(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119211
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】画像処理システム、画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230821BHJP
G06V 30/14 20220101ALI20230821BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127A
G06K9/20 340A
G06K9/20 320Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021950
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】柿本 涼
(72)【発明者】
【氏名】奥山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】関 建二郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智也
【テーマコード(参考)】
5B029
5C062
【Fターム(参考)】
5B029AA01
5B029BB02
5B029CC27
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE15
5C062BA00
(57)【要約】
【課題】サーバへ送信する画像の容量を削減し、送信時間の短縮を図ることができる画像処理システムを提供すること。
【解決手段】画像処理システム1は、帳票を読み取る画像読取装置2と、文字認識を行う仮想サーバ4とを備える。画像読取装置2は、画像取得部201と、画像切抜部204と、画像送信部206と、を備える。画像取得部201は、帳票から読取画像を取得する。画像切抜部204は、画像取得部201が取得した読取画像から文字認識に必要な切抜画像を切り抜く。画像送信部206は、画像切抜部204が切り抜いた切抜画像を仮想サーバ4へ送信する。仮想サーバ4は、画像読取装置2から送信された切抜画像に対して文字認識を行う文字認識部404を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票を読み取る画像読取装置と、文字認識を行う画像処理サーバとを備える画像処理システムであって、
前記画像読取装置は、
前記帳票から読取画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部が取得した前記読取画像から文字認識に必要な切抜画像を切り抜く画像切抜部と、
前記画像切抜部が切り抜いた前記切抜画像を前記画像処理サーバへ送信する画像送信部と、を備え、
前記画像処理サーバは、
前記画像読取装置から送信された前記切抜画像に対して文字認識を行う文字認識部を備える
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理システムであって、
前記画像切抜部は、前記帳票の種別に対応した文字領域の前記切抜画像を切り抜く、
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理システムであって、
前記画像読取装置は、
前記画像取得部が取得した前記読取画像から前記帳票の種別を識別する識別記号を取得する記号取得部と、
前記識別記号を前記画像処理サーバへ送信する記号送信部と、を更に備え、
前記画像処理サーバは、
前記画像読取装置から送信された前記識別記号に対応する前記帳票の定義体情報を検索する定義体検索部と、
前記定義体検索部が検査した前記定義体情報を前記画像読取装置へ送信する定義体送信部と、を更に備え、
前記画像切抜部は、前記画像処理サーバから送信された前記定義体情報に基づいて前記帳票の種別に対応した前記文字領域の前記切抜画像を切り抜く
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうち何れかに記載の画像処理システムであって、
前記画像読取装置は、
前記画像切抜部が切り抜いた前記切抜画像を暗号化する暗号化部を更に備え、
前記画像送信部は、前記暗号化部が暗号化した前記切抜画像を前記画像処理サーバへ送信し、
前記画像処理サーバは、
前記画像読取装置から送信された暗号化された前記切抜画像を復号化する復号化部を更に備え、
前記文字認識部は、前記復号化部により復号化された前記切抜画像に対して文字認識を行う
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうち何れかに記載の画像処理システムであって、
前記画像処理サーバは、
前記画像読取装置から送信された前記切抜画像と、前記帳票の種別に対応したテンプレート画像と、を合成して合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記合成画像生成部が生成した前記合成画像を保存する合成画像保存部と、を更に備える
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
帳票を読み取る画像読取装置と、文字認識を行う画像処理サーバとを備える画像処理システムが実行する画像処理方法であって、
前記画像読取装置が前記帳票から読取画像を取得し、
前記取得した前記読取画像から文字認識に必要な切抜画像を切り抜き、
前記切抜画像を前記画像処理サーバへ送信し、
前記画像処理サーバが前記画像読取装置から送信された前記切抜画像に対して文字認識を行う
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
帳票を読み取る画像読取装置と、文字認識を行う画像処理サーバとを備える画像処理システムが実行するプログラムであって、
前記画像読取装置が前記帳票から読取画像を取得し、
前記取得した前記読取画像から文字認識に必要な切抜画像を切り抜き、
前記切抜画像を前記画像処理サーバへ送信し、
前記画像処理サーバが前記画像読取装置から送信された前記切抜画像に対して文字認識を行う
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関の営業店などにおいて、行員などのオペレータはスキャナ操作によるOCR(Optical Character Reader)などの画像読取装置を、帳票などに書かれている文字の読取処理に活用している。
【0003】
OCRなどの画像読取装置においてOCR機能を用いる場合、ローカルに設置したOHR(Over Head Reader)などの画像読取装置にて帳票画像を読み取る。そして読み取った帳票画像を、ネットワークに接続するデバイスサーバを経由して、画像処理サーバへ帳票画像を転送する必要がある。また、金融取引において用いた画像は証跡を残す目的として、高画質の画像を保存しておく必要がある。そのため、画像読取装置から画像処理サーバへ送信(転送)する画像は高画質である必要がある。
【0004】
そこで、サーバと、手書き文字を読み込む画像読取装置を備えたシステム端末と、を通信回線網で相互に通信可能に接続した帳票認識システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。そして、サーバは、画像読取装置で読み込んだ帳票のイメージデータの手書き文字を認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像読取装置を備えたシステム端末からサーバへ帳票画像を送信(転送)する画像は、高画質である必要があるため画像サイズが膨大となり送信(転送)に時間がかかることとなる。また、同じタイミングで複数台の画像読取装置から帳票画像が画像処理サーバへ転送された場合には、ネットワークトラフィックが発生し、金融取引が円滑に進まないおそれが発生する。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、サーバへ送信する画像の容量を削減し、送信時間の短縮を図ることができる画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、帳票を読み取る画像読取装置と、文字認識を行う画像処理サーバとを備える画像処理システムであって、前記画像読取装置は、前記帳票から読取画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部が取得した前記読取画像から文字認識に必要な切抜画像を切り抜く画像切抜部と、前記画像切抜部が切り抜いた前記切抜画像を前記画像処理サーバへ送信する画像送信部と、を備え、前記画像処理サーバは、前記画像読取装置から送信された前記切抜画像に対して文字認識を行う文字認識部を備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、帳票を読み取る画像読取装置と、文字認識を行う画像処理サーバとを備える画像処理システムが実行する画像処理方法であって、前記画像読取装置が前記帳票から読取画像を取得し、前記取得した前記読取画像から文字認識に必要な切抜画像を切り抜き、前記切抜画像を前記画像処理サーバへ送信し、前記画像処理サーバが前記画像読取装置から送信された前記切抜画像に対して文字認識を行うことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、帳票を読み取る画像読取装置と、文字認識を行う画像処理サーバとを備える画像処理システムが実行するプログラムであって、前記画像読取装置が前記帳票から読取画像を取得し、前記取得した前記読取画像から文字認識に必要な切抜画像を切り抜き、前記切抜画像を前記画像処理サーバへ送信し、前記画像処理サーバが前記画像読取装置から送信された前記切抜画像に対して文字認識を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、サーバへ送信する画像の容量を削減し、送信時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態に係る画像読取装置と仮想サーバを備える画像処理システムのシステム構成図である。
【
図2】本実施の形態に係る仮想サーバのハードウェア構成図である。
【
図3】本実施の形態の画像文字認識処理に係る画像処理システム1の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】画像取得部により取得された読取画像の一例を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係る切抜画像の一例を示す図である。
【
図6】本実施の形態に係るテンプレート画像の一例を示す図である。
【
図7】本実施の形態に係る合成画像の一例を示す図である。
【
図8】画像処理システムにより実行される画像文字認識処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像読取装置2と仮想サーバ4を備える画像処理システム1のシステム構成図である。
【0014】
図1に示すように、画像処理システム1は、画像読取装置2と、デバイス3と、仮想サーバ4を備える。画像読取装置2と仮想サーバ4と、は互いに通信可能に接続されている。
【0015】
ここで、本実施の形態の画像処理システム1は、例えば金融機関や公共機関等に設置されている。また、本実施の形態の画像処理システム1は、携帯通信端末に内蔵された機能としての画像読取装置2および仮想サーバ4で構成されることも可能である。
【0016】
画像読取装置2は、台座21、カメラ22、制御部23を備える。画像読取装置2は、例えば、OHR(Over Head Reader)等のスタンド型スキャナであり、台座21に載置された帳票をカメラ22で光学的に読み取り、読取画像を取得する。制御部23は、取得した読取画像から文字認識に必要な切抜画像を切り抜いて、デバイス3を通じて仮想サーバ4に送出する。読み取りの対象となる帳票は、例えば、振込依頼書、入出金伝票など、各種手書き入力する書類である。
図1では、画像読取装置2は1台設置されているがこの限りではなく、2台以上複数台設置されていてもよい。
【0017】
デバイス3は、画像読取装置2と仮想サーバ4とを接続する接続インターフェース(I/F)である。画像読取装置2とデバイス3とはUSB(Universal Serial Bus)により接続される。また、デバイス3と仮想サーバ4とはネットワークNを通じてLAN(Local Area Network)により接続される。デバイス3は、画像読取装置2から送信された切抜画像を、ネットワークNを介して仮想サーバ4へ転送する。
図1では、デバイス3は画像読取装置2の台数に合わせて1台設置されているがこの限りではなく、2台以上複数台設置されていてもよい。
【0018】
仮想サーバ4は、例えば、ワークステーション、サーバ、パーソナルコンピュータ等のコンピュータの機能を備えており、画像処理方法に基づく後述する画像文字認識処理を実行する。仮想サーバ4は、画像処理サーバの一例である。
図1では、仮想サーバ4は1台設置されているがこの限りではなく、2台以上複数台設置されていてもよい。
【0019】
図2は、本実施の形態に係る仮想サーバ4のハードウェア構成図である。
【0020】
図2に示すように、仮想サーバ4は、制御部41、入力装置42、出力装置43、記憶部44、インターフェース(I/F)45がバス46に接続されて構成されている。また、仮想サーバ4は、
図2に示していない他のハードウェア構成を備えていてもよい。
【0021】
制御部41は、仮想サーバ4全体を統括的に制御するもので、プログラムを読み込んで画像文字認識処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を有する。
【0022】
入力装置42は、例えば、キーボード、ジョイスティック、ライトペン、マウス、タッチパッド、タッチパネル、トラックボール等、各種のデータや信号等を入力する。
【0023】
出力装置43は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の各種ディスプレイ、プリンタ等、画像やその他の情報を出力する。
【0024】
記憶部44は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を有する。記憶部44は、仮想サーバ4が画像文字認識処理を実行するプログラムの他、仮想サーバ4の各機能を制御し実行するための制御プログラム、画面データなどを記憶する。記憶部44は、仮想サーバ4がプログラムを実行する際の作業領域を提供する。また、記憶部44は、後述の定義体情報、合成画像等、その他のデータを記憶してもよい。
【0025】
インターフェース45は、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルインターフェースやLAN(Local Area Network)等のパラレルインターフェース等、画像読取装置2や図示しない外部機器と接続するためのユニットである。
【0026】
本実施の形態に係る画像文字認識処理は、前述した画像読取装置2及び仮想サーバ4によって実行される。
【0027】
図3は、本実施の形態の画像文字認識処理に係る画像処理システム1の機能ブロックの一例を示す図である。
図3に示すように、画像読取装置2の制御部23は、画像取得部201、記号取得部202、記号送信部203、画像切抜部204、暗号化部205及び画像送信部206を備える。制御部23は、
図3に示していない他の構成要素を含んでいてもよい。
【0028】
画像取得部201は、台座21の上に載置された帳票をカメラ22で撮影して読み取った読取画像を取得する。
【0029】
図4は、画像取得部201により取得された読取画像500の一例を示す図である。読取画像500には、印刷領域、文字領域及び識別領域が含まれる。印刷領域は、帳票に予め印刷された項目の領域である。
図4の読取画像500には、印刷領域として、銀行名、支店名、預金種目、口座番号、金額、受取人姓、受取人名、受取人、受取人住所、依頼人姓、依頼人名、依頼人、依頼人住所等の項目が含まれる。
【0030】
文字領域は、帳票に記入するユーザがボールペンや鉛筆などの筆記具により手書きで入力された領域である。
図4の読取画像500には、文字領域として領域51~領域56が含まれる。
【0031】
識別領域は、帳票の種別を識別する帳票IDが印刷された領域である。
図4の読取画像500には、識別領域として領域57が含まれる。帳票IDは、帳票の種別を識別する識別記号の一例である。帳票IDは、帳票の種別に対応している。例えば、
図4の実施形態では、帳票の種別「振込依頼書」に対応して帳票ID「0101」が設定されている。なお、図示しないがその他、入金申込書、払戻請求書、両替依頼書、払戻請求書などが帳票の種別に対応して異なる帳票IDが設定されている。したがって、帳票IDを認識することにより帳票の種別を把握することができる。なお、識別領域の座標位置は、帳票の種別によらず共通の位置に設定されている。
【0032】
記号取得部202は、画像取得部201が取得した読取画像500から帳票の種別を識別する帳票IDを取得する。
図4の実施形態では、領域57には帳票IDとして「0101」が印刷されている。したがって、記号取得部202は、
図4に示す読取画像500の領域57に印刷されている文字を画像解析して「0101」の帳票IDを取得する。
【0033】
記号送信部203は、記号取得部202が取得した帳票の帳票IDを仮想サーバ4へ送信する。この場合、記号送信部203は、デバイス3を通じて仮想サーバ4へ帳票IDを送信する。本実施の形態においては、記号送信部203は、帳票IDとして「0101」を仮想サーバ4へ送信する。
【0034】
画像切抜部204は、画像取得部201が取得した読取画像500から帳票の文字認識に必要な切抜画像を切り抜く。この場合、画像切抜部204は、帳票の種別に対応した文字領域の切抜画像を切り抜く。具体的には、画像切抜部204は、仮想サーバ4から送信された定義体情報に基づいて帳票の種別に対応した文字領域の切抜画像を切り抜く。定義体情報は、画像読取装置2から送信された帳票IDに基づいて仮想サーバ4から送信される情報である。
【0035】
定義体情報には、文字領域が存在する座標の情報が含まれる。
図4に示す実施形態の場合には、帳票ID「0101」に対応する文字領域である領域51~領域56の座標が定義されている。画像切抜部204は、帳票ID「0101」に対応する定義情報を参照することにより、切り抜くべき切抜画像の領域を把握することができる。したがって、
図4の実施形態では、画像切抜部204は、帳票ID「0101」に対応する領域51~領域55を切抜画像として切り抜く。
【0036】
図5は、本実施の形態に係る切抜画像600の一例を示す図である。
図5の実施形態では、切抜画像600として領域61~領域66が含まれる。切抜画像600は、
図4の文字領域に対応する領域51~領域56に対応する領域である。すなわち、
図4の領域51~領域56は、
図5の領域61~領域66に対応する。
【0037】
切抜画像600を仮想サーバ4へ転送する場合には、転送された画像が偽造情報にすり替えられたりして偽造されていないか信頼性の確保が必要となる。そこで、暗号化部205は、画像切抜部204が切り抜いた切抜画像600を暗号化する。
図5に示すように、仮想サーバ4へ転送する切抜画像600が複数である場合には、複数の切抜画像600を用いた暗号化が可能となる。例えば、暗号化部205は、画像切抜部204が切り抜いた各切抜画像600の項目に基づいて切抜画像600の暗号化を行う。一例として、公開鍵方式を用いた実施形態について説明する。例えば、暗号化部205は、下記の手法により暗号化を行う。
【0038】
1.銀行名に対応する領域61の切抜画像のハッシュ値を生成する。
2.銀行名に対応する領域61の切抜画像を公開鍵で暗号化する。
3.支店名に対応する領域62の切抜画像のハッシュ値を生成する。
4.銀行名に基づいて生成したハッシュ値をキーとして、支店名に対応する領域62の切抜画像を暗号化する。
5.その他の項目(預金種目、口座番号、金額、受取人姓、受取人名、受取人、受取人住所、依頼人姓、依頼人名、依頼人、依頼人住所等)に対して上記3、4の処理を繰り返す。
上記手法を適用することにより、切抜画像600の暗号化を行うことができる。
【0039】
画像送信部206は、画像切抜部204が切り抜いた切抜画像600を仮想サーバ4へ送信する。この場合、画像送信部206は、デバイス3を通じて仮想サーバ4へ切抜画像600を送信する。切抜画像600が暗号化部205により暗号化されている場合には、画像送信部206は、暗号化された切抜画像600を仮想サーバ4へ送信する。
【0040】
例えば、本実施形態においては、画像読取装置2から取得された読取画像500の画像容量は1.6MBを有し、画像切抜部204が切り抜いた切抜画像600の画像容量は0.6MBを有する。この点、本実施形態の画像送信部206は、画像読取装置2から取得された読取画像500のうち、画像切抜部204が切り抜いた切抜画像600のみが仮想サーバ4へ転送される。したがって、転送画像の容量を削減し、転送時間の短縮を図ることができる。
【0041】
また、
図3に示すように、仮想サーバ4の制御部41は、定義体検索部401、定義体送信部402、復号化部403、文字認識部404、合成画像生成部405及び合成画像保存部406を備える。制御部41は、
図3に示していない他の構成要素を含んでいてもよい。仮想サーバ4の記憶部44は、定義体記憶部441、テンプレート記憶部442及び合成画像記憶部443を備える。記憶部44には、定義体記憶部441、テンプレート記憶部442及び合成画像記憶部443以外のデータを記憶していてもよい。
【0042】
定義体記憶部441には、帳票の定義体が少なくとも1つ以上記憶されている。定義体とは、帳票の種別に対応した文字認識を行うべき文字領域の座標が含まれる。定義体は、帳票ごとに記憶されるため、帳票の種類の数分だけ異なる定義体が記憶される。
【0043】
テンプレート記憶部442には、帳票のテンプレートが記憶されている。本実施形態において、テンプレートとは、帳票のうち、文字領域に対応する領域以外が記載されたひな形である。
【0044】
合成画像記憶部443には、合成画像生成部405により生成された後述の合成画像が合成画像保存部406により記憶される。これにより、画像容量の大きい読取画像500を画像読取装置2から仮想サーバ4へ丸ごと送信することなく、金融取引において用いた画像の証跡を残す目的として、高画質の画像を保存しておくことができる。これにより、仮想サーバ4へ送信する画像の容量を削減し、送信時間の短縮を図ることができる。また、画像の容量を削減することができるため、保存にかかる機器のコストを抑制することができる。
【0045】
定義体記憶部441には、帳票の定義体情報が少なくとも1つ以上記憶されている。定義体とは、帳票の種別に対応した文字認識を行うべき文字領域の座標が含まれる。定義体は、帳票ごとに記憶されるため、帳票の種類の数分だけ異なる定義体情報が記憶される。具体的には、定義体記憶部441には、各帳票IDに紐づけた定義体情報が記憶される。これにより、帳票IDをキーとして対応する帳票の種別の定義体情報を容易に検索することができる。
【0046】
定義体検索部401は、画像読取装置2から送信された識別記号に対応する帳票の定義体を記憶部44の定義体記憶部441から検索する。
【0047】
定義体送信部402は、定義体検索部401が検索した定義体情報を画像読取装置2へ送信する。定義体情報は、文字領域が存在する座標の情報が含まれる。定義体情報は帳票IDに対応してそれぞれ異なる情報が存在する。
【0048】
復号化部403は、画像読取装置2から送信された切抜画像600が暗号化されている場合には、暗号化された切抜画像600を復号化する。
図5に示すように、仮想サーバ4へ転送された切抜画像600を構成する領域が複数である場合には、複数の領域の切抜画像600を用いて復号化が行われる。例えば、復号化部403は、画像切抜部204が切り抜いた切抜画像600を構成する各領域の項目に基づいて切抜画像600の復号化を行う。一例として、公開鍵方式を用いた実施形態について説明する。例えば、復号化部403は、下記の手法により復号化を行う。
【0049】
6.銀行名に対応する領域61の切抜画像を秘密鍵で復号化する。
7.銀行名に対応する領域61の切抜画像のハッシュ値を生成する。
8.支店名に対応する領域62の切抜画像を銀行名に基づいて生成したハッシュ値で復号化する。
9.支店名に対応する領域62のハッシュ値を生成する。
10.その他の項目(預金種目、口座番号、金額、受取人姓、受取人名、受取人、受取人住所、依頼人姓、依頼人名、依頼人、依頼人住所等)に対して上記8、9の処理を繰り返す。上記手法を適用することにより、切抜画像600の復号化を行うことができる。
【0050】
文字認識部404は、画像読取装置2から送信された切抜画像600に対して文字認識を行う。文字認識は、公知のOCR(Optical Character Reader)の技術を適用することができる。画像読取装置2から送信された切抜画像600が暗号化されている場合には、文字認識部404は、復号化部403により復号化された切抜画像600に対して文字認識を行う。
【0051】
合成画像生成部405は、画像読取装置2から送信された切抜画像600と、帳票の種別に対応したテンプレート画像と、を合成して合成画像を生成する。
図6は、本実施の形態に係るテンプレート画像700の一例を示す図である。
図7は、本実施の形態に係る合成画像800の一例を示す図である。
【0052】
テンプレート画像700は、帳票から
図4に示す文字領域を削除した空白領域を有する画像である。
図6の実施形態においては、文字領域に相当する領域51~領域56に対応する空白領域に相当する領域71~76が形成されている。領域71~領域76は空白領域であることから、切抜画像600をテンプレート画像700に重畳することができる。文字領域に対応する領域51~領域56を、テンプレート画像700の空白領域に対応する領域71~領域76に重畳して合成画像800を合成することにより、
図7に示すように、画像読取装置2が取得した元の読取画像500と同一の合成画像800を生成することができる。
【0053】
合成画像保存部406は、合成画像生成部405が生成した合成画像800を合成画像記憶部443に保存する。これにより、金融取引において用いた高画質の画像は証跡を残す目的として保存しておくことができる。
【0054】
次に、画像処理システム1により実行される画像文字認識処理について説明する。
図8は、画像処理システム1により実行される画像文字認識処理の一例を示すシーケンスチャートである。本実施の形態に係る画像文字認識処理は、
図3を用いて説明した画像読取装置2と仮想サーバ4とが画像文字認識処理プログラムにしたがって実行する。
【0055】
画像文字認識処理プログラムは、
図8に示した画像文字認識処理のフローのようにして実行される。
【0056】
はじめに、画像読取装置2の制御部23は、台座21の上に載置された帳票をカメラ22で撮影する(ステップS11)。制御部23は、ステップS11において撮影して読み取った読取画像500を取得する(ステップS12)。
【0057】
制御部23は、ステップS12において取得した帳票の読取画像500のうち、識別領域に対応する領域57に記載されている帳票IDを取得する(ステップS13)。そして、ステップS13において取得した帳票IDを仮想サーバ4へ送信する(ステップS14)。
【0058】
仮想サーバ4の制御部41は、画像読取装置2から送信された帳票IDを受信する(ステップS15)。制御部41は、ステップS15において受信した帳票IDに対応する定義体情報を定義体記憶部441を参照して検索する(ステップS16)。制御部41は、ステップS16において検索した定義体情報を画像読取装置2へ送信する(ステップS17)。
【0059】
画像読取装置2の制御部23は、仮想サーバ4から送信された定義体情報に基づいて、ステップS12において取得した読取画像500から切抜画像600の切り抜きを行う(ステップS19)。制御部23は、ステップS19において切り抜いた各切抜画像600の項目に基づいて切抜画像600の暗号化を行う(ステップS20)。制御部23は、ステップS20で暗号化した切抜画像600を仮想サーバ4へ送信する(ステップS21)。
【0060】
仮想サーバ4の制御部41は、画像読取装置2から送信された切抜画像600を受信する(ステップS22)。制御部41は、ステップS22で受信した切抜画像600を復号する(ステップS23)。
【0061】
制御部41は、ステップS23で復号した切抜画像600に含まれる文字に対してOCRによる文字認識を行う(ステップS24)。
【0062】
制御部41は、ステップS15において受信した帳票IDに対応したテンプレート画像700をテンプレート記憶部442から検索する。そして、制御部41は、画像読取装置2から送信された切抜画像600と、帳票IDに対応したテンプレート画像700とを合成して合成画像800を生成する(ステップS25)。
【0063】
制御部41は、ステップS24において合成した合成画像800を合成画像記憶部443へ保存する(ステップS26)。この処理が終了すると画像文字認識処理は終了となる。
【0064】
以上の実施の形態により、画像切抜部204は、画像取得部201が取得した読取画像500から帳票の文字認識に必要な切抜画像を切り抜く。そして、画像送信部206は、画像切抜部204が切り抜いた切抜画像600のみを仮想サーバ4へ送信する。したがって、画像読取装置2から仮想サーバ4へ送信する画像の容量を削減し、送信時間の短縮を図ることができる。
【0065】
また、合成画像保存部406は、合成画像生成部405により生成された合成画像を合成画像記憶部443に保存する。これにより、画像容量の大きい読取画像500を画像読取装置2から仮想サーバ4へ丸ごと送信することなく、金融取引において用いた画像の証跡を残す目的として、高画質の画像を保存しておくことができる。これにより、仮想サーバ4へ送信する画像の容量を削減し、送信時間の短縮を図ることができる。また、画像の容量を削減することができるため、保存にかかる機器のコストを抑制することができる。
【0066】
なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 :画像処理システム
2 :画像読取装置
3 :デバイス
4 :仮想サーバ
21 :台座
22 :カメラ
23 :制御部
41 :制御部
42 :入力装置
43 :出力装置
44 :記憶部
45 :インターフェース
46 :バス
51~56:領域
57 :領域
61~66 :領域
71~76 :領域
201 :画像取得部
202 :記号取得部
203 :記号送信部
204 :画像切抜部
205 :暗号化部
206 :画像送信部
401 :定義体検索部
402 :定義体送信部
403 :復号化部
404 :文字認識部
405 :合成画像生成部
406 :合成画像保存部
441 :定義体記憶部
442 :テンプレート記憶部
443 :合成画像記憶部
500 :読取画像
600 :切抜画像
700 :テンプレート画像
800 :合成画像
N :ネットワーク