(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119250
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
G06F3/041 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022042
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】竹山 益弘
(57)【要約】
【課題】筐体の凹部内に収容されるタッチパネルユニットの側面と凹部の側壁との間の隙間を適正な間隔にする。
【解決手段】本実施の形態に係る表示装置100は、タッチパネルユニット20と、タッチパネルユニット20を収容する、タッチパネルユニット20の形状に対応した形状の収容凹部14を有する筐体10と、収容凹部14の側壁12からタッチパネルユニット20の側面に向かって突出し、タッチパネルユニット20の側面に付勢してタッチパネルユニット20を保持する弾性部材13とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルユニットと、
前記タッチパネルユニットを収容する、前記タッチパネルユニットの形状に対応した形状の収容凹部を有する筐体と、
前記収容凹部の側壁から前記タッチパネルユニットの側面に向かって突出し、前記タッチパネルユニットの側面を付勢して前記タッチパネルユニットを保持する弾性部材と、
を備える、
表示装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記タッチパネルユニットの側面を略均一に付勢する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記収容凹部の側壁から突出する突起部材であり、前記収容凹部の側壁の各辺に略等間隔で複数設けられる、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記収容凹部の側壁から突出する帯状部材であり、前記収容凹部の側壁の全周にわたって連続して設けられる、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記弾性部材は、異材質成形により前記筐体に一体的に形成されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置や、カーナビゲーション装置等の操作を行うための表示装置として、反応部への接触により入力操作が行われるタッチパネルを用いたものが知られている。このような表示装置は、一般的に、画像を表示する表示パネルと、表示パネルに表示した画像を透過させ、タッチ入力操作を受け付けるタッチパネルとが積層され、筐体内に収容された構成を有している。
【0003】
特許文献1には、筐体とタッチパネルユニットとの隙間を適正な間隔にする表示装置が開示されている。筐体の裏側には、タッチパネルの反応部とは異なる未反応部に接触する位置決めリブが設けられている。位置決めリブに向けて、タッチパネルユニットの未反応部が、弾性部材の付勢力によって付勢されることで、筐体に対してタッチパネルユニットの表面が位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、タッチパネルユニットの表面と筐体との隙間を調整しているものの、筐体の凹部内に収容されるタッチパネルユニットの側面と凹部の側壁との間の隙間を適正な間隔にすることについては開示されていない。
【0006】
本開示は上記の点に鑑みなされたものであり、本開示の目的は、筐体の収容凹部内に収容されるタッチパネルユニットの側面と、収容凹部の側壁との間の隙間を適正な間隔にすることができる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態にかかる表示装置は、タッチパネルユニットと、前記タッチパネルユニットを収容する、前記タッチパネルユニットの形状に対応した形状の収容凹部を有する筐体と、前記収容凹部の側壁から前記タッチパネルユニットの側面に向かって突出し、前記タッチパネルユニットの側面に付勢して前記タッチパネルユニットを保持する弾性部材とを備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、筐体の凹部内に収容されるタッチパネルユニットの側面と収容凹部の側壁との間の隙間を適正な間隔にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1の表示装置を構成する筐体を示す図である。
【
図5】
図4の表示装置を構成する筐体を示す図である。
【
図7】弾性部材の内周縁とタッチパネルユニットの寸法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る表示装置について説明する。ただし、本開示が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0011】
実施形態1.
図1は、実施形態1に係る表示装置100を示す図である。
図2は、
図1の表示装置100を構成する筐体10を示す図である。
図3は、
図2の一部を拡大した図である。
図1に示すように、表示装置100は、筐体10、タッチパネルユニット20を備えている。実施形態1に係る表示装置は、例えば、車両の車室内に搭載されるカーナビゲーション装置に適用される。
【0012】
タッチパネルユニット20は、表示パネル上にタッチパネルを搭載したものである。表示パネルは、例えば、液晶表示パネル、有機EL(Organic electro luminescence)表示パネル等である。タッチパネルは、例えば、静電容量方式であり、指等の接触により、静電容量が変化した位置を検出する。静電容量方式のタッチパネルには、相互容量方式及び自己容量方式のタッチパネルがあるが、特に限定されるものではない。
【0013】
筐体10は、タッチパネルユニット20を支持するものであり、例えば、樹脂材で形成されている。
図2に示すように、筐体10は、底部11、側壁12、弾性部材13を有している。底部11は矩形状であり、側壁12は底部11の四辺からそれぞれ立設している。底部11及び側壁12により、収容凹部14が形成される。
【0014】
タッチパネルユニット20は、その表示面と反対側の面が底部11に対向する状態で、収容凹部14内に収容される。タッチパネルユニット20の表示面側が前方側、筐体10の底部11が配置される側が後方側である。なお、筐体10の底部11には、所定の位置に、所定の大きさの開口部が設けられ、開口部を介してタッチパネルユニット20への電気的な接続が行われる。筐体10とタッチパネルユニット20とは、両面テープ等の接着部材(不図示)により固定される。
【0015】
収容凹部14は、タッチパネルユニット20の形状に対応した形状を有している。ここに示す例では、タッチパネルユニット20は、矩形平板状である。収容凹部14は、平面視で、タッチパネルユニット20に対応する矩形状であり、タッチパネルユニット20の厚みに応じた深さを有している。すなわち、底部11がタッチパネルユニット20に対応する大きさであり、側壁12の高さがタッチパネルユニット20の厚みに対応する。
【0016】
なお、収容凹部14の大きさは、公差を考慮して、タッチパネルユニット20よりも大きめに設定される。すなわち、収容凹部14は、タッチパネルユニット20に干渉しない寸法に設定される。従って、収容凹部14の側壁12の内周面とタッチパネルユニット20の周縁の側面との間には隙間が形成される。
【0017】
表示装置100がカーナビゲーション装置に適用される場合、表示面の視認性を良好に保つために、筐体10の側壁12とタッチパネルユニット20の側面との隙間を均一にすることが望まれる。そこで、実施形態1では、弾性部材13が設けられている。
【0018】
弾性部材13は、タッチパネルユニット20の側面に付勢して、該タッチパネルユニット20を保持する。実施形態1では、弾性部材13は収容凹部14の側壁12からタッチパネルユニット20の側面に向かって突出する突起部材である。弾性部材13は、収容凹部14の側壁12の各辺に略等間隔で複数設けられる。実施形態1では、8つの弾性部材13が、側壁12の周方向に等間隔で配置されている。ここでは、上下左右の各辺に、2つずつ弾性部材13が配置されている。上下左右の各辺における2つの弾性部材13の間隔はいずれも等しい。これらの弾性部材13は、互いに独立して設けられている。
【0019】
図2に示すように、タッチパネルユニット20が矩形状である場合、左右の辺に配置される弾性部材13の配置位置は、タッチパネルユニット20の上下の辺の中心を通る中心線に対して対称である。また、上下の辺に配置される弾性部材13の配置位置は、タッチパネルユニット20の左右の辺の中心を通る中心線に対して対称である。なお、収容凹部14の角部を挟んだ弾性部材13間の間隔は、各辺の弾性部材13間の間隔と異なっていてもよく、等しくてもよい。
【0020】
弾性部材13は、弾性を有するエラストマー系材料や発泡系材料等から形成され得る。弾性部材13として、例えば、黒色の熱可塑性エラストマーである、東レ・デュポン社製のハイトレル(Hytrel)3046(商品名)が用いられる。筐体10と弾性部材13とは、異材質成形等によって一体成型品とすることができる。異材質成形としては、例えば、種類が異なる2種類の樹脂を、射出ノズルから順次に金型内に充填し、複数の樹脂で形成された成形品を得る二色成形等があげられる。なお、接着剤等によって、弾性部材13を筐体10に接合してもよい。
【0021】
弾性部材13の自然状態における側壁12から突出する方向に向かう寸法は、収容凹部14内にタッチパネルユニット20が収容された際に、弾性部材13の弾性復元力によって収容されたタッチパネルユニット20を保持可能となる適宜の寸法とすることができる。タッチパネルユニット20は、筐体10の側壁12に設けた弾性部材13に対して、タッチパネルユニット20の側面を押し付けながら取り付けることができる。
【0022】
タッチパネルユニット20を筐体10内に収容すると、複数の弾性部材13は略均等に圧縮された状態となる。タッチパネルユニット20は、弾性部材13にのみ接触し、側壁12には接触しない。複数の弾性部材13は、略同一の高さを有することが好ましい。このような弾性部材13によって、タッチパネルユニット20の側面は略均一に付勢される。
【0023】
実施形態1では、タッチパネルユニット20及び収容凹部14の平面視した形状は矩形状であるため、タッチパネルユニット20は、弾性部材13を介して四辺方向から同じ弾性力で支持される。これにより、収容凹部14の側壁12とタッチパネルユニット20の側面との間の隙間を均一に保持することが可能となる。なお、弾性部材13の位置、数、高さ、形状、弾性率は、適宜調整することが可能である。
【0024】
図3に示すように、弾性部材13は四角錐台状であり、四角錐台の1つの側面が側壁12に接合されている。なお、弾性部材13は、タッチパネルユニット20と点接触するような半球状であってもよい。また、弾性部材13は、タッチパネルユニット20と線接触する、半円柱状であってもよい。
【0025】
このように、実施形態1によれば、弾性部材13の弾性変形により、筐体10の側壁12とタッチパネルユニット20の側面との隙間を均一にした状態で、タッチパネルユニット20の平面方向の位置を保持することができる。
【0026】
実施形態2.
図4は、実施形態2に係る表示装置を示す図である。
図5は、
図4の表示装置を構成する筐体を示す図である。
図6は、
図5の一部を拡大した図である。
図4~6において、
図1~3と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0027】
実施形態2では、1つの連続した帯状の弾性部材13aを設けることにより、タッチパネルユニット20の側面と収容凹部14の側壁12との間の隙間を適正な間隔にする。実施形態1と同様に、収容凹部14の大きさは、公差を考慮して、タッチパネルユニット20よりも大きめに設定される。すなわち、収容凹部14は、タッチパネルユニット20に干渉しない寸法に設定される。
【0028】
弾性部材13aは、4つの側壁12からそれぞれ収容凹部14の内側に向かって突出する帯状部材である。弾性部材13aは、収容凹部14の側壁12の全周にわたって連続して設けられている。弾性部材13aの自然状態における側壁12から突出する方向に向かう寸法は、収容凹部14内にタッチパネルユニット20が収容された際に、弾性部材13aによって収容されたタッチパネルユニット20を保持可能となる適宜の寸法とすることができる。
【0029】
図7に、筐体10とタッチパネルユニット20の寸法の例を示す。タッチパネルユニット20の横幅をL、縦幅をTとし、弾性部材13aの内周縁、すなわち、
図5に示すように、弾性部材13aの内周縁により形成される、タッチパネルユニット20をはめ込む空間の横幅をL”、縦幅をT”とする。
図7に示す例では、タッチパネルユニット20の設計寸法は、L=200mm、T=100mm、寸法公差は±0.1mmとする。また、弾性部材13aの内周縁の設計寸法は、L”=199.7mm、T”=99.7mm、寸法公差は±0.2mmとする。
【0030】
図7に示すように、タッチパネルユニット20と弾性部材13aの寸法が公差でばらついたとしても、タッチパネルユニット20と弾性部材13aとは常に接触する、干渉状態となっている。したがって、収容凹部14の側壁12とタッチパネルユニット20の側面との間には、全周にわたって、帯状の弾性部材13aが隙間なく配置される。
【0031】
タッチパネルユニット20の寸法が弾性部材13aの寸法よりも大きい場合には、弾性部材13aは、側壁12とタッチパネルユニット20の側面との間において、全周にわたって、均等に圧縮された状態となる。すなわち、弾性部材13とタッチパネルユニット20の干渉は、弾性部材13aで吸収される。
【0032】
弾性部材13aは、全周にわたって均等な高さを有することが好ましい。このような弾性部材13aによって、タッチパネルユニット20の側面は全周にわたって略均一に付勢される。これにより、タッチパネルユニット20は、弾性部材13aを介して四辺方向から同じ弾性力で支持され、収容凹部14の側壁12とタッチパネルユニット20の側面との間の隙間を均一に保持することが可能となる。
【0033】
このように、収容凹部14の側壁12とタッチパネルユニット20との間の隙間を弾性部材13aによって塞ぐことで、隙間への埃だまりや、筐体10内への埃の侵入を防止することが可能となる。
【0034】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0035】
タッチパネルユニット20の形状は、四隅が直角の矩形状に限定されるものではない。タッチパネルユニット20は、需要に応じてその平面形状が、円形、楕円形、多角形等の他の形状をとることができる。
【0036】
例えば、タッチパネルユニット20が円形である場合、弾性部材13は、円形の側壁12の周方向に互いに略等間隔で複数設けることができる。また、例えば、タッチパネルユニット20が正多角形である場合、弾性部材13は各辺に1つずつ配置されてもよい。この場合、隣接する辺の弾性部材13間の間隔が互いに等しくなるように、複数の弾性部材13が各辺に配置され得る。
【0037】
実施形態に係る表示装置は、種々の電子機器に適用可能である。電子機器は、例えば、車載用のカーナビゲーション装置、PC機器、携帯端末機器(スマートフォン、タブレット端末等)である。
【符号の説明】
【0038】
100 表示装置
10 筐体
11 底部
12 側壁
13、13a 弾性部材
14 収容凹部
20 タッチパネルユニット