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特開2023-118888エレベータを発送するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118888
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】エレベータを発送するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
B66B1/18 N
B66B1/18 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110670
(22)【出願日】2023-07-05
(62)【分割の表示】P 2021155324の分割
【原出願日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】63/084,452
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521314231
【氏名又は名称】アパナ インダストリーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】APPANA INDUSTRIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】アマルナウト アパナ ジュニア
(57)【要約】
【課題】エレベータかごを割り当てるときに位置間の移動所要時間を判断できるシステムを提供する。
【解決手段】エレベータかごを発送するための方法は、複数の第1エレベータかごのそれぞれが現在位置から第1位置に移動するための第1所要時間を判断することと、少なくとも1つの第1エレベータかごの第1所要時間が閾値所要時間よりも短い場合に、当該少なくとも1つの第1エレベータかごを第1位置に発送することとを含む。前記方法は、複数の第1エレベータかごのそれぞれの第1所要時間が閾値所要時間を超えるときに、乗員が第1位置から第2位置に移動し、かつ、複数の第2エレベータかごのそれぞれが現在位置から第2位置に移動するための、第2所要時間を判断することを含む。前記方法は、少なくとも1つの第2エレベータかごの第2所要時間が閾値所要時間よりも短いときに、当該少なくとも1つの第2エレベータかごを第2位置に発送することを含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、概して、エレベータの交通量を制御するためのシステムおよび方法に関し、特に、エレベータかごのグループに対する移動所要時間に基づいてエレベータかごを発送するエレベータ制御システムの例に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータシステムは、一般に、呼び出し要求に応えるために必要な移動時間に基づく発送方法を採用する場合がある。そのようなシステムでは、呼び出し要求が受信されたときに各エレベータかごの推定移動時間が判断されることがある。呼び出し位置の近くに位置し、呼び出し位置への移動時間が最も短いエレベータかごが、呼び出し要求の位置に発送されることになる。場合によっては、別の位置にあるエレベータかごの移動時間が最も短く、そのエレベータかごが呼び出し要求に発送されることがある。呼び出し要求を発した乗車希望者は、乗車するために他の位置に移動するように指示されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,851,733号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2017/0121147号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、(呼び出し要求の発信元に対して)離れた位置にあるエレベータかごを割り当てると、その位置に到着したエレベータかごに乗車希望者が乗り損ねる可能性がある。これは、乗車希望者がエレベータかごの位置に移動するのに必要な所要時間に起因する。その結果、乗車希望者は別のエレベータかごに対して別の呼び出し要求を発する必要があり、その結果、交通量が減少し、待ち時間が長くなることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータかごを割り当てるときに位置間の移動所要時間を判断できるシステムを提供することにより、乗車希望者が間に合わない可能性のあるエレベータかごを発送する事例を最小限に抑えることができ、それによって交通流を増やし、乗車希望者の待ち時間を減らすことができる。
【0006】
一例によれば、エレベータかごを発送するための方法は、複数の第1エレベータかごのそれぞれが現在位置から第1位置に移動するための第1所要時間を判断することと、少なくとも1つの前記第1エレベータかごの前記第1所要時間が閾値所要時間よりも短い場合に、前記少なくとも1つの第1エレベータかごを前記第1位置に発送することと、前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記第1所要時間が前記閾値所要時間を超えるときに、(i)乗員が前記第1位置から第2位置に移動し、かつ、(ii)複数の第2エレベータかごのそれぞれが前記現在位置から前記第2位置に移動するための、第2所要時間を判断することと、少なくとも1つの前記第2エレベータかごの前記第2所要時間が前記閾値所要時間よりも短いときに、前記少なくとも1つの第2エレベータかごを前記第2位置に発送することと、を含む。
【0007】
別の例によれば、エレベータかごを発送するためのシステムは、複数のエレベータかごに動作可能に接続され、前記複数のエレベータかごの現在位置を判断するように構成される、少なくとも1つの運行コントローラであって、前記複数のエレベータかごが第1サブセットと第2サブセットとを含む、運行コントローラと、前記複数のエレベータかごのうち少なくとも1つの前記運行コントローラに動作可能に接続され、前記複数のエレベータかごの前記現在位置を示すデータを受信するように構成される、発送コントローラと、を備え、前記発送コントローラは、エレベータかごの前記各第1サブセットが前記現在位置から第1位置に移動するための第1所要時間を判断するように構成され、エレベータかごの前記第1サブセットのうち少なくとも1つの前記第1所要時間が閾値所要時間を超えないことに対応して、前記第1サブセットの少なくとも1つのエレベータかごを前記第1位置に発送するように構成され、エレベータかごの前記第1サブセットの少なくとも1つの前記第1所要時間が閾値所要時間を超えることに対応して、(i)乗員が前記第1位置から第2位置に移動し、かつ、(ii)エレベータかごの前記第2サブセットのそれぞれが前記現在位置から前記第2位置に移動するための、第2所要時間を判断するように構成され、エレベータかごの前記第2サブセットのうち少なくとも1つの前記第2所要時間が前記閾値所要時間を超えないことに応答して、前記第2サブセットの少なくとも1つのエレベータかごを前記第2位置に発送するように構成される。
【0008】
さらなる例によれば、複数のエレベータかごの交通量を制御するためのシステムは、プロセッサと、前記プロセッサによって実行された時に、前記プロセッサに複数の動作を実行させる命令を格納するメモリと、を備え、前記複数の動作は、複数の第1エレベータかごのそれぞれが現在位置から第1位置に移動するための第1所要時間を判断することと、少なくとも1つの前記第1エレベータかごの前記第1所要時間が閾値所要時間より短い場合に、前記少なくとも1つの第1エレベータかごを前記第1位置に発送することと、前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記第1所要時間が前記閾値所要時間を超えるときに、(i)乗員が前記第1位置から第2位置に移動し、かつ、(ii)複数の第2エレベータかごのそれぞれが前記現在位置から前記第2位置に移動するための、第2所要時間を判断することと、少なくとも1つの前記第2エレベータかごの前記第2所要時間が前記閾値所要時間よりも短いときに、前記少なくとも1つの第2エレベータかごを前記第2位置に発送することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ネットワークを介して通信する1または複数の装置を含む発送システムを示す図。
図2図1に示す発送システムと相互作用する、異なる位置にある複数のエレベータかごを含む作業環境の概略図。
図3図2に示す作業環境からのエレベータかご内部の上面図。
図4図1に示す発送システムからのコンピュータ装置のハードウェア構成要素の概略図。
図5図1に示す発送システムを備えたエレベータかごを発送する例示的な方法のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を示し、明細書とともに、本開示の原理を説明するのに有用である。
本開示の態様は、添付の図面に示されている実施形態に関連して実施されてもよい。これらの図面は、本開示の異なる態様を示し、適切な場合、異なる図の同様の構造、構成要素、材料、および/または要素を示す参照符号には、同様の番号が付されている。具体的に示されているもの以外の構造、構成要素、および/または要素の様々な組み合わせが企図され、本開示の範囲内にあることが理解される。本明細書に記載される多くの態様および実施形態が存在する。当業者は、特定の態様または実施形態の特徴が、本開示に記載されている他の態様または実施形態のいずれかまたはすべての特徴と併せて使用されてもよいことを容易に認識するであろう。
【0011】
本開示の発送システムは、様々な実施形態の形態であってもよく、そのいくつかは、図によって示され、以下でさらに説明される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はともに、例示的かつ説明的なものであり、特許請求するものとして特徴を制限するものではない。本明細書で使用される場合、「備える」、「含む」、またはそれらの他の変形は、要素のリストを含む処理、方法、物品、または装置がそれらのみを含むというような排他的なものではなく、そのような処理、方法、物品、または装置に明示的に記載されていない、または固有ではない他の要素を含む場合があることを意図する。加えて、「例示的」という用語は、本明細書では、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。本明細書で開示または請求されるすべての数値(すべての開示された値、限定、および範囲を含む)は、開示された数値から(異なる変動が指定されない限り)+/-10%の変動を有する可能性があることに留意されたい。さらに、特許請求の範囲において、値、限定、および/または範囲は、値、限定、および/または範囲の+/-10%を意味する。
【0012】
図1は例示的な発送システム100を示し、発送システム100は、運行コントローラ105、呼び出し装置110、入力装置120、計数装置125、および発送コントローラ130を備えてもよい。発送システム100の1または複数の装置は、ネットワーク115を介して、任意の構成で、互いに通信されてもよい。例えば、発送システム100の装置は、有線接続または無線接続などを介して互いに通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク115は、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、パーソナルエリアネットワーク(「PAN」)などであってもよい。ネットワーク115はさらにインターネットを含んでもよく、発送システム100の装置間で提供される情報および/またはデータは、オンラインで(例えば、他の装置またはインターネットに接続されたネットワークから離れた位置から)発生してもよい。他の実施形態では、ネットワーク115はブルートゥース(登録商標)の技術および/または電波周波数を利用してもよい。
【0013】
運行コントローラ105は、輸送ユニットに動作可能に接続されてもよく、また、輸送ユニットの運行データを検出して、例えば発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置に送信するように構成されてもよい。例えば、運行コントローラ105は、輸送ユニットの1または複数のパラメータ(例えば、運行データ)を測定および記録してもよく、パラメータには、現在位置、移動方向、移動速度、ドアの位置、状況などが含まれるが、これらに限定されない。運行コントローラ105は、コンピュータ装置を含んでもよく、コンピュータ装置は、運行データを生成、記憶、および送信するための1または複数のハードウェア構成要素(例えば、プロセッサ、メモリ、センサ、通信モジュールなど)を有する。本明細書でさらに詳細に説明するように、運行コントローラ105は建物内に配置されるエレベータかごに動作可能に接続されていてもよく、発送システム100は各エレベータかごに対して少なくとも1つの運行コントローラ105を含んでもよい。
【0014】
引き続き図1を参照すると、呼び出し装置110は、輸送ユニットの外側に配置されてもよく、また、輸送ユニットにアクセスするための1または複数の乗車希望者からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。例えば、ユーザ入力は、輸送ユニットからの輸送を要求する呼び出しを示してもよい。呼び出し装置110は、例えば、発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置に呼び出し要求を送信するように構成されてもよい。呼び出し装置110は、キーパッド、タッチスクリーンディスプレイ、マイク、ボタン、スイッチなどを含んでもよい。呼び出し装置110は、さらに、呼び出し要求の現在位置(例えば、第1位置)および/または行き先位置を示す複数位置からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。
【0015】
本明細書でさらに詳細に説明するように、呼び出し装置110は建物内に配置してもよく、発送システム100は建物の各フロアに対して少なくとも1つの呼び出し装置110を有してもよい。呼び出し装置110は、呼び出し要求に応答するために建物のフロアに到着するように割り当てられたエレベータかごを識別するメッセージを発送システム100の1または複数の装置(例えば、発送コントローラ130)から送信するように構成されてもよい。メッセージは、例えば、文字、音声、図形などを含む、様々な適切な態様を介して、呼び出し装置110によって通信されてもよい。
【0016】
入力装置120は、輸送ユニットの内部に配置されてもよく、また、輸送ユニットの1または複数の乗員からのユーザ入力を受け取るように構成されてもよい。例えば、ユーザ入力は、輸送ユニットのリダイレクトを要求するコマンドを示してもよい。入力装置120は、例えば、発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置にコマンドを送信するように構成されてもよい。入力装置120は、キーパッド、タッチスクリーンディスプレイ、マイク、ボタン、スイッチなどを含んでもよい。本明細書で詳細に説明するように、入力装置120はエレベータかご内に配置されてもよく、発送システム100は建物内のエレベータかご毎に少なくとも1つの入力装置120を含んでもよい。他の実施形態では、入力装置120は、発送システム100から完全に省略されてもよい。
【0017】
引き続き図1を参照すると、計数装置125は、輸送ユニットの内部に配置されてもよく、また、輸送ユニットの占有データを検出して、例えば、発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置と関連に送信するように構成されてもよい。例えば、計数装置125は、輸送ユニット内に位置するものの数を測定および記録してもよく、その測定及び記録の対象は乗員、個人の持ち物、かばん、手荷物などを含むが、これらに限定されない。計数装置125は、例えば、センサ、カメラ、光線、赤外線検出器などの輸送ユニット内に向けられる光学システムを含み得る。本明細書でさらに詳細に説明されるように、計数装置125は建物内に配置されるエレベータかごに接続されてもよく、発送システム100は建物のエレベータかご毎に少なくとも1つの計数装置125を含んでもよい。
【0018】
発送コントローラ130は、輸送ユニットの外側に配置されてもよく、また、発送システム100の1または複数の装置からデータ(例えば、運行データ、呼び出し要求、リダイレクトコマンド、占有データなど)を受信するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、乗車を希望している乗車希望者から受信した呼び出し要求に応答して、複数の輸送ユニットのうちの少なくとも1つの輸送ユニットを発送することを判断をするように構成してもよい。発送コントローラ130は、乗車希望者を乗せるために、最も少ない所要時間で少なくとも1つの輸送ユニットを発送するための1または複数の処理(図5参照)を実行するように動作可能なコンピュータ装置(図4参照)を含んでもよい。本明細書でさらに詳細に説明するように、発送コントローラ130は建物内に配置される複数のエレベータかごに動作可能に接続されてもよく、発送システム100は各建物に対して少なくとも1つの発送コントローラ130を含んでもよい。
【0019】
ここで図2を参照すると、発送システム100は、建物(例えば、施設、工場、店舗、学校、家、オフィス、および他の様々な構造物)などの作業環境200で利用されてもよい。この例では、輸送ユニットは、建物内に1または複数のエレベータかごを含んでもよい。作業環境200は単なる例示であり、発送システム100は、本開示の範囲から逸脱しない限り、本明細書に示され、説明される環境以外の様々な他の適切な環境で利用されてもよいことを理解されたい。本例では、作業環境200は、建物内の複数位置を定義する複数のフロア、例えば、第1フロア204A、第2フロア204B、第3フロア204C、および第4フロア204Dを含んでもよい。他の実施形態では、作業環境200の構築は、追加のおよび/またはより少ないフロアを含んでもよいことを理解されたい。
【0020】
作業環境200は、さらに、各エレベータシャフト内に配置される少なくとも1つのエレベータかごを有する1または複数のエレベータシャフトを含んでもよい。この例では、作業環境200は、少なくとも1つの第1エレベータかご210を有する第1エレベータシャフト202と、少なくとも1つの第2エレベータかご220を有する第2エレベータシャフト212と、少なくとも1つの第3エレベータかご230を有する第3エレベータシャフト222と、を含む。各エレベータシャフト202,212,222は、それぞれ複数のフロア204A~204Dの異なる位置に配置されてもよい。言い換えると、複数のフロア204A~204Dのそれぞれにおいて、第1エレベータシャフト202は、第1位置「A」に配置されてもよく、第2エレベータシャフト212は、第1位置「A」とは異なる第2位置「B」に配置されてもよく、第3エレベータシャフト222は、第1位置「A」および第2位置「B」とは異なる第3位置「C」に配置されてもよい。図示は省略するが、作業環境200は、追加の(例えば複数の)エレベータシャフト、エレベータかご、エレベータシャフトおよびエレベータかごが配置される位置を含んでもよい。したがって、作業環境200は、複数の第1エレベータかご210を含む複数の第1エレベータシャフト202、複数の第2エレベータかご220を含む複数の第2エレベータシャフト212、複数の第3エレベータかご230を含む複数の第3エレベータシャフト222などを含み得ることを理解されたい。
【0021】
各エレベータかご210,220,230は、エレベータかご210,220,230をエレベータシャフト202,212,222内で、フロア204A~204Dに対して移動させるように構成される滑車システム208に接続されてもよい。滑車システム208は、エレベータシャフト202,212,222内でエレベータかご210,220,230を移動させるための様々な機械的および/または電気的機構を含んでもよく、こうした機構には、例えばモーター、ケーブル、釣り合いおもり、滑車などが含まれるが、これらには限られないことを理解されたい。
【0022】
さらに図2を参照すると、各エレベータかご210,220は、例えば、無線接続および/または有線接続209を介して、滑車システム208に動作可能に接続される少なくとも1つの運行コントローラ105を含んでもよい。運行コントローラ105は、滑車システム208の相対運動を検出することによってエレベータかご210,220からの運行データを測定するように構成される。各エレベータかご210,220は、さらに、キャビン内に位置する1または複数の乗員10からのユーザ入力を受容するために、エレベータかご210,220のキャビン内に配置される少なくとも1つの入力装置120をさらに含んでもよい。
【0023】
各フロア204A~204Dは、同フロア204A~204Dにおける各エレベータシャフト202,212,222の位置に、各エレベータかご210,220,230のエレベータドア207がそれぞれのフロア204A~204Dの位置にあるときに、エレベータかご210,220,230へのアクセスを提供する1または複数の呼び出し装置110およびアクセスドア206を含んでもよい。呼び出し装置110は、フロア204A~204Dのうちの1つにおける、複数の位置のうちの1つの位置にいる、1または複数の乗車希望者20からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。例えば、呼び出し装置110は、エレベータかご210,220,230のうちの少なくとも1つを介する輸送を要求する呼び出しを示すユーザ入力を受信するように構成されてもよい。呼び出し装置110は、呼び出し要求を発送コントローラ130に送信するように構成されてもよく、その呼び出し要求は、呼び出し要求が発信される作業環境200内の現在位置(例えば、第1フロア204Aの第1位置「A」)を示すデータを含んでもよい。呼び出し要求は、さらに、乗車希望者が輸送を求めている作業環境200内の行き先位置(例えば、第4フロア204D)を示すデータを含んでもよい。
【0024】
引き続き図2を参照して、各エレベータかご210,220,230は、さらに、キャビン内に配置される少なくとも1つの計数装置125を有してもよい。計数装置125は、各エレベータかご210,220,230の内壁(例えば、天井)に沿って配置され、キャビン内の乗員10の数を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、計数装置125は、エレベータかご210,220,230内で検出された1以上のものを区別するように動作可能であってもよい。
【0025】
例えば、図3に見られるように、計数装置125は、キャビン内に存在してエレベータかご210,220,230の容量を占有するもの(例えば、乗員10、付随的な物12など)、および、エレベータかご210,220,230の容量を占有しないキャビン内のもの(例えば、レール14など)を検出してもよい。計数装置125は、エレベータかご210,220,230内のものの数を測定し、そのような測定値を占有データとして記録してもよい。本明細書でさらに説明するように、計数装置125は、各エレベータかご210,220,230の占有データ(例えば、占有データ144)をネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信するように構成してもよい。
【0026】
ここで図4を参照すると、発送コントローラ130は、発送コントローラ130がデータ(例えば、運行データ、呼び出し要求、コマンド、占有データなど)の受信、情報(例えば、乗車容量)の処理、および/または、1つ以上の処理の実行(図5参照)を可能にする複数のハードウェア構成を組み込んだコンピュータ装置を含んでもよい。発送コントローラ130の例示的なハードウェア構成は、少なくとも1つのプロセッサ132、少なくとも1つの通信モジュール134、ユーザインターフェース136、および少なくとも1つのメモリ138を含んでもよい。いくつかの実施形態では、発送コントローラ130は、コンピュータ、モバイルユーザ装置、リモートステーション、サーバ、クラウドストレージなどを含んでもよい。図示の実施形態では、発送コントローラ130は、発送システム100の他の装置とは別の装置として本明細書に示されて記載されているが、他の実施形態では、発送コントローラ130の1または複数の態様は、発送システム100の1または複数の他の装置と統合されていてもよい。別の言い方をすれば、本明細書に示されて記載されている発送コントローラ130の例示的なハードウェア構成は、運行コントローラ105、呼び出し装置110、入力装置120、および/または計数装置125のうちの1つまたは複数と一体化されていてもよい。
【0027】
プロセッサ132は、機械で読み取り可能な命令を実行可能な任意のコンピュータ装置を含んでもよく、その命令は、例えばメモリ138などの非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されていてもよい。一例として、プロセッサ132は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、および/またはプログラムを実行するために必要な計算および論理演算を実行するように動作可能な他の任意のコンピュータ処理ユニットを含んでもよい。本明細書で詳細に説明するように、プロセッサ132は、例えば、発送ロジック140などの、メモリ138に格納された命令に従って1または複数の動作を実行するように構成される。通信モジュール134は、例えばネットワーク115を介するなど、発送コントローラ130と発送システム100の他の1または複数の装置との通信を容易にしてもよい。ユーザインターフェース136は、1または複数の入力ポートおよび1または複数の出力ポートを含む1または複数の入力装置および出力装置を含んでもよい。ユーザインターフェース136は、例えば、入力ポートとして、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを含んでもよい。ユーザインターフェース136は、さらに、出力ポートとして、例えば、モニタ、ディスプレイ、プリンタなどを含んでもよい。ユーザインターフェース136は、様々なコマンドを示すユーザ入力を受信するように構成されてもよく、こうしたコマンドには、メモリ138に格納された閾値所要時間148を定義および/または調整するコマンドなどを含むが、これらに限定されない。
【0028】
引き続き図4を参照すると、メモリ138は、発送システム100の動作をサポートする様々なプログラムされたアルゴリズムおよびデータを含んでもよい。メモリ138は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、および/または機械で読み取り可能な命令を格納可能な任意の装置など、データおよびアルゴリズムを格納するのに適した任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでもよい。メモリ138は1または複数のデータセットを含んでもよく、このデータセットは、例えば運行コントローラ105から受信された運行データ142、計数装置125から把握された占有データ144、複数のエレベータかご210,220,230の各々の呼び出し割り当てデータ146および所要時間データ150などを含むが、これらに限定されない。メモリ138は、例えば、ユーザインターフェース136を介するなどして、発送システム100のユーザによって以前にプログラムされ、および/または調整され得る閾値所要時間148をさらに含んでもよい。
【0029】
本明細書でさらに説明するように、占有データ144は、計数装置125によって各エレベータかご210,220,230のキャビン内で検出されたリアルタイムの乗員10の数を含んでもよい。呼び出し割り当てデータ146は、少なくとも複数のエレベータかご210,220,230による輸送のために、複数のフロア204A~204Dのうちの1つにいる乗車希望者20から受信した呼び出し要求を含んでもよい。発送コントローラ130は、占有データ144をメモリ138に格納し、乗員10の数を対応するエレベータかご210,220,230に関連付けるように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、呼び出し割り当てデータ146をメモリ138に格納して、各エレベータかご210,220,230に割り当てられた現在の停車回数を判断するように構成されてもよい。本明細書に記載されるように、発送コントローラ130は、運行データ142、占有データ144、および呼び出し割り当てデータ146の少なくとも1つまたは複数に基づいて、複数のエレベータかご210,220,230のそれぞれの移動の最短所要時間を判断するように構成されてもよい。
【0030】
さらに、メモリ138は、発送ロジック140などの機械読み取り可能な命令を格納する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでもよい。一例では、発送ロジック140は、行き先位置への輸送のための第1位置「A」での呼び出し要求の受信に応答して、発送システム100が複数のエレベータかご210,220,230のうちのどのエレベータかごを発送するかを判断することを可能にする実行可能な命令を含んでもよい。発送ロジック140は、さらに、各エレベータかご210,220,230内に物理的に存在する乗員の数に基づいて、各エレベータかご210,220,230の乗車容量の判断を容易にすることができる。発送ロジック140は、さらに、運行データ142、占有データ144、および/または呼び出し割り当てデータ146のうちの1つまたは複数に基づいて、複数のエレベータかご210,220,230のそれぞれがある位置に移動するための最も少ない所要時間(例えば、所要時間データ150)の判断を容易にすることができる。本明細書でさらに詳細にされているように、発送システム100は、乗車希望者20からの呼び出し要求に応答して第1位置に移動するための最短所要時間(例えば、所要時間データ150)を有する少なくとも1つのエレベータかご210,220,230を判断するように構成されてもよい。
【0031】
図5を参照すると、発送システム100を使用して複数のエレベータかごの移動所要時間を判断し、移動所要時間が最も短いエレベータかごを発送する例示的な方法300が示されている。本明細書に示されて説明されているステップ、およびそれらが提示される順序は単に例示的なものであり、本開示の範囲から逸脱することなく、さらなるステップが追加されたり、および/または、より少ないステップとされたりして、様々な構成に含まれてもよいことを理解されたい。
【0032】
ステップ302において、発送システム100は、作業環境200内の複数の位置の第1位置「A」で呼び出し要求を受信してもよい。呼び出し要求は、例えば、第1フロア204Aの複数の第1エレベータシャフト202に近接する第1位置「A」で呼び出し装置110を作動させる乗車希望者20に応答して発せられてもよい。呼び出し装置110は、ネットワーク115を介して発送コントローラ130に呼び出し要求を送信してもよく、呼び出し要求は、呼び出し要求が発信された第1位置「A」を示すデータを含んでもよい。呼び出し要求は、さらに、作業環境200内の乗車希望者20が移動しようとする行き先位置(例えば、第4フロア204D)を示すデータを含んでもよい。
【0033】
ステップ304において、呼び出し要求が第1フロア204Aの複数の第1エレベータシャフト202に近接する位置から発せられた場合、発送コントローラ130は、複数の第1エレベータシャフト202内に位置する複数の第1エレベータかご210の対応する運行コントローラ105から運行データ142を回収してもよい。発送コントローラ130は、例えば、第1エレベータシャフト202に対する各第1エレベータかご210の現在位置、各第1エレベータかご210の現在の移動方向、および各第1エレベータかご210の現在の進行速度など、運行データ142から、複数の第1エレベータかご210の様々な移動パラメータを判断するように構成されてもよい。
【0034】
1以上の第1エレベータかご210が第1位置「A」に向かって移動していないと判断することに対応して、発送コントローラ130は、その特定の第1エレベータかご210をさらなる考慮の対象から外すように構成されてもよいことを理解されたい。言い換えると、発送コントローラ130は、(エレベータかごの現在位置に対して)第1位置「A」に向かう方向とは異なる方向に移動するエレベータかごは、呼び出し要求に応答するのに最適なエレベータかごではないと判断してもよい。この例では、作業環境200は、第4フロア204Dと第3フロア204Cとの間にあって、第1フロア204Aに向かって移動する第1エレベータかご210を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、発送コントローラ130は、さらに、複数の第1エレベータかご210の現在位置が第1位置「A」の手前にあるかどうか、または第1エレベータかご210が第1位置「A」を超えて移動したかどうかを判断するように構成されてもよい。言い換えると、発送コントローラ130は、現在、第1位置「A」を超えた位置にあるエレベータかごは、呼び出し要求に応答するのに最適なエレベータかごではないと判断してもよい。複数の第1エレベータかごのうちの1つまたは複数が第1位置「A」の手前に配置されていないと判断したことに対応して、発送コントローラ130は、それら第1エレベータかご210をさらなる考慮の対象から外すように構成されてもよい。この例では、図2に示すように、第1エレベータかご210は第4フロア204Dと第3フロア204Cとの間にあり、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が、現在、第1フロア204A(例えば、第1位置「A」)の手前に位置していると判断してもよい。
【0036】
引き続き図5を参照すると、ステップ306において、発送コントローラ130は、(例えば、発送コントローラ130によって)複数の第1エレベータかご210のそれぞれに割り当てられ、各第1エレベータかご210の現在位置と第1位置「A」との間に(乗車)位置を有する、呼び出しの数を判断するように構成されてもよい。言い換えると、発送コントローラ130は、各第1エレベータかご210が、その現在位置と第1位置「A」(例えば、第1フロア204A)との間で途中停車する位置があるとすれば、その停車位置がいくつあるかを判断してもよい。各第1エレベータかご210に以前に割り当てられていた呼び出しの数は、呼び出し要求(ステップ302)が発送コントローラ130によって受信されたときを基準としていることを理解されたい。
【0037】
さらに、第1エレベータかご210に以前に割り当てられており、現在位置と第1位置「A」との間の位置を含まない呼び出しは、途中停車を生じさせないことを理解されたい。したがって、発送コントローラ130は、ステップ306で呼び出しの数を判断するときに、第1エレベータかご210に割り当てられ、第1位置「A」の後に(乗車)位置を有する任意の以前の呼び出しを無視するように構成されてもよい。ある例では、図2に見られるように、第1エレベータかご210は、第3フロア204Cで以前に割り当てられた呼び出しを含んでもよく、その結果、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が、第1エレベータかご210の現在位置と第1フロア204A(たとえば、第1位置「A」)との間に1つの停車位置を含むと判断してもよい。
【0038】
引き続き図5を参照すると、ステップ308において、発送コントローラ130は、各第1エレベータかご210がそれぞれの現在位置から第1位置「A」に移動するための最短所要時間(例えば、第1所要時間)を判断するために、複数の第1エレベータかご210について収集された運行データ142(ステップ304)および呼び出し割り当てデータ146(ステップ306)を分析するように構成されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、最短所要時間を判断するときに、各第1エレベータかご210の現在位置と第1位置「A」との間の移動距離を分析してもよい。発送コントローラ130は、さらに、最短所要時間を判断するときに、各第1エレベータかご210の移動速度を分析してもよい。
【0039】
さらなる例により、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210に割り当てられた既存の呼び出しの数に基づいて、各第1エレベータかご210が第1位置「A」に移動するのに必要な最短所要時間が増えると判断してもよい。言い換えると、発送コントローラ130は、各第1エレベータかご210の最短所要時間を判断するときに、各第1エレベータかご210に割り当てられ、現在位置と第1位置「A」との間にある停車位置の数を評価してもよい。例えば、発送コントローラ130は、特定の第1エレベータかご210に割り当てられた各停車位置の最短所要時間に対する予め定義された増分(例えば、所要時間データ150)を計算するようにしてもよい。予め定義された増分は、メモリ138にプログラムされていてもよく、約1秒から約120秒までの範囲の様々な適切な値、特には約60秒、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、予め定義された増分の値は、ユーザインターフェース136を介するなどして、発送システム100のユーザによって選択的に修正されてもよい。
【0040】
ステップ310において、発送コントローラ130は、複数の第1エレベータかご210の最短所要時間を閾値所要時間148と比較するように構成されてもよい。先に詳細に説明したように、閾値所要時間148は、エレベータかごがそれぞれの現在位置から第1位置「A」に移動するために与えられた最大所要時間を定義してもよい。換言すれば、閾値所要時間148を超える最短所要時間を有すると判断されたエレベータかごは、呼び出し要求に応答するための最適なエレベータかごではないといえる。複数の第1エレベータかごのうち2つ以上がステップ310で閾値所要時間148よりも短い最短所要時間を有すると判断することに対応して、発送コントローラ130は、ステップ312において、それら2つ以上の第1エレベータかご210の中にいる乗員10の数を判断するように構成されてもよい。
【0041】
例えば、発送コントローラ130は、各第1エレベータかごのそれぞれの計数装置125から占有データ144を回収することによって、(最短所要時間が閾値所要時間148より短い)各第1エレベータかご210の中の乗員10の数を判断するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、計数装置125は、第1エレベータかご210内に位置する乗員10および/または物12の総数を検出するように構成されてもよい(図3を参照)。したがって、発送コントローラ130は、ステップ312で乗員10の数を判断するときに、計数装置125によって検出された1以上の物12を考慮してもよい。各計数装置125は、第1エレベータかご210のそれぞれの占有データ144を示す信号を、ネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信してもよい。
【0042】
引き続き図5を参照すると、ステップ314において、発送コントローラ130は、少なくともエレベータかご内の乗員10の数(ステップ312)および各エレベータかごの最大乗車容量に基づいて、複数の第1エレベータかご210のそれぞれの占有比を判断するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の第1エレベータかご210の最大乗車容量は、ネットワーク115を介して計数装置125から発送コントローラ130に通信されてもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、複数の第1エレベータかご210のそれぞれの最大乗車容量をメモリ138に格納していてもよい。複数の第1エレベータかご210のそれぞれのキャビンのサイズおよび/または形状に基づいて、最大乗車容量が判断され得ることを理解されたい。
【0043】
本例では、複数の第1エレベータかご210は、それぞれの最大乗車容量が比較的類似するように、実質的に類似したサイズおよび/または形状であってもよい。他の例では、複数の第1エレベータかご210は、それぞれの最大乗車容量が互いに異なるように、様々なサイズおよび/または形状であってもよい。本例では、第1エレベータかご210は、総滞在人数が1人であって、最大乗車容量が6人であってもよい。発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が約1:6(例えば、約16.67%)の占有比(比率)であると判断するように構成されてもよい。
【0044】
引き続き図5を参照すると、ステップ316において、発送コントローラ130は、残りの複数の第1エレベータかご210よりも利用可能な最大乗車容量が大きい複数の第1エレベータかご210のうちの少なくとも1つを判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、複数の第1エレベータかご210のそれぞれの占有比を比較して、利用可能な乗車容量が最大の少なくとも1つの第1エレベータかご210を判断してもよい。発送コントローラ130は、ステップ302で受信された呼び出し要求を、複数の第1エレベータかご210のうち、利用可能な乗車容量が最大の(移動所要時間が閾値所要時間148よりも短い)第1エレベータかご210に割り当てることができる。ステップ318において、発送コントローラは、その少なくとも1つの第1エレベータかご210を第1位置「A」に発送するように構成されてもよい。
【0045】
2つ以上の第1エレベータかご210が互いに同様の占有比を有する場合、発送コントローラ130は、互いの最短所要時間を比較して、発送するのに最適な第1エレベータかご210を判断するように構成されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、第1位置「A」に移動するための最短所要時間を有する第1エレベータかご210に呼び出し要求を割り当ててもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210の占有比が互いに異なる場合であっても、複数の第1エレベータかご210の最短所要時間を互いに比較してもよい。この場合、発送コントローラ130は、複数の第1エレベータかご210のうち、別のかご210の利用可能な最大乗車容量がより大きくても、最短所要時間が最も短い少なくとも1つの第1エレベータかご210を発送するように構成されてもよい。
【0046】
発送コントローラ130が、(ステップ310で)1つの第1エレベータかご210のみが閾値所要時間148よりも短い最短所要時間を有すると判断する場合、発送コントローラ130は、ステップ312~316の実行を放棄してもよいことを理解されたい。この場合、ステップ310で識別された第1エレベータかご210は、ステップ318で第1位置「A」に発送されてもよい。他の実施形態では、方法300は、発送コントローラ130がステップ318で最も短い最短所要時間を有する少なくとも1つの第1エレベータかご210発送するように構成され得るように、ステップ312~316を完全に省略してもよい。
【0047】
発送コントローラ130は、呼び出し装置110と通信して、第1位置「A」(例えば、第1フロア204A)にいる乗車希望者20にメッセージを送信するように構成されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、第1位置「A」に発送された第1エレベータかご210の識別情報を送信してもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、複数の第1エレベータシャフト202のうちの、第1エレベータかご210が到着することになる第1エレベータシャフト202を識別してもよい。メッセージは、例えば、ディスプレイ(例えば、文字形式、画像形式など)、スピーカ(例えば、音声形式)などを介することを含む、様々な適切な形式で、呼び出し装置110を介して送信されてもよい。
【0048】
ステップ310に戻ると、複数の第1エレベータかご210のそれぞれが閾値所要時間148を超える移動所要時間を有すると判断することに対応して、発送コントローラ130は、それら複数の第1エレベータかご210をさらなる考慮の対象から外すように構成されてもよい。ステップ320において、発送コントローラ130は、作業環境200内の第1位置「A」以外の様々な位置に配置された複数のエレベータかご220,230の対応する運行コントローラ105から運行データ142を回収してもよい。すなわち、発送コントローラ130は、複数の第1エレベータかご210のいずれも、閾値所要時間148よりも短い移動所要時間を有さないと判断した場合には、(例えば、第2位置「B」に近接した位置にある)複数の第2エレベータかご220および(例えば、第3位置「C」に近接した位置にある)第3エレベータかご230を考慮に入れてもよい。
【0049】
発送コントローラ130は、第2エレベータかご220および第3エレベータかご230が第1エレベータかご210よりも第1位置「A」(例えば、作業環境200内の呼び出し要求が発せられた位置に近接する位置)からさらに離れて位置していたとしても、複数のエレベータかご220,230を考慮に入れてもよい。発送コントローラ130は、例えば、対応する第2エレベータシャフト212に対する各第2エレベータかご220の現在位置、各第2エレベータかご220の現在の移動方向、各第2エレベータかご220の現在の移動速度など、運行データ142から、複数の第2エレベータかご220の様々な移動パラメータを判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、複数の第3エレベータかご230の同様の移動パラメータを判断してもよい。
【0050】
1以上の第2または第3エレベータかご220,230が第1フロア204Aに向かって移動していないと判断することに対応して、発送コントローラ130は、それら特定のエレベータかご220,230をさらなる考慮の対象から外すように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、複数の第2および第3エレベータかご220,230の現在位置が第1フロア204Aの手前に位置するかどうかを判断するように構成されてもよい。この例では、作業環境200において第2エレベータかご220が第4フロア204Dに停止しているとともに第3エレベータかご230が第2フロア204Bに停止している状態で、発送コントローラ130は、第2エレベータかご220および第3エレベータかご230が第1フロア204Aの手前に位置すると判断してもよい。
【0051】
引き続き図5を参照すると、ステップ322において、発送コントローラ130は、第2エレベータかご220が現在位置と第2位置「B」(例えば、第1フロア204A)との間で途中停車すると予想される場合、何回途中停車するかを判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、同様に、第3エレベータかご230に割り当てられ、各第3エレベータかご230のそれぞれの現在位置と第3位置「C」(例えば、第1フロア204A)との間に(乗車)位置を有する呼び出しの数を判断してもよい。この例では、第2エレベータかご220は、第2フロア204Bで割り当てられた呼び出しを有してもよく、第3エレベータかご230には呼び出しが割り当てられていなくてもよい。したがって、発送コントローラ130は、第2エレベータかご220が、第2エレベータかご220の現在位置と第2位置「B」との間に1つの停車を有すると判断してもよい。
【0052】
ステップ324において、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご220,230の運行データ142(ステップ322)および呼び出し割り当てデータ146(ステップ324)を分析して、各エレベータかご220,230のそれぞれの現在位置から第2位置「B」および/または第3位置「C」に移動するためのエレベータかご220,230の最短所要時間を判断するように構成されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、最短所要時間を判断するときに、各エレベータかご220,230のそれぞれの現在位置と対応する第2位置「B」および/または第3位置「C」との間の移動距離を分析してもよい。発送コントローラ130は、さらに、最短所要時間を判断するときに、各エレベータかご220,230の移動速度を分析してもよい。さらなる例により、発送コントローラ130は、エレベータかご220,230が既存の呼び出し割り当てを含む場合、それぞれの位置「B」「C」に移動するために必要な追加の所要時間を判断してもよい。発送コントローラ130は、さらに、各エレベータかご220,230の最短所要時間を判断するときに、各エレベータかご220,230に割り当てられた停車の数を評価してもよい。
【0053】
引き続き図5を参照すると、ステップ326において、発送コントローラ130は、乗車希望者20が第1位置「A」から第2位置「B」および第3位置「C」のそれぞれへ移動する(例えば、歩く)必要がある距離に基づいて、エレベータかご220,230の最短所要時間の計算を修正するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、第1位置「A」と第2位置「B」との距離に基づいて、呼び出し要求が発信された第1位置「A」から第2エレベータかご220が位置する第2位置「B」まで移動するのに必要な時間を示すデータ(例えば、所要時間データ150)を含んでもよい。発送コントローラ130は、複数の第2エレベータかご220のそれぞれの最短所要時間(例えば、第2所要時間)を判断するときに、乗車希望者20が位置「A」「B」間を移動するのに必要な距離を考慮するように構成されてもよい。
【0054】
発送コントローラ130は、さらに、第1位置「A」と第3位置「C」との距離に基づいて、乗車希望者20が第1位置「A」と、第3エレベータかご230が位置する第3位置「C」との間を移動するのに必要な時間を示すデータをさらに含んでもよい。発送コントローラ130は、さらに、複数の第3エレベータかご230のそれぞれの最短所要時間(例えば、第3所要時間)を判断するときに、乗車希望者20が位置「A」「C」間を移動するのに必要な距離を考慮するように構成されてもよい。
【0055】
したがって、発送コントローラ130は、エレベータかご220,230の最短所要時間を判断するときに、第1位置「A」と第2位置「B」または第3位置とのそれぞれの距離に基づいて、複数のエレベータかご220,230の最短所要時間を修正(例えば、増加)させるように構成されてもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、第1位置「A」と、第2位置「B」または第3位置「C」のうち少なくとも一方との距離を計算するように構成されてもよい。
【0056】
ステップ328において、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご220,230の最短所要時間を閾値所要時間148と比較するように構成されてもよい。複数のエレベータかご220,230のうちの2つ以上が閾値所要時間148より短い最短所要時間を有すると判断することに対応して、発送コントローラ130は、ステップ330において2つ以上のエレベータかご220,230のそれぞれの中の乗員10の数を判断するように構成されてもよい。例えば、各エレベータかご220,230の計数装置125から占有データ144を回収することによって、(最短所要時間が閾値所要時間148よりも短い)各エレベータかご220,230内の乗員10の数を判断するように構成されてもよい。
【0057】
引き続き図5を参照して、ステップ332において、発送コントローラ130は、少なくともエレベータかごの中で検出された乗員10の数(ステップ330)と各エレベータかごの最大乗車容量とに基づいて、複数のエレベータかご220,230のそれぞれの占有比を判断するように構成されてもよい。この例では、第2エレベータかご220は、総滞在人数が2人で最大乗車容量が6人であってもよく、第3エレベータかご230は、総滞在人数が1人で最大乗車容量が5人であってもよい。発送コントローラ130は、第2エレベータかご220の占有比(比率)が2:6(例えば、約33.33%)であり、第3エレベータかご230の占有比が1:5(例えば、約20%)であると判断するように構成されてもよい。
【0058】
ステップ334において、発送コントローラ130は、残りのエレベータかご220,230よりも利用可能な最大乗車容量が大きい複数のエレベータかご220,230のうちの少なくとも1つを判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、複数のエレベータかご220,230のそれぞれの占有比を比較して、利用可能な乗車容量が最大の少なくとも1つの第2エレベータかご220または第3エレベータかご230を判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、ステップ302で受信された呼び出し要求を、利用可能な乗車容量が最大の(閾値所要時間148よりも短い移動所要時間を有する)エレベータかご220,230に割り当ててもよい。ステップ336において、発送コントローラ130は、利用可能な乗車容量が最大のエレベータかご220,230を、第1フロア204Aの対応する位置「B」「C」に発送してもよい。
【0059】
2つ以上の第2エレベータかご220および/または第3エレベータかご230が互いに同様の占有比を有する場合、発送コントローラ130は、それぞれの最短所要時間を比較して、発送する最適なエレベータかご220,230を判断してもよい。例えば、発送コントローラ130は、第2位置「B」に移動するための最短所要時間が最も短い第2エレベータかご220、または第3位置「C」に移動するための最短所要時間が最も短い第3エレベータかご230を発送してもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、エレベータかご220,230の占有比が互いに異なっている場合にも、複数のエレベータかご220,230の最短所要時間を互いに比較してもよい。この場合、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご220,230のうち、その他の複数のエレベータかご220,230の利用可能な最大乗車容量がより大きいとしても、最短所要時間が最も短い少なくとも1つのエレベータかご220,230を発送するように構成されてもよい。
【0060】
発送コントローラ130がただ1つの第2エレベータかご220または第3エレベータかご230が閾値所要時間148よりも短い最短所要時間を有する(ステップ328で)と判断する場合、発送コントローラ130は、ステップ330~334の実行を放棄してもよいことを理解されたい。この場合、ステップ328で識別されたエレベータかご220,230がステップ336で発送されてもよい。他の実施形態では、方法300はステップ330~334の全体を省略して、ステップ336において、発送コントローラ130が、少なくとも、最短所要時間が最も短い第2エレベータかご220または第3エレベータかご230を発送するように構成されてもよい。
【0061】
ステップ328に戻ると、複数の第2エレベータかご220および第3エレベータかご230のそれぞれが閾値所要時間148を超える移動所要時間を有すると判断することに対応して、発送コントローラ130は、それら複数の第2エレベータかご220および第3エレベータかご230をさらなる考慮の対象から外すように構成されてもよい。この場合、発送コントローラ130は、各第1エレベータかご210が閾値所要時間148を超える最短所要時間を有するとしても、ステップ302で受信した呼び出し要求を、複数の第1エレベータかご210のうちの1つに割り当ててもよい。この場合、発送コントローラ130は、複数の第1エレベータかご210のそれぞれの中にいる乗員の数(ステップ312)、占有比(ステップ314)、および利用可能な最大乗車容量(ステップ316)を判断してもよい。ステップ318において、発送コントローラ130は、複数の第1エレベータかご210のうち、利用可能な乗車容量が最大の第1エレベータかご210を発送してもよい。あるいは、発送コントローラ130は、ステップ312~316を省略し、ステップ318において、最も短い最短所要時間を有する少なくとも1つの第1エレベータかご210を発送してもよい。
【0062】
本明細書で使用されるすべての技術的および科学的な用語は、特に明記しない限り、本開示の分野に属する当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において、単数形で記載した場合には、文脈が明らかに他のことを示していない限り、複数であることを含む。
【0063】
上記の説明は例示的なものであり、限定的な意図で記載されたものではない。当業者は、本開示の一般的な範囲から逸脱することなく、様々な修正および/または変更を行うことができる。例えば、すでに記載されているように、上記の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。さらに、上記の実施形態の一部は、本開示の範囲から逸脱することなく省略されてもよい。さらに、特定の状況または材料を、それらの範囲から逸脱することなく、様々な実施形態の教示に適合させるために修正することができる。上記の説明を検討すれば、他の多くの実施形態も当業者には明らかであろう。
【0064】
[例1]
エレベータかごを発送するための方法であって、
複数の第1エレベータかごのそれぞれが現在位置から第1位置に移動するための第1所要時間を判断することと、
少なくとも1つの前記第1エレベータかごの前記第1所要時間が閾値所要時間よりも短い場合に、当該少なくとも1つの第1エレベータかごを前記第1位置に発送することと、
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記第1所要時間が前記閾値所要時間を超えるときに、(i)乗員が前記第1位置から第2位置に移動し、かつ、(ii)複数の第2エレベータかごのそれぞれが前記現在位置から前記第2位置に移動するための、第2所要時間を判断することと、
少なくとも1つの前記第2エレベータかごの前記第2所要時間が前記閾値所要時間よりも短いときに、当該少なくとも1つの第2エレベータかごを前記第2位置に発送することと、
を含む、方法。
【0065】
[例2]
前記少なくとも1つの第1エレベータかごの前記第1所要時間が残りの複数の前記第1エレベータかごの前記第1所要時間よりも短い場合に、当該少なくとも1つの第1エレベータかごを前記第1位置に発送することと、
前記少なくとも1つの第2エレベータかごの前記第2所要時間が残りの複数の前記第2エレベータかごの前記第2所要時間よりも短いときに、当該少なくとも1つの第2エレベータかごを前記第2位置に発送することと、をさらに含む、
上記例1に記載の方法。
【0066】
[例3]
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記第1所要時間を判断することは、
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれから運行データを受信することと、
前記運行データから、前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの、移動方向、移動速度、割り当て済みの呼び出しの数、および前記現在位置を判断することと、を含む、
上記例1に記載の方法。
【0067】
[例4]
前記割り当て済みの呼び出しの数を判断することは、前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記現在位置と前記第1位置との間にある位置からの呼び出しを含む、
上記例3に記載の方法。
【0068】
[例5]
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記現在位置と前記第1位置との距離を判断することと、
前記複数の第1エレベータかごのうち、前記第1位置までの距離が最も短い、少なくとも1つの前記第1エレベータかごを発送することと、をさらに含む、
上記例3に記載の方法。
【0069】
[例6]
前記複数の第1エレベータかごのうちの少なくとも1つを前記第1位置に発送する前に、前記方法が、
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記第1所要時間を前記閾値所要時間と比較することと、
前記閾値所要時間よりも短い前記第1所要時間を有する複数の前記第1エレベータかごのそれぞれの乗車容量を判断することと、を含む
上記例1に記載の方法。
【0070】
[例7]
複数の前記第1エレベータかごのそれぞれの前記乗車容量を判断することは、当該複数の第1エレベータかごのそれぞれの中にいる乗員の数を判断することを含む、
上記例6に記載の方法。
【0071】
[例8]
複数の前記第1エレベータかごのそれぞれの中にいる乗員の数と、当該複数の第1エレベータかごのそれぞれの最大乗車容量との比率を判断することをさらに含む、
上記例7に記載の方法。
【0072】
[例9]
複数の前記第1エレベータかごのそれぞれの前記比率を互いに比較することと、
複数の前記第1エレベータかごのうちの少なくとも1つが、残りの複数の前記第1エレベータかごの前記比率よりも利用可能な比率が大きいと判断することと、をさらに含む、
上記例8に記載の方法。
【0073】
[例10]
前記複数の第1エレベータかごのうちの少なくとも1つを前記第1位置に発送することは、前記複数の第1エレベータかごのうち、残りの複数の前記第1エレベータかごに対して利用可能な比率が最大の少なくとも1つの第1エレベータかごを発送することを含む、
上記例9に記載の方法。
【0074】
[例11]
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれが、当該複数の第1エレベータかごの中にいる乗員の数を示すデータを生成するように構成された計数装置を含む、
上記例7に記載の方法。
【0075】
[例12]
前記複数の第2エレベータかごのそれぞれの前記第2所要時間が前記閾値所要時間を超えるときに、前記複数の第1エレベータかごのうち少なくとも1つを前記第1位置に発送することをさらに含む、
上記例1に記載の方法。
【0076】
[例13]
前記複数の第1エレベータかごのうちの少なくとも1つを前記第1位置に発送する前に、前記方法は、
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記第1所要時間を互いに比較することと、
前記複数の第1エレベータかごのうち、少なくとも1つの前記第1エレベータかごの前記第1所要時間が残りの複数の前記第1エレベータかごの前記第1所要時間よりも短いときに、当該少なくとも1つの第1エレベータかごを前記第1位置に発送することを含む、
上記例12に記載の方法。
【0077】
[例14]
前記複数の第1エレベータかごのうちの少なくとも1つを前記第1位置に発送する前に、前記方法は、
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの中にいる乗員の数を判断することと、
前記複数の第1エレベータかごのうち、残りの複数の前記第1エレベータかごに対して前記乗員の数が最も少ない、少なくとも1つの前記第1エレベータかごを発送することと、を含む、
上記例12に記載の方法。
【0078】
[例15]
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記第1所要時間を判断する前に、前記方法は、
前記エレベータかごの呼び出しを受信することを含み、前記呼び出しは、複数の位置のうち前記第1位置からのものである、
上記例1に記載の方法。
【0079】
[例16]
エレベータかごを発送するためのシステムであって、
複数のエレベータかごに動作可能に接続され、前記複数のエレベータかごの現在位置を判断するように構成される、少なくとも1つの運行コントローラであって、前記複数のエレベータかごが第1サブセットと第2サブセットとを含む、運行コントローラと、
前記複数のエレベータかごのうち少なくとも1つの前記運行コントローラに動作可能に接続され、前記複数のエレベータかごの前記現在位置を示すデータを受信するように構成される、発送コントローラと、
を備え、
前記発送コントローラは、
前記エレベータかごの各第1サブセットが前記現在位置から第1位置に移動するための第1所要時間を判断するように構成され、
前記エレベータかごの第1サブセットのうち少なくとも1つの前記第1所要時間が閾値所要時間を超えないことに対応して、当該第1サブセットのうち少なくとも1つのエレベータかごを前記第1位置に発送するように構成され、
前記エレベータかごの第1サブセットのうち少なくとも1つの前記第1所要時間が前記閾値所要時間を超えることに対応して、(i)乗員が前記第1位置から第2位置に移動し、かつ、(ii)前記エレベータかごの第2サブセットのそれぞれが前記現在位置から前記第2位置に移動するための、第2所要時間を判断するように構成され、
前記エレベータかごの第2サブセットのうち少なくとも1つの前記第2所要時間が前記閾値所要時間を超えないことに対応して、当該第2サブセットのうち少なくとも1つのエレベータかごを前記第2位置に発送するように構成される、
システム。
【0080】
[例17]
前記複数のエレベータかごに動作可能に接続される少なくとも1つの計数装置をさらに備え、前記少なくとも1つの計数装置は、前記複数のエレベータかごのそれぞれの中にいる乗員の数を判断するように構成され、
前記発送コントローラは、当該発送コントローラが前記複数のエレベータかごの中にいる乗員の数を示すデータを受信するように、前記複数のエレベータかごのう前記少なくとも1つの計数装置に動作可能に接続される、
上記例16に記載のシステム。
【0081】
[例18]
前記発送コントローラは、
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの総滞在人数を判断するように構成され、
前記エレベータかごの第1サブセットのうち少なくとも1つの前記総滞在人数が、前記エレベータかごの残りの第1サブセットの前記総滞在人数よりも少ないことに対応して、当該第1サブセットのうち少なくとも1つのエレベータかごを前記第1位置に発送するように構成される、
上記例17に記載のシステム。
【0082】
[例19]
前記発送コントローラは、
前記エレベータかごの第2サブセットのそれぞれの前記第2所要時間が前記閾値所要時間を超えるときに、前記エレベータかごの第1サブセットのそれぞれの前記第1所要時間を互いに比較するように構成され、
前記エレベータかごの第1サブセットのうち少なくとも1つの前記第1所要時間が、前記エレベータかごの残りの第1サブセットの前記第1所要時間よりも短いときに、当該第1サブセットのうち少なくとも1つを前記第1位置に発送するように構成される、
上記例16に記載のシステム。
【0083】
[例20]
複数のエレベータかごの交通量を制御するためのシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行された時に、前記プロセッサに複数の動作を実行させる命令を格納するメモリと、
を備え、
前記複数の動作は、
複数の第1エレベータかごのそれぞれが現在位置から第1位置に移動するための第1所要時間を判断することと、
少なくとも1つの前記第1エレベータかごの前記第1所要時間が閾値所要時間より短い場合に、当該少なくとも1つの第1エレベータかごを前記第1位置に発送することと、
前記複数の第1エレベータかごのそれぞれの前記第1所要時間が前記閾値所要時間を超えるときに、(i)乗員が前記第1位置から第2位置に移動し、かつ、(ii)複数の第2エレベータかごのそれぞれが前記現在位置から前記第2位置に移動するための、第2所要時間を判断することと、
少なくとも1つの前記第2エレベータかごの前記第2所要時間が前記閾値所要時間よりも短いときに、当該少なくとも1つの第2エレベータかごを前記第2位置に発送することと、
を含む、システム。
図1
図2
図3
図4
図5