(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119315
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】真空バルブ
(51)【国際特許分類】
H01H 33/664 20060101AFI20230821BHJP
H01H 33/662 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
H01H33/664 D
H01H33/662 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022146
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大坊 昂
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 芳充
(72)【発明者】
【氏名】日俣 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 淳一
(72)【発明者】
【氏名】竪山 智博
(72)【発明者】
【氏名】浅利 直紀
【テーマコード(参考)】
5G026
【Fターム(参考)】
5G026BA07
5G026DA01
5G026DB01
(57)【要約】
【課題】接点隣接部における通電軸の大きさ(太さ)を既存のまま一定に維持することで、電極に流れる電流の通電容量の低下を防ぐと同時に、真空バルブの開放時に電極相互間に発生したアークを、停滞させること無く半径方向に移動させつつ外周縁に沿って円周方向に駆動させることが可能な真空バルブを提供する。
【解決手段】離接可能に対向して位置付けられ、複数のスリット12,13によって分画された電極対向面E1s,E2sを有する接点8,10と、接点に接続された通電軸9,11とを具備し、通電軸のうち接点に隣接した接点隣接部9p,11pは、その大きさが一定に維持されていると共に、導電率の異なる複数の領域(高導電率領域H、低導電率領域L)で構成され、接点隣接部において、高導電率領域の外側を連続的に囲むように低導電率領域が配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
離接可能に対向して位置付けられ、複数のスリットによって分画された電極対向面を有する接点と、
前記接点に接続された通電軸と、を具備し、
複数の前記スリットは、前記電極対向面から前記接点を貫通して構成され、
前記通電軸のうち前記接点に隣接した接点隣接部は、その大きさが一定に維持されていると共に、導電率の異なる複数の領域で構成され、
複数の前記領域には、導電率の高い高導電率領域と、前記高導電率領域よりも導電率の低い低導電率領域とが含まれ、
前記接点隣接部において、前記高導電率領域の外側を連続的に囲むように前記低導電率領域が配置されている真空バルブ。
【請求項2】
前記高導電率領域は、前記真空バルブの中心を規定する仮想軸線に沿って同心状に延在した中実の輪郭形状を有し、
前記低導電率領域は、前記高導電率領域の外側に隙間無く隣接し、かつ、前記仮想軸線に沿って同心状に延在した中空の輪郭形状を有している請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項3】
複数の前記スリットは、前記仮想軸線を中心として周方向に沿って等間隔かつスパイラル状に配置され、
それぞれの前記スリットは、閉鎖されたスリット先端と、前記接点から開口されたスリット基端と、前記スリット先端から前記スリット基端に亘って互いに対向して配置された2つのスリット壁とを備えて構成され、
前記仮想軸線から半径方向で見て、2つの前記スリット壁のうち前記仮想軸線に接近して位置するものを内側スリット壁とし、前記内側スリット壁の外側であって前記仮想軸線から離間して位置するものを外側スリット壁とし、
前記仮想軸線から半径方向において、前記外側スリット壁と前記仮想軸線との間の直線距離が最も短くなる相互間距離を半径とした第1仮想円を想定すると、
前記接点隣接部の大きさは、前記高導電率領域及び前記低導電率領域のうち、少なくとも前記高導電率領域が前記第1仮想円の内側に位置付けられるように設定されている請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項4】
複数の前記スリットは、前記仮想軸線を中心として周方向に沿って等間隔かつスパイラル状に配置され、
それぞれの前記スリットは、閉鎖されたスリット先端と、前記接点から開口されたスリット基端と、前記スリット先端から前記スリット基端に亘って互いに対向して配置された2つのスリット壁とを備えて構成され、
前記仮想軸線から半径方向で見て、2つの前記スリット壁のうち前記仮想軸線に接近して位置するものを内側スリット壁とし、前記内側スリット壁の外側であって前記仮想軸線から離間して位置するものを外側スリット壁とし、
前記仮想軸線から半径方向において、前記スリット先端と前記仮想軸線との間の直線距離を半径とした第2仮想円を想定すると、
前記接点隣接部の大きさは、前記高導電率領域及び前記低導電率領域のうち、少なくとも前記高導電率領域が前記第2仮想円の内側に位置付けられるように設定されている請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項5】
前記電極対向面には、前記接点が相互に接触した状態において、互いに非接触となる非接触領域と、互いに接触する接触領域とが前記仮想軸線を中心として同心状に配置され、
前記接触領域は、前記非接触領域の外側を囲むように延在した環状を成し、
前記接点隣接部の大きさは、前記高導電率領域及び前記低導電率領域のうち、少なくとも前記高導電率領域が環状の前記接触領域の内側に位置付けられるように設定されている請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項6】
前記高導電率領域の輪郭形状には、前記接点に向かって大きさが一定となった輪郭形状と、前記接点に向かって大きさが先細りとなった輪郭形状とが含まれる請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項7】
前記低導電率領域は、前記高導電率領域よりも高い剛性並びに高い耐圧性を有し、これにより、前記高導電率領域を補強する機能並びに保護する機能を発揮可能に構成されている請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項8】
前記通電軸には、前記接点隣接部の電界を緩和させる電界緩和構造が前記仮想軸線に沿って設けられ、
前記電界緩和構造は、前記仮想軸線に沿った方向で見て、前記接点とは反対側の前記接点隣接部に隣接させて配置され、
前記電界緩和構造は、前記仮想軸線から半径方向に向けて前記接点隣接部よりも突出した突出部を有し、
前記突出部は、その突出端に面取りが施されている請求項2に記載の真空バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、真空バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
ビルや大型施設に設けられる受配電用の開閉装置として、例えば、遮断器や断路器などの開閉器を具備したスイッチギヤが知られている。スイッチギヤには、開閉器の構成要素として真空バルブが適用されている。真空バルブの内部は、絶縁容器によって一定の絶縁状態に維持され、この絶縁容器の内部に一対の電極が離接可能に収容されている。この場合、一対の電極を離接操作することで、事故電流の遮断や負荷電流の開閉が行われ、スイッチギヤから電力が安定して供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-252550号公報
【特許文献2】特開2012-119254号公報
【特許文献3】特開2011-096482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通電状態から電流遮断状態に移行する際に、真空バルブを開放(即ち、一対の電極を離間)させたとき、電極相互間に発生したアーク放電(以下、アークと言う)によって、例えば、電極相互の対向面(以下、電極対向面という)が局所的に加熱されて表面温度が上昇する場合がある。
【0005】
この場合、表面温度の上昇の程度によっては、例えば、電極対向面から金属蒸気が噴出したり、或いは、電極対向面の一部が溶融(溶解)したりする。そうすると、真空バルブの真空度が劣化し、遮断性能(絶縁性能)が低下してしまう。
【0006】
このような事態を回避するには、アークが局所的に停滞しないようにすれば良い。このため、既存の真空バルブでは、例えば、双方の電極にスリット(溝部)をスパイラル状に設けることで電流の経路を制限して、アークに半径方向の磁界を印加する。このとき、アークには、フレミングの左手の法則によるローレンツ力が作用する。これにより、アークを円周方向に駆動させることができる。
【0007】
このとき同時に、電極(電極対向面)の相互間において、アークを、半径方向に移動させつつ外周縁に沿って円周方向に駆動させることができれば、遮断性能(絶縁性能)を更に向上させることができる。ここで、アークを半径方向に移動させるためには、当該アークに作用する電磁力(即ち、ローレンツ力)の半径方向成分を大きくすること(換言すると、双方の電極に流れる電流の半径方向成分を増加させること)が求められる。
【0008】
これに応える方策として、例えば、通電軸と、通電軸の一端に接続された接点とを備えた電極を想定すると、接点に隣接した部分(以下、接点隣接部と言う)における通電軸の大きさを小さく(換言すると、通電軸の太さを細く)することで、接点において電流が半径方向に流動可能な領域(流路長、流路距離)を大きく(長く)確保し、これにより、半径方向に流れる電流成分の増加を図ることが考えられる。
【0009】
しかしながら、上記したように通電軸の大きさ(太さ)を小さく(細く)すると、接点隣接部における通電軸の断面積が小さくなるため、その分だけ電極(即ち、通電軸から接点、或いは、接点から通電軸)に流れる電流の通電容量が低下してしまう。
【0010】
このため、通電軸の大きさ(太さ)を小さく(細く)したものは、通電軸の大きさ(太さ)を既存のまま一定に維持したものに比べて、例えば、正常運転時に真空バルブを経由して流れる電流量が低下し、その結果、スイッチギヤから安定した電力が供給され難くなってしまう虞がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、接点隣接部における通電軸の大きさ(太さ)を既存のまま一定に維持することで、電極に流れる電流の通電容量の低下を防ぐと同時に、真空バルブの開放時に電極相互間に発生したアークを、停滞させること無く半径方向に移動させつつ外周縁に沿って円周方向に駆動させることが可能な真空バルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態によれば、離接可能に対向して位置付けられ、複数のスリットによって分画された電極対向面を有する接点と、接点に接続された通電軸と、を具備し、複数のスリットは、電極対向面から接点を貫通して構成され、通電軸のうち接点に隣接した接点隣接部は、その大きさが一定に維持されていると共に、導電率の異なる複数の領域で構成され、複数の領域には、導電率の高い高導電率領域と、高導電率領域よりも導電率の低い低導電率領域とが含まれ、接点隣接部において、高導電率領域の外側を連続的に囲むように低導電率領域が配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係る真空バルブの内部構造を示す図。
【
図2】アークが電極相互間に発生した状態における一対の電極の斜視図。
【
図3】
図2に示す電極における接点隣接部の内部構造を示す図。
【
図4】
図3に示す接点における電極対向面の平面図。
【
図5】第1変形例に係る電極における接点隣接部の内部構造を示す図。
【
図6】第2変形例に係る電極における接点隣接部の内部構造を示す図。
【
図7】第3変形例に係る電極における接点隣接部の内部構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
「一実施形態」
図1は、本実施形態に係る真空バルブPの内部構造図である。真空バルブPは、固定電極E1と、可動電極E2と、絶縁容器1(真空容器とも言う)と、固定側封着部材2と、可動側封着部材3と、気密維持機構4と、アークシールド5と、を有している。固定電極E1、可動電極E2、気密維持機構4、アークシールド5は、絶縁容器1に収容されている。
【0015】
図1の例において、絶縁容器1は、例えば、アルミナセラミックなどの絶縁材料で中空円筒形状に成形されている。固定側封着部材2及び可動側封着部材3は、例えば、ステンレス鋼を主成分とする金属材料で構成されている。
【0016】
図1に示すように、中空円筒形の絶縁容器1は、真空バルブPの中心を規定する仮想軸線Pxを中心とした同心円状を成している。絶縁容器1は、仮想軸線Px方向で見て、その両端が開口されている。双方の開口(固定側開口K1、可動側開口K2)は、固定側封着部材2、及び、可動側封着部材3によって覆われている。具体的には、固定側封着部材2は、固定側封着金具6を介して、絶縁容器1の一方の固定側開口K1を閉塞している。可動側封着部材3は、可動側封着金具7を介して、絶縁容器1の他方の可動側開口K2を閉塞している。
【0017】
アークシールド5は、例えば、銅やステンレス鋼などを主成分とする金属材料で構成されている。アークシールド5は、中空円筒形状を成し、絶縁容器1に固定されている。アークシールド5は、その内部(内側)に、固定電極E1の固定接点8、並びに、可動電極E2の可動接点10を収容するように配置されている。なお、アークシールド5の固定方法としては、絶縁容器1以外に、例えば、固定側封着部材2や可動側封着部材3に固定される場合も想定される。
【0018】
固定電極E1及び可動電極E2は、仮想軸線Pxを中心に同心状に構成されていると共に、仮想軸線Pxに沿って整列して延在されている。この状態において、固定電極E1と可動電極E2とは、それぞれの電極対向面E1s,E2sが平行に対向するように位置付けられている。
【0019】
固定電極E1は、固定接点8と、固定通電軸9と、を備えている。可動電極E2は、可動接点10と、可動通電軸11と、を備えている。上記した一方の電極対向面E1sは、固定接点8に設けられ、他方の電極対向面E2sは、可動接点10に設けられている。固定通電軸9及び可動通電軸11は、互いに同一の直径を有する円柱形状を成し、導電率の高い材料(例えば、銅(Cu)、銅合金、銀(Ag))で構成されている。
【0020】
固定接点8及び可動接点10は、双方の電極対向面E1s,E2sが平行に対向するように、互いに対向して配置されている。固定接点8は、固定通電軸9の一端に接続され、固定通電軸9の他端は、固定側封着部材2を介して、仮想軸線Pxに沿って移動不能に真空バルブPに固定されている。可動接点10は、可動通電軸11の一端に接続され、可動通電軸11の他端は、可動側封着部材3を介して、図示しない操作機構に連結されている。
【0021】
なお、固定通電軸9の一端(換言すると、固定接点8に隣接した部分)、並びに、可動通電軸11の一端(換言すると、可動接点10に隣接した部分)には、それぞれ、後述する接点隣接部(固定側接点隣接部9p、可動側接点隣接部11p)が構成されているが、当該接点隣接部9p,11pの構造及び材質については、固定接点8及び可動接点10の構造及び材質と共に、後述する
図2~
図4の説明において詳述する。
【0022】
ここで、
図1に示すように、操作機構によって可動通電軸11を仮想軸線Pxに沿って移動させる。これにより、可動接点10を固定接点8に対して離接、具体的には、双方の電極対向面E1s,E2sを離接させることができる。この結果、真空バルブPを開閉操作(即ち、一対の電極E1,E2を離接操作)することができる。
【0023】
更に、可動通電軸11と可動側封着部材3との間には、気密維持機構4が配置されている。気密維持機構4は、伸縮性を有するベローズで構成され、ベローズ(気密維持機構)4は、例えば、ステンレスなどの薄い金属で構成されている。ベローズ4は、仮想軸線Px方向に伸縮可能な蛇腹状を成し、可動通電軸11の外側を隙間無く覆っている。
【0024】
ベローズ4は、その一端が可動側封着部材3に隙間無く接合され、その他端が可動通電軸11に隙間無く接合されている。これにより、絶縁容器1の内部は、常に気密状態(即ち、真空状態)に維持される。この結果、真空バルブPの開閉操作に際し、可動通電軸11を仮想軸線Pxに沿って移動させている間も、絶縁容器1の内部に大気(空気)が浸入することはない。
【0025】
ところで、真空バルブPの開放時(即ち、一対の電極E1,E2を離間させたとき)、電極E1,E2相互間(具体的には、電極対向面E1s,E2sの相互間)に発生したアークArcによって、例えば、電極対向面E1s,E2sから金属蒸気が噴出したり、電極対向面E1s,E2sが局所的に溶融(溶解)したりする場合がある。
【0026】
この場合、電極E1,E2(電極対向面E1s,E2s)の相互間において、アークArcを、上記した仮想軸線Pxを中心として半径方向に移動させつつ外周縁に沿って円周方向に駆動させることができれば、上記したような不具合の発生を回避して、遮断性能(絶縁性能)の更なる向上を図ることができる。
【0027】
そこで、本実施形態の真空バルブPにおいて、一対の電極E1,E2(具体的には、固定接点8、可動接点10、後述する固定側接点隣接部9p及び可動側接点隣接部11p)には、アークArcに作用する電磁力(即ち、ローレンツ力)の半径方向成分を大きくするために、双方の電極E1,E2に流れる電流の半径方向成分を増加させる構造並びに材質が適用されている。
【0028】
図2は、電極E1,E2の外部構造図である。
図3は、接点8,10及び接点隣接部9p,11pの内部構造図である。
図4は、平面視における接点隣接部9p,11pの配置構成図である。
図2~
図4の例において、固定接点8及び可動接点10は、互いに、同一の大きさを有する円板形状を成し、同一の構造及び材質を有して構成されている。固定側接点隣接部9pは、固定通電軸9の一端において固定接点8に隣接させて構成されている。可動側接点隣接部11pは、可動通電軸11の一端において可動接点10に隣接させて構成されている。
【0029】
図2及び
図3に示すように、固定接点8には、複数のスリット12(溝部とも言う)が設けられている。可動接点10には、複数のスリット13(溝部とも言う)が設けられている。
図2及び
図3では一例として、双方の接点8,10には、それぞれ、3つのスリット12,13が設けられている。これらのスリット12,13は、互いに同一の配置並びに構成を有している。
【0030】
図2~
図4に示すように、これら3つのスリット12,13は、仮想軸線Pxを中心としてスパイラル状(螺旋状とも言う)に延在し、かつ、円周方向に沿って等間隔に配置されている。各々のスリット12,13は、電極対向面E1s,E2sから接点8,10を貫通して構成されている。これにより、電極対向面E1s,E2sは、スリット12,13によって、スパイラル状に分画されている。
【0031】
スリット12,13は、それぞれ、接点8,10内部で閉鎖されたスリット先端Sと、接点8,10外部に向けて開口されたスリット基端Tと、スリット先端Sからスリット基端Tに亘って互いに対向して配置された2つのスリット壁(内側スリット壁M、外側スリット壁N)とを備えて構成されている。
【0032】
ここで、電極対向面E1s,E2sを平面視した状態において、仮想軸線Pxから半径方向で見て、2つのスリット壁M,Nのうち仮想軸線Pxに接近して位置するものを内側スリット壁Mとし、内側スリット壁Mの外側であって仮想軸線Pxから離間して位置するものを外側スリット壁Nとして規定する。
【0033】
スリット12,13の形状には、例えば、スリット先端Sからスリット基端Tに亘って真っ直ぐに延在する形状、或いは、スリット先端Sからスリット基端Tに亘って屈曲(湾曲)して延在する形状が含まれる。2つのスリット壁M,Nの配置には、例えば、互いに平行に対向する構成と、そうでない構成との双方が含まれる。
図2及び
図4では一例として、互いに平行に対向したスリット壁M,Nを備えたスリット12,13が、スリット先端Sからスリット基端Tに亘って真っ直ぐに延在されている。
【0034】
図2~
図4に示すように、電極対向面E1s,E2sには、接点8,10が相互に接触した通電状態において、互いに非接触となる非接触領域Fh(例えば、ザグリ)と、互いに接触する接触領域Fsとが仮想軸線Pxを中心として同心状に配置されている。
【0035】
非接触領域Fhは、仮想軸線Pxを中心とした円形の輪郭を有すると共に、接触領域Fsよりも通電軸9,11寄りに後退しつつ、仮想軸線Pxに向かって先細り状に凹んだ(窪んだ)円錐形状を成している。なお、非接触領域Fhには、上記したスリット先端Sと共に、当該スリット先端Sに連続した2つのスリット壁M,Nの一部(即ち、スリット先端S寄りの部分)が入り込んだ状態で位置付けられている。
【0036】
接触領域Fsは、仮想軸線Pxを中心として、円形の非接触領域Fhの外側に隣接しつつ同心状に配置されている。接触領域Fsの表面は、凹凸の無い中空の平坦面として構成されている。これにより、接触領域Fsは、円形の非接触領域Fhの外側を囲むように環状に延在した平坦リング形状を成している。
【0037】
この場合、双方の接点8,10において、接触領域Fsには、スリット12,13(具体的には、スリット壁M,N)が周方向に沿って等間隔に横断している。これにより、環状の接触領域Fsは、周方向に沿って3等分されている。
【0038】
なお、接点8,10には、通電性と耐弧性(耐アーク性とも言う)が要求されるため、接点8,10の材質としては、例えば、Cu、Agなどの通電材料と、クロム(Cr)、タングステン(W)、炭化タングステン(WC)などの耐弧材料との合金を適用することが好ましい。
【0039】
更に、固定接点8に隣接した固定通電軸9の一端には、固定側接点隣接部9pが設けられている。可動接点10に隣接した可動通電軸11の一端には、可動側接点隣接部11pが設けられている。これらの接点隣接部9p,11pは、後述するように、その大きさが一定に維持されている。
【0040】
図2~
図4では一例として、接点隣接部9p,11pは、通電軸9,11の大きさ(太さ)に一致させて構成されている。即ち、接点隣接部9p,11pの大きさ(太さ)は、通電軸9,11の大きさ(太さ)と同一に設定されている。換言すると、通電軸9,11は、接点隣接部9p,11pを含めて、その全長に亘って一定の大きさ(太さ)の輪郭形状を有している。別の捉え方をすると、真空バルブPに適用された既存の通電軸9,11の通電容量が低下すること無く一定に維持されるように、接点隣接部9p,11pを含めた通電軸9,11の大きさ(太さ)は、その全長に亘って均一の大きさ(太さ)に設定されている。
【0041】
このような接点隣接部9p,11pは、導電率の異なる複数の領域H,Lで構成された多層構造を有している。複数の領域H,Lには、導電率の高い高導電率領域Hと、高導電率領域Hよりも導電率の低い低導電率領域Lとが含まれている。なお、導電率は、抵抗率と捉えてもよく、その場合、高導電率領域Hは、抵抗率の低い領域として捉えられ、低導電率領域Lは、抵抗率の高い領域として捉えられる。
【0042】
高導電率領域Hの材質は、上記した通電軸9,11と同様の材料、即ち、導電率の高い材料(例えば、Cu、銅合金、Ag)で構成されている。低導電率領域Lの材質は、導電率の低い材料(例えば、Cr、ステンレス鋼(SUS))で構成されている。なお、低導電率領域Lの材質は、その剛性(強度)並びに耐圧性が高導電率領域Hの材質よりも高くなっている。
【0043】
図3及び
図4では一例として、接点隣接部9p,11pにおいて、高導電率領域Hの外側を連続的に囲むように低導電率領域Lが配置されている。高導電率領域Hは、接点8,10に向かって仮想軸線Pxに沿って同心状に延在し、大きさ(太さ)が一定となった中実の輪郭形状(例えば、円柱形状)を有している。低導電率領域Lは、高導電率領域Hの外側全体に亘って隙間無く隣接し、かつ、仮想軸線Pxに沿って同心状に延在した中空の輪郭形状(例えば、円筒形状)を有している。
【0044】
接点隣接部9p,11pの成形方法としては、例えば、高導電率領域Hとなる中実構造を通電軸9,11と共に同心状に一体成形する。低導電率領域Lとなる中空構造を通電軸9,11とは別体で成形する。そして、中実の高導電率領域Hの外側に中空の低導電率領域Lを後付け(例えば、溶接、ロウ付け)する。これにより、上記したような接点隣接部9p,11pを完成させることができる。
【0045】
また、
図3及び
図4に示すように、仮想軸線Pxから半径方向において、外側スリット壁Nと仮想軸線Pxとの間の直線距離が最も短くなる相互間距離を半径とした第1仮想円14を想定する。第1仮想円14は、仮想軸線Pxを中心にして、3つの外側スリット壁Nに接触する内接円となる。
【0046】
ここで、接点隣接部9p,11pの大きさは、高導電率領域H及び低導電率領域Lのうち、少なくとも高導電率領域Hが第1仮想円14の内側に位置付けられるように設定することが好ましい(以下、第1条件と称する)。
【0047】
この場合、通電容量の低下を防ぐためには、接点隣接部9p,11pを含む通電軸9,11の大きさ(太さ)は一定に維持することが求められる。そこで、上記した第1条件を満足させるように、スリット12,13の配置構成を変更する。
【0048】
図3及び
図4では一例として、高導電率領域Hが第1仮想円14の内側に位置付けられている。なお、接点隣接部9p,11pの全体が第1仮想円14の内側に位置付けられるように、スリット12,13の配置構成を変更しても良い。これにより、高導電率領域H及び低導電率領域Lの双方が第1仮想円14の内側に位置付けられる。
【0049】
更に、
図3及び
図4に示すように、仮想軸線Pxから半径方向において、スリット先端Sと仮想軸線Pxとの間の直線距離を半径とした第2仮想円15を想定する。第2仮想円15は、仮想軸線Pxを中心にして、3つのスリット先端Sを相互に連絡する連絡円となる。
【0050】
ここで、接点隣接部9p,11pの大きさは、高導電率領域H及び低導電率領域Lのうち、少なくとも高導電率領域Hが第2仮想円15の内側に位置付けられるように設定することが好ましい(以下、第2条件と称する)。
【0051】
この場合、通電容量の低下を防ぐためには、接点隣接部9p,11pを含む通電軸9,11の大きさ(太さ)は一定に維持することが求められる。そこで、上記した第2条件を満足させるように、スリット12,13の配置構成を変更する。
【0052】
図3及び
図4では一例として、高導電率領域Hが第2仮想円15の内側に位置付けられている。なお、接点隣接部9p,11pの全体が第2仮想円15の内側に位置付けられるように、スリット12,13の配置構成を変更しても良い。これにより、高導電率領域H及び低導電率領域Lの双方が第2仮想円15の内側に位置付けられる。
【0053】
加えて、
図3及び
図4に示すように、接点隣接部の大きさ9p,11pは、高導電率領域H及び低導電率領域Lのうち、少なくとも高導電率領域Hが、上記した環状の接触領域Fsの内側に位置付けられるように設定することが好ましい(以下、第3条件と称する)。
【0054】
この場合、通電容量の低下を防ぐためには、接点隣接部9p,11pを含む通電軸9,11の大きさ(太さ)は一定に維持することが求められる。そこで、上記した第3条件を満足させるように、上記した円形の非接触領域(ザグリ)Fhの配置構成を変更する。例えば、非接触領域(ザグリ)Fhの最外周円の半径(直径)を大小変更して、第3条件を満足させる。
【0055】
図3及び
図4では一例として、高導電率領域H及び低導電率領域Lの双方が環状の接触領域Fsの内側(換言すると、上記した非接触領域(ザグリ)Fhの範囲内)に位置付けられている。
【0056】
次に、真空バルブPの動作の一例として、通電状態から電流遮断状態に移行する場合を想定して説明する。
図2~
図4の例において、真空バルブPを開放(即ち、一対の電極E1,E2を離間)させた際に、交流電流は、固定通電軸9から固定接点8並びに可動接点10を経由して可動通電軸11(或いは、可動通電軸11から可動接点10並びに固定接点8を経由して固定通電軸9)に流動する。
【0057】
このとき、接点8,10において、交流電流は、スリット12,13を避けるように流動する。そして、当該交流電流が零点を迎えるまで、接点8,10(電極対向面E1s,E2s)相互間にアークArcが発生する。
【0058】
この間、接点8,10では、仮想軸線Pxから半径方向において、交流電流の流動可能な領域De(流路長、流路距離)が大きく(長く)確保された状態となる。この状態において、半径方向に流れる電流成分が増加する。これにより、アークArcに作用する電磁力(即ち、ローレンツ力)の半径方向成分が大きくなる。この結果、アークArcは、停滞すること無く、仮想軸線Pxを中心として半径方向に移動しながら外周縁に沿って円周方向に駆動する。
【0059】
以上、本実施形態によれば、接点隣接部9p,11pは、高導電率領域Hの外側を連続的に囲むように低導電率領域Lが配置された多層構造を有していると同時に、既存の通電軸9,11の大きさ(太さ)に一致させて構成されている。この構成によれば、接点8,10において、交流電流の半径方向に流動可能な領域De(流路長、流路距離)が大きく(長く)なるため、半径方向に流れる電流成分を増加させることができる。これにより、アークArcに作用する電磁力(即ち、ローレンツ力)の半径方向成分を大きくすることができる。この結果、接点8,10(電極対向面E1s,E2s)相互間に発生したアークを、停滞させること無く半径方向に移動させつつ外周縁に沿って円周方向に駆動させることができる。かくして、真空バルブPの開放時における遮断性能(絶縁性能)の更なる向上を図ることができる。
【0060】
本実施形態によれば、接点隣接部9p,11pにおける通電軸9,11の大きさ(太さ)が既存のまま一定に維持されている。この構成によれば、電極E1,E2(即ち、通電軸9,11から接点8,10、或いは、接点8,10から通電軸9,11)に流れる電流の通電容量の低下を防ぐことができる。これにより、例えば、正常運転時に真空バルブPを経由して流れる電流量の低下を防止し、一定の電流量を確保することができる。この結果、常に安定した電力供給を図ることが可能なスイッチギヤを実現することができる。
【0061】
本実施形態によれば、接点隣接部9p,11pにおいて、導電率の低い材料(例えば、Cr、SUS)で構成した低導電率領域Lは、導電率の高い材料(例えば、Cu、銅合金、Ag)で構成した高導電率領域Hよりも高い剛性(強度)並びに高い耐圧性を有している。この構成によれば、接点隣接部9p,11pにおいて、高導電率領域Hの外側を低導電率領域Lで連続的に囲んだ多層構造にしたことで、低導電率領域Lによって、高導電率領域Hを補強することができる。これにより、接点隣接部9p,11pを含めた通電軸9,11の全体の剛性(強度)及び耐圧性を、当該通電軸9,11の全長に亘って一定ないし均一に維持することができる。この結果、通電軸9,11の早期劣化を防止しつつ、半径方向への電磁力の発生と通電容量の低下防止とを両立させて同時に満足させることが可能な真空バルブPを実現することができる。
【0062】
本実施形態によれば、上記した第1条件及び第2条件を満足させるように、スリット12,13を配置構成することで、通電軸9,11によってスリット12,13が短絡するのを防ぎつつ同時に、上記した電磁力を確保することができる。
【0063】
本実施形態によれば、上記した第3条件を満足させるように、上記した円形の非接触領域(ザグリ)Fhを配置構成することで、接点8,10(電極対向面E1s,E2s)相互間に発生したアークを、外周縁即ち環状の接触領域Fsに沿って点弧させ易くすることができる。
【0064】
「第1変形例」
図5は、第1変形例における接点8,10及び接点隣接部9p,11pの内部構造図である。上記した実施形態の接点隣接部9p,11pにおいて、高導電率領域Hは、接点8,10に向かって大きさ(太さ)が一定となった輪郭形状を有しているが、これに代えて、本変形例の接点隣接部9p,11pにおいて、高導電率領域Hは、接点8,10に向かって大きさ(太さ)が連続的に先細りとなった輪郭形状を有している。
【0065】
図5では一例として、高導電率領域Hは、連続的に先細りとなった円錐台形状を成している。低導電率領域Lは、その外周が通電軸9,11の外周と一致するように、高導電率領域Hの外側に隙間無く隣接させて配置されている。
【0066】
この場合、高導電率領域H及び低導電率領域Lの厚さは、接点8,10に向かって連続的に変化している。このため、双方の導電率領域H,Lの厚さは、例えば、厚さの最も大きい部位と、厚さの最も小さい部位との合計を2で割った平均値として規定する。
【0067】
以上、第1変形例によれば、通電軸9,11の中心(即ち、仮想軸線Px周りの部分)を流れる交流電流の通電容量を、上記した実施形態よりも多くすることができる。同時に、高導電率領域Hの輪郭形状を接点8,10に向かって先細りに構成したことで、当該接点8,10において、交流電流の半径方向に流動可能な領域Deを、上記した実施形態よりも大きく(長く)することができる。なお、第1変形例において、上記した以外のその他の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0068】
「第2変形例」
図6は、第2変形例における接点8,10及び接点隣接部9p,11pの内部構造図である。上記した実施形態の接点隣接部9p,11pにおいて、高導電率領域Hは、接点8,10に向かって大きさ(太さ)が一定となった輪郭形状を有しているが、これに代えて、本変形例の接点隣接部9p,11pにおいて、高導電率領域Hは、接点8,10に向かって大きさ(太さ)が段階的に先細りとなった輪郭形状を有している。
【0069】
図6では一例として、高導電率領域Hは、段階的に先細りとなった階段形状を成している。低導電率領域Lは、その外周が通電軸9,11の外周と一致するように、高導電率領域Hの外側に隙間無く隣接させて配置されている。
【0070】
この場合、高導電率領域H及び低導電率領域Lの厚さは、接点8,10に向かって段階的に変化している。このため、双方の導電率領域H,Lの厚さは、例えば、厚さの最も大きい部位と、厚さの最も小さい部位と、厚さが段階的に変化している中間部位との合計を3で割った平均値として規定する。なお、本変形例では、中間部位は1か所であるため、3で割った平均値としているが、中間部位が2か所以上(例えば、3箇所)である場合には、5で割った平均値を適用する。
【0071】
なお、第2変形例の効果は、上記した第1変形例と同様であるため、その説明は省略する。更に、第2変形例において、上記した以外のその他の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0072】
「第3変形例」
図7は、第3変形例における接点8,10及び接点隣接部9p,11pの内部構造図である。本変形例では、接点隣接部9p,11pの製造プロセスに際し、高導電率領域Hと低導電率領域Lとの間にズレが生じた場合を想定する。
図7では一例として、上記した第1変形例において、高導電率領域Hの最外径を越えて低導電率領域Lの外径が大きくなっている。
【0073】
この場合、仮想軸線Pxに沿った方向で見て、低導電率領域Lのうち接点8,10から最も離間した部分が、高導電率領域Hの最外径表面を越えて鋭く突出している。この結果、その鋭く突出した部分に、断面視で鋭角三角形の突出端Gが構成されている。この構成によれば、例えば、通電状態に際し、突出端Gにおける電界が増加する。このとき、電界の増加の程度によっては、低導電率領域L(即ち、接点隣接部9p,11p)の耐圧性が低下してしまう虞がある。
【0074】
そこで、本変形例の真空バルブPには、接点隣接部9p,11pの電界を緩和させる電界緩和構造16が設けられている。
図7では一例として、電界緩和構造16は、通電軸9,11に配置され、仮想軸線Pxに沿って同心状に延在されている。
【0075】
電界緩和構造16は、仮想軸線Pxに沿った方向で見て、接点8,10とは反対側の接点隣接部9p,11pに隣接させて配置されている。電界緩和構造16は、仮想軸線Pxから半径方向に向けて接点隣接部9p,11pよりも突出した突出部16pを有している。突出部16pは、その先端部に面取り16Rが施されている。
【0076】
ここで、突出部16pは、仮想軸線Pxから半径方向で見て、低導電率領域Lの突出端Gを越えて突出させることが好ましい。このとき、突出部16pは、通電軸9,11と一体成形しても良いし、或いは、別体で成形し、通電軸9,11に後付け(例えば、溶接、ロウ付け)しても良い。突出部16pは、通電軸9,11のうち接点隣接部9p,11pに隣接した部分を局部的に突出させても良いし、或いは、通電軸9,11の全長に亘って突出部16pを延在させても良い。
【0077】
突出部16pは、低導電率領域Lの突出端Gに接触させても良いし、或いは、非接触でもよい。この場合、面取り16Rは、突出部16pのうち、低導電率領域Lの突出端Gに対向する突出面16sに連続した先端部を円弧状に仕上げて構成することが好ましい。
【0078】
以上、第3変形例によれば、電界緩和構造16(面取り16Rを有する突出部16p)を設けたことで、突出端Gにおける電界が増加した場合でも、低導電率領域L(即ち、接点隣接部9p,11p)の耐圧性が低下することはない。なお、第3変形例において、上記した以外のその他の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0079】
以上、本発明の一実施形態及びいくつかの変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1…絶縁容器、2…固定側封着部材、3…可動側封着部材、4…気密維持機構、5…アークシールド、6…固定側封着金具、7…可動側封着金具、8…固定接点、9…固定通電軸、10…可動接点、11…可動通電軸、12,13…スリット、14…第1仮想円、15…第2仮想円、P…真空バルブ、Px…仮想軸線、E1…固定電極、E2…可動電極、E1s,E2s…電極対向面、S…スリット先端,T…スリット基端、M…内側スリット壁、N…外側スリット壁、Fh…非接触領域、Fs…接触領域、9p…固定側接点隣接部、11p…可動側接点隣接部、L…低導電率領域、H…高導電率領域、De…流動可能な領域、G…突出端。