(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119127
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】遊技台
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
A63F5/04 651
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021803
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】597044139
【氏名又は名称】株式会社大都技研
(74)【代理人】
【識別番号】100107102
【弁理士】
【氏名又は名称】吉延 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100164242
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 直人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 圭
(72)【発明者】
【氏名】山田 歩
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518EA02
2C518EA03
2C518EB16
2C518EC15
2C518EC22
(57)【要約】
【課題】文字を用いた演出の演出効果を向上させる。
【解決手段】表示手段と、発光手段と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、装飾語句表示を表示可能であり、前記装飾語句表示は、語句を構成する文字の形の領域である文字領域に所定の表示物が表示されたものであり、前記発光手段は、前記装飾語句表示が表示される場合に、前記所定の表示物の態様で発光する手段である、ことを特徴とする遊技台。
【選択図】
図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
発光手段と、を備えた遊技台であって、
前記表示手段は、装飾語句表示を表示可能であり、
前記装飾語句表示は、語句を構成する文字の形の領域である文字領域に所定の表示物が表示されたものであり、
前記発光手段は、前記装飾語句表示が表示される場合に、前記所定の表示物の態様で発光する手段である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
前記装飾語句表示は、特定の表示物における前記文字領域に対応する領域を前記所定の表示物として表示し、該特定の表示物における前記文字領域に対応しない領域を非表示として構成されている表示である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技台であって、
前記装飾語句表示として、第一の装飾語句表示および該第一の装飾語句表示とは語句が異なる第二の装飾語句表示があり、
前記第一の装飾語句表示と前記第二の装飾語句表示は、前記特定の表示物が共通する表示である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記所定の表示物はグラデーションを表示するものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項4に記載の遊技台であって、
前記発光手段は、前記所定の表示物の態様で発光するにあたり、該所定の表示物で表示される色数とは異なる色数で発光する手段である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記所定の表示物はアニメーションである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記装飾語句表示は、遊技者に有利な特典が付与される際には前記所定の表示物として所定のアニメーションが表示されやすい表示である、
ことを特徴とする遊技台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技台は、遊技に関する情報について文字で表示するものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技台のような文字を用いた演出については、その演出効果を向上させるにあたって改良の余地がある。
【0005】
本発明は、文字を用いた演出について演出効果を向上させることができる遊技台の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の遊技台は、
表示手段と、
発光手段と、を備えた遊技台であって、
前記表示手段は、装飾語句表示を表示可能であり、
前記装飾語句表示は、語句を構成する文字の形の領域である文字領域に所定の表示物が表示されたものであり、
前記発光手段は、前記装飾語句表示が表示される場合に、前記所定の表示物の態様で発光する手段である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、文字を用いた演出について演出効果を向上させることができる遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【
図4】各リールに施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
【
図6】
図1に示すスロットマシン100の遊技状態の遷移図である。
【
図7】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートであり、(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図10】(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートであり、(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートであり、(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【
図11】CZで用いられる各種テーブルを示す図である
【
図12】CZ中にポイントを獲得するまでの流れの例を示す図である。
【
図13】特化ゾーン中に上乗せがされるまでの流れの例を示す図である。
【
図14】
図13に示す流れにおいてフリーズが実行された場合の変形例を示す図である。
【
図15】
図14に示す流れにおいてフリーズの実行中から第三停止操作の後まで上乗せ数が報知される変形例を示す図である。
【
図16】(a1)(a2)は、上乗せ報知演出に用いる装飾語句表示の一例を示す図であり、(b1)(b2)は、(a1)に示す装飾語句表示を用いた上乗せ報知演出の一例を示す図である。
【
図18】基礎表示物BLにキャラクタを伴うアニメーションを用いた場合の装飾語句表示の例を示す図である。
【
図19】文字が立体的に表示される装飾語句表示の一例を示す図である。
【
図23】装飾語句表示およびその構成についての一例を示す図である。
【
図24】LEDランプの点灯態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の遊技台の実施形態に係るスロットマシンについて説明する。
【0010】
以下説明する本実施形態のスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、且つ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役およびその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
【0011】
まず、
図1および
図2を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。
図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
図2は、入賞ラインの一例を示す図である。
【0012】
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の前面側に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0013】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。
図2を用いて具体的に説明すると、左リール110の上段(図に示す1の位置)に表示される図柄を左リール上段図柄、左リール110の中段(図に示す2の位置)に表示される図柄を左リール中段図柄、左リール110の下段(図に示す3の位置)に表示される図柄を左リール下段図柄、中リール111の上段(図に示す4の位置)に表示される図柄を中リール上段図柄、左リール111の中段(図に示す5の位置)に表示される図柄を中リール中段図柄、中リール111の下段(図に示す6の位置)に表示される図柄を中リール下段図柄、右リール112の上段(図に示す7の位置)に表示される図柄を右リール上段図柄、右リール112の中段(図に示す8の位置)に表示される図柄を右リール中段図柄、右リール112の下段(図に示す9の位置)に表示される図柄を右リール下段図柄とそれぞれ呼び、各リール110乃至112のそれぞれの図柄は表示窓113を通して各リール110乃至112にそれぞれ縦方向に3つ、合計9つ表示される。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0014】
各々のリール110乃至112の背面には、表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。この光学式センサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0015】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。入賞ラインとは、入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことであり、本実施形態では左リール中段図柄、中リール中段図柄および右リール中段図柄で構成される中段入賞ラインL1の1ラインのみが設けられている。
図2には、この入賞ラインL1が示されている。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。
図1に示すスロットマシン100は3枚のメダルが必要となり、メダルの投入枚数が3未満のときはどの入賞ラインも有効にはならず、メダルが3枚ベットされたときに、入賞ラインL1が有効になる。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。なお、入賞ラインの数については1ラインに限定されるものではない。例えば、中段入賞ラインL1の他に、左リール上段図柄、中リール中段図柄および右リール下段図柄で構成される右下がり入賞ラインや、左リール下段図柄、中リール中段図柄および右リール上段図柄で構成される右上がり入賞ラインの計3ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に応じた数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
【0016】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役に内部当選していること、または、特定の遊技状態であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0017】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0018】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
【0019】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。なお以下では、遊技者に払出される、と同様の意味で、遊技者に付与されると表現する場合がある。本実施形態では、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
【0020】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0021】
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応付けられている。より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第一停止操作、次の停止操作を第二停止操作、最後の停止操作を第三停止操作という。また、これらの停止操作に対応して停止されるリールを順に第一停止リール、第二停止リール、第三停止リールと称する。さらに、回転中の各リール110乃至112を全て停止させるためにストップボタン137乃至139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。さらに、第一停止操作を左リール110の停止操作とする操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第一停止操作を右リール112の停止操作とする停止操作を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0022】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0023】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0024】
音孔145はスロットマシン100内部の下方に設けられているスピーカ277(
図3参照)の音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には、スロットマシン100内部の上方に設けられているスピーカ272(
図3参照)の音を外部に出力するための音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された演出画像表示装置157(液晶表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが演出画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側、前面側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。なお、この演出画像表示装置157は、表示手段、報知手段の一例に相当する。
【0025】
<制御部の回路構成>
次に、
図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0026】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。ここで、主制御部300に関しては、データ容量が大きくなるとプログラムの確認作業が困難になり、また不正改造の温床にもなるといったようなセキュリティ低下の問題が生じることから、主制御部300のROM306やRAM308のデータ容量には制限を設けている。なお、主制御部300は、役抽選手段、特典付与手段の一例に相当する。
【0027】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの図柄配列や停止位置等を記憶したROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0028】
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0~65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0029】
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、右ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、左リール110の光学式センサ、中リール111の光学式センサ、右リール112の光学式センサ、等)の状態を監視している。
【0030】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0031】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、および、右ストップボタン139センサは、各々対応するストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0032】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、対応するベットボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する(RAM308に記憶されている値をクリアし、同数のメダルを排出)。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0033】
左リール110の光学式センサ、中リール111の光学式センサ、および、右リール112の光学式センサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。一旦Lレベルになってから次にLレベルになるまでの間、リールが基準位置からどのくらい回転しているかを示す回転位置情報は、水晶発振器315bが出力するクロック信号をカウントした値に基づいて算出される。CPU304は、上記Lレベルの信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。この回転位置情報は、主制御部300のRAM308に格納されている。
【0034】
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0035】
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技の状態を示す情報)を出力する。
【0036】
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0037】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成されている。
【0038】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されている。
【0039】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0040】
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277が設けられている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS-ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0041】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネルランプ、ベットボタンランプ、リールバックライト等)が接続されている。
【0042】
また、第1副制御部400には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路424を設けており、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路424は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0043】
また、第1副制御部400には、センサ回路426を設けており、センサ回路426には入力インタフェースを介してシャッタセンサ428を接続している。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428の状態を監視している。
【0044】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0045】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されている。
【0046】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0047】
また、第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)を設けており、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0048】
<図柄配列>
次に、
図4を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施された図柄の配列を平面的に展開して示す図である。
【0049】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号1~20の20コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号1~20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「ベル図柄」、中リール111の番号2のコマには「リプレイ図柄」、右リール112の番号3のコマには「セブン1図柄」、がそれぞれ配置されている。
【0050】
本実施形態におけるスロットマシン100は、遊技の興趣を向上させるため、停止操作された位置から最大引込み範囲内(本実施形態では、5コマ未満)で、対応するリール110~112を停止させるように構成されている。
【0051】
<内部当選役および入賞役>
スロットマシン100では、遊技開始操作(スタートレバー135の操作)を受けて内部当選役を抽選し、その抽選の結果に基づいて入賞役が決定される。以下、
図5を用いて、スロットマシン100の内部当選役の一例である押し順ベルについて説明する。
図5は、押し順ベルの内容を示す図である。
【0052】
押し順ベル(押し順ベル_LCR~RCL)は、中段ベルと1枚役に重複して内部当選するものであり、押し順ベルに内部当選した場合には、ストップボタン137乃至139の停止操作がそれぞれに対応する正解の操作順序であれば中段ベルの図柄組合せが停止し、正解の操作順序でなければ1枚役のいずれかあるいはハズレの図柄組合せが停止する(1枚or0枚の払い出し(
図5中の「こぼし」))。なお、押し順ベル_LCRおよび押し順ベル_LRCに内部当選して中段ベルに入賞した場合は6枚の払い出しとなり、それ以外の押し順ベルに内部当選して中段ベルに入賞した場合は13枚の払い出しとなる。
【0053】
また、本実施形態では、押し順ベルの内部当選役の内部当選確率は均等であるが、この内部当選確率に偏りを設けてもよい。また、押し順ベル_LCRおよび押し順ベル_LRCに内部当選して中段ベルに入賞した場合は6枚の払い出しとなり、それ以外の押し順ベルに内部当選して中段ベルに入賞した場合は13枚の払い出しとしたが、中段ベルに入賞した場合は一律で13枚にするようにしてもよく、この場合は、内部当選確率に偏りを設けても良く、押し順ベル_LCRおよび押し順ベル_LRCの内部当選確率を低くして、他の押し順ベルの内部抽選確率は高くするようにしてもよい。また、本実施形態での押し順ベルの構成からすると、左第一停止をしない方がより多くの払い出しを得られる可能性がある。このような停止操作を抑制するために、例えば左第一停止をしない場合に何らかのペナルティ(例えば、CZやATへの移行抽選が行われない)が課される場合を設けてもよい。
【0054】
<遊技状態の種類>
次に、
図1に示すスロットマシン100の遊技状態の種類と、遊技状態の変遷について説明する。
図6は、
図1に示すスロットマシン100の遊技状態の遷移図である。
【0055】
図1に示すスロットマシン100では、
図6に示すように、遊技状態として、通常A、CZ、AT通常、引き戻しチャンス、プレエンディング、エンディング、特化ゾーン(準備状態を含む)を切り替えられるように構成されている。なお、以下の説明ではこれらの状態を通常状態(通常A、CZ)とAT状態(AT通常、引き戻しチャンス、プレエンディング、エンディング、特化ゾーン(準備状態を含む))の二種類に大別する場合がある。以下、各遊技状態について説明する。なお、各遊技状態間の移行条件については記載されている条件に限らず様々な条件(例えば、ゲーム数の経過、所定数の払い出し、移行抽選に当選、特定の内部当選役に当選、特定の入賞役に入賞、特定の図柄組み合わせの停止表示)を採用することができる。
【0056】
通常Aは、設定変更後、あるいはRAMクリア後の最初の遊技で設定され、主に滞在する遊技状態である。この通常Aからは、CZ抽選に当選するとCZへ移行する。またAT直撃抽選に当選することでAT通常に移行する。
【0057】
CZでは、遊技においてポイントを獲得する場合がある。そして、CZが終了するまで(例えば、10ゲーム消化するまで)に獲得したポイントに基づいてAT通常への移行の有無が決定される。なお、AT通常に移行しない場合は通常Aに移行する。
【0058】
AT通常では、押し順ベルに内部当選した場合に、正解の操作順序が報知される。この報知に従うことで中段ベルに入賞しやすくなり、遊技者がより多くの利益を獲得できる状態となる。このAT通常は、純増枚数管理型のATであって、当該セットにおいて規定の純増枚数を獲得できるまで継続し、上乗せが発生した際は獲得できる純増枚数が加算されることとなる。そして、このAT通常におけるメダルの純増数の累計が規定値(例えば、300枚)を超えると引き戻しチャンスに移行する。また、AT通常において特化ゾーンへの移行抽選に当選すると特化ゾーンに移行する。さらに、後述する滞在ゲーム数と払出枚数のそれぞれに設けられた上限値(リミッタ)に到達することが見込まれる状態でプレエンディングに移行する。
【0059】
引き戻しチャンスでは、押し順ベルに内部当選した場合に、正解の操作順序が報知される。ただし、押し順ベルに内部当選した場合にこの報知がされる頻度はAT通常よりも低く設定されており、押し順ベルに内部当選しても正解の操作順序が報知されない場合がある。また、引き戻しチャンスが終了するまで(例えば、30ゲーム消化するまで)の間に特定の図柄組み合わせ(例えば、セブン1図柄が中段ラインに揃った図柄組み合わせ)が停止した場合には再度AT通常に移行し、AT通常に移行しない場合は通常Aに移行する。
【0060】
特化ゾーン(準備状態を含む)では、AT通常と同様に押し順ベルに内部当選した場合に、正解の操作順序が報知される。また、特化ゾーン(準備状態を除く)では、特化ゾーン終了後のAT通常における純増数の累計の規定値が加算される。例えば、「左中右」の操作順序を報知する「123」を表示した場合、この123が純増数の累計の規定値に加算される。すなわち、正解の操作順序を報知するための数字を、規定値の加算に用いる構成を採用している。なお、特化ゾーンには、5ゲームの準備状態が設けられており、この準備状態を設けることで遊技者に心の準備をさせ、期待感を高めることができる。この特化ゾーンの終了条件(例えば、10ゲーム消化)が成立するとAT通常に移行し、加算された規定値を用いてAT通常が開始することになる。
【0061】
スロットマシン100では、上記説明した各遊技状態とは別に、非有利区間と有利区間が設定されている。設定変更後、あるいはRAMクリア後は非有利区間であり、何らかの内部当選役に当選すると有利区間に移行する。有利区間では、射幸性が高くなりすぎることがないように、滞在ゲーム数と払出枚数のそれぞれに上限値(リミッタ)が設けられており、このリミッタに到達すると非有利区間に戻るように構成されている。AT通常では、滞在ゲーム数や払出枚数がこのリミッタに近くなると、プレエンディングに移行し、さらにエンディングに移行するように構成されている。エンディングは、滞在ゲーム数や払出枚数がリミッタに到達することで終了して通常Aに移行する。
【0062】
<処理の概要>
以下、主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500の処理について図面を用いて説明する。
【0063】
<主制御部メイン処理>
まず、
図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って
図7に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0065】
電源投入が行われると、まず、ステップS101において主制御部初期設定処理を行う。この主制御部初期設定処理では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0066】
ステップS103では、遊技開始処理を実行する。この処理では、メダルの投入(手入れ又はベットボタン130~132の操作)の有無をチェックし、メダルが投入された場合にはこれを示す投入コマンドの送信準備を行う。なお、前回の遊技でリプレイに入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、規定数(3枚)のメダルが使用された状態でスタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があれば、投入されたメダル枚数および有効な入賞ラインを確定し、遊技を開始する。
【0067】
ステップS105では、現在の抽選状態に応じてROM306に格納されている内部当選役の抽選テーブルを読み出し、これと乱数発生回路316から取得した乱数値とを用いて内部抽選(役の抽選)を行い、内部当選役を決定する処理や、遊技状態の移行に関する抽選等(各種抽選処理)を実行する。
【0068】
ステップS107では、内部当選役抽選の結果に基づき、第一停止操作に対応するリール停止データが準備される。このリール停止データは、主制御部300のROM306内に記憶されている。
【0069】
ステップS109では、遊技間隔タイマ(後述するタイマ更新処理で減算)が0であることを条件としてリール110~112の回転を開始させるとともに、遊技間隔タイマに初期値が設定される。また、リール110~112の回転開始時にはリール回転開始コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。その後、リール110~112が所定の回転速度になり、各リールに設けられた光学式センサを検知し、各リールの図柄位置を把握すると、ストップボタン137~139に対する停止操作が有効化される。なお、上記遊技間隔カウンタによって、一遊技に要する最低の時間(本実施形態では、4.1s)を担保し、射幸性を抑えている。
【0070】
ステップS111は、リール停止制御処理が実行される。この処理では、停止操作が有効化された後、いずれかのストップボタン137~139が押されると、押されたストップボタン137~139に対応するリール110~112を停止させる。具体的には、停止操作がされる毎に、リール停止データの停止テーブルを参照し、停止テーブルに設定された引込みコマ数に従って停止操作に対応するリール110~112を停止させる。また、第一停止操作については第二停止操作に対応するリール停止データを準備し、第二停止操作については第三停止操作に対応するリール停止データを準備する。なお、停止操作毎に、対応するコマンド(第一~第三押下コマンド)を第1副制御部400に送信するための準備を行い、リール110~112が停止する毎に、対応するコマンド(第一~第三停止コマンド)を第1副制御部400に送信するための準備を行う。全リール110乃至112が停止するとステップS113へ進む。
【0071】
ステップS113では、入賞判定処理を行う。ここでは、有効化された入賞ライン上に、何らかの入賞役に対応する図柄組み合わせが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。なお、入賞役の判定を行った後に、入賞コマンドを第1副制御部400に送信するための準備を行う。
【0072】
ステップS115では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを付与(払出し)し、その付与数を払出枚数表示器127を用いて表示する。
【0073】
ステップS117では状態更新処理を実行する。具体的には、遊技状態の移行等の処理が実行される。
【0074】
以上により一遊技が終了する。以降、ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0075】
<主制御部300タイマ割込処理>
次に、
図8を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0077】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0078】
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0079】
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。なお、光学式センサの状態はこの処理で確認される。
【0080】
ステップS207では、各種遊技処理が実行され、割込みステータスに応じた処理が実行される。
【0081】
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。例えば、遊技間隔タイマを減算する、というような、各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する処理を実行する。
【0082】
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、主制御部300のメイン処理やタイマ割込処理等で送信準備されていた各種のコマンドを第1副制御部400に送信する。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は、ストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、コマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、投入コマンド、スタートレバー受付コマンド、内部当選コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転の開始に伴うリール回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う第一~第三押下コマンド、リール110乃至112の停止に伴う第一~第三停止コマンド、入賞コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、状態更新コマンド、獲得ポイントコマンド、設定変更コマンド、復電コマンド)、コマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
【0083】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0084】
ステップS213では、外部信号設定処理を行う。この外部信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0085】
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ339、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
【0086】
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号を受信した場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号を受信していない場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
【0087】
ステップS219では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定する等の処理を行う。その後、
図7に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0088】
一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタ等の退避が必要な情報をRAM308の所定の領域に退避し、RAM308の使用領域を少なくとも含む所定領域に対するチェックサム値を導出してRAM308に記憶させ、電断処理が行われたことを示す電源フラグをオンに設定する。
【0089】
<第1副制御部400の処理>
次に、
図9を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、
図9(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
図9(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。
図9(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0090】
まず、ステップS301では、各種の初期設定を行う。この初期設定は、電源投入が行われると実行される。この処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この処理で、内部当選の結果を表す情報である内部当選情報を記憶させるための領域と、遊技状態を表す情報を記憶させるための領域が、それぞれRAM408に設けられる。
【0091】
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
【0092】
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0093】
ステップS307では、主制御部300から受信した各コマンドに対応する処理であるコマンド処理が実行される。
【0094】
ステップS309では、演出制御処理を行う。ここでは、演出データを展開し、RAM408内に設けられた演出実行領域にデバイスデータを設定する処理や、RAM408内に設けられた演出予約領域に演出データを設定する処理、さらには、受信したコマンドとそのコマンドに含まれる情報に基づいて、演出データを設定したり、制御処理を実行する処理等を行う。なお、演出予約領域に設定された演出データや演出実行領域に設定されたデバイスデータを、別のデータに更新する(上書きする)場合がある。この場合、上書きされたデータに基づいて演出内容が変更される。
【0095】
ステップS311では、ステップS309の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、スピーカ272、277に対応する演出実行領域に設定されているデバイスデータから制御データを取得し、取得した制御データを音源IC418に出力することで、音による演出を実行させる。
【0096】
ステップS313では、ステップS309の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、各種ランプ420に対応する演出実行領域に設定されているデバイスデータから制御データを取得し、取得した制御データを駆動回路422に出力することで、ランプによる演出を実行させる。
【0097】
ステップS315では、ステップS309の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、シャッタ163に対応する演出実行領域に設定されているデバイスデータから制御データを取得し、取得した制御データを駆動回路424に出力することで、シャッタ163による演出を実行させる。
【0098】
ステップS317では、ステップS309の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、演出画像表示装置157に対応する演出実行領域に設定されているデバイスデータがあれば、このデバイスデータを第2副制御部500に送信する準備を行い、ステップS303へ戻る。
【0099】
次に、
図9(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS321では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0100】
次に、
図9(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0101】
ステップS331では、
図9(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0102】
ステップS333では、ステップS315で設定された第2副制御部500へのデバイスデータの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0103】
<第2副制御部500の処理>
次に、
図10を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、
図10(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。
図10(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。
図10(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
図10(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
【0104】
まず、
図10(a)のステップS401では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS401で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0105】
ステップS403では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS405の処理に移行する。
【0106】
ステップS405では、タイマ変数に0を代入する。
【0107】
ステップS407では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0108】
ステップS409では、演出制御処理を行う。具体的には、ステップS407で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、背景画像に関する画像制御を行う演出データをROM506から読み出す処理を実行する。また、これ以外の演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【0109】
ステップS411では、ステップS409の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS409で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行う。例えば、表示画像(報知画像、背景画像)に関する画像制御が実行される。この画像制御処理については、
図10(d)を用いて後述する。この画像制御処理が終了すると、ステップS403へ戻る。
【0110】
次に、
図10(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS415では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0111】
次に、
図10(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0112】
ステップS417では、
図10(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS403において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS403において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0113】
ステップS419では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0114】
次に、
図10(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS411の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
【0115】
ステップS421では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM518の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
【0116】
ステップS423では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS425に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0117】
ステップS425では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS421でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)、画像の重ね合わせおよび透過度、など)をVDP516に指示する。VDP516はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0118】
ステップS427では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0119】
ステップS429では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS431に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
【0120】
ステップS431では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
【0121】
≪動作例説明≫
以下、上記説明したスロットマシン100の特徴について動作例を用いて説明する。
【0122】
[CZでの動作例]
本実施形態ではCZにおいて押し順ベルに内部当選すると、第一停止操作に対応するキャラクタのポイントを獲得することができ、CZの終了条件(例えば、10ゲーム消化)が成立するまでに獲得したポイントに基づいてAT通常への移行が判定される。以下、このポイントを獲得するまでの流れについて図面を用いて説明する。
図11は、CZで用いられる各種テーブルを示す図であり、
図12は、CZ中にポイントを獲得するまでの流れの例を示す図である。
【0123】
CZでは、ベットボタン130~132の操作によって賭け数が最大になると、
図11(a)に示すパターン1~パターン8のキャラクタ配列から一つが選択される。これらのパターンは、各リールにキャラクタを対応付けたものである。なお、各パターンが選択される確率は、パターン1~6がそれぞれ15%であり、パターン7、8は各5%である。例えば、
図12(a1)には、MAXベットボタン132の操作によってパターン1が選択され、これに対応するキャラクタが表示された状態が示されている。
【0124】
続いて、遊技の開始操作(スタートレバー135の操作)がされ、押し順ベルに内部当選したとする。このとき、ストップボタン137~139の操作順序を示す数字(以下、操作ナビ)が表示される。
図12(a2)には、押し順ベル_LCRに内部当選し、
図12(a1)の状態に操作ナビが加わった状態が示されている。
【0125】
さらにこの遊技で、操作ナビに従って停止操作を行ったとする。この場合、第一停止操作がされたタイミングで、第一停止操作がされたリールに対応するキャラクタに「ポイント獲得」のセリフが表示され、それ以外のキャラクタが消去される。
図12(a3)には、第一停止操作がされた左リール110に対応する姫のキャラクタに「ポイント獲得」のセリフが表示された状態が示されている。
【0126】
その後、全ての停止操作がされると、
図11(b)に示すテーブルを参照して第一停止操作がされたリールに対応するキャラクタに応じたポイントが加算される。
図12(a4)には、姫のキャラクタに対応する50ポイントを獲得した状態が示されている。
【0127】
また、
図12(b1)~(b4)には、MAXベットボタン132の操作によってパターン1が選択され、さらに押し順ベル_CLRに内部当選した場合の動作例が示されている。なお、各場面のタイミングは
図12(a1)~(a4)と同じであるとする。この例では、まずパターン1に対応するキャラクタが表示(
図12(b1))され、続いて操作ナビが表示(
図12(b2))され、第一停止操作がされた中リール111に対応する殿のキャラクタに「ポイント獲得」のセリフが表示(
図12(b3))された後、殿のキャラクタに対応する30ポイントを獲得した状態(
図12(b4))が示されている。
【0128】
また、
図12(c1)~(c4)には、MAXベットボタン132の操作によってパターン8が選択され、さらに押し順ベル_LCRに内部当選した場合の動作例が示されている。なお、各場面のタイミングは
図12(a1)~(a4)と同じであるとする。この例では、まずパターン8に対応するキャラクタが表示(
図12(c1))され、続いて操作ナビが表示(
図12(c2))され、第一停止操作がされた左リール110に対応する婆のキャラクタに「ポイント獲得じゃ」のセリフが表示(
図12(c3))された後、婆のキャラクタに対応する60ポイントを獲得した状態(
図12(c4))が示されている。
【0129】
以上説明したように、本実施形態ではCZにおいて押し順ベルに内部当選すると、第一停止操作に対応するキャラクタのポイントを獲得することができる。なお、押し順ベルに内部当選しなかった場合には、キャラクタに対応するポイントは獲得できず、第三停止操作の後にキャラクタが非表示になる。また、押し順ベルに内部当選した場合であっても、操作ナビに従わなかった場合にはキャラクタに対応するポイントが獲得できない。
【0130】
さらに本実施形態では、
図11(a)に示すいずれのパターンにも、対応するポイントが大きい姫または婆のキャラクタが含まれる構成となっている。この構成により、ポイント獲得の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
【0131】
なお、本実施形態では獲得したポイントに基づいてAT通常への移行が判定されるが、例えば、ある累計ポイントがある値に到達していればAT通常に移行するようにしてもよいし、累計ポイントが多いほどAT通常に移行するための抽選に当選しやすくなるようにしてもよく、この判定については特に限定するものではない。
【0132】
なお、操作ナビが表示される内部当選役については押し順ベルに限られるものではなく、例えば押し順リプレイのような払い出しがない内部当選役であってもよい。また、上記の例では操作ナビに従わなかった場合にはポイントを獲得しない構成となっているが、操作ナビに従わなかった場合でもポイントが獲得できる構成としてもよい。
【0133】
また、CZ中にレア役に内部当選した場合には、CZの期間が延長されたり、CZのゲーム数を消費することなく当該遊技と次遊技を行うことができる、といったように、ポイント獲得の機会が増加したり、獲得できるポイントが増加する、といった利益が得られるようにしてもよい。
【0134】
なお、例えば、対応するポイントが大きいキャラクタのように、遊技者にとってより有利な特典が得られるキャラクタが特定のリール(例えば、左リール110)に対応して表示されるようにしてもよい。この構成では、特定のリールに対する注目度が高まり、より有利な特典が得られたことを認識しやすくすることができる。
【0135】
[特化ゾーン(準備状態を除く)での動作例]
特化ゾーンでは、押し順ベルに内部当選すると正解の操作順序が報知され、さらに特化ゾーン終了後のAT通常における純増数の累計の上限を増加(上乗せ)させることができる。以下、この上乗せがされるまでの流れについて図面を用いて説明する。
図13は、特化ゾーン中に上乗せがされるまでの流れの例を示す図である。
【0136】
特化ゾーンでは、遊技の開始操作(スタートレバー135の操作)がされて押し順ベルに内部当選すると、ストップボタン137~139の操作順序を示す数字(以下、操作ナビ)が表示される。
図13には、遊技の開始操作によって押し順ベル_RCLに内部当選した場合に、この開始操作のタイミングA1において「右中左」の操作順序に対応する数字「321」が演出画像表示装置157に表示されることが示されている。
【0137】
さらにこの遊技で、操作ナビに従って停止操作を行ったとする。この場合、第三停止操作がされると上乗せ数が表示される。
図13には、第三停止操作のタイミングA4において上乗せ数である「321」が演出画像表示装置157に表示されることが示されている。
【0138】
本実施形態では、この上乗せ数を、操作ナビの数字を用いて表示可能な値とする構成を採用している。具体的には、操作ナビに用いる数字が「123」であれば上乗せ数は「123」であり、操作ナビに用いる数字が「231」であれば上乗せ数は「231」である。このような構成とすることで、操作ナビによって上乗せ数が把握でき、操作ナビが表示されることによる遊技の興趣を向上させることができる。なお、この操作ナビについては数字以外のエフェクトを含んだものであってもよい。
【0139】
なお、上記の例では操作ナビに従わなかった場合には上乗せされない構成となっているが、操作ナビに従わなかった場合でも上乗せされる構成としてもよい。また、特化ゾーン中に弱レア役に内部当選した場合には特化ゾーンが1ゲーム延長され、強レア役に内部当選した場合には特化ゾーンが2ゲーム延長される、といったように内部当選役に応じて、特化ゾーンの期間が延長されるようにしてもよい。
【0140】
図13では、遊技の開始操作がされてすぐにリールが回転開始するとともに操作ナビが表示される例について説明したが、この遊技の開始操作がされた後に所謂フリーズを実行し、その後にリールが回転開始するとともに操作ナビが表示される場合があるようにしてもよい。
図14には、
図13に示す流れにおいてフリーズが実行された場合の変形例が示されている(
図14のタイミングB1~B2の「ウェイト発生」がフリーズ実行期間)。この構成では、操作ナビが表示されるまでの期待感を高めることができる。
【0141】
さらに、
図13、
図14の例では、操作ナビが表示された後に上乗せ数が表示される構成について説明したが、操作ナビが表示されるよりも前に上乗せ数を表示するようにしてもよい。
図15には、
図14に示す流れにおいてフリーズの実行中から第三停止操作の後まで上乗せ数が報知される変形例が示されている(
図15のタイミングC2以降の「上乗せ報知」参照)。この構成では、上乗せ数の報知によって操作順序を把握することができ、上乗せ数が表示されることによる遊技の興趣を向上させることができる。なお、
図15の例ではフリーズの実行中に上乗せ数を報知しているが、フリーズ終了時に上乗せ数を報知するようにしてもよく、またフリーズを実行せずに上乗せ数を遊技の開始時や停止操作がされるよりも前から報知するようにしてもよい。この場合、上乗せ数の報知と同時に操作ナビを開始するようにしてもよく、上乗せ数の報知よりも少し遅れて操作ナビを開始するようにしてもよい。例えば、リールの回転速度が一定速度に到達して停止操作が可能となったタイミングで操作ナビを開始し、この操作ナビの開始タイミングよりも前に上乗せ数の報知を開始するようにしてもよい。
【0142】
このように、特化ゾーンは、遊技の開始操作(スタートレバー135の操作)がされて押し順ベルに内部当選した際に報知されたストップボタン137~139の操作順序を示す数字が、そのままAT通常における上乗せ数となる状態である。なお、上乗せ数の種類は操作順序の種類(押し順ベルの種類)に対応しており、最も大きい上乗せ数となるのが押し順ベル_RCLに内部当選したときの「321」であり、最も小さい上乗せ数となるのが押し順ベル_LCRに内部当選したときの「123」となり、押し順ベルと上乗せ数とが一対一で対応しているため、このような特化ゾーンを実現できる。
【0143】
なお、本件の押し順ベルは抽選確率が均等に「1/10」となっていることから均一な上乗せ抽選を受けることができる。一方で、押し順ベルの抽選確率が均等ではなく偏っている場合でも、例えば、押し順ベル_LCRおよび押し順ベル_LRCの抽選確率をそれぞれ「1/10」とし、それ以外の押し順ベルの抽選確率を「1/5」とすることで、上乗せ数として小さい「123」や「132」の頻度を抑制することができ、大きい上乗せ数を付与しやすくなる。
【0144】
また、上述した特化ゾーンでは、押し順ベルと上乗せ数とが対応していることから、操作順序として報知された数字(ナビ)がそのまま上乗せ数として報知・付与される例であったが、これに限らず、例えば、押し順の操作ナビが第一停止操作のみを示す「―・―・1」であったり、押し順の操作ナビが第一停止操作ナビ及び押し順当てナビになっている「?・?・1」であったりしてもよく、この場合、付与される上乗せ数として1、11、111、991などが含まれるように押し順ナビと特典とが一対多のような関係を含んでもよい。
【0145】
[語句の装飾表示(装飾語句表示)について]
遊技における情報を報知するにあたり、装飾された語句(以下、装飾語句表示)を用いる場合がある。以下、このような装飾語句表示の構成について図面を用いて説明する。
図16(a1)(a2)は、上乗せ報知演出に用いる装飾語句表示の一例を示す図であり、
図16(b1)(b2)は、(a1)に示す装飾語句表示を用いた上乗せ報知演出の一例を示す図である。
【0146】
図16(a1)に示す装飾語句表示DCは、「上乗せ+312」を示す文字の形の領域である文字領域内において、虹色のグラデーションのアニメーションが表示されるものである。この装飾語句表示DCは、虹色のグラデーションのアニメーションを表示する基礎表示物(特定の表示物に相当)に対し、表示される領域(表示領域)と表示されない領域(非表示領域)を設定して構成された表示である。なお、虹色のグラデーションのアニメーションを表示する基礎表示物は、一例として、赤、橙、黄、緑、青、紫(逆も可)までの色変化について、この色変化の順に色が分布した状態から、各画素の色をこの色変化の順に周期的に変化させることで、この並びに沿って虹色の変化が周期的に生じるようにしたものが挙げられる。なお、以下の図では、赤、橙、黄、緑、青、紫までの周期的な色変化を濃淡で表すものとする。
図16(a2)は、この装飾語句表示DCの構成を三次元的に示した模式図である。以下の説明では理解を容易にするためにこのような模試図を用いる場合がある。
【0147】
装飾語句表示DCは
図16(a2)に示すように、基礎表示層BL(この例では虹色のグラデーションのアニメーション)と、この基礎表示層BLに重ね合わされたマスク層FLによって構成されたものである。このマスク層FLには、他の層(
図16(a2)では重ね合わされた基礎表示層BL)に対して表示を許可する表示許可領域と、表示を制限(非表示に)する表示制限領域が設けられている。この例では、マスク層FLに設けられた「上乗せ+312」を示す文字の形の表示許可領域が基礎表示層BLの表示領域として設定される。また、「上乗せ+312」を示す文字の形を除く領域である表示制限領域が基礎表示層BLの非表示領域として設定される。これらの構成によって
図16(a1)に示す装飾語句表示DCが表示されることになる。この構成では、文字領域の縦横のサイズよりも大きなサイズの基礎表示層BLを用いればよく、設計負担を軽減することができる。
【0148】
マスク層FLの表示制限領域は、重ね合わされた他の層が表示されないようにするものであればよい。例えば、この表示制限領域内に別途表示物(例えば、画像、アニメーション)を設定し、その表示物が表示されるようにしてもよいし、表示物を設定しない(透過領域あるいは透明状態となる)ようにしてもよい。
図16(a1)(a2)の例では、装飾語句表示DCで表示される文字の縁が明確になるように、表示制限領域のうち、「上乗せ+312」を示す文字の形の表示許可領域に隣接する画素に縁用の色が設定されている。そして、この文字の縁以外の画素については表示物を設定せずに透過領域としており、
図16(b2)のように背景画像BGに重ねた場合に、
図16(b1)のように装飾語句表示DCと文字の縁以外の部分において背景画像BGが表示された状態にすることができる。なお、縁(あるいは縁どり)を用いない構成としてもよいが、縁があることで文字領域を目立たせて認識しやすくすることができる。
【0149】
なお、上記の説明では、基礎表示層BLのうち表示領域に設定された部分はそのまま表示される例について説明したが、このような構成については例えば、マスク層FLの表示許可領域がくり抜かれている(表示許可領域に何もない)ものであるとも言えるし、マスク層FLの表示許可領域が透明になっているものであるとも言える。いずれにしても、マスク層FLの表示許可領域については、重ね合わせられた層の表示が反映されるものであればよく、その構成が限定されるものではない。また、例えばマスク層FLの表示許可領域に透過率を設定できるようにした上で、この透過率に応じて表示を変化させるようにしてもよい。
【0150】
図16(a2)では、基礎表示層BLとマスク層FLが同じ大きさの場合について説明したが、例えば、
図17(a)に示すように、マスク層FLの縦横のサイズが、基礎表示層BLの縦横のサイズよりも小さいものであってもよい。この場合、基礎表示層BLのうち、マスク層FLの縦横のサイズよりも大きい部分をカットしたり、透過領域とすることで、
図16(a1)の装飾語句表示DCを表示することができ、設計の際の負担を軽減することができる。
【0151】
また、
図16の例では、基礎表示層BLとマスク層FLによって構成された装飾語句表示DCを、背景画像BGに重ねる構成について説明したが、例えば、
図17(b)に示すように、マスク層FLの表示制限領域に背景画像BGを取り込んだものを用いた構成としてもよい。この場合、基礎表示層BLとマスク層FLによって
図16(b1)に示す画面を表示することができる。また、背景画像BGにおける或る部分を文字の形の表示許可領域としてくり抜いたり、透明にしたりするようにして、基礎表示層BLに重ねるようにする構成としてもよい。さらにこの場合は、基礎表示層BLの大きさは背景画像BGの大きさに合わせてもよいし、或る部分の大きさに合わせる(背景画像BGよりも小さい)ようにしてもよい。
【0152】
なお、
図17(a)と
図17(b)のマスク層FLを比較すると、
図17(b)の方がマスク層FLのサイズが大きいため、その分データ容量に負荷がかかることになる。ここで例えば、装飾語句表示DCで表示される文字に対して有利度に応じたエフェクトを加える、といった場合に、このエフェクトの種類に応じてマスク層FLを準備すると、データ容量が圧迫されることになる。こうしたことから、マスク層FLにはエフェクト用の表示物を設定せずに、このマスク層FLとは別にエフェクト用の表示物を設定した層(以下、エフェクト層)を用いた構成としてもよい。
図17(c)には、
図17(b)の構成に、エフェクト層ELを別途設けた場合の例が示されている。このエフェクト層ELは、マスク層FLと同様に表示許可領域と表示制限領域が設定されたものである。なお、マスク層FLとは縦横のサイズが異なり、さらに表示制限領域にエフェクト用の表示物が設定されている点が異なっている。なお、エフェクトの種類によっては、マスク層FLの表示許可領域の一部を表示制限領域とするように設定されたエフェクト層ELを用いてもよい。
【0153】
なお、
図16、
図17では、虹色のグラデーションのアニメーションを表示する基礎表示物BLを用いた構成について説明したが、このグラデーションに用いる色については虹色に限定されるものではない。また、グラデーションの静止画や、グラデーション以外の動画を表示する基礎表示物BLを用いてもよい。
図18には、基礎表示物BLにキャラクタを伴うアニメーションを用いた場合の装飾語句表示の例が示されている。また、基礎表示物BLについては、例えば、有利な状態に移行することが確定している場合に特定のアニメーションが用いられる、といったように、遊技者に有利な状態になると用いられる頻度が高くなるものを設けてもよい。また、遊技者に有利な特典を付与する場合であっても、有利度合いが高い特典が付与される場合(例えば、上乗せ数として100以上が付与される場合、ATやボーナスが付与される場合)には基礎表示物BLを虹色のグラデーションのアニメーションにする一方で、有利度合いが低い特典が付与される場合(例えば、上乗せ数として100未満が付与される場合、ATやボーナスの付与に関するCZが付与される場合)には、基礎表示物BLを特定の色(赤色や紫色)のアニメーションにする構成であってもよい。さらに、有利度が低い場合においてはアニメーションを伴わなくてもよい。
【0154】
また、
図16、
図17では、マスク層FLの表示制限領域の一部に文字の縁(あるいは縁どり)用の色を設定する例について説明したが、表示制限領域の全体に色を設定してもよい。
図18には、マスク層FLの表示制限領域(「大当たりボーナス」の文字の領域以外の領域)の全体に色が設定された場合の装飾語句表示の例が示されている。
【0155】
また、
図16、
図17では、マスク層FLの表示制限領域の一部に色を設定することで文字に縁(あるいは縁どり)が施される例について説明したが、
図19(a)に示すように文字が立体的に表示される装飾語句表示を用いてもよい。なお、
図19(a)では、立体的に表示された文字の上面の領域は表示許可領域(基礎表示層BLが表示されている部分)であり、立体的に表示された文字の側壁の領域は表示制限領域(マスク層FLに設定された色が表示されている部分)である。このように立体的な装飾語句表示を用いた場合、文字領域を目立たせて文字を認識しやすくすることができる。なお、この文字の側壁の領域についてはマスク層FLに設定されたアニメーションが表示されるようにしてもよいし、この領域についても文字の上面の領域と同様に(あるいは透過率が異なる)表示許可領域として(基礎表示層BLが表示されるようにして)もよい。
【0156】
また、
図16、
図17では、装飾語句表示DCが画面左上に表示される例について説明したが、例えば、
図19(a)のように画面全体に装飾語句表示DCを表示してもよいし、
図19(b)のように他の演出を実行している画面の一部で装飾語句表示DCを表示してもよく、装飾語句表示の表示範囲や表示位置については限定されるものではない。また、装飾語句表示DCは同じ表示をサイズを変更して用いるようにしてもよく、この場合にはデータ容量を軽減することができる。
【0157】
[基礎表示物BLのグラデーションの例]
図16、
図17の例では、虹色のグラデーションのアニメーションを表示する基礎表示物BLを用いた構成について説明したが、この具体例について
図20~
図22を用いて、説明する。
図20、
図21は、それぞれ基礎表示物BLの一例を示す図であり、
図22は、
図20、
図21の基礎表示物BLを用いた装飾語句表示DCの一例を示す図である。
【0158】
図20、
図21の基礎表示物BLは、いずれも、各画素において赤(図面では最も淡い部分)から橙、黄、緑、青を経て紫(図面では最も淡い部分)に色が変化した後、この色変化を紫から赤に戻るまで逆に辿る一連の変化が同じ周期で繰り返されるものである。そして、この色変化(赤→紫→赤)のグラデーションが所定方向に分布した状態から、各画素において一連の色変化を行うことで、同色の領域が所定方向に移動するようなアニメーションとなっている。
図20(a)~(f)には、グラデーション内の同色の領域が横方向(例えば、右から左)に移動するアニメーションを採用した基礎表示物BLの変化の様子が示されている。
図21(a)~(f)には、グラデーション内の同色の領域が縦方向(例えば、下から上)に移動するアニメーションを採用した基礎表示物BLの変化の様子が示されている。なお
図21の例では、上半分の領域と下半分の領域が同じ表示となっている。
【0159】
図22(a1)(a2)は、
図20の基礎表示物BLを用いた場合の装飾語句表示の例が示されている。これらの例は、同じ基礎表示物BLを用いているが、それぞれのマスク層FLの表示許可領域(文字の領域)が異なるものである。このように、異なるマスク層FLを使用することで、同じ基礎表示物BLを流用して異なる装飾語句表示にすることができる。
【0160】
また
図22(a1)(a2)の例では、基礎表示物BLの赤から紫までの色分布が装飾語句表示を構成する複数の文字の領域に跨っているが、それぞれの文字においては色分布の一部だけが表示された状態となっている。この例のようにグラデーションによる色分布が装飾語句表示を構成する複数の文字全体に跨った構成にした場合、装飾語句表示の文字全体で統一感のある表示にすることができる。
【0161】
図22(a1)(a2)の例のようにマスク層FLの表示許可領域(文字の領域)が異なると、基礎表示物BLの表示される領域が異なることになる。例えば、
図22(a1)(a2)では、「+312」の文字と「特化」の文字の違いによって表示許可領域が異なっており、この違いによって基礎表示物BLの表示される領域が異なっている。例えば、「+312」の文字の方が「特化」の文字よりも左右幅が広く、基礎表示物BLの左右端の色が「特化」の文字では表示されていない。
【0162】
図22(b1)(b2)は、
図21の基礎表示物BLを用いた場合の装飾語句表示の例が示されている。これらの例は、同じ基礎表示物BLを用いているが、それぞれのマスク層FLの表示許可領域(文字の領域)が異なるものである。このように、異なるマスク層FLを使用することで、同じ基礎表示物BLを流用して異なる装飾語句表示にすることができる。
【0163】
また、
図22(a1)(a2)の例では、「上乗せ+312」や「上乗せ特化」という語句全体で基礎表示物BLの赤から紫までの色分布が表示され語句全体の見栄えをよくしているが、
図22(b1)(b2)の例では、基礎表示物BLの赤から紫までの色分布が装飾語句表示を構成するそれぞれの文字で表示された状態となっている。このような構成の場合、それぞれの文字の見栄えをよくしたり、各文字の色分布が共通することで統一感のある装飾語句表示にすることができる。なお、例えば漢字の「一」を示す文字の形の領域のように、他の文字と比較して領域が小さい場合、色分布の方向によってはこれを認識しにくくなってしまう場合があるが、このような文字を含む装飾語句表示があってもよい。
【0164】
図22(b1)(b2)の例のようにマスク層FLの表示許可領域(文字の領域)が異なると、基礎表示物BLの表示される領域が異なることになる。例えば、
図22(b1)(b2)では、「+312」の文字と「特化」の文字の違いによって表示許可領域が異なっており、この違いによって基礎表示物BLの表示される領域が異なっている。例えば、「+312」の文字の方が「特化」の文字よりも左右幅が広く、基礎表示物BLの左右端に近い部分が「特化」の文字では表示されていない。
【0165】
なお、
図20~
図22で説明した装飾語句表示およびその構成については上記の構成に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。例えば、
図16(a2)で説明したマスク層FLを上半分と下半分の二つに分けたもの(
図23(a1)(a2))と、
図20で説明した基礎表示物BLの上半分だけを用いたもの(
図23(b1))をそれぞれ用意し、これらを用いて構成された装飾語句表示(
図23(c1)(c2))をそれぞれ組み合わせることで、
図22(a1)と同じ表示にすることができる。また例えば、
図16(a2)で説明したマスク層FLを上半分と下半分の二つに分けたもの(
図23(a1)(a2))と、
図21で説明した基礎表示物BLの上半分だけを用いたもの(
図23(b2))をそれぞれ用意し、これらを用いて構成された装飾語句表示(
図23(d1)(d2))をそれぞれ組み合わせることで、
図22(b1)と同じ表示にすることができる。
【0166】
なお、グラデーションを装飾語句表示の文字領域で表示する際、このグラデーションによる色変化が繰り返される色分布になっていると、遊技者とって見にくい状態になる虞がある。そのため、装飾語句表示でグラデーションを用いる場合には、各文字領域においてグラデーションの色変化の繰り返しがない色分布となるように構成してもよい。なお、語句の大きさや使用する文字によっては、グラデーションの色変化が繰り返される部分を含んでしまう場合(色変化が一巡して再度同じ色変化をする部分が出現する場合)もあるが、この場合においても、「赤→紫→赤」のように装飾語句表示の一端部と、該一端部から対向する位置の他端部との色が同じになるタイミングがあってもよく、このようにすることで装飾語句表示全体における見栄えをよくすることができる。つまり、装飾語句表示において「赤→橙→黄→緑→青→紫」と色分布を起点(この例では赤)が含まれない一巡としてもよく、装飾語句表示において「赤→橙→黄→緑→青→紫→赤」と色分布を起点(この例では赤)が含まれる一巡としてもよい。一方で、グラデーションとして表現される色が少ない場合は色分布の一巡が短くなってしまうため、装飾語句表示においてグラデーションの色変化の繰り返しを含んでもよい。
【0167】
[LEDランプの点灯態様について]
図16等で説明した装飾語句表示では、文字領域内にグラデーションのアニメーションを表示する構成について説明した。このようなグラデーションを表示する装飾語句表示を用いる際には、遊技台のLEDランプの点灯態様を装飾語句表示に合わせたグラデーションにしてもよい。以下、
図24を用いてLEDランプの点灯態様の例について説明する。
【0168】
以下説明する例では、遊技台の前面において、上部ランプUP、左上ランプLU、右上ランプRU、左下ランプLB、右下ランプRB、の5箇所のLEDランプが設けられている。
図24(a)では、通常状態においてこれらのランプが消灯している例が示されている。
【0169】
図24(b)(c)では、演出画像表示装置157において、装飾語句表示が表示されているときの様子が示されている。ここでの装飾語句表示は、
図16、
図22(a1)で説明したものと同様に、文字領域内におけるグラデーションの同色の領域が移動するアニメーションとなっている。このとき、遊技台のLEDランプの点灯態様を装飾語句表示に合わせたグラデーションにすることで、装飾語句表示が表示された場合の演出を楽しませることができる。また、装飾語句表示に気付いていない遊技者に対し、これを気付かせることができる。
図24(b)(c)には、文字領域内の表示に合わせて各LEDランプをグラデーションの点灯態様で表示している様子が示されている。
【0170】
なお、装飾語句表示における色と、LEDランプの色については、それぞれのデバイスの違いによって完全に一致させることが困難な場合があるため、多少の色味の違いや色数に違いがあってもよい。よって例えば、装飾語句表示の文字領域における色数よりも、LEDランプの発光色数が多い場合があってもよく、逆に少ない場合があってもよい。この場合、装飾語句表示とLEDランプのうちの一方で表現しにくい色があっても、他方で補うことができ、見栄えを良くすることができる。このように、装飾語句表示におけるグラデーション表示とLEDランプにおけるグラデーション表示とで、完全に態様が一致している必要はなく、例えば、装飾語句表示とLEDランプとで類似(あるいは同様)の態様であってもよいし、装飾語句表示の文字領域における色の態様がLEDランプの点灯態様に含まれる(例えば、文字領域が橙→…→青の場合に、LEDランプが赤→橙→…→青→紫)ようにしてもよい。また、装飾語句表示が或る態様であれば、LEDランプも或る態様とするように対応した態様であってもよい。いずれにしても、装飾語句表示の文字領域に表示されている態様(配色の態様、時間で変化する場合はその変化の態様など)でLEDランプが発光するものであればよい。
【0171】
また、各LEDランプでグラデーションを表示する際には、それぞれのLEDランプにおける色変化の周期が同じになるようにしてもよい。
図24(b)(c)には、LEDランプにおけるグラデーションの変化周期を一致させた場合の一例が示されている。
【0172】
図24(b)では、各LEDランプのグラデーションによる色分布が複数のLEDランプに亘ってあたかも連続するように点灯態様が設定されている。具体的には、各LEDランプのグラデーションの際に、右下ランプRBの上端と右上ランプRUの下端、右上ランプRUの上端と上部ランプUPの右端、上部ランプUPの左端と左上ランプLUの上端、左上ランプLUの下端と左下ランプLBの上端、のそれぞれの色が同じになるように点灯態様が設定されている。これによって右下ランプRB、右上ランプRU、上部ランプUP、左上ランプLU、左下ランプLBの順(あるいは逆順)で連続して色が変化(色が移動)するように見せることができる。
図24(b)では、この順番で赤→紫→赤→紫→赤→紫のグラデーションとなっている様子が示されている。なお、この
図24(b)の例のように、複数のLEDランプを跨いで一連のグラデーションを表現する場合に、グラデーションが繰り返される部分(
図24(b)では、赤→紫→赤が繰り返されている)があるように構成してもよい。この構成では、グラデーションが繰り返されることで常にグラデーションの全色が表示されることになり、見栄えをよくすることができる。一方で、複数のLEDランプを跨いで一連のグラデーションを表現する場合に、グラデーションの繰り返しがない(赤→紫の色分布が一巡で収まる)ように構成してもよい。こうしたグラデーションの繰り返しの回数やLEDランプの大きさや配置によって、遊技台により適した見栄えにすることができる。また、グラデーションの繰り返しの回数やLEDランプの大きさや配置の組み合わせによっては、開発負担を軽減できる場合がある。例えば、多くの発光箇所を制御するような構成でグラデーションの色分布を一巡以内に収める場合、中間色を増やしたり、一色の範囲を広くしたりする必要が生じることで開発の負担が増える可能性があるが、グラデーションの色分布を一巡以内に収めることなく複数回繰り返す(例えば、赤→紫→赤と色分布の二巡目以降がある)構成とすることで、こうした開発負担を軽減できる場合がある。
【0173】
図24(c)では、各LEDランプのグラデーションの色分布が同じになるように点灯態様が設定されている。具体的には、各LEDランプのグラデーションの際に、右下ランプRBの上端から下端、右上ランプRUの上端から下端、上部ランプUPの右端から左端、左上ランプLUの下端から上端、左下ランプLBの下端から上端、のそれぞれの方向に色が移動するように点灯態様が設定されている。これによって右下ランプRB、右上ランプRU、上部ランプUP、左上ランプLU、左下ランプLBのそれぞれが同調しているように見せることができる。
図24(c)では、全てのLEDランプで赤→紫のグラデーションとなっている様子が示されている。
【0174】
なお、
図24(b)のようにLEDランプ全体で一巡以上のグラデーションを繰り返す構成や、
図24(c)のように複数箇所のLEDランプのそれぞれにおいてグラデーションが表示される構成とすることで、装飾語句表示の文字領域において表示される色分布が少ない(例えば一巡する色変化の一部である)場合であっても、装飾語句表示が表示された場合の演出を楽しませることができる。
【0175】
また、装飾語句表示のグラデーションを構成する画素の色変化の周期と、LEDランプのグラデーションを構成する光源の色変化の周期について、これらを一致させてもよいし、一致させなくとも(異ならせても)よい。一致させた場合には遊技台全体で統一感を生じさせることができる。また、一致させない場合には、開発負担を軽減することができる。さらに、色変化の周期を一致させた場合、表示される色の分布についても一致するようにしてもよいし、一致させなくとも(異ならせても)よい。表示されている色分布についても一致させるようにした場合には、より統一感を生じさせることができる。また、一致させない場合には、開発負担を軽減することができる。
【0176】
また、装飾語句表示のグラデーションにおいて色領域が移動する方向(色変化の方向)と、LEDランプのグラデーションにおいて色領域が移動する方向(色変化の方向)について、これらを一致させてもよいし、一致させなくとも(異ならせても)良い。一致させた場合には遊技台全体で統一感を生じさせることができる。また、一致させない場合には、開発負担を軽減することができる。
【0177】
なお、上記の説明では装飾語句表示で用いる基礎表示物BLがグラデーションのアニメーションである場合について説明したが、基礎表示物BLがグラデーションのアニメーションではなく、グラデーション等や何らかの色が分布した静止画である場合には、その色合いに合わせた点灯態様でLEDランプを点灯させる構成としてもよい。
【0178】
≪発明の構成と実施形態の対応≫
以下、上記実施形態に基づく発明の構成について、対応する構成を参照しつつ記載する。
【0179】
上記の説明(特に、[CZでの動作例][特化ゾーン(準備状態を除く)での動作例])では、
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110~112)と、
前記複数のリールの各々に対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるための複数のストップボタン(例えば、ストップボタン137~139)と、
内部当選役を抽選により決定する役抽選手段(例えば、主制御部300)と、
報知手段(例えば、演出画像表示装置157)と、
有利な状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御部300)と、
を備えた遊技台であって、
前記報知手段は、前記内部当選役に応じて前記ストップボタンの操作順序を報知する場合がある手段であり(例えば、
図12、
図13)、
前記特典は、前記報知手段が報知する操作順序と関連する特典である(例えば、
図12の例では、報知された押し順のうち第一停止操作に対応するポイントが選択され(
図11)、
図13の例では、報知された押し順の数字が上乗せの数字に対応している)、
ことを特徴とする遊技台、について説明した。
【0180】
この遊技台では、操作順序から特典を把握したり、特典から操作順序を把握したりすることでき、遊技の興趣を向上させることができる。なお、報知される操作順序は、複数のストップボタンのうちの一部に対する操作順序であってもよい。また、報知される操作順序と特典との対応については、一対一の関係であってもよいし、一対多の関係であってもよく、報知される操作順序と特典との間に関連があればよい。また、操作順序が報知される際の内部当選役については特に限定されるものではない。
【0181】
また、上記記載の遊技台は、
前記特典は、前記報知手段によって遊技者に有利となる操作順序の報知が行われる遊技状態(例えば、AT状態)に関するものである(例えば、
図12ではAT状態に移行するためのポイント、
図13ではAT状態での払い出し枚数の上限の上乗せ)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0182】
この遊技台では、有利な遊技状態に関する特典が付与されることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0183】
また、上記記載の遊技台は、
前記報知手段が第一の操作順序(例えば、中左右)を報知した場合と、前記報知手段が該第一の操作順序とは異なる第二の操作順序(例えば、右中左)を報知した場合で、付与される前記特典の有利度が異なる場合がある(例えば、
図11(a)で同じパターンが選択された場合は押し順に応じて得られるポイントが異なる、
図13では押し順に応じて上乗せの大きさが異なる)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0184】
この遊技台では、特典の有利度が操作順序によって異なるため、有利な特典が得られる操作順序が報知されることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0185】
また、上記記載の遊技台は、
前記報知手段が報知した前記第一の操作順序に従った場合と、前記報知手段が報知した前記第二の操作順序に従った場合で、得られる払い出し数が同じになる(例えば、
図5では押し順ベル_CLRの内部当選時に中左右の操作をした場合と、押し順ベル_RCLの内部当選時に右中左の操作をした場合は、いずれも中段ベルに入賞して13枚の払い出し)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0186】
この遊技台では、払い出し数が同じであっても特典の有利度が操作順序によって異なるため、有利な特典が得られる操作順序が報知されることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0187】
また、上記記載の遊技台は、
前記操作順序を報知する前にフリーズが実行される場合がある(例えば、
図14参照)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0188】
この遊技台では、操作順序の報知にあたって期待感を向上させることができる。
【0189】
また、上記記載の遊技台は、
前記報知手段は、数字を含む態様で前記操作順序を報知する手段であり、
前記特典は、前記数字で表示可能な特典である(例えば、
図13参照)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0190】
この遊技台では、操作順序の報知から特典の内容を把握しやすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、操作順序の報知については数字のみを用いてもよいし、数字と共にエフェクトが表示されるものであってもよい。
【0191】
また、上記記載の遊技台は、
前記特典付与手段は、所定の遊技状態(例えば、
図6の特化ゾーン)において前記特典を付与可能な手段であり、
前記所定の遊技状態は、準備状態を経てから開始される遊技状態であり、
前記準備状態では、前記報知手段が報知する操作順序と関連する特典が付与されることはない、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0192】
この遊技台では、所定の遊技状態がいきなり開始することがないため、遊技者に心の準備をさせることができる。
【0193】
また、上記の説明(特に、[語句の装飾表示(装飾語句表示)について][基礎表示物BLのグラデーションの例])では、
表示手段(例えば、演出画像表示装置157)を備えた遊技台であって、
前記表示手段は、装飾語句表示(例えば、
図16(a1)の装飾語句表示DC)を表示可能であり、
前記装飾語句表示は、語句を構成する文字の形の領域である文字領域に所定の表示物(例えば、
図16(a1)ではグラデーション)が表示されたものである、
ことを特徴とする遊技台、について説明した。
【0194】
この遊技台では、文字の中に所定の表示物を表示することで多彩な文字表現を実現でき、表示物を表示しない場合に比べて見栄えが良くなり演出効果の向上を図ることが出来る。
【0195】
また、上記記載の遊技台は、
前記装飾語句表示は、特定の表示物(例えば、基礎表示物BL)における前記文字領域に対応する領域を前記所定の表示物として表示し、該特定の表示物における前記文字領域に対応しない領域を非表示として構成されている表示である(例えば、
図16(a2)参照)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0196】
この遊技台では、文字領域を異ならせるだけで同様の態様の装飾語句表示とすることができ、データ量を抑えて開発負担を軽減することができる。例えば、装飾語句表示の種類分のアニメーションを用意する必要がなくなる。また、文字数や形状が変わることで、一方の文字領域では視認できなかった部分の特定の表示物の領域が、他方の文字領域では視認できるようになり演出効果を多様化することができる。
【0197】
また、上記記載の遊技台は、
前記装飾語句表示として、第一の装飾語句表示(例えば、
図22(a1))および該第一の装飾語句表示とは語句が異なる第二の装飾語句表示(例えば、
図22(a2))があり、
前記第一の装飾語句表示と前記第二の装飾語句表示は、前記特定の表示物が共通する表示である(例えば、
図22(a1)(a2)はいずれも
図20の基礎表示物BLを使用している)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0198】
この遊技台では、文字領域を異ならせるだけで同様の態様の装飾語句表示とすることができ、データ量を抑えて開発負担を軽減することができる。例えば、装飾語句表示の種類分のアニメーションを用意する必要がなくなる。また、文字数や形状が変わることで、一方の文字領域では視認できなかった部分の特定の表示物の領域が、他方の文字領域では視認できるようになり演出効果を多様化することができる。
【0199】
また、上記記載の遊技台は、
前記所定の表示物はグラデーションを表示するものである、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0200】
この遊技台では、装飾語句画像をグラデーションを用いて表示することで、文字を認識しやすくしつつ見栄えをよくすることができる。
【0201】
また、上記記載の遊技台は、
前記所定の表示物はアニメーションである、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0202】
この遊技台では、アニメーションを組み合わせた装飾語句画像とすることで、遊技の興趣を向上させることができる。なお、アニメーションの種類については実施例の構成に限定されるものではない。
【0203】
また、上記記載の遊技台は、
前記装飾語句表示は、遊技者に有利な特典が付与される際には前記所定の表示物として所定のアニメーションが表示されやすい表示である、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0204】
この遊技台では、遊技者に有利な状態で所定のアニメーションを組み合わせた装飾語句画像が表示されやすくなるため、この装飾語句表示の表示された際に期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。なお、アニメーションの種類については実施例の構成に限定されるものではない。
【0205】
また、上記の説明(特に、[語句の装飾表示(装飾語句表示)について][基礎表示物BLのグラデーションの例][LEDランプの点灯態様について])では、
表示手段(例えば、演出画像表示装置157)と、
発光手段(例えば、LEDランプ、
図24)と、を備えた遊技台であって、
前記表示手段は、装飾語句表示(例えば、
図16(a1)の装飾語句表示DC)を表示可能であり、
前記装飾語句表示は、語句を構成する文字の形の領域である文字領域に所定の表示物(例えば、
図16(a1)ではグラデーション)が表示されたものであり、
前記発光手段は、前記装飾語句表示が表示される場合に、前記所定の表示物の態様で発光する手段である(例えば、
図24(b)(c))、
ことを特徴とする遊技台、について説明した。
【0206】
この遊技台では、装飾語句表示の文字の中に所定の表示物を表示することで多彩な文字表現を実現でき、表示物を表示しない場合に比べて見栄えが良くなり演出効果の向上を図ることが出来る。さらに、発光手段が所定の表示物の態様で発光することで、遊技台全体として一体感のある演出を行うことができる。
【0207】
また、上記記載の遊技台は、
前記装飾語句表示は、特定の表示物(例えば、基礎表示物BL)における前記文字領域に対応する領域を前記所定の表示物として表示し、該特定の表示物における前記文字領域に対応しない領域を非表示として構成されている表示である(例えば、
図16(a2)参照)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0208】
この遊技台では、文字領域を異ならせるだけで同様の態様の装飾語句表示とすることができ、データ量を抑えて開発負担を軽減することができる。例えば、装飾語句表示の種類分のアニメーションを用意する必要がなくなる。また、文字数や形状が変わることで、一方の文字領域では視認できなかった部分の特定の表示物の領域が、他方の文字領域では視認できるようになり演出効果を多様化することができる。
【0209】
また、上記記載の遊技台は、
前記装飾語句表示として、第一の装飾語句表示(例えば、
図22(a1))および該第一の装飾語句表示とは語句が異なる第二の装飾語句表示(例えば、
図22(a2))があり、
前記第一の装飾語句表示と前記第二の装飾語句表示は、前記特定の表示物が共通する表示である(例えば、
図22(a1)(a2)はいずれも
図20の基礎表示物BLを使用している)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0210】
この遊技台では、文字領域を異ならせるだけで同様の態様の装飾語句表示とすることができ、データ量を抑えて開発負担を軽減することができる。例えば、装飾語句表示の種類分のアニメーションを用意する必要がなくなる。また、文字数や形状が変わることで、一方の文字領域では視認できなかった部分の特定の表示物の領域が、他方の文字領域では視認できるようになり演出効果を多様化することができる。
【0211】
また、上記記載の遊技台は、
前記所定の表示物はグラデーションを表示するものである、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0212】
この遊技台では、装飾語句画像をグラデーションを用いて表示することで、文字を認識しやすくしつつ見栄えをよくすることができる。
【0213】
また、上記記載の遊技台は、
前記発光手段は、前記所定の表示物の態様で発光するにあたり、該所定の表示物で表示される色数とは異なる色数で発光する手段である(例えば、[LEDランプの点灯態様について]の「飾語句表示の文字領域における色数よりも、LEDランプの発光色数が多い場合があってもよく、逆に少ない場合があってもよい。」との記載参照)、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0214】
この遊技台では、装飾語句表示と発光手段のうちの一方で表現しにくい色があっても、他方で補うことができ、見栄えをよくすることができる。
【0215】
また、上記記載の遊技台は、
前記所定の表示物はアニメーションである、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0216】
この遊技台では、アニメーションを組み合わせた装飾語句画像とすることで、遊技の興趣を向上させることができる。なお、アニメーションの種類については実施例の構成に限定されるものではない。
【0217】
また、上記記載の遊技台は、
前記装飾語句表示は、遊技者に有利な特典が付与される際には前記所定の表示物として所定のアニメーションが表示されやすい表示である、
ことを特徴とする遊技台、であってもよい。
【0218】
この遊技台では、遊技者に有利な状態で所定のアニメーションを組み合わせた装飾語句画像が表示されやすくなるため、この装飾語句表示の表示された際に期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。なお、アニメーションの種類については実施例の構成に限定されるものではない。
【0219】
≪その他≫
なお、本実施形態においては、遊技台の一例として、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシン100を示したが、これに限定されるものではなく、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンや、ぱちんこ機、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適用可能である。
【0220】
なお、スロットマシンは、上記の構成に基づく動作をシミュレーションするプログラムによって、携帯端末(スマートフォン、ゲーム機)やパソコン上で動作するような、メダルを使用せずに電子データのやり取りのみ行うスロットマシンであってもよく、この場合、遊技媒体は、メダルに相当する電子化したデータを含むものであり、遊技媒体の投入は、所定の外部装置(電子貯留装置)から、電子化したデータを入力することを含むものであり、遊技媒体の払出は、所定の外部装置(電子貯留装置)へ、電子化したデータを出力することを含むものである。
【0221】
以上、本実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0222】
100 スロットマシン
110~112 リール
113 表示窓
130~132 ベットボタン
135 スタートレバー
137~139 ストップボタン
157 演出画像表示装置
272,277 スピーカ
420 各種ランプ
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部
【手続補正書】
【提出日】2023-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
発光手段と、を備えた遊技台であって、
前記表示手段は、装飾語句表示を表示可能であり、
前記装飾語句表示は、第一の装飾が施された第一の表示物に対し、文字の形の領域である文字領域を有する第二の表示物が重畳されることで構成された表示であり、
前記装飾語句表示は、前記第一の装飾のうち前記文字領域に対応する領域が視認できる表示であり、
前記発光手段は、前記装飾語句表示が表示される場合に、前記第一の装飾の態様で発光する手段である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
前記第二の表示物における前記文字領域は、前記第一の表示物が視認できる領域であり、
前記第二の表示物における前記文字領域を除く領域は、前記第一の表示物が視認できない領域であり、
前記装飾語句表示は、前記第一の装飾のうち前記文字領域に対応する領域が視認でき、前記第一の装飾のうち前記文字領域に対応しない領域が前記第二の表示物が重畳されることで視認できない表示である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技台であって、
前記装飾語句表示として、第一の装飾語句表示および該第一の装飾語句表示とは語句が異なる第二の装飾語句表示があり、
前記第一の装飾語句表示と前記第二の装飾語句表示は、いずれも前記第一の装飾を用いた表示である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の装飾は、グラデーションである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項4に記載の遊技台であって、
前記発光手段は、前記第一の装飾の態様で発光するにあたり、該第一の装飾で表示される色数とは異なる色数で発光する手段である、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の装飾は、アニメーションである、
ことを特徴とする遊技台。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の遊技台は、
表示手段と、
発光手段と、を備えた遊技台であって、
前記表示手段は、装飾語句表示を表示可能であり、
前記装飾語句表示は、第一の装飾が施された第一の表示物に対し、文字の形の領域である文字領域を有する第二の表示物が重畳されることで構成された表示であり、
前記装飾語句表示は、前記第一の装飾のうち前記文字領域に対応する領域が視認できる表示であり、
前記発光手段は、前記装飾語句表示が表示される場合に、前記第一の装飾の態様で発光する手段である、
ことを特徴とする。