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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119262
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】ダンプトラック
(51)【国際特許分類】
   B60W 10/26 20060101AFI20230821BHJP
   B60K 6/28 20071001ALI20230821BHJP
   B60K 6/46 20071001ALI20230821BHJP
   B60L 7/14 20060101ALI20230821BHJP
   B60L 50/61 20190101ALI20230821BHJP
   B60L 58/13 20190101ALI20230821BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
B60W10/26 900
B60K6/28 ZHV
B60K6/46
B60L7/14
B60L50/61
B60L58/13
H02J7/00 P
H02J7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022062
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 知範
(72)【発明者】
【氏名】北口 篤
(72)【発明者】
【氏名】金子 悟
(72)【発明者】
【氏名】門田 充弘
(72)【発明者】
【氏名】石原 和典
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴照
【テーマコード(参考)】
3D202
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA00
3D202AA07
3D202BB00
3D202BB11
3D202BB20
3D202CC00
3D202DD45
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA08
5G503DA19
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA12
5H125AC08
5H125AC12
5H125BA00
5H125BC05
5H125BC12
5H125BD17
5H125CA01
5H125CB02
5H125EE27
5H125EE51
(57)【要約】
【課題】燃費を改善したハイブリッド式のダンプトラックを提供する。
【解決手段】ダンプトラックは、放土場及び積込場の間を往復するサイクルを繰り返す過程において、第n(nは自然数)サイクルにおけるバッテリの初期蓄電量及び最終蓄電量をメモリに記憶し、最終蓄電量及び初期蓄電量の差の絶対値である充放電収支が閾値以上で且つ最終蓄電量が初期蓄電量以上の場合に(S31:Yes&S32:Yes)、第(n+1)サイクルにおける充電量を減少または放電量を増加させ(S34/S35)、充放電収支が閾値以上で且つ最終蓄電量が初期蓄電量未満の場合に(S31:Yes&S32:No)、第(n+1)サイクルにおける放電量を減少または充電量を増加させる(S37/S38)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、前記エンジンの駆動力によって発電する発電機と、電力を蓄電するバッテリと、前記発電機または前記バッテリから供給される電力によってタイヤを回転させるための駆動力を発生させる走行モータと、力行時に前記バッテリに蓄電された電力を前記走行モータに放電し、回生時に前記走行モータが発生させた電力を前記バッテリに蓄電するコントローラとを備えるダンプトラックにおいて、
前記コントローラは、前記ダンプトラックが放土場及び積込場の間を往復するサイクルを繰り返す過程において、
第n(nは自然数)サイクルにおける前記バッテリの初期蓄電量及び最終蓄電量をメモリに記憶し、
前記最終蓄電量及び前記初期蓄電量の差の絶対値である充放電収支が閾値以上で且つ前記最終蓄電量が前記初期蓄電量以上の場合に、第(n+1)サイクルにおける充電量を減少または放電量を増加させ、
前記充放電収支が前記閾値以上で且つ前記最終蓄電量が前記初期蓄電量未満の場合に、第(n+1)サイクルにおける放電量を減少または充電量を増加させることを特徴とするダンプトラック。
【請求項2】
請求項1に記載のダンプトラックにおいて、
前記コントローラは、
第nサイクルにおける前記バッテリの最大蓄電量及び最小蓄電量を前記メモリに記憶し、
前記充放電収支が前記閾値以上で且つ前記最終蓄電量が前記初期蓄電量以上の場合において、前記最大蓄電量及び前記最小蓄電量の差である充放電幅が目標値以上の場合に第(n+1)サイクルにおける充電量を減少させ、前記充放電幅が前記目標値未満の場合に第(n+1)サイクルにおける放電量を増加させ、
前記充放電収支が前記閾値以上で且つ前記最終蓄電量が前記初期蓄電量未満の場合において、前記充放電幅が前記目標値以上の場合に第(n+1)サイクルにおける放電量を減少させ、前記充放電幅が前記目標値未満の場合に第(n+1)サイクルにおける充電量を増加させることを特徴とするダンプトラック。
【請求項3】
請求項1に記載のダンプトラックにおいて、
前記コントローラは、
第nサイクルにおける前記バッテリの最大蓄電量の及び最小蓄電量を前記メモリに記憶し、
前記充放電収支が前記閾値未満で、且つ前記最大蓄電量及び前記最小蓄電量の差である充放電幅が目標値未満の場合に、第(n+1)サイクルにおける放電量及び充電量の少なくとも一方を増加させることを特徴とするダンプトラック。
【請求項4】
請求項3に記載のダンプトラックにおいて、
前記コントローラは、前記充放電収支が前記閾値未満で且つ前記充放電幅が前記目標値未満の場合において、
前記最大蓄電量が上限値を超える場合に、第(n+1)サイクルにおける放電量を増加させ、
前記最小蓄電量が下限値を下回る場合に、第(n+1)サイクルにおける充電量を増加させることを特徴とするダンプトラック。
【請求項5】
請求項4に記載のダンプトラックにおいて、
前記コントローラは、前記充放電収支が前記閾値未満で、前記充放電幅が前記目標値未満で、前記最大蓄電量が前記上限値以下で、且つ前記最小蓄電量が前記下限値以上の場合に、第(n+1)サイクルにおける放電量及び充電量の両方を増加させることを特徴とするダンプトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド式のダンプトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジンと、エンジンの駆動力によって発電する発電機と、電力を蓄電するバッテリと、発電機またはバッテリから供給される電力によってタイヤを回転させるための駆動力を発生させる走行モータと、力行時にバッテリに蓄電された電力を走行モータに放電し、回生時に走行モータが発生させた電力をバッテリに蓄電するダンプトラックが知られている。
【0003】
上記構成のダンプトラックは、予め定められた放土場及び積込場の間を繰り返し往復することが多い。そこで、特許文献1には、ダンプトラックの予定走行経路に基づいて、バッテリへの単位時間当たりの充電量と、バッテリからの単位時間当たりの放電量を調整する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-11531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のダンプトラックにおいて、1サイクル(例えば、放土場→積込場→放土場)における充放電収支が一致しないと、同一経路を往復する過程で蓄電量が上限値または下限値に達してしまい、燃費改善効果が減少するという課題がある。
【0006】
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、同一経路を往復するハイブリッド式のダンプトラックにおいて、バッテリに対する充放電量を制御することによって燃費を改善する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンと、前記エンジンの駆動力によって発電する発電機と、電力を蓄電するバッテリと、前記発電機または前記バッテリから供給される電力によってタイヤを回転させるための駆動力を発生させる走行モータと、力行時に前記バッテリに蓄電された電力を前記走行モータに放電し、回生時に前記走行モータが発生させた電力を前記バッテリに蓄電するコントローラとを備えるダンプトラックにおいて、前記コントローラは、前記ダンプトラックが放土場及び積込場の間を往復するサイクルを繰り返す過程において、第n(nは自然数)サイクルにおける前記バッテリの初期蓄電量及び最終蓄電量をメモリに記憶し、前記最終蓄電量及び前記初期蓄電量の差の絶対値である充放電収支が閾値以上で且つ前記最終蓄電量が前記初期蓄電量以上の場合に、第(n+1)サイクルにおける充電量を減少または放電量を増加させ、前記充放電収支が前記閾値以上で且つ前記最終蓄電量が前記初期蓄電量未満の場合に、第(n+1)サイクルにおける放電量を減少または充電量を増加させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、同一経路を往復するハイブリッド式のダンプトラックの燃費を改善することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るダンプトラックの側面図である。
図2】ダンプトラックに搭載されるパワーユニットの回路図である。
図3】最大充電量及び最大放電量にした場合における1サイクル中の蓄電量の推移を示す図である。
図4】充電量及び放電量を調整した場合における1サイクル中の蓄電量の推移を示す図である。
図5】複数サイクルを実行した際の充放電収支及び充放電幅の推移を示す図である。
図6】充放電制御処理のフローチャートである。
図7】充放電量調整処理のフローチャートである。
図8】充放電収支が大きい場合の充放電制御処理の例を示す図である。
図9】充放電幅が小さい場合の充放電制御処理の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るダンプトラックの実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るダンプトラック1の側面図である。なお、本明細書中の前後左右は、特に断らない限り、ダンプトラック1に搭乗して操作するオペレータの視点を基準としている。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るダンプトラック1は、車体フレーム2と、車体フレーム2の前部の左右両端に回転可能に支持された一対の前タイヤ3と、車体フレーム2の後部の左右両端に回転可能に支持された一対の後タイヤ4と、車体フレーム2上に起伏可能に支持された荷台5と、ダンプトラック1を操作するオペレータが搭乗するキャブ6とを主に備える。
【0012】
一対の前タイヤ3は、オペレータによるステアリング操作によって舵角が変わる操舵輪である。一方、一対の後タイヤ4は、走行モータ16(図2参照)の駆動力が伝達されて回転する駆動輪である。なお、ダンプトラック1は、一対の後タイヤ4それぞれに独立して駆動力を伝達するために、一対の走行モータ16を備える。
【0013】
荷台5は、ホイストシリンダ7の伸縮によって、車体フレーム2の後部のヒンジピン8を中心として、上下方向に起伏する。ホイストシリンダ7は、一端が車体フレーム2に接続され、他端が荷台5に接続され、油圧ポンプ(図示省略)から作動油の供給を受けて伸縮する。そして、ホイストシリンダ7が伸長すると荷台5が起立し、ホイストシリンダ7が縮小すると荷台5が倒伏する。
【0014】
キャブ6は、車体フレーム2の前端のデッキ9上の左端に配置されている。キャブ6は、ダンプトラック1を操作するオペレータが搭乗する運転室を形成している。そして、キャブ6の内部には、ダンプトラック1を動作させるための操作装置(アクセルペダル、ブレーキペダル、ホイストペダル、ステアリング、レバー、スイッチなど)が配置されている。キャブ6に搭乗したオペレータが操作装置を操作することによって、ダンプトラック1が走行(加速、制動、旋回)し、荷台5が起伏する。
【0015】
また、デッキ9の下方には、パワーユニット10が配置されている。パワーユニット10は、ダンプトラック1を駆動させるための動力を発生させる。さらに、デッキ9上には、グリッドボックス20(図2参照)、グリッドボックス20に冷却風を供給する送風機(図示省略)が設置されている。
【0016】
図2は、ダンプトラック1に搭載されるパワーユニット10の回路図である。パワーユニット10は、例えば、エンジン11と、主発電機12と、補助発電機13と、コンバータ14と、インバータ15と、走行モータ16と、充放電制御回路17と、バッテリ18と、チョッパ回路19と、グリッドボックス20と、電動補機21とを主に備える。
【0017】
エンジン11は、燃料を燃焼させることによって、ダンプトラック1を駆動するための駆動力を発生させる。主発電機12及び補助発電機13は、エンジン11の出力軸に接続されている。主発電機12及び補助発電機13は、エンジン11の駆動力が伝達されて、三相交流電力を発電する。コンバータ14は、主発電機12から出力された三相交流電力を直流電力に変換して、インバータ15に出力する。
【0018】
インバータ15は、コンバータ14から出力された直流電力または充放電制御回路17を通じてバッテリ18から放電された直流電力を、三相交流電力に変換して、走行モータ16に出力する。走行モータ16は、インバータ15から三相交流電力の供給を受けて回転する。そして、走行モータ16の回転駆動力が減速機(図示省略)を通じて後タイヤ4に伝達されることによって、ダンプトラック1が走行(加速)する。
【0019】
一方、ダンプトラック1を制動する際、走行モータ16は、電気ブレーキとして作動する。そして、電気ブレーキとして作動する走行モータ16は、回生電力を発電して、インバータ15に出力する。インバータ15は、走行モータ16から出力された三相交流の回生電力を直流電力に変換して、充放電制御回路17及びチョッパ回路19に出力する。
【0020】
充放電制御回路17は、後述するメインコントローラ30及び充放電コントローラ31の制御に従って、バッテリ18の充放電を制御する。より詳細には、充放電制御回路17は、ダンプトラック1の力行時(例えば、登坂時)に、バッテリ18に蓄電された電力をインバータ15に出力(放電)する。一方、充放電制御回路17は、ダンプトラック1の回生時(例えば、降坂時)に、インバータ15から出力された回生電力を、バッテリ18に蓄電する。
【0021】
チョッパ回路19は、ダンプトラック1の回生時に、インバータ15から出力された電力を、グリッドボックス20に供給する。グリッドボックス20は、走行モータ16で発電された回生電力を熱に変換して消費する抵抗器である。
【0022】
電動補機21は、例えば、グリッドボックス20に冷却風を供給する送風機を駆動するファンモータの他、キャブ6に設けられたエアコン、ディスプレイ、照明、パワーウインドウなど、走行モータ16を除くあらゆる電装品を指す。電動補機21は、補助発電機13から供給された三相交流電力によって動作する。
【0023】
パワーユニット10は、メインコントローラ30及び充放電コントローラ31(これらを総称して、「コントローラ」と表記することがある。)によって制御される。メインコントローラ30は、ダンプトラック1全体(例えば、インバータ15、チョッパ回路19、電動補機21、及び充放電コントローラ31)の動作を制御する。充放電コントローラ31は、メインコントローラ30の制御に従って、充放電制御回路17の動作を制御する。また、充放電コントローラ31は、バッテリ18の現在の蓄電量SOC(State Of Charge)を、メインコントローラ30に通知する。蓄電量SOCは、最大放電状態を0%とし、満充電状態を100%とした場合の現在の充電率を表す値である。
【0024】
メインコントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)32と、メモリ33とを備える。メモリ33は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはこれらの組み合わせで構成される。
【0025】
メインコントローラ30は、メモリ33に格納されたプログラムコードをCPU32が読み出して実行することによって、後述する処理を実現する。メモリ33は、CPU32がプログラムを実行する際のワークエリアとして用いられる。また、メモリ33には、図6及び図7に示す各種数値を記憶する。
【0026】
但し、メインコントローラ30の具体的な構成はこれに限定されず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよい。充放電コントローラ31についても同様である。
【0027】
次に、図3及び図4を参照して、ダンプトラック1の1サイクル中における蓄電量の変化を説明する。図3は、最大充電量Pc_max及び最大放電量Pd_maxにした場合における1サイクル中の蓄電量の推移を示す図である。図4は、充電量及び放電量を調整した場合における1サイクル中の蓄電量の推移を示す図である。
【0028】
なお、本実施形態に係るダンプトラック1は、例えば、露天掘り鉱山において、駐機場から積込場に向かい、積込場で土砂を積み込んで放土場に向かい、放土場で土砂を放土する。また、ダンプトラック1は、放土場及び積込場の間を繰り返し往復する。さらに、ダンプトラック1は、最後に放土場で土砂を放土した後、駐機場に戻る。そこで、本実施形態では、放土場から出発し、積込場に到着し、再び放土場に戻るまでを「1サイクル」と定義する。すなわち、本実施形態に係るダンプトラック1は、放土場及び積込場の間を往復するサイクルを繰り返し実行する。但し、1サイクルは、積込場から出発し、放土場に到着し、再び積込場に戻るまでであってもよい。
【0029】
また、本実施形態に係るダンプトラック1は、放土場及び積込場の間を自動運転によって移動する。すなわち、ダンプトラック1は、荷台5の重量センサ等によって放土の完了を検知したことに応じて、放土場を出発して、指示された積込場に移動する。また、ダンプトラック1は、外部装置(例えば、サーバ)から積込完了通知を受信したことに応じて、積込場を出発して、指示された放土場に移動する。ダンプトラック1の現在位置は、GPSによって把握することができる。但し、ダンプトラック1は、キャブ6に搭乗したオペレータの操作に従って移動してもよい。
【0030】
また、バッテリ18には、蓄電池の種類や容量などに基づいて、最大充電量Pc_max及び最大放電量Pd_maxが設定されている。また、充放電制御回路17は、最大充電量Pc_maxの範囲内で充電量Pcを設定し、最大放電量Pd_maxの範囲内で放電量Pdを設定する。なお、最大充電量Pc_max、最大放電量Pd_max、充電量Pc、及び放電量Pdは、バッテリ18に充電または放電される単位時間当たりの電力を指す。
【0031】
さらに、露天掘り鉱山では、すり鉢状の地形の最下点付近に積込場が存在することが多い。そのため、ダンプトラック1は、放土場から積込場に至る経路の大部分で回生するので、図3及び図4に示すように、蓄電量SOCは徐々に増加する。一方、ダンプトラック1は、積込場から放土場に至る経路の大部分で力行するので、図3及び図4に示すように、蓄電量SOCは徐々に減少する。
【0032】
ここで、図3に示すように、回生時に最大充電量Pc_maxで充電を行うと、ダンプトラック1が積込場に到着する前にバッテリ18が満充電状態(=100%)に達して、それ以降は蓄電されない可能性がある。また、力行時に最大放電量Pd_maxで放電を行うと、ダンプトラック1が放土場に到着する前にバッテリ18が最大放電状態(=0%)に達して、それ以降は放電されない可能性がある。
【0033】
また、最大充電量Pc_max及び最大放電量Pd_maxといった大電力での充放電は、バッテリ18の発熱による温度上昇を誘引する。そして、バッテリ18の高温動作は、バッテリ18自身の不可逆的な劣化の原因となる。このため、鉱山道路の長さや勾配、走行抵抗などに基づいて、通常は最大充電量Pc_maxより小さい充電量Pc、及び最大放電量Pd_maxより小さい放電量Pdで、バッテリ18に充放電するのが望ましい。
【0034】
そこで、図4に示すように、充電量Pcを小さくすれば、バッテリ18が満充電状態に達する前に、ダンプトラック1が積込場に到着する。また、放電量Pdを小さくすれば、バッテリ18が最大放電状態に達する前に、ダンプトラック1が放土場に到着する。しかしながら、図4の例では、蓄電量SOCの変動が小さくなって、回生電力を有効利用しているとはいい難い。
【0035】
図5は、複数サイクルを実行した際の充放電収支及び充放電幅の推移を示す図である。なお、図5の●印は、当該サイクルの開始時点における蓄電量(以下、「初期蓄電量SOC_pre」と表記する。)を示す。図5の×印は、当該サイクルの終了時点における蓄電量(以下、「最終蓄電量SOC_post」と表記する。)を示す。図5の矢印の上端は、当該サイクル中の蓄電量の最大値(以下、「最大蓄電量SOC_max」と表記する。)を示す。図5の矢印の下端は、当該サイクル中の蓄電量の最小値(以下、「最小蓄電量SOC_min」と表記する。)を示す。また、最終蓄電量SOC_post及び初期蓄電量SOC_preの差の絶対値を、「充放電収支ΔSOC」と定義する。さらに、最大蓄電量SOC_max及び最小蓄電量SOC_minの差を、「充放電幅DOD」と定義する。
【0036】
図5に示すように、各サイクルにおける最終蓄電量SOC_postが初期蓄電量SOC_preより大きい状態でサイクルを繰り返す度に、充放電幅DODを示す矢印が上方にスライドして、最大蓄電量SOC_maxが徐々に100%に近づく。一方、図示は省略するが、各サイクルにおける最終蓄電量SOC_postが初期蓄電量SOC_preより小さい状態でサイクルを繰り返す度に、充放電幅DODを示す矢印が下方にスライドして、最小蓄電量SOC_minが徐々に0%に近づく。
【0037】
そのため、充放電収支が一致しない状態でサイクルを繰り返すと、当該サイクルの途中でバッテリ18が満充電状態または最大放電状態になって、バッテリ18の充放電が行われない期間が生じることになる。また、図5を参照すれば明らかなように、充放電収支が一致しない状態でサイクルを繰り返すと、サイクルを繰り返す度に充放電幅DOD(すなわち、矢印の長さ)が小さくなって、燃費改善効果が小さくなる。
【0038】
なお、図3及び図4では、放土場から積込場に向かって標高が単調減少し、積込場から放土場に向かって標高が単調増加する単純な例を示している。しかしながら、現実の鉱山では、放土場及び積込場の間に上り坂、下り坂、平坦路が入り混じっている。そのため、図5に示すように、最小蓄電量SOC_minが初期蓄電量SOC_pre及び最終蓄電量SOC_postのいずれにも一致しない場合があり得る。一方、積込場から放土場を経て積込場に戻るサイクルの場合も、最大蓄電量SOC_maxが初期蓄電量SOC_pre及び最終蓄電量SOC_postのいずれにも一致しない場合があり得る。
【0039】
図6は、充放電制御処理のフローチャートである。充放電制御処理は、ダンプトラック1が複数のサイクルを繰り返す過程で、バッテリ18に対する充放電を制御する処理である。メインコントローラ30は、例えば、ダンプトラック1が放土場に到着したタイミングで、図6に示す充放電制御処理を開始する。なお、放土場及び積込場の位置は、予めメモリ33に記憶されていてもよいし、通信回線を通じてサーバ(図示省略)から取得してもよい。また、同一の放土場及び積込場の間を、同一経路を通って繰り返し往復することを前提として、図6の処理を説明する。
【0040】
まず、メインコントローラ30は、メモリ33に記憶された変数nを初期化(1を代入)する。変数nは、実行中のサイクル数を示す値である。すなわち、変数nには、自然数が設定される。また、第1サイクルにおける充電量Pc1及び放電量Pd1は、予めメモリ33に記憶されているものとする。次に、メインコントローラ30は、ダンプトラック1が放土場を出発するまで(S12:No)、ステップS13以降の処理の実行を待機する。
【0041】
次に、メインコントローラ30は、ダンプトラック1が放土場を出発する際の蓄電量SOCを、第nサイクルにおける初期蓄電量SOCn_pre、最大蓄電量SOC_max、最小蓄電量SOC_minに代入する(S13)。各記号に付加された「n」は、第nサイクルにおける値であることを示す。そして、充放電コントローラ31は、放土場から積込場を経て放土場に戻る過程において、回生時に充電量Pc1でバッテリ18に充電し、力行時に放電量Pd1でバッテリ18から放電する。
【0042】
ダンプトラック1が放土場から積込場に向かう過程では、バッテリ18の蓄電量SOCは上昇傾向となる。そこで、メインコントローラ30は、現在の蓄電量SOCが最大蓄電量SOCn_maxを超えたことに応じて(S16:Yes)、現在の蓄電量SOCで最大蓄電量SOCn_maxを更新する(S17)。また、ダンプトラック1が積込場から放土に向かう過程では、バッテリ18の蓄電量SOCは下降傾向となる。そこで、メインコントローラ30は、現在の蓄電量SOCが最小蓄電量SOCn_minを下回ったことに応じて(S18:Yes)、現在の蓄電量SOCで最小蓄電量SOCn_minを更新する(S19)。
【0043】
そして、キーがOFF(すなわち、エンジン11が停止)されるか(S14:No)、ダンプトラック1が放土場に到着するまで(S15:No)、ステップS16~S19の処理を繰り返すことによって、第nサイクルにおける最大蓄電量SOCn_max及び最小蓄電量SOCn_minがメモリ33に記憶される。
【0044】
また、メインコントローラ30は、ダンプトラック1が放土場に到着したことに応じて(S15:Yes)、ダンプトラック1が放土場に到着した際の蓄電量SOCを、第nサイクルにおける最終蓄電量SOCn_postに代入する。さらに、メインコントローラ30は、第nサイクルにおける充放電収支ΔSOCn及び充放電幅DODnを演算して、メモリ33に記憶させる(S20)。
【0045】
次に、メインコントローラ30は、図7を参照して後述する充放電調整処理を実行する(S21)。次に、メインコントローラ30は、変数nに1を加算し(S22)、ステップS21で調整した充電量Pc(n+1)及び放電量Pd(n+1)を用いて、ステップS12以降の処理を再び実行する。すなわち、メインコントローラ30は、キーがOFFされるまで(S14:No)、ステップS12~S22の処理を繰り返し実行する。
【0046】
図7は、充放電量調整処理のフローチャートである。充放電量調整処理は、第nサイクル中に収集した各種情報に基づいて、第(n+1)サイクルにおける充電量Pc(n+1)及び放電量Pd(n+1)を調整(増減)する処理である。
【0047】
まず、メインコントローラ30は、第nサイクルにおける充放電収支ΔSOCnと、予め定められた閾値TH_SOCとを比較する(S31)。閾値TH_SOCは、充放電収支ΔSOCnが一致していると評価できる範囲(すなわち、0に近い値)に設定される。
【0048】
次に、メインコントローラ30は、第nサイクルにおける充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC以上の場合に(S31:Yes)、第nサイクルにおける初期蓄電量SOCn_preと最終蓄電量SOCn_postとを比較する(S32)。また、メインコントローラ30は、第nサイクルにおける充放電幅DODnと、予め定められた目標値DOD_tgtとを比較する(S33/S36)。目標値DOD_tgtは、各サイクルにおける充放電幅DODnの目標値であって、各サイクルで満充電状態及び最大放電状態にならない範囲で、できるだけ大きい値に設定される。
【0049】
そして、メインコントローラ30は、充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC以上で(S31:Yes)、最終蓄電量SOCn_postが初期蓄電量SOCn_pre以上の場合において(S32:Yes)、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt以上の場合に(S33:Yes)、第(n+1)サイクルにおける充電量Pc(n+1)を減少させる(S34)。一方、メインコントローラ30は、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt未満の場合に(S33:No)、第(n+1)サイクルにおける放電量Pd(n+1)を増加させる(S35)。
【0050】
また、メインコントローラ30は、充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC以上で(S31:Yes)、最終蓄電量SOCn_postが初期蓄電量SOCn_pre未満の場合において(S32:No)、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt以上の場合に(S36:Yes)、第(n+1)サイクルにおける放電量Pd(n+1)を減少させる(S37)。一方、メインコントローラ30は、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt未満の場合に(S36:No)、第(n+1)サイクルにおける充電量Pc(n+1)を増加させる(S38)。
【0051】
すなわち、メインコントローラ30は、充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC以上で(S31:Yes)、最終蓄電量SOCn_postが初期蓄電量SOCn_pre以上の場合に(S32:Yes)、第(n+1)サイクルにおける充電量Pc(n+1)を減小または放電量Pd(n+1)を増加(S34/S35)させる。また、メインコントローラ30は、充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC以上で(S31:Yes)、最終蓄電量SOCn_postが初期蓄電量SOCn_pre未満の場合に(S32:No)、第(n+1)サイクルにおける放電量Pd(n+1)を減小または充電量Pc(n+1)を増加(S37/S38)させる。
【0052】
また、メインコントローラ30は、充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC以上の場合において(S31:Yes)、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt以上の場合に(S33:Yes/S36:Yes)、第(n+1)サイクルにおける充電量Pc(n+1)または放電量Pd(n+1)を減少させる(S34/S37)。一方、メインコントローラ30は、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt未満の場合に(S33:No/S36:No)、第(n+1)サイクルにおける放電量Pd(n+1)または充電量Pc(n+1)を増加させる(S35/S38)。
【0053】
一方、メインコントローラ30は、第nサイクルにおける充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC未満の場合に(S31:No)、第nサイクルにおける充放電幅DODnと、予め定められた目標値DOD_tgtとを比較する(S39)。そして、メインコントローラ30は、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt未満の場合に(S36:Yes)、第nサイクルにおける最大蓄電量SOCn_maxと上限値TH_maxとを比較し(S40)、第nサイクルにおける最小蓄電量SOCn_minと下限値TH_minとを比較する(S41)。
【0054】
上限値TH_maxは、バッテリ18が満充電状態になるのを防止するために、満充電状態(=100%)より僅かに小さい値に設定される。下限値TH_minは、バッテリ18が最大放電状態になるのを防止するために、最大放電状態(=0%)より僅かに大きい値に設定される。さらに、上限値TH_maxは、下限値TH_minより小さい値に設定される。
【0055】
そして、メインコントローラ30は、充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC未満で(S31:No)、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt未満の場合において(S39:Yes)、最大蓄電量SOCn_maxが上限値TH_maxを超える場合に(S40:Yes)、第(n+1)サイクルにおける放電量Pd(n+1)を増加させる(S42)。また、メインコントローラ30は、最小蓄電量SOCn_minが下限値TH_minを下回る場合に(S41:Yes)、第(n+1)サイクルにおける充電量Pc(n+1)を増加させる(S43)。さらに、メインコントローラ30は、最大蓄電量SOCn_maxが上限値TH_max以下で(S40:No)、最小蓄電量SOCn_minが下限値TH_min以上の場合に(S41:No)、第(n+1)サイクルにおける充電量Pc(n+1)及び放電量Pd(n+1)の両方を増加させる(S44)。
【0056】
すなわち、メインコントローラ30は、充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC未満で(S31:No)、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt未満の場合に(S39:Yes)、第(n+1)サイクルにおける充電量Pc(n+1)及び放電量Pd(n+1)の少なくとも一方を増加させる(S42~S44)。一方、メインコントローラ30は、充放電収支ΔSOCnが閾値TH_SOC未満で(S31:No)、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt以上の場合に(S39:No)、ステップS40~S44の処理を実行せずに、充放電量調整処理を終了する。
【0057】
なお、ステップS34~S35、S37~S38、S42~S44では、第nサイクルにおける充電量Pcnまたは放電量Pdnに、予め定められた値(増加させる場合は正の数値、減少させる場合は負の数値)を加算してもよいし、予め定められた値(増加させる場合は1より大きい数値、減少させる場合は1より小さい数値)を乗じてもよい。
【0058】
次に、図8及び図9を用いて、充放電制御処理を実行した場合の充放電収支ΔSOC及び充放電幅DODの推移の例を説明する。図8は、充放電収支ΔSOCが大きい場合の充放電制御処理の例を示す図である。図9は、充放電幅DODが小さい場合の充放電制御処理の例を示す図である。
【0059】
一例として、図8の第1サイクルのように、最終蓄電量SOC_postが初期蓄電量SOC_preより大きく(S31:Yes&S32:Yes)、且つ充放電幅DODが目標値DOD_tgtより大きい場合(S33:Yes)、メインコントローラ30は、第2サイクルにおける充電量Pcを減少させる(S34)。これにより、図8の第2サイクルでは、第1サイクルと比較して、最大蓄電量SOC_maxが減少し、充放電収支ΔSOCが0に近づく。この処理を繰り返すことによって、図8の第3サイクルのように、充放電収支ΔSOCがさらに0に近づくと共に、初期蓄電量SOC_pre及び最終蓄電量SOC_postが充放電幅DODの中央に近づく。
【0060】
他の例として、図9の第1サイクルのように、充放電収支ΔSOCが閾値TH_SOC未満で(S31:No)、充放電幅DODnが目標値DOD_tgt未満で(S39:Yes)、最大蓄電量SOC_maxが上限値TH_max以下で(S40:No)、最小蓄電量SOC_minが下限値TH_min以上の場合に(S41:No)、メインコントローラ30は、第2サイクルにおける充電量Pc及び放電量Pdの両方を増加させる(S44)。これにより、図9の第2サイクルでは、充放電収支ΔSOCが変化せずに(S31:No)、充放電幅DODが増加する(S39:Yes)。その一方で、第2サイクルにおける最大蓄電量SOC_maxが上限値TH_maxを上回る可能性がある(S40:Yes)。
【0061】
そこで、メインコントローラ30は、第3サイクルにおける放電量Pdを増加させる(S42)。これにより、図9の第3サイクルでは、第2サイクルと比較して、最終蓄電量SOC_post及び最小蓄電量SOC_minが減少する。しかしながら、最大蓄電量SOC_maxは、すぐには減少しないので(S40:Yes)、第4サイクルでもさらに放電量Pdを増加させる(S42)。また、第3サイクルでは、第2サイクルと比較して、最終蓄電量SOC_postが減少する。そのため、第4サイクルでは、充放電幅DODが減少せずに、充放電幅DODを示す矢印が下方にスライドする。
【0062】
このように、複数のサイクルを経ることによって、充放電幅DODを減らさずに、最大蓄電量SOC_maxを上限値TH_max未満に下げることができる。なお、図9の第4サイクルでは、未だ充放電収支ΔSOCが一致しないので、第5サイクル以降で充放電収支ΔSOCを一致させるための処理(すなわち、ステップS32~S38)が実行される。
【0063】
上記の実施形態によれば、第nサイクルにおける初期蓄電量SOC_pre及び最終蓄電量SOC_postの大小関係に応じて(S32)、第(n+1)サイクルにおける充電量Pcまたは放電量Pdを調整する(S34~S35、S37~S38)。これにより、充放電収支ΔSOCを0に近づけることができる。その結果、複数のサイクルを繰り返しても、最大蓄電量SOC_maxが上限値TH_maxを超えたり、最小蓄電量SOC_minが下限値TH_minを下回ったりするのを抑制することができるので、ダンプトラック1の作業工程全体における燃費を改善することができる。
【0064】
また、上記の実施形態によれば、充放電幅DOD及び目標値DOD_tgtの大小関係に応じて(S33/S36)、充電量Pc及び放電量Pdのどちらを調整するかを切り替える。これにより、充放電幅DODが目標値DOD_tgtを下回らないようにしながら、充放電収支ΔSOCを0に近づけることができる。これにより、ダンプトラック1の燃費をさらに改善することができる。
【0065】
また、上記の実施形態によれば、充放電収支ΔSOCが閾値TH_SOC未満の場合に(S31:No)、充電量Pc及び放電量Pdの少なくとも一方を増加せるので(S42~S44)、充放電収支ΔSOCを一致させたまま、充放電幅DODを目標値DOD_tgtに近づけることができる。その結果、ダンプトラック1の燃費をさらに改善することができる。
【0066】
さらに、上記の実施形態によれば、最大蓄電量SOC_maxが上限値TH_maxを超えたり(S40:Yes)、最小蓄電量SOC_minが下限値TH_minを下回った場合に(S41:Yes)、放電量Pdまたは充電量Pcを増加させることによって(S42/S43)、充放電幅DODを減少させることなく、上限値TH_max及び下限値TH_minの間に充放電幅DODを収めることができる。その結果、ダンプトラック1の燃費をさらに改善することができる。
【0067】
上述した実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 ダンプトラック
2 車体フレーム
3 前タイヤ
4 後タイヤ
5 荷台
6 キャブ
7 ホイストシリンダ
8 ヒンジピン
9 デッキ
10 パワーユニット
11 エンジン
12 主発電機
13 補助発電機
14 コンバータ
15 インバータ
16 走行モータ
17 充放電制御回路
18 バッテリ
19 チョッパ回路
20 グリッドボックス
21 電動補機
30 メインコントローラ
31 充放電コントローラ
32 CPU
33 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9