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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118894
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】ステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/90 20130101AFI20230818BHJP
【FI】
A61F2/90
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110849
(22)【出願日】2023-07-05
(62)【分割の表示】P 2022069284の分割
【原出願日】2019-04-08
(31)【優先権主張番号】62/655,025
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ギルマーティン、ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】フォラン、マーティン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】トナー、ジェラルディン
(72)【発明者】
【氏名】ティアニー、ポール イー.
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ、デイビッド
(57)【要約】
【課題】ステントを提供する。
【解決手段】ステントは、第1の端と、第2の端と、その間に配置された中間領域とを有する長尺状管状部材を含む。長尺状管状部材は、収縮姿勢と拡張姿勢との間を移動するように構成されている。長尺状管状部材は、少なくとも1本のねじられたフィラメント、例えば、複数のねじれ編みステッチを有して隣接するねじれ編みステッチの間に中間ラング部分が延びる、編成されたフィラメント、又は、複数の長手方向フィラメントでよられた複数のらせんフィラメントを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のねじり編みステッチを有する少なくとも1つの編成されたフィラメントからなる長尺状管状部材において、隣接するねじり編みステッチ間に延びる中間ラング部分を備え、各ねじり編みステッチは、ねじれたループを含んでおり、前記長尺状管状部材は、収縮姿勢と拡張姿勢との間で移動するように構成されており、
前記複数のねじり編みステッチは、前記収縮姿勢において、第1の外形を有するとともに、前記拡張姿勢において、前記第1の外形とは異なる第2の外形を有しており、
前記収縮姿勢における前記中間ラング部分の長さは、前記拡張姿勢における前記中間ラング部分の長さよりも短い、ステント。
【請求項2】
前記複数のねじり編みステッチの少なくともいくつかは、先行する編み段のねじり編みステッチから吊り下げられている、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記複数のねじり編みステッチはそれぞれ、ループ部分と、重なり合うベース領域とを含む、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記複数のねじり編みステッチの少なくともいくつかは、先行する編み段の中間ラング部分から吊り下げられている、請求項1に記載のステント。
【請求項5】
前記長尺状管状部材は複数の編み段を含み、前記複数の編み段のいくつかは、第1の数のねじり編みステッチを有し、前記複数の編み段のいくつかは、第1の数のねじり編みステッチよりも少ない第2の数のねじれ編みステッチを有する、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記長尺状管状部材は、少なくとも第1の部分及び第2の部分を有し、前記第2の部分は、前記拡張姿勢において、前記第1の部分よりも小さい径方向に作用する力を有する、請求項1に記載のステント。
【請求項7】
複数の編み段を含む長尺状管状部材であって、各編み段は複数のループを有し、同複数のループは隣接するループ間に延びる中間ラング部分を含むねじれたベース部分を有し、前記長尺状管状部材は、収縮姿勢と拡張姿勢の間を移動するように構成されており、
前記複数のループのうちの少なくともいくつかは、先行する編み段のループの前記ねじれたベース部分から吊り下げられるように構成されている、ステント。
【請求項8】
前記収縮姿勢における前記中間ラング部分の長さは、前記拡張姿勢における前記中間ラング部分の長さよりも短い、請求項7に記載のステント。
【請求項9】
前記長尺状管状部材は、少なくとも第1の部分及び第2の部分を有し、前記第2の部分は、前記拡張姿勢において、前記第1の部分よりも小さい径方向に作用する力を有する、請求項7に記載のステント。
【請求項10】
前記複数のループのうちの少なくともいくつかはそれぞれ、先行する編み段の中間ラング部分から吊り下げられている、請求項7に記載のステント。
【請求項11】
前記複数の編み段のうちのいくつかは第1の数のループを有し、前記複数の編み段のいくつかは第1の数より少ない第2の数のループを有する、請求項7に記載のステント。
【請求項12】
単一のフィラメントで編成された長尺状管状部材は複数の編み段を備え、各編み段はフィラメントの複数のループを有し、各ループは前記フィラメントの第1のセグメントが前記フィラメントの第2のセグメントに交差するねじれたベース部分と、前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントの間に位置するループ部分とを有し、前記フィラメントの中間ラング部分は隣接するループ間に延びており、前記長尺状管状部材は収縮形態と拡張形態との間で移動するように構成されており、前記収縮形態における前記中間ラング部分の長さは、前記拡張形態における前記中間ラング部分の長さよりも短いステント。
【請求項13】
前記複数のループのうちの少なくともいくつかは、先行する編み段のループの前記ねじれたベース部分から吊り下げられている、請求項12に記載のステント。
【請求項14】
前記複数のループのうちの少なくともいくつかは、先行する編み段の中間ラング部分から吊り下げられている、請求項12に記載のステント。
【請求項15】
前記複数の編み段のうちのいくつかは第1の数のループを有し、複数の編み段のうちのいくつかは第1の数より少ない第2の数のループを有する、請求項12に記載のステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置、医療装置を製造するための方法、及びその使用に関する。より詳細には、本発明は、体管腔内に埋め込まれるためのステント、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な体内医療装置が、医療用途、例えば外科的用途及び/又は血管内用途のために開発されてきている。これらの装置の中には、ガイドワイヤ、カテーテル、医療装置送達システム(例えば、ステント、グラフト、置換弁用など)等が含まれる。これらの装置は、さまざまな異なる製造方法の任意の1つにより製造され、さまざまな方法の任意の1つに従って使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、医療機器のための設計、材料、製造方法、及び代替的用途を提供する。例示的な医療装置は、ステントを含む。
第1の例では、ステントは、複数のねじれ編みステッチを有して隣接するねじれ編みステッチの間に中間ラング部分が延びる少なくとも1つの編成されたフィラメントを含む長尺状管状部材からなり、長尺状管状部材は、収縮姿勢と拡張姿勢との間で移動するように構成されている。収縮姿勢では、複数のねじり編みステッチは第1の外形を有し、拡張姿勢では、複数のねじり編みステッチは第1の外形とは異なる第2の外形を有する。
【0004】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、収縮姿勢における中間ラング部分の長さは、拡張姿勢における中間ラング部分の長さよりも短い。
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、複数のねじり編みステッチの少なくともいくつかは、先行する編み段のねじり編みステッチから吊下される。
【0005】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、複数のねじり編みステッチはそれぞれ、ループ部分と、重なり合うベース領域とを含む。
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、複数のねじり編みステッチの少なくともいくつかは、先行する編み段の中間ラング部分から吊下される。
【0006】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、長尺状管状部材は複数の編み段を含み、複数の編み段のいくつかは、第1の数のねじり編みステッチを有し、複数の編み段のいくつかは、第1の数のねじり編みステッチのよりも少ない第2の数のねじれ編みステッチを有する。
【0007】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、長尺状管状部材は、少なくとも第1の部分及び第2の部分を有し、第2の部分は、拡張姿勢において、第1の部分よりも低い径方向に作用する力を有する。
【0008】
別例では、ステントは、長尺状管状部材の長手軸線に概ね沿って延びる複数の長手方向フィラメントを含む長尺状管状部材と、第1のらせん方向に延びる第1のらせん状フィラメントと、第1のらせん方向とは反対の第2のらせん方向に延びる第2のらせん状フィラメントとを含み、複数の長手方向フィラメント、第1のらせん状フィラメント、及び第2のらせん状フィラメントは、重なって複数のセルを形成する。長手方向フィラメントは、第1又は第2のらせん状フィラメントのうちの一方に断続的にらせん状に巻回されて、複数のインターロッキングジョイントを形成し、インターロッキングジョントは、長尺状管状部材の長手軸線に対して平行でない角度で延びる。
【0009】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、複数のセルは、長さによって画定される6つの辺を有する略六角形の形状を有する。
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、インターロッキングジョイントは、セルの隣接する辺の間に配置される。
【0010】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、第1のらせん状フィラメント及び第2のらせん状フィラメントは、1つ以上の交差部で交差する。
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、1つ以上の交差部は、インターロックジョイントを欠く。
【0011】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、長手方向フィラメントは、長尺状管状体の外周面に等間隔に配置される。
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、長手方向フィラメントは、長尺状管状体の外周面に均一ではない間隔で配置される。
【0012】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に加えて、別例では、インターロッキングジョイントは、長尺状管状部材の長手軸線に対して40度から約50度の角度で延びる。
別例では、ステントは、複数の編み段を含む長尺状管状部材を備え、編み段はそれぞれ、ループ部分と、ねじれたベース部分とを有する複数のループを含み、隣接するループ間には中間ラング部分が延び、長尺状管状部材は、収縮姿勢と拡張姿勢の間を移動するように構成されている。複数のループの少なくともいくつかは、先行の編み段のループのねじれたベース部分から吊下されるように構成される。
【0013】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、収縮姿勢における中間ラング部分の長さは、拡張姿勢における中間ラング部分の長さよりも短い。
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、長尺状管状部材は、少なくとも第1の部分及び第2の部分を有し、第2の部分は、拡張姿勢において第1の部分よりも小さな径方向に作用する力を有する。
【0014】
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に、別例では、複数のループの少なくともいくつかは、先行の編み段の中間ラング部分から吊下される。
上記の例のいずれかに代替的に又は追加的に別例では、複数の編み段のいくつかは第1の数のループを有し、複数の編み段のいくつかは第1の数より少ない第2の数のループを有する。
【0015】
いくつかの実施形態についての上記の概要は、本発明の各実施形態又はすべての実装を説明することを意図していない。以下の図面及び詳細な説明は、これらの実施形態をより詳細に例示する。
【0016】
本発明は、添付の図面に関連して以下の様々な実施形態の詳細な説明を考慮することによりさらに完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】例示的なステントを示す側面図。
図2図1の例示的なステントの一部を示す拡大側面図。
図3】長尺状姿勢の図1の例示的なステントを示す部分側面図。
図4】ステントを形成する例示的な方法を示す図。
図5】ステントを送達するための例示的な送達システムを示す側面図。
図6】部分的に展開された姿勢のステントとともに図5の例示的な送達システムを示す側面図。
図7】別の例示的なステントを示す部分側面図。
図8】別の例示的なステントを示す部分側面図。
図9】別の例示的なステントを示す部分側面図。
図10】別の例示的なステントを示す側面図。
図11図10の例示的なステントを示す部分拡大側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、様々な変更形態及び代替形態が可能であるが、それらのうちの特別なものが、例示することを目的として図面に示され且つ詳細に説明されている。しかし、その意図は、本発明の態様を記載された特定の実施形態に限定することではないことを理解されたい。むしろ、その意図は、本発明の範囲内にあるすべての変更物、均等物、及び代替物を網羅することにある。
【0019】
以下の定義された用語については、請求項又は本明細書の別の場所で異なる定義が与えらない限り以下の定義が適用されるものとする。
本明細書では、すべての数値は、明示されているか否かにかかわらず、「約」という用語で修飾されることが想定される。「約」という用語は、一般に、当業者が列挙された値と同等である(つまり、同一の機能又は結果を有する)と見なすであろう数の範囲を指す。多くの例において、「約」という用語は、最も近い有効数字に四捨五入される複数の数を含むものとして示される。
【0020】
終点による数値範囲の列挙には、その範囲内のすべての数値が含まれる(例えば、1~5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が含まれる)。
様々な構成要素、特徴、及び/又は仕様に関するいくつかの適切な寸法範囲及び/又は値が開示されているが、本開示によって誘発された当業者であれば、所望の寸法、範囲、及び/又は値が明示的に開示されたそれらの値から逸脱する場合があることを理解するであろう。
【0021】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するように、単数形「ひとつ(a)」、「ひとつ(an)」、及び「それ(the)」は、内容が明らかに他に指示しない限り、複数の指示対象を含む。明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合には、用語「又は(or)」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、「及び/又は(and/or)」を含むその意味で一般に使用される。
【0022】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれたい。異なる図面の類似する要素には同一の番号が付されている。詳細な説明及び必ずしも縮尺通りではない図面は、例示的な実施形態を示すものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。図に示す例示的な実施形態は、例示としてのみ意図されている。反対に明確に述べられていない限り、任意の例示的な実施形態の選択された特徴を追加の実施形態に組み込むことができる。
【0023】
いくつかの場合には、食道狭窄又は他の医学的症状を有する患者に管腔開存性を送達することができる管腔内インプラント又はステントを提供することが望まれる場合がある。そのようなステントは、時には食道癌に起因する嚥下障害を経験している患者に使用され得る。食道ステントにより、患者は癌治療又は緩和期間中の経口摂取を介して栄養を維持することができる。一部のステントは、食道及び気管気管支の用途ならびに一部の肥満手術治療後の用途で所望される構成である、最小限の短縮化(minimal foreshortening)を備え優れた径方向強度を提供する織成構成又は編成構成を有する。しかしながら、いくつかの編みステントの設計は、特に同軸送達システム(coaxial delivery system)の中に拘束することが困難である場合があるため、再捕捉する方法を提供しないシステムを使用して送達される場合がある。望ましいのは、従来の編成されたステント構成と同様の径方向に作用する力と短縮性を有しつつ同軸送達システムを介して送達することのできる代替的な編成ステントである。本明細書に記載する実施形態は、食道ステントを参照して説明するが、本明細書で説明するステントは、限定ではないが、体組織、体器官、血管内腔、非血管内腔、及びこれらの組み合わせなど、例えば、限定ではないが、冠状又は末梢血管系、気管、気管支、結腸、小腸、胆道、尿路、前立腺、脳、胃の中などの別の部位で使用され、且つ使用するための寸法に形成され得る。
【0024】
図1は、限定ではないが、ステントなどの例示的な管腔内インプラント10の側面図を示す。いくつかの場合には、ステント10は、長尺状管状部材12から形成される。ステント10は、一般的に管状であると説明されているが、ステント10は、所望される任意の断面形状を取り得ると考えられる。ステント10は、第1の端、すなわち近位端14と、第2の端、すなわち遠位端16と、第1の端14と第2の端16との間に配置された中間領域18とを有する。ステント10は、第1の端部14に隣接する第1の開口部から第2の端部16に隣接する第2の開口部まで延びるルーメン20を含み、食物、流体などを通過可能にする。
【0025】
ステント10は、第1の径方向収縮姿勢(明示されていない)から第2の径方向拡張姿勢へと拡張可能である。いくつかの場合には、ステント10は、収縮姿勢と、完全に拡張された姿勢との間の姿勢に展開され得る。ステント10は、狭窄部を横切って延びて、管腔内の狭窄部に径方向外方に圧力を付与して管腔を開き、食物や、流体や、空気などを通過可能にするように構成される。
【0026】
ステント10の近位端14は、複数のループ22を含む。ループ22は、ループの中を貫通して織り込まれた又は1つ以上のループ22の中を通過する、回収テザー、すなわち回収スーチャを受承するように構成される。所望により、回収スーチャを用いて、ステント10を収縮し回収し得る。例えば、回収スーチャは、引きひものように引っ張られてステント10の近位端14を径方向に収縮して体菅腔からのステント10の除去を容易にし得る。
【0027】
ステント10は、それ自体と織り合わされて開口セル25を画定する1本のフィラメント24から製造された編成構成を有する。いくつかの場合には、フィラメント24は、モノフィラメントであるが、別の場合には、フィラメント24は、ともに巻かれ、編組され、又は織成された複数のフィラメントであってもよい。いくつかの場合には、ステント10の内面及び/又は外面は、全体的に、又は部分的に、ポリマー被覆又はコーティングで覆われていてもよい。被覆又はコーティングは、支柱又はフィラメント24によって形成された1つ以上又は複数のセルを横断して延び及び/又は閉塞し得る。被覆又はコーティングは、食物の嵌入及び/又は腫瘍又は組織の内部成長を低減することに役立ち得る。
【0028】
ステント10は、限定ではないが、必要に応じて金属、金属合金、形状記憶合金及び/又はポリマーなどのいくつかの異なる材料で製造されて、体内に正確に配置された時、ステント10を形状に拡張可能にすると考えられる。いくつかの場合には、材料は、ステント10が比較的容易に除去されることを可能にするように選択される。例えば、ステント10は、限定ではないが、ニチノールやエルジロイ(登録商標)などの合金から形成できる。構築のために選択された材料に応じて、ステント10は自己拡張型であり得る(つまり、非拘束時において、自動的に径方向に拡張するように構成されている)。いくつかの実施形態では、繊維を用いてステント10が製造され、繊維は、例えば、白金コアを有するニチノールで作られた外側シェルを有する複合繊維(composite fibers)であり得る。ステント10は、限定ではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ステント10は自己拡張型であるが、別の実施形態では、ステント10は、拡張装置(これに限定されないが、ステント10のルーメン20内に挿入されたバルーンなど)によって拡張されてもよい。本明細書において、「自己拡張型」という用語は、外部付勢力(例えば、限定ではないが、送達カテーテル又はシース)に拘束されていない時、ステントが予めプログラムされた直径に復元する傾向を指す。ステント10は、胃腸液の逆流を防止するために、そのルーメン20内に配置されたエラストマースリットバルブ又はダックビルバルブなどの一方向弁を含んでもよい。
【0029】
いくつかの例では、径方向拡張姿勢において、ステント10は、近位端14に近接する第1の端部領域26と、第2の端部16に近接する第2の端部領域28とを含む。いくつかの実施形態では、第1の端部領域26及び第2の端部領域28は、中間部分18に対して拡大された直径を有する保持要素又は移動防止フレア領域(明示されていない)を含む。移動防止フレア領域は、ステント10の第1の端部14及び第2の端部16に隣接して配置され、食道又は別の体管腔の壁の内部に係合するように構成される。いくつかの実施形態では、保持要素、すなわちフレア領域は、ステント10の円筒形状の中間領域18よりも大きな直径を有し、食道又は別の体管腔内に配置されるとステント10が移動することを防止し得る。中間領域18の断面積から保持要素、すなわちフレア領域への移行は、必要に応じて、緩やかであってもよいし、傾斜していてもよいし、又は急激な段階的様式で生じてもよいと考えられる。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1の移動防止フレア領域は第1の外径を有することができ、第2の移動防止フレア領域は第2の外径を有することができる。いくつかの例では、第1及び第2の外径はほぼ同じであるが、別例では、第1及び第2の外径は異なる。いくつかの実施形態では、ステント10は、移動防止フレア領域を1つのみ含み、又は含まなくてもよい。例えば、第1の端部領域26は、移動防止フレアを含み、第2の端部領域28は、中間領域18と同様の外径を有してもよい。さらに、第2の端部領域28は、移動防止フレアを含み、第1の端部領域26は、中間領域18の外径と同様の外径を有してもよいと考えられる。いくつかの実施形態では、ステント10は、第1の端部14から第2の端部16まで均一な外径を有する。いくつかの実施形態では、中間領域18の外径は、15から25ミリメートルの範囲であってもよい。移動防止フレアの外径は、20から30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント10の外径は、所望される用途に合わせて変更することができると考えられる。
【0031】
ステント10は、限定ではないが、必要に応じて金属、金属合金、形状記憶合金及び/又はポリマーなどのいくつかの異なる材料から作製され、体内に正確に配置された時、ステント10を形状に拡張可能にすると考えられる。いくつかの場合には、材料は、ステント10が比較的容易に除去できるように選択される。例えば、ステント10は、限定ではないが、ニチノールやエルジロイ(登録商標)などの合金から形成することができる。構築のために選択された材料に応じて、ステント10は自己拡張型であるか、又はステント10を拡張するために外力を必要とする場合がある。いくつかの実施形態では、複合フィラメントを用いてステント10を作製することができ、例えば、複合フィラメントは、ニチノールでできた外部シェル又はクラッディング(cladding)と、白金又は他の放射線不透過性材料で形成されたコアとを含んでもよい。ステント10は、限定ではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーから形成されてもよい。いくつかの例では、ステント10のフィラメント又はその一部は、生体吸収性又は生体分解性であるが、別例では、ステント10のフィラメント又はその一部は生体安定性であってもよい。
【0032】
図2は、ステント10の編成構成の拡大側面図を示す。ステント10は、ステント10の外周に周方向に延びる複数の編み段50a、50b、50c、50d(集合的に、50)を含む。ステント10は、所望される任意の数の編み段50を含み得る。例えば、編み段50の数は、所望されるステント10の長さを達成するように選択される。最上部又は最初の編み段50aは、固定されておらず、アクティブである。いくつかの場合には、第1の編み段50aは、複数のループ60a、60b、60c(集合的に、60)を含む。ループ60はそれぞれ、ループ部分62a、62b、62c(集合的に、62)及び重なり合うベース部分64a、64b、64c(集合的に、64)を含むことができる。重なり合うベース部分64a、64b、64cは、フィラメントの第1のセグメントがフィラメントの第2のセグメントと重なり合う又はその上を交差するループ60の一部であると理解され、フィラメントのセグメントは、間に延びるループ部分62a、62b、62Cを形成する。隣接するループ60は、ラング部分66a、66b(集合的に、66)により相互接続される。例えば、第1のラング部分66aは、第1のループ60aのベース部分64aと第2のループ60bの第2のベース部分64bとの間に延びる。次の編み段50bは、第1の編み段50aのループ60から吊下される。例えば、第2の編み段50bはそれぞれ、ループ部分72a、72b、72c(集合的に、72)及びベース部分74a、74b、74c(集合的に、74)を含む複数のループ70a、70b、70c(集合的に、70)を含む。隣接するループ70は、ラング部分76a、76b(集合的に、76)によって相互接続される。ステント10が編まれるとき、ループ部分72は、先行する編み段50aのベース部分64の周りに巻回される。
【0033】
一度に1つの編み段50が形成されると考えられる。例えば、編み段は、連続して形成され、後続の編み段(例えば、編み段50b)は、先行の編み段(例えば、編み段50a)が完全なる回転を形成した後に形成される。明示的には示していないが、第1の編み段50aのループ60は、フィラメント24のループを欠く部分の周りに巻回されてもよい。本明細書で説明するように、第2の編み段50bのループ70は、先行の編み段50aのループ60のベース部分64の周りに巻回される。例えば、フィラメント24は、第1のラング部分76aから延び、先行の編み段50aのベース部分64bの周りに巻回されて、それ自体の上を交差して戻ってベース部分74bを形成し、次のラング部分76bに続くように織成される。ループ部分70は、ラング部分66a、66bの第1の側およびループ部分62bの第2の逆側に配置されてもよいと考えられる。言い換えると、フィラメント24は、それ自体の上を交差して戻って第2の編み段50bのループ70bのベース部分74bを形成する前に、第2のラング部分66bの上、ベース部分64bの後ろ、及び第1のラング部分66aの上を延びるように巻回されてもよい。フィラメント24が、それ自体の上を交差して戻って第2の編み段50bのループ70bのベース部74bを形成する前に、第2のラング部分66bの後ろ、ベース部分64bの上を覆って又はその上、及び第1のラング部分66aの後ろに延びるように巻かれる逆の構成も考えられる。
【0034】
ステント10の編成構造により、セル25及び/又はループ部分62、72は、ステント10が拡張姿勢にある時、第1の外形を有し、ステント10が収縮された送達姿勢にある時、第1の外形とは異なる第2の外形を有するように、ループ部分62、72を伸長することができる。ループ部分62、72を伸長すると、送達の為にステント10の断面の直径を小さくすることができる。伸長するために、ループ60、70は、ラング部分66、76からフィラメント24の長さの一部を用いて延びる。図3は、伸長時姿勢のステント10の一部を示す。図に示すように、ループ60、70が伸長すると、ラング部分66、76はループ部分62、72に引き込まれてループの伸長を可能にし(例えば、長手軸線80に沿った方向に)、中間ラング部分66,76は短縮される。ラング部分66、76は、アクセス可能であり、ねじれ領域64、74によりループ部分62、72に容易に組み込まれ得る。これにより、ステント10はより低い力で拘束されて同軸送達システムに装填することが可能になると考えられる。ステント10のニット構造は、従来のステント用のニット構造と比較して、蠕動運動による疲労によるワイヤの破損の影響を受けにくいと考えられる。本発明のニットパターンのより柔らかな湾曲により、ループ60、70は、生体構造によってステント10に付与される外力により容易に収縮されると考えられる。
【0035】
図4は、マンドレル110の外周面に形成された例示的なステント100の側面図を示す。ステント100は、上記ステント10と形態及び機能が類似している。ステント100は、1本の編成されたストランド又はフィラメント120から形成され得る。一般に、ステント100は、一方向に編むことにより形成される。例えば、図3に示す実施形態では、ストランド120は、矢印160で示すように反時計回り方向に編まれる。しかしながら、ステント100は、必要に応じて、時計回りの方向に編むことにより形成されてもよい。ストランド120は、複数の相互接続されたループを形成するように構成されたマンドレル110の周りにループ経路をたどることができる。
【0036】
ストランド120は、それぞれが複数の相互接続された又はかみ合うループ140a~c、142a~c、144a~c、146a~c、148d~eを有する複数の編み段130、132、134、136、138の中に操作される(例えば、編まれる)。ステント100は、所望の長さを有するステント100を形成するのに必要とされる数の編み段を含むことができる。上記のように、ループは緩く編まれて編み段136の1つの3つのループ146d、146c、146bを相互接続するラング部分152a及び152bなどの相互接続する中間ラング部分を含む。ステント100が一本のストランド120で形成される場合には、編み段130、132、134、136、138は、異なる別個の編み段ではなく、先行する編み段及び/又は後続の編み段との連続的な接続を形成する。ステント100は、一本のストランド120から形成される必要はなく、ともに編成された複数のストランドを含んでもよい。いくつかの例では、ループは、ステント100の長手軸線に対して平行な方向に、先行編み段のループと概ね整列し、又はそこから吊下される(例えば、ステント100の長さに沿って周方向に整列される)。図に示すように、1つの編み段136のループ146bは、その上の編み段134のループ144bから吊下される。したがって、これは必須ではないが、ループは軸線方向に延びるカラム又はうね150a~eを形成し得る。
【0037】
ステント100を形成するために、ストランド120の端部領域154は、矢印156で示すように、先行編み段136の中間のラング部分152bの上を通過する。次に、ストランド120の端部領域154は、全体の編みの一般的な方向160と逆方向にループ146cの後ろに巻回される。次に、ストランド120の端部領域154は、それ自体を交差して戻ってループを完成させる前に、ループ146cの裏側(ラング部分152bに対して)でラング部分152aの上に通される。ループが、ラング部分152b、152aの後ろを通されてループ146cの上に通される逆の構成も考えられる。ループ140a~c、142a~c、144a~c、146a~c、148d~eは、一般に、個々のループがそれぞれ、ねじられたねじれ編みステッチの形をとることができる。ループのねじれた性質により、ステント100の外面に隆起を形成し得ると考えられる。これらの隆起は、ステント100を体菅腔内に固定するのに役立ち得る。
【0038】
図5は、本明細書に記載のステント10、100などのステントを標的領域に送達するための例示的な送達システム170の側面図である。送達システム170は、外部、すなわち外側の長尺状シャフト、すなわち外側管状部材172と、内側の長尺状シャフト、すなわち内側管状部材174とを含む。内側管状部材174は、外側管状部材172のルーメン内に摺動可能に配置される。外側管状部材172は、遠位端領域176から患者の体外に留まるように構成された近位端領域178まで近位に延びる。第1のハブ、すなわちハンドル180は、外側管状部材172の近位端領域178に連結される。内側管状部材174は、遠位端領域182から患者の体外に留まるように構成された近位端領域184まで近位に延びる。第2のハブ、すなわちハンドル186は、内側管状部材174の近位端領域184に連結される。いくつかの例では、外側管状部材172の遠位端領域176は、非外傷性に構成され得る。
【0039】
外側管状部材172は、遠位端領域176から近位端領域178まで延びるルーメン190を含む。ルーメン190は、第1のハンドル180の中も貫通して延びてもよい。外側シャフト172のルーメン190及び第1のハンドル180は、内側シャフト174を摺動可能に受承するように構成される。内側管状部材174は、遠位端領域182から近位端領域184まで延びるルーメン192を含む。内側管状シャフト174のルーメン192は、第2のハンドル186の中を貫通して延びてもよい。内側シャフト174のルーメン192は、必要に応じてガイドワイヤ194を受承するように構成され得る。
【0040】
ステント10は、その遠位端領域182で、又はそれに隣接して、内側管状部材174の一部の周りに配置される。ステント10が内側管状部材174の上に配置される場合には、収縮された長尺状送達姿勢では、ステント10は、ステント10を囲む外側管状部材172によって、収縮された縮径又は送達姿勢で拘束される。収縮姿勢では、ステント10は、拡張した展開姿勢よりも小さな直径とより長い長さとを有し得る。外側管状部材172の遠位端領域176は、外側管状部材172が送達中にステント10の長さを取り囲んで覆うように配置され得る。外側管状部材172は、ステント10をその縮径状態に保持するのに十分なフープ強度を有し得る。
【0041】
図6は、部分的に展開された姿勢にあるステント10を含む送達システム170の側面図を示す。送達システム170は、必要に応じて、胃腸管(又は別の体管腔)の中を通過して前進させることができる。送達システム170は、ガイドワイヤ194を使用して、又は使用せずに前進させることができる。ステント10が標的部位に隣接して配置されると、ステント10を径方向に収縮された姿勢に維持する拘束力が取り除かれ、ステント10を配備することができる。
【0042】
ステント10は、第2のハンドル186を固定位置に維持しながら、第1のハンドル180を第2のハンドル186に対して近位方向に作動させること、例えば、第1のハンドル180を近位方向226に引っ張ることにより、解放され得る。したがって、外側管状シャフト172は、内側管状シャフト174に対して近位方向に後退させ得る。換言すれば、内側管状シャフト174が静止して保持されている間、外側管状シャフト172を近位方向に後退させることができる。図6に示すように、外側管状シャフト172が近位方向196に後退されてステント10を露出すると、付勢する力がステント10の外部から取り除かれて、ステント10は径方向に拡張された付勢されていない配備姿勢をとる。図1に示すように、外側管状部材172がステント10の近位端14をもはや覆わなくなると、ステント10は、完全に配備された姿勢をとることができる。その後、送達システム170は体管腔から除去される。
【0043】
図7は、代替的なニット構成を有する別の代替的なステント200の側面図を示す。ステントは、1つ以上の編み段210、212を含む第1の部分202を含み、編み段212のループ208bは、上記ステント10、100と同様の方法で、先行する編み段210のすべてのループ208aから吊下される。ステント200は、1つ以上の編み段214、216、218、220を有する第2又は中間部分204をさらに含み、ここでは、1つおきにのみループ224が形成される。中間部分204では、ループ224の一部又はすべては、中間ラング部分225から吊下される。いくつかの例では、ステントは、第1の部分202と同数のループ228を含む1つ以上の編み段222、223を含む第3の部分206をさらに含むことができる。第1の編み段210が奇数個のループを含むとき、中間部分204は、破線226で示すように形成された螺旋パターンをもたらし得ると考えられる。らせん部分204は、第1の部分202及び/又は第3の部分206よりも小さな径方向力を有し得る。らせん部分204は、必ずしも第1の部分202と第3の部分206との間に配置される必要はないと考えられる。例えば、ステント200は、第1の部分202又は第3の部分206の一方のみを含んでもよい。
【0044】
図8は、代替的なニット構成を有する別の代替的なステント250の側面図を示す。ステントは、1つ以上の編み段258、260、262を含む第1の部分252を含み、編み段260のループ276は、上記ステント10、100と同様の方法で、先行する編み段258のすべてのループ274から吊るされる。ステント250はさらに、1つ以上の編み段264、266、268、270を有する第2部分、すなわち中間部分254を含み、ここで、1つおきにのみループ280が形成され、1つおきにループ278が落とされる。言い換えれば、第2の部分254の編み段264、266、268、270は、第1の部分252の編み段258、260、262よりも少ないループ280を有する。いくつかの例では、ステント250は、第1の部分252と同数のループ282を含む1つ以上の編み段271、272、273を含む第3の部分256をさらに含んでもよい。中間部分254は、(第1及び/又は第3の部分252、256と比較して)少ない数のループ280を有し、これにより、径方向に作用する力が軽減された領域をもたらし得ると考えられる。これは、他の利点の中でも特に、ステント250をより鋭い曲がりのある生体構造の部位に配置したり、又はドレナージの必要性のためにより広い開口部を提供するために有益であり得る。第3の部分256に示すように、必要に応じて、落下されたループ278を再び取り上げることができる。いくつかの場合には、ステント250は、径方向の力が低減された部分でステント250を終わらせることが望ましい場合には、第2の部分254で終了することができる。例えば、組織の悪化を低減するためにより柔らかいステント端が必要とされる場合、ステント250は、第2の部分254で終わらせることができる。
【0045】
図9は、代替的なニット構成を有する別の代替的なステント300の側面図を示す。ステント300は、第1のニットパターンを有する第1の部分302と、第1のニットパターンとは異なる第2のニットパターンを有する第2の部分304とを含む。いくつかの実施形態では、第1の部分302は、メリヤス編みを有する1つ以上の編み段306、308、310から形成され、第2の部分304は、図2~4に関連して説明したようにねじれ編みステッチを有する1つ以上の編み段312、314から形成される。2つ以上のニットパターンのハイブリッドを組み込むことにより、ステント300の長さに沿って可変の柔軟性を付与し得ると考えられる。これにより、ステント300が周囲の生体構造に多少従うことが可能になり得る。ステント300は、所望される異なるニットパターンを有する任意の数の領域を含むことができると考えられる。例えば、ステント300は、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の異なるニットパターンを含み得る。ニットパターンは、所望される任意の構成で配置され得る。これには、同一の編成パターンを有して別の編成パターンを有する編み段の別のブロックと交互になっている編み段のブロック、別の編成パターンを有する編み段と交互になっている編み段のブロックなどが含まれる。
【0046】
図10は、限定ではないが、ステントなどの別の例示的な管腔内インプラント400の側面図を示す。いくつかの例では、ステント400は、長尺状管状部材402から形成される。ステント400は、概して管状であると説明されているが、ステント400は、所望の任意の断面形状を取り得ると考えられる。ステント400は、第1の端、すなわち近位端404、第2の端、すなわち遠位端406、及び第1の端404と第2の端406との間に配置された中間領域408を有する。ステント400は、第1の端404に隣接する第1の開口部から第2の端406に隣接する第2の開口部まで延びるルーメン410を含み、食物、流体などを通過可能にする。
【0047】
ステント400は、第1の径方向収縮姿勢(明示的には示されていない)から、第2の径方向拡張姿勢構成へと拡張可能である。いくつかの場合は、ステント400は、収縮姿勢と完全に拡張された姿勢との間の姿勢に展開され得る。ステント400は、狭窄部を横切って延び、管腔内の狭窄部に径方向外方に圧力を付与して管腔を開いて、食品、流体、空気などを通過可能に構成される。
【0048】
ステント400の近位端404は、複数のループ412を含む。ループ412は、その内部を貫通して織り合わされた又は1つ以上のループ412を通過する回収テザー又はスーチャを受承するように構成される。所望される場合には、回収スーチャを用いて、ステント400を収縮して回収することができる。例えば、回収スーチャは、引きひものように引っ張られて、ステント400の近位端404を径方向に収縮させて、体管腔からのステント400の除去を容易にし得る。いくつかの実施形態では、ループ412は、必要に応じて、カテドラル(cathedral)又は非外傷性スタイルのループ端の形をとることができる。
【0049】
ステント400は、複数のらせん状フィラメント416、418と織り合わされて複数のオープンセル22を形成する複数の長手方向フィラメント414(ステント400の長手方向軸420に概して平行方向に延びる)から製造された編組された、すなわち織成された構造を有することができる。長手方向フィラメント414は「縦糸」フィラメントと見なすことができ、らせん状フィラメント416、418は「横糸」フィラメントと見なすことができる。長手方向フィラメント414は、らせん416、418フィラメントと織り合わされるため、長手方向フィラメント414は、ステント400の長さに沿って波状であるか、又は正弦波形状を有し得る。本明細書でより詳細に説明するように、らせん状フィラメント416、418は、異なる対角線方向で長手方向フィラメント414の周りにループされるように構成される。言い換えると、第1のらせん状フィラメント416は、第1のらせん(又は回転)方向に延びて、第2のらせん状フィラメント418は、第1のらせん(又は回転)方向とは反対の第2のらせん(又は回転)方向に延びる。いくつかの場合には、フィラメント414、416、418はモノフィラメントであるが、別の場合には、フィラメント414、416、418は、ともに巻かれ、編まれ、又は織られた複数のフィラメントであってもよい。いくつかの場合には、ステント400の内面及び/又は外面は、完全に、実質的に又は部分的に、ポリマーの被覆又はコーティングで覆われていてもよい。被覆又はコーティングは、支柱又はフィラメント414,416,418によって画定された1つ以上、又は複数のセル422を横切って延び及び/又は閉塞し得る。被覆又はコーティングは、食物の嵌入(food impaction)及び/又は腫瘍又は組織の内部成長を低減することに役立ち得る。
【0050】
ステント400は、限定ではないが、必要に応じて、金属、金属合金、形状記憶合金及び/又はポリマーなどのいくつかの異なる材料から作製でき、体内に正確に配置された時、ステント400を形状に拡張可能にすることができると考えられる。いくつかの場合には、材料は、ステント400を比較的容易に除去可能にするべく選択される。例えば、ステント400は、限定ではないが、ニチノール及びエルジロイ(登録商標)などの合金から形成することができる。構築のために選択された材料に応じて、ステント400は、自己拡張型であり得る(例えば、拘束されていないときに自動的に径方向に拡張するように構成されている)。いくつかの実施形態では、ステント400を形成する為に繊維が使用され、繊維は、例えば、プラチナコアを有するニチノールで作製された外側シェルを有する複合繊維であり得る。ステント400は、限定ではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含むポリマーから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ステント400は自己拡張型であるが、別の実施形態では、ステント400は、拡張装置(限定ではないが、ステント400のルーメン410内に挿入されたバルーンなど)によって拡張されてもよい。本明細書で使用する場合には、「自己拡張型」という用語は、外部付勢力(例えば、限定ではないが、送達カテーテル又はシース)から拘束されていない時、ステントが予めにプログラムされた直径に復帰する傾向を指す。ステント400は、図5、6に関して上記で説明したものと同様の装置を使用して、体内の標的部位に送達することができる。ステント400は、胃腸液の逆流を防止するために、そのルーメン410内に配置された、エラストマースリットバルブ又はダックビルバルブなどの一方向弁を含んでもよい。
【0051】
いくつかの例では、径方向拡張姿勢において、ステント400は、近位端404に近接する第1の端部領域424と、第2の端部406に近接する第2の端部領域426とを含む。いくつかの実施形態では、第1の端部領域424及び第2の端部領域426は、中間部分408に対して拡大された直径を有する保持要素、すなわち移動防止フレア領域(明示的には示さず)を含む。ステント400の第1の端部404及び第2の端部406に隣接して配置される移動防止フレア領域は、食道又は別の体管腔の壁の内部に係合するように構成される。いくつかの実施形態では、保持要素、すなわちフレア領域は、ステント400の円筒形中間領域408よりも大きな直径を有して、ステント400が食道又は別の体管腔内に配置されると移動しないようにすることができる。中間領域408の断面積から保持要素、すなわちフレア領域への移行は、必要に応じて、緩やかであるか、傾斜しているか、又は急激な段階的様式で起こり得ると考えられる。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の移動防止フレア領域は第1の外径を有し、第2の移動防止フレア領域は第2の外径を有する。いくつかの例では、第1及び第2の外径はほぼ同じであるが、別例では、第1及び第2の外径は異なる。いくつかの実施形態では、ステント400は、移動防止フレア領域を1つのみを含むか、又は含まなくてもよい。例えば、第1の端部領域424は、移動防止フレアを含み、第2の端部領域426は、中間領域408と同様の外径を有する。第2の端部領域426は、移動防止フレアを含み、第1の端部領域424は中間領域408の外径と同様の外径を有することもさらに考えられる。いくつかの実施形態では、ステント400は、第1の端部404から第2の端部406まで均一な外径を有することができる。いくつかの実施形態では、中間領域408の外径は、15から25ミリメートルの範囲である。移動防止フレアの外径は、20から30ミリメートルの範囲であり得る。ステント400の外径は、所望の用途に適合するように変更することができると考えられる。
【0053】
ステント400は、限定ではないが、必要に応じて、金属、金属合金、形状記憶合金及び/又はポリマーなどいくつかの異なる材料から作製でき、体内に正確に配置された時、ステント400を形状に拡張できることが考えられる。いくつかの例では、材料は、ステント400を比較的容易に除去できるように選択可能である。例えば、ステント400は、限定ではないが、ニチノール及びエルジロイ(登録商標)などの合金から形成できる。構築のために選択された材料に応じて、ステント400は、自己拡張型、又はステント400を拡張するために外力を必要とする場合がある。いくつかの実施形態では、複合フィラメントを使用してステント400を作製することができ、これは、例えば、ニチノールで作製された外殻又はクラッド及び白金又は他の放射線不透過性材料で形成されたコアを含むことができる。ステント400は、限定ではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含むポリマーから形成されてもよい。いくつかの例では、ステント400のフィラメント又はその一部は、生体吸収性又は生体分解性であるが、別例では、ステント400のフィラメント又はその一部は、生体安定性であってもよい。
【0054】
図11は、例示的なステント400の一部の平面図を示す。上記のように、ステント400は、複数の長尺状ストランド414、416、418から形成される。ストランドは、ワイヤ414,416,418であり、幾何学的セル422のパターンを形成するように織られる。セル422のそれぞれの辺430a、430b、430c、430d、430e、430f(まとめて430)は、一連のストランドの長さによって画定される。辺430はそれぞれ、複数のストランド414、416、418が互いにらせん状に巻回されてインターロッキングジョイント432a、432b、432c、432d(集合的に432)を形成する交差部で隣接する辺に接続される。例えば、第1のインターロッキングジョイント432aは、第1の長手方向ストランド414aでらせん状に巻かれたらせん状ストランド416を含み、第2のジョイント432bは、別のらせん状ストランド418でらせん状に巻かれた第2又は異なる長手方向ストランド414bを含む。ジョイント432a、432bを形成するらせん状ストランド416、418は、ステント400の外周面で反対の回転方向に延びると考えられる。いくつかの例では、らせん状ストランド416、418は、別個の異なるワイヤであってもよいが、これは必須ではない。第3のインターロックジョイント432cは、らせん状ストランド416でらせん状に巻かれた第2の長手方向ストランド414bを含む。いくつかの実施形態では、第1のインターロッキングジョイント432a及び第3のインターロッキングジョイント432cを形成するらせん状ストランド416は、ステント400の外周面に完全ならせん回転を形成した同一のフィラメントであってもよいが、これは必須ではない。第4のインターロックジョイント432dは、らせん状ストランド418でらせん状に巻かれた第1の長手方向ストランド414aを含む。いくつかの実施形態では、第2のインターロッキングジョイント432b及び第4のインターロッキングジョイント432cを形成するらせん状ストランド418は、ステント400の外周面で完全ならせん回転を形成した同一のフィラメントであってもよいが、これは必須ではない。長手方向ストランド414及びらせん状ストランド416、418は、インターロッキングジョイント432で相互作用し、インターロッキングジョイント432は、ステント400の長手軸線又は平面に対して約30度から約60度、40度から約50度、又は約45度の範囲の角度を有する。言い換えると、らせん状ストランド416、418がらせん状に巻回されると、インターロッキングジョイント432は、ステント400の長手軸線又は平面に対して非平行又は非直交の角度を有することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、セル422は、略六角形の形状を有することができる。しかしながら、セル422の形状は、セル422を形成するインターロッキングジョイント432の数に基づいて変化し得る。例えば、各セル422は、4つのインターロッキングジョイント432を含まなくてもよい。セル422は、必要に応じて、4つ未満又は4つを超えるインターロッキングジョイント432を含んでもよいと考えられる。さらに、いくつかのインターロッキングジョイント432が隣接するセル422と共有されてもよいと考えられる。例えば、ステント400によって付与される径方向の力を低減するために、いくつかのインターロッキングジョイント432を排除することができる。いくつかの実施形態では、各セル422は、ストランド416、418が交差するが、インターロッキングジョイント432のように巻付きを形成するようにねじられていない1つ以上の交差部434を含むことができる。
【0056】
セル422の寸法は、らせん状ストランド416、418の数に基づいて制御され得る。例えば、らせん状ストランド416、418の数が多いほど、セル422は小さくなる。言い換えると、12本のらせん状ストランド416、418を有するステントは、6本のらせん状ストランド416、418を有するステントよりも小さなセル422を有する。いくつかの場合には、長手方向ストランド414及びらせん状ストランド416、418の両方を増加させて、セル422の寸法を小さくすることができる。長手方向ストランド414は、ステント400の外周面に等間隔に配置される。これにより、同様の寸法を有するセル422をもたらし得る。別の実施形態では、長手方向ストランド414は、ステント400の外周面に均一でない間隔又は偏心間隔で配置されてもよい。これにより、異なる寸法のセル422を有するステント400をもたらし得る。
【0057】
ステント、送達システム、及びその様々な構成要素は、金属、金属合金、ポリマー(そのいくつかの例は以下で開示する)、金属-ポリマー複合材、セラミック、それらの組み合わせなど、又はその他の適した材料から作製され得る。適切な金属及び金属合金の例には、304V、304L、及び316LVステンレス鋼などのステンレス鋼、軟鋼、線形弾性及び/又は超弾性ニチノールなどのニッケルチタン合金、その他のニッケル合金であって、例えばニッケルクロムモリブデン合金、ニッケル銅合金、ニッケルコバルトクロムモリブデン合金、ニッケルモリブデン合金、その他のニッケルクロム合金、その他のニッケルモリブデン合金、その他のニッケルコバルト合金、その他ニッケル鉄合金、その他のニッケル銅合金、その他のニッケルタングステン又はタングステン合金などのその他のニッケル合金、コバルトクロム合金、コバルトクロムモリブデン合金、白金強化ステンレス鋼、チタン、それらの組み合わせなど、又は他の適した材料が含まれ得る。
【0058】
ステント又は送達システムに適したポリマーの例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、デュポン社(Dupont)から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(たとえば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plastics社から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステルベースのコポリマー(たとえば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタル酸エステル及び/又は他のポリエステルエラストマー、例えばデュポン社から入手できるHYTREL(登録商標))、ポリアミド(例えば、バイエル社(Bayer)から入手可能なDURETHAN(登録商標)又はElf Atochem社から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(例えば、PEBAX(登録商標)で入手可能なPEBA)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(REXELL(登録商標)など)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(たとえば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(たとえば、SIBS及び/又はSIBS50A)、ポリカーボネート、アイオノマー、生体適合性ポリマー、その他の適切な材料、又は混合物、組み合わせ、それらのコポリマー、ポリマー/金属複合体などが含まれ得る。
【0059】
少なくともいくつかの実施形態では、ステント又は送達システムの一部又はすべては、放射線不透過性材料でドープされ、放射線不透過性材料から作られ、又は放射線不透過性材料を含有することができる。放射線不透過性材料は、一般に、X線からガンマ線に及ぶ波長範囲(厚さが0.005インチ(0.127ミリメートル未満))のRFエネルギーに対して不透明な材料であると理解される。これらの材料は、組織などの非放射線不透過性材料が生成する明るい画像と比較して、蛍光透視スクリーン上に比較的暗い画像を生成することができる。この比較的明るい画像は、ステント又は送達システムのユーザーがその場所を特定するのに役立つ。放射線不透過性材料の例には、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填剤が充填されたポリマー材料などが含まれ得るが、これらに限定されない。さらに、他の放射線不透過性マーカーバンド及び/又はコイルも、同じ結果を達成するために、ステント又は送達システムの設計に組み込むことができる。
【0060】
本開示は、多くの点で単なる例示であることを理解されたい。本発明の範囲を超えることなく、詳細において、特に形状、寸法、及び工程の構成に関して変更を行うことができる。これは、適切な範囲で、1つの例示的な実施形態の要素の任意の使用が別の実施形態で使用されることを含む。本発明の範囲は、言うまでもないが、添付の請求項で表現される文言で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成されたフィラメントからなる長尺状管状部材であって、収縮姿勢と拡張姿勢との間で移動するように構成されている長尺状管状部材を備え
前記長尺状管状部材は、第1のニットパターンを有する第1の部分と、前記第1のニットパターンとは異なる第2のニットパターンを有する第2の部分とを含み、
前記第2の部分は、隣接するねじれ編みステッチの間に中間ラング部分が延びる、複数のねじれ編みステッチを有する前記編成されたフィラメントの1つ以上の編み段から形成されており、
前記複数のねじ編みステッチは、前記収縮姿勢において、第1の外形を有するとともに、前記拡張姿勢において、前記第1の外形とは異なる第2の外形を有している、ステント。
【請求項2】
前記第2の部分は、前記拡張姿勢において、前記第1の部分よりも小さい径方向に作用する力を有している、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記収縮姿勢における前記中間ラング部分の長さは、前記拡張姿勢における前記中間ラング部分の長さよりも短い、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記複数のねじれ編みステッチの少なくともいくつかは、先行する編み段のねじれ編みステッチから吊り下げられている、請求項1に記載のステント。
【請求項5】
前記複数のねじれ編みステッチはそれぞれ、ループ部分と、重なり合うベース領域と、を含む、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記第1の部分は、メリヤス編みステッチパターンを有する前記編成されたフィラメントの1つ以上の編み段から形成されている、請求項1に記載のステント。
【請求項7】
前記長尺状管状部材は、それ自体と織り合わされた単一のフィラメントから形成されている、請求項1に記載のステント。
【請求項8】
編成されたフィラメントからなる長尺状管状部材であって、前記編成されたフィラメントは、隣接するねじれ編みステッチの間に中間ラング部分が延びる、複数のねじれ編みステッチを有しており、前記長尺状管状部材は、収縮姿勢と拡張姿勢との間で移動するように構成されている、長尺状管状部材を備え、
前記複数のねじれ編みステッチは、前記収縮姿勢において、第1の外形を有するとともに、前記拡張姿勢において、前記第1の外形とは異なる第2の外形を有しており、
前記長尺状管状部材は、複数の編み段を有しており、前記複数の編み段のいくつかは、第1の数のねじれ編みステッチを有しており、前記複数の編み段のいくつかは、前記第1の数のねじれ編みステッチよりも少ない第2の数のねじれ編みステッチを有している、ステント。
【請求項9】
前記収縮姿勢における前記中間ラング部分の長さは、前記拡張姿勢における前記中間ラング部分の長さよりも短い、請求項8に記載のステント。
【請求項10】
前記複数のねじれ編みステッチはそれぞれ、ループ部分と、重なり合うベース領域と、を含む、請求項8に記載のステント。
【請求項11】
前記複数のねじれ編みステッチの少なくともいくつかは、先行する編み段のねじれ編みステッチから吊り下げられている、請求項8に記載のステント。
【請求項12】
前記複数のねじれ編みステッチの少なくともいくつかは、先行する編み段の中間ラング部分から吊り下げられている、請求項8に記載のステント。
【請求項13】
前記長尺状管状部材は、少なくとも第1の部分及び第2の部分を有しており、前記第2の部分は、前記拡張姿勢において、前記第1の部分よりも小さい径方向に作用する力を有している、請求項8に記載のステント。
【請求項14】
前記長尺状管状部材は、それ自体と織り合わされた単一のフィラメントから形成されて、複数のループ及び中間ラング部分を形成している、請求項8に記載のステント。