(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119199
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 1/36 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
B65D1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021932
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 正一
(72)【発明者】
【氏名】田中 潤
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033BA16
3E033BA18
3E033BA22
3E033DE11
3E033DE20
3E033FA04
(57)【要約】
【課題】
本願発明は、確実かつ容易に小分けが可能な包装用容器を提供する。
【解決手段】
底面110と、当該底面110から隆起した仕切り140を備えた包装用容器100であって、仕切り140の上端141にミシン目150が設けられ、仕切り140の端部144に切欠部145が設けられていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面と、当該底面から隆起した仕切りを備えた包装用容器であって、
前記仕切りの上端にミシン目が設けられ、
前記仕切りの端部に切欠部が設けられていることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記切欠部には、補強リブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、肉や魚等の食品を収容する包装用容器が、スーパーやコンビニエンスストア等で使用されている。
【0003】
そして、消費者は、食品を購入後に自宅などで、包装用容器から食品を取り出して、別の容器に小分けし、保存することがある。ただ、別の容器に食品を小分けするので、手間がかかるという問題があった。そのため、包装用容器自体を分割して、その分割した容器を食品の小分け用の容器として利用することが望まれていた。そして、引用文献1の包装用容器は、底面から隆起する仕切り(リブ)を備えており、その仕切り(リブ)に設けられた切欠部で容器を破断できるようになっている。しかしながら、引用文献1の包装用容器では、切欠部が破断を開始する起点となるものの、仕切りを確実かつ容易に破断できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、確実かつ容易に小分けが可能な包装用容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、底面と、当該底面から隆起した仕切りを備えた包装用容器であって、前記仕切りの上端にミシン目が設けられ、前記仕切りの端部に切欠部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、切欠部は、ミシン目に沿って包装用容器が破断されていく開始部分となるので、切欠部を始点に、包装用容器をミシン目に沿って両側に容易に分割できる。このようにして、包装用容器を確実かつ容易に小分け用の容器として分割できるのである。
【0008】
さらに、本願発明の請求項2に係る包装用容器は、前記切欠部には、補強リブが設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、補強リブによって補強されているので、ミシン目が不用意に破断されないように、包装用容器は、通常の使用に耐えうる強度を維持できるのである。
【発明の効果】
【0010】
本願発明の包装用容器は、確実かつ容易に小分けが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】(a)は、包装用容器の平面図、(b)は、包装用容器の側面図である。
【
図3】(a)は、
図2(a)のA-A断面図、(b)は、
図2(a)のB-B断面図、(c)は、
図2(a)のC-C断面図である。
【符号の説明】
【0012】
100 包装用容器
110 底面
140 仕切り
141 上端
145 切欠部
150 ミシン目
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願発明の各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、包装用容器の開口面を上にして、包装用容器を水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことであり、「横」とは水平方向に向かう方向のことである。
【0014】
まず、
図1から
図3には、本願発明の包装用容器100を示す。なお、
図1は、包装用容器100の全体斜視図、
図2(a)は、包装用容器100の平面図、
図2(b)は、包装用容器100の側面図、
図3(a)は、
図2(a)のA-A断面図、
図3(b)は、
図2(a)のB-B断面図、
図3(c)は、
図2(a)のC-C断面図である。
【0015】
図1から
図3に示すように、包装用容器100は上方に開口した浅皿型形状であり、平面視略長方形の平坦な底面110と、底面110の外周111から斜め上方へ向けて延出する側壁120と、側壁120の上端から横方向へ延びるフランジ130を備える。
【0016】
また、包装用容器100は、底面110から上方へ隆起するように形成された仕切り140を備えている。この仕切り140は、上端141から両側の下端142へ向けて傾斜する仕切面143を備えており、仕切り140の断面形状は、
図3(b)に示すように、上端141から下端142へ向けて末広がりの略ハ字形状となっている。また、仕切り140は、両側の側壁120に向けて直線状に延出している。
【0017】
仕切り140の両側の端部144には、端部144から下方へ凹んだ切欠部145が形成されている。なお、仕切り140の両側に切欠部145が形成されているが、切欠部145付近の仕切り140の下端142は、隣接する側壁120と連結されている。さらに、切欠部145には、仕切り140の延出方向に沿って直線状に延びる補強リブ146が形成されている。この補強リブ146は、側壁120から仕切り140の上端141へ向けて延出しており、切欠部145周辺において、仕切り140の端部144を補強する役割をしている。
【0018】
なお、切欠部145は、仕切り140の両側の端部144に設けられているが、これに限定されず、切欠部145は片側の端部144のみに設けてもよい。また、補強リブ146は、上方に凸状に形成されているが、これに限定されず、切欠部145周辺において、仕切り140の端部144を補強することができるのであれば、凹状など任意の形状であってもよい。また、補強リブ146は、平面視で、側壁120から仕切り140の上端141へ到達するまで、直線状で長尺状に形成されているが、これに限定されず、切欠部145周辺において、仕切り140の端部144を補強することができるのであれば、波形状や十字形状などの任意の形状で、任意の長さに形成してもよい。
【0019】
また、仕切り140の上端141には、仕切り140の延出方向に沿って直線状のミシン目150が設けられている。このミシン目150の両側の端部151は、切欠部145の手前で止まっているため、ミシン目150は、切欠部145には設けられていない。一方で、切欠部145には補強リブ146が設けられており、平面視で、ミシン目150と補強リブ146は、直線状に並んでいる。
【0020】
なお、
図2(b)及び
図3(b)に示すように、包装用容器100の底面110は、仕切り140を境にして左右に離れているが、両側の底面110は、仕切り140の両側の端部144と隣接する側壁120によって、互いに連結されている。そのため、包装用容器100の底面110全体は補強されており、底面110に食品を置いても、両側の底面110は、不用意に撓んだり曲がったりすることは無い。
【0021】
また、ミシン目150は、仕切り140の上端141に1本設けられているが、これに限定されず、任意の位置に2本設けるなど、任意の本数を設けてもよい。また、ミシン目150を備えた仕切り140が、1つ設けられ、後述するように包装用容器100は両側で2分割されているが、これに限定されず、ミシン目150を備えた仕切り140を2つ以上設け、ミシン目150によって包装用容器100を3分割以上に分けてもよい。
【0022】
また、ミシン目150は直線状に連続して設けられているが、これに限定されず、湾曲した形状や、断続的に設けてもよい。なお、ミシン目150を仕切り140の上端141に設けることで、ミシン目の部分が応力に対して弱くなり、効果的に仕切り140を折り曲げて左右に分断することができる。また、ミシン目とは、仕切り140の一部において、肉厚が薄くなる部分や貫通する孔を、所定間隔で連続的に形成したものを意味する。
【0023】
なお、包装用容器100は平面視略長方形となっているが、これに限定されず、平面視正方形、平面視円形、平面視多角形など、包装用容器100は、任意の形状とすることが出来る。また、包装用容器100は、約0.1mmから約4.0mm程度の厚さの合成樹脂シートを用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱板圧空成形、真空圧空成形、両面真空成形など)されたものであり、例えば、合成樹脂シートとしては、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。なお、本実施例では、包装用容器100は発泡合成樹脂から構成されており、発泡合成樹脂を用いることで、包装用容器100が柔軟性を備え、包装用容器100を谷折りにし易くなる。さらに、発泡合成樹脂を用いることで、包装用容器100を谷折りにして仕切り140を折り曲げた際に、仕切り140が元の形状に復帰できない程度に塑性変形させる、又は、引き裂かれて割れた状態とし易いのである。
【0024】
次に、包装用容器100を分割して小分け用の容器として利用する態様について説明する。
図1から
図3には、食品を図示していないが、実際には、仕切り140で仕切られた両側の各底面110に食品が収容されている。そして、利用者が、包装用容器100を、仕切り140を境にして分割して、分割された各包装用容器100を食品の小分け用の容器として利用する際は、利用者は両側の側壁120を手で把持して、包装用容器100を谷折りに折り曲げる。
【0025】
具体的には、利用者は、
図2の矢印Pのように、包装用容器100の両側の側壁120を手で持って上方へ押上げ、仕切り140が谷折りになるように折り曲げる。仕切り140が谷折りに折り曲げられると、
図3(b)及び(c)の矢印Pに示すように、両側の底面110が上方へ持ち上がるのに伴って、仕切り140の仕切面143が互いに離れるように開く。すると、仕切り140の上端141付近に応力が集中して、ミシン目150付近が潰されて弱くなる。その状態から更に、利用者が、仕切り140のミシン目150に沿って包装用容器100を両側に2分割するように、両側の側壁120を引っ張る。その際に、切欠部145は、ミシン目150に沿って包装用容器100が破断されていく開始部分となるので、切欠部145を始点に、包装用容器100をミシン目150に沿って両側に容易に分割できる。このようにして、包装用容器100を確実かつ容易に小分け用の容器として分割できるのである。
【0026】
なお、包装用容器100を分割する態様について上述したが、包装用容器100を分割する前は、店舗や家庭等において、包装用容器100は、底面110に食品等が収容されて保管されている。そして、仕切り140で仕切られた両側の各底面110には、食品が収容されているので、各底面110には食品の自重がかかっている。利用者が、包装用容器100の側壁120を片手で持って持ち上げると、手で把持された側壁120の反対側の底面110は、食品の自重で下方へ撓むことになる。その際、仕切り140のミシン目150にも応力が集中するので、ミシン目150が不用意に破断される虞がある。しかしながら、仕切り140の両側の切欠部145には、ミシン目150が設けられておらず、補強リブ146によって補強されているので、ミシン目150が不用意に破断されないように、包装用容器100は、通常の使用に耐えうる強度を維持できるのである。
【0027】
また、
図3(c)に示すように、補強リブ146は上方へ凸状になっているので、補強リブ146の裏面は凹んだ溝147となっている。そのため、矢印Pで示すように、包装用容器100を、仕切り140のミシン目150を境にして両側に分割する際は、補強リブ146の裏面の溝147が広がるように屈曲して裂かれるので、包装用容器100を容易に分割できるのである。また、補強リブ146の溝147は、側壁120から仕切り140の上端141へと連続しているので、側壁120から仕切り140の上端141にかけて連続して容易に分割できるのである。さらに、
図2に示すように、平面視で、補強リブ146の溝147はミシン目150と直線状に並んでいるので、包装用容器100を折り曲げて分割する際の応力が、溝147からミシン目150にかけて効率的に集中し、包装用容器100を容易に分割できるのである。
【0028】
また、包装用容器100を折り曲げて分割する前の通常の使用状態では、仕切り140の両側の各底面110には食品が収容されて自重がかかっている。そのため、包装用容器100を持ち上げると、
図3(c)に示すように、各底面110には、下方への応力(矢印Pの反対向きへの力)がかかることになる。すると、両側の底面110に挟まれた補強リブ146の溝147は、閉じるように弾性変形して圧縮された状態となる。そのため、補強リブ146全体としては強度が一時的に上がるので、ミシン目150が不用意に破断されないように、包装用容器100は、通常の使用に耐えうる強度をより強固に維持できるのである。
【0029】
なお、本願発明の包装用容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。