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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119316
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】リニアガイド
(51)【国際特許分類】
   F16C 29/04 20060101AFI20230821BHJP
   F16C 29/12 20060101ALI20230821BHJP
   F16C 25/06 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
F16C29/04
F16C29/12
F16C25/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022147
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】三木 健司
(72)【発明者】
【氏名】石上 健人
【テーマコード(参考)】
3J012
3J104
【Fターム(参考)】
3J012AB04
3J012BB10
3J012CB02
3J012EB14
3J012FB07
3J012HB02
3J104AA13
3J104AA23
3J104AA24
3J104AA34
3J104AA37
3J104AA65
3J104AA69
3J104AA72
3J104AA74
3J104AA76
3J104BA41
3J104BA64
3J104DA01
3J104DA18
(57)【要約】
【課題】組み立ての作業効率に優れるリニアガイドを提供する。
【解決手段】リニアガイド1は、ガイドレール2と、ガイドレール2の上に配置される基部7と、ガイドレール2の幅方向に間隔をあけて7基部から延び、ガイドレール2の一対の転動体軌道6と対向して配置される一対の袖部8と、を有するスライダ3と、一対の転動体軌道6と一対の袖部8との間に介在する複数の転動体4と、複数の転動体4を一対の転動体軌道6上に保持する保持器5と、スライダ3に着脱可能に取り付けられる矯正部材14と、を備える。基部7は、上面10に溝部13を有し、溝部13は、一対の袖部8の間に位置している。矯正部材14は、スライダ3に取り付けられている状態で、溝部13の幅を広げる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の転動体軌道を有するガイドレールと、
前記ガイドレールの上に配置される基部と、前記ガイドレールの幅方向に間隔をあけて前記基部から延び、前記一対の転動体軌道と対向して配置される一対の袖部と、を有するスライダと、
前記一対の転動体軌道と前記一対の袖部との間に介在する複数の転動体と、
前記複数の転動体を前記一対の転動体軌道上に保持する保持器と、
前記スライダに着脱可能に取り付けられる矯正部材と、
を備え、
前記基部は、前記ガイドレールに面する下面とは反対側の上面に溝部を有し、
前記溝部は、前記一対の袖部の間に位置しており、
前記矯正部材は、前記スライダに取り付けられている状態で、前記溝部の幅を広げるリニアガイド。
【請求項2】
請求項1記載のリニアガイドであって、
前記矯正部材は、前記溝部に着脱可能に嵌め込まれるキー部材であって、
前記キー部材の幅は、前記溝部の幅よりも大きいリニアガイド。
【請求項3】
請求項2記載のリニアガイドであって、
前記溝部及び前記キー部材は、前記溝部の開口側から底側に向けて次第に幅が小さくなるテーパ状に形成されているリニアガイド。
【請求項4】
請求項2又は3記載のリニアガイドであって、
前記キー部材の全体が前記溝部に収容されるリニアガイド。
【請求項5】
請求項4記載のリニアガイドであって、
前記キー部材は、ボルトによって前記基部に固定されており、前記ボルトの頭部を収納するザグリを有するリニアガイド。
【請求項6】
請求項1記載のリニアガイドであって、
前記矯正部材は、前記基部の前記上面に設置され、前記基部に固定される少なくとも一対の固定部を有し、
前記基部は、前記少なくとも一対の固定部が固定される少なくとも一対の被固定部を有し、
前記少なくとも一対の被固定部は、前記溝部を幅方向に挟んで設けられており、
前記少なくとも一対の固定部の前記幅方向の間隔は、前記少なくとも一対の被固定部の前記幅方向の間隔よりも大きいリニアガイド。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項記載のリニアガイドであって、
前記溝部は、前記ガイドレールの長さ方向に沿って前記基部の一方の端から他方の端まで延びているリニアガイド。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項記載のリニアガイドであって、
前記溝部は、前記一対の袖部の間の中央に設けられているリニアガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
リニアガイドは、ガイドレールと、スライダと、複数の転動体とを有する。スライダがガイドレールに沿って移動する際に、転動体は、ガイドレールとスライダとの間で転動し、スライダの後部に移動する。このようなリニアガイドとして、スライダの後部に移動した転動体がスライダに設けられた循環路を通って再びスライダの前部に戻される循環式リニアガイドと、非循環式リニアガイドとがある。非循環式リニアガイドでは、複数の転動体は、保持器によってガイドレールの転動体軌道上に保持されている。
【0003】
また、ガイドレールと転動体との隙間や転動体とスライダとの隙間をなくし、リニアガイドの剛性を高める観点から、典型的には、ガイドレール、転動体、及びスライダの間に予圧荷重が与えられる。予圧荷重は、例えば転動体の径を選定することによって所望の荷重に調整される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-156760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガイドレール、転動体、及びスライダの間に予圧荷重が与えられているため、非循環式リニアガイドでは、組み立て後にスライダを転動体に対して滑らせることができず、スライダと保持器及び転動体との位置関係を変更することができない。相互の位置関係にズレが生じていた場合には、組み立て直しが必要であり、作業効率の低下が懸念される。
【0006】
本発明は、組み立ての作業効率に優れるリニアガイドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
リニアガイドは、一対の転動体軌道を有するガイドレールと、前記ガイドレールの上に配置される基部と、前記ガイドレールの幅方向に間隔をあけて前記基部から延び、前記一対の転動体軌道と対向して配置される一対の袖部と、を有するスライダと、前記一対の転動体軌道と前記一対の袖部との間に介在する複数の転動体と、前記複数の転動体を前記一対の転動体軌道上に保持する保持器と、前記スライダに着脱可能に取り付けられる矯正部材と、を備え、前記基部は、前記ガイドレールに面する下面とは反対側の上面に溝部を有し、前記溝部は、前記一対の袖部の間に位置しており、前記矯正部材は、前記スライダに取り付けられている状態で、前記溝部の幅を広げる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、組み立ての作業効率に優れるリニアガイドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態を説明するための、リニアガイドの一例の正面図である。
図2図1のリニアガイドの側面図である。
図3A図1のリニアガイドのスライダのストロークを説明するための模式図である。
図3B図1のリニアガイドのスライダのストロークを説明するための模式図である。
図3C図1のリニアガイドのスライダのストロークを説明するための模式図である。
図4図1のリニアガイドのスライダを分解して示す正面図である。
図5図1のリニアガイドのスライダを分解して示す側面図である。
図6図1のリニアガイドにおける予圧荷重の付与方法を説明するための模式図である。
図7図1のスライダの変形例の正面図である。
図8図1のスライダの変形例の側面図である。
図9】本発明の実施形態を説明するための、リニアガイドの他の例の正面図である。
図10図9のリニアガイドにおける予圧荷重の付与方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び図2は本発明の実施形態を説明するための、リニアガイドの一例を示す。
【0011】
リニアガイド1は、ガイドレール2と、ガイドレール2の長さ方向に移動可能なスライダ3と、ガイドレール2とスライダ3との間に介在する複数の転動体4と、複数の転動体4を保持する保持器5とを備える。
【0012】
ガイドレール2は、ガイドレール2の長さ方向に延びるレール側転動体軌道6を、ガイドレール2の幅方向両側の側面に有する。
【0013】
スライダ3は、ガイドレール2上に配置される基部7と、幅方向に間隔をあけて基部7から延びる一対の袖部8とを有する。一対の袖部8は、ガイドレール2の幅方向両側の側面、つまりは一対のレール側転動体軌道6に対向して配置される。レール側転動体軌道6に面する袖部8の内側面には、スライダ側転動体軌道9が設けられている。
【0014】
ガイドレール2に面する基部7の下面とは反対側の基部7の上面10は平坦であり、上面10には、例えばテーブル等の直動運動する機械部品が設置される。上面10に設置されるテーブル等の機械部品は基部7にねじ締結され、上面10には複数のねじ孔11が設けられている。
【0015】
複数の転動体4は、ガイドレール2の幅方向両側それぞれにおいてガイドレール2の長さ方向に配列される。保持器5は、ガイドレール2の幅方向両側それぞれに設けられており、各保持器5は、ガイドレール2の長さ方向に配列された複数のポケット12を有する。ポケット12は、転動体4を転動自在に収容する。保持器5は、転動体4をポケット12に収容し、転動体4をレール側転動体軌道6上に保持する。
【0016】
なお、図1及び図2に示す例では、転動体4はボールであるが、ローラでもよい。また、転動体4はガイドレール2の幅方向両側それぞれにおいて2列に配列されているが、1列に配列されてもよいし、3列以上の複列に配列されてもよい。
【0017】
図1及び図2に示す例では、転動体4の配列及び保持器5はスライダ3よりも長い。この場合に、各列の一部の転動体4が、レール側転動体軌道6と袖部8のスライダ側転動体軌道9との間に介在する。ガイドレール2、レール側転動体軌道6とスライダ側転動体軌道9との間に介在する転動体4、及びスライダ3の間には適宜な予圧荷重が与えられている。
【0018】
図3A図3Cはスライダ3のストロークを示し、レール側転動体軌道6とスライダ側転動体軌道9との間に介在する転動体4は、スライダ3の移動に合わせてレール側転動体軌道6及びスライダ側転動体軌道上を転動する。これらの転動体4は、スライダ3に対してその移動方向における後方に移動し、レール側転動体軌道6とスライダ側転動体軌道9との間から脱する。一方で、スライダ3の前方にある転動体4がレール側転動体軌道6とスライダ側転動体軌道9との間に進入する。転動体4の配列及び保持器5は、スライダ3に対して、その移動方向における後方に移動するが、ガイドレール2に対しては前方に移動する。
【0019】
ここで、転動体4の配列及び保持器5に対するスライダ3の位置に関し、例えば図3Bに示すスライダ3の位置を適正位置P0とする。仮に、スライダ3の位置がP0から右方にシフトしたP1にずれていた場合に、スライダ3の右方へのストロークは、図3Cに示すストロークSrよりも短くなる。また、スライダ3の左方へのストロークは、ガイドレール2の長さによって制限されてしまい、必ずしも延長されない。そこで、リニアガイド1は、ガイドレール2、転動体4、及びスライダ3の間に付与される予圧荷重を変更することによって、スライダ3と転動体4の配列及び保持器5との位置関係を組み立て直すことなく変更可能に構成されている。
【0020】
図4及び図5は、スライダ3を分解して示す。
【0021】
スライダ3の基部7の上面10には溝部13が設けられている。溝部13は、幅方向において一対の袖部8の間に位置している。スライダ3は、溝部13に嵌め込まれるキー部材14を有する。溝部13は、長さ方向に沿って基部7の一方の端から他方の端まで延びており、キー部材14もまた、長さ方向に沿って基部7の一方の端から他方の端まで延びている。キー部材14は、ボルト15によって基部7に着脱可能に固定される。
【0022】
キー部材14の幅が溝部13の幅よりも大きくなるように、キー部材14は形成されている。したがって、キー部14は溝部13に圧入される。また、基部7の上面10にテーブル等が設置されることを考慮して、キー部材14は、その全体が溝部13に収容されるように形成されている(図1参照)。好ましくは、溝部13及びキー部材14は、長さ方向に垂直な断面において、溝部13の開口側から底側に向けて次第に幅が小さくなるテーパ状に形成される。これにより、キー部材14の溝部13への挿入が容易となる。なお、テーパ状の溝部13及びキー部材14において、キー部材14の幅が溝部13の幅よりも大きいとは、少なくとも溝部13の底面16に面するキー部材14の下面17の幅が溝部13の底面16の幅よりも大きいことを言う。
【0023】
図6は、リニアガイド1における予圧荷重の付与方法を示す。
【0024】
キー部材14が溝部13に嵌め込まれると、溝部13がキー部材14によって幅方向に拡張される。基部7の上面側にある溝部13の拡張に伴って基部7が上方に向けて凸となるように撓み、基部7の下方に位置する一対の袖部8の間隔が狭まる。そして、一対の袖部8の間隔が狭まることにより、ガイドレール2、転動体4、及びスライダ3の間に適宜な予圧荷重が与えられる。
【0025】
逆に、キー部材14が溝部13から取り外されると予圧荷重が抜ける。予圧荷重が抜けることにより、スライダ3は転動体4に対して滑動でき、スライダ3と転動体4の配列及び保持器5との位置関係が変更可能となる。これにより、スライダ3が適正位置からずれていたとしても、リニアガイド1を組み立て直すことなくスライダ3を適正位置に配置することができ、作業効率が高まる。
【0026】
図4及び図5に示したように、溝部13が基部7の一方の端から他方の端まで延びていることが好ましい。これにより、キー部材14が溝部13に嵌め込まれた際の基部7の撓みが阻害されず、ガイドレール2、転動体4、及びスライダ3の間に十分な予圧荷重を与えることができる。
【0027】
また、溝部13は、幅方向において一対の袖部8の間の中央に位置することが好ましい。これにより、ガイドレール2、転動体4、及びスライダ3の間に与えられる予圧荷重が、ガイドレール2の幅方向両側に、より均等に分配され、スライダ3の動作を円滑にすることができる。
【0028】
また、図4に示したように溝部13及びキー部材14がテーパ状に形成される場合に、キー部材14の高さHを溝部13の深さDよりも小さくしてもよい。これにより、キー部材14の圧入量に応じてガイドレール2、転動体4、及びスライダ3の間に与えられる予圧荷重を調節できる。キー部材14の圧入量は、例えばボルト15の締め込み量によって管理することができる。
【0029】
図7及び図8は、スライダ3の変形例を示す。
【0030】
図7及び図8に示すスライダ3Aのキー部材14Aは、ボルト15の頭部18を収納するザグリ19を有する。キー部材14Aは、上述したキー部材14と同様に、その全体が溝部13に収容されるように形成されている。キー部材14Aが基部7に固定されている状態で、ボルト15の頭部18がザグリ19に収納されていることにより、スペーサを介することなく基部7の上面10にテーブル等の機械部品を直接設置できる。
【0031】
図9は、本発明の実施形態を説明するための、リニアガイドの他の例を示す。
【0032】
上述したリニアガイド1では、スライダ3の溝部13に嵌め込まれるキー部材14によって溝部13が幅方向に拡張されているが、図9に示すリニアガイド101では、スライダの基部の上面に設置されるテーブル等の機械部品によって溝部が幅方向に拡張される。この点で、上述したリニアガイド1と、図9に示すリニアガイド101と、は異なる。リニアガイド101において上述したリニアガイド1と共通する要素には共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
【0033】
リニアガイド101は、ガイドレール2と、ガイドレール2の長さ方向に移動可能なスライダ3と、ガイドレール2とスライダ3との間に介在する複数の転動体4と、複数の転動体4を保持する保持器5とを備える。ガイドレール2は、ガイドレール2の長さ方向に延びるレール側転動体軌道6を、ガイドレール2の幅方向両側の側面に有する。スライダ3は、ガイドレール2上に配置される基部7と、幅方向に間隔をあけて基部7から延びる一対の袖部8とを有する。
【0034】
基部7の上面10は平坦であり、上面10には、例えばテーブルなどの機械部品114が設置される。上面10に設置される機械部品114は、ボルト115によって基部7に着脱可能に固定される。機械部品114には、ボルト115がそれぞれ挿通される少なくとも一対の固定部116が設けられており、基部7には、ボルト115がそれぞれ螺合する少なくとも一対のねじ孔11が設けられている。
【0035】
一対のねじ孔11は、溝部13を幅方向に挟んで設けられており、幅方向に間隔Wをあけて設けられている。一対の固定部116もまた一対のねじ孔11と同様に幅方向に間隔wをあけて設けられている。一対の固定部116の間隔wは、一対のねじ孔11の間隔Wよりも大きい。
【0036】
図10は、リニアガイド101における予圧荷重の付与方法を示す。
【0037】
機械部品114が、複数のボルト115によってスライダ3の基部7に固定される。機械部品114においてボルト115が挿通される一対の固定部116の間隔wが、基部7においてボルト115が螺合する一対のねじ孔11の間隔Wよりも大きいため、基部7に固定された機械部品114によって、基部7の溝部13が幅方向に拡張される。基部7の上面側にある溝部13の拡張に伴って基部7が上方に向けて凸となるように撓み、基部7の下方に位置する一対の袖部8の間隔が狭まる。そして、一対の袖部8の間隔が狭まることにより、ガイドレール2、転動体4、及びスライダ3の間に適宜な予圧荷重が与えられる。
【0038】
逆に、機械部品114が基部7から取り外されると予圧荷重が抜ける。予圧荷重が抜けることにより、スライダ3は転動体4に対して滑動でき、スライダ3と転動体4の配列及び保持器5との位置関係が変更可能となる。これにより、スライダ3が適正位置からずれていたとしても、リニアガイド1を組み立て直すことなくスライダ3を適正位置に配置することができ、作業効率が高まる。
【0039】
なお、上述したリニアガイド1,101では、転動体4の配列及び保持器5がスライダ3よりも長いが、転動体4の配列及び保持器5はスライダ3より短くてもよい。
【0040】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。
(1) 一対の転動体軌道を有するガイドレールと、
前記ガイドレールの上に配置される基部と、前記ガイドレールの幅方向に間隔をあけて前記基部から延び、前記一対の転動体軌道と対向して配置される一対の袖部と、を有するスライダと、
前記一対の転動体軌道と前記一対の袖部との間に介在する複数の転動体と、
前記複数の転動体を前記一対の転動体軌道上に保持する保持器と、
前記スライダに着脱可能に取り付けられる矯正部材と、
を備え、
前記基部は、前記ガイドレールに面する下面とは反対側の上面に溝部を有し、
前記溝部は、前記一対の袖部の間に位置しており、
前記矯正部材は、前記スライダに取り付けられている状態で、前記溝部の幅を広げる
(2) 上記(1)のリニアガイドであって、
前記矯正部材は、前記溝部に着脱可能に嵌め込まれるキー部材であり、
前記キー部材の幅は、前記溝部の幅よりも大きいリニアガイド。
(3) 上記(2)のリニアガイドであって、
前記溝部及び前記キー部材は、前記溝部の開口側から底側に向けて次第に幅が小さくなるテーパ状に形成されているリニアガイド。
(4) 上記(2)又は(3)のリニアガイドであって、
前記キー部材の全体が前記溝部に収容されるリニアガイド。
(5) 上記(4)のリニアガイドであって、
前記キー部材は、ボルトによって前記基部に固定されており、前記ボルトの頭部を収納するザグリを有するリニアガイド。
(6) 上記(1)のリニアガイドであって、
前記矯正部材は、前記基部の前記上面に設置され、前記基部に固定される少なくとも一対の固定部を有し、
前記基部は、前記少なくとも一対の固定部が固定される少なくとも一対の被固定部を有し、
前記少なくとも一対の被固定部は、前記溝部を幅方向に挟んで設けられており、
前記少なくとも一対の固定部の前記幅方向の間隔は、前記少なくとも一対の被固定部の前記幅方向の間隔よりも大きいリニアガイド。
(7) 上記(1)から(6)のいずれか一つのリニアガイドであって、
前記溝部は、前記ガイドレールの長さ方向に沿って前記基部の一方の端から他方の端まで延びているリニアガイド。
(8) 上記(1)から(7)のいずれか一つのリニアガイドであって、
前記溝部は、前記一対の袖部の間の中央に設けられているリニアガイド。
【符号の説明】
【0041】
1 リニアガイド
2 ガイドレール2
3 スライダ
4 転動体
5 保持器
6 レール側転動体軌道
7 基部
8 袖部
9 スライダ側転動体軌道
10 基部の上面
11 ねじ孔(一対の被固定部)
12 ポケット
13 溝部
14 キー部材(矯正部材)
15 ボルト
16 溝部の底面
17 キー部材の下面
18 ボルトの頭部
19 ザグリ
101 リニアガイド
114 機械部品(矯正部材)
115 ボルト
116 一対の固定部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10