下端は底部4aによって構成されており、上端には開口部4hが形成されている。内釜4の開口部4hは、内蓋7によって封止可能に構成されている。
【0043】
炊飯器1においては、内釜4がセラミック製であるため、セラミックから放射される輻射熱の作用によって、少量炊飯を行った場合であっても、美味しい御飯を炊き上げることができる。炊飯器1では、土鍋で炊いたような食感の御飯を、火加減を気にすることなく、自動的に炊き上げることができる。なお、炊飯器1は、本実施形態で示したように、内釜4をセラミック製とすることが好適であるが、炊飯器1では、セラミック製以外(例えば金属製)の内釜を使用することもできる。
【0044】
内釜4の側部4bの内周面には、係止部4dが形成されている。係止部4dは、中蓋8を係止するためのリング状の凸部である。内釜4の側部4bの上端部には、鍔部4eおよび上端部4fを形成している。鍔部4eは、ユーザーが内釜4を持つ際の手がかりとなる部位である。上端部4fは、内蓋7の上面シール部7aに当接する部位であり、内釜4の半径方向内側に向けて若干先下がりとなる傾斜を有している。
【0045】
係止部4dの頂部より上側の部位は、内釜4の半径方向内側に向けて先下がりとなる傾斜を有している。このような構成によれば、炊き上がった御飯を保温するときに、係止部4dの上部に存在するツユ(凝縮水)は自然に流れ落ち、係止部4dにおいて溜まることがない。仮に、ツユを溜めてしまうと、溜まったツユが保温中の御飯に落ちることで、御飯の食味を低下させる要因となるが、係止部4dの頂部より上側の部位に傾斜を設けておくことで、このような食味低下を抑制することができる。
【0046】
また、係止部4dは、内釜4を用いて洗米をするときに米の流出を阻止する堰としても機能する。なお、内釜4の内壁部に炊飯水量の目安を表す目盛を設ける場合、係止部4dは、目盛の記載位置よりも上側(即ち、目盛を阻害しない位置)に設けることが好ましい。
【0047】
[中蓋の詳細な構成]
ここで、中蓋8について、さらに詳細に説明する。中蓋8は、炊飯器1を構成する中蓋の第1の実施形態である。
【0048】
図6図8図9および図10(A)(B)に示すように、中蓋8は、横板部8aと縦板部8bを有している。横板部8aは略円盤状の部材で構成され、縦板部8bは上方から下方に向けて縮径する筒状の部材で構成されている。中蓋8は、略円盤状の横板部8aの周囲を筒状の縦板部8bで囲むように配置して構成されており、全体として中心Pを有する円形である蓋状の形態を有している。中蓋8は、内釜4と同様にセラミック製である。
【0049】
炊飯器1では、中蓋8をセラミック製とすることで、同じくセラミック製である内釜4と組み合わせた場合に、熱伝導率の差異を無くすことができるため、炊飯時における内釜4との温度差を少なくすることができる。炊飯時における各部の温度差は、ツユが発生する要因となるため、温度差を抑制することでツユの発生が抑制され、これにより、より美味しい御飯を炊き上げることができる。
【0050】
横板部8aは、上面8cと下面8dを有しており、上面8cから上向きに突出させた取手部8eが設けられている。上面8cは、取手部8eとの境界部から半径方向外側に向かって縦板部8bに至るまで先下がりに形成された凸曲面である。縦板部8bの下端は横板部8aの下端よりも下方に位置している。このため、中蓋8の下端には、横板部8aの下面8dと縦板部8bとによって、凹状の部位が形成されている。また、中蓋8の外周部には、縦板部8bの外側の周面によって、略円錐状の側周面8hが形成されている。
【0051】
中蓋8は、横板部8aと縦板部8bの境界近傍に横板部8aを貫通する複数(本実施形態では3箇所)の蒸気孔8fを有している。3箇所の蒸気孔8f・8f・8fは、中蓋8の中心P回りに等間隔(120°ピッチ)となるように配置しており、各蒸気孔8f・8f・8fの間隔を最大としている。蒸気孔8f・8f・8fをこのような配置とすることで、炊飯空間(後述する小炊飯空間)で生じる蒸気を均等に分散させながら放出することが可能になり、御飯の炊きムラを抑制することができる。
【0052】
即ち、本実施形態に示す炊飯器1において、中蓋8は、横板部8aを板厚方向に貫通し、中蓋8の中心P回りに等間隔で形成された複数の蒸気孔8f・8f・8fを有しているため、炊飯空間(後述する小炊飯空間)から均等に蒸気を排出することができ、調理物の炊きムラを低減することができる。
【0053】
また、中蓋8は、蒸気孔8f・8f・8fが、上面8cの最外縁部であり、かつ横板部8aとの境界近傍の位置に形成されている。このような構成の中蓋8では、上面8c上で生じたツユは、上面8c上に溜まらずに外周側に流れ、縦板部8bで堰き止められて、効率良く蒸気孔8f・8f・8fから炊飯空間(後述する小炊飯空間)に戻される。このため、中蓋8を取り外す際に、ミトンを嵌めた手で取手部8eを把持するときに、ミトンの濡れを気にする必要がない。また、上面8cを球面状の曲面とすることによって、各蒸気孔8f・8f・8fへ戻るツユの量を均一に分散させることができる。
【0054】
炊飯器1は、中蓋8の上面8cが凸曲面であるため、上面8cで生じたツユを均等に分散させることができ、ひいては、炊飯空間(後述する小炊飯空間)に戻るツユを均等に分散させることができる。
【0055】
また、炊飯器1は、中蓋8の上面8cが、中蓋8の中心Pから半径方向外側に向けて先下がりに形成されており、複数の蒸気孔8f・8f・8fは、横板部8aの縦板部8bとの境界近傍に形成されているため、ツユを縦板部8bによって堰き止めて横板部8aの外縁部に集めることができる。中蓋8では、その集めたツユを蒸気孔8f・8f・8fから効率良く落とすことができるため、中蓋8の上面8cにツユ溜まりが生じることを回避できる。
【0056】
また、中蓋8は、縦板部8bの上端において、側周面8hから径方向外側へ突出する鍔部8gを有している。鍔部8gは、全体としてリング状の形態を有しており、内釜4の係止部4dの内径寸法に比して大きい外形寸法を有している。炊飯器1では、鍔部8gの外径寸法を係止部4dの内径寸法に比して大きくすることで、中蓋8が係止部4dを越えて内釜4の底部4a側へ脱落してしまうことを防止している。
【0057】
[内釜と中蓋の組み合わせ状態]
図11および図12に示すように、中蓋8は、鍔部8gを内釜4の係止部4dに係止させることによって、内釜4に対して懸架され、内釜4の上下方向中途部の所定位置に配置される。鍔部8gを係止部4dで係止している状態で、中蓋8の上端は、内釜4の上端以下の位置に配置される。
【0058】
[炊飯空間の説明]
次に、炊飯器1の炊飯空間について説明する。
【0059】
炊飯器1は、中蓋8を使用しない場合、図13(A)に示すように、内釜4の上部開口を内蓋7で封止することによって、炊飯空間CAが形成される。炊飯空間CAは、内釜4の最大炊飯量に対応する量の調理物(米と水等)を調理することが可能な空間である。炊飯器1は、中蓋8を使用しない場合、炊飯空間CAにおいて炊飯することができ、炊飯空間CA内を米と水が対流しながら加熱調理される。
【0060】
炊飯器1は、中蓋8を使用する場合、図13(B)に示すように、内釜4と内蓋7で形成された炊飯空間CAを、中蓋8によって、小炊飯空間CA1と非炊飯空間CA2とに区画することができる。小炊飯空間CA1は、炊飯空間CAの下方の一部であり、底部4aに接している。非炊飯空間CA2は、炊飯空間CAの上方の一部であり、内蓋7に接している。
【0061】
図13(B)に示すように、中蓋8は、鍔部8gが係止部4dで係止され、内釜4に対して所定位置に組み合わされたとき、全体が炊飯空間CAの内部に配置される。中蓋8は、炊飯空間CAを下部と上部に区画し、炊飯空間CAよりも容積が小さい小炊飯空間CA1と、基本的には調理に利用しない非炊飯空間CA2と、を形成する。
【0062】
小炊飯空間CA1は、内釜4の最大炊飯量に比して少ない量(例えば、1合)の調理物(米と水等)を調理することに適した空間である。炊飯器1は、中蓋8を使用する場合、小炊飯空間CA1においてのみ炊飯することができ、小炊飯空間CA1内を米と水が対流しながら加熱調理される。また、炊飯器1は、中蓋8を使用する場合、非炊飯空間CA2には調理物を投入せず、小炊飯空間CA1から放出された蒸気が蒸気排出ユニット13に向かう流通経路を構成している。
【0063】
即ち、本実施形態に示す炊飯器1は、下端に位置する底部4aと上端に位置する開口部4hとを有する内釜4と、内釜4の開口部4hを封止する内蓋7と、内釜4を加熱する加熱部6と、を備え、内釜4と内蓋7とによって形成した炊飯空間CAにおいて調理を行うものである。炊飯器1は、炊飯空間CAを、底部4aに接し、調理物が収容される空間である小炊飯空間CA1と、内蓋7に接し、小炊飯空間CAの上側に位置する空間である非炊飯空間CA2とに区画する中蓋8を備えている。内釜4は、炊飯空間CAの内部となる位置に中蓋8を係止可能な係止部4dが形成されている。そして、中蓋8は、係止部4dに係止されて炊飯空間CAの内部に配置されている。炊飯器1は、このような構成によって、内釜4の容量に対して少ない少量炊飯であっても、自動的に美味しい御飯を炊き上げることを可能にしている。
【0064】
[非炊飯空間の役割]
炊飯器1では、小炊飯空間CA1から中蓋8の蒸気孔8fを通して放出された蒸気が、非炊飯空間CA2を通って蒸気排出ユニット13に導かれる。即ち、炊飯器1は、蒸気の排出経路となる非炊飯空間CA2を有している。非炊飯空間CA2内の蒸気は、中蓋8を上方から加熱することに利用されるため、中蓋8の上面8cや取手部8eに溜まるツユを蒸発させて低減させることができる。
【0065】
[係止部と縦板部の肉厚]
図11乃至図13に示すように、炊飯器1では、内釜4において、側部4bにおける係止部4dの形成部位を厚肉部4gとしており、厚肉部4gの肉厚を、内釜4の他の部位の肉厚に比して大きくしている。厚肉部4gの肉厚を大きくすると、側面ヒータ6cから放射される熱を、厚肉部4gにおいて他の部位よりも多く蓄熱することができる。炊飯器1では、厚肉部4gに蓄えた熱を係止部4dを通じて中蓋8に熱伝導させることによって、中蓋8を効率よく加熱することができる。また、厚肉部4gから放射される輻射熱を増大させることによって、小炊飯空間CA1内の調理物に放射される輻射熱量が増大される。なお、炊飯器1では、中蓋8の縦板部8bの肉厚を、中蓋8の他の部位の肉厚に比して大きくしてもよく、これにより、縦板部8bから放射される輻射熱を増大させて、小炊飯空間CA1内の調理物に放射される輻射熱量が増大される。
【0066】
[小炊飯空間の大きさ]
炊飯器1では、中蓋8を使用することによって、小炊飯空間CA1を形成することができる。中蓋8を使用して炊飯空間CAに比べて狭い小炊飯空間CA1で米を炊飯する場合、炊飯空間CAの容積に対する小炊飯空間CA1の容積の比率は、60~70%程度とすることが好ましい。
【0067】
例えば、中蓋8を使用した場合に、炊飯空間CAの容積に対する小炊飯空間CA1の容積の比率が70%を超えてくる(即ち、大きすぎる)と、中蓋8の下面8dの温度が低くなり、小炊飯空間CA1との温度差が拡大することによって、下面8dにおけるツユの発生量が多くなる。下面8dでのツユの発生量が多くなると、炊き上がった御飯の水分量が過多(所謂べちゃついた状態)となり、御飯の食味が低下することが判っている。
【0068】
また例えば、中蓋8を使用した場合に、炊飯空間CAの容積に対する小炊飯空間CA1の容積の比率が60%を下回る(即ち、小さすぎる)と、中蓋8の上面8cの温度が低くなり、上面8cと小炊飯空間CA1で温度差が生じることで、上面8cにおけるツユの発生量が多くなり、蒸気孔8fから小炊飯空間CA1へ戻るツユが多くなる。すると、炊き上がった御飯の水分量が過多となり、御飯の食味が低下することが判っている。
【0069】
即ち、中蓋8を用いる場合、炊飯空間CAの容積に対する小炊飯空間CA1の容積の比率は、60~70%とすることが好ましく、この範囲内で、1合程度の少量の御飯を従来よりも食味が優れた状態に炊き上げることができ、この範囲を外れると御飯の食味が低下する。
【0070】
本実施形態で示した内釜4の御飯の最大炊飯量は5.5合であるが、内釜4と中蓋8を用いて、1合炊きに適した小炊飯空間CA1を形成し、小炊飯空間CA1において1合の米を炊飯することで、炊飯器1によって、食味がよい少量の御飯を炊き上げることができる。なお、中蓋8を用いる場合に、1合分の米の体積を180mlとし、1合炊飯時の水の体積を200mlと仮定すると、炊飯前の米と水の体積に対する小炊飯空間CA1の容積は、4.5~5倍程度とするのが好適である。また、炊き上がった1合分の御飯の体積に対する小炊飯空間CA1の容積は、4~4.5倍程度とするのが好適である。
【0071】
即ち、本実施形態に示す炊飯器1において、小炊飯空間CA1は、1合炊きに適した容積を有している。このような構成の炊飯器1によれば、小炊飯空間CA1内の調理物を高火力で炊き上げることができ、1合程度の少量の御飯を美味しく炊き上げることができる。
【0072】
小炊飯空間CA1は、中蓋8の下面8d、側周面8h、鍔部8gの下面に接しており、小炊飯空間CA1の一部は、側周面8hを取り囲むような略ドーナツ状の空間DAを形成している。中蓋8は、下面8dだけでなく、空間DA内の蒸気によって側周面8hや鍔部8gからも加熱されるように構成しているため、炊飯時において、中蓋8の各部の温度の均等化を図ることができる。
【0073】
即ち、本実施形態に示す炊飯器1において、中蓋8は、円盤状の横板部8aと、横板部8aの外周を囲む縦板部8bとを有し、内釜4の係止部4dに係止された状態で、縦板部8bの側周面8hが小炊飯空間CA1に接しているため、空間DAが形成される。このような構成の炊飯器1によれば、小炊飯空間CA1内(より具体的には空間DA内)の蒸気によって、中蓋8を側方からも加熱することができ、中蓋8が均等に加熱され、中蓋8から放射される輻射熱によって、調理物をより均等に加熱することができる。
【0074】
また、中蓋8は、重量を大きくすることで、炊飯時における蒸気やおねばによる浮きを抑制することができる。中蓋8の浮きを抑制すると、蒸気孔8fからのみ蒸気やおねばの放出がなされるため、炊飯状態が安定し、常に安定した御飯の炊き上がりが得られる。また、中蓋8の重量を大きくすることは、中蓋8の熱容量の増大にもつながる。そして、中蓋8の熱容量が増大すれば、炊飯時に中蓋8から放射される輻射熱を増大させることができるため、御飯の食味(特に甘味)を向上させることができる。
【0075】
通常、直火を加熱源として土鍋で炊飯する場合、火力の調整が難しく、毎回所望の炊き上がり状態を得ることは難しい。一方、炊飯器で炊飯する場合、自動的に火力の調整が行われ、毎回同じ炊き上がり状態を容易に得ることができるが、これまでは吹きこぼれを防止するために、炊飯時の火力を低く設定している。
【0076】
炊飯器1では、中蓋8を使用することによって、吹きこぼれを低減することができるため、従来よりも炊飯時の火力を高く設定することができる。炊飯器1では、少量の御飯をより高火力で炊き上げることで、より土鍋に近い御飯の炊き上がりを得ることができる。
【0077】
また、炊飯器1では、中蓋8を使用することによって、炊飯時に生じた蒸気を小炊飯空間CA1に滞留させておくことができる。すると、小炊飯空間CA1内の御飯は、滞留した蒸気によって包み込まれて、ツヤ(外観)が向上される。また、炊飯器1では、御飯を小炊飯空間CA1という狭い空間で炊き上げることで、おこげから生じた良い香りを御飯全体に行き渡らせることができ、御飯の美味しさをさらに向上させることができる。
【0078】
[内蓋の詳細な構成]
炊飯器1では、炊飯空間CAの気密性を確保することで、調理時の小炊飯空間CA1内の圧力を高めることができるようにするため、内蓋7の形状を調整している。
【0079】
具体的には、図13(B)に示すように、炊飯器1では、内釜4の上端部4fを基準とした内蓋7の側面シール部7bの架かり代Laを、内釜4の上端から係止部4dに係止された内蓋7の上端までの距離Lbよりも小さくしている。
【0080】
仮に、内蓋7の側面シール部7bの架かり代Laが距離Lb以上であると、側面シール部7bに撓みが生じ、内釜4の内周面と側面シール部7bとの間で隙間が生じやすくなる。内蓋7の側面シール部7bの架かり代Laを距離Lb未満とすることで、側面シール部7bの撓みを防止することができる。すると、側面シール部7bを内釜4の内周面に対して密着させた状態に保持することができるため、これにより、炊飯空間CAの気密性を確保することができる。
【0081】
[内蓋の下面における突起部]
また、図10(C)および図14に示すように、中蓋8は、下面8dにおいて、複数の突起部8kを均等に分散配置して設けることが好ましい。下面8dが平面であると、下面8dからツユが滴下する位置に偏りが生じる場合がある。下面8dに均等配置した突起部8kを設けると、突起部8kに沿ってツユを滴下させることができるため、小炊飯空間CA1に滴下するツユを1箇所に偏らせることなく分散させることができ、御飯の炊きムラを低減することができる。
【0082】
即ち、炊飯器1は、横板部8aの下面8dにおいて、下面8dより突設された複数の突起部8k・8k・・・を有しているため、中蓋8の下面8dから滴下するツユを均等に分散させることができる。
【0083】
[蒸気孔の配置(蒸気を迅速に検知するための構成)]
炊飯器1は、小炊飯空間CA1から放出される蒸気を迅速に検知することができるようにするためには、中蓋8に形成する蒸気孔8fを、蓋体3内の蓋センサ12との距離が短くなるように配置することが好ましい。小炊飯空間CA1から放出される蒸気を迅速に検知することで、制御装置9によって調理の進行状況をより的確に把握することが可能になり、火力の調整やモード切り替えのタイミングをより適切にすることができる。
【0084】
具体的には、図15に示すように、炊飯器1では、蒸気孔8fを、蒸気排出ユニット13の直下に配置している。具体的には、炊飯器1では、蒸気排出ユニット13と蒸気孔8fと部位Yを、同一の直線Z上に配置している。直線Zは、上下方向に平行な直線である。
【0085】
炊飯器1では、蒸気孔8fを蒸気排出ユニット13の直下に配置することができるようにするために、内釜4に中蓋8の中心P回りの回転位相を固定するための係止部4xを設けるとともに、中蓋8に係止部4xによって係止される被係止部8xを設けている。そして、係止部4xに被係止部8xを係止させて中蓋8を配置することで、蒸気孔8fを常に蒸気排出ユニット13の直下の一定位置に配置できるようにしている。
【0086】
さらに、炊飯器1では、小炊飯空間CA1から放出される蒸気を迅速に検知することができるようにするために、中蓋8に形成する蒸気孔8fを、炊飯時に内釜4が最も高温となる部位の直上に配置している。炊飯器1では、第1メインヒータ6aの上部近傍(図中の部位Yあたり)が炊飯時に最も高温になる部位である。
【0087】
炊飯器1では、蒸気孔8fを、部位Yの直上となる位置に配置している。そして、炊飯時には、第1メインヒータ6aの上部の部位Y近傍から水が沸騰し始め、その沸騰し始めた位置の上方近傍から最初に蒸気が立ち上ることが期待される。炊飯器1は、蒸気孔8fを、部位Yの直上近傍に配置することで、小炊飯空間CA1から放出される蒸気をより迅速に検知することができる。
【0088】
また、炊飯器1では、中蓋8によって、蒸気孔8fから放出された蒸気を蒸気排出ユニット13に導く蒸気経路Sを形成している。具体的には、中蓋8における蒸気孔8fの半径方向内側に配置された取手部8eと半径方向外側に配置された縦板部8bによって囲まれた空間を蒸気経路Sとしている。炊飯器1は、中蓋8に蒸気経路Sを設けることによって、蒸気孔8fから放出された蒸気の拡散を抑制し、効率よく蒸気排出ユニット13に導くことができる。
【0089】
[中蓋と加熱部との位置関係]
内釜4の係止部4dに係止されている状態の中蓋8は、横板部8aの下面8dおよび縦板部8bの下端が、側面ヒータ6cの上下方向における配置領域に重なる高さに配置されている。炊飯器1では、このような構成により、側面ヒータ6cによって、中蓋8を効率よく加熱することができる。
【0090】
さらに、内釜4の係止部4dに係止されている状態の中蓋8は、上方に蓋ヒータ6dが配置され、下方に第1メインヒータ6aと第2メインヒータ6bが配置されている。炊飯器1では、このような構成により、係止部4dに係止されている中蓋8を上下および前後左右の全方位から加熱することができ、小炊飯空間CA1内の調理物を高火力で均一に加熱することができる。また、炊飯器1では、蓋ヒータ6dによって、中蓋8を上方から加熱することによって、中蓋8の上面8cや取手部8eに溜まるツユ量を低減することができる。
【0091】
[第2の実施形態に係る中蓋]
炊飯器1では、中蓋として、図16および図17に示すような中蓋51を採用してもよい。中蓋51は、炊飯器1を構成する中蓋の第2の実施形態である。
【0092】
図17(A)(B)に示すように、中蓋51は、中心Qを有する丸い椀状の形態を有している。中蓋51は、セラミック製(所謂土鍋)であり、椀部51aと取手部51bを有している。椀部51aは椀状の部位であり、上面51cと下面51dを有している。
【0093】
取手部51bは、上面51cから上向きに突設されている。上面51cは、取手部51bとの境界部から半径方向外側に向かって先下がりとなる略球面状の凸曲面でる。下面51dは、略球面状の凹曲面であり、炊飯空間(後述する小炊飯空間)内で加熱された調理物(米や水)を、下面51dに沿って滑らかに対流させることができる。
【0094】
また、中蓋51は、椀部51aを貫通する複数(本実施形態では2箇所)の蒸気孔51eを有している。2箇所の蒸気孔51eは、中蓋51の中心Q回りに等間隔(180°ピッチ)となるように配置している。蒸気孔51e・51eをこのような配置とすることで、炊飯空間(後述する小炊飯空間)で生じる蒸気を均等に分散させながら放出することが可能になり、御飯の炊きムラを抑制することができる。
【0095】
また、中蓋51は、上面51cにツユが溜まるような凹部がないため、上面51c上で生じたツユを、上面51c上に溜めずに半径方向外側へ向けて流し落とすことができる。
【0096】
また、中蓋51を椀形状とすれば、中蓋51の下面と内釜52の底面との距離を、炊飯時における内釜52の底面の温度分布に比例させることができる。即ち、中蓋51の下面は、内釜52の底面の温度が高くなる中央部分では内釜52の底面からの距離が大きくなり、内釜52の底面の温度が低くなる外縁部分では内釜52の底面からの距離が小さくなる。このような構成とすることで、炊飯空間(後述する小炊飯空間)内の温度ムラを小さく抑えることができ、調理物(米と水)をより均一に加熱することができる。
【0097】
また、中蓋51を椀形状とすれば、炊飯空間(後述する小炊飯空間)内で加熱された調理物(米や水)を下面51dに沿って流動させることで、内釜52のおこげが生じやすい部位である内側面近傍に水分を供給することができ、火力を上げても御飯が焦げ付きにくいようにすることができる。
【0098】
[第2の実施形態に係る内釜]
炊飯器1で中蓋51を使用する場合には、図16および図18(A)に示すような内釜52を用いることができる。内釜52は、前述した内釜4と比べて、係止部の形成位置が異なっている。ここでは、内釜4と構成が異なっている部分のみについて説明するものとする。内釜52について、ここで説明しない部分については、前述した内釜4の構成と共通している。
【0099】
図16および図18(A)に示す内釜52は、炊飯器1を構成する内釜の第2の実施形態であり、底部52aと側部52bとを繋ぐ湾曲部52cにおいて係止部53が形成されている。係止部53は、中蓋51を係止するためにリング状に形成された凸部である。
【0100】
図18(A)に示すように、中蓋51は、係止部53に載置することで、係止部53によって係止される。中蓋51は、係止部53によって係止されて、内釜52の内部に配置される。
【0101】
[炊飯空間の説明]
炊飯器1では、内釜52と内蓋7によって、炊飯空間CA(図示せず)を形成する。中蓋51を使用する場合、内釜52と内蓋7で形成された炊飯空間CAを、中蓋51によって、小炊飯空間CA1と非炊飯空間CA2とに区画することができる。
【0102】
炊飯器1によって、中蓋51を使用して炊飯した場合、小炊飯空間CA1から蒸気孔51e(図17参照)を通って非炊飯空間CA2に至った蒸気は、中蓋51の上面51cや非炊飯空間CA2内でツユとなる。このとき生じたツユは、上面51cに沿って流れて、中蓋51の外周縁部に集まる。すると、中蓋51と係止部53との間の隙間は、この集まったツユによって封止される。中蓋51と係止部53との間の隙間が封止されると、小炊飯空間CA1と非炊飯空間CA2が蒸気孔51e(図17(B)参照)のみで連通されることとなり、毎回の調理時の小炊飯空間CA1内の温度や圧力を安定させることができる。
【0103】
また、中蓋51を使用する場合、炊飯器1は、図16に示すように、係止部53によって係止された状態の中蓋51の側方に側面ヒータ6cを配置するように、係止部53の高さ方向の形成位置を調整している。また、中蓋51を使用する場合、中蓋51の外縁部の直下に第2メインヒータ6bが配置されるように、中蓋51の形状・大きさおよび係止部53の形成位置を調整している。炊飯器1は、このような構成により、炊飯時に非炊飯空間CA2に放出された蒸気を非炊飯空間CA2内で加熱して凝縮させないようにしている。これにより、炊飯器1では、小炊飯空間CA1に戻るツユを減らすことができ、比較的水分量が少なくて「しゃっきり」とした食味の御飯を炊き上げることができる。
【0104】
[小炊飯空間の大きさ]
中蓋51を使用して炊飯空間CAに比べて狭い小炊飯空間CA1で米を炊飯する場合、炊飯空間CAの容積に対する小炊飯空間CA1の容積の比率は、30~40%程度とすることが好ましい。即ち、炊飯空間CAの容積に対する小炊飯空間CA1の容積の比率は、中蓋51を使用する場合と、中蓋8を使用する場合とで異なっている。
【0105】
例えば、中蓋51を使用した場合に、炊飯空間CAの容積に対する小炊飯空間CA1の容積の比率が40%を超えてくる(即ち、大きすぎる)と、炊き上がった御飯の水分量が過多(所謂べちゃついた状態)となり、御飯の食味が低下することが判明している。
【0106】
また例えば、中蓋51を使用した場合に、炊飯空間CAの容積に対する小炊飯空間CA1の容積の比率が30%を下回る(即ち、小さすぎる)と、御飯の食味が低下することが判明している。
【0107】
即ち、炊飯器1で椀状の形態を有する中蓋51を用いる場合には、炊飯空間CAの容積に対する小炊飯空間CA1の容積の比率を、30~40%とすることが好ましく、この容積の比率の範囲内であれば、従来よりも食味が優れた御飯を炊き上げることができ、この範囲を外れると御飯の食味が低下する。
【0108】
本実施形態で示した内釜4の御飯の最大炊飯量は5.5合であるが、内釜4と中蓋51を用いて、1合炊きに適した小炊飯空間CA1を形成し、小炊飯空間CA1において1合の米を炊飯することで、炊飯器1によって、食味がよい少量の御飯を炊き上げることができる。なお、中蓋51を用いる場合に、1合分の米の体積を180mlとし、1合炊飯時の水の体積を200mlと仮定すると、炊飯前の米と水の体積に対する小炊飯空間CA1の容積は、2.8~3.3倍程度とするのが好適である。また、炊き上がった1合分の御飯の体積に対する小炊飯空間CA1の容積は、2.5~3倍程度とするのが好適である。
【0109】
[第3の実施形態に係る内釜]
炊飯器1で中蓋51を使用する場合には、図18(B)および図19に示すような内釜62を用いてもよい。内釜62は、前述した内釜52と比べて、係止部の態様が異なっている。ここでは、内釜52と構成が異なっている部分のみについて説明するものとする。内釜62について、ここで説明しない部分については、前述した内釜4、52の構成と共通している。
【0110】
図18(B)および図19に示す内釜62は、炊飯器1を構成する内釜の第3の実施形態であり、底部62aと側部62bとを繋ぐ湾曲部62cにおいて係止部63を有している。係止部63は、リブ状の突起部ではなく、内釜62の湾曲部62cの一部を係止部63としている。湾曲部62cは、下方に向かうにつれて縮径されるすり鉢状の部位であり、中蓋51を載置した際に、中蓋51の外径と湾曲部62cの内径とが一致する部位(換言すれば、中蓋51が自然と当接する部位)を係止部63としている。
【0111】
図18(B)に示すように、中蓋51は、湾曲部62c上に載置されることで、係止部63によって係止される。中蓋51は、係止部63によって係止された状態で内釜62の内部に配置され、後述する小炊飯空間CA1と非炊飯空間CA2を形成する。
【0112】
[炊飯空間の説明]
炊飯器1は、内釜62と内蓋7によって、炊飯空間CA(図示せず)が形成される。炊飯器1は、中蓋51を使用する場合、図18(B)に示すように、内釜62と内蓋7で形成された炊飯空間CAを、中蓋51によって、小炊飯空間CA1と非炊飯空間CA2とに区画することができる。
【0113】
内釜62は、リブ状の係止部を設ける必要がないため、内釜4や内釜52に比べて製造が容易である。また、従来の内釜には、内釜62に相当するものも存在している。このため、中蓋51を、内釜62に相当する従来の内釜に使用すれば、従来の炊飯器を用いながら、少量の美味しい御飯を炊き上げることが可能になる。
【0114】
[蒸気孔のレイアウトによる御飯の食感の調整]
炊飯器1では、蒸気孔8fのレイアウトを変更することによって、炊き上げた御飯の食感を調整することが可能である。
【0115】
御飯の食感を調整するためのパラメータのうち、蒸気孔8fのレイアウトに関連するものとしては、以下の3項目が挙げられる。
1)蒸気排出ユニット13の直下に配置する蒸気孔8fの個数。
2)蒸気排出ユニット13における蒸気排気口の口径。
3)非炊飯空間CA2における蒸気排気経路の長さ。
【0116】
1)~3)のパラメータを変更することで、炊き上がった御飯の食感を、以下の2種類の傾向の食感から選択することができる。各パラメータと食感との関係を、以下の表1に示している。
a)「しゃっきり」(御飯の水分量が比較的少なく、さらっとした食味)した食感。
b)「もっちり」(御飯の水分量が比較的多く、弾力や粘り気のある食味)した食感。
【0117】
【表1】
【0118】
[表1の説明]
1)「蒸気孔の個数」のパラメータについては、蒸気排出ユニット13の直下に配置する蒸気孔8fの個数を多くすれば、「しゃっきり」とした食感の御飯が得られ、蒸気排出ユニット13の直下に配置する蒸気孔8fの個数が少なくすれば、「もっちり」とした食感の御飯が得られることを示している。
【0119】
また、2)「蒸気口の口径」のパラメータについては、蒸気排出ユニット13における蒸気排出口の口径が大きければ、「しゃっきり」とした食感の御飯が得られ、蒸気排出口の口径が小さければ、「もっちり」とした食感の御飯が得られることを示している。
【0120】
さらに、3)「蒸気滞留経路」については、蒸気孔8fから蒸気排出ユニット13の蒸気排出口に至るまでの経路が短ければ、「しゃっきり」とした食感の御飯が得られ、同経路が長ければ、「もっちり」とした食感の御飯が得られることを示している。
【0121】
蒸気孔8fから非炊飯空間CA2に放出された蒸気を、蒸気排出ユニット13から速やかに排出すれば(即ち、非炊飯空間CA2における蒸気の滞留時間を短くすれば)、炊き上がった御飯の水分量を減らすことができ、その結果、「しゃっきり」した食感の御飯が得られるものと考えられる。
【0122】
また、蒸気孔8fから非炊飯空間CA2に放出された蒸気を、蒸気排出ユニット13から緩やかに排出すれば(即ち、非炊飯空間CA2における蒸気の滞留時間を長くすれば)、小炊飯空間CA1を蒸気で満たされた状態に保持することができ、炊き上がった御飯の水分量が増し、その結果、「もっちり」した食感の御飯が得られるものと考えられる。
【0123】
[パラメータの調整方法]
炊飯器1において、これらのパラメータを調整する方法としては、図20に示すような中蓋71を使用する方法がある。なお、以下では、中蓋71の構成について、前述した中蓋8の構成と異なる点について説明する。中蓋71の構成について、ここでの説明を省略する部位については、中蓋8の構成と共通している。
【0124】
図20に示す中蓋71は、複数(本実施形態では3個)の大径蒸気孔72と複数(本実施形態では2個)の小径蒸気孔73を備えている。このような中蓋71を、内釜4の係止部4dにセットする際に、大径蒸気孔72の向きを調整することで、上記表1の1)と3)のパラメータを調整することができる。なお、大径蒸気孔72や小径蒸気孔73の個数や孔径は、使用する中蓋の仕様等に応じて適宜調整することができる。
【0125】
例えば、中蓋71を、大径蒸気孔72が蒸気排出ユニット13の直下に位置するようにセットすると、1)のパラメータについて「多い」を選択し、3)のパラメータについて「短い」を選択した状態が得られる。炊飯器1によって、この状態で御飯を炊き上げれば、「しゃっきり」とした食感の御飯が得られる。
【0126】
また、中蓋71を、小径蒸気孔73が蒸気排出ユニット13の直下に位置するようにセットすると、1)のパラメータについて「少ない」を選択し、3)のパラメータについて「長い」を選択した状態が得られる。炊飯器1によって、この状態で御飯を炊き上げれば、「もっちり」とした食感の御飯が得られる。
【0127】
なお、小径蒸気孔73は、御飯の炊きムラを抑制するべく、小炊飯空間CA1から放出される蒸気の流れが著しく偏らないようにするために適宜形成することが好ましいものであり、省略することも可能である。
【0128】
蒸気排出ユニット13(図4参照)は、2つの蒸気排出口13a・13bを備えており、第1の蒸気排出口13aがより大口径であり、第2の蒸気排出口13bがより小口径である。蒸気排出ユニット13は、制御装置9の信号に従って、各蒸気排出口13a・13bを弁体13c・13dで開閉可能に構成されている。
【0129】
このため、第1の蒸気排出口13aを開放させることを選択すると、2)のパラメータについて「大きい」を選択した状態が得られる。また、第2の蒸気排出口13bを開放させることを選択すると、2)のパラメータについて「小さい」を選択した状態が得られる。
【0130】
そして、炊飯器1では、中蓋71の向きと、2つの蒸気排出口13a・13bの開放状態とを組み合わせることによって、好みの条件を選んで御飯を炊き上げることが可能になる。
【0131】
なお、本実施形態では、加熱部6に誘導加熱方式の熱源(所謂IHヒータ)を採用した炊飯器1(所謂電気炊飯器)を例示して説明を行ったが、炊飯器1における加熱部6の態様はこれに限定されるものではなく、ガスを火力源とした炊飯器1(所謂ガス炊飯器)において、各中蓋8・51および各内釜4・52・62を使用する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 炊飯器
4 内釜
4a 底部
4d 係止部
4h 開口部
6 加熱部
7 内蓋
8 中蓋
8a 横板部
8b 縦板部
8c 上面
8d 下面
8f 蒸気孔
8k 突起部
CA 炊飯空間
CA1 小炊飯空間
CA2 非炊飯空間
P (内蓋の)中心
図1
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