(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119460
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】空間モード分散測定装置及び空間モード分散測定方法
(51)【国際特許分類】
G01M 11/02 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
G01M11/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022376
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504155293
【氏名又は名称】国立大学法人島根大学
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】中村 篤志
(72)【発明者】
【氏名】岡本 達也
(72)【発明者】
【氏名】古敷谷 優介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 文彦
(57)【要約】
【課題】参照光の参照経路を用いることなく、結合型マルチコアファイバの空間モード分散の光周波数依存性を取得することができ、試験対象の光ファイバが長尺な場合であっても高精度な測定ができる空間モード分散測定装置及び空間モード分散測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る空間モード分散測定装置は、結合型マルチコア光ファイバを伝搬した試験パルス光と参照パルス光とを干渉させて広帯域インパルス応答波形W1を測定する光線形サンプリング部30と、波形W1を広帯域周波数応答波形W2へフーリエ変換すること、波形W2を所望の光周波数窓で切り出して狭帯域周波数応答波形W4とすること、波形W4を前記光周波数窓の光周波数帯域に対する狭帯域インパルス応答波形W5へ逆フーリエ変換すること、及び波形W5の幅を空間モード分散とすることを行う演算部40と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験対象の結合型マルチコア光ファイバの1つのコアに、任意波長の試験パルス光を繰り返し周波数fで入射する試験光出力部と、
前記試験パルス光と同じ波長、且つ前記周波数fと異なる繰り返し周波数f-Δfの参照パルス光を生成する参照光出力部と、
前記結合型マルチコア光ファイバを伝搬した前記試験パルス光と前記参照パルス光とを干渉させて広帯域インパルス応答波形を測定する光線形サンプリング部と、
前記広帯域インパルス応答波形を広帯域周波数応答波形へフーリエ変換すること、前記広帯域周波数応答波形を所望の光周波数窓で切り出して狭帯域周波数応答波形とすること、前記狭帯域周波数応答波形を前記光周波数窓の光周波数帯域に対する狭帯域インパルス応答波形へ逆フーリエ変換すること、及び前記狭帯域インパルス応答波形の幅を空間モード分散とすることを行う演算部と、
を備える空間モード分散測定装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記広帯域周波数応答波形又は前記狭帯域周波数応答波形に対して波長分散補償を行うことを特徴とする請求項1に記載の空間モード分散測定装置。
【請求項3】
試験対象の結合型マルチコア光ファイバの1つのコアに、任意波長の試験パルス光を繰り返し周波数fで入射すること、
前記試験パルス光と同じ波長、且つ前記周波数fと異なる繰り返し周波数f-Δfの参照パルス光を生成すること、
前記結合型マルチコア光ファイバを伝搬した前記試験パルス光と前記参照パルス光とを干渉させて広帯域インパルス応答波形を光線形サンプリング法で測定すること、
前記広帯域インパルス応答波形を広帯域周波数応答波形へフーリエ変換すること、
前記広帯域周波数応答波形を所望の光周波数窓で切り出して狭帯域周波数応答波形とすること、
前記狭帯域周波数応答波形を前記光周波数窓の光周波数帯域に対する狭帯域インパルス応答波形へ逆フーリエ変換すること、及び
前記狭帯域インパルス応答波形の幅を空間モード分散とすること
を行う空間モード分散測定方法。
【請求項4】
前記広帯域周波数応答波形又は前記狭帯域周波数応答波形に対して波長分散補償を行うことを特徴とする請求項3に記載の空間モード分散測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を測定する空間モード分散測定装置及び空間モード分散測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
結合型マルチコアファイバは、将来の大容量光通信を実現するための媒体として有望な光ファイバの一つである。結合型マルチコアファイバにおける空間モード分散は、光検出器で受信した送信信号を復元するための信号処理の負荷に直結する重要なパラメータである。したがって、結合型マルチコアファイバを用いた伝送路を構築したのちに、伝送を行う帯域での空間モード分散の光周波数依存性を試験することが必要である。
【0003】
例えば、非特許文献1では、波長掃引法によるインパルス応答波形の測定法が開示されている。本手法により得られたインパルス応答波形の拡がりから空間モード分散を取得することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】M. Mazur et al., “Transfer matrix characterization of field-deployed MCFs,” Proc. ECOC 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1の方法は、試験光として波長掃引光を用いるため、同一の光源から出力された試験光と参照光の干渉信号を測定する必要がある。そのために、参照光を光源側から受光器側まで伝送するための試験対象の光ファイバとほぼ同一の長さの参照経路を用意する必要がある。このため、非特許文献1の方法には、実環境に敷設された伝送路の試験を行う際に、参照経路が受ける外乱により測定精度が劣化し、空間モード分散の光周波数依存性を正確に取得することが困難という課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、前記課題を解決するために、参照光の参照経路を用いることなく、結合型マルチコアファイバの空間モード分散の光周波数依存性を取得することができ、試験対象の光ファイバが長尺な場合であっても高精度な測定ができる空間モード分散測定装置及び空間モード分散測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る空間モード分散測定装置は、参照経路が不要な光線形サンプリング法により広帯域インパルス応答波形を取得し、デジタル信号処理により空間モード分散の光周波数依存性を取得することとした。
【0008】
具体的には、本発明に係る空間モード分散測定装置は、
試験対象の結合型マルチコア光ファイバの1つのコアに、任意波長の試験パルス光を繰り返し周波数fで入射する試験光出力部と、
前記試験パルス光と同じ波長、且つ前記周波数fと異なる繰り返し周波数f-Δfの参照パルス光を生成する参照光出力部と、
前記結合型マルチコア光ファイバを伝搬した前記試験パルス光と前記参照パルス光とを干渉させて広帯域インパルス応答波形を測定する光線形サンプリング部と、
前記広帯域インパルス応答波形を広帯域周波数応答波形へフーリエ変換すること、前記広帯域周波数応答波形を所望の光周波数窓で切り出して狭帯域周波数応答波形とすること、前記狭帯域周波数応答波形を前記光周波数窓の光周波数帯域に対する狭帯域インパルス応答波形へ逆フーリエ変換すること、及び前記狭帯域インパルス応答波形の幅を空間モード分散とすることを行う演算部と、
を備える。
【0009】
また、本発明に係る空間モード分散測定方法は、
試験対象の結合型マルチコア光ファイバの1つのコアに、任意波長の試験パルス光を繰り返し周波数fで入射すること、
前記試験パルス光と同じ波長、且つ前記周波数fと異なる繰り返し周波数f-Δfの参照パルス光を生成すること、
前記結合型マルチコア光ファイバを伝搬した前記試験パルス光と前記参照パルス光とを干渉させて広帯域インパルス応答波形を光線形サンプリング法で測定すること、
前記広帯域インパルス応答波形を広帯域周波数応答波形へフーリエ変換すること、
前記広帯域周波数応答波形を所望の光周波数窓で切り出して狭帯域周波数応答波形とすること、
前記狭帯域周波数応答波形を前記光周波数窓の光周波数帯域に対する狭帯域インパルス応答波形へ逆フーリエ変換すること、及び
前記狭帯域インパルス応答波形の幅を空間モード分散とすること
を行う。
【0010】
光線形サンプリング法は、試験光として波長掃引する必要のない広帯域なパルス光を用いるため、試験光用とは異なる光源から出力された光を参照光として用いることができる。このため、参照光用の光源を受光器側に配置することができ、参照光伝送用の参照経路が不要となる。このため、参照経路が受ける外乱による測定精度劣化を回避することができる。
【0011】
従って、本発明は、参照光の参照経路を用いることなく、結合型マルチコアファイバの空間モード分散の光周波数依存性を取得することができ、試験対象の光ファイバが長尺な場合であっても高精度な測定ができる空間モード分散測定装置及び空間モード分散測定方法を提供することができる。
【0012】
本発明に係る空間モード分散測定装置の前記演算部が、前記広帯域周波数応答波形又は前記狭帯域周波数応答波形に対して波長分散補償を行うことが好ましい。波長分散の影響を低減し、より高精度な空間モード分散の光周波数依存性を取得することができる。
【0013】
なお。本発明の空間モード分散測定装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0014】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、参照光の参照経路を用いることなく、結合型マルチコアファイバの空間モード分散の光周波数依存性を取得することができ、試験対象の光ファイバが長尺な場合であっても高精度な測定ができる空間モード分散測定装置及び空間モード分散測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る空間モード分散測定方法の概要を説明する図である。
【
図2】本発明に係る空間モード分散測定装置を説明する図である。
【
図3】本発明に係る空間モード分散測定方法を説明するフローチャートである。
【
図4】空間モード分散を求める処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0018】
[発明の概要]
図1は、本発明に係る空間モード分散測定方法の概要を説明する図である。
(手順1)広帯域インパルス応答波形W1を測定する。
(手順2)広帯域インパルス応答波形W1をフーリエ変換(FFT)することで広帯域周波数応答波形W2を取得する。
(手順3)広帯域周波数応答波形W2から波長分散の影響を除去(波長分散補償)し、広帯域周波数応答波形W3を得る。本手順で、広帯域周波数応答波形W3は広帯域周波数応答波形W2を矩形に近づくように波形改善される。
(手順4)広帯域周波数応答波形W3を任意の光周波数窓で切り出して狭帯域周波数応答波形W4を得る。例えば、100GHz間隔で波長多重する伝送システムに使用する結合型マルチコア光ファイバを評価する場合は、それに合わせて100GHzの範囲を切り出す。
(手順5)狭帯域周波数応答波形W4を逆フーリエ変換することで切り出した光周波数帯域に対する狭帯域インパルス応答波形W5を取得する。そして、狭帯域インパルス応答波形W5の幅から空間モード分散を得る。波長分散によるパルス拡がりを除去したことにより、狭帯域インパルス応答波形W5は広帯域インパルス応答波形W1のパルス幅より狭くなる。
【0019】
なお、波長分散補償は、広帯域周波数応答波形W2に対してではなく、狭帯域周波数応答波形W4に対して行ってもよい。すなわち、手順2の後に手順4を先に行い、その後手順3を行ってもよい。波長分散補償については後述する。
【0020】
[実施形態]
図2は、本実施形態の空間モード分散測定装置301を説明する図である。空間モード分散測定装置301は、
試験対象の結合型マルチコア光ファイバFUTの1つのコアに、任意波長の試験パルス光を繰り返し周波数fで入射する試験光出力部10と、
前記試験パルス光と同じ波長、且つ周波数fと異なる繰り返し周波数f-Δfの参照パルス光を生成する参照光出力部20と、
結合型マルチコア光ファイバFUTを伝搬した前記試験パルス光と前記参照パルス光とを干渉させて広帯域インパルス応答波形W1を測定する光線形サンプリング部30と、
広帯域インパルス応答波形W1を広帯域周波数応答波形W2へフーリエ変換すること、広帯域周波数応答波形W2を所望の光周波数窓で切り出して狭帯域周波数応答波形W4とすること、狭帯域周波数応答波形W4を前記光周波数窓の光周波数帯域に対する狭帯域インパルス応答波形W5へ逆フーリエ変換すること、及び狭帯域インパルス応答波形W5の幅を空間モード分散とすることを行う演算部40と、
を備える。
【0021】
演算部40は、広帯域周波数応答波形W2又は狭帯域周波数応答波形W4に対して波長分散補償を行うことが好ましい。
【0022】
図3は、空間モード分散測定装置301が結合型マルチコア光ファイバFUTの空間モード分散を測定する方法を説明する図である。本方法は、
試験対象の結合型マルチコア光ファイバFUTの1つのコアに、任意波長の試験パルス光を繰り返し周波数fで入射すること、前記試験パルス光と同じ波長、且つ前記周波数fと異なる繰り返し周波数f-Δfの参照パルス光を生成すること、及び前記結合型マルチコア光ファイバを伝搬した前記試験パルス光と前記参照パルス光とを干渉させて広帯域インパルス応答波形W1を光線形サンプリング法で測定するステップS01、
広帯域インパルス応答波形W1を広帯域周波数応答波形W2へフーリエ変換するステップS02、
広帯域周波数応答波形W2を所望の光周波数窓で切り出して狭帯域周波数応答波形W4とするステップS04、
狭帯域周波数応答波形S04を前記光周波数窓の光周波数帯域に対する狭帯域インパルス応答波形W5へ逆フーリエ変換するステップS05、及び
狭帯域インパルス応答波形W5の幅を空間モード分散とするステップS06
を行う。
【0023】
また、本方法は、広帯域周波数応答波形W2又は狭帯域周波数応答波形W4に対して波長分散補償を行うステップS03を行うことが好ましい。なお、
図3では、ステップS02の後にステップS03を行う(広帯域周波数応答波形W2に対して波長分散補償を行う)場合を記載している。本方法は、ステップS04とS05との間にステップS03を行ってもよい(狭帯域周波数応答波形W4に対して波長分散補償を行う)。
【0024】
各ステップについて詳説する。
ステップS01:結合型マルチコア光ファイバFUTの一端において、試験光出力部10が繰り返し周波数fの任意波長λの試験パルス光を1つのコアに入射する。なお、任意波長λは、結合型マルチコア光ファイバFUTを伝送路として使用するときの信号光の波長とすることが好ましい。結合型マルチコア光ファイバFUTを伝搬し、結合型マルチコア光ファイバFUTの他端から出力する試験パルス光は光線形サンプリング部30に入力される。同時に参照光出力部20が繰り返し周波数f-Δfの任意波長λの参照パルス光を光線形サンプリング部30に入力する。光線形サンプリング部30は、偏向ビームスプリッタPBS、光スプリッタSP、光90°ハイブリッド90H、バランス型フォトダイオードBPD、及びA/D変換器を備え、試験パルス光と参照パルス光とを干渉させて広帯域インパルス応答波形W1を光線形サンプリング法で測定する。参照パルス光を結合型マルチコア光ファイバFUTや他の参照光ファイバを経由させる必要がないため、外乱による測定精度の劣化を防止できる。
【0025】
ステップS02:演算部40のインパルス応答取得部41は光線形サンプリング部30から広帯域インパルス応答波形W1を受け取る。そして、演算部40の周波数解析部43は、時間領域である広帯域インパルス応答波形W1をフーリエ変換して周波数領域の広帯域周波数応答波形W2を得る。
【0026】
ステップS03:波長分散補償部42は、周波数解析部43から広帯域周波数応答波形W2を受け取り、波長分散の影響を除去して広帯域周波数応答波形W3を得る。波長分散補償部42は、周波数解析部43に広帯域周波数応答波形W3を渡す。なお、ステップS03をステップS04の後に行う場合、波長分散補償部42は、周波数解析部43から狭帯域周波数応答波形W4aを受け取り、波長分散の影響を除去して狭帯域周波数応答波形W4を得る。波長分散補償部42は、周波数解析部43に狭帯域周波数応答波形W4を渡す。
【0027】
具体的な波長分散の補償方法は次の通りである。
広帯域周波数応答波形W2に次式を乗じることで波長分散を補償することができる。
【数1】
ここで、fは光周波数、zは結合型マルチコア光ファイバFUTの長さである。β
2は、乗算後の波形をIFFT(逆フーリエ変換)したときのインパルス応答幅が最小となる値とする。例えば、乗算とIFFTとの繰り返し計算を行うことにより、インパルス応答幅が最小となるβ
2の値を探索する。また、β
2は、光ファイバの群遅延を試験パルス光の中心周波数及びその周辺周波数でテイラー展開したときの2次微分係数(試験パルス光の中心周波数で定まる定数)である。このため、波長分散とファイバ長が既知の場合、その値から得られたβ
2の値を用いてもよい。
【0028】
なお、 波長分散の影響が無視できるほど小さい場合(結合型マルチコア光ファイバFUTが短い場合)、ステップS03を行う必要はない。
【0029】
ステップS04:周波数解析部43は、広帯域周波数応答波形W3を任意の光周波数窓で切り出し、狭帯域周波数応答波形W4を得る。なお、ステップS03をステップS04の後に行う場合、周波数解析部43は、広帯域周波数応答波形W2を任意の光周波数窓で切り出し、狭帯域周波数応答波形W4aを得ることになる。
【0030】
ステップS05:周波数解析部43は、狭帯域周波数応答波形W4を逆フーリエ変換し、切り出した光周波数帯域に対する時間領域の狭帯域インパルス応答波形W5を得る。
【0031】
ステップS06:空間モード分散算出部44は、狭帯域インパルス応答波形W5の幅から空間モード分散SMDを算出する。
図4のような狭帯域インパルス応答波形W5の強度波形をI(t)とする。まず、次式にて強度波形をI(t)の中心t
cを検出する。
【数2】
続いて次式にてインパルス応答波形の幅を求め、これを空間モード分散SMDとする。
【数3】
【0032】
本実施形態で説明した空間モード分散測定方法は、結合型マルチコアファイバのように複数のモードが伝搬中に強く結合する光ファイバを前提としている。これは、モード間結合が強いファイバと弱いファイバとではインパルス応答波形が異なってくるためである。従って、本発明によれば、結合型マルチコアファイバを含むモード間結合が強い光ファイバにおける空間モード分散の光周波数依存性を取得可能である。
【符号の説明】
【0033】
10:試験光出力部
20:参照光出力部
30:光線形サンプリング部
40:演算部
41:インパルス応答取得部
42:波長分散補償部
43:周波数解析部
44:空間モード分散算出部
301:空間モード分散測定装置