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特開2023-11938ファーバー病を治療するための組成物及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011938
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】ファーバー病を治療するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/50 20060101AFI20230117BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20230117BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20230117BHJP
   C12N 15/55 20060101ALN20230117BHJP
   C12N 9/78 20060101ALN20230117BHJP
【FI】
A61K38/50
A61K48/00 ZNA
A61K9/08
A61P19/00
C12N15/12
C12N15/55
C12N9/78
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181240
(22)【出願日】2022-11-11
(62)【分割の表示】P 2019538173の分割
【原出願日】2018-01-12
(31)【優先権主張番号】62/446,166
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513321467
【氏名又は名称】アイカーン スクール オブ メディシン アット マウント サイナイ
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】シュシュマン エドワード エイチ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ファーバー病を治療するためのタンパク質、組成物、及び方法を提供する。
【解決手段】ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脂肪肉芽腫の低減方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項3】
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脾臓重量の低減方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるセラミドの低減方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるスフィンゴシンの増加方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項6】
前記有効量が、約0.1mg/kg~約10mg/kgである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記有効量が、約10mg/kg~約50mg/kgである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記有効量が、約10mg/kg~約20mg/kgである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記有効量が、約20mg/kg~約30mg/kgである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記有効量が、約30mg/kg~約40mg/kgである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記有効量が、約40mg/kg~約50mg/kgである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記有効量が、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mg/kgである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記有効量が、前記対象に週1回投与される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記薬学的組成物が、溶液である、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記薬学的組成物が、rhACを含む細胞馴化培地を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象の皮膚と接触させることを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象に非経口投与することを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象に注入することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記投与が、腹腔内注入または静脈内注入である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
【請求項21】
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脂肪肉芽腫の低減方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
【請求項22】
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脾臓重量の低減方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
【請求項23】
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるセラミドの低減方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
【請求項24】
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるスフィンゴシンの増加方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
【請求項25】
前記組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることが、rhACをコードするベクターを前記細胞に導入することを含む、請求項20~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記ベクターが、ウイルスベクターである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ベクターが、プラスミドである、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ベクターが、前記rhACに操作可能に結合されたプロモーターを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記ベクターが、前記細胞に導入される、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記ベクターを、前記細胞に感染させる、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはNS0である、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記有効量が、約0.1mg/kg~約10mg/kgである、請求項20~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記有効量が、約10mg/kg~約50mg/kgである、請求項20~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記有効量が、約10mg/kg~約20mg/kgである、請求項20~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記有効量が、約20mg/kg~約30mg/kgである、請求項20~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記有効量が、約30mg/kg~約40mg/kgである、請求項20~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記有効量が、約40mg/kg~約50mg/kgである、請求項20~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記有効量が、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mg/kgである、請求項20~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記有効量が、前記対象に週1回投与される、請求項20~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記薬学的組成物が、溶液である、請求項20~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記薬学的組成物が、前記rhACを含む細胞馴化培地を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象の皮膚と接触させることを含む、請求項20~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象に非経口投与することを含む、請求項20~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象に注入することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記投与が、腹腔内注入または静脈内注入である、請求項43に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月13日出願の米国仮特許出願第62/446,166号の優先権の恩典を主張するものであり、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
ファーバー病、リソソーム蓄積症(LSD)は、複数の関節の肉芽腫病変及び脂質貯蔵の証拠を有する14ヶ月齢の乳児において、1952年に最初に記載された疾患である。続く10年間にわたって、他の同様の症例が記載され、全てが同様の病変を有し、多くの場合、咽頭上の病変の存在に起因する特徴的な「かすれた」泣き声または声を呈した。これらの患者の一部における、肺、肝臓、脾臓、及び中枢神経系(CNS)を含む他の器官系の関与もまた言及された。
【0003】
以前に、ファーバー病患者の治療は、対症的であり、主に疼痛の低減を目的としていた。数名の患者において造血幹細胞移植(HSCT)が行われ、移植手順自体が成功である限り、全体転帰は前向きなものであった。そのような移植患者は、疼痛の著しい低減、増加した運動性及び移動性、またある場合には、皮下結節の縮小及び完全解消を呈する。しかしながら、移植成功は、組織適合性ドナー細胞を必要とし、患者を侵襲性かつ潜在的に危険な免疫抑制レジームに曝露する。HSCTの1つの代替例は、遺伝子療法であり、自家ドナー細胞が、治療的タンパク質を発現するベクターで形質導入され、組織適合性ドナーの必要性を省く。このアプローチは、ファーバー病ノックインマウスにおいて評価され、組織セラミド及びマクロファージ浸潤の低減をもたらした。しかしながら、ファーバー病を治療するための改善された治療法が引き続き必要とされている。本発明は、他の必要性を満たすと同時に、本明細書で考察される。
【発明の概要】
【0004】
概要
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病及び/またはその関連疾患の治療を、それを必要とする対象において行う方法を提供し、該方法は、有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。いくつかの態様では、投与される組換えヒト酸性セラミダーゼは、検出可能なスフィンゴミエリナーゼ活性を有しない。
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法を提供し、該方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0006】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脂肪肉芽腫の低減方法を提供し、該方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0007】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脾臓重量の低減方法を提供し、該方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0008】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるセラミドの低減方法を提供し、該方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0009】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるスフィンゴシンの増加方法を提供し、該方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0010】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法を提供し、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0011】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脂肪肉芽腫の低減方法を提供し、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0012】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脾臓重量の低減方法を提供し、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0013】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるセラミドの低減方法を提供し、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0014】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるスフィンゴシンの増加方法を提供し、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0015】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法を提供し、該方法は、有効量の約3、10、または50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を含む薬学的組成物を、例えば、週1回、2週間毎に1回、または月1回の繰り返し投与量で対象の寿命にわたって対象に投与することを含む。
【0016】
本明細書に開示される実施形態は、ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法を提供し、該方法は、有効量の約1mg~約5mg/kgまたは約2mg/kg~約5mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を含む薬学的組成物を、例えば、週1回、2週間毎に1回、または月1回の繰り返し投与量で少なくとも10週間もしくは少なくとも20週間、28週間、または対象の寿命にわたって対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与は、静脈内注射によるものである。一実施形態では、ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法は、有効量の約1mg~約5mg/kgまたは約2mg/kg~約5mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を含む薬学的組成物を、例えば、週1回、2週間毎に1回、または月1回の繰り返し投与量で少なくとも10週間もしくは少なくとも20週間、28週間、または対象の寿命にわたって対象に投与することを含む。
【0017】
本発明のある特定の態様では、対象が1歳未満のときに治療が開始される。
【0018】
本発明の態様では、対象が1~5歳のときに治療が開始される。
[本発明1001]
ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
[本発明1002]
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脂肪肉芽腫の低減方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
[本発明1003]
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脾臓重量の低減方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
[本発明1004]
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるセラミドの低減方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
[本発明1005]
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるスフィンゴシンの増加方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
[本発明1006]
前記有効量が、約0.1mg/kg~約10mg/kgである、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記有効量が、約10mg/kg~約50mg/kgである、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1008]
前記有効量が、約10mg/kg~約20mg/kgである、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1009]
前記有効量が、約20mg/kg~約30mg/kgである、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1010]
前記有効量が、約30mg/kg~約40mg/kgである、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1011]
前記有効量が、約40mg/kg~約50mg/kgである、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1012]
前記有効量が、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mg/kgである、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1013]
前記有効量が、前記対象に週1回投与される、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
前記薬学的組成物が、溶液である、本発明1001~1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
前記薬学的組成物が、rhACを含む細胞馴化培地を含む、本発明1014の方法。
[本発明1016]
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象の皮膚と接触させることを含む、本発明1001~1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象に非経口投与することを含む、本発明1001~1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象に注入することを含む、本発明1017の方法。
[本発明1019]
前記投与が、腹腔内注入または静脈内注入である、本発明1017の方法。
[本発明1020]
ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
[本発明1021]
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脂肪肉芽腫の低減方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
[本発明1022]
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脾臓重量の低減方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
[本発明1023]
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるセラミドの低減方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
[本発明1024]
ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるスフィンゴシンの増加方法であって、
a.組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、
b.前記発現したrhACを前記細胞から単離することと、
c.有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの前記単離された発現rhACを含む薬学的組成物を前記対象に投与することと
を含む、前記方法。
[本発明1025]
前記組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることが、rhACをコードするベクターを前記細胞に導入することを含む、本発明1020~1024のいずれかの方法。
[本発明1026]
前記ベクターが、ウイルスベクターである、本発明1025の方法。
[本発明1027]
前記ベクターが、プラスミドである、本発明1025の方法。
[本発明1028]
前記ベクターが、前記rhACに操作可能に結合されたプロモーターを含む、本発明1025の方法。
[本発明1029]
前記ベクターが、前記細胞に導入される、本発明1025の方法。
[本発明1030]
前記ベクターを、前記細胞に感染させる、本発明1025の方法。
[本発明1031]
前記細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはNS0である、本発明1025の方法。
[本発明1032]
前記有効量が、約0.1mg/kg~約10mg/kgである、本発明1020~1031のいずれかの方法。
[本発明1033]
前記有効量が、約10mg/kg~約50mg/kgである、本発明1020~1031のいずれかの方法。
[本発明1034]
前記有効量が、約10mg/kg~約20mg/kgである、本発明1020~1031のいずれかの方法。
[本発明1035]
前記有効量が、約20mg/kg~約30mg/kgである、本発明1020~1031のいずれかの方法。
[本発明1036]
前記有効量が、約30mg/kg~約40mg/kgである、本発明1020~1031のいずれかの方法。
[本発明1037]
前記有効量が、約40mg/kg~約50mg/kgである、本発明1020~1031のいずれかの方法。
[本発明1038]
前記有効量が、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mg/kgである、本発明1020~1031のいずれかの方法。
[本発明1039]
前記有効量が、前記対象に週1回投与される、本発明1020~1038のいずれかの方法。
[本発明1040]
前記薬学的組成物が、溶液である、本発明1020~1039のいずれかの方法。
[本発明1041]
前記薬学的組成物が、前記rhACを含む細胞馴化培地を含む、本発明1040の方法。
[本発明1042]
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象の皮膚と接触させることを含む、本発明1020~1041のいずれかの方法。
[本発明1043]
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象に非経口投与することを含む、本発明1020~1042のいずれかの方法。
[本発明1044]
前記投与が、前記薬学的組成物を前記対象に注入することを含む、本発明1043の方法。
[本発明1045]
前記投与が、腹腔内注入または静脈内注入である、本発明1043の方法。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1A及び図1Bは、ファーバー病細胞中のセラミド及びスフィンゴシンに対するrhACの効果を示す。無血清馴化培地(CM)を、rhACを過剰発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株から得て、ファーバー病患者に由来するSV40形質転換皮膚線維芽細胞株に付加した(実施例1、材料及び方法を参照)。rhACを欠く無血清親CHO培地(M)を対照として使用した。培地交換後、ファーバー細胞を24時間成長させ、採取し、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で3回洗浄し、全セラミド(Cer)及びスフィンゴシン(Sph)の量を定量して、図1A及び1Bにそれぞれ示されるように、全細胞タンパク質1ミリグラム(mg)当たりで表した。**は、CMで成長させた細胞をM中で成長させた細胞と比較して、p値<0.01を示す。
図2-1】図2A図2Dは、rhACの単回注入後のファーバー病マウスの肝臓及び脾臓中のセラミド及びスフィンゴシンを示す。約9週齢ファーバー病マウスの群は、精製rhACの単回腹腔内注入を示された用量で受けた(n=3/用量)。24時間後、マウスを安楽死させ、全セラミド(Cer)及びスフィンゴシン(Sph)の量を定量し、図2A(Cer)及び2B(Sph)の肝臓、ならびに図2C(Cer)及び2D(Sph)の脾臓からの組織抽出物中の全タンパク質1ミリグラム当たりで表した。「0」は、PBSを注入した同年齢のファーバーマウスを示す。*は、rhACを注入したマウスをPBSを注入したマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図2-2】図2-1の続きの図である。
図3-1】図3A図3Fは、rhACの単回注入後のファーバー病マウスの肝臓(それぞれ図3A~3C)及び脾臓(それぞれ図3D~3F)中のAC活性の時間経過、セラミド、及びスフィンゴシンを示す。およそ9週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの単回腹腔内注入を10mg/kgの用量で受けた。注入後の示された時点で、マウスを安楽死させ(1時点当たりn=3)、全セラミド(Cer)、スフィンゴシン(Sph)、及びAC活性の量を定量し、組織抽出物中のタンパク質1ミリグラム当たりで表した。FDは、PBSを注入した未治療の同年齢のファーバー病マウスを示す。*は、rhACを注入したマウスをPBSを注入したマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図3-2】図3-1の続きの図である。
図4】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの生存を示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=9~56/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。Kaplan-Meirプロットを使用して、生存確率を示した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。
図5図5A及び図5Bは、rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスにおける脾臓重量及び血漿MCP-1(単球化学吸引性タンパク質-1)レベルを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~9/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。脾臓重量(図5A)は、全体重当たりで表した。ELISAキットを使用して、血漿中のMCP-1(図5B)を測定した(実施例1の材料及び方法を参照)。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバーマウスを示す。同年齢の野生型マウス(WT)における脾臓重量及びMCP-1レベルも示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。
図6A】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図6A肝臓)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図6B】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図6B心臓)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図6C】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図6C脾臓)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図6D】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図6D腎臓)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図6E】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図6E脳)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図6F】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図6F肺)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図7A】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図7A肝臓)中の全スフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図7B】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図7B心臓)中の全スフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図7C】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図7C脾臓)中の全スフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図7D】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図7D腎臓)中の全スフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図7E】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図7E脳)中の全スフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図7F】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=4~10/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図7F肺)中の全スフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。*は、rhACで処置されたマウスをPBSで処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図8A】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスからの肝臓及び脾臓切片における組織学を示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=xx/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。肝臓(図8A)をホルマリン中で固定し、切片化して、H&E染色に供した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。各用量群のマウスからの代表的な切片を示す。拡大=20倍。
図8B】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスからの肝臓及び脾臓切片における組織学を示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhACの週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=xx/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。脾臓(図8B)をホルマリン中で固定し、切片化して、H&E染色に供した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。WTは、同年齢の野生型マウスを示す。各用量群のマウスからの代表的な切片を示す。拡大=20倍。
図9A】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図9A肝臓)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図9B】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図9B心臓)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図9C】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図9C脾臓)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図9D】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図9D腎臓)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図9E】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図9E脳)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図9F】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のセラミドを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図9F肺)中の全セラミド(Cer)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図10図10A図10Cは、ファーバー病マウスからの軟骨細胞に対するrhACの効果を示す。4~6週齢のファーバー病マウスの上腕骨から一次軟骨細胞を得た。5~10マウスからの細胞をプールして培養物を確立し、標準培地(-)または精製rhAC(12.5ug/mL)を含有する培地中で7日間または14日間成長させた。細胞播種の時点でrhACを一度に添加した。次いで、qPCRを使用して、3つの軟骨形成マーカー遺伝子、コラーゲン2(図10A)、アグリカン(図10B)、及びSox-9(図10C)の発現を査定した。点線は、標準培地中の健康なマウスから成長させた軟骨細胞中のこれらの遺伝子の発現を示す。2つの別個の実験(実験1及び2)の結果が示される。
図11】rhACの代表的なSDS PAGE分析を示す。rhACは、過剰発現CHO細胞株の培地から精製され、非還元(NR)及び還元(R)条件下でSDS PAGEに供された。染色は、SimpleBlue(登録商標)で行った。商業的に供給される分子量標準物の移行による分子量(kDa)は、左に示される。rhAC前駆体、α及びβサブユニットに対応するバンドもまた示される。
図12】尾静脈注入後のrhAC活性の血漿クリアランスを示す。rhAC(10mg/kg)を、4~6週齢のファーバー病マウスの尾静脈に注入した。様々な時点で、注入後マウスを安楽死させ(n=3/時点)、血漿中のAC活性を決定した。
図13】rhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの体重を示す。およそ3週齢のファーバー病マウスは、精製rhAC(AC)の週1回の腹腔内注入を1、3、及び10mg/kgの用量で受けた(n=9~56/用量)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。示された年齢の生存マウスの平均体重をグラフ化する。
図14】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの生存を示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~10/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。Kaplan-Meirプロットを使用して、生存確率を示した。「0」は、PBSの週1回注入を受けるファーバー病マウスを示す。
図15A】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図15A肝臓)中のスフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図15B】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図15B心臓)中のスフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図15C】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図15C脾臓)中のスフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図15D】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図15D腎臓)中のスフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図15E】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図15E脳)中のスフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図15F】2つの異なる年齢で開始するrhACの繰り返し注入を受けるファーバー病マウスの組織中のスフィンゴシンを示す。ファーバー病マウスは、3日齢(早期)または3週齢(後期)で開始して、精製rhAC(10mg/kg)の週1回の腹腔内注入を受けた(n=7~11/年齢)。1週間の期間内に体重喪失が10%を超えたとき、マウスを安楽死させた。実施例1の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図15F肺)中のスフィンゴシン(Sph)レベルを決定した。*は、早期に処置されたマウスを後期に処置されたマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
図16A】野生型(WT)マウス、ならびに0、0.1、1、3、及び10mg/kg/用量の異なる投与量で、3~4週齢で開始して6週間にわたって精製rhACの週1回注入を受けるファーバー病マウス(hom)(asah1P361R/P361R変異について同種)の組織中のセラミドを示す。第6用量の48時間後にマウスを安楽死させた。実施例2の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図16A肝臓)中のセラミド(Cer)レベルを決定した。
図16B】野生型(WT)マウス、ならびに0、0.1、1、3、及び10mg/kg/用量の異なる投与量で、3~4週齢で開始して6週間にわたって精製rhACの週1回注入を受けるファーバー病マウス(hom)(asah1P361R/P361R変異について同種)の組織中のセラミドを示す。第6用量の48時間後にマウスを安楽死させた。実施例2の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図16B心臓)中のセラミド(Cer)レベルを決定した。
図16C】野生型(WT)マウス、ならびに0、0.1、1、3、及び10mg/kg/用量の異なる投与量で、3~4週齢で開始して6週間にわたって精製rhACの週1回注入を受けるファーバー病マウス(hom)(asah1P361R/P361R変異について同種)の組織中のセラミドを示す。第6用量の48時間後にマウスを安楽死させた。実施例2の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図16C筋肉)中のセラミド(Cer)レベルを決定した。
図16D】野生型(WT)マウス、ならびに0、0.1、1、3、及び10mg/kg/用量の異なる投与量で、3~4週齢で開始して6週間にわたって精製rhACの週1回注入を受けるファーバー病マウス(hom)(asah1P361R/P361R変異について同種)の組織中のセラミドを示す。第6用量の48時間後にマウスを安楽死させた。実施例2の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図16D脾臓)中のセラミド(Cer)レベルを決定した。
図16E】野生型(WT)マウス、ならびに0、0.1、1、3、及び10mg/kg/用量の異なる投与量で、3~4週齢で開始して6週間にわたって精製rhACの週1回注入を受けるファーバー病マウス(hom)(asah1P361R/P361R変異について同種)の組織中のセラミドを示す。第6用量の48時間後にマウスを安楽死させた。実施例2の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図16E肺)中のセラミド(Cer)レベルを決定した。
図16F】野生型(WT)マウス、ならびに0、0.1、1、3、及び10mg/kg/用量の異なる投与量で、3~4週齢で開始して6週間にわたって精製rhACの週1回注入を受けるファーバー病マウス(hom)(asah1P361R/P361R変異について同種)の組織中のセラミドを示す。第6用量の48時間後にマウスを安楽死させた。実施例2の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図16F腎臓)中のセラミド(Cer)レベルを決定した。
図16G】野生型(WT)マウス、ならびに0、0.1、1、3、及び10mg/kg/用量の異なる投与量で、3~4週齢で開始して6週間にわたって精製rhACの週1回注入を受けるファーバー病マウス(hom)(asah1P361R/P361R変異について同種)の組織中のセラミドを示す。第6用量の48時間後にマウスを安楽死させた。実施例2の材料及び方法に記載されるように、組織抽出物(図16G脳)中のセラミド(Cer)レベルを決定した。
図17】野生型(WT)対照と比較して、処置された及び対照のファーバー病マウス(ファーバー)において最終用量の48時間後に収集された末梢血中の炎症の全身性マーカーである、血漿単球吸引性タンパク質(MCP)-1を示す。明らかな用量応答は、0.1mg/kg/用量であっても、rhACの増加に伴って明白な炎症からの移行として示される。
図18図18A及び図18Bは、ファーバーマウスの骨及び関節病理に対するrhACの影響を示す。図18Aは、正常なマウスにおける成長板及び滑膜軟組織の組織学を描き、均一な幅の骨端軟骨(成長板)、骨幹及び骨端における頑強な骨梁(白色矢印)、ならびに骨端軟骨から軸髄(アスタリスク)に放射状に伸びる骨梁を有する海面質内の線形に組織された軟骨細胞を示す。図18Bは、正常なマウスにおける骨髄の組織学を描き、顕著な好酸球性染色を伴う様々な成熟段階における造血細胞の合流シートを示す。
図19図19A及び図19Bは、4倍拡大でのファーバーマウスの骨に対するrhACの効果を示す。図19Aは、rhACなしのファーバーマウスの骨を描き、図19Bは、10mg/kg/用量の投与量でのrhACの投与後のファーバーマウスの骨を描く。図19Bは、rhACの投与が、滑膜軟組織(黒色矢じり)、靭帯、及び脂肪パッドの組織球浸潤を減少させたことを示す。
図20図20A及び図20Bは、10倍拡大でのファーバーマウスの骨に対するrhACの効果を示す。図20Aは、rhACなしのファーバーマウスの骨を描き、図20Bは、10mg/kg/用量の投与量でのrhACの投与後のファーバーマウスの骨を描く。図20Bは、rhACの投与が、滑膜軟組織(黒色矢じり)、靭帯、及び脂肪パッドの組織球浸潤を減少させ、骨端軟骨(アスタリスク)の一次海面質を有する軟骨細胞組織を改善し、骨幹(白色矢印)中のより厚く、より頑強な骨性骨梁、及び脂肪パッドの保持を示した。
図21図21A及び図21Bは、4倍拡大でのファーバーマウスの骨髄に対するrhACの効果を示す。図21Aは、rhACなしのファーバーマウスの骨髄を描き、図21Bは、10mg/kg/用量の投与量でのrhACの投与後のファーバーマウスの骨髄を描く。
図22図22A及び図22Bは、10倍拡大でのファーバーマウスの骨髄に対するrhACの効果を示す。図22Aは、rhACなしのファーバーマウスの骨髄を描き、図22Bは、10mg/kg/用量の投与量でのrhACの投与後のファーバーマウスの骨髄を描く。図21B及び22Bは、ファーバーマウスの骨髄が、rhACの投与後に組織球浸潤(正常なマウスに匹敵する)、及びシート中の正常な造血細胞(崩壊していない)を欠いていたことを示す。
図23図23A図23Cは、組織中のマクロファージ極性化に対する10mg/kg rhACの効果を示す。図23Aは、panマクロファージ染色(F4/80)を示す。図23Bは、抗炎症染色(CD206)を示す。図23Cは、図23A及び23Bのオーバーレイを示し、抗炎症マクロファージを示す。
図24】rhACの単回注入後のファーバー病マウスの肝臓中のセラミド濃度を示す。約9週齢のファーバー病マウスの群は、精製rhACの単回腹腔内(IP)注入を示された用量で受けた(n=3/用量)。24時間後、マウスを安楽死させ、全セラミド(Cer)の量を定量し、肝臓からの組織抽出物中の全タンパク質1ミリグラム当たりで表した。「0」は、PBSを注入した同年齢のファーバーマウスを示す。*は、rhACを注入したマウスをPBSを注入したマウスと比較して、p値<0.05を示す。**は、p値<0.01を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
本明細書で使用される場合、「1つ(a)」または「1つ(an)」という用語は、文脈が別段に明確に示さない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数値が近似であり、わずかな変動が本開示の実施形態の実施に著しい影響を及ぼさないことを意味する。数値限定が使用される場合、文脈が別段に示さない限り、「約」は、その数値が±10%だけ変動し、本開示の実施形態の範囲内に留まり得ることを意味する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「動物」という用語は、ヒト及び非ヒト脊椎動物、例えば野生、家畜、及び農場動物を含むが、これらに限定されない。動物はまた、「対象」とも呼ばれ得る。
【0023】
本明細書で使用される場合、「担体」という用語は、化合物が共に投与される希釈剤、アジュバント、または賦形剤を意味する。薬学的担体は、液体、例えば、水、及び石油性、動物性、植物性または合成由来のものを含む油、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油等であり得る。薬学的担体はまた、食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイドシリカ、尿素等であり得る。加えて、助剤、安定剤、増粘剤、滑沢剤、及び着色剤を使用することができる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」(ならびに「comprise」、「comprises」、及び「comprised」などの任意の形態のcomprising)、「有する(having)」(ならびに「have」及び「has」などの任意の形態のhaving)、「含む(including)」(ならびに「includes」及び「include」などの任意の形態のincluding)、または「含有する(containing)」(ならびに「contains」及び「contain」などの任意の形態のcontaining)という用語は、包括的またはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外しない。追加として、「含む(comprising)」という用語と併せて使用される用語はまた、「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語と併せて使用することができると理解される。
【0025】
本明細書で使用される場合、「接触させる(contacting)」という用語は、インビトロ系においてまたはインビボ系において2つの要素を接合することを意味する。例えば、rhACポリペプチドを個体、対象、または細胞と「接触させる」とは、ヒトなどの個体または患者へのポリペプチドの投与、ならびに例えば、ポリペプチドを含有する細胞調製物または精製調製物を含有する試料中に化合物を導入することを含む。追加として、接触させるとは、細胞にポリペプチドをコードする核酸分子を形質移入または感染させることを指し得る。
【0026】
対象に送達される酵素の「有効量」は、ファーバー病の臨床経過を改善するのに十分な量であり、臨床的改善は、熟練者に周知の様々な定義されたパラメータのうちのいずれかによって測定される。
【0027】
本明細書で使用される場合、同じ意味で使用される「対象」、「個体」または「患者」という用語は、マウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、またはヒトなどの霊長類を含む哺乳動物を含む、任意の動物を意味する。
【0028】
本明細書で使用される場合、「それを必要とする」という語句は、対象が特定の方法または治療の必要性を有すると特定されたことを意味する。いくつかの実施形態では、特定は、任意の診断手段によって行われ得る。本明細書に記載の方法及び治療のうちのいずれかにおいて、対象はそれを必要とし得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、「X~Yの整数」という語句は、終点を含む任意の整数を意味する。例えば、「X~Yの整数」という語句は、1、2、3、4、または5を意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、本明細書に記載の化合物が、(a)植物もしくは細胞などの天然源、または(b)合成有機化学反応混合物のいずれかの他の成分から、例えば従来の技法によって分離されることを意味する。
【0031】
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、齧歯類(すなわち、マウス、ラット、もしくはモルモット)、サル、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、またはヒトを意味する。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
【0032】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という語句は、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適した、安全な医学的判断の範囲内にある化合物、材料、組成物、及び/または剤形を意味する。いくつかの実施形態では、「薬学的に許容される」は、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって承認されるか、または動物における、より具体的にはヒトにおける使用に関して米国薬局方もしくは他の一般に認められている薬局方に記載されることを意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「精製された」という用語は、単離されたときに、その単離体が、該単離体の重量で少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の本明細書に記載の化合物を含有することを意味する。
【0034】
本明細書で使用される場合、「実質的に単離される」という語句は、化合物が、それが形成または検出される環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されることを意味する。
【0035】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という語句は、研究者、獣医師、医師、または他の臨床医によって組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて求められている生物学的または薬物的応答を引き出す、活性化合物または医薬品の量を意味する。治療効果は、治療される障害または所望される生物学的効果に依存する。そのようなものとして、治療効果は、障害と関連した症状の重症度の減少、及び/または障害の進行の阻害(部分的もしくは完全)、または障害もしくは副作用の改善された治療、治癒、予防、もしくは排除であり得る。治療応答を引き出すために必要とされる量は、対象の年齢、健康状態、サイズ、及び性別に基づいて決定され得る。最適な量はまた、治療に対する対象の応答のモニタリングに基づいて決定され得る。
【0036】
熟練者に既知の任意の方法を使用して、病態及び治療法の有効性をモニタリングすることができる。病態の臨床モニタとしては、セラミドレベル、体重、関節長さ、炎症、またはファーバー病と関連することが知られている任意の他の臨床表現型が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療された」、または「治療すること」という用語は、治療的処置及び予防的措置の両方を意味し、その目的は、所望されない生理学的状態、障害、もしくは疾患を減速(緩和)すること、または有益なもしくは所望される臨床結果を得ることである。例えば、有益なまたは所望される臨床結果としては、症状の軽減;状態、障害、もしくは疾患の程度の減弱;状態、障害、もしくは疾患の安定した(すなわち、悪化しない)状態;状態、障害、もしくは疾患の進行の発症の遅れまたは速度低下;検出可能であるか検出不能であるかにかかわらず、状態、障害、もしくは病態の緩和または寛解(部分的であるか完全であるかにかかわらず);必ずしも患者によって認識されるとは限らない少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの緩和;または状態、障害、もしくは疾患の強化もしくは改善が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、「ファーバー病の治療」または「ファーバー病を治療する」は、ファーバー病または本明細書に記載の他の疾患と関連付けられる一次現象または二次症状のうちのいずれかを軽減または緩和する活動を意味する。
【0038】
明確にするために別個の実施形態の文脈において説明される本発明に記載のある特定の特徴を、単一の実施形態において組み合わせで提供することもできることがさらに理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において説明される様々な特徴を、別々に、または任意の好適な部分組み合わせで提供することもできる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ファーバー病の治療方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、それを必要とする対象は、ファーバー病と診断される。いくつかの実施形態では、対象はまた、1)皮下結節、2)対照値の30%未満である、白血球、培養された皮膚線維芽細胞、もしくは他の生物源(例えば、血漿)中の酸性セラミダーゼ活性値、ならびに/または3)生物情報学的遺伝子発現研究、及び/もしくは他の方法を通じて、酸性セラミダーゼタンパク質の機能喪失の可能性を示す、酸性セラミダーゼ遺伝子(ASAH1)の両方の対立遺伝子内のヌクレオチド変化を有すると特定される。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脂肪肉芽腫の低減方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脾臓重量の低減方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるセラミド重量の低減方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。セラミドを低減させることはまた、セラミドを減少させることまたはセラミドの代謝を増加させることを指し得、これはセラミドレベルの低減につながる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるスフィンゴシン重量の増加方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、方法は、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を対象に投与することを含む。
【0044】
様々な薬学的組成物が本明細書に記載されており、患者及び医師の選好に基づいて使用され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、溶液である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、rhACを含む細胞馴化培地を含む。本明細書で使用される場合、「細胞馴化培地」という用語は、rhACを発現する細胞を培養するために使用された細胞培養培地を指し、タンパク質は、培地中に分泌され、次いでタンパク質は、培地から単離または精製される。いくつかの実施形態では、培地は、対象を治療するために使用される。例えば、培地を対象の皮膚に適用して、本明細書に記載の疾患、症状、または障害のうちのいずれかを治療することができる。
【0045】
本明細書に記載の投与経路に加えて、いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、対象の皮膚と接触させることによって投与される。いくつかの実施形態では、投与は、非経口投与である。いくつかの実施形態では、投与は、薬学的組成物を対象に注入することを含む。いくつかの実施形態では、投与は、腹腔内注入または静脈内注入である。
【0046】
いくつかの実施形態では、ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脂肪肉芽腫の低減方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脂肪肉芽腫を治療することを含む方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象における脾臓重量の低減方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるセラミドの低減方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象におけるスフィンゴシンの増加方法、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることと、発現したrhACを細胞から単離することと、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの単離された発現rhACを含む薬学的組成物を対象に投与することとを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることが、rhACをコードするベクターを細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、rhACをコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、本明細書に記載の分子、または本明細書により詳細に記載される、rhACポリペプチドまたはその相同体をコードする任意の他の核酸分子である。いくつかの実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。例えば、ベクターは、レトロウイルスベクターまたはDNAウイルスベクター、例えばアデノウィルス、AAV等であり得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドである。いくつかの実施形態では、ベクターは、rhACに操作可能に結合されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、構成的プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは、SV40プロモーター、CMVプロモーター、EF1αプロモーター、もしくはそれらの任意の組み合わせ、または哺乳類細胞中で活性である任意の他のプロモーターである。
【0053】
いくつかの実施形態では、ベクターは、細胞に形質移入または感染される。ベクターを細胞に導入する方法は重要でなく、任意の方法を使用して、細胞中のrhACポリペプチドの十分な発現を提供することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳類細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞ではない。いくつかの実施形態では、細胞は、ハムスター細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、無血清または実質的に無血清の環境で成長させることができる。いくつかの実施形態では、細胞は、CHO-K1細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は、マウス細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、マウス骨髄腫細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、NS0細胞である。いくつかの実施形態では、投与される有効量は、上記及び下記で本明細書に記載のとおりである。
【0055】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、本明細書に記載のとおり投与される。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、経口的に、吸入によって、鼻腔内滴下によって、局所的に、経皮的に、非経口的に、皮下的に、静脈内注入、動脈内注入、筋内注入、胸膜内に、腹腔内に、髄腔内に、または粘膜への適用によって対象に投与される。
【0056】
本明細書で使用される場合、「rhAC」という用語は、組換えヒト酸性セラミダーゼを指す。いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号:1のアミノ酸配列を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号:1の相同体であるタンパク質であるタンパク質である。いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号:2の核酸分子によってコードされる。いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号:3の核酸分子によってコードされる。いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号:4の核酸分子によってコードされる。いくつかの実施形態では、配列は、GenBank受託番号NM_177924.3またはNM_177924.4に定義されるとおりであり、各々は参照によりその全体が組み込まれる。タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号:2、配列番号:3、もしくは配列番号:4に示される完全配列であり得るか、または単に配列のコード領域であり得る。コード領域は、例えば、配列番号:2のヌクレオチド313~1500、または配列番号:3もしくは配列番号:4に見出される対応するコード領域であり得る。しかしながら、当業者に周知であるように、遺伝子コードは変性され、それによって他のコドンを使用して、開示されるものから逸脱することなく、同じタンパク質をコードすることができる。アミノ酸配列は既知であるため、アミノ酸配列をコードする任意のヌクレオチド配列が許容される。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、シグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号:2のヌクレオチド313~375によってコードされるアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、産生されるタンパク質は、配列番号:1のアミノ酸残基1~21のシグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、産生されるタンパク質は、配列番号:1のアミノ酸残基1~21のシグナルペプチドなどのシグナルペプチドを含まない。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、酵素がその異なるサブユニットに処理される翻訳後プロセス中に除去される。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、タンパク質が発現される細胞についてコドン最適化される。いくつかの実施形態では、タンパク質は、α-サブユニット、β-サブユニット等を含む。いくつかの実施形態では、産生されるタンパク質は、配列番号:1のアミノ酸残基22~142、45~139、134~379、143~395、または1~395のペプチドを含む。このペプチドは、単一のタンパク質、または酵素を形成するための異なる配列のポリペプチドであり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、アミノ酸残基1~21を含まない。これらの領域は、単一のヌクレオチド配列または別個のヌクレオチド配列またはヌクレオチド配列の組み合わせによってコードされ得る。本明細書に論じられるように、タンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列を使用することができ、配列番号:2、配列番号:3、または配列番号:4として本明細書に記載される配列に限定されない。
【0058】
いくつかの実施形態では、rhACは、酸性セラミダーゼ(AC)活性を有するが、任意の検出可能な酸性スフィンゴミエリナーゼ活性、例えば下記の実施例1及び2において産生されるrhACを有しない。酸性スフィンゴミエリナーゼ活性は、例えば、熱不活化によって除去され得る。例えば、その全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20160038574号を参照されたい。熱不活化はまた、他の汚染タンパク質をrhAC調製物から除去することができる。同文献。
【0059】
(表1)
【0060】
「相同体」という用語は、参照配列と80%~100%の配列同一性を有するタンパク質配列を指す。2つのペプチド鎖間の同一性パーセントは、Vector NTI v.9.0.0(Invitrogen Corp.,Carslbad,Calif.)のAlignXモジュールのデフォルト設定を使用して、対でのアラインメントによって決定され得る。いくつかの実施形態では、相同体は、配列番号:1などの本明細書に記載の配列と少なくともまたは約80、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、対象に送達されるタンパク質は、本明細書に記載の配列と比較して、保存的置換。非限定の例示的な保存的置換が表2に示され、開示される本発明の範囲内に包含される。置換はまた、酵素の機能、例えば安定性または酵素活性を改善するために行うことができる。保存的置換は、そのような修飾が行われる分子と同様の機能及び化学的特徴を有する分子を産生する。例示的なアミノ酸置換は、下記の表2に示される。
【0061】
(表2)例示的な保存的置換
【0062】
本明細書で使用される場合、「と組み合わせて」という用語は、記載される薬剤が、混合物中で一緒に、単剤として同時に、または単剤として任意の順序で順次に対象に投与され得ることを意味する。
【0063】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、タンパク質は、細胞から産生される。いくつかの実施形態では、細胞は、チャイニーズハムスター卵巣「CHO細胞」である。本明細書に記載のタンパク質をコードする核酸配列は、本明細書に記載のタンパク質のうちの少なくとも1つをコードするゲノムDNAもしくはcDNA、またはRNA(例えば、mRNA)であり得る。cDNAの使用は、宿主細胞に適切な遺伝子発現要素が、所望されるタンパク質の合成を達成するために、遺伝子と組み合わせられることを必要とする。cDNA配列の使用は、cDNA配列が、適切なRNAスプライシング系を欠く細菌または他の宿主中で発現され得るという点で、ゲノム配列(イントロンを含有する)よりも有利であり得る。当業者は、タンパク質を発現するための最良の系を決定することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開第20160038574号に従って産生される。
【0065】
遺伝子コードは変性されるため、2つ以上のコドンを使用して特定のアミノ酸をコードすることができる。遺伝子コードを使用して、1つ以上の異なるオリゴヌクレオチドを同定することができ、各々が本明細書に記載のアミノ酸配列をコードすることができる。
【0066】
ファーバー病またはそれと関連した疾患を治療するために対象に投与される酵素は、精製され得る。タンパク質に関連する「精製された」という用語は、その天然環境における分子と関連する他の材料を実質的に含まないタンパク質を指す。例えば、精製されたタンパク質は、それが由来する細胞または組織からの細胞材料または他のタンパク質を実質的に含まない。この用語は、単離されたタンパク質が分析されるのに十分に純粋であるか、または少なくとも70%~80%(w/w)純粋、少なくとも80%~90%(w/w)純粋、90~95%純粋、及び少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、または100%(w/w)純粋である調製物を指す。いくつかの実施形態では、タンパク質は、例えばCHO細胞に限定されない細胞から精製される。
【0067】
タンパク質の投与、それを含む組成物、及びキット
本明細書に記載されるように、本明細書に提供される実施形態は、ファーバー病の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、治療的または予防的に有効な量の、本明細書に記載の1つ以上のタンパク質を、ファーバー病を有する対象またはファーバー病を有すると疑われる対象に投与することを含む。
【0068】
対象の治療は、治療有効量の、本明細書に記載のタンパク質の投与を含み得る。
【0069】
タンパク質は、本明細書に記載のとおり、キットで提供され得る。
【0070】
タンパク質は、単独でまたは追加の治療薬との混和で使用または投与され得る。追加の治療薬の例としては、酸性スフィンゴミエリナーゼの阻害剤(例えば、アミトリプチリン(Becker et al.,″Acid Sphingomyelinase Inhibitors Normalize Pulmonary Ceramide and Inflammation in Cystic Fibrosis,″Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.,42:716-724(2010)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)及びセラミドシンターゼの阻害剤(例えば、Shiffmann et al.,″Inhibitors of Specific Ceramide Synthases,″Biochimie,94:558-565(2012)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)が挙げられるが、これらに限定されない。追加の治療薬はまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20160038574号に記載されるセラミダーゼ混合物であり得る。
【0071】
AC蓄積の低減が実証されたファーバー病についての現行研究に示されるように、酵素置換療法(ERT)は有効であり得るが、抗体は、薬物、すなわちその効能を低減し得る置換酵素に対して発達し得る。ここで、我々は繰り返し投与が十分に耐容されることを示した。これは置換酵素、特に本明細書に記載の、及び例えば米国特許出願公開第20160038574号に記載の方法に従って産生される酵素の繰り返し投与の治療レジメンが、疾患の症状の低減をもたらすことを支持する。
【0072】
いくつかの実施形態では、ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法は、有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を、約週1回、2、3、もしくは4週間毎に1回、または月1回、約10、約20、もしくは約30週間、1、5、10、もしくは25年間、または対象の寿命にわたって対象に投与することを含む。
【0073】
好適なビヒクルならびにそれらの製剤及びパッケージ化は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(21st ed.,Troy,D.ed.,Lippincott Williams&Wilkins,Baltimore,Md.(2005)Chapters 40 and 41)に記載されている。追加の薬学的方法を用いて、作用期間を制御することができる。制御放出調製物は、化合物を複合体化または吸収するためのポリマーの使用を通じて達成され得る。制御放出調製物によって作用期間を制御するための別の可能な方法は、ポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ(乳酸)、またはエチレン酢酸ビニルコポリマーなどのポリマー材料の粒子に化合物を組み込むことである。あるいは、これらの薬剤をポリマー粒子に組み込む代わりに、これらの材料を、例えば、界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセル及びポリ(メチルメタシレート)-マイクロカプセル内にそれぞれ、またはコロイド薬物送達系、例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロ乳濁液、ナノ粒子、及びナノカプセル中、またはマクロ乳濁液中に取り込むことが可能である。
【0074】
一般に、全身用量のタンパク質を投与する場合、約1ng/kg~100ng/kg、100ng/kg~500ng/kg、500ng/kg~1ug/kg、1ug/kg~100ug/kg、100ug/kg~500ug/kg、500ug/kg~1mg/kg、1mg/kg~50mg/kg、50mg/kg~100mg/kg、100mg/kg~500mg/kg(レシピエントの体重)の範囲のタンパク質の投与量をレシピエントに提供することが望ましいが、より低いまたは高い投与量が投与されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、投与されるrhACの有効量は、約0.1mg/kg~約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約10mg/kg~約50mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約10mg/kg~約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約20mg/kg~約30mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約30mg/kg~約40mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約40mg/kg~約50mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mg/kgである。
【0076】
投与量は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、週1回、週2回、2週間毎に1回、または月1回投与され得る。いくつかの実施形態では、用量は週1回投与される。治療はまた、単回用量スケジュールまたは多回用量スケジュールで付与されてもよく、一連の一次治療は、1~10回の別個の用量を用い、続いて他の用量が、応答を維持及びまたは補強するために必要な後次の時間間隔で、例えば第2の用量については週1回1~4ヶ月間にわたって付与され、また必要であれば、数ヶ月後に後次用量(複数可)が付与され得る。好適な治療スケジュールの例としては、(i)0、1ヶ月、及び6ヶ月、(ii)0、7日、及び1ヶ月、(iii)0及び1ヶ月、(iv)0及び6ヶ月、または疾患症状を低減する、もしくは疾患の重篤度を低減することが予想される所望の応答を引き出すのに十分な他のスケジュールが挙げられる。例えば上記のものであるが、それらに限定されない他の治療スケジュールを使用することもできる。
【0077】
本発明のある特定の態様では、治療は、対象が1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10歳未満、または1~2、3、4、5、6、7、8、9、10、25、50、60、70、もしくは80歳(例えば、1~2、1~3等)であるときに開始される。いくつかの実施形態では、対象は、16~61歳である。いくつかの実施形態では、対象は、16歳で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、12~69歳である。いくつかの実施形態では、対象は、12歳で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、19~74歳である。いくつかの実施形態では、対象は、19歳で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、4~62歳である。いくつかの実施形態では、対象は、4歳で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、7~42歳である。いくつかの実施形態では、対象は、7歳で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、1~6ヶ月齢である。いくつかの実施形態では、対象は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、または6ヶ月齢で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、6~43歳である。いくつかの実施形態では、対象は、6歳で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、5~31歳である。いくつかの実施形態では、対象は、5歳で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、5~57歳である。いくつかの実施形態では、対象は、5~29歳である。いくつかの実施形態では、対象は、1~3歳である。いくつかの実施形態では、対象は、1歳で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、10~70歳である。いくつかの実施形態では、対象は、10歳で治療を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、5~80歳、10~70歳、20~75歳、5~60歳、または5~30歳である。
【0078】
いくつかの実施形態では、ファーバー病と診断された対象は、rhACを約1mg/kg~約5mg/kg rhACまたは約2mg/kg~約5mg/kg rhACで2週間毎に投与される。一実施形態では、投与量は、4週間目に1mg/kgまたは2mg/kgから5mg/kgに上昇する。用量レベルが個々の対象によって耐容されない場合、その対象の用量は、必要に応じて2mg/kgから1mg/kgまたは5mg/kgから2mg/kgに低減されてもよい。rhACは、2週間毎に少なくとも10、20、もしくは30週間にわたって、または対象の寿命にわたって投与され得る。一実施形態では、対象はファーバー病と診断され、また、1)皮下結節、及び/または2)対照値の30%未満である、白血球、培養された皮膚線維芽細胞、もしくは他の生物源(例えば、血漿)中の酸性セラミダーゼ活性値、ならびに/あるいは3)生物情報学的遺伝子発現研究、及び/もしくは他の方法を通じて、酸性セラミダーゼタンパク質の機能喪失の可能性を示す、酸性セラミダーゼ遺伝子(ASAH1)の両方の対立遺伝子内のヌクレオチド変化を有すると特定される。いくつかの実施形態では、対象は、rhACを2週間毎に28週間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、rhACの送達は、静脈内注射(例えば、生理食塩水注射)によるものである。いくつかの実施形態では、約2mg/kgで開始し、約5mg/kg rhACまで(例えば、4週間目に5mg/kgまで)上昇させる。
【0079】
例えば、部位特異的投与は、例えば、関節内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、腔内(intracavitary)、腔内(intracelial)、小脳内、側脳室内、結腸内、子宮頸部内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、関節滑液嚢内、胸郭内、子宮内、膀胱内、病変内、膣、直腸、頬側、舌下、鼻腔内、または経皮手段による、体区画または体腔に対するものであり得る。
【0080】
本明細書に記載の治療的組成物は、非経口(皮下、筋内、もしくは静脈内)または任意の他の投与に使用するために、特に液体溶液または懸濁液の形態で調製され得る。製剤はまた、注入可能な製剤に好適であり得る。いくつかの実施形態では、注入可能な製剤は、滅菌である。いくつかの実施形態では、注入可能な製剤は、発熱物質を含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、本明細書に記載の抗原以外の他の抗原に結合する他の抗体を含まない。
【0081】
ファーバー病もしくはrhAC活性と関連する他の疾患を治療することができる、またはrhAC関連病理を治療するために使用することができるrhACのタンパク質は、関連症状または病理の低減、解決、または改善に影響を及ぼすのに十分な量で対象に提供されることが意図される。そのような病理は、対象における本明細書に記載のファーバー病の症状を含む。量は、薬剤の投与量、投与経路、及び投与スケジュールがそのような応答に影響を及ぼすのに十分である場合、症状の低減に「影響を及ぼす」のに十分である、または「治療有効量」であると言われる。タンパク質に対する応答は、撮像技法によってまたは組織試料のエクスビボ分析によって、対象の罹患組織、器官、または細胞の分析によって測定することができる。薬剤は、その存在がレシピエント患者の生理に検出可能な変化をもたらす場合、生理学的に重要である。いくつかの実施形態では、量は、対象が曝露されるファーバー病の症状を治療、改善、または阻害するために使用され得る量である場合、治療有効量である。そのような量の非限定例は、本明細書に提供されているが、文脈が別の量を規定する場合、そのような量に限定されることを意図しない。
【0082】
いくつかの実施形態では、治療の効能は、以下の手段のうちのいずれかによって査定される。
・28週間のrhACによる治療後の正味結節数(≧5mm)におけるベースラインからの変化率、
・28週間のrhACによる治療後の正味結節数(≧10mm)におけるベースラインからの変化率及びプラセボとの比較、
・28週間のrhACによる治療後の全結節数(サイズにかかわらず)におけるベースラインからの変化率及びプラセボとの比較、
・28週間のrhACによる治療後の、選択された関節における関節可動域のベースラインからの変化及び変化率、ならびにプラセボとの比較、
・28週間のrhACによる治療後の、6分歩行距離のベースラインからの変化及び変化率、ならびにプラセボとの比較、
・28週間のrhACによる治療後の、肺機能試験のベースラインからの変化及び変化率、ならびにプラセボとの比較、
・28週間のrhACによる治療後の、FDTスコアのベースラインからの変化及び変化率、ならびにプラセボとの比較、
・28週間にわたるrhACまたはプラセボによる治療中の年齢に対する体重及び身長のZスコアのベースラインからの変化及び変化率。
【0083】
タンパク質は、薬学的に有用な組成物を調製するための既知の方法に従って調合することができ、それによりこれらの材料またはそれらの機能的誘導体は、薬学的に許容される担体ビヒクルとの混和物中で複合される。
【0084】
本明細書で以下に記載される、本明細書に記載の実施形態を実行するために有用なキットもまた提供される。いくつかの実施形態では、キットは、上記のポリペプチドを含有する、またはそれと共にパッケージ化される第1の容器を含む。キットはまた、実施形態を実行するために必須または便利な関連溶液を含有する、またはそれと共にパッケージ化される別の容器を含み得る。容器は、ガラス、プラスチック、またはホイルで作製することができ、バイアル、瓶、パウチ、管、袋などであり得る。キットはまた、実施形態を実行するための手順などの文字の情報、または第1の容器手段に含有される試薬の量などの分析的情報を含み得る。容器は、文字の情報と共に、別の容器装置、例えば箱または袋内にあり得る。
【0085】
本明細書で提供されるさらに別の態様は、ファーバー病を治療するためのキットである。いくつかの実施形態では、キットは、rhACポリペプチドまたはそれをコードする核酸分子を含む少なくとも1つの容器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、rhACを発現するように構成された細胞を含む容器を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、CHO細胞である。いくつかの実施形態では、キットは、rhACを発現する細胞に由来する馴化培地を含む。いくつかの実施形態では、馴化培地は、CHO細胞に由来する。
【0086】
本発明は、これから次の実施例を参照して記載される。これらの実施例は、例示の目的のために提供されるにすぎず、添付の特許請求の範囲は、これらの実施例に限定されないが、むしろ、本明細書に提供される教示の結果として明白になる、あらゆる全ての変形を包含すると解釈されるべきである。当業者であれば、本質的に同様の結果をもたらすために変更または修正ができるであろう様々な重要性の低いパラメータを容易に認識することになる。
【実施例0087】
ファーバー病は、複数の関節に肉芽腫病変及び脂質貯蔵の証拠を有する14ヶ月齢の乳児において、1952年に最初に記載された(Farber,1952)。続く10年間にわたって、他の同様の症例が記載され、全てが同様の病変を有し、多くの場合、咽頭上の病変の存在に起因する特徴的な「かすれた」泣き声または声を呈した。これらの患者の一部における、肺、肝臓、脾臓、及び中枢神経系(CNS)を含む他の器官系の関与もまた言及された。
【0088】
1972年に、Sugitaら(Sugita et al.,1972)は、数人のファーバー病患者からの検死組織及び細胞が、酸性セラミダーゼ(AC)欠乏を呈したことを実証した。酸性セラミダーゼ(E.C.番号3.5.1.23)は、1963年(Gatt)に最初に特定された脂質ヒドロラーゼである。酵素は、約5の最適pHを有し、リソソーム系の成分であることを示唆するが、生理学的pHで、基質として脂肪酸及びスフィンゴシンを使用して、セラミドが合成される「逆」反応を実行できることも示された(レビューについては、Schuchman et al.,2016を参照)。
【0089】
酵素の第1の実質的精製は、1995年にヒト尿から行われた(Bernardo et al.,1995)。精製された尿酵素は、約50kDaポリペプチドであり、これは13及び40kDaポリペプチドに還元することができた(それぞれa-及びb-サブユニット)。脱グリコシル化研究は、b-サブユニット上の5つまたは6つのN-グリコシル化部位の存在を明らかにした。高度に精製された組換えヒトAC(rhAC)の可用性は、ACをコードするcDNA及び遺伝子(ASAH1)の単離(Koch et al.,1996、Li et al.,1999)、ファーバー病を引き起こす第1の変異の同定(Koch et al.,1999)、ならびにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞からのrhACの産生及び精製(He et al.,2003)につながった。
【0090】
CHO細胞培地から精製されたrhACの特徴付けは、それがジスルフィド結合によって会合された3つのポリペプチド、前駆体ポリペプチド、ならびにa及びβ-サブユニットで構成されていたことを示した。前駆体ポリペプチドは、システイン残基142での内部切断がサブユニット形成をもたらすまで不活性であった。さらなる研究は、ACが、自己切断酵素であり、「自動活性化」を受けた(Shtraizent et al.,2008)ことを示した。ファーバー病細胞は、rhACを内在化することができ、蓄積セラミドの分解をもたらした。組換え酵素はまた、逆反応を実行することができたが、この反応の生理学的重要性及び分解機能と合成機能の間の均衡を左右する因子は依然として不明である(Okino et al.,2003)。
【0091】
本開示の前に、ファーバー病患者の治療は、対症的であり、主に疼痛の低減を目的としていた。数人の患者において造血幹細胞移植(HSCT)が行われ(例えば、Torcoletti et al.,2014)、移植手順自体が成功である限り、全体転帰は前向きなものであった。そのような移植患者は、疼痛の著しい低減、増加した運動性及び移動性、またある場合には、皮下結節の縮小及び完全解消を呈する。しかしながら、移植成功は、組織適合性ドナー細胞を必要とし、患者を侵襲性かつ潜在的に危険な免疫抑制レジームに曝露する。HSCTの1つの代替例は、遺伝子療法であり、自家ドナー細胞が、治療的タンパク質を発現するベクターで形質導入され、組織適合性ドナーの必要性を省く。このアプローチは、ファーバー病ノックインマウスにおいて評価され、組織セラミド及びマクロファージ浸潤の低減をもたらした(Alayoubi et al.,2013)。
【0092】
本実施例は、ファーバー病を治療するための酵素置換療法(ERT)が、rhACを使用するノックインマウスモデルにおけるERTの使用に基づいて、有効であることを実証する。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、本明細書に提供される結果は、rhAC治療が、特に軟骨部位におけるファーバーマウス及び患者の組織への脂質充填マクロファージの浸潤に関与するセラミド駆動型炎症応答を逆転及び/または妨げることを実証し、セラミドの低減がより良い転帰及び治療につながると考える。
【0093】
実施例1
材料及び方法
rhACの産生及び特徴付け
ヒトAC cDNA(NM_177924.3由来、ASAH1変異形1)を、Selexis SURE CHO-M細胞株(商標)(Selexis SA,Switzerland)に導入し、AC活性を過剰発現するクローンを選択した。1つの過剰発現するクローン(MST-cp07-cp47)をさらに拡張し、バイオリアクターシステム(GE Healthcare Life Sciences Inc.)中で成長させた。ろ過後、連続イオン交換及びサイズ分画クロマトグラフィーによって、rhACを培地から精製した。動物におけるその使用前に、インビトロ物理的及び生化学的特徴(例えば、最適pH、等電点、分子量、サブユニット会合)を、確立された方法によって、以前に記載されたCHO由来のrhAC(He et al.,2003)と比較した。産生されたrhACは、検出可能な酸性スフィンゴミエリナーゼ活性を有しないことが決定された。
【0094】
ファーバーマウスコロニー
asah1P361R/P361R変異体マウス(すなわち、ファーバー病マウス)のコロニーを、以前に記載されているように(Alayoubi et al.,2013)、ヘテロ接合体交配対を飼育することによって、混合された遺伝的背景(W4/sv129/C57Bl)上で維持した。別段の記載がない限り、離乳時(3週間)におけるトゥクリップDNAの分析によって、遺伝子型決定を行った。全ての実験は、Institutional Animal Care and Use Committee(動物実験及び使用委員会)によって承認されたプロトコル(番号98-0089)の下、Icahn School of Medicineにおいて行った。野生型マウスを対照として使用し、コロニー内から誘導した。動物に食餌及び水を自由に与え、ケタミン/キシラジン注入によって安楽死させた後、NIHガイドラインに従って頸椎脱臼を行った。
【0095】
細胞培養分析
ファーバー病患者からの以前に特徴付けられた(Chatelut et al.,1997)EBV形質転換線維芽細胞株は、Dr.Thierry Levade(Toulouse,France)の厚意で提供された。10%の熱不活化ウシ胎仔血清(FBS)(v/v)、1%のペニシリン/ストレプトマイシン(v/v)、1%のL-グルタミン(v/v)、及び0.1%のフンギゾン(v/v)を含有するRPMI培養培地(Sigma-Aldrich)中で細胞を成長させた。MST-cp07-cp47培地に分泌されたrhACを評価するために、シェーカーフラスコ中で48時間成長させたCHO細胞クローンから馴化培地を収集した。形質転換されたファーバー病線維芽細胞を、約80%の培養密度まで成長させ、標準RPMI培地を馴化培地と交換した。次いで、血清の不在下でさらに48時間細胞を成長させ、その後にそれらをトリプシン化し、ラバーポリスマンで採取した。細胞ペレットをPBSで3回洗浄し、下記のように細胞溶解物上で脂質アッセイを行った。
【0096】
マウス半月板の関節面から軟骨細胞を単離した。10%のFBS(v/v)、1%のペニシリン/ストレプトマイシン(v/v)、1%のL-グルタミン(v/v)、及び0.1%のフンギゾン(v/v)を含有する新鮮なDMEM(Thermo Fisher)中で組織単離体を収集し、ハサミで細かく切り刻んだ後、1mg/mLのプロテアーゼを含有するDMEMに移し、37℃で2時間回転させた。次いで、1mg/mLのコラゲナーゼII型を含有するDMEM中でそれらをインキュベートし、37℃で一晩回転させた。残りの組織を、40μmのナイロンメッシュフィルターに3回通して漉し、残屑を除去した。細胞懸濁液を遠心分離し(1000rpmで5分間)、細胞を10,000細胞/cmの密度で播種して、完全DMEM中で培養した。培地は、3日毎に交換した。rhAC補充実験の場合、培地中でrhACを用いて(12.5μg/mL)及びrhACを用いずに細胞を成長させた。細胞を最初に播種したとき、rhACのみを1日目に添加した。後次の培地交換は、rhACを含んでいなかった。
【0097】
rhAC調製物及び酵素の投与
MST-cp07-cp47 CHO細胞クローンの培地から得られた精製されたrhACを、滅菌PBS中10mg/mLの濃度で維持し、-20℃で貯蔵した。それを使用前に1回だけ解凍サイクルに供した。ファーバーマウスへの酵素投与は、別段の記載がない限り、腹腔内(i.p.)注入によるものであった。マウスに投与される酵素の量は、所望の用量(μg/g)及び動物の体重に基づいていた。必要な場合、投与前に酵素を滅菌PBS中に希釈した。対照ファーバー病マウスにPBSを単独で注入した。
【0098】
全組織セラミド及びスフィンゴシンの定量
クロロホルム/メタノール(2:1)を使用して、伝統的なFolch法(Folch et al.,1957)によって組織ホモジネートまたは細胞溶解物から脂質抽出物を調製した。次いで、窒素ガス下で脂質抽出物を乾燥させ、2%のIgepal溶液中に再溶解した。セラミド決定の場合、セラミド加水分解緩衝液(0.3MのNaCl及び0.2μg/μLのrhACを含有する0.2Mのクエン酸/リン酸緩衝液、pH4.5)を、全脂質抽出物溶液と混合し(1:1、v/v)、37℃で60分間インキュベートした。標準反応の場合、各2μLの脂質抽出物及びセラミド加水分解緩衝液を使用した。次いで、この混合物を、1.25mMのシアン化ナトリウム及び1.25mMのナフタレン-2,3-ジカルボキシアルデヒド(NDA)を含有する56μLの蛍光発生反応緩衝液(25mMのホウ酸ナトリウム緩衝液、pH9)を用いて50℃でさらに10分間インキュベートして、スフィンゴシンを誘導体化した。
【0099】
次いで、混合物を遠心分離し(13,000xg/10分)、Waters Acquity UPLC BEH RP18カラム(2.0×50mm、1.7マイクロメートル)を備えるAcquity H-Class UPLCシステム(Waters)を使用して、5μLの上清を分析した。勾配系の移動相組成物は、移動相Aについては0.1%の水酸化アンモニウム、移動相Bについては100%のアセトニトリルであった。勾配プログラムは、1mL/分の流量で0~0.01分 36~4% A、64~96% B、0.01~0.3分 4~36% A、96~64% B、0.3~1分 36% A、64% Bであった。蛍光(NDA)スフィンゴシンを、それぞれ252nm及び483nmの励起及び放出波長でモニタリングした。スフィンゴシンピークの定量は、市販の(Molecular Probes)NDAスフィンゴシンから誘導された標準曲線に従って、Waters Empowerソフトウェアを使用して計算した。
【0100】
スフィンゴシンの定量の場合、セラミド加水分解ステップを排除したことを除いて、同じ手順を使用した。このようにして、脂質抽出物中に存在する内因性スフィンゴシンは、NDAで直接誘導体化することができた。
【0101】
AC活性アッセイ
試料(組織ホモジネートまたは細胞溶解物)を、基質緩衝液(0.2mM NBD-C12セラミド、0.2Mのクエン酸/リン酸緩衝液(pH4.5)、0.3MのNaCl、10%のFBS、及び0.2%のIgepal)を用いて、37℃で30分間インキュベートした(1:1、v/v)。NBD-C12セラミドは、Avanti Polar Lipidsから購入した。エタノール(10x)によって反応を停止させ、遠心分離して(13,000xg/10分)、Acquity H-Class UPLCシステム(Waters)を使用して上清(5μL)を分析した。未分解のNBD-C12セラミド基質及びNBD-C12脂肪酸反応産生物の分離は、Waters Acquity UPLC BEH C18カラム(2.0×30mm、1.7μm)を使用して達成された。勾配系の移動相組成物は、移動相Aについては13mMの酢酸アンモニウム緩衝液(pH7.2)、移動相Bについては100%のアセトニトリルであった。勾配プログラムは、1.2mL/分の流量で0~0.1分 68~0% A、32~100% B、0.1~0.4分 0~68% A、100~32% B、0.4~0.8分 68% A、32% Bであった。蛍光産生物(NBD-C12脂肪酸)を、それぞれ435nm及び525nmの励起及び放出波長でモニタリングした。産生物ピークの定量は、市販のNBD-C12脂肪酸(Avanti)から誘導された標準曲線に従って、Waters Empowerソフトウェアを使用して計算した。
【0102】
MCP-1 ELISA
安楽死の直後に、心臓穿刺によってマウスから血液を収集し、血漿を-20℃で冷凍した。血漿単球化学吸引性タンパク質(MCP)-1を、製造元によって供給されるプロトコルに従って市販のキット(番号MJE00、R&D Systems)を使用し、ELISAによって決定した。
【0103】
RT-qPCR分析
7日または14日の拡張後、rhACを補充した軟骨細胞及び補充していない軟骨細胞を、培養フラスコから採取した(約1×10細胞/ペレット)。qiaShredder及びRNeasyミニキット(Qiagen,Limburg,Netherlands)を使用してRNAを抽出し、Nanodrop 1000(Thermo Scientific,Walthman,MA)を使用して定量した。各群から同量のRNAを使用し、高容量cDNA逆転写キット(Life Technologies,Grand Island,NY)及びBio-Rad S1000熱循環器(Bio-Rad,Hercules,CA)を使用して、相補性DNAを合成した。コラーゲンII(Col2a1、Rn01637087_m1)、アグリカン(Agg,Rn00573424_m1)、Sox9(Sox9、Rn01751069_mH)、及びGAPDH(ハウスキーピング遺伝子としてのRn01775763_g1)に特異的な高速ユニバーサルPCR Master Mix及びプライマー(Life Technologies,Grand Island,NY)を使用し、7900HT qPCR機(Life Technologies、Grand Island、NY)を稼働して、RT-qPCRを完了させた。ΔΔct法を使用してデータを分析し、結果を相対量(RQ)倍増として提示した。
【0104】
組織病理学
安楽死に続いて、マウスから組織を採取し、10%のホルマリン中で24時間固定した後、分析の準備ができるまでエタノール中で貯蔵した。H&E染色の場合、それらをパラフィン包埋し、マイクロトームで切片化(5μ)した。
【0105】
統計情報
2つの群間の比較は、スチューデントt検定を用いて行った。3つ以上の群を互いに比較する場合、一元配置分散分析(ANOVA)に続いてターキーのHSD検定を使用した。SPSS統計ソフトウェア を使用して、全ての統計分析を行った。
【0106】
結果
rhACのインビトロアセスメント
この研究に使用したrhACは、過剰発現するCHO細胞クローン(MST-cp07-cp47)の培地から精製した。図11に示されるように、酵素は高度に精製され、それぞれ予想されるα-及びβ-サブユニットに対応して、非還元SDS PAGE条件下で約50kDaのバンド、及び還元条件下で約13kDa及び40kDaのバンドを呈した。この分泌された酵素の生理活性を確認するために、MST-cp07-cp47細胞から馴化培地を収集し、ファーバー病患者から得られたEBV形質転換線維芽細胞に添加した(Chatelut et al.,1997)。24時間後に細胞を採取し、全セラミド及びスフィンゴシンを定量した。図1A及び図1Bは、馴化培地(CM)中で成長した細胞が、標準培地(M)中で成長した細胞と比較して、著しく低減したセラミド(図1A)及び上昇したスフィンゴシン(図1B)を有していたことを示し、分泌されたrhACが細胞によって内在化され、触媒的に活性であったことを実証する。
【0107】
ファーバー病マウスへのrhACの急性投与
ファーバーマウスにおける初期研究は、4つの異なる用量(0.1、1、10、及び50mg/kg)での約9週齢の動物への精製rhACの単回投与を評価した。この年齢で罹患したマウスは、組織中の大量のセラミド貯蔵を呈する(Alayoubi et al.,2013)。マウスが極めて小さいサイズであり、かつ高用量(50mg/kg)注入に必要な量が比較的大きい量(約75μL)であるために、尾静脈ではなく腹腔内(i.p.)注入を使用した。
【0108】
図2A図2D及び図24は、注入後24時間におけるファーバー病マウスの肝臓及び脾臓(それぞれ図2C及び2D)中の全セラミド(Cer)(図2A及び図24)ならびにスフィンゴシン(Sph)(図2B)に対する異なるrhAC用量の効果を示す。全体として、rhAC投与は、恐らくは大量のセラミド蓄積及びrhACの単回投与が使用されたという事実に起因して、最大還元がわずか約40%であったにもかかわらず、両方の組織におけるセラミド低減につながった。1mg/kgの用量で効果が見られた。同様の効果は、より高用量の10mg/kg及び50mg/kgでも見られた。
【0109】
セラミド還元とは対照的に、スフィンゴシンの用量応答性の増加は、両方の組織において観察された。重要なことに、50mg/kgの高用量も含めて、酵素注入に対する有害反応は明白ではなかった。
【0110】
酵素の薬物動態をインビボでさらに評価するために、ファーバー病マウスは、10mg/kgのrhACの単回注入を受け、AC活性、全セラミド、及びスフィンゴシンを、肝臓(それぞれ図3A、3B、及び3C)ならびに脾臓(それぞれ図3D、3E、及び3F)中で注入後12、24、48、72、及び168時間で決定した。肝臓中のAC活性は、注入後12時間でピークに達し、最長48時間にわたって維持された。72時間までに、肝臓AC活性はベースラインに戻った。肝臓セラミドは、24時間までに最大に低減され、最長168時間にわたってそのような低レベルで維持された。スフィンゴシンレベルは、注入後12時間で増加したが(セラミド破壊に対応する)、24時間までにベースラインに戻った。これは、rhAC由来のスフィンゴシンの急速な分解または代謝のいずれかを示した。
【0111】
脾臓中のピークAC活性が、肝臓と比較してわずかに遅かったことを除いて(24時間対12時間でのピークAC活性)、同様の薬物動態パターンが脾臓中で観察された。単回尾静脈注入に続く、ファーバー病マウス中のAC活性の血漿半減期も評価したところ、T1/2は約36分であることが見出された(図12)。
【0112】
上記の投与研究に基づいて、rhACがインビボで生理活性であり(セラミドを低減し、スフィンゴシンを産生した)、ファーバー病マウスへの単回腹腔内注入が、最大50mg/kgの用量で十分に耐容され得ると結論付けた。また、少なくとも週1回の繰り返し投与が、酵素投与後の比較的低速の再蓄積に起因して、低セラミドを維持し、治療効果を達成するのに十分であるはずであると結論付けた。
【0113】
ファーバー病マウスへのrhACの繰り返し投与
次に、ファーバー病マウスの群に3用量のrhAC(1、3、及び10mg/kg)を、約3週齢で開始して週1回腹腔内注入した。IACUCプロトコルに従って安楽死が必要とされるまで(1週間以内に10%超の体重喪失)、マウスを酵素処置して維持した。したがって、この研究の主なエンドポイントは生存であった。
【0114】
図4は、全ての処置群において明らかな生存に対する酵素注入のわずかな効果を示す。しかしながら、用量応答は観察されなかった。体重喪失の予防に対するERTのわずかな効果もまた見出されたが、同様に明らかな用量応答は認められなかった(図13)。マウスが安楽死エンドポイントに到達したとき、分析のために血液及び組織を収集した。生存がこの研究の主なエンドポイントであったため、全ての動物が安楽死前に同数の酵素注入を受けたとは限らないことに留意されたい。安楽死は、最後の酵素注入の2~3日以内に実行された。
【0115】
ERTは、1mg/kg用量であっても、正常マウスと比較してファーバー病マウスの脾臓重量を低減した(図5A)。ファーバー病マウス及び患者において上昇するマクロファージケモカインである血漿MCP-1もまた(Dworski et al.,2017)、ERTによって著しく低減されたが、そのレベルは正常動物のレベルに到達することはなかった(図5B)。
【0116】
全セラミド及びスフィンゴシンを、安楽死後に6つの組織(肝臓、脾臓、腎臓、肺、心臓、及び脳)中で定量した。ERTによるセラミドの用量応答性低減は、全ての組織において観察された(図6A~6F)。肝臓セラミドは、正常まで低減され(図6A)、脾臓セラミドは80%超低減され(図6C)、心臓(図6B)、肺(図6F)、及び腎臓(図6D)セラミドは60%超低減された。驚くべきことに、脳セラミドは、最大3mg/kgの用量で、未処置のファーバー病マウスと比較してわずかに低減された(図6E)。
【0117】
興味深いことに、スフィンゴシンが、いくつかのファーバー病マウス組織(肝臓(図7A)、腎臓(図7D)、及び脳(図7E)中で実質的に上昇したことも見出した。これらの組織中のスフィンゴシンの上昇は、非リソソームセラミドによる蓄積セラミドの破壊に起因していたと推測する。rhAC投与に続いて、スフィンゴシンレベルは、ERTにより肝臓(図7A)及び脳(図7E)中で正常に低減され、また腎臓(図7D)中で著しく低減された。明らかな用量応答が観察された。
【0118】
組織学的アセスメントもまた、処置されたファーバー病マウス及び対照からの代表的な肝臓及び脾臓切片上で実行し、ERTに続いて貯蔵マクロファージの低減が観察された(図8A及び8B)。全てのファーバー病マウスは、繰り返し酵素注入に十分に耐容し、薬物関連の有害事象は認められなかった。
【0119】
全体として、上記の発見は、ファーバー病マウスにおけるERTが、組織セラミド及びスフィンゴシン、マクロファージ浸潤、脾臓サイズ、ならびに血漿MCP-1レベルを含むいくつかの重要なエンドポイントに対して著しい影響を有することを実証した。驚くべきことに、rhACが脳に影響を及ぼし得る(例えば、蓄積スフィンゴシンの低減)いくつかの証拠もあった。
【0120】
これらの発見をさらに探求するために、次に、ファーバー病マウスを、約3日齢で開始して、遺伝子型決定の直後に10mg/kgの用量(週1回、腹腔内)で処置する研究を行った。この研究の根底にある理論的根拠は、早期処置が、他のマウスLSD研究と同様に、脳においてさらなる効果を提供し得ることであった(Vogler et al.,1999)。
【0121】
図14に示されるように、早期処置は、著しい生存効果をもたらした(101日対78日の平均生存)。脂質分析(図9A~9F)は、肝臓(図9A)、脾臓(図9C)、心臓(図9B)、及び肺(図9F)中のセラミドもまた、3週目に開始したマウスと比較して、早期処置を受ける動物において低減されたことをさらに示した。しかしながら、驚くべきことに、早期処置は、腎臓(図9D)及び脳(図9E)中でより高いセラミドをもたらした。早期処置に供されたマウスは、早期開始年齢及びより長い生存期間に起因して、3週目に開始したマウスよりも平均約6~7回多くのrhAC注入を受けたことに留意されたい。スフィンゴシンはまた、早期処置を受けた肝臓において著しく低減され(図15A)、肺においてわずかに低減した(図15F)。他の器官中のレベルは、2つの処置群間で同等であった(図15B心臓、15C脾臓、15D腎臓、及び図15E脳)。
【0122】
ファーバー病マウスの軟骨細胞に対するrhAC処置のインビトロアセスメント
上記のように、マクロファージで充填された結節(「脂肪肉芽腫」)は、全てのまたは大部分のファーバー病患者の軟骨部位において形成し、衰弱する軟骨疾患につながる。ファーバー病マウスは、目に見える結節を形成しないため、ヒト障害のこの特徴は、これらのERT研究では評価することができなかった。しかしながら、我々は、罹患したマウスから軟骨細胞を単離し、それらをrhACによりインビトロで処置して、この重要な細胞型による酵素取り込み及び効能を査定した。図10A~10Cに示されるように、未処置のファーバー病マウスからの軟骨細胞は、いくつかの軟骨細胞マーカー遺伝子(コラーゲン2(図10A)、アグリカン(図10B)、及びSox-9(図10C))の非常に低い発現を呈し、培養培地へのrhACの添加は、発現を顕著に強化した。これらの発見は、この重要な病理学的細胞型による酵素の取り込み及び軟骨細胞表現型を訂正する可能性を実証した。
【0123】
考察
これらの実験の目的は、ファーバー病患者における今後のERT研究のための概念証明を確立するために、ファーバー病のマウスモデルを使用することであった。ファーバー病マウスは、深刻なヒトファーバー病変異(P362R)のノックインであり、対応してそのマウスは、約7~13週齢の死をもたらす深刻な疾患を呈する。罹患したマウスは、例外的に小さく生まれ、成長障害及び約4~5週齢で開始する急速な衰弱を呈する。患者と同様に、マウスは、大部分の組織においてセラミドを蓄積し、マクロファージ浸潤を呈する。マウスはまた、高レベルのいくつかの炎症性バイオマーカーを有し、これらのうちMCP-1は、最も重要であり、一貫している。患者とは異なり、ファーバー病マウスは、軟骨部位に目に見える結節を発達させないが、軟骨及び滑膜組織におけるマクロファージ浸潤の組織学的証拠が存在する。マウスが結節を発達させないという事実は、それらの顕著に短縮された寿命に起因し得る。
【0124】
これらの研究に使用したrhACは、過剰発現するCHO細胞の培地から精製した。細胞株は、「適正製造基準」(GMP)条件下で調製され、維持されたことを除いて、我々の以前の研究と同様に同じcDNAを発現した(He et al.,2003)。加えて、精製プロトコルを、スケールアップ及び最終的な臨床使用に対応するように、我々の以前の研究から修正した。図11に示されるように、このrhACは、我々の以前のrhACと同じ分子量及びサブユニット会合を呈した。この酵素の生理活性を確認するために、過剰発現するCHO細胞からの馴化培地を使用して、SV40形質転換したファーバー病皮膚線維芽細胞を処置したところ、標準組織培養培地中で成長させた細胞と比較して、著しいセラミド低減及びスフィンゴシン上昇をもたらした。
【0125】
ファーバー病マウスにおいてこのrhACを使用する急性注入研究は、この酵素の生理活性をさらに明らかにし、組織セラミドの低減及びスフィンゴシンの産生をもたらした。いくつかの重要な発見が、これらの急性投与研究から観察された。a)0.1mg/kgという低い用量が生物学的効果を有していた。b)最大50mg/kgの用量が十分に耐容され、毒性効果を呈しなかった。c)10mg/kgと比較して、50mg/kg用量の利点はなかった。d)スフィンゴシン上昇は、セラミド低減よりも直線的かつ用量応答性のパターンを呈した。e)相当の疾患を有する9週齢の動物においても、セラミド貯蔵の逆転が明らかであった。rhACの単回注入後に、セラミドレベルが最長1週間にわたって低減したままであり、比較的遅い再蓄積速度を示したことも顕著であった。
【0126】
これらの観察からいくつかの興味深い点が生じる。最初に、我々は、特にrhACの大半が送達される肝臓における高度に毒性かつ生理活性のスフィンゴ脂質であるスフィンゴシンの産生に一部起因して、ファーバー病マウスにおける高用量のrhAC投与に対していくらかの毒性を観察し得ると予測した。同様の高用量の毒性は、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠乏(Niemann-Pick病)マウスにおいて観察されており、後次にスフィンゴシンに転換されるセラミドの産生に原因があった(Murray et al.,2015)。恐らくは産生された比較的低いレベルのスフィンゴシン及び上昇の過渡的性質に起因して、ファーバー病マウスではこれが観察されなかった。実際に、ナノモルレベルのスフィンゴシンは、rhACによるセラミド加水分解から組織中で産生されたが、わずかにピコモルレベルが検出された(図2A~2D及び図3A~3Fを参照)。これは、rhACによって産生されたスフィンゴシンの大半が、急速に分解されるまたは再代謝されるかのいずれかであったことを示した。今後、スフィンゴシンキナーゼ及びスフィンゴシン溶解物を含む、ファーバー病マウス及び患者におけるスフィンゴシン代謝に関与した酵素のベースラインレベルを調べて、これらの酵素の過剰発現がこの観察に関与し得るかどうかを見ることが関心対象となるであろう。現行データはまた、rhAC処置によって産生され得る追加の脂質を特定し、下流スフィンゴシン代謝物を表すために、より詳細なリピドーム分析を保証する。また、ファーバー病マウスにおける急性投与研究は、酵素投与後のセラミドの比較的遅い再蓄積を明らかにし、このERTが、臨床的に隔週、または恐らくはそれよりも少ない頻度で、ファーバー病患者に投与され得ることを示唆する。rhAC投与に続く肝臓内のAC活性の持続した、またある程度二相性発現を観察したことも興味深い(最長48時間、図3A)。これは、初期送達、分泌、次いで肝臓細胞による再取り込みに起因し得、より持続した放出を可能にする。
【0127】
次に、ファーバー病マウスにおける酵素の繰り返し投与を評価した。この若年齢であっても、罹患したマウスは相当の病理を呈するため、約3週間目(離乳直後)に処置を開始した。ファーバー病患者は、一般に診断遅延の期間を経るため、このデザインは臨床的に関連があり、したがって処置が開始される前に確立された疾患を呈する可能性があると我々は考えた。非常に小さいサイズ及び尾静脈への注入が困難であることから、より一貫した投与のために、腹腔内注入を使用することを選択した。しかしながら、臨床において、rhACは、静脈内注射によって投与される可能性がある。他のLSD動物モデルにおける研究は、マウスにおける腹腔内注入に続いて、組換え酵素が、遅延したが持続した血中への放出を呈することを示し、この後にマウスは尾静脈注入と同様の薬理学に従う(Bae et al.,2004)。
【0128】
肝臓は、静脈内注入及び腹腔内注入の両方について、酵素取り込みの主要部位である。対応して、我々の研究では、肝臓は、rhAC投与に対して最も一貫した応答を呈した。ファーバー病マウスにおいて大幅に上昇する肝臓セラミドは、rhAC処置によって正常まで低減した(図6A)。評価された最低用量(1mg/kg)は、肝臓セラミドの80%超の低減を呈した。脾臓、心臓、腎臓、及び肺は各々、同様に著しいセラミド低減を呈した(それぞれ、図6C、6B、6D、及び6F)。驚くべきことに、脳でさえも、1及び3mg/kg用量でいくらかのセラミド低減を呈したが、10mg/kgにおいて、そのレベルは、未処置のファーバーマウスと同様であった(図6E)。
【0129】
ファーバー病マウスにおける3つの組織(脳、肝臓、及び腎臓)が、著しいスフィンゴシン貯蔵を呈したこと、ならびにrhAC処置が、これらの組織の各々からスフィンゴシンの枯渇をもたらしたことも注目に値する(それぞれ、図7E、7A、及び7D)。ファーバー病におけるスフィンゴシン貯蔵の起源は依然として不明であるが、リソソームから、それらが他のセラミダーゼに曝露される他の細胞区画に分布する蓄積セラミドの進行性分解に起因し得る。
【0130】
これらの繰り返し投与実験の主なエンドポイントが生存であったこと、したがって、ファーバー病マウスを、IACUCプロトコルに従って安楽死が必要とされる体重喪失を呈するまで処置したことを認識することが重要である。したがって、同じ用量を受けたとしても、全ての動物が同じ回数の注入を受けたとは限らない。これは、用量群内及び用量群間のデータの変動性に寄与し得る。全体として、我々は、rhAC投与に対するわずかな生存効果(平均約10日)を観察したが、明らかな用量応答はなかった(図4)。
【0131】
興味深いことに、rhAC投与(10mg/kg)を早期年齢(約3日対3週間)で開始したとき、生存効果は著しく延長された(図14)。他のリソソーム貯蔵疾患(LSD)マウスモデルにおける研究は、そのような早期酵素投与が、血液脳障壁の閉鎖遅延に起因して、脳への送達を促進し得ることを示し(Vogler et al.,1999)、我々は、これがこの場合もそうであり得ると仮定した。死因は、ファーバー病マウスにおいて確立されていないが、このモデルにおいて実質的な脳病理が存在し、これが早期死亡に起因し得る。しかしながら、セラミドは、早期処置によって脳内に実質的に低減されず、実際にはさらに上昇した(腎臓と同様)。この発見の根底にある機序は、依然として不明である。
【0132】
今後、これらの用量応答性脂質変化は、さらに評価されるべきである。例えば、なぜ一部の組織がより高い用量でより高いセラミドレベルを示したか、または非常に若年齢でいつ酵素投与が開始されたかという疑問は、その生存促進との関係と同様に、さらなる注目を必要とする。したがって、本明細書に提示されるデータは、ファーバー病マウスにおける組織セラミド及びスフィンゴシンの上昇、及びrhACの繰り返し投与が、大部分の組織におけるこれらの脂質の著しい低減につながったことを明確に示す。
【0133】
また我々は、処置マウスにおける脾臓重量を追跡し、rhAC投与に応答する非常に著しい低減を認めた(図5A)。1mg/kg用量であっても、脾臓サイズはほぼ正常に低減された。処置マウスの血漿中のMCP-1のレベルも同様に決定した。MCP-1は、ファーバー病マウス及び患者の血中で著しく上昇するマクロファージケモカインであり(Alayoubi et al.,2013)、rhAC投与を受けるマウスにおけるMCP-1の著しい低減を観察した(図5B)。1mg/kgを受ける動物において、MCP-1は、約50%低減したが、3mg/kg群及び10mg/kg群において明らかな用量応答は観察されず、正常な動物のレベルに到達することはなかった。MCP-1の低減と一致して、rhAC投与に続くファーバー病マウスの肝臓及び脾臓へのマクロファージ浸潤の低減も観察した。
【0134】
したがって、繰り返し投与研究から、rhACが、a)ファーバー病マウスに安全に投与され得る、b)生理活性であり、組織中の著しいセラミド及びスフィンゴシン変化をもたらす、c)早期投与によって改善され得るわずかな生存利点をもたらす、d)脾臓サイズを正規化する、e)血漿MCP-1を著しく低減する、及びf)組織へのマクロファージ浸潤を低減すると結論付ける。
【0135】
最後に、このファーバー病マウスにモデルは、軟骨部位において目に見える結節を発達させないが、我々は、一次軟骨細胞を単離し、軟骨分化に必須のいくつかの遺伝子(アグリカン、コラーゲン2、sox-9)の非常に低い発現があったことを最初に示した。培養培地へのrhACの添加は、この表現型を訂正することができ、酵素の生理活性及びそれがこの重要な細胞型によって取り込まれ得るという事実をさらに示す。我々及び他は、スフィンゴ脂質と軟骨完全性の間に重要かつ固有の関係があることを示し(Simonaro et al.,2013、Frohbergh et al.,2016)、今後、さらにファーバー病の設定においてこれを調べることは興味深いであろう。
【0136】
全体として、我々は、これらの概念証明研究が、この障害のERTのさらなる開発を支持すると結論付けた。rhAC投与は、組織脂質プロファイルの著しい訂正をもたらし、また少なくとも1つの重要な炎症性サイトカイン(MCP-1)、ならびに組織への炎症性細胞の浸潤を著しく低減した。脾臓重量もまた正規化され、寿命に対するわずかな効果があった。軟骨結節に対するERTの効果は、炎症性プロファイルを低減することに対する酵素の明らかな効果を考慮して、このモデルにおいて評価することができなかったが、結節は、主にこの組織に浸潤された脂質充填マクロファージで構成されるため、ERTを受ける患者において著しく低減されることが予想される。
【0137】
実施例2
方法
rhAC薬物供給及び調製
rhACは、GE Healthcare Life Sciences,Inc.(Marlborough,MA)におけるcGMP条件下、rhACを過剰発現するCHO-Mクローン細胞系の反応器培地から精製された(MST-cp07-cp47)(He et al.,2003)。rhACバルク薬物(Batch EN753-01-15-001)は、9.91mg/mLの濃度で滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の溶液として提供され、0.9%の滅菌生理食塩水を使用して注入のために希釈された。滅菌PBSは、ビヒクル対照として用いた。
【0138】
ファーバーマウス
asah1P361R/P361R変異についてホモ接合性のファーバー病ノックインマウスは、以前に記載されているように、混合された遺伝的背景コロニー(W4/129Sv/CD1)から誘導された(Alayoubi et al.,2013)。野生型同腹子(asah1WT/WT)を健康な対照として用いた。ファーバーホモ接合性またはWTホモ接合性同腹子の遺伝子確認は、離乳直前、3週齢で起こった。全ての生存中実験は、Icahn School of Medicineの動物実験及び使用委員会により、プロトコル番号98-0089の下で承認された。マウスに標準食餌及び水を自由に与え、現行のNIHガイドラインに従って安楽死させた。
【0139】
投与プロトコル
ファーバーマウスは、それらの遺伝子型が確認されると、ローリングベースで6つの処置群のうちの1つに、1群当たり全8動物で割り当てられた。ファーバーマウスに、0(PBS、疾患対照)、0.1、1、3、または10mg/kgのrhACを腹腔内(i.p.)注入によって、およそ3週齢で開始して週1回、6週間にわたって投与した(全6用量)。PBS単独で処置された野生型マウスは、健康な対照として用いた。最終用量後48時間で動物を安楽死させ、末梢血を収集し、サイトカイン分析のための血漿に処理して、以下の組織、肝臓、脾臓、肺、脳、腎臓、気管、大腿骨(無傷の大腿脛骨関節)、心臓、筋肉、及び胸腺を均等に分割し、半分を組織脂質分析のために急速冷凍し、もう半分を組織病理学的処理のためにホルマリン中に固定した。研究の最後に、各研究動物について体重及び各単離組織の重量を記録した。
【0140】
実験プロトコル
全組織セラミド及びスフィンゴシンの定量
最終用量のrhACの48時間後に収集された各組織の半分を急速冷凍し、使用まで-20℃で貯蔵した。第6の最終用量のrhACから48時間後に収集された急速冷凍組織からの全セラミド及びスフィンゴシンの定量は、以前に記載されているように実行した(He et al.,2017)。全セラミドは、セラミドをスフィンゴシンに加水分解し、スフィンゴシン加水分解物を誘導体化し、誘導体化されたスフィンゴシン産生物を定量することによって間接的に定量した。要するに、クロロホルム/メタノール(2:1、v/v)を使用し、伝統的なFolch法によって組織を均質化及び抽出し(Folch et al.,1957)、次いで脂質抽出物を窒素ガス下で乾燥させ、2%のIgepal溶液(Sigma-Aldrich)中で再構成した。各試料中の全セラミドを、2μLの各試料1:1(v/v)を、0.3MのNaCl及び0.2mg/mLのrhAC(pH4.5)を含有する0.2Mのクエン酸/リン酸緩衝液で希釈することによってスフィンゴシンに加水分解し、37℃で1時間インキュベートした。25mMのホウ酸ナトリウム、1.25mMのシアン化ナトリウム、及び1.25mMのナフタレン-2,3-ジカルボキシアルデヒド(pH9)を含有する56μLの蛍光発生緩衝液を添加し、混合物を50℃で10分間インキュベートして、スフィンゴシン加水分解物を誘導体化した。全セラミド(誘導体化されたセラミド加水分解物)の間接的定量は、RP18カラム(20×50mm、1.7マイクロメートル)を備えるWaters Acquity UPLCを使用して達成され、それぞれ252nm及び483nmの励起及び放出波長を使用して検出された(He et al.,2017によって以前に記載されている)。スフィンゴシン定量は、加水分解緩衝液を使用せずに、同じ誘導体化プロトコルに従った。
【0141】
全セラミドは、nmol/mg組織タンパク質として提示され、スフィンゴシンは、pmol/mg組織タンパク質として提示される。
【0142】
血漿MCP-1分析
最終用量のrhACの48時間後及び安楽死の直後に収集された末梢血を、ルーチン方法を使用して血漿に処理し、使用まで-20℃で貯蔵した。血漿単球化学吸引性タンパク質(MCP)-1を、製造元のプロトコルに従って市販のキット(番号MJE00、R&D Systems)を使用し、ELISAによって定量した。血漿MCP-1は、pg/mL血漿として提示される。
【0143】
組織病理学
最終用量のrhACの48時間後に収集された各組織の半分をホルマリン中に固定し、使用まで10%エタノール中、室温で貯蔵した。顕微鏡評価に必要な組織を切り取り、ルーチン的に処理し、パラフィンに包埋し、Charles River Laboratories,Inc.,Durhamによるヘマトキシリン及びエオシンで染色した。顕微鏡評価は、委員会認定の獣医病理学者によって、群1~6(群1=WT対照、群2~6=0(疾患対照)、0.1、1、3、または10mg/kgのrhACでそれぞれ処置されたファーバーマウス)の全ての動物からの全てのプロトコル特定された組織に対して行われた。処置群は盲検ではなかった。全ての利用可能な組織を、光学顕微鏡によって評価した。検査に利用可能である場合、組織は、各研究動物からの6つの脳切片、ならびに肺、気管、食道、甲状腺、骨格筋、胸腺、心臓、脾臓、肝臓、腎臓、及び大腿脛骨関節の各々1切片を含んでいた。
【0144】
病理学的発見は、5等級半定量スケール(最小、軽度、中度、顕著、及び重度)を使用して評価した。最小は、10%未満の罹患した切片領域(または分散成長変化の体積変化)であった。同様に、軽度は10~20%、中度は20~40%、顕著は40~70%、及び重度は70%超であった。病理学等級は、Microsoft Office Excel(2010)を使用して表形式で収集した。
【0145】
結果
約3週齢で開始した4つの異なる用量(0.1、1、3、及び10mg/kg/用量)で6週間にわたるrhAC(rhAC)による処置後に、ファーバーマウスを評価した。図16A~16Gは、第6用量の注入後24時間におけるファーバー病マウスのそれぞれ肝臓、心臓、筋肉、脾臓、肺、腎臓、及び脳中の全セラミド(Cer)に対する異なるrhAC用量の効果を示す。全体として、rhAC投与は、複数の組織において、特に肝臓、脾臓、腎臓、及び心臓において組織セラミド蓄積の阻止につながった。肺、脳、及び骨格筋において、効果は決定的でなかったが、0.1mg/kg/用量でいくらかの薬物関連変化が見られた。
【0146】
処置された及び対照のファーバー病マウスにおいて最終用量の48時間後に収集された末梢血中の血漿単球吸引性タンパク質(MCP)-1を定量した。炎症の全身マーカーであるMCP-1の定量は、0.1mg/kg/用量であっても、rhACの増加に伴って明白な炎症からの移行の明らかな用量応答を示した(図17)。
【0147】
また、最終用量のrhACの48時間後に収集された各組織の半分に対して、組織の組織病理学的アセスメントを実行した。組織球浸潤は、肝臓、脾臓、胸腺、肺、気道及び食道を取り囲む軟組織、骨格筋の結合組織、ならびに白質(前脳、中脳、及び後脳)において頑強かつ多巣性であった。心筋及び腎臓は、病状によって大きく影響されなかった。rhACの用量依存性効果は、肝臓及び膵臓病理において存在していた。脳、肺、胸腺、食道、及び心臓に対する効果は検出されなかった。0.1、1、3、及び10mg/kg/用量のrhACの漸増用量(6つの週1回用量)は、肝臓、膵臓、肝臓の血管、骨髄、ならびにより低い程度で骨格筋及び滑膜軟組織中の病変の発生及び/または重篤度の減少に寄与し得る。rhACの効果は、脳、肺、気管、甲状腺、食道、胸腺、または心臓におけるファーバーマウス病変では検出されなかった。
【0148】
また、ファーバーマウスの骨及び関節病理に対するrhACの影響も評価した。図18Aは、正常なマウスにおける成長板及び滑膜軟組織の組織学を描き、均一な幅の骨端軟骨(成長板)、骨幹及び骨端における頑強な骨梁(白色矢印)、ならびに骨端軟骨から軸髄に放射状に伸びる骨梁を有する海面質内の線形に組織された軟骨細胞(アスタリスク)を示す。図19Aは、ファーバーマウスの骨を4倍拡大で描き、図19Bは、10mg/kg/用量の投与量でのrhACの投与後のファーバーマウスの骨を4倍拡大で描く。図20Aは、ファーバーマウスの骨を10倍拡大で描き、図20Bは、10mg/kg/用量の投与量でのrhACの投与後のファーバーマウスの骨を10倍拡大で描く。驚くべきことに、rhACの投与が、滑膜軟組織(黒色矢じり)、靭帯、及び脂肪パッドの組織球浸潤を減少させ、骨端軟骨の一次海面質を有する軟骨細胞組織(アスタリスク)を改善し、骨幹中のより厚く、より頑強な骨性骨梁(白色矢印)及び脂肪パッドの保持を示した。
【0149】
図18Bは、正常なマウスにおける骨髄の組織学を描き、顕著な好酸球性染色を伴う様々な成熟段階における造血細胞の合流シートを示す。図21Aは、ファーバーマウスの骨髄を4倍拡大で描き、図21Bは、10mg/kg/用量の投与量でのrhACの投与後のファーバーマウスの骨髄を4倍拡大で描く。図22Aは、ファーバーマウスの骨髄を10倍拡大で描き、図22Bは、10mg/kg/用量の投与量でのrhACの投与後のファーバーマウスの骨髄を10倍拡大で描く。驚くべきことに、ファーバーマウスの骨髄が、rhACの投与後に組織球浸潤(正常なマウスに匹敵する)、及びシート中の正常な造血細胞(崩壊していない)を欠いていた。
【0150】
上記の発見は、実施例1における研究と一致して、ファーバー病マウスにおけるERTが、組織セラミド、マクロファージ浸潤、及び血漿MCP-1レベルを含むいくつかの重要なエンドポイントに対して著しい影響を有することを実証した。さらに、rhACの投与は、予想外に骨髄組織球浸潤を妨げ、骨端軟骨異形成を最小化し、滑膜軟組織浸潤をわずかに減少させ、適切な骨梁形成を改善した。追加の予想外の発見としては、滑膜軟組織(腱及び脂肪パッド)及び骨髄の組織球浸潤、結節骨端軟骨(成長板)異形成(大腿骨)、骨端及び骨幹端中の骨梁の現象(大腿骨)、ならびに試料が入手可能である場合、甲状腺切除が挙げられる。
【0151】
rhACで処置されたファーバーマウスの組織中のマクロファージ極性化に対するrhACの効果を描写するために、研究が行われるであろう。組織は、炎症促進性マーカー(例えば、CD38)及び抗炎症マーカー(例えば、CD206)(Jablonski et al.,2015)、ならびにバックアップマーカー(例えば、Erg2及びFpr2など)、及びpan-マクロファージマーカー(例えば、F4/80)(Dworski et al.,2015)で染色することができる。例えば、図23Aは、pan-マクロファージ染色(F4/80)を示し、図23Bは、抗炎症染色(CD206)を示し、図23Cは、図23A及び23Bのオーバーレイを示し、抗炎症マクロファージを示す。
【0152】
文脈に基づいて明らかである、意図される目的のために、本出願において論じられる参考文献(参照によりそれら全体が組み込まれる)。
【0153】
【0154】
本明細書で引用されるあらゆる特許、特許出願、刊行物、及び受託番号の開示は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0155】
本開示は、様々な実施形態を参照して開示されてきたが、これらの他の実施形態及び変形が、本開示の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって考案され得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、そのような実施形態及び同等の変形を全て包含するよう解釈されることが意図される。
【0156】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> Icahn School of Medicine at Mount Sinai
<120> Compositions and Methods for Treating Farber Disease
<150> US 62/446,166
<151> 2017-01-13
<160> 4
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 395
<212> PRT
<213> Artificial
<220>
<223> recombinant human acid ceramidase
<400> 1
Met Pro Gly Arg Ser Cys Val Ala Leu Val Leu Leu Ala Ala Ala Val
1 5 10 15
Ser Cys Ala Val Ala Gln His Ala Pro Pro Trp Thr Glu Asp Cys Arg
20 25 30
Lys Ser Thr Tyr Pro Pro Ser Gly Pro Thr Tyr Arg Gly Ala Val Pro
35 40 45
Trp Tyr Thr Ile Asn Leu Asp Leu Pro Pro Tyr Lys Arg Trp His Glu
50 55 60
Leu Met Leu Asp Lys Ala Pro Val Leu Lys Val Ile Val Asn Ser Leu
65 70 75 80
Lys Asn Met Ile Asn Thr Phe Val Pro Ser Gly Lys Ile Met Gln Val
85 90 95
Val Asp Glu Lys Leu Pro Gly Leu Leu Gly Asn Phe Pro Gly Pro Phe
100 105 110
Glu Glu Glu Met Lys Gly Ile Ala Ala Val Thr Asp Ile Pro Leu Gly
115 120 125
Glu Ile Ile Ser Phe Asn Ile Phe Tyr Glu Leu Phe Thr Ile Cys Thr
130 135 140
Ser Ile Val Ala Glu Asp Lys Lys Gly His Leu Ile His Gly Arg Asn
145 150 155 160
Met Asp Phe Gly Val Phe Leu Gly Trp Asn Ile Asn Asn Asp Thr Trp
165 170 175
Val Ile Thr Glu Gln Leu Lys Pro Leu Thr Val Asn Leu Asp Phe Gln
180 185 190
Arg Asn Asn Lys Thr Val Phe Lys Ala Ser Ser Phe Ala Gly Tyr Val
195 200 205
Gly Met Leu Thr Gly Phe Lys Pro Gly Leu Phe Ser Leu Thr Leu Asn
210 215 220
Glu Arg Phe Ser Ile Asn Gly Gly Tyr Leu Gly Ile Leu Glu Trp Ile
225 230 235 240
Leu Gly Lys Lys Asp Val Met Trp Ile Gly Phe Leu Thr Arg Thr Val
245 250 255
Leu Glu Asn Ser Thr Ser Tyr Glu Glu Ala Lys Asn Leu Leu Thr Lys
260 265 270
Thr Lys Ile Leu Ala Pro Ala Tyr Phe Ile Leu Gly Gly Asn Gln Ser
275 280 285
Gly Glu Gly Cys Val Ile Thr Arg Asp Arg Lys Glu Ser Leu Asp Val
290 295 300
Tyr Glu Leu Asp Ala Lys Gln Gly Arg Trp Tyr Val Val Gln Thr Asn
305 310 315 320
Tyr Asp Arg Trp Lys His Pro Phe Phe Leu Asp Asp Arg Arg Thr Pro
325 330 335
Ala Lys Met Cys Leu Asn Arg Thr Ser Gln Glu Asn Ile Ser Phe Glu
340 345 350
Thr Met Tyr Asp Val Leu Ser Thr Lys Pro Val Leu Asn Lys Leu Thr
355 360 365
Val Tyr Thr Thr Leu Ile Asp Val Thr Lys Gly Gln Phe Glu Thr Tyr
370 375 380
Leu Arg Asp Cys Pro Asp Pro Cys Ile Gly Trp
385 390 395

<210> 2
<211> 2618
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> encodes recombinant human acid ceramidase
<400> 2
ggctcggtcc gactattgcc cgcggtgggg gagggggatg gatcacgcca cgcgccaaag 60
gcgatcgcga ctctccttct gcaggtagcc tggaaggctc tctctctttc tctacgccac 120
ccttttcgtg gcactgaaaa gccccgtcct ctcctcccag tcccgcctcc tccgagcgtt 180
ccccctactg cctggaatgg tgcggtccca ggtcgcgggt cacgcggcgg agggggcgtg 240
gcctgccccc ggcccagccg gctcttcttt gcctctgctg gagtccgggg agtggcgttg 300
gctgctagag cgatgccggg ccggagttgc gtcgccttag tcctcctggc tgccgccgtc 360
agctgtgccg tcgcgcagca cgcgccgccg tggacagagg actgcagaaa atcaacctat 420
cctccttcag gaccaacgta cagaggtgca gttccatggt acaccataaa tcttgactta 480
ccaccctaca aaagatggca tgaattgatg cttgacaagg caccagtgct aaaggttata 540
gtgaattctc tgaagaatat gataaataca ttcgtgccaa gtggaaaaat tatgcaggtg 600
gtggatgaaa aattgcctgg cctacttggc aactttcctg gcccttttga agaggaaatg 660
aagggtattg ccgctgttac tgatatacct ttaggagaga ttatttcatt caatattttt 720
tatgaattat ttaccatttg tacttcaata gtagcagaag acaaaaaagg tcatctaata 780
catgggagaa acatggattt tggagtattt cttgggtgga acataaataa tgatacctgg 840
gtcataactg agcaactaaa acctttaaca gtgaatttgg atttccaaag aaacaacaaa 900
actgtcttca aggcttcaag ctttgctggc tatgtgggca tgttaacagg attcaaacca 960
ggactgttca gtcttacact gaatgaacgt ttcagtataa atggtggtta tctgggtatt 1020
ctagaatgga ttctgggaaa gaaagatgtc atgtggatag ggttcctcac tagaacagtt 1080
ctggaaaata gcacaagtta tgaagaagcc aagaatttat tgaccaagac caagatattg 1140
gccccagcct actttatcct gggaggcaac cagtctgggg aaggttgtgt gattacacga 1200
gacagaaagg aatcattgga tgtatatgaa ctcgatgcta agcagggtag atggtatgtg 1260
gtacaaacaa attatgaccg ttggaaacat cccttcttcc ttgatgatcg cagaacgcct 1320
gcaaagatgt gtctgaaccg caccagccaa gagaatatct catttgaaac catgtatgat 1380
gtcctgtcaa caaaacctgt cctcaacaag ctgaccgtat acacaacctt gatagatgtt 1440
accaaaggtc aattcgaaac ttacctgcgg gactgccctg acccttgtat aggttggtga 1500
gcacacgtct ggcctacaga atgcggcctc tgagacatga agacaccatc tccatgtgac 1560
cgaacactgc agctgtctga ccttccaaag actaagactc gcggcaggtt ctctttgagt 1620
caatagcttg tcttcgtcca tctgttgaca aatgacagat cttttttttt tccccctatc 1680
agttgatttt tcttatttac agataacttc tttaggggaa gtaaaacagt catctagaat 1740
tcactgagtt ttgtttcact ttgacatttg gggatctggt gggcagtcga accatggtga 1800
actccacctc cgtggaataa atggagattc agcgtgggtg ttgaatccag cacgtctgtg 1860
tgagtaacgg gacagtaaac actccacatt cttcagtttt tcacttctac ctacatattt 1920
gtatgttttt ctgtataaca gccttttcct tctggttcta actgctgtta aaattaatat 1980
atcattatct ttgctgttat tgacagcgat ataattttat tacatatgat tagagggatg 2040
agacagacat tcacctgtat atttctttta atgggcacaa aatgggccct tgcctctaaa 2100
tagcactttt tggggttcaa gaagtaatca gtatgcaaag caatctttta tacaataatt 2160
gaagtgttcc ctttttcata attactctac ttcccagtaa ccctaaggaa gttgctaact 2220
taaaaaactg catcccacgt tctgttaatt tagtaaataa acaagtcaaa gacttgtgga 2280
aaataggaag tgaacccata ttttaaattc tcataagtag cattcatgta ataaacaggt 2340
ttttagtttg ttcttcagat tgatagggag ttttaaagaa attttagtag ttactaaaat 2400
tatgttactg tatttttcag aaatcaaact gcttatgaaa agtactaata gaacttgtta 2460
acctttctaa ccttcacgat taactgtgaa atgtacgtca tttgtgcaag accgtttgtc 2520
cacttcattt tgtataatca cagttgtgtt cctgacactc aataaacagt cactggaaag 2580
agtgccagtc agcagtcatg cacgctgatt gggtgtgt 2618

<210> 3
<211> 1276
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> encodes recombinant human acid ceramidase
<400> 3
aagcttaccg ccaccatgaa ctgctgcatc ggcctgggtg agaaggcgcg tggctcgcac 60
cgcgccagct acccctccct gagcgccctc ttcaccgagg cgtccatcct cggattcggg 120
agcttcgccg tcaaggcaca gtggaccgag gattgccgca agagtacgta cccccccagt 180
ggcccgacgt accgcggcgc cgtcccctgg tacacgatca acctggacct ccccccgtac 240
aagcgctggc acgagttgat gctggacaag gcccccgtac tgaaggtcat cgtgaactcc 300
ctgaagaaca tgatcaacac cttcgtcccc tcgggcaaga tcatgcaggt cgtggacgag 360
aagctgcccg ggctcctcgg caacttcccc ggcccgttcg aagaggagat gaagggcatc 420
gcggccgtca ctgacatccc cctgggcgag atcatcagct tcaacatctt ctacgagctg 480
ttcaccatct gcacctccat cgtagccgag gacaagaagg gccacctgat ccacggtcgc 540
aacatggact tcggcgtctt cctgggctgg aacatcaaca acgacacctg ggtcatcacc 600
gagcagctga agccgctcac cgtgaacctc gatttccagc gcaacaacaa gacggtgttc 660
aaggccagct ccttcgccgg gtacgtcggg atgctcacgg gcttcaagcc gggactgttc 720
tcgctgaccc tcaacgagcg gttctccatc aacgggggct acctcggcat cctggagtgg 780
attctcggca agaaggacgt gatgtggatc ggcttcctca cacggaccgt gctggaaaac 840
tccactagtt acgaggaggc caagaacctg ctgaccaaga cgaagatcct ggccccggca 900
tacttcatcc tgggcggcaa ccagtcgggc gaggggtgcg tcatcacccg cgaccggaag 960
gagtccctgg acgtctatga gctggacgcc aagcagggcc gctggtacgt cgtccagacg 1020
aactacgacc gatggaagca ccccttcttc ctcgacgacc ggcgcacgcc cgccaagatg 1080
tgcctgaacc gcaccagcca ggagaacatc tcgttcgaga cgatgtacga cgtgctgtcg 1140
accaagcccg tgctcaacaa gctgacggtc tacaccacgc tgatcgacgt gacgaaaggc 1200
cagttcgaaa cgtacctgcg ggactgcccg gacccttgca tcggctggtg ataatctaga 1260
gtcggggcgg ccggcc 1276

<210> 4
<211> 1276
<212> DNA
<213> Artificial
<220>
<223> encodes recombinant human acid ceramidase
<400> 4
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caattcgaaa cttacctgcg ggactgccct gacccttgta taggttggtg ataacctagg 1260
gtcggggcgg ccggcc 1276
図1
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【配列表】
2023011938000001.app
【手続補正書】
【提出日】2022-12-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファーバー病の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、有効量の約0.1mg/kg~約50mg/kgの組換えヒト酸性セラミダーゼを含む薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
2023011938000001.xml