(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118840
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】位置センサを備えるガイドワイヤの製造
(51)【国際特許分類】
A61M 25/09 20060101AFI20230818BHJP
A61M 25/095 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
A61M25/09 500
A61M25/09 550
A61M25/095
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023109828
(22)【出願日】2023-07-04
(62)【分割の表示】P 2019119531の分割
【原出願日】2019-06-27
(31)【優先権主張番号】16/022,562
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】イェフダ・アルガウィ
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】イリヤ・シットニツキー
(57)【要約】
【課題】ガイドワイヤの位置センサを製造するためのシステムを提供すること。
【解決手段】ガイドワイヤの位置センサを製造するためのシステムであって、該システムは、
(a)中実プロファイルを有する連続シャフトの外面の周囲に単一の連続ワイヤを巻き付け、第1及び第2の端を有するワイヤ区分を形成し、前記連続シャフトの前記外面上のそれぞれの第1および第2の位置に、前記ワイヤ区分の前記第1及び第2の端を連結するため、前記単一の連続ワイヤを切断するように構成されているワイヤリングデバイスと、
(b)前記ワイヤリングデバイスと動作的に関連し、前記ワイヤリングデバイスの下流に配置されたカッターであって、前記カッターは、前記ワイヤリングデバイスを使用して前記ワイヤ区分が取り付けられた前記連続シャフトを切断して前記位置センサのシャフト区分を形成するように構成されている、カッターと、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤの位置センサを製造するためのシステムであって、該システムは、
(a)中実プロファイルを有する連続シャフトの外面の周囲に単一の連続ワイヤを巻き付け、第1及び第2の端を有するワイヤ区分を形成し、前記連続シャフトの前記外面上のそれぞれの第1および第2の位置に、前記ワイヤ区分の前記第1及び第2の端を連結するため、前記単一の連続ワイヤを切断するように構成されているワイヤリングデバイスと、
(b)前記ワイヤリングデバイスと動作的に関連し、前記ワイヤリングデバイスの下流に配置されたカッターであって、前記カッターは、前記ワイヤリングデバイスを使用して前記ワイヤ区分が取り付けられた前記連続シャフトを切断して前記位置センサのシャフト区分を形成するように構成されている、カッターと、を備える、システム。
【請求項2】
前記シャフト区分により画定される軸に平行な方向に沿って前記シャフト区分を移動させることと、(ii)前記軸を中心に前記シャフト区分を回転させることと、のうちの少なくとも1つを行うことによって、前記シャフト区分を移動させるように構成されている、運動アセンブリを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ワイヤリングデバイス及び前記運動アセンブリが、(i)前記単一の連続ワイヤの前記第1の端を前記第1の位置に連結するように構成されている、前記ワイヤリングデバイスを適用することと、(ii)前記シャフト区分を移動させるように構成されている、前記運動アセンブリを適用することと、(iii)前記単一の連続ワイヤの前記第2の端を前記第2の位置に連結するように構成されている、前記ワイヤリングデバイスを適用することと、からなる動作シーケンスを使用して前記単一の連続ワイヤを巻き付けるように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ワイヤリングデバイスと動作的に関連し、前記ワイヤリングデバイスの上流に位置するコーティングデバイスを備え、前記コーティングデバイスは、前記外面を電気絶縁性生体適合性材料でコーティングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電気絶縁性生体適合性材料が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記位置センサは、解剖学的物質輸送系内を移動するようにサイズ決め及び形状決めされており、前記解剖学的物質輸送系が、脈管系、耳鼻咽喉(ENT)系、及び神経系からなるリストから選択される解剖学的システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
該システムは、
(a)画像を生成するように構成されたカメラと、
(b)前記カメラから前記画像を受け取り、前記画像に基づき前記システムを制御するように構成されたコントローラと、を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、
(a)前記カメラから前記画像を受け取るように構成されたプロセッサと、
(b)前記カメラから前記プロセッサを経由して受け取られた前記画像を表示するように構成されたディスプレイと、を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記カッターが前記シャフト区分を切断する間、前記連続シャフトの運動を停止し、前記カッターが前記シャフト区分の切断を完了した後に前記運動を再開するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記連続シャフトと動作可能に関連付けられた運動アセンブリを更に備え、前記運動アセンブリは、前記連続シャフトにより画定される軸に沿って前記連続シャフトを移動させ、前記単一の連続ワイヤが前記連続シャフトの前記軸の周りに巻かれるときに前記連続シャフトを回転させるように構成され、前記コントローラは、前記カメラから前記画像を受け取り、前記画像に基づいて前記システムを制御するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
ガイドワイヤの位置センサを製造するためのシステムであって、該システムは、
(a)中実プロファイルを有する連続シャフトの外面の周囲にワイヤを巻き付け、第1及び第2の端を有するワイヤ区分を形成し、前記連続シャフトの前記外面上のそれぞれの第1および第2の位置に、前記ワイヤ区分の前記第1及び第2の端を連結するため、前記ワイヤを切断するように構成されているワイヤリングデバイスと、
(b)前記ワイヤリングデバイスと動作的に関連し、前記ワイヤリングデバイスの下流に配置されたカッターであって、前記カッターは、前記ワイヤリングデバイスを使用して前記ワイヤ区分が取り付けられた前記連続シャフトを切断して前記位置センサのシャフト区分を形成するように構成されている、カッターと、
(c)前記連続シャフトと動作可能に関連付けられた運動アセンブリであって、前記運動アセンブリは、長手方向軸に沿って前記連続シャフトを移動させ、同時に、前記ワイヤが前記シャフト区分の軸の周りに巻き付けられるときに前記連続シャフトを回転させるように構成されている、運動アセンブリと、を備える、システム。
【請求項12】
更に、前記中実プロファイルを有する前記連続シャフトから前記シャフト区分を切断することにより、前記位置センサの前記シャフト区分を製造するように構成された第2のカッターを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
(a)画像を生成するように構成されたカメラと、
(b)前記カメラから前記画像を受け取り、前記画像に基づき前記システムを制御するように構成されたコントローラと、を更に備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
ガイドワイヤの位置センサを製造するためのシステムであって、該システムは、
(a)中実プロファイルを有する連続シャフトの外面の周囲にワイヤを巻き付け、第1及び第2の端を有するワイヤ区分を形成し、前記連続シャフトの前記外面上のそれぞれの第1および第2の位置に、前記ワイヤ区分の前記第1及び第2の端を連結するため、前記ワイヤを切断するように構成されているワイヤリングデバイスと、
(b)前記ワイヤリングデバイスと動作的に関連し、前記ワイヤリングデバイスの下流に配置されたカッターであって、前記カッターは、前記ワイヤリングデバイスを使用して前記ワイヤ区分が取り付けられた前記連続シャフトを切断して前記位置センサのシャフト区分を形成するように構成されている、カッターと、
(c)画像を生成するように構成されたカメラと、
(d)前記カメラから前記画像を受け取り、前記画像に基づき、前記ワイヤリングデバイスおよび前記カッターを備える前記システムを制御するように構成されたコントローラと、を備える、システム。
【請求項15】
前記コントローラは、
(a)前記カメラから前記画像を受け取るように構成されたプロセッサと、
(b)前記カメラから前記画像を受け取る前記プロセッサから受け取った前記画像を表示するように構成されたディスプレイと、を備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記カッターが前記連続シャフトから前記シャフト区分を切断する間、前記連続シャフトの運動を停止し、前記カッターが前記連続シャフトから前記シャフト区分の切断を完了した後に前記運動を再開するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記連続シャフトと動作可能に関連付けられた運動アセンブリを更に備え、前記運動アセンブリは、前記連続シャフトにより画定される軸に沿って前記連続シャフトを移動させ、前記ワイヤが前記連続シャフトの前記軸の周りに巻かれるときに前記連続シャフトを回転させるように構成され、前記コントローラは、前記カメラから前記画像を受け取り、前記画像に基づいて前記システムを制御するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記ワイヤリングデバイスと動作的に関連し、前記ワイヤリングデバイスの上流に位置するコーティングデバイスを備え、前記コーティングデバイスは、前記外面を電気絶縁性生体適合性材料でコーティングするように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記位置センサは、解剖学的物質輸送系内を移動するようにサイズ決め及び形状決めされており、前記解剖学的物質輸送系が、脈管系、耳鼻咽喉(ENT)系、及び神経系からなるリストから選択される解剖学的システムを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
更に、前記中実プロファイルを有する前記連続シャフトから前記シャフト区分を切断することにより、前記位置センサの前記シャフト区分を製造するように構成された第2のカッターを備える、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には侵襲的医療用デバイスに関し、具体的にはガイドワイヤの位置センサを製造するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
センサを含むガイドワイヤは、心臓病手術及びサイナプラスティなどの様々な医療用途に使用され得る。
【0003】
例えば、米国特許出願公開第2011/0066029号は、近位端と、遠位端と、遠位端付近の少なくとも1つの導電性コイルと、コイルから近位端に向かって電流を運ぶ導体とを有する細長い部材を含む、挿入可能又は埋め込み可能な医療デバイスについて記載している。コイルは、可撓性の磁気ポリマー複合体を取り囲むか、又はそれによって取り囲まれている。
【0004】
米国特許出願公開第2012/0172761号は、医療デバイス用のガイドワイヤについて記載している。ガイドワイヤは、近位端部分及び遠位端部分を有するコアワイヤと、コアワイヤの周りに配設され、遠位端を有する細長い囲い板と、コアワイヤの遠位端部分及び囲い板の遠位端に連結され、遠位の非外傷性先端部分を有するプラグと、センサを受容するように構成された、コアワイヤと囲い板との間の内部とを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に説明される本発明の一実施形態は、ガイドワイヤを製造するための方法を提供し、方法は、解剖学的物質輸送系内で移動するようにサイズ決め及び形状決めされている、中実プロファイルを有するシャフト区分を提供することによって、位置センサを製造することを含む。ワイヤは、シャフト区分の軸の周囲に巻き付けられ、ワイヤの第1及び第2の端は、シャフト区分の外面上のそれぞれ第1及び第2のロケーションに連結される。ガイドワイヤシャフトが提供され、位置センサは、ガイドワイヤシャフトの遠位端に連結される。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法は、連続ワイヤからワイヤ区分を切断することによってワイヤを製造することを含む。他の実施形態では、シャフト区分を提供することは、シャフト区分を連続シャフトから切断することを含む。更に他の実施形態では、方法は、(i)軸に平行な方向に沿ってシャフト区分を移動させることと、(ii)軸を中心にシャフト区分を回転させることと、のうちの少なくとも1つを行うことによって、シャフト区分を移動させることを含む。
【0007】
一実施形態では、ワイヤを巻き付けることは、(i)第1の端を第1のロケーションに連結することと、(ii)シャフト区分を移動させることと、(iii)第2の端を第2のロケーションに連結することと、からなる動作シーケンスを含む。別の実施形態では、方法は、ワイヤを巻き付ける前に、シャフト区分の外面を電気絶縁性生体適合性材料でコーティングすることを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、電気絶縁性生体適合性材料は、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)を含む。他の実施形態では、解剖学的物質輸送系は、脈管系、耳鼻咽喉(Ear-Nose-Throat、ENT)系、及び神経系からなるリストから選択される解剖学的システムを含む。
【0009】
本発明の一実施形態によると、ガイドワイヤを製造するためのシステムが追加的に提供され、システムは、位置センサ及び一体化アセンブリを製造するためのサブシステムを含む。サブシステムは、(i)解剖学的物質輸送系内を移動するようにサイズ決め及び形状決めされているシャフト区分を、中実プロファイルを有する連続シャフトからシャフト区分を切断することによって製造するように構成されているカッターと、(ii)シャフト区分の軸の周囲にワイヤを巻き付け、かつワイヤの第1及び第2の端をシャフト区分の外面上のそれぞれ第1及び第2のロケーションに連結するように構成されている、ワイヤリングデバイスと、を備える。一体化アセンブリは、位置センサをガイドワイヤのガイドワイヤシャフトの遠位端に連結するように構成されている。
【0010】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮すると、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による、サイナプラスティ外科用システムの概略的な絵画図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、位置センサの概略的な絵画図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、位置センサを製造するためのシステムの概略的な絵画図である。
【
図4】本発明の実施形態による、位置センサを有するガイドワイヤを製造するための方法を概略的に例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概論
以下に説明される本発明の実施形態は、位置センサを備えるガイドワイヤを製造するための方法及びシステムを提供する。
【0013】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤを製造するためのシステムは、位置センサを製造するためのサブシステムと、一体化アセンブリと、を備える。いくつかの実施形態では、サブシステムは、カッターを備え、カッターは、中実プロファイルを有する円筒形シャフトから、本明細書ではシャフト区分と称される区分を切断するように構成されている。カッターは、シャフト区分が解剖学的物質輸送系、例えば、耳鼻咽喉(ENT)系又は脈管系内で移動するようにサイズ決め及び形状決めされるように、シャフトを切断するように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、サブシステムは、連続ワイヤから、第1及び第2の端を有する、本明細書ではワイヤ区分と称される区分を切断するように構成されている、ワイヤリングデバイスを更に備える。ワイヤリングデバイスは、シャフトの長手方向軸の周囲にワイヤ区分を巻き付け、かつワイヤ区分の第1及び第2の端をシャフト区分の外面上のそれぞれ第1及び第2の既定ロケーションに連結するように更に構成されている。本発明の文脈において、「長手方向軸」及び「軸」という用語は、互換的に使用され、シャフトの円形断面に直交する長手方向軸を指す。
【0015】
いくつかの実施形態では、サブシステムは、軸に平行に連続シャフトを移動させ、同時に軸を中心にシャフトを回転させるように構成された、運動アセンブリを更に備える。いくつかの実施形態では、運動アセンブリは、カッターがシャフト区分を連続シャフトから異なるロケーションで切断するように、シャフトを直線運動で移動させるように構成されている。運動アセンブリは、シャフトの軸の周囲にワイヤ区分を巻き付ける際にワイヤリングデバイスを補助するように、シャフトを回転運動で移動させるように更に構成されている。いくつかの実施形態では、一体化アセンブリは、ガイドワイヤの区分である、ガイドワイヤシャフトの遠位端に位置センサを連結するように構成されている。
【0016】
開示された技術は、ガイドワイヤの品質及び機能性を改善し、かつ完全自動化された大量製造(High Volume Manufacturing、HVM)技術を使用して高精度位置センサを製造することによって、それらの生産コストを低下させることを可能にする。
【0017】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、外科システム20を使用するサイナプラスティ手術の概略的な絵画図である。システム20はカテーテル28を備え、医師24は、患者22の1つ又は2つ以上の副鼻腔における感染など、耳鼻咽喉(ENT)の疾患を治療するために、このカテーテル28を患者22の鼻部26の中に挿入する。
【0018】
ここで、患者22のENT系の前側の解剖学的画像を示す挿入
図40を参照する。患者22のENT系は、前頭洞42と上顎洞46とを含んでいる。小孔44及び48は鼻部(図示せず)の空洞と副鼻腔42及び46との間をそれぞれ接続している。カテーテル28は、遠位端38を有するガイドワイヤ29を備えている。一実施形態では、遠位端38の先端は、ガイドワイヤ29の残りの末端区分55の末端に取り付けられた位置センサ56を備える。位置センサ56は、以下の
図2で詳細に説明されるように、単軸センサ(Single-Axis Sensor、SAS)として、又は多軸センサ、例えば、三軸センサ(Triple-Axes Sensor、TAS)として機能し得る。
【0019】
カテーテル28は膨張式バルーン50を更に備え、この膨張式バルーン50は、2つの状態、例えば、展開(膨張)状態と圧縮状態とに構成され得る。バルーン50が圧縮状態にあるとき、カテーテルは目標ロケーションへとナビゲートされ得る。バルーンは次いで、患者22のENT系における目標ロケーション(例えば、小孔44)にカテーテル28を係留するために、好適な流体(例えば食塩水)を用いて展開状態へと膨張される。
【0020】
カテーテル28はハンドル30を更に備え、ハンドル30はカテーテル28の近位端に配置される。ハンドル30は、ガイドワイヤ29のナビゲーション及びガイドワイヤ29に沿ったバルーン50の運動を制御するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、システム20は、テーブル31上に横になっている患者22の外部の既知の位置に配置されたロケーションパッド60を更に備え、パッド60は、フレーム66上に固定された磁場発生器64を備える。
図1に示される例示的な構成では、パッド60は、5つの磁場発生器64を備えるが、代替的に、任意の他の好適な数の磁場発生器64を備えてもよい。パッド60は、磁場発生器64が頭部41の外部の固定された既知の位置に位置するように、患者22の頭部41の下に配置された枕(図示せず)を更に備える。
【0022】
いくつかの実施形態では、システム20は、コンソール33を備え、コンソール33は、頭部41の周囲の空間内の既定の作業体積内に磁場を発生させるためにケーブル37を介して好適な信号で磁場発生器64を駆動するよう構成された駆動回路62を備える。いくつかの実施形態では、コンソール33は、プロセッサ34、典型的には汎用コンピュータを含み、これは、ケーブル32を介して、カテーテル28から信号を受信するための好適なフロントエンド及びインターフェース回路を含む。コンソール33は、入力デバイス39と表示装置36とを更に備え、表示装置36は、プロセッサ34から受信されたデータ(例えば、画像)又はユーザ(例えば、医師24)によって挿入された入力を表示するように構成されている。一実施形態では、位置センサ56の位置は、典型的には、システム20に備えられたカテーテル位置追跡システムの磁気位置検知によって測定される。
【0023】
この位置検知方法は、様々な医療用途において、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)により製造されているCARTO(商標)システムにおいて実施されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号及び同第2004/0068178(A1)号に詳述されており、これらの開示は全て、参照により本明細書に組み込まれている。
【0024】
サイナプラスティ手術の間、医師24は、副鼻腔42の中へとガイドワイヤ29の先端をナビゲートする。場合によっては、例えば、副鼻腔内の感染を治療するとき、医師が、例えば小孔44内でバルーン50を膨張させることによって、カテーテルの遠位先端を係留することが重要である。
【0025】
一実施形態では、バルーン50は、Acclarent Inc.(カタログ番号RSP0516MFS)によって製造されているサイナプラスティバルーンなどのように、16mm長であってよく、また5mmの直径を有してもよいが、他の寸法を有する更に他の任意の好適なバルーンが、開示される技法で使用されてもよい。
【0026】
場合によっては、ENT系の小孔44又は任意の他の部分は、ガイドワイヤ29が通過するために遮断又は狭められ得る。いくつかの実施形態では、バルーン50は、医師24がガイドワイヤを、例えば、副鼻腔42に案内することができるように、小孔44を拡張するように構成されている。
【0027】
ENT系の中に遠位端38を挿入した後、医師36は小孔44にバルーン50をナビゲートする。通常、バルーン50は位置センサを備えておらず、そうでなくても表示装置36上に撮像されないことに留意されたい。安全にかつ効率的に治療を実施するためには、小孔44内でバルーン50を正確に位置決めすることが重要である。例えば、鼻腔内で小孔44の手前にバルーン50を位置決めすると、医師が副鼻腔42内に末端区分55を係留できないことがあるのに対し、副鼻腔42内で小孔44より奥にバルーンを位置決めすると、医師がその中の感染を治療する妨げになり得る。
【0028】
図1の例では、バルーン50は、小孔44を拡張する、及び/又は副鼻腔42内に末端区分55を係留するために使用される。別の実施形態では、バルーン50の代わりに、任意の他の好適なデバイスが、開示する技法を用いて位置決めされ得る。そのようなデバイスは、例えば、末端区分を係留するための又は任意の他の診断若しくは治療を目的とした、代替的な係留デバイスを含んでもよい。例えば、バルーンは、肺静脈(Pulmonary Vein、PV)隔離術において肺静脈における心不整脈を治療するために使用されてもよい。他の用途では、上記で説明した技法を用いて、薬物分配デバイス又はステントがヒトの器官内の特定のロケーションにナビゲートされ得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、医師24が小孔44内でバルーン50を正確に位置決めすることを補助するように構成される。
図1は、簡潔性かつ明瞭性のため、開示技法に関連する要素のみを示す。システム20は、典型的に、開示技法に直接には関連せず、したがって
図1及び対応する説明から意図的に省略されている付加的なモジュール及び要素を備える。
【0030】
プロセッサ34は、システムによって使用される機能を実行するように、かつソフトウェアによって処理されるか、又は別様に使用されるデータをメモリ(図示せず)に記憶するように、ソフトウェアでプログラムされ得る。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でプロセッサにダウンロードされてもよく、又は光学的、磁気的、若しくは電子的メモリ媒体など、非一時的な有形媒体上に提供されてもよい。あるいは、プロセッサ34の機能の一部又は全ては、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、カテーテル28及びガイドワイヤ29は、限定されるものではないが、脈管系、ENT系、及び神経系などの様々な人体解剖学的システムに適用される医療処置に使用され得る。
【0032】
中実プロファイルを有するシャフトの周囲に巻き付けられたセンサコイル
図2は、本発明の一実施形態による、位置センサ76の概略的な絵画図である。位置センサ76は、例えば、上記の
図1の位置センサ56に取って代わることができ、SASとして、又は任意の他のタイプの位置センサとして機能し得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、位置センサ76は、脈管系又は上記の
図1に説明されるENT系システムなどの、患者22の解剖学的物質輸送系内で移動するようにサイズ決め及び形状決めされたシャフト70を備える。いくつかの実施形態では、シャフト70は、円形断面を有する円筒形状の中実プロファイルを有する。シャフト70は、典型的には、鋼(例えば、高導電性を提供する成形鋼又はフェライト粉末)から、又は任意の好適な生体適合性材料から作製される。いくつかの実施形態では、シャフト70は、長手方向軸84と、外面86と、シャフトの遠位端78と近位端82との間に画定される長さ77と、を有する。一実施形態では、シャフト70の表面86は、電気絶縁され、シャフト70上での導電性コイル80(以下に詳細に説明される)の滑りを防止する、Tefron(商標)又はポリカーボネート系コーティングとして公知のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの好適な電気絶縁生体適合性材料、又は任意の他の好適なコーティングでコーティングされる。PTFEコーティングは、以下に
図3及び
図4に説明されるように、シャフト70を受容する前に、又は位置センサ56の生産プロセス中に実施され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、位置センサ76は、銅ワイヤ又は任意の他の好適な導電性材料から作製された、導電性コイル80を備える。コイル80は、軸84の周囲に巻き付けられ、かつ生体適合性材料コーティング外面86に連結される。
図2の例では、コイル80の遠位及び近位端は、それぞれ、既定の連結ロケーション72及び74で生体適合性材料に連結(例えば、セメント結合、接着、はんだ付け)される。連結ロケーション72は、遠位端78から既定の距離に設定され、連結ロケーション74は、近位端82から既定の距離75に設定されることに留意されたい。
【0035】
いくつかの実施形態では、位置センサ76は、例えば、上記の
図1に示されるように、近位端82で、ガイドワイヤに連結される。
図1の例によると、位置センサ76は、ガイドワイヤ29の一区分である、本明細書ではガイドワイヤシャフトとも称される、端55に連結され得る(センサ56の代わりに)。シャフト70は、位置センサ76のコア要素として機能するが、これに対し、シャフト70から電気絶縁されたコイル80は、シャフト70の軸84の周囲に巻き付けられることに留意されたい。
【0036】
位置センサ76の構成は、例として提供され、任意の他の好適な構成もまた使用され得る。例えば、シャフト70は、非円形の断面形状を有してもよく、部分的又は完全に中空プロファイルを有するなど、任意の好適な内部構造を有してもよい。更に、位置センサ76は、多軸センサ(例えば、TAS)を形成するように任意の好適な構成で配置された複数のコイル(例えば、3つのコイル)を備えてもよい。
【0037】
ガイドワイヤの位置センサの製造
図3は、本発明の一実施形態による、位置センサ76を製造するためのシステム90の概略的な絵画図である。いくつかの実施形態では、システム90は、以下で詳細に説明されるように、位置センサを備えるガイドワイヤ29を製造するためのシステムのサブシステムとして機能する。
【0038】
いくつかの実施形態では、システム90は、複数のコイルを製造するために典型的に十分な長さである連続銅ワイヤ(図示せず)を収容する、ドラム形状のアセンブリ96を備える。いくつかの実施形態では、システム90は、連続シャフト100を直線運動及び回転運動で移動させるように構成された運動アセンブリ110を備える。いくつかの実施形態では、運動アセンブリ110は、1つ又は2つ以上のリニア及び回転モータと、運動コントローラ(図示せず)並びに運動コントローラに位置及び/又は速度フィードバックを提供するエンコーダのような運動制御機能を含み得る。他の実施形態では、運動アセンブリ110は、シャフト100の制御された運動を可能にする任意の他の好適な構成を含み得る。
【0039】
本発明の文脈において、所与の長手方向軸を参照すると、「直線運動」という用語は、長手方向軸に沿った又は長手方向軸に平行な直線運動を指し、「回転運動」という用語は、長手方向軸を中心とする円運動を指す。いくつかの実施形態では、直線及び回転運動は、それぞれの運動速度を有するように制御される。
【0040】
いくつかの実施形態では、直線運動は、シャフト100の長手方向軸106に平行である、矢印85によって示される方向に直線運動モータを使用して実行される。回転運動は、矢印87によって示され、軸106を中心に(時計回り及び/又は反時計回りに)シャフト100を回転させるように構成された1つ又は2つ以上の回転モータを使用して実行される。いくつかの実施形態では、運動アセンブリ110は、直線運動と回転運動とを同時に実行するように構成されている。代替的に、直線及び円形運動は、任意の好適なシーケンスを使用して、順次に実行される複数の運動工程に分割される。
【0041】
いくつかの実施形態では、システム90は、以下で説明されることになるシステム90の動作を制御するように、システム90及びシャフト100の複数の画像を取得するように構成された1つ又は2つ以上のカメラ(図示せず)を備える。複数の画像は、任意の好適なビデオエンコーディングプロトコルを使用してビデオシーケンスとしてフォーマットされ得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、システム90は、1つ又は2つ以上のカメラから複数の画像を受信し、かつ複数の画像に基づいて、運動アセンブリ110などのシステム90の複数のアセンブリ、及びアセンブリ96を制御するように構成されている、制御コンソール112を備える。
【0043】
いくつかの実施形態では、コンソール112は、プロセッサ120、典型的には汎用コンピュータを含み、これは、アセンブリ96及び110を制御し、かつそこからの信号を受信するために好適なフロントエンド及びインターフェース回路を有する。いくつかの実施形態では、プロセッサ120は、システム90によって使用される機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされ得、プロセッサは、ソフトウェアのためのデータをメモリ122内に記憶する。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを通じて電子形式でプロセッサ120にダウンロードされてもよく、又は、光学的、磁気的又は電子的メモリ媒体などの非一時的な有形媒体上に提供されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、コンソール112は、プロセッサ120から受信されたデータ及び画像、並びに/又はコンソール112の入力デバイス140を使用してオペレータ130によって提供される情報を表示するように構成されている、ディスプレイ134を備える。
【0045】
いくつかの実施形態では、アセンブリ96は、シャフト100から既定のロケーション又は長さ、例えば、既定のロケーション108及び88で、本明細書でシャフト区分と称される区分を切断するように構成されたカッター94を備える。カッター96は、ロケーション108及び88間の距離が、上記の
図2に説明されるシャフト70の長さ77と実質的に同様であるように、プロセッサ120によって制御されることに留意されたい。いくつかの実施形態では、ロケーション88及び108は、シャフト100の外面上にマークされてもよく、それにより、カメラのうちの少なくとも1つが、マークされたロケーションの画像を取得してプロセッサ120に送信し得る。他の実施形態では、カッター94は、運動アセンブリ110の運動コントローラなどの別のコントローラ(図示せず)によって制御されてもよい。これらの実施形態では、運動コントローラは、例えば、好適なコマンドを使用して、アセンブリ110のエンコーダからの入力に基づいてシャフト区分を切断するように、カッター94に信号を送り得る。これらの実施形態では、カメラは、システム90の構成から省略されてもよく、この場合、シャフト100上にロケーション88及び108をマークする必要はない。
【0046】
いくつかの実施形態では、プロセッサ120は、例えば、カメラから、又は運動コントローラから、ロケーション88がカッター94と整列されていることを示す信号を受信し得、かつロケーション88でシャフト100を切断するようにカッター94に信号を送り得る。プロセッサ120は、切断動作中にシャフト100の運動を停止し、かつカッター94がシャフト100の切断動作を完了した後に運動を再開するように更に構成されている。
【0047】
いくつかの実施形態では、システム90は、1つ又は2つ以上のPTFE層でシャフト100をコーティングするように構成されたコーティングデバイス(図示せず)を備え得る。コーティングデバイスは、アセンブリ96又はシステム90のモジュールに一体化され得、コンソール112に接続されてそれによって制御される。代替的な実施形態では、シャフト100は、システム90に挿入される前にコーティングされ得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、アセンブリ96は、本明細書でワイヤ区分と称される、連続ワイヤの区分を切断し、かつシャフト100から切断されたそれぞれのシャフト区分の外面の周囲に各ワイヤ区分を巻き付けるように構成されたワイヤリングデバイス98を備える。ワイヤリングデバイス98は、上記の
図2に図示されるシャフト70の連結ロケーション72及び74に対応する、連結ロケーション102及び104でワイヤ区分の端をシャフト100に連結するように更に構成されている。いくつかの実施形態では、ワイヤリングデバイス98は、好適な生体適合性接着剤を分注することによって、又ははんだ付けによって、又は任意の他の好適な連結技術を使用することによって、シャフト100の外面にワイヤ区分の端を連結し得る。
【0049】
これらの実施形態では、プロセッサ120は、運動アセンブリ110から、及び/又はカメラから、ロケーション102及び104に対するワイヤリングデバイス98の位置を示す信号を受信し、かつ受信した信号に基づいて、上記のようにワイヤリングデバイス98の動作を起動及び停止するように構成されている。
【0050】
例えば、コイル80の第1の端をロケーション72で連結した後、プロセッサ120は、シャフト100の周囲に連続ワイヤを巻き付けるために、シャフト100を矢印85及び87によってマークされた直線及び回転運動で移動させるように運動アセンブリに信号を送る。位置104がワイヤリングデバイス98と整列されたとき、プロセッサ120は、移動しているシャフト100を停止させるように運動アセンブリ110に信号を送り、かつコイル80を形成し、シャフト100の外面にコイル80のそれぞれの端をロケーション104で連結するために、連続ワイヤを切断するようにワイヤリングデバイス98に更に信号を送る。一実施形態では、プロセッサ120は、ロケーション104での連結動作が完了したことを示す信号(例えば、カメラからの)を受信し得、その後、上記のように、シャフト100の直線(及び任意選択的に回転)運動を再開するように運動アセンブリ110に信号を送り得る。
【0051】
一実施形態では、回転運動は、システム90がシャフト100の周囲にワイヤを巻き付けるときのみ、適用され得る。代替的な実施形態では、回転運動もまた、シャフト100を切断する際にカッター94を補助するために使用され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、システム90は、位置センサ76をガイドワイヤ29の端区分55に連結するように構成されている、一体化アセンブリ(図示せず)を備え得る。
【0053】
システム90のこの特定の構成は、本発明の実施形態によって対処される特定の問題を例示するため、及びこうした位置追跡システムの性能を向上させることにおけるこれらの実施形態の適用を実証するため、例として示される。しかしながら、本発明の実施形態は、この特定の種類の例示的なシステムに決して限定されるものではなく、本明細書に記載される原理は、他の種類の生産システムにも同様に適用され得る。例えば、シャフト100は、静止位置に保持されてもよく、システム90が、シャフト100に対して移動されてもよい。代替的に、システム90は、上記のシャフト100とシステム90のアセンブリとの間の相対運動を可能にするために、任意の他の好適な技術を適用してもよい。
【0054】
図4は、本発明の実施形態による、位置センサ76を有するガイドワイヤ29を製造するための方法を概略的に例示するフローチャートである。方法は、シャフト100をPTFE、又は任意の他の好適な生体適合性電気絶縁材料でコーティングすることから始まる。シャフト100のコーティングは、位置センサ76の生産中にシステム90によって、又はシャフト100をシステム90に挿入する前に任意の他の好適なシステムによって、実行され得ることに留意されたい。シャフト100が予めコーティングされている場合、方法は、シャフト移動工程200において、シャフト100をその長手方向軸106に平行に移動させ、同時に軸106を中心にシャフト100を回転させることで始まり得る。上記のように、直線及び回転運動は、同時に、又は任意の他の好適なシーケンスを使用する工程で実行されてもよい。上記の
図3に説明されるように、シャフト移動工程200は、コーティングがシステム90によって実施される場合に、シャフト100をPTFEでコーティングすることを更に含み得る。コーティングは、シャフト100を移動させ、かつシャフト100の外面の周囲にPTFEを巻き付けることによって、又は任意の他の好適なコーティング技術を使用して実施され得る。
【0055】
第1のシャフト切断工程202において、カッター94は、シャフト100を既定のロケーション108で切断する。一実施形態では、シャフト100を切断する前に、プロセッサ120は、移動しているシャフト100を停止し、かつロケーション108での切断を終えた後、シャフトの直線及び回転運動を再開するように運動アセンブリ110に信号を送り得る。代替的な実施形態では、シャフト100の切断は、シャフト100の運動を中断せずに実行されてもよい。例えば、回転運動は、シャフト100を切断する際にカッター94を補助し得るが、これに対して直線運動は、シャフト切断工程202中に中断されてもよい。
【0056】
ワイヤ端連結工程204において、ワイヤリングデバイス98は、連続ワイヤから、ワイヤ区分の第1の端を切断し、第1の端を連結ロケーション102に連結する。いくつかの実施形態では、プロセッサ120は、ワイヤの端を連結ロケーション102に連結することを可能にするために、移動しているシャフト100を停止するように運動アセンブリ110にコマンドを送り得る。ワイヤの端をロケーション102に連結した後、プロセッサ120は、シャフト100の直線及び回転運動を再開するように運動アセンブリ110に信号を送り得る。
【0057】
巻き付け工程206において、運動アセンブリ110は、シャフト100を軸106に平行に移動させ、同時に軸106を中心にシャフト100を回転させる。同時に、ワイヤリングデバイス98は、シャフト100の外面の周囲にワイヤ区分を巻き付ける。その後、ワイヤリングデバイス98は、第2の端でワイヤ区分を切断し、かつワイヤ区分の第2の端を連結ロケーション104に連結して、シャフトの周囲のコイル80の巻き付けを完了させる。プロセッサ120は、移動するシャフト100を停止させて、ワイヤ区分の第2の端の連結ロケーション104への連結を可能にし、かつ連結終了後、シャフト100の直線及び回転運動を再開するように、運動アセンブリ110に信号を送り得る。
【0058】
第2のシャフト切断工程208において、カッター94は、シャフト100を既定のロケーション88で切断し、それによって、上記の
図2のシャフト70と実質的に同一である、シャフト区分を形成する。上記の工程202に図示されるように、プロセッサ120は、工程208を実行するために、移動しているシャフト100を停止させるように運動アセンブリ110に信号を送り得る。
【0059】
シャフト切断工程208は、1つの位置センサ76の形成を終了させる。方法は、第2の位置センサ76を製造するために移動工程200にループバックし得る。ステップ200~208は、単一位置センサを製造するように設計されていることに留意されたい。
図4の方法は、高精度で位置センサの大量製造(HVM)を可能にする。
【0060】
方法を終結させる区分連結工程210において、シャフト区分の第1の端(例えば、位置センサ76の近位端82)は、ガイドワイヤ29の遠位端に連結されて、ガイドワイヤに連結された位置センサ76を有するガイドワイヤの形成を完了させる。代替的な実施形態では、位置センサ76の遠位端78が、ガイドワイヤ29の遠位端に連結されてもよいことが理解されるであろう。区分連結工程210は、システム90内で実行されてもよく、又は代替的に、連結工程210を実行するように構成された別個の一体化アセンブリ(図示せず)を使用して実行されてもよい。
【0061】
他の実施形態では、方法は、位置センサ76の形成に限定されてもよく、それゆえに、シャフト切断工程208の終了後に終結してもよい。これらの実施形態では、位置センサ76のガイドワイヤ29への連結は、例えば、連結工程210で説明される別の方法を使用して、又は任意の他の好適な連結技術を使用して、実行されてもよい。
【0062】
本明細書に説明される実施形態は、主にガイドワイヤに連結された単軸位置センサを扱うが、本明細書に説明される方法及びシステムはまた、TASが上記のSASの代わりに、又はSASに加えて適用され得る、三次元ナビゲーションを必要とする用途などの、他の用途にも使用され得る。
【0063】
上に述べた実施形態は例として挙げたものであり、本発明は上記に具体的に示し、説明したものに限定されない点は理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上述の様々な特徴の組み合わせ及びその一部の組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者により想到されるであろう、また従来技術において開示されていないそれらの変形及び修正を含むものである。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の一部とみなすものとする。
【0064】
〔実施の態様〕
(1) ガイドワイヤを製造するための方法であって、
位置センサを製造することであって、
解剖学的物質輸送系内で移動するようにサイズ決め及び形状決めされている、中実プロファイルを有するシャフト区分を提供することと、
前記シャフト区分の軸の周囲にワイヤを巻き付け、前記ワイヤの第1及び第2の端を前記シャフト区分の外面上のそれぞれ第1及び第2のロケーションに連結することと、によって製造することと、
ガイドワイヤシャフトを提供し、かつ前記位置センサを前記ガイドワイヤシャフトの遠位端に連結することと、を含む、方法。
(2) 連続ワイヤからワイヤ区分を切断することによって前記ワイヤを製造することを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記シャフト区分を提供することが、前記シャフト区分を連続シャフトから切断することを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) (i)前記軸に平行な方向に沿って前記シャフト区分を移動させることと、(ii)前記軸を中心に前記シャフト区分を回転させることと、のうちの少なくとも1つを行うことによって、前記シャフト区分を移動させることを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記ワイヤを巻き付けることが、(i)前記第1の端を前記第1のロケーションに連結することと、(ii)前記シャフト区分を移動させることと、(iii)前記第2の端を前記第2のロケーションに連結することと、からなる動作シーケンスを含む、実施態様4に記載の方法。
【0065】
(6) 前記ワイヤを巻き付ける前に、前記シャフト区分の前記外面を電気絶縁性生体適合性材料でコーティングすることを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記電気絶縁性生体適合性材料が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記解剖学的物質輸送系が、脈管系、耳鼻咽喉(ENT)系、及び神経系からなるリストから選択される解剖学的システムを含む、実施態様1に記載の方法。
(9) ガイドワイヤを製造するためのシステムであって、
位置センサを製造するためのサブシステムであって、
解剖学的物質輸送系内を移動するようにサイズ決め及び形状決めされているシャフト区分を、中実プロファイルを有する連続シャフトから前記シャフト区分を切断することによって製造するように構成されているカッターと、
前記シャフト区分の軸の周囲にワイヤを巻き付け、かつ前記ワイヤの第1及び第2の端を前記シャフト区分の外面上のそれぞれ第1及び第2のロケーションに連結するように構成されている、ワイヤリングデバイスと、を備える、サブシステムと、
前記位置センサを前記ガイドワイヤのガイドワイヤシャフトの遠位端に連結するように構成されている、一体化アセンブリと、を備える、システム。
(10) 前記ワイヤリングデバイスが、連続ワイヤからワイヤ区分を切断することによって前記ワイヤを製造するように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
【0066】
(11) (i)前記軸に平行な方向に沿って前記シャフト区分を移動させることと、(ii)前記軸を中心に前記シャフト区分を回転させることと、のうちの少なくとも1つを行うことによって、前記シャフト区分を移動させるように構成されている、運動アセンブリを備える、実施態様9に記載のシステム。
(12) 前記ワイヤリングデバイス及び前記運動アセンブリが、(i)前記第1の端を前記第1のロケーションに連結するように構成されている、前記ワイヤリングデバイスを適用することと、(ii)前記シャフト区分を移動させるように構成されている、前記運動アセンブリを適用することと、(iii)前記第2の端を前記第2のロケーションに連結するように構成されている、前記ワイヤリングデバイスを適用することと、からなる動作シーケンスを使用して前記ワイヤを巻き付けるように構成されている、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記シャフト区分の前記外面を電気絶縁性生体適合性材料でコーティングするように構成されている、コーティングデバイスを備える、実施態様9に記載のシステム。
(14) 前記電気絶縁性生体適合性材料が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、実施態様13に記載のシステム。
(15) 前記解剖学的物質輸送系が、脈管系、耳鼻咽喉(ENT)系、及び神経系からなるリストから選択される解剖学的システムを含む、実施態様9に記載のシステム。
【外国語明細書】