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2023-1189冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001189
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/04 20060101AFI20221222BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
C09K5/04 F
F25B1/00 396Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171557
(22)【出願日】2022-10-26
(62)【分割の表示】P 2021165762の分割
【原出願日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】P 2020169950
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 結香
(72)【発明者】
【氏名】大久保 瞬
(72)【発明者】
【氏名】後藤 智行
(57)【要約】
【課題】HFO-1132を含む冷媒における不均化を抑制する。
【解決手段】冷媒を含む組成物であって、前記冷媒が、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペン(R1234yf)及びプロパンを含む、組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を含む組成物であって、
前記冷媒が、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、2,3,3,3
-テトラフルオロ-1-プロペン(R1234yf)及びプロパンを含む、
組成物。
【請求項2】
前記冷媒において、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとするとき、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンの総和が100質
量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)及び
点D(0.0, 0.0, 100.0)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CD及びDAで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB上にある(ただし、点A及び点Bは除く)、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E1(0.0, 45.5, 54.5)及び
点F1(52.4, 0.0, 47.6)
の5点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE1、E1F1及びF1Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及びE1F1上にある(ただし、点A、点B、点E1及び点F1は除く)、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E2(0.0, 59.4, 40.6)及び
点F2(68.5, 0.0, 31.5)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE2、E2F2及びF2Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線E2F2及びF2B上にある(ただし、点B、点E2及び点F2は除く)、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E3(0.0, 73.4, 26.6)及び
点F3(84.6, 0.0. 15.4)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE3、E3F3及びF3Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線E3F3及びF3B上にある(ただし、点B、点E3及び点F3は除く)、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C1(32.7, 67.3, 0.0)及び
点D1(15.4, 0.0, 84.6)、
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC1及びD1A並びに線分C1D1で囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及び線分C1D1上にあり(ただし、点A、点B、点C1及び点D1は除く)、線分C1D1は、
座標(0.0095y2+0.615y+15.4, y, -0.0095y2-0.615y+84.6)で表わされる、
請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C2(41.7, 58.3, 0.0)及び
点D2(37.0, 0.0, 63.0)、
の4点をそれぞれ結ぶ線分AB、BC2、C2D2及びD2Aで囲まれる図形の範囲内又は前記線分AB及びC2D2上にあり(ただし、点A、点B、点C2及び点D2は除く)、
線分C2D2は、
座標(0.0059y2+0.7359y+37, y, -0.0059y2-0.7359y+63)で表わされ、
線分AB、BC2、及びD2Aはいずれも直線である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C3(50.8, 49.2, 0.0)及び
点D3(53.0, 0.0, 47.0)、
の4点をそれぞれ結ぶ線分AB、BC3、C3D3及びD3Aで囲まれる図形の範囲内又は前記線分AB及びC3D3上にあり(ただし、点A、点B、点C3及び点D3は除く)、
線分C3D3は、
座標(0.0039y2+0.763y+53, y, -0.0039y2-0.763y+47)で表わされ、
線分AB、BC3、及びD3Aはいずれも直線である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
zが1以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
さらに、冷凍機油を含有し、冷凍機用作動流体として用いられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
R410Aの代替冷媒として用いられる、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物の、R410Aの代替冷媒としての使用。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍機。
【請求項14】
冷凍機の運転方法であって、
請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として冷凍機において循環させる工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132)を含む作動媒体が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/157765号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示はHFO-1132を含む冷媒における不均化を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
項1.
冷媒を含む組成物であって、
前記冷媒が、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、2,3,3,3
-テトラフルオロ-1-プロペン(R1234yf)及びプロパンを含む、
組成物。
項2.
前記冷媒において、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y及びzとするとき、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンの総和が100質
量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)及び
点D(0.0, 0.0, 100.0)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CD及びDAで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB上にある(ただし、点A及び点Bは除く)、項1に記載の組成物。
項3.
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E1(0.0, 45.5, 54.5)及び
点F1(52.4, 0.0, 47.6)
の5点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE1、E1F1及びF1Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及びE1F1上にある(ただし、点A、点B、点E1及び点F1は除く)、項1に記載の組成物。
項4.
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E2(0.0, 59.4, 40.6)及び
点F2(68.5, 0.0, 31.5)
の5点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE2、E2F2及びF2Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及びE2F2上にある(ただし、点A、点B、点E2及び点F2は除く)、項1に記載の組成物。
項5.
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E3(0.0, 73.4, 26.6)及び
点F3(84.6, 0.0. 15.4)
の5点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE3、E3F3及びF3Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及びE3F3上にある(ただし、点A、点B、点E3及び点F3は除く)、項1に記載の組成物。
項6.
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C1(32.7, 67.3, 0.0)及び
点D1(15.4, 0.0, 84.6)、
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC1及びD1A並びに線分C1D1で囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及び線分C1D1上にあり(ただし、点A、点B、点C1及び点D1は除く)、線分C1D1は、
座標(0.0095y2+0.615y+15.4, y, -0.0095y2-0.615y+84.6)で表わされる、
項1に記載の組成物。
項7.
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C2(41.7, 58.3, 0.0)及び
点D2(37.0, 0.0, 63.0)、
の4点をそれぞれ結ぶ線分AB、BC2、C2D2及びD2Aで囲まれる図形の範囲内又は前記線分AB及びC2D2上にあり(ただし、点A、点B、点C2及び点D2は除く)、
線分C2D2は、
座標(0.0059y2+0.7359y+37, y, -0.0059y2-0.7359y+63)で表わされ、
線分AB、BC2、及びD2Aはいずれも直線である、項1に記載の組成物。
項8.
前記冷媒において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C3(50.8, 49.2, 0.0)及び
点D3(53.0, 0.0, 47.0)、
の4点をそれぞれ結ぶ線分AB、BC3、C3D3及びD3Aで囲まれる図形の範囲内又は前記線分AB及びC3D3上にあり(ただし、点A、点B、点C3及び点D3は除く)、
線分C3D3は、
座標(0.0039y2+0.763y+53, y, -0.0039y2-0.763y+47)で表わされ、
線分AB、BC3、及びD3Aはいずれも直線である、項1に記載の組成物。
項9.
zが1以上である、項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
項10.
さらに、冷凍機油を含有し、冷凍機用作動流体として用いられる、項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
項11.
R410Aの代替冷媒として用いられる、項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
項12.
項1~10のいずれか一項に記載の組成物の、R410Aの代替冷媒としての使用。
項13.
項1~10のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍機。
項14.
冷凍機の運転方法であって、
項1~10のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として冷凍機において循環させる工程を含む、方法。
【発明の効果】
【0006】
本開示のHFO-1132を含む冷媒においては、HFO-1132の不均化が抑制されている。
【発明を実施するための形態】
【0007】
HFO-1132は不飽和結合を有するため化学的に不安定であり不均化のリスクがある可能性がある。本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、HFO-1132(E)
、R1234yf及びプロパンを特定の混合割合で含む混合冷媒が、上記特性を有することを見
出した。
【0008】
本開示は、かかる知見に基づきさらに研究を重ねた結果完成されたものである。本開示は、以下の実施形態を含む。
<用語の定義>
本明細書において用語「冷媒」には、ISO817(国際標準化機構)で定められた、冷媒の種類を表すRで始まる冷媒番号(ASHRAE番号)が付された化合物が少なくとも含まれ、さ
らに冷媒番号が未だ付されていないとしても、それらと同等の冷媒としての特性を有するものが含まれる。冷媒は、化合物の構造の面で、「フルオロカーボン系化合物」と「非フルオロカーボン系化合物」とに大別される。「フルオロカーボン系化合物」には、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及びハイドロフル
オロカーボン(HFC)が含まれる。
【0009】
本明細書において、用語「冷媒を含む組成物」には、(1)冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と、(2)その他の成分をさらに含み、少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることのできる組成物と、(3)冷凍機油を含有する冷凍機用作動流体とが少なくとも含まれる。本明細書においては、これら三態様のうち、(2)の組成物のことを、冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と区別して「冷媒組成物」と表記する。また、(3)の冷凍機用作動流体のことを「冷媒組成物」と区別して「冷凍機油含有作動流体」と表記する。
【0010】
本明細書において、用語「代替」は、第一の冷媒を第二の冷媒で「代替」するという文脈で用いられる場合、第一の類型として、第一の冷媒を使用して運転するために設計された機器において、必要に応じてわずかな部品(冷凍機油、ガスケット、パッキン、膨張弁、ドライヤその他の部品のうち少なくとも一種)の変更及び機器調整のみを経るだけで、第二の冷媒を使用して、最適条件下で運転することができることを意味する。すなわち、この類型は、同一の機器を、冷媒を「代替」して運転することを指す。この類型の「代替」の態様としては、第二の冷媒への置き換えの際に必要とされる変更乃至調整の度合いが
小さい順に、「ドロップイン(drop in)代替」、「ニアリー・ドロップイン(nealy drop in)代替」及び「レトロフィット(retrofit)」があり得る。
【0011】
第二の類型として、第二の冷媒を用いて運転するために設計された機器を、第一の冷媒の既存用途と同一の用途のために、第二の冷媒を搭載して用いることも、用語「代替」に含まれる。この類型は、同一の用途を、冷媒を「代替」して提供することを指す。
【0012】
本明細書において用語「冷凍機(refrigerator)」とは、物あるいは空間の熱を奪い去ることにより、周囲の外気よりも低い温度にし、かつこの低温を維持する装置全般のことをいう。言い換えれば、冷凍機は温度の低い方から高い方へ熱を移動させるために、外部からエネルギーを得て仕事を行いエネルギー変換する変換装置のことをいう。
【0013】
本明細書において冷媒が「微燃性」であるとは、米国ANSI/ASHRAE34-2013規格に従い「2Lクラス」と判断されることを意味する。
【0014】
1.冷媒
1.1 冷媒成分
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンを含む混合冷媒である。
【0015】
本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、HFO-1132(E)の不均化が抑制されて
いる。
HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y
及びzとするとき、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンの総和が100質量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)及び
点D(0.0, 0.0, 100.0)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CD及びDAで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB上にある(ただし、点A及び点Bは除く)。
【0016】
本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、燃焼熱が30kJ/kg以下となる。座標
(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E1(0.0, 45.5, 54.5)及び
点F1(52.4, 0.0, 47.6)
の5点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE1、E1F1及びF1Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及びE1F1上にある(ただし、点A、点B、点E1及び点F1は除く)。
【0017】
本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、燃焼熱が25kJ/kg以下となる。座標
(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E2(0.0, 59.4, 40.6)及び
点F2(68.5, 0.0, 31.5)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE2、E2F2及びF2Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線E2F2及びF2B上にある(ただし、点B、点E2及び点F2は除く)。
【0018】
本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、燃焼熱が20kJ/kg以下となる。座標
(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E3(0.0, 73.4, 26.6)及び
点F3(84.6, 0.0. 15.4)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE3、E3F3及びF3Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線E3F3及びF3B上にある(ただし、点B、点E3及び点F3は除く)。
【0019】
本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、R410Aに対する冷凍能力比が60%以
上となる。
座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C1(32.7, 67.3, 0.0)及び
点D1(15.4, 0.0, 84.6)、
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC1及びD1A並びに線分C1D1で囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及び線分C1D1上にあり(ただし、点A、点B、点C1及び点D1は除く)、線分C1D1は、
座標(0.0095y2+0.615y+15.4, y, -0.0095y2-0.615y+84.6)で表わされ、
線分AB、BC1、及びD1Aはいずれも直線である。
【0020】
本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、R410Aに対する冷凍能力比が65%以
上となる。
座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C2(41.7, 58.3, 0.0)及び
点D2(37.0, 0.0, 63.0)、
の4点をそれぞれ結ぶ線分AB、BC2、C2D2及びD2Aで囲まれる図形の範囲内又は前記線分AB及びC2D2上にあり(ただし、点A、点B、点C2及び点D2は除く)、
線分C2D2は、
座標(0.0059y2+0.7359y+37, y, -0.0059y2-0.7359y+63)で表わされ、
線分AB、BC2、及びD2Aはいずれも直線である。
【0021】
本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、R410Aに対する冷凍能力比が70%以
上となる。
座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C3(50.8, 49.2, 0.0)及び
点D3(53.0, 0.0, 47.0)、
の4点をそれぞれ結ぶ線分AB、BC3、C3D3及びD3Aで囲まれる図形の範囲内又は前記線分AB及びC3D3上にあり(ただし、点A、点B、点C3及び点D3は除く)、
線分C3D3は、
座標(0.0039y2+0.763y+53, y, -0.0039y2-0.763y+47)で表わされ、
線分AB、BC3、及びD3Aはいずれも直線である。
【0022】
本開示の冷媒は、zが1以上であるとき、高沸点の冷凍機油に溶解しやすい。高沸点の冷凍機油としては、例えばR22用の冷凍機油として用いられる鉱物油等が挙げられる。かか
る点においては、zが1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、3以上であることがさらに好ましい。
【0023】
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンのそれぞれを、冷媒全体に対して、99質量%以下含むことが好ましく、95質量%以下含むことがより好ましく、80質量%以下含むことがさらに好ましく、70質量%以下含むことがもっとも好ましい。
【0024】
本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンのそれぞれを、冷媒全体に対して、1質量%以上含むことが好ましく、2質量%以上含むことがより好ましく、3質量%以上
含むことがもっとも好ましい。
【0025】
本開示の冷媒は、上記の特性や効果を損なわない範囲内で、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンに加えて、さらに他の追加的な冷媒を含有していてもよい。この点で、本開示の冷媒が、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンの合計を、冷媒全体に対して99.5質量%以上
含むことが好ましく、99.75質量%以上含むことがより好ましく、99.9質量%以上含むこと
がさらに好ましく、99.99質量%以上含むことがさらにより好ましく、99.999質量%以上含
むことが最も好ましい。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンのみから実質的になるものであってもよく、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンのみからなるものであってもよい。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンのみから実質的になるものである場合、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンに加えて、これらの製造過程で不可避的に混入する不純物を含んでいてもよい。
【0026】
追加的な冷媒としては、特に限定されず、幅広く選択できる。混合冷媒は、追加的な冷媒として、一種を単独で含んでいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。
【0027】
1.2 用途
本開示の冷媒は、冷凍機における作動流体として好ましく使用することができる。
【0028】
本開示の組成物は、R410AおよびR404Aの代替冷媒としての使用に適している。
【0029】
2. 冷媒組成物
本開示の冷媒組成物は、本開示の冷媒を少なくとも含み、本開示の冷媒と同じ用途のために使用することができる。また、本開示の冷媒組成物は、さらに少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることができる。
本開示の冷媒組成物は、本開示の冷媒に加え、さらに少なくとも一種のその他の成分を含有する。本開示の冷媒組成物は、必要に応じて、以下のその他の成分のうち少なくとも一種を含有していてもよい。上述の通り、本開示の冷媒組成物を、冷凍機における作動流体として使用するに際しては、通常、少なくとも冷凍機油と混合して用いられる。したがって、本開示の冷媒組成物は、好ましくは冷凍機油を実質的に含まない。具体的には、本開示の冷媒組成物は、冷媒組成物全体に対する冷凍機油の含有量が好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である。
【0030】
2.1
本開示の冷媒組成物は微量の水を含んでもよい。冷媒組成物における含水割合は、冷媒全体に対して、0.1質量%以下とすることが好ましい。冷媒組成物が微量の水分を含むこ
とにより、冷媒中に含まれ得る不飽和のフルオロカーボン系化合物の分子内二重結合が安定化され、また、不飽和のフルオロカーボン系化合物の酸化も起こりにくくなるため、冷媒組成物の安定性が向上する。
【0031】
2.2 トレーサー
トレーサーは、本開示の冷媒組成物が希釈、汚染、その他何らかの変更があった場合、その変更を追跡できるように検出可能な濃度で本開示の冷媒組成物に添加される。
【0032】
本開示の冷媒組成物は、トレーサーとして、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0033】
トレーサーとしては、特に限定されず、一般に用いられるトレーサーの中から適宜選択することができる。
【0034】
トレーサーとしては、例えば、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン、重水素化炭化水素、重水素化ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒド、ケトン、亜酸化窒素(N2O)等が挙げられる。トレーサーとしては、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロ
ロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン及びフルオロエーテルが特に好ましい。
【0035】
トレーサーとしては、以下の化合物が好ましい。
FC-14(テトラフルオロメタン、CF4
HCC-40(クロロメタン、CH3Cl)
HFC-23(トリフルオロメタン、CHF3
HFC-41(フルオロメタン、CH3Cl)
HFC-125(ペンタフルオロエタン、CF3CHF2
HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン、CF3CH2F)
HFC-134(1,1,2,2-テトラフルオロエタン、CHF2CHF2
HFC-143a(1,1,1-トリフルオロエタン、CF3CH3
HFC-143(1,1,2-トリフルオロエタン、CHF2CH2F)
HFC-152a(1,1-ジフルオロエタン、CHF2CH3
HFC-152(1,2-ジフルオロエタン、CH2FCH2F)
HFC-161(フルオロエタン、CH3CH2F)
HFC-245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン、CF3CH2CHF2
HFC-236fa(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、CF3CH2CF3
HFC-236ea(1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン、CF3CHFCHF2
HFC-227ea(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、CF3CHFCF3)
HCFC-22(クロロジフルオロメタン、CHClF2
HCFC-31(クロロフルオロメタン、CH2ClF)
CFC-1113(クロロトリフルオロエチレン、CF2=CClF)
HFE-125(トリフルオロメチル-ジフルオロメチルエーテル、CF3OCHF2
HFE-134a(トリフルオロメチル-フルオロメチルエーテル、CF3OCH2F)
HFE-143a(トリフルオロメチル-メチルエーテル、CF3OCH3
HFE-227ea(トリフルオロメチル-テトラフルオロエチルエーテル、CF3OCHFCF3
HFE-236fa(トリフルオロメチル-トリフルオロエチルエーテル、CF3OCH2CF3
【0036】
本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、約10重量百万分率(ppm)以上含んでいてもよく、約1000ppm以下含んでいてもよい。本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、好ましくは約30ppm以上含み、より好ましくは約50ppm以上含む。本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、好ましくは約500ppm以下含み、、より好ま
しくは約300ppm以下含む。
【0037】
2.3 紫外線蛍光染料
本開示の冷媒組成物は、紫外線蛍光染料として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0038】
紫外線蛍光染料としては、特に限定されず、一般に用いられる紫外線蛍光染料の中から適宜選択することができる。
【0039】
紫外線蛍光染料としては、例えば、ナフタルイミド、クマリン、アントラセン、フェナントレン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン及びフルオレセイン、並びにこれらの誘導体が挙げられる。紫外線蛍光染料としては、ナフタルイミド及びクマリンのいずれか又は両方が特に好ましい。
【0040】
2.4 安定剤
本開示の冷媒組成物は、安定剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0041】
安定剤としては、特に限定されず、一般に用いられる安定剤の中から適宜選択することができる。
【0042】
安定剤としては、例えば、ニトロ化合物、エーテル類及びアミン類等が挙げられる。
【0043】
ニトロ化合物としては、例えば、ニトロメタン及びニトロエタン等の脂肪族ニトロ化合物、並びにニトロベンゼン及びニトロスチレン等の芳香族ニトロ化合物等が挙げられる。
【0044】
エーテル類としては、例えば、1,4-ジオキサン等が挙げられる。
【0045】
アミン類としては、例えば、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
【0046】
その他にも、ブチルヒドロキシキシレン、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0047】
安定剤の含有割合は、特に限定されず、冷媒全体に対して、通常、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.05質量%以上とすることがより好ましい。安定剤の含有割合は、冷媒全体に対して、通常、5質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましい。
【0048】
2.5 重合禁止剤
本開示の冷媒組成物は、重合禁止剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0049】
重合禁止剤としては、特に限定されず、一般に用いられる重合禁止剤の中から適宜選択することができる。
【0050】
重合禁止剤としては、例えば、4-メトキシ-1-ナフトール、ヒドロキノン、ヒドロキノ
ンメチルエーテル、ジメチル-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0051】
重合禁止剤の含有割合は、特に限定されず、冷媒全体に対して、通常、0.01質量%以上
とすることが好ましく、0.05質量%以上とすることがより好ましい、重合禁止剤の含有割合は、冷媒全体に対して、通常、5質量%以下とすることが好ましく、質量%以下とする
ことがより好ましい。
【0052】
3. 冷凍機油含有作動流体
本開示の冷凍機油含有作動流体は、本開示の冷媒又は冷媒組成物と、冷凍機油とを少なくとも含み、冷凍機における作動流体として用いられる。具体的には、本開示の冷凍機油含有作動流体は、冷凍機の圧縮機において使用される冷凍機油と、冷媒又は冷媒組成物とが互いに混じり合うことにより得られる。冷凍機油含有作動流体には冷凍機油は一般に10質量%以上含まれ、かつ50質量%以下含まれる。
【0053】
3.1 冷凍機油
本開示の組成物は、冷凍機油として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0054】
冷凍機油としては、特に限定されず、一般に用いられる冷凍機油の中から適宜選択することができる。その際には、必要に応じて、前記混合物との相溶性(miscibility)及び
前記混合物の安定性等を向上する作用等の点でより優れている冷凍機油を適宜選択することができる。
【0055】
冷凍機油の基油としては、例えば、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリオールエ
ステル(POE)及びポリビニルエーテル(PVE)からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
【0056】
冷凍機油は、基油に加えて、さらに添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、酸化防止剤、極圧剤、酸捕捉剤、酸素捕捉剤、銅不活性化剤、防錆剤、油性剤及び消泡剤からなる群より選択される少なくとも一種であってもよい。
【0057】
冷凍機油として、40℃における動粘度が5cSt以上であるものが、潤滑の点で好ましい。冷凍機油として、40℃における動粘度が400 cSt以下であるものが、潤滑の点で好ましい
【0058】
本開示の冷凍機油含有作動流体は、必要に応じて、さらに少なくとも一種の添加剤を含んでもよい。添加剤としては例えば以下の相溶化剤等が挙げられる。
【0059】
3.2 相溶化剤
本開示の冷凍機油含有作動流体は、相溶化剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
【0060】
相溶化剤としては、特に限定されず、一般に用いられる相溶化剤の中から適宜選択することができる。
【0061】
相溶化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルおよび1,1,1-トリフルオロアルカン等が挙げられる。相溶化剤としては、ポリオキシアルキレングリコールエーテルが特に好ましい。
【0062】
4.冷凍機の運転方法
本開示の冷凍機の運転方法は、本開示の冷媒を用いて冷凍機を運転する方法である。
【0063】
具体的には、本開示の冷凍機の運転方法は、本開示の冷媒を冷凍機において循環させる工程を含む。
【0064】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【実施例0065】
以下に、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本開示は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0066】
HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンを、これらの総和を基準として、表1及び2にそれぞれ示した質量%で混合した混合冷媒を調製した。
【0067】
これらの各混合冷媒について、R410又はR404Aを基準とするCOP比及び冷凍能力比をそれぞれ求めた。計算条件は以下の通りとした。
蒸発温度:5℃
凝縮温度:45℃
過熱度:1K
過冷却度;5K
Ecomp(圧縮仕事量):0.7kWh
これらの値を、各混合冷媒についてのGWPと合わせて表1及び2に示す。
【0068】
燃焼熱は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf、プロパン、CO2、HF、COF2、H2Oの標準生成エン
タルピーから計算し、標準燃焼エンタルピーとして求めた。
【0069】
本開示について、実施例及び比較例に基づいてより具体的に説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。当業者は本開示の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、及び改変を行うことができる。
【0070】
(不均化反応の実験系)
不均化は、高圧ガス保安法における個別通達においてハロゲンを含むガスを混合したガスにおける燃焼範囲を測定する設備として推奨されているA法に準拠した設備を用い実施
し、評価した。
具体的には、外部より所定の温度に制御された内容積50cm3の球形耐圧容器内に、下
記に示す冷媒成分を、所定圧力まで封入した後、内部に設置された白金線を溶断することにより約30Jのエネルギーを印加した。印加後に発生する耐圧容器内の温度と圧力変化を
測定することにより不均化反応の有無を確認した。点火前と後の圧力差が1MPaG以上、温
度差が10℃以上のものを不均化反応有と判断した。
【0071】
前記実験系において、ガスボンベから耐圧容器内にR1132(E)、プロパンおよびR1234yfを導入した。このときの内部圧力は1.0MPa、内部温度約100℃であった。なお、本開示において、圧力については特に表記が無い場合はゲージ圧とする。
【0072】
上記試験の結果、比較例1~9においては、内部圧力10MPa以上、内部温度約10
0℃以上が確認された。その後、内部圧力及び内部温度が十分に低下してから耐圧容器の内部を確認したところ、相当量の煤の発生が確認された。実施例1~58においては、1MPa未満、温度差が10℃未満であることが確認された。
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
これらの結果から、本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、HFO-1132(E)の
不均化が抑制されることが判る。
HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンの、これらの総和を基準とする質量%をそれぞれx、y
及びzとするとき、HFO-1132(E)、R1234yf及びプロパンの総和が100質量%となる3成分組成図において、座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)及び
点D(0.0, 0.0, 100.0)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CD及びDAで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB上にある(ただし、点A及び点Bは除く)。
【0075】
これらの結果から、本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、燃焼熱が30kJ/kg以下となることが判る。
座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E1(0.0, 45.5, 54.5)及び
点F1(52.4, 0.0, 47.6)
の5点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE1、E1F1及びF1Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及びE1F1上にある(ただし、点A、点B、点E1及び点F1は除く)。
【0076】
これらの結果から、本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、燃焼熱が25kJ/kg以下となることが判る。
座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E2(0.0, 59.4, 40.6)及び
点F2(68.5, 0.0, 31.5)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE2、E2F2及びF2Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線E2F2及びF2B上にある(ただし、点B、点E2及び点F2は除く)。
【0077】
これらの結果から、本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、燃焼熱が20kJ/kg以下となることが判る。
座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C(0.0, 100.0, 0.0)、
点E3(0.0, 73.4, 26.6)及び
点F3(84.6, 0.0. 15.4)
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC、CE3、E3F3及びF3Aで囲まれる図形の範囲内又は前記直線E3F3及びF3B上にある(ただし、点B、点E2及び点F3は除く)。
【0078】
これらの結果から、本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、R410Aに対する
冷凍能力比が60%以上となることが判る。
座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C1(32.7, 67.3, 0.0)及び
点D1(15.4, 0.0, 84.6)、
の4点をそれぞれ結ぶ直線AB、BC1及びD1A並びに線分C1D1で囲まれる図形の範囲内又は前記直線AB及び線分C1D1上にあり(ただし、点A、点B、点C1及び点D1は除く)、線分C1D1は、
座標(0.0095y2+0.615y+15.4, y, -0.0095y2-0.615y+84.6)で表わされ、
線分AB、BC1、及びD1Aはいずれも直線である。
【0079】
これらの結果から、本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、R410Aに対する
冷凍能力比が65%以上となることが判る。
座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C2(41.7, 58.3, 0.0)及び
点D2(37.0, 0.0, 63.0)、
の4点をそれぞれ結ぶ線分AB、BC2、C2D2及びD2Aで囲まれる図形の範囲内又は前記線分AB及びC2D2上にあり(ただし、点A、点B、点C2及び点D2は除く)、
線分C2D2は、
座標(0.0059y2+0.7359y+37, y, -0.0059y2-0.7359y+63)で表わされ、
線分AB、BC2、及びD2Aはいずれも直線である。
【0080】
これらの結果から、本開示の冷媒は、以下の要件を満たすことにより、R410Aに対する
冷凍能力比が70%以上となることが判る。
座標(x,y,z)が、
点A(95.0, 0.0, 5.0)、
点B(60.0, 40.0, 0.0)、
点C3(50.8, 49.2, 0.0)及び
点D3(53.0, 0.0, 47.0)、
の4点をそれぞれ結ぶ線分AB、BC3、C3D3及びD3Aで囲まれる図形の範囲内又は前記線分AB及びC3D3上にあり(ただし、点A、点B、点C3及び点D3は除く)、
線分C3D3は、
座標(0.0039y2+0.763y+53, y, -0.0039y2-0.763y+47)で表わされ、
線分AB、BC3、及びD3Aはいずれも直線である。