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特開2023-119381プログラム、情報処理方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119381
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230821BHJP
   G06Q 10/087 20230101ALI20230821BHJP
【FI】
B65G1/137 F
G06Q10/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022262
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 晴彦
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522CC01
3F522DD03
3F522DD29
3F522FF12
3F522GG09
3F522GG17
3F522GG18
3F522GG23
3F522HH02
3F522HH13
3F522HH17
3F522HH37
3F522LL06
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】ピッキング手段にピッキング作業を効果的に割り振ることができるプログラム、情報処理方法及びシステムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、プロセッサによって実行されるプログラムは、前記プロセッサに、ピッキングされる物品を示すオーダーに基づいて、前記物品をピッキングするピッキング手段ごとに、前記物品を格納する棚をピッキングするルート順に示すピッキング作業のリストを生成する機能と、前記リストの生成後に生じる追加のオーダーに基づいて、追加のピッキング作業が示す棚の位置が、前記ピッキング手段の何れかが移動する前記ルート上にある場合、前記位置を前記ルート上に含むピッキング手段のリストに前記追加のピッキング作業を追加する機能と、前記位置が前記ルート上にない場合、前記位置に基づいて前記リストの少なくとも1つを更新する機能と、を実現させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
ピッキングされる物品を示すオーダーに基づいて、前記物品をピッキングするピッキング手段ごとに、前記物品を格納する棚をピッキングするルート順に示すピッキング作業のリストを生成する機能と、
前記リストの生成後に生じる追加のオーダーに基づいて、追加のピッキング作業が示す棚の位置が、前記ピッキング手段の何れかが移動する前記ルート上にある場合、前記位置を前記ルート上に含むピッキング手段のリストに前記追加のピッキング作業を追加する機能と、
前記位置が前記ルート上にない場合、前記位置に基づいて前記リストの少なくとも1つを更新する機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項2】
前記プロセッサに、
前記ピッキング手段の位置を取得する機能を実現させ、
前記リストの少なくとも1つを更新することは、前記ピッキング手段の位置に基づいて前記棚の前記位置に最も近いピッキング手段のリストに前記追加のピッキング作業を追加することである、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記リストの少なくとも1つを更新することは、前記位置に基づいて複数の前記ピッキング手段を選択し、選択された複数の前記ピッキング手段のリストを更新することである、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ピッキング手段を選択することは、前記位置から所定の範囲に存在する前記ピッキング手段を選択することである、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ピッキング手段を選択することは、前記位置から最も近い所定の個数の前記ピッキング手段を選択することである、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
選択された複数の前記ピッキング手段のリストを更新することは、前記ピッキング手段の移動距離が最も小さくなるように、選択された複数の前記ピッキング手段のリストを更新することである、
請求項3乃至5の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記リストを生成することは、前記ピッキング手段の移動距離が最も小さくなるように、前記リストを生成することである、
請求項1乃至6の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プロセッサに、
前記リストを前記ピッキング手段に提供する機能を実現させる、
請求項1乃至7の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
ピッキングされる物品を示すオーダーに基づいて、前記物品をピッキングするピッキング手段ごとに、前記物品を格納する棚をピッキングするルート順に示すピッキング作業のリストを生成し、
前記リストの生成後に生じる追加のオーダーに基づいて、追加のピッキング作業が示す棚の位置が、前記ピッキング手段の何れかが移動する前記ルート上にある場合、前記位置を前記ルート上に含むピッキング手段のリストに前記追加のピッキング作業を追加し、
前記位置が前記ルート上にない場合、前記位置に基づいて前記リストの少なくとも1つを更新する、
情報処理方法。
【請求項10】
情報処理装置と携帯端末とから構成されるシステムであって、
前記情報処理装置は、
前記携帯端末に接続する第1のインターフェースと、
ピッキングされる物品を示すオーダーに基づいて、前記物品をピッキングするピッキング手段ごとに、前記物品を格納する棚をピッキングするルート順に示すピッキング作業のリストを生成し、
前記第1のインターフェースを通じて、前記リストを前記携帯端末に送信し、
前記リストの生成後に生じる追加のオーダーに基づいて、追加のピッキング作業が示す棚の位置が、前記ピッキング手段の何れかが移動する前記ルート上にある場合、前記位置を前記ルート上に含むピッキング手段のリストに前記追加のピッキング作業を追加し、
前記位置が前記ルート上にない場合、前記位置に基づいて前記リストの少なくとも1つを更新する、
第1のプロセッサと、
を備え、
前記携帯端末は、
前記情報処理装置に接続する第2のインターフェースと、
情報を表示するモニタと、
前記第2のインターフェースを通じて前記リストを取得し、
前記リストを前記モニタに表示する、
第2のプロセッサと、
を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プログラム、情報処理方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫などにおいて、オーダーに従ってオペレータなどのピッキング手段に棚から物品をピッキングさせるシステムが提供されている。そのようなシステムは、オーダーごとに物品を収集する摘み取り方式又は複数のオーダーをまとめて物品を収集する種まき方式などでピッキング手段に物品をピッキングさせる。
【0003】
システムは、オペレータの移動距離が短くなるように各ピッキング手段にピッキング作業を割り当てる。
【0004】
従来、システムは、追加のオーダーを受領した場合にピッキング手段の移動距離などが増加して作業効率が低下することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-160935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、ピッキング手段にピッキング作業を効果的に割り振ることができるプログラム、情報処理方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、プロセッサによって実行されるプログラムは、前記プロセッサに、ピッキングされる物品を示すオーダーに基づいて、前記物品をピッキングするピッキング手段ごとに、前記物品を格納する棚をピッキングするルート順に示すピッキング作業のリストを生成する機能と、前記リストの生成後に生じる追加のオーダーに基づいて、追加のピッキング作業が示す棚の位置が、前記ピッキング手段の何れかが移動する前記ルート上にある場合、前記位置を前記ルート上に含むピッキング手段のリストに前記追加のピッキング作業を追加する機能と、前記位置が前記ルート上にない場合、前記位置に基づいて前記リストの少なくとも1つを更新する機能と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係るピッキングシステムの構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係るピッキングシステムの制御系の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る倉庫管理装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る携帯端末の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、第1の実施形態に係るピッキングリストの例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るオペレータのルートの例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る追加のピッキング作業の例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係るピッキングリストの例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係るオペレータのルートの例を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る倉庫管理装置の動作例を示すフローチャートである。
図11図11は、第2の実施形態に係る追加のピッキング作業の例を示す図である。
図12図12は、第2の実施形態に係るピッキングリストの例を示す図である。
図13図13は、第2の実施形態に係るオペレータのルートの例を示す図である。
図14図14は、第2の実施形態に係る倉庫管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
実施形態に係るピッキングシステムは、外部から供給されるオーダーなどに従って物品をピッキングする。ピッキングシステムは、ピッキングされる物品を格納する棚の位置などに基づいてピッキング作業をオペレータ(ピッキング手段)に割り当てる。オペレータは、割り当てられたピッキング作業に従って、棚から物品をピッキングして所定の位置まで搬送する。
たとえば、ピッキングシステムは、物流センタ又は倉庫などで用いられる。
【0010】
図1は、実施形態に係るピッキングシステム100の構成例を示す図である。図1が示すように、ピッキングシステム100は、オペレータα乃至γ、棚A1乃至K12、携帯端末30、検知装置40及び出荷作業場所50などを備える。
【0011】
棚A1乃至K12は、行列状に配置されている。A乃至Kは、棚の列を示す。また、1乃至12は、棚の行を示す。
【0012】
棚A1乃至K12は、物品を予め格納する。ここでは、棚A1乃至K12は、それぞれ同種の物品を格納する。また、棚A1乃至K12は、互いに異なる種類の物品を格納するものであってもよい。また、棚A1乃至K12のいくつかは、同種の物品を格納するものであってもよい。
【0013】
棚A1乃至K12の間には、通路が形成されている。図1が示す例では、棚Bと棚Cとの間、棚Dと棚Eとの間、棚Fと棚Gとの間、及び、棚Hと棚Jとの間に通路が形成されている。
また、棚A乃至Kの両端(図1では、上端と下段)は、通行可能である。
【0014】
オペレータα乃至γは、棚A1乃至K12から物品をピッキングする。オペレータα乃至γは、いくつかの物品をピッキングした後に、ピッキングした物品を出荷作業場所50に搬送する。なお、オペレータα乃至γは、物品を搬送するための容器又はカートなどを有するものであってもよい。
【0015】
また、オペレータα乃至γは、携帯端末30(30a乃至30c)を所持する。後述するように、携帯端末30は、ピッキングする物品を格納する棚及び個数などを表示する。オペレータα乃至γは、携帯端末30の表示に従って物品をピッキングする。
ここでは、オペレータα乃至γは、それぞれ携帯端末30a乃至30cを所持する。
【0016】
携帯端末30は、後述する倉庫管理装置20からの制御に従って種々のデータを表示する。たとえば、携帯端末30は、ピッキングする物品を格納する棚及び個数などを表示する。また、携帯端末30は、自身を所持するオペレータからピッキングが完了したことを示す操作を入力する。携帯端末30については、後に詳述する。
【0017】
検知装置40は、通路に沿って複数個設置されている。検知装置40は、携帯端末30が備える、後述する無線タグ38と無線でデータを送受信する装置である。たとえば、検知装置40は、所定の間隔でポーリング信号を無線で送信する。検知装置40は、ポーリング信号に対してIDなどを含むレスポンスを無線タグ38から受信する。検知装置40は、レスポンスを受信すると、IDなどを倉庫管理装置20に送信する。
【0018】
出荷作業場所50は、オペレータα乃至γから物品を受領する。即ち、出荷作業場所50は、オペレータα乃至γが移動するルートの終着点である。
出荷作業場所50では、物品の出荷作業が行われる。たとえば、出荷作業場所50では、オペレータα乃至γは、物品を箱などのケースに梱包する。また、出荷作業場所50には、出荷作業を行うためのオペレータ又はロボットが設置されてもよい。
【0019】
次に、ピッキングシステム100の制御系について説明する。
図2は、実施形態に係るピッキングシステム100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、ピッキングシステム100は、倉庫管理装置20、携帯端末30及び検知装置40などを備える。倉庫管理装置20は、携帯端末30及び検知装置40に接続する。
【0021】
倉庫管理装置20(情報処理装置)は、1又は複数のコンピュータで実現可能である。倉庫管理装置20は、倉庫内に保管される物品に関する物品管理情報などを記憶する。物品管理情報は、各棚A1乃至K12が格納する物品を示す。
【0022】
倉庫管理装置20は、外部装置から出庫する物品を示すオーダーを取得する。倉庫管理装置20は、オーダーに基づいて、ピッキングする物品を格納する棚及び個数を示すピッキングリストを生成する。倉庫管理装置20は、ピッキングリストを携帯端末30に送信する。
【0023】
次に、倉庫管理装置20について説明する。
図3は、実施形態に係る倉庫管理装置20の構成例を示す。図3は、倉庫管理装置20の構成例を示すブロック図である。図3が示すように、倉庫管理装置20は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、携帯端末インターフェース26、検知装置インターフェース27、操作部28及び表示部29などを備える。
【0024】
プロセッサ21と、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、携帯端末インターフェース26、検知装置インターフェース27、操作部28及び表示部29と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、倉庫管理装置20は、図3が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、倉庫管理装置20から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0025】
プロセッサ21(第1のプロセッサ)は、倉庫管理装置20全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ21は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ21は、内部メモリ、ROM22又はNVM24が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0026】
なお、プロセッサ21がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0027】
ROM22は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM22に記憶される制御プログラム及び制御データは、倉庫管理装置20の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0028】
RAM23は、揮発性のメモリである。RAM23は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM23は、プロセッサ21からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM23は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0029】
NVM24は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM24は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM24は、倉庫管理装置20の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。NVM24は、物品管理情報などを予め格納する。
【0030】
通信部25は、外部装置とデータを送受信するためのインターフェースである。通信部25は、外部装置に接続する。たとえば、通信部25は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートするインターフェースである。
【0031】
携帯端末インターフェース26(第1のインターフェース)は、携帯端末30とデータを送受信するためのインターフェースである。携帯端末インターフェース26は、無線LANのアクセスポイントなどを通じて、携帯端末30に接続する。たとえば、携帯端末インターフェース26は、有線又は無線のLAN接続をサポートするインターフェースである。
【0032】
検知装置インターフェース27は、検知装置40とデータを送受信するためのインターフェースである。検知装置インターフェース27は、無線LANのアクセスポイントなどを通じて、検知装置40に接続する。たとえば、検知装置インターフェース27は、有線又は無線のLAN接続をサポートするインターフェースである。
【0033】
なお、通信部25、携帯端末インターフェース26及び検知装置インターフェース27は、一体的に構成されるものであってもよい。
【0034】
操作部28は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部28は、入力された操作を示す信号をプロセッサ21へ送信する。たとえば、操作部28は、マウス、キーボード又はタッチパネルなどから構成される。
【0035】
表示部29は、プロセッサ21からの画像データを表示する。たとえば、表示部29は、液晶モニタから構成される。なお、操作部28がタッチパネルから構成される場合、表示部29は、操作部28としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0036】
次に、携帯端末30について説明する。
図4は、実施形態に係る携帯端末30の構成例を示す。図4が示すように、携帯端末30は、プロセッサ31、ROM32、RAM33、NVM34、通信部35、操作部36、表示部37及び無線タグ38などを備える。
【0037】
プロセッサ31と、ROM32、RAM33、NVM34、通信部35、操作部36及び表示部37と、は、データバス又はインターフェースなどを介して互いに接続する。
なお、携帯端末30は、図4が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、携帯端末30から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0038】
プロセッサ31(第2のプロセッサ)は、携帯端末30全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ31は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ31は、内部メモリ、ROM32又はNVM34が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0039】
なお、プロセッサ31がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ31は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0040】
ROM32は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM32に記憶される制御プログラム及び制御データは、携帯端末30の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0041】
RAM33は、揮発性のメモリである。RAM33は、プロセッサ31の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM33は、プロセッサ31からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM33は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0042】
NVM34は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM34は、たとえば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM34は、携帯端末30の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0043】
通信部35(第2のインターフェース)は、倉庫管理装置20などと通信するためのインターフェースである。たとえば、通信部35は、無線LANのアクセスポイントなどを通じて倉庫管理装置20に接続する。たとえば、通信部35は、有線又は無線のLAN接続をサポートするインターフェースである。
【0044】
操作部36は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部36は、入力された操作を示す信号をプロセッサ31へ送信する。ここでは、操作部36は、タッチパネルから構成される。
【0045】
表示部37は、プロセッサ31からの画像データを表示する。たとえば、表示部37は、液晶モニタから構成される。ここでは、表示部37は、操作部36としてのタッチパネルと一体的に形成される。
【0046】
無線タグ38は、無線で検知装置40に所定のデータを送信する。たとえば、無線タグ38は、携帯端末30の外層などに添付されている。
【0047】
無線タグ38は、検知装置40などから非接触で電力などの供給を受けて活性化される(動作可能な状態になる)。無線タグ38は、アンテナ及び変復調回路などを介して検知装置40からの電波を受信する。無線タグ38は、当該電波によって駆動する電源部により動作電源及び動作クロックを生成して活性化する。
【0048】
活性化すると、無線タグ38は、アンテナを通じて検知装置40とデータ通信することができる。無線タグ38は、アンテナのインピーダンスを変化させることで、電波の反射及び吸収を行う。
【0049】
たとえば、無線タグ38は、アンテナを通じて検知装置40などからアクセスパスワードなどを受信し、検知装置40との通信を確立する。また、無線タグ38は、アンテナを通じて検知装置40に所定のデータを送信する。ここでは、無線タグ38は、アンテナを通じて自身を識別するIDを検知装置40に送信する。
【0050】
たとえば、無線タグ38は、RFID(radio frequency identifier)タグである。また、無線タグ38は、GEN2(Generation-2)に準拠するものであってもよい。
【0051】
たとえば、携帯端末30は、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン又はウェアラブル端末などである。
【0052】
プロセッサ31は、倉庫管理装置20からの信号に従って種々のデータを表示部37に表示する。たとえば、プロセッサ31は、倉庫管理装置20からのピッキングリストを表示部37に表示する。
【0053】
また、プロセッサ31は、操作部36を通じて種々の操作を入力する。たとえば、プロセッサ31は、操作部36を通じて、ピッキング作業が完了したことを示す操作を入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ31は、通信部35を通じて、当該操作を入力したことを示す信号を倉庫管理装置20に送信する。
【0054】
次に、倉庫管理装置20が実現する機能について説明する。倉庫管理装置20が実現する機能は、プロセッサ21が内部メモリ、ROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0055】
まず、プロセッサ21は、各オペレータのピッキングリストを生成する機能を有する。
たとえば、プロセッサ21は、通信部25を通じて、ピッキングする物品を示すオーダーを外部装置から取得する。プロセッサ21は、複数のオーダーを取得してもよいし、複数の物品を示すオーダーを取得してもよい。
【0056】
オーダーを取得すると、プロセッサ21は、物品管理情報などを参照して、オーダーが示す物品を格納する棚を特定する。棚を特定すると、プロセッサ21は、各オペレータの位置を特定する。
【0057】
たとえば、プロセッサ21は、検知装置インターフェース27を通じて、各検知装置40から無線タグ38のIDを取得する。プロセッサ21は、無線タグ38のIDを取得した検知装置40の位置に基づいて、各携帯端末30の位置(即ち、各オペレータの位置)を特定する。
【0058】
各オペレータの位置を特定すると、プロセッサ21は、ピッキングする物品を格納する棚の位置及びオペレータの位置などに基づいて、ピッキング作業を示すピッキングリストをオペレータごとに生成する。ピッキング作業は、物品を格納する1つの棚と当該棚からピッキングする個数とから構成される。
【0059】
たとえば、プロセッサ21は、各オペレータが移動する距離の合計が最小になるように各オペレータのピッキングリストを生成する。また、プロセッサ21は、オペレータの移動距離が均一になるように各オペレータのピッキングリストを生成してもよい。また、プロセッサ21は、オペレータの移動距離が最小になるように、ピッキングリストにおいてピッキング作業を並び替えてもよい。つまり、プロセッサ21は、ピッキングリストにおいてピッキングルート順に並び変えてもよい。プロセッサ21がピッキングリストを生成する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0060】
図5は、プロセッサ21が生成したピッキングリストの例を示す。また、図6は、各オペレータが移動するルートを示す。また、図6は、ピッキングする物品を格納する棚を黒丸で示す。
【0061】
図5が示すように、オペレータαのピッキングリストは、4つのピッキング作業を示す。オペレータαのピッキングリストは、ピッキング作業として、「A11 2個」(棚A11から2個の物品をピッキングする)を示す。また、ピッキングリストは、ピッキング作業として、「A2 1個」、「B5 1個」及び「C11 1個」を示す。
【0062】
また、図6は、オペレータαのルート60aを示す。ルート60aは、オペレータαの現在の位置から、棚A11、棚A2、棚B5及び棚C11を通過して出荷作業場所50まで到達する。
【0063】
また、図5が示すように、オペレータβのピッキングリストは、4つのピッキング作業を示す。オペレータβのピッキングリストは、ピッキング作業として、「H1 2個」、「J5 1個」、「H11 1個」及び「K11 2個」を示す。
【0064】
また、図6は、オペレータβのルート60bを示す。ルート60bは、オペレータβの現在の位置から、棚H1、棚J5、棚H11及び棚K11を通過して出荷作業場所50まで到達する。
【0065】
また、図5が示すように、オペレータγのピッキングリストは、4つのピッキング作業を示す。オペレータγのピッキングリストは、ピッキング作業として、「E4 1個」、「D1 2個」、「F10 1個」及び「G11 3個」を示す。
【0066】
また、図6は、オペレータγのルート60cを示す。ルート60cは、オペレータγの現在の位置から、棚E4、棚D1、棚F10及び棚G11を通過して出荷作業場所50まで到達する。
【0067】
各オペレータのピッキングリストを生成すると、プロセッサ21は、生成されたピッキングリストをオペレータに提供する。
即ち、プロセッサ21は、携帯端末インターフェース26を通じて、各ピッキングリストを、対応する携帯端末30a乃至30cに送信する。即ち、プロセッサ21は、携帯端末インターフェース26を通じて、オペレータαのピッキングリストを携帯端末30aに送信する。また、プロセッサ21は、携帯端末インターフェース26を通じて、オペレータβのピッキングリストを携帯端末30bに送信する。また、プロセッサ21は、携帯端末インターフェース26を通じて、オペレータγのピッキングリストを携帯端末30cに送信する。
【0068】
また、プロセッサ21は、追加のオーダーを取得し、追加のオーダーに関するピッキング作業を生成する機能を有する。
【0069】
ここで、プロセッサ21は、ピッキングリストを生成または送信した後に、通信部25を通じて追加のオーダーを取得するものとする。
【0070】
追加のオーダーを取得すると、プロセッサ21は、物品管理情報などを参照して、追加のオーダーが示す物品を格納する棚を特定する。棚を特定すると、プロセッサ21は、物品を格納する1つの棚と当該棚からピッキングする個数とを示すピッキング作業(追加のピッキング作業)を生成する。
【0071】
図7は、追加のピッキング作業の例を示す。ここでは、プロセッサ21は、3つの追加のピッキング作業を生成したものとする。図7が示すように、プロセッサ21は、追加のピッキング作業として、「A6 1個」、「K5 1個」及び「F2 2個」を生成したものとする。
【0072】
また、プロセッサ21は、追加のピッキング作業が示す棚の位置に基づいて、ピッキングリストを更新する機能を有する。
ここでは、プロセッサ21は、追加のピッキング作業をオペレータの何れかに割り当てる。即ち、プロセッサ21は、追加のピッキング作業を何れかのピッキングリストに追加する。
【0073】
まず、プロセッサ21は、1つの追加のピッキング作業を設定する。追加のピッキング作業を設定すると、プロセッサ21は、設定された追加のピッキング作業が示す棚の位置を取得する。位置を取得すると、プロセッサ21は、取得された棚の位置が何れかのオペレータのルート上であるかを判定する。即ち、プロセッサ21は、ルートを変更せずに当該棚から物品をピッキングすることができるオペレータが存在するかを判定する。
【0074】
取得された棚の位置が何れかのオペレータのルート上であると判定すると、プロセッサ21は、取得された棚の位置をルート上に含むオペレータのピッキングリストに当該追加のピッキング作業を追加する。即ち、プロセッサ21は、取得された棚の位置をルート上に含むオペレータに当該追加のピッキング作業を割り当てる。
【0075】
取得された棚の位置が何れのオペレータのルート上でないと判定すると、プロセッサ21は、取得された棚の位置に現在最も近いオペレータを特定する。オペレータを特定すると、プロセッサ21は、特定されたオペレータのピッキングリストに当該追加のピッキング作業を追加する。即ち、プロセッサ21は、取得された棚の位置に最も近いオペレータに当該追加のピッキング作業を割り当てる。なお、プロセッサ21は、ここで各オペレータの位置を特定し直してもよい。
【0076】
プロセッサ21は、同様に、各追加のピッキング作業をピッキングリストに追加する。
【0077】
図8は、追加のピッキング作業が追加されたピッキングリストの例を示す。また、図9は、追加のピッキング作業がピッキングリストに追加された後のルートを示す。また、図9は、追加のピッキング作業の棚を白丸で示す。
【0078】
まず、プロセッサ21が追加のピッキング作業としての「A6 1個」をピッキングリストの追加する動作について説明する。
【0079】
プロセッサ21は、棚A6がルート60a上にあると判定する。棚A6がルート60a上にあると判定すると、プロセッサ21は、ルート60aのオペレータとしてオペレータαを特定する。オペレータαを特定すると、プロセッサ21は、オペレータαのピッキングリストに、「A6 1個」を追加する。ここでは、プロセッサ21は、オペレータαがルート60a上において順に物品をピッキングできるように、「A11 2個」と「A2 1個」との間に「A6 1個」を追加する。
【0080】
次に、プロセッサ21が追加のピッキング作業としての「K5 1個」をピッキングリストの追加する動作について説明する。
【0081】
プロセッサ21は、棚K5が何れのルート60a乃至60c上にないと判定する。棚K5が何れのルート60a乃至60c上にないと判定すると、プロセッサ21は、棚K5に最も近いオペレータとしてオペレータβを特定する。オペレータβを特定すると、プロセッサ21は、オペレータβのピッキングリストに、「K5 1個」を追加する。ここでは、プロセッサ21は、ピッキングリストの最後に「K5 1個」を追加する。また、プロセッサ21は、オペレータβの移動距離が最小になるようにオペレータβのピッキングリストを並べ替えてもよい。
【0082】
ピッキングリストに「K5 1個」が追加されると、オペレータβのルートは、ルート60bからルート61bに変更される。ルート61bは、オペレータβの現在の位置から、棚H1、棚J5、棚H11、棚K11及び棚K5を通過して出荷作業場所50まで到達する。
【0083】
次に、プロセッサ21が追加のピッキング作業としての「F2 2個」をピッキングリストの追加する動作について説明する。
【0084】
プロセッサ21は、棚F2がルート60c上にあると判定する。棚F2がルート60c上にあると判定すると、プロセッサ21は、ルート60cのオペレータとしてオペレータγを特定する。オペレータγを特定すると、プロセッサ21は、オペレータγのピッキングリストに、「F2 2個」を追加する。ここでは、プロセッサ21は、オペレータγがルート60c上において順に物品をピッキングできるように、「D1 2個」と「F5 1個」との間に「F2 2個」を追加する。
【0085】
次に、倉庫管理装置20の動作例について説明する。
図10は、倉庫管理装置20の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0086】
まず、倉庫管理装置20のプロセッサ21は、通信部25を通じて、オーダーを外部装置から取得する(S11)。オーダーを取得すると、プロセッサ21は、オーダーに基づいて、各オペレータのピッキングリストを生成する(S12)。
【0087】
各オペレータのピッキングリストを生成すると、プロセッサ21は、携帯端末インターフェース26を通じて、各ピッキングリストを、対応する携帯端末30a乃至30cに送信する(S13)。
【0088】
各ピッキングリストを送信すると、プロセッサ21は、通信部25を通じて、追加のオーダーを取得するものとする(S14)。追加のオーダーを取得すると、プロセッサ21は、追加のオーダーに基づいて追加のピッキング作業を生成する(S15)。
【0089】
追加のピッキング作業を生成すると、プロセッサ21は、1つの追加のピッキング作業を設定する(S16)。1つの追加のピッキング作業を設定すると、プロセッサ21は、設定された追加のピッキング作業の棚の位置が何れかのルート上であるかを判定する(S17)。
【0090】
設定された追加のピッキング作業の棚の位置が何れかのルート上であると判定すると(S17、YES)、プロセッサ21は、棚の位置をルート上に含むオペレータのピッキングリストに当該追加のピッキング作業を追加する(S18)。
【0091】
設定された追加のピッキング作業の棚の位置が何れかルート上でないと判定すると(S17、NO)、プロセッサ21は、棚の位置に最も近いオペレータのピッキングリストに当該追加のピッキングリストを追加する(S19)。
【0092】
ピッキングリストに当該追加のピッキング作業を追加した場合(S18)、又は、ピッキングリストに当該追加のピッキングリストを追加した場合(S19)、プロセッサ21は、他に追加のピッキング作業があるかを判定する(S20)。
【0093】
他に追加のピッキング作業があると判定すると(S20、YES)、プロセッサ21は、S16に戻る。
他に追加のピッキング作業がないと判定すると(S20、NO)、プロセッサ21は、動作を終了する。
【0094】
なお、プロセッサ21は、各オペレータがピッキングする物品の個数、体積又は重量なに上限を設定するものであってもよい。たとえば、プロセッサ21は、オペレータが所持する容器又はカートなどの容量に基づいて上限を設定する。
【0095】
また、プロセッサ21は、各オペレータのルートが重ならないようにピッキングリストを生成するものであってもよい。
【0096】
また、プロセッサ21は、各携帯端末30から携帯端末30の位置(即ち、オペレータの位置)を取得してもよい。この場合、携帯端末30のプロセッサ31は、無線LANなどの電波に基づいて自身の位置を特定し、倉庫管理装置20に自身の位置を示す情報を送信する。プロセッサ21がオペレータの位置を取得する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0097】
また、ピッキング手段は、ロボットであってもよい。この場合、プロセッサ21は、ピッキングリストをピッキング手段に送信するものであってもよい。
【0098】
以上のように構成されたピッキングシステムは、追加のオーダーを取得すると、追加のピッキング作業を生成する。ピッキングシステムは、追加のピッキング作業が示す棚の位置に基づいて、いずれかのオペレータに追加のピッキング作業を割り当てる。その結果、ピッキングシステムは、オペレータの移動距離を抑制しながら追加のオーダーを処理することができる。
【0099】
また、ピッキングシステムは、追加のオーダーを取得する度に全てのピッキング作業をオペレータに割り当て直す場合よりも計算量を削減することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係るピッキングシステムは、追加のオーダーを取得すると複数のオペレータのピッキングリストを更新する点で第1の実施形態のそれと異なる。従って、その他の点については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0100】
第2の実施形態に係るピッキングシステム100の構成は、第1の実施形態に係るそれと同様であるため説明を省略する。
【0101】
次に、倉庫管理装置20が実現する機能について説明する。倉庫管理装置20が実現する機能は、プロセッサ21が内部メモリ、ROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0102】
また、倉庫管理装置20は、第1の実施形態に係る倉庫管理装置20が実現する機能に加えて以下の機能を実現する。
【0103】
プロセッサ21は、追加のピッキング作業が示す棚の位置が何れのオペレータのルート上でない場合、複数個のピッキングリストを更新する機能を有する。
【0104】
ここでは、プロセッサ21は、追加のピッキング作業を生成したものとする。図11は、追加のピッキング作業の例を示す。プロセッサ21は、3つの追加のピッキング作業を生成したものとする。図7が示すように、プロセッサ21は、追加のピッキング作業として、「A6 1個」、「F2 2個」及び「K1 1個」を生成したものとする。
【0105】
前述の通り、プロセッサ21は、1つの追加のピッキング作業を設定する。1つの追加のピッキング作業を設定すると、プロセッサ21は、追加のピッキング作業が示す棚の位置が何れかのオペレータのルート上であるかを判定する。
【0106】
ここでは、プロセッサ21は、追加のピッキング作業が示す棚の位置が何れのオペレータのルート上にないものと判定する。
【0107】
追加のピッキング作業が示す棚の位置が何れのオペレータのルート上にないものと判定すると、プロセッサ21は、当該棚の位置に基づいて複数のオペレータを選択する。
【0108】
たとえば、プロセッサ21は、当該棚の位置から所定の距離内に存在するオペレータを選択する。また、プロセッサ21は、当該棚の位置に最も近い所定の人数(たとえば、最も近い二人など)のオペレータを選択してもよい。また、プロセッサ21は、所定の範囲内に所定の人数のオペレータが居ない場合に該棚の位置に最も近い所定の人数(たとえば、最も近い二人など)のオペレータを選択してもよい。プロセッサ21がオペレータを選択する方法は、特性の方法に限定されるものではない。
【0109】
オペレータを選択すると、プロセッサ21は、選択された複数のオペレータのピッキングリストを更新する。
【0110】
ここでは、プロセッサ21は、選択された各オペレータのピッキングリストを生成し直す。即ち、プロセッサ21は、選択された複数のオペレータのピッキングリストが示すピッキング作業と追加のピッキング作業とを選択された複数のオペレータに割り当てる。
【0111】
たとえば、プロセッサ21は、選択された各オペレータが移動する距離の合計が最小になるように選択された各オペレータのピッキングリストを生成する。また、プロセッサ21は、選択されたオペレータの移動距離が均一になるように選択された各オペレータのピッキングリストを生成してもよい。また、プロセッサ21は、選択されたオペレータの移動距離が最小になるように、ピッキングリストにおいてピッキング作業を並び替えてもよい。プロセッサ21がピッキングリストを生成する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0112】
選択された各オペレータのピッキングリストを更新すると、プロセッサ21は、携帯端末インターフェース26を通じて、各ピッキングリストを、対応する携帯端末30に送信する。
【0113】
図12は、更新後のピッキングリストの例を示す。また、図13は、ピッキングリストが更新された後のルートを示す。また、図13は、追加のピッキング作業の棚を白丸で示す。
【0114】
まず、第1の実施形態と同様に、プロセッサ21は、追加のピッキング作業としての「A6 1個」をオペレータαのピッキングリストに追加する。
【0115】
また、第1の実施形態と同様に、プロセッサ21は、追加のピッキング作業としての「F2 2個」をオペレータγのピッキングリストに追加する。
【0116】
次に、プロセッサ21は、追加のピッキング作業としての「K1 2個」をピッキングリストの追加する動作について説明する。
【0117】
プロセッサ21は、棚K1が何れのルート60a乃至60c上にないと判定する。棚K1が何れのルート60a乃至60c上にないと判定すると、プロセッサ21は、棚K1の位置に基づいて、オペレータを選択する。ここでは、プロセッサ21は、オペレータβ及びオペレータγを選択するものとする。
【0118】
オペレータβ及びオペレータγを選択すると、プロセッサ21は、オペレータβ及びオペレータγのピッキングリストを更新する。即ち、プロセッサ21は、オペレータβのピッキングリストのピッキング作業とオペレータγのピッキングリストのピッキング作業と「F2 2個」とをオペレータβ及びγに割り当て直す。
【0119】
図12が示すように、オペレータβのピッキングリストは、5つのピッキング作業を示す。オペレータβのピッキングリストは、ピッキング作業として、「H1 2個」、「J5 1個」、「H11 1個」、「F10 1個」及び「G11 3個」を示す。
【0120】
また、図13は、オペレータβのルート62bを示す。ルート62bは、オペレータβの現在の位置から、棚H1、棚J5、棚H11、棚F10及び棚G11を通過して出荷作業場所50まで到達する。
【0121】
また、図12が示すように、オペレータγのピッキングリストは、5つのピッキング作業を示す。オペレータγのピッキングリストは、ピッキング作業として、「E4 1個」、「D1 2個」、「F2 2個」、「K5 1個」及び「K1 2個」を示す。
【0122】
また、図13は、オペレータγのルート62cを示す。ルート62cは、オペレータγの現在の位置から、棚E4、棚D1、棚F2、棚K5及び棚K1を通過して出荷作業場所50まで到達する。
【0123】
次に、倉庫管理装置20の動作例について説明する。
図14は、倉庫管理装置20の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0124】
まず、倉庫管理装置20のプロセッサ21は、通信部25を通じて、オーダーを外部装置から取得する(S21)。オーダーを取得すると、プロセッサ21は、オーダーに基づいて、各オペレータのピッキングリストを生成する(S22)。
【0125】
各オペレータのピッキングリストを生成すると、プロセッサ21は、携帯端末インターフェース26を通じて、各ピッキングリストを、対応する携帯端末30a乃至30cに送信する(S23)。
【0126】
各ピッキングリストを送信すると、プロセッサ21は、通信部25を通じて、追加のオーダーを取得するものとする(S24)。追加のオーダーを取得すると、プロセッサ21は、追加のオーダーに基づいて追加のピッキング作業を生成する(S25)。
【0127】
追加のピッキング作業を生成すると、プロセッサ21は、1つの追加のピッキング作業を設定する(S26)。1つの追加のピッキング作業を設定すると、プロセッサ21は、設定された追加のピッキング作業の棚の位置が何れかのルート上であるかを判定する(S27)。
【0128】
設定された追加のピッキング作業の棚の位置が何れかのルート上であると判定すると(S27、YES)、プロセッサ21は、棚の位置をルート上に含むオペレータのピッキングリストに当該追加のピッキング作業を追加する(S28)。
【0129】
設定された追加のピッキング作業の棚の位置が何れかルート上でないと判定すると(S27、NO)、プロセッサ21は、棚の位置に基づいて複数のオペレータを選択する(S29)。複数のオペレータを選択すると、プロセッサ21は、選択された各オペレータのピッキングリストを更新する(S30)。
【0130】
選択された各オペレータのピッキングリストを更新すると、プロセッサ21は、携帯端末インターフェース26を通じて、更新された各ピッキングリストを、対応する携帯端末30に送信する(S31)。
【0131】
ピッキングリストに当該追加のピッキング作業を追加した場合(S28)、又は、更新された各ピッキングリストを、対応する携帯端末30に送信した場合(S31)、プロセッサ21は、他に追加のピッキング作業があるかを判定する(S32)。
【0132】
他に追加のピッキング作業があると判定すると(S32、YES)、プロセッサ21は、S26に戻る。
他に追加のピッキング作業がないと判定すると(S32、NO)、プロセッサ21は、動作を終了する。
【0133】
なお、プロセッサ21は、棚の位置をルート上に含むオペレータのピッキングリストに各追加のピッキング作業を先に追加して、その後にルート上に含まれない棚を示す追加のピッキング作業に基づいてピッキングリストを更新するものであってもよい。また、プロセッサ21は、ルート上に含まれない棚を示す各追加のピッキング作業についてオペレータを先に選択し、その後に選択された各オペレータのピッキングリストを更新してもよい。
【0134】
以上のように構成されたピッキングシステムは、追加のピッキング作業の棚がルート上にない場合、当該棚に近接するオペレータのピッキングリストを更新する。その結果、ピッキングシステムは、追加のオーダーを取得した場合に、より効果的にオペレータにピッキング作業を割り当てることができる。
【0135】
また、ピッキングシステムは、更新するピッキングリストを限定することで計算量を削減することができる。
【0136】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0137】
20…倉庫管理装置、21…プロセッサ、22…ROM、23…RAM、24…NVM、25…通信部、26…携帯端末インターフェース、27…検知装置インターフェース、28…操作部、29…表示部、30…携帯端末、30a…携帯端末、30b…携帯端末、30c…携帯端末、31…プロセッサ、32…ROM、33…RAM、34…NVM、35…通信部、36…操作部、37…表示部、38…無線タグ、40…検知装置、50…出荷作業場所、60a…ルート、60b…ルート、60c…ルート、61b…ルート、62b…ルート、62c…ルート、100…ピッキングシステム、棚…A1乃至K12。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14