(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119167
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】風呂システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20230821BHJP
F24H 15/196 20220101ALI20230821BHJP
A61H 33/00 20060101ALI20230821BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230821BHJP
【FI】
G16H20/10
F24H1/00 602Z
A61H33/00 C
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021873
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康平
【テーマコード(参考)】
3L024
4C094
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
3L024CC10
3L024CC11
3L024DD22
3L024GG02
3L024GG06
4C094AA01
4C094DD14
4C094FF18
4C094GG03
5L049CC11
5L099AA25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】睡眠の質の改善を期待する入浴者が入浴中に煩わしさを感じることを抑制する風呂システムを提供する。
【解決手段】住宅H1に適用されている風呂システム1は、浴槽3に貯留された貯留湯PW1に入浴する入浴者の入浴情報を取得する取得手段S1、S2、S3、S4と、取得手段S1、S2、S3、S4が取得した入浴情報に基づいて、入浴者の体調情報を推定する第1推定手段を備える携帯端末40と、睡眠の質の改善を促す作用を発揮可能な特定栄養素を含む複数の栄養素を貯留し、入浴を終えた入浴者に対し、各栄養素の少なくとも1つを調合したサプリメントを提供するサプリメントサーバ30と、を備える。サプリメントサーバ30は、第1推定手段が推定した体調情報に基づいて、サプリメントに含まれる特定栄養素を調合する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内の浴槽に貯留された貯留湯に入浴する入浴者の入浴情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記入浴情報に基づいて、前記入浴者の体調情報を推定する第1推定手段と、
睡眠の質の改善を促す作用を発揮可能な特定栄養素を含む複数の栄養素を貯留し、入浴を終えた前記入浴者に対し、各前記栄養素の少なくとも1つを調合したサプリメントを提供する調合手段と、を備え、
前記調合手段は、前記第1推定手段が推定した前記体調情報に基づいて、前記サプリメントに含まれる前記特定栄養素を調合するように構成されていることを特徴とする風呂システム。
【請求項2】
前記入浴情報は、前記浴室の室温と、前記貯留湯の湯温と、前記入浴者が前記貯留湯に入浴する入浴時間と、を含み、
前記体調情報は、前記入浴者の深部体温の上昇量を含む請求項1記載の風呂システム。
【請求項3】
前記特定栄養素は、前記深部体温の低下を促す作用を発揮可能な第1特定栄養素を含み、
前記調合手段は、
前記第1推定手段が推定した前記上昇量が所定の下限値以上である場合、前記サプリメントに含まれる前記第1特定栄養素の量を第1初期値とし、
前記第1推定手段が推定した前記上昇量が前記下限値未満である場合、前記サプリメントに含まれる前記第1特定栄養素の量を前記第1初期値よりも増加させる請求項2記載の風呂システム。
【請求項4】
前記特定栄養素は、ストレス度の低下を促す作用を発揮可能な第2特定栄養素を含み、
前記入浴情報は、前記貯留湯の湯温を含み、
前記体調情報は、前記入浴者の前記ストレス度を含み、
前記調合手段は、
前記第1推定手段が推定した前記ストレス度が所定の上限値未満である場合、前記サプリメントに含まれる前記第2特定栄養素の量を第2初期値とし、
前記第1推定手段が推定した前記ストレス度が前記上限値以上である場合、前記サプリメントに含まれる前記第2特定栄養素の量を前記第2初期値よりも増加させる請求項1乃至3のいずれか1項記載の風呂システム。
【請求項5】
入浴を終えた前記入浴者の自律神経の状態を反映する自律神経情報を推定する第2推定手段をさらに備え、
前記特定栄養素は、ストレス度の低下を促す作用を発揮可能な第2特定栄養素を含み、
前記調合手段は、前記第2推定手段が推定した前記自律神経情報に基づいて、前記サプリメントに含まれる前記第2特定栄養素を調合するように構成されている請求項1乃至4のいずれか1項記載の風呂システム。
【請求項6】
入浴を終えた前記入浴者に対し、前記第1推定手段が推定した前記体調情報に基づいて、次に入浴するときの入浴条件を提案する第1提案手段をさらに備えている請求項1乃至5のいずれか1項記載の風呂システム。
【請求項7】
入浴を終えた前記入浴者に対し、前記第1推定手段が推定した前記体調情報に基づいて、入眠までの過ごし方を提案する第2提案手段をさらに備えている請求項1乃至6のいずれか1項記載の風呂システム。
【請求項8】
前記入浴者が入眠して翌朝に起床した後に前記サプリメントに対する評価を入力可能な入力手段をさらに備え、
前記調合手段は、前記入力手段に入力された前記評価に基づいて、次回に提供する前記サプリメントに含まれる前記特定栄養素の量を増減させる請求項1乃至7のいずれか1項記載の風呂システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風呂システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の風呂システムの一例が開示されている。この風呂システムは、湯温検出手段、決定手段及び報知手段を備えている。
【0003】
湯温検出手段は、浴槽内に貯留され、入浴者が入浴する貯留湯の湯温を検出する。決定手段は、湯温に基づいて、入浴者が貯留湯から退浴する退浴タイミングと、入浴者が睡眠を開始する入眠時刻と、を決定する。報知手段は、退浴タイミング及び入眠時刻を入浴者に報知する。
【0004】
この風呂システムを利用する入浴者は、自分の都合に合わせて貯留湯に入浴すると、湯温に基づいて退浴タイミング及び入眠時刻が助言される。これにより、入浴者は、入浴について日々の都合のばらつきに対応し易く、入眠時刻についてもそのばらつく都合に合わせ易いので、良質な睡眠を得易くなる。
【0005】
また、この風呂システムは、入浴者の体調情報を取得する体調情報取得手段をさらに備えている。そして、決定手段は、体調情報に基づいて入浴者の深部体温を推定し、次に、湯温及び深部体温に基づいて、入浴者が貯留湯に入浴している間における深部体温の上昇量を推定し、次に、推定された深部体温の上昇量に基づいて、入浴者の深部体温を所定の目標上昇量だけ上昇させる所要時間である推奨入浴時間を決定し、推奨入浴時間を退浴タイミングとし、次に、湯温及び推奨入浴時間に基づいて入眠時刻を決定する。深部体温とは、体内の主要臓器、例えば脳や内臓の内部の温度である。
【0006】
特許文献1の
図6に示すように、良質な睡眠を得るためには、入浴を終えた後に大きな勾配で深部体温が低下した頃に入眠することが好ましく、その勾配が小さくなると、良質な睡眠を得難くなるという試験結果が知られている。
【0007】
こうして、この風呂システムは、良質な睡眠を得るためには体表の温度よりも重要である深部体温の変化を考慮して退浴タイミング及び入眠時刻を決定するので、良質な睡眠を一層得易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、睡眠の質の改善を期待する入浴者は、自由気ままな入浴を好む場合があるため、上記従来の風呂システムによって入浴中に退浴タイミング及び入眠時刻が助言されても、その助言に従うことについて煩わしさを感じるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、睡眠の質の改善を期待する入浴者が入浴中に煩わしさを感じることを抑制できる風呂システムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の風呂システムは、浴室内の浴槽に貯留された貯留湯に入浴する入浴者の入浴情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記入浴情報に基づいて、前記入浴者の体調情報を推定する第1推定手段と、
睡眠の質の改善を促す作用を発揮可能な特定栄養素を含む複数の栄養素を貯留し、入浴を終えた前記入浴者に対し、各前記栄養素の少なくとも1つを調合したサプリメントを提供する調合手段と、を備え、
前記調合手段は、前記第1推定手段が推定した前記体調情報に基づいて、前記サプリメントに含まれる前記特定栄養素を調合するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の風呂システムは、入浴者に対して湯温に基づいて退浴タイミング及び入眠時刻を入浴中に助言する上記従来の風呂システムと異なり、睡眠の質の改善を期待する入浴者が入浴中に自由気ままに過ごすことができる。
【0013】
そして、調合手段は、入浴を終えた入浴者に対し、各栄養素の少なくとも1つを調合したサプリメントを提供する。この際、調合手段は、第1推定手段が推定した体調情報に基づいて、サプリメントに含まれる特定栄養素を調合する。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、特定栄養素が睡眠の質の改善を促す作用を発揮することを期待できる。
【0014】
したがって、本発明の風呂システムは、睡眠の質の改善を期待する入浴者が入浴中に煩わしさを感じることを抑制できる。
【0015】
入浴情報は、浴室の室温と、貯留湯の湯温と、入浴者が貯留湯に入浴する入浴時間と、を含むことが望ましい。そして、体調情報は、入浴者の深部体温の上昇量を含むことが望ましい。
【0016】
この場合、第1推定手段は、取得手段が取得した浴室の室温、貯留湯の湯温及び入浴時間に基づいて、入浴者の深部体温の上昇量を精度良く推定する。そして、調合手段は、その深部体温の上昇量を含む体調情報に基づいて特定栄養素を調合したサプリメントを入浴者に提供する。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、特定栄養素が睡眠の質の改善を促す作用を発揮することを確実性高く期待できる。
【0017】
特定栄養素は、深部体温の低下を促す作用を発揮可能な第1特定栄養素を含むことが望ましい。そして、調合手段は、第1推定手段が推定した上昇量が所定の下限値以上である場合、サプリメントに含まれる第1特定栄養素の量を第1初期値とし、第1推定手段が推定した上昇量が下限値未満である場合、サプリメントに含まれる第1特定栄養素の量を第1初期値よりも増加させることが望ましい。
【0018】
上記特許文献1の
図6に示して説明したように、入浴者の深部体温の上昇量が小さい場合、入浴を終えた後に深部体温が低下するときの勾配も小さくなり易いため、良質な睡眠を得難くなるおそれがある。この点、本発明の風呂システムにおいて、調合手段は、第1推定手段が推定した深部体温の上昇量が下限値未満である場合、サプリメントに含まれる第1特定栄養素の量を第1初期値よりも増加させる。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、第1特定栄養素が深部体温の低下を促す作用を発揮することで、入浴を終えた後に深部体温が低下するときの勾配が大きくなり易いので、良質な睡眠を得易くなることを確実性高く期待できる。
【0019】
特定栄養素は、ストレス度の低下を促す作用を発揮可能な第2特定栄養素を含むことが望ましい。入浴情報は、貯留湯の湯温を含むことが望ましい。体調情報は、入浴者のストレス度を含むことが望ましい。そして、調合手段は、第1推定手段が推定したストレス度が所定の上限値未満である場合、サプリメントに含まれる第2特定栄養素の量を第2初期値とし、第1推定手段が推定したストレス度が上限値以上である場合、サプリメントに含まれる第2特定栄養素の量を第2初期値よりも増加させることが望ましい。
【0020】
入浴者のストレス度が入浴によって大きくなる場合、入浴を終えた後に深部体温が低下するときの勾配が大きいとしてもストレス度の影響が勝り易くなるため、良質な睡眠を得難くなるおそれがある。この点、本発明の風呂システムにおいて、調合手段は、第1推定手段が推定したストレス度が上限値以上である場合、サプリメントに含まれる第2特定栄養素の量を第2初期値よりも増加させる。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、第2特定栄養素がストレス度の低下を促す作用を発揮することで、ストレス度の影響を抑制し易くなるので、良質な睡眠を得易くなることを確実性高く期待できる。
【0021】
本発明の風呂システムは、入浴を終えた入浴者の自律神経の状態を反映する自律神経情報を推定する第2推定手段をさらに備えていることが望ましい。特定栄養素は、ストレス度の低下を促す作用を発揮可能な第2特定栄養素を含むことが望ましい。そして、調合手段は、第2推定手段が推定した自律神経情報に基づいて、サプリメントに含まれる第2特定栄養素を調合するように構成されていることが望ましい。
【0022】
入浴を終えた入浴者の自律神経が乱れている場合、入浴者のストレス度が大きい状態が継続している可能性が高いため、良質な睡眠を得難くなるおそれがある。この点、本発明の風呂システムにおいて、調合手段は、第2推定手段が推定した自律神経情報に基づいて、サプリメントに含まれる第2特定栄養素を調合する。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、第2特定栄養素がストレス度の低下を促す作用を発揮することで、自律神経の乱れを抑制し易くなるので、良質な睡眠を得易くなることを確実性高く期待できる。
【0023】
本発明の風呂システムは、入浴を終えた入浴者に対し、第1推定手段が推定した体調情報に基づいて、次に入浴するときの入浴条件を提案する第1提案手段をさらに備えていることが望ましい。
【0024】
この場合、入浴者は、次に入浴するときに、第1提案手段の提案を参考にして良質な睡眠を得るのに適した入浴条件となるように準備した上で入浴できるので、入浴中に自由気ままに過ごすことができ、入浴中に煩わしさを感じることを確実性高く抑制できる。そして、この場合、入浴者の体調情報が良好になり易いので、調合手段が調合する特定栄養素の量を減らし易くなる。
【0025】
本発明の風呂システムは、入浴を終えた入浴者に対し、第1推定手段が推定した体調情報に基づいて、入眠までの過ごし方を提案する第2提案手段をさらに備えていることが望ましい。
【0026】
この場合、入浴者は、第2提案手段の提案を参考にして入眠まで過ごすことで、特定栄養素が睡眠の質の改善を促す作用を発揮することを確実性高く期待できる。
【0027】
本発明の風呂システムは、入浴者が入眠して翌朝に起床した後にサプリメントに対する評価を入力可能な入力手段をさらに備えていることが望ましい。そして、調合手段は、入力手段に入力された評価に基づいて、次回に提供するサプリメントに含まれる特定栄養素の量を増減させることが望ましい。
【0028】
この場合、調合手段は、入浴者の評価に応じて特定栄養素を適切に調合したサプリメントを確実性高く提供できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の風呂システムによれば、睡眠の質の改善を期待する入浴者が入浴中に煩わしさを感じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、実施例の風呂システムの模式図である。
【
図2】
図2は、実施例の風呂システムのブロック図である。
【
図3】
図3は、実施例の風呂システムに係り、台所リモコンの第1制御部が実行する第1プログラムのフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施例の風呂システムに係り、携帯端末の端末制御部が実行する第2プログラムのフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施例の風呂システムに係り、携帯端末の端末制御部が実行する第2プログラムのフローチャートである。
【
図6】
図6は、浴室の室温、貯留湯の湯温及び入浴時間と、深部体温の上昇量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0032】
(実施例)
図1に示すように、実施例の風呂システム1は、本発明の風呂システムの具体的態様の一例であり、住宅H1に適用されている。住宅H1には、台所R1、浴室R2及びリビングR3が設けられている。
【0033】
風呂システム1は、住宅H1に設置された給湯装置90と、浴室R2に設置された浴槽3、浴槽心電計S3及び空調装置80とを備えている。
【0034】
<給湯装置>
給湯装置90は、台所R1の流し台や浴室R2の混合水栓等に湯を供給する給湯運転、浴室R2の浴槽3内に湯はりを行う湯はり運転、浴槽3内の湯を加熱する追い焚き運転、浴槽3に足し湯を行う足し湯運転、浴槽3内の湯の保温を行う保温運転等の風呂運転を実行可能である。給湯装置90の給湯運転や足し湯運転によって浴槽3内に貯留され、入浴者が入浴する湯を貯留湯PW1とする。
【0035】
図1及び
図2に示すように、給湯装置90は、水位センサS1及び湯温センサS2を有している。
【0036】
水位センサS1は、給湯装置90と浴槽3とを接続する配管内の圧力を測定する圧力センサを含む。水位センサS1は、貯留湯PW1が静かな状態で圧力センサが測定する静水圧に基づいて、貯留湯PW1の水位を検出する。
【0037】
また、水位センサS1は、入浴者が貯留湯PW1への入浴を開始したときに圧力センサが測定する水圧の急激な増加に基づいて、入浴者が貯留湯PW1への入浴を開始した入浴開始事実を検出する。
【0038】
さらに、水位センサS1は、入浴者が貯留湯PW1から退浴したときに圧力センサが測定する水圧の急激な減少に基づいて、入浴者が入浴を終了した入浴終了事実を検出する。
【0039】
水位センサS1が検出した入浴者の入浴開始事実及び入浴終了事実は、入浴者が貯留湯PW1に入浴する入浴時間を算出するときに利用される。
【0040】
湯温センサS2は、給湯装置90から浴槽3に送り出される湯の温度と、浴槽3から給湯装置90に戻される湯の温度と、のうちの少なくとも一方を測定し、貯留湯PW1の湯温を検出する。
【0041】
給湯装置90は、水位センサS1の検出結果に基づいて貯留湯PW1の水位の高低を変化させたり、湯温センサS2の検出結果に基づいて貯留湯PW1の湯温の高低を変化させたりして、貯留湯PW1の状態を調整可能である。
【0042】
<浴槽心電計>
浴槽心電計S3は、浴槽3の内面における貯留湯PW1に接する範囲に配置された図示しない複数の電極を有している。そして、浴槽心電計S3は、入浴者が貯留湯PW1に入浴しているときに各電極に現れる電気信号から、入浴者の心電図信号を検出する。
【0043】
心電図信号は、心臓の筋肉から発生する微弱な電気信号を拾い上げ、波形として記録したものである。心電図信号の波形には、心拍数、心臓が収縮するリズムの乱れ、自律神経等に関する各種情報が含まれる。
【0044】
<空調装置>
空調装置80は、浴室R2内の空気を暖めて目標温度範囲に維持する暖房運転、浴室R2を換気する換気運転、浴室R2を除湿する除湿運転等を実行可能である。空調装置80は、温度制御に利用するための室温センサS4を有している。室温センサS4は、浴室R2の室温を検出する。
【0045】
<取得手段>
水位センサS1、湯温センサS2、浴槽心電計S3及び室温センサS4は、本発明の「取得手段」の一例である。水位センサS1、湯温センサS2、浴槽心電計S3及び室温センサS4は、貯留湯PW1に入浴する入浴者の入浴情報を取得する。
【0046】
入浴情報は、室温センサS4によって検出される浴室R2の室温と、湯温センサS2によって検出される貯留湯PW1の湯温と、水位センサS1の検出結果に基づいて算出される入浴時間と、浴槽心電計S3によって検出される心電図信号と、を含む。
【0047】
<台所リモコン>
風呂システム1は、台所R1に設置された台所リモコン10を備えている。台所リモコン10は、給湯装置90を操作して上述した給湯運転や湯はり運転等を実行させたり、空調装置80を操作して上述した暖房運転等を実行させたりするための端末装置である。
【0048】
図2に示すように、台所リモコン10は、第1制御部11、第1入力部12、第1表示部13及び第1通信部15を有している。
【0049】
第1制御部11は、図示しないCPUと、ROM及びRAM等の記憶素子によって構成された記憶部11Mと、インターフェース回路等とを含んで構成された電子回路ユニットである。第1制御部11は、台所リモコン10の動作に関する制御処理を実行する。
【0050】
記憶部11Mは、給湯装置90等を動作させるための各種プログラム及び設定情報等を記憶している。また、記憶部11Mは、給湯装置90等の動作中において第1制御部11が取得する各種情報を適宜記憶する。記憶部11Mが記憶するプログラムには、
図3に示す「第1プログラム」が含まれる。
【0051】
図1及び
図2に示すように、第1入力部12は、複数の操作スイッチにより構成されており、給湯装置90等の操作に関する入力を受ける。第1表示部13は、液晶パネル等であり、文字や画像等の各種情報を表示する。
【0052】
図2に示すように、第1通信部15は、給湯装置90及び空調装置80と有線によって接続されており、給湯装置90等との間で通信を行う。また、第1通信部15は、水位センサS1、湯温センサS2、浴槽心電計S3及び室温センサS4のそれぞれの検出結果を受信する。
【0053】
さらに、第1通信部15は、Wi-Fi(登録商標)による通信を行う電子回路を内蔵している。第1通信部15は、住宅H1内に設置された図示しない無線ルータ等を経由して、インターネット等のネットワークNW1や、ネットワークNW1に接続された外部サーバ9とネットワーク通信を行うことが可能となっている。外部サーバ9は、風呂システム1が利用するクラウドサーバである。
【0054】
第1制御部11は、第1入力部12に対する入力に基づいて、給湯装置90等との間で第1通信部15を経由する情報の送受信を行ったり、第1表示部13によって給湯装置90等の運転状況等の各種情報を表示したりする。また、第1制御部11は、第1通信部15等を経由して、ネットワークNW1や外部サーバ9と通信可能となっている。
【0055】
<浴室リモコン>
図1及び
図2に示すように、風呂システム1は、浴室R2に設置された浴室リモコン20を備えている。浴室リモコン20は、台所リモコン10と同様に、給湯装置90及び空調装置80を操作するための端末装置である。
【0056】
浴室リモコン20の構成は、台所リモコン10と同様であるので説明は省略する。浴室リモコン20は、台所リモコン10、給湯装置90及び空調装置80と有線によって接続されている。
【0057】
<携帯端末>
風呂システム1は、住宅H1に居住し、上述した入浴者に日常的になり得るユーザが携帯し、台所R1やリビングR3等において使用する携帯端末40を備えている。携帯端末40は、スマートフォン等の携帯電話や、携帯式のタブレット端末等である。
【0058】
図2に示すように、携帯端末40は、端末制御部41、タッチパネル42及び端末通信部45を有している。タッチパネル42は、本発明の「入力手段」の一例である。
【0059】
端末制御部41は、図示しないCPUと、ROM及びRAM等の記憶素子によって構成された記憶部41Mと、インターフェース回路等とを含んで構成された電子回路ユニットである。端末制御部41は、携帯端末40の動作に関する制御処理を実行する。
【0060】
記憶部41Mは、携帯端末40を動作させるための各種プログラム及び設定情報等を記憶している。また、記憶部41Mは、端末制御部41が取得する各種情報を適宜記憶する。記憶部41Mが記憶するプログラムには、
図4及び
図5に示す「第2プログラム」が含まれる。
【0061】
また、
図2に示すように、端末制御部41は、第1推定手段41A、第2推定手段41B、第1提案手段41C、第2提案手段41D及び調合指示部41Eを有している。後述するように、第1推定手段41A、第2推定手段41B、第1提案手段41C、第2提案手段41D及び調合指示部41Eは、「第2プログラム」を実行するときに機能する。
【0062】
タッチパネル42は、文字や画像等の各種情報を表示するとともに、ユーザがタッチパネル42に触れて行う操作により、各種の入力を受ける。
【0063】
端末通信部45は、携帯電話の周波数帯を用いて行う通話を実行可能である。また、端末通信部45は、Wi-Fi(登録商標)による通信を行う電子回路を内蔵している。端末通信部45は、台所リモコン10の第1通信部15とWi-Fi(登録商標)による通信を行うことが可能である。
【0064】
さらに、端末通信部45は、住宅H1内に設置された図示しない無線ルータ等を経由して、ネットワークNW1や外部サーバ9とネットワーク通信を行うことが可能である。
【0065】
端末制御部41は、外部サーバ9等からネットワークNW1及び端末通信部45を経由して、風呂システム1に係る専用プログラム、例えば「第2プログラム」をダウンロードして記憶部41Mに記憶させ、実行することが可能である。
【0066】
<サプリメントサーバ>
図1及び
図2に示すように、風呂システム1は、住宅H1に居住し、上述した入浴者に日常的になり得るユーザにサプリメントを提供するサプリメントサーバ30を備えている。本実施例では、サプリメントサーバ30は、リビングR3に設置されている。
【0067】
携帯端末40の端末制御部41が有する調合指示部41Eと、サプリメントサーバ30とは、本発明の「調合手段」の一例である。
【0068】
ここで、サプリメントに関し、厚生労働省のホームページに掲載されたパンフレットには、「…健康食品やサプリメントという言葉ですが、実はその用語に行政的な定義がありません。一般に、健康食品とは『健康の保持増進に資する食品全般』が、またサプリメントとは『特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品』がそれぞれ該当すると考えられています。しかし、明確な定義がないため一般の消費者が認識している健康食品やサプリメントは、通常の食材から、菓子や飲料、医薬品と類似した錠剤・カプセルまで極めて多岐にわたります。…」
と記載されている。本実施例においては、少なくとも1つの栄養素を含む粉体、液体、錠剤又はカプセル等の形態をサプリメントと呼ぶこととする。
【0069】
サプリメントサーバ30は、貯留部37及び調合実行部38を有している。
【0070】
貯留部37は、複数の栄養素のそれぞれについて、着脱可能な複数のカートリッジに貯留している。各栄養素の形態は、粉体、液体、錠剤又はカプセル等の計量し易い形態である。
【0071】
調合実行部38は、貯留部37が貯留する各栄養素の少なくとも1つを選択的に計量し、複数の栄養素を計量した場合にはそれらを混合して、サプリメントとする。
【0072】
サプリメントサーバ30は、こうして調合したサプリメントをカップ内に落下させる。ユーザは、そのカップに水や好みの飲料を入れてサプリメントを溶かした上で飲むことにより、所謂オーダーメイドのサプリメントを摂取できる。
【0073】
貯留部37が貯留する各栄養素の具体例としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、葉酸、シスチン、ルテイン、β-カロテン、アルギニン、ぶどう糖等が挙げられる。
【0074】
本実施例では、貯留部37が貯留する各栄養素に、第1特定栄養素としてのグリシンと、第2特定栄養素としてのGABA(ガンマ-アミノ酪酸)と、が含まれる。
【0075】
第1特定栄養素(グリシン)は、深部体温の低下を促す作用を発揮可能であることが複数の学術論文等により報告されている。
【0076】
第2特定栄養素(GABA)は、自律神経のバランスを整えることでストレス度の低下を促す作用を発揮可能であることが複数の学術論文等により報告されている。
【0077】
第1特定栄養素(グリシン)及び第2特定栄養素(GABA)は、本発明の「睡眠の質の改善を促す作用を発揮可能な特定栄養素」の一例である。
【0078】
図2に示すように、サプリメントサーバ30は、第2制御部31及び第2通信部35を有している。
【0079】
第2制御部31は、図示しないCPUと、ROM及びRAM等の記憶素子によって構成された記憶部31Mと、インターフェース回路等とを含んで構成された電子回路ユニットである。第2制御部31は、サプリメントサーバ30の動作に関する制御処理を実行する。
【0080】
記憶部31Mは、貯留部37及び調合実行部38を動作させるための各種プログラム及び設定情報等を記憶している。また、記憶部31Mが記憶する設定情報には、サプリメントを提供するときの各栄養素のそれぞれの量の初期値が含まれる。それらの初期値には、サプリメントを提供するときの第1特定栄養素(グリシン)の量の第1初期値と、サプリメントを提供するときの第2特定栄養素(GABA)の量の第2初期値と、が含まれる。
【0081】
第2通信部35は、Wi-Fi(登録商標)による通信を行う電子回路を内蔵している。第2通信部35は、携帯端末40の端末通信部45とWi-Fi(登録商標)による通信を行うことが可能である。また、第2通信部35は、台所リモコン10の第1通信部15とWi-Fi(登録商標)による通信を行うことが可能である。
【0082】
<台所リモコンの第1制御部が実行する第1プログラム>
風呂システム1を利用するユーザは、入浴するための準備を始めるときに、台所R1で台所リモコン10の第1入力部12を操作したり、浴室R2で浴室リモコン20を操作したりして、給湯装置90に湯はり運転や足し湯運転を実行させ、浴槽3内の貯留湯PW1を入浴可能な状態とする。
【0083】
このとき、台所リモコン10の第1制御部11は、携帯端末40の端末制御部41が有する調合指示部41Eと、サプリメントサーバ30とが入浴を終えた入浴者に対してサプリメントを提供するための情報収集として、
図3に示す第1プログラムを実行する。
【0084】
初めに、第1制御部11は、
図3に示すステップS101において、室温センサS4、湯温センサS2及び水位センサS1から測定結果を継続的に取得する。測定結果の取得は、ステップS106に移行するまで継続される。
【0085】
次に、第1制御部11はステップS102に移行し、水位センサS1が入浴者の入浴開始事実を検出したか否かを判断する。水位センサS1が入浴者の入浴開始事実を検出していない間はステップS102において「No」となるので、第1制御部11はステップS102を繰り返す。
【0086】
そして、水位センサS1が入浴者の入浴開始事実を検出するとステップS102において「Yes」になるので、第1制御部11はステップS103に移行する。そして、第1制御部11は、入浴時間の計時を開始する。
【0087】
次に、第1制御部11はステップS104に移行し、浴槽心電計S3から測定結果を継続的に取得する。測定結果の取得は、ステップS106に移行するまで継続される。
【0088】
次に、第1制御部11はステップS105に移行し、水位センサS1が入浴者の入浴終了事実を検出したか否かを判断する。水位センサS1が入浴者の入浴終了事実を検出していない間はステップS105において「No」となるので、第1制御部11はステップS105を繰り返す。そして、水位センサS1が入浴者の入浴終了事実を検出するとステップS105において「Yes」になるので、第1制御部11はステップS106に移行する。
【0089】
ステップS106において、第1制御部11は、入浴時間の計時を終了して入浴時間を確定させる。
【0090】
また、ステップS106において、第1制御部11は、入浴者が入浴を開始してから終了するまでに室温センサS4及び湯温センサS2から取得した測定結果に基づいて、浴室R2の室温及び貯留湯PW1の湯温を確定させる。
【0091】
この際、浴室R2の室温の確定データは、例えば、入浴者が入浴を開始してから終了するまでの平均値であってもよいし、入浴者が入浴を開始してから終了するまでの最大値、最小値及び平均値のセットであってもよい。貯留湯PW1の湯温の確定データについても同様である。
【0092】
さらに、ステップS106において、第1制御部11は、入浴者が入浴を開始してから終了するまでに浴槽心電計S3から取得した測定結果に基づいて、入浴者の心電図信号を確定させる。この際、ユーザが貯留湯PW1内でじっとしていない状態に相当する乱れた心電図信号は、心電図信号の確定データに含まれないように排除することが好ましい。
【0093】
次に、第1制御部11はステップS107に移行し、第1通信部15及び端末通信部45を経由して、携帯端末40の端末制御部41に入浴終了事実を通知する。端末制御部41は、入浴終了事実を受信すると「第2プログラム」を実行する。
【0094】
次に、第1制御部11はステップS108に移行し、確定した浴室R2の室温、貯留湯PW1の湯温、入浴時間及び心電図信号を携帯端末40の端末制御部41に送信した後、このプログラムを終了する。
【0095】
<携帯端末の端末制御部が実行する第2プログラム>
携帯端末40の端末制御部41は「第2プログラム」を実行すると、初めに、
図4に示すステップS201において、第1制御部11が送信した浴室R2の室温、貯留湯PW1の湯温、入浴時間及び心電図信号を受信し、記憶部41Mに記憶させる。
【0096】
次に、端末制御部41はステップS202に移行し、サプリメントを提供するときの各栄養素の量をそれぞれの初期値に設定する。この際、端末制御部41は、サプリメントを提供するときの第1特定栄養素(グリシン)の量を第1設定値に設定し、サプリメントを提供するときの第2特定栄養素(GABA)の量を第2設定値に設定する。第1設定値及び第2設定値はそれぞれ、ゼロであってもよい。
【0097】
なお、端末制御部41は適宜、端末通信部45及び第2通信部35を経由して第2制御部31と通信することにより、記憶部41Mに記憶された初期値と、記憶部31Mに記憶された初期値とを一致させるようになっている。
【0098】
次に、端末制御部41はステップS203に移行する。そして、端末制御部41の第1推定手段41Aは、浴室R2の室温、貯留湯PW1の湯温及び入浴時間に基づいて、入浴者の深部体温の上昇量を推定する。深部体温の上昇量は、本発明の「入浴者の体調情報」の一例である。
【0099】
より詳しくは、第1推定手段41Aは、
図6に一例として示すような複数のグラフに基づくデータテーブルを記憶部41M又は外部サーバ9に記憶しておき、そのデータテーブルを参照して、入浴者の深部体温の上昇量を推定する。
【0100】
図6に一例として示す各グラフは、浴室R2の室温、貯留湯PW1の湯温及び入浴時間と、入浴者の深部体温の上昇量との関係を実験によって測定した結果である。
図6では説明の簡略化のため、近似直線L11、L12、L13、L21、L22、23、L31、L32、33を図示している。
【0101】
近似直線L11は、浴室R2の室温10℃、かつ貯留湯PW1の湯温42℃の入浴条件における入浴時間と深部体温の上昇量との関係を示している。近似直線L12は、浴室R2の室温10℃、かつ貯留湯PW1の湯温40℃の入浴条件における入浴時間と深部体温の上昇量との関係を示している。近似直線L13は、浴室R2の室温10℃、かつ貯留湯PW1の湯温38℃の入浴条件における入浴時間と深部体温の上昇量との関係を示している。
【0102】
近似直線L21、L22、23は、近似直線L11、L12、L13に対して浴室R2の室温を20℃に変更しただけである。近似直線L31、L32、33は、近似直線L11、L12、L13に対して浴室R2の室温を30℃に変更しただけである。
【0103】
図6に示す一例では、浴室R2の室温が高いほど、深部体温の上昇量が増加し易く、また、貯留湯PW1の湯温が高いほど、深部体温の上昇量が増加し易く、さらに、入浴時間が長いほど、深部体温の上昇量が増加し易くなる。
【0104】
次に、端末制御部41は、
図4に示すステップS204に移行する。そして、端末制御部41の調合指示部41Eは、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量が所定の下限値G1未満であるか否かを判断する。
【0105】
所定の下限値G1は、深部体温の上昇量と睡眠の質との関係について試験等によって得られた知見に基づいて、予め設定されている。
【0106】
第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量が所定の下限値G1未満である場合、ステップS204において「Yes」となるので、端末制御部41はステップS205に移行する。そして、端末制御部41の調合指示部41Eは、サプリメントに含まれる第1特定栄養素(グリシン)の量を第1初期値よりも「増加」に設定する。そして、端末制御部41は、ステップS206に移行する。
【0107】
つまり、ステップS204において「Yes」の場合、入浴を終えた後に深部体温が低下するときの勾配も小さくなり易いため、良質な睡眠を得難くなるおそれがある。このため、調合指示部41Eは、サプリメントに含まれる第1特定栄養素(グリシン)の量を第1初期値よりも増加させることで、そのサプリメントを提供された入浴者に対し、第1特定栄養素(グリシン)が深部体温の低下を促す作用を発揮する可能性を高くする。その結果、入浴者は、入浴を終えた後に深部体温が低下するときの勾配が大きくなり易いので、良質な睡眠を得易くなることを確実性高く期待できる。
【0108】
その一方、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量が所定の下限値G1以上である場合、ステップS204において「No」となるので、端末制御部41の調合指示部41Eは、サプリメントに含まれる第1特定栄養素(グリシン)の量を第1初期値のままとする。そして、端末制御部41は、ステップS206に移行する。
【0109】
ステップS204又はステップS205からステップS206に移行すると、端末制御部41の第1推定手段41Aは、貯留湯PW1の湯温に基づいて、入浴者のストレス度を推定する。入浴者のストレス度も、本発明の「入浴者の体調情報」の一例である。
【0110】
より詳しくは、第1推定手段41Aは、図示は省略するが、貯留湯PW1の湯温と入浴者のストレス度との関係を表すデータテーブルを記憶部41M又は外部サーバ9に記憶しておき、そのデータテーブルを参照して、入浴者のストレス度を推定する。
【0111】
入浴者の個人差はあるが、一般的に貯留湯PW1の湯温が熱くなり過ぎると(例えば43℃以上)、ストレス度が急激に増加することが知られている。貯留湯PW1の湯温と入浴者のストレス度との関係を表すデータテーブルも、そのような関係を表している。
【0112】
なお、第1推定手段41Aは、貯留湯PW1の湯温だけでなく入浴時間も考慮して、入浴者のストレス度を推定することもできる。例えば、貯留湯PW1の湯温が熱くなり過ぎる場合において、入浴時間が長くなるほどストレス度がさらに増加し易い。
【0113】
次に、端末制御部41はステップS207に移行する。そして、端末制御部41の調合指示部41Eは、第1推定手段41Aが推定した入浴者のストレス度が所定の上限値G2以上であるか否かを判断する。
【0114】
所定の上限値G2は、ストレス度と睡眠の質との関係について試験等によって得られた知見に基づいて、予め設定されている。本実施例では、貯留湯PW1の湯温43℃のときのストレス度と同等に設定されている。
【0115】
第1推定手段41Aが推定したストレス度が所定の上限値G2以上である場合、ステップS207において「Yes」となるので、端末制御部41はステップS208に移行する。そして、端末制御部41の調合指示部41Eは、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を第2初期値よりも「増加」に設定する。そして、端末制御部41は、ステップS211に移行する。
【0116】
つまり、ステップS207において「Yes」の場合、入浴を終えた後に深部体温が低下するときの勾配が大きいとしてもストレス度の影響が勝り易くなるため、良質な睡眠を得難くなるおそれがある。このため、調合指示部41Eは、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を第2初期値よりも増加させることで、そのサプリメントを提供された入浴者に対し、第2特定栄養素(GABA)がストレス度の低下を促す作用を発揮する可能性を高くする。その結果、入浴者は、ストレス度の影響を抑制し易くなるので、良質な睡眠を得易くなることを確実性高く期待できる。
【0117】
その一方、第1推定手段41Aが推定したストレス度が所定の上限値G2未満である場合、ステップS207において「No」となるので、端末制御部41の調合指示部41Eは、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を第2初期値のままとする。そして、端末制御部41は、ステップS211に移行する。
【0118】
ステップS207又はステップS208からステップS211に移行すると、端末制御部41の第2推定手段41Bは、心電図信号に基づいて、入浴を終えた入浴者の自律神経の状態を反映する自律神経情報を推定する。
【0119】
自律神経情報には、自律神経の乱れや、交感神経及び副交感神経のどちらが優位であるか等が含まれる。
【0120】
次に、端末制御部41はステップS212に移行する。そして、端末制御部41の調合指示部41Eは、第2推定手段42Aが推定した自律神経情報において交感神経が優位であるか否かを判断する。
【0121】
第2推定手段42Aが推定した自律神経情報において交感神経が優位である場合、ステップS212において「Yes」となるので、端末制御部41はステップS213に移行する。そして、端末制御部41の調合指示部41Eは、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を第2初期値よりも「増加」に設定する。そして、端末制御部41は、
図5に示すステップS214に移行する。
【0122】
つまり、
図4に示すステップS212において「Yes」の場合、入浴を終えた入浴者の自律神経が乱れており、入浴者のストレス度が大きい状態が継続している可能性が高いため、良質な睡眠を得難くなるおそれがある。このため、調合指示部41Eは、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を第2初期値よりも増加させることで、そのサプリメントを提供された入浴者に対し、第2特定栄養素(GABA)がストレス度の低下を促す作用を発揮する可能性を高くする。その結果、入浴者は、自律神経の乱れを抑制し易くなるので、良質な睡眠を得易くなることを確実性高く期待できる。
【0123】
その一方、第2推定手段42Aが推定した自律神経情報において交感神経が優位でない場合、ステップS212において「No」となるので、端末制御部41の調合指示部41Eは、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を第2初期値のままとする。そして、端末制御部41は、
図5に示すステップS214に移行する。
【0124】
図4に示すステップS212又はステップS213から
図5に示すステップS214に移行すると、端末制御部41は、サプリメントを提供するときの各栄養素の量を確定させ、端末通信部45及び第2通信部35を経由して、その確定情報をサプリメントサーバ30の第2制御部31に送信する。その後、端末制御部41は、ステップS215に移行する。
【0125】
サプリメントサーバ30の第2制御部31は、その確定情報を受信し、記憶部31Mに記憶させる。そして、入浴を終えた入浴者がリビングR3に移動し、サプリメントサーバ30に対してサプリメントの提供を指示すると、第2制御部31は、貯留部37及び調合実行部38を動作させ、確定情報に基づいて調合したサプリメントをカップに落下させる。
【0126】
こうして、調合指示部41E及びサプリメントサーバ30は、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量に基づいて、サプリメントに含まれる第1特定栄養素(グリシン)を調合する。また、調合指示部41E及びサプリメントサーバ30は、第1推定手段41Aが推定したストレス度と、第2推定手段41Bが推定した自律神経情報と、に基づいて、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)を調合する。
【0127】
その結果、入浴を終えた入浴者は、第1特定栄養素(グリシン)及び第2特定栄養素(GABA)が自身の体調に合わせて好適に調合されたサプリメントを摂取できる。
【0128】
ステップS215に移行すると、端末制御部41の第1提案手段41Cは、入浴を終えた入浴者に対し、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量及びストレス度に基づいて、次に入浴するときの入浴条件を提案する。
【0129】
この際、第1提案手段41Cは、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量が所定の下限値G1未満である場合、次に入浴するときに、深部体温の低下を促すような入浴条件を提案する。また、第1提案手段41Cは、第1推定手段41Aが推定したストレス度が所定の上限値G2以上である場合、次に入浴するときに、ストレス度の低下を促すような入浴条件を提案する。
【0130】
具体例を挙げると、今日の入浴が浴室R2の室温10℃、貯留湯PW1の湯温38℃、入浴時間5分であった場合、第1提案手段41Cは、タッチパネル42に「明日は空調装置を作動させて浴室の室温を高くしてみましょう。」、「明日は湯温40℃で入浴してみましょう。」、「明日は入浴時間を少し伸ばしてみましょう。」、というようなメッセージを表示させる。
【0131】
次に、端末制御部41はステップS216に移行する。そして、端末制御部41の第2提案手段41Dは、入浴を終えた入浴者に対し、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量及びストレス度に基づいて、入眠までの過ごし方を提案する。
【0132】
この際、第2提案手段41Dは、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量が所定の下限値G1未満である場合、深部体温の低下を促すような過ごし方を提案する。また、第2提案手段41Dは、第1推定手段41Aが推定したストレス度が所定の上限値G2以上である場合、ストレス度の低下を促すような過ごし方を提案する。
【0133】
具体例を挙げると、今日の入浴が23時に終了した場合、第2提案手段41Dは、タッチパネル42に「サプリメントを23時30分頃までに摂取しましょう。」、「テレビやスマートフォンを見る時間をなるべく少なくしましょう。」、「0時30分頃に寝始めると、良質な睡眠につながります。」、というようなメッセージを表示させる。
【0134】
次に、端末制御部41はステップS217に移行し、翌朝になったか否かを判断する。ステップS217において「No」の場合、ステップS217を繰り返す。
【0135】
そして、ステップS217において「Yes」になると、端末制御部41はステップS221に移行し、昨晩サプリメントを摂取した後に入眠して翌朝に起床したユーザに対し、サプリメントの効果について問い合わせを実行する。
【0136】
具体的には、端末制御部41は、タッチパネル42に「サプリメントによる睡眠の質の改善効果について教えてください。」というメッセージを表示させる。また、端末制御部41は、タッチパネル42に「睡眠の質の改善効果が強いと感じた」選択ボタン、「睡眠の質の改善効果が弱いと感じた」選択ボタン、「どちらでもない」選択ボタン等を表示させる。そして、それらの選択ボタンに対する選択入力操作をユーザに行わせる。
【0137】
つまり、タッチパネル42は、入浴者が入眠して翌朝に起床した後にサプリメントに対する評価を入力可能である。
【0138】
次に、端末制御部41はステップS222に移行し、ユーザがサプリメントによる睡眠の質の改善効果が強いと感じたか否かを判断する。
【0139】
ユーザが「睡眠の質の改善効果が強いと感じた」選択ボタンを押した場合、ステップS222において「Yes」となるので、端末制御部41はステップS223に移行する。
【0140】
その一方、ユーザが「睡眠の質の改善効果が強いと感じた」選択ボタンを押さなかった場合、ステップS222において「No」となるので、端末制御部41はステップS224に移行する。そして、端末制御部41は、ユーザがサプリメントによる睡眠の質の改善効果が弱いと感じたか否かを判断する。
【0141】
ユーザが「睡眠の質の改善効果が弱いと感じた」選択ボタンを押した場合、ステップS224において「Yes」となるので、端末制御部41はステップS225に移行する。
【0142】
その一方、ユーザが「睡眠の質の改善効果が弱いと感じた」選択ボタンを押さなかった場合、ステップS224において「No」となるので、端末制御部41はこのプログラムを終了する。
【0143】
ステップS222からステップS223に移行すると、端末制御部41の調合指示部41Eは、第1初期値及び第2初期値を現在値から減少させた値に設定する。そして、端末制御部41は、ステップS226に移行する。
【0144】
ステップS224からステップS225に移行すると、端末制御部41の調合指示部41Eは、第1初期値及び第2初期値を現在値から増加させた値に設定する。そして、端末制御部41は、ステップS226に移行する。
【0145】
つまり、調合指示部41Eは、タッチパネル42に入力された評価に基づいて、ステップS223、S225により、次回に提供するサプリメントに含まれる特定栄養素の量を増減させる。
【0146】
ステップS223又はステップS225からステップS226に移行すると、端末制御部41は、サプリメントサーバ30の第2制御部31に第1初期値及び第2初期値の設定変更を送信した後、このプログラムを終了する。第2制御部31は、受信した設定変更を記憶部31Mに記憶させる。
【0147】
<作用効果>
実施例の風呂システム1は、台所リモコン10の第1制御部11が
図3に示す第1プログラムを実行し、携帯端末40の端末制御部41が
図4及び
図5に示す第2プログラムを実行することにより、睡眠の質の改善を期待する入浴者が入浴中に自由気ままに過ごすことができる。つまり、この風呂システム1は、入浴者に対して湯温に基づいて退浴タイミング及び入眠時刻を入浴中に助言する上記従来の風呂システムとは異なる。
【0148】
そして、携帯端末40の端末制御部41が有する調合指示部41Eと、サプリメントサーバ30とは、入浴を終えた入浴者に対し、各栄養素の少なくとも1つを調合したサプリメントを提供する。
【0149】
この際、調合指示部41E及びサプリメントサーバ30は、第1推定手段41Aが推定した体調情報、すなわち深部体温の上昇量及びストレス度に基づいて、サプリメントに含まれる特定栄養素、すなわち第1特定栄養素(グリシン)及び第2特定栄養素(GABA)を調合する。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、特定栄養素が睡眠の質の改善を促す作用を発揮することを期待できる。
【0150】
したがって、実施例の風呂システム1は、睡眠の質の改善を期待する入浴者が入浴中に煩わしさを感じることを抑制できる。
【0151】
また、この風呂システム1において、入浴情報は、浴室R2の室温と、貯留湯PW1の湯温と、入浴時間と、を含む。そして、体調情報は、入浴者の深部体温の上昇量を含む。この構成により、第1推定手段41Aは、水位センサS1、湯温センサS2及び室温センサS4が取得した浴室R2の室温、貯留湯PW1の湯温及び入浴時間に基づいて、入浴者の深部体温の上昇量を精度良く推定する。そして、調合指示部41E及びサプリメントサーバ30は、その深部体温の上昇量を含む体調情報に基づいて、特定栄養素、すなわち第1特定栄養素(グリシン)及び第2特定栄養素(GABA)を調合したサプリメントを入浴者に提供する。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、特定栄養素が睡眠の質の改善を促す作用を発揮することを確実性高く期待できる。
【0152】
さらに、この風呂システム1において、特定栄養素は、深部体温の低下を促す作用を発揮可能な第1特定栄養素(グリシン)を含む。そして、調合指示部41Eは、
図4のステップS204、S205において、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量が所定の下限値G1以上である場合、サプリメントに含まれる第1特定栄養素(グリシン)の量を第1初期値とし、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量が所定の下限値G1未満である場合、サプリメントに含まれる第1特定栄養素(グリシン)の量を第1初期値よりも増加させる。
【0153】
上述したように、入浴者の深部体温の上昇量が小さい場合、入浴を終えた後に深部体温が低下するときの勾配も小さくなり易いため、良質な睡眠を得難くなるおそれがある。この点、この風呂システム1では、第1推定手段41Aは、
図4のステップS203において、浴室R2の室温、貯留湯PW1の湯温及び入浴時間に基づいて、深部体温の上昇量を推定する。調合指示部41Eは、
図4のステップS204、S205において、第1推定手段41Aが推定した深部体温の上昇量が所定の下限値G1未満である場合、サプリメントに含まれる第1特定栄養素(グリシン)の量を第1初期値よりも増加させる。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、第1特定栄養素(グリシン)が深部体温の低下を促す作用を発揮することで、入浴を終えた後に深部体温が低下するときの勾配が大きくなり易いので、良質な睡眠を得易くなることを確実性高く期待できる。
【0154】
また、この風呂システム1において、特定栄養素は、ストレス度の低下を促す作用を発揮可能な第2特定栄養素(GABA)を含む。入浴情報は、貯留湯PW1の湯温を含む。体調情報は、入浴者のストレス度を含む。そして、調合指示部41Eは、第1推定手段41Aが推定したストレス度が所定の上限値G2未満である場合、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を第2初期値とし、第1推定手段41Aが推定したストレス度が所定の上限値G2以上である場合、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を第2初期値よりも増加させる。
【0155】
例えば、熱くなり過ぎた貯留湯PW1に入浴することによって、入浴者のストレス度が入浴によって大きくなる場合、入浴を終えた後に深部体温が低下するときの勾配が大きいとしてもストレス度の影響が勝り易くなるため、良質な睡眠を得難くなるおそれがある。この点、この風呂システム1では、第1推定手段41Aは、
図4のステップS206において、貯留湯PW1の湯温に基づいてストレス度を推定する。調合指示部41Eは、
図4のステップS207、S208において、第1推定手段41Aが推定したストレス度が所定の上限値G2以上である場合、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を第2初期値よりも増加させる。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、第2特定栄養素(GABA)がストレス度の低下を促す作用を発揮することで、ストレス度の影響を抑制し易くなるので、良質な睡眠を得易くなることを確実性高く期待できる。
【0156】
さらに、この風呂システム1は、入浴を終えた入浴者の自律神経の状態を反映する自律神経情報を推定する第2推定手段41Bをさらに備えている。特定栄養素は、ストレス度の低下を促す作用を発揮可能な第2特定栄養素(GABA)を含む。そして、調合指示部41E及びサプリメントサーバ30は、第2推定手段41Bが推定した自律神経情報に基づいて、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)を調合するように構成されている。
【0157】
入浴を終えた入浴者の自律神経が乱れている場合、入浴者のストレス度が大きい状態が継続している可能性が高いため、良質な睡眠を得難くなるおそれがある。この点、この風呂システム1では、第2推定手段41Bは、
図4のステップS211において、心電図信号に基づいて自律神経情報を推定する。調合指示部41E及びサプリメントサーバ30は、
図4のステップS212、S213において、第2推定手段41Bが推定した自律神経情報に基づいて、サプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)を調合する。より詳しくは、調合指示部41Eは、交感神経が優位である場合にサプリメントに含まれる第2特定栄養素(GABA)の量を増加させる。その結果、そのサプリメントを提供された入浴者は、第2特定栄養素(GABA)がストレス度の低下を促す作用を発揮することで、自律神経の乱れを抑制し易くなるので、良質な睡眠を得易くなることを確実性高く期待できる。
【0158】
また、この風呂システム1は、入浴を終えた入浴者に対し、第1推定手段41Aが推定した体調情報、すなわち深部体温の上昇量及びストレス度に基づいて、次に入浴するときの入浴条件を提案する第1提案手段41Cをさらに備えている。この構成により、入浴者は、
図5のステップS215における第1提案手段41Cの提案を参考にして、次に入浴するときに良質な睡眠を得るのに適した入浴条件となるように準備した上で入浴できる。その結果、その入浴者は、入浴中に自由気ままに過ごすことができ、入浴中に煩わしさを感じることを確実性高く抑制できる。また、この構成により、入浴者の体調情報、すなわち深部体温の上昇量及びストレス度が良好になり易いので、調合指示部41E及びサプリメントサーバ30が調合する特定栄養素の量を減らし易くなる。
【0159】
さらに、この風呂システム1は、入浴を終えた入浴者に対し、第1推定手段41Aが推定した体調情報に基づいて、入眠までの過ごし方を提案する第2提案手段41Dをさらに備えている。この構成により、入浴者は、
図5のステップS216における第2提案手段41Dの提案を参考にして入眠まで過ごすことで、特定栄養素が睡眠の質の改善を促す作用を発揮することを確実性高く期待できる。
【0160】
また、この風呂システム1において、調合指示部41Eは、
図5のステップS222、S224においてタッチパネル42に入力された評価に基づき、
図5のステップS223、S225において、次回に提供するサプリメントに含まれる特定栄養素の量を増減させる。この構成により、調合指示部41E及びサプリメントサーバ30は、入浴者の評価に応じて特定栄養素を適切に調合したサプリメントを確実性高く提供できる。
【0161】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0162】
実施例では、入浴情報は、浴室R2の室温と、貯留湯PW1の湯温と、入浴時間と、心電図信号と、を含んでいるが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、入浴情報は、浴室の湿度、貯留湯の湯量、入浴者の行動履歴(入浴開始時刻、入浴時間、入浴終了時刻)、浴室扉の開閉時刻等を含んでいてもよい。
【0163】
実施例では、風呂システム1が浴槽心電計S3を備え、第2推定手段41Bは、浴槽心電計S3が取得した心電図信号を含む入浴情報に基づいて自律神経情報を推定するが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、実施例に係るサプリメントサーバ30が生体センサを有するように変更し、第2推定手段41Bがその生体センサの測定結果を含む入浴情報に基づいて自律神経情報を推定するように変更した構成も、本発明に含まれる。
【0164】
実施例に係る携帯端末40を無くし、携帯端末40の端末制御部41が実行する第2プログラムについて、台所リモコン10の第1制御部11又はサプリメントサーバ30の第2制御部31が実行するように変更した構成も、本発明に含まれる。
【0165】
実施例では、給湯装置90の水位センサS1が入浴開始事実及び入浴終了事実を検出するが、本発明はこの構成には限定されず、他のセンサを採用してもよい。例えば、実施例に係る浴室リモコン20に人感センサが内蔵され、又は浴室R2内に人感センサが設置され、その人感センサが入浴開始事実及び入浴終了事実を検出するように変更した構成も、本発明に含まれる。
【0166】
実施例では、空調装置80の室温センサS4が浴室R2の室温を検出するが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、実施例に係る浴室リモコン20に室温センサが内蔵され、又は浴室R2内に室温センサが設置され、その室温センサが浴室R2の室温を検出するように変更した構成も、本発明に含まれる。
【0167】
実施例に係る第2プログラムのステップS216において、第2提案手段41Dが以下のように追加的な提案を行う構成も、本発明に含まれる。すなわち、第2提案手段41Dは、第2推定手段41Aが推定した自律神経情報に基づいて、ストレス度の低下を促すような過ごし方を提案してもよい。また、第2提案手段41Dは、調合指示部41Eが確定させた第1特定栄養素(グリシン)の量に基づいて、深部体温の低下を促すような過ごし方や、サプリメントを摂取する時刻等を提案してもよい。さらに、第2提案手段41Dは、調合指示部41Eが確定させた第2特定栄養素(GABA)の量に基づいて、ストレス度の低下を促すような過ごし方や、サプリメントを摂取する時刻等を提案してもよい。
【0168】
以下に複数の例を挙げるように、実施例に係る第2プログラムから一部のフローを省略した構成も本発明に含まれる。すなわち、第2プログラムからステップS211~S213を省略したり、ステップS215を省略したり、ステップS216を省略したり、ステップS217~S226を省略したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明は例えば、風呂が設置された住宅や施設等に利用可能である。
【符号の説明】
【0170】
1…風呂システム
3…浴槽
PW1…貯留湯
S1、S2、S3、S4…取得手段(S1…水位センサ、S2…湯温センサ、S3…浴槽心電計、S4…室温センサ)
41A…第1推定手段
41E、30…調合手段(41E…調合指示部、30…サプリメントサーバ)
R2…浴室
G1…所定の下限値
G2…所定の上限値
41B…第2推定手段
41C…第1提案手段
41D…第2提案手段
42…入力手段(タッチパネル)