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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011885
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】イントロン保持の減少
(51)【国際特許分類】
   A61K 48/00 20060101AFI20230117BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20230117BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20230117BHJP
   A61K 47/69 20170101ALI20230117BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20230117BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20230117BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20230117BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20230117BHJP
   C12N 15/17 20060101ALI20230117BHJP
   C12N 15/85 20060101ALI20230117BHJP
   C12N 15/10 20060101ALI20230117BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230117BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20230117BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALI20230117BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20230117BHJP
【FI】
A61K48/00
A61P3/10 ZNA
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K31/7088
A61K9/14
A61K47/69
A61K47/42
A61K31/712
A61K31/7125
C12N15/113 Z
C12N15/17
C12N15/85 Z
C12N15/10 100Z
C12N15/63 Z
C12Q1/6813 Z
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6869 Z
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022178219
(22)【出願日】2022-11-07
(62)【分割の表示】P 2020131686の分割
【原出願日】2015-06-16
(31)【優先権主張番号】1410693.4
(32)【優先日】2014-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】304032273
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・サザンプトン
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ヴォアチョフスキー,イゴール
(72)【発明者】
【氏名】クラロヴィコヴァ,ヤナ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対象において、タンパク質の全長機能型の産生低下を特徴とする疾患又は病態を治療するため、あるいは不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を治療するための方法及び組成物を提供する。
【解決手段】部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプロセシングを誘導し、保持されたイントロンを除去して、タンパク質の全長機能型をコードする完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生するための方法、組成物、ポリ核酸ポリマー、アッセイ、及びキットを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における疾患の予防方法又は治療方法であって、成熟遺伝子転写産物中のイントロン保持の是正を含み、該疾患は、該遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因する不完全なタンパク質発現によって誘発される、前記方法。
【請求項2】
イントロン保持の是正が、該遺伝子転写産物とハイブリダイズするように配列されたポリ核酸ポリマーを投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
イントロン保持の是正が、該遺伝子転写産物とハイブリダイズするように配列され、そして標準(ステムループ)、非標準(G4重鎖)RNA構造の配座転移;トランス作用因子との相互作用;及びRNA-タンパク質複合体の形成速度のうち1以上に干渉するように配列されたポリ核酸ポリマーを投与することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ポリ核酸ポリマーが、イントロン・スプライシング調節配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対するアンチセンスである、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号46若しくは配列番号46と少なくとも95%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対するアンチセンスである、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号3若しくは配列番号3と少なくとも95%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対するアンチセンスである、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対するアンチセンスである、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号47~434又はこれらの組合せを含む配列群のいずれかに対して少なくとも95%の同一性を有する配列に対して相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対するアンチセンスである、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り;そしてウラシルヌクレオチドがチミンヌクレオチドで置換されていてもよい、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号47~434又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含
むか又はそれから成り;そしてウラシルヌクレオチドがチミンヌクレオチドで置換されていてもよい、請求項1~4、又は8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
ポリ核酸ポリマーの長さが約10~約30ヌクレオチドである、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ポリ核酸ポリマーがその安定性を高めるように修飾される、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
ポリ核酸ポリマーがタンパク質又はアプタマーに繋がっており、該タンパク質は、スプライシングとイントロン除去を増強、阻害、又は調節するためのスプライシング因子である、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ポリ核酸ポリマーが、該ポリ核酸ポリマーを細胞又は組織に及び/又はそれらの中に送達するのに適した送達担体にコンジュゲートしているか又は結合している、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
遺伝子転写産物がプロインスリンをコードする、請求項1~7、9、又は11~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
遺伝子転写産物が、ABCD4;ABCF3;ACADVL;ALKBH6;AP1G2;APEX1;ARFRP1;ATHL1;ATP1A3;ATP5D;ATP13A1;BAX;BDH2;BRD2;C1orf63;C1orf630;C1orf631;C1orf124;C2orf49;C8orf82;C16orf59;CAPRIN2;CASKIN2;CDCA7;CEP164;CEP170;CLCN7;CPNE1;CPSF3L;DCXR;DENND4B;DFFA;DIS3L2;DNAJB12;DPF1;DRG2;DSN1;EML3;EWSR1;EWSR10;FGFR4;FTSJ1;GBAP1;GMPPA;GMPR2;GNPTG;GORASP1;GPATCH4;HGS;HMG20B;IFFO1ISYNA1;KRI1;LOC148413;LZTR1;MAN2C1;MAP4K2;MCOLN1;MDP1;MIB2;MITD1;MOK;MOV10;MRPL35;MTMR11;MUS81;NAPEPLD;NBEAL2;NDRG4;NDUFB10;NFATC4;NFKBIB;NIT1;NKTR;NPRL2;NSUN5P1;NUDT22;PAN2;PDDC1;PDLIM4;PHF1;PIK3CD;PITPNM1;PPIL2;PPP1R35;PPP4C;PQLC2;PRPF39;PSME2;PTPMT1;QARS;RAD52;RHOT2;RMND5B;RNF123;RPL10A;RPP21;RPS6KB2;RUSC1;SCRN2;SCYL1;SFR1;SGSM3;SIRT7;SLC25A3;SLC30A7;SLC37A4;STK19;STX10;TCF25;TOMM40;TP53I3;TRIM41;TRPT1;TSTA3;TTC14;TTC140;TUBGCP6;U2AF1L4;UCK1;UNC45A;VAMP1;VAMP10;VARS;VPS28;WDR24;WDR90;WRAP53;YDJC;YIPF3;ZCCHC8;ZCCHC18;ZFAND1;ZNF131;ZNF300;ZNF317;ZNF692;ZNF711;ZNRD1;ZWINT;又はこれらの組合せを含む遺伝子又はORFのいずれかから選択される遺伝子又はORFより転写される、請求項1~4、8、又は10~14のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
疾患が糖尿病である、請求項1~7、9、又は10~15のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
疾患が癌である、請求項1~4、8、又は10~14、又は16のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
疾患病理が遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因するかどうかを治療に先立って決定する工程をさらに含む、請求項1~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
細胞内でイントロン・スプライシングを調節する方法であって、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含み、該領域は、配列番号46又は配列番号46に対して少なくとも95%の同一性を有する領域を含むか又はそれから成る、前記方法。
【請求項21】
細胞内でイントロン・スプライシングを調節する方法であって、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含み、該領域は、配列番号3又は配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有する領域を含むか又はそれから成る、前記方法。
【請求項22】
細胞内でイントロン・スプライシングを調節する方法であって、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含み、該領域は、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも95%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれか成る、前記方法。
【請求項23】
配列番号46を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域、あるいは配列番号46に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスである、ポリ核酸ポリマー。
【請求項24】
配列番号3を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域、あるいは配列番号3に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスである、ポリ核酸ポリマー。
【請求項25】
ポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであるポリ核酸ポリマーであって、該領域は、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに相補的な配列を含むか又はそれから成るか;あるいは任意選択的に、配列番号47~434に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域である、前記ポリ核酸ポリマー。
【請求項26】
配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り;ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい、ポリ核酸ポリマー。
【請求項27】
配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り;ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい、ポリ核酸ポリマー。
【請求項28】
ポリ核酸ポリマーを細胞に送達するのに適した送達担体にコンジュゲートしているか又は結合している、請求項23~27のいずれかに記載のポリ核酸ポリマー。
【請求項29】
請求項23~27のいずれかに記載のポリ核酸ポリマーを含むベクター。
【請求項30】
請求項23~27のいずれかに記載のポリ核酸ポリマーを含むか又はそれに結合している送達担体。
【請求項31】
請求項23~28のいずれかに記載のポリ核酸ポリマー、又は請求項29に記載のベクター、又は請求項30に記載の送達担体を含む組成物。
【請求項32】
追加の生物学的に活性な分子をさらに含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
治療対象を選択する方法であって、遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因する不完全なタンパク質発現によって誘発される疾患を該対象が有するかどうかを決定し、ここで、対象は、陽性確定時に、請求項23~28のいずれかに記載のポリ核酸ポリマー、又は請求項29に記載のベクター、又は請求項30に記載の送達担体、又は請求項31若しくは32に記載の組成物による治療のために選択される;そして任意に対象を治療する、ことを含む、前記方法。
【請求項34】
癌細胞においてイントロン保持を是正することによって遺伝子発現を正常化するための、アンチセンスポリ核酸ポリマーの使用。
【請求項35】
遺伝子転写産物がイントロン・スプライシング調節配列である、請求項1~34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
イントロン・スプライシング調節配列が2つのG4重鎖の間にある、請求項1~35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
イントロン・スプライシング調節配列が第1のCCCモチーフを含む、請求項1~36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
イントロン・スプライシング調節配列が第2のCCCモチーフをさらに含む、請求項37の方法。
【請求項39】
イントロン・スプライシング調節配列が、CCCAGモチーフ又はAGGCCモチーフをさらに含む、請求項1~38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
イントロン・スプライシング調節配列がG4重鎖を形成しない、請求項1~39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
ポリ核酸ポリマーが遺伝子転写産物と特異的にハイブリダイズする、請求項1~40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該標的配列は2つのG4重鎖の間にあり、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
【請求項43】
ポリ核酸ポリマーが、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の保持されたイン
トロンにハイブリダイズする、請求項42の医薬組成物。
【請求項44】
あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズし、該イントロン・スプライシング調節配列は、第1のCCCモチーフを含み、そして該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
【請求項45】
イントロン・スプライシング調節配列が第2のCCCモチーフをさらに含む、請求項44の医薬組成物。
【請求項46】
第1のCCCモチーフが第2のCCCモチーフ由来の約3以上のヌクレオチド塩基である、請求項45の医薬組成物。
【請求項47】
ポリ核酸ポリマーが、CCCAGモチーフ又はAGGCCモチーフを含むイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズする、請求項42~46のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項48】
あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフはG4重鎖を形成せず、そして該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
【請求項49】
ポリ核酸ポリマーが、ピリジンヌクレオチドを3’末端位及び/又は5’末端位に含む、請求項42~48のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項50】
ポリ核酸ポリマーが、2つの連続したピリジン残基を3’末端位及び/又は5’末端位に含む、請求項42~49のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項51】
あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフはヘアピン構造を形成し、そして該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
【請求項52】
あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導する;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
【請求項53】
ポリ核酸ポリマーが、ヘアピン構造を不安定にすることがさらに可能である、請求項51の医薬組成物。
【請求項54】
送達担体が、細胞浸透ペプチド又はペプチドベースのナノ粒子を含む、請求項42~53のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項55】
送達担体が、ポリ核酸ポリマーとイオン結合によって複合体を形成している、請求項42~54のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項56】
ポリ核酸ポリマーの長さが、約10~約50、約10~約45、約10~約40、約10~約30、約10~約25、又は約10~約20ヌクレオチドである、請求項42~55のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項57】
ポリ核酸ポリマーの配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%相補的である、請求項42~56のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項58】
ポリ核酸ポリマーの配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して4以下、3以下、2以下、又は1以下のミスマッチを有する、請求項42~57のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項59】
ポリ核酸ポリマーが、ヌクレオシド部分又はリン酸部分で修飾される、請求項42~58のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項60】
ポリ核酸ポリマーが、1以上の人工ヌクレオチド塩基を含む、請求項42~59のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項61】
1以上の人工ヌクレオチド塩基が、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)で修飾された、ロック核酸(LNA)、エチレン核酸(ENA)、ペプチド核酸(PNA)、1’,5’-アンヒドロへキシトール核酸(HNA)、モルホリノ、メチルホスホネート ヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、又は2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイトを含む、請求項59又は60の医薬組成物。
【請求項62】
ポリ核酸ポリマーが、該ポリ核酸ポリマーのヌクレオシド部分のリボース部分の2’ヒドロキシル基で修飾される、請求項61の医薬組成物。
【請求項63】
2’ヒドロキシル基の修飾が、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)部分による、請求項62の医薬組成物
【請求項64】
リボース部分の2’ヒドロキシル基にメチル基を付加して2’-O-メチルリボース部分を産生する、請求項63の医薬組成物。
【請求項65】
リボース部分の2’ヒドロキシル基にメトキシエチル基を付加して2’-O-メトキシエチルリボース部分を産生する、請求項63の医薬組成物。
【請求項66】
2’ヒドロキシル基の修飾が、メチレン基によって4’炭素に連結される、請求項63の医薬組成物。
【請求項67】
リボース環を6員モルホリノ環で置換してモルホリノ人工ヌクレオチド類似体を産生する、請求項59~61のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項68】
リン酸骨格をオリゴグリシン様部分で置換してペプチド核酸(PNA)を産生する、請求項59~61のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項69】
リン酸骨格をチオール基又はメチル基によって修飾する、請求項59~61のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項70】
5’末端、3’末端、又はこれらの組合せが修飾される、請求項59~69のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項71】
修飾によってポリ核酸ポリマーを対象の内因性エンドヌクレアーゼから保護する、請求項59~70のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項72】
修飾されたポリ核酸ポリマーが、RNAのRNアーゼH切断を誘導しないか又はその誘導能が低下している、請求項59~71のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項73】
ポリ核酸ポリマーが、その安定性を高めるために修飾される、請求項59~72のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項74】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号46の少なくとも13の連続した塩基に対して少なくとも80%、85%、90%、又は95%の配列同一性を含むか又は100%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、請求項42~73のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項75】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号46の少なくとも10の連続した塩基を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、請求項42~73のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項76】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号18、配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、配列番号33、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列に対して少なくとも63%、70%、80%、90%、又は95%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、請求項42~73のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項77】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号3に対して少なくとも55%、60%、70%、80%、90%、又は95%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、請求項42~73のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項78】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号34、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号40、配列番号41、配列番号43、及び配列番号44、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列に対して少なくとも63%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%の配列同一性を含み、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい、請求項42~73のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項79】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号1、配列番号2、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列に対して少なくとも55%、60%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%の配列同一性を含み、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい、請求項42~73のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項80】
ポリ核酸ポリマーが、配列番号47~434、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列の少なくとも13の連続した塩基に対して少なくとも80%、85%、90%、又は95%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、請求項42~73のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項81】
ハイブリダイゼーションが特異的なハイブリダイゼーションである、請求項42~80のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項82】
ポリ核酸ポリマーが、合成されたポリ核酸ポリマーである、請求項42~81のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項83】
ポリ核酸ポリマーを含む医薬組成物が、静脈内投与又は皮下投与用である、請求項42~82のいずれか1項の医薬組成物。
【請求項84】
請求項42~83の医薬組成物を患者に投与することを含む、それを必要とする患者において疾患又は病態の治療に使用するための組成物。
【請求項85】
疾患又は病態が、あるタンパク質の産生低下に関連するか又は不完全なスプライシングを特徴とする、請求項84の使用のための組成物。
【請求項86】
疾患又は病態が遺伝性疾患である、請求項84又は85の使用のための組成物。
【請求項87】
遺伝性疾患のある対象が、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する、請求項86の使用のための組成物。
【請求項88】
遺伝性疾患のある対象が、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する、請求項86の使用のための組成物。
【請求項89】
遺伝性疾患のある対象が、タンパク質の全長機能型を産生することが不可能な、遺伝子の欠陥コピーを含むゲノムを有する、請求項86の使用のための組成物。
【請求項90】
疾患又は病態が糖尿病である、請求項84~89のいずれか1項の使用のための組成物
【請求項91】
疾患又は病態が癌である、請求項84~89のいずれか1項の使用のための組成物。
【請求項92】
タンパク質の産生低下に関連した疾患又は病態の治療対象を選択することをさらに含み、
a)該対象が、あるタンパク質の産生低下に関連した疾患又は病態を有するかどうかを決定し;そして
b)該対象が、該タンパク質の産生低下に関連した疾患又は病態を有する場合、請求項42~83の医薬組成物を該対象に投与する、
ことを含む、請求項84~91のいずれか1項の使用のための組成物。
【請求項93】
不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態の治療対象を選択することをさらに含み、
a)該対象が、不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を有するかどうかを決定し;そして
b)該対象が、不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を有する場合、請求項42~83の医薬組成物を該対象に投与する、
ことを含む、請求項84~91のいずれか1項の使用のための組成物。
【請求項94】
それを必要とする対象において、タンパク質の全長機能型の産生低下を特徴とする疾患又は病態を治療する方法であって:
a)部分的にプロセシングされたmRNA転写産物中のイントロンのスプライシングアウトの増加を誘導する治療薬剤、並びに医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含む医薬組成物を該対象に投与すること、ここで、該対象は、該タンパク質の全長機能型のコピーをコード可能で、そのそれぞれが部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の翻訳を阻害する少なくとも1つの保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールを有する;及び
b)該対象の標的細胞を治療薬剤と接触させて、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールの一部を誘導し、スプライシングを受けて、該一部中の部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のそれぞれから少なくとも1つの保持されたイントロンを除去し、完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生すること、ここで、完全にプロセシングされたmRNA転写産物は、翻訳されて該タンパク質の全長機能型のコピーを発現し、それが該疾患又は病態を治療する、
を含む、前記方法。
【請求項95】
治療薬剤が該細胞内で1以上のスプライシングタンパク質複合体の活性化を引き起こし、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールの一部中の部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のそれぞれから少なくとも1つの保持されたイントロンを除去する、請求項94の方法。
【請求項96】
治療薬剤が、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を阻害する、請求項94又は95の方法。
【請求項97】
治療薬剤が、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を活性化する、請求項94~96のいずれか1項の方法。
【請求項98】
治療薬剤が、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質に結合する、請求項94~97のいずれか1項の方法。
【請求項99】
治療薬剤が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的ポリヌクレオチド配列に結合する、請求項94~98のいずれか1項の方法。
【請求項100】
治療薬剤がポリ核酸ポリマーである、請求項94~99のいずれか1項の方法。
【請求項101】
治療薬剤が低分子である、請求項94~100のいずれか1項の方法。
【請求項102】
医薬組成物が請求項42~83の医薬組成物である、請求項94~101のいずれか1項の方法。
【請求項103】
該タンパク質の全長機能型の産生低下が、該タンパク質の全長機能型の正常以下の産生を含む、請求項94~102のいずれか1項の方法。
【請求項104】
該タンパク質の全長機能型の産生低下が、該タンパク質の全長機能型の発現のないことによるか、又は該疾患若しくは病態を引き起こすほどに十分低い該タンパク質の全長機能型の発現レベルによる、請求項94~103のいずれか1項の方法。
【請求項105】
該タンパク質の全長機能型の産生低下が、該タンパク質の産生がないか又は該タンパク質の不完全型の産生を含む、請求項94~104のいずれか1項の方法。
【請求項106】
該タンパク質の不完全型が、該タンパク質の短鎖型、該タンパク質のミスフォールディング型、又は該タンパク質の標的結合異常型である、請求項105の方法。
【請求項107】
対象を治療することが、該タンパク質の全長機能型の発現増加をもたらす、請求項94~106のいずれか1項の方法。
【請求項108】
部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプロセシングを誘導して、保持されたイントロンを除去し、タンパク質の全長機能型をコードする完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生する方法であって:
a)単離されたポリ核酸ポリマーを、該タンパク質の全長機能型をコード可能で、少なくとも1つの保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物にハイブリダイズさせ;
b)少なくとも1つの保持されたイントロンを、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物から除去し、該タンパク質の全長機能型をコードする、完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生し;そして
c)完全にプロセシングされたmRNA転写産物から該タンパク質の全長機能型を翻訳する、
ことを含む、前記方法。
【請求項109】
それを必要とする対象に、単離されたポリ核酸ポリマーを含む医薬組成物を投与することをさらに含む、請求項108の方法。
【請求項110】
該タンパク質の全長機能型の産生低下が、疾患又は病態に相関している、請求項108又は109の方法。
【請求項111】
疾患又は病態が遺伝性疾患である、請求項108~110のいずれか1項の方法。
【請求項112】
遺伝性疾患のある対象が、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する、請求項108~111のいずれか1項の方法。
【請求項113】
遺伝性疾患のある対象が、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する、請求項108~111のいずれか1項の方法。
【請求項114】
遺伝性疾患のある対象が、タンパク質の全長機能型を産生することが不可能な、遺伝子の欠陥コピーを含むゲノムを有する、請求項108~111のいずれか1項の方法。
【請求項115】
疾患又は病態が糖尿病である、請求項108~114のいずれか1項の方法。
【請求項116】
疾患又は病態が癌である、請求項108~114のいずれか1項の方法。
【請求項117】
ポリ核酸ポリマーがアンチセンス配列である、請求項108~116のいずれか1項の方法。
【請求項118】
アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の保持されたイントロンにハイブリダイズする、請求項108~117のいずれか1項の方法。
【請求項119】
アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズする、請求項108~118のいずれか1項の方法。
【請求項120】
イントロン・スプライシング調節配列がCCCモチーフを含む、請求項119の方法。
【請求項121】
アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフは、G4重鎖を形成しない、請求項108~120のいずれか1項の方法。
【請求項122】
アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフは、2つのG4重鎖の間にある、請求項108~121のいずれか1項の方法。
【請求項123】
アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフは、第1のCCCモチーフと第2のCCCモチーフを有する、請求項108~122のいずれか1項の方法。
【請求項124】
第1のCCCモチーフが、第2のCCCモチーフ由来の約3以上のヌクレオチド塩基である、請求項123の方法。
【請求項125】
ポリ核酸ポリマーの配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%相補的である、請求項101~124のいずれか1項の方法。
【請求項126】
ポリ核酸ポリマーの配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して4以下、3以下、2以下、又は1以下のミスマッチを有する、請求項108~125のいずれか1項の方法。
【請求項127】
ポリ核酸ポリマーの長さが、約10~約50、約10~約45、約10~約40、約10~約30、約10~約25、又は約10~約20ヌクレオチドである、請求項108~126のいずれか1項の方法。
【請求項128】
対象が真核生物又は原核生物である、請求項108~127のいずれか1項の方法。
【請求項129】
対象が、ヒト、マウス、ラット、非ヒト霊長動物、又は非霊長類の哺乳動物より選択される真核生物である、請求94~127のいずれか1項の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001] 本願は、その全体が本明細書に援用される英国特許出願第1410693.4号(2014年6月16日出願)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 選択的スプライシングは、ヒトのトランスクリプトームにおいて頻発する現象であり得る。イントロン保持は、選択的スプライシングの1例であって、そこでは、部分的にプロセシングされたmRNAが、部分的スプライシングを受けた後で、少なくとも1つのイントロンを保持する。いくつかの事例では、部分的にプロセシングされたmRNAにおける保持されたイントロンの存在は、機能性タンパク質の翻訳を妨害するか又は減少させる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本発明は、転写産物(例えば、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物)中のイントロン保持を減少させるか又は防止する方法と、不都合なイントロン保持に関連した疾患の治療又は予防の方法に関する。
【0004】
[0004] いくつかの側面では、本発明は、遺伝子転写産物中のイントロン保持の発生を減少させることを含む、対象における疾患の予防又は治療の方法を開示するものであり、該疾患は、該遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因する不完全なタンパク質発現によって誘発される。
【0005】
[0005] いくつかの側面では、本発明は、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含む、細胞においてイントロン・スプライシングを調節する方法を開示するものであり、該領域は、配列番号46、又は配列番号46に対して少なくとも95%の同一性を有する領域を含むか又はそれから成る。
【0006】
[0006] いくつかの側面では、本発明は、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含む、細胞においてイントロン・スプライシングを調節する方法を開示するものであり、該領域は、配列番号46、又は配列番号46に対して少なくとも95%の同一性を有する領域を含むか又はそれから成る。
【0007】
[0007] いくつかの側面では、本発明は、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含む、細胞においてイントロン・スプライシングを調節する方法を開示するものであり、該領域は、配列番号3、又は配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有する領域を含むか又はそれから成る。
【0008】
[0008] いくつかの側面では、本発明は、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含む、細胞においてイントロン・スプライシングを調節する方法を開示するものであり、該領域は、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも95%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る。
【0009】
[0009] いくつかの側面では、本発明は、配列番号46を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域、又は配列番号46に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチ
センスであるポリ核酸ポリマーを開示する。
【0010】
[0010] いくつかの側面では、本発明は、配列番号3を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域、又は配列番号3に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであるポリ核酸ポリマーを開示する。
【0011】
[0011] いくつかの側面では、本発明は、ポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであるポリ核酸ポリマーを開示するものであり、該領域は、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに相補的な配列を含むか又はそれから成るか、あるいは任意選択的に、配列番号47~434に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域である。
【0012】
[0012] いくつかの側面では、本発明は、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有する核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーを開示するものであり;ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい。
【0013】
[0013] いくつかの側面では、本発明は、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有する核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーを開示するものであり;ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい。
【0014】
[0014] いくつかの側面では、本発明は、あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該標的配列は2つのG4重鎖の間にあり、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能可能である;及び医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含む、医薬組成物を開示する。いくつかの事例では、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の保持されたイントロンにハイブリダイズする。
【0015】
[0015] いくつかの側面では、本発明は、あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズし、該イントロン・スプライシング調節配列は、第1のCCCモチーフを含み、そして該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含む、医薬組成物を開示する。
【0016】
[0016] いくつかの事例では、イントロン・スプライシング調節配列は、第2のCCCモチーフをさらに含む。いくつかの事例では、第1のCCCモチーフは、第2のCCCモチーフ由来の約3以上のヌクレオチド塩基である。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、CCCAGモチーフ又はAGGCCモチーフを含むイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズする。
【0017】
[0017] いくつかの側面では、本発明は、あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフはG4重鎖を形成せず、そして該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含む、医薬組成物を開示する。
【0018】
[0018] いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、ピリジンヌクレオチドを3’末端位及び/又は5’末端位に含む。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、2つの連続したピリジン残基を3’末端位及び/又は5’末端位に含む。
【0019】
[0019] いくつかの側面では、本発明は、あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフはヘアピン構造を形成し、そして該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含む、医薬組成物を開示する。
【0020】
[0020] いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、ヘアピン構造を不安定にすることがさらに可能である。いくつかの事例では、送達担体は、細胞浸透ペプチド又はペプチドベースのナノ粒子を含む。いくつかの事例では、送達担体は、ポリ核酸ポリマーとイオン結合によって複合体を形成している。
【0021】
[0021] いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーの長さは、約10~約50、約10~約45、約10~約40、約10~約30、約10~約25、又は約10~約20ヌクレオチドである。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%相補的である。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して4以下、3以下、2以下、又は1以下のミスマッチを有する。
【0022】
[0022] いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、ヌクレオシド部分又はリン酸部分で修飾される。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、1以上の人工ヌクレオチド塩基を含む。いくつかの事例では、1以上の人工ヌクレオチド塩基は、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)で修飾された、ロック核酸(LNA)、エチレン核酸(ENA)、ペプチド核酸(PNA)、1’,5’-アンヒドロへキシトール核酸(HNA)、モルホリノ、メチルホスホネート ヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、又は2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイトを含む。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、該ポリ核酸ポリマーのヌクレオシド部分のリボース部分の2’ヒドロキシル基で修飾される。いくつかの事例では、2’ヒドロキシル基での修飾は、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)部分による。いくつかの事例では、リボース部分の2’ヒドロキシル基にメチル基を付加して、2’-O-メチルリボース部分を産生する。いくつかの事例では、リボース部分の2’ヒドロキシル基にメトキシエチル基を付加して、2’-O-メトキシエチルリボース部分を産生する。いくつかの事例では、2’ヒドロキシル基での修飾は、メチレン基によって4’炭素に連結される。いくつかの事例では、リボース環は、6員モルホリノ環で置換されて、モルホリノ人工ヌクレオチド類似体を産生する。いくつかの事例では、リン酸骨格は、オリゴグリシン様部分で置換されて、ペプチド核酸(PNA)を産生する。いくつかの事例では、リン酸骨格は、チオール基又はメチル基によって修飾される。いくつかの事例では、5’末端、3’末端、又はこれらの組合せが修飾される。いくつかの事例では、修飾によってポリ核酸ポリマーを対象の内因性エンドヌクレアーゼから保護する。いくつかの事例では、修飾されたポリ核酸ポリマーは、RNAのRNアーゼH切断を誘導しないか又はその誘導能が低下している。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、その安定性を高めるために修飾される。いくつかの事例では、ハイブリダイゼーションは、特異的なハイブリダイゼーションである。
【0023】
[0023] いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、配列番号46の少なくとも13の連続した塩基に対して少なくとも80%、85%、90%、又は95%、又は100%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、配列番号46の少なくとも10の連続した塩基を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号18、配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、配列番号33、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列に対して少なくとも63%、70%、80%、90%、又は95%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、配列番号3に対して少なくとも55%、60%、70%、80%、90%、又は95%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号34、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号40、配列番号41、配列番号43、及び配列番号44、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列に対して少なくとも63%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%の配列同一性を含み、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、配列番号1、配列番号2、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列に対して少なくとも55%、60%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%の配列同一性を含み、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列の少なくとも13の連続した塩基に対して少なくとも80%、85%、90%、又は95%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする。
【0024】
[0024] いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、合成されたポリ核酸ポリマーである。
[0025] いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーを含む医薬組成物は、静脈内投与又は皮下投与用である。
【0025】
[0026] いくつかの側面では、本発明は、それを必要とする患者において疾患又は病態の治療に使用するための組成物を開示するものであり、本明細書に開示される医薬組成物を該患者に投与することを含む。いくつかの事例では、疾患又は病態は、あるタンパク質の産生低下に関連するか又は不完全なスプライシングを特徴とする。いくつかの事例では、疾患又は病態は遺伝性疾患である。いくつかの事例では、遺伝性疾患のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する。いくつかの事例では、遺伝性疾患のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する。いくつかの事例では、遺伝性疾患のある対象は、タンパク質の全長機能型を産生することが不可能な、遺伝子の欠陥コピーを含むゲノムを有する。いくつかの事例では、疾患又は病態は糖尿病である。いくつかの事例では、疾患又は病態は癌である。いくつかの事例では、使用のための組成物は、タンパク質の産生低下に関連した疾患又は病態の治療対象を選択することをさらに含み、(a)対象が、あるタンパク質の産生低下に関連した疾患又は病態を有するかどうかを決定し;そして(b)該対象が、該タンパク質の産生低下に関連した疾患又は病態を有する場合、請求項42~請求項83の医薬組成物を該対象に投与することを含む。いくつかの事例では、使用のための組成物は、不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態の治療対象を選択することをさらにみ、(a)対象が、不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を有するかどうかを決定し;そして(b)該対象が、不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を有する場合、請求項42~請求項83の医薬組成物を該対象に投与することを含む。
【0026】
[0027] いくつかの事例では、本発明は、それを必要とする対象において、あるタンパク質の全長機能型の産生低下を特徴とする疾患又は病態を治療する方法を開示するものであり、該方法は、(a)部分的にプロセシングされたmRNA転写産物中のイントロンのスプライシングアウトの増加を誘導する治療薬剤;並びに医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含む医薬組成物を該対象に投与すること(ここで、該対象は、該タンパク質の全長機能型のコピーをコード可能で、そのそれぞれが部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の翻訳を阻害する少なくとも1つの保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールを有する);及び(b)該対象の標的細胞を治療薬剤と接触させて、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールのある部分がスプライシングを受けて、その部分中の部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のそれぞれより少なくとも1つの保持されたイントロンを除去することを引き起こして、完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生すること(ここで、完全にプロセシングされたmRNA転写産物は、翻訳されて該タンパク質の全長機能型のコピーを発現して、それが該疾患又は病態を治療する)、を含む。
【0027】
[0028] いくつかの事例では、治療薬剤は、該細胞において1以上のスプライシングタンパク質複合体の活性化を引き起こして、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールの部分中の部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のそれぞれより少なくとも1つの保持されたイントロンを除去する。いくつかの事例では、治療薬剤は、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を阻害する。いくつかの事例では、治療薬剤は、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を活性化する。いくつかの事例では、治療薬剤は、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質に結合する。いくつかの事例では、治療薬剤は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的ポリヌクレオチド配列に結合する。いくつかの事例では、治療薬剤はポリ核酸ポリマーである。いくつかの事例では、治療薬剤は低分子である。
【0028】
[0029] いくつかの事例では、医薬組成物は、本明細書に記載される医薬組成物である

[0030] いくつかの事例では、タンパク質の全長機能型の産生低下は、該タンパク質の全長機能型の正常以下の産生を含む。いくつかの事例では、タンパク質の全長機能型の産生低下は、該タンパク質の全長機能型の発現がないか、又は疾患又は病態を引き起こすほどに十分低い、該タンパク質の全長機能型の発現のレベルによる。いくつかの事例では、タンパク質の全長機能型の産生低下は、該タンパク質の産生がないか又は該タンパク質の不完全型の産生を含む。いくつかの事例では、タンパク質の不完全型は、該タンパク質の短鎖型、該タンパク質のミスフォールディング型、又は該タンパク質の標的結合異常型である。いくつかの事例では、対象を治療することがタンパク質の全長機能型の増加した発現をもたらす。
【0029】
[0031] いくつかの側面では、本発明は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプロセシングを引き起こして、保持されたイントロンを除去して、タンパク質の全長機能型をコードする完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生する方法を開示し、該方法は、(a)単離されたポリ核酸ポリマーを、該タンパク質の全長機能型をコードすることが可能であって、少なくとも1つの保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物にハイブリダイズさせ;(b)この少なくとも1つの保持されたイントロンを、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物より除去して、該タンパク質の全長機能型をコードする、完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生し;そして(c)完全にプロセシングされたmRNA転写産物より該タンパク質の全長機能型を翻訳する、ことを含む。いくつかの事例では、該方法は、単離されたポリ核酸ポリマーを含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することをさらに含む。
【0030】
[0032] いくつかの事例では、タンパク質の全長機能型の産生低下は、疾患又は病態に相関している。いくつかの事例では、疾患又は病態は遺伝性疾患である。いくつかの事例では、遺伝性疾患のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する。いくつかの事例では、遺伝性疾患のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する。いくつかの事例では、遺伝性疾患のある対象は、タンパク質の全長機能型を産生することが不可能な、遺伝子の欠陥コピーを含むゲノムを有する。いくつかの事例では、疾患又は病態は糖尿病である。いくつかの事例では、疾患又は病態は癌である。
【0031】
[0033] いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、アンチセンス配列である。いくつかの事例では、アンチセンス配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の保持されたイントロンにハイブリダイズする。いくつかの事例では、アンチセンス配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズする。いくつかの事例では、イントロン・スプライシング調節配列は、CCCモチーフを含む。いくつかの事例では、アンチセンス配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフは、G4重鎖を形成しない。いくつかの事例では、アンチセンス配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフは、2つのG4重鎖の間にある。いくつかの事例では、アンチセンス配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフは、第1のCCCモチーフと第2のCCCモチーフを有する。いくつかの事例では、第1のCCCモチーフは、第2のCCCモチーフ由来の約3以上のヌクレオチド塩基である。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%相補的である。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的にプロセシングさ
れたmRNA転写産物の標的配列に対して4以下、3以下、2以下、又は1以下のミスマッチを有する。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーの長さは、約10~約50、約10~約45、約10~約40、約10~約30、約10~約25、又は約10~約20ヌクレオチドである。
【0032】
[0034] いくつかの事例では、対象は、真核生物である。いくつかの事例では、対象は、ヒト、マウス、ラット、非ヒト霊長動物、又は非霊長類の哺乳動物より選択される真核生物である。
【0033】
[0035] いくつかの側面では、記載されるのは、あるタンパク質をコードして、保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー(ここで該ポリ核酸ポリマーは、保持されたイントロンの部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からのスプライシングアウトを誘導する);及び医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含む医薬組成物である。
【0034】
[0036] 本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に説明される。本発明の諸原理が利用される例示の態様について説明する以下の詳細な説明を参照することで、本発明の特徴及び利点についてのより良好な理解が得られ、そして添付の図面は、以下のものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】[0037] ヒトプロインスリン遺伝子中のSSOの位置。(A)INSレポーターとそのmRNA産物の概略図。エクソン(番号付きのボックス)の下とイントロン1(ライン)の下の黒色の横棒としてSSOを示す;それらの配列は、表2にある。開始コドンと終止コドンを矢印によって示す。標準(カノニカル)(実線)スプライシングとクリプティック(cryptic:隠れた)(点線)スプライシングを1次転写産物の上に示し;クリプティック・スプライス部位の表記は、灰色である。下のパネルには、イントロン1セグメントのdel4~del7に標的指向するSSOを示す。(B)INSレポーター構築体によって産生されるmRNAアイソフォーム(番号1~6)。プロインスリンを産生しないアイソフォームには、*の印を付ける。
図2】[0038] INSイントロン1保持のSSO誘導性の阻害。(A)指定のSSOとINSレポーター構築体(IC D-F)のHEK293細胞中へのコトランスフェクション。図1Bに記載したスプライス産物を右方に示す。バーは、天然転写産物に対するイントロン1含有アイソフォームの百分率(上パネル)、又は全体に対するイントロン2のクリプティック3’スプライス部位へのスプライシングの百分率(下パネル)を表す。エラーバーは、SD;scは、スクランブル対照;SSO-は、「SSO無し」の対照を意味する。SSOの最終濃度は、SSO6とSSO8(10nMと30nM)以外は、1、3、10、及び30nMであった。(B)イントロン2のクリプティック3‘ssを欠くクローンにおけるイントロン1スプライシングのSSO21媒介性のプロモーション。RNA産物を右方に示す。(C)イントロン2のクリプティック3’ssを含有する転写産物とそれを欠く転写産物における、SSO21誘導性イントロン1保持の倍率変化。SSO21の最終濃度は、2重のトランスフェクションにおいて30nMであった。レポーター構築体の表記が下にある。
図3】[0039] クリプティック3’スプライス部位に標的指向するINS SSO。(A)イントロン2(cr3’ss+126;図1A)のクリプティック3’ssのSSO6によるの活性化と、エクソン2スキッピングのSSO8による促進。それぞれのSSOの濃度は、2、10、50、及び250nMであった。SSOを上に、スプライス産物を右方に、レポーターを下に示す。(B)INSイントロン2の真正(authentic)3’ssとクリプティック3’ssの間の予測される安定したヘアピン。SSO6の標的となる塩基を星印(*)によって示して、予測されるスプライシングエンハンサーヘキサマー(右方に収載)を点線によって示す。(C)SSO4は、U2AF35が枯渇した細胞において、その真正の対応物(cr3’ss+81)の下流にあるクリプティック3’ss81塩基対の活性化を妨げないが、エクソン・スキッピングを誘導する。それぞれのSSOのCOS7細胞中の最終濃度は、5、20、及び80nMであった。siRNA2重鎖U2AF35ab(77)の最終濃度は、70nMであった。レポーターは、パネルAと同じであった。
図4】[0040] 1塩基解像法(resolution)でのアンチセンスマイクロウォークによる、イントロン保持標的の最適化。(A)オリゴリボヌクレオチドの位置。CD/NMRに使用するマイクロウォークSSOとオリゴを1次転写産物の下と上の黒色の横棒によってそれぞれ表す。RNA G4重鎖を形成することが予測されるイントロン1配列を灰色で強調する。マイクロウォークの方向を灰色の矢印によって示し;ウィナーオリゴを黒色で強調する。ボックスは、すでに報告された(20)1塩基多型を示す。(B)2種の細胞系における、それぞれのマイクロウォークSSOのイントロン保持レベル。エラーバーは、レポーターIC D-Fでの2回の独立したコトランスフェクションより得られたSDを示す。
図5】[0041] RNA2次構造形成の生物物理学的な特性決定。(A)265nmと270nmでそれぞれ最大の楕円率を明らかにする、CD1(19マー)RNAとCD2(20マー)RNAについての25℃での遠紫外(far-UV)CDスペクトル。(B)水素結合した(H-bonded)G塩基由来の共鳴に特徴的な基を示す、800MHz及び298Kで記録したCD1とCD2のH NMRスペクトル。(C)56.8±0.2℃と69.0±0.45℃でそれぞれ転移中点を示す、上記2種のRNAについてのS字状CD融解曲線。この2つの曲線は、明確にするために、互いに少しずらしてある。(D)CD1について提唱された、短いループ配列によって連結した2つの積み重なったGテトラッドがある並行4重鎖構造(上パネル)。下パネルには、CD2について予測されたヘアピン構造を示す。G→C突然変異を赤色で示す。
図6】[0042] アンチセンス標的が関与する配座の4重鎖/ヘアピン転移。(A)オリゴリボヌクレオチドCD3が含まれるGリッチモチーフ内で形成すると提唱された、ヘアピン(黒色)構造と4重鎖(濃青色)構造間の平衡の概略図。CD4は、CC→UU突然変異(によって強調される)を含有する。(B)9~15ppm域でのNMRスペクトルは、水素結合した塩基に対応するイミノプロトンシグナルを明らかにする。10ppm~12ppmのシグナルは、Gテトラッドの内部でフーグスティーン型の水素結合をしたGに特有であり(Qボックス)、一方12ppmより大きなシグナルは、ヘアピン構造内部でのワトソン-クリック型のA-U塩基対とG-C塩基対を示唆する(Hボックス)。CD3では、ヘアピンH1が有意に占めているが、CD4では突然変異がH1を不安定にして、H2を主要な分子種とし、このいずれも4重鎖構造と平衡状態にある。(C)NMRデータと一致した、2種の可能なヘアピンのMフォールド(Mfold)予測。(D)CC→UU突然変異によるヘアピン構造の不安定時のイントロン保持の減少。エラーバーは、レポーターIC D-Cを用いたデュープリケート実験のSDを示す。Del5は、セグメントdel5を欠くIC D-Cレポーターを示し(図1A);M1は、G4重鎖とステムループをともに不安定にする2つの置換を含有するレポーターである(表1A)。
図7】[0043] イントロン保持についてのアンチセンス標的が含まれるプレmRNAと相互作用するタンパク質の同定。(A)HEK293T細胞中への一過性トランスフェクションに続く、野生型と突然変異型レポーター構築体(ICD-C)のイントロン保持レベル。突然変異を表1Aに示す。RNA産物を右方に示す。予測されたRNA4重鎖、ヘアピンH1/H2、及び上流と下流のC4ランの存在をゲル図面の下に示す。エラーバーは、2回の反復実験より得られたSDを示す。(B)試験したRNAのイントロン保持レベルは、アンチセンス標的域の予測安定性と相関する。(C)右方に示す抗体を用いたプルダウン・アッセイのウエスタン・ブロット分析。NE、核内抽出物;B、ビーズのみの対照;AV3、シトシンランと3’ssAGを含有する対照RNAオリゴ(7)。CD5 RNAの配列は、図4Aに示す。
図8】[0044] DHX36枯渇時の4重鎖リッチ及びプア(poor)ミニ遺伝子のスプライシングパターン。(A)レポーター構築体の概略図。予測される4重鎖を黒色の矩形によって示し;それらの密度を表1に示す。エクソン(ボックス)を番号付けし;斜線は、F9イントロン3の短縮を示す(24)。F9ミニ遺伝子とTSC2ミニ遺伝子は、スプライシングを妨げる分岐点置換、c.253-25Cとc.5069-18Cをそれぞれ含有する(24)。Cr5’ss-104;イントロン2の真正の5’ssの104上流にあるクリプティック5’ss。(B)DHX36に対する抗体でのイムノブロット。sc、スクランブルsiRNA;c、未処理細胞。エラーバーは、2回のトランスフェクション実験のSDである。(C~E)指定のレポーターのイントロン保持とエクソン・スキッピング。DHX36 siRNAの最終濃度は、50nMであった。RNA産物を右方に概略的に示す。エラーバーは、2回のトランスフェクション実験のSDである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[0045] 真核遺伝子のような遺伝子は、タンパク質をコードすることが可能な機能性mRNAを創出するために1次転写産物より正確に除去されなければならない、介在配列又はイントロンを含有する(1)。このプロセスは、プレmRNAにおいて、5種の核内低分子RNA(snRNA)(例、U1、U2、U4、U5、及びU6)と保存されているが縮重した配列がある多数のタンパク質の相互依存的な相互作用を利用するきわめて動的なやり方で、mRNAの組成を変化させる(2)。特に、イントロンは、保存されたGUモチーフを含み得る5’スプライス部位(5’ss)、不変のAGモチーフで終結し得る3’スプライス部位(3’ss)、保存されたアデニン塩基を含み得る分岐点配列、及びポリピリミジン(Py)トラクトを含むコアスプライス部位エレメントによって明確にすることができる。スプライシング反応は、5’ss上の保存されたGUモチーフへのU1
snRNPの結合とともに開始され得て、分岐点の保存されたアデニン塩基でのU2 snRNPの結合、そして最終的には、5’スプライス部位と3’スプライス部位の付近でのU4、U5、及びU6 snRNPの相互作用が続く。snRNPとそれぞれのイントロンによって形成される複合体は、スプライソソームと呼ばれ得る。U2核内低分子RNA補助因子1(U2AF35)、U2AF2(U2AF65)及びスプライシング因子1(SF1)といった追加のスプライシング因子も、スプライソソームの組立てに貢献して、スプライシング事象を促進する可能性がある。
【0037】
[0046] 一般に、イントロン・スプライシングは、種を越えて、mRNA蓄積とタンパク質発現を促進する(3~5)。このプロセスは、イントロンの突然変異又は変異体によって改変される可能性があって、これがまた、転写、mRNA輸送、及び翻訳が含まれる、共役した遺伝子発現経路を損なう場合がある。この例になるのは、5’UTR中のイントロンであって、ここでは、イントロン保持を変化させる自然変異体又は突然変異が上流オープン・リーディング・フレーム(uORF)又は他の調節モチーフの付いた転写産物の相対豊富度を変化させて、翻訳に劇的に影響を及ぼす(6、7)。さらに、イントロン保持のような不完全なスプライシングによるタンパク質翻訳障害は、遺伝性の疾患又は病態(例、遺伝病又は癌)のような疾患の発症及び/又は疾患の進行をもたらしてきた。しかしながら、このような状況において遺伝子発現を正常化するための成功裡の配列特異的な戦略は、開発されていない。
【0038】
[0047] スプライス・スイッチング・オリゴヌクレオチド(SSO)は、スプライス部位認識配列又は調節配列に結合して、その標的についてシス及びトランス作用因子と競合することによってイントロン・スプライシングを調節するアンチセンス試薬である(8)。それらは、異常なスプライシングを修復し、既存のmRNAの相対的な発現を変化させるか又は通常は発現されない新規のスプライス変異体を産生することが示されてきた(8)。2’-O-メチル及び2’-O-メトキシエチルリボースのようないくつかのSSO修飾による、標的指向されるSSO-RNA2重鎖の安定性の改善は、筋ジストロフィーにおけるDMD(9、10)、脊髄性筋萎縮症におけるSMN2(11)、毛細血管拡張性運動失調症におけるATM(12)、及びX連鎖無γグロブリン血症におけるBTK(13)が含まれる、ますます増加するヒト疾患遺伝子へのその治療ポテンシャルを探究する研究を促進した。このようなアプローチは、限定数の疾患に対しては、その臨床ポテンシャルを達成する見込みがある(8)ものの、突然変異誘発性の異常なスプライシングより生じる300を超えるメンデル遺伝病(14)と増加する複合形質も、遺伝子発現のSSO媒介性の是正の適応になるかもしれない。
【0039】
[0048] 1型糖尿病の病因には、ヒト白血球抗原(HLA)といくつかの変化する非HLA遺伝子座によって付与される強い遺伝成分がある(15)。最強の変更遺伝子(modifier)は、第11染色体上のプロインスリン遺伝子(INS)領域に同定された(IDDM2と呼ばれる)(15)。この領域のさらなるマッピングによって、INSが最も有望なIDDM2標的であることが示唆され(16)、この自己抗原の病態形成における必須の役割と一致した(17)。この疾患に対するIDDM2での遺伝的リスクは、この遺伝子の上流にあるミニサテライトDNAが潜在的に関与する、素因性及び防護性のINSハプロタイプ由来の差示的な定常状態RNAレベルに起因するとされてきた(18、19)。しかしながら、天然に存在するINS多型の体系的な検討は、IVS1+5ins4(rs3842740又はINS-69としても知られる)とIVS1-6A/T(rs689、INS-27、又はHphI±)と呼ばれる、イントロン1における2種の変異体(7)より生じる、上記ミニサテライト配列を欠くレポーター構築体において、ハプロタイプ特異的なプロインスリン発現レベルを明らかにした(16,20)。前者の変異体は、イントロン1のクリプティック5’スプライス部位を活性化し、一方、3’スプライス部位(3’ss)の上流に6つのヌクレオチドを収容する後者の変異体では、アデニン(A)がイントロン保持を促進し、5’UTRが伸長した転写産物の相対豊富度を高める(21)。チミン(T)と比べると、IVS1-6A/TでのAアレルは、試験管内で(in vitro)ピリミジン結合性タンパク質への親和性を減少させて、U2核内低分子リボ核タンパク質の補助因子(U2AF)(7)である、U2結合、スプライソソーム組立て、及び3’ss選択に必要とされるヘテロ2量体に対して3’ssをより依存的にする(22)。インスリン産生組織より調製したIVS1-6A由来のcDNAライブラリーでは、イントロン1含有転写産物が過剰発現されて(21)、核から輸送されて(23)、(高等霊長類においてイントロン1の3’ssの弛緩とともに共進化した)ヒト亜科特異的な短いuORFを含有する(7)。このAアレルによって付与されるより低次のプロインスリン発現は、胎児胸腺におけるプロインスリンペプチドの最適以下の提示と自己反応性T細胞の不十分な負の選択をもたらし、ついには膵臓中のインスリン産生β細胞の自己免疫破壊につながる場合がある(7)。
【0040】
[0049] 本発明の目的は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプロセシングを引き起こして、保持されたイントロンを除去して、タンパク質の全長機能型をコードする完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生することである。追加の目的は、それを必要とする対象において、あるタンパク質の産生低下を特徴とする疾患又は病態、及び/又は不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を治療することである。
【0041】
[0050] 本発明の別の目的は、IVS1-6A含有プレmRNAからのINSイントロン1除去の低効率を是正して、イントロン保持を疾患防護性Tアレルで観測されるレベルまで減少させることである。本発明のさらなる目的は、不規則又は異常なイントロン保持を特徴とする(又はそれに関連した)、癌が含まれる遺伝性疾患に対する新たな治療アプローチを提供することである。
【0042】
[0051] 本発明の第1の側面によれば、成熟遺伝子転写産物中のイントロン保持の是正
を含む、対象における疾患の予防又は治療の方法を提供し、ここで該疾患は、該遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因する不完全なタンパク質発現によって誘発される。
【0043】
[0052] 保持されたイントロン
[0053] 保持されたイントロンは、エクソン・スキッピング、選択的5’スプライス部位、選択的3’スプライス部位、及び相互排除的エクソンも含まれ得る5種類の選択的スプライシングの1つである。エクソン・スキッピングが起こり得るのは、エクソンが無視されるか又はプロセシングされたmRNAからスプライトアウトされる場合であって、最も一般的な選択的スプライシングの型であり得る。選択的5’ssと選択的3’ssは、クリプティック・スプライス部位又はシュード(pseudo)スプライス部位のような代替スプライス部位を意味し得る。相互排除的エクソンが生じ得るのは、スプライシング後のプロセシングされたmRNAにおいて2つのエクソンの一方のみが保持される場合である。イントロン保持は、エクソン・スキッピングより一般的ではあり得ないが、イントロン保持は、これまでに理解されているよりずっと頻繁に生じることが示されてきた。実に、21,106種のヒト遺伝子に関する De Souza グループの研究は、検査した遺伝子の約15%がイントロン保持を示すことを示している(Galante et al,「Detection and evaluation of intoron retention events in the human transcriptome(ヒトのトランスクリプトームにおけるイントロン保持事象の検出及び評価)」Bioinformatics 10: 757-765 (2004) を参照のこと)。さらに、Moore グループによる研究は、ヒトの5’-UTRの約35%と3’-UTRの約16%がイントロンを収容していることを示した(Bicknell et al.,「Introns in UTRs: Why we should stop ignoring them(UTR中のイントロン:何故無視し得ないのか)」Bioessays 34:1 025-1034 (2012))。このように、イントロン保持は、コード領域、非コード領域において、5’UTRで、又は3’UTRで起こり得る。コード領域において、保持されたイントロンは、アミノ酸をフレームでコードし得るか又は、ミスアライメント(misalignment)状態であり得て、そのことで、終止コドン又はフレームシフトにより短鎖型タンパク質又は非機能性タンパク質を産生する可能性がある。さらに、イントロンは、2つのエクソンの間に、5’UTRに位置して、又は3’UTRに位置して存在し得る。
【0044】
[0054] 保持されなかったイントロンと比べて、保持されたイントロンは、より短い配列長を有することを特徴とし得る。保持されたイントロンの配列長は、5kb未満、4kb未満、3kb未満、2.5kb未満、2kb未満、1.5kb未満、1kb未満、0.5kb未満、0.4kb未満、0.3kb未満、0.2kb、又は0.1kb未満であり得る。
【0045】
[0055] さらに、保持されなかったイントロンと比べて、保持されたイントロンは、約40%~約60%のG/C含量を有することを特徴とし得る。保持されたイントロンのG/C含量は、約40%、45%、50%、55%、又は約60%であり得る。
【0046】
[0056] 保持されたイントロンには、弱い5’スプライス部位、弱い3’スプライス部位、又はその両方が隣接する場合がある。弱いスプライス部位とは、イントロン・スプライシング・エンハンサーのような調節タンパク質を機能上必要とし得るスプライス部位に言及し得る。
【0047】
[0057] さらに、保持されたイントロンは、保持されなかったイントロンに比して、GGGモチーフのより低次の存在を含み得る。いくつかの事例では、GGGモチーフは、イントロン・スプライシング・エンハンサーである。
【0048】
[0058] 部分的にプロセシングされたmRNA転写産物とは、部分的スプライシングを受けて少なくとも1つの保持されたイントロンを含むmRNA転写産物である。この少な
くとも1つのイントロンは、5’UTRの内部、3’UTRの内部、又は2つのエクソン間の内部位置にあり得る。部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、翻訳されて機能性又は全長タンパク質を産生することが不可能であり得る。
【0049】
[0059] 部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、短い配列長を特徴とするイントロンを含み得る。部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、3kb未満、2.5kb未満、2kb未満、1.5kb未満、1kb未満、0.5kb未満、0.4kb未満、0.3kb未満、0.2kb、又は0.1kb未満の配列を特徴とするイントロンを含み得る。
【0050】
[0060] 部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、約40%~約60%のG/C含量を有することを特徴とするイントロンを含み得る。部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、約40%、45%、50%、55%、又は約60%のG/C含量を有することを特徴とするイントロンを含み得る。
【0051】
[0061] 部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、弱い5’スプライス部位、弱い3’スプライス部位、又はその両方が隣接しているイントロンを含み得る。
[0062] 部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、保持されなかったイントロンに比してGGGモチーフのより低次の存在を含み得るイントロンを含む可能性がある。
【0052】
[0063] いくつかの事例では、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物に1以上のイントロンが保持される。部分的にプロセシングされたmRNAは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の保持されたイントロンを含み得る。
【0053】
[0064] 完全にプロセシングされたmRNA転写産物とは、スプライシングを受けて保持されたイントロンのようなイントロンを除去して、翻訳されて全長機能性タンパク質のようなタンパク質を産生することが可能であるものである。1以上の保持されたイントロンがある部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、完全にプロセシングされたmRNAになるようにスプライスされることが可能である。
【0054】
[0065] 全長機能性タンパク質は、そのタンパク質の野生型の形態と同じ長さ及び機能を有する。全長機能性タンパク質は、該タンパク質の野生型の形態であり得る。全長機能性タンパク質は、野生型タンパク質と同じ長さがある、野生型タンパク質のアイソフォームであり得る。全長機能性タンパク質は、該タンパク質の表現型(例、機能)がその突然変異によって改変しないような、あるアミノ酸の、類似した特性のある代替アミノ酸残基への置換のような突然変異を含み得る。
【0055】
[0066] 類似した特性のある例示のアミノ酸には、帯電した側鎖があるアミノ酸:陽荷電性であるアルギニン、ヒスチジン、及びリジン;又は陰荷電性であるアスパラギン酸及びグルタミン酸;極性アミノ酸残基:セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、及びメチオニン;非極性アミノ酸:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、及びプロリン;並びに芳香族アミノ酸:フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンが含まれ得る。
【0056】
[0067] いくつかの事例では、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、タンパク質の産生低下をもたらす。タンパク質の産生低下は、タンパク質の全長機能型の正常以下の産生を含み得る、タンパク質の全長機能型の産生低下であり得る。タンパク質の全長機能型の産生低下は、タンパク質の不完全型の産生を含み得る。タンパク質の不完全型は、タンパク質の短鎖型、タンパク質のミスフォールディング型、又は異常な標的結合部
位を含むタンパク質の形態であり得る。
【0057】
[0068] ポリ核酸ポリマー
[0069] 本明細書に記載されるポリ核酸ポリマーを部分的にプロセシングされたmRNA転写産物にハイブリダイズさせることに使用して、保持されたイントロンの除去を開始することができる。いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、アンチセンスポリ核酸ポリマーである。このアンチセンスポリ核酸ポリマーは、約40%~約60%のG/C含量を含む領域のような、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のG/C含量が高い領域にハイブリダイズし得る。アンチセンスポリ核酸ポリマーは、約40%~約60%のような高いG/C含量を含み得る。アンチセンスポリ核酸ポリマーは、弱い5’スプライス部位、又は弱い3’スプライス部位に、その隣に、又はその付近にある、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の領域にハイブリダイズし得る。アンチセンスポリ核酸ポリマーは、GGGモチーフのより低次の存在を含み得る、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の領域にハイブリダイズし得る。
【0058】
[0070] 該ポリ核酸ポリマーのアンチセンス配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の保持されたイントロンにハイブリダイズし得る。このアンチセンス配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズし得る。このイントロン・スプライシング調節配列には、イントロン・スプライシング・エンハンサー又はイントロン・スプライシング・サイレンサーが含まれ得る。アンチセンス配列は、イントロン・スプライシング・サイレンサーにハイブリダイズし得る。イントロン・スプライシング調節配列は、エクソン明確化の間、又はイントロンスパニング複合体への後続の転移の間に、U1及びU2のsnRNPがエクソンを越えてスプライス部位で対合する場合のような、スプライソソームの組立ての初期及び/又は中間工程に影響を及ぼすことによって、スプライシングを調節し得る。例示のイントロン・スプライシング調節配列には、ポリピリミジン-トラクト-結合タンパク質(PTB)、U2AF65及び/又はU2AF35、hnRNP L、及びhnRNP A1が含まれ得る。
【0059】
[0071] ポリ核酸ポリマーは、イントロンの5’スプライス部位、3’スプライス部位、分岐点、ポリピリミジントラクト、又はイントロン・エンハンサーでハイブリダイズし得る。ポリ核酸ポリマーは、5’スプライス部位、3’スプライス部位、分岐点、ポリピリミジントラクト、又はイントロン・エンハンサーから、約30塩基離れた、25塩基離れた、20塩基離れた、15塩基離れた、10塩基離れた、又は5塩基離れた所でもハイブリダイズして、スプライシングを促進又は増強する場合がある。ポリ核酸ポリマーのスプライス部位、又はその近くでのハイブリダイゼーションは、スプライシング因子をスプライス部位に向かって動員させることによりスプライシングを始動させることによって、スプライシングを促進又は増強する場合がある。
【0060】
[0072] ポリ核酸ポリマーは、イントロン・サイレンサー部位(例、新生(de novo)
イントロン・サイレンサー部位)、クリプティック・イントロン・スプライス部位、又はシュードスプライス部位でハイブリダイズし得る。イントロン・サイレンサー部位は、スプライシング反応を抑制するサイレンサーによって認識され得る。クリプティック・イントロン・スプライス部位は、置換、欠失、又は挿入のような突然変異によって創出され得る。クリプティック・イントロン・スプライス部位は、クリプティック5’スプライス部位又はクリプティック3’スプライス部位であり得る。クリプティック・イントロン・スプライス部位は、クリプティック5’スプライス部位であり得る。シュードスプライス部位は、その活性化が標準スプライス部位の突然変異より生じ得る、弱いスプライス部位であり得る。シュードスプライス部位は、シュード5’スプライス部位又はシュード3’スプライス部位であり得る。イントロン・サイレンサー部位でのハイブリダイゼーションは
、サイレンサーが結合することを立体的に妨げて、スプライソソームの組立て及びプロセシングの破綻を防ぐことに役立つ場合がある。クリプティック・イントロン・スプライス部位でのハイブリダイゼーションは、弱い標準スプライス部位のような標準スプライス部位の方向に相互作用を向け直す場合がある。
[0073] ポリ核酸ポリマーは、イントロンの内部領域にハイブリダイズし得る。イントロンの内部領域には、5’スプライス部位(例、標準、クリプティック、又はシュード5’スプライス部位)、3’スプライス部位(例、標準、クリプティック、又はシュード3’スプライス部位)、エンハンサー部位、又はサイレンサー部位のようなスプライス部位が含まれ得ない。ポリ核酸ポリマーの内部領域でのハイブリダイゼーションは、スプライシング因子をイントロン・エンハンサー部位のようなスプライス部位に向かって動員させることによって、スプライシングを促進又は増強する場合がある。
【0061】
[0074] ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズし得る。イントロン・スプライシング調節配列は、CCCモチーフを含み得る。このアンチセンス配列は、G4重鎖を形成しない、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし得る。このアンチセンス配列は、2つのG4重鎖の間にある、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし得る。このアンチセンス配列はまた、第1のCCCモチーフと第2のCCCモチーフを有する、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし得る。第1のCCCモチーフは、第2のCCCモチーフ由来の約3以上のヌクレオチド塩基であり得る。
【0062】
[0075] ポリ核酸ポリマーは、ヘアピン構造を形成する、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし得る。ポリ核酸ポリマーは、さらに、ヘアピン構造を不安定にすることが可能であり得る。
【0063】
[0076] ポリ核酸ポリマーは、ピリジンヌクレオチドを3’末端位及び/又は5’末端位に含み得る。ポリ核酸ポリマーは、2つの連続したピリジンヌクレオチドを3’末端位及び/又は5’末端位にさらに含み得る。
【0064】
[0077] いくつかの事例では、ポリ核酸ポリマーは、スプライス・スイッチング・オリゴヌクレオチド(SSO)であり得る。スプライス・スイッチング・オリゴヌクレオチドは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の保持されたイントロンにハイブリダイズし得る。スプライス・スイッチング・オリゴヌクレオチドは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズし得る。
【0065】
[0078] スプライス・スイッチング・オリゴヌクレオチド(SSO)は、エクソン使用を阻害するために広く使用されてきたが、イントロン全体の除去を促進してスプライシング媒介性の遺伝子発現を高めるアンチセンス戦略は、開発されたことがない。ヒトプロインスリン遺伝子を含有する一連のスプライシング・レポーターを使用すると、低レベルのプロインスリンを発現するヒトのハプロタイプから導かれる転写産物に結合するSSOによって、INSイントロン1保持を減少させることが可能であることが示された。このSSOに支援された、非標準及び標準RNA構造と競合することによる、5’UTRからの弱いイントロン除去の促進は、遺伝子発現を高めるための配列ベースのアンチセンス戦略の開発を容易にする。
【0066】
[0079] 「イントロン保持の是正」という用語は、不規則又は異常なイントロン保持の是正と理解される。この是正は、完全な是正でも一部の是正でもよい。是正は、イントロン保持の発生を減少させることを含み得る。是正は、異常なイントロン保持を減少させる
ことを含み得る。
【0067】
[0080] 遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因するタンパク質発現の文脈における「欠陥」への言及は、不十分な、不完全な、又は異常なタンパク質発現を含み得る。
[0081] イントロン保持の是正は、遺伝子転写産物とハイブリダイズするように配列されたポリ核酸ポリマーを投与することを含み得る。イントロン保持の是正は、遺伝子転写産物中の高次構造を変化させるために該遺伝子転写産物とハイブリダイズするように配列されたポリ核酸ポリマーを投与することを含み得る。イントロン保持の是正は、標準(ステムループ);非標準(G4重鎖)RNA構造の配座転移;トランス作用因子との相互作用;及び、RNA-タンパク質複合体形成の速度の1以上に干渉するために該遺伝子転写産物とハイブリダイズするように配列されたポリ核酸ポリマーを投与することを含み得る。イントロン保持の是正は、標準(ステムループ)及び/又は非標準(G4重鎖)RNA構造の配座転移に、それを妨げるように干渉するために該遺伝子転写産物とハイブリダイズするように配列されたポリ核酸ポリマーを投与することを含み得る。このポリ核酸ポリマーは、イントロン・スプライシング調節配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、哺乳動物において保存された、重なりのあるイントロン・スプライシング調節配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、短いペンタ~ヘプタマーのスプライシング調節モチーフを含有するイントロンセグメントを含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。スプライシング調節モチーフは、CCCAG又はAGGCCを含み得る。スプライシング調節モチーフは、Yeo GW, et al (2007). PLoS Genet 3:e85 及び/又は Voelker RB, & Berglund JA (2007). Genome Res 17:1023-1033(いずれの文献も、参照により本明細書に組み込まれる)によって提供されたモチーフのいずれも含み得る。標的領域は、G4重鎖形成を回避するためにCランを含まなくてよい。標的領域は、5’スプライス部位と3’スプライス部位の両方、ポリピリミジントラクト、分岐部位、及び/又は超分岐(suprabranch)領域の近位になくてもよい。
【0068】
[0082] ポリ核酸ポリマーは、Tra2、SRSF3、又はU2AF35、又は他のペプチド、センス又はアンチセンス核酸、低分子、又は他の化学品が含まれる、INSイントロン1とエクソン2のスプライシングに影響を及ぼすことが示されてきたスプライシング因子への結合プラットフォームを提供して、ポリ核酸ポリマーの送達を促進する、及び/又は該核酸を特定の組織、細胞、又は発生期へ標的指向させることができる。このようなアンチセンス戦略は、癌細胞(特に、骨髄増殖性疾患において、U2AF35のジンクフィンガードメイン中の特異的な置換について最初に示された(76)ように、スプライシング因子遺伝子の体細胞突然変異を含有するもの)によくあるイントロン保持を減少させるのに役立つかもしれない。こういった突然変異は、多くの腫瘍で生じて、悪性腫瘍増殖に寄与し得るスプライシング障害をもたらす。本発明は、3’スプライス部位認識に関与するスプライシング因子に突然変異を有する有意率(現在15%強と推定される(76))の癌患者において、細胞増殖を制御して悪性腫瘍増殖を抑えるのに役立つかもしれない。
【0069】
[0083] ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、又は99.5%相補的であり得る。ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して100%相補的であり得る。
【0070】
[0084] ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して4以下のミスマッチを有し得る。ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的に
プロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して3以下のミスマッチを有し得る。ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して2以下のミスマッチを有し得る。ポリ核酸ポリマーの配列は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して1以下のミスマッチを有し得る。
【0071】
[0085] ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に特異的にハイブリダイズし得る。その特異性は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対するポリ核酸ポリマーの95%、98%、99%、99.5%、又は100%の配列相補性であり得る。ハイブリダイゼーションは、高ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下であり得る。
【0072】
[0086] ポリ核酸ポリマーは、配列番号46を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも99%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも98%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも95%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも90%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも85%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも80%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも75%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも70%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも65%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも60%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも55%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46と少なくとも50%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。
【0073】
[0087] ポリ核酸ポリマーは、配列番号46の少なくとも13の連続した塩基に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズし得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46の少なくとも13の連続した塩基に対して100%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズし得る。
【0074】
[0088] ポリ核酸ポリマーは、配列番号3を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも99%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも98%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少
なくとも95%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも90%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも85%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも80%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも75%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも70%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも65%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも60%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも55%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3と少なくとも50%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであり得る。
【0075】
[0089] 転写産物の標的領域の少なくとも一部に対するアンチセンスへの言及は、少なくとも5の連続したヌクレオチド、又は少なくとも10の連続したヌクレオチドを含み得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも5の連続したヌクレオチドに対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも10の連続したヌクレオチドに対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも15の連続したヌクレオチドに対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号46を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも20の連続したヌクレオチドに対してアンチセンスであり得る。
【0076】
[0090] あるポリ核酸ポリマーは、配列番号46の少なくとも10の連続した塩基を含むmRNA転写産物にハイブリダイズし得る。このポリ核酸ポリマーは、配列番号46の少なくとも10の連続した塩基から成るmRNA転写産物にハイブリダイズし得る。
【0077】
[0091] ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。
【0078】
[0092] あるポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも98%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも75%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも65%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも63%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも60%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。
【0079】
[0093] ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;及び配列番号36;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;及び配列番号36;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;及び配列番号36;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも98%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3;配列番号6;配列番号9;及び配列番号36;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。
【0080】
[0094] ポリ核酸ポリマーは、配列番号3を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号6を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号9を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号36を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。
【0081】
[0095] ポリ核酸ポリマーは、配列番号3に対して少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも63%、少なくとも60%、少なくとも55%、又は少なくとも50%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号6に対して少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも63%、少なくとも60%、少なくとも55%、又は少なくとも50%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号9に対して少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも63%、少なくとも60%、少なくとも55%、又は少なくとも50%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号36に対して少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも63%、少なくとも60%、少なくとも55%、又は少なくとも50%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対してアンチセンスであり得る。
【0082】
[0096] ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも99%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対
しても少なくとも98%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも95%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも90%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも85%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも80%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも75%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも70%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも65%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも60%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも55%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも50%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る転写産物の領域に対してアンチセンスであり得る。当業者は、ウラシルヌクレオチドがチミンヌクレオチドで置換され得ることを理解されよう(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。
【0083】
[0097] ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択されるポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。
【0084】
[0098] ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも99%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも98%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも90%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも85%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも80%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも75%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも70%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも65%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも60%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも55%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも50%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。
【0085】
[0099] ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択されるポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも99%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも98%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも90%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも85%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも80%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも75%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも70%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも65%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも60%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも55%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号34;及び配列番号35;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも50%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。
【0086】
[00100] ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2を含み得るか又はそれから
成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35を含み得るか又はそれから成り得る。
【0087】
[00101] ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも99%
の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも98%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも85%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも75%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも70%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも65%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも60%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。
【0088】
[00102] ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも99%
の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも98%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも9
5%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも85%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも75%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも70%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも65%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号3又は配列番号4に対して少なくとも60%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。
【0089】
[00103] ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも99%
の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも98%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも85%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも75%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも70%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも65%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号7又は配列番号8に対して少なくとも60%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。
【0090】
[00104] ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも9
9%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも98%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも85%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも75%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも70%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも65%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号34又は配列番号35に対して少なくとも60%の同一性を有する配列を含み得るか又はそれから成り得る。
【0091】
[00105] ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せ
を含む群のいずれかから選択されるポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む
群のいずれかから選択されるポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。
【0092】
[00106] ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せ
を含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも99%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも99%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも98%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも98%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含み得るか又はそれから成り得る。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも90%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも85%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも80%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも75%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも70%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも65%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれか成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも60%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも55%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。ポリ核酸ポリマーは、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列と少なくとも50%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り得、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されている(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。
【0093】
[00107] 有利にも、本発明は、イントロン転写産物(例えば、イントロン1-保持転
写産物)の相対豊富度を減少させるSSOを同定して、1塩基解像法で最適化されるアンチセンス標的を明確にする。
【0094】
[00108] ポリ核酸ポリマーは、スプライス・スイッチング・オリゴヌクレオチド(S
SO)を含み得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約50ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約45ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約40ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約35ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約30ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約25ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約20ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約19ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約18ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約17ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約16ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約15ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約14ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約13ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約12ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約11ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約10ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約10~約50ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約10~約45ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約10~約40ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約10~約35ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約10~約30ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約10~約25ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約10~約20ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約15~約25ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約15~約30ヌクレオチドであり得る。ポリ核酸ポリマーの長さは約12~約30ヌクレオチドであり得る。
【0095】
[00109] SSOのようなポリ核酸ポリマーは、RNA又はDNAを含み得る。SSO
のようなポリ核酸ポリマーは、RNAを含み得る。SSOのようなポリ核酸ポリマーは、DNA又はRNAと同等の相補性を有する、天然又は合成又は人工のヌクレオチド類似体又は塩基を含み得る。SSOのようなポリ核酸ポリマーは、DNA、RNA、及び/又はヌクレオチド類似体の組合せを含み得る。ヌクレオチド類似体は、PNA又はLNAを含み得る。別の態様では、SSOのような核酸は、PMOを含み得るか又はそれから成り得る。
【0096】
[00110] いくつかの事例では、合成又は人工のヌクレオチド類似体又は塩基は、リボ
ース部分、リン酸部分、ヌクレオシド部分、又はこれらの組合せの1以上での修飾を含むことができる。
【0097】
[00111] ヌクレオチド類似体又は人工ヌクレオチド塩基は、リボース部分の2’ヒド
ロキシル基に修飾がある核酸を含み得る。この修飾は、2’-O-メチル修飾又は2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)修飾であり得る。2’-O-メチル修飾は、リボース部分の2’ヒドロキシル基にメチル基を付加し得て、一方2’O-メトキシエチル修飾は、リボース部分の2’ヒドロキシル基にメトキシエチル基を付加し得る。アデノシン分子の2’-O-メチル修飾とウリジンの2’O-メトキシエチル修飾の例示の化学構
造を下記に図示する。
【0098】
【化1】
【0099】
[00112] 2’ヒドロキシル基での追加の修飾には、2’-O-アミノプロピル糖配座
を含めることができて、これは、アミン基を2’酸素に結合するプロピルリンカーを含む、延長アミン基を含むことができる。この修飾は、糖1つに付きこのアミン基からの1つの陽電荷を導入することによって、リン酸に由来するオリゴヌクレオチド分子全体の陰電荷を中和することができて、それによってその双性イオン特性による細胞取込特性を改善することができる。2’-O-アミノプロピルヌクレオシドホスホロアミダイトの例示の化学構造を下記に図示する。
【0100】
【化2】
【0101】
[00113] 2’ヒドロキシル基での別の修飾には、4’リボース位も含め得る、ロック
されたか又は架橋されたリボース配座(例、ロック核酸又はLNA)を含めることができる。この修飾において、2’炭素で結合した酸素分子は、メチレン基によって4’炭素に連結して、それによって2’-C,4’-C-オキシ-メチレン連結性の2環式リボヌクレオチドモノマーを形成することができる。LNAの化学構造の例示の描図を下記に図示する。左方に示した描図は、LNAモノマーの化学連結性を強調する。右方に示した描図では、LNAモノマーのフラノース環のロックされた3’-エンド(E)配座を強調する。
【0102】
【化3】
【0103】
[00114] 2’ヒドロキシル基でのさらなる修飾は、糖配座をC’-エンド糖パッカ
リング(puckering)配座の中にロックする、例えば2’-4’-エチレン-架橋型核酸
のようなエチレン核酸(ENA)を含み得る。ENAは、LNAも含む、修飾された核酸の架橋型核酸群の一部である。ENAと架橋型核酸の例示の化学構造を下記に図示する。
【0104】
【化4】
【0105】
[00115] 2’ヒドロキシル基でのなお他の修飾には、2’-デオキシ、T-デオキシ
-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)を含めることができる。
【0106】
[00116] ヌクレオチド類似体は、モルホリノ類、ペプチド核酸(PNA)、メチルホ
スホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイト、1’,5’-アンヒドロヘキシトール核酸(HNA)、又はこれらの組合せをさらに含み得る。モルホリノ又はホスホロジアミデートモルホリノオリゴ(PMO)は、その構造が、通常の糖及びリン酸の構造からの逸脱によって天然の核酸構造を模倣する合成分子を含む。また、5員リボース環は、4個の炭素、1個の窒素、及び1個の酸素を含有する6員モルホリノ環で置換し得る。リボースモノマーは、リン酸基の代わりにホスホロジアミデート基によって連結することができる。これらの骨格改変は、すべての陽電荷と陰電荷を除去し得て、モルホリノ類を、荷電性オリゴヌクレオチドによって使用されるような細胞送達剤の手助け無しに細胞膜を横断することができる中性分子にすることができる。
【0107】
【化5】
【0108】
[00117] ペプチド核酸(PNA)は、糖環もリン酸連結も含有しない。その代わり、
塩基は、オリゴグリシン様分子に付いて、それによって適切に配置されるので、骨格電荷を消失させることができる。
【0109】
【化6】
【0110】
[00118] リン酸骨格の修飾は、メチルホスホネートヌクレオチドのようなメチル又は
チオール修飾も含み得る。例示のチオールホスホネートヌクレオチド(左)とチルホスホネートヌクレオチド(右)を下記に図示する。
【0111】
【化7】
【0112】
[00119] さらに、例示の2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイトを下記の
ように図示する:
【0113】
【化8】
【0114】
[00120] 例示のヘキシトール核酸(又は1’,5’-アンヒドロヘキシトール核酸(
HNA))を下記のように図示する:
【0115】
【化9】
【0116】
[00121] リボース部分、リン酸骨格、及びヌクレオシドの修飾に加えて、ヌクレオチ
ド類似体は、例えば、3’又は5’末端でも修飾することができる。例えば、3’末端には、3’カチオン基を含めることができる、又は3’末端のヌクレオシドを3’-3’連結で逆にすることができる。別の代替態様では、3’末端は、アミノアルキル基(例、3’C5-アミノアルキルdT)でブロックすることができる。5’末端は、アミノアルキル基(例、5’-O-アルキルアミノ置換基)でブロックすることができる。他の5’コンジュゲートは、5’-3’エクソヌクレアーゼによる切断を阻害することができる。他の3’コンジュゲートは、3’-5’エクソヌクレアーゼによる切断を阻害することができる。
【0117】
[00122] いくつかの事例では、本明細書に記載される人工ヌクレオチド類似体の1以
上は、天然のポリ核酸ポリマーと比べた場合、例えば、RNアーゼHのようなリボヌクレアーゼ、DNアーゼのようなデオキシリボヌクレアーゼ、又は5’-3’エクソヌクレアーゼ及び3’-5’エクソヌクレアーゼのようなエクソヌクレアーゼといったヌクレアーゼに対して抵抗性である。いくつかの事例では、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾された、LNA、ENA、PNA、HNA、モルホリノ、メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイト、又はこれらの組合せを含む人工ヌクレオチド類似体は、例えば、RNアーゼHのようなリボヌクレアーゼ、DNアーゼのようなデオキシリボヌクレアーゼ、又は5’-3’エクソヌクレアーゼ及び3’-5’エクソヌクレアーゼのようなエクソヌクレアーゼといったヌクレアーゼに対して抵抗性である。2’-O-メチル修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。2’O-メトキシエチル(2’-O-MOE)修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。2’-O-アミノプロピル修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。2’-デオキシ修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。T-デオキシ-2’-フルオロ修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。LNA修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。ENA修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。HNA修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。モルホリノ類は、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。PNAは、ヌクレアーゼに対して抵抗し得る(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)。メチルホスホネートヌクレオチド修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。チオールホスホネートヌクレオチド修飾されたポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイトを含むポリ核酸ポリマーは、ヌクレアーゼ抵抗性(例えば、RNアーゼH、DNアーゼ、5’-3’エクソヌクレアーゼ又は3’-5’エクソヌクレアーゼ抵抗性)であり得る。
【0118】
[00123] いくつかの事例では、本明細書に記載される人工ヌクレオチド類似体の1以
上は、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する。2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2
’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾された、LNA、ENA、PNA、HNA、モルホリノ、メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、又は2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイトを含む人工ヌクレオチド類似体の1以上は、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。2’-O-メチル修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。2’-O-アミノプロピル修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。2’-デオキシ修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。T-デオキシ-2’-フルオロ修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。LNA修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。ENA修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。PNA修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。HNA修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。モルホリノ修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。メチルホスホネートヌクレオチド修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。チオールホスホネートヌクレオチド修飾されたポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイトを含むポリ核酸ポリマーは、同等の天然ポリ核酸ポリマーに比して、そのmRNA標的に対して増加した結合親和性を有する可能性がある。増加した親和性は、より低いKd、より高い融点(Tm)、又はこれらの組合せで例証することができる。
【0119】
[00124] 追加の事例では、本明細書に記載されるポリ核酸ポリマーを修飾して、その
安定性を高めてよい。ポリ核酸ポリマーがRNAである態様では、ポリ核酸ポリマーは、その安定性を高めるように修飾し得る。ポリ核酸ポリマーは、上記に記載した修飾の1以
上によって、その安定性を高めるように修飾し得る。ポリ核酸ポリマーは、2’ヒドロキシル位で、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)修飾によるか又はロックされたか又は架橋型のリボース配座(例、LNA又はENA)によるように修飾し得る。ポリ核酸ポリマーは、2’-O-メチル及び/又は2’-O-メトキシエチルリボースによって修飾し得る。ポリ核酸ポリマーは、その安定性を高めるために、モルホリノ類、PNA、HNA、メチルホスホネートヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、又は2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイトも含めてよい。当業者には、送達のために安定性を高めるのに適したRNAへの修飾が明らかであろう。
【0120】
[00125] 本明細書に記載されるポリ核酸ポリマーは、当該技術分野で知られた手順を
使用する、化学合成及び/又は酵素ライゲーション反応を使用して、構築することができる。例えば、天然に存在するヌクレオチド、又は分子の生物学的安定性を高めるか又はポリ核酸ポリマーと標的核酸の間で形成される2重鎖の物理学的安定性を高めるように設計された、様々に修飾されたヌクレオチドを使用して、ポリ核酸ポリマーを化学的に合成することができる。例示の方法には、US5,142,047;US5,185,444;WO2009099942;又はEP1579015に記載されるものを含めることができる。追加の例示の方法には、Griffey et al.,「2-O-aminopropyl ribonucleotides: a zwitterionic modification that enhances the exonuclease resistance and biological activity of antisense oligonucleotides(2’-O-アミノプロピルリボヌクレオチド:アンチセンスオリゴヌクレオチドのエクソヌクレアーゼ抵抗性と生物学的活性を高める双性イオン修飾)」J. Med. Chem. 39(26): 5100-5109 (1997));Obika, et al.「Synthesis of 2-O, 4-C-methyleneuridine and -cytidine. Novel bicyclic nucleosides having affixed C3, -endo suger puckering(2’-O,4’-C-メチレンウリジン及びシチジンの合成。固定されたC3,エンド糖パッカリングを有する新規2環式ヌクレオシド)」Tetrahedron Letters 38(50): 8735 (1997);Koizumi, M.「ENA oligonucleotides as therapeutics(治療薬としてのENAオリゴヌクレオチド)」Current opinion in molecular therapeutics 8(2): 144-149(2006);及び Abramova et al.,「Novel oligonucleotide analogues based on morpholino nucleoside subunits-antisense technologies: new chemical possibilities(モルホリノヌクレオシドサブユニット-アンチセンス技術に基づく新規オリゴヌクレオチド類似体:新しい化学の可能性)」Indian Journal of Chemistry 48B: 1721-1726 (2009) に記載されるものを含めることができる。あるいは、ポリ核酸ポリマーは、あるポリ核酸ポリマーがアンチセンス配向でその中にサブクローン化された(即ち、挿入されたポリ核酸ポリマーから転写されるRNAが目的の標的ポリ核酸ポリマーに対してアンチセンス配向になる)発現ベクターを使用して生物学的に産生することができる。
【0121】
[00126] ポリ核酸ポリマーは、別のアンチセンス分子のようなどの核酸分子にも、ペ
プチドにも、又はポリ核酸ポリマーの送達を促進する、及び/又は該核酸を特定の組織、細胞種、又は細胞の発生期へ標的指向させる他の化学品へも結合し得る。ポリ核酸ポリマーは、タンパク質又はRNAに結合し得る。ポリ核酸ポリマーに繋がったタンパク質は、スプライシングとイントロン除去を増強する、阻害する、又は調節するスプライシング因子を含み得る。ポリ核酸ポリマーに繋がったRNAは、スプライシングとイントロン除去を増強する、阻害する、又は調節するアプタマー又はあらゆる構造を含み得る。ポリ核酸ポリマーは、単離された核酸であり得る。
【0122】
[00127] ポリ核酸ポリマーは、該ポリ核酸ポリマーを細胞に送達するのに適した送達
担体にコンジュゲートさせても、それによって結合してもよい。該細胞は、特定の細胞種、又は特定の発生期であり得る。送達担体は、部位特異的、組織特異的、細胞特異的、又は発生期特異的な送達が可能であり得る。例えば、送達担体は、細胞特異的なウイルス粒子又はその成分であっても、あるいは、送達担体は、細胞特異的な抗体粒子又はその成分であってもよい。ポリ核酸ポリマーは、膵臓中のβ細胞への送達に標的指向され得る。ポリ核酸ポリマーは、胸腺細胞への送達に標的指向され得る。ポリ核酸ポリマーは、悪性細胞への送達に標的指向され得る。ポリ核酸ポリマーは、前悪性細胞(近未来のうちに、プレ白血病や骨髄異形成症候群のような明らかに悪性の表現型、又は組織病理学的に定義される前癌病変又は病態に発達することが知られている)への送達に標的指向され得る。
【0123】
[00128] 1つの態様では、ポリ核酸ポリマーは、薬物のような化学分子(例、非ペプ
チド又は核酸ベースの分子)に結合し得る。該薬物は、低分子(例えば、900Da未満のMWを有する)であり得る。
【0124】
[00129] 本発明の1つの態様では、送達担体は、細胞浸透ペプチド(CPP)を含み
得る。例えば、ポリ核酸ポリマーは、CPPに結合又は複合化し得る。当業者は、どの好適なCPPも、ポリ核酸ポリマーとコンジュゲートして、該ポリ核酸ポリマーの細胞へ及び/又は細胞中への送達に役立ち得ることを理解されよう。このようなCPPは、参照により本明細書に組み込まれる、Boisguerin et al. (2015, Advanced Drug Delivery Reviews doi:10.1016/j.addr.2015.02.008) によって記載される、どの好適なCPP技術でもよい。ポリ核酸ポリマーへのコンジュゲーションに適した送達担体については、参照により本明細書に組み込まれる、Lochmann et al ((European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 58 (2004) 237-251) にも記載されている。
【0125】
[00130] CPPは、例えば、アルギニン及び/又はリジンリッチのペプチドであり得
る(ここでは、該ペプチド中の残基の大多数がリジン又はアルギニンである)。CPPは、ポリ-L-リジン(PLL)を含み得る。あるいは、CPPは、ポリアルギニンを含み得る。好適なCPPは、ペネトラチン(Penetratin);R6-ペネトラチン;トランスポータン(Transportan);オリゴ-アルギニン;F-3;B-ペプチド;B-MSP;Pip1、Pip2a、Pip2b、Pip5e、Pip5f、Pip5h、Pip5j;Pip5k、Pip5l、Pip5m、Pip5n、Pip5o、Pip6a、Pip6b、Pip6c、Pip6d、Pip6e、Pip6f、Pip6g、又はPip6hのようなPipペプチド;配列PKKKRKVのペプチド;ペナトラチン(Penatratin);Lys;SPACE;Tat;Tat-DRBD(dsRNA結合ドメイン);(RXR);(RFF)RXB;(KFF)K;R;T細胞由来CPP;Pep-3;PEGpep-3;MPG-8;MPG-8-Chol;PepFect6;P5RHH;R15;及びChol-R;又はこれらの機能性変異体(例えば、Boisguerin et al. (2015, Advanced Drug Delivery Reviews doi:10.1016/j.addr.2015.02.008) を参照のこと)を含む群より選択され得る。
【0126】
[00131] 1つの態様では、CPPは、Pipペプチドを含むか又はそれから成る。P
ipペプチドは、Pip1、Pip2a、Pip2b、Pip5e、Pip5f、Pip5h、Pip5j;Pip5k、Pip5l、Pip5m、Pip5n、Pip5o、Pip6a、Pip6b、Pip6c、Pip6d、Pip6e、Pip6f、Pip6g、及びPip6hを含む群より選択され得る。
【0127】
[00132] 本発明の1つの態様では、送達担体は、ペプチドベースのナノ粒子(PBN
)を含むことができ、複数のCPP(例えば、本明細書で考察した1以上の好適なCPP)が電荷相互作用を介してポリ核酸ポリマーと複合体を形成する。このようなナノ粒子の大きさは約50nm~250nmであり得る。1つの態様では、ナノ粒子の大きさは約70~200nmであり得る。別の態様では、ナノ粒子の大きさは、約70~100nm又は125~200nmであり得る。
【0128】
[00133] 1つの態様では、ポリ核酸ポリマーは、送達担体と、例えばイオン結合によ
って複合化し得る。あるいは、ポリ核酸ポリマーは、送達担体に共有結合し得る。コンジュゲーション/結合の方法については、参照により本明細書に組み込まれる、Lochmann et al ((European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 58 (2004) 237-251) に記載されている。例えば、コンジュゲーション法は、反応基(例、-NH又は-SH)を含有する好適な繋ぎ(tether)をポリ核酸ポリマーに導入して、合成後に活性中間体としてペプチドのような送達担体に付加し、続いて水系媒体においてカップリング反応を行うことを含み得る。代わりの方法は、単一の固相支持体上でコンジュゲーションを線形モードで行うことを含み得る。
【0129】
[00134] 送達担体とポリ核酸ポリマーは、チオール-マレイミド連結のように、チオ
ール及び/又はマレイミドで連結し得る。ポリ核酸ポリマーと送達担体のコンジュゲーションは、コンジュゲートされる各分子上のアジド又は2’-O-プロパルジル官能基とアルキン基の反応のような、クリックケミストリー(click-chemistry)によってよい。1つの態様では、送達担体とポリ核酸ポリマーは、チオエーテル架橋によって連結し得る。別の態様では、送達担体とポリ核酸ポリマーは、ジスルフィド架橋によって連結し得る。当業者は、ポリ核酸ポリマーと送達担体(ペプチドのような)のコンジュゲーションに適した連結基又は反応を容易に確認されよう。
【0130】
[00135] 遺伝子転写産物は、プロインスリンをコードし得る。遺伝子転写産物は、I
NS遺伝子より転写され得る。遺伝子転写産物は、低レベルのプロインスリンを発現する、ヒトのハプロタイプに由来し得る。イントロンは、INSイントロン1を含み得る。
【0131】
[00136] 遺伝子転写産物は、ABCD4;ABCF3;ACADVL;ALKBH6
;AP1G2;APEX1;ARFRP1;ATHL1;ATP1A3;ATP5D;ATP13A1;BAX;BDH2;BRD2;C1orf63;C1orf630;C1orf631;C1orf124;C2orf49;C8orf82;C16orf59;CAPRIN2;CDCA7;CEP164;CEP170;CLCN7;CPNE1;CPSF3L;DCXR;DENND4B;DFFA;DIS3L2;DNAJB12;DPF1;DRG2;DSN1;EML3;EWSR1;EWSR10;FGFR4;FTSJ1;GBAP1;GMPPA;GMPR2;GNPTG;GORASP1;GPATCH4;HGS;HMG20B;IFFO1;ISYNA1;KRI1;LOC148413;LZTR1;MAN2C1;MAP4K2;MCOLN1;MDP1;MIB2;MITD1;MOK;MOV10;MRPL35;MTMR11;MUS81;NAPEPLD;NBEAL2;NDRG4;NDUFB10;NFATC4;NFKBIB;NIT1;NKTR;NPRL2;NSUN5P1;NUDT22;PAN2;PDDC1;PDLIM4;PHF1;PIK3CD;PITPNM1;PPIL2;PPP1R35;PPP4C;PQLC2;PRPF39;PSME2;PTPMT1;QARS;RAD52;RHOT2;RMND5B;RNF123;RPL10A;RPP21;RPS6KB2;RUSC1;SCRN2;SCYL1;SFR1;SGSM3;SIRT7;SLC25A3;SLC25A3;SLC30A7;SLC37A4;STK19;STX10;TCF25;TOMM40;TP53I3;TRIM41;TRPT1;TSTA3;TTC14;TTC140;TUBGCP6;U2AF1L4;UCK1;UNC45A;VAMP1;VAMP10;VARS;VPS28;WDR24;WDR90;WRAP53;YDJC;YIPF3;YIPF3;ZCCHC8;ZCCHC18;ZFAND1;ZNF131;ZNF300;ZNF317;ZNF692;ZNF711;ZNRD1;ZWINT;又はこれらの組合せを含む遺伝子又はORFのいずれかから選択される遺伝子又はORFより転写され得る。
【0132】
[00137] 「ポリ核酸ポリマー」及び「核酸」という用語は、交換可能的に使用し得て
、長さ約10~約50ヌクレオチドのポリ核酸ポリマーに言及し得る。
[00138] 疾患
[00139] 本明細書に記載される方法及び組成物は、タンパク質の産生低下を特徴とす
る疾患又は病態を治療するために使用することができる。本明細書に記載される方法及び組成物はまた、不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を治療するために使用することができる。この疾患又は病態は、遺伝子疾患又は病態であり得る。この遺伝子疾患又は病態は、タンパク質の産生低下を特徴とし得る。この遺伝子疾患又は病態はまた、不完全なスプライシングを特徴とし得る。遺伝子疾患又は病態は、ゲノム内の1以上の位置内の遺伝性障害、又は非遺伝性障害であり得る。この遺伝子疾患は、遺伝性疾患であり得る。この遺伝性疾患は、タンパク質の産生低下を特徴とし得る。この遺伝性疾患は、不完全なスプライシングを特徴とし得る。遺伝性疾患のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得るゲノムを有する可能性がある。遺伝性疾患のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得るゲノムを有する可能性がある。遺伝性疾患のある対象は、タンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得るゲノムを有する可能性がある。
【0133】
[00140] 遺伝子疾患又は病態は、ゲノム内の1以上の位置内の非遺伝性障害であり得
る。この非遺伝性障害は、点突然変異、欠失、挿入、又はフレームシフトであり得る。非遺伝性障害に関連した遺伝子疾患又は病態は、タンパク質の産生低下を特徴とし得る。非遺伝性障害に関連した遺伝子疾患又は病態は、不完全なスプライシングを特徴とし得る。非遺伝性障害のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得るゲノムを有する可能性がある。非遺伝性障害のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得るゲノムを有する可能性がある。非遺伝性障害のある対象は、タンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得るゲノムを有する可能性がある。
【0134】
[00141] 遺伝子疾患又は病態は、常染色体優性疾患、常染色体劣性疾患、X連鎖優性
疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患であり得る。ときどき、遺伝性疾患は、常染色体優性、常染色体劣性、X連鎖優性、X連鎖劣性、Y連鎖、ミトコンドリア、又は多因子若しくは多遺伝子性の遺伝性疾患として特徴づけることが可能である。常染色体優性疾患、常染色体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患は、タンパク質の産生低下を特徴とし得る。常染色体優性疾患、常染色体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患は、不完全なスプライシングを特徴とし得る。常染色体優性疾患、常染色体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得るゲノムを有する可能性がある。常染色体優性疾患、常染色体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患のある対象は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得るゲノムを有する可能性がある。常染色体優性疾患、常染色体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患のある対象は、タンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得るゲノムを有する可能性がある。
【0135】
[00142] 例示の遺伝性疾患には、軟骨発育不全症、遺伝性ヘモクロマトシス、ダウン
症候群、遺伝性球状赤血球症、テイ・サックス症、アッシャー症候群、遺伝性果糖不耐症、血友病、筋ジストロフィー(例、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はDMD)、多遺伝子疾患、乳癌、卵巣癌、パーキンソン病、バルデー・ビードル症候群、プラダー・ウィリー症候群、糖尿病、心疾患、関節炎、運動ニューロン疾患、色素欠乏症、猫鳴き症候群、嚢胞性線維症、脆弱X症候群、ガラクトース血症、ハンチントン病、ジャクソン・ワイス症候群、クラインフェルター症候群、クラッベ病、ランガー・ギーディオン症候群、レッシュ・ナイハン症候群、マルファン症候群、筋強直性ジストロフィー、ネイル・パテラ症候群、神経線維腫症、ヌーナン症候群、トリプルX症候群、骨形成不全症、パトウ症候群、フェニルケトン尿症、ポルフィリン症、網膜芽細胞腫、レット症候群、鎌状赤血球症、ターナー症候群、アッシャー症候群、フォン・ピッぺル・リンドウ症候群、ワールデンブルグ症候群、ウィルソン病、色素性乾皮症、XXXX症候群、又はYY症候群を含めることができる。
【0136】
[00143] 例えば、軟骨発育不全症、遺伝性ヘモクロマトシス、ダウン症候群、遺伝性
球状赤血球症、テイ・サックス症、アッシャー症候群、遺伝性果糖不耐症、血友病、筋ジストロフィー(例、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はDMD)、多遺伝子疾患、乳癌、卵巣癌、パーキンソン病、バルデー・ビードル症候群、プラダー・ウィリー症候群、糖尿病、心疾患、関節炎、運動ニューロン疾患、色素欠乏症、猫鳴き症候群、嚢胞性線維症、脆弱X症候群、ガラクトース血症、ハンチントン病、ジャクソン・ワイス症候群、クラインフェルター症候群、クラッベ病、ランガー・ギーディオン症候群、レッシュ・ナイハン症候群、マルファン症候群、筋強直性ジストロフィー、ネイル・パテラ症候群、神経線維腫症、ヌーナン症候群、トリプルX症候群、骨形成不全症、パトウ症候群、フェニルケトン尿症、ポルフィリン症、網膜芽細胞腫、レット症候群、鎌状赤血球症、ターナー症候群、アッシャー症候群、フォン・ピッぺル・リンドウ症候群、ワールデンブルグ症候群、ウィルソン病、色素性乾皮症、XXXX症候群、又はYY症候群のような遺伝性疾患は、タンパク質の産生低下又は不完全なスプライシングを特徴とし得る。例えば、軟骨発育不全症、遺伝性ヘモクロマトシス、ダウン症候群、遺伝性球状赤血球症、テイ・サックス症、アッシャー症候群、遺伝性果糖不耐症、血友病、筋ジストロフィー(例、デュシェンヌ型筋ジストロフィー又はDMD)、多遺伝子疾患、乳癌、卵巣癌、パーキンソン病、バルデー・ビードル症候群、プラダー・ウィリー症候群、糖尿病、心疾患、関節炎、運動ニューロン疾患、色素欠乏症、猫鳴き症候群、嚢胞性線維症、脆弱X症候群、ガラクトース血症、ハンチントン病、ジャクソン・ワイス症候群、クラインフェルター症候群、クラッベ病、ランガー・ギーディオン症候群、レッシュ・ナイハン症候群、マルファン症候群、筋強直性ジストロフィー、ネイル・パテラ症候群、神経線維腫症、ヌーナン症候群、トリプルX症候群、骨形成不全症、パトウ症候群、フェニルケトン尿症、ポルフィリン症、網膜芽細胞腫、レット症候群、鎌状赤血球症、ターナー症候群、アッシャー症候群、フォン・ピッぺル・リンドウ症候群、ワールデンブルグ症候群、ウィルソン病、色素性乾皮症、XXXX症候群、又はYY症候群のような遺伝性疾患は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得る、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得る、又はタンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得る。
【0137】
[00144] 上記に記載したように、遺伝子疾患又は病態は、常染色体優性疾患、常染色
体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患であり得る。遺伝子疾患又は病態は、常染色体優性疾患、常染色体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患であり得て、タンパク質の産生低下又は不完全なスプライシングを特徴とする疾患であり得る。
【0138】
[00145] 例示の常染色体優性疾患には、ハンチントン病、神経線維腫症1型、神経線
維腫症2型、マルファン症候群、遺伝性非ポリポーシス結直腸癌、遺伝性多発性外骨腫、結節性硬化症、フォン・ウィルブランド病、又は急性間欠性ポルフィリン症を含めることができる。
【0139】
[00146] ハンチントン病、神経線維腫症1型、神経線維腫症2型、マルファン症候群
、遺伝性非ポリポーシス結直腸癌、遺伝性多発性外骨腫、結節性硬化症、フォン・ウィルブランド病、又は急性間欠性ポルフィリン症のような常染色体優性疾患は、タンパク質の産生低下又は不完全なスプライシングを特徴とし得る。ハンチントン病、神経線維腫症1型、神経線維腫症2型、マルファン症候群、遺伝性非ポリポーシス結直腸癌、遺伝性多発性外骨腫、結節性硬化症、フォン・ウィルブランド病、又は急性間欠性ポルフィリン症のような常染色体優性疾患は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得る、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得る、又はタンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得る。
【0140】
[00147] 例示の常染色体劣性疾患には、色素欠乏症、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠
損症、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症、テイ・サックス症、ニーマン・ピック病、脊髄性筋萎縮症、又はロバーツ症候群を含めることができる。
【0141】
[00148] 色素欠乏症、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、嚢胞性線維症、鎌状赤血
球症、テイ・サックス症、ニーマン・ピック病、脊髄性筋萎縮症、又はロバーツ症候群のような常染色体劣性疾患は、タンパク質の産生低下又は不完全なスプライシングを特徴とし得る。色素欠乏症、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、嚢胞性線維症、鎌状赤血球症、テイ・サックス症、ニーマン・ピック病、脊髄性筋萎縮症、又はロバーツ症候群のような常染色体劣性疾患は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得る、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得る、又はタンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得る。
【0142】
[00149] 例示のX連鎖優性疾患には、X連鎖低リン血症性くる病、レット症候群、色
素失調症2型、アイカルディ症候群、又はクラインフェルター症候群を含めることができる。
【0143】
[00150] X連鎖低リン血症性くる病、レット症候群、色素失調症2型、アイカルディ
症候群、又はクラインフェルター症候群のようなX連鎖優性疾患は、タンパク質の産生低下又は不完全なスプライシングを特徴とし得る。X連鎖低リン血症性くる病、レット症候群、色素失調症2型、アイカルディ症候群、又はクラインフェルター症候群のようなX連鎖優性疾患は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得る、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエ
クソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得る、又はタンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得る。
【0144】
[00151] 例示のX連鎖劣性疾患には、血友病A、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、
レッシュ・ナイハン症候群、又はターナー症候群を含めることができる。
[00152] 血友病A、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、レッシュ・ナイハン症候群、
又はターナー症候群のようなX連鎖劣性疾患は、タンパク質の産生低下又は不完全なスプライシングを特徴とし得る。血友病A、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、レッシュ・ナイハン症候群、又はターナー症候群のようなX連鎖劣性疾患は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得る、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得る、又はタンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得る。
【0145】
[00153] 例示のY連鎖疾患には、スワイヤ-症候群又は一種の網膜色素変性症を含め
ることができる。
[00154] スワイヤ-症候群又は一種の網膜色素変性症のようなY連鎖疾患は、タンパ
ク質の産生低下又は不完全なスプライシングを特徴とし得る。スワイヤ-症候群又は一種の網膜色素変性症のようなY連鎖疾患は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得る、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得る、又はタンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得る。
【0146】
[00155] 例示のミトコンドリア病には、レーバー遺伝性視神経症を含めることができ
る。
[00156] レーバー遺伝性視神経症のようなミトコンドリア病は、タンパク質の産生低
下又は不完全なスプライシングを特徴とし得る。レーバー遺伝性視神経症のようなミトコンドリア病は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得る、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得る、又はタンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得る。
【0147】
[00157] 例示の多因子若しくは多遺伝子疾患には、心疾患、糖尿病、多発性硬化症の
ような自己免疫疾患、炎症性腸疾患、又は癌を含めることができる。
[00158] 心疾患、糖尿病、多発性硬化症のような自己免疫疾患、炎症性腸疾患、又は
癌のような多因子若しくは多遺伝子疾患は、タンパク質の産生低下又は不完全なスプライシングを特徴とし得る心疾患、糖尿病、多発性硬化症のような自己免疫疾患、炎症性腸疾患、又は癌のような多因子若しくは多遺伝子疾患は、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンを含む遺伝子のコピーを含み得る、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるときにタンパク質の全長機能型をコードし得るエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含み得る、又はタンパク質の全長機能型を産生することが不可能であり得る、遺伝子の不完全なコピーを含み得る。
【0148】
[00159] いくつかの事例では、本明細書に記載される組成物及び方法を使用して、遺
伝性疾患のような遺伝子の疾患又は病態を治療する。本明細書に記載される組成物及び方
法を使用して、タンパク質の産生低下を特徴とする遺伝性疾患のような遺伝子の疾患又は病態を治療することができる。本明細書に記載される組成物及び方法を使用して、不完全なスプライシングを特徴とする遺伝性疾患のような遺伝子の疾患又は病態を治療することができる。
【0149】
[00160] 本明細書に記載される組成物及び方法を使用して、常染色体優性疾患、常染
色体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患のような遺伝子疾患又は病態を治療することもできる。本明細書に記載される組成物及び方法を使用して、その疾患又は病態がタンパク質の産生低下を特徴とする、常染色体優性疾患、常染色体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患を治療することができる。本明細書に記載される組成物及び方法を使用して、その疾患又は病態が不完全なスプライシングを特徴とする、常染色体優性疾患、常染色体劣性疾患、X連鎖優性疾患、X連鎖劣性疾患、Y連鎖疾患、ミトコンドリア病、又は多因子若しくは多遺伝子疾患を治療することもできる。
【0150】
[00161] いくつかの事例では、疾患又は病態には、筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮
症(SMA)、毛細血管拡張性運動失調症、X連鎖無γグロブリン血症、糖尿病、又は癌が含まれる。
【0151】
[00162] 筋ジストロフィーは、筋骨格系を弱め得て移動を妨げ得る、一群の筋疾患で
ある。それは、進行性の骨格筋衰弱、筋タンパク質中の障害、並びに筋細胞及び組織の死を特徴とし得る。筋ジストロフィーの1つの一般的な形態は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)であり得る。筋ジストロフィーの追加の形態には、ベッカー型、肢体型、先天性、顔面肩甲上腕型、筋強直性、眼咽頭型、遠位、及びエメリ・ドレフュス型の筋ジストロフィーを含めることができる。
【0152】
[00163] 脊髄性筋萎縮症(SMA)は、小児死亡の最も一般的な遺伝子的原因の1つ
である、常染色体劣性疾患である。この疾患の主要な特徴は、脊髄運動ニューロンの進行性の損失であり得て、骨格筋の脱神経をもたらして、随意筋の衰弱、委縮、及び麻痺が後続する。SMAの遺伝子座は、数個の遺伝子を含有する第5染色体5q13上にある約500kbの複合した逆位反復にマッピングされ得る。SMAの主因は、その逆位反復内に位置する生存運動ニューロン遺伝子(SMN1)のテロメアコピーのホモ接合欠失であり得る。逆位反復のセントロメアコピー内の重複遺伝子(SMN2)も転写され得るが、SMN2遺伝子は、SMN1機能の損失を完全には代償しない。
【0153】
[00164] 毛細血管拡張性運動失調症(A-T)又はルイス・バー症候群は、稀な神経
変性の遺伝病である。「運動失調(ataxia)」という用語は、整合不足を意味して、「毛細血管拡張性(telangiectasia)」という用語は、拡張された毛細血管を意味する。いずれの用語も、この疾患の特質を特徴づける。ATは、小脳とさらなる脳の領域を損なう可能性があって、それが運動及び整合の妨害を引き起こす可能性がある。ATはまた、免疫系を弱めることによって感染を高める可能性があって、DNA修復を損なうことによって癌のリスクを高める可能性がある。A-Tは、多様なストレスに対する細胞応答を管理する役割があるATM遺伝子中の障害に関連する可能性がある。
【0154】
[00165] X連鎖低γグロブリン血症、XLA、ブルートン型無γグロブリン血症、ブ
ルートン症候群、又は伴性無γグロブリン血症としても知られるX連鎖無γグロブリン血症は、感染と戦う身体能力に影響を及ぼし得るX連鎖遺伝子疾患である。XLA患者では成熟B細胞が不足して、結果として、感染と戦うのに必要な抗体が不足する。ブルートンチロシンキナーゼ(BTK)は、B細胞の発生及び成熟化に媒介することに関連し得て、
BTK遺伝子は、XLAに関連する可能性がある。
【0155】
[00166] 真性糖尿病(DM)(通常、糖尿病として知られる)は、長期間にわたる高
血糖レベルを特徴とする代謝性疾患の群である。糖尿病の症状には、体重損失、多尿症又は排尿増加、多渇症又は渇きの増加、及び過食症又は空腹の増加を含めることができる。糖尿病は、4種のカテゴリー(1型、2型、妊娠糖尿病、及び他の特殊型の糖尿病)に分類することができる。1型糖尿病は、インスリン欠乏をもたらす、膵臓中のランゲルハンス島のインスリン産生β細胞の欠失を特徴とし得る。2型糖尿病は、インスリン抵抗性を特徴とし得て、これはまたインスリン分泌の低下と結び付く可能性がある。妊娠糖尿病は、2型糖尿病に似ている可能性があって、不十分なインスリンの分泌及び応答性の組合せが関与する可能性がある。他の特殊型の糖尿病には、糖尿病前症、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)、及び先天性糖尿病を含めることができる。
【0156】
[00167] 癌は、固形腫瘍又は血液系腫瘍であり得る。固形腫瘍は、肉腫又は癌腫であ
り得る。肉腫は、骨、軟骨、脂肪筋、血管又は造血組織の癌であり得る。例示の肉腫には、胞巣状横紋筋肉腫、胞巣状軟部肉腫、エナメル上皮腫、血管肉腫、軟骨肉腫、脊索腫、軟部組織の淡明細胞肉腫、脱分化型脂肪肉腫、デスモイド、線維形成性小円形細胞腫瘍、胎児性横紋筋肉腫、類上皮線維肉腫、類上皮血管内皮腫、類上皮肉腫、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、腎外性ラブドイド腫瘍、骨外性粘液型軟骨肉腫、骨外性骨肉腫、線維肉腫、巨細胞腫瘍、血管外皮腫、乳児型線維肉腫、炎症性筋線維芽細胞腫瘍、カポシ肉腫、骨平滑筋肉腫、脂肪肉腫、骨脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫(MFH)、骨悪性線維性組織球腫(MFH)、悪性間葉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、間葉性軟骨肉腫、粘液線維肉腫、粘液型脂肪肉腫、粘液炎症性線維芽細胞肉腫、血管周囲類上皮細胞分化を伴う新生物(複数)、骨肉腫、傍骨性骨肉腫、血管周囲類上皮細胞分化を伴う新生物、骨膜性骨肉腫、多形型脂肪肉腫、多形型横紋筋肉腫、PNET/骨外性ユーイング腫瘍、横紋筋肉腫、円形細胞型脂肪肉腫、小細胞型骨肉腫、孤在線維性腫瘍、滑膜肉腫、血管拡張型骨肉腫を含めることができる。
【0157】
[00168] 癌腫は、上皮細胞より発生する癌であり得る。例示の癌腫には、腺癌、扁平
細胞癌、腺扁平上皮癌、退形成癌、大細胞癌、小細胞癌、肛門癌、盲腸癌、胆管癌(即ち、胆管細胞癌)、膀胱癌、脳腫瘍、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、原発不明癌(CUP)、食道癌、眼の癌、卵管癌、消化器系癌、腎癌、肝癌、肺癌、髄芽腫、黒色腫、口腔癌、卵巣癌、膵臓癌、副甲状腺疾患、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、直腸癌、皮膚癌、胃癌、精巣癌、咽頭癌、甲状腺癌、子宮癌、膣癌、又は外陰癌を含めることができる。
【0158】
[00169] 血液系腫瘍は、血管系の悪性腫瘍であって、T細胞ベースの悪性腫瘍とB細
胞ベースの悪性腫瘍を含めることができる。例示の血液系腫瘍には、骨髄性白血病、骨髄増殖性腫瘍、非特定型末梢T細胞リンパ腫(PTCL-NOS)、未分化大細胞型リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、芽球型NK細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、肝脾γ・δT細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、鼻性NK/T細胞リンパ腫、治療関連T細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、高リスクCLL、非CLL/SLLリンパ腫、前リンパ球性白血病(PLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫(PMBL)、免疫芽球性大細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、又はリンパ腫様肉芽腫症を含めることができる。
【0159】
[00170] いくつかの事例では、本明細書に記載される組成物及び方法を使用して、筋
ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症(SMA)、毛細血管拡張性運動失調症、X連鎖無γグロブリン血症、糖尿病、又は癌を治療する。本明細書に記載される組成物及び方法を使用して、筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症(SMA)、毛細血管拡張性運動失調症、X連鎖無γグロブリン血症、糖尿病、又は癌を治療することができて、ここで該疾患又は障害は、タンパク質の産生低下に関連している。本明細書に記載される組成物及び方法を使用して、筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症(SMA)、毛細血管拡張性運動失調症、X連鎖無γグロブリン血症、糖尿病、又は癌を治療することができて、ここで該疾患又は障害は、不完全なスプライシングを特徴とする。
【0160】
[00171] 上記疾患は、成熟転写産物においてイントロン全体の保持をもたらす突然変
異によって引き起こされる、どんな遺伝子状態であってもよい。該疾患は、糖尿病であり得る。該疾患は、I型糖尿病であり得る。該疾患は、II型糖尿病であり得る。別の態様では、疾患は、癌であり得る。その癌は、骨髄性白血病又は骨髄増殖性腫瘍であり得る。その癌は、3’スプライス部位の認識を促進するスプライソソーム成分のいずれにも突然変異を維持する場合がある。該ポリ核酸ポリマーは、残余のβ細胞活性がある対象において内因性の発現を高めるために使用し得る。該ポリ核酸ポリマーは、移植β細胞を受容した患者が含まれる、他の糖尿病患者においてプロインスリンの発現を高めるために使用し得る。該ポリ核酸ポリマーは、U2成分をコードする遺伝子に突然変異を含有する悪性腫瘍(例えば、骨髄性白血病の20%より多い)のアンチセンス療法として使用し得る。
【0161】
[00172] 疾患が糖尿病である態様では、イントロン保持の発生を減少させることが対
象の胎児発育の間であってよい。例えば、胎児におけるイントロン保持を減少させるために、妊娠した母親に該ポリ核酸ポリマーを投与してよい。
【0162】
[00173] 対象は、真核生物であり得る。対象は、哺乳動物であり得る。対象は、ヒト
であり得る。対象は、非ヒト霊長動物であり得る。対象は、ラット、マウス、フェレット、イヌ、ネコ、又はブタのような非霊長類の哺乳動物であり得る。対象は、ヒト胎児のような、胎児であり得る。
【0163】
[00174] 本方法は、疾患病理が遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因するかどう
かを治療に先立って決定することを含み得る。この決定には、当業者に利用可能などの好適なアッセイも遺伝子解析も使用し得る。
【0164】
[00175] いくつかの事例では、in situ ハイブリダイゼーション及びRT-PCRの
ような核酸ベースの技術を用いて核酸レベルで検出を行う。配列決定技術には、Helicos True Single Molecule Sequencing(tSMS)(Harris T.D. et al. (2008) Science 320:106-109);454配列決定法(ロシュ)(Margulies, M. et al. 2005, Nature, 437, 376-380);SOLiD技術(アプライド・バイオシステムズ);SOLEXA配列決定法(Illumina);Pacific Biosciences の単一分子リアルタイム(SMRTTM)技術;ナノポア(nanopore)配列決定法(Soni GV and Meller A. (2007) Clin Chem 53: 1996-2001);半導体配列決定法(Ion Torrent;Personal Genome Machine);DNAナノボール(nanoball)配列決定法; Dover Systems(Polonator)由来の技術を使用する配列決定法、及びナノポアベースの戦略(例、Oxford Nanopore、Genia Technologies、及び Nabsys)のような、配列決定に先立って増幅を必要としないし他のやり方でネイティブDNAを形質転換することもない技術(例、Pacific Biosciences 及び Helicos)といった次世代配列決定技術を含めることができる。配列決定技術には、サンガー配列決定法、マキサム・ギルバート配列決定法、ショットガン配列決定法、ブリッジPCR、質量分析法ベースの配列決定法、微小流路(microfluidic)ベースのサンガー配列決定法、顕微鏡法ベースの配列決定法、RNAP配列決定法、又はハイブリダイゼーションベースの配列決定法も含めることができる。
【0165】
[00176] 目的の遺伝子転写産物の配列決定法には、増幅工程も含めてよい。例示の増
幅法には、限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、自立配列複製(3SR)、ループ介在等温増幅(LAMP)、鎖置換増幅(SDA)、全ゲノム増幅、多重置換増幅、鎖置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、ニッキング(nicking)酵素増幅反応、組換えポリメラーゼ増幅、逆転写PCR、ライゲーション媒介PCR、又はメチル化特異的PCRが含まれる。
【0166】
[00177] 核酸配列を入手するために使用し得る追加の方法には、例えば、全ゲノムR
NA発現アレイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ゲノム配列決定法、de novo 配列決定法、Pacific Biosciences SMRT配列決定法、免疫組織化学(IHC)、免疫細胞化学(ICC)、質量分析法、タンデム質量分析法、マトリックス支援レーザー脱離イオン化-飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF MS)、in-situ ハイブリダイゼーション、蛍光 in-situ ハイブリダイゼーション(FISH)、色素 in-situ ハイブリダイゼーション(CISH)、銀 in situ ハイブリダイゼーション(SISH)、デジタルPCR(dPCR)、逆転写PCR、定量PCR(Q-PCR)、単一マーカーqPCR、リアルタイムPCR、nCounter Analysis(Nanostring 技術)、ウエスタン・ブロッティング、サザン・ブロッティング、SDS-PAGE、ゲル電気泳動法、及びノーザン・ブロッティングが含まれる。
【0167】
[00178] いくつかの事例では、例えば、ウエスタン・ブロットのような免疫沈降ベー
スのアッセイ、又はELISAを使用して、タンパク質レベルで検出を行うことができる。付言すると、目的のタンパク質の検出には、電気泳動法や質量分析法の分析のような方法も利用することができる。
【0168】
[00179] 本発明の別の側面によれば、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイ
ブリダイズさせることを含む、細胞においてイントロン・スプライシングを調節する方法が提供され、ここで該領域は、配列番号46、又は任意選択的に、配列番号46に対して少なくとも95%の同一性を有する領域を含むか又はそれから成る。該領域は、配列番号46に対して少なくとも98%又は99%の同一性を有し得る。
【0169】
[00180] 本発明の別の側面によれば、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイ
ブリダイズさせることを含む、細胞においてイントロン・スプライシングを調節する方法が提供され、ここで該領域は、配列番号3、又は任意選択的に、配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有する領域を含むか又はそれから成る。該領域は、配列番号3に対して少なくとも98%又は99%の同一性を有し得る。
【0170】
[00181] 本発明の別の側面によれば、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイ
ブリダイズさせることを含む、細胞においてイントロン・スプライシングを調節する方法が提供され、ここで該領域は、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれにも相補的な配列を含むか又はそれから成る。
【0171】
[00182] 本発明の別の側面によれば、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイ
ブリダイズさせることを含む、細胞においてイントロン・スプライシングを調節する方法が提供され、ここで該領域は、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれに対しても少なくとも95%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれから成る。該領域は、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれに対しても少なくとも98%の同一性を有する配列に相補的な
配列を含み得るか又はそれから成り得る。該領域は、配列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれに対しても少なくとも99%の同一性を有する配列に相補的な配列を含み得るか又はそれから成り得る。
【0172】
[00183] 該細胞は、試験管内(in vitro)であり得る。該細胞は、体外(ex vivo)であり得る。該細胞は、真核細胞又は原核細胞であり得る。該細胞は、真核細胞であり得る。該細胞は、ヒト;非ヒト霊長動物;又は、ネコ、ラット、マウス、イヌ、フェレット、又はブタのような非霊長類の哺乳動物由来の哺乳動物細胞であり得る。該細胞は、上皮細胞、結合組織細胞、ホルモン分泌細胞、神経細胞、骨格筋細胞、血液細胞、又は免疫系細胞由来のようなヒト細胞であり得る。該細胞は、固形腫瘍細胞又は血液系腫瘍細胞のような腫瘍細胞であり得る。
【0173】
[00184] 本発明の別の側面によれば、配列番号46を含むか又はそれから成るポリ核
酸ポリマーの領域、又は任意選択的に、配列番号46に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスである、ポリ核酸ポリマーが提供される。該領域は、配列番号46に対して少なくとも98%又は99%の同一性を有し得る。
【0174】
[00185] 本発明の別の側面によれば、配列番号3を含むか又はそれから成るポリ核酸
ポリマーの領域、又は任意選択的に、配列番号3に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスである、ポリ核酸ポリマーが提供される。該領域は、配列番号3に対して少なくとも98%又は99%の同一性を有し得る。
【0175】
[00186] 本発明の別の側面によれば、ポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対
してアンチセンスであるポリ核酸ポリマーが提供され、該領域は、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに相補的な配列を含むか又はそれから成る。
【0176】
[00187] 本発明の別の側面によれば、ポリ核酸ポリマーの領域(ここで該領域は、配
列番号47~配列番号434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれにも相補的な配列を含むか又はそれから成る);又は任意選択的に、配列番号47~配列番号434に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスである、ポリ核酸ポリマーが提供される。該領域は、配列番号47~配列番号434に対して少なくとも98%又は99%の同一性を有し得る。
【0177】
[00188] ポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであること
への言及は、少なくとも5の連続したヌクレオチドの領域を意味すると当業者には理解され得る。ポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであることへの言及は、少なくとも10の連続したヌクレオチドの領域を意味すると当業者には理解され得る。
【0178】
[00189] 本発明の別の側面によれば、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番
号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーが提供される。
【0179】
[00190] 本発明の別の側面によれば、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番
号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも99%の同一性を有する核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーが提供される。本発明の別の側面によれば、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも98%の同一性を有する核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーが提供される。本発明の別の側面によれば、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有する核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーが提供される。
【0180】
[00191] 本発明の別の側面によれば、配列番号47~434;又はこれらの組合せを
含む群のいずれかから選択される核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーが提供される。ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換され得ることが理解される(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。
【0181】
[00192] 本発明の別の側面によれば、配列番号47~434;又はこれらの組合せを
含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも99%の同一性を有する核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーが提供される。本発明の別の側面によれば、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも98%の同一性を有する核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーが提供される。本発明の別の側面によれば、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有する核酸配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーが提供される。ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換され得ることが理解される(例えば、そのような配列のRNAのDNA型)。
【0182】
[00193] ポリ核酸ポリマーは、単離された核酸であり得る。ポリ核酸ポリマーは、該
ポリ核酸ポリマーを細胞に送達するのに適した送達担体にコンジュゲートさせても、それによって結合してもよい。送達担体は、部位特異的、組織特異的、細胞特異的な送達が可能であり得る。例えば、送達担体は、細胞特異的なウイルス粒子又はその成分であっても、あるいは、送達担体は、細胞特異的な抗体粒子又はその成分であってもよい。ポリ核酸ポリマーは、膵臓中のβ細胞への送達に標的指向され得る。ポリ核酸ポリマーは、胸腺細胞への送達に標的指向され得る。ポリ核酸ポリマーは、悪性細胞への送達に標的指向され得る。ポリ核酸ポリマーは、その安定性を高めるために修飾され得る。ポリ核酸ポリマーがRNAである態様では、該ポリ核酸ポリマーは、その安定性を高めるために修飾され得る。ポリ核酸ポリマーは、2’-O-メチル及び2’-O-メトキシエチルリボースによって修飾され得る。当業者には、送達のために安定性を高めるのに適したRNAへの修飾が明らかであろう。
【0183】
[00194] ポリ核酸ポリマーは、プラスミドベクターの一部であり得る。ポリ核酸ポリ
マーは、ウイルスベクターの一部であり得る。ポリ核酸ポリマーは、ウイルスベクター上でコードされ得る。
【0184】
[00195] 本発明の別の側面によれば、本発明のポリ核酸ポリマーを含むベクターが提
供される。該ベクターは、ウイルスベクターを含み得る。該ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルスベクターを含み得る。該ベクターは、ポリ核酸ポリマーを悪性細胞又は特定細胞種へ標的指向させるウイルスも含み得る。
【0185】
[00196] 本発明の別の側面によれば、本発明のポリ核酸ポリマーを含むか又はそれへ
結合した送達担体が提供される。該送達担体は、脂質ベースのナノ粒子;カチオン性細胞浸透ペプチド(CPP);又は直鎖若しくは分岐鎖カチオン性ポリマー;又はコレステロール、胆汁酸、脂質、ペプチド、ポリマー、タンパク質、又はアプタマーのようなバイオコンジュゲートを含み得て、これらは、細胞内送達及び/又は安定性改善のためにポリ核酸ポリマーにコンジュゲートされる。該送達担体は、細胞若しくは組織特異的でも、発生期特異的でもよい。該送達担体は、抗体又はその一部を含み得る。該抗体は、該ポリ核酸ポリマーの特定細胞への送達のために、目的の細胞上の細胞表面マーカーに特異的であり得る。例えば、該抗体は、参照により本明細書に組み込まれる、Ji Hoon Jeong et al (Journal of Controlled Release 107 (2005) 562-570) に従って、島β細胞へ標的指向される非ウイルス性ポリ核酸ポリマーの送達用の抗GAD抗体を含み得る。例えば、抗GAD抗体は、抗GAD Fab’断片をPEIにPEGリンカーを介してコンジュゲートする(PEI-PEG-Fab’)。ポリ核酸ポリマーの標的指向される組織送達のためのそのようなコンジュゲーションには、他の特異抗体も使用し得る。
【0186】
[00197] 医薬組成物/製剤、投薬、及び治療レジメン
[00198] 本発明の1つの側面によれば、部分的にプロセシングされたmRNA転写産
物中のイントロンのスプライシングアウトの増加を誘導する治療薬剤を含む医薬組成物を対象に投与すること(ここで該対象は、該タンパク質の全長機能型のコピーをコードすることが可能であって、そのそれぞれが部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の翻訳を阻害する少なくとも1つの保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールを有する)、及び該対象の標的細胞を治療薬剤と接触させて、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールのある部分がスプライシングを受けて、その部分中の部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のそれぞれより少なくとも1つの保持されたイントロンを除去することを引き起こして、完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生すること(ここで、完全にプロセシングされたmRNA転写産物は、翻訳されて該タンパク質の全長機能型のコピーを発現して、それが該疾患又は病態を治療する)を含む、タンパク質の機能型の産生低下を特徴とする疾患又は病態の治療のための治療薬剤が提供される。
【0187】
[00199] 治療薬剤は、該細胞において1以上のスプライシングタンパク質複合体の活
性化を引き起こして、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールの部分中の部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のそれぞれより少なくとも1つの保持されたイントロンを除去することができる。治療薬剤は、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を阻害することができる。治療薬剤は、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を活性化することができる。治療薬剤は、イントロン・スプラ
イシング活性を調節するタンパク質と相互作用し得るか又はそれに結合し得る。治療薬剤は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的ポリヌクレオチド配列と相互作用し得るか又はそれに結合し得る。いくつかの態様では、治療薬剤は、本明細書に記載されるポリ核酸ポリマーのような、ポリ核酸ポリマーであり得る。いくつかの態様では、治療薬剤は、低分子であり得る。
【0188】
[00200] 該低分子は、900ダルトン未満の分子であり得て、細胞中の1以上のスプ
ライシングタンパク質複合体を始動させて、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールの部分中の部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のそれぞれより少なくとも1つの保持されたイントロンを除去することができる。該低分子は、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を阻害することができる。該低分子は、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を活性化することができる。該低分子は、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質と相互作用し得るか又はそれに結合し得るか又は、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的ポリヌクレオチド配列と相互作用し得るか又はそれに結合し得る。
【0189】
[00201] 本発明の別の側面によれば、本発明のポリ核酸ポリマーを含む組成物が提供
される。該組成物は、医薬的に許容される組成物であり得る。該組成物は、医薬的に許容される担体を含み得る。該組成物は、薬物又はプロドラッグのような追加の活性薬剤を含み得る。該組成物は、治療のために、SSOのような、異なるポリ核酸ポリマーの組合せを含み得る。
【0190】
[00202] 該組成物は、ポリ核酸ポリマーに加えて、少なくとも1つの他の生物学的活
性分子を含み得る。該生物学的活性分子は、薬物又はプロドラッグであり得る。該生理活性分子は、核酸又はアミノ酸を含み得る。該生物学的活性分子は、低分子(例、900ダルトン未満の分子)を含み得る。
【0191】
[00203] 本明細書に記載される医薬組成物は、あるタンパク質をコードして、保持さ
れたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー(ここで該標的配列は、2つのG4重鎖の間にあり、ここで該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である);及び医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含み得る。本明細書に記載される医薬組成物はまた、あるタンパク質をコードして、保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー(ここで該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズし、ここで該イントロン・スプライシング調節配列は、第1のCCCモチーフを含み、そしてここで該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である);及び医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含み得る。加えて、本明細書に記載される医薬組成物は、あるタンパク質をコードして、保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー(ここで該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、ここで該結合モチーフは、G4重鎖を形成せず、そしてここで該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である);及び医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含み得る。
【0192】
[00204] 本明細書に記載される医薬組成物は、あるタンパク質をコードして、保持さ
れたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイ
ブリダイズするポリ核酸ポリマー(ここで該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、そしてここで該結合モチーフは、ヘアピン構造を形成し、ここで該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である);及び医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体をさらに含み得る。
【0193】
[00205] 本明細書に記載される医薬製剤は、限定されないが、非経口(例、静脈内、
皮下、筋肉内)、経口、鼻腔内、頬内、局所、直腸、又は経皮の投与経路が含まれる多数の投与経路によって対象に投与することができる。いくつかの事例では、本明細書に記載される医薬組成物は、非経口(例、静脈内、皮下、筋肉内)投与用に製剤化される。他の事例において、本明細書に記載される医薬組成物は、経口投与用に製剤化される。なお他の事例において、本明細書に記載される医薬組成物は、鼻腔内投与用に製剤化される。
【0194】
[00206] 本明細書に記載される医薬製剤には、限定されないが、水性液体分散液剤、
自己乳化型分散液剤、固体溶液剤、リポソーム分散液剤、エアゾール剤、固体剤形、散剤、即時放出型製剤、制御放出型製剤、速溶解型製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出型製剤、延長放出型製剤、パルス放出型製剤、多微粒子製剤、並びに即時及び制御複合放出型製剤が含まれ得る。
【0195】
[00207] 医薬製剤には、医薬品において一般的に使用されるどの賦形剤も含まれ得て
、本明細書に開示される組成物との適合性と、所望される剤形の放出プロフィール特性を基に選択されるべきである、担体又は担体材料が含まれ得る。例示の担体材料には、例えば、結合剤、懸濁剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、湿潤剤、希釈剤、等が含まれる。医薬的に適合可能な担体材料には、限定されないが、アカシア、ゼラチン、コロイド状2酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、コレステロール、コレステロールエステル類、カゼイン酸ナトリウム、大豆レシチン、タウロコール酸、ホスファチジルコリン、塩化ナトリウム、リン酸3カルシウム、リン酸2カリウム、セルロースとセルロースコンジュゲート、糖類、ステアロイルラクチル酸ナトリウム、カラゲナン、モノグリセリド、ジグリセリド、プレゼラチン化デンプン、等が含まれ得る。例えば、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed(レミントン:調剤の科学と実践、第19版)」(ペンシルヴェニア州イーストン:Mack Publishing Company, 1995);Hoover, John E.「Remingtons Pharmaceutical Sciences(レミントン製剤科学)」(Mack Publishing Co., ペンシルヴェニア州イーストン、1975);Liberman, H. A. and Lachman, L.(監修)「Pharmaceutical Dosage Forms(医薬剤形)」Marcel Decker, ニューヨーク州ニューヨーク、1980;及び「Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(医薬剤形と薬物送達システム)」第7版(Lippincott Williams & Wilkins, 1999) を参照のこと。
【0196】
[00208] 医薬製剤には、分散剤及び/又は粘度調節剤が含まれ得て、これには、薬物
の液体媒体を通した拡散及び均質性、又は造粒法と混和法を制御する材料が含まれ得る。いくつかの態様では、これらの薬剤はまた、被覆又は腐食マトリックスの有効性を促進する。例示の分散促進剤/分散剤には、例えば、親水性ポリマー、電解質、Tween(登録商標)60又は80、PEG、ポリビニルピロリドン(PVP;Plasdone(登録商標)の商品名で知られる)、及び、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(例、HPC、HPC-SL、及びHPC-L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例、HPMC K100、HPMC K4M、HPMC K15M、及びHPMC K100M)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、非結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S630)、2酸化エチレンとホルムアルデヒドを含む4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノールポリマー(チロキサポールとしても知られる)、ポロキサマー類(例、酸化エチレンと酸化プロピレンのブロック共重合体である、Pluronics F68(登録商標)、F88(登録商標)、及びF108(登録商標));並びに、ポロキサミン類(例、Poloxamine 908(登録商標)としても知られる、Tetronic 908(登録商標)、これは、エチレンジアミンへの酸化プロピレンと酸化エチレンの連続付加より誘導される4官能性のブロック共重合体である(BASF Corporation, ニュージャージー州パーシッパニー))、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、又はポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S-630)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールの分子量は、約300~約6000、又は約3350~約4000、又は約7000~約5400であり得る)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリソルベート-80、アルギン酸ナトリウム、ゴム類(例えば、トラガカントゴムとアカシアゴム、グアーゴムのような)、キサンタン(キサンタンガムが含まれる)、糖類、セルロース系薬剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースのような)、ポリソルベート-80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドン、カルボマー類、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸塩、キトサン、及びこれらの組合せといった、炭水化物ベースの分散剤が含まれる。セルロース又はトリエチルセルロースのような可塑剤も、分散剤として使用し得る。リポソーム分散液剤及び自己乳化型分散液剤に特に有用な分散剤は、ジミリストイルホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルコリン、卵由来の天然ホスファチジルグリセロール、コレステロール、及びミリスチン酸イソプロピルである。
【0197】
[00209] 医薬製剤には、pH調整剤又は緩衝化剤が含まれ得て、これには、酢酸、ホ
ウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、及び塩酸のような酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、及びトリス-ヒドロキシメチルアミノメタンのような塩基;及び、クエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウム、及び塩化アンモニウムのような緩衝剤が含まれ得る。このような酸、塩基、及び緩衝剤は、組成物のpHを許容される範囲で維持するのに必要とされる量で含まれる。
【0198】
[00210] 医薬製剤には、組成物のモル浸透圧濃度を許容される範囲にするのに必要と
される量で1以上の塩も含まれ得る。そのような塩には、ナトリウム、カリウム、又はアンモニウムカチオンと、塩化物、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、硫酸、チオ硫酸、又は重亜硫酸アニオンを有するものが含まれ得て;好適な塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、及び硫酸アンモニウムが含まれる。
【0199】
[00211] 医薬製剤には、より安定した環境を提供し得るので、化合物を安定化するた
めにも使用され得る、希釈剤がさらに含まれ得る。当該技術分野では、緩衝化溶液に溶けた塩(これはまた、pHの制御又は維持を提供し得る)を希釈剤として利用し得て、これには、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩水溶液が含まれる。ある事例では、希釈剤が組成物の嵩を増やして、圧縮を容易にするか又はカプセル充填用の均質混和に十分な嵩を創出する。そのような化合物には、例えば、乳糖、デンプン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、Avicel(登録商標)のような微結晶性セルロース;2塩基性リン酸カルシウム、リン酸2カルシウム2水和物;リン酸3カルシウム、リン酸カルシウム;無水乳糖、スプレー乾燥乳糖;プレゼラチン化デンプン、Di-Pac(登録商標)
(Amstar)のような圧縮糖;マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、ショ糖ベースの希釈剤、製菓用砂糖;1塩基性硫酸カルシウム1水和物、硫酸カルシウム2水和物;乳酸カルシウム3水和物、デキストレート;加水分解されたシリアル固形物、アミロース;粉末セルロース、炭酸カルシウム;グリシン、カオリン;マンニトール、塩化ナトリウム;イノシトール、ベントナイト、等を含めることができる。
【0200】
[00212] 医薬製剤には、物質の破壊又は崩壊を促進する、崩壊作用剤(disintegration agents)又は崩壊剤(disintegrants)が含まれ得る。「崩壊する」という用語には、胃腸液と接触するときの、剤形の溶解と分散がともに含まれ得る。崩壊作用剤の例には、デンプン(例、トウモロコシデンプン又はジャガイモデンプンのような天然デンプン、National 1551又はAmijel(登録商標)のようなプレゼラチン化デンプン、又はPromogel(登録商標)又はExplotab(登録商標)のようなデンプングリコール酸ナトリウム、木産物のメチル結晶性セルロースのようなセルロース(例、Avicel(登録商標)、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102、Avicel(登録商標)PH105、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tia(登録商標)、及びSolka-Floc(登録商標))、メチルセルロース、クロスカルメロース、又は架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム(Ac-Di-Sol(登録商標)、架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は架橋型クロスカルメロースのような架橋型セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムのような架橋型デンプン、クロスポビドンのような架橋型ポリマー、架橋型ポリビニルピロリドン、アルギン酸のようなアルギニン酸エステル、又はアルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸の塩、Veegum(登録商標)HV(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)のような粘土、寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ(Karaya)、ペクチン、又はトラガカントのようなゴム、デンプングリコール酸ナトリウム、ベントナイト、天然スポンジ、界面活性剤、陽イオン交換樹脂のような樹脂、シトラス(柑橘類)パルプ、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプンと組み合わせたラウリル硫酸ナトリウム、等を含めることができる。
【0201】
[00213] 医薬製剤には、乳糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、2塩基性リン酸
カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン類、プレゼラチン化デンプン、ショ糖、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、等のような充填剤が含まれ得る。
【0202】
[00214] 医薬製剤には、例えば、アカシアシロップ、アセスルファームK、アリテー
ム、アニス、アップル、アスパルテーム、バナナ、ババリアン(Bavarian)クリーム、ベリー、ブラックカラント、バタースコッチ、クエン酸カルシウム、カンファー、カラメル、チェリー、チェリークリーム、チョコレート、シナモン、バブルガム、シトラス、シトラスパンチ、シトラスクリーム、綿菓子、ココア、コーラ、クールチェリー、クールシトラス、シクラメート、シラメート(cylamate)、デキストロース、ユーカリ、オイゲノール、フルクトース、フルーツパンチ、ジンジャー、グリシルレチネート、カンゾウ(リコリス)シロップ、ブドウ、グレープフルーツ、ハニー、イソマルト、レモン、ライム、レモンクリーム、グリチルリチン酸モノアンモニウム(MagnaSweet(登録商標))、マルトール、マンニトール、メープル、マシュマロ、メントール、ミントクリーム、ミックスベリー、ネオヘスペリジンDC、ネオテーム、オレンジ、洋ナシ、モモ、ペパーミント、ペパーミントクリーム、Prosweet(登録商標)Powder、ラズベリー、ルートビア、ラム、サッカリン、サフロール、ソルビトール、スペアミント、スペアミントクリーム、イチゴ、イチゴクリーム、ステビア、スクラロース、ショ糖、サッカリンナトリウム、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファームカリウム、マンニトール、タリン、シリトール、スクラロース、ソルビトール、スイス(Swiss)クリーム、タガロース、タンジェリン、タウマチン、トゥッティ・フルッティ(tutti fruitti)、バニラ、ウォルナット、スイカ、ワイルドチェリー、ウィンターグリーン、キシリトール、又はこれら香味成分のあらゆる組合せ(例、アニス-メントール、チェリー-アニス、シナモン-オレンジ、チェリー-シナモン、チョコレート-ミント、ハニー-レモン、レモン-ライム、レモン-ミント、メントール-ユーカリ、オレンジ-クリーム、バニラ-ミント、及びこれらの混合物)のような香味剤及び/又は甘味剤が含まれ得る。
【0203】
[00215] 本明細書に記載される医薬製剤には、滑沢剤と流動促進剤も含めてよく、こ
れらは、材料の付着又は摩擦を予防、抑制、又は阻害することができる。例示の滑沢剤には、例えば、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、鉱油のような炭化水素、又は水素添加ダイズ油(Sterotex(登録商標))のような水素添加植物油、高級脂肪酸とその(アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛のような)アルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、グリセロール、タルク、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール(例、PEG4000)又はメトキシポリエチレングリコール(CarbowaxTMのような)、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウム若しくはナトリウム、コロイド状シリカ(SyloidTM、Cab-O-Sil(登録商標)のような)、トウモロコシデンプンのようなデンプン、シリコーン油、界面活性剤、等を含めることができる。
【0204】
[00216] 可塑剤は、マイクロカプセル化材料又はフィルムコーティング剤を柔らかく
して砕けにくくさせるために使用される化合物であり得る。好適な可塑剤には、例えば、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1450、PEG3350、及びPEG800のようなポリエチレングリコール類、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、トリエチルセルロース、及びトリアセチンが含まれる。可塑剤は、分散剤又は湿潤剤としても機能することができる。
【0205】
[00217] 可溶化剤には、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カ
プリル酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクサート(doccusate)、ビタ
ミンE TPGS、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、n-ブタノール、イソプロピルアルコール、コレステロール、胆汁酸塩、ポリエチレングリコール200-600、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、及びジメチルイソソルビド、等のような化合物を含めることができる。
【0206】
[00218] 安定化剤には、あらゆる抗酸化剤、緩衝剤、酸、保存剤、等のような化合物
を含めることができる。
[00219] 懸濁剤には、ポリビニルピロリドン(例、ポリビニルピロリドンK12、ポ
リビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、又はポリビニルピロリドンK30)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S630)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは、約300~約6000、又は約3350~約4000、又は約7000~約5400の分子量を有し得る)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースアセテートステアレート、ポリソルベート-80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゴム類(例えば、トラガカントゴム及びアカシアゴム、グアーゴムのような)、キサンタン(キサンタンガムが含まれる)、糖類、セルロース系薬剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのような)、ポリソルベート-80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドン、等のような化合物を含めることができる。
【0207】
[00220] 界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクサート、Twe
en60又は80、トリアセチン、ビタミンE TPGS、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁酸塩、グリセリルモノステアレート、酸化エチレン及び酸化プロピレンの共重合体(例、Pluronic(登録商標)(BASF))、等のような化合物を含めることができる。追加の界面活性剤には、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドと植物油(例、ポリオキシエチレン(60)水素添加ヒマシ油);及び、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類とアルキルフェニルエーテル類(例、オクトキシノール10、オクトキシノール40)を含めることができる。時には、物理学的安定性を高めるためか又は他の目的のために、界面活性剤を含めてよい。
【0208】
[00221] 粘度増強剤には、例えば、メチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、アカシア、キトサン類、及びこれらの組合せを含めることができる。
【0209】
[00222] 湿潤剤には、オレイン酸、グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノオ
レエート、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ナトリウムドクサート、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムドクサート、トリアセチン、Tween80、ビタミンE TPGS、アンモニウム塩、等のような化合物を含めることができる。
【0210】
[00223] 注射用製剤
[00224] 筋肉内、皮下、又は静脈内注射に適した製剤には、生理学的に許容される無
菌で水性又は非水性の溶液剤、分散液剤、懸濁液剤、又は乳液剤、及び無菌の注射用溶液剤又は分散液剤に復元される無菌散剤が含まれ得る。好適な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒、又は媒体(vehicles)の例には、水、エタノール、ポリオール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、クレモフォール、等)、これらの好適な混合物、植物油(オリーブ油のような)と注射用有機エステル類(オレイン酸エチルのような)が含まれる。例えば、レシチンのようなコーティング剤の使用によって、分散液剤の場合は必要とされる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、適正な流動性を維持することができる。皮下注射に適した製剤は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤のような添加剤も含有してよい。パラベン類、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、等のような様々な抗菌剤及び抗真菌剤によって、微生物の増殖の予防を確実にすることができる。糖類、塩化ナトリウム、等のような等張化剤を含めることが望ましい場合もある。モノステアリン酸アルミニウムやゼラチンのような、吸収を遅らせる薬剤の使用によって、注射可能な医薬形態の長期化吸収をもたらすことができる。
【0211】
[00225] 静脈内注射剤では、水溶液剤において、好ましくは、ハンクス液、リンゲル
液、又は生理食塩水のような生理学的に適合可能な緩衝液剤において、本明細書に記載される化合物を製剤化し得る。経粘膜投与では、透過すべき障壁に適した浸透剤が製剤中に使用される。当該技術分野では、このような浸透剤が一般に知られている。他の非経口注射剤では、適正な製剤に、好ましくは生理学的に適合可能な緩衝剤又は賦形剤とともに、
水性又は非水性溶液剤が含まれ得る。当該技術分野では、このような賦形剤が一般に知られている。
【0212】
[00226] 非経口注射は、ボーラス注射又は連続注入を含み得る。注射用製剤は、保存
剤が添加された単位剤形において(例えば、アンプル剤において、又は多用量容器において)提示され得る。本明細書に記載される医薬組成物は、油性又は水性媒体中の無菌の懸濁液剤、溶液剤、又は乳液剤として非経口注射に適した形態であり得て、懸濁剤、安定化剤、及び/又は分散剤のような製剤用薬剤を含有し得る。非経口投与用の医薬製剤には、水溶性形態にある活性化合物の水溶液剤が含まれる。付言すると、活性化合物の懸濁液剤は、適正な油性の注射懸濁液剤として調製し得る。好適な脂溶性溶媒又は媒体には、ゴマ油のような脂肪油、又はオレイン酸エチル又はトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル類、又はリポソームが含まれる。水性注射懸濁液剤は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、又はデキストランのような、懸濁液剤の粘度を高める物質を含有し得る。懸濁液剤は、高濃縮溶液剤の調製を可能にするために化合物の溶解度を高める、好適な安定化剤又は薬剤を含有してもよい。あるいは、有効成分は、使用前は、好適な媒体(例、発熱物質除去滅菌水)での復元用の粉末形態であってよい。
【0213】
[00227] 経口製剤
[00228] 経口使用のための医薬調製品は、本明細書に記載される化合物の1以上と1
以上の固体賦形剤を混合し、任意選択的に、生じる混合物を粉砕し、そして(所望により好適な補助剤を添加後)顆粒の混合物を処理して、錠剤又は糖衣錠の芯を入手することによって入手することができる。好適な賦形剤には、例えば、糖類(乳糖、ショ糖、マンニトール、又はソルビトールが含まれる);セルロース調製物(例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、ラガカントゴム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムのような);又は、他のもの(ポリビニルピロリドン(PVP又はポビドン)又はリン酸カルシウムのような)といった充填剤を含めることができる。所望により、架橋型クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸又はアルギン酸ナトリウムのようなその塩といった崩壊作用剤を添加してよい。
【0214】
[00229] 糖衣錠芯は、好適なコーティング剤で提供することができる。この目的には
、糖濃縮溶液を使用し得て、これは、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は2酸化チタン、ラッカー溶液、及び好適な有機溶媒又は溶媒混合物を含有してもよい。識別のために、又は活性化合物量の異なる組合せを特徴づけるために、錠剤又は糖衣錠コーティング剤に染料又は色素を添加してよい。
【0215】
[00230] 固体剤形は、錠剤(懸濁錠、速溶錠、噛み崩壊(bite-disintegration)錠、速崩壊錠、発泡錠、又はカプレットが含まれる)、丸剤、散剤(無菌包装散剤、ディスポーザブル散剤、又は発泡散剤が含まれる)、カプセル剤(軟カプセル剤と硬カプセル剤(例えば、動物由来ゼラチン又は植物由来HPMCから作られるカプセル剤、又は「スプリンクルカプセル剤」がともに含まれる)、固体分散剤、固溶体、生体分解可能な剤形、放出制御型製剤、パルス放出型剤形、多微粒子剤形、ペレット剤、顆粒剤、又はエアゾール剤の形態であり得る。他の事例において、医薬製剤は、散剤の形態である。なお他の事例において、医薬製剤は、限定されないが、速溶錠剤が含まれる、錠剤の形態である。付言すると、本明細書に記載される医薬製剤は、単一のカプセル剤として投与しても、多数のカプセル剤形において投与してもよい。いくつかの事例では、医薬製剤は、2、又は3、又は4個のカプセル剤又は錠剤で投与される。
【0216】
[00231] 医薬品の固体剤形には、本明細書に記載される組成物と1以上の医薬的に許
容される添加剤(適合可能な担体、結合剤、充填剤、懸濁剤、香味剤、甘味剤、崩壊作用剤、分散剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤(moistening agent)、可塑剤、安定化剤、浸透エンハンサー、湿潤剤(wetting agent)、消泡剤、抗酸化剤、保存剤、又はこれらの1以上の組合せのような)を含めることができる。なお他の側面では、「Remington’s Pharmaceutical Sciences(レミントン製剤科学)」第20版(2000)に記載されるような、標準のコーティング手順を使用する。
【0217】
[00232] 固体剤形における使用に適した担体には、限定されないが、アカシア、ゼラ
チン、コロイド状2酸化ケイ素、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、マルトデキストリン、グリセリン、ケイ酸マグネシウム、カゼイン酸ナトリウム、大豆レシチン、塩化ナトリウム、リン酸3カルシウム、リン酸2カリウム、ステアロイルラクチル酸ナトリウム、カラゲナン、モノグリセリド、ジグリセリド、プレゼラチン化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、ショ糖、微結晶性セルロース、乳糖、マンニトール、等を含めることができる。
【0218】
[00233] 固体剤形における使用に適した充填剤には、限定されないが、乳糖、炭酸カ
ルシウム、リン酸カルシウム、2塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、デンプン類、プレゼラチン化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(HPMCAS)、ショ糖、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、等を含めることができる。
【0219】
[00234] 結合剤は、固体経口剤形製剤に凝集性を付与するので、粉末充填カプセル製
剤に対しては、軟又は硬シェルカプセル剤の中に充填され得るプラグ形成に役立ち、そして錠剤製剤に対しては、錠剤が圧縮後にもインタクトな状態であることを確実にして、圧縮又は充填工程に先立つ混和均質性を保証するのに役立つ。本明細書に記載される固体剤形における結合剤としての使用に適した材料には、限定されないが、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース(例、Methocel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例、ヒプロメロース USP Pharmacoat-603、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート(Aqoate HS-LF及びHS)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例、Klucel(登録商標))、エチルセルロース(例、Ethocel(登録商標))、及び微結晶性セルロース(例、Avicel(登録商標))、微結晶性デキストロース、アミロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、多糖酸、ベントナイト、ゼラチン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、クロスポビドン、ポビドン、デンプン、プレゼラチン化デンプン、トラガカント、デキストリン、ショ糖(例、Dipac(登録商標))、ブドウ糖、デキストロース、糖蜜、マンニトール、ソルビトール、キシリトール(例、Xylitab(登録商標))、乳糖のような糖、アカシア、トラガカント、ガッティ(ghatti)ゴムのような天然又は合成ゴム、イサポール殻(isapol husks)の粘液、デンプン、ポリビニルピロリドン(例、Povidone(登録商標)CL、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL-10、及びPovidone(登録商標)K-12)、カラマツ・アラボガラクタン(larch arabogalactan)、Veegum(登録商標)、ポリエチレングリコール、ワックス、アルギン酸ナトリウム、等が含まれる。
【0220】
[00235] 固体剤形における使用に適した滑沢剤又は流動促進剤には、限定されないが
、ステアリン酸、水酸化カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、ステアリルフマル
酸ナトリウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属(アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛のような)の塩、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ワックス、Stearowet(登録商標)、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ポリエチレングリコール又はメトキシポリエチレングリコール(CarbowaxTM、PEG4000、PEG5000、PEG6000のような)、プロピレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウム又はナトリウム、等を含めることができる。
【0221】
[00236] 固体剤形における使用に適した希釈剤には、限定されないが、糖類(乳糖、
ショ糖、及びデキストロースが含まれる)、多糖類(デキストレート及びマルトデキストリンが含まれる)、ポリオール類(マンニトール、キシリトール、及びソルビトールが含まれる)、シクロデキストリン類、等を含めることができる。
【0222】
[00237] 固体剤形における使用に適した湿潤剤には、例えば、オレイン酸、モノステ
アリン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、オレイン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、4級アンモニウム化合物(例、Polyquat 10(登録商標))、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムドクサート、トリアセチン、ビタミンE TPGS、等を含めることができる。
【0223】
[00238] 固体剤形における使用に適した界面活性剤には、例えば、ラウリル硫酸ナト
リウム、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート、ポロキサマー、胆汁酸塩、モノステアリン酸グリセリル、酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体(例、Pluronic(登録商標)(BASF))、等を含めることができる。
【0224】
[00239] 固体剤形における使用に適した懸濁剤には、限定されないが、ポリビニルピ
ロリドン(例、ポリビニルピロリドンK12、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、又はポリビニルピロリドンK30)、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールは、約300~約6000、又は約3350~約4000、又は約7000~約5400の分子量を有し得る)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(S630)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、ポリソルベート-80、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ゴム(例えば、トラガカントゴムとアカシアゴム、グアーゴムのような)、キサンタン(キサンタンガムが含まれる)、糖類、セルロース系薬剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのような)、ポリソルベート-80、アルギン酸ナトリウム、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポリエトキシル化ソルビタンモノラウレート、ポビドン、等を含めることができる。
【0225】
[00240] 固体剤形における使用に適した抗酸化剤には、例えば、ブチル化ヒドロキシ
トルエン(BHT)、アスコルビン酸ナトリウム、及びトコフェロールが含まれる。
[00241] 経口投与用の液体製剤の剤形は、限定されないが、医薬的に許容される水性
の経口分散液剤、乳液剤、溶液剤、エリキシル剤、ゲル剤、及びシロップ剤が含まれる群より選択される水性懸濁液剤であり得る。例えば、Singh et al.,「Encyclopedia of Pharmaceutical Technology(製剤技術百科)」、第2版、754-757 頁(2002)を参照のこと。加えて、液体剤形には、(a)崩壊作用剤;(b)分散剤;(c)湿潤剤;(d)少なくとも1つの保存剤、(e)粘度増強剤、(f)少なくとも1つの甘味剤、及び(g)少なくとも1つの香味剤のような添加剤が含まれ得る。いくつかの態様では、水性分散液剤には、結晶性の阻害剤をさらに含めることができる。
【0226】
[00242] 本明細書に記載される水性の懸濁液剤及び分散液剤は、米国薬局方(USP Pharmacists’Pharmacopeia(2005年版、第905章)に規定されるように、少なくとも4時間は、均質状態に留まることが可能である。この均質性は、組成物全体の均質性を判定することに関して一致した標本抽出法によって判定されるべきである。1つの態様では、1分未満続く物理的撹拌によって、水性懸濁液剤を均質な懸濁液剤に再懸濁させることができる。別の側面では、45秒未満続く物理的撹拌によって、水性懸濁液剤を均質な懸濁液剤に再懸濁させることができる。なお別の側面では、30秒未満続く物理的撹拌によって、水性懸濁液剤を均質な懸濁液に再懸濁させることができる。なお別の態様では、均質な水性分散液剤を維持するのに撹拌を必要としない。
【0227】
[00243] 別の側面では、剤形には、マイクロカプセル化製剤が含まれ得る。いくつか
の態様では、マイクロカプセル化材料に、1以上の他の適合可能な材料が存在する。例示の材料には、限定されないが、pH調整剤、浸食促進剤、消泡剤、抗酸化剤、香味剤、並びに、結合剤、懸濁剤、崩壊作用剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、湿潤剤、及び希釈剤のような担体材料が含まれる。
【0228】
[00244] 本明細書に記載される化合物が含まれる製剤の放出を遅らせるのに有用な例
示のマイクロカプセル化材料には、限定されないが、Klucel(登録商標)又はNisso HPCのようなヒドロキシプロピルセルロースエーテル(HPC)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースエーテル(L-HPC)、Seppifilm-LC、Pharmacoat(登録商標)、Metolose SR、Methocel(登録商標)-E、Opadry YS、PrimaFlo、Benecel MP824、及びBenecel MP843のようなヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテル(HPMC)、Methocel(登録商標)-Aのようなメチルセルロースポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレートのAqoat(HF-LS、HF-LG、HF-MS)及びMetolose(登録商標)、E461、Ethocel(登録商標)、Aqualon(登録商標)-EC、Surelease(登録商標)のようなエチルセルロース(EC)とその混合物、Opadry AMBのようなポリビニルアルコール(PVA)、Natrosol(登録商標)のようなヒドロキシエチルセルロース、Aqualon(登録商標)-CMCのようなカルボキシメチルセルロースとカルボキシメチルセルロース(CMC)の塩、Kollicoat IR(登録商標)のようなポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールの共重合体、モノグリセリド(Myverol)、トリグリセリド(KLX)、ポリエチレングリコール、改良食用デンプン、Eudragit(登録商標)EPO、Eudragit(登録商標)L30D-55、Eudragit(登録商標)FS 30D、Eudragit(登録商標)L100-55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)RD100、Eudragit(登録商標)E100、Eudragit(登録商標)L12.5、Eudragit(登録商標)S12.5、Eudragit(登録商標)NE30D、及びEudragit(登録商標)NE40Dのような、アクリル酸ポリマーとセルロースエーテルとアクリル酸ポリマーの混合物、セルロースアセテートフタレート、HPMCとステアリン酸の混合物のようなセピフィルム(sepifilm)、シクロデキストリン、及びこれらの材料の混合物が含まれる。
【0229】
[00245] 可塑剤には、ポリエチレングリコール類(例、PEG300、PEG400
、PEG600、PEG1450、PEG3350、及びPEG800)、ステアリン酸、プロピレングリコール、オレイン酸、及びトリアセチンが含まれ得て、マイクロカプセル化材料に取り込まれる。他の態様では、医薬組成物の放出を遅らせるのに有用なマイクロカプセル化材料は、USP又は国民医薬品集(National Formulary(NF))に由来する。なお他の態様では、マイクロカプセル化材料は、Klucelである。さらに他の態様では、マイクロカプセル化材料は、メトセル(methocel)である。
【0230】
[00246] マイクロカプセル化組成物は、当業者に知られた方法によって製剤化し得る
。そのような既知の方法には、例えば、スプレー乾燥法、スピニングディスク溶媒法、ホットメルト(hot melt)法、スプレー冷却法、流動床、静電蒸着、遠心押出、回転懸濁分離、液体-気体又は固体-気体界面での重合化、加圧押出、又は噴霧溶媒抽出浴が含まれる。これらに加えて、いくつかの化学技術、例えば、複合コアセルベーション、溶媒蒸発、ポリマー-ポリマー非混和性、液体媒体中での界面重合化、in situ 重合化、液体中乾燥、及び液体媒体中での脱溶媒和も使用し得る。さらに、ローラー圧縮、押出/球状化、コアセルベーション、又はナノ粒子コーティングといった他の方法も使用してよい。
【0231】
[00247] 鼻腔内製剤
[00248] 当該技術分野では、鼻腔内製剤が知られていて、例えば、米国特許第4,4
76,116号及び6,391,452号に記載されている。上記の記載や当該技術分野でよく知られた他の技術に従って調製される、本明細書に記載される組成物が含まれる製剤は、ベンジルアルコール又は他の好適な保存剤、フルオロカーボン、及び/又は当該技術分野で知られた他の可溶化剤又は分散剤を利用して、生理食塩水中の溶液剤として調製される。例えば、Ansel, H. C. et al.「Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(医薬剤形と薬物送達システム)」第6版(1995)を参照のこと。好ましくは、これらの組成物及び製剤は、好適な無害の医薬的に許容される成分とともに調製される。鼻内剤形の調製技術分野の当業者には、これらの成分が知られていて、そのいくつかは、この分野の標準参考書である、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy(レミントン:調剤の科学と実践)」第21版(2005)に見出すことができる。好適な担体の選択は、所望される鼻内剤形(例えば、溶液剤、懸濁液剤、軟膏剤、又はゲル剤)の正確な本質にきわめて依存する。一般に、鼻内剤形は、有効成分に加えて、多量の水を含有する。pH調整剤、乳化剤又は分散剤、保存剤、界面活性剤、ゲル化剤、又は緩衝化剤や他の安定化剤及び可溶化剤といった、微量の他の成分も存在してよい。鼻内剤形は、鼻内分泌液と等張であるべきである。
【0232】
[00249] 本明細書に記載される吸入による投与は、エアゾール剤、ミスト剤、又は散
剤としての形態であり得る。本明細書に記載される医薬組成物は、好便にも、好適な推進剤(例、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、2酸化炭素、又は他の好適なガス)の使用を伴った、加圧パック又はネブライザーからのエアゾールスプレー表出の形態で送達される。加圧式エアゾール剤の場合、投与量単位は、目盛量を送達するための栓を提供することによって決定され得る。例示としてのみ挙げると、吸入器又は注入器における使用のためのゼラチンのようなカプセル剤及びカートリッジ剤は、本明細書に記載される化合物と乳糖又はデンプンのような好適な粉末基剤の粉末ミックスを含有して、製剤化し得る。
【0233】
[00250] 治療レジメン
[00251] 本組成物は、治療適用のために、又は維持療法(例えば、寛解期の患者用)
として投与され得る。本組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、又はそれ以上投与され得る。本組成物は、1日、毎日、1日おき、週5日、週1回、隔週、月2週、月3週、月1回、月2回、月3回、又はそれ以上投与され得る。該組成物は、少なくとも1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、2年、3年、又はそれ以上の間投与され得る。
【0234】
[00252] 患者の状況が実際に改善した場合、医師の判断に基づいて、本化合物の投与
を連続的に施してよく;あるいは、投与されている薬物の用量を一時的に減らしても、一定時間の間、一時的に中断してもよい(即ち、「休薬」)。休薬の長さは、例としてのみ挙げると、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、又は365日を含めて、2日と1年の間で変動する可能性がある。休薬期間の用量減少は、例としてのみ挙げると、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%を含めて、10%~100%であり得る。
【0235】
[00253] 患者の状態の改善が起きた時点で、必要により、維持用量を投与する。引き
続き、投与量又は投与頻度、又はその両方を、その症状に鑑みて、改善された疾患、障害、又は病態が保持されるレベルまで減少させることができる。しかしながら、患者は、症状のいかなる再発時にも、長期ベースで間欠的な治療を必要とすることが可能である。
【0236】
[00254] そのような量に対応する、所与の薬剤の量は、特別な化合物、疾患の重症度
、治療の必要な対象又は宿主の特性(例、体重)といった因子に依存して変動するものであるが、それでも、該症例をめぐる特別な状況(例えば、投与されている特定の薬剤、投与の経路、及び治療されている対象又は宿主が含まれる)に従って、当該技術分野で知られたやり方で決定することができる。所望される用量は、好便にも、単用量で提示しても、分割量として、同時(又は短い時間にわたって)、又は適正な間隔で(例えば、1日2回、3回、4回以上のサブ用量として)投与してもよい。
【0237】
[00255] 本明細書に記載される医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に適した単位
剤形中にあり得る。単位剤形において、本製剤は、1以上の化合物の適正量を含有する単位用量に分割される。この単位投与量は、製剤の離散量を含有するパッケージの形態であり得る。非限定的な例は、包装された錠剤又はカプセル剤と、バイアル又はアンプル中の散剤である。水性懸濁組成物は、単用量の再閉鎖不能な容器に包装され得る。あるいは、多用量の再閉鎖可能な容器を使用し得て、この場合は、組成物中に保存剤を含めることが典型的である。例としてのみ挙げると、非経口注射用の製剤は、単位剤形(限定されないが、アンプル剤が含まれる)において提示しても、又は保存剤が添加された多用量容器において提示してもよい。
【0238】
[00256] 個々の治療レジメンに関する変数の数が大きくて、上記推奨値からのかなり
の逸脱(excursions)は珍しくないので、上述の範囲は、示唆的なものにすぎない。このような投与量は、限定されないが、使用する化合物の活性、治療される疾患又は病態、投与の形式、個々の対象の要件、治療されている疾患又は病態の重症度、及び医療実施者の判断といったいくつかの変数に依拠して変更してよい。
【0239】
[00257] このような治療レジメンの毒性と治療効果は、限定されないが、LD50(
集団の50%に対して致死的な用量)とED50(集団の50%において治療上有効な用量)の決定が含まれる、細胞培養又は実験動物での標準的な創薬手技によって決定することができる。毒性効果と治療効果の間の用量比が治療係数であって、それは、LD50とED50の間の比として表現することができる。高い治療係数を明示する化合物が好ましい。細胞培養アッセイと動物試験より得られるデータは、ヒトにおける使用のための投与量の範囲を明確にするのに使用することができる。このような化合物の投与量は、好ましくは、毒性が最も低いED50が含まれる、循環濃度の範囲内に存する。この投与量は、利用される剤形と活用される投与経路に依拠して、この範囲内で変動してよい。
【0240】
[00258] 本発明の別の側面によれば、治療対象を選択する方法が提供され、該方法は
、遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因する不完全なタンパク質発現によって誘発される疾患を該対象が有するかどうかを決定すること(ここで陽性確定時に、対象は、治療のために選択される);及び場合により対象を治療すること、を含む。
【0241】
[00259] 該治療は、遺伝子転写産物中のイントロン保持の是正を含み得る。該治療は
、遺伝子転写産物からのイントロン除去を誘導するために、本発明によるポリ核酸ポリマーを遺伝子転写産物にハイブリダイズさせることを含み得る。
【0242】
[00260] 本発明の別の側面によれば、癌細胞におけるイントロンの保持の是正によっ
て遺伝子発現を正常化するためのアンチセンスポリ核酸ポリマーの使用が提供される。
[00261] 本発明の別の側面によれば、本発明によるポリ核酸ポリマー、本発明による
組成物、本発明によるベクター、又は本発明による送達担体が疾患の治療又は予防における使用に提供される。
【0243】
[00262] 本発明の別の側面によれば、本発明によるポリ核酸ポリマー、本発明による
組成物、本発明によるベクター、又は本発明による送達担体が疾患の治療又は予防用医薬品の製造における使用に提供される。
【0244】
[00263] 該疾患は、糖尿病又は癌であり得る。
[00264] ポリ核酸ポリマー配列への言及がなされる場合、当業者は、標的配列にハイ
ブリダイズする能力が維持される場合、あるいは(その置換が標的配列中である場合は)標的配列として認識される能力が維持される場合、その配列において、1以上の置換が許容され得て、2つの置換が許容されてもよいと理解されよう。配列同一性への参照は、標準/デフォルト変数を使用する、BLAST配列アライメント(www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)によって判定され得る。例えば、配列は、99%の同一性を有して、それでも本発明に従って機能する場合がある。他の態様では、配列は、98%の同一性を有して、それでも本発明に従って機能する場合がある。別の態様では、配列は、95%の同一性を有して、それでも本発明に従って機能する場合がある。
【0245】
[00265] イントロン保持を減少させること又は是正することに言及される場合、その
減少は、完全(例えば、100%)であっても、一部であってもよい。この減少は、臨床的に有意義であり得る。この減少/是正は、治療無しの対象におけイントロン保持のレベルに対するものであっても、同様の対象の集団におけるでイントロン保持の量に対するものであってもよい。この減少/是正は、平均的な対象、又は治療前の対象に対して少なくとも10%減のイントロン保持であり得る。この減少は、平均的な対象、又は治療前の対象に対して少なくとも20%減のイントロン保持であり得る。この減少は、平均的な対象、又は治療前の対象に対して少なくとも40%減のイントロン保持であり得る。この減少は、平均的な対象、又は治療前の対象に対して少なくとも50%減のイントロン保持であり得る。この減少は、平均的な対象、又は治療前の対象に対して少なくとも60%減のイントロン保持であり得る。この減少は、平均的な対象、又は治療前の対象に対して少なくとも80%減のイントロン保持であり得る。この減少は、平均的な対象、又は治療前の対象に対して少なくとも90%減のイントロン保持であり得る。
【0246】
[00266] キット/製品
[00267] 本発明では、本明細書に記載される1以上の方法での使用のためにキットと
製品を提供する。該キットは、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号31、配列番号3
2、配列番号34、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号40、配列番号41、配列番号43、又は配列番号44として同定されるポリ核酸ポリマーのような、本明細書に記載されるポリ核酸ポリマーの1以上を含有する。該キットはまた、例えば、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号18、配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、配列番号33、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、配列番号46、又は配列番号47~配列番号434のような、本明細書に記載されるポリ核酸ポリマーに対してアンチセンスであるポリ核酸ポリマーの1以上を含有し得る。該キットは、該ポリ核酸ポリマーの作製及び送達に必要な試薬及び緩衝液をさらに含有し得る。
【0247】
[00268] 該キットには、バイアル、チューブ、等のような1以上の容器を受容するよ
うに仕切られた、担体、パッケージ、又は容器も含めることができて、その容器(複数)のそれぞれは、本明細書に記載される方法において使用される、ポリ核酸ポリマーと試薬といった、別々の要素の1つを含む。好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、及び試験管が含まれる。容器は、ガラス又はプラスチックのような多様な材料から生成され得る。
【0248】
[00269] 本発明で提供される製品は、包装材料を含有する。医薬包装材料の例には、
限定されないが、ボトル、チューブ、バッグ、容器、ボトル、及び選択される製剤と企図される投与及び治療の形式に適したあらゆる包装材料が含まれる。
【0249】
[00270] キットには、典型的には、内容物を収載するラベル、及び/又は使用説明書
、並びに使用説明書付きの添付文書が含まれる。典型的には、説明書のセットも含まれるものである。
【0250】
[00271] 当業者は、本発明の1つの態様又は側面の任意選択の特徴が、本発明の他の
態様又は側面に対して、適宜適用可能であり得ることを理解されよう。
[00272] 本発明の態様について、付帯の図面を参照にして、例としてのみ挙げて、以
下により詳しく記載する。
【実施例0251】
[00273] これらの実施例は、例示の目的のためにのみ提供するのであって、本明細書
で提供される特許請求の範囲を制限しない。
[00274] 実施例1
[00275] ほとんどの真核遺伝子は、タンパク質をコードすることが可能な機能性mR
NAを創出するために1次転写産物より正確に除去されなければならない、介在配列又はイントロンを含有する(1)。このプロセスは、プレmRNAにおいて、5種の核内低分子RNAと保存されているが縮重した配列がある多数のタンパク質の相互依存的な相互作用を利用するきわめて動的なやり方で、mRNAの組成を変化させる(2)。一般に、イントロン・スプライシングは、種を越えて、mRNA蓄積とタンパク質発現を促進する(3~5)。このプロセスは、イントロンの突然変異又は変異体によって改変される可能性があって、これがまた、転写、mRNA輸送、及び翻訳が含まれる、共役した遺伝子発現経路を損なう場合がある。その最良の例示となるのは、5’非翻訳領域(5’UTR)中のイントロンであって、ここでは、イントロン保持を変化させる自然変異体又は突然変異が上流オープン・リーディング・フレーム(uORF)又は他の調節モチーフの付いた転写産物の相対豊富度を変化させて、翻訳に劇的に影響を及ぼす(6,7)。しかしながら、このような状況において遺伝子発現を正常化するための成功裡の配列特異的な戦略は、開発されていない。
【0252】
[00276] スプライススイッチングオリゴヌクレオチド(SSO)は、スプライス部位
認識配列又は調節配列に結合して、その標的についてシス及びトランス作用因子と競合することによってイントロン・スプライシングを調節するアンチセンス試薬である(8)。それらは、異常なスプライシングを修復し、既存のmRNAの相対的な発現を変化させるか又は通常は発現されない新規のスプライス変異体を産生することが示されてきた(8)。2’-O-メチル及び2’-O-メトキシエチルリボースのようないくつかのSSO修飾による、標的指向されるSSO-RNA2重鎖の安定性の改善は、筋ジストロフィーにおけるDMD(9、10)、脊髄性筋萎縮症におけるSMN2(11)、毛細血管拡張性運動失調症におけるATM(12)、及びX連鎖無γグロブリン血症におけるBTK(13)が含まれる、ますます増加するヒト疾患遺伝子へのその治療ポテンシャルを探究する研究を促進した。このようなアプローチは、限定数の疾患に対しては、その臨床ポテンシャルを達成する見込みがある(8)ものの、突然変異誘発性の異常なスプライシングより生じる300を超えるメンデル遺伝病(14)と増加する複合形質も、遺伝子発現のSSO媒介性の是正の適応になるかもしれない。
【0253】
[00277] 1型糖尿病の病因には、ヒト白血球抗原(HLA)といくつかの変化する非
HLA遺伝子座によって付与される強い遺伝成分がある(15)。最強の変更遺伝子(modifier)は、第11染色体上のプロインスリン遺伝子(INS)領域に同定された(IDDM2と呼ばれる)(15)。この領域のさらなるマッピングによって、INSが最も有望なIDDM2標的であることが示唆され(16)、この自己抗原の病態形成における必須の役割と一致した(17)。この疾患に対するIDDM2での遺伝的リスクは、この遺伝子の上流にあるミニサテライトDNAが潜在的に関与する、素因性及び防護性のINSハプロタイプ由来の差示的な定常状態RNAレベルに起因するとされてきた(18,19)。しかしながら、天然に存在するINS多型の体系的な検証は、IVS1+5ins4(rs3842740又はINS-69としても知られる)とIVS1-6A/T(rs689、INS-27、又はHphI±)(16,20)と呼ばれる、イントロン1における2種の変異体(7)より生じる、ミニサテライト配列を欠くレポーター構築体において、ハプロタイプ特異的なプロインスリン発現レベルを明らかにした。前者の変異体は、イントロン1のクリプティック5’スプライス部位を活性化し、一方、3’スプライス部位(3’ss)の上流に6つのヌクレオチドを収容する後者の変異体では、アデニン(A)がイントロン保持を促進し、5’UTRが伸長した転写産物の相対豊富度を増大させる(21)。チミン(T)と比べると、IVS1-6A/TでのAアレルは、試験管内で(in vitro)ピリミジン結合性タンパク質への親和性を減少させて、U2核内低分子リボ核タンパク質の補助因子(U2AF)(7)である、U2結合、スプライソソーム組立て、及び3’ss選択に必要とされるヘテロ2量体に対して3’ssをより依存的にする(22)。インスリン産生組織より調製したIVS1-6A由来のcDNAライブラリーでは、イントロン1含有転写産物が過剰発現され(21)、核から輸送されて(23)、(高等霊長類においてイントロン1の3’ssの弛緩とともに共進化した)ヒト亜科特異的な短いuORFを含有する(7)。このAアレルによって付与されるより低次のプロインスリン発現は、胎児胸腺におけるプロインスリンペプチドの最適以下の提示と自己反応性T細胞の不十分な負の選択をもたらし、ついには膵臓中のインスリン産生β細胞の自己免疫破壊につながる場合がある(7)。しかしながら、IVS1-6A含有プレmRNAからのINSイントロン1除去の低効率を是正して、イントロン保持を疾患防護性Tアレルで観測されるレベルまで減少させるための試みは、なされてこなかった。
【0254】
[00278] 本研究は、INSイントロン1スプライシングの効率を高めて、プレmRN
A中のスプライシングサイレンサーを抑制するか又はスプライス部位を誘導して、プロインスリン発現を亢進させるSSOを探索することから始まった。イントロン1を保持している転写産物の相対豊富度を減少させるSSOを同定し、1塩基解像法で最適化されたアンチセンス標的の描図を示して、そのアンチセンス標的配列に隣接した平行G4重鎖の形成とこの領域に結合するタンパク質の同定についての証拠を示す。
【0255】
材料と方法
アンチセンスオリゴヌクレオチド
[00279] SSOは、MWG Biotech(ドイツ)より購入した。すべてのSSOとスクランブル対照は、2’-O-メチルリボヌクレオチドが2位のリボース位にある全長ホスホロチオエート骨格を有した。INS SSOとそのスクランブルバージョンとは別に、我々は、記載(13)のように、追加の対照としての他のヒト遺伝子に標的指向するSSOを利用した.それぞれのSSOの位置を図1Aに示して、それらの配列を表2に示す。
【0256】
スプライシングレポーター構築体
[00280] ICと呼称される、1型糖尿病関連ハプロタイプを担う野生型スプライシン
グレポーターについては先に報告された(7,21)。各構築体は、すべてのINSエクソンと完全なイントロンを含有するが、最終エクソンの長さが異なる。このICレポーターを、プライマーのD-C、D-F、及びD-Bを使用してクローン化すると;IC D-Bは、イントロン2のクリプティック3’ssを欠失する。この部位にスプライスされるアイソフォームの相対豊富度は、IC D-CよりIC D-Fでより低い(7,21)。イントロン1のクリプティック5’スプライス部位に標的指向するSSOに付いて検討するために、IC構築体をrs3842740での4nt(ヌクレオチド)挿入によって修飾して、ICIVS1+5ins4と呼ぶレポーターを創出した。TSC2構築体とF9構築体については、先に報告されている(24)。大腸菌株DH5αにおいてプラスミドを繁殖させて、Wizard Plus SV Miniprep キット(プロメガ、アメリカ)を使用して、プラスミドDNAを抽出した。その挿入物について完全に配列決定して、14種の遺伝子内自然変異体のそれぞれの実体(identity)を確認して、望まれない突然変異を排除した。
【0257】
細胞培養とトランスフェクション
[00281] ダルベッコ改良イーグル培地、10%胎仔ウシ血清、及びペニシリン/スト
レプトマイシン(Life technologies,アメリカ)において、ヒト胚性腎293(HEK
293)細胞、ヒト肝細胞の肝癌(HepG2)細胞、及びアフリカミドリザルのCOS7細胞を培養した。製造業者の推奨法に従ってjetPRIME(Polyplus,アメリカ)を使用して、一過性トランスフェクションを記載(13)のように行った。イントロン1のクリプティック3’ssを誘導するRNA干渉(RNAi)によるU2AF35の下方調節を既報のように(7、25)低分子干渉性RNA(siRNA)U2AF35abの2回ヒットで実施し;DHX36に標的指向するsiRNA2重鎖は、記載の通りであった(26)。第2のヒットは、SSO及び/又はレポーターの添加24時間前に適用した。レポーター構築体の添加後24時間で細胞培養物を採取した。
【0258】
スプライス産物の分析
[00282] TRI試薬で全RNAを抽出して、DNアーゼ(Life technologies,アメリカ)で処理した。オリゴ(dT)15プライマーとモロニーマウスウイルス逆転写酵素(プロメガ、USA)を使用して、第1鎖cDNAを逆転写した。既報のように(7)、ベクター特異的なプライマーのPL3と3’UTRに標的指向するプライマーEの組合せでポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行った。記載のように(27)、PCR産物をポリアクリルアミドゲル上で分離させて、それらのシグナル強度を測定した。サンガー(Sanger)ヌクレオチド配列決定法によって、それぞれのmRNAアイソフォームの実体を確認した。
【0259】
円偏光2色性と核磁気共鳴分光法
[00283] Thermo Scientific より、円偏光2色性(CD)と核磁気共鳴(NMR)用
のオリゴリボヌクレオチドを購入し、製造業者の説明書に従って脱保護化し、-20℃で
凍結乾燥させて保存した。この脱塩、凍結乾燥させた試料より、milliQ 水又はK
Cl緩衝液(100mM KCl、10mM KHPO/KHPO、pH7.0、milliQ水)に再懸濁させることによって、ストック溶液を2~4μMの最終濃度で調製した。LTD6G循環水浴(Grant Instruments,イギリス)と熱電温度コントロ
ーラー(Melcor,アメリカ)が付いたPiStar-180分光光度計(Applied Photophysics 社、サリー州、イギリス)を使用して、CDスペクトルを獲得した。試料をセル中で95℃まで全15分間加熱してから、少なくとも4時間、室温までそのまま冷やすことによって、試料をアニールさせた。1cm路長の無歪石英セルを使用して、215~340nmの波長範囲にわたって、そして指定の温度で、CDスペクトルを記録した。データ点は、1nm間隔で記録した。3nmの帯域幅を使用して、アダプティブサンプリングが可能である各点で5000カウントを獲得した。各トレースを3回のスキャンの平均(±SD)として示す。フォールディングされた4重鎖分子種の最大バンドに対応する265nmでCD温度ランプ(ramp)を獲得した。5℃~99℃の範囲を使用し、0.5℃の増分間に120~180秒の時間ステップがある0.5℃間隔で、データ点を獲得した。10,000カウントでデータ点を獲得して、アダプティブサンプリングを可能にした。加熱試験と冷却試験を比較して、ヒステリシスと全体の可逆性を確認した。3重共鳴クライオプローブ(cryoprobe)付きの Bruker Avance III 分光計を使用して、800MHzでNMRスペクトル(H)を採取した。標準的な Bruker 獲得変数を使用した。Topspin(v.3.0)を使用してデータを採取して、CCPN Analyisis(v.2.1)において処理した。
【0260】
プルダウン・アッセイとウエスタン・ブロッティング
[00284] MEGAshortscriptTM T7(Life technologies,アメリ
カ)を使用して試験管内(in vitro)転写を行って、T7タグ付きPCR産物を、プライマーの5’-ATTAATACGACTCACTATAGGGCTCAGGGTTCCAGG及び5’-TGCAGCAGGGAGGACGと、鋳型としての指定プラスミドのDNAで増幅した。指定の合成RNAを Eurofins UK より購入した。各RNAの500ピ
コモルを5mM m-過ヨウ素酸ナトリウムで処理して、アジピン酸デヒドラジドアガロースビーズ(シグマ、アメリカ)に結合させた。RNAが結合したビーズを2mlの2M NaCl中で3回、そして緩衝液D(20mM HEPES-KOH、pH7、6.5%(v/v)グリセロール、100mM KCl、0.2mM EDTA、0.5mMジチオスレイトール)中で3回洗浄し、HeLa核内抽出物と0.5mg/mlの最終濃度でのヘパリン入り緩衝液Dとともにインキュベートした。非結合のタンパク質を緩衝液Dで5回洗浄した。結合したタンパク質を10%ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離させ、クマシーブルーによって染色した、及び/又はニトロセルロース膜にブロットした。
【0261】
[00285] 記載(7)のようにウエスタン・ブロッティングを行った。シグマ(hnR
NP E1/E2,製品番号R4155、U2AF65,製品番号U4758、及びSFRS2,製品番号S2320)、Abcam(DHX36,製品番号ab70269)、及び
ミリポア(SC35,クローン1SC-4F11)より抗体を購入した。hnRNP FとhnRNP Hに対する抗血清は、ダグラス・ブラック(Douglas Black)教授(UCLA
)の提供による。
【0262】
質量分析法の分析
[00286] トリプシン消化に続いて、試料を凍結乾燥させて、質量分析法(MS)のた
めに25μlの5% ACN/0.1%ギ酸で再懸濁させた。Surveyor LCシステムとLCQ Deca XP Plus(ThermoScientific)を使用するLC/MS/MSによってペプチドを分析した。この生データファイルは、Mascot 検索アルゴリズ
ム(Matrix Science)への入力のために、Matrix File Conversion Tool(バージョン2
.0;http://www.massmatrix.net)を使用して、マスコット(mascot)一般ファイルに
変換した。
【0263】
酵素構造プロービング
[00287] 制限V1 RNアーゼ(Ambion)、T1 RNアーゼ(Ambion)、及びS1
ヌクレアーゼ(Fermentas)消化の使用でのRNA2次構造決定法については、他所で詳
しく記載されている(28)。簡潔に言えば、挿入(ins)プレmRNAと欠失(del)プレmRNA由来のRNAの1μgアリコートを100μl中0.002UのRNアーゼV1、0.05UのRNアーゼT1、及び19UのS1ヌクレアーゼで、30℃で10分間消化した。対照(C)として酵素無しのアリコートを使用した。5’端が[32P]-ATPで標識されたアンチセンスプライマーを使用する標準プロトコールに従って、切断されたRNAを逆転写した。
【0264】
結果
5’UTR中の弱いイントロンのプレmRNAスプライシングを促進するアンチセンスオリゴヌクレオチド
[00288] INSイントロン1の保持を減少させることが可能なSSOを同定して、ス
プライシング媒介性の翻訳増強を高めるために、我々は、一連の2’-O-メチル修飾ホスホロチオエートSSOを設計し、ハプロタイプICを担うスプライシングレポーター構築体とともに各SSOをHEK293細胞において個別に同時発現させて、外因性mRNA産物の相対豊富度を検証した(図1A及びB)。レポーター中のICハプロタイプは、ミニサテライト配列を欠いて、rs689でのAアレルを含めて、全部で14の多型部位を含有した(7、20)。このアレルは、イントロン1スプライシングを阻害して、より一般的なTアレルと比べて、より低いプロインスリンレベルを産生する(21)。上記配列についての以前の体系的な欠失分析(7)でエクソン包含又はイントロン保持の最も顕著な変化を示した領域において、イントロン1とエクソン2に標的指向するSSOを選択した。イントロン2の真正の3’ssと126nt下流の強競合性クリプティック3’ssの間にエクソン3でのSSOを定位して、それらの使用を変化させるプレmRNAモチーフを同定した(図1A)。HEK293細胞において検査した15種のINS SSOの初回セットの中で、11種のSSOがmRNAアイソフォームの相対豊富度において再現可能な変化を示した(表2)。単一のオリゴリボヌクレオチド、SSO21によって、イントロン1保持が有意に減少した(P<0.01、マン・ホイットニー順位和検定;図2A)。SSO21は、欠失時にイントロン保持の最大の減少をもたらすことがかつて見出された(7)モチーフ(del5と呼ばれる)を網羅する、イントロン1の位置:59~74に標的指向した。SSO21によって誘導されるイントロン保持レベルの減少は用量依存的であって(図2A)、HepG2細胞と Chlorocebus aethiops COS7細胞においても観測されて、補助スプライシング配列を利用するスプライソソーム成分の普遍的な発現と高度の進化保存性に一致した(1、2)。イントロン1保持を減少させることに加えて、SSO21は、イントロン2のクリプティック3’ssを促進した(図2A)。しかしながら、ここ効果は、他のINS SSOとスクランブル対照でも見られ(図3と表2)、非特異的な相互作用であると示唆された。イントロン1スプライシングのSSO21誘導性の増強がイントロン2のクリプティック3’ssによって促進されないことを確かめるために、我々は、この部位を欠落してエクソン3の最初の89ヌクレオチドだけを保持する、より短いレポーターとこのSSOを同時導入した。図2Bは、SSO21が、より長いエクソン3のあるレポーターと同じ程度までイントロン1スプライシングを促進することが可能であったことを示す。対照的に、このSSO21誘導性のイントロン保持の減少は、del5セグメントを欠いたレポーターでは観測されなかった。イントロン保持とは別に、イントロン1のクリプティック3’ssの下流(cr3’ss+81;図1図3C、表2)で結合するSSO8を含めて、5種のSSOではエクソン2スキッピングの増加が観測された。このクリプティック3’ssは、U2AFの小サブユニット(U2AF35)のRNAi媒介性の枯渇によって誘導されて、U2AF35を欠く細胞では、架橋型オリゴリボヌクレオチド(SSO4)によって復帰せず;代わりに、エクソン2スキッピングが観測された(図3C)。U2AF35の枯渇は、イントロン2のクリプティック3’ssも抑制した。まとめると、数種の霊長動物細胞系においてINSイントロン1保持を減少させる、単一のSSOが同定された。
【0265】
イントロン保持標的の1塩基レベルでの最適化
[00289] 興味深いことに、del5セグメントに標的指向するように設計した他のS
SOは、SSO20(図1A及び図2A)のわずかな効果を除くと、イントロン1保持を減少させなかった。SSO21の両側にあるヌクレオチドの重要性を検証して、最適な標的について1塩基解像法でマッピングするために、この領域において詳細なアンチセンスマイクロウォークを行った。SSO21の5’及び3’で1~9個のヌクレオチドが結合した追加の18種の16マーとともにINSレポーターをHEK293細胞に個別に同時導入して、そのRNA産物を検証した。イントロン1保持は、SSO21によって最も抑制されて、それぞれの方向に1~2ヌクレオチドだけシフトさせたSSOによっても抑制された(図4)。最初のスクリーニングと一致して、4つのCの上流ランにおいて1より多いシトシンに標的指向するSSO(C4,SSO1とSSO2を参照のこと、図1A)は、有効でなかった(SSO21-3r乃至SSO21-10r、図4)。反対の方向において、イントロンスプライシングエンハンサー(29~31)においてしばしば見出される連続したGに標的指向するSSOは、イントロン保持を増加させた。このように、INSイントロン1の保持を減少させるのに最適なアンチセンス標的を、1塩基解像法で、イントロン全体の体系的な欠失分析(7)によって最も抑制的とこれまでに同定された領域にマッピングした。
【0266】
イントロン保持へのアンチセンス標的は、平行RNA4重鎖に隣接している
[00290] この標的は、安定したRNAグアニン(G)4重鎖を形成することが予測さ
れる2つのイントロンセグメント(イントロン1ヌクレオチド36~61と78~93;図4Aにおいて強調される)の間に挟まれていることが認められた。これらの構造は、環状フーグスティーン型水素結合配置で組織化される4つのGから成るGカルテットを重ね合わせることによって産生され(32)、複製、組換え、転写、翻訳(33,34)とRNAプロセシング(35~39)が含まれる重要な細胞プロセスへの関与が示唆されてきた。それらが試験管内で(in vitro)形成されるかどうかを検証するために、この領域に由来する合成リボヌクレオチドを、DNA及びRNAの4重鎖構造を試験管内で特性付けるために広く使用されてきたCD分光法(40~43)において利用した。215nm~330nmで、25℃で記録した、下流の19マーのCDスペクトル(CD1と呼ぶ)は、強い陽性楕円率を265nmで示し、陰性強度を240nm付近で示し、平行4重鎖を示唆した(図5A)。他の安定した2次構造モチーフではない、4重鎖の存在を確かめるために、UV吸収スペクトルを5℃と95℃で記録した。この2つの温度(融解転移点の下と上)でのUV吸収差スペクトルは、295nm付近での特徴的な濃色シフトと240nmと280nmでの2重最大値を示し、安定した平行鎖RNA4重鎖の試験管内での形成の証拠を提供した。このことは、Gテトラッド構造内のフーグスティーン型H結合したGに対応する10ppm~12ppmのシグナルの特徴的なエンベロープを示す、CD1のH NMR試験(図5B)によって確かめられた。CDによる熱安定性測定値は、T=56.8±0.2℃である、高度に可逆的なS字状の協同的アンフォールディング転移をもたらした(図5C)。図5D(上パネル)は、1~4ヌクレオチドの比較的短いループ配列によって連結した2つの積み重なったGテトラッド中への19マーの可能な配置を示す。
【0267】
INSイントロン1中のスプライシング阻害配列についての配座転移モデル
[00291] アンチセンス標的の上流領域に由来する合成20マーのCD(CD2と呼ぶ
)も、270nm付近を中心とするより広い吸収エンベロープとS字状の熱アンフォールディング転移(T=69.0±0.45℃;図5A)を与えて、安定した構造形成の証拠を示した。下流のオリゴCD1とは異なり、熱示差スペクトルにおいて、UVの濃色シフトを見出せなかった。しかしながら、CD1のそれとは異なる、12ppm~14ppmのH NMRスペクトル中の鋭いシグナルの明確なセットは、2本鎖RNAに特徴的なワトソン・クリック型H結合塩基対の形成を示した(図5B)。Mフォールドを使用する、重なるイントロンセグメントの2次構造予測は、プレmRNAが安定した局所ステムループを形成し;その1つがG→C突然変異(G2と呼ぶ;図5D、下パネル)によってさらに安定化されて、イントロン1保持を高めることを示唆した(7)。さらに下流に定位されて4重鎖構造を不安定化する別のG→C置換(G3と呼ぶ)(図5D、上パネル)も、イントロン・スプライシングを抑制した(7)。最後に、1塩基多型でA又はGのいずれか一方を含有するCD2オリゴヌクレオチド(図4Aと(20))は、明確な融解転移とT値があるごく類似したCDスペクトルを明示し、そのGアレルとAアレルが同じ構造を形成することを示唆した。
【0268】
[00292] 標準構造と非標準構造の間の一時的な平衡のイントロン・スプライシングに
おける重要性についてさらに検証するために、CD、NMR、及び突然変異誘発実験の組合せを使用した(図6)。イントロン保持標的の5’端が含まれるオリゴリボヌクレオチドCD3を合成して、ステムループ/4重鎖を予測した(図4A及び図6A)。ヘアピンを不安定化するが4重鎖の安定性は維持する2つのC→U転移を担う、突然変異バージョンのCD4も合成した。HEK293細胞中にトランスフェクトされるICレポーター構築体にも、同じ突然変異を導入した。CD3のNMRスペクトルは、Gテトラッドと標準塩基対合ヘアピン構造(H1及びH2と呼ぶ)の両方についてのシグナルの平衡状態での共存を明らかにした(図6B及び図6C)。4重鎖とヘアピンの間の配座平衡に対するMg2+の影響について、100mM KClを含有する緩衝液に2mM、そして次いで6mMのMgClを添加することによって検討した。Bugaut et al.(57)によって報
告されるように、KClの存在下では、Mg2+を添加しても、配座平衡は、有意には乱れなかった。従って、我々は、KイオンとMg2+イオンがともに高濃度で存在する細胞状況(cellular context)を模倣する環境における、RNAヘアピン構造と4重鎖構造の形成を観測した。CD融解曲線は、安定性が異なる多重配座状態に一致した、広い転移(T=79.9℃)を示した。CD4におけるCC→UU突然変異は、H1でのNMRシグナルの消失(図6B)と13℃のTm低下をもたらし、より安定したヘアピンH1の選択的な不安定化と一致して、4重鎖と平衡状態にあるH2の集団の増加をもたらした。一過性トランスフェクションは、CC→UU突然変異がイントロン1スプライシングを改善する一方で、4重鎖とヘアピンの両方を不安定にすると予測された、M1と呼ばれる突然変異がごくわずかな影響しか及ぼさないことを示した(図6D、表1A)。
【0269】
[00293] これらの構造の平衡がいかにイントロン・スプライシングに影響を及ぼすか
をより体系的に探究するために、一連の突然変異構築体を調製して、予測された4重鎖、H1/H2構造、及び2つのシトシンランを不安定化/維持した(表1A)。それらの転写産物は、イントロン保持レベルにおいて有意差を示した(図7;P=0.0001、順位に対するクルースカル・ワリス(Kruskal-Wallis)片側ANOVA)。第1に、G4重鎖の消去は、イントロン1保持を高めたが、これは、それぞれのシトシンランを除去することによってさらに強められた(野生型と突然変異型4~6を参照すること、P=0.0004)。これらの突然変異は、イントロン保持に対して相加効果をもたらすように見えた(野生型対突然変異型1又は9;3対2、及び4対5を参照のこと)。第2に、G4重鎖非存在下でのイントロン保持の増加は、H1とH2を除去することによって変化しなかったが、それらの消去は、エクソン・スキッピングを高めた(アイソフォーム2について突然変異型4対6を参照のこと)。第3に、2つのC4ランの一方だけが存在する場合、H1の除去は、イントロン1スプライシングをいくらか改善し(8対9を参照のこと)、試験したRNAのイントロン保持と予測安定性の間の統計学的に有意な相関性と一致した(図7B)。このように、イントロン・スプライシングの効率は、平衡状態にある標準構造と非標準構造の間の配座転移によって制御された。
【0270】
【表1-1】
【0271】
【表1-2】
【0272】
ウィナーSSOによって標的指向される領域中のタンパク質-RNA相互作用
[00294] アンチセンス標的及び/又は関連した標準構造と非標準構造が含まれるRN
Aと相互作用するタンパク質を同定するために、野生型RNAとdel5 RNA(T7タグ付きPCR産物より転写される)、標的配列を代表する合成RNA(CD5)、及び3’ss CAGを含有する対照オリゴ(AV3と呼ばれる)を使用して、プルダウン(pull-down)アッセイを行った。ウエスタン・ブロッティングは、野生型とdel5転写
産物がともにhnRNPs F/Hに結合するが、この結合がCDには無いことを示した(図7C)。これらのタンパク質は、ビーズだけの対照と比べて、プルダウンゲル由来の断片を野生型とdel5 RNAで差示的に染色したMS/MS分析によっても検出された。SRSF2に対する2種の抗体は、いくつかのSRタンパク質の中で推定される結合活性について最も高いスコアを示したが、特異的な相互作用を検出することができなかった(図7C)。哺乳動物細胞において主要なポリ(C)結合活性を構成する(44)、hnRNP E1/E2由来のシグナルは、del5ではバックグラウンドに優った(図7
C)が、hnRNP E1/E2を欠いている細胞では、イントロン保持の変化を観測しなかった。
【0273】
DHX36枯渇時のGリッチレポーターとGプア(poor)レポーターのスプライシングパターン
[00295] ヒーラ細胞では、RNA G-4重鎖がヘリカーゼDHX36に結合すると
、これが4重鎖RNAを安定した2重鎖に変換することを可能として、4重鎖解体活性の主源となる(26、45)。DHX36は、ATM プレmRNA中のイントロンスプライシングエンハンサーに架橋結合して(46)、TERCの5’領域内の4重鎖構造を巻き戻すことができた(26)。DHX36枯渇がINSスプライシングに影響を及ぼすことができるかどうかを検討するために、枯渇させた細胞中にG4重鎖のプアレポーターとリッチレポータを一過的にトランスフェクトした(図8A、表1)。ほぼ等量のスプライス産物の提示をもたらす(分岐部位を弱めることによって達成される(24))対照構築体を選択することで、高感度の体外(ex vivo)スプライシングアッセイを提供した。し
かしながら、効率的なDHX36枯渇(図8B)にもかかわらず、短い構築体と長い構築体のいずれにおいても、INSイントロン1保持の統計学的に有意な変化は見られず、Gプア対照とGリッチ対照においても主要な変化を観測しなかった(図8C図8E)。これらの結果は、DHX36枯渇細胞において下方調節された転写産物には4重鎖配列の有意な濃縮が不足して(47)、ノックダウンに対するATM応答がない(46)というこれまでの知見に一致している。
【0274】
INSイントロン1の集団特異的なクリプティック5’スプライス部位のSSO誘導性の抑制
[00296] INSイントロン1スプライシングは、rs689に加えて、天然の5’s
sの近傍に位置するrs3842740での多型TTGC挿入によって影響を受ける(21)。この挿入は、全アフリカ人の染色体の1/4に存在するが、白人のICハプロタイプ上には存在しない(20)。この挿入は、下流のクリプティック5’ssを活性化し(図1A)、生じるmRNAの5’UTRをさらに26ヌクレオチド延長させて、プロインスリン発現を抑制する(7,21)。この新しい5’ssがSSOによって効率的に阻害され得るかどうかを検証するために、同じ挿入をIC構築体と野生型、そして架橋型オリゴリボヌクレオチド(SSO10と呼ぶ)と同時発現される突然変異レポーターに導入した。クリプティックスプライシングは阻害されたが、イントロン1の標準スプライシングは、高いSSO10濃度でも完全には回復されなかった。最もあり得るのは、この挿入によって弱められた真正の5’ssの認識が最善以下だったからだろう。
【0275】
[00297] この挿入の存在時及び非存在時での5’UTR配列のフォールディングへの
最初の洞察を得るために、1本鎖及び2本鎖特異的RNアーゼでの部分消化を使用して、酵素構造プロービングを行った。野生型RNAについて検出された全体の切断位置と強度は、2つの主要ステムループ領域(SL1とSL2)がいくつかの内部バルジ(bulges)によって中断されている、mフォールド予測と概ね一致していた。この構造プロービングもmフォールド予測も、この領域中でのT1切断とS1切断の数がSL1とSL2中の残り部分とは対照的に増加したので、rs3842740での挿入によりSL1中の中央バルジが拡張されることを示唆した。最後に、試験管内(in vitro)4重鎖形成を示す領域では、転写産物がRNアーゼV1によって消化されなかった。
【0276】
考察
INSイントロン1のスプライシングサイレンサー中のアンチセンスイントロン保持標的
[00298] 本明細書では、SSOを使用して、成熟転写産物中の全イントロンの保持を
減少させて、ハプロタイプ依存性のINS発現を変化させるためのアンチセンス技術の初
めての使用が実証された。効率的なRNAプロセシングに対する、rs689にあるAアレルの悪影響を償うウィナーSSOの同定を、イントロン1の体系的な突然変異誘発(7)によって、そしてマクロ(図1)及びマイクロウォーク(図4)戦略によって容易にした。興味深いことに、この標的配列は、3’ssコンセンサスに類似する、タンデムCAG(G/C)モチーフを含有する(図4)。このような「シュードアクセプター(pseudo-acceptors)は、スプライス部位抑制に関与することが実験的に示唆されて(27)、スプライシングサイレンサーにおいて過剰に表出されている。例えば、この2つのテトラマーは、高信頼性の102のイントロンスプライシングサイレンサーの間でより一般的であって(49)、ランダムな10マーの蛍光活性化スクリーニングによって同定された109のエンハンサーでは枯渇している(50)。QUEPASAスプライシングサイレンサーの間では、YAGモチーフも予測されるより高頻度で存在し(51)、それらが保持標的の重要な機能性成分であることが示唆された。介在シトシントラクトも、QUEPASAサイレンサーの間でのC4ランの頻度が予測されるより約2倍高いので、何らかの重要な役割を担うのかもしれない。これらのモチーフはまた、検査した3’ssに対して-62/-51位で挿入した配列の体系的なスクリーニングによって同定されたイントロン・スプライシング調節配列の4%で見出された(52)。今回の研究では、最適のイントロン保持標的と3’ノナマー(下線)と共有する、ISS22(AAATAGAGGCCCCAG)と呼ばれるエレメントを同定した。しかしながら、AV3の最適の3’ss認識配列とは異なり、ウエスタン・ブロッティングと組み合わせた我々のプルダウン・アッセイは、U2AF65に対する、あるとしてもごく弱い結合しか明らかにしなかった(図7C)。
【0277】
RNAプロセシング制御における4重鎖とヘアピン間の配座転移
[00299] アンチセンス標的が同定されたのは、その構造がCDとNMR分析によって
引き続き確定された、潜在的なG4重鎖形成RNAのすぐ上流である(図1A図5)。RNA4重鎖は、それらのDNA対応物より安定していて、RNA代謝の調節への関与がますます示唆されて(33、34、41、42)、医薬品開発への独自の道筋を提供する(53)。2カルテット4重鎖は、それらの3カルテット又は4カルテット対応物より熱力学的に不安定であって、おそらくは動的により変化を受けやすいが、それでもそれらは、顕著な安定性を示して、細胞の環境に対応した、4重鎖構造と非4重鎖構造の間のより即応的(compliant)で動的なスイッチとして役立つ可能性がある(54~56)。ウィナーSSOは、トランス作用因子との相互作用を遮断し、より高次な構造であるRNA-タンパク質複合体形成の速度を変化させる、又は2カルテット4重鎖とH1/H2の間の配座転移を妨げる可能性がある(図5)。最近、ある4重鎖について、当初から予測されたのではない、同様の転移が記載されて(57)、Gリッチイントロン1中の追加配列が、おそらくは多数の4重鎖モチーフと競合性ステムループが関与する、アンチセンス標的近傍での平衡に参画し得るという可能性が提示された。
【0278】
[00300] hnRNP F/H枯渇時のイントロン1保持の増加とhnRNP F/H
過剰発現時の反対の効果(7)を示す結合(図7C)及び機能性実験は、これらのタンパク質がこのイントロン中の重要なスプライシング補助配列と相互作用することを示すものである。hnRNP FがRNA4重鎖に直接結合すると結論付けた既報(58)とは対照的に、hnRNP Fは、1本鎖のGトラクトに排他的に結合することによって、RNA4重鎖の形成を妨げることが示された(59)。霊長動物のゲノムに基づいた予測では、推定される4重鎖の大多数が標準構造にフォールドする可能性があると示唆されている(60)。これらのタンパク質によるプレmRNA占有度が減少すると、おそらくは4重鎖形成が促進され(59)、そして潜在的にスプライシング効率を低下させる。
【0279】
スプライシングと翻訳が一体化した遺伝子発現制御におけるRNA4重鎖
[00301] RNA4重鎖は、5’UTRの約8.0%にあると予測されて、翻訳の一般
的な阻害剤として作用すると提唱された(60、61)。INSイントロン1は、弱くスプライスされて、U2AF35依存的であり(7)、イントロン1含有転写産物の有意な割合が核から輸送される(23)。このことは、CD1によって形成されるRNA G4重鎖が、Homininae に特異的な3アミノ酸のuORFを含有する、これらmRNAの翻訳に影響する可能性があることを示唆する(7)。このuORFは、プロインスリン発現を顕著に阻害し、ごく数塩基対だけ下流に位置するので、uORFを隔離することによってこのG4重鎖が翻訳を促進することが可能であるという概念を促すものである。リボソーム内進入部位の活性には、機能性の2カルテット4重鎖が必要とされる(54)。
【0280】
【表2】
【0281】
スプライス部位選択における依存性のためのアンチセンス戦略
[00302] インスリン産生組織からのcDNAライブラリーに由来する発現配列タグデ
ータベースには、標準mRNAアイソフォーム4とは別に、アイソフォーム2、3、及び6(図1B)が見出されている(21)。このことは、レポーター構築体によって産生されるクリプティック・スプライス部位が生体内で(in vivo)認識されること、そして我
々のハプロタイプ依存性レポーターシステムが培養細胞において、該細胞が内因性インスリンを発現するかどうかにかかわりなく、これらの事象を正確に反復することを示唆する。イントロン1保持転写産物を抑制することとは別に、最適なSSOは、エクソン3のクリプティック3’ssの利用を高めた(図2)。この望まれない効果は、隣接するエクソン及びイントロンのスプライシングの同調によって説明し得るが、これは、個々の遺伝子でも、そして遺伝子全体でもこれまでに観測されてきた(63~67)。また、転写開始部位の下流にあるGリッチ性は、RNAポリメラーゼII休止部位に関連付けられてきた(68)。この2つの概ね競合するイントロン2の3’ssは、RNAフォールディングに影響を及ぼす非特異的なシグナルに応答する可能性がある(図3、表2)が、連結したスプライス部位でSSOの組合せを使用すれば、この観測された依存性を軽減してクリプティック3’ss活性化を抑制すること、そしてミニ遺伝子ではなく全遺伝子構築体の使用から得られる、それらの相乗作用又は拮抗作用を検証することは、可能であろう。
【0282】
INSイントロン1保持を減少させる多機能性アンチセンスオリゴヌクレオチド
[00303] 2’-O-メチル-ホスホロチオエートSSOの初めての使用(69)以来
、多くの試験管内(in vitro)及び生体内(in vivo)応用にこの種の化学修飾が成功裡
に利用されてきた(9、10、70)。mRNAアイソフォームの発現をさらに微調整するために、好適なトランス作用性スプライシング因子をその標的配列に繋ぐように最適化されたSSOを設計することができる(11、71)。このシステム用の明白な候補物質は、U2AF35である。なぜなら、高等霊長類では、3’ssの弛緩の結果としてイントロン1が弱くて、rs689でのAアレルによってさらに弱体化され、そのことがこのイントロンをきわめてU2AF35依存性にする(図3)からである(7)。U2AF35とは別に、将来の2機能性又は多機能性アンチセンス戦略では、Tra2β又はSRSF3のような、INSイントロン1及びエクソン2のスプライシングに影響を及ぼすことがかつて示されたスプライシング因子のための結合プラットフォームを利用することができる(7)。Tra2βは、強力なGAAスプライシングエンハンサーが末端ループにある、予測される安定したヘアピン構造を形成するSSO6標的に結合する可能性がある(図3B)。SRSF3は、イントロン2のクリプティック3’ssの抑制に必要とされて(7)、コンセンサス(A/U)C(A/U)(A/U)Cのあるピリミジンリッチ配列に結合する(72)。SRSF3のRNA認識モチーフ(73)と相互作用するCAUCモチーフは、クリプティック3’ssのすぐ上流に存在する。
【0283】
ヒトの遺伝性疾患においてイントロン保持レベルを正常化すること
[00304] 上記の結果は、効率性が低いスプライシングを補償して、1型糖尿病の素因
があるハプロタイプからのINS発現を低下させるための非遺伝子手段を使用する機会を提供する。
【0284】
[00305] rs689のような一般的な変異体は、自己免疫疾患が含まれる複合形質の
遺伝可能性に大いに貢献する(74)が、それらの機能上及び構造上の帰結については、ほとんど知られていない。最適化されたINS SSOを発達中の胸腺の中に安全かつ効率的に導入することができれば、このアプローチは、1型糖尿病における主要な自己抗原に対する耐性を促進するための新規な予防アプローチを提供するかもしれない。このような介入のための最も明白な候補者は、HLAとINS遺伝子座の両方で疾患素因性アレルが同型接合である罹患小児を有した母親である。このような遺伝子型が兄弟のきわめて高い疾患リスクに関連付けられたからである(75)。1型糖尿病の1次予防とは別に、将来のSSOベースの治療薬は、診断時に有意な残余β細胞活性のある患者、そしてβ細胞移植を受ける資格があって、移植細胞からのプロインスリン発現のイントロン媒介性の増強より利益を受ける可能性がある患者に適用可能であろう。また、多数のスプライシング調節モチーフに多機能性SSOで標的指向することによる、イントロン・スプライシングとプロインスリン発現のより劇的な増強を介した、この治療モダリティの他の糖尿病患者への使用を想定することも可能である。SSOは、外因性と内因性の両方のプロインスリン発現に対するその影響を検査するためのより自然なシステムを提供し得る、胸腺上皮細胞及び13-細胞において有用性であるかもしれない。最後に、類似のアンチセンス戦略は、骨髄増殖性疾患におけるU2AF35のジンクフィンガードメイン中の特異的な置換(76)によって例示されるような、スプライシング因子遺伝子の体細胞突然変異より生じる、癌細胞に広がるイントロン保持を減少させるのに役立つ可能性がある。
【0285】
悪性細胞においてイントロン保持を減少させること
[00306] 複製されたポリA選択試料からのRNAseqデータを使用して、U2AF
欠乏性HEK293細胞において選好的に保持されている146のイントロン配列のセットを選択し、各イントロン保持事象のゲノムブラウザー中での視察を続けた。http://www.repeatmasker.org/cgi-bin/WEBRepeatMasker で利用可能なRepeatMaskerの高感度バージョンを使用して、これらの配列を反復的にマスクした(repeat-masked)。
INSイントロン1保持を減少させるのに最適なアンチセンス標的[Kralovicova J et al (2014). Nucleic Acids Res doi: 10.1093/nar/gku507,2014年6月17日公表]
が、CCCAG、AGGCC(Kralovicova et al .2014 中の図4)が含まれる、哺乳動物に保存されたイントロン・スプライシング調節配列[Yeo GW, et al (2007). PLoS Genet 3:e85]に重なったので、これらの短いペンタマー~ヘプタマーモチーフとイントロン・スプライシング調節モチーフの独立的に誘導したセット[Voelker RB, & Berglund JA (2007). Genome Res 17:1023-1033]を含有する、イントロンセグメント中のアンチセンス標的を選択し、それによってオリゴヌクレオチドがこれらの標的と相互作用してRNAプロセシングに影響を及ぼす見込みを高めた。この標的配列を、G4重鎖形成を回避するためのCラン含有配列の除去が含まれる、定型的なアンチセンスオリゴヌクレオチド設計に処した。5’プライス部位と3’スプライス部位の両方、ポリピリミジントラクト、分岐部位、及び超分岐領域の近接も回避した。この選択により、U2AF感受性イントロンの全長の約15%を網羅して、ヒトの全イントロン配列の約0.001%を表す、388種の化合物のセットを得た(表3)。従って、このオリゴヌクレオチドのセットは、U2経路において突然変異又は欠失を維持する悪性細胞中の補助因子からの十分な支援を有さない、U2依存性イントロンのスプライシング阻害配列について濃縮された領域に標的指向する。
【0286】
インスリン関連配列
候補SSO配列
註:「*」の印を付けた候補配列は、図4において考察したウィナーオリゴである。
【0287】
CD5
[00307] RNA型-CUGCAGAGCUGGGGCCUG(配列番号1)
[00308] DNA型-CTGCAGAGCTGGGGCCTG(配列番号2)
[00309] caggccccagcucugcag(配列番号3)に結合する
SSO21
[00310] RNA型-UGCAGAGCUGGGGCCU(配列番号4)
[00311] DNA型-TGCAGAGCTGGGGCCT(配列番号5)
[00312] aggccccagcucugca(配列番号6)に結合する
SSO21-2r
[00313] RNA型-GCAGAGCUGGGGCCUG(配列番号7)
[00314] DNA型-GCAGAGCTGGGGCCTG(配列番号8)
[00315] caggccccagcucugc(配列番号9)に結合する
SSO21-3r
[00316] RNA型-CAGAGCUGGGGCCUGG(配列番号10)
[00317] DNA型-CAGAGCTGGGGCCTGG(配列番号11)
[00318] ccaggccccagcucug(配列番号12)に結合する
SSO21-4r
[00319] RNA型-AGAGCUGGGGCCUGGG(配列番号13)
[00320] DNA型-AGAGCTGGGGCCTGGG(配列番号14)
[00321] cccaggccccagcucu(配列番号15)に結合する
SSO21-5r
[00322] RNA型-GAGCUGGGGCCUGGGG(配列番号16)
[00323] DNA型-GAGCTGGGGCCTGGGG(配列番号17)
[00324] ccccaggccccagcuc(配列番号18)に結合する
SSO21-6r
[00325] RNA型-AGCUGGGGCCUGGGGU(配列番号19)
[00326] DNA型-AGCTGGGGCCTGGGGT(配列番号20)
[00327] accccaggccccagcu(配列番号21)に結合する
SSO21-7r
[00328] RNA型-GCUGGGGCCUGGGGUC(配列番号22)
[00329] DNA型-GCTGGGGCCTGGGGTC(配列番号23)
[00330] gaccccaggccccagc(配列番号24)に結合する
SSO21-8r
[00331] RNA型-CUGGGGCCUGGGGUCC(配列番号25)
[00332] DNA型-CTGGGGCCTGGGGTCC(配列番号26)
[00333] ggaccccaggccccag(配列番号27)に結合する
SSO21-9r
[00334] RNA型-UGGGGCCUGGGGUCCA(配列番号28)
[00335] DNA型-TGGGGCCTGGGGTCCA(配列番号29)
[00336] uggaccccaggcccca(配列番号30)に結合する
SSO21-10r
[00337] RNA型-GGGGCCUGGGGUCCAG(配列番号31)
[00338] DNA型-GGGGCCTGGGGTCCAG(配列番号32)
[00339] cuggaccccaggcccc(配列番号33)に結合する
SSO21-14f
[00340] RNA型-CUGCAGAGCUGGGGCC(配列番号34)
[00341] DNA型-CTGCAGAGCTGGGGCC(配列番号35)
[00342] ggccccagcucugcag(配列番号36)に結合する
SSO21-15f
[00343] RNA型-GCUGCAGAGCUGGGGC(配列番号37)
[00344] DNA型-GCTGCAGAGCTGGGGC(配列番号38)
[00345] gccccagcucugcagc(配列番号39)に結合する
SSO21-16f
[00346] RNA型-UGCUGCAGAGCUGGGG(配列番号40)
[00347] DNA型-TGCTGCAGAGCTGGGG(配列番号41)
[00348] ccccagcucugcagca(配列番号42)に結合する
SSO21-17f
[00349] RNA型-CUGCUGCAGAGCUGGG(配列番号43)
[00350] DNA型-CTGCTGCAGAGCTGGG(配列番号44)
[00351] cccagcucugcagcag(配列番号45)に結合する
プレmRNA転写産物の標的領域の配列(例えばSSOに結合するため)
[00352] cuggaccccaggccccagcucugcagcag(配列番号
46)
【0288】
【表3】
【0289】
癌関連配列
[00353] 以下の表(表3)の配列も、ウラシル残基をチミン残基で置換して提供し得
る(例えば、DNA型において)。以下の表の各配列は、本発明のポリ核酸ポリマーの態様であり得る。下記の表(表3)において「化合物の名称」として言及されるそれぞれの遺伝子又はORFは、イントロン保持の是正のための遺伝子標的を含み得る。
【0290】
【表4-1】
【0291】
【表4-2】
【0292】
【表4-3】
【0293】
【表4-4】
【0294】
【表4-5】
【0295】
【表4-6】
【0296】
【表4-7】
【0297】
【表4-8】
【0298】
【表4-9】
【0299】
[00354] 本発明の好ましい態様について、本明細書に示して記載してきたが、当業者
には、そのような態様が例示としてのみ提供されることが明らかであろう。今や、当業者には、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換が発想されよう。本発明を実施する場合には、本明細書に記載した本発明の態様に対する様々な代替態様を利用し得ると理解されたい。以下の特許請求項は、本発明の範囲を明確化して、これらの特許請求項の範囲内の方法及び構造とそれらの均等物がそれに含まれると企図される。
【0300】
[00355] 記載された特別な方法、組成物、及びキットは、変わる可能性がある。また
、本発明の範囲は、付帯の特許請求項によってのみ規定されるので、本明細書に使用した用語法が特別な態様について記載する目的のためだけのものであって、限定することを企図するものではないことを理解されたい。
【0301】
[00356] 数値を提供する場合、それぞれの値は、「約」特別な数値又は範囲として表
され得ると理解され得る。「約」には、正確な量が含まれる可能性もある。例えば、「約5μL」は、「約5μL」又は「5μL」を意味することができる。一般に、「約」という用語には、引用値の上下10%にあると予測される量を含めることができる。
【0302】
[00357] 本明細書に使用したセクション見出しは、構成上の目的のだけのものであっ
て、記載される主題を限定するものと解釈してはならない。
[00358] 他に定義しなければ、本明細書に使用するすべての技術用語及び科学用語は
、特許請求される主題が属する技術分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有し得る。本明細書の記載は、例示的で説明的なものにすぎず、特許請求される主題を制限しない。本出願において、他に具体的に述べなければ、単数形の使用には、複数形が含まれ得る。本明細書と付帯の特許請求項において使用されるように、文脈によって他に明確に指示されなければ、単数形の不定冠詞(「a」、「an」)と定冠詞(「the」)には、複数形の指示物を含めることができる。本出願において、「又は(or)」の使用は、他に述べなければ、「及び/又は(and/or)」を意味し得る。さらに、「~を含めて(including)」
という用語、並びに「~が含まれる(include)」、「~が含まれる(includes)」、及
び「~が含まれた(included)」のような他の語形の使用は、範囲を限定するものではない。
本願は以下の発明を包含する。
[項目1] 対象における疾患の予防方法又は治療方法であって、成熟遺伝子転写産物中のイントロン保持の是正を含み、該疾患は、該遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因する不完全なタンパク質発現によって誘発される、前記方法。
[項目2] イントロン保持の是正が、該遺伝子転写産物とハイブリダイズするように配列されたポリ核酸ポリマーを投与することを含む、項目1に記載の方法。
[項目3] イントロン保持の是正が、該遺伝子転写産物とハイブリダイズするように配列され、そして標準(ステムループ)、非標準(G4重鎖)RNA構造の配座転移;トランス作用因子との相互作用;及びRNA-タンパク質複合体の形成速度のうち1以上に干渉するように配列されたポリ核酸ポリマーを投与することを含む、項目1又は2に記載の方法。
[項目4] ポリ核酸ポリマーが、イントロン・スプライシング調節配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対するアンチセンスである、項目1~3のいずれかに記載の方法。
[項目5] ポリ核酸ポリマーが、配列番号46若しくは配列番号46と少なくとも95%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対するアンチセンスである、項目1~4のいずれかに記載の方法。
[項目6] ポリ核酸ポリマーが、配列番号3若しくは配列番号3と少なくとも95%の同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域の少なくとも一部に対するアンチセンスである、項目1~5のいずれかに記載の方法。
[項目7] ポリ核酸ポリマーが、配列番号3;配列番号6;配列番号9;配列番号12;配列番号15;配列番号18;配列番号21;配列番号24;配列番号27;配列番号30;配列番号33;配列番号36;配列番号39;配列番号42;配列番号45;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成る転写産物の標的領域に対するアンチセンスである、項目1~6のいずれかに記載の方法。
[項目8] ポリ核酸ポリマーが、配列番号47~434又はこれらの組合せを含む配列群のいずれかに対して少なくとも95%の同一性を有する配列に対して相補的な配列を含
むか又はそれから成る転写産物の領域に対するアンチセンスである、項目1~4のいずれかに記載の方法。
[項目9] ポリ核酸ポリマーが、配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り;そしてウラシルヌクレオチドがチミンヌクレオチドで置換されていてもよい、項目1~7のいずれかに記載の方法。
[項目10] ポリ核酸ポリマーが、配列番号47~434又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り;そしてウラシルヌクレオチドがチミンヌクレオチドで置換されていてもよい、項目1~4、又は8のいずれかに記載の方法。
[項目11] ポリ核酸ポリマーの長さが約10~約30ヌクレオチドである、項目1~10のいずれかに記載の方法。
[項目12] ポリ核酸ポリマーがその安定性を高めるように修飾される、項目1~11のいずれかに記載の方法。
[項目13] ポリ核酸ポリマーがタンパク質又はアプタマーに繋がっており、該タンパク質は、スプライシングとイントロン除去を増強、阻害、又は調節するためのスプライシング因子である、項目1~12のいずれかに記載の方法。
[項目14] ポリ核酸ポリマーが、該ポリ核酸ポリマーを細胞又は組織に及び/又はそれらの中に送達するのに適した送達担体にコンジュゲートしているか又は結合している、項目1~13のいずれかに記載の方法。
[項目15] 遺伝子転写産物がプロインスリンをコードする、項目1~7、9、又は11~14のいずれかに記載の方法。
[項目16] 遺伝子転写産物が、ABCD4;ABCF3;ACADVL;ALKBH6;AP1G2;APEX1;ARFRP1;ATHL1;ATP1A3;ATP5D;ATP13A1;BAX;BDH2;BRD2;C1orf63;C1orf630;C1orf631;C1orf124;C2orf49;C8orf82;C16orf59;CAPRIN2;CASKIN2;CDCA7;CEP164;CEP170;CLCN7;CPNE1;CPSF3L;DCXR;DENND4B;DFFA;DIS3L2;DNAJB12;DPF1;DRG2;DSN1;EML3;EWSR1;EWSR10;FGFR4;FTSJ1;GBAP1;GMPPA;GMPR2;GNPTG;GORASP1;GPATCH4;HGS;HMG20B;IFFO1ISYNA1;KRI1;LOC148413;LZTR1;MAN2C1;MAP4K2;MCOLN1;MDP1;MIB2;MITD1;MOK;MOV10;MRPL35;MTMR11;MUS81;NAPEPLD;NBEAL2;NDRG4;NDUFB10;NFATC4;NFKBIB;NIT1;NKTR;NPRL2;NSUN5P1;NUDT22;PAN2;PDDC1;PDLIM4;PHF1;PIK3CD;PITPNM1;PPIL2;PPP1R35;PPP4C;PQLC2;PRPF39;PSME2;PTPMT1;QARS;RAD52;RHOT2;RMND5B;RNF123;RPL10A;RPP21;RPS6KB2;RUSC1;SCRN2;SCYL1;SFR1;SGSM3;SIRT7;SLC25A3;SLC30A7;SLC37A4;STK19;STX10;TCF25;TOMM40;TP53I3;TRIM41;TRPT1;TSTA3;TTC14;TTC140;TUBGCP6;U2AF1L4;UCK1;UNC45A;VAMP1;VAMP10;VARS;VPS28;WDR24;WDR90;WRAP53;YDJC;YIPF3;ZCCHC8;ZCCHC18;ZFAND1;ZNF131;ZNF300;ZNF317;ZNF692;ZNF711;ZN
RD1;ZWINT;又はこれらの組合せを含む遺伝子又はORFのいずれかから選択される遺伝子又はORFより転写される、項目1~4、8、又は10~14のいずれかに記載の方法。
[項目17] 疾患が糖尿病である、項目1~7、9、又は10~15のいずれかに記載の方法。
[項目18] 疾患が癌である、項目1~4、8、又は10~14、又は16のいずれかに記載の方法。
[項目19] 疾患病理が遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因するかどうかを治療に先立って決定する工程をさらに含む、項目1~18のいずれかに記載の方法。
[項目20] 細胞内でイントロン・スプライシングを調節する方法であって、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含み、該領域は、配列番号46又は配列番号46に対して少なくとも95%の同一性を有する領域を含むか又はそれから成る、前記方法。
[項目21] 細胞内でイントロン・スプライシングを調節する方法であって、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含み、該領域は、配列番号3又は配列番号3に対して少なくとも95%の同一性を有する領域を含むか又はそれから成る、前記方法。
[項目22] 細胞内でイントロン・スプライシングを調節する方法であって、ポリ核酸ポリマーをプレmRNAの領域にハイブリダイズさせることを含み、該領域は、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに対しても少なくとも95%の同一性を有する配列に相補的な配列を含むか又はそれか成る、前記方法。
[項目23] 配列番号46を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域、あるいは配列番号46に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスである、ポリ核酸ポリマー。
[項目24] 配列番号3を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域、あるいは配列番号3に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスである、ポリ核酸ポリマー。
[項目25] ポリ核酸ポリマーの領域の少なくとも一部に対してアンチセンスであるポリ核酸ポリマーであって、該領域は、配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む配列の群のいずれかに相補的な配列を含むか又はそれから成るか;あるいは任意選択的に、配列番号47~434に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むか又はそれから成るポリ核酸ポリマーの領域である、前記ポリ核酸ポリマー。
[項目26] 配列番号1;配列番号2;配列番号4;配列番号5;配列番号7;配列番号8;配列番号10;配列番号11;配列番号13;配列番号14;配列番号16;配列番号17;配列番号19;配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号25;配列番号26;配列番号28;配列番号29;配列番号31;配列番号32;配列番号34;配列番号35;配列番号37;配列番号38;配列番号40;配列番号41;配列番号43;及び配列番号44;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り;ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい、ポリ核酸ポリマー。
[項目27] 配列番号47~434;又はこれらの組合せを含む群のいずれかから選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリ核酸ポリマー配列を含むか又はそれから成り;ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい、ポリ核酸ポリマー。
[項目28] ポリ核酸ポリマーを細胞に送達するのに適した送達担体にコンジュゲートしているか又は結合している、項目23~27のいずれかに記載のポリ核酸ポリマー。
[項目29] 項目23~27のいずれかに記載のポリ核酸ポリマーを含むベクター。
[項目30] 項目23~27のいずれかに記載のポリ核酸ポリマーを含むか又はそれに結合している送達担体。
[項目31] 項目23~28のいずれかに記載のポリ核酸ポリマー、又は項目29に記載のベクター、又は項目30に記載の送達担体を含む組成物。
[項目32] 追加の生物学的に活性な分子をさらに含む、項目31に記載の組成物。
[項目33] 治療対象を選択する方法であって、遺伝子転写産物中のイントロン保持に起因する不完全なタンパク質発現によって誘発される疾患を該対象が有するかどうかを決定し、ここで、対象は、陽性確定時に、項目23~28のいずれかに記載のポリ核酸ポリマー、又は項目29に記載のベクター、又は項目30に記載の送達担体、又は項目31若しくは32に記載の組成物による治療のために選択される;そして任意に対象を治療する、ことを含む、前記方法。
[項目34] 癌細胞においてイントロン保持を是正することによって遺伝子発現を正常化するための、アンチセンスポリ核酸ポリマーの使用。
[項目35] 遺伝子転写産物がイントロン・スプライシング調節配列である、項目1~34のいずれかに記載の方法。
[項目36] イントロン・スプライシング調節配列が2つのG4重鎖の間にある、項目1~35のいずれかに記載の方法。
[項目37] イントロン・スプライシング調節配列が第1のCCCモチーフを含む、項目1~36のいずれかに記載の方法。
[項目38] イントロン・スプライシング調節配列が第2のCCCモチーフをさらに含む、項目37の方法。
[項目39] イントロン・スプライシング調節配列が、CCCAGモチーフ又はAGGCCモチーフをさらに含む、項目1~38のいずれかに記載の方法。
[項目40] イントロン・スプライシング調節配列がG4重鎖を形成しない、項目1~39のいずれかに記載の方法。
[項目41] ポリ核酸ポリマーが遺伝子転写産物と特異的にハイブリダイズする、項目1~40のいずれかに記載の方法。
[項目42] あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該標的配列は2つのG4重鎖の間にあり、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
[項目43] ポリ核酸ポリマーが、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の保持されたイントロンにハイブリダイズする、項目42の医薬組成物。
[項目44] あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズし、該イントロン・スプライシング調節配列は、第1のCCCモチーフを含み、そして該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
[項目45] イントロン・スプライシング調節配列が第2のCCCモチーフをさらに含む、項目44の医薬組成物。
[項目46] 第1のCCCモチーフが第2のCCCモチーフ由来の約3以上のヌクレオチド塩基である、項目45の医薬組成物。
[項目47] ポリ核酸ポリマーが、CCCAGモチーフ又はAGGCCモチーフを含む
イントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズする、項目42~46のいずれか1項の医薬組成物。
[項目48] あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフはG4重鎖を形成せず、そして該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
[項目49] ポリ核酸ポリマーが、ピリジンヌクレオチドを3’末端位及び/又は5’末端位に含む、項目42~48のいずれか1項の医薬組成物。
[項目50] ポリ核酸ポリマーが、2つの連続したピリジン残基を3’末端位及び/又は5’末端位に含む、項目42~49のいずれか1項の医薬組成物。
[項目51] あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフはヘアピン構造を形成し、そして該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導可能である;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
[項目52] あるタンパク質をコードしそして保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列にハイブリダイズするポリ核酸ポリマー、ここで、該ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘導する;及び
医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体、
を含む、医薬組成物。
[項目53] ポリ核酸ポリマーが、ヘアピン構造を不安定にすることがさらに可能である、項目51の医薬組成物。
[項目54] 送達担体が、細胞浸透ペプチド又はペプチドベースのナノ粒子を含む、項目42~53のいずれか1項の医薬組成物。
[項目55] 送達担体が、ポリ核酸ポリマーとイオン結合によって複合体を形成している、項目42~54のいずれか1項の医薬組成物。
[項目56] ポリ核酸ポリマーの長さが、約10~約50、約10~約45、約10~約40、約10~約30、約10~約25、又は約10~約20ヌクレオチドである、項目42~55のいずれか1項の医薬組成物。
[項目57] ポリ核酸ポリマーの配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%相補的である、項目42~56のいずれか1項の医薬組成物。
[項目58] ポリ核酸ポリマーの配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して4以下、3以下、2以下、又は1以下のミスマッチを有する、項目42~57のいずれか1項の医薬組成物。
[項目59] ポリ核酸ポリマーが、ヌクレオシド部分又はリン酸部分で修飾される、項目42~58のいずれか1項の医薬組成物。
[項目60] ポリ核酸ポリマーが、1以上の人工ヌクレオチド塩基を含む、項目42~59のいずれか1項の医薬組成物。
[項目61] 1以上の人工ヌクレオチド塩基が、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメ
チルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)で修飾された、ロック核酸(LNA)、エチレン核酸(ENA)、ペプチド核酸(PNA)、1’,5’-アンヒドロへキシトール核酸(HNA)、モルホリノ、メチルホスホネート ヌクレオチド、チオールホスホネートヌクレオチド、又は2’-フルオロN3-P5’-ホスホロアミダイトを含む、項目59又は60の医薬組成物。
[項目62] ポリ核酸ポリマーが、該ポリ核酸ポリマーのヌクレオシド部分のリボース部分の2’ヒドロキシル基で修飾される、項目61の医薬組成物。
[項目63] 2’ヒドロキシル基の修飾が、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル、2’-デオキシ、T-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、T-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、又は2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)部分による、項目62の医薬組成物。
[項目64] リボース部分の2’ヒドロキシル基にメチル基を付加して2’-O-メチルリボース部分を産生する、項目63の医薬組成物。
[項目65] リボース部分の2’ヒドロキシル基にメトキシエチル基を付加して2’-O-メトキシエチルリボース部分を産生する、項目63の医薬組成物。
[項目66] 2’ヒドロキシル基の修飾が、メチレン基によって4’炭素に連結される、項目63の医薬組成物。
[項目67] リボース環を6員モルホリノ環で置換してモルホリノ人工ヌクレオチド類似体を産生する、項目59~61のいずれか1項の医薬組成物。
[項目68] リン酸骨格をオリゴグリシン様部分で置換してペプチド核酸(PNA)を産生する、項目59~61のいずれか1項の医薬組成物。
[項目69] リン酸骨格をチオール基又はメチル基によって修飾する、項目59~61のいずれか1項の医薬組成物。
[項目70] 5’末端、3’末端、又はこれらの組合せが修飾される、項目59~69のいずれか1項の医薬組成物。
[項目71] 修飾によってポリ核酸ポリマーを対象の内因性エンドヌクレアーゼから保護する、項目59~70のいずれか1項の医薬組成物。
[項目72] 修飾されたポリ核酸ポリマーが、RNAのRNアーゼH切断を誘導しないか又はその誘導能が低下している、項目59~71のいずれか1項の医薬組成物。
[項目73] ポリ核酸ポリマーが、その安定性を高めるために修飾される、項目59~72のいずれか1項の医薬組成物。
[項目74] ポリ核酸ポリマーが、配列番号46の少なくとも13の連続した塩基に対して少なくとも80%、85%、90%、又は95%の配列同一性を含むか又は100%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、項目42~73のいずれか1項の医薬組成物。
[項目75] ポリ核酸ポリマーが、配列番号46の少なくとも10の連続した塩基を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、項目42~73のいずれか1項の医薬組成物。
[項目76] ポリ核酸ポリマーが、配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号15、配列番号18、配列番号21、配列番号24、配列番号27、配列番号30、配列番号33、配列番号36、配列番号39、配列番号42、配列番号45、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列に対して少なくとも63%、70%、80%、90%、又は95%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、項目42~73のいずれか1項の医薬組成物。
[項目77] ポリ核酸ポリマーが、配列番号3に対して少なくとも55%、60%、7
0%、80%、90%、又は95%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、項目42~73のいずれか1項の医薬組成物。
[項目78] ポリ核酸ポリマーが、配列番号4、配列番号5、配列番号7、配列番号8、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号16、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、配列番号28、配列番号29、配列番号31、配列番号32、配列番号34、配列番号35、配列番号37、配列番号38、配列番号40、配列番号41、配列番号43、及び配列番号44、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列に対して少なくとも63%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%の配列同一性を含み、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい、項目42~73のいずれか1項の医薬組成物。
[項目79] ポリ核酸ポリマーが、配列番号1、配列番号2、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列に対して少なくとも55%、60%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%の配列同一性を含み、ウラシルヌクレオチドは、チミンヌクレオチドで置換されていてもよい、項目42~73のいずれか1項の医薬組成物。
[項目80] ポリ核酸ポリマーが、配列番号47~434、又はこれらの組合せから成る群より選択される配列の少なくとも13の連続した塩基に対して少なくとも80%、85%、90%、又は95%の配列同一性を含むmRNA転写産物にハイブリダイズする、項目42~73のいずれか1項の医薬組成物。
[項目81] ハイブリダイゼーションが特異的なハイブリダイゼーションである、項目42~80のいずれか1項の医薬組成物。
[項目82] ポリ核酸ポリマーが、合成されたポリ核酸ポリマーである、項目42~81のいずれか1項の医薬組成物。
[項目83] ポリ核酸ポリマーを含む医薬組成物が、静脈内投与又は皮下投与用である、項目42~82のいずれか1項の医薬組成物。
[項目84] 項目42~83の医薬組成物を患者に投与することを含む、それを必要とする患者において疾患又は病態の治療に使用するための組成物。
[項目85] 疾患又は病態が、あるタンパク質の産生低下に関連するか又は不完全なスプライシングを特徴とする、項目84の使用のための組成物。
[項目86] 疾患又は病態が遺伝性疾患である、項目84又は85の使用のための組成物。
[項目87] 遺伝性疾患のある対象が、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する、項目86の使用のための組成物。
[項目88] 遺伝性疾患のある対象が、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する、項目86の使用のための組成物。
[項目89] 遺伝性疾患のある対象が、タンパク質の全長機能型を産生することが不可能な、遺伝子の欠陥コピーを含むゲノムを有する、項目86の使用のための組成物。
[項目90] 疾患又は病態が糖尿病である、項目84~89のいずれか1項の使用のための組成物。
[項目91] 疾患又は病態が癌である、項目84~89のいずれか1項の使用のための組成物。
[項目92] タンパク質の産生低下に関連した疾患又は病態の治療対象を選択することをさらに含み、
a)該対象が、あるタンパク質の産生低下に関連した疾患又は病態を有するかどうかを決定し;そして
b)該対象が、該タンパク質の産生低下に関連した疾患又は病態を有する場合、項目42~83の医薬組成物を該対象に投与する、
ことを含む、項目84~91のいずれか1項の使用のための組成物。
[項目93] 不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態の治療対象を選択することをさらに含み、
a)該対象が、不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を有するかどうかを決定し;そして
b)該対象が、不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を有する場合、項目42~83の医薬組成物を該対象に投与する、
ことを含む、項目84~91のいずれか1項の使用のための組成物。
[項目94] それを必要とする対象において、タンパク質の全長機能型の産生低下を特徴とする疾患又は病態を治療する方法であって:
a)部分的にプロセシングされたmRNA転写産物中のイントロンのスプライシングアウトの増加を誘導する治療薬剤、並びに医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達担体を含む医薬組成物を該対象に投与すること、ここで、該対象は、該タンパク質の全長機能型のコピーをコード可能で、そのそれぞれが部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の翻訳を阻害する少なくとも1つの保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールを有する;及び
b)該対象の標的細胞を治療薬剤と接触させて、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールの一部を誘導し、スプライシングを受けて、該一部中の部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のそれぞれから少なくとも1つの保持されたイントロンを除去し、完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生すること、ここで、完全にプロセシングされたmRNA転写産物は、翻訳されて該タンパク質の全長機能型のコピーを発現し、それが該疾患又は病態を治療する、
を含む、前記方法。
[項目95] 治療薬剤が該細胞内で1以上のスプライシングタンパク質複合体の活性化を引き起こし、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプールの一部中の部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のそれぞれから少なくとも1つの保持されたイントロンを除去する、項目94の方法。
[項目96] 治療薬剤が、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を阻害する、項目94又は95の方法。
[項目97] 治療薬剤が、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質を活性化する、項目94~96のいずれか1項の方法。
[項目98] 治療薬剤が、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質に結合する、項目94~97のいずれか1項の方法。
[項目99] 治療薬剤が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的ポリヌクレオチド配列に結合する、項目94~98のいずれか1項の方法。
[項目100]
治療薬剤がポリ核酸ポリマーである、項目94~99のいずれか1項の方法。
[項目101] 治療薬剤が低分子である、項目94~100のいずれか1項の方法。
[項目102] 医薬組成物が項目42~83の医薬組成物である、項目94~101のいずれか1項の方法。
[項目103] 該タンパク質の全長機能型の産生低下が、該タンパク質の全長機能型の正常以下の産生を含む、項目94~102のいずれか1項の方法。
[項目104] 該タンパク質の全長機能型の産生低下が、該タンパク質の全長機能型の発現のないことによるか、又は該疾患若しくは病態を引き起こすほどに十分低い該タンパク質の全長機能型の発現レベルによる、項目94~103のいずれか1項の方法。
[項目105] 該タンパク質の全長機能型の産生低下が、該タンパク質の産生がないか又は該タンパク質の不完全型の産生を含む、項目94~104のいずれか1項の方法。
[項目106] 該タンパク質の不完全型が、該タンパク質の短鎖型、該タンパク質のミスフォールディング型、又は該タンパク質の標的結合異常型である、項目105の方法。[項目107] 対象を治療することが、該タンパク質の全長機能型の発現増加をもたらす、項目94~106のいずれか1項の方法。
[項目108] 部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のプロセシングを誘導して、保持されたイントロンを除去し、タンパク質の全長機能型をコードする完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生する方法であって:
a)単離されたポリ核酸ポリマーを、該タンパク質の全長機能型をコード可能で、少なくとも1つの保持されたイントロンを含む、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物にハイブリダイズさせ;
b)少なくとも1つの保持されたイントロンを、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物から除去し、該タンパク質の全長機能型をコードする、完全にプロセシングされたmRNA転写産物を産生し;そして
c)完全にプロセシングされたmRNA転写産物から該タンパク質の全長機能型を翻訳する、
ことを含む、前記方法。
[項目109] それを必要とする対象に、単離されたポリ核酸ポリマーを含む医薬組成物を投与することをさらに含む、項目108の方法。
[項目110] 該タンパク質の全長機能型の産生低下が、疾患又は病態に相関している、項目108又は109の方法。
[項目111] 疾患又は病態が遺伝性疾患である、項目108~110のいずれか1項の方法。
[項目112] 遺伝性疾患のある対象が、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する、項目108~111のいずれか1項の方法。
[項目113] 遺伝性疾患のある対象が、完全にプロセシングされたmRNAへ適切に転写されるとタンパク質の全長機能型をコードするエクソンのセットを含む遺伝子のコピーを含むゲノムを有する、項目108~111のいずれか1項の方法。
[項目114] 遺伝性疾患のある対象が、タンパク質の全長機能型を産生することが不可能な、遺伝子の欠陥コピーを含むゲノムを有する、項目108~111のいずれか1項の方法。
[項目115] 疾患又は病態が糖尿病である、項目108~114のいずれか1項の方法。
[項目116] 疾患又は病態が癌である、項目108~114のいずれか1項の方法。[項目117] ポリ核酸ポリマーがアンチセンス配列である、項目108~116のいずれか1項の方法。
[項目118] アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の保持されたイントロンにハイブリダイズする、項目108~117のいずれか1項の方法。
[項目119] アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のイントロン・スプライシング調節配列にハイブリダイズする、項目108~118のいずれか1項の方法。
[項目120] イントロン・スプライシング調節配列がCCCモチーフを含む、項目119の方法。
[項目121] アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフは、G4重鎖を形成しない、項目108~120のいずれか1項の方法。
[項目122] アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフは、2つのG4重鎖の間にある、項目108~121のいずれか1項の方法。
[項目123] アンチセンス配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の結合モチーフにハイブリダイズし、該結合モチーフは、第1のCCCモチーフと第2のCCCモチーフを有する、項目108~122のいずれか1項の方法。
[項目124] 第1のCCCモチーフが、第2のCCCモチーフ由来の約3以上のヌク
レオチド塩基である、項目123の方法。
[項目125] ポリ核酸ポリマーの配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、又は95%、又は100%相補的である、項目101~124のいずれか1項の方法。
[項目126] ポリ核酸ポリマーの配列が、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列に対して4以下、3以下、2以下、又は1以下のミスマッチを有する、項目108~125のいずれか1項の方法。
[項目127] ポリ核酸ポリマーの長さが、約10~約50、約10~約45、約10~約40、約10~約30、約10~約25、又は約10~約20ヌクレオチドである、項目108~126のいずれか1項の方法。
[項目128] 対象が真核生物又は原核生物である、項目108~127のいずれか1項の方法。
[項目129] 対象が、ヒト、マウス、ラット、非ヒト霊長動物、又は非霊長類の哺乳動物より選択される真核生物である、請求94~127のいずれか1項の方法。
【0303】
援用
[00359] 本明細書において言及したすべての公表文献、特許、及び特許出願は、それ
ぞれ個別の公表文献、特許、及び特許出願が具体的かつ個別的に参照により取り込まれるように示されるのと同じ程度で、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
2023011885000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ核酸ポリマーをコードするベクターを含む組成物であって、ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物内の標的配列の少なくとも10の連続した塩基に相補的な配列を含み、標的配列はスプライス部位を含まず、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物は、全長機能型のタンパク質をコードしかつ保持されたイントロン全体を含み、ポリ核酸ポリマーは、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物からの保持されたイントロン全体のスプライスアウトを誘導する、前記組成物。
【請求項2】
ポリ核酸ポリマーが、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の野生型標的配列の少なくとも10の連続した塩基に相補的な配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリ核酸ポリマーが少なくとも45ヌクレオチドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
ポリ核酸ポリマーが、イントロン・スプライシング活性を調節するタンパク質に結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
標的配列がヘアピン構造を形成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
ポリ核酸ポリマーが、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物のスプライス部位から約5~30塩基離れた配列にハイブリダイズする追加の配列を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
ベクターがウイルスベクターである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
ウイルスベクターがアデノ随伴ウイルスベクターである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ウイルスベクターが、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物を含む細胞を標的指向する、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
ウイルスベクターが特定の細胞タイプを標的指向にする、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
ポリ核酸ポリマーが、標準及び非標準RNA構造の配座転移又はイントロンに結合するトランス作用因子との相互作用の1以上に干渉する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
保持されたイントロン全体を含む部分的にプロセシングされたmRNA転写産物が、疾患又は病態を誘発するか、疾患又は病態になりやすい性質を誘発する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
疾患又は病態がX連鎖疾患である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
ポリ核酸ポリマーが、部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の標的配列の少なくとも13の連続した塩基に相補的な配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
スプライシングがヒト細胞内で生じる、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物、及び医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項17】
遺伝子転写産物におけるイントロン保持の是正を含む、機能性タンパク質の産生低下又は不完全なスプライシングを特徴とする疾患又は病態を治療又は予防する方法に使用するための、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
部分的にプロセシングされたmRNA転写産物の完全にプロセシングされた転写産物にコードされる全長機能型タンパク質の発現を増加させる、請求項1に記載の組成物。
【外国語明細書】