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特開2023-118857買物支援装置及び買物支援プログラム、サーバ及びその制御プログラム並びに買物支援方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118857
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】買物支援装置及び買物支援プログラム、サーバ及びその制御プログラム並びに買物支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230818BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110096
(22)【出願日】2023-07-04
(62)【分割の表示】P 2021133156の分割
【原出願日】2019-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】川本 剛士
(57)【要約】
【課題】個人所有の通信端末に対して煩雑な設定作業を要することなく、その通信端末を複数の店舗で導入された買物支援システムの買物支援装置として利用できるようにする。
【解決手段】買物支援装置は、一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を取得する。そして同装置は、取得した入店店舗識別情報及び設定情報を記憶する。また同装置は、一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得する。そして同装置は、取得した退店店舗識別情報で識別される店舗が、入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、記憶した入店店舗識別情報及び設定情報をクリアする。
【選択図】 図1



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶した買物支援装置であって、
一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を取得する入店時取得手段と、
前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報及び設定情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶した前記設定情報を基に前記買物支援プログラムによる買物支援動作を制御する制御手段と、
一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得する退店時取得手段と、
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記記憶手段により記憶した前記入店店舗識別情報及び設定情報をクリアするクリア手段と、
を具備する買物支援装置。
【請求項2】
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致しない場合に、エラーを報知する退店時報知手段、
をさらに具備する請求項1記載の買物支援装置。
【請求項3】
前記店舗固有の設定情報は、当該買物支援装置がサーバと通信を行うためのパラメータを含み、
前記パラメータに基づいて前記サーバとの通信が可能になると、その通信により前記サーバに対して入店通知を行う入店通知手段と、
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記通信により前記サーバに対して退店通知を行う退店通知手段と、
をさらに具備する請求項1又は2記載の買物支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の買物支援装置と通信するサーバであって、
前記入店通知を受けて、その通知元の買物支援装置と関連付けて入店日時を記憶する入店時記憶手段と、
前記退店通知を受けて、その通知元の買物支援装置と関連付けて入店日時を記憶していることを条件に退店日時を記憶する退店時記憶手段と、
前記入店日時を記憶しているが退店日時を記憶していない買物支援装置から前記入店通知を受けた場合には、当該買物支援装置の前記買物支援プログラムによる買物支援動作をエラーとするエラー処理手段と、
を具備するサーバ。
【請求項5】
買物支援装置に記憶され、複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムであって、
前記買物支援装置のコンピュータを、
一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を取得する入店時取得手段、
前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報及び設定情報を記憶部に記憶させる記憶手段、
前記記憶部に記憶した前記設定情報を基に買物支援動作を制御する制御手段、
一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得する退店時取得手段、及び、
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記記憶部に記憶した前記入店店舗識別情報及び設定情報をクリアするクリア手段、
として機能させるための買物支援プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致しない場合に、エラーを報知する退店時報知手段、
としてさらに機能させるための請求項5記載の買物支援プログラム。
【請求項7】
前記店舗固有の設定情報は、当該買物支援装置がサーバと通信を行うためのパラメータを含み、
前記コンピュータを、
前記パラメータに基づいて前記サーバとの通信が可能になると、その通信により前記サーバに対して入店通知を行う入店通知手段、及び、
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記通信により前記サーバに対して退店通知を行う退店通知手段、
としてさらに機能させるための請求項5又は6記載の買物支援プログラム。
【請求項8】
請求項3に記載の買物支援装置と通信するサーバを、
前記入店通知を受けて、その通知元の買物支援装置と関連付けて入店日時を記憶する入店時記憶手段、
前記退店通知を受けて、その通知元の買物支援装置と関連付けて入店日時を記憶していることを条件に退店日時を記憶する退店時記憶手段、及び、
前記入店日時を記憶しているが退店日時を記憶していない買物支援装置から前記入店通知を受けた場合には、当該買物支援装置の前記買物支援プログラムによる買物支援動作をエラーとするエラー処理手段、
として機能させるための制御プログラム。
【請求項9】
複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶した買物支援装置の買物支援方法であって、前記買物支援装置が、
一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を取得し、その入店店舗識別情報及び設定情報を記憶すること、
前記記憶した前記設定情報を基に前記買物支援プログラムによる買物支援動作を制御すること、
一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得し、その退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記記憶した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記記憶した前記入店店舗識別情報及び設定情報をクリアすること、
を実行する買物支援方法。
【請求項10】
前記買物支援装置が、
前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致しない場合に、エラーを報知すること、
をさらに実行する請求項9記載の買物支援方法。
【請求項11】
前記店舗固有の設定情報は、当該買物支援装置がサーバと通信を行うためのパラメータを含み、
前記買物支援装置が、
前記パラメータに基づいて前記サーバとの通信が可能になると、その通信により前記サーバに対して入店通知を行うこと、
前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記通信により前記サーバに対して退店通知を行うこと、
をさらに実行する請求項9又は10記載の買物支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、買物支援装置及び買物支援プログラムと、サーバ及びその制御プログラムと、買物支援方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者が売場で商品を購入する際に、買物支援装置を自ら操作して商品を識別するための商品コードを読み取ることで、商品の販売登録をセルフで行うようにした買物支援システムはすでに知られている。
【0003】
この種の買物支援システムにおいては、商品コードの読み取りが可能な端末を買物支援装置として店舗が消費者に貸し出す方式が一般的である。例えば店舗は、ショッピングカートに買物支援装置としての端末を取り付けて消費者に貸し出す。このような方式では、買物支援装置はその店舗専用の機器となる。したがって、予め買物支援装置に店舗固有の情報を設定しておくことができる。
【0004】
その一方で近年、消費者が個人で所有するスマートフォン等の通信端末を買物支援装置として利用することが考えられている。個人所有の通信端末を買物支援装置として利用することで、店舗にとっては、初期設備投資を節約できる利点がある。消費者にとっても、複数の店舗で同じ通信端末を用いて商品のセルフ登録を行えるので操作性が良いという利点がある。
【0005】
しかしながら買物支援システムは、商品コードが買物支援装置によって読み取られると、買物支援装置から店舗のサーバへと商品コードが送信される。このため買物支援システムは、個人所有の通信端末を買物支援装置として使用する場合、各店舗のサーバと無線通信を行うための接続情報を通信端末に設定する必要がある。また、例えばサーバとの通信がエラーとなるタイムアウト時間、エラーとなったときのリトライ回数等は、店舗あるいはその店舗を運営する企業体毎に設定される。このため買物支援システムは、店舗又は企業体毎のタイムアウト時間、リトライ回数等の動作制限情報を通信端末に設定する必要もある。ただし、上述した接続情報、動作制限情報等のような買物支援システムを利用する上で必要な情報は、店舗又は企業体特有の情報である。このため、これらの情報を前もって個人所有の通信端末に設定することはできない。したがって、消費者が来店する都度、その店舗又は企業体特有の情報を当該消費者が所有する通信端末に設定しなければならず、設定作業の簡略化が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-195106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、個人所有の通信端末に対して煩雑な設定作業を要することなく、その通信端末を複数の店舗で導入された買物支援システムの買物支援装置として利用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶した買物支援装置は、入店時取得手段と、記憶手段と、制御手段と、退店時取得手段と、クリア手段とを備える。入店時取得手段は、一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を取得する。記憶手段は、入店時取得手段で取得した入店店舗識別情報及び設定情報を記憶する。制御手段は、記憶手段により記憶した設定情報を基に買物支援プログラムによる買物支援動作を制御する。退店時取得手段は、一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得する。クリア手段は、退店時取得手段で取得した退店店舗識別情報で識別される店舗が、入店時取得手段で取得した入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、記憶手段により記憶した入店店舗識別情報及び設定情報をクリアする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る買物支援システムの概略構成を示すブロック図。
図2】買物支援装置の要部回路構成を示すブロック図。
図3】買物支援プログラムのデータ構造を示す模式図。
図4】店舗設定テーブルのデータ構造を示す模式図。
図5】管理サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図6】履歴ファイルの主要なデータ構造を示す模式図。
図7】買物支援装置のプロセッサが、買物支援プログラムに基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図。
図8】買物支援装置のプロセッサが、買物支援プログラムに基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図。
図9】買物支援装置のプロセッサが、買物支援プログラムに基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図。
図10】管理サーバのプロセッサが実行する入店通知コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図11】管理サーバのプロセッサが実行する退店通知コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図12】チェックイン画面の一例を示す図。
図13】カメラ画面の一例を示す図。
図14】カメラ画面の一例を示す図。
図15】使用不可画面の一例を示す図。
図16】無線接続画面の一例を示す図。
図17】履歴エラー画面の一例を示す図。
図18】チェックイン完了画面の一例を示す図。
図19】登録画面の一例を示す図。
図20】会計バーコード画面の一例を示す図。
図21】チェックアウト画面の一例を示す図。
図22】退店エラー画面の一例を示す図。
図23】未会計エラー画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、買物支援装置及び買物支援システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、消費者が所有するスマートフォン等の通信端末を複数の店舗で導入された買物支援システムの買物支援装置として利用する場合である。
【0011】
図1は、本実施形態に係る買物支援システム1の概略構成を示すブロック図である。買物支援システム1は、複数の店舗システム10と、管理サーバ20と、ネットワーク30と、買物支援装置40とを含む。
【0012】
店舗システム10は、買物支援システム1を導入した店舗毎に構成される。店舗の数は、特に限定されるものではない。図1では、店舗AAAに構成された店舗システム10と、店舗BBBに構成される店舗システム10とを示している。なお、店舗AAAを運営する企業体は、店舗BBBを運営する企業体と同じであってもよいし異なっていてもよい。以下では、店舗AAAの店舗システムを店舗システム10Aと表し、店舗BBBの店舗システムを店舗システム10Bと表す。また、各店舗の店舗システム10A,10B,…を総称する場合には、店舗システム10と表す。
【0013】
店舗システム10の基本的な構成は共通である。すなわち店舗システム10は、図1に示すように、店舗サーバ11、仮想POSサーバ12、通信サーバ13、会計機14及びアクセスポイント15を備え、これらを有線LAN(Local Area Network)16で接続している。
【0014】
店舗サーバ11は、店舗業務全般を支援するコンピュータである。その支援のために店舗サーバ11は、商品データベースを含む種々のデータベースを管理する。商品データベースは、店舗で販売されている各商品のデータを記述した商品レコードの集合体である。すなわち、店舗システム10Aの店舗サーバ11によって管理される商品データベースには、店舗AAAで販売されている各商品に関する商品レコードが保存されている。店舗システム10Bの店舗サーバ11によって管理される商品データベースには、店舗BBBで販売されている各商品に関する商品レコードが保存されている。商品レコードには、商品コード、価格、商品名等の商品データが記述されている。商品コードは、商品を個々に識別するために商品毎に設定された一意の識別コードである。各商品には、通常、商品コードを表したバーコードが付されている。
【0015】
仮想POSサーバ12は、買物支援装置40と協働することで、周知のPOS端末が動作しているかのように見せかけるための支援を行うコンピュータである。例えば仮想POSサーバ12は、以下の3つの機能を有する。第1の機能は、買物支援装置40を介して入力された商品コードで識別される商品の販売データを、その買物支援装置40の識別情報別に登録する機能である。各買物支援装置40には、各々を互いに識別するために固有の識別情報が設定されている。第2の機能は、買物支援装置40の識別情報別に登録された各商品の販売データを基に登録画面を作成し、当該識別情報で特定される買物支援装置40の表示デバイスに表示させる機能である。第3の機能は、買物支援装置40から会計が指示されると、その買物支援装置40の識別情報別に登録された各商品の販売データを基に会計データを生成し、店舗サーバ11へと送信する機能である。
【0016】
通信サーバ13は、ネットワーク30を介して接続された管理サーバ20との間で行うデータ通信を支援するためのサーバである。
【0017】
会計機14は、買上商品を決済するための端末である。会計機14は、店舗サーバ11から会計データを取得し、その会計データを基に決済を行う。決済の方式は、特に限定されない。現金決済、クレジットカード決済、電子マネー決済、ポイント決済、コード決済(モバイル決済又はスマートフォン決済等とも称される)等、周知の決済方式を利用することができる。
【0018】
会計機14は、買上商品の登録機能を有していてもよい。例えば、会計機14に接続されたスキャナで買上商品のバーコードが読み取られると、会計機14は、店舗サーバ11にそのバーコードに含まれる商品コードで問合せを行う。この問合せにより、店舗サーバ11からは商品コードで識別される商品の商品名、価格等の商品データが応答されるので、会計機14は、その商品データを基に買上商品の販売データを登録する。そして会計機14は、この買上商品について決済を行う。あるいは会計機14は、店舗サーバ11から取得した会計データにこの買上商品の販売データを加えて決済を行う。
【0019】
このような会計機14としては、店員が決済のための情報を入力するようにした有人会計機と、消費者が決済のための情報を入力するようにしたセルフ会計機とがある。店舗システム10は、有人会計機とセルフ会計機の双方を備えていてもよいし、いずれか一方だけを備えていてもよい。有人会計機としては、従来周知のPOS端末を適用することができる。セルフ会計機としては、従来周知のセルフ式又はセミセルフ方式の会計機を適用することができる。
【0020】
アクセスポイント15は、店舗システム10の各サーバ(店舗サーバ11、仮想POSサーバ12、通信サーバ13等)が買物支援装置40と無線LANを介してデータ通信を行う際の中継拠点として店舗内に設置された通信設備である。無線LANは、例えばWi-Fi(登録商標)の規格に準拠したものである。なお、図1では、1つの店舗システム10にアクセスポイント15を1つだけ示しているが、アクセスポイント15の数は限定されない。店舗の規模等により複数のアクセスポイント15が有線LAN16に接続されていてもよい。
【0021】
管理サーバ20は、インターネット等の通信ネットワークを通じてサービスを提供するクラウドコンピューティングサーバである。管理サーバ20は、ネットワーク30を介して、各店舗システム10A,10Bの通信サーバ13と接続されている。ネットワーク30は、例えばVPN(Virtual Private Network)を用いたWAN(Wide Area Network)である。また管理サーバ20は、インターネット、モバイル通信網等のWANを介して買物支援装置40と接続することができる。かくして管理サーバ20は、接続状態にある買物支援装置40と各店舗システム10A,10Bとの間のデータ通信を中継する機能をも有している。
【0022】
買物支援装置40は、消費者が複数の店舗で買物支援システム1を利用する際に共通に使用する携帯型の通信端末である。買物支援装置40は、詳細については後述するが、少なくとも二次元コード体系のデータコード51,52を読み取るためのハードウェアを有している。例えばデジタルカメラを搭載した市販のスマートフォン、タブレット端末等が買物支援装置40として利用できる。本実施形態では、消費者が個人的に所有する通信端末を買物支援装置40として利用する。
【0023】
データコード51及びデータコード52は、店舗毎に用意されている。データコード51は、各店舗の入口に用意されている。データコード52は、各店舗の出口に用意されている。以下では、データコード51は入店用データコード51と表す。データコード52は退店用データコード52と表す。
【0024】
入店用データコード51及び退店用データコード52は、店舗又はその店舗を運営する企業体特有の設定情報を、所定の二次元コード体系でコード化したものである。設定情報の項目は、店舗に関わらず共通である。各項目の情報が店舗によって異なる。以下では、店舗AAAの入店用データコード51及び退店用データコード52は入店用データコード51A及び退店用データコード52Aと表す。店舗BBBの入店用データコード51及び退店用データコード52は入店用データコード51B及び退店用データコード52Bと表す。
【0025】
図2は、買物支援装置40の要部回路構成を示すブロック図である。図2に示すように買物支援装置40は、プロセッサ41、内蔵メモリ42、外部メモリ43、タッチパネル44、カメラ45、無線ユニット46、通信インターフェース(I/F)47及びシステム伝送路48を備えている。また買物支援装置40は、駆動源として充電式のバッテリ49を搭載している。
【0026】
システム伝送路48は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。買物支援装置40は、システム伝送路48に、プロセッサ41、内蔵メモリ42、外部メモリ43、タッチパネル44、カメラ45、無線ユニット46及び通信インターフェース47を接続する。買物支援装置40では、プロセッサ41、内蔵メモリ42及び外部メモリ43と、これらを接続するシステム伝送路48とによってコンピュータが構成される。
【0027】
プロセッサ41は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ41は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、買物支援装置40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0028】
内蔵メモリ42は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。内蔵メモリ42は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。内蔵メモリ42は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。内蔵メモリ42は、プロセッサ41が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。また内蔵メモリ42は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ41によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0029】
外部メモリ43は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばSDメモリカード、USBメモリ等が外部メモリ43となり得る。外部メモリ43は、プロセッサ41が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ41での処理によって作成されたデータ等を保存する。外部メモリ43は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0030】
タッチパネル44は、買物支援装置40の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル44は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ41に出力する。
【0031】
カメラ45は、買物支援装置40に内蔵された撮像デバイスである。カメラ45は、買物支援装置40にインストールされたアプリケーションプログラムにより、静止画又は動画の撮影装置として、あるいはバーコード、二次元コード等のデータコードのスキャニング装置として動作する。カメラ45は、コードリーダの一例である。
【0032】
無線ユニット46は、アクセスポイント15との間で無線LANの通信プロトコルに従いデータ通信を行うための回路である。
【0033】
通信インターフェース47は、インターネットまたはモバイル通信網を介して接続された管理サーバ20との間でデータ通信を行うための回路である。
【0034】
かかる構成の買物支援装置40は、買物支援プログラム60(図3を参照)を記憶している。買物支援プログラム60は、買物支援システム1が導入された店舗AAA又は店舗BBBでの買物の際に実行されるアプリケーションプログラムである。
【0035】
図3は、買物支援プログラム60のデータ構造を示す模式図である。図3に示すように買物支援プログラム60は、プログラムIDとプログラム本体とからなる。プログラムIDは、各買物支援装置40の買物支援プログラム60を個々に識別するためにプログラム毎に設定された一意の識別情報である。プログラムIDは、買物支援装置40の識別情報としても機能する。
【0036】
買物支援プログラム60は、内蔵メモリ42又は外部メモリ43にインストールされている。買物支援プログラム60を内蔵メモリ42又は外部メモリ43にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に買物支援プログラム60を記録して、あるいはネットワークを介した通信により買物支援プログラム60を配信して、買物支援プログラム60を内蔵メモリ42又は外部メモリ43にインストールすることができる。記録媒体は、SDメモリカード、USBメモリ等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0037】
また、買物支援装置40は、買物支援プログラム60に従ってプロセッサ41が情報処理を行う際に参照するデータテーブルとして、店舗設定テーブル70(図4を参照)を形成している。店舗設定テーブル70は、外部メモリ43に形成されている。店舗設定テーブル70は、内蔵メモリ42の揮発性領域に形成されていてもよい。
【0038】
図4は、店舗設定テーブル70のデータ構造を示す模式図である。図4に示すように店舗設定テーブル70は、一連番号の第1フィールド71と、設定項目の第2フィールド72と、設定データの第3フィールド73とからなる。そして、第1フィールド71には、No.1~No.34の一連番号が記述されている。第2フィールド72には、No.1~No.34の一連番号にそれぞれ対応付けて、34種類の設定項目が記述されている。第3フィールド73には、No.1~No.34の一連番号に対応付けられた設定項目のデータが選択的に記述される。設定項目のデータは、入店用データコード51及び退店用データコード52に含まれている。そして、消費者が買物支援装置40のカメラ45で店舗AAAの入店用データコード51Aを読み取ると、その買物支援装置40における店舗設定テーブル70の第3フィールド73に、店舗AAAに関する各設定項目のデータが記述される。消費者が買物支援装置40のカメラ45で店舗BBBの入店用データコード51Bを読み取ると、同店舗設定テーブル70の第3フィールド73に、店舗BBBに関する各設定項目のデータが記述される。
【0039】
一連番号No.1に対応した設定項目は、動作バージョンである。入店用データコード51及び退店用データコード52には、買物支援プログラム60の最新バージョンがコード化されている。
【0040】
一連番号No.2に対応した設定項目は、企業コードである。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAを運営する企業体を識別するための企業コードがコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBを運営する企業体を識別するための企業コードがコード化されている。
【0041】
一連番号No.3に対応した設定項目は、店舗コードである。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAを識別するための店舗コードがコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBを識別するための店舗コードがコード化されている。
【0042】
一連番号No.4に対応した設定項目は、企業名である。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAを運営する企業体の名称がコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBを運営する企業体の名称がコード化されている。
【0043】
一連番号No.5に対応した設定項目は、店舗名である。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAの名称がコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBの名称がコード化されている。
【0044】
このように、店舗設定テーブル70の一連番号No.2~No.5に対応した設定データの第3フィールド73には、消費者が買物支援装置40を用いて買い物を行う店舗を識別するための情報が設定されることとなる。すなわち、店舗固有の設定情報を表す入店用データコード51及び退店用データコード52には、消費者が買物支援装置40を用いて買い物を行う店舗を識別するための情報が含まれている。
【0045】
一連番号No.6に対応した設定項目は、入店フラグである。入店フラグは、入店用データコード51であるのか、退店用データコード52であるのかを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、入店用データコード51には、入店フラグとして“1”がコード化されている。退店用データコード52には、入店フラグとして“0”がコード化されている。
【0046】
一連番号No.7に対応した設定項目は、IPアドレスである。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAが備える通信サーバ13のIPアドレスがコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBが備える仮想POSサーバ12のIPアドレスがコード化されている。
【0047】
一連番号No.8に対応した設定項目は、クラウドドメイン名である。各店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、いずれも管理サーバ20のドメイン名がコード化されている。
【0048】
一連番号No.9に対応した設定項目は、電子レシートサーバアドレスである。電子レシートサーバとは、レシートを電子化した電子レシートを消費者の端末に提供するサービスに特化したサーバである。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAが利用する電子レシートサーバのネットワークアドレスがコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBが利用する電子レシートサーバのネットワークアドレスがコード化されている。
【0049】
一連番号No.10に対応した設定項目は、店内LANフラグである。店内LANフラグは、買物支援装置40と店舗システム10との間の通信媒体として店舗内の無線LANを使用するか否かを識別するための1ビットデータである。以下では、店舗内の無線LANを店内LANと称する。本実施形態では、買物支援装置40と店舗システム10との間の通信媒体として店内LANを使用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、店内LANフラグとして“1”がコード化されている。店内LANを使用しない店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、店内LANフラグとして“0”がコード化されている。
【0050】
一連番号No.11に対応した設定項目は、店内LAN・SSIDである。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAに設けられたアクセスポイント15の識別名であるSSID(Service Set Identifier)がコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBに設けられたアクセスポイント15のSSIDがコード化されている。
【0051】
一連番号No.12に対応した設定項目は、店内LAN・パスワードである。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAの店内LANに設定されたパスワードがコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBの店内LANに設定されたパスワードがコード化されている。
【0052】
一連番号No.13に対応した設定項目は、店内LAN・セキュリティ方式である。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAの店内LANに設定されたセキュリティ方式(WPA2-PSK、WPA-PSK、WEP等)の暗号鍵を示すデータがコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBの店内LANに設定されたセキュリティ方式の暗号鍵を示すデータがコード化されている。
【0053】
一連番号No.14に対応した設定項目は、クラウド必須フラグである。クラウド必須フラグは、買物支援装置40が管理サーバ20との接続に失敗したときにエラーとするか、エラーとすることなく利用を継続するかを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、エラーとする店舗に設けられた入店用データコード51及び退店用データコード52には、クラウド必須フラグとして“1”がコード化されている。利用を継続する店舗に設けられた入店用データコード51及び退店用データコード52には、クラウド必須フラグとして“0”がコード化されている。
【0054】
一連番号No.15に対応した設定項目は、ステータス送信モードである。ステータス送信モードには、買物支援装置40のステータスを管理サーバ20に送信する第1モードと、店舗システム10に送信する第2モードと、送信しない第3モードとがある。第1モードを採用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、ステータス送信モードとして“1”がコード化されている。第2モードを採用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、ステータス送信モードとして“2”がコード化されている。第3モードを採用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、ステータス送信モードとして“3”がコード化されている。
【0055】
一連番号No.16に対応した設定項目は、ログ送信モードである。ログ送信モードには、買物支援装置40のログデータを蓄積したログファイルを管理サーバ20にのみ送信する第1モードと、店舗システム10にのみ送信する第2モードと、管理サーバ20と店舗システム10の双方に送信する第3モードと、送信しない第4モードとがある。第1モードを採用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、ログ送信モードとして“1”がコード化されている。第2モードを採用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、ログ送信モードとして“2”がコード化されている。第3モードを採用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、ログ送信モードとして“3”がコード化されている。第4モードを採用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、ログ送信モードとして“4”がコード化されている。
【0056】
一連番号No.17に対応した設定項目は、FTP・ホスト名である。ログ送信モードが第1モード又は第3モードである場合、ログファイルは、インターネットを経由して管理サーバ20へと送信される。入店用データコード51及び退店用データコード52には、ログファイルを管理サーバ20へと送信する際に使用するプロトコルのホスト名またはIPアドレスがコード化されている。
【0057】
一連番号No.18に対応した設定項目は、FTP・ユーザ名である。入店用データコード51及び退店用データコード52には、ログファイルを管理サーバ20へと送信する際に使用するプロトコルのユーザ名がコード化されている。
【0058】
一連番号No.19に対応した設定項目は、FTP・パスワードである。入店用データコード51及び退店用データコード52には、ログファイルを管理サーバ20へと送信する際に使用するプロトコルのパスワードがコード化されている。
【0059】
一連番号No.20に対応した設定項目は、FTP・ログフォルダパスである。入店用データコード51及び退店用データコード52には、インターネットを経由して管理サーバ20へと送信するログファイルのパス名がコード化されている。
【0060】
このように、店舗設定テーブル70の一連番号No.7~No.20に対応した設定データの第3フィールド73には、買物支援装置40が通信を行うために必要なパラメータが設定されることとなる。すなわち、店舗固有の設定情報を表す入店用データコード51及び退店用データコード52は、買物支援装置40が通信を行うために必要なパラメータが含まれている。
【0061】
一連番号No.21に対応した設定項目は、UPCチェックデジット削除フラグである。UPCチェックデジット削除フラグは、商品コードの一種であるUPC(Universal Product Cord)コードのチェックデジットを削除するか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、チェックデジットを削除する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、UPCチェックデジット削除フラグとして“1”がコード化されている。チェックデジットを削除しない店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、UPCチェックデジット削除フラグとして“0”がコード化されている。
【0062】
一連番号No.22に対応した設定項目は、カメラ自動遷移時間である。買物支援装置40が有するカメラ45の自動遷移時間は店舗毎に設定される。すなわち入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAにおいて設定されたカメラ自動遷移時間がコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBにおいて設定されたカメラ自動遷移時間がコード化されている。
【0063】
一連番号No.23に対応した設定項目は、モバイル通信タイムアウト時間である。買物支援装置40が無線LANを介して店舗システム10と通信を行う際のタイムアウト時間は、店舗毎に設定される。すなわち入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAにおいて設定されたモバイル通信タイムアウト時間がコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBにおいて設定されたモバイル通信タイムアウト時間がコード化されている。
【0064】
一連番号No.24に対応した設定項目は、モバイル通信リトライ回数である。買物支援装置40が無線LANを介して店舗システム10と通信を行った際にタイムアウトした場合のリトライ回数は、店舗毎に設定される。すなわち入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAにおいて設定されたモバイル通信リトライ回数がコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBにおいて設定されたモバイル通信リトライ回数がコード化されている。
【0065】
一連番号No.25に対応した設定項目のフィールドは、クラウド通信タイムアウト時間である。買物支援装置40が管理サーバ20を介して店舗システム10と通信を行う際のタイムアウト時間は、店舗毎に設定される。すなわち入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAにおいて設定されたクラウド通信タイムアウト時間がコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBにおいて設定されたクラウド通信タイムアウト時間がコード化されている。
【0066】
一連番号No.26に対応した設定項目は、クラウド通信リトライ回数である。買物支援装置40が管理サーバ20を介して店舗システム10と通信を行った際にタイムアウトした場合のリトライ回数は、店舗毎に設定される。すなわち入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAにおいて設定されたクラウド通信リトライ回数がコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBにおいて設定されたクラウド通信リトライ回数がコード化されている。
【0067】
一連番号No.27に対応した設定項目は、店員確認警告解除バーコード値である。例えば消費者が、アルコール飲料、タバコ等の20禁商品を購入した場合、店員による確認が必要となる。消費者の年齢を確認した店員は、その店舗専用の店員確認警告解除バーコードを買物支援装置40に読み取らせる。入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAの店員が使用する店員確認警告解除バーコードの値がコード化されている。入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBの店員が使用する店員確認警告解除バーコードの値がコード化されている。
【0068】
一連番号No.28に対応した設定項目は、動作モードである。動作モードには、買物支援システムを通常に運用する通常モードと、デモとして運用するデモモードとがある。通常モードで使用される入店用データコード51及び退店用データコード52には、動作モードとして“1”がコード化されている。デモモードで使用される入店用データコード51及び退店用データコード52には、動作モードとして“0”がコード化されている。
【0069】
一連番号No.29に対応した設定項目は、会計機転送モードである。店舗システム10においては、消費者が買物支援装置40を使用して商品コードを読み取った買上商品の販売データが仮想POSサーバ12に登録される。そして、消費者が買物支援装置40から買上商品の会計を指示すると、仮想POSサーバ12に登録されていた買上商品の販売データを基に生成される会計データが、店舗サーバ11を介して会計機14へと転送される。このとき、会計データを会計機14へと転送する方式として、会計データに紐づけられた会計バーコードを使用する方式と使用しない方式とがある。会計バーコードを使用する方式の店舗における入店用データコード51及び退店用データコード52には、会計機転送モードとして“1”がコード化されている。会計バーコードを使用しない方式の店舗における入店用データコード51及び退店用データコード52には、会計機転送モードとして“0”がコード化されている。
【0070】
一連番号No.30に対応した設定項目は、コード支払い運用フラグである。買上商品の代金決済方式の1つとしてコード決済方式がある。コード決済方式とは、買物支援装置40を利用し、バーコード又は二次元コードを用いて商品の代金を電子的に支払う方式である。コード支払い運用フラグは、コード決済方式を運用するか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、コード決済方式を運用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、コード支払い運用フラグとして“1”がコード化されている。コード決済方式を運用しない店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、コード支払い運用フラグとして“0”がコード化されている。
【0071】
一連番号No.31に対応した設定項目は、20禁商品強制フラグである。アルコール飲料、タバコなどのように年齢制限のある商品、いわゆる20禁商品の買物支援装置40での登録を許可するか否かは店舗によって定められる。20禁商品強制フラグは、20禁商品の買物支援装置40での登録を許可するか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、20禁商品の買物支援装置40での登録を許可する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、20禁商品強制フラグとして“1”がコード化されている。20禁商品の買物支援装置40での登録を許可しない店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、20禁商品強制フラグとして“0”がコード化されている。
【0072】
一連番号No.32に対応した設定項目は、ポイントカード入力モードである。ポイントカードのカード番号入力モードには、カード番号を手入力する第1モードと、カードに印刷されたデータコードをカメラ45で読み込む第2モードとがある。第1モードを採用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、ポイントカード入力モードとして“1”がコード化されている。第2モードを採用する店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、ポイントカード入力モードとして“2”がコード化されている。
【0073】
一連番号No.33に対応した設定項目は、店員設定呼出フラグである。ポイントカードのカード識別情報を手入力する際に店員の確認を必要とする運用と必要としない運用とがある。店員設定呼出フラグは、店員の確認を必要とするか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、店員の確認を必要とする店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、店員設定呼出フラグとして“1”がコード化されている。店員の確認を必要としない店舗の入店用データコード51及び退店用データコード52には、店員設定呼出フラグとして“0”がコード化されている。
【0074】
一連番号No.34に対応した設定項目は、バッテリチェック閾値である。買物支援装置40が買物の途中でバッテリ切れとならないように、バッテリ容量の閾値が店舗又は企業体毎に設定されている。すなわち店舗AAAの入店用データコード51A及び退店用データコード52Aには、店舗AAAが設定したバッテリチェック閾値がコード化されている。店舗BBBの入店用データコード51B及び退店用データコード52Bには、店舗BBBが設定したバッテリチェック閾値がコード化されている。
【0075】
このように、店舗設定テーブル70の一連番号No.22~No.34の各フィールドには、買物支援装置40を店舗で使用する場合のその店舗での動作制限情報が設定されることとなる。すなわち、店舗固有の設定情報を表す入店用データコード51及び退店用データコード52には、買物支援装置40を店舗で使用する場合のその店舗での動作制限情報が含まれている。
【0076】
図5は、管理サーバ20の要部回路構成を示すブロック図である。管理サーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24、通信インターフェース25及びシステム伝送路26を備える。システム伝送路26は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。管理サーバ20は、システム伝送路26に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信インターフェース25を接続する。管理サーバ20では、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路26とによってコンピュータが構成される。
【0077】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、管理サーバ20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0078】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データは、不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0079】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス23となり得る。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0080】
メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されるアプリケーションプログラムには、管理サーバ20で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法も、買物支援プログラム60の場合と同様に、特に限定されるものではない。
【0081】
時計24は、日付及び時刻を計時する。管理サーバ20は、時計24によって計時される日付及び時刻を、現時点の日付及び時刻として取得する。
【0082】
通信インターフェース25は、ネットワーク30を介して接続される各店舗システム10の通信サーバ13との間で、所定の通信プロトコルに従いデータの送受信を行うための回路である。
【0083】
かかる構成の管理サーバ20は、補助記憶デバイス23において履歴ファイル231を記憶している。なお、履歴ファイル231の記憶先は補助記憶デバイス23に限定されない。メインメモリ22の揮発性メモリ領域において補助記憶デバイス23を記憶してもよい。
【0084】
図6は、履歴ファイル231の主要なデータ構造を示す模式図である。図6に示すように、履歴ファイル231は、関連するプログラムID、企業コード、店舗コード、入店日時及び退店日時を1つのレコードとして、複数のレコードを保存し得るように領域が確保されている。履歴ファイル231の用途については、後述する動作説明の中で明らかにする。
【0085】
図7乃至図9は、買物支援装置40のプロセッサ41が、買物支援プログラム60に基づいて実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。また、図10及び図11は、管理サーバ20のプロセッサ21が、買物支援装置40から主要なコマンドを受信したことに応じて実行するコマンド受信処理の要部手順を示す流れ図である。また、図12乃至図23は、買物支援装置40のタッチパネル44に表示される各種画面の一例を示す模式図である。以下、これらの図を用いて買物支援装置40を含む買物支援システム1の主要な動作について説明する。そしてこの動作説明により、本実施形態における買物支援方法が明らかになるであろう。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、その動作手順及び内容は特に限定されるものではない。
【0086】
はじめに消費者は、自身が所有するスマートフォン等の通信端末に買物支援プログラム60をインストールする。そうすることにより、通信端末は、買物支援装置40として利用可能となる。そして消費者は、買物支援システム1が導入された店舗、例えば店舗AAAに出向くと、買物を開始する前に、買物支援装置40にインストールされている買物支援プログラム60を起動する。そうすると、プロセッサ41は、図7乃至図9に流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0087】
先ず、プロセッサ41は、ACT1としてチェックイン画面SC1(図12を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0088】
図12は、チェックイン画面SC1の一例である。図12に示すようにチェックイン画面SC1には、入店用の二次元コードをスキャンすることを指示するメッセージとともに、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT1の画像が表示されている。チェックイン画面SC1を確認した消費者は、「はい」ボタンBT1にタッチする。
【0089】
プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により、チェックイン画面SC1の「はい」ボタンBT1がタッチされたことを検知すると、ACT2としてカメラ45を起動する。そしてプロセッサ41は、ACT3としてカメラ画面SC2(図13を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0090】
図13は、カメラ画面SC2の一例である。図13に示すようにカメラ画面SC2には、二次元コードの読取り領域を示す画像AR1が表示されている。カメラ画面SC2を確認した消費者は、店舗AAAの入口に用意された入店用データコード51Aが画像AR1内に収まるように、買物支援装置40に内蔵されたカメラ45のレンズを入店用データコード51Aに翳す。
【0091】
カメラ画面SC2を表示させたプロセッサ41は、ACT4としてカメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。図14に示すように、二次元コード体系のデータコードが画像AR1内に収まると、プロセッサ41は、データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ41は、ACT4においてYESと判定し、ACT5へと進む。
【0092】
プロセッサ41は、ACT5としてカメラ45で撮像されたデータコードの画像から、そのデータコードによってコード化されているデータを解析する。そしてプロセッサ41は、ACT6として読み取ったデータコードが入店フラグを“1”とする入店用データコード51であるか否かを判別する。
【0093】
カメラ45で読み取ったデータコードが入店用データコード51以外である場合には、プロセッサ41は、ACT6においてNOと判定し、ACT4へと戻る。プロセッサ41は再度、カメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。
【0094】
カメラ45で読み取ったデータコードが、入店用データコード51であった場合、プロセッサ41は、ACT6においてYESと判定し、ACT7へと進む。プロセッサ41は、ACT7として店舗設定テーブル70の第3フィールド73のデータがクリアされているか否かを確認する。第3フィールド73のデータがクリアされておらず、設定情報が記述されている場合、プロセッサ41は、ACT7においてNOと判定し、ACT8へと進む。プロセッサ41は、ACT8として買物支援装置40の使用不可エラーを報知する。例えばプロセッサ41は、タッチパネル44に使用不可エラー画面SC4(図15を参照)を表示させて、消費者に買物支援装置40の使用不可エラーを報知する。
【0095】
図15は、使用不可エラー画面SC4の一例である。図15に示すように使用不可エラー画面SC4には、買物支援装置40の使用不可を通知するためのメッセージとともに、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT2の画像が表示されている。プロセッサ41は、「はい」ボタンBT2にタッチされたことを検知すると、この情報処理を終了する。
【0096】
後で説明するが、店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述された設定情報は、買物支援装置40のユーザである消費者が店舗で会計を終え、退店用データコード52をカメラ45で読み取った時点でクリアされる。したがって、カメラ45で入店用データコード51を読み取った時点において、第3フィールド73に設定情報が記述されている状態は、消費者が前回訪れた店舗で会計を終えていない、あるいは退店用データコード52を読み取ることを忘れたことを意味する。このため、買物支援システム1においては、買物支援装置40の使用を不可とする。
【0097】
因みに、使用不可エラー画面SC4を確認した消費者は、「はい」ボタンBT2にタッチして、例えばサービスカウンタに行く。サービスカウンタには、買物支援装置40の店舗設定テーブル70を初期化するための専用装置が備えられている。消費者は、サービスカウンタの店員に初期化を申し出る。店員は、消費者から事情を聴き、問題が無ければ初期化を行う。かくして消費者は、通信端末を買物支援装置40として再び使用することが可能となる。
【0098】
図7の説明に戻る。
店舗設定テーブル70の第3フィールド73がクリアされている場合には、プロセッサ41は、ACT7においてYESと判定し、ACT9へと進む。プロセッサ41は、ACT9として入店用データコード51を解析して得たデータ、すなわち、一連番号No.1~No.34にそれぞれ対応した設定項目の設定データを、店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述する。
【0099】
各設定項目の設定データを店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述し終えたならば、プロセッサ41は、ACT10として一連番号No.34の設定項目「バッテリチェック閾値」に対する第3フィールド73のデータ、すなわちバッテリチェック閾値を取得する。そしてプロセッサ41は、ACT11として買物支援装置40に搭載されているバッテリ49の残容量がバッテリチェック閾値以上であるか否かを確認する。
【0100】
プロセッサ41は、バッテリ49の残容量がバッテリチェック閾値に満たない場合、ACT11においてNOと判定し、ACT12へと進む。プロセッサ41は、ACT12としてバッテリエラーを報知する。例えばプロセッサ41は、タッチパネル44に「バッテリの容量が不足しています。お買い物の途中で充電が切れる可能性があるため、充電してください」というような内容のメッセージを表示させることで、バッテリ49の残容量が不足していることを報知する。報知後、プロセッサ41は、ACT13として店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述されている設定情報をクリアする。以上で、プロセッサ41は、この情報処理を終了する。
【0101】
プロセッサ41は、バッテリ49の残容量がバッテリチェック閾値以上あることを確認した場合には、ACT11においてYESと判定し、ACT14へと進む。プロセッサ41は、ACT14として店舗設定テーブル70の一連番号No.11乃至No.13に関連付けられた設定項目「店内LAN・SSID」、「店内LAN・パスワード」、「店内LAN・セキュリティ方式」の各種データにしたがって無線ユニット46を制御し、店内LANとの接続を試みる。またプロセッサ41は、ACT15として無線接続画面SC5(図16を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0102】
図16は、無線接続画面SC5の一例である。図16に示すように無線接続画面SC5には、買物支援装置40が店内LANとの接続を図っていること、接続が完了すると買物が可能となることを示すメッセージが表示されている。そこで買物客は、買物支援装置40が店内LANに接続されるのを待つ。
【0103】
図7のACT15において無線接続画面SC5の表示を制御したプロセッサ41は、図8のACT21へと進む。プロセッサ41は、ACT21として、買物支援装置40が店内LANと接続さるのを待ち受ける。ここで、一連番号No.23に関連付けられた設定項目「モバイル通信タイムアウト時間」の設定データに相当する時間が経過しても店内LANと接続されない場合、プロセッサ41は、一連番号No.24に関連付けられた設定項目「モバイル通信リトライ回数」の設定データに相当する回数だけリトライを繰り返す。そして、モバイル通信リトライ回数分のリトライを繰り返しても店内LANと接続できない場合、プロセッサ41は、ACT21においてNOと判定し、ACT22へと進む。プロセッサ41は、ACT22として通信エラーを報知する。例えばプロセッサ41は、タッチパネル44に「通信エラーです。しばらく時間を空けてからお試しください」というような内容のメッセージを表示させることで、買物支援装置40が店内LANに接続できないことを報知する。報知後、プロセッサ41は、ACT23として店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述されている設定情報をクリアする。以上で、プロセッサ41は、この情報処理を終了する。
【0104】
プロセッサ41は、買物支援装置40が店内LANと接続されたことを確認すると、ACT21においてYESと判定し、ACT24へと進む。プロセッサ41は、ACT24として管理サーバ20に宛てて入店通知コマンドを送信するように無線ユニット46を制御する。この制御により、無線ユニット46から入店通知コマンドが送信される。入店通知コマンドは、店内LANを経由してアクセスポイント15で受信され、さらに通信サーバ13からネットワーク30へと送信されて、管理サーバ20の通信インターフェース25で受信される。入店通知コマンドには、買物支援プログラム60のプログラムIDと、店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述された設定情報のうち企業コードと店舗コードとが含まれる。
【0105】
管理サーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介して入店通知コマンドを受信すると、図10の流れ図で示す手順の入店通知受信処理を開始する。プロセッサ21は、ACT61として入店通知コマンドからプログラムID、企業コード、店舗コードを取得する。以下では、このプログラムID、企業コード及び店舗コードを取得プログラムID、取得企業コード、取得店舗コードと称する。
【0106】
プロセッサ21は、ACT62として取得プログラムIDで履歴ファイル231を検索する。そしてプロセッサ21は、ACT63として取得プログラムIDを含むレコードに未会計のレコードが存在するか否かを確認する。具体的には、プロセッサ21は、先ず、取得プログラムIDを含むレコードが履歴ファイル231に保存されているか否かを確認する。取得プログラムIDを含むレコードが履歴ファイル231に保存されていない場合、プロセッサ21は、未会計のレコードはないと判定する。
【0107】
取得プログラムIDを含むレコードが履歴ファイル231に保存されている場合、プロセッサ21は、そのレコードに退店日時が記述されているか否かを確認する。退店日時が記述されている場合、プロセッサ21は、未会計のレコードはないと判定する。これに対し、退店日時が記述されていない場合には、プロセッサ21は、未会計のレコードがあると判定する。
【0108】
未会計のレコードがある場合、プロセッサ21は、ACT63においてYESと判定し、ACT64へと進む。プロセッサ21は、ACT64として入店通知コマンド送信元の買物支援装置40に対して否定応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25から否定応答コマンドが送信される。否定応答コマンドは、ネットワーク30を経由して通信サーバ13で受信され、さらにアクセスポイント15から無線送信されて、入店通知コマンド送信元の買物支援装置40の無線ユニット46で受信される。否定応答コマンドの送信を制御したプロセッサ41は、入店通知受信処理を終了する。
【0109】
一方、未会計のレコードがない場合には、プロセッサ21は、ACT63においてNOと判定し、ACT65へと進む。プロセッサ21は、ACT65として入店通知コマンド送信元の買物支援装置40に対して肯定応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25から肯定応答コマンドが送信される。肯定応答コマンドは、ネットワーク30を経由して通信サーバ13で受信され、さらにアクセスポイント15から無線送信されて、入店通知コマンド送信元の買物支援装置40の無線ユニット46で受信される。
【0110】
肯定応答コマンドの送信を制御したプロセッサ41は、ACT66として時計24で計時されている日時を入店日時として検出する。そしてプロセッサ41は、ACT67として取得プログラムID、取得企業コード、取得店舗コード及び入店日時を関連付けたレコードを履歴ファイル231に追加する。以上で、プロセッサ41は、入店通知受信処理を終了する。
【0111】
図8の説明に戻る。
入店通知コマンドの送信を制御した買物支援装置40のプロセッサ41は、ACT25として管理サーバ20からの応答コマンドを待ち受ける。ここで、否定応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、ACT25においてNOと判定し、ACT26へと進む。プロセッサ41は、ACT26として履歴エラーを報知する。例えばプロセッサ41は、タッチパネル44に履歴エラー画面SC6(図17を参照)を表示して、消費者に過去の履歴にエラーが生じていることを報知する。
【0112】
図17は、履歴エラー画面SC6の一例である。図17に示すように履歴エラー画面SC6には、過去の履歴にエラーが生じていることを通知するためのメッセージとともに、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT3の画像が表示されている。プロセッサ41は、「はい」ボタンBT3にタッチされたことを検知すると、この情報処理を終了する。
【0113】
後で説明するが、履歴ファイル231に保存されているレコードには、そのレコードのプログラムIDで特定される買物支援プログラム60をインストールした買物支援装置40のユーザである消費者が店舗で会計を終え、退店用データコード52をカメラ45で読み取った時点で退店日時が記述される。したがって、レコードに退店日時が喜寿連れておらず未会計のレコードがあるということは、消費者が前回訪れた店舗で会計を終えていない、あるいは退店用データコード52を読み取ることを忘れたことを意味する。このため、買物支援システム1においては、履歴エラーを報知して買物支援装置40の使用を不可とする。
【0114】
プロセッサ41は、管理サーバ20からの応答コマンドとして肯定応答コマンドを受信した場合には、ACT25においてYESと判定し、ACT27へと進む。プロセッサ41は、ACT27としてチェックイン完了画面SC7(図18を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0115】
図18は、チェックイン完了画面SC7の一例である。図18に示すようにチェックイン完了画面SC7には、買物の準備が整ったことを示すメッセージととともに、「はい」ボタンBT4の画像が表示されている。チェックイン完了画面SC7を確認した消費者は、「はい」ボタンBT4にタッチする。
【0116】
なお、買物支援装置40が店内LANと接続されると、店舗システム10の店舗サーバ11は、その買物支援装置40からプログラムIDを取得する。また店舗サーバ11は、その買物支援装置40が有する店舗設定テーブル70の一連番号No.2に関連付けられた設定項目「企業コード」のデータと、一連番号No.3に関連付けられた設定項目「店舗コード」のデータとを取得する。そして店舗サーバ11は、予め設定されている企業コード及び店舗コードと、買物支援装置40から取得した「企業コード」及び「店舗コード」のデータとが一致するか否かを確認する。一致する場合、店舗サーバ11は、仮想POSサーバ12に対し、その買物支援装置40のプログラムIDを通知する。仮想POSサーバ12は、店舗サーバ11から通知されたプログラムIDを設定した商品登録テーブルを作成する。また店舗サーバ11は、買物支援装置40に対してチェックイン完了コマンドを無線送信する。このチェックイン完了コマンドを受けて買物支援装置40のプロセッサ41は、チェックイン完了画面SC7が表示されるようにタッチパネル44を制御することとなる。
【0117】
チェックイン完了画面SC7の表示を制御したプロセッサ41は、ACT28として買物開始が指示されるのを待ち受ける。タッチパネル44からの信号によりチェックイン完了画面SC7の「はい」ボタンBT4がタッチされたことを検知すると、プロセッサ41は、買物開始が指示されたとみなす。プロセッサ41は、ACT28においてYESと判定し、ACT29へと進む。プロセッサ41は、ACT29として登録画面SC8(図19を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0118】
図19は、登録画面SC8の一例である。図19に示すように登録画面SC8には、買上商品の商品名及び価格と買上金額とを表示するための領域が形成される。また、会計を指示するための会計ボタンBT5の画像が表示される。消費者は、買上商品を買物かご又はショッピングカート等の収容体に収容する際に、その買上商品に付されているバーコードにカメラ45のレンズを翳す。そうすると、カメラ45によってそのバーコードがスキャニングされる。バーコードは、買上商品の商品コードを含む。
【0119】
登録画面SC8を表示させたプロセッサ41は、ACT30としてカメラ45によってデータコードが読み取られたか否かを確認する。データコードが読み取られていない場合、プロセッサ41は、ACT30においてNOと判定し、ACT31へと進む。プロセッサ41は、ACT31として会計ボタンBT5がタッチされたか否かを確認する。会計ボタンBT5がタッチされていない場合、プロセッサ41は、ACT31においてNOと判定し、ACT30へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT30及びACT31においてデータコードが読み取られるか会計ボタンBT5が入力されるのを待ち受ける。
【0120】
ACT30及びACT31の待ち受け状態において、カメラ45によってデータコードが読み取られた場合、プロセッサ41は、ACT30においてYESと判定し、ACT32へと進む。プロセッサ41は、ACT32としてそのデータコードを解析する。そしてプロセッサ41は、ACT33としてデータコードが商品コードであるか否かを確認する。データコードが商品コードである場合、プロセッサ41は、ACT33においてYESと判定し、ACT34へと進む。プロセッサ41は、ACT34として登録画面SC8を更新する。
【0121】
具体的にはプロセッサ41は、無線通信を利用して店舗システム10に商品コードを送信する。このとき、店舗設定テーブル70の一連番号No.10に関連付けられた設定項目「店内LANフラグ」の設定データが“1”であった場合、プロセッサ41は、店内のLANを経由して商品コードのデータが店舗システム10へと送信されるように無線ユニット46を制御する。この場合、商品コードのデータは、アクセスポイント15で受信され、仮想POSサーバ12に取り込まれる。
【0122】
一方、設定項目「店内LANフラグ」の設定データが“0”であった場合には、プロセッサ41は、管理サーバ20を経由して商品コードのデータが店舗システム10へと送信されるように通信インターフェース47を制御する。この場合、商品コードのデータは、通信サーバ13で受信され、仮想POSサーバ12に取り込まれる。
【0123】
商品コードのデータを取り込んだ仮想POSサーバ12は、その商品コードで特定される商品の商品名,価格等の商品データを店舗サーバ11の商品データベースから取得する。あるいは店舗サーバ11の商品データベースを仮想POSサーバ12にコピーしたローカルの商品データベースから商品データを取得する。仮想POSサーバ12は、取得した商品データを基に買上商品の販売データを生成し、当該買物支援装置40のプログラムIDが設定された商品登録テーブルに登録する。また、仮想POSサーバ12は、商品登録テーブルに登録されたデータを基に登録画面SC8のデータを作成し、当該買物支援装置40へと送信する。この場合も、登録画面SC8のデータは、設定項目「店内LANフラグ」の設定データが“1”であった場合には、アクセスポイント15を経由して送信される。設定項目「店内LANフラグ」の設定データが“0”であった場合には、登録画面SC8のデータは、管理サーバ20を介して情報端末へと送信される。かくして買物支援装置40のプロセッサ41は、登録画面SC8が更新されるようにタッチパネル44を制御する。
【0124】
登録画面SC8を更新したプロセッサ41は、ACT30及びACT31の待ち受け状態に戻る。
【0125】
ところで、買上商品が20禁商品であった場合、プロセッサ41は、一連番号No.31に関連付けられた設定項目のデータ、すなわち20禁商品強制フラグに従った処理を行う。具体的には、20禁商品強制フラグが“0”であった場合、プロセッサ41は、20禁商品の登録禁止を指示するメッセージのポップアップ画像を登録画面に重ねて表示させる。20禁商品強制フラグが“1”であった場合には、プロセッサ41は、ポップアップ画像を表示させない。なお、ポップアップ画像を表示させるか否かについては、仮想POSサーバ12が制御してもよい。
【0126】
消費者は、買物を終了すると、登録画面SC8の会計ボタンBT5にタッチする。 プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により会計ボタンBT5がタッチされたことを検知すると、ACT31においてYESと判定し、図9のACT41へと進む。プロセッサ41は、ACT41として一連番号No.29に関連付けられた設定項目「会計機転送モード」のデータに従った処理を行う。すなわち、会計データに紐づけられた会計バーコードを使用する方式の場合には、プロセッサ41は、ACT41においてYESと判定し、ACT42へと進む。プロセッサ41は、ACT42として会計バーコード画面SC9(図20を参照)を表示するようにタッチパネル44を制御する。
【0127】
図20は、会計バーコード画面SC9の一例である。図20に示すように会計バーコード画面SC9には、会計バーコードBC1とともにこの会計バーコードBC1を会計機でスキャンすることを促すメッセージが表示される。また会計バーコード画面SC9には、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT6の画像と、買物に戻ることを指示するための「戻る」ボタンBT7とが表示されている。
【0128】
因みに、会計バーコードBC1は、仮想POSサーバ12によって作成される。すなわち仮想POSサーバ12は、会計が指示された買物支援装置40のプログラムIDが設定された商品登録テーブルと関連付けて、一意の会計コードを生成する。さらに仮想POSサーバ12は、この会計コードを含む会計バーコードBC1を生成して、会計が指示された買物支援装置40へと送信する。かくして、買物支援装置40のタッチパネル44には、会計バーコード画面SC9が表示されることとなる。
【0129】
会計バーコード画面SC9を確認した消費者は、「はい」ボタンBT6にタッチする。そして会計機14が設置されている場所まで行き、空いている会計機14のスキャナで会計バーコードBC1を読み取らせる。会計機14で会計バーコードが読み取られると、その会計バーコードBC1に含まれる会計コードと関連付けられた商品登録テーブルのデータが仮想POSサーバ12から店舗サーバ11を介して会計機14へと送られる。かくして会計機14においては、現金、クレジットカード、電子マネー等の種々の決済方法で買上商品が決済される。そして買上商品の決済が終了すると、仮想POSサーバ12から買物支援装置40に宛てて、会計終了コマンドが送信される。
【0130】
会計バーコード画面SC9を表示させたプロセッサ41は、ACT43として会計終了コマンドを待ち受ける。なお、この待ち受け状態において、「戻る」ボタンBT7がタッチされたことを確認した場合には、プロセッサ41は、タッチパネル44の画面を直前の登録画面SC8に戻してACT30及びACT31の待ち受け状態に戻る。
【0131】
プロセッサ41は、無線ユニット46又は通信インターフェース47を介して会計終了コマンドを受信すると、ACT43においてYESと判定し、ACT44へと進む。プロセッサ41は、ACT44としてチェックアウト画面SC10(図21を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。
【0132】
図21は、チェックアウト画面SC10の一例である。図21に示すようにチェックアウト画面SC10には、退店用の二次元コードをスキャンすることを指令するメッセージととともに、「はい」ボタンBT8の画像が表示されている。チェックアウト画面SC10を確認した消費者は、「はい」ボタンBT8にタッチする。
【0133】
プロセッサ41は、タッチパネル44からの信号により、チェックアウト画面SC10の「はい」ボタンBT8がタッチされたことを検知すると、ACT45としてカメラ画面SC2(図13を参照)が表示されるようにタッチパネル44を制御する。カメラ画面SC2を確認した消費者は、店舗AAAの出口に用意された退店用データコード52が画像AR1内に収まるように、買物支援装置40に内蔵されたカメラ45のレンズを退店用データコード52に翳す。
【0134】
カメラ画面SC2を表示させたプロセッサ41は、ACT46としてカメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。図14に示すように、二次元コード体系のデータコードが画像AR1内に収まると、プロセッサ41は、データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ41は、ACT46においてYESと判定し、ACT47へと進む。
【0135】
プロセッサ41は、ACT47としてカメラ45で撮像されたデータコードの画像から、そのデータコードによってコード化されているデータを解析する。そしてプロセッサ41は、ACT48として読み取ったデータコードが入店フラグを“0”とする退店用データコード52であるか否かを判別する。
【0136】
カメラ45で読み取ったデータコードが退店用データコード52以外である場合、プロセッサ41は、ACT48においてNOと判定し、ACT46へと戻る。プロセッサ41は再度、カメラ45によって二次元コード体系のデータコードが読み取られるのを待ち受ける。
【0137】
カメラ45で読み取ったデータコードが、入店フラグが“0”の退店用データコード52であった場合、プロセッサ41は、ACT48においてYESと判定し、ACT49へと進む。プロセッサ41は、ACT49として店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記憶されている設定データの企業コード及び店舗コードと、退店用のデータコード50を解析して得た設定データの企業コード及び店舗コードとを照合する。
【0138】
ここで、双方の企業コード及び店舗コードが一致しない場合、プロセッサ41は、ACT50においてNOと判定し、ACT51へと進む。プロセッサ41は、退店エラーを報知する。例えばプロセッサ41は、タッチパネル44に退店エラー画面SC11(図22を参照)を表示して、消費者に退店エラーであることを報知する。
【0139】
図22は、退店エラー画面SC11の一例である。図22に示すように退店エラー画面SC11には、買物支援装置40で読み取ったコードに誤りがあることを通知するためのメッセージとともに、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT9の画像が表示されている。プロセッサ41は、「はい」ボタンBT9にタッチされたことを検知すると、この情報処理を終了する。
【0140】
双方の企業コード及び店舗コードが一致しないということは、消費者が、入店時に読み込んだ入店用データコード51の店舗とは別の店舗の退店用データコード52を読み取ったことを意味する。つまり、消費者が前回訪れた店舗で退店用データコード52を読み取らず、今回訪れた店舗で入店用データコード51の代わりに退店用データコード52を読み取ったことを意味する。このため、買物支援システム1においては、退店エラーを報知して買物支援装置40の使用を不可とする。
【0141】
図9の説明に戻る。
プロセッサ41は、双方の企業コード及び店舗コードが一致する場合には、ACT50においてYESと判定し、ACT52へと進む。プロセッサ41は、ACT52として管理サーバ20に宛てて退店通知コマンドを送信するように無線ユニット46を制御する。この制御により、無線ユニット46から退店通知コマンドが送信される。退店通知コマンドは、店内LANを経由してアクセスポイント15で受信され、さらに通信サーバ13からネットワーク30へと送信されて、管理サーバ20の通信インターフェース25で受信される。退店通知コマンドには、買物支援プログラム60のプログラムIDと、店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述された企業コード及び店舗コードとが含まれている。
【0142】
管理サーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介して退店通知コマンドを受信すると、図11の流れ図で示す手順の退店通知受信処理を開始する。プロセッサ21は、ACT71として退店通知コマンドからプログラムID、企業コード、店舗コードを取得する。以下では、このプログラムID、企業コード及び店舗コードを取得プログラムID、取得企業コード、取得店舗コードと称する。
【0143】
プロセッサ21は、ACT72として取得プログラムID、取得企業コード及び取得店舗コードで履歴ファイル231を検索する。そしてプロセッサ21は、ACT73として取得プログラムID、取得企業コード及び取得店舗コードが一致するレコードで未会計のレコードが存在するか否かを確認する。具体的には、プロセッサ21は、先ず、取得プログラムID、取得企業コード及び取得店舗コードが一致するレコードの有無を確認する。該当するレコードがない場合、プロセッサ21は、未会計のレコードはないと判定する。
【0144】
該当するレコードが存在する場合、プロセッサ21は、そのレコードの退店日時フィールドに退店日時が記述されているか否かを確認する。退店日時が記述されている場合、プロセッサ21は、未会計のレコードはないと判定する。これに対し、退店日時が記述されていない場合には、プロセッサ21は、未会計のレコードがあると判定する。
【0145】
未会計のレコードがない場合、プロセッサ21は、ACT73においてNOと判定し、退店通知受信処理を終了する。
【0146】
未会計のレコードがある場合には、プロセッサ21は、ACT73においてYESと判定し、ACT74へと進む。プロセッサ21は、ACT74として時計24で計時されている日時を退店日時として検出する。そしてプロセッサ41は、ACT75として取得プログラムID、取得企業コード及び取得店舗コードが一致するレコードの退店日時フィールドに、退店日時を記述する。以上で、プロセッサ41は、退店通知受信処理を終了する。
【0147】
図9の説明に戻る。
退店通知コマンドの送信を制御したプロセッサ41は、ACT53として店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述されている設定情報をクリアする。以上で、プロセッサ41は、買物支援プログラム60に従った情報処理を終了する。
【0148】
図8の説明に戻る。
ところで、ACT30及びACT31の待ち受け状態において、消費者が会計ボタンBT5を操作することなく退店用データコード52を読み取る可能性がある。そこでプロセッサ41は、カメラ45で読み取ったデータコードが商品コードでないとき、ACT33においてNOと判定し、ACT35へと進む。プロセッサ41は、ACT35として退店用データコード52が読み取られたか否かを確認する。そして退店用データコード52が読み取られたと確認した場合、プロセッサ41は、ACT35においてYESと判定し、ACT36へと進む。プロセッサ41は、ACT36として未会計の警告を行う。例えばプロセッサ41は、タッチパネル44に未会計警告画面SC12(図23を参照)を表示して、会計が済んでいないことを警告する。またプロセッサ41は、ACT37として店舗サーバ11宛に警告信号を発信するように無線ユニット46を制御する。この制御により無線ユニット46から警告信号が無線送信される。警告信号は、無線LAN経由で送信されてアクセスポイント15で受信され、店舗サーバ11へと送られる。警告信号を受信した店舗サーバ11は、例えば店員がオペレータであるクライアント端末に対して警告信号を出力し、クライアント端末から未会計エラーの警告を発するようにする。
【0149】
図23は、未会計警告画面SC12の一例である。図23に示すように未会計警告画面SC12には、会計が済んでいないことを警告するためのメッセージとともに、消費者がメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンBT10の画像が表示されている。
【0150】
このように、会計ボタンBT5を操作することなく退店用データコード52を読み取った消費者に対しては、未会計警告画面SC12が表示されるとともに、店員に対して未会計エラーの警告が発せられる。したがって、未会計警告画面SC12を確認した消費者は、「はい」ボタンBT10にタッチして登録画面SC8に戻し、会計ボタンBT5をタッチすることとなる。
【0151】
警告信号の送信を制御したプロセッサ41は、未会計警告画面SC12の「はい」ボタンBT10がタッチされたことを検知すると、ACT30及びACT31の待ち受け状態に戻る。
【0152】
以上の動作説明から明らかなように、買物支援装置40のプロセッサ41は、例えば図7のACT1乃至ACT5の処理を実行することにより、入店時取得手段として機能する。すなわちプロセッサ41は、カメラ45で入店用データコード51を読み取るという一店舗への入店操作を受け付けて、その入店用データコード51から店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を取得する。
【0153】
またプロセッサ41は、店舗設定テーブル70と協働して、例えば図7のACT9の処理を実行することにより、記憶手段として機能する。すなわちプロセッサ41は、入店時取得手段で取得した入店店舗識別情報及び設定情報を、店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述することで記憶する。
【0154】
またプロセッサ41は、例えば図7のACT10乃至ACT15及び図8のACT21乃至ACT34、図9のACT41乃至ACT44の処理を実行することにより、制御手段として機能する。すなわちプロセッサ41は、店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述された設定情報を基に買物支援プログラム60を動作させて、商品の販売登録から会計に至るまでの買物支援動作を制御する。
【0155】
またプロセッサ41は、例えば図9のACT43乃至ACT47の処理を実行することにより、退店時取得手段として機能する。すなわちプロセッサ41は、カメラ45で退店用データコード52を読み取るという一店舗からの退店操作を受け付けて、その退店用データコード52から店舗を識別する退店店舗識別情報を取得する。
【0156】
さらにプロセッサ41は、例えば図9のACT49乃至ACT53の処理を実行することにより、クリア手段として機能する。すなわちプロセッサ41は、退店時取得手段で取得した退店店舗識別情報で識別される店舗が、入店時取得手段で取得した入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、記憶手段により記憶した入店店舗識別情報及び設定情報をクリアする。
【0157】
このような手段を備えた買物支援装置40であれば、入店時にカメラ45で入店用データコード51をスキャニングするだけで、その店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を当該買物支援装置40の店舗設定テーブル70に設定することができる。また、退店時には、カメラ45で退店用データコード52をスキャニングするだけで、店舗設定テーブル70に設定された設定情報をクリアすることができる。したがって、個人所有のスマートフォン等の通信端末に対して煩雑な設定作業を要することなく、その通信端末を複数の店舗で導入された買物支援システム1の買物支援装置40として利用することができる。
【0158】
またプロセッサ41は、例えば図9のACT50及びACT51の処理を実行することにより、退店時報知手段として機能する。すなわちプロセッサ41は、退店時取得手段で取得した退店店舗識別情報で識別される店舗が、入店時取得手段で取得した入店店舗識別情報で識別される店舗と一致しない場合に、退店エラーを報知する。
【0159】
このような手段を備えた買物支援装置40であれば、消費者が、入店時に読み込んだ入店用データコード51の店舗とは別の店舗の退店用データコード52を読み取った場合に退店エラーが報知される。したがって多くの消費者は、退店エラーが報知されないように、1つの店舗に入店する際にはその店舗の入店用データコード51をカメラ45でスキャニングし、その店舗を退店する際にはその店舗の退店用データコード52をスキャニングするという正しい操作を自覚して行うようになる。その結果、買物支援システム1が構成された店舗での万引き等の不正を抑制することができる。
【0160】
またプロセッサ41は、例えば図7のACT7及びACT8の処理を実行することにより、入店時報知手段として機能する。すなわちプロセッサ41は、店舗設定テーブル70で入店店舗識別情報及び設定情報を記憶している状態で、入店時取得手段により入店店舗識別情報及び設定情報を取得すると使用不可エラーを報知する。
【0161】
このような手段を備えた買物支援装置40であれば、消費者が、以前に訪問した店舗を退店する際に退店用データコード52を読み取らなかった場合、今回訪問した店舗で入店用データコード51を読み取った段階で使用不可エラーが報知される。したがって多くの消費者は、使用不可エラーが報知されないように、店舗から退店する際には、会計後に退店用データコード52をスキャニングするという正しい操作を自覚して行うようになる。その結果、複数の店舗で買物支援システム1が効率よく運用されるようになる。
【0162】
ところで、店舗固有の設定情報は、買物支援装置40が管理サーバ20と通信を行うためのパラメータを含んでいる。そしてプロセッサ41は、例えば図7のACT14及び図8のACT21乃至ACT24の処理を実行することにより、入店通知手段として機能する。すなわちプロセッサ41は、上記のパラメータに基づいて管理サーバ20との通信が可能になると、その通信により管理サーバ20に対して入店通知コマンドを送信する。入店通知コマンドには、買物支援プログラム60のプログラムIDと、店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述された設定情報のうち企業コードと店舗コードとが含まれている。したがって、管理サーバ20においては、入店した消費者が使用している買物支援装置40の買物支援プログラム60を識別することができる。
【0163】
またプロセッサ41は、例えば図9のACT50乃至ACT52の処理を実行することにより、退店通知手段として機能する。すなわちプロセッサ41は、退店時取得手段で取得した退店店舗識別情報で識別される店舗が、入店時取得手段で取得した入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、管理サーバ20に対して退店通知コマンドを送信する。退店通知コマンドにも、買物支援プログラム60のプログラムIDと、店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述された企業コード及び店舗コードとが含まれている。したがって、管理サーバ20においては、退店した消費者が使用している買物支援装置40の買物支援プログラム60をも識別することができる。
【0164】
そこで管理サーバ20のプロセッサ21は、例えば図10のACT66及びACT67の処理を実行することにより、入店時記憶手段として機能する。すなわちプロセッサ21は、入店通知コマンドを受けて、その通知元の買物支援装置の買物支援プログラム60を識別するプログラムIDと関連付けて入店日時を記憶する。
【0165】
またプロセッサ21は、例えば図11のACT71乃至ACT75の処理を実行することにより、退店時記憶手段として機能する。すなわちプロセッサ21は、退店通知コマンドを受けて、その通知元の買物支援装置の買物支援プログラム60を識別するプログラムIDと関連付けて入店日時を記憶していることを条件に、退店日時を記憶する。
【0166】
さらにプロセッサ21は、例えば図10のACT62乃至ACT64の処理を実行することにより、エラー処理手段として機能する。すなわちプロセッサ21は、入店日時を記憶しているが退店日時を記憶していない買物支援装置40から入店通知コマンドを受けた場合には、当該買物支援装置40に対して否定応答コマンドを送信して、当該買物支援装置40での買物支援プログラム60の動作をエラーとする。
【0167】
このような手段を有した管理サーバ20を備えた買物支援システム1であれば、たとえ買物支援装置40の店舗設定テーブル70が不正に初期化されたとしても、当該買物支援装置40での買物支援プログラム60の動作をエラーとすることができる。したがって、消費者による買物支援装置40の不正使用を未然に防止することができる。
【0168】
以上、買物支援装置40及び買物支援システム1の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0169】
前記実施形態では、退店用データコード52でコード化される設定情報の項目を、入店用データコード51でコード化される設定情報の項目と等しい場合を例示した。退店用データコード52でコード化される設定情報の項目は、少なくとも退店用データコード52であることが識別される項目、すなわち入店フラグと、店舗識別情報、すなわち企業コードと店舗コードとを含んでいればよい。また、1つの企業に属する複数の店舗で買物支援システム1を構成する場合には、さらに企業コードを省略することも可能である。
【0170】
前記実施形態では、買物支援装置40にインストールされた買物支援プログラム60のプログラムIDを、その買物支援装置40の識別情報として利用する場合を例示した。買物支援装置40の識別情報は、必ずしも買物支援プログラム60のプログラムIDに限定されるものではない。買物支援装置40として利用される通信端末に対して予め設定されている識別情報を、買物支援装置40の識別情報としてもよい。すなわち、IPアドレス、端末ID、電話番号等を買物支援装置40の識別情報としてもよい。
【0171】
前記実施形態では、店舗設定テーブル70の第3フィールド73に記述される各設定項目の情報を買物支援装置40に取り込む方法として入店用データコード51及び退店用データコード52を利用した。当該情報を買物支援装置40に取り込む方法は、これに限定されるものではない。例えば買物支援装置40が非接触ICカードの技術を搭載している場合には、各店舗に近距離無線通信用のアンテナを配して、非接触無線通信により買物支援装置40が各設定項目の情報を取り込んでもよい。
【0172】
前記実施形態では、店舗設定テーブル70の設定項目を34種類とした。設定項目の種類はこれに限定されるものではない。他の設定項目が追加されてもよい。あるいは任意の設定項目が省略されてもよい。
【0173】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0174】
1…買物支援システム、10(10A,10B)…店舗システム、11…店舗サーバ、12…仮想POSサーバ、13…通信サーバ、14…会計機、15…アクセスポイント、20…管理サーバ、21…プロセッサ、22…メインメモリ、23…補助記憶デバイス、24…時計、25…通信インターフェース、26…システム伝送路、30…ネットワーク、40…買物支援装置、41…プロセッサ、42…内蔵メモリ、43…外部メモリ、44…タッチパネル、45…カメラ、46…無線ユニット、47…通信インターフェース、48…システム伝送路、49…バッテリ、60…買物支援プログラム、70…店舗設定テーブル、231…履歴ファイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12
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図14
図15
図16
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図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2023-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗での買物の際に動作し、商品の販売登録から会計に至るまでの買物支援動作を制御する買物支援プログラムを記憶した買物支援装置であって、
一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及び少なくとも当該買物支援装置がサーバと通信を行うためのパラメータを含む当該店舗固有の設定情報を取得する入店時取得手段と、
前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報及び設定情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶した前記設定情報に含まれる前記パラメータに基づいて前記サーバと通信を行い、当該サーバに前記入店時取得手段により取得した前記入店店舗識別情報を送信する入店時送信手段と、
一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得する退店時取得手段と、
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報が前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報と一致する場合に、前記記憶手段により記憶した前記設定情報に含まれる前記パラメータに基づいて前記サーバと通信を行い、当該サーバに前記退店店舗識別情報を送信する退店時送信手段と、
を具備する買物支援装置。
【請求項2】
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報が前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報と一致しない場合に、エラーを報知する退店時報知手段、
をさらに具備する請求項1記載の買物支援装置。
【請求項3】
前記入店時送信手段は、前記買物支援装置の識別情報とともに、前記入店店舗識別情報を前記サーバに送信し、
前記退店時送信手段は、前記買物支援装置の識別情報とともに、前記退店店舗識別情報を前記サーバに送信する、
請求項1又は2記載の買物支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の買物支援装置と通信するサーバであって、
前記買物支援装置から前記入店店舗識別情報を受信すると、その入店店舗識別情報とともに受信した前記買物支援装置の識別情報と関連付けて入店日時を記憶する入店時記憶手段と、
前記買物支援装置から前記退店店舗識別情報を受信すると、その退店店舗識別情報とともに受信した前記買物支援装置の識別情報と関連付けて前記入店日時を記憶していることを条件に退店日時を記憶する退店時記憶手段と、
前記入店日時を記憶しているが前記退店日時を記憶していない買物支援装置から前記入店店舗識別情報を受信した場合には、当該買物支援装置の前記買物支援プログラムによる買物支援動作をエラーとするエラー処理手段と、
を具備するサーバ。
【請求項5】
買物支援装置に記憶され、複数の店舗での買物の際に動作し、商品の販売登録から会計に至るまでの買物支援動作を制御する買物支援プログラムであって、
前記買物支援装置のコンピュータを、
一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及び少なくとも当該買物支援装置がサーバと通信を行うためのパラメータを含む当該店舗固有の設定情報を取得する入店時取得手段、
前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報及び設定情報を記憶する記憶手段、
前記記憶手段により記憶した前記設定情報に含まれる前記パラメータに基づいて前記サーバと通信を行い、当該サーバに前記入店時取得手段により取得した前記入店店舗識別情報を送信する入店時送信手段、
一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得する退店時取得手段、及び、
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報が前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報と一致する場合に、前記記憶手段により記憶した前記設定情報に含まれる前記パラメータに基づいて前記サーバと通信を行い、当該サーバに前記退店店舗識別情報を送信する退店時送信手段、
として機能させるための買物支援プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報が前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報と一致しない場合に、エラーを報知する退店時報知手段、
としてさらに機能させるための請求項5記載の買物支援プログラム。
【請求項7】
前記入店時送信手段は、前記買物支援装置の識別情報とともに、前記入店店舗識別情報を前記サーバに送信し、
前記退店時送信手段は、前記買物支援装置の識別情報とともに、前記退店店舗識別情報を前記サーバに送信する、
請求項5又は6記載の買物支援プログラム。
【請求項8】
請求項3に記載の買物支援装置と通信するサーバを、
前記買物支援装置から前記入店店舗識別情報を受信すると、その入店店舗識別情報とともに受信した前記買物支援装置の識別情報と関連付けて入店日時を記憶する入店時記憶手段、
前記買物支援装置から前記退店店舗識別情報を受信すると、その退店店舗識別情報とともに受信した前記買物支援装置の識別情報と関連付けて前記入店日時を記憶していることを条件に退店日時を記憶する退店時記憶手段、及び、
前記入店日時を記憶しているが前記退店日時を記憶していない買物支援装置から前記入店店舗識別情報を受信した場合には、当該買物支援装置の前記買物支援プログラムによる買物支援動作をエラーとするエラー処理手段、
として機能させるための制御プログラム。
【請求項9】
複数の店舗での買物の際に動作し、商品の販売登録から会計に至るまでの買物支援動作を制御する買物支援プログラムを記憶した買物支援装置の買物支援方法であって、
前記買物支援装置が、
一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及び少なくとも当該買物支援装置がサーバと通信を行うためのパラメータを含む当該店舗固有の設定情報を取得し、取得した前記入店店舗識別情報及び設定情報を記憶すること、
前記記憶した前記設定情報に含まれる前記パラメータに基づいて前記サーバと通信を行い、当該サーバに前記入店店舗識別情報を送信すること、及び、
一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得し、取得した前記退店店舗識別情報が前記入店店舗識別情報と一致する場合に、前記記憶した前記設定情報に含まれる前記パラメータに基づいて前記サーバと通信を行い、当該サーバに前記退店店舗識別情報を送信すること、
を実行する買物支援方法。
【請求項10】
前記買物支援装置が、
前記退店店舗識別情報が前記入店店舗識別情報と一致しない場合に、エラーを報知すること、
をさらに実行する請求項9記載の買物支援方法。
【請求項11】
前記入店店舗識別情報を前記サーバに送信する際は、前記買物支援装置の識別情報とともに送信し、
前記退店店舗識別情報を前記サーバに送信する際は、前記買物支援装置の識別情報とともに送信する、請求項9又は10記載の買物支援方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0173
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0173】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶した買物支援装置であって、一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を取得する入店時取得手段と、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報及び設定情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶した前記設定情報を基に前記買物支援プログラムによる買物支援動作を制御する制御手段と、一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得する退店時取得手段と、前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記記憶手段により記憶した前記入店店舗識別情報及び設定情報をクリアするクリア手段と、を具備する買物支援装置。
[2]前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致しない場合に、エラーを報知する退店時報知手段、をさらに具備する付記[1]記載の買物支援装置。 [3]前記店舗固有の設定情報は、当該買物支援装置がサーバと通信を行うためのパラメータを含み、前記パラメータに基づいて前記サーバとの通信が可能になると、その通信により前記サーバに対して入店通知を行う入店通知手段と、前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記通信により前記サーバに対して退店通知を行う退店通知手段と、をさらに具備する付記[1]又は[2]記載の買物支援装置。
[4]付記[3]に記載の買物支援装置と通信するサーバであって、前記入店通知を受けて、その通知元の買物支援装置と関連付けて入店日時を記憶する入店時記憶手段と、前記退店通知を受けて、その通知元の買物支援装置と関連付けて入店日時を記憶していることを条件に退店日時を記憶する退店時記憶手段と、前記入店日時を記憶しているが退店日時を記憶していない買物支援装置から前記入店通知を受けた場合には、当該買物支援装置の前記買物支援プログラムによる買物支援動作をエラーとするエラー処理手段と、を具備するサーバ。
[5]買物支援装置に記憶され、複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムであって、前記買物支援装置のコンピュータを、一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を取得する入店時取得手段、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報及び設定情報を記憶部に記憶させる記憶手段、前記記憶部に記憶した前記設定情報を基に買物支援動作を制御する制御手段、一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得する退店時取得手段、及び、前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記記憶部に記憶した前記入店店舗識別情報及び設定情報をクリアするクリア手段、として機能させるための買物支援プログラム。
[6]前記コンピュータを、前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致しない場合に、エラーを報知する退店時報知手段、としてさらに機能させるための付記[5]記載の買物支援プログラム。
[7]前記店舗固有の設定情報は、当該買物支援装置がサーバと通信を行うためのパラメータを含み、前記コンピュータを、前記パラメータに基づいて前記サーバとの通信が可能になると、その通信により前記サーバに対して入店通知を行う入店通知手段、及び、前記退店時取得手段で取得した前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店時取得手段で取得した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記通信により前記サーバに対して退店通知を行う退店通知手段、としてさらに機能させるための付記[5]又は[6]記載の買物支援プログラム。
[8]付記[3]に記載の買物支援装置と通信するサーバを、前記入店通知を受けて、その通知元の買物支援装置と関連付けて入店日時を記憶する入店時記憶手段、前記退店通知を受けて、その通知元の買物支援装置と関連付けて入店日時を記憶していることを条件に退店日時を記憶する退店時記憶手段、及び、前記入店日時を記憶しているが退店日時を記憶していない買物支援装置から前記入店通知を受けた場合には、当該買物支援装置の前記買物支援プログラムによる買物支援動作をエラーとするエラー処理手段、として機能させるための制御プログラム。
[9]複数の店舗での買物の際に動作する買物支援プログラムを記憶した買物支援装置の買物支援方法であって、前記買物支援装置が、一店舗への入店操作を受け付けて、その店舗を識別する入店店舗識別情報及びその店舗固有の設定情報を取得し、その入店店舗識別情報及び設定情報を記憶すること、前記記憶した前記設定情報を基に前記買物支援プログラムによる買物支援動作を制御すること、一店舗からの退店操作を受け付けて、その店舗を識別する退店店舗識別情報を取得し、その退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記記憶した前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記記憶した前記入店店舗識別情報及び設定情報をクリアすること、を実行する買物支援方法。
[10]前記買物支援装置が、前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致しない場合に、エラーを報知すること、をさらに実行する付記[9]記載の買物支援方法。
[11]前記店舗固有の設定情報は、当該買物支援装置がサーバと通信を行うためのパラメータを含み、前記買物支援装置が、前記パラメータに基づいて前記サーバとの通信が可能になると、その通信により前記サーバに対して入店通知を行うこと、前記退店店舗識別情報で識別される店舗が、前記入店店舗識別情報で識別される店舗と一致する場合に、前記通信により前記サーバに対して退店通知を行うこと、をさらに実行する付記[9]又は[10]記載の買物支援方法。