(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118928
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20230818BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20230818BHJP
H05B 45/37 20200101ALI20230818BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B45/10
H05B45/37
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111416
(22)【出願日】2023-07-06
(62)【分割の表示】P 2018114547の分割
【原出願日】2018-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
(72)【発明者】
【氏名】粟野 隆一郎
(72)【発明者】
【氏名】稲村 公孝
(72)【発明者】
【氏名】平野 和樹
(72)【発明者】
【氏名】土居 敦
(57)【要約】
【課題】 照明器具の点灯制御に用いられる通信ネットワークをより容易に拡張可能な照明システムを提供すること。
【解決手段】 照明システムは、各々に複数の照明器具が属する複数の通信ネットワークと、前記複数の通信ネットワークと個別に通信可能である複数の個別通信部および制御部を有するサーバと、を備え、前記サーバが有する前記複数の個別通信部の数は、前記複数の通信ネットワークの数に応じて増減可能である、照明システムであって、前記複数の照明器具の操作を行うコントローラのエリア表示部に複数のエリアが表示され、前記エリア表示部において前記複数のエリアのいずれか1つのエリアが選択されると、前記1つのエリアに対応する操作画面が表示され、前記1つのエリアは、前記複数の通信ネットワークのいずれか1つの通信ネットワークに対応する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々に複数の照明器具が属する複数の通信ネットワークと、
前記複数の通信ネットワークと個別に通信可能である複数の個別通信部および制御部を有するサーバと、を備え、
前記サーバが有する前記複数の個別通信部の数は、前記複数の通信ネットワークの数に応じて増減可能である、照明システムであって、
前記複数の照明器具の操作を行うコントローラのエリア表示部に複数のエリアが表示され、
前記エリア表示部において前記複数のエリアのいずれか1つのエリアが選択されると、前記1つのエリアに対応する操作画面が表示され、
前記1つのエリアは、前記複数の通信ネットワークのいずれか1つの通信ネットワークに対応する、照明システム。
【請求項2】
前記複数の個別通信部の増減に応じて、前記エリア表示部に表示される前記複数のエリアの数が増減する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記複数のエリアの数が増加した場合、前記エリア表示部の選択数を増加させる、請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記コントローラが前記サーバに関連付けられたアドレスにアクセスすることにより、前記サーバから前記コントローラに操作画面情報がダウンロードされ、
前記操作画面は、前記操作画面情報によって構築される、請求項1ないし3のいずれかに記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の照明器具を所望の点灯状態に制御可能な照明システムが種々に提案されている。特許文献1には、従来の照明システムの一例が開示されている。当該照明システムは、各々が通信部を有する複数の照明器具と中央処理装置とが、1つの通信ネットワークに属する構成とされている。操作盤等からの操作情報に基づいて、中央処理装置は、通信ネットワークを経由して該当する照明器具の点灯状態を制御する情報を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通信ネットワークの通信規格等に起因して、1つの通信ネットワークに属する通信部の個数には、一般的に上限が存在する。このため、個別に点灯制御可能な照明器具の個数が制限されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、照明器具の点灯制御に用いられる通信ネットワークをより容易に拡張可能な照明システムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される照明システムは、各々に複数の照明器具が属する複数の通信ネットワークと、前記複数の通信ネットワークと個別に通信可能である複数の個別通信部および制御部を有するサーバと、を備え、前記サーバが有する前記複数の個別通信部の数は、前記複数の通信ネットワークの数に応じて増減可能であることを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記個別通信部は、モジュール側コネクタを有する個別通信モジュールとして構成されており、前記サーバは、前記モジュール側コネクタが脱着自在に接続される複数のサーバ側コネクタを有する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記サーバは、記憶部および主通信部をさらに有し、前記主通信部と通信可能である操作側通信部、操作部、表示部および制御部を有するコントローラを備えており、前記サーバの前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記複数の照明器具の照明状態を表す情報である照明状態情報に基づいて、操作画面情報を生成し、前記コントローラの前記制御部は、前記サーバの前記主通信部から前記操作側通信部に受信した前記操作画面情報に基づいて、前記表示部の表示内容を構成する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記通信ネットワークは、前記サーバの前記個別通信部および前記照明器具の前記照明側通信部と通信可能である通信中継器を有しており、前記複数の照明器具の前記照明側通信部は、相互に直接通信可能であることにより無線メッシュネットワークを構築している。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、複数の前記サーバと、前記複数のサーバの前記主通信部と通信可能である主通信部を有するマスターサーバと、を備え、前記コントローラの前記操作側通信部は、前記マスターサーバの前記主通信部と通信する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、照明器具の点灯制御に用いられる通信ネットワークをより容易に拡張することができる。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る照明システムのサーバの一例を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る照明システムのサーバの一例を示す要部分解斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る照明システムのサーバの一例を示す要部斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る照明システムの照明器具を示すシステム構成図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る照明システムのシーケンス図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る照明システムのコントローラの操作処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る照明システムのコントローラの操作画面(全エリア)の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る照明システムの操作画面情報の生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る照明システムのコントローラの操作画面(特定エリア)の一例を示す図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係る照明システムの照明指示情報の一例を示す説明図である。
【
図12】本発明の第1実施形態に係る照明システムの照明状態情報の一例を示す説明図である。
【
図13】本発明の第1実施形態に係る照明システムの変形例を示すシステム構成図である。
【
図14】本発明の第1実施形態に係る照明システムの変形例のシーケンス図である。
【
図15】本発明の第2実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
【
図16】本発明の第2実施形態に係る照明システムのコントローラの操作画面(全エリア)の一例を示す図である。
【
図17】本発明の第2実施形態に係る照明システムのコントローラの操作画面(特定エリア)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA1は、サーバSv、コントローラCtおよび複数の照明器具Lを備えている。照明システムA1は、屋内等における任意の箇所に配置された複数の照明器具Lを複数の通信ネットワークNtを用いて点灯制御するシステムである。
【0016】
<コントローラCt>
コントローラCtは、当該システムの使用者が複数の照明器具Lの点灯状態を所望の状態に変更するための操作を行うためのものである。照明システムA1においては、1つのコントローラCtを備えているが、コントローラCtの個数は特に限定されない。本実施形態においては、コントローラCtは、制御部21、操作部22、電源部23および操作側通信部24を有しており、たとえばタブレット端末やスマートフォンと称される携帯型情報処理端末である。
【0017】
制御部21は、操作部22、電源部23および操作側通信部24の動作等を制御するためのものである。また、制御部21は、操作部22からの操作に基づいて、コマンドCIを生成し、このコマンドCIを操作側通信部24に送信させる制御を行う。
【0018】
操作部22は、使用者が操作入力を行う部位であり、本実施形態においては、いわゆるタッチパネルによって構成されている。このため、操作部22は、表示部を兼ねている。なお、表示部が操作部22とは別体として構成されていてもよい。
【0019】
電源部23は、制御部21、操作部22および操作側通信部24等を駆動させるための電力を供給する。電源部23の具体的な構成は特に限定されず、たとえば充電式バッテリー(二次電池)や乾電池等が例示される。
【0020】
操作側通信部24は、サーバSvと無線通信するためのものである。操作側通信部24が行う無線通信の方式等は特に限定されず、電波を用いた無線通信や赤外線を用いた通信等であってもよい。本実施形態においては、操作側通信部24は、電波を用いた無線通信を行う。操作側通信部24の無線通信の規格等は、特に限定されず、たとえば、IEEE802.11に準拠するWi-FiやIEEE802.15.1に準拠するBluetooth(登録商標)、ISO/IEC14543に準拠するEnOcean(登録商標)、920MHz帯無線通信等が例示される。なお、本実施形態においては、操作側通信部24の無線通信形式は、たとえばWi-Fiが用いられる。操作
側通信部24は、コマンドCIの送信や操作画面情報DIの受信等を行う。
【0021】
<サーバSv>
サーバSvは、コントローラCtになされた操作に基づいて、複数の照明器具Lを点灯制御するものである。本実施形態においては、サーバSvは、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、複数の個別通信部15および主通信部16を有する。サーバSvは、たとえば複数の照明器具Lが設置された建築物のいずれかの任意の場所に設置されるが、別の建築物に設置されていてもよい。
【0022】
制御部11は、サーバSvによる制御を行う中枢部位である。制御部11は、たとえばCPUからなる。制御部11は、たとえば操作画面情報DIの生成処理を行う。
【0023】
記憶部12は、サーバSvによる点灯制御に必要となる情報が適宜記憶される部位であり、たとえばハードディスクや半導体メモリからなる。記憶部12には、後述する照明指示情報ILおよび照明状態情報SLの各種項目の設定値等や、操作画面情報DIを生成するための情報が記憶されている。また、複数の照明器具Lの時間帯ごとの調光率を制御する、いわゆるスケジュール制御の設定値が記憶されていてもよい。
【0024】
入力部13は、サーバSvに対する操作入力を行うためのものであり、たとえばキーボードである。
【0025】
表示部14は、サーバSvに対する操作入力の内容や、サーバSvの諸状態を表示するためのものであり、たとえば液晶ディスプレイである。
【0026】
複数の個別通信部15は、複数の照明器具Lと無線通信を行うためのものである。以降の説明においては、複数の個別通信部15を個別通信部151,152と区別して説明する場合がある。複数の個別通信部15各々は、複数の通信ネットワークNtの特定のものと個別に通信する。たとえば、個別通信部151は、通信ネットワークNt1のみと通信を行い、個別通信部152は、通信ネットワークNt2のみと通信を行う。このような個別通信部15の無線通信形式は特に限定されず、たとえば、IEEE802.11に準拠するWi-FiやIEEE802.15.1に準拠するBluetooth(登録商標)、ISO/IEC14543に準拠するEnOcean(登録商標)、920MHz帯無線通信等が例示される。なお、本実施形態においては、個別通信部15の無線通信形式は、たとえばBluetooth(登録商標)が用いられる。
【0027】
主通信部16は、コントローラCtの操作側通信部24と無線通信を行うためのものである。主通信部16の無線通信形式は特に限定されず、たとえば、IEEE802.11に準拠するWi-FiやIEEE802.15.1に準拠するBluetooth(登録商標)、ISO/IEC14543に準拠するEnOcean(登録商標)、920MHz帯無線通信等が例示される。なお、本実施形態においては、主通信部16の無線通信形式は、たとえばWi-Fiが用いられる。なお、本実施形態とは異なり、複数の個別通信部15のいずれかが主通信部16の機能を兼ねる構成であってもよい。
【0028】
図2~
図4は、サーバSvの具体的な構成の一例を示している。
図2に示すように、図示された例のサーバSvは、ケース191、カバー192および蓋部193を有する。ケース191およびカバー192は、上述した制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、複数の個別通信部15および主通信部16を収容しており、たとえば樹脂からなる。蓋部193は、カバー192の開口部分を塞いでおり、カバー192に対して使用者が適宜脱着可能である。サーバSvは、たとえば建築物の壁面等に取付可能である。
【0029】
図3に示すように、図示された例においては、サーバSvは、複数の個別通信ユニット150および複数のサーバ側コネクタ195を有する。
【0030】
個別通信ユニット150は、個別通信部15がモジュール化されたものであり、個別通信部15の通信機能を果たすための制御部およびアンテナ部(いずれも図示略)およびモジュール側コネクタ159を有する。モジュール側コネクタ159は、たとえばUSB形式のコネクタであり、サーバ側コネクタ195に脱着自在に接続される。なお、モジュール側コネクタ159のコネクタ形式は、何ら限定されない。
【0031】
複数のサーバ側コネクタ195は、個別通信ユニット150が脱着自在に接続されるものであり、たとえばUSB形式のコネクタである。なお、サーバ側コネクタ195のコネクタ形式は、何ら限定されない。複数のサーバ側コネクタ195の個数は、特に限定されず、図示された例においては、3つのサーバ側コネクタ195を備えている。また、図示された状態においては、2つのサーバ側コネクタ195に2つの個別通信ユニット150が接続されている。これにより、サーバSvは、個別通信部151および個別通信部152を有しており、通信ネットワークNt1および通信ネットワークNt2と通信可能である。
【0032】
図3の情報に示す個別通信ユニット150は、3つ目のサーバ側コネクタ195に接続可能である。この個別通信ユニット150をサーバ側コネクタ195に接続すると、
図4に示すように、サーバSvは、2つの個別通信ユニット150を有するものとなる。これにより、サーバSvは、個別通信部151、個別通信部152および個別通信部153を有する構成に変更される。
【0033】
<照明器具L>
照明器具Lは、設置箇所の周囲を照らすための器具である。照明器具Lの種類や具体的構成は特に限定されない。照明器具Lは、たとえば屋内の天井や壁面に取り付けられたり、床面に載置されたりする。
図5に示すように、本実施形態においては、照明器具Lは、制御部31、発光部32、電源部33および照明側通信部34を有する。
【0034】
制御部31は、照明側通信部34によって受信した照明指示情報ILに基づいて、照明器具Lの照明状態を制御するものである。制御部31の構成は特に限定されず、たとえば集積回路素子やLEDドライバ、あるいは記憶部としての半導体メモリを有する。制御部31による照明器具Lの照明状態の制御は、たとえば照明器具LをONまたはOFFさせる点灯制御や、発光部32の調光率(発光状態)を制御する発光制御が含まれる。発光部32による調光率の制御(発光制御)は、たとえばPWM制御によって行われる。記憶部には、後述する照明指示情報ILや照明状態情報SLの各項目の設定値等が適宜記憶されている。また、記憶部には、照明器具Lを特定するアドレス情報である照明器具IDが記憶されていてもよい。
【0035】
発光部32発光する部位であり、種々の光源デバイスを有する。本実施形態においては、発光部32は、LEDを有する。LEDの個数は、特に限定されない。また、発光部32は、複数種類のLEDを有するものであってもよい。
【0036】
発光部32が有するLEDに流す電流によりLEDの輝度は変化し、その結果として照明器具Lが発する光の全光束も変化する。このような光の調節を調光といい、LEDに流す電流を最大とした時を100%として全光束を相対表示したものを調光率という。以降の説明においては、発光部32の全光束を大きくすることを調光率を上げる(上昇させる、増大させる)と称し、発光部32の光の全光束を小さくすることを調光率を下げる(下降させる、減少させる)と称する。
【0037】
電源部33は、発光部32を発光させるための電力を供給するものである。電源部33は、たとえば商用の100V交流電力を発光部32に適した直流電力に変換する。電源部33は、制御部31によって制御される。
【0038】
照明側通信部34は、無線通信によって照明指示情報ILを受信したり、照明状態情報SLを送信したりする部位である。照明側通信部34による無線通信形式は特に限定されない。本例においては、同一の通信ネットワークNtに属する複数の照明器具Lが、独自のマルチホップ無線メッシュネットワークを構築する。このような照明器具Lを実現する照明側通信部34の無線通信形式としては、たとえばBluetooth(登録商標)が用いられ
る。照明側通信部34には、照明器具Lを特定するアドレス情報である照明器具IDが記憶されていてもよい。
【0039】
次に、照明システムA1における照明状態の制御や動作について、以下に説明する。
【0040】
図6は、
図1に示すシステム構成の照明システムA1の動作を示すシーケンス図である。上述したように、コントローラCtの操作側通信部24は、サーバSvの主通信部16と無線通信可能である。サーバSvの個別通信部151は、通信ネットワークNt1の複数の照明器具Lのいずれかと個別に無線通信可能であり、個別通信部152は、通信ネットワークNt2の複数の照明器具Lのいずれかと個別に無線通信可能である。通信ネットワークNt1においては、通信ネットワークNt1に属する複数の照明器具Lがマルチホップ無線メッシュネットワークを構築して相互通信可能である。通信ネットワークNt2においては、通信ネットワークNt2に属する複数の照明器具Lがマルチホップ無線メッシュネットワークを構築して相互通信可能である。
【0041】
図7は、コントローラCtを用いた操作処理の一例を示すフローチャートである。たとえば、コントローラCtがON状態とされ、電源部23から制御部21に電力が供給されると(ステップS0)、操作部22には、
図8に示す画面が表示される。
【0042】
図8に示す操作部22の操作画面は、サーバSvからコントローラCtに送信された操作画面情報DIの一種によって構築されている。この操作画面情報DIは、たとえば、コントローラCtからサーバSvに関連付けられた所定のURLにアクセスすることにより、サーバSvからコントローラCtへとたとえばHTML形式のデータとしてダウンロードされる。当該表示は、エリア表示部221および操作選択部222を含む。エリア表示部221は、操作すべきエリアを選択する部位であり、図示された例においては、「西館A」、「西館B」、「東館A」、「東館B」の4つのエリアが表示されている。本実施形態においては、各エリアは、複数の通信ネットワークNtのいずれかに対応する。エリアが4つある場合、通信ネットワークNt1~Nt4が構築されている。操作選択部222は、全館のすべての照明器具Lを対象とした操作入力を行う部位である。図示された例においては、「全点灯」、「全消灯」、「70%調光」が選択可能である。なお、「調光」を選択すると、「70%」の欄の数字をテンキー表示等によって変更可能な操作方式としてもよい。
【0043】
次に、
図8のエリア表示部221の「西館A」、「西館B」、「東館A」、「東館B」いずれかが選択される(ステップS1:Yes)と、サーバSvによって、
図9に示す操作画面情報DIの生成処理がなされる。
【0044】
図9は、操作画面情報DIの生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
たとえば、サーバSvが電源ONされると、当該処理が開始される(ステップS10)。上述したステップS1のエリア選択がなされると、コントローラCtは、サーバSvに操作画面情報DIの要求信号を送信する。サーバSvは、この要求信号を受信すると(ステップS11:Yes)、複数の照明器具Lの照明状態情報SLを読み出す(ステップS12)。
【0046】
照明状態情報SLは、照明器具Lの状態を示す情報であり、
図11に示すように、たとえばネットワーク状態情報SL1、照明器具状態情報SL2、ON/OFF状態情報SL3および発光調節状態情報SL4を含む。
【0047】
ネットワーク状態情報SL1は、状態収集の対象となる通信ネットワークNtを特定する情報であり、通信ネットワークNt1、通信ネットワークNt2・・・通信ネットワークNtn等の値が割り当てられる。
【0048】
照明器具状態情報SL2は、状態収集の対象となる照明器具Lを特定する情報である。照明器具状態情報SL2には、照明器具L1、照明器具L2・・・照明器具Ln等の値が割り当てられる。
【0049】
ON/OFF状態情報SL3は、情報収集の対象となる照明器具Lの点灯状態を示す情報である。具体的には、ON/OFF状態情報SL3には、ONまたはOFFの情報が割り当てられる。
【0050】
発光調節状態情報SL4は、情報収集の対象となる照明器具Lの発光状態を示す情報である。発光調節状態情報SL4の具体的な内容は特に限定されず、本実施形態において、照明器具Lの発光部32が上述の例示した構成である場合、発光調節状態情報SL4は、この照明器具Lの調光率を示す情報が割り当てられ、たとえば10%up、20%up、0%、20%・・・80%、100%等の値が適宜割り当てられる。なお、発光調節状態情報SL4は、調光率以外の発光状態に関する情報であってもよく、たとえば発光部32の色温度を調節する情報であってもよい。
【0051】
図6に示すように、たとえば通信ネットワークNt1においては、複数の照明器具Lがマルチホップ無線メッシュネットワークを介して、それぞれの照明状態情報SLをサーバSvの個別通信部151へと送信する。図示された例においては、照明器具Lnの照明状態情報SLが、照明器具Ln、照明器具L1、照明器具L2と順次送信された後に、通信サーバSvの個別通信部151へと送信されている。また、図示された例の通信ネットワークNt2においては、照明器具L2の照明状態情報SLが、照明器具L2、照明器具L1、照明器具Lnと順次送信された後に、サーバSvの個別通信部152へと送信されている。このように、通信ネットワークNt1、通信ネットワークNt2についてそれぞれに属する照明器具Lの照明状態情報SLをサーバSvの個別通信部151および個別通信部152が受信する。サーバSvの制御部11は、これらの照明状態情報SLを記憶部12に記憶する。
【0052】
図9のステップS12で照明状態情報SLの読み出しが完了すると、サーバSvの制御部11は、ステップS13を実行し、表示するエリア(ステップS1で選択されたエリア)の操作画面情報DIを生成する。操作画面情報DIの生成は、ステップS12おいて収集され、たとえば記憶部12に記憶された照明状態情報SLに基づいて、該当するエリア(通信ネットワークNt)に属する複数の照明器具Lの状態に基づいた操作画面情報DIをHTML形式のデータとして生成する。
【0053】
次いで、ステップS14においては、たとえばコントローラCtが、サーバSvに関連付けられた所定のURLにアクセスすること等により、操作画面情報DIがコントローラCtに送信される。すなわち、コントローラCtは、操作画面情報DIをダウンロードする。これにより、サーバSvから、コントローラCtへの操作画面情報DIの送信が完了する(ステップS15)。なお、ステップS11:Noの場合は、たとえばステップS11を繰り返す。
【0054】
コントローラCtの制御部21は、ステップS14でダウンロードしたたとえばHTML形式の操作画面情報DIに基づいて、
図10に示す操作部22の表示を構築する。当該表示は、
図8に示す表示に対する操作入力により、「西館A」が選択された場合を示している。当該表示は、器具表示部223および操作選択部224を含む。器具表示部223は、該当するエリア(通信ネットワークNt)に属する複数の照明器具Lの点灯状態を示している。図中において、白色の細長い長方形は、対応する照明器具Lが点灯していることを意味し、濃色の細長い長方形は、対応する照明器具Lが消灯していることを意味する。また、ハーフトーンの細長い長方形を表示することにより、たとえば50%の調光率で発光する照明器具Lを意味する構成としてもよい。たとえば、図示された長方形にタッチすると、当該長方形に対応する照明器具Lが選択された状態となる。この場合、1つのみの照明器具Lを選択してもよいし、複数の照明器具Lが選択可能であってもよいし、当該エリアのすべての照明器具Lが選択可能であってもよい。
【0055】
図7のフローチャートに戻り、ステップS1:Yesに続くステップS2では、コントローラCtの制御部21は、
図10の操作部22の器具表示部223から任意の照明器具Lが選択されたかを判断する。いずれかの照明器具Lが選択されると(ステップS2:Yes)、該当する照明器具Lが選択されたことが視認できるように、器具表示部223における照明器具Lの表示状態を変更し、ステップS3を実行する。
【0056】
ステップS3では、
図10の操作選択部224を用いた操作入力に基づいた処理を行う。操作選択部224は、選択された照明器具Lを対象とした操作入力を行う部位である。図示された例においては、「点灯」、「消灯」、「70%調光」が選択可能である。なお、「調光」を選択すると、「70%」の欄の数字をテンキー表示等によって変更可能な操作方式としてもよい。
【0057】
一方、ステップS2において照明器具Lが選択されず(ステップS2:No)、操作選択部224での操作入力が行われた場合、制御部21は、対象エリア(「西館A」)のすべての照明器具Lを対象として、ステップS4を行う。ステップS4は、ステップS3と同様に、操作選択部224を用いた操作入力に基づいた処理を行う。
【0058】
なお、ステップS1でエリアが選択されていない場合(ステップS1:No)、ステップS5にて、
図8の操作選択部222に対する操作入力がなされる。この操作入力では、たとえば、「全点灯」、「全消灯」、「70%調光」のいずれかが選択される。
【0059】
図7のステップS3、ステップS4およびステップS5のいずれかを完了すると、コントローラCtの制御部21は、ステップS6を実行する。ステップS6では、コントローラCtの制御部21は、操作部22からの操作入力に対応したコマンドCIを生成し、操作側通信部24を通じて主通信部16に送信する。サーバSvは、受信したコマンドCIから、コントローラCtに対して行われた操作を判断し、これに応じた照明指示情報ILを生成する。
【0060】
図12に示すように、照明指示情報ILは、たとえばネットワーク指示情報IL1、照明器具指示情報IL2、ON/OFF指示情報IL3および発光調節指示情報IL4を含む。
【0061】
ネットワーク指示情報IL1は、操作対象である照明器具Lが属する通信ネットワークNtを特定する情報であり、通信ネットワークNt1、通信ネットワークNt2・・・通信ネットワークNtn等の値が割り当てられる。
【0062】
照明器具指示情報IL2は、操作対象である照明器具Lを特定する情報である。照明器具指示情報IL2には、照明器具L1、照明器具L2・・・照明器具Ln等の値が割り当てられる。
【0063】
ON/OFF指示情報IL3は、操作対象である照明器具Lの点灯状態を制御するための情報である。具体的には、ON/OFF指示情報IL3には、コントローラCtの操作にしたがって、ONまたはOFFの情報が割り当てられる。
【0064】
発光調節指示情報IL4は、操作対象である照明器具Lの発光状態を制御するための情報である。発光調節指示情報IL4の具体的な内容は特に限定されず、本実施形態において、照明器具Lの発光部32が上述の例示した構成である場合、発光調節指示情報IL4は、この照明器具Lの調光率を増減させる情報が割り当てられ、たとえば10%up、20%up、10%down、20%down、等の値が適宜割り当てられる。なお、発光調節指示情報IL4は、調光率以外の発光状態に関する情報であってもよく、たとえば発光部32の色温度を調節する情報であってもよい。
【0065】
次いで、ステップS7にて処理終了である場合(ステップS7:Yes)、照明指示情報ILの生成処理が終了する(ステップS8)。ステップS7で処理を終了しない場合(ステップS7:No)、ステップS1が再び実行され、照明指示情報ILの生成処理が継続する。
【0066】
図6に示すように、サーバSvで生成された照明指示情報ILは、選択されたエリア(通信ネットワークNt)の選択された照明器具Lへと送信される。たとえば、通信ネットワークNt1の照明器具Lnが点灯制御の対象として選択されている場合、照明指示情報ILは、サーバSvの個別通信部151から、通信ネットワークNt1に属する複数の照明器具Lに対してマルチホップ無線メッシュネットワークによって照明指示情報ILが送信される。たとえば、サーバSvの個別通信部151から照明器具L2、照明器具L1、照明器具Lnへと照明指示情報ILが送信される。当該照明指示情報ILを受信した照明器具Lnでは、制御部31が、照明器具指示情報IL2の特定情報(ID)が自己のIDと一致しているため、ON/OFF指示情報IL3または発光調節指示情報IL4に設定された情報に対応した点灯制御を発光部32に行う。これにより、対象とした照明器具L(通信ネットワークNt1の照明器具Ln)の点灯制御が完了する。
【0067】
また、他の例として、たとえば、通信ネットワークNt2の照明器具L2が点灯制御の対象として選択されている場合、照明指示情報ILは、サーバSvの個別通信部152から、通信ネットワークNt2に属する複数の照明器具Lに対してマルチホップ無線メッシュネットワークによって照明指示情報ILが送信される。たとえば、サーバSvの個別通信部152から照明器具Ln、照明器具L1、照明器具L2へと照明指示情報ILが送信される。これにより、照明器具L2の点灯制御がなされる。
【0068】
次に、照明システムA1の作用について説明する。
【0069】
本実施形態によれば、サーバSvの複数の個別通信部15は、複数の通信ネットワークNtと個別に通信可能である。また、複数の個別通信部15は、構築すべき複数の通信ネットワークNtの数に応じて増減可能である。このため、制御対象となるエリアが増加する場合、サーバSvの個別通信部15を増加することにより、制御対象となるエリアに対応して、複数の通信ネットワークNtの数を増加することが可能である。したがって、照明器具Lの点灯制御に用いられる通信ネットワークをより容易に拡張することができる。
【0070】
図3および
図4に示すように、図示された例においては、複数の個別通信部15の各々は、互いに独立した個別通信ユニット150として構成されている。個別通信ユニット150は、モジュール側コネクタ159をサーバSvのサーバ側コネクタ195に脱着自在に接続可能である。このため、サーバSvの複数のサーバ側コネクタ195の設置個数を上限として、個別通信ユニット150を自在に増減させることが可能である。これは、照明システムA1の通信ネットワークの拡張をより容易に行うのに好ましい。
【0071】
コントローラCtの操作部22の表示内容を定義する操作画面情報DIは、サーバSvにて生成され、コントローラCtへと送信される。このため、コントローラCtは、操作画面情報DIを構築するためのデータ等を記憶しておく必要がない。また、操作画面情報DIがHTML形式のデータからなる場合、コントローラCtは、一般的なWebブラウザによって、操作部22の表示を実現することが可能であり、専用のソフトウエアやハードウエアは必要ない。したがって、コントローラCtとして、一般的ないわゆるタブレット端末やスマートフォン等を用いることが可能であり、システムの構築コストを低減することができる。
【0072】
また、コントローラCtのデータバックアップ等も不要である。さらに、エリアや通信ネットワークNtが増加した場合であっても、
図8のエリア表示部221の選択可能数を増加させ、
図10に示す各通信ネットワークNtに対応する操作部22の操作画面を増加させればよい。このため、通信ネットワークNtの増加に伴って、大幅な操作画面の修正が強いられず、システムの維持コストを低減することができる。
【0073】
同一の通信ネットワークNtに含まれる複数の照明器具Lは、マルチホップ無線メッシュネットワークによって、照明指示情報ILや照明状態情報SLを相互に送受信する。このため、個々の照明器具Lの配置をより自由に行うことができる。また、たとえばBluetooth(登録商標)を用いたマルチホップ無線メッシュネットワークの場合、当該通信ネットワークNtに属することができる複数の照明器具Lの個数が制限される。しかし、照明システムA1においては、上述した通り、通信ネットワークNtを増加させることによる通信ネットワークの拡張が容易である。したがって、複数の照明器具Lの増設を容易に行うことができる。
【0074】
図13~
図17は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0075】
<第1実施形態 第1変形例>
図13および
図14は、照明システムA1の変形例を示している。本変形例の照明システムA11は、複数の通信中継器Rを備える点が、上述した照明システムA1と異なっている。
【0076】
<通信中継器R>
通信中継器Rは、通信ネットワークNtに属しており、サーバSvの個別通信部15と通信ネットワークNtとの通信を実現するためのものである。本変形例においては、複数の通信中継器Rを備えることにより、サーバSvの複数の個別通信部15と複数の通信ネットワークNtとが、個別に通信可能とされている。
図13に示すように、以降の説明においては、複数の通信中継器Rは、通信中継器R1および通信中継器R2に区別される。通信中継器R1は、サーバSvの個別通信部151と個別に通信するものであり、通信ネットワークNt1に属する。通信中継器R2は、サーバSvの個別通信部152と個別に通信するものであり、通信ネットワークNt2に属する。
【0077】
通信中継器Rは、サーバSvの個別通信部15と無線通信するための機能を果たす。また、通信中継器Rは、複数の照明器具Lと無線通信する機能を果たす。通信中継器RとサーバSvの個別通信部15との無線通信形式は特に限定されず、本例においてはたとえばWi-Fiが用いられる。通信中継器Rと複数の照明器具Lとの通信は特に限定されず、複数の照明器具Lがマルチホップ無線メッシュネットワークを構築して無線通信する場合、たとえばBluetooth(登録商標)が用いられる。なお、本実施形態とは異なり、通信中継器Rが、複数の照明器具Lのいずれかに内蔵された構成であってもよい。
【0078】
図14は、
図13に示すシステム構成の照明システムA11の動作を示すシーケンス図である。上述したように、コントローラCtの操作側通信部24は、サーバSvの主通信部16と無線通信可能である。サーバSvの個別通信部151は、通信ネットワークNt1の通信中継器R1と個別に無線通信可能であり、個別通信部152は、通信ネットワークNt2の通信中継器R2と個別に無線通信可能である。通信ネットワークNt1においては、通信中継器R1と通信ネットワークNt1に属する複数の照明器具Lのいずれかとが無線通信可能であり、通信ネットワークNt1に属する複数の照明器具Lがマルチホップ無線メッシュネットワークを構築して相互通信可能である。通信ネットワークNt2においては、通信中継器R2と通信ネットワークNt2に属する複数の照明器具Lのいずれかとが無線通信可能であり、通信ネットワークNt2に属する複数の照明器具Lがマルチホップ無線メッシュネットワークを構築して相互通信可能である。
【0079】
このような変形例によっても、照明器具Lの点灯制御に用いられる通信ネットワークをより容易に拡張することができる。また、通信中継器R1および通信中継器R2を備え、個別通信部151および通信中継器R1の通信や個別通信部152および通信中継器R2の通信をWi-Fiによって行うことにより、サーバSvと通信中継器R1および通信中継器R2との設置距離を延長することが可能である。これは、より広い場所に照明システムA11を構築するのに有利である。
【0080】
<第2実施形態>
図15は、本発明の第2実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA2は、主にマスターサーバMsと複数のサーバSvとを備える点が、上述した実施形態と異なる。
【0081】
マスターサーバMsは、複数のサーバSvの上位に位置するものであり、複数のサーバSvを統合制御する。本実施形態においては、マスターサーバMsは、制御部41、記憶部42、入力部43、表示部44および主通信部45を有する。マスターサーバMsは、たとえばサーバSvよりも照明器具Lから更に離れた建築物等に設置されていてもよい。
【0082】
制御部41は、マスターサーバMsによる制御を行う中枢部位である。制御部41は、たとえばCPUからなる。
【0083】
記憶部42は、マスターサーバMsによる統合制御に必要となる情報が適宜記憶される部位であり、たとえばハードディスクや半導体メモリからなる。
【0084】
入力部43は、マスターサーバMsに対する操作入力を行うためのものであり、たとえばキーボードである。
【0085】
表示部44は、マスターサーバMsに対する操作入力の内容や、マスターサーバMsの諸状態を表示するためのものであり、たとえば液晶ディスプレイである。
【0086】
主通信部45は、複数のサーバSvの主通信部16と通信を行うためのものである。主通信部45の通信形式は特に限定されない。ただし、マスターサーバMsが、複数のサーバSvから顕著に離れた場所に設置される等の場合には、主通信部45の通信形式は、たとえば、IEEE802.11に準拠するWi-Fi等の無線通信や有線通信が好ましい。なお、主通信部45が無線通信方式である場合、主通信部45は、コントローラCtの操作側通信部24との通信を併せて行ってもよい。一方、主通信部45が有線通信方式である場合、マスターサーバMsはコントローラCtの操作側通信部24と無線通信可能な別の通信部を備えればよい。
【0087】
図示された例においては、照明システムA2は、複数のサーバSvを備えており、図中においては、サーバSv1、サーバSv2およびサーバSv3とされている。サーバSv1、サーバSv2およびサーバSv3の各々は、上述した実施形態のサーバSvと同様の構成であり、複数の通信ネットワークNt(たとえば、通信ネットワークNt1および通信ネットワークNt2)と個別に通信可能である。
【0088】
図16は、照明システムA2のコントローラCtの操作画面の一例を示している。同図の操作部22には、エリア表示部225および操作選択部226が表示されている。
【0089】
エリア表示部225は、操作すべきエリアを選択する部位であり、図示された例においては、「西館A」、「西館B」、「本館A」、「本館B」、「東館A」、「東館B」の6つのエリアが表示されている。本実施形態においては、各エリアは、複数のサーバSvの複数の通信ネットワークNtのいずれかに対応する。たとえば、3つのサーバSv1,Sv2,Sv3のそれぞれが2つずつの通信ネットワークNt1,Nt2と個別に通信可能である場合、エリア表示部225に表示されるエリア数は6つとなる。操作選択部226は、全館のすべての照明器具Lを対象とした操作入力を行う部位である。図示された例においては、「全点灯」、「全消灯」、「70%調光」が選択可能である。なお、「調光」を選択すると、「70%」の欄の数字をテンキー表示等によって変更可能な操作方式としてもよい。
【0090】
エリア表示部225において、いずれかのエリアが選択されると、コントローラCtの操作部22は、
図17に示す操作画面を表示する。当該操作画面は、選択されたエリアの通信ネットワークNtと通信可能であるサーバSvから送信された操作画面情報DIに基づいて構築されている。同図の操作部22は、器具表示部227および操作選択部228を表示している。器具表示部227は、
図10の器具表示部223に相当し、制御対象である照明器具Lを選択する部位である。操作選択部228は、
図10の操作選択部224に相当し、制御内容を選択する部位である。
【0091】
本実施形態において、サーバSv1,Sv2,Sv3の通信ネットワークNt1,Nt2内では、複数の照明器具Lが上述した実施形態と同様に、マルチホップ無線メッシュネットワークを用いて相互に通信可能な構成であってもよい。
【0092】
本実施形態によっても、通信ネットワークをより容易に拡張することができる。また、サーバSvの個数が増減可能であることにより、通信ネットワークの変更をより大幅に行うことができる。また、各通信ネットワークNtの照明状態情報SLは、対応するサーバSvに記憶されていればよく、マスターサーバMsに記憶する必要がない。また、各通信ネットワークNtに対応した操作画面を構築するための操作画面情報DIは、対応するサーバSvによって生成される。このため、マスターサーバMsは、多数となる照明器具Lの状態監視や操作に関するデータ記憶やデータ生成処理をする必要がなく、マスターサーバMsが煩雑な構成となることを回避することができる。
【0093】
本発明に係る照明システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る照明システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0094】
A1,A11,A2:照明システム
11 :制御部
12 :記憶部
13 :入力部
14 :表示部
15,151,152,153:個別通信部
16 :主通信部
21 :制御部
22 :操作部
23 :電源部
24 :操作側通信部
31 :制御部
32 :発光部
33 :電源部
34 :照明側通信部
41 :制御部
42 :記憶部
43 :入力部
44 :表示部
45 :主通信部
150 :個別通信ユニット
159 :モジュール側コネクタ
191 :ケース
192 :カバー
193 :蓋部
195 :サーバ側コネクタ
221 :エリア表示部
222 :操作選択部
223 :器具表示部
224 :操作選択部
225 :エリア表示部
226 :操作選択部
227 :器具表示部
228 :操作選択部
Ct :コントローラ
DI :操作画面情報
IL :照明指示情報
IL1 :ネットワーク指示情報
IL2 :照明器具指示情報
IL3 :OFF指示情報
IL4 :発光調節指示情報
CI :コマンド
L,L1,L2,Ln:照明器具
Ms :マスターサーバ
Nt,Nt1,Nt2,Nt3,Nt4,Ntn:通信ネットワーク
R,R1,R2:通信中継器
S0,S1,S10,S11,S12,S13,S14,S15,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8:ステップ
SL :照明状態情報
SL1 :ネットワーク状態情報
SL2 :照明器具状態情報
SL3 :OFF状態情報
SL4 :発光調節状態情報
Sv,Sv1,Sv2,Sv3 :サーバ