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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119372
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】収容ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/06 20060101AFI20230821BHJP
   B65D 21/032 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
B65D6/06
B65D21/032
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022245
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】521001308
【氏名又は名称】鬼頭 亨成
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 亨成
【テーマコード(参考)】
3E006
3E061
【Fターム(参考)】
3E006AA03
3E006BA03
3E006CA01
3E006CA10
3E006DA04
3E006DB03
3E061AA03
3E061AB03
3E061AB09
3E061DA04
3E061DA13
3E061DB11
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で引き出し部を本体部に収容した状態を維持できる収容ケースを提供する。
【解決手段】収容ケース1は、引き出し部20と本体部10を備える。収容ケース1は、上方に向けて開口する開口部24を備える。引き出し部20は、開口部24を介して爬虫類を収容可能である。本体部10は、前方に開口する開口部4を備える。本体部10は、開口部4を介して、引き出し部10を収容可能である。引き出し部20は、前側に設けられ、引き出し部20が本体部10に収容された状態で、本体部10の開口部4を覆う前板205を備える。本体部10は、前方に設けられ、上方に向けて突出する規制部17を備える。引き出し部20の前板205は、引き出し部20が本体部10に収容された状態で、本体部10の開口部4を覆う。前板205は、引き出し部20が本体部10に収容された状態で、本体部10の規制部17に対して、後側から接触する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容物を収容可能な収容ケースであって、
上下方向のうち上方に向けて開口する第一開口部を備え、前記第一開口部を介して前記被収容物を収容可能な引き出し部と、
前記上下方向に直交する直交方向の一方側に開口する第二開口部を備え、前記第二開口部を介して、前記引き出し部を収容可能な本体部と
を備え、
前記引き出し部は、前記直交方向の前記一方側に設けられ、前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記本体部の前記第二開口部を覆う第一板を備え、
前記本体部は、前記直交方向の前記一方側に設けられ、上方に向けて突出する規制部を備え、
前記引き出し部の前記第一板は、前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記本体部の前記規制部に対して、前記直交方向の前記一方側とは反対側の他方側から接触する
ことを特徴とする収容ケース。
【請求項2】
前記本体部は、前記上下方向の上方側に設けられ、前記第二開口部を構成する第二板を備え、
前記引き出し部が前記本体部に収容された場合に、前記第二板のうち前記第一板の上端部に対応する部分が、前記直交方向の前記他方側に向けて凹む凹部
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の収容ケース。
【請求項3】
前記本体部は、前記上下方向の上方側に設けられ、前記第二開口部を構成する第二板を備え、
前記第一板の上端部と前記第二板とは、前記上下方向において、前記規制部の前記上下方向の長さ以上離間した
ことを特徴とする請求項1に記載の収容ケース。
【請求項4】
前記第二板の前記直交方向の前記一方側の端部には、下方に突出する突出板が設けられ、
前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記突出板は、前記第二開口部のうち前記第一板により覆われた部分以外の部分を覆う
ことを特徴とする請求項3に記載の収容ケース。
【請求項5】
前記第一板の下方側の端部には、前記直交方向の前記他方側に向けて凹む把手部が設けられ、
前記把手部が凹んだ先の凹み面は、前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記本体部の前記規制部に対して、前記直交方向の前記他方側から接触する
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載の収容ケース。
【請求項6】
前記規制部は、複数設けられる
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一つに記載の収容ケース。
【請求項7】
前記本体部は、前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記引き出し部の内部の空気を、前記本体部の外部の空気と入れ替え可能な複数の孔を備えた
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一つに記載の収容ケース。
【請求項8】
前記収容ケースは、前記上下方向に複数重ねて設置可能であり、
前記本体部の下面に設けられ、前記収容ケースが設置面に対して設置された状態で、前記本体部を下方から支持する支持部材と、
前記本体部の上面に設けられ、複数の前記収容ケースが前記上下方向に重ねて配置された状態で、上側に設置された前記収容ケースの前記支持部材に接触して移動を規制する規制部材と
を備えたことを特徴とする請求項1~7の何れか一つに記載の収容ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の飼育ケースは、外枠とケース本体とを備える。外枠は、立方形状であり、扉を有する。扉は蝶番で開閉可能に支持される。扉は、マグネットにより、閉状態を維持する。ケース本体は、外枠に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3130836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記飼育ケースは、ケース本体を外枠に収納した状態を維持する為、外枠の扉、及び磁石等を必要とする。故に、飼育ケースは構造が複雑になる可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、簡易な構造で引き出し部を本体部に収容した状態を維持できる収容ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る収容ケースは、被収容物を収容可能な収容ケースであって、上下方向のうち上方に向けて開口する第一開口部を備え、前記第一開口部を介して前記被収容物を収容可能な引き出し部と、前記上下方向に直交する直交方向の一方側に開口する第二開口部を備え、前記第二開口部を介して、前記引き出し部を収容可能な本体部とを備え、前記引き出し部は、前記直交方向の前記一方側に設けられ、前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記本体部の前記第二開口部を覆う第一板を備え、前記本体部は、前記直交方向の前記一方側に設けられ、上方に向けて突出する規制部を備え、前記引き出し部の前記第一板は、前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記本体部の前記規制部に対して、前記直交方向の前記一方側とは反対側の他方側から接触することを特徴とする。
【0007】
上記構成とすることにより、収容ケースは、引き出し部が本体部に収容された状態で、規制部により、引き出し部の一方側への移動が規制される。故に、収容ケースは、簡易な構造で引き出し部を本体部に収容した状態を維持できる。
【0008】
また、収容ケースでは、前記本体部は、前記上下方向の上方側に設けられ、前記第二開口部を構成する第二板を備え、前記引き出し部が前記本体部に収容された場合に、前記第二板のうち前記第一板の上端部に対応する部分が、前記直交方向の前記他方側に向けて凹む凹部を備えてもよい。本体部から引き出し部を引き出す場合、ユーザは、引き出し部の第一板を上方へ移動させる。この場合、第二板の凹部が直交方向の他方側に向けて凹むので、引き出し部の第一板の上端部が本体部の第二板に干渉するのを防止できる。
【0009】
また、収容ケースでは、前記本体部は、前記上下方向の上方側に設けられ、前記第二開口部を構成する第二板を備え、前記第一板の上端部と前記第二板とは、前記上下方向において、前記規制部の前記上下方向の長さ以上離間してもよい。故に、収容ケースでは、引き出し部の前板は、本体部の上板に干渉しない。
【0010】
また、収容ケースでは、前記第二板の前記直交方向の前記一方側の端部には、下方に突出する突出板が設けられ、前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記突出板は、前記第二開口部のうち前記第一板により覆われた部分以外の部分を覆ってもよい。故に、収容ケースは、突出板により、第二開口部の上方側を覆うことができる。
【0011】
また、収容ケースでは、前記第一板の下方側の端部には、前記直交方向の前記他方側に向けて凹む把手部が設けられ、前記把手部が凹んだ先の凹み面は、前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記本体部の前記規制部に対して、前記直交方向の前記他方側から接触してもよい。故に、収容ケースは、把手部の凹み面を利用して、引き出し部が本体部に収容された状態を維持できる。
【0012】
また、収容ケースでは、前記規制部は、複数設けられてもよい。この場合、引き出し部の凹み面は、複数の規制部に当接する。故に、収容ケースは、より確実に引き出し部20の移動を規制できる。
【0013】
また、収容ケースでは、前記本体部は、前記引き出し部が前記本体部に収容された状態で、前記引き出し部の内部の空気を、前記本体部の外部の空気と入れ替え可能な複数の孔を備えてもよい。故に、収容ケースは、引き出し部に収容された爬虫類が窒息することを抑制できる。
【0014】
また、前記収容ケースは、前記上下方向に複数重ねて設置可能であり、前記本体部の下面に設けられ、前記収容ケースが設置面に対して設置された状態で、前記本体部を下方から支持する支持部材と、前記本体部の上面に設けられ、複数の前記収容ケースが前記上下方向に重ねて配置された状態で、上側に設置された前記収容ケースの前記支持部材に接触して移動を規制する規制部材とを備えてもよい。収容ケースが上下に重ねられた場合、収容ケースは、支持部材と規制部材とにより、下側の収容ケースに対する上側の収容ケースの移動を規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】収容ケース1の斜視図である。
図2】(A)は本体部10に引き出し部20が挿通された状態を示す図であり、(B)は本体部10に対して引き出し部20の前板205を上方に移動させた状態を示す図であり、(C)は本体部10から引き出し部20を前方に引き出した状態を示す図である。
図3】2つの収容ケース1を上下に重ねて配置した場合を示す斜視図である。
図4】第一変形例の収容ケース1Aの斜視図である。
図5】(A)は本体部10Aに引き出し部20Aが挿通された状態を示す図であり、(B)は本体部10Aに対して引き出し部20Aの前板206を上方に移動させた状態を示す図であり、(C)は本体部10Aから引き出し部20Aを前方に引き出した状態を示す図である。
図6】第二変形例の収容ケース1Bの斜視図である。
図7】(A)は本体部10Bに引き出し部20Bが挿通された状態を示す図であり、(B)は本体部10Bに対して引き出し部20Bの前板207を上方に移動させた状態を示す図であり、(C)は本体部10Bから引き出し部20Bを前方に引き出した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の収容ケース1について、図面を参照して説明する。収容ケース1の上側、下側、左側、右側、前側、及び後側は、夫々、図1の上側、下側、左斜め上側、右斜め下側、左斜め下側、及び右斜め上側に夫々対応する。
【0017】
<収容ケース1>
図1図2を参照して、収容ケース1について説明する。収容ケース1は、爬虫類の飼育の為に使用される。収容ケース1は、一例として、透明な樹脂で形成される。収容ケース1の材質は、例えば、ガラス、プラスチック、アクリル等の素材である。収容ケース1は、本体部10と引き出し部20とを備える。引き出し部20は、本体部10に対して挿通されて使用される。
【0018】
図1を参照して、本体部10について説明する。本体部10は、前後方向に延びる直方体状の箱である。本体部10は、底板101、後板102、左板103、右板104、及び上板105を備える。底板101、後板102、左板103、右板104、及び上板105により、前方に向けて開口する開口部4が形成される。ユーザは、開口部4を介して、後述の引き出し部20を本体部10に収容可能である。
【0019】
底板101は、前後方向に長い矩形状である。底板101の下面且つ四隅には、4つの支持部材23が設けられる。4つの支持部材23は、上下方向に延びる円筒状である。4つの支持部材23は、底板101の下面に接着材等で固定される。収容ケース1が設置面に設置された場合、4つの支持部材23は、設置面に接触し、下方から本体部10を支持する。
【0020】
底板101の前端部には、規制部17が設けられる。規制部17は、底板101の前端部、且つ底板101の左右方向の中央部に設けられる。規制部17は、底板101の上面から上方に向けて突出する。規制部17は、左右方向に延びる三角柱状である。規制部17の後側には、接触面17Aが設けられる。接触面17Aは、上下左右に延びる。
【0021】
後板102は、底板101の後端から上方に向けて延びる。後板102は、左右方向に長い矩形状である。後板102の上端部には、複数の孔6が設けられる。複数の孔6は、左右方向に10個並ぶ。複数の孔6は、後板102を前後方向に貫通する。
【0022】
左板103は、底板101の左端から上方に向けて延びる。左板103は、前後方向に長い矩形状である。左板103の上端部には、複数の孔7が設けられる。複数の孔7は、前後方向に19個並ぶ。複数の孔7は、左板103を左右方向に貫通する。
【0023】
右板104は、底板101の右端から上方に向けて延びる。右板104は、前後方向に長い矩形状である。右板104は、左板103と同じ形状である。右板104の上端部には、複数の孔8が設けられる。複数の孔8は、前後方向に19個並ぶ。複数の孔8は、右板104を左右方向に貫通する。
【0024】
上板105は、後板102、左板103、右板104の上端に接続する。上板105は、前後方向に長い矩形状である。上板105の前後方向の長さは、底板101、左板103、右板104の前後方向の長さよりも短い。これにより、本体部10には、上板105の前端部に、後方に凹む凹部11が形成される。
【0025】
上板105には、複数の孔9が設けられる。複数の孔9は、左右方向に10個、前後方向に19個並ぶ。従って、複数の孔9は、計190個設けられる。複数の孔9は、上板105を上下方向に貫通する。
【0026】
上板105の上面且つ四隅には、四つの規制部材5が設けられる。規制部材5は、接着剤等で上板105の上面に固定される。規制部材5は、平面視L字状である。なお、平面視した場合、底板101の支持部材23は、規制部材5のL字の内側に配置される(図3参照)。
【0027】
図1を参照して、引き出し部20について説明する。引き出し部20は、底板201、後板202、左板203、右板204、及び前板205を備える。底板201、後板202、左板203、右板204、及び前板205により、上方に向けて開口する開口部24が形成される。ユーザは、開口部24を介して、爬虫類を引き出し部20に収容できる。
【0028】
底板201は、前後方向に長い矩形状である。後板202は、底板201の後端から上方に向けて延びる。後板202は、左右方向に長い矩形状である。左板203は、底板201の左端から上方に向けて延びる。左板203は、前後方向に長い矩形状である。右板204は、底板201の右端から上方に向けて延びる。右板204は、左板203と同じ形状である。後板202、左板203、右板204の上下方向の高さは、同じである。
【0029】
前板205は、底板201の前端から上方に向けて延びる。前板205は、左右方向に長い矩形状である。前板205は、底板201、左板203、右板204の前端に接続する。
【0030】
前板205の上下方向の長さは、後板202、左板203、及び右板204の上下方向の長さよりも長い。従って、右側面視した場合、前板205の上端部205Aは、後板202、左板203、右板204よりも上方に突出する。
【0031】
前板205の中央部には、把手部21が設けられる。把手部21は、前板205の中央部に配置される。把手部21は、前後方向に延びる円柱状である。ユーザは、把手部21を掴んで、本体部10に対して引き出し部20を移動できる。
【0032】
前板205の左右方向の長さは、本体部10の開口部4の左右方向の長さと略同じである。前板205の上下方向の長さは、本体部10の開口部4の上下方向の長さと略同じである。故に、前板205は、引き出し部20が本体部10に収容された状態で、本体部10の開口部4を覆う。
【0033】
<使用方法A>
図2を参照して、引き出し部20が本体部10に挿通される場合を説明する。ユーザは、開口部24を介して引き出し部20に爬虫類を収容する。この状態で、ユーザは、引き出し部20の後端部を、開口部4を介して本体部10に挿通する。この場合、規制部17の前面が後上に向けて傾くので、引き出し部20を容易に案内できる。ユーザは、引き出し部20を本体部10の奥まで押し込む。その後、ユーザは、引き出し部20を解放する。これにより、引き出し部20の底板201は、本体部10の底板101に載置される。この場合、引き出し部20の前板205は、前後方向において、本体部10の規制部17の後側に配置される(図2(A)参照)。
【0034】
図2(A)を参照して、本体部10に対して引き出し部20が収容された状態を説明する。引き出し部20が本体部10に収容された状態で、引き出し部20の後板202、左板203、及び右板204の上端は、本体部10の複数の孔6、7、8よりも下側に配置される。これにより、引き出し部20の空気は、複数の孔6、7、8を介して、本体部10の外部の空気と換気できる。
【0035】
さらに、引き出し部20の開口部24は、上方に向けて開口する。従って、引き出し部20が本体部10に収容された状態で、本体部10の上板105の孔9が塞がれない。これにより、引き出し部20の空気は、複数の孔9を介して、本体部10の外部の空気と換気できる。故に、収容ケース1は、爬虫類が窒息する可能性を低減できる。
【0036】
引き出し部20が本体部10に装着された状態で、引き出し部20の前板205は、本体部10の規制部17に接触する。より詳細には、前板205の下端部の中央部は、規制部17の接触面17Aに後方から接触する。接触面17Aは、前後方向と直交する上下左右に延びるので、規制部17は、引き出し部20の前方への移動を規制する。
【0037】
図2(B)、図2(C)を参照して、引き出し部20が本体部10から引き出される場合を説明する。上記したように、引き出し部20を前方に向けて移動させる場合、規制部17により、引き出し部20は、前方への移動を制限される。そこで、ユーザは、図2(B)に示すように、引き出し部20の把手部21を上方に持ち上げる。これにより、引き出し部20の前板205は、規制部17の上方に移動する。この場合、前板205の下端の位置は、規制部17の上端の位置よりも高くなる。
【0038】
ここで、本体部10の上板105には、後方に凹む凹部11が設けられる。従って、前板205の上端部205Aは、凹部11を介して、上方に移動可能となる。つまり、引き出し部20の前板205を上方に移動した場合でも、前板205の上端部205Aは、上板105の前端部に干渉しない。図2(C)に示すように、ユーザは、把手部21を上方に持ち上げた状態で、把手部21を前方に引く。これにより、引き出し部20は、本体部10から引き出される。
【0039】
<使用方法B>
図3を参照して、複数の収容ケース1が上下に積まれた場合を説明する。ユーザは、複数の収容ケース1を上下方向に積むことが可能である。この場合、上側の収容ケース1の支持部材23は、下側の収容ケース1の上板105に設置される。下側の収容ケース1の上板105の規制部材5には夫々、上側の収容ケース1の底板101の支持部材23が内側から接触する。これにより、上側の収容ケース1は、下側の収容ケース1に対して水平方向への移動が規制される。従って、収容ケース1では、水平方向に力が加わった場合にも、下側と上側の収容ケース1の位置がずれない。
【0040】
<主たる作用・効果>
以上、説明したように、引き出し部20が本体部10に収容された状態で、引き出し部20の前板205は、本体部10の規制部17に対して、前後方向の前側とは反対側の後側から接触する。
【0041】
収容ケース1は、引き出し部20が本体部10に収容された状態で、規制部17により、引き出し部20の前方への移動が規制される。故に、収容ケース1は、簡易な構造で引き出し部20を本体部10に収容した状態を維持できる。例えば、爬虫類が暴れることにより、引き出し部20に対して、前方向への力が加わる場合がある。この場合でも、前板205が規制部17に対し後方から接触する。従って、引き出し部20は、前方への移動を規制される。よって、収容ケース1は、爬虫類が収容ケース1の外部に逃げ出すことを防止できる。
【0042】
上板105は、本体部10の上方側に設けられ、開口部4の一部を構成する。上板105は、凹部11を備える。凹部11は、引き出し部20が本体部10に収容された場合に、上板105のうち、上下方向における前板205の上端部205Aに対応する部分に設けられる。凹部11は、後方に向けて凹む。本体部10から引き出し部20を引き出す場合、ユーザは、引き出し部20の前板205を上方へ移動させる。この場合、上板105の凹部11が前後方向の後方に向けて凹むので、引き出し部20の前板205の上端部205Aが本体部10の上板105に干渉するのを防止できる。
【0043】
複数の孔6、7、8、9は、引き出し部20が本体部10に収容された状態で、引き出し部20の内部の空気を、本体部10の外部の空気と入れ替え可能である。故に、収容ケース1は、引き出し部20に収容された爬虫類が窒息することを抑制できる。
【0044】
収容ケース1は、上下方向に複数重ねて設置可能である。支持部材23は、本体部10の下面に設けられる。支持部材23は、収容ケース1が設置面に対して設置された状態で、本体部10を下方から支持する。規制部材5は、本体部10の上面に設けられる。規制部材5は、複数の収容ケース1が上下方向に重ねて配置された状態で、上側に設置された収容ケース1の支持部材23に接触して移動を規制する。収容ケース1が上下に重ねられた場合、収容ケース1は、支持部材23と規制部材5とにより、下側の収容ケース1に対する上側の収容ケース1の移動を規制できる。
【0045】
<収容ケース1A>
図4を参照して、本発明の第一変形例に係る収容ケース1Aについて説明する。上記実施形態の収容ケース1と同一の部材には同一の符号を付し、異なる箇所にのみ異なる符号が付される。以下説明では、収容ケース1と異なる点を中心に説明する。収容ケース1Aは、収容ケース1の本体部10の代わりに、本体部10Aを備える。また、収容ケース1Aは、引き出し部20の代わりに、引き出し部20Aを備える。
【0046】
本体部10Aについて説明する。本体部10Aの底板101には、一対の規制部17L、17Rが設けられる。一対の規制部17L、17Rは、底板101の前端部に設けられる。一対の規制部17L、17Rは、底板101の前端から所定の間隔だけ後方に離間した位置に配置される。
【0047】
左側の規制部17Lは、底板101の左端部に設けられる。規制部17Lの下面は、底板101に接着剤等で固定される。規制部17Lの左面は、左板103に接着剤等で固定される。右側の規制部17Rは、底板101の右端部に設けられる。規制部17Rの下面は、底板101に接着剤等で固定される。規制部17Rの右面は、右板104に接着剤等で固定される。
【0048】
後板102の上端部には、複数の孔6が設けられる。複数の孔6は、左右方向に9個並ぶ。左板103の上端部には、複数の孔7が設けられる。複数の孔7は、前後方向に16個並ぶ。右板104の上端部には、複数の孔8が設けられる。複数の孔8は、前後に16個並ぶ。上板105には、複数の孔9が設けられる。複数の孔9は、前後に13個並び、且つ左右に9個並ぶ。故に、複数の孔9は、計117個設けられる。
【0049】
上板105の前端部には、凹部111が形成される。凹部111は、上板105の前端部において、左端部から右端部に亘って、後方に凹む。これにより、上板105の前端部は、平面視した場合、後方に凹むコの字型となる。
【0050】
引き出し部20Aについて説明する。底板201の前端部には、段差部29が設けられる。段差部29は、第一部分291と第二部分292とを備える。第一部分291は、底板201の前端から上方に向けて延びる。第一部分291は、左右方向に長い矩形状である。第二部分292は、第一部分291の上端から前方へ向けて延びる。第二部分292は、左右方向に長い矩形状である。
【0051】
左板203の前下側は、段差部29の形状に併せて切りかかれている。右板204の前下側は、段差部29の形状に併せて切かかれている。前板206は、左板203と右板204の前端に接着剤等で固定される。前板206の上端部206Aは、左板203と右板204の上端から上方に向けて突出する。前板206の下端部206Bは、段差部29の第二部分292よりも下方に向けて突出する。
【0052】
前板206の下端部206Bと段差部29とにより、把手部211が形成される。つまり、把手部211は、前板206の下方側の端部に設けられる。把手部211は、前後方向のうち前方から後方へ向けて凹む。把手部211の凹んだ先の面は、段差部29の第一部分291の前面に対応する。ユーザは、前板206の下端部206Bの後側に指を引っかけることが可能である。
【0053】
<使用方法C>
図5を参照して、収容ケース1Aの使用方法について説明する。図5(A)に示すように、ユーザは、開口部24を介して引き出し部20Aに爬虫類を収容する。この状態で、ユーザは、引き出し部20Aの後端部を、開口部4を介して本体部10Aに挿通する。ユーザは、引き出し部20Aを本体部10Aの奥まで押し込む。その後、ユーザは、引き出し部20Aを解放する。これにより、引き出し部20Aの底板201は、本体部10Aの底板101に載置される。この場合、段差部29の第一部分291は、前後方向において、本体部10Aの一対の規制部17L、17Rの後側に配置される(図5(A)参照)。なお、前板206と段差部29は、本体部10Aの開口部4を覆う。
【0054】
引き出し部20Aが本体部10Aに装着された状態で、引き出し部20Aの段差部29の第一部分291は、本体部10の一対の規制部17L、17Rに接触する。より詳細には、第一部分291の前面は、規制部17L、17Rの接触面171に後方から接触する。接触面171は、前後方向と直交する上下左右に延びるので、規制部17は、引き出し部20の前方への移動を規制する。
【0055】
図5(B)、図5(C)を参照して、引き出し部20Aが本体部10Aから引き出される場合を説明する。上記実施形態と同様に、引き出し部20Aを前方に向けて移動させる場合、一対の規制部17L、17Rにより、引き出し部20Aは、前方への移動を制限される。そこで、ユーザは、図5(B)に示すように、引き出し部20Aの把手部211を上方に持ち上げる。これにより、引き出し部20Aの前板206は、上方に移動する。この場合、前板206の下端部206Bの位置は、一対の規制部17L、17Rの上端の位置よりも高くなる。
【0056】
ここで、本体部10Aの上板105には、後方に凹む凹部111が設けられる。従って、前板206の上端部206Aは、凹部111を介して、上方に移動可能となる。つまり、引き出し部20の前板205を上方に移動した場合でも、前板206の上端部206Aは、上板105の前端部に干渉しない。図5(C)に示すように、ユーザは、把手部211を上方に持ち上げた状態で、把手部211を前方に引く。これにより、引き出し部20Aは、本体部10Aから引き出される。
【0057】
以上説明したように、引き出し部20Aの前板206の下方側の端部には、前後方向の後方に向けて凹む把手部211が設けられる。把手部211が凹んだ先の凹み面、即ち第一部分291の前面は、引き出し部20Aが本体部10Aに収容された状態で、本体部10Aの規制部17L、17Rに対して、後側から接触する。故に、収容ケース1Aは、第一部分291の前面を利用して、引き出し部20Aが本体部10Aに収容された状態を維持できる。さらに、収容ケース1Aは、収容ケース1の把手部21を別途設ける必要がない。
【0058】
底板201には、一対の規制部17L、17Rが設けられる。従って、引き出し部20Aの第一部分291の前面は、一対の規制部17L、17Rの二か所に当接する。故に、収容ケース1Aは、より確実に引き出し部20の移動を規制できる。
【0059】
<収容ケース1B>
図6を参照して、本発明の第二変形例に係る収容ケース1Bについて説明する。上記収容ケース1、1Aと同一の部材には同一の符号を付し、異なる箇所にのみ異なる符号が付される。以下説明では、収容ケース1、1Aと異なる点を中心に説明する。収容ケース1Bは、本体部10、10Aの代わりに、本体部10Bを備える。また、収容ケース1Bは、引き出し部20、20Aの代わりに、引き出し部20Bを備える。
【0060】
本体部10Bについて説明する。本体部10Bは、上板107を備える。上板107の前後方向の長さは、底板101、左板103、右板104の前後方向の長さと略同一である。従って、本体部10Bの前端部は、本体部10、10Aとは異なり、後方に凹む凹部を備えない。
【0061】
上板107の前端部には、突出板115が設けられる。突出板115は、上板107の前端部から下方に向けて延びる。突出板115は、左右方向に長い矩形状である。
【0062】
引き出し部20Bについて説明する。引き出し部20Bは、引き出し部20Aとは異なり、前板207を備える。前板207は、段差部29の前端と、左板203の前端と、右板204の前端とに接着剤等で固定される。前板207の上下方向の長さは、前板206の上下方向の長さよりも短い。
【0063】
<使用方法D>
図7を参照して、収容ケース1Bの使用方法について説明する。図7(A)に示すように、ユーザは、引き出し部20Bを本体部10Bに挿通する。これにより、引き出し部20Bの底板201は、本体部10Bの底板101に載置される。
【0064】
前板207の上端部207Aは、上板107よりも低い位置に配置される。つまり、前板207の上下方向の長さは、開口部4の上下方向の長さよりも短い。このため、開口部4の上方側の部分は、前板207により完全に覆われない。しかしながら、本体部10Bの突出板115の下端は、前板207の上端よりも低い位置に配置される。従って、開口部4の上方側の部分は、突出板115により塞がれる。つまり、前板207と段差部29と突出板115は、本体部10Bの開口部4を覆う。
【0065】
ここで、上端部207Aは、本体部10Bに装着された状態で、上板107の下面と所定の間隔だけ離間する。所定の間隔は、例えば、規制部17L、17Rの上下方向の長さ以上である。
【0066】
図7(B)、図7(C)を参照して、引き出し部20Bが本体部10Bから引き出される場合を説明する。引き出し部20Bを前方に向けて移動させる場合、一対の規制部17L、17Rにより、引き出し部20Bは、前方への移動を制限される。そこで、ユーザは、図7(B)に示すように、引き出し部20Bの把手部211を上方に持ち上げる。これにより、引き出し部20Bの前板207は、上方に移動する。この場合、前板207の下端部207Bの位置は、一対の規制部17L、17Rの上端の位置よりも高くなる。
【0067】
ここで、本体部10Bの上板107には、後方に凹む凹部が設けられていない。従って、前板207の上端部207Aと上板107の前端との干渉が問題となる。しかしながら、前板207の上端部207Aは、上記所定の間隔の分だけ上板107と離間する。従って、前板207の上端部206Aは、上板107に干渉することなく、上方に移動可能となる。図7(C)に示すように、ユーザは、把手部211を上方に持ち上げた状態で、把手部211を前方に引く。これにより、引き出し部20Bは、本体部10Bから引き出される。
【0068】
以上説明したように、前板207の上端部207Aと上板107は、上下方向において、規制部17L、17Rの上下方向の長さ以上離間する。故に、収容ケース1Bでは、引き出し部20Bの前板207は、本体部10Bの上板107に干渉しない。
【0069】
本体部10Bの前板207の前方側の端部には、下方に突出する突出板115が設けられる。引き出し部20Bが本体部10Bに収容された状態で、前板207と突出板115は、本体部10Bの開口部4を覆う。故に、収容ケース1Bは、突出板115により、開口部4の上方側を覆うことができる。
【0070】
<変形例>
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。上記実施形態、変形例、及び下記変形例に開示された技術は、矛盾しない範囲で組み合わせてよい。上記実施形態の収容ケース1では、爬虫類を収容することを想定したがこれに限らない。例えば、爬虫類以外の生物を収容してもよい。また、収容ケース1は、生物以外の物を収容してもよい。
【0071】
上記実施形態では、収容ケース1の色は透明であったがこれに限らない。例えば、収容ケース1は、半透明であってもよいし、色付きであってもよい。
【0072】
上記実施形態では、収容ケース1は、直方体状であったがこれに限らない。例えば、収容ケース1は、立方体であってもよい。また、収容ケース1は、三角柱などの多面体であってもよい。これに併せて、本体部10と引き出し部20の形状が適宜変更されればよい。
【0073】
上記実施形態では、規制部17は、底板101の前端部に設けられたがこれに限らない。例えば、規制部17は、左板103又は右板104の前端部に設けられてもよい。規制部17は、底板101の前端部の左端部又は右端部に設けられてもよい。
【0074】
また、規制部17は、底板101の前端部において、左右方向に亘って設けられてもよい。つまり、規制部17は、底板101の左端から右端に亘って延びてもよい。また、規制部17は、複数設けられてもよい。例えば、規制部17は、底板101の前端部において、左右方向の左端部、中央部、及び右端部に設けられてもよい。
【0075】
上記実施形態では、規制部17は、三角柱状であったがこれに限らない。規制部17は、直方体状であってもよい。
【0076】
上記実施形態では、孔6、7、8、9が設けられたがこれに限らない。例えば、複数の孔6、7、8、9のうち少なくとも何れかが設けられればよい。また、複数の孔6、7、8、9の個数は適宜変更されてよい。複数の孔6、7、8、9よりも大きな開口部を設けてもよい。この場合、開口部は、網を設けるとよい。また、複数の孔6、7、8、9は、全て同じ大きさでも良いし、夫々、異なってもよい。複数の孔6、7、8、9は、一部が同じサイズでもよく、他の一部が異なるサイズであってもよい。
【0077】
上記実施形態では、支持部材23は円柱状であったがこれに限らない。例えば、直方体状であってもよいし、他の多面体であってもよい。支持部材23は、収容ケース1を支持可能であればよい。この場合、支持部材23の形状は適宜設定されるとよい。
【0078】
上記実施形態では、規制部材5は、L字状であったがこれに限らない。例えば、規制部材5は、中空の円状でもよい。この場合、支持部材23が規制部材5の中空部分に収容可能であってもよい。
【0079】
上記実施形態では、支持部材23は、規制部材5のL字の内側に接触して位置決めされたがこれに限らない。例えば、支持部材23が規制部材5に係合するような形状であってもよい。なお、収容ケース1が上下に重ねて使用されない場合、支持部材23と規制部材5とはなくてもよい。
【0080】
上記実施形態では、引き出し部20は、上方に開口したがこれに限らない。開口部24の開口する方向は、左方、右方、後方等でもよい。
【0081】
上記実施形態では、引き出し部20は、後板202を備えたがこれに限らない。後板202はなくてもよい。この場合でも、引き出し部20に爬虫類を収容可能である。
【0082】
上記実施形態では、把手部21が設けられたがこれに限らない。把手部21の代わりに、他の形状の把手が設けられてもよい。把手部21はなくてもよい。
【0083】
<その他>
爬虫類は、本発明の「被収容物」の一例である。開口部24は、本発明の「第一開口部」の一例である。開口部4は、本発明の「第二開口部」の一例である。前板205は、本発明の「第一板」の一例である。把手部211は、本発明の「把手部」の一例である。第一部分291の前面は、本発明の「凹み面」の一例である。上板105は、本発明の「第二板」の一例である。前後方向は、本発明の「直交方向」の一例である。前側は、本発明の「一方側」の一例である。後側は、本発明の「他方側」の一例である。
【符号の説明】
【0084】
1、1A、1B 収容ケース
4、24 開口部
5 規制部材
6、7、8、9 複数の孔
10、10A、10B 本体部
11、111 凹部
17、17L、17R 規制部
17A、171 接触面
20、20A、20B 引き出し部
23 支持部材
105、107 上板
115 突出板
205、206、207 前板
205A 上端部
211 把手部
291 第一部分
292 第二部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7