(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119368
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 20/00 20230101AFI20230821BHJP
【FI】
H01L27/112
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022240
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 智之
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083CR03
5F083CR14
5F083GA01
5F083GA05
5F083GA09
5F083JA02
5F083JA60
5F083MA19
(57)【要約】
【課題】フォークシートFETを用いた小面積のOTPメモリのレイアウト構造を提供する。
【解決手段】メモリセルMC5、MC6は、それぞれ、プログラムトランジスタTPとスイッチトランジスタTSを備え、X方向において隣接している。プログラムトランジスタTPのチャネル領域となるナノシート11,13は、X方向に対向する側の面がそれぞれゲート配線31,33から露出しており、スイッチトランジスタTSのチャネル領域となるナノシート12,14は、X方向に対向する側の面がそれぞれゲート配線32,34から露出している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において隣接する不揮発性の第1および第2メモリセルを備える半導体記憶装置であって、
前記第1方向に延びる第1および第2ワード線と、
前記第1方向と垂直をなす第2方向に延びる第1および第2ビット線とを備え、
前記第1メモリセルは、
ゲートが前記第1ワード線に接続された第1プログラムトランジスタと、
前記第1プログラムトランジスタと前記第1ビット線との間に設けられ、ゲートが前記第2ワード線に接続された第1スイッチトランジスタとを備え、
前記第2メモリセルは、
ゲートが前記第1ワード線に接続された第2プログラムトランジスタと、
前記第2プログラムトランジスタと前記第2ビット線との間に設けられ、ゲートが前記第2ワード線に接続された第2スイッチトランジスタとを備え、
前記第1および第2プログラムトランジスタは、チャネル領域としてそれぞれ第1および第2ナノシートを有するナノシートFET(Field Effect Transistor)であり、
前記第1および第2スイッチトランジスタは、チャネル領域としてそれぞれ第3および第4ナノシートを有するナノシートFETであり、
前記第1ワード線は、前記第1ナノシートの前記第1方向、および、前記第1および第2方向と垂直をなす第3方向における外周を囲う第1ゲート配線と、前記第2ナノシートの前記第1方向および前記第3方向における外周を囲う第2ゲート配線とを含み、
前記第2ワード線は、前記第3ナノシートの前記第1方向および前記第3方向における外周を囲う第3ゲート配線と、前記第4ナノシートの前記第1方向および前記第3方向における外周を囲う第4ゲート配線とを含み、
前記第1および第2ナノシートは、前記第1方向において互いに対向しており、かつ、前記第1ナノシートは、前記第1方向における前記第2ナノシートの側の面が、前記第1ゲート配線から露出しており、前記第2ナノシートは、前記第1方向における前記第1ナノシートの側の面が、前記第2ゲート配線から露出しており、
前記第3および第4ナノシートは、前記第1方向において互いに対向しており、かつ、前記第3ナノシートは、前記第1方向における前記第4ナノシートの側の面が、前記第3ゲート配線から露出しており、前記第4ナノシートは、前記第1方向における前記第3ナノシートの側の面が、前記第4ゲート配線から露出している
半導体記憶装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体記憶装置において、
前記第2方向において前記第1メモリセルと隣接する第3メモリセルと、
前記第1方向に延びる第3および第4ワード線とを備え、
前記第3メモリセルは、
ゲートが前記第4ワード線に接続された第3プログラムトランジスタと、
前記第3プログラムトランジスタと前記第1ビット線との間に設けられ、ゲートが前記第3ワード線に接続された第3スイッチトランジスタとを備え、
前記第3プログラムトランジスタおよび第3スイッチトランジスタは、チャネル領域としてナノシートを有するナノシートFETである
半導体記憶装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体記憶装置において、
前記第1方向に延びる第3および第4ワード線を備え、
前記第1メモリセルは、
ゲートが前記第4ワード線に接続された第3プログラムトランジスタと、
前記第3プログラムトランジスタと前記第1ビット線との間に設けられ、ゲートが前記第3ワード線に接続された第3スイッチトランジスタとを備え、
前記第3プログラムトランジスタおよび第3スイッチトランジスタは、チャネル領域としてナノシートを有するナノシートFETであり、
前記第1および第4ワード線は、共通の第1ワード線信号が与えられ、
前記第2および第3ワード線は、共通の第2ワード線信号が与えられる
半導体記憶装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体記憶装置において、
前記第2方向に延びる第1および第2電源配線を備え、
前記第1メモリセルは、
前記第1プログラムトランジスタのいずれか一方のノードに接続され、前記第1電源配線と平面視で重なりを有する第1ローカル配線を備え、
前記第2メモリセルは、
前記第2プログラムトランジスタのいずれか一方のノードに接続され、前記第2電源配線と平面視で重なりを有する第2ローカル配線を備える
半導体記憶装置。
【請求項5】
請求項4記載の半導体記憶装置において、
前記第1および第2ビット線、並びに、前記第1および第2電源配線は、前記第1方向において等間隔で配置されている
半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項1記載の半導体記憶装置において、
前記第1ワード線は、前記第1ゲート配線と前記第2ゲート配線との間に形成され、前記第1ゲート配線と前記第2ゲート配線とを接続する第1ゲート接続部を備え、
前記第2ワード線は、前記第3ゲート配線と前記第4ゲート配線との間に形成され、前記第3ゲート配線と前記第4ゲート配線とを接続する第2ゲート接続部を備える
半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナノシートFET(Field Effect Transistor)を備えた半導体記憶装置に関し、特に、ナノシートFETを用いた不揮発性のメモリセルのレイアウト構造に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性のメモリセルを備えた半導体記憶装置は、多くのアプリケーションにおいて用いられている。不揮発性のメモリセルの1つに、OTP(One Time Programmable)メモリセルがある。これは、絶縁膜の破壊などによって「1」「0」の状態をメモリに記憶させ、読み出すことを特徴としている。
【0003】
特許文献1では、OTPメモリの構成が開示されている。この構成では、一個のトランジスタにゲート酸化膜の膜厚を2種類持たせて、膜厚が薄い部分の絶縁膜を破壊することによって、「1」「0」の状態をメモリに記憶させている。
【0004】
また、LSIの基本構成要素であるトランジスタは、ゲート長の縮小(スケーリング)により、集積度の向上、動作電圧の低減、および動作速度の向上を実現してきた。しかし近年、過度なスケーリングによるオフ電流と、それによる消費電力の著しい増大が問題となっている。この問題を解決するため、トランジスタ構造を従来の平面型から立体型に変更した立体構造トランジスタが盛んに研究されている。その1つとして、ナノシート(ナノワイヤ)FETが注目されている。
【0005】
非特許文献1,2では、ゲート電極をフォーク形状としたナノシートFETを用いたSRAMメモリセルのレイアウトが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】P. Weckx et al., “Stacked nanosheet fork architecture for SRAM design and device co-optimization toward 3nm”, 2017 IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM), December 2017, IEDM17-505~508
【非特許文献2】P. Weckx et al., "Novel forksheet device architecture as ultimate logic scaling device towards 2nm", 2019 IEEE International Electron Devices Meeting (IEDM), December 2019, IEDM19-871~874
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書では、ゲート電極をフォーク形状としたナノシートFETのことを、非特許文献1の記載にならい、フォークシート(fork sheet)FETと呼ぶことにする。
【0009】
ところが、これまで、フォークシートFETを用いたOTPメモリのレイアウト構造について、検討はなされていない。
【0010】
本開示は、フォークシートFETを用いた小面積のOTPメモリのレイアウト構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の第1態様では、第1方向において隣接する不揮発性の第1および第2メモリセルを備える半導体記憶装置は、前記第1方向に延びる第1および第2ワード線と、前記第1方向と垂直をなす第2方向に延びる第1および第2ビット線とを備え、前記第1メモリセルは、ゲートが前記第1ワード線に接続された第1プログラムトランジスタと、前記第1プログラムトランジスタと前記第1ビット線との間に設けられ、ゲートが前記第2ワード線に接続された第1スイッチトランジスタとを備え、前記第2メモリセルは、ゲートが前記第1ワード線に接続された第2プログラムトランジスタと、前記第2プログラムトランジスタと前記第2ビット線との間に設けられ、ゲートが前記第2ワード線に接続された第2スイッチトランジスタとを備え、前記第1および第2プログラムトランジスタは、チャネル領域としてそれぞれ第1および第2ナノシートを有するナノシートFET(Field Effect Transistor)であり、前記第1および第2スイッチトランジスタは、チャネル領域としてそれぞれ第3および第4ナノシートを有するナノシートFETであり、前記第1ワード線は、前記第1ナノシートの前記第1方向、および、前記第1および第2方向と垂直をなす第3方向における外周を囲う第1ゲート配線と、前記第2ナノシートの前記第1方向および前記第3方向における外周を囲う第2ゲート配線とを含み、前記第2ワード線は、前記第3ナノシートの前記第1方向および前記第3方向における外周を囲う第3ゲート配線と、前記第4ナノシートの前記第1方向および前記第3方向における外周を囲う第4ゲート配線とを含み、前記第1および第2ナノシートは、前記第1方向において互いに対向しており、かつ、前記第1ナノシートは、前記第1方向における前記第2ナノシートの側の面が、前記第1ゲート配線から露出しており、前記第2ナノシートは、前記第1方向における前記第1ナノシートの側の面が、前記第2ゲート配線から露出しており、前記第3および第4ナノシートは、前記第1方向において互いに対向しており、かつ、前記第3ナノシートは、前記第1方向における前記第4ナノシートの側の面が、前記第3ゲート配線から露出しており、前記第4ナノシートは、前記第1方向における前記第3ナノシートの側の面が、前記第4ゲート配線から露出している。
【0012】
この態様によると、半導体記憶装置は、第1方向において隣接する不揮発性の第1および第2メモリセルを備える。第1メモリセルは、ゲートが第1ワード線に接続された第1プログラムトランジスタと、第1プログラムトランジスタと第1ビット線との間に設けられ、ゲートが第2ワード線に接続された第1スイッチトランジスタとを備える。第2メモリセルは、ゲートが第1ワード線に接続された第2プログラムトランジスタと、第2プログラムトランジスタと第2ビット線との間に設けられ、ゲートが第2ワード線に接続された第2スイッチトランジスタとを備える。第1および第2プログラムトランジスタは、チャネル領域としてそれぞれ第1および第2ナノシートを有するナノシートFETであり、第1および第2スイッチトランジスタは、チャネル領域としてそれぞれ第3および第4ナノシートを有するナノシートFETである。そして、第1および第2ナノシートは、対向する側の面がそれぞれゲート配線から露出しており、第3および第4ナノシートは、対向する側の面がそれぞれゲート配線から露出している。これにより、第1ナノシートと第2ナノシートとの間の距離を小さくすることができ、第3ナノシートと第4ナノシートとの間の距離を小さくすることができるので、半導体記憶装置の小面積化が可能になる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によると、フォークシートFETを用いた小面積のOTPメモリのレイアウト構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセルアレイの構成例
【
図3】第1実施形態に係るメモリセルのレイアウト構造例を示す平面図
【
図6】
図5のマスクROMのレイアウト構造例を示す平面図
【
図8】
図7のマスクROMのレイアウト構造例を示す平面図
【
図9】第2実施形態に係るメモリセルの回路図であり、(a)はOTPメモリセル、(b)はマスクROMセル
【
図10】第2実施形態に係るメモリセルのレイアウト構造例を示す平面図
【
図11】マスクROMセルのレイアウト構造例を示す平面図
【
図12】フォークシートFETの基本構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態では、半導体記憶装置は、ナノシートFET(Field Effect Transistor)を備えるものとする。ナノシートFETとは、電流が流れる薄いシート(ナノシート)を用いたFETである。ナノシートは例えばシリコンによって形成されている。そして、半導体記憶装置において、ナノシートFETの一部は、ゲート電極をフォーク形状としたフォークシートFETであるものとする。また、本開示では、ナノシートの両端に形成されており、ナノシートFETのソースまたはドレインとなる端子を構成する半導体層部のことを「パッド」という。
【0016】
まず、フォークシートFETの基本構造について、説明する。
【0017】
図12はフォークシートFETの基本構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の線Y-Y’における断面図である。
図12の基本構造では、2つのトランジスタTR1,TR2が、Y方向において間隔Sを空けて並べて配置されている。トランジスタTR1のゲートとなるゲート配線531と、トランジスタTR2のゲートとなるゲート配線532は、ともにY方向に延びており、かつ、X方向において同じ位置に配置されている。
【0018】
トランジスタTR1のチャネル領域となるチャネル部521と、トランジスタTR2のチャネル領域となるチャネル部526は、ナノシートで構成されている。
図12では、チャネル部521,526はそれぞれ、平面視で重なる3枚のシート構造からなるナノシートによって構成されている。チャネル部521のX方向における両側に、トランジスタTR1のソース領域またはドレイン領域となるパッド522a,522bが形成されている。チャネル部526のX方向における両側に、トランジスタTR2のソース領域またはドレイン領域となるパッド527a,527bが形成されている。パッド522a,522bは、チャネル部521を構成するナノシートからのエピタキシャル成長によって、形成される。パッド527a,527bは、チャネル部526を構成するナノシートからのエピタキシャル成長によって、形成される。
【0019】
ゲート配線531は、ナノシートで構成されたチャネル部521のY方向およびZ方向における外周を、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して囲んでいる。ただし、チャネル部521を構成するナノシートは、Y方向におけるトランジスタTR2の側の面が、ゲート配線531によって覆われておらず、ゲート配線531から露出している。すなわち、
図12(b)の断面図では、ゲート配線531は、チャネル部521を構成するナノシートの図面右側は覆っておらず、図面上側、左側および下側を覆っている。ゲート配線531は、チャネル部521を構成するナノシートに対して、Y方向におけるトランジスタTR2の反対側に長さOLだけオーバーラップしている。
【0020】
ゲート配線532は、ナノシートで構成されたチャネル部526のY方向およびZ方向における外周を、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して囲んでいる。ただし、チャネル部526を構成するナノシートは、Y方向におけるトランジスタTR1の側の面は、ゲート配線532によって覆われておらず、ゲート配線532から露出している。すなわち、
図12(b)の断面図では、ゲート配線532は、チャネル部526を構成するナノシートの図面左側は覆っておらず、図面上側、右側および下側を覆っている。ゲート配線532は、チャネル部526を構成するナノシートに対して、Y方向におけるトランジスタTR1の反対側に長さOLだけオーバーラップしている。
【0021】
各ナノシートの幅(Y方向におけるサイズ)をW、高さ(Z方向のサイズ)をHとすると、ゲート実効幅Weffは、
Weff=2×W+H
となる。トランジスタTR1,TR2のチャネル部521,526は3枚のナノシートによって構成されているので、トランジスタTR1,TR2のゲート実効幅は、
3×(2×W+H)
となる。
【0022】
図12の構造によると、ゲート配線531は、チャネル部521を構成するナノシートに対して、Y方向におけるトランジスタTR2の側にオーバーラップしていない。また、ゲート配線532は、チャネル部526を構成するナノシートに対して、Y方向におけるトランジスタTR1の側にオーバーラップしていない。これにより、トランジスタTR1,TR2をより近づけることが可能になり、小面積化が実現できる。
【0023】
なお、トランジスタのチャネル部を構成するナノシートの枚数は、3枚に限られるものではない。すなわち、ナノシートは、1枚のシート構造からなるものであってよいし、平面視で重なる複数枚のシート構造からなるものであってもよい。また、
図12(b)では、ナノシートの断面形状は長方形として図示しているが、これに限られるものではなく、ナノシートの断面形状は、例えば、正方形、円形、楕円形等であってもよい。
【0024】
また、半導体記憶装置内には、フォークシートFETと、ゲート配線がナノシートの全周囲を囲んでいるナノシートFETとが、混在していてもかまわない。
【0025】
本明細書では、「VDD」「VSS」は、電源電圧または電源自体を示す。また、本明細書において、「同一配線幅」等のように、幅等が同じであることを意味する表現は、製造上のばらつき範囲を含んでいるものとする。
【0026】
また、本明細書では、トランジスタのソース領域およびドレイン領域のことを、適宜、トランジスタの「ノード」と称する。すなわち、トランジスタの一方のノードとは、トランジスタのソースまたはドレインのことを指し、トランジスタの両方のノードとは、トランジスタのソースおよびドレインのことを指す。
【0027】
(第1実施形態)
図1および
図2は第1実施形態に係る、不揮発性のメモリセルを備えた半導体記憶装置の構成例を示す図であり、
図1はメモリセルアレイの構成図、
図2はメモリセルの回路図である。
図1に示すように、各メモリセル1はそれぞれ、対応する第1ワード線WLP(適宜、WLPi(iは整数)と表記している)、第2ワード線WLR(適宜、WLRi(iは整数)と表記している)、およびビット線BL(適宜、BLi(iは整数)と表記している)と接続されている。なお、半導体記憶装置は、メモリセルアレイ以外にも、書き込み回路、読み出し回路等の周辺回路を備えているが、ここでは図示を省略している。また、
図1では、図示の簡略化のために、メモリセルアレイは(4×2)個のメモリセル1(MC1~MC8)からなるものとしているが、メモリセル1の個数は、X方向(本実施形態では第1および第2ワード線WLP,WLRが延びる方向)およびY方向(本実施形態ではビット線BLが延びる方向)において、これに限られるものではない。
【0028】
本実施形態において、メモリセル1は、ゲート酸化膜破壊型のOTP(One Time Programmable)メモリセルである。
図2に示すように、メモリセル1は、直列接続されたN導電型トランジスタTP,TSを備える。トランジスタTPは、プログラム素子であり、ゲートが第1ワード線WLPに接続されている(プログラムトランジスタ)。プログラム素子は、ゲート酸化膜の破壊/非破壊状態によって「1」/「0」の値を記憶する。トランジスタTSは、スイッチ素子であり、ゲートが第2ワード線WLRに接続されている(スイッチトランジスタ)。スイッチ素子は、ビット線BLからプログラム素子へのアクセスを制御する。ここでは、スイッチ素子およびプログラム素子は、例えば、半導体集積回路の内部回路におけるいわゆるコアトランジスタと同程度のゲート酸化膜厚を有するトランジスタによって構成されている。
【0029】
メモリセル1の書き込み動作は次のように行われる。所望の第1ワード線WLPに書き込み電圧となる高電圧VPPを印加する。高電圧VPPは、プログラム素子のゲート酸化膜の耐圧よりも大きい電圧であり、例えば3Vである。そして、第2ワード線WLRに電圧VPRを印加する。電圧VPRは、スイッチ素子のゲート酸化膜の耐圧よりも低く、かつ電圧(VPP-VPR)もスイッチ素子のゲート酸化膜の耐圧よりも低くなる電圧であり、例えば1Vである。そして、ゲート酸化膜の破壊を行うメモリセル1に接続されたビット線BLに0Vを与え、ゲート酸化膜の破壊を行わないメモリセル1に接続されたビット線BLに電圧VPRを印加する。これにより、ビット線BLに0Vが与えられたメモリセル1ではスイッチ素子が導通状態になり、プログラム素子のゲート酸化膜が、高電圧VPPの印加によって破壊される。
【0030】
メモリセル1の読み出し動作は次のように行われる。ビット線BLは例えば、予め0Vにプリチャージしておく。所望の第1および第2ワード線WLP,WLRに、高電圧VPPよりも低い電圧VRRを印加する。電圧VRRは、プログラム素子のゲート酸化膜を破壊しない電圧であり、例えば1Vである。このとき、プログラム素子のゲート酸化膜が破壊されている場合は、第1ワード線WLPからプログラム素子のゲートを介してビット線BLに電流が流れ、ビット線BLの電位が上昇する。一方、プログラム素子のゲート酸化膜が破壊されていない場合は、ビット線BLの電位は変化しない。この電位の差によって、メモリセル1の状態すなわち値「0」/「1」が読み出される。
【0031】
図3および
図4は第1実施形態に係るメモリセルのレイアウト構造の例を示す図であり、
図3はメモリセルアレイの平面図、
図4(a),(b)は
図3のメモリセルアレイの平面視横方向における断面構造を示す断面図である。
図4(a)は線X1-X1’の断面、
図4(b)は線X2-X2’の断面である。
【0032】
なお、以下の説明では、
図3等の平面図において、図面横方向をX方向(第1方向に相当)、図面縦方向をY方向(第2方向に相当)、基板面に垂直な方向をZ方向(深さ方向に相当)としている。ただし、X方向はゲート配線およびワード線が延びる方向であり、Y方向はチャネル方向であり、ビット線が延びる方向である。
【0033】
図3は(4×2)ビット分のレイアウトに相当する。破線は1ビット分のメモリセルの枠を示している。すなわち、
図3では、メモリセルが、X方向に4個、Y方向に2個、並んだ構成を示している。Y方向において、メモリセルは一列おきにY方向に反転して配置される。
図3において、図面上列の左から2個のメモリセルは、
図1の回路図におけるメモリセルMC1,MC2にそれぞれ相当し、図面下列の左から2個のメモリセルは、
図1の回路図におけるメモリセルMC5,MC6にそれぞれ相当する。以下、メモリセルの構造に関しては、主として、メモリセルMC5,MC6を例にとって説明する。
【0034】
図3に示すように、M1配線層には、Y方向に延びる配線61~68が形成されている。M1配線62,64,66,68はそれぞれ、ビット線BL0,BL1,BL2,BL3に相当する。M1配線61,63,65,67はVDDを供給する電源配線である。
【0035】
メモリセルMC5は、トランジスタTP,TSのチャネル部として、3枚のシートからなるナノシート11,12をそれぞれ有する。メモリセルMC6は、トランジスタTP,TSのチャネル部として、3枚のシートからなるナノシート13,14をそれぞれ有する。すなわち、メモリセルMC5,MC6は、トランジスタTP,TSとしてナノシートFETを備える。
【0036】
図3において、ナノシート11,13の図面下側に、3枚のシートに接続された一体構造の半導体層からなるパッド21,24がそれぞれ形成されている。ナノシート11,13の図面上側でかつナノシート12,14の図面下側に、3枚のシートに接続された一体構造の半導体層からなるパッド22,25がそれぞれ形成されている。ナノシート12,14の図面上側に、3枚のシートに接続された一体構造の半導体層からなるパッド23,26がそれぞれ形成されている。
【0037】
パッド21,24は、メモリセルMC5,MC6が有するトランジスタTPの一方のノードとなる。パッド22,25は、メモリセルMC5,MC6が有するトランジスタTP,TSの共通のノードとなる。パッド23,26は、メモリセルMC5,MC6が有するトランジスタTSの他方のノードとなる。なお、パッド23,26は、メモリセルMC1,MC2が有するトランジスタTSのノードとして共有されている。
【0038】
X方向に延びるゲート配線31,32,33,34が形成されている。ゲート配線31は、メモリセルMC5のナノシート11のX方向およびZ方向における外周を、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して囲んでいる。ゲート配線31は、メモリセルMC5のトランジスタTPのゲートとなる。ゲート配線32は、メモリセルMC5のナノシート12のX方向およびZ方向における外周を、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して囲んでいる。ゲート配線32は、メモリセルMC5のトランジスタTSのゲートとなる。ゲート配線33は、メモリセルMC6のナノシート13のX方向およびZ方向における外周を、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して囲んでいる。ゲート配線33は、メモリセルMC6のトランジスタTPのゲートとなる。ゲート配線34は、メモリセルMC6のナノシート14のX方向およびZ方向における外周を、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して囲んでいる。ゲート配線34は、メモリセルMC6のトランジスタTSのゲートとなる。
【0039】
ゲート配線31,33は、X方向に1列に並ぶ他のゲート配線と接続されて、X方向に延びるワード線WLP1を構成する。ゲート配線31とゲート配線33とは、ゲート配線31とゲート配線33との間に形成されたブリッジ部35によって接続されている。ゲート配線32,34は、X方向に1列に並ぶ他のゲート配線と接続されて、X方向に延びるワード線WLR1を構成する。ゲート配線32とゲート配線34とは、ゲート配線32とゲート配線34との間に形成されたブリッジ部36によって接続されている。ブリッジ部35,36は、ゲート接続部の一例である。同様にして、X方向に延びるワード線WLP0,WLR0が構成されている。ワード線WLR0,WLR1の間では、Y方向に隣接するトランジスタTSのドレインが共有されている。
【0040】
X方向に延びるローカル配線41,42,43,44,45,46が形成されている。
図3および他の図面では、ローカル配線(Local Interconnect)のことをLIと表記している。ローカル配線41はパッド21と接続されており、ローカル配線42はパッド22と接続されており、ローカル配線43はパッド23と接続されている。ローカル配線44はパッド24と接続されており、ローカル配線45はパッド25と接続されており、ローカル配線46はパッド26と接続されている。そして、ローカル配線43は、コンタクト51を介して、M1配線62と接続されている。ローカル配線46は、コンタクト52を介して、M1配線64と接続されている。ローカル配線41,42,43は、M1配線61と平面視で重なりを有している。ローカル配線44,45,46は、M1配線63と平面視で重なりを有している。
【0041】
ここで、メモリセルMC5,MC6は、トランジスタTP,TSとして、フォークシートFETを備える。
図4(b)に示すように、ナノシート12は、X方向におけるナノシート14側の面が、ゲート配線32によって覆われておらず、ゲート配線32から露出している。ナノシート14は、X方向におけるナノシート12側の面が、ゲート配線34によって覆われておらず、ゲート配線34から露出している。同様に、ナノシート11は、X方向におけるナノシート13側の面が、ゲート配線31によって覆われておらず、ゲート配線31から露出している。ナノシート13は、X方向におけるナノシート11側の面が、ゲート配線33によって覆われておらず、ゲート配線33から露出している。
【0042】
これにより、ナノシート11,12とナノシート13,14との間に必要となるスペースが小さくなるので、ナノシート11,12とナノシート13,14との間の距離d1を小さくすることができる(d1<d2)。したがって、フォークシートFETを有する半導体記憶装置の小面積化を実現することができる。
【0043】
以上のように本実施形態によると、半導体記憶装置は、X方向において隣接するメモリセルMC5,MC6を備える。メモリセルMC5は、トランジスタTP,TSとして、チャネル領域としてナノシート11,12を有するナノシートFETを備える。メモリセルMC6は、トランジスタTP,TSとして、チャネル領域としてナノシート13,14を有するナノシートFETを備える。ナノシート11,13はX方向において互いに対向しており、ナノシート11は、X方向におけるナノシート13の側の面がゲート配線31から露出しており、ナノシート13は、X方向におけるナノシート11の側の面がゲート配線33から露出している。ナノシート12,14はX方向において互いに対向しており、ナノシート12は、X方向におけるナノシート14の側の面がゲート配線32から露出しており、ナノシート14は、X方向におけるナノシート12の側の面がゲート配線34から露出している。これにより、ナノシート11,12とナノシート13,14との間の距離を小さくすることができるので、半導体記憶装置の小面積化が可能になる。
【0044】
(マスクROMへの転用)
(第1例)
上述したOTPメモリセルは、マスクROMセルへの転用が容易である。
図5はOTPメモリセルから転用されたマスクROMセルの回路図である。
図2に示すOTPメモリセルは、プログラム素子であるトランジスタTPのゲート酸化膜の破壊の有無によって、記憶値が規定された。これに対して
図5に示すマスクROMセルは、トランジスタTPのソースと電源VDDとの接続の有無によって、規定値が記憶される(
図5の「D」の箇所)。接続の有無は、例えばコンタクトやビアの有無によって実現される。
【0045】
図5に示すマスクROMセルのデータ読み出しは、次のように行われる。ビット線BLをローレベルにプリチャージし、この状態でワード線WLP,WLRにともにハイレベルを与える。トランジスタTPのソースと電源VDDとが接続されているときは、ビット線BLはハイレベルに変化する。一方、トランジスタTPのソースと電源VDDとが接続されていないときは、ビット線BLはローレベルのままである。ビット線BLの電位の差によって、マスクROMセルの状態すなわち値「0」/「1」が読み出される。
【0046】
図6はOTPメモリセルから転用されたマスクROMセルのレイアウト構造の例を示す平面図である。
図6のレイアウト構造は、
図3と基本的に同様である。
図6において、コンタクト53,54は、その有無によって、マスクROMセルMC5,MC6の記憶値を決定する。なお、マスクROMを示す各図では、記憶値を決定するコンタクトに“D”の文字を付している。
【0047】
コンタクト53は、形成されたとき、ローカル配線41とM1配線61とを接続する。すなわち、コンタクト53の有無によって、マスクROMセルMC5のトランジスタTPのソースとなるパッド21と電源VDDとの接続/非接続が設定される。コンタクト54は、形成されたとき、ローカル配線44とM1配線63とを接続する。すなわち、コンタクト54の有無によって、マスクROMセルMC6のトランジスタTPのソースとなるパッド24と電源VDDとの接続/非接続が設定される。
【0048】
(第2例)
図7はOTPメモリセルから転用されたマスクROMセルの他の例を示す回路図である。
図7に示すマスクROMセルは、トランジスタTPとトランジスタTSとの間のノードと電源VDDとの接続の有無によって、規定値が記憶される。
【0049】
図8はOTPメモリセルから転用されたマスクROMセルのレイアウト構造の例を示す平面図である。
図8のレイアウト構造は、
図3と基本的に同様である。
図8に示すように、マスクROMセルMC5,MC6の記憶値を決定するコンタクト55,56は、ローカル配線42,45の位置に形成される。すなわち、コンタクト55は、形成されたとき、ローカル配線42とM1配線61とを接続する。コンタクト56は、形成されたとき、ローカル配線45とM1配線63とを接続する。
【0050】
なお、
図3のOTPメモリセルでは、マスクROMセルへの転用を容易にするために、VDDを供給するM1配線(M1配線61,63など)、および、トランジスタTPのノードとなるパッドに接続されたローカル配線(ローカル配線41,42,44,45など)が設けられている。ただし、マスクROMセルへの転用を考慮しない場合は、VDDを供給するM1配線、および、トランジスタTPのノードとなるパッドに接続されたローカル配線は省いてもよい。
【0051】
(第2実施形態)
図9は第2実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセルの回路図であり、(a)はOTPメモリセル、(b)はOTPメモリから転用されたマスクROMセルである。
【0052】
図9から分かるように、本実施形態では、プログラム素子およびスイッチ素子がそれぞれ、2個のトランジスタによって構成されている。すなわち、プログラム素子は、N導電型トランジスタTP1,TP2を備え、スイッチ素子は、N導電型トランジスタTS1,TS2を備える。トランジスタTP1,TP2のゲートは第1ワード線WLPに接続されており、トランジスタTS1,TS2のゲートは第2ワード線WLRに接続されている。
【0053】
プログラム素子が2個のトランジスタTP1,TP2を備えることによって、次のようなメリットが得られる。一方のトランジスタについて書き込み、すなわちゲート酸化膜の破壊が十分なされていない場合であっても、他方のトランジスタによって、ビット線BLの電位を変化させることができるので、記憶データを正しく読み出すことができる。また、第1実施形態と比べてトランジスタのドライブ能力が大きいので、読み出し動作を高速に行うことができる。
【0054】
図10は本実施形態に係るメモリセルのレイアウト構造を示す平面図である。
図10のレイアウト構造は、
図3と基本的に同一である。ただし、
図3においてY方向に並ぶ2個のメモリセルが、単一のメモリセルになっている。例えば、
図3におけるメモリセルMC1,MC5が、
図10では単一のメモリセルMC21になっており、
図3におけるメモリセルMC2,MC6が、
図10では単一のメモリセルMC22になっている。そして、
図10では、
図3におけるワード線WLP0,WLP1が、共通の信号が共通されるワード線WLP0になっており、
図3におけるワード線WLR0,WLR1が、共通の信号が共通されるワード線WLR0になっている。
【0055】
以下、メモリセルの構造に関して、主として、メモリセルMC21,MC22を例にとって説明する。なお、
図3のレイアウト構造から容易に類推できる構成に関しては、ここではその詳細な説明を省略する場合がある。
【0056】
メモリセルMC21は、トランジスタTP1,TP2のチャネル部として、3枚のシートからなるナノシート111,112をそれぞれ有し、トランジスタTS1,TS2のチャネル部として、3枚のシートからなるナノシート113,114をそれぞれ有する。メモリセルMC22は、トランジスタTP1,TP2のチャネル部として、3枚のシートからなるナノシート115,116をそれぞれ有し、トランジスタTS1,TS2のチャネル部として、3枚のシートからなるナノシート117,118をそれぞれ有する。
【0057】
メモリセルMC21における、トランジスタTS1,TS2の共通のノードとなるパッド121に、ローカル配線141が接続されている。ローカル配線141は、コンタクト151を介して、ビット線BL0に相当するM1配線62と接続されている。メモリセルMC22における、トランジスタTS1,TS2の共通のノードとなるパッド122に、ローカル配線142が接続されている。ローカル配線142は、コンタクト152を介して、ビット線BL1に相当するM1配線64と接続されている。
【0058】
ここで、メモリセルMC21,MC22は、トランジスタTP1,TP2,TS1,TS2として、フォークシートFETを備える。ナノシート111は、X方向におけるナノシート115側の面が、ゲート配線によって覆われておらず、ゲート配線から露出しており、ナノシート115は、X方向におけるナノシート111側の面が、ゲート配線によって覆われておらず、ゲート配線から露出している。同様に、ナノシート112は、X方向におけるナノシート116側の面が、ゲート配線によって覆われておらず、ゲート配線から露出しており、ナノシート116は、X方向におけるナノシート112側の面が、ゲート配線によって覆われておらず、ゲート配線から露出している。ナノシート113は、X方向におけるナノシート117側の面が、ゲート配線によって覆われておらず、ゲート配線から露出しており、ナノシート117は、X方向におけるナノシート113側の面が、ゲート配線によって覆われておらず、ゲート配線から露出している。ナノシート114は、X方向におけるナノシート118側の面が、ゲート配線によって覆われておらず、ゲート配線から露出しており、ナノシート118は、X方向におけるナノシート114側の面が、ゲート配線によって覆われておらず、ゲート配線から露出している。
【0059】
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、ナノシート111,112,113,114とナノシート115,116,117,118との間に必要となるスペースが小さくなるので、ナノシート111,112,113,114とナノシート115,116,117,118との間の距離を小さくすることができる。したがって、フォークシートFETを有する半導体記憶装置の小面積化を実現することができる。
【0060】
加えて、
図10に示すメモリセルは、プログラム素子が2個のトランジスタTP1,TP2を有し、スイッチ素子が2個のトランジスタTS1,TS2を有する。これにより、トランジスタTP1,TP2の一方について書き込みすなわちゲート酸化膜の破壊が十分になされていない場合であっても、他方によってビット線BLの信号を変化させることができるので、記憶データを正しく読み出すことができる。また、読み出し動作の高速化が可能になる。
【0061】
図11はOTPメモリセルから転用されたマスクROMセルのレイアウト構造の例を示す平面図である。
図11のレイアウト構造は、
図10と基本的に同様である。
図11において、コンタクト153,154は、その有無によって、メモリセルMC21の記憶値を決定する。ローカル配線143,144,145,146は、M1配線61と平面視で重なりを有している。コンタクト153は、形成されたとき、トランジスタTP1のノードとなるパッド123に接続されたローカル配線143とM1配線61とを接続する。コンタクト154は、形成されたとき、トランジスタTP2のノードとなるパッド124に接続されたローカル配線144とM1配線61とを接続する。すなわち、コンタクト153,154の有無によって、メモリセルMC21のトランジスタTP1,TP2のソースと電源VDDとの接続/非接続が設定される。
【0062】
なお、第1実施形態の第2例と同様に、メモリセルMC21の記憶値を決定するコンタクトを、ローカル配線145,146の位置に形成するようにしてもよい。すなわち、この場合、コンタクトは、形成されたとき、トランジスタTP1のノードとなるローカル配線145,146とM1配線61とを接続する。
【0063】
なお、
図10のOTPメモリセルでは、マスクROMセルへの転用を容易にするために、VDDを供給するM1配線(M1配線61,63など)、および、トランジスタTP1,TP2のノードとなるパッドに接続されたローカル配線(ローカル配線143,144,145,146など)が設けられている。ただし、マスクROMセルへの転用を考慮しない場合は、VDDを供給するM1配線、および、トランジスタTP1,TP2のノードとなるパッドに接続されたローカル配線は省いてもよい。
【0064】
また、上述の各実施形態において、Y方向に延びるM1配線61~68は、等間隔で配置されている。そして、ビット線BL0~BL3に相当するM1配線62,64,66,68は、VDDを供給するM1配線61,63,65,67に挟まれている。ビット線BLがVDD配線に挟まれることによって、ビット線BL同士の間のクロストークを防止することができるので、誤動作を抑制することができる。また、ビット線BLから両側のVDD配線までの距離が、いずれのビット線BLについても同じなので、ビット線BLに対する配線間容量による負荷容量が揃う。したがって、ビット線BL間の動作速度等の性能ばらつきが抑制される。
【0065】
なお、Y方向に延びるM1配線61~68は、等間隔で配置されていなくてもよい。この場合でも、ビット線BLから両側のVDD配線までの距離が、いずれのビット線BLについても同じであれば、ビット線BLに対する配線間容量による負荷容量がそろうため、ビット線BL間の動作速度等の性能ばらつきが抑制される。例えば、VDDを供給するM1配線61,63,65,67が全てX方向において同じ距離だけずれた場合でも、各ビット線BLに対する配線間容量による負荷容量がそろうため、ビット線BL間の動作速度等の性能ばらつきが抑制される。
【0066】
また、上述の各実施形態では、各ナノシートはそれぞれ3枚のシート構造からなるものとしたが、これに限られるものではなく、ナノシートの一部または全部は、1枚,2枚または4枚以上のシート構造を備えてもよい。
【0067】
また、上述の各実施形態では、ナノシートの断面形状は長方形としているが、これに限られるものではない。例えば、正方形、円形、楕円形等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示では、フォークシートFETを用いたメモリセルを備えた半導体集積回路装置について、小面積のレイアウト構造を実現できるので、例えば半導体チップの性能向上に有用である。
【符号の説明】
【0069】
1 メモリセル
11,12,13,14 ナノシート
31,32,33,34 ゲート配線
35、36 ゲート接続部
41,42,43,44,45,46 ローカル配線
62,64,66,68 ビット線
61,63,65,67 電源配線
111,112,113,114,115,116,117,118 ナノシート
141,142,143,144,145,146 ローカル配線
BLi(iは整数) ビット線
MCi(iは整数) メモリセル
TP,TP1,TP2 プログラムトランジスタ
TS,TS1,TS2 スイッチトランジスタ
WLPi(iは整数) ワード線
WLRi(iは整数) ワード線