(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119071
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】パターヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20230821BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20230821BHJP
【FI】
A63B53/04 H
A63B102:32
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021684
(22)【出願日】2022-02-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】307031460
【氏名又は名称】柴▲崎▼ 武
(71)【出願人】
【識別番号】522061497
【氏名又は名称】柴▲崎▼ 智子
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 武
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA04
2C002CH02
2C002MM04
(57)【要約】
【課題】ゴルフクラブであるパターのヘッド(以下、単に、パターヘッドという)に関する発明で、より詳しくは、ゴルフボールに効果的に順回転を与える打撃を容易にするパターヘッドを提供する。
【解決手段】に突設された第二ソール、前記第一ソール及び前記第二ソールの間の開口を備える本体と、
前記開口において前記打撃面の背面に着脱可能かつ上下位置可変に設けられ、前記第一ソール及び前記第二ソールの底面と一致または突出するソール面を形成するセンターソールと、
からなることを特徴とするパターヘッドの構成とした。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
打撃面、前記打撃面の背面のトウ側に突設された第一ソール、前記打撃面の背面のヒール側に突設された第二ソール、前記第一ソール及び前記第二ソールの間の開口を備える本体と、
前記開口において前記打撃面の背面に着脱可能かつ上下位置可変に設けられ、前記第一ソール及び前記第二ソールの底面と一致または突出するソール面を形成するセンターソールと、
からなることを特徴とするパターヘッド。
【請求項2】
打撃面、前記打撃面の背面のトウ側に突設された第一ソール、前記打撃面の背面のヒール側に突設された第二ソール、前記第一ソール及び前記第二ソールの間の開口を備える本体と、
前記開口において前記打撃面の背面に着脱可能かつ上下位置可変に設けられるセンターソールとからなり、
前記本体は、前記打撃面の背面の上下2箇所にネジ穴である上穴及び下穴が設けられ、
前記センターソールが、前記背面への取付場所である固定部と、前記固定部から水平方向に延設されたフラット部と、前記固定部と前記フラット部の接続箇所であって前記打撃面側が切り取られた傾斜面とからなり、
前記固定部が、
前記上穴に取り付けられたときは、前記第一ソール及び前記第二ソールの底面以上位置する高さのソール面を形成し、
前記下穴に取り付けられたときは、前記第一ソール及び前記第二ソールの底面より下方向に突出したソール面を形成することを徴とするパターヘッド。
【請求項3】
打撃面、前記打撃面の背面のトウ側に突設された第一ソール、前記打撃面の背面のヒール側に突設された第二ソール、前記第一ソール及び前記第二ソールの間の開口を備える本体と、
前記開口において前記打撃面の背面に着脱可能かつ上下位置が無段階可変に設けられ、ソール面高さが無段階可変なセンターソールと、
からなることを特徴とするパターヘッド。
【請求項4】
前記フラット部は、前記第一ソール及び前記第二ソールよりも、反打撃面側方向に長いことを特徴とする請求項1~請求項3の何れか1項に記載のパターヘッド。
【請求項5】
打撃面、前記打撃面のトウ側に突設された第一バランス、前記打撃面のヒール側に突設された第二バランス、前記第一バランス及び前記第二バランスの間にセンターソール部を備え、
前記センターソールは、前記第一バランス及び前記第二バランスの底面より下方向に突出したフラット部を有し、
前記フラット部の前記打撃面側が切り取られた傾斜面であることを特徴とするパターヘッド。
【請求項6】
前記本体の前記センターソールとの嵌着背面が、前記本体のソール側が薄く傾斜していることを特徴とする請求項1~請求項4の何れか1項に記載のパターヘッド。
【請求項7】
前記本体の背面及び前記固定部の前面に、それぞれスライド方向に伸びる突条及び溝を備え、対向する前記突条と前記溝で嵌合、位置決めされることを特徴とする請求項1~請求項4、及び請求項6の何れか1項に記載のパターヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブであるパターのヘッド(以下、単に、パターヘッドという)に関する発明で、より詳しくは、ゴルフボールに効果的に順回転を与える打撃を容易にするパターヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールのパター打撃においては、ゴルフボールをカップインさせるため、狙い通りの方向に、目標距離を実現させるため、ゴルフボールに順回転を与える打撃が基本である。
【0003】
その為には、パターヘッドをグリーンなどの芝生から少し浮かせて、ゴルフボール6の赤道6aとスイートスポットをズラし、パターヘッドのスイートスポットの少し下方で赤道6aを打撃する必要がある。しかし、アマチュアでは、その加減が難しく、順回転の打撃が困難とされている。
【0004】
順回転を可能にするパターとして、特許文献1のゴルフのパターがある。特許文献1の発明は、ゴルフのパターによるグリーン6上のパッティングにおいて、テークバック時の直線水平性をよりたやすくかつインパクト時における打球にオーバースピンをより掛けやすくすることのできるパター本体金具3であって、
前面に球叩面1を有し、該球叩面1の下端縁1’から後方に向う底面2を有するパター本体金具3において、上記底面2に突起4を形成し、該突起4の前端部4’を上記下端縁1’の後部にほぼ段状に形成してなるというものである。
【0005】
しかしながら、特許文献1のソールは固定され、四方に傾斜がある高さ一定の突起であるので、最適な高さの検討、練習ができず、いわゆるダフリが起こりやすく、スイングの安定も図れない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本願出願は、ゴルフクラブであるパターのヘッド(以下、単に、パターヘッドという)に関する発明で、より詳しくは、ゴルフボールに効果的に順回転を与える打撃を容易にするパターヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、
(1)
打撃面、前記打撃面の背面のトウ側に突設された第一ソール、前記打撃面の背面のヒール側に突設された第二ソール、前記第一ソール及び前記第二ソールの間の開口を備える本体と、
前記開口において前記打撃面の背面に着脱可能かつ上下位置可変に設けられ、前記第一ソール及び前記第二ソールの底面と一致または突出するソール面を形成するセンターソールと、
からなることを特徴とするパターヘッド。
(2)
打撃面、前記打撃面の背面のトウ側に突設された第一ソール、前記打撃面の背面のヒール側に突設された第二ソール、前記第一ソール及び前記第二ソールの間の開口を備える本体と、
前記開口において前記打撃面の背面に着脱可能かつ上下位置可変に設けられるセンターソールとからなり、
前記本体は、前記打撃面の背面の上下2箇所にネジ穴である上穴及び下穴が設けられ、
前記センターソールが、前記背面への取付場所である固定部と、前記固定部から水平方向に延設されたフラット部と、前記固定部と前記フラット部の接続箇所であって前記打撃面側が切り取られた傾斜面とからなり、
前記固定部が、
前記上穴に取り付けられたときは、前記第一ソール及び前記第二ソールの底面以上位置する高さのソール面を形成し、
前記下穴に取り付けられたときは、前記第一ソール及び前記第二ソールの底面より下方向に突出したソール面を形成することを徴とするパターヘッド。
(3)
打撃面、前記打撃面の背面のトウ側に突設された第一ソール、前記打撃面の背面のヒール側に突設された第二ソール、前記第一ソール及び前記第二ソールの間の開口を備える本体と、
前記開口において前記打撃面の背面に着脱可能かつ上下位置が無段階可変に設けられ、ソール面高さが無段階可変なセンターソールと、
からなることを特徴とするパターヘッド。
(4)
前記フラット部は、前記第一ソール及び前記第二ソールよりも、反打撃面側方向に長いことを特徴とする(1)~(3)の何れか1に記載のパターヘッド。
(5)
打撃面、前記打撃面のトウ側に突設された第一バランス、前記打撃面のヒール側に突設された第二バランス、前記第一バランス及び前記第二バランスの間にセンターソール部を備え、
前記センターソールは、前記第一バランス及び前記第二バランスの底面より下方向に突出したフラット部を有し、
前記フラット部の前記打撃面側が切り取られた傾斜面であることを特徴とするパターヘッド。
(6)
前記本体の前記センターソールとの嵌着背面が、前記本体のソール側が薄く傾斜していることを特徴とする(1)~(4)の何れか1に記載のパターヘッド。
(7)
前記本体の背面及び前記固定部の前面に、それぞれスライド方向に伸びる突条及び溝を備え、対向する前記突条と前記溝で嵌合、位置決めされることを特徴とする(1)~(4)、及び(6)の何れか1に記載のパターヘッド。
の構成とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記構成であるので、以下の効果を奏する。ゴルフクラブであるパターのヘッド(以下、単に、パターヘッドという)に関する発明で、より詳しくは、ゴルフボールに効果的に順回転を与える打撃を容易にするパターヘッドを提供できる。
【0010】
すなわち、センターソールを突出させてゴルフボールを打撃すればゴルフボールに強制的に順回転を与えることができる。打撃面に加工がされていないため競技用としても問題なく使用できる。
【0011】
加えて、センターソールを突出させて練習すれば、センターソールの底面を第一、第二ソールの底面より突出させてないで使用したパッティングでも、ゴルフボールに順回転をさせる打撃を身につけることができる。センターソールを取り付けないで使用することで、軽いヘッドで操作性よくなる。状況に応じて、ヘッドの形状を変更して使用することができる。
【0012】
センターソールがパターヘッド底面側に突出していることで、第一、第二ソールが芝面より浮いていることで、心理的安心感を得られ、アドレス時にカラダが硬直しにくく、テークバック動作がし易くなり、テークバックイップスの改善に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明であるパターヘッド(センターソール突出)の説明図で、(A)平面図、(B)正面図(打撃面)、(C)底面図である。(B)以外、他図においてもシャフト連結部は省略されている。
【
図2】本発明であるパターヘッド(センターソール突出)の説明図で、(D)背面図、(E)右側面図、(F)A-A’断面模式図である。
【
図3】本発明であるパターヘッド(センターソール収納)の説明図で、(A)平面図、(B)正面図(打撃面)、(C)底面図である。
【
図4】本発明であるパターヘッド(センターソール収納)の説明図で、(D)背面図、(E)右側面図、(F)B-B’断面模式図である。
【
図5】本発明であるパターヘッド(センターソールなし)の説明図で、(A)平面図、(B)正面図(打撃面)、(C)底面図である。
【
図6】発明であるパターヘッド(センターソールなし)の説明図で、(D)背面図、(E)右側面図、(F)C-C’断面模式図である。
【
図7】(A)は
図2(F)、(B)は
図4(F)、(C)は
図6(F)における断面模式図を用いて、ゴルフボールを打撃するとのきの、ゴルフボールとパターヘッドの打撃面との接触位置関係を示した。
【
図8】本発明であるパターヘッドの第二実施形態(一体型)の説明図で、(A)平面図、(B)正面図(打撃面)、(C)底面図である。
【
図9】本発明であるパターヘッドの第二実施形態(一体型)の説明図で、(D)背面図、(E)右側面図、(F)D-D’断面模式図である。
【
図10】
図9(F)の断面模式図を用いて、ゴルフボールを打撃するとのきの、ゴルフボールとパターヘッドの打撃面との接触位置関係を示した。
【
図11】本発明の第三実施形態のパターヘッド(センターソール突出)の説明図で、(A)平面図、(B)正面図(打撃面)、(C)底面図である。(B)以外、他図においてもシャフト連結部は省略されている。
【
図12】本発明の第三実施形態の本発明であるパターヘッド(センターソール突出)の説明図で、(D)背面図、(E)右側面図、(F)A-A’断面模式図である。
【
図13】本発明の第三実施形態の本発明であるパターヘッド(センターソール収納)の説明図で、(A)平面図、(B)正面図(打撃面)、(C)底面図である。
【
図14】本発明の第三実施形態の本発明であるパターヘッド(センターソール収納)の説明図で、(D)背面図、(E)右側面図、(F)B-B’断面模式図である。
【
図15】(A)は
図11(F)、(B)は
図14(F)、(C)は第三の実施形態のパターヘッド31からセンターソール33を除いたパターヘッド31a断面模式図を用いて、ゴルフボールを打撃するとのきの、ゴルフボールとパターヘッドの打撃面との接触位置関係を示した。
【
図16】本発明の第四実施形態のパターヘッド(センターソール突出)の説明図で、(A)背面図、(B)右側面図、(C)A-A’断面模式図である。
【
図17】本発明の第四実施形態のパターヘッドのスライドの説明図で、(A)及び(B)ともに、
図16のB-B’断面位置でのセンターソール43の上下スライドの説明図である。(A)がセンターソール43の収納、(B)が突出時である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【実施例0015】
図1-7に示すように、本発明であるパターヘッド1は、本体2と、センターソール3とかなる。なお、パターヘッドに備えられるシャフト、又はシャフト取付穴、或いはシャフト連結部5(一部破線で記載)の図示を省略している。
【0016】
本体2は、打撃面2aと、打撃面2aの背面2hのトウ側に突設された第一ソール2c、打撃面2aの背面2hに突設されたヒール側の第二ソール2dと、第一ソール2c及び第二ソール2dの間の開口2eを備える。打撃面2aの背面2hには、上下2箇所にネジ穴である上穴2f及び下穴2gが穿設されている。
【0017】
センターソール3は、開口2eにおいて打撃面2aの背面2hに着脱可能かつ上下位置可変に設けられ、第一、第二ソール2c、2dの底面と一致または突出するソール面を形成する。センターソール3を脱離した使用を、
図5、6、
図7(C)に示した。センターソール3は、ネジ穴3dでネジ4を上穴2f又は下穴2gに螺合させ、本体2の背面2hに固定される。なお、センターソール3の固定手段は、センターソール3が本体2の背面2hに固定できれば特に制限されるものではなく、ネジ4の他にピンなどの留め具を本体2の背面2hの穴に嵌着、係止などさせ、またロック機能を備え、パター使用中に留め具が脱落しないようにすることもできる。他の実施例においても同様である。
【0018】
さらに、詳しくは、センターソール3は、背面2hへの取付場所である固定部3aと、固定部3aの底部から水平方向に延設されたフラット部3bと、固定部3aとフラット部3bの接続箇所であって打撃面2a側が切り取られた傾斜面3cとからなる。傾斜面3cはダフリ防止と、協議ルールである打撃面を二面もたないようにするために備えている
【0019】
フラット部3bは、第一ソール2c及び第二ソール2dよりも、反打撃面側方向に長い。そうすることで、ヘッドの重心を打撃方向線の中心部に位置させヘッドの重さバランスを至適にする効果がある。
【0020】
そして、固定部3aが、上穴2fに取り付けられたときは、第一ソール2c及び第二ソール2dの底面以上に位置するソール面(
図4(E)、(F)など)を形成する。他方、下穴2gに取り付けられたときは、第一ソール2c及び第二ソール2dの底面より突出したソール面(
図2(E)、(F)など)を形成する。
【0021】
なお、ここでは、上穴2f、下穴2gの2穴の例を示したが、上穴2f、下穴2gまでを連結して長孔とし、ナットビスなどを利用して、無段階でスライド可能とし、センターソールの高さを無段階に可変にしてもよい。他の実施例においても同じ。
【0022】
図7(A)、(B)、(C)に示すように、パターヘッド1、12によるゴルフボール6の打撃の際、打撃面2aのスイートスポット2bは、ゴルフボール6の赤道6aより少し上に位置し、ゴルフボール6の赤道6aはスイートスポット2bの下方で打撃される。その結果、ゴルフボール6は順回転6bで打ち出される。